(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20250107BHJP
H04N 13/307 20180101ALI20250107BHJP
H04N 13/366 20180101ALI20250107BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20250107BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20250107BHJP
【FI】
G06T19/00 A
H04N13/307
H04N13/366
H04N21/431
H04N21/442
(21)【出願番号】P 2022015245
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】加来 航
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0281280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
H04N 13/307
H04N 13/366
H04N 21/431
H04N 21/442
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定し、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成し、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定し、
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力する
制御部を備え、
前記制御部は、
前記目の三次元座標位置が時間とともに変位する場合、前記複数の視聴者のそれぞれについて、
現時点から所定時間前の目の三次元座標位置に基づいて、現時点から所定時間後の目の三次元座標位置を予測し、
予測した前記目の三次元座標位置に応じた予測画像を生成し、
予測した前記目の三次元座標位置に基づいて、生成した前記予測画像を出力するチャネルを特定し、
特定した当該チャネルに生成した前記予測画像を出力する、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、特定した前記チャネルに対応付けられた光線の出射角に隣接する出射角に対応付けられたチャネルにも前記画像を出力する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記複数の視聴者の間で予測した前記目の三次元座標位置が一致する場合、
前記複数の視聴者のうち、予測した前記目の三次元座標位置が前記ライトフィールドディスプレイに最も近い視聴者の目の三次元座標位置に応じた予測画像を出力する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項
1又は3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
予測した前記目の三次元座標位置が前記ライトフィールドディスプレイの視域角の範囲外に位置する場合、
前記所定時間前の前記目の三次元座標位置に基づいて、前記視域角の限界値に相当する目の三次元座標位置を推測し、
推測した前記目の三次元座標位置に応じた推測画像を生成し、
前記視域角の限界値に対応付けられたチャネルを特定し、
特定した当該チャネルに生成した前記推測画像を出力する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記光線の出射方向に前記複数の視聴者のうち何れの視聴者も存在しないと判断した場合、当該光線の出射角に対応付けられたチャネルについては、所定画像を出力すると決定し、或いは画像を出力しないと決定する、情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置が実行する方法であって、
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定すること、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成すること、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力すること
を含
み、
前記目の三次元座標位置が時間とともに変位する場合、前記複数の視聴者のそれぞれについて、
現時点から所定時間前の目の三次元座標位置に基づいて、現時点から所定時間後の目の三次元座標位置を予測すること、
予測した前記目の三次元座標位置に応じた予測画像を生成すること、
予測した前記目の三次元座標位置に基づいて、生成した前記予測画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した当該チャネルに生成した前記予測画像を出力すること
を含む、方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定すること、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成すること、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力すること
を実行さ
せ、
前記目の三次元座標位置が時間とともに変位する場合、前記複数の視聴者のそれぞれについて、
現時点から所定時間前の目の三次元座標位置に基づいて、現時点から所定時間後の目の三次元座標位置を予測すること、
予測した前記目の三次元座標位置に応じた予測画像を生成すること、
予測した前記目の三次元座標位置に基づいて、生成した前記予測画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した当該チャネルに生成した前記予測画像を出力すること
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体感のある画像を表示可能なライトフィールドディスプレイに関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ライトフィールドディスプレイの各画素から出射される光を制御することで、視聴者の視認する任意の虚像を投影する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、1つのライトフィールドディスプレイを複数の視聴者が視聴する場合、例えば各視聴者の視点に対応する画素の準備及び各画素から出射される光の制御が視聴者の増加に伴って困難となる場合がある。従って、複数の視聴者に対して立体感のある画像を提供する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、複数の視聴者に対して立体感のある画像を提供する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定し、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成し、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定し、
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定すること、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成すること、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力すること
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
ライトフィールドディスプレイの複数の視聴者のそれぞれについて、
目の三次元座標位置を特定すること、
特定した前記目の三次元座標位置に応じた画像を生成すること、
特定した前記目の三次元座標位置に基づいて、前記ライトフィールドディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルのうち、生成した前記画像を出力するチャネルを特定すること、及び
特定した前記チャネルに生成した前記画像を出力すること
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、複数の視聴者に対して立体感のある画像を提供する技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の一実施形態に係るライトフィールドディスプレイと複数の視聴者との位置関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、情報処理装置10と、第1のLFD(Light Field Display)20と、第1のカメラ30と、第2のLFD40と、第2のカメラ50と、を備える。情報処理装置10、第1のLFD20、及び第2のLFD40は、ネットワーク60と通信可能に接続される。
【0014】
情報処理装置10は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータである。
【0015】
第1のLFD20及び第2のLFD40は、任意の物体が放つ光線を再現可能なライトフィールド方式が採用された任意のディスプレイである。第1のLFD20及び第2のLFD40は、ディスプレイから出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられた複数のチャネルを有する。第1のLFD20及び第2のLFD40は、各チャネルに入力された画像を、出射方向が画面左右方向となる光線として出力することで、超多視点の画像を実現する。なお、画面左右方向の視域角は、例えば130度であるが、これに限られない。また、光線の数は、例えば光線1乃至69の69個であるが、これに限られない。また、チャネルの数は、例えばチャネル1乃至69の69個であるが、これに限られない。また、画像は、動画像又は静止画像を含む。また、第1のLFD20及び第2のLFD40は、例えば、視域角が130度であるライトフィールド方式が採用された任意のディスプレイを複数枚(例えば3枚)組み合わせてなるディスプレイであってもよい。
【0016】
第1のカメラ30及び第2のカメラ50は、例えばカラー画像に加えて距離画像を取得可能なRGB-Dカメラであるが、これに限られない。本実施形態において、第1のカメラ30は、第1のLFD20の画面下側中央部に設けられるが、これに限られない。また、本実施形態において、第2のカメラ50は、第2のLFD40の画面下側中央部に設けられるが、これに限られない。
【0017】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0018】
【0019】
情報処理装置10の制御部11は、第1のLFD20の複数の視聴者A及びBのそれぞれについて、目の三次元座標位置を特定する。そして、制御部11は、特定した目の三次元座標位置に応じた画像を生成する。そして、制御部11は、特定した目の三次元座標位置に基づいて、第1のLFD20から出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられたチャネルのうち、生成した画像を出力するチャネルを特定する。そして、制御部11は、特定したチャネルに生成した画像を出力する。
【0020】
このように、本実施形態によれば、複数の視聴者のそれぞれについて、目の三次元座標位置に対応するライトフィールドディスプレイのチャネルに、目の三次元座標位置に応じた画像が出力される。したがって、複数の視聴者に対して立体感のある画像を提供する技術を改善することができる。
【0021】
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を説明する。
【0022】
情報処理装置10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備える。
【0023】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は、情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。本実施形態において、制御部11は、仮想空間内に配置された任意の三次元モデルの被写体像を撮像可能な仮想カメラの動作を制御する。
【0024】
通信部12は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部12は、情報処理装置10の動作に用いられるデータを受信する。また、通信部12は、情報処理装置10の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
記憶部13は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部13は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部13には、情報処理装置10の動作に用いられるデータと、情報処理装置10の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態において、情報処理装置10の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及びテクスチャ画像等を含む。
【0026】
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の動作について説明する。この動作は、本開示の一実施形態に係る方法に相当する。
【0027】
本例では、複数の視聴者に相当する視聴者A及び視聴者Bが、ライトフィールドディスプレイに相当する第1のLFD20を視聴しており、第2のLFD40の前に位置する視聴者Cとオンライン会議を行っているものとする。ただし、本開示はこれに限られず、視聴者の数は任意に定められてもよい。
【0028】
ステップS100:情報処理装置10の制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、目の三次元座標位置を特定する。
【0029】
具体的には、情報処理装置10の制御部11は、第1のカメラ30によって撮像された視聴者Aの目の三次元座標位置(xA、yA、zA)を特定する。また、制御部11は、第1のカメラ30によって撮像された視聴者Bの目の三次元座標位置(xB、yB、zB)を特定する。なお、座標系(x、y、z)は、実空間の座標系であって、例えば
図4に示すように、画面中央に原点Oが取られ、第1のLFD20の画面右方向にx軸が取られ、画面上方向にy軸が取られ、画面手前方向にz軸が取られるものとするが、本開示はこれに限られない。
【0030】
ステップS110:情報処理装置10の制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、ステップS100で特定した目の三次元座標位置に応じた画像を生成する。
【0031】
具体的には、情報処理装置10の制御部11は、第2のカメラ50によって撮像された視聴者Cの画像に基づいて、視聴者Cに相当する三次元モデルを生成する。なお、三次元モデルは、例えばテクスチャマッピング技術によってテクスチャ画像が投影されたポリゴンから構成されてもよいが、これに限られない。そして、制御部11は、生成した三次元モデルを仮想空間内に配置する。そして、制御部11は、ステップS100で特定した視聴者Aの目の三次元座標位置(xA、yA、zA)に対応する仮想空間の三次元座標位置(XA、YA、ZA)に仮想カメラA1を配置する。また、制御部11は、ステップS100で特定した視聴者Bの目の三次元座標位置(xB、yB、zB)に対応する仮想空間の三次元座標位置(XB、YB、ZB)に仮想カメラB1を配置する。なお、実空間の三次元座標位置(x、y、z)は、任意の方法で予め定められた座標変換によって、仮想空間の三次元座標位置(X、Y、Z)と対応付けられる。そして、制御部11は、仮想カメラA1の視界(撮像範囲)内に存在する視聴者Cに相当する三次元モデルの被写体像を含む画像A2を生成(レンダリング)する。また、制御部11は、仮想カメラB1の視界(撮像範囲)内に存在する視聴者Cに相当する三次元モデルの被写体像を含む画像B2を生成(レンダリング)する。従って、画像A2は、仮想カメラA1を視点として、仮想空間内の視聴者Cに相当する三次元モデルを眺めた画像である。また、画像B2は、仮想カメラB1を視点として、仮想空間内の視聴者Cに相当する三次元モデルを眺めた画像である。
【0032】
ステップS120:情報処理装置10の制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、ステップS100で特定した目の三次元座標位置に基づいて、第1のLFD20から出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられたチャネルのうち、ステップS110で生成した画像を出力するチャネルを特定する。
【0033】
具体的には、情報処理装置10の制御部11は、
図4に示す実空間の座標系において、視聴者Aに対してはベクトル(0、0、1)とベクトル(xA、0、zA)とのなす角θAを特定し、視聴者Bに対してはベクトル(0、0、1)とベクトル(xB、0、zB)とのなす角θBを特定する。そして、制御部11は、第1のLFD20から出射される複数の光線(例えば光線1乃至69)のうち、特定したθと出射角が一致する光線に対応付けられたチャネル、又は特定したθに出射角が最も近い光線に対応付けられたチャネルを特定する。例えば、制御部11は、θAに対しては光線30に対応付けられたチャネル30を特定し、θBに対しては光線50に対応付けられたチャネル50を特定する。
【0034】
ステップS130:情報処理装置10の制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、ステップS120で特定したチャネルにステップS110で生成した画像を出力する。
【0035】
具体的には、情報処理装置10の制御部11は、通信部12を介して、ステップS120で特定したチャネル30に画像A2を出力する。また、制御部11は、通信部12を介して、ステップS120で特定したチャネル50に画像B2を出力する。これにより、視聴者Aは画像A2を視聴し、視聴者Bは画像B2を視聴することができる。ここで、チャネルは、物理的な入力端子ではなく、入力映像上の区画に対応する。この場合、例えば69個に区画された1つの映像がHDMI(登録商標)端子でシリアル入力され、第1のLFD20側で適宜合成等される。なお、チャネルは、物理的な入力端子に対応してもよい。この場合、第1のLFD20は、例えば69個のHDMI(登録商標)端子を有することになる。
【0036】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置10の制御部11は、第1のLFD20の複数の視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、目の三次元座標位置を特定する。そして、制御部11は、特定した目の三次元座標位置に応じた画像を生成する。そして、制御部11は、特定した目の三次元座標位置に基づいて、第1のLFD20から出射される複数の光線にそれぞれ対応付けられたチャネルのうち、生成した画像を出力するチャネルを特定する。そして、制御部11は、特定したチャネルに生成した画像を出力する。
【0037】
かかる構成によれば、複数の視聴者のそれぞれについて、目の三次元座標位置に対応するライトフィールドディスプレイのチャネルに、目の三次元座標位置に応じた画像が出力される。したがって、複数の視聴者に対して立体感のある画像を提供する技術を改善することができる。
【0038】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0039】
一変形例として、情報処理装置10の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。例えば、上述した実施形態におけるステップS110の処理のうち視聴者A側の処理及び視聴者B側の処理と視聴者C側の処理とを互いに通信可能な2つのコンピュータに分散して実行させてもよい。
【0040】
また、一変形例として、情報処理装置10の制御部11は、上述した実施形態におけるステップS120において特定したチャネルに対応付けられた光線の出射角に隣接する出射角に対応付けられたチャネルにも、上述した実施形態におけるステップS110で生成した画像を出力してもよい。例えば、制御部11は、
図4に示されるθAに隣接するθA-1に対しては光線29に対応付けられたチャネル29を特定し、θAに隣接するθA+1に対しては光線31に対応付けられたチャネル31を特定する。また、制御部11は、
図4に示されるθBに隣接するθB-1に対しては光線49に対応付けられたチャネル49を特定し、θBに隣接するθB+1に対しては光線51に対応付けられたチャネル51を特定する。そして、制御部11は、通信部12を介して、チャネル30の他にチャネル29及びチャネル31にも画像A2を出力し、チャネル50の他にチャネル49及びチャネル51にも画像B2を出力する。本変形例によれば、視聴者A及び視聴者Bの動きに伴うレイテンシーを改善することができる。
【0041】
また、一変形例として、情報処理装置10の制御部11は、以下の処理を実行することにより、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれの動きを予測した予測画像を出力してもよい。具体的には、制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、現時点から所定時間前の目の三次元座標位置に基づいて、現時点から所定時間後の目の三次元座標位置を予測する。なお、現時点から所定時間前の目の三次元座標位置は、上述した実施形態におけるステップS100と同様にして特定され、記憶部13に予め格納されてもよい。また、所定時間は任意に定められる。そして、制御部11は、上述した実施形態におけるステップS110と同様にして、予測した目の三次元座標位置に応じた予測画像を生成する。そして、制御部11は、上述した実施形態におけるステップS120と同様にして、予測した目の三次元座標位置に基づいて、生成した予測画像を出力するチャネルを特定する。そして、制御部11は、上述した実施形態におけるステップS130と同様にして、特定した当該チャネルに生成した予測画像を出力する。ここで、視聴者A及び視聴者Bの間で予測した目の三次元座標位置が一致する場合、制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのうち、予測した目の三次元座標位置が第1のLFD20に最も近い視聴者の目の三次元座標位置に応じた予測画像を出力してもよい。本変形例によれば、視聴者A及び視聴者Bの動きに伴うレイテンシーを改善することができる。なお、本変形例は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれが、第1のLFD20の画面左右方向に移動する場合の他に、画面上下方向及び画面前後方向に移動する場合にも適用可能である。
【0042】
また、一変形例として、情報処理装置10の制御部11は、視聴者A及び視聴者Bのそれぞれについて、上述した変形例と同様にして予測した目の三次元座標位置が第1のLFD20の視域角(例えば130度)の範囲外に位置する場合、以下の処理を実行してもよい。具体的には、制御部11は、現時点から所定時間前の目の三次元座標位置に基づいて、視域角の限界値に相当する目の三次元座標位置を推測する。そして、制御部11は、上述した実施形態におけるステップS110と同様にして、推測した目の三次元座標位置に応じた推測画像を生成する。そして、制御部11は、視域角の限界値に対応付けられたチャネル(例えばチャネル1又はチャネル69)を特定する。そして、制御部11は、特定したチャネル(例えばチャネル1又はチャネル69)に、生成した推測画像を出力する。
【0043】
また、一変形例として、情報処理装置10の制御部11は、上述した実施形態におけるステップS100で特定した目の三次元座標位置に基づいて、第1のLFD20の光線の出射方向に視聴者A及び視聴者Bのうち何れの視聴者も存在しないと判断した場合、当該光線の出射角に対応付けられたチャネルについては、所定画像を出力すると決定してもよく、或いは画像を出力しないと決定してもよい。なお、所定画像は、例えば
図4に示されるz軸に対応付けられた仮想空間の座標軸上に配置された仮想カメラを視点として視聴者Cに相当する三次元モデルが配置された仮想空間を眺めた画像であってもよいが、これに限られない。
【0044】
また、一変形として、視聴者A及び視聴者Bには、オンライン会議に代えて、三次元ゲーム等の任意の三次元コンテンツが提供されてもよい。この場合、上述した実施形態におけるステップS110で生成される画像A2は、仮想カメラA1を視点として、仮想空間を眺めた三次元ゲームに登場するキャラクタに相当する三次元モデルを含む画像であってもよいが、これに限られない。また、上述した実施形態におけるステップS110で生成される画像B2は、仮想カメラB1を視点として、仮想空間を眺めた三次元ゲームに登場するキャラクタに相当する三次元モデルを含む画像であってもよいが、これに限られない。
【0045】
また、一変形例として、視聴者Cが視聴するディスプレイは、第2のLFD40に代えて、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescence)等の従来型の二次元ディスプレイであってもよい。
【0046】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 システム
10 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
20 第1のLFD(ライトフィールドディスプレイ)
30 第1のカメラ
40 第2のLFD(ライトフィールドディスプレイ)
50 第2のカメラ
60 ネットワーク