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特許7612346眼鏡フレームおよび眼鏡フレーム用アタッチメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-27
(45)【発行日】2025-01-14
(54)【発明の名称】眼鏡フレームおよび眼鏡フレーム用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/00 20060101AFI20250106BHJP
   G02C 11/00 20060101ALI20250106BHJP
【FI】
G02C5/00
G02C11/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020084869
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021179529
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】598105606
【氏名又は名称】佐藤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 實
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開実用新案第20-2014-0000390(KR,U)
【文献】特開2017-3714(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2015-0002902(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のレンズの周縁を支持し鼻当て部を有するフレーム本体を備えた眼鏡フレームであって、
前記フレーム本体の下端部の背面に、略水平方向に装着者側へのみ突出する左右一対の突出片が、前記フレーム本体と一体に設けられており、前記一対の突出片は、平面視でそれぞれの内側端部が前記鼻当て部に近接して配置されていることを特徴とする眼鏡フレーム。
【請求項2】
前記一対の突出片は、平面視でそれぞれの中央側が凹状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項3】
左右一対のレンズの周縁を支持し鼻当て部を有するフレーム本体を備えた眼鏡フレームであって、
前記フレーム本体の下端部の背面に、左右一対のアタッチメントが、略水平方向に装着者側へのみ突出するように取り付けられており、前記一対のアタッチメントは、平面視でそれぞれの内側端部が前記鼻当て部に近接して配置されていることを特徴とする眼鏡フレーム。
【請求項4】
前記一対のアタッチメントは、平面視でそれぞれの中央側が凹状に湾曲して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の眼鏡フレーム。
【請求項5】
請求項3に記載の眼鏡フレームに取り付けられる前記一対のアタッチメントであって、軟質素材から形成されていることを特徴とする眼鏡フレーム用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク装着時において、装着者本人の呼気によってレンズが曇ることを防止する眼鏡フレームおよび眼鏡フレーム用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
風邪やインフルエンザ等のウィルスや花粉、空気中の微細な塵の吸入、あるいは咳・くしゃみに伴う飛沫の拡散を防ぐために、マスクを着用することがある。特に近年は新型コロナウィルス(COVID-19)の流行により、季節を問わず通年マスクの着用を強いられている状況にある。
【0003】
ところで、眼鏡の利用者がマスクを装着すると、マスクの上縁部やマスク本体を通過した湿気を含み利用者の体温を帯びた呼気が、上昇して眼鏡のレンズの顔面側に進入し、レンズを曇らせ視界を妨害してしまう。このとき、曇ったレンズを布等で拭くのは煩わしく、また、車の運転中など手が離せない状況においてレンズが曇ってしまうと、視界の確保が困難となり大変危険である。
【0004】
このようなレンズの曇りを防止するため、従来、曇り止め眼鏡が提供されている。この曇り止め眼鏡は、眼鏡のフレームまたはレンズの下部に下方に向けて延びるシートが配設されており、シートの上からマスクを装着することで、マスクの上縁部から漏れ出る呼気の流れを変えて、レンズと顔面の間に呼気が進入することを防ぎ、曇りを防止させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-3714号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示されている曇り止め眼鏡は、下方に向けて延びるシートの上からマスクを装着することから、顔面とマスク上端部との間に、シートの厚さ以上の間隙が生じてしまい、該間隙から使用者の飛沫がマスクを通過せずに外部に拡散したり、空気中を漂う微細な塵やウィルスが間隙から口腔内に侵入する虞があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、マスクの密閉性を保持しつつ、眼鏡のレンズの曇りを防止できるようにした眼鏡フレームおよび眼鏡フレーム用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の眼鏡フレームは、
左右一対のレンズの周縁を支持するフレーム本体を備えた眼鏡フレームであって、
前記フレーム本体の下端部に、前記レンズよりも略水平方向内側へ突出する左右一対の突出片が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、眼鏡の使用者がマスクを装着した後に眼鏡を装着することで、レンズよりも略水平方向内側、すなわち使用者の顔面に向けて突出する突出片が、マスク本体部の上端近傍を顔面に向け押圧し、マスク本体部の上端の顔面との間隙を狭めることから、マスク内側の呼気の流れをマスク本体の側部及び下部へと誘導することとなり、マスク内側の湿気を含む呼気がレンズと顔面の間に進入することを防ぎ、レンズが曇ることを防止できる。また、マスク本体を通過して上昇する体温を帯びた呼気においても、突出片の底面がレンズと使用者の顔面との間を塞いでいることから、マスク外側の呼気がレンズと顔面の間に進入することを防ぎ、レンズが曇ることを防止できる。
【0009】
前記眼鏡フレームは、装着者の鼻に当接する左右一対の鼻当て部を備えており、前記一対の突出片は、前記鼻当て部側の端部が略水平方向内側へ向けて延出する延出部を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、マスクを装着した際に形成される鼻から頬にかけてのマスクと顔面との間隙を延出部が外方側から押圧することから、呼気がレンズと顔面の間に進入することを防ぎ、レンズが曇ることを防止できる。
【0010】
前記一対の突出片は、平面視でそれぞれの中央側が凹状に湾曲して形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、マスクの上から本発明の眼鏡フレームが適用された眼鏡を装着した際に、突出片が装着者の顔面形状に沿ってフィットしやすいので、レンズと顔面の間の隙間をもれなく塞ぐばかりか、装着者の快適性を与えることができる。
【0011】
前記一対の突出片は、前記フレーム本体よりも軟質の軟質素材から形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、マスクの上から本発明の眼鏡フレームが適用された眼鏡を装着した際に、突出片が軟質素材から形成されているので着け心地が良い。
【0012】
前記突出片は、前記フレーム本体の下端部の正面視形状に沿って略水平方向に突出されていることを特徴としている。
この特徴によれば、突出部がフレーム本体の下端部の正面視形状に沿って突出されているので、マスクの上から本発明の眼鏡フレームが適用された眼鏡を装着した際に、突出部が他者から目立ちにくく自然に着用できる。
【0013】
前記軟質素材は、シリコンであることを特徴としている。
この特徴によれば、突出片がシリコンから形成されているので着け心地が良い。
【0014】
左右一対のレンズの周縁を支持するフレーム本体を備えた眼鏡フレームに対し取り付けられる眼鏡フレーム用アタッチメントであって、
前記フレーム本体の下端部に取り付けられ、前記レンズよりも略水平方向内側へ突出する左右一対の突出片からなることを特徴としている。
この特徴によれば、眼鏡フレームに眼鏡フレーム用アタッチメントを取り付けることで、眼鏡フレーム用アタッチメントとしての突出片がマスク本体部の上端近傍を皮膚に向け押圧し、マスク本体部の上端の間隙を狭めることから、マスク内の呼気の流れをマスク本体の側部へと誘導することとなり、呼気がレンズと顔面の間に進入することを防ぎ、レンズが曇ることを防止できる。また、マスクを通過して上昇する湿気を帯びた呼気においても、突出片の底面がレンズと使用者の顔面との間を塞いでいることから、レンズが曇ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1における眼鏡フレームを示す斜視図である。
図2】(a)は眼鏡の背面図であり、(b)は眼鏡の側面図であり、(c)は眼鏡の上面図である。
図3】(a)は装着者Aがマスクを装着した態様を示す斜視図であり、(b)は装着者Aがマスクの上から眼鏡を装着した状態を示す斜視図である。
図4】(a)はマスク内における装着者Aの呼気の流れを示す模式図であり、(b)はマスクを通過した呼気が上昇する態様を示す模式図である。
図5】(a)は実施例における眼鏡フレームの変形例を示す背面図であり、(b)は装着者Aがマスクの上から眼鏡フレームの変形例が適用された眼鏡を装着した状態を示す斜視図である。
図6】実施例2における眼鏡フレーム用アタッチメントを示す斜視図である。
図7】(a)は眼鏡フレーム用アタッチメントを汎用眼鏡フレームに取り付ける態様を示す背面図であり、(b)は同じく上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る眼鏡フレームおよび眼鏡フレーム用アタッチメントを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0017】
実施例1に係る眼鏡フレームにつき、図1から図5を参照して説明する。以下、図3(b)のように本発明の眼鏡フレームが適用された眼鏡を装着した装着者に正対した位置を基準に上下左右方向とし、また装着者を基準に前後方向として説明する。
【0018】
先ず図1の符号1は、本発明の眼鏡フレームである。この眼鏡フレーム1は、熱安定性に優れた樹脂により成型されており、左右一対のレンズ20,20が嵌合支持される貫通孔を備えるフレーム本体部2と、フレーム本体部2の側端部から背面側にそれぞれ延びるつる部3,3とから構成されている。眼鏡フレーム1は、一対のレンズ20,20がフレーム本体部2に嵌合支持されることで、眼鏡G1として機能するようになっている。尚、眼鏡フレーム1の素材は、セルロイドやアセテート等のプラスチック素材や、チタンやアルミ等の金属素材としてもよい。
【0019】
図2(a)に示されるように、フレーム本体部2は、レンズ20よりも上側に位置する上縁部2a,2aと、レンズ20の外側に位置する外側縁部2b,2bと、レンズ20の内側に位置する内側縁部2c,2cと、レンズ20よりも下側に位置する下縁部2d,2dと、から主に構成されている。内側縁部2c,2cには、背面側に延びる鼻当て部4,4が形成されており、眼鏡G1の着用時において装着者の鼻に鼻当て部4,4を当接させることで、眼鏡G1を安定して着用できるようになっている。
【0020】
下縁部2d,2dには、下縁部2d,2dからレンズ20,20よりも背面側に延びる左右一対の突出片5,5が、下縁部2d,2dに一体的に形成されている。突出片5,5は、最も鼻当て部4側に近接し位置する内側端部5A,5Aと、最もつる部3側に近接し位置する外側端部5C,5Cと、内側端部5A,5Aと外側端部5C,5Cとを連結する中央部5B,5Bとから主に構成されている。
【0021】
図2(b)に示されるように、突出片5は、フレーム本体部2の下縁部2dから、略水平方向内側へ向けて突出しており、下縁部2dの下端と突出片5の下面5Dが略同一高さに位置するようになっている。これにより、後述するマスクMの上から本発明の眼鏡フレーム1が適用された眼鏡G1を装着した際に、突出片5,5が他者から目立ちにくく自然に着用できるようになっている。尚、本実施例においてはフレーム本体部2と突出片5とは同一素材で一体的に成型されている。
【0022】
図2(c)に示されるように、突出片5の内側端部5Aは、中央部5B及び外側端部5Cよりも背面側に延出されている。また、外側端部5Cにおいても中央部5Bよりも手前側に延出されており、内側端部5Aと外側端部5C間に形成された中央部5Bは、平面視で緩やかな略凹状に湾曲形成されている。また、突出片5の背面側には眼鏡G1の装着時に後述するマスクMの外面上部に当接する当接面5Eが、内側端部5Aから中央部5B及び外側端部5Cに亘って形成されている。更に、内側端部5Aは、鼻当て部4よりも略水平方向内側へ向けて延出している。
【0023】
図3(a)は、装着者AがマスクMを装着した図を示している。マスクMは装着者A口腔部及び鼻Nを被覆し、その上端が頬骨付近を被覆している。マスクMの材質は、強度、肌触り、通気性、及びフィルタ性等を考慮のうえ設計されたウレタンマスクを例に示している。尚、マスクMは、必ずしも本実施例のウレタンマスクに限られず、医療現場等に用いられる不織布を用いたサージカルマスクや、ガーゼ等から作られる布マスクとしてもよい。
【0024】
図3(a)に示されるように、装着者AがマスクMを装着すると、装着者Aの鼻Nの高さにより、装着者Aの鼻Nの左右両側とマスクMの上端の間に、間隙Dが形成されることがある。間隙Dは、装着者Aの鼻Nから頬骨付近にかけての顔面の窪みから、マスクMの上端が離間して生じるものであり、マスクMの構造や装着者Aの鼻Nの高さにより必ずしも生じるものでないものの、マスクMの装着具合で間隙Dを完全に塞ぐことは難しい。装着者Aの呼気は体温と略同じ温度で通常外気よりも高温であることから、マスクM内を上昇し間隙Dから漏出されることとなる。この状態で汎用的な眼鏡を着用すると、間隙Dから漏出された呼気が装着者の顔面と眼鏡のレンズとの間を通過することになり、レンズの背面に呼気に含まれる湿気により水蒸気が付着し、レンズが曇ってしまう。
【0025】
図3(a)に示されるマスクMを着用した状態から、本発明の眼鏡フレーム1が適用された眼鏡G1を装着すると、図3(b)に示される状態となる。眼鏡フレーム1には突出片5,5が形成されているので、突出片5,5の当接面5E(図2(c)参照)がマスクMの外面に当接し、マスクMを装着者Aの顔面に押圧するようになっている。更に、突出片5,5の内側端部5Aが手前側に突出しているので、装着者Aの鼻Nから頬にかけての顔面上の曲率より生じる窪みへ向けてマスクMを押圧することとなり、間隙Dを狭めるようになっている。
【0026】
また、突出片5,5の中央部5Bは、緩やかに湾曲し平面視略凹状に形成されていることから、この中央部5Bが装着者Aの頬骨付近の顔面に接するとともに、その左右両側の内側端部5A、外側端部5Cも連続して顔面に接し、突出片5,5の当接面5Eの略全面が顔面形状に沿って接してフィットしやすい。よって、マスクMの上端近傍を顔面へ向けて押し付けることとなり、レンズ20,20と顔面の間の隙間をもれなく塞ぎながら、装着者Aに快適性を与えることができるようになっている。このように、突出片5,5が、マスクMを装着者Aの顔面側に押圧することで間隙Dが狭まることから、呼気が装着者Aの顔面と眼鏡G1のレンズ20,20との間を通過することを防ぎ、このことからレンズ20,20の手前面に水蒸気が付着し曇ることを防止させるようになっている。更に、内側端部5Aは、鼻当て部4よりも略水平方向内側へ向けて延出していることから、内側端部5Aによる顔面への押圧効果を高め、呼気がレンズ20と顔面との間に進入することを確実に防ぐようになっている。
【0027】
図4(a)に示されるように、装着者AがマスクMの上から眼鏡G1を装着すると、マスクM上端に生じる間隙D(図3(a)参照)が突出片5,5によりマスクMが押圧され狭まることから、マスクMの内面側と装着者Aの顔面との間の呼気は、マスクMの上端側を通過することなく、外側縁部2b,2b側へ誘導されるようになる。誘導された呼気は、外側縁部2b,2bに沿って上昇し漏出されることとなるので、レンズ20,20の背面に水蒸気が付着しレンズが曇ることが防止されるようになっている。
【0028】
また、マスクMを通過し、マスクMの外面側で顔面に沿って上昇する呼気においては、突出片5が有する下面5Dが、装着者Aの顔面と眼鏡G1のレンズ20,20との間を塞いでいることから、呼気が装着者Aの顔面と眼鏡G1のレンズ20,20との間を通過することを防ぐようになっており、これにより図4(b)に示されるように、上昇した呼気がレンズ20,20の外面側へ誘導されるようになっている。ここで突出片5の下面5Dは、中央部5B側から外側端部5C側にかけて滑らかに上方を向くように曲面に形成されているため、マスクMの外面側を上昇する呼気をレンズ20,20の外面側へ誘導しやすい。
【0029】
図5(a)は、上述した眼鏡フレーム1の変形例を示す眼鏡フレーム10背面図である。尚、上記実施例と重複する構成については同じ符号を付して説明を省略する。変形例における眼鏡フレーム10には、突出片50,50がフレーム本体部12よりも背面側に延出されている。この突出片50,50は、最も鼻当て部14側に近接し位置する内側端部50A,50Aと、最もつる部13側に近接し位置する外側端部50C,50Cと、内側端部50A,50Aと外側端部50C,50Cとを連結する中央部50B,50Bとから主に構成されている。
【0030】
突出片50の外側端部50Cは、フレーム本体部12の外側縁部12bにおける略中央部を起点に手前側に延出されている。また、突出片50の内側端部50Aは、鼻当て部14の下端から連続して手前側に接続されている。このことから、図5(b)に示されるように、装着者AがマスクMの上から変形例における眼鏡フレーム10が適用された眼鏡G2を装着すると、突出片50がマスクMを装着者Aの顔面に押圧することでマスクMの上端に生じる間隙を狭め、かつ、突出片50がレンズ20と装着者Aとの間を広範囲に亘って塞ぐことから、レンズ20,20の手前面に装着者Aの呼気による水蒸気が付着しレンズが曇ることを防ぐようになっている。
【0031】
以上説明したように、左右一対のレンズ20の周縁を支持するフレーム本体部2を備えた眼鏡フレーム1であって、フレーム本体部2の下縁部2dに、レンズ20よりも略水平方向内側へ突出する左右一対の突出片5が設けられていることから、眼鏡G1の装着者AがマスクMを装着した後に眼鏡G1を装着することで、レンズ20よりも略水平方向内側、すなわち装着者Aの顔面に向けて突出する突出片5が、マスクMの上端近傍を顔面に向け押圧し、マスクMの上端の顔面との間隙Dを狭めることから、マスクMの内側の呼気の流れをマスクMの側部及び下部へと誘導することとなり、マスクM内側の湿気を含む呼気がレンズ20と顔面の間に進入することを防ぎ、レンズ20が曇ることを防止できる。また、マスクMを通過して上昇する体温を帯びた呼気においても、突出片5の下面5Dがレンズ20と装着者Aの顔面との間を塞いでいることから、マスクM外側の呼気がレンズ20と顔面の間に進入することを防ぎ、レンズ20が曇ることを防止できる。
【0032】
また、眼鏡フレーム1は、装着者Aの鼻に当接する左右一対の鼻当て部4を備えており、一対の突出片5は、鼻当て部4側の端部が略水平方向内側へ向けて延出する延出部としての内側端部5Aを有していることから、マスクMを装着した際に形成される鼻から頬にかけてのマスクMと顔面との間隙Dを内側端部5Aが外方側から押圧することから、呼気がレンズ20と顔面の間に進入することを防ぎ、レンズ20が曇ることを防止できる。
【0033】
また、一対の突出片5は、平面視でそれぞれの中央側が凹状に湾曲して形成されていることから、マスクMの上から本発明の眼鏡フレーム1が適用された眼鏡G1を装着した際に、突出片5が装着者の顔面形状に沿ってフィットしやすいので、レンズ20と顔面の間の隙間をもれなく塞ぐばかりか、装着者Aに快適性を与えることができる。
【0034】
また、突出片5は、フレーム本体部2の下端部の正面視形状に沿って略水平方向に突出されていることから、突出部5がフレーム本体部2の下縁部2dの正面視形状に沿って突出されているので、マスクMの上から本発明の眼鏡フレーム1が適用された眼鏡G1を装着した際に、突出部5が他者から目立ちにくく自然に着用できる。
【実施例2】
【0035】
次に、実施例2に係る眼鏡フレーム用アタッチメントについて図6及び図7を用いて説明する。尚、上記実施例と重複する構成及びその効果については説明を省略する。眼鏡フレーム用アタッチメントは、汎用的な眼鏡フレームの下縁部に接着等により取り付けられる一対の突出片6,6であり、汎用的な眼鏡フレームよりも軟質のシリコン、ビニールシート、プラスチックフイルム、あるいは紙材等の軟質素材から成型されている。
【0036】
眼鏡フレーム用アタッチメントとしての突出片6は、汎用的な眼鏡フレームの下縁部に接着させるための接着テープ60が貼着される平坦面が形成された取付面6Aと、取付面6Aの一方側部から他方側部にかけて形成され眼鏡フレーム用アタッチメント6の両側面及び手前面を構成する当接面6Bと、平坦に形成された上面6Cと、該上面と同形状の下面6Dとから形成されている。
【0037】
図7(a)、(b)に示されるように、眼鏡フレーム用アタッチメントとしての突出片6を汎用的な眼鏡フレーム11に取り付ける際には、接着テープ60が貼着された取付面6A側を、汎用的な眼鏡フレーム11のレンズ20よりも下方の下縁部11aの背面に接するように対向して接着する。眼鏡フレーム用アタッチメント6の当接面6Bは、装着者Aの顔面側に配置されるようになっている。当接面6Bは、汎用的な眼鏡フレームの鼻当て部11b側に近接し配設される内側端部16A,16Aと、最もつる部11c側に近接し配設される外側端部16C,16Cと、内側端部16A,16Aと外側端部16C,16Cとを連結する中央部16B,16Bとから主に構成されている。
【0038】
図7(a)に示されるように突出片6の内側端部16Aは、中央部16B及び外側端部16Cよりも手前側に延出されている。また、外側端部16Cにおいても中央部16Bよりも手前側に延出されていることから、内側端部16Aと外側端部16C間に形成された中央部16Bは、緩やかに湾曲し平面視略凹状に形成されている。
【0039】
このようにして眼鏡フレーム用アタッチメントとしての突出片6を汎用的な眼鏡フレーム11に取り付け、マスクMを装着した上から突出片6が適用された眼鏡G3を装着することで、突出片6がマスクMを装着者Aの顔面側に押圧し間隙を狭めることから、呼気が装着者Aの顔面と眼鏡G3のレンズとの間を通過することを防ぎ、レンズの手前面に水蒸気が付着し曇ることを防止させるようになっている。
【0040】
また、左右一対のレンズ20の周縁を支持するフレーム本体を備えた眼鏡フレーム11に対し取り付けられる眼鏡フレーム用アタッチメントであって、フレーム本体の下縁部11aに取り付けられ、レンズよりも略水平方向内側へ突出する左右一対の突出片6からなることから、眼鏡フレーム11に眼鏡フレーム用アタッチメントを取り付けることで、眼鏡フレーム用アタッチメントとしての突出片6がマスク本体部の上端近傍を皮膚に向け押圧し、マスクMの上端の間隙を狭めることから、マスクM内の呼気の流れをマスクMの側部へと誘導することとなり、呼気がレンズと顔面の間に進入することを防ぎ、レンズが曇ることを防止できる。また、マスクMを通過して上昇する湿気を帯びた呼気においても、突出片の底面がレンズと使用者の顔面との間を塞いでいることから、レンズが曇ることを防止できる。
【0041】
また、一対の突出片6は、フレーム本体部よりも軟質のシリコンから形成されていることから、マスクMの上から眼鏡G3を装着した際に、突出片6が軟質素材から形成されているので着け心地が良い。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0043】
例えば、前記実施例1では、フレーム本体部2と突出片5とは同一素材で一体的に成型されていると説明したが、フレーム本体部2と突出片5とがそれぞれ異なる素材で一体的に成型されてもよい。
【0044】
また、前記実施例では、レンズ20が透光性を備える度入りのレンズを想定し説明したが、遮光に用いられるサングラスに適用してもよい。
【0045】
また、前記実施例では、鼻当て部4がフレーム本体部2と一体成型されている眼鏡フレームを例に説明したが、これに限られず、内側縁部2cにネジを用いて配設された鼻当て部を有する眼鏡フレームに突出片を設けることとしてもよい。
【0046】
また、前記実施例では、突出片5の内側端部5Aは、中央部5B及び外側端部5Cよりも手前側に延出されていると説明したがこれに限られず、装着者の顔面形状に合わせて延出量を調整してもよいし、内側端部5Aと中央部5Bと外側端部5Cとが均一に延出されることとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 眼鏡フレーム
2 フレーム本体部
5 突出片
5A 内側端部(延出部)
5B 中央部
5C 外側端部
5D 下面
5E 当接面
6 突出片(眼鏡フレーム用アタッチメント)
6A 取付面
6B 当接面
6C 上面
6D 下面
20 レンズ
50 突出片
60 接着テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7