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  • 特許-ヒータ制御装置 図1
  • 特許-ヒータ制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】ヒータ制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/02 20060101AFI20250109BHJP
   G01K 13/00 20210101ALI20250109BHJP
【FI】
B60S1/02 400Z
G01K13/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022031603
(22)【出願日】2022-03-02
(65)【公開番号】P2023127734
(43)【公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-03-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】宮堂 隆弘
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-243862(JP,A)
【文献】特開平8-20310(JP,A)
【文献】特開2001-91353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00, 3/00
B60S 1/00
G01K 13/00
H05B 3/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の窓ガラスに設けられたヒータを制御するヒータ制御装置であって、
太陽の位置情報を取得する太陽情報取得部と、
前記窓ガラスへの日射量を取得する日射量情報取得部と、
取得された前記太陽の位置情報及び前記日射量に基づいて太陽光に起因する前記窓ガラスの上昇温度を推定し、推定した前記太陽光に起因する前記窓ガラスの上昇温度に基づいて前記窓ガラスの温度を推定するガラス温度推定部と、
推定された前記窓ガラスの温度に基づいて前記ヒータを制御するヒータ制御部と、
を備えるヒータ制御装置。
【請求項2】
前記車両の車室内の温度を取得する温度取得部を更に備え、
前記ガラス温度推定部は、取得された前記車室内の温度と、推定した前記太陽光に起因する前記窓ガラスの上昇温度とに基づいて前記窓ガラスの温度を推定する、請求項1に記載のヒータ制御装置。
【請求項3】
前記ヒータ制御部は、推定された前記窓ガラスの温度が前記車両の車室内の室内露点温度より高い場合に前記ヒータの発熱を低減する制御を行う、請求項1又は2に記載のヒータ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の窓ガラスに設けられたヒータを制御するヒータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両のフロントガラスの車室内側には、車両の前方を撮像するカメラが設けられている。この場合、フロントガラスの温度が車室内の車室露点温度以下となると、フロントガラスの内側に曇りが生じ、カメラによる撮像が困難になる。この曇りを防止するため、フロントガラスが室内露点温度以下とならないようにヒータによってフロントガラスを温めることが行われている。このようなフロントガラスを温めて防曇する装置が、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-258703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の窓ガラスをヒータによって温める場合、ヒータの消費電力を削減する観点から、窓ガラスの温度をより精度よく推定する必要がある。例えば、窓ガラスの温度を直接測定するために温度計を窓ガラスに接触させると、窓ガラスの割れが発生し易くなるため設置が困難である。
【0005】
このため、本開示は、車両の窓ガラスの温度をより精度よく推定し、窓ガラスを温めるヒータの制御が可能なヒータ制御装置について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両の窓ガラスに設けられたヒータを制御するヒータ制御装置であって、太陽の位置情報を取得する太陽情報取得部と、窓ガラスへの日射量を取得する日射量情報取得部と、取得された太陽の位置情報及び日射量に基づいて太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度を推定し、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度に基づいて窓ガラスの温度を推定するガラス温度推定部と、推定された窓ガラスの温度に基づいてヒータを制御するヒータ制御部と、を備える。
【0007】
このヒータ制御装置では、太陽の位置情報及び日射量に基づいて、太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度を考慮して窓ガラスの温度を推定することができる。これにより、ヒータ制御装置は、車両の窓ガラスの温度をより精度よく推定することができ、推定した窓ガラスの温度に基づいて、窓ガラスを温めるヒータの制御を行うことができる。
【0008】
ヒータ制御装置は、車両の車室内の温度を取得する温度取得部を更に備え、ガラス温度推定部は、取得された車室内の温度と、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度とに基づいて窓ガラスの温度を推定してもよい。
【0009】
例えば、太陽光に起因する温度上昇が無いと仮定した場合、窓ガラスの車室内側の温度は、車室内の温度に近づく。このため、ヒータ制御装置は、太陽光に起因する温度上昇が無いと仮定した場合の窓ガラスの温度として、車室内の温度を用いることができる。そして、ヒータ制御装置は、車室内の温度(すなわち、太陽光に起因する温度上昇が無い場合の窓ガラスの温度)と、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度とに基づいて、太陽光による温度上昇を考慮した窓ガラスの実際の温度をより精度よく推定できる。
【0010】
ヒータ制御装置において、ヒータ制御部は、推定された窓ガラスの温度が車両の車室内の室内露点温度より高い場合にヒータの発熱を低減する制御を行ってもよい。
【0011】
上述したように、ヒータ制御装置は、窓ガラスの温度を精度よく推定することができる。これにより、ヒータ制御装置は、精度の高い窓ガラスの温度に基づいてヒータの制御を行うことで、ヒータによって窓ガラスの防曇を行う場合のヒータの消費電力を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、車両の窓ガラスの温度をより精度よく推定し、窓ガラスを温めるヒータの制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、一実施形態に係る防曇装置の一例を示すブロック図である。
図2図2は、フロントガラスに対する太陽の上下方向の角度を説明するための模式図である。
図3図3は、フロントガラスに対する太陽の左右方向の角度を説明するための模式図である。
図4図4は、防曇装置において行われるヒータの制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示のヒータ制御装置が適用された防曇装置の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に示される防曇装置1は、車両の窓ガラスの車室内側の面の防曇を行う。また、本実施形態における防曇装置1は、太陽光に起因する車両の窓ガラスの温度上昇を考慮して、防曇を行うことができる。一例として、防曇装置1は、図2に示されるように、車両Vのフロントガラス(窓ガラス)Wにおいて、前方カメラ4の前側に位置する領域の防曇を行う。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、及び「右」とは、車両Vを基準とした向きである。
【0016】
図1に示されるように、防曇装置1は、ヒータ2、及び制御ECU(ヒータ制御装置)3を備えている。ヒータ2は、車両VのフロントガラスWの車室内側の面に設けられている。ヒータ2は、フロントガラスWの車室内側の面のうち前方カメラ4の前側に位置する領域を温めて、防曇及び解曇を行う。本実施形態においてヒータ2は、電力が供給されることによって発熱する。ヒータ2としては、例えば、銀熱線、黄銅熱線、SUS熱線、及び透明導電膜等、種々の発熱体を用いることができる。
【0017】
制御ECU3は、ヒータ2の制御を行う。制御ECU3は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。制御ECU3では、例えば、ROM又はRAMに記録されているプログラムをCPUで実行することにより各種の機能が実現される。制御ECU3は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0018】
制御ECU3は、機能的には、太陽情報取得部11、日射量情報取得部12、温度取得部13、ガラス温度推定部14、及びヒータ制御部15を備えている。
【0019】
太陽情報取得部11は、太陽の位置情報を取得する。ここでは、太陽情報取得部11は、太陽の位置情報として、車両Vから見たときの太陽の高さ位置及び横位置を取得する。なお、太陽情報取得部11は、周知の種々の方法を用いて太陽の位置情報を取得することができる。
【0020】
例えば、太陽情報取得部11は、前方カメラ4によって撮像された画像に基づいて太陽の位置情報を取得してもよい。例えば、車両Vに搭載されたオーディオ装置のディスプレイが防眩のために太陽光の入射角を取得する機能を有している場合、太陽情報取得部11は、オーディオ装置から太陽光の入射角を取得してもよい。例えば、太陽情報取得部11は、他車両等の外部の装置から太陽の位置情報を取得してもよい。また、例えば、太陽情報取得部11は、車両Vの走行する地域及び時間等から、太陽の位置情報を推定してもよい。
【0021】
日射量情報取得部12は、フロントガラスWへの日射量を取得する。なお、日射量情報取得部12は、周知の種々の方法を用いてフロントガラスWへの日射量を取得することができる。例えば、日射量情報取得部12は、車両Vに搭載された日射量センサから、フロントガラスWへの日射量を取得してもよい。例えば、前方カメラ4が日射量を測定する機能を有している場合、日射量情報取得部12は、前方カメラ4から日射量を取得してもよい。例えば、日射量情報取得部12は、他車両等の外部の装置から日射量を取得してもよい。また、例えば、日射量情報取得部12は、車両Vの走行する地域及び時間等から、日射量を推定してもよい。
【0022】
温度取得部13は、車両Vの車室内の温度を取得する。なお、温度取得部13は、周知の種々の方法を用いて車室内の温度を取得することができる。例えば、温度取得部13は、車室内に設置された温度センサから、車室内の温度を取得してもよい。例えば、温度取得部13は、車両Vに搭載された空調機器が車室内の温度を測定するセンサを有している場合、空調機器から車室内の温度を取得してもよい。
【0023】
ガラス温度推定部14は、太陽情報取得部11で取得された太陽の位置情報と、日射量情報取得部12で取得された日射量とに基づいて、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度を推定する。ここでの上昇温度とは、太陽光によってフロントガラスWが温められた分の温度である。そして、ガラス温度推定部14は、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度と、温度取得部13で取得された車室内の温度とに基づいて、フロントガラスWの温度を推定する。
【0024】
ここで、ガラス温度推定部14によって行われるフロントガラスWの温度の推定方法の詳細について説明する。まず、ガラス温度推定部14は、太陽情報取得部11で取得された太陽の位置情報に基づいて、車両VのフロントガラスWの表面(ガラス面)に対する太陽の上下方向の角度及び左右方向の角度を算出する。
【0025】
一例として、前方カメラ4によって撮像された画像に基づいて太陽の位置情報が取得されたとする。また、太陽の位置情報に含まれる太陽の高さ位置として、図2に示されるように、前方カメラ4から見たときの水平線Lに対する太陽Sの高さ方向の角度φが含まれていたとする。この場合、ガラス温度推定部14は、太陽Sの高さ方向の角度φと、水平線Lに対するフロントガラスWの傾斜角度γとに基づいて、次の式(1)によってフロントガラスWに対する太陽Sの上下方向の角度αを算出することができる。
α=φ+γ ・・・ (1)
なお、フロントガラスWの傾斜角度γは、車両毎の固定値であり、予めガラス温度推定部14に設定されている。
【0026】
また、ガラス温度推定部14は、太陽の位置情報に含まれる太陽の横位置(前方カメラ4から見たときの横位置)に基づいて、図3に示されるように、フロントガラスWの面に対する太陽Sの左右方向の角度βを算出する。
【0027】
つまり、ガラス温度推定部14は、太陽の位置情報に基づいて、太陽光のフロントガラスWへの上下方向の入射角度である角度αと、太陽光のフロントガラスWへの左右方向の入射角度である角度βとを算出する。
【0028】
次に、ガラス温度推定部14は、太陽からフロントガラスWが受ける熱量Pを算出する。ここでは、一例として、ガラス温度推定部14は、算出した角度α及び角度βと、日射量情報取得部12で取得された日射量とに基づいて、次の式(2)を用いて熱量Pを算出することができる。
P=日射量×sinα×sinβ ・・・ (2)
【0029】
さらに、ガラス温度推定部14は、算出した熱量Pと、フロントガラスWのガラス熱伝導率とに基づいて、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度を推定する。ここでは、ガラス温度推定部14は、周知の計算方法に基づいて、熱量Pとガラス熱伝導率とを用いて、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度を推定することができる。
【0030】
最後に、ガラス温度推定部14は、温度取得部13で取得された車室内の温度と、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度とに基づいて、次の式(3)を用いてフロントガラスWの温度を推定する。
フロントガラスWの温度=車室内の温度+上昇温度 ・・・ (3)
【0031】
ここで、例えば、太陽光に起因するフロントガラスWの温度上昇が無いと仮定した場合、フロントガラスWの車室内側の温度は、車室内の温度に近づく。このため、ガラス温度推定部14は、太陽光に起因する温度上昇が無いと仮定した場合のフロントガラスWの温度として、車室内の温度を用いることができる。そして、ガラス温度推定部14は、車室内の温度と、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度とを合算することで、太陽光による温度上昇を考慮したフロントガラスWの実際の温度(フロントガラスWの車室内側の温度)をより精度よく推定できる。
【0032】
ヒータ制御部15は、ガラス温度推定部14で推定されたフロントガラスWの温度に基づいてヒータ2を制御する。ここでは、ヒータ制御部15は、ガラス温度推定部14で推定されたフロントガラスWの温度が車両Vの車室内の室内露点温度より高い場合、ヒータ2の発熱を低減させる制御を行う。ここでの低減させる制御とは、ヒータ2の出力を下げること及びヒータ2の発熱を停止させることを含む。なお、ヒータ制御部15は、車室内の温度や湿度に基づいて、種々の方法によって室内露点温度を推定することができる。
【0033】
また、ヒータ制御部15は、ガラス温度推定部14で推定されたフロントガラスWの温度が車両Vの車室内の室内露点温度以下である場合、フロントガラスWの曇りを防止するためのヒータ2の通常の制御を行う。ここでのヒータ2の通常の制御としては、推定されたフロントガラスWの温度等に基づいて行われる防曇のための周知の制御を行うことができる。
【0034】
次に、防曇装置1において行われるヒータ2の制御の処理の流れについて、図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示される処理は、処理がエンドに至った後、所定時間後に再びスタートから処理が開始される。
【0035】
図4に示されるように、温度取得部13は、車両Vの車室内の温度を取得する(S101)。太陽情報取得部11は、太陽の位置情報を取得する(S102)。日射量情報取得部12は、フロントガラスWへの日射量を取得する(S103)。なお、図4に示されるS101~S103の処理の順序は一例であり、この順序で行われることに限定されない。
【0036】
次に、ガラス温度推定部14は、太陽情報取得部11で取得された太陽の位置情報と、日射量情報取得部12で取得された日射量とに基づいて、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度を推定する。そして、ガラス温度推定部14は、推定した太陽光に起因する窓ガラスの上昇温度と、温度取得部13で取得された車室内の温度とに基づいて、フロントガラスWの温度を推定する(S104)。
【0037】
ヒータ制御部15は、推定されたフロントガラスWの温度が車両Vの車室内の室内露点温度より高いか否かを判定する(S105)。フロントガラスWの温度が室内露点温度より高い場合(S105:YES)、ヒータ制御部15は、ヒータ2の出力を抑制する制御を行う(S106)。一方、フロントガラスWの温度が室内露点温度以下である場合(S105:NO)、ヒータ制御部15は、ヒータ2の通常の制御を行う(S107)。
【0038】
以上のように、防曇装置1では、太陽の位置情報及び日射量に基づいて、太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度を考慮してフロントガラスWの温度を推定することができる。これにより、防曇装置1は、車両VのフロントガラスWの温度をより精度よく推定することができ、推定したフロントガラスWの温度に基づいて、フロントガラスWを温めるヒータ2の制御を行うことができる。
【0039】
ガラス温度推定部14は、車室内の温度と、推定した太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度とに基づいてフロントガラスWの温度を推定する。例えば、太陽光に起因する温度上昇が無いと仮定した場合、フロントガラスWの車室内側の温度は、車室内の温度に近づく。このため、ガラス温度推定部14は、太陽光に起因する温度上昇が無いと仮定した場合のフロントガラスWの温度として、車室内の温度を用いることができる。そして、ガラス温度推定部14は、車室内の温度(すなわち、太陽光に起因する温度上昇が無い場合のフロントガラスWの温度)と、推定した太陽光に起因するフロントガラスWの上昇温度とに基づいて、太陽光による温度上昇を考慮したフロントガラスWの実際の温度をより精度よく推定できる。
【0040】
ヒータ制御部15は、推定されたフロントガラスWの温度が車室内の室内露点温度より高い場合、ヒータ2の発熱を低減する制御を行う。上述したように、防曇装置1は、フロントガラスWの温度を精度よく推定することができる。これにより、防曇装置1は、精度の高いフロントガラスWの温度に基づいてヒータ2の制御を行うことで、ヒータ2によってフロントガラスWの防曇を行う場合のヒータ2の消費電力を抑制することができる。
【0041】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、防曇装置1がフロントガラスWの防曇を行う場合を例に説明したが、フロントガラスW以外の窓ガラスの防曇を行うことができる。
【0042】
上記において、前方カメラ4によって撮像された画像に基づいて太陽の位置情報を取得できることについて説明した。この場合、例えば、撮像された画像から太陽の位置情報を取得できないときには、ガラス温度推定部14は、フロントガラスWの太陽光に起因する上昇温度が無いものとして、フロントガラスWの温度を算出してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…防曇装置、2…ヒータ、3…制御ECU(ヒータ制御装置)、4…前方カメラ、11…太陽情報取得部、12…日射量情報取得部、13…温度取得部、14…ガラス温度推定部、15…ヒータ制御部、V…車両、W…フロントガラス(窓ガラス)。
図1
図2
図3
図4