(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】無人搬送車管理システム、及び、無人搬送車の制御方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2021111912
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2024-02-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 伸広
【審査官】渡邊 捷太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-233422(JP,A)
【文献】特開2013-155037(JP,A)
【文献】特開2020-028196(JP,A)
【文献】特開昭62-193502(JP,A)
【文献】国際公開第2020/170623(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0103921(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無人搬送車を管理する無人搬送車管理システムであって、
前記無人搬送車によって実行される予定の搬送タスクの情報を取得するタスク情報取得部と、
前記無人搬送車が搬送物を搬送した実績の程度を表す累積搬送実績を、前記無人搬送車ごとに取得する実績取得部と、
前記累積搬送実績に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定し、決定された前記無人搬送車に前記搬送タスクの実行を指示する指示部と、
前記累積搬送実績に応じて、前記無人搬送車のメンテナンス時期を判断する判断部と、を備え、
前記累積搬送実績は、過去の搬送タスクにおける、(a)前記無人搬送車の移動距離、および、搬送物の重量に少なくとも基づく作業量の累積値を表す累積作業量、によって表され、
前記搬送タスクの情報は、前記搬送タスクにおいて搬送される搬送物である搬送対象の重量と、前記搬送対象の搬送元および搬送先の位置情報と、を含み、
前記無人搬送車管理システムは、
各前記無人搬送車の現在位置の情報を取得する位置情報取得部と、
各前記無人搬送車が前記現在位置から前記搬送元へ移動する距離、前記無人搬送車が前記搬送元から前記搬送先へと移動する距離、および、前記搬送対象の重量、に少なくとも基づいて、各前記無人搬送車が前記搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を算出する算出部と、を更に備え、
前記累積作業量は、前記無人搬送車が前記搬送物を支持しない状態で前記搬送元へ向かって走行する際にする仕事を表す第1仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を積載する際にする仕事を表す第2仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を支持した状態で前記搬送先へ向かって走行する際にする仕事を表す第3仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を降ろす際にする仕事を表す第4仕事の累積値と、を含み、
前記推定値は、前記第1仕事の推定値と、前記第2仕事の推定値と、前記第3仕事の推定値と、前記第4仕事の推定値と、を含み、
前記第1仕事および前記第3仕事は、前記無人搬送車の転がり抵抗と、加速抵抗と、移動距離と、に基づいて算出され、
前記第2仕事および前記第4仕事は、前記搬送物の上下による位置エネルギの変化に基づいて算出され、
前記指示部は、前記累積作業量と前記推定値との和に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定する、無人搬送車管理システム。
【請求項2】
複数の無人搬送車の制御方法であって、
前記無人搬送車によって実行される予定の搬送タスクの情報を取得する工程と、
前記無人搬送車が搬送物を搬送した実績の程度を表す累積搬送実績を、前記無人搬送車ごとに取得する工程と、
前記累積搬送実績に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定し、決定した前記無人搬送車に前記搬送タスクの実行を指示する
指示工程と、を備え
、
前記累積搬送実績に応じて、前記無人搬送車のメンテナンス時期を判断する工程と、を備え、
前記累積搬送実績は、過去の搬送タスクにおける、(a)前記無人搬送車の移動距離、および、搬送物の重量に少なくとも基づく作業量の累積値を表す累積作業量、によって表され、
前記搬送タスクの情報は、前記搬送タスクにおいて搬送される搬送物である搬送対象の重量と、前記搬送対象の搬送元および搬送先の位置情報と、を含み、
前記制御方法は、
各前記無人搬送車の現在位置の情報を取得する工程と、
各前記無人搬送車が前記現在位置から前記搬送元へ移動する距離、前記無人搬送車が前記搬送元から前記搬送先へと移動する距離、および、前記搬送対象の重量、に少なくとも基づいて、各前記無人搬送車が前記搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を算出する工程と、を更に備え、
前記累積作業量は、前記無人搬送車が前記搬送物を支持しない状態で前記搬送元へ向かって走行する際にする仕事を表す第1仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を積載する際にする仕事を表す第2仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を支持した状態で前記搬送先へ向かって走行する際にする仕事を表す第3仕事の累積値と、前記無人搬送車が前記搬送物を降ろす際にする仕事を表す第4仕事の累積値と、を含み、
前記推定値は、前記第1仕事の推定値と、前記第2仕事の推定値と、前記第3仕事の推定値と、前記第4仕事の推定値と、を含み、
前記第1仕事および前記第3仕事は、前記無人搬送車の転がり抵抗と、加速抵抗と、移動距離と、に基づいて算出され、
前記第2仕事および前記第4仕事は、前記搬送物の上下による位置エネルギの変化に基づいて算出され、
前記指示工程において、前記累積作業量と前記推定値との和に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人搬送車管理システム、及び、無人搬送車の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の無人搬送車を管理するシステムに関して、特許文献1には、複数の搬送車の累積走行距離を記憶し、累積走行距離が所定以上となった搬送車にメンテナンスステーションへの移動を指示する技術が開示されている。これによって、累積した負荷が大きい搬送車を自動的にメンテナンスステーションへ移動させてメンテナンスできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシステムにおいて、搬送車ごとに負荷がばらつく場合がある。搬送車ごとに負荷がばらついた場合、例えば、複数の搬送車をまとめて効率的にメンテナンスできない可能性や、各搬送車が寿命に達する時期にばらつきが生じる可能性が高かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、複数の無人搬送車を管理する無人搬送車管理システムが提供される。この無人搬送車管理システムは、前記無人搬送車によって実行される予定の搬送タスクの情報を取得するタスク情報取得部と、前記無人搬送車が搬送物を搬送した実績の程度を表す累積搬送実績を、前記無人搬送車ごとに取得する実績取得部と、前記累積搬送実績に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定し、決定された前記無人搬送車に前記搬送タスクの実行を指示する指示部と、を備える。
このような形態であれば、累積搬送実績に応じて搬送タスクを実行する無人搬送車を決定できるため、無人搬送車ごとの負荷のばらつきを抑制できる。
(2)上記形態において、前記累積搬送実績は、過去の搬送タスクにおける、(a)前記無人搬送車の移動距離、および、搬送物の重量に少なくとも基づく作業量の累積値を表す累積作業量と、(b)前記無人搬送車が搬送物を搬送した距離の累積値を表す累積搬送距離と、(c)前記無人搬送車が搬送物を搬送した回数の累積値を表す累積搬送回数と、のいずれか1つによって表されてもよい。このような形態であれば、累積作業量、累積搬送距離、又は、累積搬送回数のいずれか1つに応じて、搬送タスクを実行する無人搬送車を決定できる。
(3)上記形態において、前記指示部は、前記累積搬送実績が最も少ない前記無人搬送車に、前記搬送タスクの実行を指示してもよい。このような形態であれば、累積した負荷が最も小さい無人搬送車に搬送タスクを指示できる可能性が高まる。
(4)上記形態において、前記指示部は、前記累積搬送実績が予め定められた程度以下の前記無人搬送車の中から、前記搬送タスクの実行を指示する前記無人搬送車を決定してもよい。このような形態であれば、累積した負荷がより小さい無人搬送車の中から、搬送タスクを実行する無人搬送車を決定できる。
(5)上記形態において、前記累積搬送実績は、前記累積作業量によって表され、前記搬送タスクの情報は、前記搬送タスクにおいて搬送される搬送物である搬送対象の重量と、前記搬送対象の搬送元および搬送先の位置情報と、を含み、各前記無人搬送車の現在位置の情報を取得する位置情報取得部と、各前記無人搬送車が前記現在位置から前記搬送元へ移動する距離、前記無人搬送車が前記搬送元から前記搬送先へと移動する距離、および、前記搬送対象の重量、に少なくとも基づいて、各前記無人搬送車が前記搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を算出する算出部と、を更に備え、前記指示部は、前記累積作業量と前記推定値との和に応じて、前記搬送タスクを実行する前記無人搬送車を決定してもよい。このような形態であれば、搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を加味して、搬送タスクを実行する無人搬送車を決定できる。そのため、無人搬送車ごとの負荷のばらつきを抑制でき、かつ、搬送タスクにおいて搬送物をより効率良く搬送できる可能性が高まる。
【0007】
本開示は、上述した無人搬送車管理システムとしての形態以外にも、例えば、無人搬送車の制御方法や、複数の無人搬送車を備える無人搬送車システムなどの種々の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における無人搬送車システムの概略構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態における搬送処理のフローチャートである。
【
図3】第2実施形態における搬送処理のフローチャートである。
【
図4】第3実施形態における無人搬送車システムの概略構成を示す図である。
【
図5】第3実施形態における搬送処理のフローチャートである。
【
図6】第4実施形態における搬送処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態における無人搬送車システム100の概略構成を示す図である。無人搬送車システム100は、複数の無人搬送車20と、複数の無人搬送車20を管理する無人搬送車管理システム50とを備える。本実施形態では、無人搬送車システム100は、4台の無人搬送車20を備えている。無人搬送車システム100における無人搬送車20の台数は、2台や3台であってもよいし、5台以上であってもよい。無人搬送車システム100は、例えば、無人搬送車20の動作を監視するためのカメラを備えていてもよい。
【0010】
無人搬送車20は、AGV(Automatic Guided Vehicle)とも呼ばれ、部品等の搬送物を支持しながら自動走行することによって、搬送物を搬送する。本実施形態では、無人搬送車20は、画像認識方式のAGVとして構成されており、予め定められた経路上に配置されたマーカ等を読み取ることによって、経路における自らの現在位置を認識しつつ、経路上を走行する。他の実施形態では、無人搬送車20は、例えば、電磁誘導方式や、磁気誘導方式、レーザー誘導方式のAGVであってもよいし、非ガイド走行方式のAGVであってもよい。
【0011】
本実施形態における無人搬送車20は、走行用の車輪21と、搬送物を積載するためのテーブル22を支持し動作させるリフト23と、車両制御部24とを備える。無人搬送車20は、バッテリ(図示せず)の電力によって動作する。バッテリは、例えば、経路上の充電場所(図示せず)に設けられた有線式または無線式の充電器によって充電される。車両制御部24は、CPUとメモリとを備えるコンピュータによって構成されている。車輪21は、車両制御部24の制御下で駆動するモータ(図示せず)の駆動によって回転駆動する。リフト23は、車両制御部24の制御下で駆動する電動ボールネジ等によって構成され、テーブル22を上下させることが可能に構成されている。他の実施形態では、無人搬送車20は、例えば、リフト23ではなく、搬送物を把持して搬送物の積載や荷下ろしを行うアームを備えていてもよい。また、無人搬送車20は、搬送物を積載して搬送するのではなく、搬送物を牽引して搬送するように構成されていてもよい。
【0012】
本実施形態では、無人搬送車20は、部品等を支持する台車120を搬送物として搬送する。より詳細には、無人搬送車20は、台車120の下方に入り込み、リフト23によってテーブル22を上昇させて台車120をテーブル22上に積載して支持し、台車120を支持したまま搬送先へと走行することによって、台車120を搬送物として搬送する。
【0013】
無人搬送車管理システム50は、制御部60と記憶装置90と外部インターフェイスとを備えるコンピュータによって構成されている。無人搬送車管理システム50は、各無人搬送車20、および、外部端末110と無線通信可能に構成されている。外部端末110は、本実施形態では、タブレット端末によって構成されている。外部端末110は、例えば、スマートフォンやコンピュータによって構成されていてもよい。また、複数の外部端末110が無人搬送車管理システム50と通信可能に構成されていてもよい。
【0014】
本実施形態では、無人搬送車管理システム50は、外部端末110と通信することによって、後述する搬送タスクの情報等を受信する。また、無人搬送車管理システム50は、各無人搬送車20と通信することによって、各無人搬送車20の現在位置の情報を受信する他、搬送タスクを実行する無人搬送車20に搬送タスクの情報を送信する。
【0015】
制御部60は、タスク情報取得部65と、実績取得部70と、指示部75とを備える。更に、本実施形態では、制御部60は、位置情報取得部80を備える。本実施形態において、タスク情報取得部65と、実績取得部70と、指示部75と、位置情報取得部80とは、それぞれ、制御部60がプログラムを実行することによって実現される機能部である。
【0016】
位置情報取得部80は、各無人搬送車20の現在位置の情報を取得する。本実施形態では、位置情報取得部80は、無人搬送車管理システム50が各無人搬送車20から受信した現在位置の情報を取得する。
【0017】
タスク情報取得部65は、無人搬送車20によって実行される予定の搬送タスクの情報を取得する。本実施形態では、搬送タスクの情報は、搬送対象の重量と、搬送対象の搬送元および搬送先の位置情報とを含む。搬送対象とは、その搬送タスクにおいて無人搬送車20によって搬送される搬送物のことを指す。本実施形態では、タスク情報取得部65は、無人搬送車管理システム50が外部端末110から受信した搬送タスクの情報を取得する。他の実施形態では、タスク情報取得部65は、例えば、外部端末110から送信された搬送タスクの識別子を取得し、識別子に基づいて記憶装置90に記憶された情報を参照して、記憶装置90から搬送対象の重量や、搬送元および搬送先の位置情報を取得してもよい。この場合、記憶装置90は、搬送タスクの識別子と、その搬送タスクによって搬送される搬送物の重量や、搬送元および搬送先の位置情報とを、予め紐づけて記憶すればよい。また、例えば、搬送物ごとに搬送元および搬送先が予め定められている場合、搬送タスクの識別子として、搬送物の識別子が用いられてもよい。
【0018】
搬送タスクは、後述する指示部75に指示された無人搬送車20によって実行される。無人搬送車20は、搬送タスクにおいて、まず、経路を走行して現在位置から搬送元へと移動する。次に、無人搬送車20は、搬送元にて、搬送対象を積載する。無人搬送車20は、積載した搬送対象を支持したまま、経路を走行して搬送元から搬送先へと移動する。そして、無人搬送車20は、搬送先にて搬送対象を降ろす。本実施形態では、搬送対象を搬送先へと搬送した無人搬送車20は、充電場所への移動や他の無人搬送車20の経路確保等のための移動を行わない場合、新たな搬送タスクの実行を指示されるまで、その場で待機する。他の実施形態では、無人搬送車20への搬送物の積載や、無人搬送車20からの搬送物の荷下ろしは、例えば、ロボットや手作業によって行われてもよい。
【0019】
実績取得部70は、無人搬送車20ごとに累積搬送実績を取得する。本実施形態では、実績取得部70は、記憶装置90に無人搬送車20ごとに記憶された累積搬送実績を、記憶装置90から取得する。累積搬送実績とは、無人搬送車20が搬送物を搬送した実績の程度を表す。本実施形態における累積搬送実績は、無人搬送車20の過去の搬送タスクにおける作業量の累積値を表す累積作業量によって表される。ある無人搬送車20の搬送タスクにおける作業量は、その搬送タスクにおいてその無人搬送車20が移動する距離、および、その搬送タスクにおいてその無人搬送車20が搬送する搬送物の重量に少なくとも基づいて算出される。
【0020】
本実施形態では、累積作業量は、無人搬送車20が過去の搬送タスクにおいてした仕事の累積値を表す累積仕事量として算出される。ある無人搬送車20の累積仕事量には、その無人搬送車20が搬送物を支持しない状態で搬送元へ向かって走行する際にする仕事を表す第1仕事の累積値と、その無人搬送車20が搬送物を積載する際にする仕事を表す第2仕事の累積値と、その無人搬送車20が搬送物を支持した状態で搬送先へ向かって走行する際にする仕事を表す第3仕事の累積値と、その無人搬送車20が搬送物を降ろす際にする仕事を表す第4仕事の累積値とが含まれる。
【0021】
本実施形態において、第1仕事および第3仕事は、無人搬送車20が搬送元又は搬送先に向かって走行する際の転がり抵抗と、加速抵抗と、移動距離とに基づいて算出される。転がり抵抗や加速抵抗は、無人搬送車20の重量に基づいて算出される。無人搬送車20が搬送物を支持した状態で搬送先へ向かって走行する場合、無人搬送車20の車体には搬送物の重量が加算されるため、通常、第3仕事は第1仕事よりも大きくなる。他の実施形態では、第1仕事および第3仕事は、例えば、無人搬送車20が走行する際の空気抵抗や勾配抵抗を加味して算出されてもよい。第2仕事および第4仕事は、搬送物の上下による位置エネルギーの変化に基づいて算出される。つまり、第2作業量および第4作業量は、搬送物の重量に基づいて算出される。
【0022】
制御部60は、例えば、累積搬送実績に応じて無人搬送車20のメンテナンス時期を判断し、無人搬送車20のメンテナンスを実行してもよい。例えば、本実施形態では、制御部60は、累積作業量が予め定められた値分加算されるごとに、無人搬送車20をメンテナンスするメンテナンス場所(図示せず)へと移動させてもよい。メンテナンス場所では、例えば、無人搬送車20の車輪21やリフト23の修繕や交換が行われてもよいし、その他の部材の修繕や交換が行われてもよい。累積作業量が大きい無人搬送車20ほど、その車輪21やリフト23に搬送による大きな負荷がかかっている可能性が高いため、累積作業量に応じて無人搬送車20のメンテナンス時期を判断することで、より効果的に無人搬送車20をメンテナンスできる。また、無人搬送車管理システム50は、例えば、無人搬送車20がメンテナンス時期に到達した場合、モニタやスピーカ等の報知部による報知や、外部端末110への信号の送信によって、無人搬送車20がメンテナンス時期に到達したことをユーザに報知してもよい。
【0023】
指示部75は、累積搬送実績に応じて、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定し、決定された無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。本実施形態では、指示部75は、累積作業量に応じて、各無人搬送車20の負荷が平準化されるように、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定する。
【0024】
図2は、本実施形態における搬送処理のフローチャートである。搬送処理とは、無人搬送車システム100において、無人搬送車20に搬送タスクを実行させて、搬送対象を搬送元から搬送先へと搬送する処理を指す。
図2のフローチャートは、複数の無人搬送車20の制御方法を表していると言うこともできる。
図2の搬送処理は、無人搬送車管理システム50が搬送タスクを受け付けた際に、制御部60によって実行される。本実施形態では、無人搬送車管理システム50は、外部端末110から搬送タスクの情報を受信することによって、搬送タスクを受け付ける。
【0025】
ステップS105にて、タスク情報取得部65として機能する制御部60は、実行予定の搬送タスクの情報を取得する。ステップS110にて、位置情報取得部80として機能する制御部60は、各無人搬送車20の現在位置情報を取得する。ステップS115にて、実績取得部70として機能する制御部60は、各無人搬送車20の累積作業量を取得する。
【0026】
ステップS120にて、指示部75として機能する制御部60は、ステップS115で取得した累積作業量を参照し、累積作業量が最も少ない無人搬送車20を、搬送タスクを実行させる無人搬送車20として決定し、その無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。本実施形態では、制御部60は、決定した無人搬送車20に、搬送タスクの実行命令と、搬送元および搬送先の位置情報を送信することによって、搬送タスクの実行を指示する。
【0027】
ステップS120において搬送タスクの実行を指示された無人搬送車20は、受信した搬送元および搬送先の位置情報に基づいて、搬送タスクを実行する。その後、無人搬送車20は、搬送タスクが完了したことを表す完了信号を無人搬送車管理システム50に送信する。
【0028】
ステップS125にて、制御部60は、搬送タスクを実行した無人搬送車20の累積作業量を更新する。本実施形態では、制御部60は、無人搬送車管理システム50が無人搬送車20から完了信号を受信した場合にステップS125を実行する。制御部60は、ステップS125において、搬送タスクを実行した無人搬送車20の、搬送タスクを実行する前の累積作業量に、搬送タスクによる作業量を加えることによって、累積作業量を更新する。本実施形態では、制御部60は、搬送タスクによる作業量を、その搬送タスクにおける第1仕事と第2仕事と第3仕事と第4仕事との和として算出する。
【0029】
以上で説明した本実施形態における無人搬送車管理システム50によれば、指示部75は、累積搬送実績に応じて、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定し、決定された無人搬送車20に、その搬送タスクの実行を指示する。これによって、累積搬送実績に応じて搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定できるため、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制できる。
【0030】
また、本実施形態では、指示部75は、累積搬送実績が最も少ない無人搬送車20に、搬送タスクの実行を指示する。そのため、累積した負荷が最も小さい無人搬送車20に搬送タスクを指示できる可能性が高まる。
【0031】
他の実施形態では、累積搬送実績は、累積作業量ではなく、例えば、累積搬送距離や累積搬送回数によって表されてもよい。ある無人搬送車20の累積搬送距離とは、その無人搬送車20が搬送物を支持しながら走行した距離の累積値を指す。ある無人搬送車20の累積搬送回数とは、その無人搬送車20が搬送物を搬送した回数の累積値を指す。累積搬送回数や累積搬送実績は、累積作業量と同様に車輪21やリフト23の負荷と相関するため、この場合であっても、搬送処理を実行することによって、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制しつつ搬送タスクを実行できる。例えば、累積搬送実績が累積搬送距離によって表される場合、制御部60は、
図2に示した搬送処理のステップS115に相当する工程において、各無人搬送車20の累積搬送距離を取得する。そして、制御部60は、ステップS120に相当する工程において、累積搬送距離が最も少ない無人搬送車20を、搬送タスクを実行する無人搬送車20として決定し、決定した無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。その後、制御部60は、ステップS125に相当する工程において、累積搬送距離を更新する。累積搬送実績が累積搬送回数によって表される場合においても、制御部60は、上記と同様に搬送処理を実行できる。
【0032】
B.第2実施形態:
図3は、第2実施形態において制御部60によって実行される搬送処理のフローチャートである。本実施形態では、無人搬送車管理システム50の制御部60は、第1実施形態と異なり、累積搬送実績が予め定められた程度以下の無人搬送車20の中から、搬送タスクの実行を指示する無人搬送車20を決定する。第2実施形態における無人搬送車システム100の構成は、特に説明しない限り、第1実施形態と同様である。
【0033】
ステップS205からステップS215は、それぞれ、
図2のステップS105からステップS115と同様であるため、説明を省略する。
【0034】
ステップS220にて、制御部60は、抽出処理を実行する。抽出処理とは、累積搬送実績が予め定められた程度以下の無人搬送車20を抽出する処理を指す。本実施形態では、制御部60は、抽出処理において、累積作業量が予め定められた閾値以下の無人搬送車20を抽出する。本実施形態では、抽出処理における閾値は、ステップS215で取得された累積作業量の最大値に、0より大きく、かつ、1未満の予め定められた係数を乗じた値に定められる。他の実施形態では、閾値は、例えば、ステップS215で取得された累積作業量の平均値や、中央値に定められてもよい。
【0035】
ステップS225にて、制御部60は、ステップS220で実行した抽出処理によって無人搬送車20が抽出されたか否かを判定する。抽出処理によって無人搬送車20が抽出されたと判定された場合、ステップS230にて、制御部60は、抽出処理によって抽出された無人搬送車20の中から、搬送タスクの実行を指示する無人搬送車20を決定し、その無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。
【0036】
本実施形態では、制御部60は、ステップS230において、抽出処理によって抽出された無人搬送車20のうち、搬送対象に最も近い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。本実施形態における抽出処理では、閾値が小さいほど、より累積作業量が少ない無人搬送車20が抽出される可能性が高い。そのため、閾値を小さくすることによって、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制できる可能性がより高まる。一方で、上述した閾値が大きいほど、抽出処理において、より多くの無人搬送車20が抽出される可能性が高い。そのため、本実施形態では、閾値を大きくすることによって、ステップS230において、より搬送物への距離が近い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示できる可能性が高まる。そのため、閾値を適切に定めることによって、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制しつつ、無人搬送車20によって効率良く搬送物を搬送できる。本実施形態では、閾値を大きくする場合、上述した係数の値を大きくし、閾値を小さくする場合、係数の値を小さくすればよい。
【0037】
ステップS225の抽出処理によって無人搬送車20が抽出されなかったと判定された場合、ステップS235にて、制御部60は、全ての無人搬送車20の中から、搬送タスクの実行を指示する無人搬送車20を決定し、その無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。この場合、ステップS225で無人搬送車20が抽出されたと判定された場合と比較して無人搬送車20ごとの累積作業量の差が小さいため、どの無人搬送車20が搬送タスクを実行しても、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきに差が生じにくい。本実施形態では、制御部60は、ステップS235において、全ての無人搬送車20のうち、搬送対象に最も近い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。
【0038】
ステップS240は、
図2のステップS125と同様である。なお、例えば、抽出処理における閾値が、ステップS210で取得された累積作業量の平均値や中央値に定められる場合、ステップS225やステップS235が省略されてもよい。
【0039】
以上で説明した第2実施形態における無人搬送車管理システム50によれば、指示部75は、累積搬送実績が予め定められた程度以下の無人搬送車20の中から、搬送タスクの実行を指示する無人搬送車20を決定する。これによって、累積した負荷がより小さい無人搬送車20の中から、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定できる。特に、本実施形態では、累積搬送実績が予め定められた閾値以下の無人搬送車20のうち、搬送対象に最も近い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。そのため、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制しつつ、無人搬送車20によって効率良く搬送物を搬送できる。
【0040】
他の実施形態では、制御部60は、
図3のステップS230やステップS235において、搬送対象に最も近い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示しなくてもよい。例えば、制御部60は、ステップS230やステップS235において、バッテリ残量が最も多い無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示してもよい。また、制御部60は、
図3の搬送処理を実行する場合に、第1実施形態で説明したのと同様に、累積搬送実績として、累積作業量ではなく、累積搬送距離や累積搬送回数を用いてもよい。
【0041】
C.第3実施形態:
図4は、第3実施形態における無人搬送車システム100bの概略構成を示す図である。本実施形態では、無人搬送車管理システム50bの制御部60bは、第1実施形態と異なり、各無人搬送車20が搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を算出する算出部85を備える。また、指示部75として機能する制御部60bは、累積作業量と算出した作業量の推定値との和に応じて、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定する。本実施形態における無人搬送車システム100bの構成は、特に説明しない限り、第1実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態における算出部85は、制御部60bがプログラムを実行することによって実現される機能部である。算出部85は、より詳細には、制御部60bは、搬送タスクが実行された場合に無人搬送車20が現在位置から搬送元へと移動する距離、無人搬送車20が搬送元から搬送先へと移動する距離、および、搬送対象の重量に少なくとも基づいて、各無人搬送車20がその搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を表すタスク推定値を算出する。本実施形態では、制御部60bは、第1実施形態で搬送タスクにおける作業量を算出するのと同様に、無人搬送車20の現在位置情報と、搬送元および搬送先の位置情報と、搬送対象の重量とに基づいて、タスク推定値を、無人搬送車20が搬送タスクを実行した場合の仕事として算出する。
【0043】
図5は、第3実施形態における搬送処理のフローチャートである。ステップS305からステップS315は、それぞれ、
図1のステップS105からステップS115と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
ステップS320にて、算出部85として機能する制御部60bは、上述したタスク推定値を算出する。本実施形態では、制御部60bは、ステップS320において、各無人搬送車20が搬送タスクを実行した場合の第1仕事の推定値、第2仕事の推定値、第3仕事の推定値、および、第4仕事の推定値を算出し、これらの推定値の和をタスク推定値として算出する。
【0045】
本実施形態では、制御部60bは、ステップS320において、第2仕事の推定値、第3仕事の推定値、および、第4仕事の推定値を、各無人搬送車20に共通の値として算出する。一方で、第1仕事の推定値は、無人搬送車20ごとの現在位置から搬送先までの移動距離が異なる場合、無人搬送車20ごとに異なる値として推定される。他の実施形態では、制御部60bは、ステップS320において、例えば、各無人搬送車20の仕様や、経年使用による車輪21やリフト23等の劣化に応じて、第2仕事の推定値や、第3仕事の推定値、第4仕事の推定値を、無人搬送車20ごとに算出してもよい。
【0046】
ステップS325にて、算出部85として機能する制御部60bは、ステップS315で取得した累積作業量と、ステップS320で算出したタスク推定値との和を、無人搬送車20ごとに算出する。各無人搬送車20の累積作業量とタスク推定値との和のことを、推定累積値と呼ぶこともある。
【0047】
ステップS330にて、指示部75として機能する制御部60bは、推定累積値が最も小さい無人搬送車20を、搬送タスクを実行させる無人搬送車20として決定し、その無人搬送車20に搬送タスクの実行を指示する。これによって、例えば、ある無人搬送車20の累積作業量が最小であっても、その推定累積値が最小でなければ、その無人搬送車20には搬送タスクの実行が指示されず、他の無人搬送車20に搬送タスクの実行が指示される。この場合、搬送タスクの実行を指示される無人搬送車20のタスク推定値は、累積作業量が最小であった無人搬送車20のタスク推定値よりも小さい。つまり、本実施形態では、この場合に搬送タスクの実行を指示される無人搬送車20の現在位置は、累積作業量が最小であった無人搬送車20の現在位置と比較して、より搬送元に近い。そのため、実行される搬送タスクにおいて、より効率良く搬送対象が搬送される可能性が高い。ステップS335は、
図2のステップS125と同様である。
【0048】
以上で説明した第3実施形態における無人搬送車管理システム50bによれば、指示部75は、累積作業量、および、現在位置情報および搬送タスクの情報に基づいて算出された作業量の推定値に応じて、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定する。これによって、搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を加味して、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定できる。そのため、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制でき、かつ、搬送タスクにおいて搬送物をより効率良く搬送できる可能性が高まる。
【0049】
D.第4実施形態:
図6は、第4実施形態において制御部60bによって実行される搬送処理のフローチャートである。制御部60bは、第3実施形態では、推定累積値が最も小さい無人搬送車20を、搬送タスクを実行する無人搬送車20として決定したが、本実施形態では、推定累積値が閾値以下の無人搬送車20の中から、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定する。本実施形態における無人搬送車システム100bの構成は、特に説明しない限り、第3実施形態と同様である。
【0050】
図6のステップS405からステップS425は、それぞれ、
図5のステップS305からステップS325と同様である。
図6のステップS430にて、制御部60bは、
図3のステップS220において累積作業量が閾値以下の無人搬送車20を抽出するのと同様に、推定累積値が閾値以下の無人搬送車20を抽出する。ステップS435にて、制御部60bは、ステップS430で無人搬送車20が抽出されたか否かを判定する。ステップS440からステップS450は、それぞれ、
図3のステップS230からステップS240と同様である。
【0051】
以上で説明した第4実施形態における無人搬送車管理システム50bによっても、第3実施形態と同様に、搬送タスクを実行した場合の作業量の推定値を加味して、搬送タスクを実行する無人搬送車20を決定できる。そのため、無人搬送車20ごとの負荷のばらつきを抑制でき、かつ、搬送タスクにおいて搬送物をより効率良く搬送できる可能性が高まる。
【0052】
E.他の実施形態:
(E1)上記実施形態では、実績取得部70は、搬送処理において、累積搬送実績を記憶装置90から取得している。これに対して、実績取得部70は、累積搬送実績を記憶装置90から取得しなくてもよい。例えば、各無人搬送車20の車両制御部24の記憶部が累積搬送実績を記憶し、実績取得部70は、搬送処理において、各無人搬送車20から送信された累積搬送実績を取得してもよい。この場合、例えば、無人搬送車20は、搬送タスクを実行した場合に、搬送対象の重量や搬送元および搬送先の位置情報に基づいて、自ら累積搬送実績を更新してもよい。
【0053】
(E2)上記実施形態では、過去の搬送タスクにおける作業量や、タスク推定値としての作業量は、無人搬送車20がする仕事として算出されている。これに対して、作業量は、無人搬送車20がする仕事として算出されなくてもよい。例えば、作業量は、搬送タスクにおいて、無人搬送車20が搬送物を支持していない状態で移動する距離に、搬送物を支持していない状態の無人搬送車20の重量を乗じた値と、無人搬送車20が搬送物を支持した状態で移動する距離を表す搬送距離に、その搬送物を支持している状態の無人搬送車20の重量を乗じた値との和によって表されてもよい。また、作業量は、例えば、搬送距離に搬送物の重量を乗じた値によって表されてもよいし、搬送距離と搬送物の重量とにそれぞれ異なる係数を乗じて算出される値同士の和によって表されてもよい。
【0054】
(E3)上記実施形態では、累積搬送実績は、累積作業量、累積搬送距離、又は、累積搬送回数のいずれか1つによって表されている。これに対して、累積搬送実績は、累積作業量、累積搬送距離、又は、累積搬送回数によって表されなくてもよく、例えば、無人搬送車20が搬送した搬送物の重量の累積値によって表されてもよい。
【0055】
(E4)上記実施形態では、搬送タスクの情報は、搬送対象の重量と、搬送元および搬送先の位置情報とを含んでいる。これに対して、搬送タスクの情報は、搬送対象の重量や、搬送元の位置情報、搬送先の位置情報を含んでいなくてもよい。例えば、累積搬送実績が累積搬送距離や累積搬送回数によって表される場合、搬送タスクの情報は、搬送対象の重量を含んでいなくてもよい。また、搬送タスクの情報は、例えば、搬送タスクの識別子のみによって構成されていてもよい。この場合、搬送タスクを実行する無人搬送車20が、無人搬送車管理システム50から送信された搬送タスクの識別子に基づいて、他のコンピュータ等から搬送元および搬送先の位置情報を取得してもよい。
【0056】
(E5)上記実施形態では、位置情報取得部80として機能する制御部60は、搬送処理において、各無人搬送車20の現在位置情報を取得している。これに対して、制御部60は、例えば、累積搬送実績が累積搬送回数によって表される場合や、各無人搬送車20によって累積搬送実績が更新される場合、搬送処理において、無人搬送車20の現在位置情報を取得しなくてもよい。この場合、無人搬送車管理システム50は、位置情報取得部80を備えていなくてもよい。
【0057】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
20…無人搬送車、21…車輪、22…テーブル、23…リフト、24…車両制御部、50,50b…無人搬送車管理システム、60,60b…制御部、65…タスク情報取得部、70…実績取得部、75…指示部、80…位置情報取得部、85…算出部、90…記憶装置、100,100b…無人搬送車システム、110…外部端末、120…台車