(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-08
(45)【発行日】2025-01-17
(54)【発明の名称】サーバ装置、システム、及びシステムの動作方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20250109BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20250109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20250109BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/13
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022063119
(22)【出願日】2022-04-05
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】久保 智景
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 航
(72)【発明者】
【氏名】辰本 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】金子 宗太郎
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/243860(WO,A1)
【文献】特開2005-173784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部を介して他の装置と情報を送受する制御部とを有し、
前記制御部は、端末装置にて指定される、車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送り、当該車両にて前記乗車地点へ移動するときに撮像される当該車両周囲の撮像画像であって、前記端末装置の位置
と一致する地点を前記車両が通過するときに撮像された撮像画像を前記端末装置へ送る、
サーバ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記乗車地点から基準範囲内での撮像画像を選択して前記端末装置へ送る、
サーバ装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御部は、前記端末装置から前記基準範囲を指定する情報を受ける、
サーバ装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記制御部は、前記端末装置が前記基準範囲内に位置することを条件として、前記撮像画像を当該端末装置へ送る、
サーバ装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記制御部は、前記端末装置にて指定される地点における前記
撮像画像を当該端末装置へ送る、
サーバ装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記制御部は、前記車両及び前記端末装置が前記乗車地点に位置するときには前記撮像画像の送出を中止する、
サーバ装置。
【請求項7】
互いに通信するサーバ装置と車両とを有するシステムであって、
前記サーバ装置は、端末装置にて指定される、前記車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送り、
前記車両が前記乗車地点へ移動するときに当該車両周囲の撮像画像を撮像し、
前記サーバ装置は、前記端末装置の位置
と一致する地点を前記車両が通過するときに撮像された前記撮像画像を前記端末装置へ送る、
システム。
【請求項8】
請求項7において、
前記サーバ装置は、前記乗車地点から基準範囲内での撮像画像を選択して前記端末装置へ送る、
システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記サーバ装置は、前記端末装置から前記基準範囲を指定する情報を受ける、
システム。
【請求項10】
請求項8において、
前記サーバ装置は、前記端末装置が前記基準範囲内に位置することを条件として、前記撮像画像を当該端末装置へ送る、
システム。
【請求項11】
請求項8において、
前記サーバ装置は、前記端末装置にて指定される地点における前記前記撮像画像を当該端末装置へ送る、
システム。
【請求項12】
請求項7において、
前記サーバ装置は、前記車両及び前記端末装置が前記乗車地点に位置するときには前記撮像画像の送出を中止する、
システム。
【請求項13】
互いに通信するサーバ装置と車両とを有するシステムの動作方法であって、
前記サーバ装置が、端末装置にて指定される、前記車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送る工程と、
前記車両が前記乗車地点へ移動するときに当該車両周囲の撮像画像を撮像する工程と、
前記サーバ装置が前記端末装置の位置
と一致する地点を前記車両が通過するときに撮像された前記撮像画像を前記端末装置へ送る工程とを含む、
動作方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記サーバ装置は、前記乗車地点から基準範囲内での撮像画像を選択して前記端末装置へ送る、
動作方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記サーバ装置は、前記端末装置から前記基準範囲を指定する情報を受ける、
動作方法。
【請求項16】
請求項14において、
前記サーバ装置は、前記端末装置が前記基準範囲内に位置することを条件として、前記撮像画像を当該端末装置へ送る、
動作方法。
【請求項17】
請求項14において、
前記サーバ装置は、前記端末装置にて指定される地点における前記前記撮像画像を当該端末装置へ送る、
動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、システム、及びシステムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが車両を共用するいわゆるカーシェアリングにおいて、ユーザの利便性を向上させるための種々の技術が提案されている。例えば特許文献1には、共用される車両をスタッフがユーザに配送する配送型のカーシェアリングサービスにおいて、参加するスタッフの状態を管理するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配送型カーシェアリングにおけるユーザの利便性を更に向上させる余地がある。
【0005】
以下では、配送型カーシェアリングにおけるユーザの利便性を向上させることが可能なサーバ装置等を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示におけるサーバ装置は、通信部と、前記通信部を介して他の装置と情報を送受する制御部とを有し、前記制御部は、端末装置にて指定される、車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送り、当該車両にて前記乗車地点へ移動するときに撮像される当該車両周囲の撮像画像を前記端末装置へ送る。
【0007】
本開示におけるシステムは、互いに通信するサーバ装置と車両とを有するシステムであって、前記サーバ装置は、端末装置にて指定される、前記車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送り、前記車両が前記乗車地点へ移動するときに当該車両周囲の撮像画像を撮像し、前記サーバ装置は、前記撮像画像を前記端末装置へ送る。
【0008】
本開示におけるシステムの動作方法は、互いに通信するサーバ装置と車両とを有するシステムの動作方法であって、前記サーバ装置が、端末装置にて指定される、前記車両にユーザが乗車する乗車地点の情報を前記車両へ送る工程と、前記車両が前記乗車地点へ移動するときに当該車両周囲の撮像画像を撮像する工程と、前記サーバ装置が前記撮像画像を前記端末装置へ送る工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示におけるサーバ装置等によれば、配送型カーシェアリングにおけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1は、カーシェアリングにおける車両12の配送を支援するためのシステムである。あるいは、情報処理システム1は、ライドシェアリング、タクシー等のサービスにおける配車を支援するシステムであってもよい。情報処理システム1は、ネットワーク11を介して互いに情報通信可能に接続される、それぞれ一以上のサーバ装置10、車両12、及び端末装置13を有する。サーバ装置10は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバとして機能するサーバコンピュータである。車両12は、カーシェアリング等に供される車両であって、通信機能と情報処理機能とを備える乗用車、商用車等である。車両12は、移動通信ネットワークを介してネットワーク11に接続される。車両12は、手動により運転されるが、運転の一部が自動化されていてもよい。車両12は、例えばガソリン自動車、電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCEV;Fuel Cell Electric Vehicle)等である。端末装置13は、車両12を利用するユーザにより使用される情報処理装置である。端末装置13は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、等である。ネットワーク11は、例えばインターネットであるが、アドホックネットワーク、LAN、MAN(Metropolitan Area Network)、もしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組合せであってもよい。
【0013】
本実施形態では、サーバ装置10は、端末装置13にて指定される、車両12にユーザが乗車する乗車地点の情報を車両12へ送り、車両12にて乗車地点へ移動するときに撮像される車両12周囲の撮像画像を端末装置13へ送る。ユーザは、車両12による撮像画像を端末装置13で見ることができるので、乗車地点近辺の状況を視覚的に確認でき、地図上で特定する場合よりも豊富な情報量を用いて乗車地点を特定することが可能となる。よって、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0014】
図2は、サーバ装置10の構成例について説明するための図である。サーバ装置10は、通信部21、記憶部22、制御部23、入力部25、及び出力部26を有する。サーバ装置10は、例えば、一のサーバコンピュータである。または、サーバ装置10は、情報通信可能に接続されて連携動作する二以上のサーバコンピュータで構成されてもよい。その場合、
図2に示す構成は二以上のサーバコンピュータに適宜に配置される。
【0015】
通信部21は、一以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部21は、サーバ装置10の動作に用いられる情報を受信し、またサーバ装置10の動作によって得られる情報を送信する。サーバ装置10は、通信部21によりネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で車両12又は端末装置13と情報通信を行う。
【0016】
記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)である。記憶部22は、サーバ装置10の動作に用いられる情報と、サーバ装置10の動作によって得られた情報とを格納する。
【0017】
制御部23は、一以上のプロセッサ、一以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化したGPU(Graphics Processing Unit)等の専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含む。制御部23は、サーバ装置10の各部を制御しながら、サーバ装置10の動作に係る情報処理を実行する。
【0018】
入力部25は、一以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力部25は、サーバ装置10の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部23へ送る。
【0019】
出力部26は、一以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。出力部26は、サーバ装置10の動作によって得られる情報を出力する。
【0020】
サーバ装置10の機能は、制御プログラムを、制御部23に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、サーバ装置10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをサーバ装置10として機能させるためのプログラムである。また、サーバ装置10の一部又は全ての機能が、制御部23に含まれる専用回路により実現されてもよい。また、制御プログラムは、サーバ装置10に読取り可能な非一過性の記録・記憶媒体に格納され、サーバ装置10が媒体から読み取ってもよい。
【0021】
図3は、車両12の構成例を示す。車両12は、通信部31、記憶部32、制御部33、測位部34、入力部35、出力部36、及び撮像部37を有する。これらは、一の制御装置として構成されてもよいし、二以上の制御装置により、又は制御装置と通信機等、他の装置とで構成されてもよい。制御装置は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)等を含む。通信機は、例えば、DCM(Data Communication Module)等を含む。また、制御装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン端末、ナビゲーション装置等を含んで構成されてもよい。各部は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワークにより、互いに、又は車両12の他の機器、装置と情報通信可能に接続される。
【0022】
通信部31は、一以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、若しくは5G(5th Generation)などの移動通信規格に対応したインタフェースである。通信部31は、制御部33の動作に用いられる情報を受信し、また制御部33の動作によって得られる情報を送信する。制御部33は、通信部31により、移動体通信の基地局を介してネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で他の装置と情報通信を行う。
【0023】
記憶部32は、一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、制御部33の動作に用いられる情報と、車載装置30の動作によって得られた情報とを格納する。
【0024】
制御部33は、一以上のプロセッサ、一以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部33は、制御部33の各部を制御しながら、車両12の動作に係る情報処理を実行する。
【0025】
測位部34は、一以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、BeiDou、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部34は、車両12の位置情報を取得して、制御部33へ送る。
【0026】
入力部35は、一以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部35は、制御部33の動作に用いられる情報を入力するためのユーザによる操作を受け付け、入力される情報を制御部33へ送る。
【0027】
出力部36には、一以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部36は、制御部33の動作によって得られる情報を例えばユーザに向けて出力する。
【0028】
撮像部37は、たとえば、車両12の進行方向前方、車両12の側面方向、又は車両12の後方の風景・被写体を撮像する、一以上のカメラを有する。撮像部37が有するカメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。また、撮像部37は、被写体までの距離を測定して距離画像を取得する測距センサを含んでもよい。撮像部37は、風景、被写体等を撮像して得られる撮像画像を制御部33に送る。
【0029】
制御部33の機能は、制御プログラムを、制御部33に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、制御部33の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを制御部33として機能させるためのプログラムである。また、制御部33の一部又は全ての機能が、制御部33に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0030】
制御部33は、車両12の各種機構、装置を制御するための情報を生成し、各種機構、装置の制御回路へ制御のための情報を送ってそれらを制御する。
【0031】
図4は、端末装置13の構成を説明するための図である。端末装置13は、例えばスマートフォン、タブレット端末装置等の、情報端末装置である。端末装置13は、通信部41、記憶部42、制御部43、測位部44、入力部45、及び出力部46を有する。
【0032】
通信部41は、有線又は無線LAN規格に対応する通信モジュール、LTE、4G、5G等の移動体通信規格に対応するモジュール等を有する。端末装置13は、通信部41により、近傍のルータ装置又は移動体通信の基地局を介してネットワーク11に接続され、ネットワーク11経由で他の装置と情報通信を行う。
【0033】
記憶部42は一以上の半導体メモリ、一以上の磁気メモリ、一以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42は、制御部43の動作に用いられる情報と、制御部43の動作によって得られた情報とを格納する。
【0034】
制御部43は、例えば、CPU、MPU(Micro Processing Unit)等の一以上の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した一以上の専用プロセッサを有する。あるいは、制御部43は、一以上の、FPGA、ASIC等の専用回路を有してもよい。制御部43は、制御・処理プログラムに従って動作したり、あるいは、回路として実装された動作手順に従って動作したりすることで、端末装置13の動作を統括的に制御する。そして、制御部43は、通信部41を介してサーバ装置10等と各種情報を送受し、本実施形態にかかる動作を実行する。
【0035】
測位部44は、一以上のGNSS受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部44は、端末装置13の位置情報を取得して制御部43へ送る。
【0036】
入力部45は、一以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部45は、制御部43の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部43へ送る。
【0037】
出力部46は、一以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部46は、制御部43の動作によって得られる情報を出力する。
【0038】
制御部43の機能は、制御部43に含まれるプロセッサが制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、プロセッサを制御部43として機能させるためのプログラムである。また、制御部43の一部又は全ての機能が、制御部43に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0039】
図5及び
図6A、6Bを用いて、情報処理システム1の動作について説明する。
【0040】
図5は、本実施形態における情報処理システム1の動作手順を説明するためのシーケンス図である。
図5は、サーバ装置10、車両12及び端末装置13の連係動作にかかる手順を示す。
図5におけるサーバ装置10、車両12及び端末装置13の各種情報処理に係るステップは、それぞれの制御部23、33、及び43により実行される。また、サーバ装置10、車両12及び端末装置13による各種情報の送受に係るステップは、それぞれの制御部23、33、及び43が、それぞれ通信部21、31及び41を介して互いに情報を送受することにより実行される。サーバ装置10、車両12及び端末装置13では、それぞれ制御部23、33及び43が、それぞれ送受する情報を記憶部22、32、及び42に適宜格納する。さらに、制御部23、33及び43は、それぞれ入力部25、35及び45により各種情報の入力を受け付け、それぞれ出力部26、36及び46により各種情報を出力する。
【0041】
ステップS500において、車両12は、位置情報と車両情報をサーバ装置10へ送る。車両情報は、例えば、車両の識別情報、車種、型式、仕様等を含む。車両情報は、オーナー又は運転手に関する情報を含んでもよい。次いで、ステップS502において、サーバ装置10は、車両12の位置情報と車両情報とを端末装置13へ送る。そして、端末装置13は、車両12の利用要求をサーバ装置10へ送る。利用要求は、ユーザが端末装置13を操作することで生成され、サーバ装置10へ送られる。利用要求は、ユーザが利用を希望する車両12を特定する情報、乗車地点、乗車時刻等の情報を含む。
【0042】
ステップS500~S504では、例えば、端末装置13のユーザは、サーバ装置10が提供するカーシェアリングサービス等の会員向けポータルサイトに端末装置13を用いてアクセスする。ポータルサイトには、例えば、利用可能な一以上の車両12の車種、位置等が表示される。ユーザは、利用を希望する車両12を選択するとともに、乗車地点、乗車時刻、自らの会員ID等を端末装置13に入力する。例えば、
図6Aに示すように、端末装置13は、車両12の位置60と端末装置13の現在位置63を含む地
図6を表示する。ユーザは、例えば、地
図6上で車両12の位置60及び所望の乗車地点62をタップして、車両12の選択と乗車地点62を指定する入力を行う。また、ユーザは、地
図6上でのスライド操作等により、車両12による撮像画像表示のための基準範囲の境界64を指定する入力をしてもよい。基準範囲は、乗車地点62からの任意の距離の範囲である。基準範囲の境界64が指定されない場合には、任意に設定される初期値(例えば、数百メートル)の範囲を基準範囲としてもよい。端末装置13は、選択された車両12を特定する情報と入力された情報とに基づき利用要求を生成し、サーバ装置10へ送る。利用要求には、端末装置13を識別する情報が含まれる。
【0043】
ステップS506において、サーバ装置10は、利用要求にて特定される車両12へ利用確認要求を送る。利用確認要求には、利用要求に含まれる情報が含まれる。車両12は、例えば、乗車地点、乗車時刻等の情報を運転手に向けて表示する。運転手は、利用確認を車両12に入力する。利用確認は、利用要求に応じるか否かを示す情報を含む。例えば、運転手は、利用要求を応諾することを示すボタンをタップするなどして、利用確認を入力する。ステップS508において、車両12は、利用確認をサーバ装置へ送る。サーバ装置10は、利用確認を受けると、ステップS510、S512を実行する。なお、
図3で示した車両12の各部の一以上が情報処理機能を有する端末装置として構成されて端末装置が運転手に携行される場合、ステップS506、S508はその端末装置により実行されてもよい。
【0044】
ステップS510において、サーバ装置10は、端末装置13へ利用情報を送る。利用情報は、利用要求が応諾されたことを示す。端末装置13は利用情報をユーザへ向けて表示する。ユーザは、利用要求が応諾されたことを確認すると、端末装置13を携行して乗車地点へ移動する。
【0045】
ステップS512において、サーバ装置10は、車両12へ移動開始指示を送る。車両12は、移動開始指示を受けると、現在位置から乗車地点へ向けて移動を開始する。
【0046】
ステップS514~S522は、任意の周期(例えば、数十ミリ秒~数秒周期)で実行される。
【0047】
ステップS514において、車両12は、撮像画像と位置情報をサーバ装置10へ送る。撮像画像は、車両12の周囲の撮像画像であって、例えば、車両12の進行方向前方、側面方向、又は後方の風景・被写体を撮像して得られる。撮像画像は、任意のフレームレート(例えば30FPS)で撮影される動画像であってもよい。ここで、撮像と、位置情報取得、及び撮像画像と位置情報の送出の周期は異なってもよい。
【0048】
端末装置13は、利用情報を受けると、ステップS516において、位置情報をサーバ装置10へ送る。ここで、サーバ装置10は、車両12の位置と端末装置13の位置が共に乗車地点に位置している場合には、以降のステップを中止する。
【0049】
ステップS518において、サーバ装置10は、送出する撮像画像を決定する。サーバ装置10は、撮像画像と共に車両12から送られる位置情報に基づいて、送出する撮像画像を決定する。撮像画像と共に車両12から送られる位置情報は、概ね、撮像画像が撮像された地点に対応する。ここで、サーバ装置10は、例えば、位置情報が示す車両12の位置が乗車地点から基準範囲内にあることを条件として、その位置情報と共に送られた撮像画像を送出する撮像画像として決定する。あるいは、サーバ装置10は、端末装置13から送られた位置情報と、車両12から送られた位置情報とが一致する場合、その位置情報と共に送られた撮像画像を送出する撮像画像として決定してもよい。
【0050】
ステップS520において、サーバ装置10は、決定された撮像画像とその撮像画像と共に車両12から送られた位置情報とを端末装置13へ送る。このとき、サーバ装置10は、端末装置13の位置が乗車地点から基準範囲内にあることを条件として、撮像画像等を送ってもよい。
【0051】
ステップS522において、端末装置13は、サーバ装置10から送られた撮像画像と位置情報を出力する。端末装置13は、例えば、
図6Bに示すように、車両12の位置60、端末装置13の現在位置63、乗車地点62を含む地
図6を表示する。地
図6に8は、基準範囲の境界64が表示されてもよい。ここでは、車両12の位置60が基準範囲内にあるので、端末装置13は、撮像画像61を表示する。撮像画像61は、例えば、車両12の進行方向の風景の撮像画像である。また、撮像画像61は、動画像である。撮像画像61は、
図6Bのように地
図6に重畳して表示されてもよいし、ディスプレイにおける地
図6以外の部分に表示されてもよい。
【0052】
本実施形態によれば、ユーザは、乗車地点へ移動する際、乗車地点へ向かう車両12の周囲の撮像画像を端末装置13において見ることができる。仮に、乗車地点が未知の地点であっても、ユーザは、地図上で特定する場合よりも容易に乗車地点を特定し、車両12と効率良く合流することが可能となる。
【0053】
また、乗車地点からある程度以上離れた地点の撮像画像を表示しても乗車地点の特定に寄与する度合いは比較的低いので、基準範囲内における撮像画像のみを表示することで、不要な処理及び情報通信を省略することができる。更に、ユーザが乗車地点へ移動する際、乗車地点からある程度以上離れた地点の風景を撮像画像と照合しても乗車地点の特定に寄与する度合いは比較的低いので、端末装置13が基準範囲内に位置することを撮像画像送出の条件とすることで、ユーザが撮像画像と周囲の風景を照合しやすくなる。よって、より確実に乗車地点を特定することが可能となる。
【0054】
あるいは、ユーザが乗車地点へ移動する際、車両12が通過した地点を移動するような場合、すなわち、サーバ装置10が車両12から取得した位置情報と端末装置13の位置情報が一致する場合、その位置で撮像された撮像画像が端末装置13へ送られて表示される。そうすることで、ユーザは、撮像画像と周囲の風景を照合して、より確実に乗車地点を特定することが可能となる。更に、端末装置13が車両12の位置の軌跡を表示し、その軌跡上でユーザが選択する地点の撮像画像が表示されてもよい。例えば、地
図6上で車両12の軌跡上の任意の地点をユーザがタップ操作等で選択し、その選択に基づいてサーバ装置10が選択された地点の撮像画像を端末装置13へ送ることが可能である。そうすることで、ユーザの利便性向上が可能となる。
【0055】
上述の実施形態では、車両12からの位置情報に基づいてサーバ装置10が端末装置13へ送る撮像画像を選択した。しかし、サーバ装置10が移動開始指示と共に基準範囲の情報を車両12へ送り、車両12が自らの現在位置に基づいて撮像又は撮像画像の送出の実行・中止を判断してもよい。すなわち、車両12は、自らの現在位置が基準範囲内に位置するときに、撮像を行って撮像画像をサーバ装置10へ送る。あるいは、車両12は、撮像を周期的に実行し、自らの現在位置が基準範囲内に位置するときに、撮像画像をサーバ装置10へ送る。そうすることで、複数の車両12をサーバ装置10が管理する場合において、サーバ装置10に処理負荷が集中することを回避することが可能となる。
【0056】
上述の実施形態において、車両12及び端末装置13の動作を規定する処理・制御プログラムは、サーバ装置10の記憶部22又は他のサーバ装置の記憶部に記憶されていて、ネットワーク11経由で各装置にダウンロードされてもよいし、各装置に読取り可能な非一過性の記録・記憶媒体に格納され、各装置が媒体から読み取ってもよい。
【0057】
上述において、実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段、ステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 情報処理システム
10 サーバ装置
11 ネットワーク
12 車両
13 端末装置
20、31、41 通信部
21、32、42 記憶部
22、33、43 制御部
34、44 測位部
25、35、45 入力部
26、36、46 出力部
37 撮像部