(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-27
(45)【発行日】2025-02-04
(54)【発明の名称】財務デューデリジェンス資料作成支援装置、財務デューデリジェンス資料作成支援方法、および財務デューデリジェンス資料作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20250128BHJP
G06Q 10/0635 20230101ALI20250128BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q10/0635
(21)【出願番号】P 2024191439
(22)【出願日】2024-10-31
【審査請求日】2024-11-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524064645
【氏名又は名称】GIP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小田原 崇行
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-32023(JP,A)
【文献】国際公開第2021/187469(WO,A1)
【文献】特開2019-191665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0164886(US,A1)
【文献】米国特許第11935073(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0242261(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第117252176(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する決算情報取得部と、
前記決算情報取得部によって取得された前記決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得するテキスト取得部と、
前記テキスト取得部によって取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記項目情報および前記金額情報に基づいて、前記各勘定科目および前記合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する財務諸表生成部と、
前記対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する回答情報取得部と、
前記回答情報取得部によって取得された前記回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する要約生成部と、
前記財務諸表生成部によって生成された前記財務諸表と、前記要約生成部によって生成された前記要約文を合わせて出力する出力部と、
を有する財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記各項目が前記決算報告書において記載されている位置に関する位置情報をさらに抽出し、
前記抽出部によって抽出された前記項目情報および前記位置情報に基づいて、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置と、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置とを比較して、前記合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも上方に記載されているか下方に記載されているかを判定する判定部をさらに有する請求項1に記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項3】
前記判定部による判定結果と、前記抽出部によって抽出された貸倒引当金の勘定科目の記載位置および前記合計項目の記載位置とに基づいて、前記貸倒引当金の勘定科目が、流動資産として記載されているか、固定資産として記載されているかを特定する特定部をさらに有する請求項2に記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項4】
前記各勘定科目に対して、分類を示す分類情報の設定を受け付ける分類設定受付部と、
対象の前記勘定科目の金額が、当該勘定科目に設定された前記分類に属する全ての前記勘定科目の金額の合計値に対して、所定の割合よりも少ない場合は、当該対象の前記勘定科目を合算対象として設定する合算設定部と、
をさらに有する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項5】
前記合算設定部によって合算対象として設定された各勘定科目の金額を合計して合算対象の合計金額として算出し、各勘定科目をその他項目として統合した上で、算出された合算対象の合計金額と関連付けて出力する合算出力部をさらに有する請求項4に記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項6】
前記分類は、複数の段階を有する請求項4に記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項7】
同じ内容の勘定科目に対応する複数の勘定科目の名称を、一つの統一された名称に対応付けて変換するための対応付けテーブル情報の登録を受け付けるテーブル登録部と、
前記抽出部によって抽出された各勘定科目の名称を、前記対応付けテーブル情報を用いて前記統一された名称に変換する変換部と、
をさらに有する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項8】
前記抽出部によって抽出された前記項目情報および前記金額情報に基づいて、複数の年度それぞれにおける各勘定科目および合計項目に対応する金額の年度間の増減値を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記年度間の金額の増減値を出力する増減出力部と、
をさらに有する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項9】
前記財務諸表生成部によって生成された前記財務諸表と、前記要約生成部によって生成された前記要約文とを、予め指定された所定の形式によって出力可能となるように編集する編集部をさらに有し、
前記出力部は、前記財務諸表と前記要約文とを前記所定の形式によって出力する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項10】
前記抽出部によって抽出された複数の前記勘定科目に対応する金額の合計が、前記合計項目に対応する金額と一致しているか否かを判断する検証部と、
前記検証部によって一致していないと判断された場合にユーザーに対して通知する通知部と、
をさらに有する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項11】
前記財務諸表生成部によって生成された前記財務諸表に基づいて、前記各勘定科目および前記合計項目における金額および金額の推移に関する要約コメントを生成するコメント生成部をさらに有し、
前記出力部は、前記財務諸表および前記要約文とあわせて前記要約コメントを出力する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項12】
前記回答情報取得部は、前記勘定科目ごとに、前記インタビューまたは前記質問事項への回答を示す回答情報を取得し、
前記要約生成部は、前記勘定科目ごとの前記回答情報と、前記勘定科目に対応する金額に関する情報と、予め設定された要約文の作成指示および作成ルールを前記学習済みモデルに入力することによって、前記勘定科目ごとに前記要約文を生成し、
前記出力部は、前記財務諸表の各勘定科目に関連付けて、前記勘定科目ごとに生成された前記要約文を出力する請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項13】
前記学習済みモデルは大規模言語モデルである請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置。
【請求項14】
コンピューターによって実行される財務デューデリジェンス資料作成支援方法であって、
複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する決算情報取得ステップと、
前記決算情報取得ステップにおいて取得された前記決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得するテキスト取得ステップと、
前記テキスト取得ステップにおいて認識されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された前記項目情報および前記金額情報に基づいて、前記各勘定科目および前記合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する財務諸表生成ステップと、
前記対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する回答情報取得ステップと、
前記回答情報取得ステップにおいて取得された前記回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルを用いて要約文を生成する要約生成ステップと、
前記財務諸表生成ステップにおいて生成された前記財務諸表と、前記要約生成ステップにおいて生成された前記要約文を合わせて出力する出力ステップと、
を含む財務デューデリジェンス資料作成支援方法。
【請求項15】
コンピューターを請求項1~3のいずれかに記載の財務デューデリジェンス資料作成支援装置として機能させるための財務デューデリジェンス資料作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、財務デューデリジェンス資料作成支援装置、財務デューデリジェンス資料作成支援方法、および財務デューデリジェンス資料作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国においても、企業間の合併や買収がM&A(Merger and Acquisitions)として広く知られるようになっている。
【0003】
M&Aを成功させるためには、対象となる企業について事前に詳細な調査、分析等を行っておく必要があるが、そのような調査、分析には多大な労力が必要となる。特に、企業の財務状況について調査、分析する財務デューデリジェンスにおいては、膨大な量の決算資料や、経営者へのインタビューの内容等を整理して、関係者がM&A実施の是非を判断するための財務デューデリジェンス資料としてまとめる必要がある。
【0004】
これに関連して、たとえば、資料から情報を抽出するために、紙の書類をスキャナーで読み取った画像を解析して文字や数字を自動的に認識する各種のOCR(Optical Character Recognition)の技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなOCR技術を用いて紙の資料から情報を抽出しただけでは、M&A実施の是非を判断するために必要な情報を整理して財務デューデリジェンス資料を作成することはできない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、財務デューデリジェンス資料を効率的に作成するための財務デューデリジェンス資料作成支援装置、財務デューデリジェンス資料作成支援方法、および財務デューデリジェンス資料作成支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、決算情報取得部、テキスト取得部、抽出部、財務諸表生成部、回答情報取得部、要約生成部、および出力部を有する。決算情報取得部は、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する。テキスト取得部は、決算情報取得部によって取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する。抽出部は、テキスト取得部によって取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。財務諸表生成部は、抽出部によって抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。回答情報取得部は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。要約生成部は、回答情報取得部によって取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。出力部は、財務諸表生成部によって生成された財務諸表と、要約生成部によって生成された要約文を合わせて出力する。
【0010】
財務デューデリジェンス資料作成支援方法は、コンピューターによって実行される財務デューデリジェンス資料作成支援方法であって、決算情報取得部、テキスト取得部、抽出部、財務諸表生成部、回答情報取得部、要約生成部、および出力部を含む。決算情報取得ステップは、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する。テキスト取得ステップは、決算情報取得ステップにおいて取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する。抽出ステップは、テキスト取得ステップにおいて取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。財務諸表生成ステップは、抽出ステップにおいて抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。回答情報取得ステップは、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。要約生成ステップは、回答情報取得ステップにおいて取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。出力ステップは、財務諸表生成ステップにおいて生成された財務諸表と、要約生成ステップにおいて生成された要約文を合わせて出力する。
【0011】
財務デューデリジェンス資料作成支援プログラムは、コンピューターを上記の財務デューデリジェンス資料作成支援装置として機能させるように構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の財務デューデリジェンス資料作成支援装置によれば、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得し、取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、生成された財務諸表と、生成された要約文を合わせて財務デューデリジェンス資料として出力する。これにより、財務デューデリジェンス資料を効率的に作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】支援装置において実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図5のステップS104に示される財務諸表生成処理の手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
【
図7】支援装置において実行される処理の流れを説明するための概念図である。
【
図8】支援装置において実行される合計項目の位置判定処理について説明するための図である。
【
図9】支援装置において実行される貸倒引当金の大項目判定処理について説明するための図である。
【
図10】支援装置において実行される貸倒引当金の大項目判定処理について説明するための図である。
【
図11】支援装置において実行される貸倒引当金の大項目判定処理について説明するための図である。
【
図12】支援装置において実行される貸倒引当金の大項目判定処理について説明するための図である。
【
図13A】支援装置において実行される勘定科目まとめ処理について説明するための図である。
【
図13B】支援装置において実行される勘定科目まとめ処理について説明するための図である。
【
図14】支援装置において実行される表記揺れ修正処理について説明するための図である。
【
図15】支援装置において実行される増減出力処理について説明するための図である。
【
図16】支援装置において実行される検証処理について説明するための図である。
【
図17】支援装置によって出力される財務デューデリジェンス資料の一例を示す図である。
【
図18】支援装置によって出力される財務デューデリジェンス資料の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0015】
<システムの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【0016】
図1に示すように、システムは、ユーザー端末100および支援装置200によって構成され、各構成はネットワークを通じて相互に通信可能に構成されている。
【0017】
ユーザー端末100は、依頼者が使用するノートPC、デスクトップPC、スマートフォン、タブレットPC等の情報端末である。
【0018】
支援装置200は、財務デューデリジェンス資料作成支援サービスを管理・運営する事業者によって設けられるサーバーである。支援装置200は、財務デューデリジェンス資料作成支援装置を構成する。
【0019】
以下、各構成について詳細に説明する。
【0020】
<ユーザー端末100>
図2は、ユーザー端末の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、ユーザー端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150、操作部160、および表示部170を有する。各構成は、バス180を介して相互に通信可能に接続されている。
【0022】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。
【0023】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0024】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0025】
ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。
【0026】
通信インターフェース150は、支援装置200等の外部機器と通信するためのインターフェースであり、たとえば、携帯電話通信用の3G、4G、5G等の規格や、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0027】
操作部160は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0028】
表示部170は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部170は、タッチパネル式のディスプレイによって構成することによって、操作部160として機能してもよい。
【0029】
<支援装置200>
図3は、支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、支援装置200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、操作部260、および表示部270を有する。各構成は、バス280を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、操作部260、および表示部270の各構成は、ユーザー端末100のCPU110、ROM120、RAM130、ストレージ140、通信インターフェース150、操作部160、および表示部170と同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0031】
ストレージ140には、CPU210を、決算情報取得部、テキスト取得部、抽出部、財務諸表生成部、回答情報取得部、要約生成部、出力部、判定部、特定部、分類設定受付部、合算設定部、合算出力部、テーブル登録部、変換部、算出部、増減出力部、編集部、検証部、通知部、コメント生成部として機能させるためのプログラムが記憶されている。また、ストレージ140には、上記の各部による処理を実行するために必要となる各種情報も記憶されている。
【0032】
<支援装置200の機能>
図4は、支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【0033】
図4に示すように、支援装置200は、CPU210がストレージ240に記憶されたプログラムを読み込んで処理を実行することによって、決算情報取得部2101、テキスト取得部2102、抽出部2103、財務諸表生成部2104、回答情報取得部2105、要約生成部2106、出力部2107、判定部2108、特定部2109、分類設定受付部2110、合算設定部2111、合算出力部2112、テーブル登録部2113、変換部2114、算出部2115、増減出力部2116、編集部2117、検証部2118、通知部2119、コメント生成部2120として機能する。
【0034】
決算情報取得部2101は、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する。
【0035】
テキスト取得部2102は、決算情報取得部2101によって取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する。
【0036】
抽出部2103は、テキスト取得部2102によって取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。また、抽出部2103は、各項目が決算報告書において記載されている位置に関する位置情報を抽出する。
【0037】
財務諸表生成部2104は、抽出部2103によって抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。
【0038】
回答情報取得部2105は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。回答情報取得部2105は、勘定科目ごとに、インタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得してもよい。
【0039】
要約生成部2106は、回答情報取得部2105によって取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。学習済みモデルは、たとえば、大規模言語モデルである。要約生成部2106は、勘定科目ごとの回答情報と、勘定科目に対応する金額に関する情報と、予め設定された要約文の作成指示および作成ルールを学習済みモデルに入力することによって、勘定科目ごとに要約文を生成してもよい。
【0040】
出力部2107は、財務諸表生成部2104によって生成された財務諸表と、要約生成部2106によって生成された要約文を合わせて出力する。出力部2107は、財務諸表の各勘定科目に関連付けて、勘定科目ごとに生成された要約文を出力してもよい。
【0041】
判定部2108は、抽出部2103によって抽出された項目情報および位置情報に基づいて、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置と、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置とを比較して、合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも上方に記載されているか下方に記載されているかを判定する。
【0042】
特定部2109は、判定部2108による判定結果と、抽出部2103によって抽出された貸倒引当金の勘定科目の記載位置および合計項目の記載位置とに基づいて、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産として記載されているか、固定資産として記載されているかを特定する。
【0043】
分類設定受付部2110は、各勘定科目に対して、分類を示す分類情報の設定を受け付ける。
【0044】
合算設定部2111は、対象の勘定科目の金額が、当該勘定科目に設定された分類に属する全ての勘定科目の金額の合計値に対して、所定の割合よりも少ない場合は、当該対象の勘定科目を合算対象として設定する。
【0045】
合算出力部2112は、合算設定部2111によって合算対象として設定された各勘定科目の金額を合計して合算対象の合計金額として算出し、各勘定科目をその他項目として統合した上で、算出された合算対象の合計金額と関連付けて出力する。
【0046】
テーブル登録部2113は、同じ内容の勘定科目に対応する複数の勘定科目の名称を、一つの統一された名称に対応付けて変換するための対応付けテーブル情報の登録を受け付ける。
【0047】
変換部2114は、抽出部2103によって抽出された各勘定科目の名称を、テーブル登録部2113によって登録が受け付けられた対応付けテーブル情報を用いて、統一された名称に変換する。
【0048】
算出部2115は、抽出部2103によって抽出された項目情報および金額情報に基づいて、複数の年度それぞれにおける各勘定科目および合計項目に対応する金額の年度間の増減値を算出する。
【0049】
増減出力部2116は、算出部2115によって算出された年度間の金額の増減値を出力する。
【0050】
編集部2117は、財務諸表生成部2104によって生成された財務諸表と、要約生成部2106によって生成された要約文とを、予め指定された所定の形式によって出力可能となるように編集する。出力部2107は、財務諸表と要約文とを所定の形式によって出力する。
【0051】
検証部2118は、抽出部2103によって抽出された複数の勘定科目に対応する金額の合計が、合計項目に対応する金額と一致しているか否かを判断する。
【0052】
通知部2119は、検証部2118によって一致していないと判断された場合にユーザーに対して通知する。
【0053】
コメント生成部2120は、財務諸表生成部2104によって生成された財務諸表に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額および金額の推移に関する要約コメントを生成する。出力部2107は、財務諸表および要約文とあわせてコメント生成部2120によって生成された要約コメントを出力する。
【0054】
なお、ユーザー端末100および支援装置200は、上述した構成要素以外の構成要素を備えてもよいし、上述した構成要素のうちの一部を備えなくてもよい。
【0055】
<処理概要>
図5は、支援装置において実行される処理の手順を示すフローチャートである。
図6は、
図5のステップS104に示される財務諸表生成処理の手順を示すサブルーチンのフローチャートである。
図7は、支援装置において実行される処理の流れを説明するための概念図である。
図8は、支援装置において実行される合計項目の位置判定処理について説明するための図である。
図9~12は、支援装置において実行される貸倒引当金の大項目判定処理について説明するための図である。
図13Aおよび
図13Bは、支援装置において実行される勘定科目まとめ処理について説明するための図である。
図14は、支援装置において実行される表記揺れ修正処理について説明するための図である。
図15は、支援装置において実行される増減出力処理について説明するための図である。
図16は、支援装置において実行される検証処理について説明するための図である。
図17は、支援装置によって出力される財務デューデリジェンス資料の一例を示す図である。
図18は、支援装置によって出力される財務デューデリジェンス資料の一例を示す図である。
図5および
図6のフローチャートに示される処理は、支援装置200のストレージ240にプログラムとして記憶されており、CPU210が各部を制御することにより実行される。
【0056】
図5に示すように、支援装置200は、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得する(ステップS101)。たとえば、ユーザー端末100は、ある企業の複数の年度(年)それぞれにおける決算報告書を示すPDFファイル等を、決算報告書情報として、ネットワークを介して支援装置200に送信する。決算報告書は、たとえば企業において決算処理を行って税務署への税金の申告を行う際に作成する書類であり、申告対象の年度(年)における当該企業の損益計算書(PLまたはP/L)および貸借対照表(BSまたはB/S)を含む書類である。
図7に示すように、支援装置200は、複数の年度(年)における決算報告書を示す情報を取得する。決算報告書情報には、文字、数字、記号等のテキストが、画像データ(画像情報)として含まれている。決算報告書情報には、上記のようなテキストが、画像データではなく、テキストデータ(テキスト情報)として含まれていてもよい。
【0057】
支援装置200は、ステップS101の処理において取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する(ステップS102)。たとえば、支援装置200は、決算報告書情報に含まれている画像データに対して、公知の方法によるテキスト認識処理を実行することによって、決算報告書に含まれる各種テキストを取得することができる。テキスト認識処理は、支援装置200によって実行されてもよく、あるいは、クラウドサーバー等の外部の装置において実行され、実行結果を支援装置200が取得してもよい。あるいは、決算報告書情報において、各種テキストが既にテキストデータとして含まれている場合、支援装置200は、テキストデータから各種テキストを取得することができる。
【0058】
支援装置200は、ステップS102の処理において取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する(ステップS103)。具体的には、支援装置200は、決算報告書に含まれる損益計算書および貸借対照表において、勘定科目および合計項目を示す項目情報と、各勘定科目および各合計項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。決算報告書の中から、損益計算書および貸借対照表に対応する箇所を抽出する処理は、支援装置200によって公知のテキストマッチング技術やパターンマッチング技術等を用いて実行されてもよく、あるいは、ユーザーから該当箇所の指示を受け付けることによって実行されもよい。また、損益計算書および貸借対照表の中から、勘定科目および合計項目と、各勘定科目および各合計項目に対応する金額を抽出する処理は、支援装置200によって公知のテキストマッチング技術やパターンマッチング技術等を用いて実行されてもよく、ユーザーからの指示を受け付けることによって実行されもよい。
【0059】
支援装置200は、ステップS103の処理において抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する(ステップS104)。財務諸表を生成する処理について、詳細は後述する。
【0060】
支援装置200は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する(ステップS105)。インタビューには、たとえば、マネジメントインタビューと、財務税務インタビューが含まれる。マネジメントインタビューは、対象企業の経営者、経営陣に対して実施される経営全般に関するインタビューである。マネジメントインタビューには、たとえば、事業の状況、人員の状況、業績の状況、マーケットの状況、競合他社の状況、事業運営上のリスク要因、競合他社との競争戦略、事業の課題、今後の経営計画等、対象企業の経営に関するあらゆる内容が含まれる。財務税務インタビューは、対象企業の財務および税務の管理者に対して実施される財務および税務に関するインタビューである。財務税務インタビューには、たとえば、売上の状況、原価の状況、人件費、家賃、広告宣伝費等の販売管理費の状況、その他収益および費用の状況、各種税金の状況、資産の状況、負債の状況、純資産の状況等、対象企業の財務および税務に関するあらゆる内容が含まれる。インタビューへの回答を示す回答情報は、たとえば、口頭でのインタビューにおける質問と回答の内容を、文字起こしして作成されたテキストデータ(ファイル)等として取得され得る。あるいは、インタビューがオンラインのテキストチャットや電子メール等によってテキストベースで実施された場合は、やり取りされたテキストデータの記録がインタビューへの回答情報として取得され得る。質問事項への回答は、いわゆるQ&Aであり、たとえば、決算報告書に含まれるPLまたはBSに関する質問と、対象企業の経営者等による回答が、表形式または箇条書き形式等によってQ&Aシートとして記載される。Q&Aシートにおいては、各質問の対象となるPL、BSの勘定科目が明記されるため、どの勘定科目に関する質問と回答であるかが容易に認識され得る。質問事項への回答を示す回答情報は、たとえば、Q&Aシートを示すテーブルデータ(ファイル)等として取得され得る。
【0061】
支援装置200は、ステップS105の処理において取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。学習済みモデルは、たとえば、公知の大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)である。大規模言語モデルは、様々な自然言語処理タスクを処理することが可能な機械学習モデルである。大規模言語モデルとしては、たとえば、ChatGPT(登録商標)(Chat Generative Pre-trained Transformer)等が使用され得る。支援装置200は、
図7に示すように、回答情報を学習済みモデルに入力することによって、決算報告書のPLおよびBSに含まれる勘定科目ごとに、回答情報の要約文を生成する。要約文の生成処理について、詳細は後述する。
【0062】
支援装置200は、
図7に示すように、ステップS104の処理において生成された財務諸表と、ステップS106の処理において生成された要約文とを、1つの書類または画像として一覧可能となるように合わせて出力する(ステップS107)。出力処理について、詳細は後述する。
【0063】
<ステップS104の財務諸表生成処理の詳細>
図6に示すように、支援装置200は、ステップS104の財務諸表生成処理に含まれるステップS1041~S1046の処理を実行する。
【0064】
<位置判定・大項目判定処理>
支援装置200は、決算報告書(PLおよびBS)において記載されている各項目の位置を判定し、所定の項目がどの大項目に分類されているかを判定する(ステップS1041)。
【0065】
具体的には、支援装置200は、各項目が決算報告書において記載されている位置に関する位置情報を抽出する。位置情報は、たとえば、決算報告書の画像上においてある位置を基準とした座標情報として抽出される。位置情報は、抽出された項目同士の位置関係を示す相対的な情報であってもよい。支援装置200は、
図8に示すように、決算報告書から抽出された項目情報および位置情報に基づいて、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置と、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置とを比較する。支援装置200は、合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも上方に記載されているか下方に記載されているかを判定する。
図8の(1)として示すように、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置が、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置よりも上であれば、支援装置200は、合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも上方に記載されている記載形式であると判断する。一方、
図8の(2)として示すように、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置が、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置よりも下であれば、支援装置200は、合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも下方に記載されている記載形式であると判断する。
【0066】
支援装置200は、上記の合計項目の記載位置に関する判定結果と、抽出された貸倒引当金の勘定科目の記載位置および合計項目の記載位置とに基づいて、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産として記載されているか、固定資産として記載されているかを特定する。たとえば、
図9の例のように、合計項目が各勘定科目よりも上方に記載されている形式の場合において、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産の合計項目と固定資産の合計項目の間に位置している場合、貸倒引当金は、流動資産として記載されていることが特定される。また、
図10の例のように、合計項目が各勘定科目よりも上方に記載されている形式の場合において、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産の合計項目および固定資産の合計項目よりも下に位置している場合、貸倒引当金は、固定資産として記載されていることが特定される。また、
図11の例のように、合計項目が各勘定科目よりも下方に記載されている形式の場合において、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産の合計項目および固定資産の合計項目よりも上に位置している場合、貸倒引当金は、流動資産として記載されていることが特定される。また、
図12の例のように、合計項目が各勘定科目よりも下方に記載されている形式の場合において、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産の合計項目と固定資産の合計項目の間に位置している場合、貸倒引当金は、固定資産として記載されていることが特定される。
【0067】
<勘定科目まとめ処理>
支援装置200は、同じ分類に属する勘定科目の中で、金額が少ない勘定科目をその他項目としてまとめて合算する勘定科目まとめ処理を実行する(ステップS1042)。
【0068】
具体的には、支援装置200は、各勘定科目に対して、分類を示す分類情報の設定を予め受け付けて登録しておく。分類情報として登録される分類は、
図13Aに示すように、大項目(大分類)、中項目(中分類)、小項目(小分類)等の複数の段階を有する分類であってもよい。
図13Aに示すような、各勘定科目に設定されている分類情報や、各勘定科目と各合計項目との関係(各合計項目がどの勘定科目を含んでいるか等)については、勘定科目マスタとして予め登録されてストレージ240に記憶される。
【0069】
支援装置200は、対象の勘定科目の金額が、当該勘定科目に設定された分類に属する全ての勘定科目の金額の合計値に対して、所定の割合よりも少ない場合は、当該対象の勘定科目を合算対象として設定する。支援装置200は、合算対象として設定された各勘定科目の金額を合計して合算対象の合計金額として算出し、各勘定科目をその他項目として統合した上で、算出された合算対象の合計金額と関連付けて出力する。上記の処理について、所定の割合が、5%に設定された場合を例に挙げて説明する。たとえば、
図13Bに示すように、同じ大項目に属する5つの勘定科目1~5があり、勘定科目1~勘定科目2の金額の合計が、当該大項目の合計金額の95%を占める場合、勘定科目3~勘定科目5の金額は、それぞれ当該大項目の合計金額の5%以下となる。この場合、支援装置200は、勘定科目3~勘定科目5を、合算対象として設定する。そして、支援装置200は、勘定科目3~勘定科目5を、その他項目として統合し、勘定科目3~勘定科目5の金額を合計した金額が、合算対象の合計金額として、その他項目に関連付けられて出力される。
【0070】
<表記揺れ統合処理>
支援装置200は、各勘定科目の名称を、予め登録された対応付けテーブル情報に基づいて統一された名称に変換する(ステップS1043)。
【0071】
具体的には、支援装置200は、同じ内容の勘定科目に対応する複数の勘定科目の名称を、一つの統一された名称に対応付けて変換するための対応付けテーブル情報の登録を受け付ける。たとえば、支援装置200は、
図14に示すような、対応付けテーブル情報の登録を受け付ける。
図14においては、現金及び預金、現金預金、現金、普通預金、預金、小口現金等の様々な勘定科目の名称(呼び方)を、現金及び預金という統一された名称に対応付けて変換するための対応付けテーブル情報の例が示されている。支援装置200は、決算報告書から抽出された各勘定科目の名称を、上記のような対応付けテーブル情報を用いて統一された名称に変換する。
【0072】
<増減算出処理>
支援装置200は、ステップS103の処理において抽出された項目情報および金額情報に基づいて、複数の年度それぞれにおける各勘定科目および合計項目に対応する金額の年度間の増減値を算出して出力する(ステップS1044)。具体的には、支援装置200は、
図15に示すように、複数の年度における、金額に基づいて、各勘定科目および各合計項目の金額の年度間の増減値を出力する。
図15の例では、2020年、2021年、2022年の各勘定科目および各合計項目の金額に基づいて、2020年から2021年における金額の増減と、2021年から2022年における金額の増減値が算出されている。算出された増減値は、各勘定科目および各合計項目に関連付けて出力されている。支援装置200は、
図15に示すような、複数の年度における各勘定科目および各合計項目の金額と金額の推移に関する情報を含む表を、財務諸表として生成する。
【0073】
<検証処理>
支援装置200は、ステップS103の処理において抽出された複数の勘定科目に対応する金額の合計が、当該複数の勘定項目に設定された分類の合計項目に対応する金額と一致しているか否かを判断することによって、抽出された金額が正しいか否かの検証を実行する(ステップS1045)。具体的には、支援装置200は、
図16に示すように、各勘定科目の読取金額(決算報告書から読み取られて抽出された金額)の合計が、当該勘定科目に設定された分類の合計項目の読取金額(決算報告書から読み取られて抽出された金額)と一致しているか否かを判断する。金額が一致していないと判断された場合、支援装置200は、ユーザーに対して不一致が発生している旨を通知する。
【0074】
たとえば、「資本準備金」と「その他資本剰余金」という2つの勘定科目には、中項目1の分類として「資本剰余金」が設定されている。「資本剰余金」という勘定科目には、合計範囲の欄に「中項目1」が設定されており、中項目1の欄には「資本剰余金」が設定されている。これは、「資本剰余金」という勘定科目が、中項目1に「資本剰余金」が設定されている勘定科目、すなわち「資本準備金」と「その他資本剰余金」の合計項目であることを示している。ここで、「資本準備金」と「その他資本剰余金」の読取金額を合計すると、110,000円である。しかし、「資本準備金」と「その他資本剰余金」の合計項目である「資本剰余金」の読取金額は、300,000円である。この場合、各勘定科目の読取金額の合計が、当該勘定科目に設定された分類の合計項目の読取金額と一致していないため、支援装置200は、画面表示やメッセージ送信、音声アラート等によって、ユーザーに対して不一致が発生している旨を通知する。
【0075】
<推移表の要約コメント生成処理>
支援装置200は、
図15のように生成された財務諸表に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額および金額の推移に関する要約コメントを生成する(ステップS1046)。要約コメントは、たとえば、所定の生成ルールに基づいて作成される。生成ルールとしては、たとえば、「最新の決算期における勘定科目の金額が大きい方から3つについて、内訳と推移を要約して記載する」といったものである。たとえば、「現金及び預金」という勘定科目については、以下のような要約コメントが生成され得る。なお、「現金及び預金」の内訳である、A~C(たとえば金融機関の名称)、A1~A3(たとえば、A金融機関の口座情報)、それらに対応する金額を示す情報等は、支援装置200が、決算報告書を読み取って抽出することによって予め取得されて、ストレージ240に記憶されている。
【0076】
<推移表の要約コメントの例>
現金及び預金
・YY年度はXXX百万円であり、その内訳は、AがXXX百万円、BがXXX百万円、CがXXX百万円である。
・Aの内訳は、A1がXXX百万円、A2がXXX百万円、A3がXXX百万円である。
・Bの内訳は、B1がXXX百万円、B2がXXX百万円、B3がXXX百万円である。
・Cの内訳は、C1がXXX百万円、C2がXXX百万円、C3がXXX百万円である。
・YY年度からZZ年度までにXXX百万円減少していて、減少金額が大きいのは、AがXXX百万円、BがXXX百万円、CがXXX百万円である。
・Bで減少額が大きいのは、B1がXXX百万円、B2がXXX百万円、B3がXXX百万円である。
【0077】
上記のような要約コメントは、財務諸表および要約文とあわせて出力される。
【0078】
支援装置200は、ステップS1046の処理が完了すると、ステップS104の処理を終えて、
図5に示されるステップS105以降の処理を実行する。
【0079】
<S106の要約文の生成処理の詳細>
支援装置200は、たとえば、ユーザーからの指示等に基づいて、大規模言語モデルに対して以下のようなプロンプトを与えることによって、勘定科目ごとに、回答情報の要約文を作成することができる。
【0080】
<プロンプトの例>
#作業指示
・あなたはM&Aのプロフェッショナルです。
・与えられたデータは企業の財務税務状況に関するものです。
・勘定科目別に記載されている内容を要約してください。
・出力は要約内容(日本語で最大3文まで)、JSON形式(キーは勘定科目、値は文ごとに分割した文字列のリスト)でお願いします。
#勘定科目
・現金及び預金
・売掛金
・貯蔵品
#ルール
・データに記載がない勘定科目は「データに記載なし」と出力する。
・引用したデータNo.を文字列の末尾に括弧書きで記載する。
・記載のない事実は含めない。
・「である調」で出力する。
・文字列のリストの長さは、勘定科目によって異なってもよい。
【0081】
支援装置200は、上記のようなプロンプトにより、専門家としての要約を要求しつつ、勘定科目ごとの要約文の生成を指示することができる。また、支援装置200は、上記のようなプロンプトにより、
図6のステップS1046の処理によって生成される要約コメントを引用して勘定科目ごとの要約文の生成させることができる。
【0082】
支援装置200は、以下のようなルールに基づいて、上記のように生成した要約文と、
図6のステップS1046の処理によって生成した要約コメントとを合体(統合)して、勘定科目ごとの要約文として出力することができる。
【0083】
<合体させるためのルールの例>
・勘定科目ごとに要約文をまとめる。
・記載順は、推移表の要約コメント、Q&Aの要約文、財務税務インタビューの要約文、マネジメントインタビューの要約文、の順番とする。
・Q&Aまたはインタビューに該当勘定科目の記載がない場合は、「データに記載なし」と記載する。
【0084】
支援装置200は、上記のような処理によって、たとえば、「売掛金」という勘定科目について、以下のような要約文を生成することができる。
【0085】
「2022年12月期はXXX百万円で、AがXXX百万円、Bが22百万円、Cが13百万円である。2020年12月期から2022年12月期までにXXX百万円減少していて、減少金額が大きいのはAが571百万円、Cが61百万円、Dが47百万円である。売掛金の残高は、2021年12月期にXXX百万円、2022年12月期にXXX百万円、2023年8月にXXX百万円と減少している。売掛金の減少要因は売上高の減少によるもので、特にコロナにより売上が落ち込んだことが影響している。個人向けの分割払いで売掛金の割合が大きく、約XXX億円が分割払いによるものである(滞留債権)。過去2年間のデータを見なければならず、裁判で回収不能とされていない滞留債権が累積している(滞留債権)。滞留債権は3か月以上の遅れで50%、6か月以上で100%の引当金を立てる処理を行っている(滞留債権)。データに記載なし。」
<S107の出力処理の詳細>
支援装置200は、ステップS104の処理によって生成された財務諸表と、ステップS106の処理によって生成された要約文とを、予め指定された所定の形式によって出力可能となるように編集して、財務デューデリジェンス資料として出力する。具体的には、支援装置200は、
図17および
図18に示すように、財務諸表と要約文を一覧可能に並べて、財務デューデリジェンス資料として出力する。
図17は、BSの概観を示す財務デューデリジェンス資料であり、
図18は、PLの概観を示す財務デューデリジェンス資料である。
図17および
図18に示すように、資料の左側にはBSおよびPLの推移表が出力され、資料の右側には、BSおよびPLの勘定科目ごとに生成された要約文が各勘定科目に関連付けて出力される。支援装置200は、財務デューデリジェンス資料を、内容の確認および修正を容易としつつ、最終的に使用される出力形式(ファイル形式)に容易に変換してダウンロード可能となるように、ウェブページ上に出力することができる。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る支援装置200によれば、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得し、取得された決算報告書情報によって示される複数の決算報告書それぞれからテキストを取得する。支援装置200は、取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出する。支援装置200は、抽出された項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。支援装置200は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。支援装置200は、取得された回答情報を、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルに入力して要約文を生成する。支援装置200は、生成された財務諸表と、生成された要約文を合わせて財務デューデリジェンス資料として出力する。これにより、財務デューデリジェンス資料を効率的に作成することができる。従来、財務デューデリジェンス資料を作成するためには、各年度の決算報告書等の膨大な紙の資料を1つ1つ確認して必要な数字を拾い集めて整理し、財務諸表としてまとめるための膨大な作業が必要であった。また、財務諸表を作成して数字を整理しただけでは、数字の増減等の事実や結果が把握できるだけであり、その数字の増減等が発生した要因は把握できないため、別途経営者等へのインタビューやQ&Aを実施し、それらの結果を記録した膨大な資料から概要を抽出して、財務諸表と合わせて整理する必要があった。本実施形態の支援装置200によれば、複数の年度それぞれにおける決算報告書と、インタビューまたは質問事項への回答情報を入力するだけで財務デューデリジェンス資料を作成できるため、財務デューデリジェンス資料を効率的に作成することができる。
【0087】
また、支援装置200は、各項目が決算報告書において記載されている位置に関する位置情報をさらに抽出する。支援装置200は、抽出された項目情報および位置情報に基づいて、売掛金または買掛金の勘定科目の記載位置と、流動資産または流動負債の合計項目の記載位置とを比較する。支援装置200は、合計項目が当該合計項目に含まれる各勘定科目よりも上方に記載されているか下方に記載されているかを判定する。これにより、決算報告書のBSおよびPLにおいて、合計項目が上方に記載されている記載形式であるか、下方に記載されている記載形式であるかを、確実かつ容易に判定して把握することができる。決算報告書においては、作成者の趣向や会計システムの仕様等によって、合計項目が上方に記載されている記載形式と、下方に記載されている記載形式の両方が存在する。たとえば、貸倒引当金という勘定科目は、流動資産という合計項目に属することもあり、固定資産という合計項目に属することもある。この場合、各勘定科目の合計項目が記載されている位置が上方であるか下方であるかを把握できていないと、貸倒引当金がどちらの合計項目に属するものであるかを適切に把握できないという問題が生じる。本実施形態の支援装置200によれば、合計項目が上方に記載されている記載形式であるか、下方に記載されている記載形式であるかを、確実かつ容易に判定して把握することができるため、各勘定科目が属する合計項目を適切に把握することができる。
【0088】
また、支援装置200は、合計項目の記載位置に関する判定結果と、貸倒引当金の勘定科目の記載位置および合計項目の記載位置とに基づいて、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産として記載されているか、固定資産として記載されているかを特定する。これにより、貸倒引当金の勘定科目が、流動資産として記載されているか、固定資産として記載されているかを確実に特定できるため、ユーザーによる人手の確認や指示を必要とすることなく、適切な財務諸表を容易に作成することができる。
【0089】
また、支援装置200は、各勘定科目に対して、分類を示す分類情報の設定を受け付ける。支援装置200は、対象の勘定科目の金額が、当該勘定科目に設定された分類に属する全ての勘定科目の金額の合計値に対して、所定の割合よりも少ない場合は、当該対象の勘定科目を合算対象として設定する。これにより、同じ分類に属する勘定科目の中で、金額が比較的小さい勘定科目をまとめて合算対象として設定することができる。
【0090】
また、支援装置200は、合算対象として設定された各勘定科目の金額を合計して合算対象の合計金額として算出し、各勘定科目をその他項目として統合した上で、算出された合算対象の合計金額と関連付けて出力する。これにより、合算対象として設定された金額が比較的小さい勘定科目をその他項目として統合して、その他項目の合計金額を出力することができる。したがって、金額が比較的小さい勘定科目については、その他項目として統合して出力し、金額が比較的大きく重要な勘定科目については個別に出力できるため、重要な勘定科目の内容を容易に視認および把握できるような効果的な財務諸表を生成することができる。
【0091】
また、支援装置200は、同じ内容の勘定科目に対応する複数の勘定科目の名称を、一つの統一された名称に対応付けて変換するための対応付けテーブル情報の登録を受け付ける。支援装置200は、抽出された各勘定科目の名称を、対応付けテーブル情報を用いて統一された名称に変換する。同じ内容の勘定科目について、企業ごとに異なった名称が使用されていることが多くある。また、同じ企業であっても、決算報告書の作成者や作成方法、作成システムが変更された場合等には、年度ごとに異なった名称が使用されていることもある。本実施形態の支援装置200によれば、異なる名称によって記載された同じ内容の勘定科目を、統一された名称に変換した上で財務デューデリジェンス資料を生成できる。したがって、異なる様々な企業について、複数の年度の決算報告書から財務デューデリジェンス資料を容易に生成できる。
【0092】
また、支援装置200は、抽出された項目情報および金額情報に基づいて、複数の年度それぞれにおける各勘定科目および合計項目に対応する金額の年度間の増減値を算出し、算出された年度間の金額の増減値を出力する。これにより、決算報告書にその年度のPLおよびBSのみが記載されている場合であっても、複数の年度間の増減値を算出して出力することができる。これにより、PLおよびBSの推移を容易に把握でき、対象の企業の経営状態をより的確に把握できるような財務デューデリジェンス資料を容易に生成できる。
【0093】
また、支援装置200は、生成された財務諸表と、生成された要約文とを、予め指定された所定の形式によって出力可能となるように編集し、財務諸表と要約文とを所定の形式によって出力する。たとえば、支援装置200は、財務デューデリジェンス資料を、内容の確認および修正を容易としつつ、最終的に使用される出力形式(ファイル形式)に容易に変換してダウンロード可能となるように、ウェブページ上に出力することができる。従来は、推移表を表計算アプリケーションによって作成し、作成した推移表をコピーして、財務デューデリジェンス資料として使用するためにプレゼンテーション用アプリケーションのファイルのページに貼り付けて、ページ内のレイアウトを調整する必要があった。本実施形態によれば、生成された財務諸表と、生成された要約文とを、予め指定された所定の形式によって出力可能となるように編集して出力できるため、財務デューデリジェンス資料を効率的に作成することができる。
【0094】
また、支援装置200は、抽出された複数の勘定科目に対応する金額の合計が、合計項目に対応する金額と一致しているか否かを判断する。支援装置200は、一致していないと判断された場合にユーザーに対して通知する。これにより、決算報告書から抽出された内容の正当性を検証することができ、内容が誤っていた場合には、ユーザーに通知して確認させることができるため、適切な財務デューデリジェンス資料を作成することができる。
【0095】
また、支援装置200は、生成された財務諸表に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額および金額の推移に関する要約コメントを生成し、財務諸表および要約文とあわせて要約コメントを出力する。これにより、財務諸表の内容を要約したコメントを文章として作成して出力できるため、内容の把握が容易な財務デューデリジェンス資料を作成することができる。
【0096】
また、支援装置200は、勘定科目ごとに、インタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得する。支援装置200は、勘定科目ごとの回答情報と、勘定科目に対応する金額に関する情報と、予め設定された要約文の作成指示および作成ルールを学習済みモデルに入力することによって、勘定科目ごとに要約文を生成する。支援装置200は、財務諸表の各勘定科目に関連付けて、勘定科目ごとに生成された要約文を出力する。これにより、勘定科目ごとにインタビューまたは質問事項への回答の要約文を出力することができるため、財務諸表の各勘定科目に対して、当該勘定科目に対応する要約文を関連付けて出力することができる。したがって、適切な財務デューデリジェンス資料を容易に作成することができる。
【0097】
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0098】
たとえば、ユーザー端末100および支援装置200は、それぞれ複数の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0099】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。たとえば、支援装置200が有する各機能の一部が、ユーザー端末100によって実現されてもよい。支援装置200が有する各機能の一部が、ネットワークを介して接続可能なクラウドサーバー等の外部の構成によって実現されてもよい。
【0100】
また、上記の実施形態におけるフローチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分類の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割することもできる。また、1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。
【0101】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 ユーザー端末、
110 CPU、
120 ROM、
130 RAM、
140 ストレージ、
150 通信インターフェース、
160 操作部、
170 表示部、
180 バス、
200 支援装置、
210 CPU、
2101 決算情報取得部、
2102 テキスト取得部、
2103 抽出部、
2104 財務諸表生成部、
2105 回答情報取得部、
2106 要約生成部、
2107 出力部、
2108 判定部、
2109 特定部、
2110 分類設定受付部、
2111 合算設定部、
2112 合算出力部、
2113 テーブル登録部、
2114 変換部、
2115 算出部、
2116 増減出力部、
2117 編集部、
2118 検証部、
2119 通知部、
2120 コメント生成部、
220 ROM、
230 RAM、
240 ストレージ、
250 通信インターフェース、
260 操作部、
270 表示部、
280 バス。
【要約】
【課題】財務デューデリジェンス資料を効率的に作成するための財務デューデリジェンス資料作成支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、複数の年度それぞれにおける対象企業の決算報告書を示す情報が含まれる決算報告書情報を取得し、複数の決算報告書それぞれからテキストを取得し、取得されたテキストから、複数の勘定科目および合計項目を含む項目を示す項目情報と、各項目に対応する金額を示す金額情報を抽出し、項目情報および金額情報に基づいて、各勘定科目および合計項目における金額の推移に関する情報を含む財務諸表を生成する。財務デューデリジェンス資料作成支援装置は、対象企業の経営者へのインタビューまたは質問事項への回答を示す回答情報を取得し、入力された文章を要約して出力するように機械学習された学習済みモデルを用いて回答の要約文を生成する。
【選択図】
図7