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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-06
(45)【発行日】2025-01-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/005 20060101AFI20250107BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20250107BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20250107BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20250107BHJP
【FI】
G08G1/005
G08G1/16 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022038585
(22)【出願日】2022-03-11
(65)【公開番号】P2023132961
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100224694
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】樫村 貴士
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴裕
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/240070(WO,A1)
【文献】特開2017-211915(JP,A)
【文献】国際公開第2015/122406(WO,A1)
【文献】特開2021-064134(JP,A)
【文献】特開2019-067282(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0337794(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 23/00-29/14
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
第1ユーザの移動手段を判定し、
前記第1ユーザの位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したか否かを判定し、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力し、
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力せず、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件であり、
前記第2条件は、前記1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したという条件であり、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザによる前記安全行動が検出された場合、前記第1通知とは異なる第2通知を提示する第2指示を出力し、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断があった場合、前記第1通知及び前記第2通知とは異なる第3通知を提示する第3指示を出力し、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断がなかった場合、前記第3指示を出力しない、情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記1つ以上のチェックポイントは、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの入力に基づかずに設定される第1チェックポイント、及び前記第2ユーザの入力に基づいて設定される第2チェックポイントの少なくとも一方を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項又はに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記少なくとも1つのチェックポイントと前記第1ユーザとの距離Dが閾値Dth未満になった場合、前記第1ユーザが前記少なくとも1つのチェックポイントに接近したと判定し、
前記第1ユーザの前記移動手段が徒歩である場合よりも自転車である場合の方がDthが長くなるように設定する、情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置が実行する方法であって、
第1ユーザの移動手段を判定すること、
前記第1ユーザの位置情報を取得すること、
前記位置情報に基づいて、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したか否かを判定すること、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力すること、及び
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力しないこと、を含み、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件であり、
前記第2条件は、前記1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したという条件であり、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザによる前記安全行動が検出された場合、前記第1通知とは異なる第2通知を提示する第2指示を出力すること、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断があった場合、前記第1通知及び前記第2通知とは異なる第3通知を提示する第3指示を出力すること、及び
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断がなかった場合、前記第3指示を出力しないことを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記1つ以上のチェックポイントは、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの入力に基づかずに設定される第1チェックポイント、及び前記第2ユーザの入力に基づいて設定される第2チェックポイントの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項6】
請求項又はに記載の方法であって、
前記少なくとも1つのチェックポイントと前記第1ユーザとの距離Dが閾値Dth未満になった場合、前記第1ユーザが前記少なくとも1つのチェックポイントに接近したと判定すること、及び
前記第1ユーザの前記移動手段が徒歩である場合よりも自転車である場合の方がDthが長くなるように設定することを更に含む、方法。
【請求項7】
情報処理装置に、
第1ユーザの移動手段を判定すること、
前記第1ユーザの位置情報を取得すること、
前記位置情報に基づいて、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したか否かを判定すること、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力すること、及び
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力しないこと、を実行させるプログラムであって、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件であり、
前記第2条件は、前記1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに前記第1ユーザが接近したという条件であり、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザによる前記安全行動が検出された場合、前記第1通知とは異なる第2通知を提示する第2指示を出力すること、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断があった場合、前記第1通知及び前記第2通知とは異なる第3通知を提示する第3指示を出力すること、及び、
前記第1指示の出力後、前記第1ユーザが前記安全行動未検出のまま前記周辺エリアから出、且つ、前記周辺エリア内で前記第1ユーザによる道路横断がなかった場合、前記第3指示を出力しないことを更に実行させる、プログラム。
【請求項8】
請求項に記載のプログラムであって、
前記1つ以上のチェックポイントは、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの入力に基づかずに設定される第1チェックポイント、及び前記第2ユーザの入力に基づいて設定される第2チェックポイントの少なくとも一方を含む、プログラム。
【請求項9】
請求項又はに記載のプログラムであって、
前記少なくとも1つのチェックポイントと前記第1ユーザとの距離Dが閾値Dth未満になった場合、前記第1ユーザが前記少なくとも1つのチェックポイントに接近したと判定すること、及び
前記第1ユーザの前記移動手段が徒歩である場合よりも自転車である場合の方がDthが長くなるように設定することを前記情報処理装置に更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通安全教育に関する技術が知られている。例えば特許文献1には、移動者の動作に基づき所定動作が行われたことを判断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/240070号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
交通安全教育に関する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、交通安全教育に関する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
第1ユーザの移動手段を判定し、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力し、
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力せず、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件である、情報処理装置。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
第1ユーザの移動手段を判定すること、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力すること、及び
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力しないこと、を含み、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件である。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
情報処理装置に、
第1ユーザの移動手段を判定すること、
第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、前記第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力すること、及び
前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、前記第1指示を出力しないこと、を実行させるプログラムであって、
前記第1条件は、前記第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、交通安全教育に関する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】演算装置の概略構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
図5】乗り物判定の具体例を示すフローチャートである。
図6】自転車判定の具体例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
図9】一変形例に係るシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、端末装置10と、演算装置20と、を備える。端末装置10及び演算装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30を介して通信可能に接続される。
【0013】
端末装置10は、ユーザが使用可能な任意の情報処理装置である。例えば、端末装置10としては、ユーザが所持するウェアラブル機器、スマートフォン又はPC(Personal Computer)等の汎用の装置が用いられてもよい。「ウェアラブル機器」は、具体的には、バッジ型、腕時計型、又は被服型デバイス等の、ユーザの被服又は身体の任意の位置に装着可能なモバイル機器である。端末装置10は、本実施形態ではユーザに着用される帽子の、着用時側頭部側の位置に装着されるバッジ型のウェアラブル機器であるが、これらの例に限られず、任意の汎用の装置を任意の位置に装着可能である。端末装置10のユーザは、本実施形態では典型的には子供(例えば、7歳児)であるが、これに限られない。
【0014】
演算装置20は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置等の任意の情報処理装置である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。本実施形態に係る情報処理装置は、端末装置10である。端末装置10は、第1ユーザの移動手段を判定する。端末装置10は、第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力する。「安全行動」とは、第1ユーザの身を守る行動のことであり、例えば、第1ユーザが道路を横断する前に左右確認を行うことが挙げられる。端末装置10は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、第1指示を出力しない。本実施形態において、第1条件は、第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件である。「旅客車両」とは、旅客輸送を目的とする鉄道車両、路面電車、路線バス、タクシー等の車両のことである。本明細書において、旅客車両は、第1ユーザ自身の移動手段として用いられる自転車及び電動キックボード等の軽車両を含まない。以下では、軽車両の代表例として自転車を例に説明するが、他の軽車両を排除することを意図したものではない。本明細書では、旅客車両及び自転車を「乗り物」と総称する。本実施形態において、第2条件は、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに第1ユーザが接近したという条件である。「チェックポイント」とは、交通安全の観点から第1ユーザの身に危険が及びやすい地点のことであり、例えば、交差点又は事故多発地点が挙げられる。換言すると、チェックポイントは、第1ユーザの身の安全を確保するために、何らかの安全行動が必要とされる地点である。端末装置10は、第1ユーザの位置情報を取得する。端末装置10は、位置情報に基づいて、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに第1ユーザが接近したか否かを判定する。
【0016】
このように、本実施形態によれば、第1条件及び第2条件の両方が満たされた場合にだけ、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示が出力される。具体的には、歩行中又は自転車に乗車中の第1ユーザが何れかのチェックポイントに接近したときに、安全行動を促すための音声である第1通知が提示される。以下では、安全行動を促すための通知を提示することを「報知」ともいう。ここで、例えば第1ユーザが旅客車両に乗車中に何れかのチェックポイントに接近したときは、第1ユーザ自身による安全行動は必ずしも必要ではないと考えられる。しかしながら、従来は、チェックポイントへの接近という位置情報によってのみ報知を行うか否かが判断されている。このため、第1ユーザが旅客車両に乗車中である場合も、チェックポイントへの接近が検出されたときは報知が行われ、第1通知が提示される。つまり、第1通知が不要なタイミングで提示され得る。このため、第1ユーザに煩わしさを与えやすかった。一方、本実施形態によれば、第1ユーザが旅客車両に乗車中である場合は報知が行われないので、第1通知が不要なタイミングで提示されることを回避しやすくなる。したがって、第1ユーザの煩わしさを軽減でき、報知の効果を維持しやすくなる点で、交通安全教育に関する技術が改善される。
【0017】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0018】
(端末装置の構成)
図2に示すように、端末装置10は、通信部11と、取得部12と、出力部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。
【0019】
通信部11は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含んでもよい。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、端末装置10は、通信部11を介してネットワーク30に接続される。なお、端末装置10は、通信部11及びネットワーク30を介して、例えば端末装置10のユーザ(後述する第1ユーザ)とは異なるユーザ(後述する第2ユーザ)が所持するスマートフォン又はPC(Personal Computer)等の汎用の装置と通信してもよい。
【0020】
取得部12は、端末装置10のユーザの位置情報を取得する1つ以上の装置を含む。具体的には、取得部12は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する受信機を含むが、これに限られず、任意の衛星測位システムに対応する受信機を含んでもよい。また、取得部12は、端末装置10を保持するユーザの挙動を示す情報を取得可能な任意のセンサモジュールも含む。「ユーザの挙動」とは、例えば左右確認をすること、一時停止をすること、進行方向前方を向いて歩くこと、進行方向後方を向いて歩くこと、又は走ること等である。具体的には、センサモジュールは、カメラ、赤外線センサ、速度センサ、角速度センサ、加速度センサ、地磁気センサ、又はこれらの組合せを含む。
【0021】
出力部13は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力装置を含む。当該出力装置は、例えば情報を音声で出力するスピーカ、情報を映像で出力するディスプレイ、又は振動等の体感刺激をユーザに与える駆動装置等であるが、これらに限られない。
【0022】
入力部14は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力装置を含む。当該入力装置は、例えば物理キー、静電容量キー、出力部13のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、音声入力を受け付けるマイク、又はカメラ等であるが、これらに限られない。
【0023】
記憶部15は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部15に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部15は、端末装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0024】
本実施形態において、記憶部15は、ユーザデータベース及び通知データベースを記憶する。
【0025】
ユーザデータベースには、ユーザ毎に、「位置情報」、「乗り物フラグ」、及び「自転車フラグ」を有するユーザデータが含まれる。
【0026】
「位置情報」は、地図上におけるユーザの位置を示す情報である。
【0027】
「乗り物フラグ」は、ユーザが乗り物に乗車中であるか否かを示す情報である。ONは、ユーザが乗り物に乗車中であることを、OFFは、ユーザが乗り物に乗車中ではないことを示す。
【0028】
「自転車フラグ」は、ユーザが自転車に乗車中であるか否かを示す情報である。ONは、ユーザが自転車に乗車中であることを、OFFは、ユーザが自転車に乗車中ではないことを示す。
【0029】
通知データベースには、「第1通知」及び「第1通知ID」を有する通知データが含まれる。通知データベースには更に、「第2通知」、「第2通知ID」、「第3通知」、及び「第3通知ID」を有する通知データが含まれてもよい。
【0030】
「第1通知」は、報知に相当する通知のデータである。
【0031】
「第1通知ID」は、第1通知を一意に識別する情報である。
【0032】
「第2通知」は、ユーザに肯定的な判定結果を提示するための通知のデータである。
【0033】
「第2通知ID」は、第2通知を一意に識別する情報である。
【0034】
「第3通知」は、ユーザに否定的な判定結果を提示するための通知のデータである。
【0035】
「第3通知ID」は、第3通知を一意に識別する情報である。
【0036】
制御部16は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部16は、端末装置10全体の動作を制御する。制御部16によって制御される端末装置10の動作の詳細については後述する。
【0037】
(演算装置の構成)
図3に示すように、演算装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。
【0038】
通信部21は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、演算装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して端末装置10と通信する。なお、演算装置20は、通信部21及びネットワーク30を介して、例えば端末装置10のユーザ(後述する第1ユーザ)とは異なるユーザ(後述する第2ユーザ)が所持するスマートフォン又はPC等の汎用の装置と通信してもよい。
【0039】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、演算装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0040】
制御部23は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。制御部23は、演算装置20全体の動作を制御する。
【0041】
(システムの動作フロー)
図4を参照して、第1実施形態に係るシステム1の動作について説明する。図4の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。図4の動作は、端末装置10の動作を示している。図4の動作は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。
【0042】
ステップS100:端末装置10の制御部16は、端末装置10のユーザである第1ユーザの移動手段を判定する。
【0043】
移動手段の判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、図5に示すような動作(以下、「乗り物判定」ともいう。)を実行することで、第1ユーザの移動手段を判定してもよい。乗り物判定とは、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かを判定する処理のことである。乗り物判定は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。以下、図5を参照して乗り物判定について説明する。
【0044】
ステップS200:制御部16は、第1ユーザの速度Sが0km/h超であるか否かを判定する。速度Sが0km/h超であると判定された場合(ステップS200-Yes)、プロセスは、ステップS201に進む。一方、速度Sが0km/h超でない、すなわち速度Sが0km/hと等しい(例えば、第1ユーザが停止している)と判定された場合(ステップS200-No)、プロセスは、終了する。
【0045】
速度Sが0km/h超であるか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの速度Sを示す情報を取得し、速度Sが0km/h超となったことが検出されたときに、速度Sが0km/h超であると判定してもよい。
【0046】
ステップS201:制御部16は、乗り物フラグがONであるか否かを判定する。乗り物フラグがONであると判定された場合(ステップS201-Yes)、プロセスは、ステップS207に進む。一方、乗り物フラグがOFFであると判定された場合(ステップS201-No)、プロセスは、ステップS202に進む。
【0047】
具体的には、制御部16は、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの乗り物フラグがONであるか否かを判定する。
【0048】
ステップS202:制御部16は、速度Sが閾値Sth1を超え、且つ、第1ユーザの加速度Aが閾値Ath1未満であるか否かを判定する。速度Sが閾値Sth1を超え、且つ、加速度Aが閾値Ath1未満であると判定された場合(ステップS202-Yes)、プロセスは、ステップS204に進む。一方、速度Sが閾値Sth1以下であり、且つ、加速度Aが閾値Ath1以上であると判定された場合(ステップS202-No)、プロセスは、ステップS203に進む。
【0049】
具体的には、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの速度Sを示す情報を取得する。制御部16は、速度Sが閾値Sth1を超えるか否かを判定する。閾値Sth1としては、第1ユーザが歩行中でなく乗り物に乗車中であると推定可能な任意の速度(例えば、10km/h以上)を設定し得る。以下、閾値Sth1以下の速度を「歩行域の速度」ともいう。また、制御部16は、取得部12を介して、X軸(第1ユーザの前後方向)、Y軸(第1ユーザの左右方向)、又はZ軸(第1ユーザの上下方向)のうちの少なくとも一方向の加速度を示す情報を、加速度Aとして取得する。ここで、歩行者は一般に、踵接地直後に接地時の反動により急激にZ軸正方向(すなわち、第1ユーザの上方向)へ加速度を生じることが知られている。かかる加速度は、乗り物の乗客は通常生じ得ない、歩行者特有の加速度である。したがって、制御部16は、Z軸正方向の加速度を、加速度Aとして取得してもよい。そして、制御部16は、加速度Aが閾値Ath1未満であるか否かを判定する。閾値Ath1としては、第1ユーザが歩行中であると推定可能な任意の加速度(例えば、Z軸正方向に1m/s以上)が設定可能である。以下、閾値Ath1以上の加速度を「歩行域の加速度」ともいう。なお、説明の便宜上、速度Sを取得してから加速度Aを取得するかのように記述しているが、速度Sと加速度Aは、逆順に又は並行して取得されてもよい。
【0050】
ここで、ステップS202の判定において、第1ユーザの速度Sだけでなく加速度Aも加味する理由を説明する。ステップS202の判定を第1ユーザの速度Sのみに基づいて行う場合、以下のような問題が生じる。例えば、第1ユーザの乗車中の旅客車両が減速又は停車した際に、速度Sが歩行域の速度となったことが検出されたとする。このとき、第1ユーザが実際には乗り物に乗車中であっても、歩行中であると直ちに判定され得る。つまり、誤判定が生じ得る。一方、速度Sに加えて加速度Aも加味すれば、速度Sが歩行域の速度となったことが検出されたときでも、歩行者特有の加速度が検出されない限り、第1ユーザが歩行中であると直ちに判定されることはない。その結果、誤判定を回避しやすくなる。したがって、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かの判定精度を高めることができる。
【0051】
なお、速度S及び加速度Aは、一時点の測定値に限られず、所定時間にわたって取得される測定値の代表値(例えば、平均値)であってもよい。所定時間としては、任意の時間が設定可能である。測定値は、継続的に取得されても所定間隔で取得されてもよい。例えば、Z軸正方向への加速度は、乗り物の一種である路線バスが障害物に乗り上げた際にも検出される。その場合、一時点の加速度の測定値を加速度Aとして取得すると、実際には乗り物に乗車中の第1ユーザが歩行中であるとの誤判定が生じ得る。そこで、第1ユーザの加速度を所定時間にわたって測定した結果の代表値を加速度Aとして取得すれば、かかる誤判定を更に回避しやすくなる。したがって、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かの判定精度を更に高めることができる。
【0052】
また、加速度Aに基づいて、第1ユーザが乗り物に乗り込む動作(以下、「乗り込み行動」ともいう。)を検出することもできる。乗り込み行動とは、第1ユーザが乗り物に乗り込んだものと推定可能な行動のことである。例えば、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かを速度Sのみに基づいて判定する場合、乗り物が移動し始めて所定時間が経過するまでは、第1ユーザが乗り物に乗車中であるとの判定がなされることはない。このため、乗り物が移動し始めた直後にチェックポイントへの接近が検出されると、報知が行われてしまう。一方、加速度Aも加味することで乗り込み行動に基づいて乗り物に乗車中であるか否かを判定すれば、乗り物が移動し始めた直後にチェックポイントへの接近が検出されたときも、報知は行われない。したがって、第1ユーザの煩わしさを更に軽減でき、報知の効果を更に維持しやすくなる。
【0053】
乗り込み行動の検出には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの位置情報を取得してもよい。制御部16は、取得された位置情報に基づいて、地図情報で示される地図上における第1ユーザの移動経路を解析し、解析結果に応じて乗り込み行動の有無を判定してもよい。例えば、制御部16は、第1ユーザの位置が鉄道駅のプラットフォームから線路上に移動したことが検出された時点で、第1ユーザによる鉄道車両への乗り込み行動があったものと推定し、報知を行わないようにしてもよい。また例えば、制御部16は、歩道側にあった第1ユーザの位置がZ軸方向の加速度の変化を伴いながら道路側に移動したことが検出された時点で、第1ユーザによる路線バス又はタクシー等の旅客車両への乗り込み行動があったものと推定し、報知を行わないようにしてもよい。また、制御部16は、第1ユーザが所持するスマートフォン等の装置から、ネットワーク30を介して、第1ユーザが鉄道駅又は路線バスの自動改札機を通過したことを示す情報を取得してもよい。この場合、制御部16は、かかる情報が取得された時点で、第1ユーザによる旅客車両への乗り込み行動があったものと推定し、報知を行わないようにしてもよい。これにより、誤判定を更に回避しやすくなる。したがって、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かの判定精度を更に高めることができる。
【0054】
このような理由から、本実施形態では、第1ユーザの速度Sだけでなく加速度Aも加味して、ステップS202の判定を行う。
【0055】
ステップS203:速度Sが閾値Sth1以下であり、且つ、加速度Aが閾値Ath1以上であると判定された場合(ステップS202-No)、制御部16は、乗り物フラグをOFFに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0056】
具体的には、速度Sが閾値Sth1以下であり、且つ、加速度Aが閾値Ath1以上である場合、制御部16は、第1ユーザが現在歩行中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースの乗り物フラグをOFFに維持する。例えば、ステップS203の典型的なケースは、第1ユーザがステップS201の時点で歩行中であり、その後も乗り物に乗車せず、ステップS202の時点でも歩行中である場合に該当する。
【0057】
ステップS204:速度Sが閾値Sth1を超え、且つ、加速度Aが閾値Ath1未満であると判定された場合(ステップS202-Yes)、制御部16は、第1ユーザの移動時間MT1が閾値MTth1を超えるか否かを判定する。移動時間MT1が閾値MTth1を超えると判定された場合(ステップS204-Yes)、プロセスは、ステップS206に進む。一方、移動時間MT1が閾値MTth1以下であると判定された場合(ステップS204-No)、プロセスは、ステップS205に進む。
【0058】
具体的には、制御部16は、所定時間内の、閾値Sth1を超える速度及び閾値Ath1未満の加速度での第1ユーザの累積移動時間を測定し、測定された累積移動時間を移動時間MT1として算出する。所定時間としては、任意の時間が設定可能である。例えば、所定時間は、ステップS202の判定時点からステップS204の判定時点までの、閾値Sth1を超える速度及び閾値Ath1未満の加速度での第1ユーザの累積移動時間であってもよい。そして、制御部16は、算出された移動時間MT1が閾値MTth1を超えるか否かを判定する。閾値MTth1としては、任意の時間(例えば、3秒)が設定可能である。
【0059】
ステップS205:移動時間MT1が閾値MTth1以下であると判定された場合(ステップS204-No)、制御部16は、乗り物フラグをOFFに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0060】
具体的には、移動時間MT1が閾値MTth1以下である場合、制御部16は、第1ユーザが現在乗り物に乗車中ではないと推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースの乗り物フラグをOFFに維持する。例えば、ステップS205の典型的なケースは、第1ユーザがステップS202の時点では乗り物に乗車中であったが、その後降車し、ステップS204の時点では歩行中である場合に該当する。
【0061】
ステップS206:移動時間MT1が閾値MTth1を超えると判定された場合(ステップS204-Yes)、制御部16は、乗り物フラグをOFFからONに切り替える。その後、プロセスは終了する。
【0062】
具体的には、移動時間MT1が閾値MTth1を超える場合、制御部16は、第1ユーザが現在乗り物に乗車中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの乗り物フラグをOFFからONに切り替える。例えば、ステップS206の典型的なケースは、第1ユーザがステップS202の時点で乗り物に乗車中であり、ステップS204の時点でも乗り物に乗車中である場合に該当する。
【0063】
ステップS207:乗り物フラグがONであると判定された場合(ステップS201-Yes)、制御部16は、第1ユーザの歩行継続時間WT1が閾値WTth1を超えるか否かを判定する。歩行継続時間WT1が閾値WTth1を超えると判定された場合(ステップS207-Yes)、プロセスは、ステップS209に進む。一方、歩行継続時間WT1が閾値WTth1以下であると判定された場合(ステップS207-No)、プロセスは、ステップS208に進む。
【0064】
具体的には、制御部16は、所定時間内の第1ユーザの累積歩行時間を測定し、測定された累積歩行時間を歩行継続時間WT1として算出する。所定時間としては、ステップS201の判定時点からステップS207の判定時点までの、任意の時間(例えば、3分)が設定可能である。累積歩行時間の測定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの速度を示す情報及びZ軸正方向の加速度を示す情報を、所定時間にわたって取得する。制御部16は、取得された情報で示される速度及び加速度が、それぞれステップS202で上述した歩行域の速度及び歩行域の加速度であるか否かを判定する。取得された情報で示される速度及び加速度がそれぞれ歩行域の速度及び歩行域の加速度であると判定された場合、制御部16は、第1ユーザが歩行中であると判定する。制御部16は、取得された情報で示される速度S及び加速度Aがそれぞれ歩行域の速度及び歩行域の加速度であると判定された、所定時間内の累積時間を算出する。制御部16は、当該累積時間を歩行継続時間WT1として算出する。そして、制御部16は、算出された歩行継続時間WT1が閾値WTth1を超えるか否かを判定する。閾値WTth1としては、任意の時間(例えば、1分)が設定可能である。
【0065】
ステップS208:歩行継続時間WT1が閾値WTth1以下であると判定された場合(ステップS207-No)、制御部16は、乗り物フラグをONに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0066】
具体的には、歩行継続時間WT1が閾値WTth1以下である場合、制御部16は、第1ユーザが現在乗り物に乗車中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースの第1ユーザの乗り物フラグをONに維持する。例えば、ステップS208の典型的なケースは、第1ユーザがステップS201の時点で乗り物に乗車中であり、ステップS207の時点でも乗り物に乗車中である場合に該当する。
【0067】
ステップS209:歩行継続時間WT1が閾値WTth1を超えると判定された場合(ステップS207-Yes)、制御部16は、乗り物フラグをONからOFFに切り替える。その後、プロセスは終了する。
【0068】
具体的には、歩行継続時間WT1が閾値WTth1を超える場合、制御部16は、第1ユーザが現在歩行中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの乗り物フラグをONからOFFに切り替える。例えば、ステップS209の典型的なケースは、第1ユーザがステップS201の時点では乗り物に乗車中であったが、その後降車し、ステップS207の時点では歩行中である場合に該当する。
【0069】
上述の乗り物判定を経て、制御部16は、第1ユーザが乗り物に乗車中であるか否かを判定する。
【0070】
本実施形態では更に、制御部16は、乗り物判定を経て乗り物に乗車中であると判定された第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かを判定する。第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、図6に示すような動作(以下、「自転車判定」ともいう。)を実行することで、第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かを判定してもよい。自転車判定とは、第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かを判定する処理のことである。自転車判定は、本実施形態では上述の乗り物判定後、第1ユーザの速度が0km/h超であることが検出されたときに実行されるが、これに限られず任意の手法が採用可能である。以下、図6を参照して自転車判定について説明する。
【0071】
ステップS300:制御部16は、第1ユーザの速度Sが閾値Sth1未満であり、且つ、第1ユーザの加速度Aが閾値Ath1を超えるか否かを判定する。速度Sが閾値Sth1未満であり、且つ、加速度Aが閾値Ath1を超えると判定された場合(ステップS300-Yes)、プロセスは、ステップS309に進む。一方、速度Sが閾値Sth1以上であり、且つ、加速度Aが閾値Ath1以下であると判定された場合(ステップS300-No)、プロセスは、ステップS301に進む。なお、ステップS300の具体的な処理は、上述したステップS202の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0072】
ステップS301:制御部16は、自転車フラグがONであるか否かを判定する。自転車フラグがONであると判定された場合(ステップS301-Yes)、プロセスは、ステップS307に進む。一方、乗り物フラグがOFFであると判定された場合(ステップS301-No)、プロセスは、ステップS302に進む。
【0073】
具体的には、制御部16は、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの自転車フラグがONであるか否かを判定する。
【0074】
ステップS302:制御部16は、第1ユーザの速度Sが閾値Sth2未満であり、且つ、第1ユーザの加速度Aが閾値Ath2未満であるか否かを判定する。速度Sが閾値Sth2未満であり、且つ、加速度Aが閾値Ath2未満であると判定された場合(ステップS302-Yes)、プロセスは、ステップS304に進む。一方、速度Sが閾値Sth2以上であり、且つ、加速度Aが閾値Ath2以上であると判定された場合(ステップS302-No)、プロセスは、ステップS303に進む。
【0075】
具体的には、制御部16は、ステップS300で取得された速度Sが閾値Sth2未満であるか否かを判定する。閾値Sth2としては、第1ユーザが自転車でなく旅客車両に乗車中であると推定可能な任意の速度(例えば、25km/h以上)を設定し得る。以下、Sth2以上の速度を「旅客車両域の速度」ともいう。また、制御部16は、ステップS300で取得された加速度Aが閾値Ath2未満であるか否かを判定する。閾値Ath2としては、第1ユーザが自転車でなく旅客車両に乗車中であると推定可能な任意の加速度が設定可能である。例えば、自転車では通常生じ得ない、旅客車両特有のX軸、Y軸、又はZ軸のうちの少なくとも一方向の任意の加速度を、閾値Ath2として設定し得る。以下、閾値Ath2以上の加速度を「旅客車両域の加速度」ともいう。なお、説明の便宜上、速度Sの判定を行ってから加速度Aの判定を行うかのように記述しているが、速度Sと加速度Aの判定は、逆順に又は並行して行ってもよい。
【0076】
ここで、ステップS302の判定において、第1ユーザの速度Sだけでなく加速度Aも加味する理由を説明する。ステップS302の判定を第1ユーザの速度Sのみに基づいて行う場合、以下のような問題が生じる。例えば、第1ユーザが自転車に乗車中、速度Sが旅客車両域の速度となったことが検出されたとする。このとき、第1ユーザが実際には自転車に乗車中であっても、旅客車両に乗車中であると直ちに判定され得る。つまり、誤判定が生じ得る。一方、速度Sに加えて加速度Aも加味すれば、速度Sが旅客車両域の速度となったことが検出されたときでも、旅客車両特有の加速度が検出されない限り、第1ユーザが旅客車両に乗車中であると直ちに判定されることはない。その結果、誤判定を回避しやすくなる。したがって、第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かの判定精度を更に高めることができる。
【0077】
なお、ステップS202で上述したとおり、速度S及び加速度Aは、一時点の測定値に限られず、所定時間にわたって取得される測定値の代表値であってもよい。これにより、自転車に乗車中の第1ユーザが旅客車両に乗車中であると判定される誤判定を更に回避しやすくなる。したがって、第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かの判定精度を更に高めることができる。
【0078】
このような理由から、本実施形態では、第1ユーザの速度Sだけでなく加速度Aも加味して、ステップS302の判定を行う。
【0079】
ステップS303:速度Sが閾値Sth2以上であり、且つ、加速度Aが閾値Ath2以上であると判定された場合(ステップS302-No)、制御部16は、自転車フラグをOFFに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0080】
具体的には、速度Sが閾値Sth2以上であり、且つ、加速度Aが閾値Ath2以上である場合、制御部16は、第1ユーザが現在自転車でなく旅客車両に乗車中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの自転車フラグをOFFに維持する。例えば、ステップS303の典型的なケースは、第1ユーザがステップS301の時点で旅客車両に乗車中であり、ステップS302の時点でも旅客車両に乗車中である場合に該当する。
【0081】
ステップS304:速度Sが閾値Sth2未満であり、且つ、加速度Aが閾値Ath2未満であると判定された場合(ステップS302-Yes)、制御部16は、第1ユーザの移動時間MT2が閾値MTth2を超えるか否かを判定する。移動時間MT2が閾値MTth2を超えると判定された場合(ステップS304-Yes)、プロセスは、ステップS306に進む。一方、移動時間MT2が閾値MTth2以下であると判定された場合(ステップS304-No)、プロセスは、ステップS305に進む。
【0082】
具体的には、制御部16は、所定時間内の、閾値Sth2未満の速度及び閾値Ath2未満の加速度での第1ユーザの累積移動時間を測定し、測定された累積移動時間を移動時間MT2として算出する。所定時間としては、ステップS302の判定時点からステップS304の判定時点までの、任意の時間(例えば、3分)が設定可能である。累積移動時間の測定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの速度を示す情報及びZ軸正方向の加速度を示す情報を、所定時間にわたって取得する。制御部16は、取得された情報で示される速度及び加速度がそれぞれ閾値Sth2及び閾値Ath2を下回る、所定時間内の累積時間を算出する。制御部16は、当該累積時間を移動時間MT2として算出する。そして、制御部16は、算出された移動時間MT2が閾値MTth2を超えるか否かを判定する。閾値MTth2としては、任意の時間(例えば、1分)が設定可能である。
【0083】
ステップS305:移動時間MT2が閾値MTth2以下であると判定された場合(ステップS304-No)、制御部16は、自転車フラグをOFFに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0084】
具体的には、移動時間MT2が閾値MTth2以下である場合、制御部16は、第1ユーザが現在自転車に乗車中ではないと推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースの第1ユーザの自転車フラグをOFFに維持する。例えば、ステップS305の典型的なケースは、第1ユーザがステップS301の時点では旅客車両に乗車中であったが、ステップS302の時点では旅客車両から降車して自転車に乗車し、ステップS304の時点では自転車から降車して歩行中である場合に該当する。
【0085】
ステップS306:移動時間MT2が閾値MTth2を超えると判定された場合(ステップS304-Yes)、制御部16は、自転車フラグをOFFからONに切り替える。その後、プロセスは終了する。
【0086】
具体的には、移動時間MT2が閾値MTth2を超える場合、制御部16は、第1ユーザが現在自転車に乗車中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの自転車フラグをOFFからONに切り替える。例えば、ステップS306の典型的なケースは、第1ユーザがステップS301の時点では旅客車両に乗車中であったが、ステップS302の時点では旅客車両から降車して自転車に乗車し、ステップS304の時点でも自転車に乗車中である場合に該当する。
【0087】
ステップS307:自転車フラグがONであると判定された場合(ステップS301-Yes)、制御部16は、第1ユーザの歩行継続時間WT2が閾値WTth2を超えるか否かを判定する。歩行継続時間WT2が閾値WTth2を超えると判定された場合(ステップS307-Yes)、プロセスは、ステップS309に進む。一方、歩行継続時間WT2が閾値WTth2以下であると判定された場合(ステップS307-No)、プロセスは、ステップS308に進む。
【0088】
具体的には、制御部16は、所定時間内の第1ユーザの累積歩行時間を測定し、測定された累積歩行時間を歩行継続時間WT2として算出する。所定時間としては、ステップS301の判定時点からステップS307の判定時点までの、任意の時間(例えば、5分)が設定可能である。累積歩行時間の測定には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの速度を示す情報及びZ軸正方向の加速度を示す情報を、所定時間にわたって取得する。制御部16は、取得された情報で示される速度及び加速度が、それぞれステップS202で上述した歩行域の速度及び歩行域の加速度であるか否かを判定する。取得された情報で示される速度及び加速度がそれぞれ歩行域の速度及び歩行域の加速度であると判定された場合、制御部16は、第1ユーザが歩行中であると判定する。制御部16は、取得された情報で示される速度及び加速度が歩行域の速度及び歩行域の加速度であると判定された、所定時間内の累積時間を算出する。制御部16は、当該累積時間を歩行継続時間WT2として算出する。そして、制御部16は、算出された歩行継続時間WT2が閾値WTth2を超えるか否かを判定する。閾値WTth2としては、任意の時間(例えば、3分)が設定可能である。閾値WTth2は、上述の閾値WTth1と同じであっても異なってもよい。
【0089】
ステップS308:歩行継続時間WT2が閾値WTth2以下であると判定された場合(ステップS307-No)、制御部16は、自転車フラグをONに維持する。その後、プロセスは終了する。
【0090】
具体的には、歩行継続時間WT2が閾値WTth2以下である場合、制御部16は、第1ユーザが現在自転車に乗車中であると推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースの第1ユーザの自転車フラグをONに維持する。例えば、ステップS308の典型的なケースは、第1ユーザがステップS301の時点で自転車に乗車中であり、ステップS307の時点でも自転車に乗車中である場合に該当する。
【0091】
ステップS309:歩行継続時間WT2が閾値WTth2を超えると判定された場合(ステップS307-Yes)、制御部16は、自転車フラグをONからOFFに切り替える。その後、プロセスは終了する。
【0092】
具体的には、歩行継続時間WT2が閾値WTth2を超える場合、制御部16は、第1ユーザが現在自転車に乗車中ではないと推定し、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの自転車フラグをONからOFFに切り替える。例えば、ステップS309の典型的なケースは、第1ユーザがステップS301の時点では自転車に乗車中であったが、その後降車し、ステップS307の時点では歩行中である場合に該当する。
【0093】
上述の自転車判定を経て、制御部16は、第1ユーザが自転車に乗車中であるか否かを判定する。
【0094】
ステップS101:制御部16は、第1ユーザが旅客車両に乗車中であるか否かを判定する。第1ユーザが旅客車両に乗車中であると判定された場合(ステップS101-Yes)、プロセスは、終了する。一方、第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないと判定された場合(ステップS101-No)、プロセスは、ステップS102に進む。
【0095】
具体的には、制御部16は、上述の乗り物判定及び自転車判定後に、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照する。第1ユーザの乗り物フラグがONであり、且つ、自転車フラグがOFFである場合、制御部16は、第1ユーザが旅客車両に乗車中であると判定する。一方、第1ユーザの乗り物フラグがOFFである場合、又は、第1ユーザの乗り物フラグがONであり、且つ、自転車フラグがONである場合、制御部16は、第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないと判定する。第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないと判定された場合、第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件、すなわち本実施形態の第1条件が満たされる。
【0096】
次に、制御部16は、本実施形態の第2条件が満たされるか否かを判定する。本実施形態の第2条件は、後述するとおり、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに第1ユーザが接近したという条件である。具体的には、制御部16は、以下のステップS102からS103の処理を実行することで、第2条件が満たされるか否かを判定する。
【0097】
ステップS102:制御部16は、距離Dを算出する。
【0098】
具体的には、制御部16は、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの位置情報を取得する。制御部16は、取得された位置情報に基づいて、地図情報で示される地図上における第1ユーザの位置と、地図上における1つ以上のチェックポイントそれぞれとの距離を算出する。記憶部15には、1つ以上のチェックポイントそれぞれの位置情報が設定された地図情報が記憶される。1つ以上のチェックポイントは、第1ユーザとは異なる第2ユーザ(例えば、第1ユーザの親)の入力に基づかずに設定される第1チェックポイント、及び第2ユーザの入力に基づいて設定される第2チェックポイントの少なくとも一方を含む。第1チェックポイントは、本実施形態では交通量、事故情報、又は車両の走行データ等の情報に基づいて設定されるが、これらに限られず、任意の情報に基づいて設定可能である。交通量又は事故情報は、例えば、ネットワーク30を介して日本道路交通情報センターから提供される交通情報に関するデータであるが、これに限られず任意のデータであってよい。車両の走行データは、例えば、急ブレーキ又は一時停止違反等、危険運転が生じやすい地点を特定するために、地図上の地点を走行する車両からネットワーク30を介して収集されるDCM(Data Communication Module)データに基づいて生成されるデータであるが、これに限られず任意のデータであってよい。第2チェックポイントの設定には、任意の手法が採用可能である。例えば、第2ユーザは、第2ユーザが所持するスマートフォンのディスプレイに地図情報を表示させ、タッチパネルを操作して、地図情報で示される地図上における第1チェックポイントとは異なる任意の地点(例えば、第1ユーザの通学路上の地点)を第2チェックポイントとして設定し得る。第2ユーザは、スマートフォンの通信部を介して、設定した第2チェックポイントを示す情報を演算装置20に送信してもよい。演算装置20は、受信された第2チェックポイントを示す情報と記憶部22に記憶された地図情報とを対応付けたデータを、端末装置10に送信してもよい。端末装置10は、受信されたデータで記憶部15に記憶された地図情報を更新してもよい。そして、制御部16は、地図情報で示される地図上における第1ユーザの位置と、地図上における1つ以上のチェックポイントそれぞれとの距離を算出する。制御部16は、算出された距離が最も小さい少なくとも1つのチェックポイントと、第1ユーザとの距離を、距離Dとして算出する。しかしながら、距離Dの算出には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。
【0099】
ステップS103:制御部16は、ステップS102で算出された距離Dが閾値Dth未満であるか否かを判定する。距離Dが閾値Dth未満であると判定された場合(ステップS103-Yes)、プロセスは、ステップS104に進む。一方、距離Dが閾値Dth以上であると判定された場合(ステップS103-No)、プロセスは、ステップS102に戻る。
【0100】
具体的には、制御部16は、距離Dと閾値Dthとを比較することで、距離Dが閾値Dth未満になった少なくとも1つのチェックポイントを特定する。距離Dが閾値Dth未満になった場合、制御部16は、第1ユーザが当該少なくとも1つのチェックポイントに接近したと判定する。第1ユーザが当該少なくとも1つのチェックポイントに接近したと判定された場合、第1ユーザが1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに接近したという条件、すなわち本実施形態の第2条件が満たされる。閾値Dthとしては、任意の距離(例えば、半径5m)が設定可能である。しかしながら、第1ユーザが1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに接近したか否かの判定には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。以下、この判定を「接近判定」ともいう。
【0101】
本実施形態において、制御部16は、第1ユーザの移動手段が徒歩である場合よりも自転車である場合の方がDthが長くなるように設定する。というのも、自転車は歩行よりも早い速度で移動するので、第1ユーザが1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに接近したか否かを、歩行中と自転車乗車中で同じ基準に基づいて判定すると、報知のタイミングが遅れ、報知の効果が低下するおそれがある。したがって、第1ユーザの移動手段が徒歩である場合よりも自転車である場合の方がDthが長くなるように設定することで、自転車乗車中は、報知のタイミングを早めることができ、報知のタイミングが遅れることを抑制できる。
【0102】
ステップS104:制御部16は、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力する。
【0103】
具体的には、制御部16は、本実施形態の第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合(ステップS101-No、且つ、ステップS103-Yes)、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示することを指示する第1指示を出力部13に送る。第1通知は、音声、テキストメッセージ、画像、振動、又はこれらの組合せであり得るが、本実施形態では報知に相当する音声(以下、「第1音声」ともいう。)の形式で提示される。第1音声は、合成音声又は録音音声等、任意の音声であり得る。一方、制御部16は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、第1指示を出力しない。ステップS104では、上述したとおり、第1条件及び第2条件の両方が満たされている。したがって、制御部16は、第1指示を出力部13に送る。第1通知は、安全行動毎に1つの選択肢が設定されても複数の選択肢が設定されてもよい。第1通知の選択肢の設定には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部15は、安全行動毎に、1つ以上のチェックポイントそれぞれと対応付けて、第1通知に相当する第1音声を通知データベースに記憶してもよい。例えば、記憶部15は、交差点に設定されたチェックポイントと対応付けて、「左右を確認しましょう」という第1通知に相当する第1音声を通知データベースに記憶してもよい。これにより、1つ以上のチェックポイントそれぞれに適した安全行動を促すことができる。また、安全行動毎に第1通知の複数の選択肢を設定する場合、どの第1通知を提示すべきかを毎回ランダムに選択してもよい。これにより、毎回同じ通知が提示されることによる第1ユーザの飽きを防止し、報知の効果を維持しやすくなる。そして、制御部16は、第1通知IDに基づいて通知データベースを検索し、第1通知の1つ以上の選択肢の中から、1つの第1通知を選択する。しかしながら、第1通知の選択には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。制御部16は、選択された第1通知を提示することを指示する第1指示を出力部13に送る。
【0104】
ステップS105:制御部16は、出力部13を介して第1通知を提示する。
【0105】
具体的には、制御部16は、ステップS104で選択された第1通知に相当する第1音声を、出力部13を介して第1ユーザに対して再生する。その後、プロセスは終了する。
【0106】
次に、図7を参照して、第2実施形態に係るシステム1の動作について説明する。図7の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。図7の動作は、端末装置10及び演算装置20の動作を示している。図7の動作は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。ステップS400からS405までの処理は、第1実施形態で説明したステップS100からS105と同様であるので、説明を省略する。以下では、主に第1実施形態との差異である、ステップS405で第1通知を提示した後に実行される、ステップS406以降の処理について説明する。
【0107】
ステップS406:制御部16は、少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリア内で、第1ユーザの安全行動が検出されたか否かを判定する。第1ユーザの安全行動が検出されたと判定された場合(ステップS406-Yes)、プロセスは、ステップS407に進む。一方、第1ユーザの安全行動が検出されないと判定された場合(ステップS406-No)、プロセスは、ステップS409に進む。
【0108】
具体的には、制御部16は、取得部12を介して、第1ユーザの位置情報に加えて、第1ユーザの挙動を示す情報を取得する。第1ユーザの挙動を示す情報の取得には、任意の手法が採用可能である。例えば、制御部16は、取得部12の角速度センサ及び/又は地磁気センサの信号を解析することで、第1ユーザの挙動(例えば、第1ユーザの頭部が左右に振れられたか否か)を示す情報を取得してもよい。制御部16は、取得された第1ユーザの位置情報及び第1ユーザの挙動を示す情報を解析することで、少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリア内で第1ユーザの安全行動(例えば、左右確認)が検出されたか否かを判定する。以下、この判定を「行動判定」ともいう。「周辺エリア」とは、本実施形態では距離Dが閾値Dth未満のエリアのことである。つまり、周辺エリアは、本実施形態では接近判定の基準である閾値Dthに基づいて定義される。本実施形態では、距離Dが閾値Dth未満である場合、制御部16は、第1ユーザが周辺エリア内にいるものと推定する。しかしながら、周辺エリアの定義には、任意の手法が採用可能である。例えば、周辺エリアは、閾値Dth(例えば、半径5m)より大きい値(例えば、半径6m)又は小さい値(例えば、半径2m)を使用して定義されてもよい。つまり、周辺エリアは、閾値Dthに依存せず、閾値Dthとは独立して定義されてもよい。
【0109】
本実施形態では、位置情報及び安全行動が検出されたか否かを示す情報は、時刻とともに記憶部15に記憶されるが、外部のストレージ、例えば演算装置20の記憶部22に記憶されてもよい。また、制御部16は、通信部11を介して、記憶部15に記憶された位置情報、安全行動の有無を示す情報、及び時刻を演算装置20の通信部21に送信してもよい。この場合、演算装置20の制御部23は、通信部21を介して受信された位置情報、安全行動の有無を示す情報、及び時刻を、記憶部22に記憶する。制御部23は、位置情報、安全行動の有無を示す情報、及び時刻を使用して、地図情報で示される地図上における第1ユーザの移動経路及び安全行動の履歴を示すデータ(以下、「履歴データ」ともいう。)を生成してもよい。この場合、制御部23は、例えば第2ユーザのスマートフォンからの要求に応じて、当該データを第2ユーザのスマートフォンに送信してもよい。第2ユーザ側では、受信された履歴データをスマートフォンのディスプレイに表示された地図上に反映させることで、第2ユーザが第1ユーザの移動経路及び安全行動の履歴を確認できるようにし得る。さらに、第2ユーザは、第1ユーザの身の安全を確保する観点から、必要に応じて第2チェックポイントの追加又は削除を行うことができる。
【0110】
ステップS407:第1ユーザの安全行動が検出されたと判定された場合(ステップS406-Yes)、制御部16は、第1通知とは異なる第2通知を提示する第2指示を出力する。
【0111】
具体的には、制御部16は、ステップS404で第1指示の出力後、ステップS406で第1ユーザによる安全行動が検出された場合、第1通知とは異なる第2通知を提示することを指示する第2指示を出力部13に送る。第2通知は、音声、テキストメッセージ、画像、振動、又はこれらの組合せであり得るが、本実施形態では第1ユーザに肯定的な判定結果を提示するための音声(以下、「第2音声」ともいう。)の形式で提示される。第2音声は、合成音声又は録音音声等、任意の音声であり得る。例えば、第2音声は、「よくできました」という音声であってもよい。これにより、第1ユーザの安全行動に対するモチベーションを維持しやすくなる。第2通知は、1つの選択肢が設定されても複数の選択肢が設定されてもよい。第2通知の選択肢の設定には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部15は、第1通知に相当する第1音声の選択肢それぞれと対応付けて、第2通知に相当する第2音声を通知データベースに記憶してもよい。これにより、第1通知の選択肢それぞれに呼応する第2通知を第1ユーザに提示することができる。また、第2通知の複数の選択肢を設定する場合、どの第2通知を提示すべきかを毎回ランダムに選択してもよい。これにより、毎回同じ通知が提示されることによる第1ユーザの飽きを防止し、報知の効果を維持しやすくなる。そして、制御部16は、第2通知IDに基づいて通知データベースを検索し、第2通知の1つ以上の選択肢の中から、1つの第2通知を選択する。しかしながら、第2通知の選択には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。制御部16は、選択された第2通知を提示する第2指示を出力部13に送る。
【0112】
ステップS408:制御部16は、第2通知を提示する。
【0113】
具体的には、制御部16は、ステップS407で選択された第2通知に相当する第2音声を、出力部13を介して第1ユーザに対して再生する。その後、プロセスは終了する。
【0114】
ステップS409:第1ユーザの安全行動が検出されないと判定された場合(ステップS406-No)、制御部16は、距離Dを算出する。距離Dの算出方法は、上述のステップS102及びステップS402と同様であるので、説明を省略する。
【0115】
ステップS410:制御部16は、距離Dが閾値Dth以上であるか否かを判定する。距離Dが閾値Dth以上であると判定された場合(ステップS410-Yes)、プロセスは、ステップS411に進む。一方、距離Dが閾値Dth未満であると判定された場合(ステップS410-No)、プロセスは、ステップS406に戻る。
【0116】
具体的には、制御部16は、距離Dが閾値Dth以上になった場合、ステップS404で第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出たものと推定する。一方、距離Dが閾値Dth未満である場合、制御部16は、第1ユーザが引き続き周辺エリア内にいるものと推定し、ステップS406の判定を再び実行する。
【0117】
ステップS411:距離Dが閾値Dth以上であると判定された場合(ステップS410-Yes)、制御部16は、第1通知及び第2通知とは異なる第3通知を提示する第3指示を出力する。
【0118】
具体的には、制御部16は、ステップS410の判定を経て、ステップS404で第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出たものと推定された場合、第3通知を提示する第3指示を出力部13に送る。第3通知は、音声、テキストメッセージ、画像、振動、又はこれらの組合せであり得るが、本実施形態では第1ユーザに否定的な判定結果を提示するための音声(以下、「第3音声」ともいう。)の形式で提示される。第3音声は、合成音声又は録音音声等、任意の音声であり得る。第3通知は、1つの選択肢が設定されても複数の選択肢が設定されてもよい。第3通知の選択肢の設定には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部15は、第1通知に相当する第1音声の選択肢それぞれと対応付けて、第3通知に相当する第3音声を通知データベースに記憶してもよい。例えば、記憶部15は、「左右を確認しましょう」という第1通知に相当する第1音声に対応付けて、「次回は左右を確認しましょう」という第3通知に相当する第3音声を通知データベースに記憶してもよい。これにより、第1通知の選択肢それぞれに呼応する第3通知を第1ユーザに提示することができる。また、第3通知の複数の選択肢を設定する場合、どの第3通知を提示すべきかを毎回ランダムに選択してもよい。これにより、毎回同じ通知が提示されることによる第1ユーザの飽きを防止し、報知の効果を維持しやすくなる。そして、制御部16は、第3通知IDに基づいて通知データベースを検索し、第3通知の1つ以上の選択肢の中から、1つの第3通知を選択する。しかしながら、第3通知の選択には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。制御部16は、選択された第3通知を提示する第3指示を出力部13に送る。
【0119】
ステップS412:制御部16は、第3通知を提示する。
【0120】
具体的には、制御部16は、ステップS411で選択された第3通知に相当する第3音声を、出力部13を介して第1ユーザに対して再生する。その後、プロセスは終了する。
【0121】
次に、図8を参照して、第3実施形態に係るシステム1の動作について説明する。図8の動作は、本実施形態に係る方法に相当する。図8の動作は、端末装置10及び演算装置20の動作を示している。図8の動作は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。第3実施形態は、ステップS511の処理が追加された点だけが第2実施形態と異なる。ステップS500からS505までの処理は、第1実施形態で説明したステップS100からS105と同様である。ステップS506からS510までの処理は、第2実施形態で説明したステップS406からステップS410までの処理、ステップS512及びS513の処理は、第2実施形態で説明したステップS411及びS412と同様である。したがって、これらの処理については説明を省略する。以下では、主に第2実施形態との差異である、ステップS510の判定を経て距離Dが閾値Dth以上になった場合に実行される、ステップS511の処理について説明する。
【0122】
ステップS511:制御部16は、第1ユーザによる道路横断があったか否かを判定する。第1ユーザによる道路横断があったと判定された場合(ステップS511-Yes)、プロセスは、ステップS512に進む。一方、第1ユーザによる道路横断がなかったと判定された場合(ステップS511-No)、プロセスは、終了する。
【0123】
具体的には、制御部16は、ステップS510の判定を経て、距離Dが閾値Dth以上になった場合、ステップS504で第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま少なくとも1つのチェックポイントの周辺エリアから出たものと推定する。本実施形態では更に、ステップS511で、制御部16は、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断があったか否かを判定する。道路横断の判定には、任意の手法が採用可能である。一例として、少なくとも1つのチェックポイントが信号機のない交差点であり、第1通知が「左右を確認しましょう」、第3通知が「次回は左右を確認しましょう」であるものとする。この場合、制御部16は、記憶部15に記憶されたユーザデータベースを参照して、第1ユーザの位置情報を取得してもよい。制御部16は、取得された位置情報に基づいて、地図情報で示される地図上における第1ユーザの移動経路を解析し、少なくとも1つのチェックポイントにおいて第1ユーザによる道路横断があったか否かを判定し得る。制御部16は、判定結果に応じて、第3通知を提示する第3指示を出力するか否かを決定し得る。
【0124】
本例では、第1ユーザが当該交差点で道路横断をする場合、第1ユーザが左右確認をして車両が接近して来ないことを確認してから道路横断をすることを、安全行動とする。したがって、第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま周辺エリアから出、且つ、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断があった場合、第3通知を出力する必要がある。この場合、制御部16は、ステップS512に進んで、ステップS411で上述したとおり、第3指示を出力する。一方、第1ユーザが単に交差点で角を曲がるだけで道路横断をしない場合、第1ユーザは、左右確認をして車両が接近して来ないことを確認する必要はない。第1ユーザが安全行動未検出のまま周辺エリアから出た場合でも、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断がなかったときにまで第3通知を提示することは、第1ユーザに煩わしさを与えやすい。したがって、第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま周辺エリアから出、且つ、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断がなかった場合、第3通知を出力する必要はない。この場合、制御部16は、第3指示を出力しない。
【0125】
このように、ステップS504で第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま周辺エリアから出、且つ、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断があった場合、制御部16は、ステップS411で上述したとおり、第3指示を出力する。一方、第1指示の出力後、第1ユーザが安全行動未検出のまま周辺エリアから出、且つ、周辺エリア内で第1ユーザによる道路横断がなかった場合、制御部16は、第3指示を出力しない。これにより、第1ユーザによる道路横断の有無に応じて第3指示を出力するか否かを決定することができる。その結果、第3通知が不要な状況で提示されることを回避しやすくなる。したがって、第1ユーザの煩わしさを更に軽減でき、報知の効果を更に維持しやすくなる。
【0126】
以上述べたように、上述した実施形態に係る情報処理装置である端末装置10は、第1ユーザの移動手段を判定する。端末装置10は、第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力する。端末装置10は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、第1指示を出力しない。上述した実施形態において、第1条件は、第1ユーザが旅客車両に乗車中ではないという条件である。上述した実施形態において、第2条件は、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに第1ユーザが接近したという条件である。端末装置10は、第1ユーザの位置情報を取得する。端末装置10は、位置情報に基づいて、1つ以上のチェックポイントのうち少なくとも1つのチェックポイントに第1ユーザが接近したか否かを判定する。
【0127】
かかる構成によれば、第1条件及び第2条件の両方が満たされた場合にだけ、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示が出力される。本実施形態によれば、従来とは異なり、第1ユーザが旅客車両に乗車中である場合は報知が行われないので、第1通知が不要なタイミングで提示される状況を回避しやすくなる。したがって、第1ユーザの煩わしさを軽減でき、報知の効果を維持しやすくなる点で、交通安全教育に関する技術が改善される。
【0128】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0129】
上述した実施形態の一変形例において、第2条件は、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動しているという条件であってもよい。本変形例では、第1ユーザの向き及び進行方向を解析して、第1ユーザの身に危険が及び得る挙動(以下、「不安全行動」ともいう。)を検出する。不安全行動が検出された場合、第1ユーザに対して安全行動を促すための第1通知を提示することで、第1ユーザの身の安全を確保しやすくなる。不安全行動は、本変形例では「第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していること」、典型的には第1ユーザがよそ見をしながら歩行していること又は後ろ向きで歩行していることであるが、これらに限られない。第1ユーザの向きの判定には、任意の手法が採用可能である。例えば、端末装置10の制御部16は、図9に示すような動作(以下、「向き判定」ともいう。)を実行することで、第1ユーザの向きを判定してもよい。向き判定は、例えば所定の周期で、繰り返し実行される。所定の周期は、任意に定めることができる。ステップS600及びS601の処理は、第1実施形態で説明したステップS100及びS101と同様であるので、説明を省略する。以下では、主に第1実施形態との差異である、ステップS602以降の処理について説明する。
【0130】
ステップS602:制御部16は、第1ユーザの向きを示す向き情報を取得する。
【0131】
具体的には、制御部16は、取得部12の角速度センサ及び/又は地磁気センサの信号を解析することで、第1ユーザの向きを示す向き情報を取得する。制御部16は、向き情報とともに、第1ユーザの位置情報も取得する。制御部16は、取得された位置情報を解析して得られる、地図上における第1ユーザの移動経路から、第1ユーザの進行方向を特定する。追加的に又は代替として、制御部16は、取得部12の加速度センサの信号を解析することで、第1ユーザの進行方向を特定してもよい。しかしながら、向き情報の取得及び進行方向の特定には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。
【0132】
ステップS603:制御部16は、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動しているか否かを判定する。第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していると判定された場合(ステップS603-Yes)、プロセスは、ステップS604に進む。一方、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していないと判定された場合(ステップS603-No)、プロセスは、ステップS602に戻る。
【0133】
具体的には、制御部16は、ステップS602で取得された向き情報で示される第1ユーザの向きと、特定された第1ユーザの進行方向とを比較する。比較の結果、第1ユーザの向きと第1ユーザの進行方向とが実質的に同一でないと判定された場合、制御部16は、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していると判定する。この場合、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動しているという条件、すなわち本変形例の第2条件が満たされる。一方、第1ユーザの向きと第1ユーザの進行方向とが実質的に同一であると判定された場合、制御部16は、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していないと判定する。「第1ユーザの向きと第1ユーザの進行方向とが実質的に同一である」とは、第1ユーザの向きと第1ユーザの進行方向とが所定の角度差以下(例えば、90°以下)であることを意味する。所定の角度差は、端末装置10の装着位置に応じて任意に設定可能である。しかしながら、第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動しているか否かの判定には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。
【0134】
ステップS604:第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していると判定された場合(ステップS603-Yes)、制御部16は、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示する第1指示を出力する。
【0135】
具体的には、制御部16は、本変形例の第1条件及び第2条件の両方が満たされる場合(ステップS601-No、且つ、ステップS603-Yes)、第1ユーザに安全行動を促すための第1通知を提示することを指示する第1指示を出力部13に送る。一方、制御部16は、第1条件及び第2条件の少なくとも一方が満たされない場合、第1指示を出力しない。ステップS604では、上述のとおり、第1条件及び第2条件の両方が満たされている。したがって、制御部16は、第1指示を出力部13に送る。本変形例に係る第1通知とは、不安全行動が検出されたときに、出力部13から提示される報知に相当する音声のことである。本変形例に係る第1通知は、不安全行動毎に1つの選択肢が設定されても複数の選択肢が設定されてもよい。本変形例に係る第1通知の選択肢の設定には、任意の手法が採用可能である。例えば、記憶部15は、不安全行動それぞれと対応付けて、第1通知に相当する音声を通知データベースに記憶してもよい。例えば、本変形例の不安全行動は、典型的にはよそ見をしながら歩行していること又は後ろ向きで歩行していることである。この場合、記憶部15は、当該不安全行動に対応付けて、「前を向いて歩きましょう」という第1通知に相当する音声を通知データベースに記憶してもよい。これにより、不安全行動それぞれに適した安全行動を促すことができる。また、不安全行動毎に第1通知の複数の選択肢を設定する場合、どの第1通知を提示すべきかを毎回ランダムに選択してもよい。これにより、毎回同じ通知が提示されることによる第1ユーザの飽きを防止し、報知の効果を維持しやすくなる。そして、制御部16は、第1通知IDに基づいて通知データベースを検索し、第1通知の1つ以上の選択肢の中から、1つの第1通知を選択する。しかしながら、第1通知の選択には、これらの例に限られず任意の手法が採用可能である。制御部16は、選択された第1通知を提示することを指示する第1指示を出力部13に送る。
【0136】
ステップS605:制御部16は、出力部13を介して第1通知を提示する。
【0137】
具体的には、制御部16は、ステップS604で選択された第1通知に相当する音声を、出力部13を介して第1ユーザに対して再生する。その後、プロセスは終了する。
【0138】
本変形例によれば、本変形例に係る第2条件を満たすか否かを判定することで、不安全行動を検出することができる。不安全行動が検出された場合、第1ユーザに対して安全行動を促すための第1通知を提示することで、第1ユーザの身の安全を確保しやすくなる。
【0139】
本変形例において、第2条件である不安全行動は、「第1ユーザが第1ユーザの向きとは異なる方向に移動していること」であるが、これに限られず、例えば「第1ユーザが道路付近で走ること」であってもよい。この場合、ステップS602で、制御部16は、取得部12を介して、向き情報及び位置情報に加えて、第1ユーザの速度及び加速度を示す情報を取得してもよい。ステップS603で、制御部16は、取得された情報に基づいて、第1ユーザが走り出したか否かを判定してもよい。記憶部15は、当該不安全行動に対して、「道路の近くで走るのはやめましょう」という第1通知に相当する音声を通知データベースに記憶してもよい。
【0140】
また例えば、上述した実施形態において、第1通知、第2通知、及び第3通知は、いずれも音声の形式で提示されるが、これらのうち少なくとも1つの通知を他の形式、例えば振動の形式で提示する実施形態も可能である。この場合、通知データベースの通知データには、当該通知のデータとして、出力部13から出力される振動の強さ又は振動パターンを示すデータが記憶されてもよい。振動の強さ又は振動パターンは、距離D又は不安全行動の持続時間に応じて変化するように設定されてもよい。例えば、距離Dが小さくなるほど又は不安全行動の持続時間が長くなるほど、振動が強くなるように設定してもよい。また、第1通知、第2通知、及び第3通知のうち2つ以上の通知を振動の形式で提示する場合、出力部13から出力される振動の強さ又は振動パターンを通知毎に変えることで、当該2つ以上の通知を区別してもよい。このように通知の提示態様を変化させる設定は、振動による通知に限られず、他の通知形式にも適宜適用可能である。これにより、第1ユーザに危険度の変化を体感させ且つ/又は2つ以上の通知を区別しつつ、第1ユーザの身の安全を確保しやすくなる。
【0141】
また例えば、端末装置10の制御部16は、第2ユーザのスマートフォンからの要求に応じて、ネットワーク30を介さず無線LAN等のローカルネットワークを介して、履歴データを第2ユーザのスマートフォンに送信してもよい。この場合、第1ユーザの端末装置10と第2ユーザのスマートフォンとが直接データを送受信することで、第2ユーザが第1ユーザの移動経路及び安全行動の履歴を確認できるようにし得る。
【0142】
また例えば、上述した実施形態において、端末装置10の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0143】
また例えば、端末装置10の一部又は全部の構成要素を演算装置20に設けた実施形態も可能である。例えば、端末装置10が実行する一部又は全部の動作を、演算装置20が実行する実施形態も可能である。この場合、本実施形態に係る情報処理装置は、演算装置20である。例えば、演算装置20は、端末装置10の取得部12に相当する構成要素を更に備え、演算装置20の制御部23が、端末装置10の制御部16の一部又は全部の動作を実行してもよい。演算装置20の制御部23は、第1通知、第2通知、又は第3通知を端末装置10の出力部13を介して提示する動作(すなわち、ステップS105、S405、S408、S412、S505、S508、S513、又はS605)以外の動作を実行してもよい。この場合、ステップS104、S404、S407、S411、S504、S507、S512、又はS605で、演算装置20の制御部23は、ネットワーク30を介して、第1指示、第2指示、又は第3指示を、端末装置の通信部11に送信してもよい。端末装置10の制御部16は、通信部11を介して受信された第1指示、第2指示、又は第3指示を、出力部13に送ってもよい。
【0144】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る端末装置10として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る端末装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0145】
1 システム
10 端末装置
11 通信部
12 取得部
13 出力部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
20 演算装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9