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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-14
(45)【発行日】2025-01-22
(54)【発明の名称】方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20250115BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022080443
(22)【出願日】2022-05-16
(65)【公開番号】P2023169004
(43)【公開日】2023-11-29
【審査請求日】2024-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】藤原 亮太郎
(72)【発明者】
【氏名】中西 弘忠
(72)【発明者】
【氏名】児玉 史
(72)【発明者】
【氏名】打田 祐規
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 宜法
(72)【発明者】
【氏名】平野 怜司
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-086242(JP,A)
【文献】特開2011-045292(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091778(WO,A1)
【文献】特開2021-047701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置が実行する方法であって、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定すること
を含
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記方法は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定し、
前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを送信することを更に含む、
方法。
【請求項2】
請求項に記載の方法であって、
前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与することを更に含む、方法。
【請求項3】
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置が実行する方法であって、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定すること
を含み、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定し、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物を示す情報を含み、
前記方法は、前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、
方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記方法は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報及び前記第1圃場へ散布する農薬を作物に対して使用可能な時期を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記実施予定時期が前記農薬を前記第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、方法。
【請求項5】
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置に、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定することを実行させ、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記情報処理装置に、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定し、
前記情報処理装置に、前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを送信することを更に実行させる、
プログラム。
【請求項6】
請求項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与することを更に実行させる、プログラム。
【請求項7】
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置に、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定すること
を実行させ、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定し、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物を示す情報を含み、
前記情報処理装置に、前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、プログラム。
【請求項8】
請求項に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報及び前記第1圃場へ散布する農薬を作物に対して使用可能な時期を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記実施予定時期が前記農薬を前記第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、プログラム。
【請求項9】
制御部を備え、無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得し、
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定し、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記制御部は、
無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得し、
前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定し、
前記制御部は、前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを、通信部を介して送信する、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与する処理を実行する、情報処理装置。
【請求項11】
制御部を備え、無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得し、
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定し
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記制御部は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定し、
前記制御部は、
前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得し、
前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人航空機を用いて圃場に農薬を散布する技術が知られている。例えば特許文献1には、圃場の上空において縁部ルート及び中央部ルートを含む飛行ルートに沿ってドローンを飛行させる際に、縁部ルートにおける飛行高度を中央部ルートにおける飛行高度よりも低くなるように制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/140657号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人航空機を用いて圃場に農薬を散布する技術には改善の余地がある。例えば、ある圃場に散布する農薬が周辺の他の圃場にまで飛散すると、当該他の圃場の作物に悪影響を及ぼす場合がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、無人航空機を用いて圃場に農薬を散布する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る方法は、
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置が実行する方法であって、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定することを含む。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置に、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定することを実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部を備え、無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得し、
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、無人航空機を用いて圃場に対し農薬散布を行う技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図4】情報処理装置が実行する決定処理の第1例を示すフローチャートである。
図5】情報処理装置が実行する決定処理の第2例を示すフローチャートである。
図6】情報処理装置が実行する決定処理の第3例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、複数の端末装置10と、無人航空機20と、情報処理装置30と、を備える。情報処理装置30は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク40を介して、端末装置10及び無人航空機20のそれぞれと通信可能である。
【0013】
端末装置10は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、又はタブレット端末等のコンピュータである。本実施形態では、端末装置10は、例えば農業従事者等、圃場の管理者によって使用される。各端末装置10は、例えばそれぞれ異なる圃場の管理者によって使用され得る。一例において、各圃場の管理者は、システム1で利用されるユーザアカウントを予め取得しておく。端末装置10は、圃場の管理者の操作に応じて、ログイン処理を行った後、指定された圃場への無人航空機20による農薬散布を予約することができる。
【0014】
無人航空機20は、人が搭乗しない任意の航空機である。例えばドローン又はマルチコプタ等の航空機が、無人航空機20として採用可能である。本実施形態では、無人航空機20は、例えば圃場の管理者に代わって農薬散布を行う代行事業者によって使用される。無人航空機20は、上空から地上に向けて農薬を散布する散布装置を備えており、自律的に又は情報処理装置30と協働することによって、圃場に対して上空から農薬散布を実行可能である。例えば、無人航空機20は、情報処理装置30から通知された運行計画に従って、散布対象として指定された圃場に対して指定された時期に農薬散布を自動的に実施可能である。なお、無人航空機20に備えられたバッテリの充電及び散布装置への農薬補充等、農薬散布の事前作業は、圃場の管理者又は農薬散布の代行事業者等によって実施されてもよい。
【0015】
情報処理装置30は、例えばPC、スマートフォン、タブレット端末、又はサーバ等のコンピュータである。情報処理装置30は、ネットワーク40を介して端末装置10及び無人航空機20のそれぞれと通信可能である。本実施形態では、情報処理装置30は、例えば農薬散布の代行事業者によって使用される。一例において、情報処理装置30は、圃場の管理者から圃場への農薬散布の予約を受け付けると、予約内容に応じて無人航空機20の運行計画を決定し、当該運行計画を無人航空機20に通知することで、無人航空機20に圃場への農薬散布を実施させることができる。
【0016】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。情報処理装置30は、複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得する。そして情報処理装置30は、農薬の散布対象である圃場(以下、「第1圃場」ともいう。)の周辺に位置する他の圃場(以下、「第2圃場」ともいう。)に関する情報に基づいて、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を決定する。
【0017】
本実施形態によれば、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期が第2圃場に関する情報に基づいて決定される。例えば、第1圃場への農薬散布の実施時期が、例えば第2圃場における作物の収穫が完了した後又は第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定されると、飛散した農薬が第2圃場における作物に付着する蓋然性が低減する。したがって本実施形態によれば、無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に悪影響を及ぼす蓋然性が低減し得る点で、無人航空機20を用いて圃場に農薬を散布する技術が改善される。
【0018】
次に、システム1が備える情報処理装置30の構成について詳細に説明する。
【0019】
(情報処理装置の構成)
図2に示すように、情報処理装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。
【0020】
通信部31は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)等の移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、情報処理装置30は、通信部31及びネットワーク40を介して、端末装置10及び無人航空機20のそれぞれと通信する。
【0021】
記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、情報処理装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、及びデータベース等を記憶してもよい。
【0022】
制御部33は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部33は、情報処理装置30全体の動作を制御する。
【0023】
(情報処理装置の動作フロー)
図3を参照して、情報処理装置30の動作について説明する。概略として本動作は、農薬散布を行う無人航空機20の運行計画を圃場の管理者からの予約に応じて決定する動作である。
【0024】
ステップS100:情報処理装置30の制御部33は、複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得する。
【0025】
具体的には、各圃場の管理者は、圃場に関する情報を端末装置10に入力する。情報処理装置30の制御部33は、各端末装置10から通信部31を介して各圃場に関する情報を受信し、記憶部32に記憶する。しかしながら、圃場に関する情報の取得には、当該例に限られず任意の手法が採用可能である。
【0026】
ここで「圃場に関する情報」は、例えば圃場の管理者のユーザアカウント、圃場の識別情報、圃場の位置、圃場における作物の収穫が完了しているか否か、収穫予定時期、及び圃場における作物等を示す情報を含み得るが、これらに限られず圃場に関する任意の情報を含んでもよい。なお、「収穫が完了しているか否か」を示す情報は、例えば収穫の完了若しくは未完了を示すフラグ、又は収穫完了日時を示す情報等であるが、これらに限られない。また「時期」は、時間的な長さを有する「期間」を意味してもよく、時間的な長さを有さない「時点」を意味してもよい。
【0027】
ステップS101:制御部33は、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の予約情報を取得する。
【0028】
具体的には、ある圃場(第1圃場)の管理者は、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の予約情報を端末装置10に入力する。端末装置10は、入力された予約情報を情報処理装置30へ送信する。情報処理装置30の制御部33は、当該端末装置10から通信部31を介して予約情報を受信し、記憶部32に記憶する。しかしながら、予約情報の取得には、当該例に限られず任意の手法が採用可能である。
【0029】
ここで「予約情報」は、例えば農薬散布の実施予定時期、使用される農薬、及び農薬の使用基準等を示す情報を含み得るが、これらに限られず無人航空機20による第1圃場への農薬散布の予約に必要な任意の情報を含んでもよい。例えば、予約情報は、第1圃場のうち農薬の散布対象のエリアを指定する情報を更に含んでもよい。ここで「農薬の使用基準」は、例えば農薬を使用可能な作物(すなわち、農薬の使用に適した作物)及び時期(例えば、収穫を行う24時間以上前の時期等)等であるが、これらに限られない。農薬の使用基準は、例えば法令によって定められていてもよい。
【0030】
ステップS102:制御部33は、第1圃場の周辺に位置する第2圃場を特定する。
【0031】
具体的には、制御部33は、ステップS100で記憶部32に記憶した各圃場に関する情報から各圃場の位置を抽出し、例えば第1圃場から所定の距離内に位置する他の圃場を第2圃場として特定する。
【0032】
ステップS103:制御部33は、第2圃場に関する情報に基づいて、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を決定する決定処理を実行する。
【0033】
決定処理の実行により、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期が決定される。決定処理の具体例については後述するが、概略として、無人航空機20によって散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に及ぼす悪影響が低減されるように、適切な実施時期が決定される。このため、決定処理によって決定される実施時期は、ステップS101の予約情報に示される実施予定時期と必ずしも一致しない。
【0034】
ステップS104:制御部33は、ステップS101の予約情報及びステップS103で決定された実施時期に基づいて無人航空機20の運行計画を決定し、無人航空機20に通知する。
【0035】
具体的には、制御部33は、予約情報に示される農薬をステップS103で決定された実施時期に第1圃場へ散布するように、無人航空機20の運行計画を決定し、通信部31を介して無人航空機20に通知する。そして無人航空機20は、通知された運行計画に従って第1圃場への農薬散布を自動的に実施する。
【0036】
(決定処理の第1例)
上述したステップS103の決定処理の第1例について、図4を参照して説明する。概略として第1例では、第1圃場への農薬散布の実施時期が、第2圃場における作物の収穫が完了した後になるように決定される。第1例では前提として、予約情報は、農薬散布の実施予定時期を示す情報を含むものとする。また各圃場に関する情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含むものとする。
【0037】
ステップS200:制御部33は、上述したステップS101の予約情報から、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施予定時期を特定する。
【0038】
ステップS201:制御部33は、記憶部32に記憶された第2圃場に関する情報から、第2圃場における作物の収穫が完了しているか否かを特定する。
【0039】
ステップS202:制御部33は、第2圃場における作物の収穫が完了しているか否かを判定する。収穫が完了していると判定された場合(ステップS202-Yes)、プロセスはステップS203に進む。一方、収穫が完了していないと判定された場合(ステップS202-No)、プロセスはステップS204に進む。
【0040】
具体的には、制御部33は、収穫が完了していることを示す情報が第2圃場に関する情報に含まれている場合、第2圃場における作物の収穫が完了していると判定する。一方、制御部33は、収穫が完了していることを示す情報が第2圃場に関する情報に含まれていない場合、又は収穫が完了していないことを示す情報が第2圃場に関する情報に含まれている場合、第2圃場における作物の収穫が完了していないと判定する。
【0041】
ステップS203:ステップS202で収穫が完了していると判定された場合(ステップS202-Yes)、制御部33は、実施予定時期を、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期として決定する。その後、プロセスは上述したステップS104に進む。
【0042】
なおステップS203の動作は、後述するようにステップS207で実施予定時期が延期された後に実行される場合がある。このため、ステップS203の「実施予定時期」は、ステップS101の予約情報に示される実施予定時期と必ずしも一致しない。
【0043】
ステップS204:ステップS202で収穫が完了していないと判定された場合(ステップS202-No)、制御部33は、第2圃場の管理者に対して、実施予定時期よりも前に第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを送信する。
【0044】
具体的には、制御部33は、第2圃場に関する情報から第2圃場の管理者のユーザアカウントを特定し、当該ユーザアカウントに対してメッセージを送信する。第2圃場の管理者は、端末装置10を用いて当該メッセージを確認可能である。
【0045】
ステップS205:制御部33は、第2圃場の管理者がステップS204のメッセージの依頼に応じたか否か(すなわち、第2圃場の管理者が、実施予定時期よりも前に第2圃場における作物の収穫を完了したか否か)を判定する。第2圃場の管理者が依頼に応じたと判定された場合(ステップS205-Yes)、プロセスはステップS206に進む。一方、第2圃場の管理者が依頼に応じなかったと判定された場合(ステップS205-No)、プロセスはステップS207に進む。
【0046】
具体的には、第2圃場の管理者は、ステップS204のメッセージを確認する。第2圃場の管理者は、当該メッセージの依頼に応じる場合、実施予定時期よりも前に第2圃場における作物の収穫を完了し、収穫が完了していることを示す情報を端末装置10に入力する。端末装置10は、入力された情報を情報処理装置30に返信する。情報処理装置30の制御部33は、当該端末装置10から通信部31を介して当該情報を受信した場合、第2圃場の管理者が依頼に応じたと判定する。また制御部33は、記憶部32に記憶されている第2圃場に関する情報を、収穫が完了していること示すように更新する。
【0047】
一方、第2圃場の管理者は、当該メッセージの依頼に応じない場合、当該依頼に応じないことを示す情報を端末装置10に入力する。ここで第2圃場の管理者は、第2圃場における作物の収穫予定時期を端末装置10に更に入力してもよい。端末装置10は、入力された情報を情報処理装置30に返信する。情報処理装置30の制御部33は、当該端末装置10から通信部31を介して当該情報を受信した場合、第2圃場の管理者が依頼に応じなかったと判定する。
【0048】
なお、実施予定時期以前の所定期限までに第2圃場の管理者の端末装置10から返信がなかった場合、制御部33は、第2圃場の管理者が依頼に応じなかったと判定してもよい。
【0049】
ステップS206:ステップS205で第2圃場の管理者がメッセージの依頼に応じたと判定された場合(ステップS205-Yes)、制御部33は、第2圃場の管理者に報酬を付与する。その後、プロセスはステップS203に進む。
【0050】
具体的には、制御部33は、第2圃場の管理者のユーザアカウントに対して報酬を付与する。ここで「報酬」は、例えば電子マネー、暗号通貨、又は電子クーポン等のデータであるが、これらに限られない。
【0051】
なおステップS204-S206の動作は、後述するようにステップS207で実施予定時期が延期された後に実行される場合がある。このため、ステップS204-S206の「実施予定時期」は、ステップS101の予約情報に示される実施予定時期と必ずしも一致しない。すなわち、ステップS101の予約情報に示される実施予定時期をT1とし、ステップS205で第2圃場の管理者がメッセージの依頼に応じたと判定されたときの実施予定時期をT2とすると、T1よりもT2が遅い場合がある。そこで制御部33は、ステップS206で第2圃場の管理者に報酬を付与する際、例えばT1とT2が一致している場合には、T1よりもT2が遅い場合よりも、付与する報酬を増加させてもよい。或いは制御部33は、T1とT2の差が大きいほど、付与する報酬を減少させてもよい。いずれの場合であっても、第2圃場の管理者は、予約情報に示される実施予定時期(すなわち、第1圃場の管理者が希望している農薬散布の実施予定時期)であるT1までに第2圃場における作物の収穫を完了することで最大の報酬を得ることができる。このため、T1までに第2圃場における作物の収穫が完了する蓋然性が高まる。
【0052】
ステップS207:ステップS205で第2圃場の管理者がメッセージの依頼に応じなかったと判定された場合(ステップS205-No)、制御部33は、実施予定時期を延期する。その後、プロセスはステップS204に戻る。
【0053】
このように、第1例に係る決定処理によれば、第2圃場における作物の収穫が完了しているとステップS202又はステップS205で判定された後に、第1圃場への農薬散布の実施時期が決定される。すなわち、第1圃場への農薬散布の実施時期が、第2圃場における作物の収穫が完了した後になるように決定される。したがって、無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に付着してしまう蓋然性が低減する。
【0054】
(決定処理の第2例)
上述したステップS103の決定処理の第2例について、図5を参照して説明する。前提として第2例では、予約情報は、上述した第1例とは異なり農薬散布の実施予定時期を示す情報を含まなくてもよい。また、各圃場に関する情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含むものとする。
【0055】
ステップS300:制御部33は、記憶部32に記憶された第2圃場に関する情報から、第2圃場における作物の収穫予定時期を特定する。
【0056】
ステップS301:制御部33は、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を、ステップS300で特定された収穫予定時期よりも後になるように決定する。その後、プロセスは上述したステップS104に進む。
【0057】
このように、第2例に係る決定処理によれば、第1圃場への農薬散布の実施時期が、第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定される。したがって、第1圃場への農薬散布の実施以前に第2圃場における作物の収穫が完了している蓋然性が高いので、無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に直接かかってしまう蓋然性が低減する。
【0058】
(決定処理の第3例)
上述したステップS103の決定処理の第3例について、図6を参照して説明する。概略として第3例では、第1圃場に散布する農薬の使用基準を第2圃場が満たすか否かに応じて、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期が異なる。前提として第3例では、予約情報は、第1圃場へ散布する農薬及び/又は農薬の使用基準を示す情報を含むものとする。また各圃場に関する情報は、第2圃場における作物及び/又は収穫予定時期を示す情報を含むものとする。
【0059】
ステップS400:制御部33は、記憶部32に記憶された第2圃場に関する情報から、第2圃場における作物及び/又は収穫予定時期を特定する。
【0060】
ステップS401:制御部33は、上述したステップS101の予約情報から、第1圃場へ散布する農薬の使用基準を特定する。
【0061】
具体的には、制御部33は、予約情報に農薬の使用基準を示す情報が含まれている場合、農薬の使用基準を予約情報から特定する。或いは、制御部33は、予約情報に農薬の使用基準を示す情報が含まれていない場合、農薬を予約情報から特定し、当該農薬の使用基準を、ネットワーク40上の外部サーバから通信部31を介して取得することにより特定する。上述したように、農薬の使用基準は、例えば農薬を使用可能な作物及び時期である。
【0062】
ステップS402:制御部33は、第2圃場に関する情報に基づいて、第2圃場が農薬の使用基準を満たすか否かを判定する。第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定された場合(ステップS402-Yes)、プロセスはステップS403に進む。一方、第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定された場合(ステップS402-No)、プロセスはステップS404に進む。
【0063】
具体的には、制御部33は、第2圃場における作物が農薬を使用可能な作物に該当しない場合、第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定してもよい。また制御部33は、第1圃場への農薬散布の実施予定時期が農薬を第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当しない場合、第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定してもよい。一方、制御部33は、第2圃場における作物が農薬を使用可能な作物に該当し、且つ第1圃場への農薬散布の実施予定時期が農薬を第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当する場合、第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定してもよい。
【0064】
なお農薬によっては、農薬を使用可能な作物及び時期の一方のみが使用基準に定められている場合がある。かかる場合には、制御部33は、第2圃場における作物が農薬を使用可能な作物に該当する場合、又は第1圃場への農薬散布の実施予定時期が農薬を第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当する場合、第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定してもよい。
【0065】
ステップS403:ステップS402で第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定された場合(ステップS402-Yes)、制御部33は、実施予定時期を、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期として決定する。その後、プロセスは上述したステップS104に進む。
【0066】
ステップS404:ステップS402で第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定された場合(ステップS402-No)、制御部33は、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を、ステップS400で特定された収穫予定時期よりも後になるように決定する。その後、プロセスは上述したステップS104に進む。
【0067】
このように、第3例に係る決定処理によれば、第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定された場合には、予約情報に示される実施予定時期がそのまま第1圃場への農薬散布の実施時期として決定される。第2圃場が農薬の使用基準を満たしているので、第2圃場における作物の収穫前に無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散しても、農薬が第2圃場における作物に悪影響を及ぼす蓋然性は低い。
【0068】
一方、第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定された場合には、第1圃場への農薬散布の実施時期が、第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定される。したがって、第1圃場への農薬散布の実施以前に第2圃場における作物の収穫が完了している蓋然性が高いので、無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に付着してしまう蓋然性が低減する。
【0069】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置30は、複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得する。そして情報処理装置30は、農薬の散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する情報に基づいて、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を決定する。
【0070】
かかる構成によれば、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期が第2圃場に関する情報に基づいて決定される。例えば、第1圃場への農薬散布の実施時期が、例えば第2圃場における作物の収穫が完了した後又は第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定されると、飛散した農薬が第2圃場における作物に付着する蓋然性が低減する。したがって本実施形態によれば、無人航空機20によって第1圃場に散布された農薬が第2圃場まで飛散した場合であっても、飛散した農薬が第2圃場における作物に悪影響を及ぼす蓋然性が低減し得る点で、無人航空機20を用いて圃場に農薬を散布する技術が改善される。
【0071】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0072】
例えば、上述した実施形態において、情報処理装置30の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0073】
また、例えば汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置30として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置30の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0074】
また、上述した実施形態において、決定処理を実行する情報処理装置30の動作を第1例~第3例に即して具体的に説明した。しかしながら、決定処理を実行する情報処理装置30は、第1例~第3例に記載された動作を適宜組み合わせて実行してもよい。
【0075】
例えば、情報処理装置30の制御部33は、第2圃場における作物の収穫が完了していると判定された場合(第1例のステップS202-Yesと同様)、又は第2圃場が農薬の使用基準を満たすと判定された場合(第3例のS402-Yesと同様)、予約情報に示される実施予定時期をそのまま第1圃場への農薬散布の実施時期として決定してもよい(第1例のステップS203又は第3例のステップS403と同様)。一方、制御部33は、第2圃場における作物の収穫が完了していないと判定され(第1例のステップS202-Noと同様)、且つ第2圃場が農薬の使用基準を満たさないと判定された場合(第3例のS402-Noと同様)、無人航空機20による第1圃場への農薬散布の実施時期を、第2圃場の収穫予定時期よりも後になるように決定してもよい(第2例のステップS301又は第3例のステップS404と同様)。
【0076】
以下に本開示の実施形態の一部について例示する。しかしながら、本開示の実施形態はこれらに限定されない点に留意されたい。
[付記1]
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置が実行する方法であって、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定すること
を含む、方法。
[付記2]
付記1に記載の方法であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記方法は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定する、方法。
[付記3]
付記2に記載の方法であって、
前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを送信することを更に含む、方法。
[付記4]
付記3に記載の方法であって、
前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与することを更に含む、方法。
[付記5]
付記1から4の何れか一項に記載の方法であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、方法。
[付記6]
付記5に記載の方法であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物を示す情報を含み、
前記方法は、前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、方法。
[付記7]
付記5又は6に記載の方法であって、
前記方法は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報及び前記第1圃場へ散布する農薬を作物に対して使用可能な時期を示す情報を取得することを更に含み、
前記情報処理装置は、前記実施予定時期が前記農薬を前記第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、方法。
[付記8]
無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置に、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得すること、及び
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定すること
を実行させる、プログラム。
[付記9]
付記8に記載のプログラムであって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記情報処理装置に、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定する、プログラム。
[付記10]
付記9に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを送信することを更に実行させる、プログラム。
[付記11]
付記10に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与することを更に実行させる、プログラム。
[付記12]
付記8から11の何れか一項に記載のプログラムであって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記情報処理装置は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、プログラム。
[付記13]
付記12に記載のプログラムであって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物を示す情報を含み、
前記情報処理装置に、前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、プログラム。
[付記14]
付記12又は13に記載のプログラムであって、
前記情報処理装置に、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報及び前記第1圃場へ散布する農薬を作物に対して使用可能な時期を示す情報を取得することを更に実行させ、
前記情報処理装置は、前記実施予定時期が前記農薬を前記第2圃場における作物に対して使用可能な時期に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、プログラム。
[付記15]
制御部を備え、無人航空機による農薬散布の実施時期を決定する情報処理装置であって、
前記制御部は、
複数の圃場のそれぞれについて、圃場に関する情報を取得し、
散布対象である第1圃場の周辺に位置する第2圃場に関する前記情報に基づいて、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を決定する、情報処理装置。
[付記16]
付記15に記載の情報処理装置であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫が完了しているか否かを示す情報を含み、
前記制御部は、
無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施予定時期を示す情報を取得し、
前記第2圃場における作物の収穫が完了している場合、前記実施予定時期を無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期として決定する、情報処理装置。
[付記17]
付記16に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2圃場における作物の収穫が完了していない場合、前記第2圃場の管理者に対して、前記実施予定時期よりも前に前記第2圃場における作物の収穫を完了するように依頼するメッセージを、通信部を介して送信する、情報処理装置。
[付記18]
付記17に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2圃場の前記管理者が前記メッセージの依頼に応じた場合、前記第2圃場の前記管理者に報酬を付与する処理を実行する、情報処理装置。
[付記19]
付記15から18の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物の収穫予定時期を示す情報を含み、
前記制御部は、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、情報処理装置。
[付記20]
付記19に記載の情報処理装置であって、
各圃場に関する前記情報は、圃場における作物を示す情報を含み、
前記制御部は、
前記第1圃場へ散布する農薬を使用可能な作物を示す情報を取得し、
前記第2圃場における作物が前記農薬を使用可能な作物に該当しない場合、無人航空機による前記第1圃場への農薬散布の実施時期を前記第2圃場における作物の収穫予定時期よりも後になるように決定する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0077】
1 システム
10 端末装置
20 無人航空機
30 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6