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特許7628346Excel(登録商標)ファイルのロードによるテスト方法、システム及び装置
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  • 特許-Excel(登録商標)ファイルのロードによるテスト方法、システム及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-01-31
(45)【発行日】2025-02-10
(54)【発明の名称】Excel(登録商標)ファイルのロードによるテスト方法、システム及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20250203BHJP
   G01M 17/007 20060101ALN20250203BHJP
【FI】
G06F11/36 184
G01M17/007 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023547915
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2022116978
(87)【国際公開番号】W WO2023093198
(87)【国際公開日】2023-06-01
【審査請求日】2023-08-08
(31)【優先権主張番号】202111447914.9
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522308967
【氏名又は名称】シャンハイ トサン テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Shanghai TOSUN Technology Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ チュ
(72)【発明者】
【氏名】シェ ユェイン
(72)【発明者】
【氏名】ムォ マン
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-218496(JP,A)
【文献】特開平07-306801(JP,A)
【文献】特開2014-115884(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107729243(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106874207(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M17/00-17/10
G06F 8/00-8/38
8/60-8/77
9/44-9/445
9/451
11/07
11/28-11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータソフトウェア製品としてコンピュータ装置に実行させるExcelファイルのロードによるテスト方法であって、
Excelテストケースを編集することと、
前記Excelテストケースに基づいてテストを行うことと、を含み、
前記Excelテストケースを編集する方法は、
テストケースの閲覧及び編集装置によってExcelファイルを作成し、前記Excelファイルをロードし、テスト担当者に前記テストケースの詳細情報を表示し、且つ前記テストケースを編集し、
Excelプログラムを起動するときに、前記テストケースの閲覧及び編集装置により作成された前記Excelファイルを開き、前記Excelファイルの各シートは一つの前記テストケースであり、各前記テストケースには、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ及び注釈を含み、
前記ExcelファイルにおけるExcelテストステップ列は、前記テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel名称列は、前記ステップの表示名称を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel説明列は、前記ステップの説明文を定義し、該説明文は前記テストケースの閲覧及び編集装置に表示され、
前記ExcelファイルにおけるExcel実行動作列は、前記ステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel操作内容列は、前記ステップが実行する操作の内容を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcelパラメータ列は、前記ステップを実行するために必要となるパラメータの情報を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcel注釈列は、前記ステップの注釈情報を定義することを、
特徴とするExcelファイルのロードによるテスト方法。
【請求項2】
前記Excelテストケースに基づいてテストを行う方法は、
前記テストケースのアクチュエータによって前記Excelテストケースを実行し、前記Excelテストケースを実行する過程においてテスト結果をExcel結果ファイルに書き込んでテスト報告を生成し、
前記テストケースのアクチュエータは、動作の過程において、(1)前記Excelファイルの内容をロードして表示し、(2)一つずつテストケースを実行、(3)テスト結果を表示、テスト報告を生成、の順に実行し、
前記Excelテストケースの前記テストが終了した後、Excelプログラムが起動した後に前記テスト報告を表示し、テスト報告ファイルは複数の前記シートを含み、各前記シートは一つの前記テストケースの報告に対応し、
各前記報告は、テスト結果、前記テストステップ、前記名称、前記説明、前記実行動作、前記操作内容、前記パラメータ、及び前記注釈を含むことを、
特徴とする請求項に記載のExcelファイルのロードによるテスト方法。
【請求項3】
前記報告におけるテスト結果列は現在のテストステップに対する判定を含み、判定内容はOK、NOK、COKを含み、
前記報告におけるExcelテストステップ列は、現在の前記テストケースの前記ステップを識別する情報をステップ順に定義し、
前記報告におけるExcel名称列は、前記ステップの表示名称を定義し、
前記報告において、Excel説明列は、テストケースの閲覧及び編集装置に表示される前記ステップの説明文を定義し、
前記報告において、Excel実行動作列は、前記ステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、
前記報告において、Excel操作内容列は、前記ステップが実行する操作の内容を定義し、
前記報告において、Excelパラメータ列は、前記ステップを実行するために必要となる前記パラメータの情報を定義し、
前記報告において、Excel注釈列は、前記ステップの注釈情報を定義することを、
特徴とする請求項に記載のExcelファイルのロードによるテスト方法。
【請求項4】
前記テストケースの実行分類は、実行動作分類、操作内容分類、及びパラメータ分類を含み、
前記実行動作分類は、前記テストステップの定義、テスト変数の定義、関数の呼び出し及びエラーコードの返り、前回の前記エラーコードの検査、及び変数範囲の検査及び前記エラーコードの返りを含み、
前記操作内容分類及び前記パラメータ分類における内容は、前記実行動作分類における項目と一対一に対応することを、
特徴とする請求項に記載のExcelファイルのロードによるテスト方法。
【請求項5】
前記テストステップの定義は一つの文字列により表現され、該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された前記ステップの文字列と同じであれば、該文字列に対応する行が前記テストステップの定義であると判別し、この時、“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容が有効となり、内容が予め設定された文字列と異なる場合、“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容は無効となり、空白として扱われ、
前記テストステップを定義する動作に対応する操作内容は、一般ステップ及びテスト終了ステップを含み、
前記一般ステップは従来の前記テストステップであり、テストプロセスがエラー又は他の原因により早期に終了する場合、全ての前記一般ステップをスキップし、前記テスト終了ステップを直接実行し、前記テスト終了ステップは全ての前記テストステップの最後にあり、
前記テストステップを定義する動作に対応する前記パラメータが存在しない場合、空白として扱われ、
前記テスト変数を定義する動作は一つの文字列であり、該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された変数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行が変数の定義であると判別し、且つ該行の他の情報に基づいて新たな前記変数を申請し、
前記テスト変数を定義する動作に対応する前記操作内容は変数名称であり、任意の特徴付け識別子の文字列を入力し、定義された前記変数名称とし、
前記テスト変数を定義する動作に対応する前記パラメータは、二つのフィールドを含む一つの文字列であり、該文字列は変数タイプ及び初期値であり、前記フィールド間は文字“|”によって隔てられ、
前記関数の呼び出し及び前記エラーコードの返し動作は一つの文字列であり、該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された関数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行はテストシステム関数呼び出しであると認識し、前記テストシステムは関数名に基づいて対応する関数を検索し且つ該行に定義された前記パラメータに基づいて該関数を呼び出し、
前記関数の呼び出し及び前記エラーコードの返し動作に対応する前記操作内容は前記関数名であり、
前記関数の呼び出し及び前記エラーコードの返し動作に対応する前記パラメータは、0個又は複数の前記フィールドを含む一つの文字列であり、各前記フィールドは一つのパラメータ値に対応し、前記フィールドと前記フィールドとの間は文字“|”で区切られ、
前回のエラーコード検査動作は一つの文字列であり、該文字列を読み取るとき、読み取った内容がプリセット検査文字列と同じであれば、該文字列に対応する行が前記エラーコード検出操作であると識別し、エラーが検出された後、該行の前記操作内容の定義に基づき、エラー情報を特定の変数に書き込むか、前記テストプロセスを中止するかを選択し、
前記前回のエラーコード検査動作に対応する前記操作内容は、変数の設定、及び前記テストの中止を含み、
前記変数の設定は、前記テストがエラーに遭遇した後、前記エラー情報を対応する変数に書き込み、前記テストが引き続き行われることを示しており、前記テストの中止は、前記テストがエラーに遭遇した後、前記テストを直ちに終了し、前記テスト終了ステップに移行し続行することを示しており、
前記前回のエラーコード検査動作に対応する前記パラメータは、前記操作内容が前記変数の設定である場合のみ有効であり、書き込む必要がある前記変数名称を示し、前記操作内容が前記テストの中止である場合、該パラメータを格納するセルは空白として扱われ、
前記変数範囲の検査及び前記エラーコードの返し動作は一つの文字列であり、該文字列を読み取るとき、読み取った内容が予め設定された変数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行は一つの検出変数のテスト判定であると識別し、検出の上下限及び対応する変数は該行の他の列で定義され、
前記変数範囲の検査及び前記エラーコードの返し動作に対応する前記操作内容は、検出された変数名称であり、
前記変数範囲の検査及び前記エラーコードの返し動作に対応する前記パラメータは、2つの前記フィールドを含む一つの文字列であり、前記2つのフィールドはそれぞれ低閾値と高閾値に対応しており、前記低閾値と前記高閾値はそれぞれ一つのパラメータ値に対応し、前記フィールドと前記フィールドとの間は文字“|”で区切られることを、
特徴とする請求項に記載のExcelファイルのロードによるテスト方法。
【請求項6】
編集モジュールを含み、Excelテストケースを編集し、
テストモジュールを含み、Excelテストケースに対してテストを行うことを、含み、
前記Excelテストケースを編集する方法は、
テストケースの閲覧及び編集装置によってExcelファイルを作成し、前記Excelファイルをロードし、テスト担当者に前記テストケースの詳細情報を表示し、且つ前記テストケースを編集し、
Excelプログラムを起動するときに、前記テストケースの閲覧及び編集装置により作成された前記Excelファイルを開き、前記Excelファイルの各シートは一つの前記テストケースであり、各前記テストケースには、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ及び注釈を含み、
前記ExcelファイルにおけるExcelテストステップ列は、前記テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel名称列は、前記ステップの表示名称を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel説明列は、前記ステップの説明文を定義し、該説明文は前記テストケースの閲覧及び編集装置に表示され、
前記ExcelファイルにおけるExcel実行動作列は、前記ステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel操作内容列は、前記ステップが実行する操作の内容を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcelパラメータ列は、前記ステップを実行するために必要となるパラメータの情報を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcel注釈列は、前記ステップの注釈情報を定義することを、
特徴とするExcelファイルのロードによるテストシステム。
【請求項7】
Excelテストケース編集モジュール、Excelテストケース実行モジュール及びExcelテストケースの実行動作分類モジュールを含み、
前記Excelテストケース編集モジュールは、Excelテストケースを編集することに実行し
前記Excelテストケースの実行動作分類モジュールは、前記Excelテストケース実行モジュールが実行するテスト操作を定義することに実行し
前記Excelテストケース実行モジュールは、定義された前記テスト操作に基づいて前記Excelテストケースに対してテストを行うことに実行し、
前記Excelテストケースを編集する方法は、
テストケースの閲覧及び編集装置によってExcelファイルを作成し、前記Excelファイルをロードし、テスト担当者に前記テストケースの詳細情報を表示し、且つ前記テストケースを編集し、
Excelプログラムを起動するときに、前記テストケースの閲覧及び編集装置により作成された前記Excelファイルを開き、前記Excelファイルの各シートは一つの前記テストケースであり、各前記テストケースには、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ及び注釈を含み、
前記ExcelファイルにおけるExcelテストステップ列は、前記テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel名称列は、前記ステップの表示名称を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel説明列は、前記ステップの説明文を定義し、該説明文は前記テストケースの閲覧及び編集装置に表示され、
前記ExcelファイルにおけるExcel実行動作列は、前記ステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、
前記ExcelファイルにおけるExcel操作内容列は、前記ステップが実行する操作の内容を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcelパラメータ列は、前記ステップを実行するために必要となるパラメータの情報を定義し、
上記ExcelファイルにおけるExcel注釈列は、前記ステップの注釈情報を定義することを、
特徴とするExcelファイルのロードによるテスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車テストシステム技術分野に属し、具体的にはExcelファイルのロードによるテスト方法、システム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なテストシステムは、テストシステムの動作環境及びテストスクリプトという二つの構成要素に大別され、このうち、テストスクリプトはテスト担当者がテストの要件に応じて任意に編集することができる。一般的なテストスクリプトは、C言語、C#、Python、VB Scriptなどの特定のプログラミング言語で実装される。
【0003】
テストスクリプトにおいて、テスト担当者はテストロジック及びテストパラメータを定義することができる。この二つはテストの要件に基づいて作成し、変更する必要がある場合、一般的にはテストシステムの開発者が関与する必要があり、テストスクリプトの編集及びコンパイルにより対応する。従って、テストスクリプトの編集にはスクリプトとして記述されているプログラムコードの修正を伴い、これはテストシステムの開発とプログラムの開発とが緊密に結びついていることを示している。また、スクリプトの修正が専門のエンジニアに依存し、その結果、テストロジックとテストパラメータの修正効率が低くなるという問題を引き起こす。
上記の技術的問題を解決するため、Excelファイルのロードによる新たなテスト方法、システム及び装置を設計する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、Excelファイルのロードによるテスト方法、システム及び装置を提供することである。
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明はExcelファイルのロードによるテスト方法を提供し、以下を含む:
Excelテストケースを編集すること、及び、
上記Excelテストケースに対してテストを行うこと。
【0006】
さらに、上記Excelテストケースを編集する方法は以下を含む:
テストケースの閲覧及び編集装置によってExcelファイルを作成し、上記Excelファイルをロードし、テスト担当者に上記テストケースの詳細情報を表示し、且つ上記テストケースを編集する。
Excelプログラムを起動するときに、上記テストケースの閲覧及び編集装置により作成された上記Excelファイルを開き、上記Excelファイルの各シートは一つの上記テストケースであり、各上記テストケースには、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ及び注釈を含む。
【0007】
さらに、上記ExcelファイルにおけるExcelテストステップ列は、上記テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義する。
上記ExcelファイルにおけるExcel名称列は、上記ステップの表示名称を定義する。
上記ExcelファイルにおけるExcel説明列は、上記ステップの説明文を定義し、該説明文は上記テストケースの閲覧及び編集装置に表示される。
上記ExcelファイルにおけるExcel実行動作列は、上記ステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義する。
上記ExcelファイルにおけるExcel操作内容列は、上記ステップが実行する操作の内容を定義する。
上記ExcelファイルにおけるExcelパラメータ列は、上記ステップを実行するために必要となるパラメータの情報を定義する。
上記ExcelファイルにおけるExcel注釈列は、上記ステップの注釈情報を定義する。
【0008】
さらに、上記Excelテストケースに基づいてテストする方法は以下を含む:
上記テストケースのアクチュエータによって上記Excelテストケースを実行し、該Excelテストケースを実行する過程においてテスト結果をExcel結果ファイルに書き込んでテスト報告を生成する。
上記テストケースのアクチュエータは、動作の過程において、(1)Excelファイルの内容をロードして表示し、(2)一つずつテストケースを実行し、(3)テスト結果を表示し、上記テスト報告を生成する。
上記Excelテストケースの上記テストが終了した後、Excelプログラムが起動した後に上記テスト報告を表示する。テスト報告ファイルは、複数の上記シートを含み、各上記シートは一つの上記テストケースの報告に対応する。
各上記報告は、テスト結果、上記テストステップ、上記名称、上記説明、上記実行動作、上記操作内容、上記パラメータ、及び上記注釈を含む。
【0009】
さらに、上記報告におけるテスト結果列は現在のテストステップに対する判定を含み、判定内容はOK、NOK、COKを含む。
上記報告におけるExcelテストステップ列は、現在の上記テストケースの上記ステップを識別する情報をステップ順に定義する。
上記報告におけるExcel名称列は上記ステップの表示名称を定義する。
上記報告において、Excel説明列は、上記テストケースの閲覧及び編集装置に表示される上記ステップの説明文を定義する。
上記報告において、Excel実行動作列は、上記ステップで上記テストシステムが実行する特定の動作を定義する。
上記報告において、Excel操作内容列は、上記ステップが実行する操作の内容を定義する。
上記報告において、Excelパラメータ列は、上記ステップを実行するために必要となる上記パラメータの情報を定義する。
上記報告において、Excel注釈列は、上記ステップの注釈情報を定義する。
【0010】
さらに、上記テストケースの実行分類は、実行動作分類、操作内容分類、及びパラメータ分類を含む。
上記実行動作分類は以下を含む:上記テストステップを定義すること、テスト変数を定義すること、関数を呼び出してエラーコードを返すこと、前回の前記エラーコードを検査すること、変数範囲を検査してエラーコードを返すこと。
上記操作内容分類及び上記パラメータ分類における内容は、上記実行動作分類における項目と一対一に対応する。
【0011】
さらに、上記テストステップの定義は一つの文字列として表現され、該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された上記ステップの文字列と同じであれば、該ステップに対応する行が上記テストステップの定義であると判別し、この時“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容が有効となる。内容が予め設定された文字列と異なる場合、“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容は無効となり、空白と同様に扱われる。
上記テストステップを定義する動作に対応する操作内容は、一般ステップ及びテスト終了ステップを含む。
上記一般ステップは従来の上記テストステップである。テストプロセスがエラー又は他の原因により早期に終了する場合、全ての上記一般ステップをスキップし、上記テスト終了ステップを直接実行し、上記テスト終了ステップは全ての上記テストステップの最後にある。
上記テストステップを定義する動作に対応する上記パラメータが存在しない場合、空白と同様の扱いとなる。
上記テスト変数を定義する動作は一つの文字列であり、該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された変数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行が変数の定義であると判別し、且つ該行の他の情報に基づいて新たな上記変数を取得する。
上記テスト変数を定義する動作に対応する上記操作内容は変数名称であり、上記操作内容の特徴を識別する任意の文字列が入力され、定義された上記変数名称とする。
上記テスト変数を定義する動作に対応する上記パラメータは、二つのフィールドを含む一つの文字列であり、該文字列は変数タイプ及び初期値である。上記フィールド間は文字“|”によって隔てられている。
上記関数の呼び出し及び上記エラーコードの返し動作は一つの文字列である。該文字列を読み取るとき、その内容が予め設定された関数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行はテストシステム関数呼び出しであると認識し、上記テストシステムは関数名に基づいて対応する関数を検索し且つ該行に定義された上記パラメータに基づいて該関数を呼び出す。
上記関数の呼び出し及び上記エラーコードの返し動作に対応する上記操作内容は上記関数名である。
上記関数の呼び出し及び上記エラーコードの返し動作に対応する上記パラメータは、0個又は複数の上記フィールドを含む一つの文字列であり、各上記フィールドは一つのパラメータ値に対応し、上記フィールドと上記フィールドとの間は文字“|”で区切られる。
前回のエラーコード検査動作は一つの文字列である。該文字列を読み取るとき、読み取った内容がプリセット検査文字列と同じであれば、該文字列に対応する行が上記エラーコード検出操作であると識別する。エラーが検出された後、該行の上記操作内容の定義に基づき、エラー情報を特定の変数に書き込むか、上記テストプロセスを中止するかを選択する。
前回のエラーコード検査動作に対応する上記操作内容は、変数の設定、及び上記テストの中止を含む。
上記変数の設定は、上記テストがエラーに遭遇した後、上記エラー情報を対応する変数に書き込み、上記テストが引き続き行われることを示す。上記テストの中止は、上記テストがエラーに遭遇した後、上記テストを直ちに終了し、上記テスト終了ステップに移行して続行することを示す。
前回のエラーコード検査動作に対応する上記パラメータは上記操作内容が変数の設定である場合のみ有効であり、書き込む必要がある上記変数名称を示す。上記操作内容がテストの中止である場合、この上記パラメータセルは空白として扱われる。
上記変数範囲の検査及び上記エラーコードの返し動作は一つの文字列である。該文字列を読み取るとき、読み取った内容が予め設定された変数文字列と同じであれば、該文字列に対応する行は一つの検出変数のテスト判定であると識別し、検出の上下限及び対応する変数は該行の他の列で定義される。
上記変数範囲の検査及び上記エラーコードの返し動作に対応する上記操作内容は検出された変数名称である。
上記変数範囲の検査及び上記エラーコードの返し動作に対応する上記パラメータは2つの上記フィールドを含む一つの文字列であり、上記2つのフィールドはそれぞれ低閾値と高閾値に対応し、前記低閾値と前記高閾値はそれぞれ一つのパラメータ値に対応し、フィールドとフィールドとの間は文字“|”で区切られる。
【0012】
第二態様では、本発明はさらにExcelファイルのロードによるテストシステムを提供し、以下を含む:
編集モジュールであって、Excelテストケースを編集するもの、及び、
テストモジュールであって、Excelテストケースに対してテストを行う。
【0013】
第三態様では、本発明はさらにExcelファイルのロードによるテスト装置を提供し、以下を含む:
Excelテストケース編集モジュール、Excelテストケース実行モジュール及びExcelテストケースの実行動作分類モジュールである。
上記Excelテストケース編集モジュールは上記Excelテストケースを編集することに適する。
上記Excelテストケースの実行動作分類モジュールは、Excelテストケース実行モジュールが実行するテスト操作を定義することに適する。
上記Excelテストケース実行モジュールは、定義された上記テスト操作に基づいて上記Excelテストケースに対してテストを行うことに適する。
【0014】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明は、Excelテストケースを編集すること、及びExcelテストケースに基づいたテストを実行することにより、テストスクリプトをExcelファイルにより実装することを実現した。テストスクリプトを修正するには、Excelファイルを修正するだけでよい。これにより、スクリプトを修正する際、プログラムを頻繁に修正することを回避し、テストシステムのパラメータ制御性を向上させることができる。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点は、後述する明細書で説明され、本発明の一部は明細書から明らかであり、または、本発明を実施することによって理解される。本発明の目的及び他の利点は、本明細書及び図面において特に記載された構成によって達成され、得られる。
本発明の上述の目的、特徴、及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に、より良い実施例を特定し、図面とともに以下のように詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は具体的な実施形態又は従来技術の説明に用いる必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明のExcelファイルのロードによるテスト方法のフローチャートである。
図2】本発明のExcelテストケースの編集原理概略図である。
図3】本発明のExcelテストケースの動作原理概略図である。
図4】本発明のExcelテストケースの実行動作分類の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下は図面を参照して本発明の技術的解決手段を明瞭、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明に含まれる実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者は創造的な労力を要しない範囲で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0018】
図1に示すように、本実施例はExcelファイルのロードによるテスト方法を提供し、Excelテストケースを編集すること、及びExcelテストケースに対してテストを行うことを含む。従来のテストプログラムの可読性、編集可能性が低いという技術的問題を解決し、テストスクリプトをExcelファイルによって実現する。テストスクリプトを修正する場合、Excelファイルだけを修正すればよいため、スクリプトを修正する過程でプログラムを頻繁に修正することを回避し、テストシステムのパラメータ制御性を向上させることができる。従来のテストシステムにおける煩雑なスクリプト開発及び修正作業をExcelファイルの参照、編集作業に一般化し、テスト担当者がExcel上でテストスクリプトを作成及び修正することができる。このため、テスト担当者は特定のプログラミング言語を理解している必要がなく、これにより、テストシステムの開発及びテストスクリプトの開発をデカップリングし、テストスクリプトの開発効率を向上させ、テストスクリプトの開発難易度を低下させることができる。本発明のテストシステムを使用すれば、テスト担当者のプログラミングレベルの習熟度への依存性を低減させることができる。
【0019】
図2に示すように、本実施例において、上記Excelテストケースを編集する方法は以下を含む:(1)テストケースの閲覧及び編集装置によってExcelファイルを作成し、(2)Excelファイルをロードし、テストケースの詳細情報をテスト担当者に表示し、テストケースを編集する。なお、Excelプログラムはテスト担当者がテストケースを編集するために用いられる。(3)Excelプログラムを起動するときに、テストケース閲覧及び編集装置によって作成されたExcelファイルを開き、Excelファイルの各シートは一つのテストケースである。各テストケースには、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ及び注釈を含む。
【0020】
本実施例において、上記ExcelファイルにおけるExcelテストステップ列は、テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義し、例えば“1”、“2”、“1.1”、“1.2”等である。上記ExcelファイルにおけるExcel名称列は該ステップの表示名称を定義し、例えば“Test Step 1”、“Power Up”等である。上記ExcelファイルにおけるExcel説明列はステップの説明文を定義し、該説明文はテストケースの閲覧及び編集装置に表示される。上記ExcelファイルにおけるExcel実行動作列はステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、この動作の具体的な内容は図4の通りである。上記ExcelファイルにおけるExcel操作内容列はステップが実行する操作の内容を定義し、この情報の具体的な内容は図4の通りである。上記ExcelファイルにおけるExcelパラメータ列はステップを実行するために必要となるパラメータ情報を定義し、この情報の具体的な内容は図4の通りである。上記ExcelファイルにおけるExcel注釈列は現在のステップの注釈情報を定義する。
【0021】
図3に示すように、本実施例において、上記Excelテストケースに基づいてテストを行う方法は以下を含む:テストケースのアクチュエータによってExcelテストケースを実行し、該Excelテストケースの実行中にテスト結果をExcel結果ファイルに書き込んでテスト報告を生成する。テストが終了した後、ユーザーはExcelプログラムを開いてテスト報告を見ることができる。テストケースのアクチュエータの動作過程において次の順序で処理が実行される:(1)Excelファイルの内容をロードして表示、(2)一つずつテストケースを実行(3)、テスト結果を表示、テスト報告を生成。Excelテストケースのテストが終了した後、Excelプログラムが起動した後にテスト報告を表示する。テスト報告ファイルは、複数のシートを含み、各シートは一つのテストケースの報告に対応する。各報告は以下を含む:テスト結果、テストステップ、名称、説明、実行動作、操作内容、パラメータ、及び注釈。
【0022】
本実施例において、上記報告におけるテスト結果列は現在のテストステップに対する判定を含み、判定内容はOK、NOK、COKなどを含む。上記報告におけるExcelテストステップ列は、現在の前記テストケースのステップを識別する情報をステップ順に定義し、例えば“1”、“2”、“1.1”、“1.2”等である。上記報告におけるExcel名称列は該ステップの表示名称を定義し、例えば“Test Step 1”、“Power Up”等である。上記報告におけるExcel説明列は現在のステップの説明文を定義し、該説明文はテストケースの閲覧及び編集装置に表示される。上記報告におけるExcel実行動作列はステップでテストシステムが実行する特定の動作を定義し、この動作の具体的な内容は図4の通りである。上記報告におけるExcel操作内容列はステップが実行する操作の内容を定義し、この動作の具体的な内容は図4の通りである。上記報告におけるExcelパラメータ列はステップを実行するために必要となるパラメータの情報を定義し、この情報の具体的な内容は図4の通りである。上記報告におけるExcel注釈列はステップの注釈情報を定義する。
【0023】
図4に示すように、本実施例において、テストケースの実行分類は、実行動作分類、操作内容分類、及びパラメータ分類を含む。上記実行動作分類は以下を含む:テストステップの定義、テスト変数の定義、関数の呼び出し及びエラーコードの返り、前回のエラーコードの検査、変数範囲の検査及びエラーコードの返りである。上記操作内容分類及びパラメータ分類における内容は実行動作分類における項目と一対一に対応する。
【0024】
本実施例において、上記テストステップの定義は一つの文字列として表現され、文字列“define_test_step”を含むがこれに限定されない。テストシステムは該文字列が格納されているセルを読み取るときに、読み取った内容が予め設定されたステップ文字列“define_test_step”と同じであれば、この行はテストステップの定義であることが分かり、この時“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容が有効となる。このセルの内容は該文字列と異なると、“テストステップ列”、“名称列”、“説明列”という三つの列の内容は無効であり、空白と同様に扱われる。
【0025】
上記テストステップを定義する動作に対応する操作内容は、一般ステップ(normal_step)及びテスト終了ステップ(test_tear_down)の二種類を含むが、これらに限定されない。一般ステップは従来のテストステップであり、テストプロセスがエラー又は他の原因により早期に終了する場合、全ての一般ステップをスキップし、テスト終了ステップを直接実行し、テスト終了ステップは全てのテストステップの最後にある。上記テストステップを定義する動作に対応するパラメータが存在しない場合は、空白と同様の扱いとなる。
【0026】
上記テスト変数を定義する動作は一つの文字列であり、文字列“define_variable”を含むがこれに限定されない。テストシステムは該文字列が格納されたセルを読み取るとき、読み取った内容が予め設定された変数文字列“define_variable”と同じであれば、この行は一つの変数を定義していると判定し、テストシステムはこの行の他の情報に基づいて一つの新たな変数を取得する。
【0027】
上記テスト変数を定義する動作に対応する操作内容は変数名称となっており、ここでは、操作内容の特徴付けを識別するような任意の文字列を入力することができ、定義された変数名称として使用される。
【0028】
上記テスト変数を定義する動作に対応するパラメータは、二つのフィールドを含む一つの文字列であり、すなわち、該文字列は変数タイプ及び初期値である。フィールド間は文字“|”によって隔てられている。例えば、3.5を初期値とするdouble型の変数であれば、ここでのパラメータは“double|3.5”となる。
【0029】
上記関数の呼び出し及びエラーコードの返し動作は一つの文字列であり、文字列“call_function”を含むがこれに限定されない。テストシステムは該文字列が格納されたセルを読み取るとき、読み取った内容が予め設定された関数文字列“call_function”と同じであれば、該文字列に対応する行はテストシステム関数呼び出しであることが分かり、テストシステムは関数名に基づいて対応する関数を検索し且つ該行に定義されたパラメータに基づいてこの関数を呼び出す。
【0030】
上記関数の呼び出し及びエラーコードの返し動作に対応する操作内容は関数名であり、ここで、テストシステムに既に存在する関数名を入力することができる。
【0031】
上記関数の呼び出し及びエラーコードの返し動作に対応するパラメータは、0個又は複数のフィールドを含む一つの文字列であり、各フィールドは一つのパラメータ値に対応し、フィールドとフィールドとの間は文字“|”で区切られる。例えば、一つの関数は二つのdoubleタイプのパラメータ(3.5及び5.6)を有するとすると、ここでのパラメータは、“3.5|5.6”である。
【0032】
前回エラーコードを検査する動作は一つの文字列であり、文字列“check_last_error”を含むがこれに限定されない。テストシステムは該文字列を格納するセルを読み取るとき、その内容がプリセット検査文字列“check_last_error”と同じであれば、該文字列に対応する行がエラーコード検出操作であることが分かる。エラーが検出された後、この行の操作内容の定義に基づき、エラー情報を特定の変数に書き込むか、テストプロセスを中止するかが選択される。
【0033】
前述の前回のエラーコード検査動作に対応する操作内容は二種類:(1)変数を設定すること(set_variable)、(2)テストを中止すること(exit_on_fail)を含むがこれらに限定されない。変数を設定することは、テストがエラーに遭遇した後、エラー情報を対応する変数に書き込み、テストが引き続き行われることを示す。テストを中止することは、テストがエラーに遭遇した後、テストを直ちに終了し、テスト終了ステップ(test_tear_down)に移行して続行することを示す。
【0034】
前述の前回のエラーコード検査動作に対応するパラメータは、操作内容が変数を設定する場合のみ有効であり、書き込む必要がある変数名称を示す。操作内容がテストを中止する場合、このパラメータ用のセルは空白として扱われる。
【0035】
上記変数範囲の検査及びエラーコードの返し動作は一つの文字列であり、文字列“check_var_range”を含むがこれに限定されない。テストシステムは該文字列を格納したセルを読み取るとき、その内容は予め設定された変数文字列“check_var_range”と同じであれば、該文字列に対応する行は一つの検出変数のテスト判定であることが分かり、検出の上下限と対応する変数は該行の他の列で定義される。
【0036】
上記変数範囲の検査及びエラーコードの返し動作に対応する操作内容は検出された変数名称である。
【0037】
上記変数範囲の検査及びエラーコードの返し動作に対応するパラメータは2つのフィールドを含む一つの文字列であり、前記2つのフィールドはそれぞれ低閾値と高閾値に対応し、閾値と高閾値はそれぞれ一つのパラメータ値に対応し、フィールドとフィールドとの間は文字“|”で隔てられる。例えば、判定変数が3.5と5.6の間にある必要がある場合、ここでのパラメータは“3.5|5.6”である。もし判定変数が3.5に等しい必要があれば、ここでのパラメータは“3.5|3.5”となる。これにより、テストシステムの構築タスクを二つに分け、専門の開発者はテストシステムアーキテクチャとAPIの設計に集中することができ、同時にテスト担当者はテストスクリプトとパラメータの設定に集中することができる。その結果、これら二つのタスクを同時に行うことができ、これによりテストシステムの設計を簡略化させ、テストシステムの開発効率を向上させ、テストシステムの開発難易度を低下させることができる。
【0038】
本実施例はExcelファイルのロードによるメッセージ送信テストケース及びシステムを提供し、上記Excelファイルは、テストステップ列、名称列、説明列、実行動作列、操作内容列、パラメータ列、及び注釈列を含む。上記メッセージ送信テストケース及びシステムは、Excelファイル、該Excelファイルをロードするテストケースの閲覧及び編集装置、及び該Excelファイルを実行するテストケースのアクチュエータを含む。
【0039】
表1に示すように、該Excelファイルは1つのテストケースを含み、テストの目的はバスツールに接続し、被測定システムにCANメッセージを1フレーム送信し、さらにメッセージの送信が成功したか否かを判断し、最後にバスツールを切断することである。
表1に示すように、一行目の実行動作は「define_test_step」であり、すなわちテストステップを定義する。この行のステップ番号は1である。ステップ名は「Connect」である。説明は「Connect hardware」であり、すなわちバスツールを接続する。操作内容は「normal_step」であり、このステップが一般ステップであることを示している。
表1に示すように、2行目の実行動作は、「define_variable」であり、すなわち変数が定義されている。操作内容は、変数名称「vTransmitResult」である。パラメータは、変数のタイプと初期値「double|0」、すなわちタイプがdoubleであり、初期値は0である。
表1に示すように、3行目の実行動作は、「call_function」であり、すなわちシステム関数を呼び出す。操作内容は、関数名「app.connect」であり、すなわちバスツールを接続する。この関数はパラメータを必要としないため、パラメータは空白であり、この関数の実行が成功すると1を返し、そうでなければ0を返す。
表1に示すように、4行目の実行動作は、「check_last_error」であり、すなわち前回のエラーを検知する。操作内容は「exit_on_fail」であり、すなわち前回の操作が失敗すると、直ちにテストを中止する。この動作は、操作内容が「exit_on_fail」であるため、パラメータは不要である。
表1に示すように、5行目の実行動作は、「define_test_step」であり、すなわちテストステップが定義され、この行のステップ番号は2である。ステップ名は「Transmit」である。説明は「Msg.Transmit」であり、すなわちメッセージを送信する。操作内容は「normal_step」であり、このステップが一般ステップであることを意味する。
表1に示すように、6行目の実行動作は「call_function」であり、すなわちシステム関数を呼び出す。操作内容は、関数名「com.transmit_can」であり、すなわちCANメッセージを送信する。この関数は1つのパラメータ、すなわちCANメッセージポインタが必要となるため、パラメータ列に必要なメッセージMSG1が与えられる。
表1に示すように、7行目の実行動作は、「check_last_error」であり、すなわち前回のエラーが検出される。動作内容は、「set_variable」であり、すなわちエラーが検出された場合、変数にエラー情報が書き込まれる。パラメータは、「vTransmitResult」であり、すなわち書き込みが必要な変数名である。
表1に示すように、8行目の実行動作は、「check_var_range」であり、すなわち変数が範囲内であるか否かを検出する。操作内容は、「vTransmitResult」であり、すなわち検出する必要がある変数名称は「vTransmitResult」である。パラメータは“1|1”であり、すなわちこの変数が1であるか否かを検出する。
表1に示すように、9行目の実行動作は、「define_test_step」であり、すなわちテストステップを定義しており、この行のステップ番号は3である。ステップ名は「Disconnect」である。ステップ説明は「Disconnect Hardware」であり、すなわちバスツールの接続を切断する。操作内容は「test_tear_down」であり、これはテスト終了ステップであることを示し、前述のステップが実行中にテストが中止された場合、無条件でこのステップを実行する。このステップはパラメータを必要としない。
表1に示すように、10行目の実行動作は、「call_function」であり、すなわちシステム関数を呼び出す。操作内容は、関数名「app.disconnect」であり、すなわちバスツールの接続を切断する。この関数にパラメータは不要である。
表1に示すように、テストケースの閲覧及び編集装置はこのファイルをロードした後、ユーザーにテストスクリプトの閲覧機能を提供する。テストケースのアクチュエータは、このファイルをロードした後、Excelファイルで定義された内容に従って、上から下へと1行ずつテストを実行する。
表1に示すように、テスト担当者は送信メッセージの内容を修正する必要がある場合、Excelファイルのみを開き、MSG1が位置するセルの内容を修正する。テスト担当者は新たな送信メッセージを追加する必要があれば、Excelファイルを開くだけで、ステップ2において新たな行を一行追加し、「call_function」の実行動作に従ってこの行を編集すればよい。
表1:実行動作分類テーブル
【0040】
本実施例はさらにExcelファイルのロードによるテストシステムを提供し、編集モジュールとテストモジュールとを含む。編集モジュールは、Excelテストケースを編集する。テストモジュールは、Excelテストケースに対してテストを行う。
本実施例において、Excelファイルのロードによるテストシステムはさらに、Excelテストケースの編集方法、Excelテストケースの実行方法及びExcelテストケースの実行分類を含む。Excelテストケース編集方法はテストケース閲覧と編集装置、及びExcelプログラムという二つの部分で構成される。Excelテストケースの実行方法はテストケースのアクチュエータ、及びExcelプログラムという二つの部分で構成される。上記テストケースの実行分類は実行動作分類、操作内容分類及びパラメータ分類という三つの部分で構成される。
本実施例において、各モジュール及び各方法の具体的なプロセスは、上記Excelファイルのロードによるテスト方法において詳細に説明済みである。
【0041】
本実施例はさらにExcelファイルのロードによるテスト装置を提供し、Excelテストケース編集モジュール、Excelテストケース実行モジュール及びExcelテストケースの実行動作分類モジュールを含む。
上記Excelテストケース編集モジュールはExcelテストケースを編集することに適する。上記Excelテストケースの実行動作分類モジュールは、Excelテストケース実行モジュールが実行するテスト操作を定義することに適する。上記Excelテストケース実行モジュールは、定義されたテスト操作に基づいてExcelテストケースに対してテストを行うことに適する。
【0042】
本実施例では、Excelファイルのロードによるテスト装置は、上記Excelファイルのロードによるテスト方法を用いてExcelテストケースをテストすることに適する。
【0043】
以上をまとめると、本発明は、Excelテストケースを編集すること、及びExcelテストケースをテストすることにより、テストスクリプトをExcelファイルにより実現することを達成した。テストスクリプトを修正する場合、Excelファイルのみを修正すればよい。これにより、スクリプトを修正する過程で、プログラムを頻繁に修正することを回避し、テストシステムのパラメータ制御性を向上させることができる。
【0044】
本願の提供するいくつかの実施例において、開示された装置及び方法は、当然のことながら、他の方式によって実現することもできる。上記で説明した装置の実施例は単なる例示であり、例えば、図面におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の複数の実施例による装置、方法及びコンピュータプログラム製品で実現可能なアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、所定の論理機能を実行するための一つ以上の実行可能命令を含むモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部として実現される。なお、いくつかの代替的な実現方式において、ブロックに表記された機能は図面に表記された順序と異なる順序で実行されてもよい。例えば、二つの連続するブロックは、実際には実質的に並行して実行することができ、関連する機能に応じて、時には逆の順序で実行することもできる。また、ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートのブロックの組み合わせは、所定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実現されてもよく、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよいことに留意されたい。
【0045】
また、本発明の各実施例における各機能モジュールは一体に集積して一つの独立した部分を形成してもよく、各モジュールが単独で存在してもよく、二つ又は二つ以上のモジュールを集積して一つの独立した部分を形成してもよい。
上記機能はソフトウェア機能モジュールの形式で実現し且つ独立した製品として販売又は使用する場合、一つのコンピュータの読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。このような理解に基づき、本発明の技術的解決手段又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形式で提供することができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、複数のコマンドを含んでおり、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク装置等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させる。前述の記憶媒体は以下を含む:Uディスク、リムーバブルディスク、リードオンリーメモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等の各種のプログラムコードを記憶できる媒体。
【0046】
上述した本発明による好ましい実施例に基づいて、また、上述した説明内容から、当業者は本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な変更及び修正を行うことができる。本発明の技術的範囲は明細書の内容に限定されず、特許請求の範囲に基づいてその技術的範囲を確定しなければならない。
図1
図2
図3
図4