(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】報知用発光の検査方法
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20250203BHJP
G08B 29/12 20060101ALI20250203BHJP
【FI】
G08B17/00 D
G08B29/12
(21)【出願番号】P 2020075564
(22)【出願日】2020-04-21
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2019201112
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519431786
【氏名又は名称】株式会社Bit peeps
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】如南 友博
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-194840(JP,A)
【文献】特開2019-185197(JP,A)
【文献】特開2014-216965(JP,A)
【文献】特開2015-081058(JP,A)
【文献】特開2016-170829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 1/00- 9/20
17/00-17/12
19/00-31/00
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
H04N 5/222- 5/257
7/18
23/00
23/40-23/76
23/90-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光手段の発光動作を検査するシステム
に用いるサーバーであって、
前記システムは、検知部及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えるものであり、
前記検知部は、前記発光動作を輝度値、RGB値もしくは撮像画像の検知信号として
出力する
ものであり、
前記通信部は、前記検知信号を前記サーバーに送信するものであり、
前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定
し、判定した前記検知結果を
ネットワークを介して前記ユーザー端末に送信し、前記検査がどの程度完了したかを示す情報である検査ステータスおよび前記感知器の設置情報を記憶する、サーバー。
【請求項2】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光手段の発光動作を検査するシステムに用いるサーバーであって、
前記システムは、検知部及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えるものであり、
前記検知部は、前記発光動作を輝度値、RGB値もしくは撮像画像の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果を前記サーバーに送信するものであり、
前記検知結果をネットワークを介して前記ユーザー端末に送信し、前記検査がどの程度完了したかを示す情報である検査ステータスおよび前記感知器の設置情報を記憶する、サーバー。
【請求項3】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光手段の発光動作を検査するシステムに用いるサーバーであって、
前記システムは、検知部及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えるものであり、
前記検知部は、前記発光動作を輝度値、RGB値もしくは撮像画像の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号を前記サーバーに送信するものであり、
前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果をネットワークを介して前記ユーザー端末に送信し、前記検知信号を受信することに応答して制御信号を送信し、外部の設備機器を作動させる、サーバー。
【請求項4】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光手段の発光動作を検査するシステムに用いるサーバーであって、
前記システムは、検知部及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えるものであり、
前記検知部は、前記発光動作を輝度値、RGB値もしくは撮像画像の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果を前記サーバーに送信するものであり、
前記検知結果をネットワークを介して前記ユーザー端末に送信し、前記検知信号を受信することに応答して制御信号を送信し、外部の設備機器を作動させる、サーバー。
【請求項5】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光手段の発光動作を検査するシステムに用いるユーザー端末であって、
前記発光手段の発光動作の検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて前記発光動作を判定した検知結果を
表示部に表示するものであり、
前記表示部は、前記発光手段に対応するアイコンを表示するものであり、
前記アイコンの表示態様を、色を変化させる、点滅させる若しくはサイズを拡大させることにより、前記表示部は前記検知結果を示すものである、ユーザー端末。
【請求項6】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光部の発光動作を検査するシステムであって、
光センサー及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えており、
前記光センサーは、前記発光部の近傍に設置され、前記発光動作を輝度値又はRGB値の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号を前記サーバーに送信するものであり、
前記サーバーは、前記検知信号と前記検知信号の基準値とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果をネットワークを介して前記ユーザー端末に送信するものである、システム。
【請求項7】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光部の発光動作を検査するシステムであって、
光センサー及び通信部からなる装置と、サーバーと、検知結果を表示するユーザー端末とを備えており、
前記光センサーは、前記発光部の近傍に設置され、前記発光動作を輝度値又はRGB値の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果を前記サーバーに送信するものであり、
前記サーバーは、前記検知結果をネットワークを介して前記ユーザー端末に送信するものである、システム。
【請求項8】
感知器からの感知信号に応じて発光する火災報知システムの発光部の発光動作を検査するシステムに用いる装置であって、
前記システムは、光センサー及び通信部からなる装置と、検知結果をネットワークを介して送信するサーバーと、送信された前記検知結果を表示するユーザー端末とを備えるものであり、
前記光センサーは、前記発光部の近傍に設置され、前記発光動作を輝度値又はRGB値の検知信号として出力するものであり、
前記通信部は、前記検知信号と前記検知信号の基準値又は基準画像とに基づいて、前記発光動作を判定し、判定した前記検知結果を前記サーバーに送信するものである、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災受信機など所定の感知器の検知に応じて当該検知の事実を発光にて報知する装置における、当該発光動作の検査を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感知器などによって所定のイベントが検知されたことを発光手段による発光によって報知する装置がある。例えば、自動火災報知設備(自火報設備)においては、煙や熱など火災発生を検知する複数の感知器と接続される火災受信機があり、この火災受信機には各感知器による検知を報知するための発光手段が備わっている。例えば、建物の階ごとに設置された感知器の検知を報知するため、火災受信機には感知器ごとに異なる発光手段が設けられ、建物の2階に設置された感知器Aが火災発生を検知した場合はこの感知器Aに対応する発光手段が発光するようになっている。このような構成により、建物の管理人や防災担当者は、火災が発生した場合、火災受信機のどの発光手段が発光したかを視認することで火災発生個所を直ちに知ることができる。
このような典型的な自火報設備が、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような火災受信機の発光手段は火災発生時に確実に発光することが重要であるため、建物の管理者は火災受信機の発光手段の発光を定期的に検査する必要がある。従来、二名の検査担当者がペアを組んで、一名が建物内の複数の感知器を一つずつ順次検知動作させるとともに、もう一名が開催受信機の発光手段の前に待機して検知動作させた感知器に対応する発光手段が発光したことを確認することで検査を実施している。両者はトランシーバーなどで通信しあい、感知器一つずつに対して正常に発光手段が発光したかを確認しあっている。大規模な建物では、複数のペアを組んで長時間かけて検査を実施する必要がある。このような検査を簡略化、省人化することができれば有用である。
【0005】
このような事情に鑑み、本発明は、火災発生などのイベント報知用の発光手段の発光検査を簡略化、省人化することができるソリューションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るシステムは、所定の感知器からの感知信号に応じて発光する発光手段の発光動作を検査する検査システムである。この検査システムは、感知器駆動器と、発光検知手段と、通信手段と、可搬型ユーザー端末とを備える。感知器駆動器は、ユーザーによって保持され、感知器の感知対象を発することで感知器を意図的に稼働させる機能を有する。発光検知手段は、発光手段の発光方向側の近傍に設けられ、発光手段の発光動作を検知する機能を有する。通信手段は、発光検知手段からの検知信号に基づき発光検知手段の検知結果を、ネットワークを介して、ユーザーによって所持される可搬型ユーザー端末に送信する機能を有する。可搬型ユーザー端末は、発光検知手段から送信される検知結果を表示する機能を有する。
【0007】
このような検査システムによれば、ユーザー(作業員)が感知器駆動器を所持して感知器が設置してある現場まで出向き、感知器駆動器で感知器を意図的に駆動させると、感知器の駆動に伴って発光手段が発光したことを発光検知手段が検知し、検知結果がユーザー端末に送信されて表示される。ユーザーは、ユーザー端末に表示される検知結果を視認することで発光手段が感知器に反応して正常に発光したことを確認することができる。このため、ユーザーは、発光検知手段を発光手段の近傍に設置した後、感知器駆動器とユーザー端末とを所持して感知器が設置された現場に出向き一人で検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、火災発生などのイベント報知用の発光手段の発光検査を簡略化、省人化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るシステムを示す図である。
【
図2】
図2は、検査システム20の検知部21の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、光センサー21aの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、光センサー21aが火災報知システム10の発光部10a部分に固定された様子を示す図である。
【
図5】
図5は、検査システム20の検知部21の別の例を示す図である。
【
図6】
図6は、検知部21が複数の光センサー21aで構成される場合における輝度値に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、検知部21が複数の光センサー21aで構成される場合におけるRGB値に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、検知部21がカメラ21bで構成される場合における撮影画像に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ユーザー端末24がサーバー23から受信した検知結果を表示する例を示す図である。
【
図10】
図10は、検査システム20を用いて作業員が火災報知システム10の検査を行う様子を示す図である。
【
図11】
図11は、ユーザーIDごとに感知器設置情報と検査ステータスとが対応付けられているテーブルを示す図である。
【
図12】
図12は、施設のマップであって検査対象の複数の感知器1のアイコンS1が個々の設置位置にプロットされたマップMを示す図である。
【
図13】
図13は、サーバー23が感知器設置情報を登録する動作を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、サーバー23へ感知器設置情報を登録した後、作業員50が検査システム20にて発光部10aの発光動作を検査する手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、検知部21として光センサー21aを用いる一態様を示す。
【
図16】
図16は、光センサーボード21cを検査対象機器10に重ねた配置した状態を示す図である。
【
図17】
図17は、光センサーボード21cと発光部10aとの位置関係に応じて、少なくとも1つのいずれかの光センサー21aが各発光部10aの発光を検知する位置関係(発光検知関係)を示す図である。
【
図18】
図18は、サーバー23が発光検知関係を保持する手順を示すフローチャートである。
【
図19】
図19は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図20】
図20は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図22】
図22は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図23】
図23は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図24】
図24は、ユーザー端末24上で発光検知関係を設定する際のGUIの一例を示す図である。
【
図25】
図25は、サーバー23の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図26】
図26は、ユーザー端末24の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図27】
図27は、変形例の検査システム20にて発光部10aの発光動作を検査する手順を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、ユーザー端末24の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図29】
図29は、検知結果に含まれる識別子とアイコンS1の番号とを対応付けたテーブルの例を示す図である。
【
図30】
図30は、ユーザー端末24の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図31】
図31は、ユーザー端末24の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図32】
図32は、ユーザー端末24の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図33】
図33は、発光部10aの近傍にディスプレイを備える火災報知システム10の一例を示す図である。
【
図34】
図34は、火災報知システム10を介して通信部22と非常ベル40とを接続した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を以下、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシステムを示す図である。システムは、イベント報知用の発光手段を備える検査対象機器10と、検査対象機器10の発光動作を検査するための検査システム20とを含む。
【0011】
検査対象機器10は、所定のイベントが発生したことを報知用の発光手段を用いた発光により報知する機能を有する機器である。例えば、本実施形態では、火災(イベント)の発生を報知する火災報知システム10を例に説明する。火災報知システム10は、ホテル、旅館、複合ビル、雑居ビル、学校、図書館等、多数の者が出入りする施設に備えられる。火災報知システム10は、熱、煙、炎等を検知して検知信号を発報する複数の感知器1と接続され、各感知器1からの検知信号を受信する。火災報知システム10は、複数の発光部10aを備える。火災報知システム10は、各発光部10aと特定の感知器1とを対応付けており、ある感知器1から検知信号を受信すると、対応する所定の発光部10aを発光させるよう構成されている。各発光部10aは、1つ以上の感知器1が対応付けられる。理想的には、各感知器1と各発光部10aとが1対1で対応付けられることが好ましく、この場合は、発報した感知器1ごとに異なる発光部10aが発光することになるため、火災の発生場所が最も特定しやすい。ただし、階数の多い大規模なビル等の施設の場合、火災報知システム10に備わる発光部10aの総数よりも多くの感知器1が必要になる場合もある。このような場合は、施設内の複数のエリアの夫々に点在して設置される2以上の感知器1(例えば、各階ごとに点在して設置される複数の感知器1)をひとまとめにして同一の発光部10aと対応付けることで、当該エリア単位(例えば階単位)で火災発生場所を特定することができる。また、各発光部10aと対応付けられた1以上の感知器1の設置場所を示す場所表示10bが、各発光部10aに対応付けて設けられている。このような構成により、建物の管理者や防災担当者は、いずれかの感知器1が火災を検知した場合に、火災報知システム10の発光部10aを視認することで、ただちに火災の発生場所を知ることができる。
【0012】
検査システム20は、検査対象機器10(火災報知システム10)の発光動作を検査するためのシステムである。火災報知システム10の発光部10aが故障などによっていざ火災が発生したときに発光しなかった場合、大変な人的被害が生じる恐れがある。このため、火災報知システム10においては、感知器1の検知信号に応答して対応する発光部10aが正常に発光することを確認するため定期的に検査することが重要である。
【0013】
検査システム20は、検知部21、通信部22、サーバー23、ユーザー端末24、及び感知器駆動器25を備える。検知部21は、発光部10aの発光状態を検知するセンサーであり、検知に応答して検知信号を出力する。検知部21は、通信部22と接続され、検知信号を通信部22に出力する。通信部22は、検知部21から受信した検知信号に基づいて検知結果を、ネットワーク2を介してサーバー23に送信する。サーバー23は、検査システム20による検査を管理するサーバーである。サーバー23は、ユーザー端末24からアクセス可能である。サーバー23は、通信部22から受信した検知結果に基づいて、検知部21の検知結果を、ネットワーク2を介してユーザー端末24に送信する。ユーザー端末24は、検査システム20を用いて火災報知システム10の検査作業を行う作業員が所持し、操作する端末である。ユーザー端末24は、サーバー23から受信した検知結果を表示することで、検知結果を作業者に通知する。感知器駆動器25は、検査作業を行う作業員が所持し、感知器1の検知動作を意図的に引き起こすための機器である。
【0014】
感知器駆動器25は、感知器1が検知する対象を発する機器である。例えば、感知器1が煙感知器である場合、感知器駆動器25は煙を発する機構を有する。感知器1が熱感知器である場合、感知器駆動器25は、ヒーターや燃焼装置などの熱を発する機構を有する。感知器駆動器25には作業員が操作するスイッチが設けられ、作業員によるスイッチ操作に応じて機構が稼働する。
【0015】
図2は、検査システム20の検知部21の一例を示す図である。この例では、検知部21は、複数の光センサー21aから構成される。光センサー21aは、少なくとも火災報知システム10の発光部10aと同数設けられ、各光センサー21aがそれぞれ異なる発光部10aの光を受光できるようになっている。各光センサー21aは、受光素子を有し、光を受光して電気信号(検知信号)を出力する。光センサー21aは、例えば、フォトトランジスタを備える照度センサーであってもよいし、RGB(赤、緑、青)の異なる色信号を出力できるカラーセンサーであってもよい。各光センサー21aは通信部22に接続される。
【0016】
図3は、光センサー21aの構成の一例を示す図である。
図3は、光センサー21aを側面から見た図である。光センサー21aは、受光素子を備える本体210aを有する。本体210aは、固定板210bに固定されており、本体210aの受光部分を遮らないように、受光部分に対応する固定板210bの部分に開口部210cが設けられている。本体201aの受光素子は、開口部210cを介して光を受光できるようになっている。また、固定板210bには、吸盤210dが固定されている。吸盤210dは、吸盤面が固定板210bを挟んで本体210aと反対側に来るように、かつ、固定板210bの開口部201cからある程度離間して受光を妨げないように、固定板201bに固定されている。また、本体210aには、本体210aで生成した電気信号(検知信号)を通信部22に送信するためのケーブル210eが設けられている。ケーブル210eは一端が本体210aに接続され、他端が通信部22に接続される。このように構成することで、開口部210cの直下に発光部10aが来るように発光部10a付近に吸盤210dを固定することで、光センサー21aが発光部10aの光を受光する姿勢で固定することができる。
【0017】
図4は、光センサー21aが火災報知システム10の発光部10a部分に固定された様子を示す図である。図示するように、各光センサー21aをそれぞれ異なる発光部10aの光を受光するように、各光センサー21aが設置される。
【0018】
図5は、検査システム20の検知部21の別の例を示す図である。この例では、検知部21は、カメラ21bから構成される。カメラ21bは、撮像素子を有し、アナログ又はデジタル方式で撮像を行う撮像機器である。カメラ21bは、撮像素子、レンズ、メモリー等、当業者にとって周知の構成を有する。この例の場合、全ての発光部10aがカメラ21bの撮像範囲に収まるように、カメラ21bの撮像方向を全発光部10aに向けて、カメラ21bが火災報知システム10の付近に設置される。
【0019】
検知部21は、電源投入後、所定のタイミング(例えば1秒ごと等の所定時間ごと)で発光部10aの発光の検知動作を行うようにするとよい。例えば、検知部21が複数の光センサー21aから構成される場合、各光センサー21aは所定時間ごとに輝度を示す輝度値やRGBの各値を検知信号として出力する。例えば、検知部21がカメラ21bである場合、カメラ21bは所定時間ごとに撮影画像を検知信号として出力する。通信部22は、検知部21により出力された検知信号をサーバー23に送信する。
【0020】
サーバー23は、通信部22を介して、所定のタイミングで検知部21が出力した検知信号を受信し、検知信号に基づいて検知結果を生成する。具体的には、サーバー23は、検知信号に基づいて発光部10aが発光したことを検知し、検知信号を出力する。例えば、検知部21が複数の光センサー21aであり検知結果が各光センサー21aから出力される輝度値である場合、いずれかの光センサー21aにおける輝度値が所定の発光閾値を超えたことを示す検知信号を受信すると、これに応答して発光部10aが発光したことを示す肯定的な検知信号を出力するとよい。また、例えば、検知結果が各光センサー21aによるRGB値である場合、いずれかの光センサー21aから所定の色(例えば、赤やオレンジ)に対応するRGB値が出力されたことを示す検知信号を受信すると、これに応答して発光部10aが発光したことを示す肯定的な検知信号を出力するとよい。また、例えば、検知部21がカメラ21bであって検知結果がカメラ21bの撮影画像である場合、画像認識処理により、基準となる撮影画像(発光部10aが発光していない状態の撮影画像)と検知信号が示す撮影画像とを比較して、いずれかの発光部10aが発光したことを認識した場合、これに応答して肯定的な検知信号を出力するとよい。
【0021】
また、サーバー23による検査動作を行う間、検知部21が発光部10aの発光を正しく検知できる位置、姿勢で、検知部21がきちんと固定されている必要がある。もし検知動作の途中で作業員の気づかぬ間に検知部21が動かされたりして発光部10aの発光を検知できなくなると、もはや検知動作の実行が困難となってしまう。例えば、検知部21が複数の光センサー21aから構成される場合、いずれかの光センサー21aが、当初取り付けていた発光部10a付近の位置から脱落してしまうと、もはや発光部10aの受光ができなくなり発光を検知できなくなってしまう。脱落は、例えば、吸盤210dにより光センサー21aを発光部10a付近に取り付けている場合に、吸盤210dが剥がれ落ちることにより光センサー21aが外れてしまうことを指す。また、検知部21がカメラ21bである場合、カメラ21bの撮像範囲が発光部10aから逸脱してしまうと、もはや発光部10aの画像認識ができなくなり発光を検知できなくなってしまう。
【0022】
そこで、サーバー23は、所定のタイミングで検知部21の検知信号を受信している間、検知部21が発光部10aの発光を検知できる位置、姿勢で固定されているか否かを判定し、検知部21が発光部10aの発光を検知できる位置、姿勢で固定されていないと判定した場合はその旨を示すエラーメッセージを生成してユーザー端末24に通知する。具体的には、検知部21が光センサー21aである場合、ある時点での全ての光センサー21aの検知信号(輝度値やRGB値)を基準値として記憶しておき、検知信号の受信ごとに、いずれかの光センサー21aの起動値やRGB値が異常値を示していないか判定する。例えば、輝度値であれば、発光部10aの発光を検知する発光閾値を超えた変化ではないがそれ未満の所定の異常知識位置を超えた輝度値変化が発生した場合に当該光センサー21aの脱落が発生したと判定できる。また、RGB値であれば、発光部10aの発光を検知する色(例えば赤やオレンジ)とは異なる色を示すRGB値に基準値から変化した場合に当該光センサー21aの脱落が発生したと判定できる。複数の光センサー21aにおける輝度値やRGB値に上記変化が発生した場合、複数の光センサー21aが脱落したと判定できるが、一方で、あまりに多くの光センサー21aが同時に脱落することは考えにくく、仮に多くの光センサー21aにおける輝度値やRGB値が同じタイミングで変化した場合は、脱落ではなく検知部21が取り付けられている環境の明るさ(例えば火災報知システム10が設置されている部屋の明るさ)に変化が生じた可能性が高い。このため、このような環境変化を光センサー21aの脱落と誤検出することを防ぐため、全ての光センサー21aのうちある一定割合以上の複数の光センサー21aにおける輝度値やRGB値が同時に上記変化を示した場合は、光センサー21aの脱落ではなく明るさの環境変化があったと判定するとよい。検知部21がカメラ21bである場合、ある時点でのカメラ21bの撮影画像を基準画像として記憶しておき、検知信号が示す撮影画像と比較し、撮影画像全体にわたって所定の変化が発生した場合、カメラ21bの撮像範囲が発光部10aから逸脱したと判定するとよい。一方、当該所定の変化程ではないが、撮影画像全体にわたって基準画像に比して輝度の変化があった場合は、明るさの環境変化があったと判定するとよい。
【0023】
図6は、検知部21が複数の光センサー21aで構成される場合における輝度値に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。検知部21は電源投入後、各光センサー21aの輝度値を検知信号として所定のタイミングで生成し、通信部22が検知信号をサーバー23に送信する(S10)。サーバー23は、まず所定の時点での受信した輝度値を基準値として記憶する(S11、S12)。その後、サーバー23は、輝度値を受信するごとに、当該輝度値と基準値を比較する。比較の結果、全ての光センサー21aのうち所定割合以上の複数の光センサー21aにおける輝度値に変化があった場合、明るさの環境変化があったと判定し(S13)、変化後の輝度値を基準値として更新する(S14)。一方、比較の結果、ある光センサー21aにおける輝度値に所定の第1閾値を超える変化があった場合、当該光センサー21aが発光したと判定して肯定的な検知信号を出力する(S15)。一方、比較の結果、上記所定割合未満の1または複数の光センサー21aにおける輝度値が所定の第2閾値を超えた場合、当該光センサー21aが脱落したと判定してエラーメッセージを出力する(S16)。ここで、第2閾値は、第1閾値よりも低い値である。
【0024】
図7は、検知部21が複数の光センサー21aで構成される場合におけるRGB値に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。検知部21は電源投入後、各光センサー21aのRGB値を検知信号として所定のタイミングで生成し、通信部22が検知信号をサーバー23に送信する(S20)。サーバー23は、まず所定の時点での受信したRGB値を基準値として記憶する(S21、S22)。その後、サーバー23は、RGB値を受信するごとに、当該RGB値と基準値を比較する。比較の結果、全ての光センサー21aのうち所定割合以上の複数の光センサー21aにおけるRGB値に変化があった場合、明るさの環境変化があったと判定し(S23)、変化後のRGB値を基準値として更新する(S24)。一方、比較の結果、ある光センサー21aにおけるRGB値が所定の発光色(例えば赤やオレンジ色)を示す場合、当該光センサー21aが発光したと判定して肯定的な検知信号を出力する(S25)。一方、比較の結果、上記所定割合未満の1または複数の光センサー21aにおけるRGB値が、上記発光色とは異なる所定の色を示す場合、当該光センサー21aが脱落したと判定してエラーメッセージを出力する(S26)。
【0025】
図8は、検知部21がカメラ21bで構成される場合における撮影画像に基づくサーバー23の判断フローの一例を示すフローチャートである。検知部21は電源投入後、カメラ21bの撮影画像を検知信号として所定のタイミングで生成し、通信部22が検知信号をサーバー23に送信する(S30)。サーバー23は、まず所定の時点での受信した撮影画像を基準画像として記憶する(S31、S32)。その後、サーバー23は、撮影画像を受信するごとに、当該撮影画像と基準画像を比較する。比較の結果、撮影画像全体のうち所定割合以上の部分において第1閾値を超える輝度の変化であって画素ごとにばらつきのある輝度の変化があった場合、カメラ21bの撮影方向が逸脱したと判定してエラーメッセージを出力する(S36)。一方、比較の結果、上記所定割以上の部分において第2閾値を超える輝度の変化であって画素ごとに均一性のある輝度の変化があった場合、明るさの環境変化があったと判定し(S33)、変化後の撮影画像を基準画像として更新する(S34)。第2閾値は、第1閾値よりも低い閾値であるとよい。一方、比較の結果、撮影画像の一部であって発光部10aに相当する部分に輝度の変化があった場合、当該光センサー21aが発光したと判定して肯定的な検知信号を出力する(S35)。
【0026】
以上のように、サーバー23は検知部21の検視信号に基づいて随時発光部10aの発光を判断して検知結果として出力する。検知結果はユーザー端末24に送信され、ユーザー端末24上に表示される。作業員がユーザー端末24上に表示された検知結果を確認することで、感知器1の駆動に応じて正常に発光部10aが発光したかどうかを検査することができる。
【0027】
図9は、ユーザー端末24がサーバー23から受信した検知結果を表示する例を示す図である。
図9に示すように、ユーザー端末24の表示部には、検査対象の発光部10aに対応するアイコンS1が表示される。アイコンS1は、火災報知システム10に備わる発光部10aと同数が、例えばタイル状に表示される。
図9に示す例では、火災報知システム10に20個の発光部10aが備わる例であり、これに対応する20個のアイコンS1が表示される。ユーザー端末24は、サーバー23から、いずれかの発光部10aの発光を示す肯定的な検知結果を受信するたびに、所定のアイコンS1から順に所定の順序でアイコンS1の表示態様を変化させる。例えば、
図9(a)に示すように、一番左上のアイコンS1から右に向かって順に、また右端のアイコンS1の表示態様を変化させたら続いて一段下がって再び左端のアイコンS1から右に向かって順に表示態様を変化させるとよい。表示態様の変化とは、例えば、アイコンS1のデフォルトの表示態様から、色を変化させる、輝度を変化させる、点滅させる、アイコンS1のサイズを拡大する、等により表示態様を変化させるとよい。このようなユーザー端末24上のアイコンS1の表示態様の変化を視認することで、作業員は発光部10aの発光を検査することができる。また一方で、ユーザー端末24は、サーバー23から上記のエラーメッセージを受信した場合は、
図9(b)に示すように、検知部21の設置状態に異常が発生し発光部10aの発光を検知できない状態にあるため現場での確認を促すメッセージS2を表示する。
【0028】
図10は、検査システム20を用いて作業員が火災報知システム10の検査を行う様子を示す図である。
図9に示すように、作業員50はまず、検知部21と通信部22とを、検知部21が発光部10aの発光を検知できる場所に設置し、検知部21と通信部22の電源を投入して検知部21による発光部10aの検知動作とサーバー23による発光を判断しての検知結果の出力処理を開始する。次に、作業員50は、ユーザー端末24と感知器駆動器25とを所持し、火災報知システム10と感知器1が設置されている施設3内において、検査を行いたい感知器1の付近まで赴く。感知器1の付近で、作業員50は、感知器駆動器25を稼働させて、意図的に感知器1に検知動作を行わせる。また、作業員50は、感知器駆動器25を駆動させることと並行して、ユーザー端末24でサーバー23にアクセス(ログイン)しておき、これにより、ユーザー端末24がサーバー23から検知結果の受信を待機する。そうすると、感知器1の感知動作に基づいて発光部10aが発光しだい、この発光を検知部21が検知し、サーバー23が検知部21からの検知信号に基づいて発光部10aの発光を判断して検知結果を出力する。ユーザー端末24はサーバー23にログインしていることで、サーバー23から検知結果を受信し、表示する。このようにすることで、作業員50は、感知器駆動器25を用いて、感知器1の検知動作に応じて対応する発光部10aが正常に発光したことを、ユーザー端末24における表示を視認することで把握することができる。以上の検査手順を施設3内の全ての感知器1に対して(すなわち、全ての発光部10aに対して)実施することで、施設3内の感知器1が全て正常に動作することを確認することができる。
【0029】
サーバー23は、検査システム20を用いて検査を行うユーザーごとに(すなわち、作業員50ごとや作業員50が属する会社などの組織ごとに)、当該ユーザーが検査を行う施設内の感知器1の設置情報の登録を受け付けて管理するよう構成されていてもよい。また、サーバー23は、各感知器1の検査の完了状態を検査ステータスとして管理するよう構成されていてもよい。
図11(a)(b)はそれぞれ、サーバー23で管理される感知器1の設置情報と検査ステータスが対応付けられたテーブルを示す図である。
図11(a)(b)に示すように、ユーザーIDごとに感知器設置情報と検査ステータスとが対応付けられている。ユーザーIDは、検査システム20を用いて検査を実施するユーザー(作業員個人、作業員が属する会社や組織、等)ごとに発行されるIDである。作業員50は、ユーザー端末24から自己のIDを使ってサーバー23にログインすることができる。感知器設置情報は、対応するユーザーIDのユーザーが検査を行う施設内の感知器1の情報である。
図11(a)に示す感知器設置情報は、例えば
図12に示すように、施設のマップMであって検査対象の複数の感知器1のアイコンS3が個々の設置位置にプロットされたマップM(レイアウト図、見取り図等)である。
図11(b)に示す感知器設置情報は、各感知器1に対応して発光する発光部10aの個数である。その他、感知器設置情報は、例えば、感知器1の個数や感知器1をリスト化したもの等であってもよい。検査ステータスは、感知器設置情報が示す検査対象の全発光部10aの検査がどの程度完了したかを示す情報である。検査ステータスは、例えば、検査対象の全発光部10aに対する検査が完了した発光部10aの数の割合を示す。サーバー23は、発光部10aが発光したことを判断して上述した肯定的な検知信号を出力するたびに、検査ステータスを更新していく。
【0030】
以上のように、作業員50は、検査を実施予定の発光部10aや対応する感知器1の設置情報をサーバー23に登録し、検査を開始する。検査においては、検知部21を火災報知システム10の発光部10a付近に設置し、
図10に示したように作業員50がユーザー端末24と感知器駆動器25を用いて発光部10aの発光動作を検査する。
図13~14は、検査システム20による検査の手順を示す図である。
【0031】
図13は、サーバー23が感知器設置情報を登録する動作を示すフローチャートである。まず、ユーザー端末24からサーバー23にログインする(ステップS40)。ユーザー端末24は、感知器設置情報の登録を行うユーザーインターフェース(UI)を有効にし、感知器設置情報の入力を受け付ける(ステップS41)。ステップS41では、例えば、上述した施設マップMや発光部10aの個数の入力を受け付ける。ステップS41において、ユーザー端末24は、受け付けた感知器設置情報をサーバー23に送信する。サーバー23は、ユーザー端末24から受信した感知器設置情報の登録を受け付け(ステップS42)、ログインされているユーザーIDと対応付けて感知器設置情報を登録する(ステップS43)。
【0032】
図14は、サーバー23へ感知器設置情報を登録した後、作業員50が検査システム20にて発光部10aの発光動作を検査する手順を示すフローチャートである。まず、ユーザー端末24からサーバー23にログインする(ステップS100)。サーバー23は、ログイン時に入力されたユーザーIDに基づきユーザー認証を行い(ステップS101)、
図11に示すテーブルを参照してユーザーIDに対応付けられた感知器設置情報を読み出し、ユーザー端末24に通知する(ステップS102)。ユーザー端末24は、感知器設置情報を受信する(ステップS103)ことで検査開始の準備が整い、サーバー23から検知結果の受信を待機する。このとき、ユーザー端末24は、
図9に示したアイコンS1を表示する(ステップS104)。アイコンS1は、受信した感知器設置情報が発光部10aの個数を示す場合は、感知器設置情報を参照して同数のアイコンS1を表示するとよい。また、受信した感知器設置情報が
図12に示すマップMである場合は、ユーザー端末24は、アイコンS1とともに又は選択的にマップMを表示して作業員50が随時視認することができるようするとよい。次に、作業員50は、駆動させる感知器1が設置された現場にて、感知器駆動器25を感知器1に近づけて感知器1を意図的に駆動させる。この一連の検査行動によって、感知器1が駆動すると、火災報知システム10の対応する発光部10aが発光することで、検査システム20の検知部21がこの発光を検知して検知信号を出力し(ステップS105)、通信部22がこの検知信号をサーバー23に送信する(ステップS106)。サーバー23は検知信号を受信すると(ステップS107)、当該信号に基づいて発光部10aの発光を判断して肯定的な検知結果を出力し、ユーザー端末24に送信する(ステップS108)。ユーザー端末24は、肯定的な検知結果を受信すると(ステップS109)、アイコンS1の表示態様を変化させて発光部10aが発光した旨を報知する(ステップS110)。サーバー23は、発光部10aが発光したことを示す肯定的な検知結果の送信に応答して、ログイン中のユーザーIDに対応する検査ステータスを更新する(ステップS111)。
【0033】
図15は、
図2~4に示したように検知部21として光センサー21aを用いる、別の態様を示す。
図4に示した例では、光センサー21aを一つずつ、一対一の関係で一つの発光部10aと対応させて配置する。これに対し、
図15に示す例では、所定の間隔をあけてマトリックス状に複数の光センサー21aを配置して構成した光センサーボード21cを用いる。光センサーボード21cは、例えば、木材や樹脂材や金属材等の板状の部材であり、一方の面において複数の光センサー21aをマトリックス状に配置(
図15の例では縦4つ、横7つの合計28個の光センサー10aを配置)してある。光センサー21a同士の配置間隔は、少なくとも、検査対象となりうる典型的な検査対象機器10における発光部10aの配置間隔以下の狭い間隔とし、全ての間隔は一定とする。各光センサー21aの配線は、集線されて通信部22と接続される。
【0034】
このような光センサーボード21cを検査対象機器10の発光部10aに対し、光センサー21aが設けられた面を発光部10a側に向けて、すき間を開けつつ重ねて配置すると(被せると)、
図16~17に示すように、光センサーボード21cと発光部10aとの位置関係に応じて、少なくとも1つのいずれかの光センサー21aが各発光部10aの発光を検知することができる。すなわち、各光センサー21aと発光部10aとの位置関係がぴったりと一対一の関係で定まらなくても、光センサーボード21cと発光部10aとの間に確保されたすき間を通って放出される発光部10aの光が、この発光部10aの近傍に位置する光センサー10aによって検知される。例えば、
図16~17の例では、左上の発光部10a(「1F南廊下」とラベルされた発光部10a)が発光した場合、光センサーボード21c内の左上の2つの光センサー21a-1と21a-2が発光を検知する。右上の発光部10a(「1F東廊下」とラベルされた発光部10a)が発光した場合、光センサーボード21c内の上部中間辺りの2つの光センサー21a-3と21a-4が発光を検知する。左中の発光部10a(「1F-2F階段」とラベルされた発光部10a)が発光した場合、光センサーボード21c内の左中の2つの光センサー21a-5と21a-6が発光を検知する。
【0035】
このように光センサーボード21c内の光センサー21aと発光部10aとの位置関係に応じた発光部10aの発光と光センサー21aの検知との間の関係(発光検知関係)を、あらかじめ把握しておくことで、感知器1の駆動に基づく光センサー21aの検知が正常であるか否かを判断し、検知結果を生成することができる。すなわち、例えば、ある発光部10aを基準として、当該発光部10aと横方向に隣接する発光部10a(横方向に一つ隣の発光部10a)と、縦方向に隣接する(縦方向に一つ隣の発光部10a)とを含めた、合計3つの発光部10aそれぞれの発光に伴って検知する光センサー21aを特定しておけば、発光する発光部10aが横方向及び縦方向それぞれに一つずれるたびにどの光センサー21aが反応して検知するかを知ることができる。このため、サーバー23は、検知結果の生成および送信(ステップS108)に先立って、上述した3つの発光部10aそれぞれの発光に伴う発光検知関係を保持し、この発光検知関係を参照して検知結果を生成する。
【0036】
図18は、サーバー23が発光検知関係を保持する手順を示すフローチャートである。まず、ユーザー端末24が、発光検知関係の入力を受け付ける(ステップS50)。ステップS50において、ユーザー端末24は、例えば
図19に示すように、光センサーボード21cを模したGUI要素25を含むGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を表示部に表示する。GUI要素25は、光センサーボード21c上の各光センサー21aと同じ位置関係で同数のGUI選択要素25aを含む。各GUI選択要素25aは作業員50により選択可能であり、上述した少なくとも3つの発光部10aそれぞれが発光した際に反応する光センサー21a(発光検知関係)を、GUI選択要素25aの選択によって特定することができる。
図19~24は、GUI要素25を通じて作業員50がGUI選択要素25aを選択することにより、発光検知関係を入力する手順を示す。
図19~20に示すように、まずGUIは、ある一つの発光部10a(例えば、最も左上の発光部10a)が発光した際に反応する光センサー21aに対応するGUI選択要素25aの選択を促す。
図20は、左上2つのGUI選択要素25a(
図17に示した光センサー21a-1、21a―2に対応するGUI選択要素25a)が選択された例を示す。次に、
図21~22に示すように、GUIは、横方向に一つ隣の発光部10aが発光した際に反応する光センサー21aに対応するGUI選択要素25aの選択を促す。
図22は、上部中間あたりの2つのGUI選択要素25a(
図17に示した光センサー21a-3、21a―4に対応するGUI選択要素25a)が選択された例を示す。次に、
図23~24に示すように、GUIは、縦方向に一つ隣の発光部10aが発光した際に反応する光センサー21aに対応するGUI選択要素25aの選択を促す。
図24は、左中2つのGUI選択要素25a(
図17に示した光センサー21a-5、21a―6に対応するGUI選択要素25a)が選択された例を示す。このように、順次GUIを遷移して、ユーザー端末24は、上述した少なくとも3つの隣接した発光部10aにおける発光検知関係の入力を受け付ける。
【0037】
ユーザー端末24は、受け付けた発光検知関係をサーバー23に送信する(ステップS51)。サーバー23は、発光検知関係を受信して(ステップS52)、内部に保持する(ステップS53)。これにより、サーバー23は、光センサー21aからの検知信号を受信するたびに、保持した発光検知関係を参照して検知結果を生成することができる。すなわち、発光検知関係により、横方向及び縦方向に一つずつ発行する発光部10aがずれるたびに、どの光センサー21aが反応するかを推定することができるため、光センサー21aからの検知信号が当該推定と合致していれば発光部10aが正常に発光した旨の肯定的な検知結果を出力し、合致していなければエラーメッセージを出力すればよい。
【0038】
サーバー23は、パーソナルコンピューター(PC)やワークステーション等のコンピューターで構成されている。
図25は、サーバー23の概略構成の一例を示すブロック図である。サーバー23は、プロセッサー231、通信回路232、記憶部233、及びバス234を有する。プロセッサー231は、コンピュータープログラム命令を実行することで通信回路232や記憶部233の制御等、各種制御を実行する。例えば、プロセッサー231は、通信回路232を介して受信した検知信号に基づき検知結果を生成する。通信回路232は、ネットワーク2を介して通信部22やユーザー端末24と通信を行う。記憶部233は、各種情報を記憶するメモリーやストレージであり、例えば、
図6~8に基づき説明した発光部10aの発光判断に用いる閾値、上述した感知器設置情報、検査ステータス、発光検知関係等を記憶する。バス234は、サーバー23内の各種コンポーネントを相互接続し、データや情報の相互通信に用いられる。
【0039】
ユーザー端末24は、スマートフォン、タブレット、PC等の可搬性のコンピューターで構成されている。
図26は、ユーザー端末24の概略構成の一例を示すブロック図である。ユーザー端末24は、プロセッサー241、通信回路242、記憶部243、入力部244、出力部245、及びバス246を有する。プロセッサー241は、コンピュータープログラム命令を実行することで通信回路242、記憶部243、入力部244、出力部245の制御等、各種制御を実行する。例えば、プロセッサー241は、通信回路242を介してサーバー23から検知結果を受信して、検知結果を出力部245から出力する制御を行ったり、入力部244を介して入力された情報を通信回路242を介してサーバー23に送信する制御を行ったりする。通信回路242は、ネットワーク2を介してサーバー23と通信を行う。記憶部243は、サーバー23から受信した感知器設置情報など各種情報を記憶するメモリーやストレージである。入力部244は、ユーザーからの入力操作を受け付けるインターフェース装置であり、キーパッドやボタン等である。出力部245は、各種情報を出力するもので、音声を出力するスピーカーや映像を表示するディスプレイ等で構成される。入力部244と出力部245とが一体となってタッチパネルを構成してもよい。
【0040】
以上のように検査システム20を構成したことにより、作業員5は、検知部21を火災報知システム10の発光部10a付近に設置し、感知器駆動器25とユーザー端末24とを持って感知器1の設置個所を巡回しるという一連の作業により発光部10aの発光動作を検査することができる。これら一連の作業は作業員5が一人でできる内容であり、検査工程全体を簡略化、省人化することができる。
【0041】
以上説明した検査システム20の構成は一例であり、種々の変形が可能である。例えば、上述した検査システム20では、通信部22が検知部21の検知部21の検知信号をサーバー23に送信し、これを受信したサーバー23が検知信号に基づいて発光部10aの発行を判断している。この構成に限らず、通信部22が検知部21の検知信号に基づき発光部10aの発行を判断するようにしてもよい。この場合、通信部21は、サーバー23と同じようにプロセッサーを備え、検知部21から受信した検知信号に基づいて、ステップS11~S16、ステップS21~S26、またはステップS31~36の処理を実行する。
図27は、変形例の検査システム20にて発光部10aの発光動作を検査する手順を示すフローチャートである。変形例では、検知部21による検知結果が出力されると(S105)、検知信号を受けた通信部22がステップS11~S16、ステップS21~S26、またはステップS31~36の判定処理を行い、肯定的または否定的な検知結果をサーバー23に送信する(S120)。サーバー23は、通信部22からの検知結果を受けて(S121)、この検知結果をそのままユーザー端末24に送信する(S122)。ユーザー端末24が検知結果の表示を行う(S109~S110)、サーバー23が検査スタータスを更新する(S110)といったことは同様である。
【0042】
以下、ステップS103~S110においてユーザー端末24の表示部に表示されるGUIの例を詳細に説明する。
図28に示すように、GUIは、検査対象の発光部10aに対応するアイコンS1を含む。GUIは、火災報知システム10に備わる発光部10aの数と同数のアイコンS1を表示するとよい。検知部21が複数の光センサー21aである場合、光センサー21aの数に対応する個数のアイコンS1を表示するとよい。
図28に示すように、アイコンS1は、1から順に番号が割り当てられ(
図28の例では1~20までの合計20個のアイコンS1)、各自割り当てられた番号が表示されるとよい。S103で受信する感知器情報に含まれる発光部10aの個数と同数のアイコンS1が表示されるとよい。
【0043】
GUI上の各アイコンS1は、それぞれ特定の発光部10aの発光に伴って当該発光を通知する。このため、各アイコンS1と発光部10aとの位置が対応付けられる。具体的には、検知部21が複数の光センサー21aである場合、通信部22は、個々の光センサー21aのうちどの発光部10aに取り付けられた光センサー21aから検知信号を受信したかを判定する。通信部22は、個々の光センサー21aに対応する複数の入力端子を有し、個々の光センサー21aはそれぞれいずれかの入力端子に接続される。各入力端子には、あらかじめ固有の識別子が割り当てられており、ユーザーによって特定の発光部10aに対応する光センサー21aが各入力端子に接続される。これにより、発光部10aと、光センサー21aと、入力端子とが一体的に対応付けられ、結果的に、検知信号を受信した入力端子を特定することで、どの発光部10aに対応する光センサー21aから検知信号を受信したかを判定することができる。例えば、入力端子#1を通じて検知信号を受信した場合、#1の発光部10aに対応する#1の光センサー21aから検知信号を受信したことを検知できる。通信部22がサーバー23に送信する検知信号は、発光した発光部10aを識別する識別子(すなわち、検知信号を送出した光センサー21aが接続された入力端末を識別する識別子)を含む(S106)。
【0044】
また、検知部21がカメラ21bである場合、通信部22は、カメラ21bの撮影画像を画像認識することで、複数の発光部10aのうちどの発光部10aが発光したかを判定する。通信部22は、画像認識により撮影画像の中から発光動作を検知した位置を特定し、この位置に応じてどの発光部10aが発光したかを判定する。例えば、火災報知システム10上の複数の発光部10aの夫々の位置を登録しておき、カメラ21bの撮影画像の中から発光動作した発光部10aの位置を特定し、この特定位置から最も近い位置にある発光部10aが発光したことを判定するとよい。通信部22がサーバー23に送信する検知信号は、発光した発光部10aを識別する識別子を含む(S106)。
【0045】
サーバー23が送信する肯定的な検知結果は、通信部22から受信した検知信号に含まれる識別子(発光した発光部10aを識別する識別子)を含む(S108)。
【0046】
ユーザー端末24は、サーバー23から受信した肯定的な検知結果に含まれる識別子に応じて、特定するアイコンS1で発光の通知を行う(S109、S110)。このために、ユーザー端末24において、あらかじめ、検知結果に含まれる識別子とアイコンS1との対応付けがなされている。ユーザー端末24は、識別子とアイコンS1の番号とを対応付けたテーブルを保持する。
図29は、識別子とアイコンS1の番号とを対応付けたテーブルT1の例を示す。各アイコンS1は固有の識別子と対応付けられており、ユーザー端末24は、テーブルT1を参照して、検知結果に含まれる識別子に応じて対応する番号のアイコンS1で通知を行う。
図28に示す例では、例えば、検知結果に識別子「003」が含まれていた場合、これは識別子003に対応する発光部10aが発光したことを意味し、識別子003に対応付けられた番号「3」のアイコンS1で当該発光の通知が行われる。
【0047】
ユーザー端末24は、復旧通知機能を有していてもよい。復旧通知機能は、いったん発光した発光部10aが発光状態から復旧したことを通知する機能である。すなわち、いったん感知器駆動器25を使って感知器1を作動させて対応する特定の発光部10aが発光させると、その後、感知器1はしばらく感知を続け、対応する発光部10aの発光状態が継続する。その後、感知器1が感知しなくなると、対応する発光部10aは消灯し、再度検査することが可能となる。サーバー23は、特定の識別子を含む肯定的な検知結果を送信した後(S108)、当該識別子を有する検知信号の受信状態を一定期間内監視する。サーバー23が当該識別子を有する検知信号が受信し続けている(S107)間は、当該識別子に対応する発光部10aが発光状態のままである。一定期間内に当該識別子を有する検知信号を受信しなくなると、サーバー23は、対応する発光部10aが消灯したと判断し、当該発光部10aが発光状態から復旧したことを示す検知信号(復旧検知信号)をユーザー端末24に送信する(S108)。復旧検知信号は、識別子を含む。ユーザー端末24は、復旧検知信号を受信すると、同信号に含まれる識別子に対応するアイコンS1において復旧したことを通知する(S110)。
図30は、ユーザー端末24における復旧通知の一例を示す図である。
図30に示すように、ユーザー端末24は、表示中のGUI上において、受信した復旧検知信号が示す識別子に対応するアイコンS1の表示態様を変化させる。
図30の例では、「復旧」という文字が当該アイコンS1に表示される。
【0048】
GUIにおいて、各アイコンS1は選択可能に構成され、任意のアイコンS1の選択に応じて、選択されたたアイコンS1の設定ができるようにしてもよい。
図31に示すように、アイコンS1の選択に応じて、選択されたアイコンS1に関連付けられたメニューM1が表示される。メニューM1は、選択可能なメニューボタンを含む。
図31に示す例では、発信設定用メニューボタンM11と、トラブル設定用メニューボタンM12と、復旧通知設定用メニューボタンM13と、復旧通知無効用メニューボタンM14とが含まれている。発信機設定メニューボタンM11は、当該アイコンS1に対応する発光部10aを「発信機」の発光部として設定するためのメニューボタンである。これは、火災報知システム10の発光部10aの中に、感知器1の検知信号に対応して発光するものではなく、感知器1とは別に火災報知システム10に接続された発信機からの発信信号に応じて発光する発光部がある場合であって、この発光部の発光を検査対象から除外するための設定に使用される。発信機設定メニューボタンM11が選択されると、当該アイコンS1に対応する発光部の発光は、発光の検知としては扱われない。発信機設定メニューボタンM11の選択に応じて、当該アイコンS1は、
図32に示すように、番号の表示から「発信機」を表す表示に切り替わるとよい(
図32の例では、番号「3」が割り当てられていたアイコンS1が、発信機を示す「H」に表示が切り替わっている)。トラブル設定メニューボタンM12は、当該アイコンS1に対応する発光部10aを「トラブル発生」の発光部として設定するためのメニューボタンである。これは、火災報知システム10の発光部10aの中に、感知器1の検知信号に対応して発光するものではなく、火災報知システム10のトラブル(例えば、火災報知システム10と感知器1との接続線に生じる断線など)が発生した際に発光する発光部がある場合であって、この発光部の発光を検査対象から除外するための設定に使用される。トラブル設定メニューボタンM12が選択されると、当該アイコンS1に対応する発光部の発光は、発光の検知としては扱われない。トラブル設定メニューボタンM12の選択に応じて、当該アイコンS1は、
図32に示すように、番号の表示から「トラブル」を表す表示に切り替わるとよい(
図32の例では、番号「15」が割り当てられていたアイコンS1が、トラブルを示す「T」に表示が切り替わっている)。このように、感知器1の検知信号に応じて発光するものとは関係のない発光部が発光部10aに含まれている場合に、そのような無関係な発光部をGUI上で設定しておき、検査対象から外すことができる。
【0049】
復旧通知設定用メニューボタンM13および復旧通知無効用メニューボタンM14は、当該アイコンS1に対応する発光部10aについて上述した復旧通知機能を有効または無効(ON/OFF)するためのメニューボタンである。アイコンS1について復旧通知機能が無効である状態で、復旧通知設定メニューボタンM13が選択されると、当該アイコンS1に対応する発光部10aに対して復旧通知機能が有効となる。アイコンS1について復旧通知機能が有効になっている状態で、復旧通知無効メニューボタンM14が選択されると、当該アイコンS1に対応する発光部10aに対して復旧通知機能が無効となる。アイコンS1について復旧通知機能が無効に設定されると、ユーザー端末24は、サーバー23に対して復旧通知機能を停止する旨の復旧通知機能停止信号を送信する。復旧通知機能停止信号は、当該アイコンS1に対応する識別子を含む。復旧通知機能停止信号を受けて、サーバー23は、復旧通知機能停止信号に含まれる識別子から復旧検知信号は送信しないようにする。すなわち、サーバー23は、当該識別子を有する検知信号の受信を開始してから受信しなくなるまでの監視を行うことを停止する。
【0050】
以下、検査システム20の変形例や拡張例について説明する。
(1)カメラ映像のキャプチャー送信
ステップS108にて検知信号を送信する際、サーバー23は、火災報知システム10の発光部10aの周辺のカメラ映像をユーザー端末24に送信するようにしてもよい。検知部21としてカメラ21bを使用している場合、サーバー23は、カメラ21bの撮像画像に基づき画像認識により発光部10aの発光を認識した時点における撮像画像をユーザー端末24に送信する(S108)。検知部21として光センサー21aを使用している場合は、光センサー21aとは別にカメラ(別途カメラ)をサーバー23に接続し、発光部10a周辺を撮像範囲として配置する。サーバー23は、光センサー21aにより発光部10aの発光を検知した時点の撮像画像を別途カメラから取得し、ユーザー端末24に送信する(S108)。例えば、火災報知システム10には、
図33に示すように、発光部10aの近くに各種情報を表示するディスプレイが備わっていることがあり、この場合、このディスプレイをカメラの撮影範囲に含めるようにするとよい。ユーザー端末24は、検知信号と共に撮像画像を受信し(S109)、受信した撮像画像をGUIに表示にするとよい(S110)。
(2)接点出力
サーバー23は、放送装置といった外部の設備機器に制御信号を送信する外部インターフェースを備え、ステップS107にて検知信号を受信することに応答して外部インターフェースから制御信号を送信し、設備機器を作動させるようにしてもよい。この場合、ステップS107にて検知信号を受信することに応答して接点出力端子をメイクするようにしてもよい。外部インターフェースは、例えば、機械式リレーや半導体リレー等を使用した接点を有する接点出力端子であり、設備機器の接点入力端子に接続されるようにしてもよい。その他、外部インターフェースは無線LANやBluetooth等に規格に準拠した無線回路であり、設備機器も同様に無線回路を備えて、サーバー23から設備機器へ制御信号を無線伝送するようにしてもよい。また、サーバー23は、ステップS107にて受信した検知信号に含まれる識別子が予め定めた所定の識別子である場合にのみ、外部インターフェースから制御信号を送信するようにしてもよい。
また、通信部22も同様に、外部の設備機器に制御信号を送信する外部インターフェースを備え、検知部21からの検知信号を受信することに応答して外部インターフェースを介して制御信号を送信し、設備機器を作動させるようにしてもよい。ステップS105での検知結果の出力に並行して、通信部22は外部インターフェースから制御信号を送信するとよい。設備機器の一例として、非常ベルがある。
図34に示すように、火災報知システム10に接続されている非常ベル40の一端を通信部22に接続し、発光検知に伴って通信部22が非常ベル40に対して制御信号を送信して鳴動させるようにするとよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように本発明は、火災発生などのイベント報知用の発光手段の発光検査を簡略化、省人化することができる点で有用である。
【符号の説明】
【0052】
1 感知器
2 ネットワーク
3 施設
10 火災報知システム
10a 発光部
10b 場所表示
21 検知部
22 通信部
23 サーバー
24 ユーザー端末
25 感知器駆動器