(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20250109BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q10/20
(21)【出願番号】P 2021089489
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】利根 優太
(72)【発明者】
【氏名】飯 潔倫
(72)【発明者】
【氏名】田中 唯之
(72)【発明者】
【氏名】石塚 真規
(72)【発明者】
【氏名】矢野 佑一郎
(72)【発明者】
【氏名】天野 成章
(72)【発明者】
【氏名】前田 優介
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 圭
(72)【発明者】
【氏名】濱田 優
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146633(JP,A)
【文献】特開2005-038294(JP,A)
【文献】特開2002-288366(JP,A)
【文献】特開2015-191525(JP,A)
【文献】特開2003-256728(JP,A)
【文献】特開2019-046218(JP,A)
【文献】特開2005-084428(JP,A)
【文献】川島 崇宏,正規ディーラーで点検・車検をおこなうメリットは???,フィアット/アバルト 福井 スタッフブログ,[online],2020年04月13日,[令和6年2月28日検索]、インターネット<URL:https://fukui.fiat.abarth-dealer.jp/fab/blog/m72rpb9xj/>
【文献】TAX佐賀 協和自動車株式会社,車検と同時にドラレコ取り付けはいかが?,カー!と言えばグーネットピット,[online],2020年05月10日,[令和6年2月28日検索]、インターネット<URL:https://www.goo-net.com/pit/shop/0800444/blog/248180>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び前記記憶部に接続する制御部を有する情報処理装置であって、
前記記憶部は、ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての
所定装備情報
と、前記車両の法的に定められた点検時期についての点検時期情報であって、前記所定装備情報に関連付けられた点検時期情報と、を含む、前記ユーザに関するユーザ情報を記憶する所定のデータベースを有し、
前記制御部は、
前記所定のデータベースから前記
ユーザ情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、
前記取得したユーザ情報に含まれる前記
点検時期
情報に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を実行し、
前記所定装備
情報は、前記所定装備が、前記車両に現在搭載されている装備であるか、または現在は前記車両に搭載されていないが、前記ユーザによって前記車両に搭載することが過去に検討されたことがある検討装備であるかについての情報
を含み、
前記点検時期情報は、前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから何回目の点検時期であるかについての情報
を含み、
前記制御部は、
前記取得した
ユーザ情報
に含まれる前記所定装備情報及び前記点検時期情報に応じて、前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから初回の点検時期または二回目以降の点検時期のいずれであるかを判定することと、
前記車両の次回の点検時期が初回の点検時期であると判定する場合に、
前記初回の点検時期に基づいて設定される
前記所定の提案時期を第1提案時期とし、
前記検討装備を第1所定装備とし、
前記第1提案時期においては、前記第1所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案し、
前記車両の次回の点検時期が二回目以降の点検時期であると判定する場合に、
前記二回目以降の点検時期に基づいて設定される前記所定の提案時期を第2提案時期とし、
前記車両に現在搭載されている装備と交換可能な前記所定装備を第2所定装備とし、
前記第2提案時期においては、前記第2所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1所定装備は、前記ユーザが前記車両を購入する際に前記車両に搭載することを検討したが実際には前記車両に搭載する装備として選択しなかった装備である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザが前記車両を購入した時においては、前記ユーザが選択可能なオプションに含まれていなかった前記所定装備を第3所定装備とし、
前記制御部が、前記第3所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記所定の提案時期に前記ユーザに対して提案する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記車両に搭載することで前記車両の残存価値が現状よりも高くなる前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを提案するための提案情報を、前記所定の提案時期に前記ユーザに関連する端末に対して送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
前記コンピュータが、
ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての
所定装備情報
と、前記車両の法的に定められた点検時期についての点検時期情報であって、前記所定装備情報に関連付けられた点検時期情報と、を含む前記ユーザに関するユーザ情報を前記コンピュータが有する所定のデータベースに記憶することと、
前記所定のデータベースから前記
ユーザ情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、
前記取得したユーザ情報に含まれる前記
点検時期情報に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を含み、
前記所定装備
情報は、前記所定装備が、前記車両に現在搭載されている装備であるか、または現在は前記車両に搭載されていないが、前記ユーザによって前記車両に搭載することが過去に検討されたことがある検討装備であるかについての情報
を含み、
前記点検時期情報は、前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから何回目の点検時期であるかについての情報
を含み、
前記コンピュータは、
前記取得した
ユーザ情報
に含まれる前記所定装備情報及び前記点検時期情報に応じて、前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから初回の点検時期または二回目以降の点検時期のいずれであるかを判定することと、
前記車両の次回の点検時期が初回の点検時期であると判定する場合に、
前記初回の点検時期に基づいて設定される
前記所定の提案時期を第1提案時期とし、
前記検討装備を第1所定装備とし、
前記第1提案時期においては、前記第1所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案し、
前記車両の次回の点検時期が二回目以降の点検時期であると判定する場合に、
前記二回目以降の点検時期に基づいて設定される前記所定の提案時期を第2提案時期とし、
前記車両に現在搭載されている装備と交換可能な前記所定装備を第2所定装備とし、
前記第2提案時期においては、前記第2所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案する、
情報処理方法。
【請求項7】
前記第1所定装備は、前記ユーザが前記車両を購入する際に前記車両に搭載することを検討したが実際には前記車両に搭載する装備として選択しなかった装備である、
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記ユーザが前記車両を購入した時においては、前記ユーザが選択可能なオプションに含まれていなかった前記所定装備を第3所定装備とし、
前記第3所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記所定の提案時期に前記ユーザに対して提案する、
請求項6または7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記車両に搭載することで前記車両の残存価値が現状よりも高くなる前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案する、
請求項6から8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記コンピュータは、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを提案するための提案情報を、前記所定の提案時期に前記ユーザに関連する端末に対して送信する、
請求項6から9のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、前記コンピュータが、
ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての
所定装備情報
と、前記車両の法的に定められた点検時期についての点検時期情報であって、前記所定装備情報に関連付けられた点検時期情報と、を含む前記ユーザに関するユーザ情報を前記コンピュータが有する所定のデータベースに記憶することと、
前記所定のデータベースから前記
ユーザ情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、
前記取得したユーザ情報に含まれる前記
点検時期情報に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を含み、
前記所定装備
情報は、前記所定装備が、前記車両に現在搭載されている装備であるか、または現在は前記車両に搭載されていないが、前記ユーザによって前記車両に搭載することが過去に検討されたことがある検討装備であるかについての情報
を含み、
前記点検時期情報は、前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから何回目の点検時期であるかについての情報
を含み、
前記情報処理方法において、前記コンピュータは、
前記取得した
ユーザ情報
に含まれる前記所定装備情報及び前記点検時期情報に応じて、
前記車両の次回の前記点検時期が、前記ユーザが前記車両を所有してから初回の点検時期または二回目以降の点検時期のいずれであるかを判定することと、
前記車両の次回の点検時期が初回の点検時期であると判定する場合に、
前記初回の点検時期に基づいて設定される
前記所定の提案時期を第1提案時期とし、
前記検討装備を第1所定装備とし、
前記第1提案時期においては、前記第1所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案し、
前記車両の次回の点検時期が二回目以降の点検時期であると判定する場合に、
前記二回目以降の点検時期に基づいて設定される前記所定の提案時期を第2提案時期とし、
前記車両に現在搭載されている装備と交換可能な前記所定装備を第2所定装備とし、
前記第2提案時期においては、前記第2所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記ユーザに対して提案する、
プログラム。
【請求項12】
前記情報処理方法において、前記コンピュータは、
前記ユーザが前記車両を購入した時においては、前記ユーザが選択可能なオプションに含まれていなかった前記所定装備を第3所定装備とし、
前記第3所定装備を前記車両に新たに搭載することを前記所定の提案時期に前記ユーザに対して提案する、
請求項11に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には車両メンテナンスシステムに関する技術が開示されている。特許文献1に開示された車両メンテナンスシステムは、走行距離に関するデータを含む各種の車両に関するデータを集積した車両データに基づいて、利用者にメンテナンス情報を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ユーザが所有する車両に新たな装備を搭載することをユーザに対して提案することを可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、法的に定められた前記車両の点検時期に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、法的に定められた前記車両の点検時期に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
コンピュータに情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
ユーザが所有する車両に対応する装備であって、前記ユーザによって選択可能な装備として前記車両のメーカによって指定されている、所定装備についての情報を取得することと、
前記所定装備を前記車両に新たに搭載することを、法的に定められた前記車両の点検時期に基づいて設定される所定の提案時期に前記ユーザに対して提案することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザが所有する車両に新たな装備を搭載することをユーザに対して
提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、情報管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、店舗端末および管理サーバそれぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、店舗端末の操作画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る、ユーザ情報データベースに記憶されたユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、提案処理のフローを示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る、ユーザ情報データベースに記憶されたユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
車両には様々な装備が搭載されている。そして、ユーザは、車両を購入するときにおいては、ユーザによって選択可能な装備として車両のメーカによって指定されている複数のオプションの中から車両に搭載する装備を選択することができる。ただし、ユーザは、車両を購入した後においても、自身が所有する車両において、装備を交換したり、新たな装備を追加したりすることを望む場合もある。
【0011】
本開示に係る情報処理装置おいては、制御部が、ユーザが所有する車両(以下、「ユーザ車両」と称する場合もある。)に対応する所定装備についての情報を取得する。ここで、所定装備は、ユーザによって選択可能な装備として車両のメーカによって指定されている装備である。
【0012】
そして、制御部は、所定装備をユーザ車両に新たに搭載することを所定の提案時期にユーザに対して提案する。ここで、車両に関しては、点検または検査を受けるべき時期である点検時期が法的に定められている。また、この法的な点検時期は定期的に定められている。所定の提案時期は、このような法的に定められたユーザ車両の点検時期に基づいて設定される時期である。所定の提案時期は、例えば、ユーザ車両の点検時期よりも所定期間前の時期である。
【0013】
これによれば、ユーザ車両の点検または検査を実施するタイミングに合わせて、ユーザ車両に所定装備を新たに搭載することをユーザに案内することができる。その結果、ユーザ車両に所定装備を新たに搭載することをユーザに促すことができる。
【0014】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
<第1実施形態>
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る情報管理システムの概略構成を示す図である。情報管理システム1は、ユーザが所有する車両に新たな装備を搭載することをユーザに対して提案するためのシステムである。
【0016】
情報管理システム1は、管理サーバ100、ユーザ端末200、および店舗端末300を含んでいる。情報管理システム1において、管理サーバ100、ユーザ端末200、および店舗端末300は、ネットワークN1を介して相互に接続されている。ここで、ネットワークN1としては、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN
(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0017】
ユーザ端末200は、ユーザ車両10を所有するユーザ20が所持する端末である。店舗端末300は、ユーザ20がユーザ車両10を購入した販売店30において用いられる端末である。店舗端末300は、販売店30において販売員によって操作される。ユーザ端末200および店舗端末300は、いずれも、プロセッサ、主記憶部、補助記憶部、通信インターフェース、および入出力インターフェースを有するコンピュータを含んで構成される。ユーザ端末200および店舗端末300としては、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはパーソナルコンピュータを例示することができる。
【0018】
販売店30は車両を販売する店舗(ディーラ等)である。販売店30においては、顧客(ユーザ)が車両を購入する際に、顧客が購入した車両についての車両情報が店舗端末300に入力される。店舗端末300では、入力された車両情報に基づいて、車両を購入したユーザに関するユーザ情報が生成される。そして、店舗端末300からネットワークN1を介して管理サーバ100にユーザ情報が送信される。なお、ユーザ情報の詳細については後述する。
【0019】
管理サーバ100は、一般的なコンピュータを含んで構成される。管理サーバ100を構成するコンピュータは、プロセッサ101、通信インターフェース(通信I/F)102、主記憶部103、および補助記憶部104を有する。
【0020】
ここで、プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはD
SP(Digital Signal Processor)である。通信I/F102は、所定の無線通信規格によりネットワークN1を介して無線通信を行うためのインターフェースである。通信I/F102は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。主記憶部103は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部104は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部104は、リ
ムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。
【0021】
補助記憶部104には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ101が、補助記憶部104に記憶されたプログラムを主記憶部103にロードして実行することによって、後述するような、データベース生成のための処理および情報提供のための処理が実現される。ただし、管理サーバ100における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0022】
管理サーバ100は、店舗端末300から送信されたユーザ情報を受信する。また、管理サーバ100は、受信したユーザ情報を蓄積することでユーザ情報のデータベースを生成する。管理サーバ100におけるデータベースには、ユーザ車両10の所有者であるユーザ20についてのユーザ情報も格納されている。そして、管理サーバ100は、ユーザ20についてのユーザ情報に含まれるユーザ車両10の車両情報に基づいて提案装備を決定する。ここで、提案装備は、ユーザ20に対してユーザ車両10に新たに搭載することを提案する装備である。さらに、管理サーバ100は、提案装備についての情報である提案情報を、ネットワークN1を介してユーザ端末200に送信する。これにより、ユーザ
20に対して、ユーザ車両10に提案装備を新たに搭載することが提案される。
【0023】
(機能構成)
次に、情報管理システム1を構成する店舗端末300および管理サーバ100それぞれの機能構成について
図2に基づいて説明する。
図2は、店舗端末300および管理サーバ100それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る情報処理装置に相当する。
【0024】
店舗端末300は、通信部310、制御部320、および入出力部330を機能部として有している。制御部320は、店舗端末300を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部120はプロセッサによって実現することができる。
【0025】
通信部310は、店舗端末300をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部310は通信インターフェースによって実現することができる。そして、制御部320は、通信部310を用いてユーザ情報を管理サーバ100に送信する処理を行う。
【0026】
入出力部330は、情報の入力を受け付ける機能、および、情報を出力する機能を有する。入出力部330は、タッチパネルディスプレイ等の入出力インターフェースによって実現することができる。そして、制御部320は、入出力部330を用いて入力される車両情報を受け付ける処理を行う。さらに、店舗端末300において、制御部320は、受け付けた車両情報に基づいてユーザ情報を生成する処理を実行する。
【0027】
ここで、販売店30においては、ユーザが車両を購入する際に店舗端末300に入力される車両情報について
図3に基づいて説明する。
図3は、店舗端末300において、入出力部330を構成するタッチパネルディスプレイに表示される操作画面の一例を示す図である。
図3に示す操作画面においては、ユーザが購入する車両の車種および型式が入力される。また、
図3に示す操作画面においては、車両の車種および型式に応じたオプション装備のリストが表示される。ここで、オプション装備は、ユーザによって選択可能な装備として車両のメーカによって指定されている装備である。つまり、オプション装備は、一般には車両の製造ラインにおいて車両に取り付けられる、所謂メーカーオプションである。オプション装備は、車両の車種および型式に応じて車両メーカにより予め設定されている。オプション装備としては、具体的には、
図3に示すような、「電動スライドドア」、「バックモニタ」、「全方位モニタ」、「自動ブレーキシステム」、「サイドエアバッグ」、「電動スライドシート」、「シートヒータ」を例示できる。ただし、オプション装備はこれらの装備に限られるものではない。
【0028】
そして、
図3に示す操作画面においては、このオプション装備のリストを用いて、ユーザが車両に実際に搭載する装備として選択した装備(以下、「実装装備」と称する場合もある。)が入力される。さらに、
図3に示す操作画面においては、このオプション装備のリストを用いて、ユーザが車両に搭載することを検討したが実際には車両に搭載する装備として選択しなかった装備(以下、「検討装備」と称する場合もある。)が入力される。検討装備は、例えば、ユーザが車両の購入を検討するために車両の販売価格の見積が作成されるときにおいて、ユーザが一旦は車両に搭載することを検討した装備である。
【0029】
そして、店舗端末300において、制御部320は、上記のように入出力部330を介して入力された車両情報に基づいて、管理サーバ100に送信するユーザ情報を生成する。そのため、ユーザ情報には、車両情報として、ユーザが購入した車両の車種、型式、およびオプション装備についての情報が含まれる。また、オプション装備についての情報には、実装装備および検討装備についての情報が含まれる。
【0030】
管理サーバ100は、通信部110、制御部120、およびユーザ情報データベース(ユーザ情報DB)130を機能部として有している。通信部110は管理サーバ100をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部110は通信I/F102によって実現することができる。
【0031】
制御部120は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部120はプロセッサ101によって実現することができる。そして、制御部120は、店舗端末300から送信されユーザ情報を、通信部110を用いて受信する処理を行う。さらに、制御部120は、店舗端末300から受信したユーザ情報をユーザ情報DB130に記憶する処理を行う。なお、ユーザ情報DB130は、プロセッサ101によってデータベース管理システム(Database Management System)のプログラムが実行されることで補助記憶部104に構築される。制御部120は、店舗端末300からユーザ情報を受信する毎に、受信したユーザ情報をユーザ情報DB130に追加する。そのため、ユーザ情報DB130には、複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報が格納されている。
【0032】
図4は、本実施形態に係る、ユーザ情報DB130に記憶されたユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、車両情報フィールド、購入日フィールド、および点検時期フィールドを有する。
【0033】
ユーザIDフィールドには、車両を購入したユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。車両情報フィールドには、ユーザが購入した車両について車両情報が入力される。つまり、車両情報フィールドには、ユーザが購入した車両の車種、型式、およびオプション装備についての情報が入力される。また、オプション装備については、各装備が、実装装備であるか否か、および、検討装備であるか否かについての情報が入力される。例えば、
図4に示す例においては、オプション装備についての情報として、「バックモニタ」および「サイドエアバッグ」が実装装備であり、「電動スライドドア」および「自動ブレーキシステム」が検討装備である、とのことが入力されている。
【0034】
購入日フィールドには、ユーザが車両を購入した日にちが入力される。点検時期フィールドには車両の点検時期が入力される。ここで、点検時期は、法的に定められた車両の定期的な点検時期である。この点検時期は国ごとに法令等により定められている。そして、点検時期フィールドには、次回の点検時期を示す日にちが入力される。点検時期フィールドには、次回の点検時期が、ユーザが車両を購入してから何回目の点検時期であるについての情報が入力される。例えば、
図4に示す例では、次回の点検時期が「初回」であることが入力されている。
【0035】
また、制御部120は、ユーザがユーザ車両を購入した後の所定の提案時期において、ユーザ車両に新たな装備を搭載することをユーザに対して提案するための提案処理を実行する。制御部120は、この提案処理を実行するための機能部として、取得部121および決定部122を有している。
【0036】
取得部121は、提案処理の対象となるユーザについてのユーザ情報をユーザ情報DB130から抽出する。これにより、取得部121は、ユーザ情報に含まれるユーザ車両のオプション装備についての情報を取得する。
【0037】
そして、決定部123は、取得部121によって取得されたユーザ情報に基づいて提案装備を決定する。このとき、決定部122は、ユーザ情報における車両情報に含まれるオプション装備の中から提案装備を選択する。
【0038】
ここで、決定部122における提案装備の選択の仕方について説明する。決定部122
は、ユーザ情報における点検時期フィールドに入力されている、車両の点検時期が何回目の点検時期であるについての情報に基づいて提案装備を選択する。より詳細には、決定部122は、車両の点検時期が、初回であるか、二回目以降であるか、に応じて、選択する提案装備を変更する。
【0039】
オプション装備の内、検討装備は、ユーザ車両に現在は搭載されていないが、ユーザによってユーザ車両に搭載することが過去に検討されたことがある装備である。つまり、検討装備は、ユーザによって関心が持たれた実績がある装備である。そのため、ユーザがユーザ車両の購入時においては検討装備を実装装備として選択していなかったとしても、ユーザ車両の購入後において、ユーザが検討装備をユーザ車両に搭載することを改めて望む場合がある。そして、ユーザがユーザ車両を購入してから初回の点検時期は、検討装備をユーザ車両に搭載することをユーザに促すのに好適な時期である。そこで、決定部122は、車両の点検時期が初回である場合、オプション装備の中から検討装備を提案装備として選択する。
【0040】
一方で、ユーザがユーザ車両を購入した後、ユーザ車両においては実装装備が経時的に劣化する場合がある。このような場合、ユーザは、劣化した実装装備を交換することを望む場合がある。そして、ユーザがユーザ車両を購入してからある程度の期間が経過している二回目以降の点検時期は、劣化した実装装備を交換することをユーザに促すのに好適な時期である。そこで、決定部122は、車両の点検時期が二回目以降である場合、オプション装備の中から実装装備と交換可能な装備を提案装備として選択する。なお、このときの提案装備は、実装装備と同一の装備でもよく、また、実装装備とは異なるが実装装備と互換可能な装備であってもよい。オプション装備において互換可能な装備は、車両のメーカによって予め定められている。
【0041】
そして、制御部120は、決定部122によって決定された提案装備についての情報である提案情報を、通信部110を用いて、提案処理の対象となったユーザのユーザ端末に送信する。つまり、ユーザ20が提案処理の対象である場合、管理サーバ100からユーザ端末200に提案情報が送信される。これにより、所定の提案時期に、ユーザ20に対して、ユーザ車両10に提案装備を新たに搭載することが提案される。
【0042】
なお、本実施形態においては、ユーザ情報DB130が、本開示に係る「所定のデータベース」に相当する。また、本実施形態においては、オプション装備が、本開示に係る「所定装備」に相当する。
【0043】
(提案処理)
以下、管理サーバ100において、制御部120によって実行される提案処理のフローについて
図5に基づいて説明する。
図5は、提案処理のフローを示すフローチャートである。ここでは、ユーザ20を対象として提案処理が実行された場合を例に挙げて説明する。なお、提案処理は、ユーザ情報DB130にユーザ情報が格納されている各ユーザについて実行される。
【0044】
ユーザ情報DB130に格納されているユーザ20のユーザ情報における点検時期に基づいて定められる所定の提案時期が到来すると、制御部120によって、ユーザ20を対象として、
図5に示すフローが実行される。本フローでは、先ずS101において、ユーザ情報DB130に格納されているユーザ20についてユーザ情報が抽出される。
【0045】
次に、S102において、S101で抽出されたユーザ情報における車両情報のオプション装備の中からユーザ20に対する提案装備が決定される。このとき、ユーザ情報におけるユーザ車両10の点検時期が初回であれば、オプション装備のうち検討装備が提案装
備として決定される。一方で、ユーザ情報におけるユーザ車両10の点検時期が二回目以降であれば、オプション装備のうち実装装備と交換可能な装備が提案装備として決定される。
【0046】
なお、ユーザ車両10の点検時期が初回であるときの提案装備となる検討装備には、実装装備と交換可能な装備が含まれていてもよい。また、ユーザ車両10の点検時期が二回目であるときの提案装備となる実装装備と交換可能な装備には、検討装備が含まれていてもよい。
【0047】
次に、S103において、S102で決定された提案装備についての情報である提案情報がユーザ端末200に送信される。このとき、提案情報とともに、ユーザ車両10の点検時期についての情報がユーザ端末200に送信されてもよい。これによれば、ユーザ20に対してユーザ車両10の点検時期を通知することができる。
【0048】
本実施例に係る情報管理システム1によれば、ユーザ車両10の点検または検査を実施するタイミングに合わせて、ユーザ20がユーザ車両10に搭載することを望む可能性があるオプション装備をユーザ20に提案することができる。したがって、ユーザ車両10にオプション装備を新たに搭載することを好適な時期にユーザ20に促すことができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、ユーザが車両を購入する際に車両に搭載することを検討した装備を検討装備とした。しかしながら、検討装備は、ユーザが車両を購入した後であって、法的に定められた車両の初回の点検時期よりも前において、ユーザが車両に搭載することを一旦は検討したが実際には車両に搭載しなかった装備であってもよい。
【0050】
(変形例1)
ユーザ20についてのユーザ情報におけるオプション装備に、ユーザ車両10に新たに搭載することでユーザ車両10の残存価値が現状よりも高くなる装備が含まれる場合がある。そこで、管理サーバ100の制御部120は、提案処理において、検討装備、または、実装装備と交換可能な装備をユーザ20に対する提案装備として決定するときに、ユーザ車両10に新たに搭載することでユーザ車両10の残存価値が現状よりも高くなる装備を選択して提案装備として決定してもよい。これによれば、ユーザ20がユーザ車両10に搭載することを望む可能性がより高い装備をユーザ20に対して提案することが可能となる。
【0051】
なお、オプション装備に含まれる各装備が、ユーザ車両10に新たに搭載されることでユーザ車両10の残存価値を現状よりも高める装備であるか否かについては、各装備の市場価値に基づいて判断することができる。そのため、管理サーバ100は、オプション装備に含まれる各装備の市場価値についての情報を取得してもよい。そして、制御部120は、取得された各装備の市場価値についての情報に基づいて、ユーザ車両10に新たに搭載されることでユーザ車両10の残存価値を現状よりも高める装備を選択してもよい。
【0052】
<第2実施形態>
本実施形態に係る情報管理システムの概略構成は第1実施形態と同様である。以下、本実施形態に係る情報管理システムにおいて第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0053】
ユーザ20がユーザ車両10を購入した後に、ユーザ車両10に対して搭載可能なオプション装備が、ユーザ車両10のメーカから追加でリリースされる場合がある。このとき、追加でリリースされたオプション装備(以下、「追加オプション」と称する場合もある。)をユーザ車両10に搭載することをユーザ20が望む場合がある。
【0054】
そこで、本実施形態においては、オプション装備が追加でリリースされた場合、管理サーバ100が追加オプションについての情報(追加オプション情報)を取得する。ここで、オプション装備が追加でリリースされた場合、販売店30の販売員によって店舗端末300に追加オプション情報が入力されてもよい。そして、店舗端末300から追加オプション情報がネットワークN1を介して管理サーバ100に送信されてもよい。これにより、管理サーバ100が追加オプション情報を取得することができる。なお、管理サーバ100に対して追加オプション情報が直接入力されてもよい。
【0055】
そして、本実施形態では、管理サーバ100において、制御部120が、追加オプションを、ユーザ情報DB130に記憶されたユーザ情報における車両情報のオプション装備に追加する。このとき、ユーザ情報DB130には、オプション装備に追加された装備が追加オプションであることを示す情報も入力される。
図6は、本実施形態に係る、ユーザ情報DB130に記憶されたユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図6に示す例においては、オプション装備についての情報として、「ACC(Adaptive cruise control)」が追加オプションである、とのことが入力されている。
【0056】
そして、本実施形態においても、管理サーバ100は、ユーザ情報DB130に記憶されたユーザ情報に基づいて提案処理を実行する。このとき、管理サーバ100において、制御部120は、ユーザ情報における車両情報に含まれるオプション装備の中から追加オプションを提案装備として選択する。なお、本実施形態において、制御部120は、第1実施形態に係る提案処理と同様の方法で提案装備として選択された、検討装備、または、実装装備と交換可能な装備に加えて、追加オプションを選択してもよい。そして、制御部120は、決定された提案装備についての情報である提案情報をユーザ端末200に送信する。
【0057】
追加オプションは、検討装備とは異なり、ユーザ20によってユーザ車両10に搭載することが過去に検討された装備ではない。しかしながら、追加オプションは、ユーザ車両10のメーカが新たにリリースした装備であるため、ユーザ20が追加オプションをユーザ車両10に搭載することを望む場合がある。したがって、本実施例に係る情報管理システム1によっても、ユーザ20がユーザ車両10に搭載することを望む可能性がある装備をユーザ20に対して提案することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態においては、追加オプションが、ユーザ車両10に新たに搭載することでユーザ車両10の残存価値が現状よりも高くなる装備であるときに、提案処理において、追加オプションを提案装備として決定してもよい。
【0059】
また、第1実施形態および第2実施形態に係る情報管理システム1においては、店舗端末300が、上述した管理サーバ100の機能を有していてもよい。また、情報管理システム1において、ユーザ端末200が、上述した店舗端末300の機能を有していてもよい。また、ユーザ端末200が、ユーザ20についてのユーザ情報を記憶している場合は、ユーザ端末200が、上述した提案処理を実行する機能を有していてもよい。
【0060】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0061】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によ
って実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0062】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0063】
1・・・情報管理システム
100・・管理サーバ
110、310・・通信部
120、320・・制御部
130・・ユーザ情報データベース
200・・ユーザ端末
300・・店舗端末