(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021208459
(22)【出願日】2021-12-22
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 雅人
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-101227(JP,A)
【文献】特開2019-220050(JP,A)
【文献】特開2021-149250(JP,A)
【文献】特開平11-078729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
車両に関する車両情報を取得
し、
取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する
複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、
前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、
前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、
前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記運転者が乗車した前記車両
を製造する車両メーカーの種類に応じて、
前記モニタに表示させる前記アバターの表示態様を変化させる
、
請求項1
に記載の情報処理装置。
【請求項3】
車両に関する車両情報を取得し、
取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する
複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、
前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、
前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、
前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる、
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
車両に関する車両情報を取得し、
取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する
複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、
前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、
前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、
前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者に車両の利用を促進させることができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、運転者の運転に関する評価である運転診断が、運転者が運転する車両に関する情報に基づいて行われている。このとき、運転者の安全運転を助長するために、運転者に運転診断を継続して利用させることが望ましい。
【0005】
ここで、特許文献1には、車両の利用を促進させる技術が開示されているが、運転者に運転診断を継続して利用させる技術については開示されておらず、運転者に運転診断を継続して利用させる点について改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、車両に関する車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる。
【0008】
請求項1に係る情報処理装置では、取得部は、車両情報を取得する。また、評価部は、取得部が取得した車両情報に基づいて、車両の運転者の運転に関する評価を行う。そして、制御部は、評価部による評価の結果に基づいて、車両又は運転者に紐付いて付与された車両のアバターを成長又はアバターの好感度を変化させる。これにより、当該情報処理装置では、車両をキャラクター化することができ、運転者にアバターへの愛着を感じさせることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0009】
他の態様の情報処理装置は、前記アバターは、複数種類設けられ、複数の前記アバターの中から前記車両に紐付く第1アバターを表示部に表示させる前記アバターとして選択する第1選択部を備える。
【0010】
他の態様の情報処理装置では、アバターは、複数種類設けられている。そして、第1選択部は、複数のアバターの中から車両に紐付く第1アバターを表示部に表示させるアバターとして選択する。これにより、当該情報処理装置では、車両を保有している間、1体のアバターと継続して付き合えることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0011】
他の態様の情報処理装置は、前記アバターは、複数種類設けられ、複数の前記アバターの中から前記運転者に紐付く第2アバターを表示部に表示させる前記アバターとして選択する第2選択部を備える。
【0012】
他の態様の情報処理装置では、アバターは、複数種類設けられている。そして、第2選択部は、複数のアバターの中から運転者に紐付く第2アバターを表示部に表示させるアバターとして選択する。これにより、当該情報処理装置では、一の運転者が他の車両を利用する場合においても、1体のアバターと継続して付き合えることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0013】
請求項2に係る情報処理装置は、請求項1において、前記プロセッサは、前記運転者が乗車した前記車両を製造する車両メーカーの種類に応じて、前記モニタに表示させる前記アバターの表示態様を変化させる。
【0014】
請求項2に係る情報処理装置では、プロセッサは、運転者が乗車した車両を製造する車両メーカーの種類に応じて、モニタに表示させるアバターの表示態様を変化させる。これにより、当該情報処理装置では、異なる表示態様のアバターを確認するために、運転者による種々の車両の利用を促進することができる。
【0015】
他の態様の情報処理装置は、前記運転者の前記評価の結果に応じて、表示部に表示させる前記アバターの表示態様を変化させる第2変化部を備える。
【0016】
他の態様の情報処理装置では、第2変化部は、運転者の評価の結果に応じて、表示部に表示させるアバターの表示態様を変化させる。例えば、第2変化部は、運転者の評価の結果の良し悪しに応じた表示態様へとアバターを変化させてもよい。これにより、当該情報処理装置では、運転者の評価の結果に応じた表示態様でアバターが表示されるため、運転者の運転診断に対する関心を高めることが期待できる。
【0017】
他の態様の情報処理装置は、前記運転者の前記評価の結果に応じて、前記アバターに関する特典を付与する付与部を備える。
【0018】
他の態様の情報処理装置では、付与部は、運転者の評価の結果に応じて、アバターに関する特典を付与する。これにより、当該情報処理装置では、特典を獲得するために、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0019】
他の態様の情報処理装置は、前記アバターに特有の表現で、前記車両に関する通知を出力させる出力部を備える。
【0020】
他の態様の情報処理装置では、出力部は、アバターに特有の表現で、車両に関する通知を出力させる。これにより、当該情報処理装置では、車両に関する通知がアバターに特有の表現で出力されることで、運転者の車両への愛着を高めることが期待できる。
【0021】
請求項3に係る情報処理方法は、車両に関する車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる、処理をコンピュータが実行する。
【0022】
請求項4に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、車両に関する車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて、前記車両の運転者の運転に関する複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した前記各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出し、前記運転者の前記合計評価値が、所定値以上の場合には、前記車両に紐付いて付与された前記車両のアバターの好感度を上げ、前記所定値よりも小さい特定値以下の場合には前記アバターの好感度を下げ、前記アバターの好感度を上げた場合、前記車両のモニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を増加させ、前記アバターの好感度を下げた場合、前記モニタに表示される前記アバターの好感度を示す星の数を減少させる、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムでは、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置及び運転者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の記憶部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る複数のアバターの一例を示す説明図である。
【
図6】本実施形態に係る車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理装置による選択処理の流れを示す第1のフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る情報処理装置による表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第1の表示例である。
【
図10】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第2の表示例である。
【
図11】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第3の表示例である。
【
図12】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第4の表示例である。
【
図13】本実施形態に係る情報処理装置による選択処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【
図14】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第5の表示例である。
【
図15】本実施形態に係る車両のモニタに表示される第6の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
本実施形態に係る情報処理システム10は、車両の運転に関する評価(以下、「運転診断」とする)を継続して利用する運転者の意欲を高めるためのシステムである。
【0026】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る情報処理システム10について説明する。
図1は、情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0027】
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置20、運転者端末40、及び車両60を含む。情報処理装置20、運転者端末40、及び車両60に搭載された車載器15は、ネットワークNを介して接続され、互いに通信可能となっている。
【0028】
情報処理装置20は、所定の事業者が保有するサーバコンピュータである。情報処理装置20は、車両60に関する車両情報及びアバターに関するアバター情報等を一元管理する。第1の実施形態では、情報処理装置20は、車両60毎にアバターを紐付けて管理する。また、情報処理装置20は、車両60から取得した車両情報に基づいて、アバターの画像及び音声等を含んだアバター情報を運転者端末40及び車両60に送信して、車両60の運転者に提供する。
【0029】
運転者端末40は、車両60の運転者が保有する携帯端末である。運転者端末40には、一例として、携帯可能なパーソナルコンピュータ(ノートPC)、スマートフォン、又はタブレット端末等が適用される。第1の実施形態では、一例として、運転者端末40はスマートフォンとする。運転者端末40は、運転者の操作内容を、ネットワークNを介して情報処理装置20に送信する。
【0030】
車両60は、エンジン車両、ハイブリッド車両、又は電気自動車の何れであってもよいが、第1の実施形態では、一例として、車両60はエンジン車両とする。上記のように、車両60は、車両情報を、ネットワークNを介して情報処理装置20に送信する。
【0031】
ここで、運転者端末40及び車両60には、車両60の運転者の運転診断の結果(以下、「運転診断結果」とする)を示すアプリケーション(以下、「運転診断アプリ」とする)がインストールされている。当該運転診断アプリでは、運転診断結果を示すだけでなく、ネットワークNを介して情報処理装置20と通信を行い、情報処理装置20から取得したアバター情報に含まれる画像の表示、及びアバター情報に含まれる音声の出力等が行われる。
【0032】
次に、情報処理装置20及び運転者端末40のハードウェア構成を説明する。
図2は、情報処理装置20及び運転者端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。なお、情報処理装置20及び運転者端末40は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、情報処理装置20を代表して説明する。
【0033】
図2に示すように、情報処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、記憶部24、入力部25、表示部26、及び通信部27を備えている。各構成は、バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
【0034】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又は記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又は記憶部24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0035】
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0036】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0037】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイク、及びカメラ等を含み、各種の入力を行うために使用される。
【0038】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示する。表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25として機能してもよい。
【0039】
通信部27は、他の機器と通信するためのインターフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、Bluetooth(登録商標)、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
【0040】
図3は、情報処理装置20の記憶部24の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、記憶部24には、少なくとも後述する選択処理及び表示処理を実行するための情報処理プログラム24Aが格納されている。当該情報処理プログラム24Aを実行する際に、情報処理装置20は、
図2に示すハードウェア資源を用いて、当該情報処理プログラム24Aに基づく処理を実行する。
【0041】
また、記憶部24は、アバター情報を管理するアバターデータベース(以下、「アバターDB」とする)24Bを備えている。アバターDB24Bは、アバター情報として、アバターに固有のアバターID(Identification)に、対応する車両60に固有の車両ID、画像情報、音声情報、ステータス情報、及び好感度情報を紐付けて管理している。画像情報は、アバターの画像に関する情報である。音声情報は、アバターの音声に関する情報である。ステータス情報には、例えば、アバターの年齢と、年齢毎のアバターの画像情報及び音声情報と、次の年齢に成長するために必要な後述する合計評価値と、が含まれる。好感度情報は、アバターの運転者に対する好感度を示す情報である。
【0042】
次に、情報処理装置20の機能構成について説明する。
図4は、情報処理装置20の機能構成の例を示すブロック図である。
【0043】
図4に示すように、情報処理装置20のCPU21は、機能構成として、取得部21A、評価部21B、制御部21C、選択部21D、変化部21E、付与部21F、出力部21G、及び管理部21Hを有する。各機能構成は、CPU21が記憶部24に記憶された情報処理プログラム24Aを読み出し、実行することにより実現される。
【0044】
取得部21Aは、車両60に関する車両情報を取得する。一例として、取得部21Aは、車両情報として、車両60が備える後述する操舵角センサ71、加速度センサ72、車速センサ73、及びウインカースイッチ74によって検出された車両60の操舵角、加速度、車速、及びウインカー操作を取得する。また、取得部21Aは、車両情報として、車両60が備える後述するECU70Cによって検出された車両60のエンジン回転数、エンジントルク、燃費及びアクセル操作を取得する。さらに、取得部21Aは、車両情報として、運転者が乗車した車両60の車両IDを取得する。なお、上記の情報は、取得部21Aが車両60から取得可能な車両情報の一部であり、上記の情報以外の車両60に関する情報も、取得部21Aは車両情報として車両60から取得する。
【0045】
評価部21Bは、取得部21Aが取得した車両情報に基づいて、車両60の運転者の運転診断を行う。一例として、評価部21Bは、複数の評価項目の良し悪しに基づいて運転診断を行う。
【0046】
複数の評価項目には、一例として、アクセル、ステアリング、ブレーキ、及びエコが含まれる。第1の実施形態では、評価部21Bは、車両情報に基づいて複数の評価項目における各項目の個別評価値を算出し、算出した各項目の個別評価値を合計して合計評価値を算出する。例えば、評価部21Bは、車両情報に基づいて、急ブレーキ及び一時停止の有無等のブレーキ操作から評価項目「ブレーキ」の個別評価値を算出する。そして、評価部21Bは、運転診断結果として、複数の評価項目における各項目の個別評価値、合計評価値、及び、当該合計評価値に基づくポイントを算出する。
【0047】
制御部21Cは、評価部21Bによる運転診断結果に基づいて、車両60に紐付いて付与された車両60のアバターを成長又はアバターの好感度を変化させる。制御部21Cは、車両60のアバターを成長又はアバターの好感度を変化させた場合、アバターDB24Bにおける当該アバターのアバター情報を更新する。第1の実施形態では、一例として、アバターを成長させることを、アバターの年齢を上げることとしている。
【0048】
ここで、第1の実施形態では、アバターは、複数種類設けられている。
図5は、複数のアバターの一例を示す説明図である。
図5に示すように、第1の実施形態では、複数のアバターとして、「イヌ」、「ネコ」、及び「ウサギ」の3種類が設けられている。そして、第1の実施形態では、車両60の購入時に、上記の3種類の中の何れかが車両60に紐付くアバターとして付与される。一例として、第1の実施形態では、車両60に紐付くアバターとしてイヌが付与されたものとする。
【0049】
図4に戻って、選択部21Dは、複数のアバターの中から車両60に紐付くイヌを運転者端末40の表示部46及び後述するモニタ78(
図6参照)に表示させるアバターとして選択する。一例として、選択部21Dは、運転者が乗車した車両60の車両IDに基づいて、アバターDB24Bの中から車両IDに紐付くアバターIDを特定し、特定したアバターIDが示すアバターを当該車両60のアバターとして選択する。これにより、第1の実施形態では、車両60の運転者が複数いる際に、何れの運転者が車両60を運転する場合においても、車両60に紐付いたイヌのアバターがモニタ78に表示されることになる。そのため、第1の実施形態によれば、複数の運転者が車両60に紐付いた共通のアバターと向き合うことで、複数の運転者それぞれがアバターのために安全運転を心がけることが期待できる。選択部21Dは「第1選択部」の一例であり、イヌは「第1アバター」の一例であり、表示部46及びモニタ78は「表示部」の一例である。
【0050】
変化部21Eは、運転者の運転診断結果に応じて、表示部46及びモニタ78に表示させるアバターの表示態様を変化させる。変化部21Eは、一例として、評価項目毎の個別評価値の良し悪しに応じた表示態様へとアバターを変化させる。詳細は後述するが、第1の実施形態では、後述する吹き出し94(
図11及び
図12参照)を用いてアバターがメッセージを伝える表示態様へと変化させる。変化部21Eは「第2変化部」の一例である。
【0051】
付与部21Fは、運転者の運転診断結果に応じて、アバターに関する特典を付与する。特典は、アバターに使用可能な経験値、アイテム、コスチューム、及びスキル等の少なくとも1つである。第1の実施形態では、一例として、特典を、アバターに使用可能なコスチュームとする。
【0052】
ここで、付与部21Fは、評価部21Bによる運転診断結果に応じて獲得したポイントが予め定めた閾値に到達した場合に、アバターに関する特典を付与する。第1の実施形態では、一例として、閾値が「50」、「70」、及び「100」等の複数段階設けられている。そして、付与部21Fは、獲得したポイントの合計が各段階の閾値に到達する都度、到達した閾値に応じた特典を付与する。
【0053】
出力部21Gは、アバターに特有の表現で、車両60に関する通知を出力させる。一例として、第1の実施形態では、アバターに特有の表現を「アバター特有の話し方」とする。そして、出力部21Gは、アバター毎に異なる語尾を付加した車両60に関する通知を表示部46及びモニタ78に表示させ、運転者端末40のスピーカ(図示せず)及び車両60のスピーカ79から出力させる。また、車両60に関する通知は、車両60に関する情報を運転者に通知するものであれば特に内容は限定されず、例えば、運転診断結果に応じたアドバイスとしてもよい。
【0054】
管理部21Hは、選択部21Dが選択したアバターに関するアバター情報を生成し、生成したアバター情報を運転者端末40及び車両60に送信する。
【0055】
次に、車両60のハードウェア構成を説明する。
図6は、車両60のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0056】
図6に示すように、車両60は、車載器15と、複数のECU(Electronic Control Unit)70と、操舵角センサ71と、加速度センサ72と、車速センサ73と、ウインカースイッチ74と、マイク75と、カメラ76と、入力スイッチ77と、モニタ78と、スピーカ79と、GPS装置80と、を含んで構成されている。
【0057】
車載器15は、CPU61、ROM62、RAM63、記憶部64、車内通信I/F(InterFace)65、入出力I/F66及び無線通信I/F67を含んで構成されている。CPU61、ROM62、RAM63、記憶部64、車内通信I/F65、入出力I/F66及び無線通信I/F67は、内部バス68を介して相互に通信可能に接続されている。
【0058】
CPU61は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU61は、ROM62又は記憶部64からプログラムを読み出し、RAM63を作業領域としてプログラムを実行する。CPU61は、ROM62又は記憶部64に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0059】
ROM62は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM63は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0060】
記憶部64は、HDD、SSD又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、各種プログラム、及び各種データを格納する。第1の実施形態では、記憶部64には、車両情報である車両IDが格納されている。
【0061】
車内通信I/F65は、ECU70と接続するためのインターフェースである。当該インターフェースは、CANプロトコルによる通信規格が用いられる。車内通信I/F65は、外部バス81に対して接続されている。
【0062】
ECU70は、車両60の機能毎に複数設けられており、第1の実施形態では、ECU70A、ECU70B、ECU70C、及びECU70Dが設けられている。ECU70Aは、電動パワーステアリング用ECUが例示され、ECU70Aには操舵角センサ71が接続されている。また、ECU70Bは、VSC(Vehicle Stability Control)用ECUが例示され、ECU70Bには加速度センサ72及び車速センサ73が接続されている。なお、ECU70Bには加速度センサ72及び車速センサ73に加えて、ヨーレートセンサが接続されていてもよい。
【0063】
ECU70Cは、エンジンECUが例示され、エンジンを制御するために車両60のエンジン回転数及びエンジントルクを検出する。また、ECU70Cは、図示しないセンサ類から取得した燃料流量を基に燃費を検出する。さらに、ECU70Cは、車両60のアクセル操作を検出する。ECU70Cが検出したエンジン回転数、エンジントルク、燃費、及びアクセル操作は、記憶部64に記憶されるとともに車両情報として情報処理装置20に送信される。また、ECU70Dは、ステアリングECUが例示され、ECU70Dにはウインカースイッチ74が接続されている。ウインカースイッチ74は、ウインカーを作動させるためのステアリングコラムに設けられている。ECU70Dは、運転者によるウインカースイッチ74の操作をウインカー操作として検出する。ECU70Dが検出したウインカー操作は、記憶部64に記憶されるとともに車両情報として情報処理装置20に送信される。
【0064】
操舵角センサ71は、ステアリングホイールの操舵角を検出するためのセンサである。操舵角センサ71において検出された操舵角は、記憶部64に記憶されるとともに車両情報として情報処理装置20に送信される。
【0065】
加速度センサ72は、車両60に作用する加速度を検出するためのセンサである。加速度センサ72は、一例として、3軸の加速度センサであり、X軸方向として車両前後方向、Y軸方向として車幅方向、Z軸方向として車両高さ方向に加わった加速度を検出する。加速度センサ72において検出された加速度は、記憶部64に記憶されるとともに車両情報として情報処理装置20に送信される。
【0066】
車速センサ73は、車両60の車速を検出するためのセンサである。車速センサ73は例えば、車輪に設けられたセンサである。車速センサ73において検出された車速は、記憶部64に記憶されるとともに車両情報として情報処理装置20に送信される。
【0067】
入出力I/F66は、車両60に搭載されるマイク75、カメラ76、入力スイッチ77、モニタ78、スピーカ79、及びGPS装置80と通信するためのインターフェースである。
【0068】
マイク75は、車両60のフロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、車両60の運転者が発した音声を集音する装置である。なお、マイク75は、後述するカメラ76に設けられていてもよい。
【0069】
カメラ76は、一例として、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを含んで構成されている。カメラ76は、一例として、車両60においてフロントウィンドウの上部、又はダッシュボードに設けられ、運転者へ向けられている。そして、カメラ76は、運転者の顔を含む範囲を撮像する。カメラ76により撮像された運転者の顔画像は、記憶部64に記憶されるとともに情報処理装置20に送信される。なお、カメラ76は、ECU70(例えば、カメラECU)を経由して車載器15に接続されていてもよい。
【0070】
入力スイッチ77は、インストルメントパネル、センタコンソール、ステアリングホイール等に設けられ、運転者の手指による操作を入力するスイッチである。入力スイッチ77としては、例えば、押しボタン式のテンキー、及びタッチパッド等を採用することができる。
【0071】
モニタ78は、インストルメントパネル、又はメータパネル等に設けられ、車両60の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る画像を表示するための液晶モニタである。モニタ78は、入力スイッチ77を兼ねたタッチパネルとして設けてもよい。一例として、モニタ78には、情報処理装置20から取得したアバター情報に含まれる画像が表示される。
【0072】
スピーカ79は、インストルメントパネル、センタコンソール、フロントピラー、又はダッシュボード等に設けられ、車両60の機能に係る作動の提案、及び当該機能の説明に係る音声を出力するための装置である。なお、スピーカ79は、モニタ78に設けられていてもよい。一例として、スピーカ79からは、情報処理装置20から取得したアバター情報に含まれる音声が出力される。
【0073】
GPS装置80は、車両60の現在位置を測定する装置である。GPS装置80は、GPS衛星からの信号を受信する図示しないアンテナを含んでいる。なお、GPS装置80は、ECU70(例えば、マルチメディアECU)に接続されるカーナビゲーションシステムを経由して車載器15に接続されていてもよい。
【0074】
無線通信I/F67は、情報処理装置20と通信するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。無線通信I/F67は、ネットワークNに対して接続されている。
【0075】
図7は、情報処理装置20による表示部46及びモニタ78に表示させるアバターを選択する選択処理の流れを示す第1のフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム24Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、選択処理が行われる。
【0076】
図7に示すステップS10において、CPU21は、車両60から車両情報を取得する。そして、ステップS11に進む。第1の実施形態では、一例として、定期的に車両60から情報処理装置20に車両情報が送信される。
【0077】
ステップS11において、CPU21は、ステップS10で取得した車両情報に含まれる車両IDに基づいて、複数のアバターの中から当該車両IDに紐付くアバターIDが示すアバターを選択する。そして、ステップS12に進む。
【0078】
ステップS12において、CPU21は、ステップS11で選択したアバターに関するアバター情報を運転者端末40及び車両60に送信して、アバター情報に含まれるアバターの画像を表示部46及びモニタ78に表示させる。そして、選択処理を終了する。
【0079】
図8は、情報処理装置20による表示部46及びモニタ78にアバターが表示された後の表示内容に関する表示処理の流れを示すフローチャートである。CPU21が記憶部24から情報処理プログラム24Aを読み出して、RAM23に展開して実行することにより、表示処理が行われる。
【0080】
図8に示すステップS20において、CPU21は、車両60から車両情報を取得する。そして、ステップS21に進む。
【0081】
ステップS21において、CPU21は、ステップS20で取得した車両情報に基づいて、車両60の運転者の運転診断を行う。一例として、CPU21は、車両情報に基づいて、運転診断結果として、運転者の複数の評価項目における各項目の個別評価値、合計評価値、及び、ポイントを算出する。このとき、CPU21は、合計評価値の10分の1をポイントとする。なお、ポイントの算出時における小数点は四捨五入する。そして、ステップS22に進む。
【0082】
ステップS22において、CPU21は、運転診断結果に基づいて、アバターを成長させるか否かを判定し、アバターを成長させると判定した場合(ステップS22:YES)はステップS23に進む。一方、CPU21によりアバターを成長させないと判定された場合(ステップS22:NO)はステップS24に進む。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、運転者の合計評価値が所定値以上の場合にアバターを成長させると判定する。
【0083】
ステップS23において、CPU21は、アバターを成長させる。そして、ステップS24に進む。
【0084】
ステップS24において、CPU21は、運転診断結果に基づいて、アバターの好感度を変化させるか否かを判定し、アバターの好感度を変化させると判定した場合(ステップS24:YES)はステップS25に進む。一方、CPU21によりアバターの好感度を変化させないと判定された場合(ステップS24:NO)はステップS26に進む。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、運転者の合計評価値が、所定値以上又は所定値よりも小さい特定値以下の場合にアバターの好感度を変化させると判定する。
【0085】
ステップS25において、CPU21は、アバターの好感度を変化させる。そして、ステップS26に進む。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、運転者の合計評価値が、所定値以上の場合にはアバターの好感度を上げ、特定値以下の場合にはアバターの好感度を下げる。
【0086】
ステップS26において、CPU21は、運転診断結果に基づいて、アバターの表示態様を変化させるか否かを判定し、アバターの表示態様を変化させると判定した場合(ステップS26:YES)はステップS27に進む。一方、CPU21によりアバターの表示態様を変化させないと判定された場合(ステップS26:NO)はステップS27に進む。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、運転者の評価項目の個別評価値が所定値以上又は特定値以下の場合にアバターの表示態様を変化させると判定する。
【0087】
ステップS27において、CPU21は、アバターの表示態様を変化させる。そして、ステップS28に進む。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、運転者の評価項目の個別評価値が、所定値以上の場合にはアバターが当該評価項目に応じた表現で喜ぶ表示態様を表示させ、特定値以下の場合にはアバターが当該評価項目に応じた表現で悲しむ表示態様を表示させる。
【0088】
ステップS28において、CPU21は、運転診断結果に基づいて、アバターに関する特典を付与するか否かを判定し、特典を付与すると判定した場合(ステップS28:YES)はステップS29に進む。一方、CPU21により特典を付与しないと判定された場合(ステップS28:NO)は表示処理を終了する。第1の実施形態では、一例として、CPU21は、獲得したポイントの合計が各段階の閾値に到達した場合に特典を付与すると判定する。
【0089】
ステップS29において、CPU21は、アバターに関する特典を付与する。そして、表示処理を終了する。
【0090】
次に、
図7に示す選択処理又は
図8に示す表示処理に基づく表示例について説明する。以下では、一例として、車両60のモニタ78における表示例について説明する。
【0091】
図9は、車両60のモニタ78に表示される第1の表示例である。情報処理装置20のCPU21は、車両60のエンジンが始動し、目的地が設定された場合に
図9に示す表示例をモニタ78に表示させる。
【0092】
図9に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、が表示されている。
【0093】
アバター画像90は、人物、動物、植物、及び架空の生物等を表現したアバターを示す画像である。
図9では、アバター画像90としてイヌのアバターの画像が表示されている。
【0094】
メッセージ情報91は、運転者に対する種々のメッセージを示している。一例として、
図9では、メッセージ情報91として「イヌ:3歳 合計評価値「70」以上で次の年齢に成長 好感度☆☆☆☆☆」と表示されている。このように、
図9に示すメッセージ情報91では、アバターの年齢が3歳であって、4歳に成長するためには運転診断結果において合計評価値を「70」以上獲得する必要があることを示している。また、
図9に示すメッセージ情報91では、アバターの好感度が「星5つ」であることを示している。一例として、第1の実施形態では、星の数が多いほどアバターの好感度が高くなっている。
【0095】
通知領域92は、車両60に関する通知を表示するための領域である。一例として、
図9では、通知領域92の枠内に、カーナビゲーションシステムが実行されたことを示す通知として「案内を開始するワン」と表示されている。このように、第1の実施形態では、イヌのアバター特有の話し方である「ワン」との語尾を、上記の通知に付加してモニタ78に表示している。また、第1の実施形態では、通知領域92の枠内に「案内を開始するワン」と表示されたことに伴い、スピーカ79から「案内を開始するワン」との音声がアバターの声で出力される。
【0096】
図10は、車両60のモニタ78に表示される第2の表示例である。
図10に示す表示例は、
図9に示す表示例をモニタ78に表示した後に車両60の運転者の運転診断が行われた後の状態を示している。
【0097】
図10に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、が表示されている。
【0098】
図10に示すアバター画像90は、
図9と異なり、帽子93を被ったイヌのアバターが表示されている。当該帽子93は、車両60の運転者の運転診断結果に応じて付与された特典である。
【0099】
また、
図10では、メッセージ情報91として「イヌ:4歳 合計評価値「75」以上で次の年齢に成長 好感度☆☆☆☆☆☆」と表示されている。このように、
図10に示すメッセージ情報91では、
図9に示す表示例からアバターの年齢が4歳に成長し、かつ、アバターの好感度が「星6つ」に上がったことを示している。また、
図10に示すメッセージ情報91では、5歳に成長するためには運転診断結果において合計評価値を「75」以上獲得する必要があることを示している。
【0100】
なお、
図10に示す通知領域92は、表示する車両60に関する通知がないため枠内が空白となっている。
【0101】
図11は、車両60のモニタ78に表示される第3の表示例である。
図11に示す表示例は、
図9に示す表示例をモニタ78に表示した後に車両60の運転者の運転診断が行われた後の状態を示している。
【0102】
図11に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、吹き出し94と、が表示されている。なお、
図11に示すメッセージ情報91は
図9と同様、
図11に示す通知領域92は
図10と同様のため説明を省略する。
【0103】
図11に示すアバター画像90は、
図9と異なり、吹き出し94が付加されたイヌのアバターが表示されている。当該吹き出し94は、車両60の運転者の運転診断結果に応じて表示されたものである。そして、吹き出し94に表示される内容は、運転診断結果における評価項目毎の個別評価値の良し悪しに応じて変化する。一例として、
図11では、評価項目「ステアリング」の個別評価値が所定値以上であったため、評価項目「ステアリング」に応じたアバターの喜び表現として「快適」とのメッセージが吹き出し94に表示されている。
【0104】
図12は、車両60のモニタ78に表示される第4の表示例である。
図12に示す表示例は、
図9に示す表示例をモニタ78に表示した後に車両60の運転者の運転診断が行われた後の状態を示している。
【0105】
図12に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、吹き出し94と、が表示されている。なお、
図12に示す通知領域92は
図10と同様のため説明を省略する。
【0106】
図12に示すアバター画像90は、
図11と同様、吹き出し94が付加されたイヌのアバターが表示されている。
図12に示す表示例では、一例として、評価項目「エコ」の個別評価値が特定値以下であったため、評価項目「エコ」に応じたアバターの悲しみ表現として「お腹空いた」とのメッセージが吹き出し94に表示されている。
【0107】
また、
図12では、メッセージ情報91として「イヌ:3歳 合計評価値「70」以上で次の年齢に成長 好感度☆☆☆☆」と表示されている。このように、
図12に示すメッセージ情報91では、
図9に示す表示例からアバターの好感度が「星4つ」に下がったことを示している。
【0108】
上記のように、情報処理装置20では、CPU21は、車両情報を取得する。また、CPU21は、取得した車両情報に基づいて、車両60の運転者の運転診断を行う。そして、CPU21は、車両60の運転者の運転診断結果に基づいて、車両60に紐付いて付与された車両60のアバターを成長又はアバターの好感度を変化させる。これにより、当該情報処理装置20では、車両60をキャラクター化することができ、運転者にアバターへの愛着を感じさせることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0109】
また、情報処理装置20では、アバターは、複数種類設けられている。そして、CPU21は、複数のアバターの中から車両60に紐付くイヌを運転者端末40の表示部46及び車両60のモニタ78に表示させるアバターとして選択する。これにより、当該情報処理装置20では、車両60を保有している間、1体のアバターと継続して付き合えることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0110】
また、情報処理装置20では、CPU21は、車両60の運転者の運転診断結果に応じて、表示部46及びモニタ78に表示させるアバターの表示態様を変化させる。CPU21は、一例として、評価項目毎の個別評価値の良し悪しに応じた表示態様へとアバターを変化させる。これにより、当該情報処理装置20では、運転者の運転診断結果に応じた表示態様でアバターが表示されるため、運転者の運転診断に対する関心を高めることが期待できる。
【0111】
また、情報処理装置20では、CPU21は、車両60の運転者の運転診断結果に応じて、アバターに関する特典を付与する。これにより、当該情報処理装置20では、特典を獲得するために、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0112】
また、情報処理装置20では、CPU21は、アバターに特有の表現で、車両60に関する通知を出力させる。これにより、当該情報処理装置20では、車両60に関する通知がアバターに特有の表現で出力されることで、運転者の車両60への愛着を高めることが期待できる。
【0113】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
【0114】
第2の実施形態では、情報処理装置20は、第1の実施形態と異なり、車両60の運転者毎にアバターを紐付けて管理する。具体的には、第2の実施形態では、記憶部24のアバターDB24Bにおいて、アバター情報として、アバターIDに、車両60の運転者に関する運転者情報、画像情報、音声情報、ステータス情報、及び好感度情報を紐付けて管理している。また、当該記憶部24には、運転者情報として、車両60の運転者を一意に特定可能な識別情報が記憶されている。第2の実施形態では、一例として、運転者情報に含まれる識別情報を「運転者の顔画像」とする。
【0115】
また、第2の実施形態では、車両60の記憶部64に、車両情報として車両60の種類を示す車種情報が格納されている。
【0116】
次に、第2の実施形態における情報処理装置20の機能構成について説明する。当該情報処理装置20のCPU21は、第1の実施形態と同様に
図4に示す機能構成を備えるが、取得部21A、制御部21C、選択部21D及び変化部21Eの機能が異なる。
【0117】
第2の実施形態における取得部21Aは、第1の実施形態で取得する車両情報に加えて、車両情報として運転者が乗車した車両60の車種情報を取得する。また、取得部21Aは、車両情報に加え、運転者情報を取得する。
【0118】
第2の実施形態における制御部21Cは、評価部21Bによる運転診断結果に基づいて、車両60の運転者に紐付いて付与された車両60のアバターを成長又はアバターの好感度を変化させる。
【0119】
第2の実施形態における選択部21Dは、一例として、車両60の運転者の運転者情報に基づいて、アバターDB24Bの中から運転者情報に紐付くアバターIDを特定し、特定したアバターIDが示すアバターを当該車両60のアバターとして選択する。これにより、第2の実施形態では、運転者が異なる車両60に乗車した場合においても、運転者に紐付いた共通のアバターが運転者端末40の表示部46及び車両60のモニタ78に表示されることになる。選択部21Dは「第2選択部」の一例である。
【0120】
第2の実施形態における変化部21Eは、運転者が乗車した車両60の種類に応じて、表示部46及びモニタ78に表示させるアバターの表示態様を変化させる。一例として、第2の実施形態では、車両60の種類を車種とする。そして、当該変化部21Eは、一例として、運転者が車種Aに乗車した場合には黒塗りのアバターを表示部46及びモニタ78に表示させ、運転者が車種Bに乗車した場合には白塗りのアバターを表示部46及びモニタ78に表示させる。変化部21Eは「第1変化部」の一例である。
【0121】
次に、
図13を用いて、車両60の運転者に紐付いて付与された車両60のアバターが選択される流れについて説明する。
図13は、情報処理装置20による選択処理の流れを示す第2のフローチャートである。
【0122】
図13に示すステップS30において、CPU21は、車両60から運転者情報を取得する。そして、ステップS31に進む。第2の実施形態では、一例として、運転者が車両60に乗車した際にカメラ76により撮像された運転者の顔画像が運転者情報として情報処理装置20に送信される。
【0123】
ステップS31において、CPU21は、ステップS30で取得した運転者情報に基づいて、複数のアバターの中から当該運転者情報に紐付くアバターIDが示すアバターを選択する。そして、ステップS32に進む。
【0124】
ステップS32において、CPU21は、車両60から車両情報を取得する。そして、ステップS33に進む。
【0125】
ステップS33において、CPU21は、ステップS31で選択したアバターに関するアバター情報を運転者端末40及び車両60に送信して、アバター情報に含まれるアバターの画像を、ステップS32で取得した車両情報に含まれる車種情報に基づく表示態様で表示部46及びモニタ78に表示させる。そして、選択処理を終了する。
【0126】
次に、
図13に示す表示処理に基づく表示例について説明する。以下では、一例として、車両60のモニタ78における表示例について説明する。
【0127】
図14は、車両60のモニタ78に表示される第5の表示例である。情報処理装置20のCPU21は、運転者Xが車種Aの車両60に乗車し、当該車両60のエンジンが始動した場合に
図14に示す表示例をモニタ78に表示させる。
【0128】
図14に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、が表示されている。
【0129】
図14に示すアバター画像90は、第1の実施形態と異なり、ネコのアバターの画像が表示されている。第2の実施形態では、車両60の購入時に、「イヌ」、「ネコ」、及び「ウサギ」の中の何れかが車両60の運転者に紐付くアバターとして付与される。一例として、第2の実施形態では、運転者Xに紐付くアバターとしてネコが付与されたものとする。ネコは「第2アバター」の一例である。
【0130】
また、
図14では、メッセージ情報91として「ネコ:3歳 合計評価値「70」以上で次の年齢に成長 好感度☆☆☆☆☆」と表示されている。
【0131】
なお、
図14に示す通知領域92は、表示する車両60に関する通知がないため枠内が空白となっている。
【0132】
図15は、車両60のモニタ78に表示される第6の表示例である。情報処理装置20のCPU21は、運転者Xが車種Bの車両60に乗車し、当該車両60のエンジンが始動した場合に
図15に示す表示例をモニタ78に表示させる。
【0133】
図15に示す表示例には、アバター画像90と、メッセージ情報91と、通知領域92と、が表示されている。なお、
図15に示すメッセージ情報91及び通知領域92は
図14と同様のため説明を省略する。
【0134】
図15に示すアバター画像90は、
図14と同様のネコのアバターの画像であるが、アバターの色が
図14と異なっている。具体的には、
図14に示すアバター画像90は黒塗りのため「黒猫」となっているが、
図15に示すアバター画像90は白塗りのため「白猫」となっている。
【0135】
上記のように、情報処理装置20では、CPU21は、複数のアバターの中から運転者Xに紐付くネコを運転者端末40の表示部46及び車両60のモニタ78に表示させるアバターとして選択する。これにより、当該情報処理装置20では、一の運転者が他の車両60を利用する場合においても、1体のアバターと継続して付き合えることで、運転診断を継続して利用する運転者の意欲を高めることができる。
【0136】
また、情報処理装置20では、CPU21は、運転者が乗車した車両60の種類に応じて、表示部46及びモニタ78に表示させるアバターの表示態様を変化させる。これにより、当該情報処理装置20では、異なる表示態様のアバターを確認するために、運転者による種々の車両60の利用を促進することができる。
【0137】
(その他)
上記実施形態では、運転者端末40及び車両60にアバターが表示されることとしたが、これに限らず、アバターは運転者端末40又は車両60の何れか一方に表示されることとしてもよい。また、運転者端末40及び車両60に代えて又は加えて、ゲーム端末及び当該ゲーム端末と接続されたテレビ及びPC等にアバターを表示してもよい。
【0138】
上記実施形態では、アバターを成長させることを、アバターの年齢を上げることとした。しかし、これに限らず、アバターの成長は、アバターの外見が変化すること及びアバターのサイズが変化すること等であってもよい。
【0139】
上記実施形態において、複数種類の中から車両60又は車両60の運転者に紐付いて付与される一のアバターは、運転者が選択可能であってもよいし、ランダムに選択されるものであってもよい。
【0140】
上記実施形態では、運転者の運転診断結果に応じてアバターの表示態様を変化させることを、吹き出し94を用いてアバターがメッセージを伝えることとした。しかし、これに限らず、アバターの表示態様の変化は、評価項目毎の個別評価値の良し悪しに応じた動作をアバターが行うことであってもよい。
【0141】
上記実施形態では、運転診断結果に応じて獲得したポイントが予め定めた閾値に到達した場合に特典を付与することとした。しかし、これに限らず、特典は、運転者の合計評価値が所定値以上の場合及び車両60の運転回数が所定数を超えた場合等に付与してもよい。
【0142】
上記実施形態では、車両60に関する通知を、アバターに特有の表現で表示部46及びモニタ78に表示させ、アバターに特有の表現で運転者端末40のスピーカ及び車両60のスピーカ79から出力させることとした。しかし、これに限らず、当該通知は表示部46及びモニタ78又は運転者端末40のスピーカ及び車両60のスピーカ79の何れか一方を用いて行われることとしてもよい。
【0143】
上記実施形態では、車両60の種類を車種としたが、これに限らず、車両60の種類は、車両60を製造する車両メーカーの種類、及び色の種類等としてもよい。また、車両60の種類に応じてアバターの表示態様を変化させることは、アバターの色を変えることに限らず、アバターのコスチュームを変えること、及び当該コスチュームに付されるロゴマークを変えること等としてもよい。
【0144】
上記実施形態において、表示部46及びモニタ78に表示されるアバター画像90は、アバターの顔の領域内に目及び鼻等の部位を表示して、当該顔の領域内における各部位の位置の変化に基づいて、運転者によるアバターの表情の認識が可能な画像であってもよい。また、アバター画像90は、3次元画像であって、運転者によるアバターの動作及び姿勢等の認識が可能な画像であってもよい。
【0145】
なお、上記の実施形態でCPU21がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した選択処理及び表示処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、選択処理及び表示処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0146】
また、上記の実施形態では、情報処理プログラム24Aが記憶部24に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム24Aは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム24Aは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0147】
20 情報処理装置
21A 取得部
21B 評価部
21C 制御部
21D 選択部(第1選択部及び第2選択部)
21E 変化部(第1変化部及び第2変化部)
21F 付与部
21G 出力部
24A 情報処理プログラム