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特許7625527置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その医薬組成物、生産のための方法および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-24
(45)【発行日】2025-02-03
(54)【発明の名称】置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その医薬組成物、生産のための方法および使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20250127BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20250127BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20250127BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20250127BHJP
   A61K 31/215 20060101ALI20250127BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20250127BHJP
   A61K 31/13 20060101ALI20250127BHJP
   C07D 498/14 20060101ALI20250127BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250127BHJP
【FI】
C07D519/00 CSP
A61P31/16
A61K45/00
A61K31/5383
A61K31/215
A61K31/351
A61K31/13
C07D498/14
A61P43/00 121
A61P43/00 111
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021552632
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 RU2020000163
(87)【国際公開番号】W WO2020226532
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】2019113751
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】524026872
【氏名又は名称】ビリオム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ・アレクサンドロビッチ・イワシェンコ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル・バシリエビッチ・イワシェンコ
(72)【発明者】
【氏名】ミチキン,オレグ・ドミトリエビチ
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/052565(WO,A1)
【文献】再公表特許第2012/039414(JP,A1)
【文献】再公表特許第2016/175224(JP,A1)
【文献】国際公開第2018/030463(WO,A1)
【文献】特開2017-137291(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109503625(CN,A)
【文献】特表2017-521424(JP,A)
【文献】野崎正勝 等,創薬化学,第1版,株式会社化学同人,1995年,pp.98-99
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 519/00
A61K 45/00
A61K 31/5383
A61K 31/215
A61K 31/351
A61K 31/13
C07D 498/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式1の置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶:
【化1】
式中、
は、6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル、(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル、ジフェニルメチル、ビス(4-フルオロフェニル)メチルであり;
は、水素であるか、または{[(C~Cアルキル)オキシカルボニル]-オキシ}メチルから選択される保護基である。
【請求項2】
一般式1.1の(12aR)-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.2の(12aR)-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、及び
一般式1.3の(12aR)-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン
並びにその立体異性体、並びにそれらの医薬的に許容される塩、溶媒和物及び水和物、並びに、それらの結晶または多結晶から選択される物である
請求項1に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化2】
式中、Rは、請求項1と同じ定義を有する。
【請求項3】
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.1.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.2.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.3.2)、
{[(12aR)-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]オキシ}メチルメチルカーボネート(1.1.4)、
({(12aR)-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.2.4)、及び
({(12aR)-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.3.4)、
からなる群から化合物が選択される、請求項1または2に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化3】
【化4】
【請求項4】
一般式1.7の(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.8の(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、及び
一般式1.9の(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
からなる群から化合物が選択される、請求項1に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化8】
式中、Rは、請求項1と同じ定義を有する。
【請求項5】
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.2)、
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.7.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.8.4)、及び
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.9.4)、
からなる群から化合物が選択される、請求項1または4に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化9】
【化10】
【請求項6】
一般式1.10の(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.11の(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、及び
一般式1.12の(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
からなる群から化合物が選択される、請求項1に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化11】
式中、Rは、請求項1と同じ定義を有する。
【請求項7】
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.11.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.12.2)、
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.10.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.11.4)、及び
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.12.4)、
からなる群から化合物が選択される、請求項1または6に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化12】
【化13】
【請求項8】
化合物が一般式1.13の(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
である、請求項1に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化14】
式中、Rは、請求項1と同じ定義を有する。
【請求項9】
化合物が、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.2)、又は
({(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.13.4)、
である、請求項1または8に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化15】
【請求項10】
化合物が一般式1.14の(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル))メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
である、請求項1に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化16】
式中、Rは、請求項1と同じ定義を有する。
【請求項11】
化合物が、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.2)、又は
({(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.14.4)、
である、請求項1または10に記載の化合物、又は、その立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物、又はそれらの結晶または多結晶
【化17】
【請求項12】
治療有効量の、請求項2から11のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの結晶もしくは多結晶、および医薬的に許容される賦形剤を含む抗ウイルス医薬組成物。
【請求項13】
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.11.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.12.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.2)
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.7.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.8.4)、
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.9.4)、
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.10.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.11.4)、
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.12.4)、
({(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.13.4)、及び
({(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.14.4)、
からなる群から選択される化合物、
またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは水和物、またはそれらの結晶または多結晶を含む化合物の群から選択される化合物を含む、請求項12に記載の抗ウイルス用医薬組成物。
【請求項14】
ウイルス性疾患が、インフルエンザである、ウイルス性疾患を処置および/または予防するための、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、AV-5080、ファビピラビル、アマンタジン、VX-787、MHAA4549A、グリプフェロン、およびカゴセルからなる群から選択される他の医薬品と組み合わされる、請求項12または13に記載の抗ウイルス医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザを含むウイルス性疾患の防止および処置のための有効なツールである、新規の化合物の置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオンに関する。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染性呼吸器疾患である。これは、急性呼吸器ウイルス感染(ARVI)のグループの一部である。これは場合によって、エピデミックおよびパンデミックの形態で拡大する。現在、インフルエンザウイルスの2000種より多くの変異種が同定されており、これらは抗原範囲の点で異なる。WHOの概算によれば、世界で毎年250人から500人の人々(彼らのほとんどは65歳より上である)が、季節的なエピデミックの間にウイルスのいずれかの変異種によって死亡し、数年のうちに死亡者数は百万人に達する可能性がある。
【0003】
1930年代にウイルスが初めて単離された。インフルエンザウイルスは、RNA含有ウイルスの科であるオルソミクソウイルス科(ラテン語:オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae))に属する。このファミリーは、インフルエンザA型ウイルス、インフルエンザB型ウイルス、インフルエンザC型ウイルス、およびインフルエンザD型ウイルスなどの7つのタイプのウイルスを含む。核タンパク質およびマトリックスタンパク質における抗原性の差によって同定される3つのタイプのインフルエンザウイルスは、以下の通り脊椎動物に感染する:インフルエンザA型ウイルスはヒト、他の哺乳動物、および鳥類に感染し、全てのインフルエンザパンデミックの原因となる。インフルエンザB型ウイルスはヒトおよびアザラシに感染する。インフルエンザC型ウイルスは、ヒト、ブタ、およびイヌに感染する。インフルエンザD型ウイルス(2012年に単離された)は、家畜に感染する。本発明者らが知る限り、インフルエンザD型は、ヒト細胞に感染しない。
【0004】
3つのサブタイプのヘマグルチニン(HA)表面タンパク質(H1、H2、H3)および2つのサブタイプのノイラミニダーゼ(NA)(N1、N2)を含有するウイルスは、ヒトにとってエピデミックの重要性を有する。インフルエンザウイルスA型およびB型は、血球凝集性およびノイラミニダーゼ活性を有するウイルス粒子の主要な構造的な、および抗原性の成分として、NAおよびNAを含有する。インフルエンザC型ウイルスはノイラミニダーゼを有さないが、その代わりにヘマグルチニンエステラーゼ(融合(penetrating))タンパク質(HEF)を有する。
【0005】
現代の生物学および医学における重要な成果は、疾患の原因を取り除くことを目的とした、その複製サイクルの異なる段階でウイルスの機能的な活性をブロックする特異的な阻害剤の使用に基づくウイルス感染処置のための実施方法の開発およびそれへの導入である。
【0006】
現在市販されているほとんどの抗インフルエンザ薬は、ノイラミニダーゼの阻害剤(ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビル)またはプロトンイオンチャネルを形成するM2タンパク質(アマンタジン、リマンタジン)である[Hayden, F. G. Antivirals for influenza:historical perspectives and lessons learned. Antiviral Res 71、372~8(2006).]。しかしながら、これらの標的、特に後者は、ウイルスRNA依存性RNAポ
リメラーゼ(RdRp)が複製中にRNAを修正できないことに起因して、抗ウイルス剤耐性を付与する可能性がある迅速な突然変異を受けやすい。実際に、世界保健機関のグローバルインフルエンザプログラムは、現在、季節性インフルエンザA株の>99%がアマンタジンおよびリマンタジンに耐性であることを報告した[Barr, I. G.ら、WHO recommendations for the viruses used in the 2013~2014 Northern Hemisphere influenza vaccine:Epidemiology, antigenic and genetic characteristics of influenza A(H1N1
)pdm09, A(H3N2) and influenza B viruses collected from October 2012 to January 2013. Vaccine 32、4713~25 (2014).]。これにより、他の重要なウイルス性のプロセスを標的化する新しい抗ウイルス性化合物を探索するに至った[Yen, H. L. Current and novel antiviral strategies for influenza infection. Curr Opin Virol 18, 126-134 (2016).]。この点について、インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)またはRNAレプリカーゼは、薬剤耐性が比較的ゆっくり発生し、遺伝子型において持続し、ウイルス複製に重要であることから、それ自体が魅力的な薬剤標的である。
【0007】
この10年で、インフルエンザウイルスのRdRpの理解は、インフルエンザエンドヌクレアーゼの高解像度の構造の解明[Dias, A.ら、The cap-snatching endonuclease of influenza virus polymerase resides in the PA subunit. Nature 2009、458、914~918. Pflug, A.ら、Structure of influenza A polymerase bound to the viral RNA promoter. Nature 2014、516、355~360.]および完全なヘテロ三量体RdRp構造の発見[Hengrung, N.ら、Crystal structure of the RNA-dependent RNA polymerase from influenza C virus. Nature 2015, 527, 114~117.]を介して劇的に発展した。
【0008】
インフルエンザウイルスRdRpは、感染細胞の核に配置されると、3つのサブユニット:PA、PB1およびPB2からなるヘテロ三量体によって提示される。RdRpは、ウイルスゲノムの8つの異なるRNAセグメントの複製および転写に関与する。このウイルスポリメラーゼは、宿主細胞の短いキャッププライマーを使用してウイルスmRNAを合成する。これらのキャッププライマーは、固有なキャップ依存性メカニズムを使用して細胞性の転写物(RNA)から得られる。感染細胞において、PB2ウイルスサブユニットは、その5’末端でプレmRNAのキャップと結合する。次いで、これらのPB2サブユニットと結合したキャップ-RNAは、10-13ヌクレオチドの後でウイルスエンドヌクレアーゼによって切断される。生化学的および構造的な研究から、エンドヌクレアーゼの活性中心は、PAサブユニットの209個のアミノ酸残基のアミノ末端部位に配置されていることが示されている。このドメインは、マンガンイオンによって強く活性化される内因性RNAおよびDNAエンドヌクレアーゼ活性を有する。これは、無傷の3つの-サブユニットポリメラーゼのエンドヌクレアーゼ活性のマンガンに対する依存性を報告した観察に対応する[Dias, A.ら、2009]。約四半世紀前に、4-置換2,4-ジオキソブタン酸(例えば、化合物A1およびA2)の例におけるこのエンドヌクレアーゼ活性を阻害する可能性が最初に確立された[J. Tomassiniら、Inhibition of cap (m7GpppXm)-dependent endonuclease of influenza virus by 4-Substituted 2,4-dioxobutanoic acid
compounds. Antimicrob. Agents Chemoter. 1994、2827-2837]。
【0009】
【化1】
【0010】
その少し後に、インフルエンザA型およびB型ウイルスの天然キャップ依存性転写酵素阻害剤が、フルタミド(Flutimide)(A3)[J. Tomassiniら、A Novel Antiviral Agent Which Inhibits the Endonuclease of Influenza Viruses. Antimicrob. Agents Chemoter. 1996、1189~1193]、加えて合成薬物のファビピラビル(A4)[Furuta Y.ら、T-705 (favipiravir) and related compounds: Novel broad-spectrum inhibitors of RNA
viral infections. Antiviral Research. 2009、82 (3)、95~102.]およびピモジビル
(A5)[Clark, M. P.ら、Discovery of a novel, first-in-class, orally bioavailable azaindole inhibitor (VX-787) of influenza PB2. J. Med. Chem. 2014、57、6668
~6678. Byrn, R. A.ら、Preclinical activity of VX-787, a first-in-class, orally bioavailable inhibitor of the influenza virus polymerase PB2 subunit. Antimicrob. Agents Chemother. 2015、59、1569~1582. https://ichgcp. net/clinical-trials-registry/NCT02342249]などの置換された2,6-ジケトピペラジンとしてデリシア・コンフェルタスポラ(Delitschia confertaspora)の培養物から単離された。
【0011】
【化2】
【0012】
ファビピラビル(A4)は、インフルエンザウイルスを含む多数のウイルスRdRpに標的化された広域スペクトル薬剤である。これは、日本では2014年、米国では2015年にインフルエンザのパンデミックの場合における緊急使用のために承認されたが、薬物の毒性に関していくつかの著しい懸念がある[Nagata, T.ら、Favipiravir: a new medication for the Ebola virus disease pandemic. Disaster Med Public Health Prep 9
、79~81 (2015).]。
【0013】
ピモジビル(A5)は、インフルエンザウイルスポリメラーゼ複合体のPB2活性をブロックするインフルエンザウイルス複製の画期的な阻害剤である[Clark, M. P.ら、Discovery of a novel, first-in-class, orally bioavailable azaindole inhibitor (VX-787) of influenza PB2. J. Med. Chem. 2014、57、6668~6678. Byrn, R. A.ら、Preclinical activity of VX-787, a first-in-class, orally bioavailable inhibitor of the
influenza virus polymerase PB2 subunit. Antimicrob. Agents Chemother. 2015、59
、1569~1582. https://ichgcp. net/clinical-trials-registry/NCT02342249]。この
薬物は、インフルエンザA型に感染した若年、成人、および高齢の患者における標準的処置と組み合わせたピモジビルの効力および安全性を評価するための臨床治験の第3相にある[https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03376321]。
【0014】
比較的最近、阻害剤A6およびA7[EP2620436B1(優先権2010)、https://patents.google.com/patent/EP2620436B1]、A8、A9[US9827244B
2(優先権2016)]およびA10、A11[WO2016175224A1;WO2018030463(優先権2016)]などの、置換された2,4-ジオキソブタン酸の断片を含むポリ複素環式キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤が特許化されている。
【0015】
【化3】
【0016】
この範囲の阻害剤における最も有力な薬物は、バロキサビルA10(バロキサビル酸、BXA、(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(11S)-5,11-ジヒドロ[1]ベンゾチエピノ[3,4-b]ピリジン-5-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン)であると考えられており、そのプロドラッグは、エクソフルザ(Xofluza)(登録商標)の商標名を有するバロキサビルマルボキシルA11(B
XM、S-033188)と命名され、日本と米国では、2018年にインフルエンザA型およびB型感染を処置するために承認された。
【0017】
エクソフルザ(登録商標)は、ここ約20年において最初のインフルエンザ処置のため
の新しい作用機序を有する経口抗ウイルス薬[S. Omotoら、Characterization of influenza virus variants induced by treatment with the endonuclease inhibitor baloxavir marboxil. Scientific Reports 2018、8、論文番号: 9633]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】EP2620436B1(優先権2010)
【文献】US9827244B2(優先権2016)
【文献】WO2016175224A1
【文献】WO2018030463(優先権2016)
【非特許文献】
【0019】
【文献】Hayden, F. G. Antivirals for influenza:historical perspectives and lessons learned. Antiviral Res 71、372~8(2006).
【文献】Barr, I. G.ら、WHO recommendations for the viruses used in the 2013~2014 Northern Hemisphere influenza vaccine:Epidemiology, antigenic andgenetic characteristics of influenza A(H1N1)pdm09, A(H3N2) and influenza B viruses collected from October 2012 to January 2013. Vaccine 32、4713~25 (2014).
【文献】Yen, H. L. Current and novel antiviral strategies for influenza infection. Curr Opin Virol 18, 126-134 (2016).
【文献】Dias, A.ら、The cap-snatching endonuclease of influenza virus polymerase resides in the PA subunit. Nature 2009、458、914~918. Pflug, A.ら、Structure of influenza A polymerase bound to the viral RNA promoter. Nature 2014、516、355~360.
【文献】Hengrung, N.ら、Crystal structure of the RNA-dependent RNA polymerase from influenza C virus. Nature 2015, 527, 114~117.
【文献】Dias, A.ら、The cap-snatching endonuclease of influenza virus polymerase resides in the PA subunit. Nature 2009、458、914~918. Pflug, A.ら、Structure of influenza A polymerase bound to the viral RNA promoter. Nature 2014、516、355~360.
【文献】Hengrung, N.ら、Crystal structure of the RNA-dependent RNA polymerase from influenza C virus. Nature 2015, 527, 114~117.
【文献】J. Tomassiniら、Inhibition of cap (m7GpppXm)-dependent endonuclease of influenza virus by 4-Substituted 2,4-dioxobutanoic acid compounds. Antimicrob. Agents Chemoter. 1994、2827-2837
【文献】J. Tomassiniら、A Novel Antiviral Agent Which Inhibits the Endonuclease of Influenza Viruses. Antimicrob. Agents Chemoter. 1996、1189~1193
【文献】Furuta Y.ら、T-705 (favipiravir) and related compounds: Novel broad-spectrum inhibitors of RNA viral infections. Antiviral Research. 2009、82 (3)、95~102.
【文献】Clark, M. P.ら、Discovery of a novel, first-in-class, orally bioavailable azaindole inhibitor (VX-787) of influenza PB2. J. Med. Chem. 2014、57、6668~6678. Byrn, R. A.ら、Preclinical activity of VX-787, a first-in-class, orally bioavailable inhibitor of the influenza virus polymerase PB2 subunit.Antimicrob. Agents Chemother. 2015、59、1569~1582. https://ichgcp. net/clinical-trials-registry/NCT02342249
【文献】Nagata, T.ら、Favipiravir: a new medication for the Ebola virus disease pandemic. Disaster Med Public Health Prep 9、79~81 (2015).
【文献】Clark, M. P.ら、Discovery of a novel, first-in-class, orally bioavailable azaindole inhibitor (VX-787) of influenza PB2. J. Med. Chem. 2014、57、6668~6678. Byrn, R. A.ら、Preclinical activity of VX-787, a first-in-class, orally bioavailable inhibitor of the influenza virus polymerase PB2 subunit. Antimicrob. Agents Chemother. 2015、59、1569~1582. https://ichgcp. net/clinical-trials-registry/NCT02342249
【文献】https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03376321
【文献】S. Omotoら、Characterization of influenza virus variants induced by treatment with the endonuclease inhibitor baloxavir marboxil. Scientific Reports 2018、8、論文番号: 9633
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
インフルエンザは深刻な脅威を公衆衛生にもたらすという事実(世界規模で、年1回のエピデミックは、3~500万件の重度疾患、数百万件の入院事例、および世界で650,000件もの死亡をもたらす)を考慮すると、改善された特徴を有する新しい抗インフルエンザ薬を探索することは有意義である。
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明者らは、驚くべきことに、これまでに未知の、一般式1の置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その立体異性体、それらのプロドラッグ、薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態は、この新規の化合物、医薬組成物を含めて、有効な抗インフルエンザ剤であることを見出した。
【0022】
【化4】
式中、Rは、6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル、7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,23-c][2]ベンゾチエピン-4-イル、(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル、ジフェニルメチル、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル、ジフェニルメチル、ビス(4-フルオロフェニル)メチルであり;Rは、水素または保護基である。
【0023】
以下に、本発明を説明するのに使用される様々な用語の定義を列挙する。これらの定義は、具体的な例において別段の限定がない限り、個々に、またはより大きい群の一部としてのいずれかで、それらが本明細書および特許請求の範囲にわたり使用される用語に適用される。
【0024】
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、別段の規定がない限り、置換された
、または非置換の、フェニル(Ph)、ビフェニル、またはナフチルを指し、好ましくは、用語アリールは、置換された、または非置換のフェニルを指す。アリール基は、ヒドロキシル、F、Cl、Br、I、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸イオン、ホスホン酸、リン酸イオン、およびホスホン酸イオンから選択される1つまたはそれより多くの部分で置換されていてもよく、これらは、当業者公知の通り、保護されていないか、または必要に応じて保護されたかのいずれかであり、例えば、T. W. GreeneおよびP.G.M. Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、1999に記載された通りであ
る。
【0025】
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、S、0およびNから選択される1個またはそれより多くの環原子を有し;残りの環原子は炭素である、単環または多環式芳香族ラジカルを指す。ヘテロアリールとしては、これらに限定されないが、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、またはキノキサリニルが挙げられる。
【0026】
用語「アルキル」は、本明細書で使用される場合、1~6個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐状の飽和炭化水素ラジカルを指す。C~Cアルキルラジカルの例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびtert-ブチルが挙げられる。
【0027】
用語「保護基」は、本明細書で使用される場合、アルコール基の酸素に結合した置換基を指し、一般的に、アルコールまたは他のいずれかのヒドロキシ化合物の官能基をブロックまたは保護するのに使用され、異なる官能基を有する化合物との相互作用を防止しない(以下に記載される:Greene's Protective Groups in Organic Synthesis. 編集者:Peter G. M. 第2章、Protection for the Hydroxyl Group, Including 1,2‐ and 1,3‐Diols. 17~471頁、2014. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/book/10.1002/9781118905074)。保護基は、好ましくは、(C~Cアルキル)オキシカルボニルオキシ、{[(C~Cアルキル)オキシカルボニル]-オキシ}メトキシ、{[2-(C~Cアルキル)オキシエトキシ]カルボニル}オキシ、({[(1R)-2-[(C~Cアルキル)オキシ]-1-メチルエトキシ]}カルボニル)オキシ、{[(3S)-エトキシフラン-3-イルオキシ]-カルボニル}オキシ、[(エトキシ-2H-ピラン-4-イルオキシ)カルボニル]オキシ、{[(1-アセチルアゼチジン)-3-イルオキシ]カルボニル}オキシ、{[(C~Cアルキル)オキシカルボニル]オキシ}メトキシ、({[2-(C~Cアルキル)オキシエトキシ]カルボニル}オキシ)メトキシを含む群から選択される。
【0028】
用語「プロドラッグ」は、化学的に、または代謝によって切断されて、加溶媒分解によって、または生理学的条件下で、インビボにおいて医薬活性を有する本発明の化合物になる本発明の化合物を指す。プロドラッグはしばしば、哺乳動物においてより優れた溶解性、組織適合性、送達、または時限放出をもたらす(Bungard, H.、Design of products、7~9頁、21~24頁、Elsevier、アムステルダム1985)。プロドラッグとしては、当業界の技術者に周知の酸誘導体、例えば、親酸性化合物と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物の組合せと好適なアミンとの反応によって調製されたアミドなどが挙げられる。プロドラッグの例としては、これらに限定されないが、本発明の化合物の範囲内の、酢酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、またはアルコールもしくはアミン官能基の他のアシル化誘導体が挙げられる。
【0029】
用語「活性成分」(医薬物質)は、本明細書で使用される場合、医薬組成物の活性成分である、薬理活性を示す合成または他の(生物工学による、植物性、動物性、殺菌性など
)起源の生理学的に活性な化合物を指す。
【0030】
用語「医薬品」は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物における生理学的機能の回復、改善、または変更、加えて、疾患の処置および予防、診断、麻酔、避妊、美容術などを意図した、錠剤、カプセル剤、注射剤、軟膏剤、または他の剤形の完成品における、化合物(または医薬組成物を構成する化合物の混合物)を指す。
【0031】
用語「治療用カクテル」は、薬理学的作用の異なるメカニズムを呈示し、疾患の病因に関わる様々な生物学的標的に方向付けられる2種またはそれより多くの医薬品の同時に投与される組合せを指す。
【0032】
用語「医薬組成物」は、一般式1の化合物、ならびに医薬的に許容されるおよび薬理学的に適合性の充填剤、溶媒、希釈剤、担体、賦形剤、分散剤、および検知剤、送達剤、例えば保存剤、安定剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、甘味料、矯味矯臭剤、芳香剤、抗細菌剤、殺真菌剤、潤滑剤、および長期送達制御剤からなる群から選択される成分の少なくとも1種を含む組成物を指し、これらの成分の選択および比率は、投与の性質および経路ならびに投薬量に依存する。好適な懸濁化剤の例は、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレン、ソルビトールおよびソルビトールエーテル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物である。微生物からの保護は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、ソルビン酸などを使用して提供することができる。前記組成物はまた、等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含んでいてもよい。組成物の持続的な作用は、活性成分の吸収を減速させる物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを使用して達成することができる。好適な担体、溶媒、希釈剤および送達剤の例としては、注射のための、水、エタノール、多価アルコールおよびそれらの混合物、天然油(例えばオリーブ油)、および有機エステル(例えばオレイン酸エチル)が挙げられる。充填剤の例は、ラクトース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどである。崩壊剤および分散剤の例は、デンプン、アルギン酸およびそれらの塩、ならびにケイ酸塩である。潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、および高分子量のポリエチレングリコールである。単独の、または別の活性成分と組み合わせた、活性成分の経口、舌下、経皮、筋肉内、静脈内、皮下、および局所または直腸内投与のための医薬組成物は、従来の医薬用担体との混合物としての標準的な投与形態で動物およびヒトに投与することができる。好適な標準的な投与形態としては、経口の形態、例えば錠剤、ゼラチンカプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、チューインガム、および経口溶液または懸濁液;舌下および口腔粘膜投与形態;エアロゾル;インプラント;局所、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、鼻腔内、または眼球内投与の形態;および直腸内投与の形態が挙げられる。
【0033】
用語「不活性充填剤」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物を形成するのに使用される化合物を指し、一般的に安全であり、非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも有害ではなく、動物用およびヒト用の製薬学的使用のための許容できる賦形剤を含む。本発明の化合物は、個々に投与してもよいが、それらは、一般的に、予期される薬物投与経路および標準的な製薬上の実施に応じて選択される1種またはそれより多くの医薬的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体との混合物で投与されると予想される。
【0034】
用語「医薬的に許容される塩」は、相対的に非毒性の、本明細書において特許請求される酸および塩基の有機および無機塩の両方を指す。前記塩は、化合物のインサイチュでの合成、単離、または精製によって得てもよいし、またはそれらは、特別に調製してもよい。特定には、塩基性塩は、本明細書において特許請求される化合物の精製された遊離塩基および好適な有機または無機酸から特別に調製することができる。このように調製された
塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩(valeriate)、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸
塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、メシレート、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、スルファミン酸塩などが挙げられる(前記塩の特性の詳細な説明は、Berge S.M.,ら、「Pharmaceutical Salts」 J.
Pharm. Sci.1977、66:1~19に示される)。本明細書において特許請求される酸の塩は
また、精製した酸を好適な塩基と反応させて金属塩およびアミンを生産することによって特別に調製することもできる。前記金属塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、マグネシウム、リチウム、およびアルミニウムの塩が挙げられ、そのうちナトリウムおよびカリウム塩が好ましい。金属塩を生産するのに使用される好適な無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸塩、炭酸水素塩、およびヒドリド;水酸化カリウムおよび炭酸水素カリウム、水酸化リチウム;水酸化カルシウム;水酸化マグネシウム;ならびに水酸化亜鉛が挙げられる。本明細書において特許請求される酸性塩を生産するのに使用される有機塩基としては、安定な塩を形成するのに十分に塩基性であり、医学的用途に好適な(特定には、それらは低い毒性でなければならない)アミンおよびアミノ酸が挙げられる。前記アミンとしては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ピペラジン、エチルピペリジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどが挙げられる。さらに、塩は、水酸化テトラアルキルアンモニウム、例えばコリン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどを使用して調製することができる。アミノ酸は、塩基性アミノ酸:リシン、オルニチン、およびアルギニンから選択することができる。
【0035】
用語「結晶形態」は、分子が充填されて結晶格子を形成している物質構造を指す。
【0036】
用語「多結晶形態」は、複数の小さい単結晶、または特定の結晶形態の晶子からなる多結晶性物質構造を指す。
【0037】
用語「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、対象における疾患の症状を軽減するのに必要な物質、プロドラッグ、または薬物の量を指す。物質、プロドラッグ、または薬物の用量は、それぞれの特定のケースにおいて個別の要求を満たす量になる。前記用量は、処置しようとする疾患の重症度、患者の年齢および全身の状態、患者の処置に使用される他の医薬、投与の様式および経路、ならびに担当する医師の経験のような多数の要因に応じて広範囲に変更することができる。経口投与の場合、1日用量は、単独療法および/または併用療法のどちらでも、およそ0.01~10gであり、それらの間の全ての値を含む。好ましい1日用量は、約0.1~7gである。通常、軽減またはウイルスの排除のために、処置の開始時にはより高い負荷用量が与えられ、それに続いて感染爆発を防止するのに十分なレベルまで用量を低減させる。
【0038】
用語「溶媒和物」は、溶質の1つまたはそれより多くの分子、すなわち本発明の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩と、溶媒の1つまたはそれより多くの分子とによって形成された複合体または集合体を指す。前記溶媒和物は、典型的には、固定した溶質-溶媒のモル比を有する結晶性固体である。代表的な溶媒としては、これらに限定されないが、水、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は、水和物である。
【0039】
用語「対象」は、これらに限定されないが、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、シチメンチョウ、スイギュウ、ラマ、ダチョウ、イヌ、ネコ、およびヒトなどの哺乳動物を指し、ヒト対象が最も好ましい。対象の処置は、一般式1のいずれかのプロドラッグ、そのステ
レオマー、同位体濃縮されたアナログ、医薬的に許容される塩、水和物、溶媒和物、および結晶形態または多形形態またはそれらとHCV NS5A阻害剤などの別の化合物との組合せの使用を含み得ることが推測される。
【0040】
要約
発明者らは、驚くべきことに、これまでに未知の一般式1の置換された3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態、またはこの新規の化合物を含む医薬組成物は、有効な抗インフルエンザ薬であることを見出した。
【0041】
【化5】
式中、Rは、6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル、7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,23-c][2]ベンゾチエピン-4-イル、(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル、ジフェニルメチル、ビス(4-フルオロフェニル)メチルであり;Rは、水素であるか、またはベンジル(C1~C3アルキル)オキシカルボニルオキシ、{[(C1~C3アルキル)オキシカルボニル]-オキシ}メトキシ、{[2-(C1~C3アルキル)オキシエトキシ]カルボニル}オキシ、({(1R)-2-[(C1~C3アルキル)オキシ]-1-メチルエトキシ]}カルボニル)オキシ、{[(3S)-エトキシフラン-3-イルオキシ]-カルボニル}オキシ、[(エトキシ-2H-ピラン-4-イルオキシ)カルボニル]オキシ、{[(1-アセチルアゼチジン)-3-イルオキシ]カルボニル}オキシ、{[(C1~C3アルキル)オキシカルボニル]オキシ}メトキシ、({[2-(C1~C3アルキル)オキシエトキシ]カルボニル}オキシ)メトキシを含む群から選択される保護基である。
【0042】
好ましい化合物は、
一般式1.1の(12aR)-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.2の(12aR)-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.3の(12aR)-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1
,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化6】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0043】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.1.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.2.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.3.1)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.1.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.2.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.3.2)、
(12aR)-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.1.3)、
(12aR)-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f]
[1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.2.3)、
(12aR)-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.3.3)、
{[(12aR)-12-(6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル)-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]オキシ}メチルメチルカーボネート(1.1.4)、
({(12aR)-12-[(10S)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.2.4)、
({(12aR)-12-[(10R)-6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.3.4)、
それらの立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化7】
【化8】
【0044】
好ましい化合物は、
一般式1.4の(12aR)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.5の(12aR)-12-[(10S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.6の(12aR)-12-[(10R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化9】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0045】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.1、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(10S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.5.1、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(10R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.6.1、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.2、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.5.2、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.6.2、
(12aR)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート1.4.3、
(12aR)-12-[(10S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート1.5.3、
(12aR)-12-[(10R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1
,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート1.6.3、
{[(12aR)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]オキシ}メチルメチルカーボネート1.4.4、
{[(12aR)-12-[(10S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]オキシ}メチルメチルカーボネート1.5.4、
{[(12aR)-12-[(10R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル]オキシ}メチルメチルカーボネート1.6.4、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化10】
【化11】
【0046】
好ましい化合物は、
一般式1.7の(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.8の(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.9の(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化12】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0047】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.1)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.2)、
(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.7.3)、
(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.8.3)、
(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.9.3)、
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.7.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.8.4)、
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.9.4)、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、
ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化13】
【化14】
【0048】
好ましい化合物は、
一般式1.10の(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.11の(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
一般式1.12の(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化15】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0049】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.11.1)、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.12.1)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.11.2)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.12.2)、
(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.10.3)、
(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.11.3)、
(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.12.3)、
({(12aR)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.10.4)、
({(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.11.4)、
({(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.12.4)、
それらの立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化16】
【化17】
【0050】
好ましい化合物は、
一般式1.13の(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化18】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0051】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a
-エトキシ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.1)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.2)、
(12aR)-12-ジフェニルメチル-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.13.3)、
({(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.13.4)、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化19】
【0052】
好ましい化合物は、
一般式1.14の(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化20】
式中、Rは、上記の値を有する。
【0053】
より好ましい化合物は、
(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.1)、
(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.2)、
(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-6,8-ジオキソ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イルメチルカーボネート(1.14.3)、
({(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.14.4)、
その立体異性体、それらのプロドラッグ、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、ならびにそれらの結晶形態または多結晶形態である。
【化21】
【0054】
本発明のさらなる対象は、一般式1の化合物を生産するための方法であって、(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]-ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)を、それぞれ、6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)と、または7,8-ジフルオロ-7,8-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-オール(4)と、または(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)、ジフェニルメタノール(7)と、またはビス(4-フルオロフェニル)メタノール(8)と相互作用させることによる、7-ベンジルオキシ誘導体1.1.1~1.14.1の調製を含む、上記方法である。
【化22】
【0055】
得られた7-ベンジルオキシ誘導体1.1.1、1.4.1、1.7.1、および1.10.1は、それぞれのジアステレオ異性体1.2.1、1.3.1、1.5.1、1.6.1、1.8.1、1.9.1、1.11.1、および1.12.1に分離され、その構造は、X線回折(XRD)データによって確認される。したがって、ジアステレオマー(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-[(10S)-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.2.1)を、エタノールおよびイソプロパノールから再結晶させて、XRDデータによれば、4:3および8:3の比率のエタノール1.2.1・COHおよびイソプロパノール1.2.1・i-COHとの対応する溶媒和物である斜方晶系結晶を得た(図1および2)。
【0056】
ジアステレオマー(12aR)-7-ベンジルオキシ-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.1)を、ジクロロメタン-ヘキサン混合物から再結晶させて、X線回折分析により斜晶系結晶系と称される結晶を得た(図3)。
【0057】
7-ベンジルオキシ誘導体1.1.1~1.14.1は、塩化リチウムの存在下で、ジメチルスルホキシド中で加熱することによって脱ベンジル化され、対応する7-ヒドロキシ誘導体1.1.2~1.14.2を得て、後者は、プロドラッグ1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4に変換される。親6.7-ジフルオロ-5.10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)は、新規の化合物であり、それゆえに前記化合物およびその生産方法も本発明の対象である。本発明によれば、6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)を生産するための方法は、PClの存在下における3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]-安息香酸(3.6)の環化、および得られた6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10(5H)-オン(3.7)の、水素化ホウ素ナトリウムによる還元(スキーム1)を含む。
【0058】
【化23】
スキーム1.6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)の合成
【0059】
親7,8-ジフルオロ-7,8-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(4)は新規の化合物であり、それゆえに前記化合物およびその生産方法も本発明の対象である。
【0060】
本発明によれば、7,8-ジフルオロ-7,8-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(4)を生産するための方法は、PClの存在下における3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]-安息香酸(4.3)の環化、および水素化ホウ素ナトリウムによる得られた6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10(5H)-オン(4.4)の還元(スキーム2)を含む。
【0061】
【化24】
スキーム2.7,8-ジフルオロ-7,8-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(4)の合成
【0062】
親(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)は新規の化合物であり、それゆえに前記化合物およびその生産方法も本発明の対象である。
【0063】
本発明によれば、(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)を生産するための方法は、水素化ホウ素ナトリウムによる3,4-ジフルオロベンゾフェノン(5.1)の還元(スキーム3)を含む。
【0064】
【化25】
スキーム3.(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)の合成
【0065】
親(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)は新規の化合物であり、それゆえに前記化合物およびその生産方法も本発明の対象である。本発明によれば、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)を生産するための方法は、水素化ホウ素ナトリウムによる(3,4-ジフルオロフェニル)[2-メチルスルファニル)フェニル]メタノン(6.6)の還元(スキーム4)を含む。
【0066】
【化26】
スキーム4.(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)の合成
【0067】
バロキサビル(BXA)とは異なり、12位にジアリールメチル置換基を含有する新規の7-ヒドロキシ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオンは、かなり高い生物学的利用率を有するインフルエンザウイルスの経口的に利用可能な阻害剤である。同時に、前記阻害剤のCmaxおよびAUClastは、BXAのそれらより1~2桁優れている。
【0068】
【表1】
Kel - 排出定数;
T1/2 - 排出半減期;
AUClast - ゼロ時間から最後の定量可能な濃度までの濃度-時間曲線下面積;
AUCinf - ゼロ時間から無限への薬物動態曲線(濃度-時間曲線)下の面積;および
MRTlastは、ゼロ時間から最後の定量可能な濃度までの体内の平均滞留時間である。
【0069】
新規のプロ阻害剤(proinhibitor)投与後のマウス血漿における薬物動態パラメーター、特定にはCmaxおよびAUClast(表2)は、バロキサビルマルボキシル(BXM)のそれらの10~40倍である。
【0070】
【表2】
【0071】
7-ヒドロキシ誘導体1.1.2~1.14.2は、インフルエンザウイルス単離株のナノモル濃度の阻害剤である。例えば、MDCK細胞培養におけるインフルエンザA型/カリフォルニア/2009(H1N1)単離株に対する阻害剤1.8.2、1.9.2、1.13.2および1.14.2の活性は、EC50=2.4nMの値を有し、これはほぼバロキサビルの値と一致する(本発明者らの情報源によれば、EC50=2.4nM)。MDCK細胞培養におけるインフルエンザ単離株A/カリフォルニア/2009(H1N1)、A/アイチ(Aichi)/2/69(H3N2)、およびA/パース/265/2
009(H1N1pdm09)(H275Y)に対する阻害剤1.3.2でさえも、類似の条件下でバロキサビル(BXA)の活性を超える(表3)。
【0072】
【表3】
【0073】
本発明の対象は、一般式1の化合物の合成のための中間体としての、7,8-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)、7,8-ジフルオロ-7,8-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(4)、(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)、(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)、ジフェニルメタノール(7)、およびビス(4-フルオロフェニル)メタノール(8)の使用に関する。
【0074】
本発明の対象は、それぞれの7-ヒドロキシ誘導体1.1.2~1.14.2の合成のための中間体としての7-ベンジルオキシ誘導体1.1.1~1.14.1の使用に関する。
【0075】
本発明の対象は、薬物1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4の合成のための中間体としての7-ヒドロキシ誘導体1.1.2~1.14.2の使用に関する。
【0076】
本発明の対象は、インフルエンザウイルス阻害剤としての、7-ヒドロキシ誘導体1.1.2~1.14.2またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の使用に関する。
【0077】
本発明の対象は、インフルエンザウイルスプロ阻害剤(薬物)としての、化合物1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の使用に関する。
【0078】
本発明の対象は、ウイルス性疾患の処置および防止のための、阻害剤1.1.2~1.14.2もしくは薬物1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4、またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の使用に関する。
【0079】
本発明の対象は、ウイルス性疾患を処置または防止するための治療有効量で、1.1.2~1.14.2の群、または1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4の薬物の群、またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の群から選択される化合物を含有する抗ウイルス性医薬組成物に関する。
【0080】
より好ましくは、インフルエンザを処置または防止するための治療有効量で、1.1.2~1.14.2の群、または1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4の薬物の群、またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の群から選択される化合物を含む抗ウイルス性医薬組成物である。
【0081】
本発明の対象は、ウイルス性疾患を処置および/または予防するための方法であって、1.1.2~1.14.2の群、または1.1.3~1.14.3および1.1.4~1.14.4の薬物の群、またはそれらの立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物、水和物、およびそれらの結晶形態または多結晶形態の群から選択される化合物、または本発明の医薬組成物を患者に投与することを含む、前記方法に関する。
【0082】
ヒトにおけるインフルエンザなどの上述の疾患を処置するために、本発明の化合物は、経口的に、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤などの形態で投与してもよい。
または非経口的に、注射剤、坐剤、経皮薬物療法、吸入などの形態で投与してもよい。これらの化合物の有効量は、医薬品の生産に必要な場合、充填剤、結合剤、加湿剤、崩壊剤および潤滑剤などの剤形に好適な賦形剤と混合してもよい。注射剤の場合、好適な担体での滅菌を行ってもよい。
【0083】
本発明の医薬組成物は、経口的または非経口的に投与してもよい。経口投与の場合、一般的に使用される剤形、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、およびカプセル剤は慣習的に生産することができる。非経口投与の場合、注射剤のような好適な一般的に使用される剤形を使用することができる。
【0084】
有効量の本発明の化合物は、医薬組成物の生産に必要な場合、剤形に好適な様々な医薬用の賦形剤、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、および潤滑剤と混合してもよい。
【0085】
本発明の化合物の用量は、疾患の状態、投与経路、および患者の年齢または体重に依存する。成人のための通常の経口用量は、1日当たり0.1~100mg/kg、好ましくは1日当たり1~20mg/kgである。本発明の医薬組成物の投薬量は、好ましくは、患者の年齢および体重、疾患のタイプおよび重症度、投与経路などに基づいて決定される。成人のための通常の経口用量は、1日当たり0.05~100mg/kg、好ましくは1日当たり0.1~10mg/kgの範囲内である。成人のための非経口用量は、投与経路に応じてかなり様々であるが、一般的に、1日当たり0.005~10mg/kg、好ましくは1日当たり0.01~1mg/kgの範囲内である。用量は、1日1回で投与してもよいし、または数回の1日用量に分けてもよい。本発明の化合物は、化合物の活性の増加、化合物の用量の低減などのために、他の医薬品(下記で組み合わされた医薬品と称される)と組み合わせて使用することができる。
【0086】
インフルエンザの処置の場合、本発明の化合物は、ノイラミニダーゼ阻害剤(例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、AV-5080、イナビル(Inabiru)など
);RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤(例えば、ファビピラビル);M2-タンパク質阻害剤(例えば、アマンタジン);PB2キャップ結合阻害剤、例えば、VX-787);抗NA抗体(例えば、MHAA4549A);インターフェロン(例えば、グリプフェロン(Grippferon))、インターフェロン誘導物質(例えば、カゴセル(Kagocel)
)と組み合わせて使用してもよい。免疫アゴニストも考えられる(例えば、ニタゾキサニド)。このケースにおいて、本発明の化合物および組合せ薬物の投与時間は、限定されない。それらは、同時に、または異なる時間にそれを必要とする患者に処方することができる。加えて、本発明の化合物および組合せ薬物は、各活性成分か、または各活性成分を含有する1つの組成物かに関係なく、2つまたはそれより多くの組成物として投与することができる。
【0087】
したがって、組合せ薬物のための用量は、臨床的な用量と関連して選択することができる。本発明の化合物の共に投与される薬物に対する調剤比率は、処置しようとする患者、投与経路、処置しようとする疾患、症状、薬物の組合せなどに応じて適切に選択することができる。ヒトにおける投与の場合、例えば、1重量部の本発明の化合物は、0.01~100重量部の一緒に投与される薬物と組み合わせて使用することができる。
【0088】
本発明は、以下の図によって例示される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】プラトン(Platon)ソフトウェアを使用したX線結晶分析から得られた溶媒和物充填(solvate packaging)1.2.1・COH(A)および1.2.1・i-COH(B)の断片である。
図2】2つの対称的に独立した溶媒和物分子1.2.1・COH(A)および1.2.1・i-COH(B)の一方の全体像であり、熱振動p=50%の原子は楕円によって表される。明確にするために、溶媒和物分子であるエタノールおよびイソプロパノールは示されていない。
図3】熱振動p=50%の原子を楕円によって表した分子1.9.1の全体像、(A)およびプラトンソフトウェアを使用して得られたバージョン(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
最良の実施態様
本発明は、これらに限定されないが、一般式1の化合物の合成およびその試験の例によってより詳細に例示される。
【0091】
一般的な化学手順。全ての化学物質および溶媒を、それ以上精製せずに供給元から得たままの状態で使用した。未精製の反応混合物を、ロータリーエバポレーターで有機溶媒を除去することによって低圧で濃縮した。
【0092】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルを、ブルカー(Bruker)DPX-400分光計を使用して、室温(rt)で、内部標準としてテトラメチルシランを用いて記録した。化学シフト(δ)は、百万分率(ppm)で示され、シグナルは、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、またはbr.s.(幅広の一重線)として表される。
【0093】
高分解能質量スペクトル(HRMS)を、HESIイオン源を備えたオービトラップ・エリート(Orbitrap Elite)質量分析計(サーモ(Thermo)、ブレーメン、ドイツ)を使用して得た。
【0094】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)。HPLCによって決定された最終化合物の純度は98%より高かった。純度評価のためのHPLC条件は以下の通りであった:島津HPLC、XBridge C18、4.6mm×250mm(3.5μm);5%アセトニトリル/水(A)および0.1%TFAアセトニトリル(B)での0.1%TFA勾配;流速:0.5ml/分;収集時間:20分;UV波長:214および254nm。分取用HPLCシステムは、2セットの島津LC-8Aポンプ、島津SCL10AVPコントローラー、および島津SPD10AVPデテクターを含んでいた。本発明者らは、10マイクロメートル、250mm×20mmのReprosil-Pur C18-AQカラムを使用した。移動相は、水中の0.1%TFA(A)およびアセトニトリル中の0.1%TFA(B)の勾配を有していた。LC/MSは、陽イオンエレクトロスプレー[M+H]+を使用したPE Sciex API165システム、およびウォーターズ(Waters)XBridge C18 3.5μm(4.6mm×150mm)カラムを備えた島津HPLCシステムで実行された。ジアステレオ異性体を、キラルHPLCフェノメネックス(Phenomenex)Lux 5uセルロース-4、AXIA F、250×30.00mmに分配した。流速:25ml/分。デテクター:UV、215nm。
【0095】
サンプルのX線回折研究を、CuKa放射(グラファイトモノクロメーター、ω-スキャン)を使用したブルカーAPEX2 DUO回折計で実行し。構造を直接的な方法によって解読し、F hklに対する異方性のフルマトリックスでの近似での最小二乗法の技術によって精密化した。エタノールおよびイソプロパノールの溶媒和物分子におけるOH基の水素原子を差フーリエ合成で位置決定し、残りの原子の位置を幾何学的に計算した。全ての水素原子を、ライダー(rider)のモデルを使用した等方性近似で精製した。SH
ELXTLプラス(SHELXTL PLUS)ソフトウェア[Sheldrick, G.M. Acta Cryst.2008、A64:112~122]およびOlex2[Dolomanov, O.V.ら、J. Appl. Cryst.2009、42、339~
341]を使用して計算を実行した。
【0096】
実施例1.6,7-ジフルオロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10(5H)-オン(4.1)および6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)の合成(スキーム1)
300mlのメタノール中の30g(174.3mmol、1当量)の3,4-ジフルオロ-2-メチル安息香酸(3.1)の溶液に、207g(1.74mol、10当量)の塩化チオニルを一滴ずつ添加した。混合物を還流しながら沸騰するまで加熱し、17時間維持した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残りを水で満たし、生成物をろ過し、風乾させて、26.4gの3,4-ジフルオロ-2-メチル安息香酸メチルエステル(3.2)を白色の結晶性粉末として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.77 - 7.67 (m, 1H), 7.04 (dd, J = 16.9, 8.9 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 2.56 (d, J = 2.7 Hz, 3H)。
【0097】
650mlの四塩化炭素中の28.0g(150.4mmol、1当量)の得られたエステル3.2の溶液に、67.0g(376.0mmol、2.5当量)のN-ブロモスクシンイミドを室温で添加した。反応物を沸騰するまで加熱し、360mgの過酸化ベンゾイル(1.5mmol、0.01当量)を一部ずつ添加した。反応物を、17時間、還流下で沸騰させながら撹拌した。反応物を室温に冷却し、沈殿をろ過し、四塩化炭素で洗浄した。ろ液をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン1:9)で精製して、39.9gの2-(ブロモメチル)-3,4-ジフルオロ-安息香酸(3.3)メチルエステルを黄色の油として得て、これを放置したところ結晶化し、白色の結晶が得られた:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.87 - 7.77 (m, 1H), 7.19 (dd, J = 16.8, 8.8 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 2.1 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H)。
【0098】
70mlのDMF中の12.5g(90.3mmol、1.5当量)のKCOおよび3.9g(12.0mmol、0.2当量)のCsCOの懸濁液に、7.0g(60.2mmol、1.1当量)のチオフェン-3-チオール(3.4)を添加し、混合物を室温で30分撹拌した。次いで、14.5g(54.7mmol、1当量)の2-(ブロモメチル)-3,4-ジフルオロ安息香酸メチルエステル(3.3)を反応物に添加し、混合物を室温で17時間撹拌した。混合物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、150mlの酢酸エチルおよび250mlの水を残留物に添加した。有機層を分離し、水を150mlの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水で、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:0~100:1~50:1~10:1)で精製して、12.2gの3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]安息香酸メチルエステル(3.5)を黄色の油として得た:1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.72 - 7.66 (m, 1H), 7.56 (dd, J = 5.0, 3.0 Hz, 1H), 7.48 - 7.39 (m, 1H), 7.36 (dd, J = 3.0, 1.2 Hz, 1H), 6.94 (dd, J = 5.0, 1.2 Hz, 1H), 4.43 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H)。
【0099】
80mlのメタノール中の7.9g(26.3mmol、1当量)の3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]安息香酸メチルエステル(3.5)の溶液に、40mlの水中の5.0g(118.4mmol、4.5当量)の水酸化リチウム水和物の溶液を添加した。混合物を室温で17時間撹拌し、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。次いで、残留物に、100mlの水、2NのHClを約pH1~3になるまで添加し、懸濁液を室温で30分撹拌した。沈殿をろ過し、風乾させて、7gの3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]安息香酸(3.6)を白色の粉末として得た:1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.36 (br.s, 1H), 7.78 - 7.71 (m, 1H), 7.56 (dd,
J = 5.0, 3.0 Hz, 1H), 7.47 - 7.34 (m, 2H), 6.98 - 6.92 (m, 1H), 4.48 (s, 2H)。
【0100】
120mlのベンゼン中の1.0g(3.5mmol、1当量)の3,4-ジフルオロ-2-[(3-チエニルチオ)メチル]安息香酸(3.6)の溶液に、0.87g(4.2mmol、1.2当量)のPClを添加し、混合物を10分にわたり還流しながら撹拌し、沸騰させ、次いで室温に冷却した。アルゴン(弱い流れ)を30分にわたり反応物に通過させて、塩化水素を除去した。反応物を0℃に冷却し、0.91g(3.5mmol、1当量)の四塩化スズを滴下添加した。反応物を10分にわたり還流しながら撹拌し、沸騰させ、次いで冷却した。次いで、70mlのエステルを反応物に添加し、混合物を、50mlの2NのHCl、50mlの水およびブラインでそれぞれ2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=30:1~20:1)によって単離して、3.9gの6,7-ジフルオロチエノ[3,2-C][2]ベンゾチエピン-10(5H)-オン(3.7)を黄色の粉末として得た:1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.07
(d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.64 - 7.47 (m, 2H), 7.23 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.39 (s, 2H)。
【0101】
100mlのメタノール中の3.9g(14.5mmol、1当量)の6,7-ジフルオロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10(5H)-オン(3.7)の懸濁液に、0.28g(7.3mmol、0.5当量)の水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応物を室温で30分撹拌した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発させ、100mlの飽和NaHCO水溶液を残留物に添加した。生成物をろ過し、水で洗浄し、風乾させて、3.9gの6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)を黄色がかった粉末として得た:1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.47 - 7.26 (m, 3H), 6.84 - 6.63 (m, 2H), 6.27 (s, 1H), 4.59 (d, J =
14.2 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 14.3 Hz, 1H)。
【0102】
実施例2.7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-オール(4)(スキーム2)
50mlのDMF中の8.9g(64.5mmol)のKCOおよび2.8g(8.6mmol)のCsCOの懸濁液に、5.0g(43.0mmol)のチオフェン-2-チオール(4.1)を添加し、混合物を室温で30分撹拌した。次いで、11.4g(43.0mmol)の2-(ブロモメチル)-3,4-ジフルオロp安息香酸メチルエステル(3.3)を添加し、混合物を室温で17時間撹拌した。得られた混合物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、150mlの酢酸エチルおよび250mlの水を残留物に添加した。有機層を分離し、水層を150mlの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水で、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、1:4のジクロロメタン-ヘキサン)で精製して、9.2gの3,4-ジフルオロ-2-[(2-チエニルチオ)メチル]安息香酸メチルエステル(4.2)を黄色の油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.76 - 7.70 (m, 1H), 7.64 (dd, J = 5.3, 1.2 Hz, 1H),
7.47 (dd, J = 18.1, 8.6 Hz, 1H), 7.00 (dd, J = 5.3, 3.6 Hz, 1H), 6.97 - 6.93 (m, 1H), 4.41 (s, 2H), 3.77 (s, 3H)。
【0103】
50mlのメタノール中の9.2g(30.6mmol)の3,4-ジフルオロ-2-[(2-チエニルチオ)メチル]-安息香酸メチルエステル(4.2)の溶液に、50mlの水中の2.6g(45.9mmol)のКOHの溶液を添加した。混合物を室温で17時間撹拌し、次いで減圧下でメタノールをストリッピングした。水性残留物を、エーテル50mlずつで2回抽出し、2NのHClで約pH1~3に酸性化した。沈殿を室温で30分撹拌した。堆積物をろ別し、風乾させて、8.4gの3,4-ジフルオロ-2-[
(2-チエニルチオ)メチル]安息香酸(4.3)を白色の粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.36 (s, 1H), 7.81 - 7.74 (m, 1H), 7.63 (dd, J = 5.2, 1.2 Hz, 1H), 7.43 (dd, J = 17.8, 8.7 Hz, 1H), 7.03 - 6.94 (m, 2H), 4.44 (s, 2H)。
【0104】
70mlのベンゼン中の4.2g(4.7mmol)の3,4-ジフルオロ-2-[(2-チエニルチオ)メチル]安息香酸(4.3)の溶液に、3.7g(17.6mmol)のPClを添加し、混合物を30分にわたり還流しながら撹拌し、沸騰させ、次いで室温に冷却した。塩化水素を除去するために、アルゴン(弱い流れ)を30分にわたり反応物に通過させた。反応物を氷水浴中で0℃に冷却し、3.8g(14.7mmol、1当量)の四塩化スズを一滴ずつ添加した。反応物を30分にわたり還流しながら撹拌し、沸騰させ、次いで室温に冷却した。次いでエーテル(70ml)を添加し、反応物を、50mlずつの2NのHCl、50mlの水、ブラインで2回洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、20:1のヘキサン:酢酸エチル)によって単離して、1.8gの7,8-ジフルオロチエノ[2,3-с][2]ベンゾチエピン-4(9H)-オン(4.4)を黄色の粉末として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.62 - 7.45 (m, 4H), 4.49 (s, 2H)。
【0105】
50mlのメタノール中の1.8g(6.7mmol)の7,8-ジフルオロチエノ[2,3-с][2]ベンゾチエピン-4(9H)-オン(4.4)の懸濁液に、0.25g(6.7mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを添加し、反応物を室温で30分撹拌した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発させ、残留物を50mlの塩化メチレンに懸濁し、50mlの飽和NaHCO溶液で洗浄した。メチレン溶液をNaSO上で乾燥させ、蒸発乾固させた。フラスコ中の残留物を結晶化した。生成物を水で洗浄し、風乾させて、1.7gの7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-с][2]ベンゾチエピン-4-オール(4)を黄色がかった粉末として得た。1H NMR (400 MHz,
DMSO) δ 7.35 - 7.25 (m, 2H), 7.25 - 7.18 (m, 1H), 7.07 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 6.27 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.96 (d, J = 3.9 Hz, 1H)。
【0106】
実施例3.(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)を、アルコール3および4の合成と同様に対応するケトン3.7および4.4から調製した。(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5):LC-MS(ESI, 20分), 221 (M+H)+1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ7.29-7.42 (m, 6H), 7.17-7.24 (m, 2H), 6.06 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 4.0 Hz, 1H)。
【0107】
実施例4.(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(6)
50mlのDMF中の11.0g(79.4mmol、1.5当量)のKCOおよび3.5g(10.6mmol、0.2当量)のCsCOの懸濁液に、10.0g(52.9mmol、1当量)の1-ブロモ-2-チオフェノール(6.1)を添加し、反応物を室温で30分撹拌した。次いで、11.3g(79.4mmol、1.5当量)のヨードメタンを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を200mlの水中に流し込み、ジエチルエーテルで抽出し、合わせた有機相を水で、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させた。溶媒をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、生成物を、追加の精製を行わずに次の段階に使用した。1-ブロモ-2-メチルスルファニルベンゼン(6.2)の収量は、黄色の油として10.4g(97%)であった:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (dd, J = 7.9, 1.2 Hz, 1H), 7.36 - 7.28 (m, 1H), 7.15 (d, J
= 7.9 Hz, 1H), 7.02 (td, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H)。
【0108】
374mlの塩化メチレン中の18.7g(118.3mmol、1当量)の3,4-
ジフルオロp安息香酸(6.4)の溶液に、20.1g(124.2mmol、1.05当量)のCDIをゆっくり添加し、混合物を、COの発生が止まるまで、室温で15分撹拌した。次いで、12.7g(130.1mmol、1.1当量)のN,O-ジメチル塩酸ヒドロキシルアミンを添加し、反応混合物を室温で17時間撹拌した。混合物を400mlの水で希釈し、層を分離し、水層を、100mlずつの塩化メチレンで2回抽出した。合わせた有機層を、200mlの水、100mlのブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発させて、12g(50%)の3,4-ジフルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(6.5)を無色の油として得た:1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.66 - 7.57 (m, 1H), 7.57 - 7.49 (m, 1H), 7.20 (dd, J =
18.1, 8.3 Hz, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.37 (s, 3H)。
【0109】
60mlのTHF中の1.49g(61.4mmol、1.2当量)のMgの懸濁液に、10.4g(51.2mmol、1当量)の1-ブロモ-2-(メチルスルファニル)ベンゼン(6.2)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌して、THF中の[2-(メチルスルファニル)フェニル]臭化マグネシウム(6.3)の溶液を得た。
【0110】
(-78)℃に冷却された(アセトン、ドライアイス)、60mlのTHF中の10.3g(51.2mmol、1当量)の3,4-ジフルオロ-N-メトキシ-N-メチルベンズアミド(6.5)の溶液に、THF中の[2-(メチルスルファニル)フェニル]臭化マグネシウム(6.3)の溶液を(-78)~(-60)℃の温度を維持しながら一滴ずつ添加した。混合物を(-70)℃で30分撹拌し、次いで室温に加熱し、17時間撹拌した。反応物を0℃に冷却し、200mlの1NのHClを添加し、混合物を氷槽中で30分撹拌した。次いで、50mlの酢酸エチルおよび100mlの水を混合物に添加し、有機層を分離し、水層を100mlずつの酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を50mlずつの水で2回、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=30:1~20:1)で精製して、3.6gの(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノン(6.6)を無色の油として得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.71 - 7.64 (m, 1H), 7.58 - 7.47 (m, 2H), 7.46 - 7.41 (m, 1H), 7.39 - 7.34 (m, 1H), 7.28 - 7.22 (m, 2H), 2.44 (s, 3H)。
【0111】
36mlのメタノール中の3.6g(13.6mmol、1当量)の(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノン(6.6)の溶液に、0.26g(6.8mmol、0.5当量)のNaBHを添加し、反応物を室温で30分撹拌し、次いでロータリーエバポレーターで蒸発させ、10mlの2NのHClを残留物に添加し、混合物を室温で30分撹拌した。飽和NaHCO溶液(100ml)を一部ずつ添加し、有機生成物を60mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=30:1--15:1--9:1--7:1--5:1)で精製して、2.9gの(3,4-ジフルオロフェニル)(2-メチルスルファニルフェニル)メタノール(77%)を無色の油として得た(6):1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.51 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.38 - 7.26 (m, 4H), 7.23 - 7.17 (m, 1H), 7.13 - 7.07 (m, 1H), 6.10 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 5.97 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H)。
【0112】
実施例5.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-(5,10-ジヒドロ[3,2-с][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-е][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.1.1およびそのジアステレオマー1.2.1、1.3.1
3.3g(10.1mmol、1当量)の7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)および4.1g(15.2mmol、1.5当量)の6,7-ジフルオロ-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-オール(3)の混合物に、酢酸エチル中の64.3g(101mmol、10当量)の50%TR溶液を添加した。反応物を室温で5日間撹拌し、200mlの飽和NaHCO溶液および200mlの酢酸エチルの混合物に流し込んだ。水溶液を分離し、酢酸エチル層を再び飽和NaHCO溶液、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、化合物1.1.1を白色の粉末として得た(5.7g、97%)。得られたジアステレオマーの混合物を、170mlの酢酸エチルから再結晶させた。沈殿をろ過し、酢酸エチルを用いてフィルターで洗浄して、ジアステレオマー1.3.1を白色の粉末として得た(1.46g、25%)。ろ液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、残留物をキラルHPLCで分離して、ジアステレオマー1.2.1を得て、これはカラムから溶出した第一のものであり、ジアステレオマー1.3.1は、カラムから溶出した第二のものであった。加えて、2.8gのジアステレオマー(diastomer)1.2.1を、100mlのイソプロパノールから再結晶させた。エタノールお
よびイソプロパノールからのジアステレオマー1.2.1の結晶化により得られた斜方晶系溶媒和物(図1および2)1.2.1・Cおよび1.2.1・i-C(それぞれ4:3および8:3の比率で)に関するXRDデータ(表4)に基づいて、ジアステレオマー1.2.1および1.3.1の絶対配置を確立した。
【0113】
【表4】
【0114】
ジアステレオマー1.2.1:LC MS, m/z 580 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.76
(d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.40 - 7.29 (m, 3H), 7.21 - 7.11
(m, 1H), 7.03 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 6.83 - 6.75 (m, 1H), 5.76 - 5.65 (m, 2H), 5.34 - 5.22 (m, 2H), 5.15 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 4.56 - 4.48 (m, 2H), 4.13 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.73 - 3.66 (m, 1H), 3.39 (t, J = 10.3 Hz, 1H), 2.96 - 2.86 (m, 1H), 1.04 (d, J = 6.0 Hz, 1H)。
【0115】
ジアステレオマー1.3.1:LC MS, m/z 580 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) 7.57 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.51 - 7.29 (m, 6H), 7.23 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 5.88 - 5.80 (m, 2H), 5.49 - 5.34 (m, 1H), 5.25 (d, J = 10.7 Hz, 1H),
5.14 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.50 - 4.40 (m, 1H), 4.35 (dd, J = 9.9, 2.9 Hz, 1H),
4.07 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 3.85 (dd, J = 10.7, 2.8 Hz, 1H), 3.70 - 3.59 (m, 1H),
3.36 (t, J = 10.3 Hz, 1H), 3.28 - 3.19 (m, 1H), 2.99 - 2.81 (m, 1H)。
【0116】
実施例6.(12aR)-7-ヒドロキシ-12-(5,10-ジヒドロ[3,2-с][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-е][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.1.2およびそのジアステレオマー1.2.2および1.3.2
15mlのジメチルアセトアミド中の0.173mol(1当量)の(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-(5,10-ジヒドロ[3,2-с][2]ベンゾチエピン-10-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-е][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.1.1)またはそのジアステレオマー1.2.1もしくは1.3.1の溶液に、36mg(0.863mmol、5当量)のLiClを添加し、反応物を80℃に加熱し、2時間撹拌した。次いで反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、50mlの0.5NのHCl水溶液を残留物に添加し、生成物を30mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。残留物をHPLCによって精製して、阻害剤1.1.2(LC MS、m/z454(M+1))またはそのジアステレオマー1.1.2、1.3.2(LC MS、m/z454(M+1))を得た。NMRデータによれば、阻害剤1.1.2は、ジアステレオマー1.2.2および1.3.2の65:35の比率の混合物である。
【0117】
ジアステレオマー1.2.2:LC MS、m/z454(M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.53 - 7.37 (m, 3H), 7.14 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 5.3 Hz,
1H), 5.86 (s, 1H), 5.69 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.41 (d, J = 14.1 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 10.6 Hz, 2H), 4.09 (d, J = 14.2 Hz, 1H), 3.90 - 3.81 (m, 1H), 3.70 - 3.56 (m, 2H), 3.46 - 3.39 (m, 2H), 3.00 (s, 1H)。
【0118】
ジアステレオマー1.3.2:LC MS、m/z454(M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.76 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.20 (dd, J = 18.5, 8.3 Hz, 1H), 7.05 - 6.87 (m, 3H), 5.84 (s, 1H), 5.56 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.28 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 4.57 (dd, J = 9.8, 2.8 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.13 (d, J = 14.5 Hz,
1H), 4.01 - 3.93 (m, 1H), 3.76 - 3.68 (m, 1H), 3.62 (t, J = 10.3 Hz, 1H), 3.49 - 3.39 (m, 2H), 3.05 - 2.94 (m, 1H)。
【0119】
実施例7.({(12aR)-12-[(10S)-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-4,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート1.1.4およびそのジアステレオ異性体1.2.4、1.3.4
1mlのジメチルアセトアミド中の0.5mmolの化合物1.1.2またはそのジアステレオマー1.2.2、1.3.2の懸濁液に、93mg(0.75mmol)のクロロメチルメチルカーボネート、137mg(1.0mmol)の炭酸カリウム、および82mg(0.5mol)のヨウ化カリウムを添加し、反応物を60℃に加熱し、48時間撹拌した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、10mlの0.5NのHClを残留物に添加し、生成物を30mlずつのEtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物を、30mlの飽和水溶液NaHCO溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。残留物をHPLCによって精製して、プロドラッグ1.1.4(LC MS、m/z578(M+1))またはそのジアステレオ異性体1.2.4(LC MS、m/z578(M+1))、1.3.4(LC MS、m/z578(M+1))を得た。
【0120】
実施例8.(12aR)-12-[(10S)-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-4,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イルメチルカーボネート1.1.3およびそのジアステレオ異性体1.2.3、1.3.3
プロドラッグ1.1.3(LC MS、m/z548(M+1))、1.2.3(LC
MS、m/z548(M+1))および1.3.3(LC MS、m/z548(M+1))を、それぞれ化合物1.1.2、1.2.2、および1.3.2のカルボメトキシ化のためにクロロギ酸メチルエステルを使用して、実施例6の場合と同様に調製した。
【0121】
実施例9.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.1およびそのジアステレオマー1.5.1、1.6.1
50mlのピリジン中の4.6mmolの7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-オール(4)の溶液に、0.52g(4.6mmol)の塩化メシルを0℃で一滴ずつ添加し、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)を添加し、混合物を、さらに24時間、70℃で撹拌した。ピリジンを減圧下で蒸発させた;残留物を100mlの塩化メチレンに溶解させ、50mlの水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られた生成物を、純粋な酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製して、ジアステレオマー1.5.1、1.6.1からなる(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.1を得て、これを分取キラルカラムのフェノメネックス(Phenomenex)Lux 5uセルロース-4、AXIAF、250×30.00mmで単離した。流速:25ml/分;デテクター:UV、254nm;一定の移動相の組成:80:20のアセトニトリル-イソプロパノール。
【0122】
(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.4.1:LC MS m/z 580 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.61 - 7.51 (m, 2.6H), 7.48 - 7.29 (m, 3.8H), 7.25 (d, J = 7.7 Hz, 0.4H), 7.20 - 7.09 (m, 1H), 7.02 (dd, J = 12.0, 6.5 Hz, 1.2H), 6.76 - 6.67 (m, 0.6H), 6.26 (d, J = 5.2 Hz, 0.4H), 5.83 (s, 0.4H), 5.73 - 5.66 (m, 1.2H), 5.48 (d, J = 14.6 Hz, 0.4H), 5.35 - 5.26 (m, 1.6H), 5.18 - 5.10 (m, 1H), 4.54 - 4.41 (m, 1H), 4.36 - 4.29 (m, 1H), 4.24 (d, J = 14.5 Hz, 0.6H), 4.18 (d, J = 14.3 Hz, 0.4H), 3.94 (d, J = 7.6 Hz, 0.6H), 3.84 (d, J = 7.8 Hz, 0.4H), 3.72 - 3.61 (m, 1H), 3.42
- 3.32 (m, 1.4H), 3.29 - 3.20 (m, 1H), 2.91 (t, J = 11.0 Hz, 0.4H), 2.83 (t, J = 10.9 Hz, 0.6H)。
【0123】
ジアステレオマー1.5.1:IC MS m/z 580 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.54 (t, J = 5.5 Hz, 3H), 7.38 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 7.33 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.22
- 7.11 (m, 1H), 7.02 (dd, J = 12.0, 6.5 Hz, 2H), 6.76 - 6.67 (m, 1H), 5.73 - 5.66 (m, 2H), 5.35 - 5.26 (m, 2H), 5.14 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.49 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 7.6 Hz,
1H), 3.68 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.39 - 3.34 (m, 1H), 3.29 - 3.21 (m, 1H), 2.83 (t, J = 10.9 Hz, 1H)。
【0124】
ジアステレオマー1.6.1:IC MS m/z 580 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.57 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.48 - 7.29 (m, 5H), 7.25 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.26 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.83 (s, 1H), 5.48 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 5.29 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 4.18 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 3.84 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.65 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.42 - 3.34 (m, 2H), 3.25 (t, J = 10.7 Hz, 1H), 2.91 (t, J = 11.0 Hz, 1H)。
【0125】
実施例10.7-ヒドロキシ-(12aR)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-с][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.2およびそのジアステレオマー1.5.2および1.6.2
5mlのジメチルアセトアミド中の0.14mmolの7-ベンジルオキシ誘導体1.4.2、1.5.2または1.6.2の溶液に、9mg(0.70mmol)のLiClを添加し、反応物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、残留物をHPLCによって精製して、それぞれの生成物1.4.2、1.5.2または1.6.2を得た。
【0126】
7-ヒドロキシ-(12aR)-12-(7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-с][2]ベンゾチエピン-4-イル)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.4.2:LC MS, m/z 454 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.53 (d, J = 5.2 Hz, 0.5H), 7.44 (dd, J = 18.2, 8.4 Hz, 0.5H), 7.38 - 7.31 (m, 0.5H), 7.27 - 7.13 (m, 1.5H), 7.03 (d, J = 5.3 Hz, 0.5H), 6.97 (d, J = 7.7 Hz, 0.5H), 6.92 - 6.85 (m, 0.5H), 6.42 (d, J = 5.3 Hz, 0.5H), 5.87 (s, 0.5H),
5.80 (s, 0.5H), 5.69 (d, J = 7.6 Hz, 0.5H), 5.56 (d, J = 7.7 Hz, 0.5H), 5.48 (d, J = 13.5 Hz, 0.5H), 5.33 (d, J = 14.4 Hz, 0.5H), 4.53 - 4.35 (m, 2H), 4.30 - 4.14 (m, 1H), 3.96 (dd, J = 10.6, 2.7 Hz, 0.5H), 3.90 - 3.81 (m, 0.5H), 3.69 (t, J = 12.4 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 10.3 Hz, 1H), 3.46 - 3.41 (m, 1H), 3.08 - 2.97 (m, 0.5H), 2.91 (t, J = 11.0 Hz, 0.5H)。
【0127】
ジアステレオマー1.5.2:LC MS, m/z 454 (M+1); : 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ
11.80 (br.s, 1H), 7.43 (dd, J = 18.2, 8.6 Hz, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 1H), 7.17 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 6.42 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 5.87 (s, 1H), 5.69 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.49 (d, J = 14.7 Hz, 1H), 4.55 - 4.33 (m, 2H), 4.19 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 3.40 (t, J = 10.5 Hz, 1H), 3.03 (t, J = 11.0 Hz, 1H)。
【0128】
ジアステレオマー1.6.2:LC MS, m/z 454 (M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.77 (s, 1H), 7.53 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 17.9, 8.6 Hz, 1H), 7.03 (d,
J = 5.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.93 - 6.82 (m, 1H), 5.80 (s, 1H), 5.56 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.33 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.48 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 4.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 14.5 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.59 (t, J = 10.2 Hz, 1H), 3.42 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 2.91 (t, J = 11.2 Hz, 1H)。
【0129】
実施例11.({(12aR)-12-[(4S)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)炭酸メチル1.5.4および({(12aR)-12-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4,9-ジヒドロチエノ[2,3-c][2]ベンゾチエピン-4-イル]-6,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)炭酸メチル1.6.4
プロドラッグ1.5.4および1.6.4を、実施例6に記載される条件に類似した条件下で、それぞれのジアステレオマー1.5.2および1.6.2から開始して調製した。プロドラッグ1.5.4:LC MS、m/z578(M+1)。プロドラッグ1.6.4:LC MS、m/z578(M+1)。
【0130】
実施例12.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン1.7.1およびそのジアステレオマー1.8.1、1.9.1
酢酸エチル中の17.5g(27.0mmol)の50%TR中の900mg(2.7mmol)の(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)および605mg(2.7mmol)の(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メタノール(5)の混合物に、528mg(5.4mmol)のメタンスルホン酸を添加し、混合物を70℃で16時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで50mlの酢酸エチルを添加し、混合物を50mlの飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。得られた生成物を、純粋な酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製し、それぞれの分画を蒸発させて、240mgの生成物(1.7.1):LC MS(20分):Rt=15.53(220nm)、m/z530(M+1)を得て、これは、(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.1)および(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.1)からなり、これを、分取キラルカラムフェノメネックスLux 5uセルロース-4、AXIA F、250×30.00mmで分離した。流速:25ml/分;デテクター:UV、254nm;一定の移動相の組成:80:20のアセトニトリル-イソプロパノール。
【0131】
ジアステレオマー1.8.1:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.61 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.40 - 7.33 (m, 4H), 7.25 - 7.17 (m, 3H), 7.12 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 6.73 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.59 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.45 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.65 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.58 - 4.50 (m, 1H), 3.97 (d, J = 10.4 Hz, 1H), 3.73 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 3.37 - 3.22 (m, 2H), 2.96 (t, J = 10.9 Hz, 1H)。
【0132】
ジアステレオマー1.9.1:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.62 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.50 - 7.32 (m, 8H), 7.06 - 6.95 (m, 1H), 6.91 - 6.76 (m, 2H), 6.61 - 6.46 (m, 1H), 5.94 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.64 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 5.47 (d, J = 10.8 Hz
, 1H), 5.36 (s, 1H), 4.60 (t, J = 12.8 Hz, 2H), 3.95 (d, J = 10.7 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.39 - 3.20 (m, 2H), 2.99 - 2.83 (m, 1H)。
【0133】
ジクロロメタン-ヘキサンの混合物からのジアステレオマー1.9.1の結晶化の後、得られた結晶をXRD方法を使用して分析した。得られたデータ(図3、表5)から、その立体化学構造が確認された。
【0134】
【表5】
【0135】
実施例13.(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.2)およびそのジアステレオマー1.8.2および1.9.2
3mlのジメチルアセトアミド中の64mg(0.12mmol)の(12aR)-7-(ベンジルオキシ)誘導体1.7.1、1.8.1または1.91の溶液に、40mg(0.95mmol)のLiClを添加し、反応物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。
反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、残留物をHPLCによって精製して、(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.7.2)を得た:LC MS(20分)m/z440(M+1);H NMRデータに従って、混合物中のジアステレオ異性体1.8.2および1.9.2の比率は、1.5:1であった;(12aR)-7-ヒドロキシ-12-[(10R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.8.2):LC MS(20分)、Rt=13.99(220nm)、m/z440(M+1)、1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.89 - 7.76 (m, 1H), 7.59 - 7.44 (m, 2H), 7.33 - 7.13 (m, 6H), 5.74 (s, 1H), 5.44 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 3.96 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.75 - 3.56 (m, 2H), 3.44 - 3.37 (m, 2H), 3.22 - 3.14 (m, 1H)、および(12aR)-7-ヒドロキシ-1
2-[(10S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.9.2):LC MS(20分)、Rt=14.32(220nm)、m/z440(M+1)、1H NMR (400 MHz, DMSO)
δ 7.66 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 7.43 - 7.32 (m, 2H), 7.28
(dd, J = 18.9, 8.6 Hz, 1H), 7.22 - 7.14 (m, 1H), 5.78 (s, 1H), 5.58 (d, J = 7.6
Hz, 1H), 4.52 (dd, J = 10.0, 2.8 Hz, 1H), 4.37 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.92 (dd, J = 10.8, 2.8 Hz, 1H), 3.69 - 3.60 (m, 2H), 3.42 - 3.35 (m, 1H), 3.03 (t, J = 11.1 Hz, 1H)。
【0136】
実施例14.(12aR)-12-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-7-ヒドロキシ-6,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.8.4)および(12aR)-12-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フェニル)メチル]-7-ヒドロキシ-6,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.9.4)
上記の化合物を、化合物1.1.4、1.2.4、および1.3.4と同様に実施例7から調製した。
【0137】
ジアステレオ異性体1.8.4:LC MS(20分)、m/z528(M+1)、1H
NMR (DMSO-d6, 300 MHz, 80 °C) δ 7.76 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 7.24 (m, 5H), 5.73 (m, 1H), 5.66 (m, 3H), 4.57 (m, 1H), 4.37 (m, 1H), 4.00 (m, 1H),
3.75 (s, 3H), 3.71 (m, 1H), 3.43 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 3.10 (m, 1H)。
【0138】
ジアステレオ異性体1.9.4:LC MS(20分)、m/z528(M+1)、1H
NMR (DMSO-d6, 300 MHz, 80 °C) δ 7.65 (m, 2H), 7.43 (m, 5H), 7.21 (m, 2H), 5.79 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.70 (m, 3H), 4.51 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.68 (m, 1H), 3.45 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 2.95 (m, 1H)。
【0139】
実施例15.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-{(3,4-ジフルオロフェニル)[2-(メチルチオ)フェニル]メチル}-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-е][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.1)およびそのジアステレオマー1.11.1および1.12.1
400mg(1.222mmol、1当量)の7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)および358mg(1.344mmol、1.1当量)の(3,4-ジフルオロフェニル)[2-(メチルチオ)フェニル]メタノール(6)の混合物に、酢酸エチル中の1166.5mg(1.833mmol、1.5当量)の50%TRおよび0.4ml酢酸エチルを添加した。この懸濁液に、235mg(2.444mmol、2当量)のメタンスルホン酸を添加し、混合物をCEMマイクロ波リアクターで100℃で5.5時間加熱した。氷で冷却しながら反応混合物に水(4ml)を添加し、混合物を氷槽中で1時間撹拌した。次いで、30mlの水を添加し、有機相を30mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO溶液、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。そのジアステレオマー1.11.1および1.12.1からなる生成物1.10.1を部分的に脱ベンジル化し、それゆえに、混合物をそれ以上精製しないで次の段階に使用した。LC MS(3分):Rt=1.40(220nm)、m/z576(M+1)。
【0140】
実施例16.(12aR)-7-ヒドロキシ-12-{(3,4-ジフルオロフェニル)[2-(メチルチオ)フェニル]メチル}-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-е][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.10.2)はそのジアステレオマー1.11.2および1.12.2からなる
実施例15で調製された生成物を、10mlのジメチルアセトアミドに溶解させ、259mg(6.11mmol、5当量)のLiClをこの溶液に添加した。混合物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、次いで50mlの0.5M HClを残留物に添加し、反応混合物を室温で30分撹拌し、得られた残留物をろ過して除いた。残留物を水で洗浄し、風乾させた。生成物をHPLCによって精製した。H NMRデータによれば、生成物1.10.2(LC MS(20分):Rt=14.49(220nm)、m/z486(M+1))は、60:40の比率でジアステレオマー1.11.2および1.12.2からなっていた。
【0141】
実施例17.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.1)
酢酸エチル中の7.4g(12.0mmol)の50%TR中の380mg(1.2mmol)の7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)および214mg(1.2mmol)のジフェニルメタノール(7)の混合物に、223mg(2.4mmol)のメタンスルホン酸を添加し、混合物を50℃で16時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで50mlの酢酸エチルを添加した。混合物を50mlの飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。得られた生成物を、酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製した。それぞれの分画を蒸発させて、407mg(71%)の生成物1.13.1を得た:LC MS(20min)、Rt=17.10(220nm)、m/z494(M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.66 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 7.40 - 7.28 (m, 5H), 7.21 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.19 - 7.09 (m, 3H), 5.66 (s, 1H), 5.57 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.53 - 4.45 (m,
1H), 4.40 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.64 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.45 - 3.37 (m, 1H), 3.23 (t, J = 10.9 Hz, 1H), 2.96 (t, J = 10.9 Hz, 1H)。
【0142】
実施例18.(12aR)-7-ヒドロキシ-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.2)
5mlのジメチルアセトアミド中の360mg(0.73mmol)の(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.13.1)の溶液に、155mg(3.65mmol)のLiClを添加し、反応物を80℃に加熱し、3時間撹拌した。次いで反応物をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、50mlの0.5NのHClを残留物に添加し、生成物を30mlずつのEtOAcで3回抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させて、62mgの生成物1.13.2を得た:LC MS(20分)、Rt=12.85(220nm)、m/z404(M+1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.66 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.45 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.40 - 7.33 (m, 1H), 7.28 (s, 2H), 7.25 - 7.13 (m, 4H), 5.68 (s, 1H), 5.44 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.56 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 13.0 Hz,
1H), 3.94 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 3.72 - 3.59 (m, 2H), 3.45 - 3.37 (m, 2H), 3.12 -
3.00 (m, 1H)。
【0143】
実施例19.({(12aR)-12-ジフェニルメチル-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.13.4)
プロドラッグ1.13.4を、({(12aR)-12-[(10S)-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-4,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.1.4)の合成に類似した実施例7に記載される条件下で調製した。
【0144】
プロドラッグ1.13.4:LC MS(20分)、Rt=12.85(220nm)、m/z492(M+1); 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.67 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 7.46 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.37 (m, 2H), 7.27 (m, 2H), 7.19 (m, 3H), 5.68 (s, 1H), 5.67 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.63 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.51 (dd, J1 = 10.0 Hz, J2 = 2.8 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.96 (dd,
J1 = 10.8 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.68 (dd, J1 = 11.2 Hz, J2 = 2.8 Hz, 1H), 3.45 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 3.26 (m, 1H), 3.01 (dt, J1 = 12.4 Hz, J2= 2.8 Hz, 1H)。
【0145】
実施例20.(12aR)-7-(ベンジルオキシ)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.1)
酢酸エチル中の19.4g(31.0mmol)の50%TR中の0.67g(3.1mmol)の7-(ベンジルオキシ)-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-с]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(2)および1.0g(3.1mol)のビス(4-フルオロフェニル)メタノール(8)の混合物に、0.59g(6.2mmol)のメタンスルホン酸を添加し、混合物を80℃で16時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、150mlの酢酸エチルを添加し、反応物を200mlの飽和水溶液NaHCO溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固させた。得られた生成物を、酢酸エチルを用いたシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーで精製した。対応する分画を蒸発させることで、生成物1.14.1を得た:LC MS(20分)、Rt=15.66(22
0nm)、m/z530(M=1); 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ7.76 - 7.67 (m, 2H), 7.55 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 7.42 - 7.21 (m, 8H), 6.97 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 5.76 (s, 1H), 5.65 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 5.06 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.40 (d, J = 12.6 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.64 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.42 (t, J = 10.5 Hz, 1H), 3.23 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 3.01 (t, J = 11.4 Hz, 1H)。
【0146】
実施例21.(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル)メチル]-7-ヒドロキシ-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6,8-ジオン(1.14.2)
生成物1.14.2:LC MS(20分)、Rt=12.72(220nm)、m/z440;1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.61 (br.s, 1H), 7.76 - 7.64 (m, 2H), 7.39 - 7.18 (m, 5H), 7.03 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 5.77 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 5.52 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.63 - 4.46 (m, 1H), 4.37 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.72 - 3.57 (m, 2H), 3.39 (t, J = 10.8 Hz, 1H), 3.11 (t, J = 11.1 Hz, 1H)を、化合物1.13.2の合成のために実施例17に記載される条件下で調製した。
【0147】
実施例22.({(12aR)-12-[ビス(4-フルオロフェニル))メチル]-3,4,12,12a-テトラヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-7-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.14.4)
プロドラッグ1.14.4を、({(12aR)-12-[(10S)-5,10-ジヒドロチエノ[3,2-c][2]ベンゾチエピン-10-イル]-4,8-ジオキソ-3,4,6,8,12,12a-ヘキサヒドロ-1H-[1,4]オキサジノ[3,4-c]ピリド[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イル}オキシ)メチルメチルカーボネート(1.1.4)の合成のために実施例7に記載される条件下で調製した。
【0148】
プロドラッグ1.14.4:LC MS(20分)、Rt=12.85(220nm)、m/z528(M+1);1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ 7.73 (m, 2H), 7.39 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.27-7.32 (m, 4H), 7.02 (m, 2H), 5.78 (s, 1H), 5.71 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.68 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.50 (dd, J1 = 10.0 Hz, J2= 3.2 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.95 (dd, J1 = 10.8 Hz, J2= 2.8 Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.68 (dd, J1 = 11.2 Hz, J2 = 3.2 Hz, 1H), 3.46 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 3.26 (dt, J1 = 11.6 Hz, J2= 2.0 Hz, 1H), 3.05 (dt, J1 = 12.4 Hz, J2 = 3.2 Hz, 1H)。
【0149】
実施例23.酵素免疫検査(EIA)手順を使用したMDCK細胞培養におけるインフルエンザウイルス単離株に対する新規の阻害剤のインビトロにおける活性の評価
ImQuest BioSciencesのプロトコール1(米国メリーランド州フレデリック)を使用して、インフルエンザa/カリフォルニア/2009(H1N1)単離株の化合物の活性を決定した。
【0150】
細胞の調製。MDCK細胞(イヌ腎臓細胞、CCL-34)をATCCから得て、抗ウイルス性分析での使用の前に、10%FBS、2mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、1mMのピルビン酸ナトリウム、および0.1mMのNEAAを添加したDMEM、ならびにT-75フラスコ中で継代した。分析の前の日に、細胞を1:2に分離して、それらを感染させるプロセスにおいて、確実にそれらを指数増殖期の状態にした。血球計算器およびトリパンブルーを用いた色素の排出を使用して、細胞数およびその生存率の決定を実行した。細胞生存率は、分析に使用される細胞の場合、95%より高かった。細胞を、組織培養培地中、細胞1×10
個/ウェルで再懸濁し、100μlの体積で平底マイクロタイタープレートに添加した。プレートを37℃/5%COで一晩インキュベートして、細胞接着を可能にした。
【0151】
ウイルスの調製。インフルエンザA/CA/04/09(NR-13685-)のウイルスをBEIリソース(BEI Resources)(バージニア州マナサス)から得て、MDCK
細胞中で増殖させて、ソースウイルスのプールを生産した。事前に滴定したウイルスアリコートを冷凍庫(-80℃)から取り出し、バイオセーフティーキャビネット中でそのままゆっくり室温に融解させた。ウイルスを再懸濁し、アッセイ媒体(DMEMに、2mMのL-グルタミン、100E/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMのNEAA、および1μg/mlのTPCK処理したトリプシンを加えたもの)で希釈することにより、感染の4日後に各100μlウェルに添加しようとするウイルスの細胞の85~95%を致死させる量(MOI0.01)を決定した。
【0152】
プレート様式。各プレートは、細胞対照(細胞のみ)のためのウェル、ウイルス対照(細胞とウイルス)のためのウェル、比色薬物対照(薬のみ)のためのウェル、および実験ウェル(薬と細胞とウイルス)含有していた。化合物1種につき5回の半分希釈で、サンプルを有効性に関して3回試験した。
【0153】
XTTの効力および毒性。37℃、5%COのインキュベーターでのインキュベーションの後、試験プレートを、XTT(2,3-ビス(2-メトキシ-4-ニトロ-5-スルホフェニル)-5-[(フェニルアミノ)カルボニル]-2H-テトラゾリウム水酸化物、シグマ-アルドリッチ(Sigma-Aldrich))テトラゾリウム色素で染色した。XTT
-テトラゾリウムは、代謝的に活性な細胞のミトコンドリアの酵素によって代謝されて可溶性生成物のホルマザンになり、これは、抗ウイルス性試験物質による、ウイルス誘発性の細胞破壊の阻害の迅速な定量分析を可能にする。XTT溶液を、RPMI1640中の1mg/mlのストックとして毎日調製した。フェナジンメトサルフェート(metasulfate)の溶液(PMS、シグマ-アルドリッチ)をPBS中の0.15mg/mlの濃度で
調製し、暗所で、-20℃で貯蔵した。XTT/PMSソース材料を使用直前に、XTT溶液1ml当たり40.μlのPMSを添加することによって調製した。50マイクロリットルのXTT/PMSを各ウェルに添加し、プレートを37℃で4時間、再びインキュベートした。プレートを接着性のプレートシーラーで密封してシールし、穏やかに振盪するか、または数回ひっくり返して、可溶性生成物のホルマザンを混合し、プレートを、モレキュラーデバイス(Molecular Devices)のVmaxマイクロプレートリーダーを使用
して、分光光度法により450/650nmで読んだ。
【0154】
データ分析。生データをソフトマックス・プロ(Softmax Pro)ソフトウェアから収集
し、4つの適合パラメーターの計算による分析のためのマイクロソフト(Microsoft)の
エクセル(Excel)XLfit4スプレッドシートにインポートした。
【0155】
Mechnikov Research Institute of Vaccines and Sera(Mechnikov NIIVS、モスクワ)のプロトコール2を適用して、インフルエンザ単離株A/アイチ/2/69(H3N2)およびA/パース/265/2009(H1N1pdm09)(H275Y)の化合物の活性を決定した。
【0156】
新規の阻害剤(Jおよびプロトタイプの抗インフルエンザ活性を決定するために、MDCK細胞を、細胞30000~35000個/ウェルの平均密度でコースター(Costar)の96-ウェルプレートにプレーティングし、イーグル最小必須培地(EMEM)中、5%ウシ胎児血清および10mMのグルタミンの存在下で完全な単分子層として増殖させた。ウイルスに感染させる前に、細胞を無血清培地で2回洗浄した。試験化合物を、100
μlのEMEM中の2倍濃度で細胞に添加した。同じ培地を、ウイルス対照(100μl)および細胞対照(200μl)に添加した。本発明者らはヒトインフルエンザウイルス株を使用したため、試験サンプルおよびウイルス希釈物を、2.5μg/mlのTRNCトリプシンを添加した培地で調製した。細胞を試験薬物と共に37℃で2時間インキュベートした後、5μg/mlのTRNCトリプシンを含む培地で希釈した100μlの尿膜ウイルス(0.1~5PFU/細胞)を、細胞対照を除くウェルに添加した。次いでプレートを、5%CO中、37℃で24時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を除去し、細胞を、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の80%アセトンで20分固定し、ウェルを乾燥させ、0.05%トウィーン(Tween)20を合わせたPBS(EIA溶
液)で3回洗浄した。全ての後続の洗浄手順で前記溶液を使用した。次いで、1%胎児血清および0.05%トウィーン20を含む100μlのPBS溶液を添加し、細胞を37℃で30分インキュベートした。溶液を除去した後、EIA溶液で1:1000に希釈したインフルエンザA型ウイルスの内部タンパク質(NP+M1)に対するモノクローナル抗体(MCAS)100μlを細胞に添加した。37℃で1時間の抗体とのインキュベーションおよびそれに続く3回洗浄の後に、1:5000希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼで標識したマウスIgGに対するウサギIgGの100μlをウェルに添加し、細胞を37℃でさらに1時間インキュベートした。4回洗浄の後、ウェルに0.003%Hを含有するpH5.0の0.003%クエン酸緩衝液中の100μlのo-フェニレンジアミンの0.05%溶液を添加することによって、結合したペルオキシダーゼを出現させた。プレートを色が出現するまで暗所で15~30分維持し、50μlの4NのHSOを添加することによって反応を止め、光学密度(OD)を、自動分光光度計で、450nmの波長で測定した。細胞対照の場合、ウイルスに感染していないウェルを使用した。試験化合物によるウイルス増殖阻害のパーセンテージは、式:阻害のパーセンテージ=100-(実験のOD-細胞対照のOD/化合物の非存在下のウイルス対照のOD-細胞対照のOD)によって計算した。実験の1つのポイントにつき、4つのプレートウェルを使用した。それぞれの値はこの実験から計算された相加平均を表す。OD値を50%低減させる薬物の濃度を50%阻害濃度として採用した(IC50)。表3に、MDCK細胞培養におけるインフルエンザA型ウイルス単離株における新規の阻害剤およびバロキサビルの抗ウイルス活性を示す。
【0157】
実施例24.錠剤の形態の医薬組成物
デンプン(1700mg)、すりつぶしたラクトース(1700mg)、タルク(400mg)、および1200mgのプロドラッグ1.1.4、または1.11.4、または1.14.4を混合し、バーにプレスした。得られたバーを顆粒に粉砕し、篩にかけて、14~16メッシュサイズの顆粒を収集した。この方法で得られた顆粒を、それぞれ80または160mgの重さの好適な形状を有する錠剤に成形した。
【0158】
実施例25.カプセル剤の形態の医薬組成物
式1.1.4または1.11.4または1.14.4のプロドラッグをラクトース粉末と2:1の比率で徹底的に混合した。得られた粉末混合物を、好適なサイズのゼラチンカプセルに、各カプセル中36または72mgで充填した。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本発明は、医学および獣医学において使用することができる。
図1
図2
図3