(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-03
(45)【発行日】2025-02-12
(54)【発明の名称】プレナム及びディフューザー付き可動式再循環グリル
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20250204BHJP
【FI】
A47J37/06 316
(21)【出願番号】P 2022507399
(86)(22)【出願日】2020-08-07
(86)【国際出願番号】 US2020045416
(87)【国際公開番号】W WO2021026457
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2023-08-03
(32)【優先日】2019-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522047413
【氏名又は名称】エーエヌエイチ イノベーション, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ケルン, ドレイク
(72)【発明者】
【氏名】ピーアイ, ミン
(72)【発明者】
【氏名】ピーアイ, ダニエル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-161570(JP,A)
【文献】特開平06-319650(JP,A)
【文献】特表2002-511561(JP,A)
【文献】特許第4346546(JP,B2)
【文献】実開平01-125916(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0290641(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0067167(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0023420(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0229173(US,A1)
【文献】米国特許第05799645(US,A)
【文献】米国特許第02341245(US,A)
【文献】米国特許第04909137(US,A)
【文献】米国特許第05846302(US,A)
【文献】米国特許第06097000(US,A)
【文献】米国特許第05019682(US,A)
【文献】米国特許第05325842(US,A)
【文献】米国特許第03286445(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00-37/07
F24C 1/00-15/36
H05B 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)固定フレームによって支持されているクックトップと、
(b)前記クックトップから煙を受けるよう構成された複数のスラットを画定する吸気開口部と、
(c)廃棄物及び油脂を受けるトラフに結合されており、除去及び洗浄用引き出しを有する廃棄物トレーコンパートメントと、
(d)前記クックトップから前記吸気開口部へと空気及び煙を引き込む吸引力を生成するよう構成された内部のプレナムと、
(e)前記廃棄物トレーコンパートメントを覆うように位置し、対向するプレナム壁方向へと下方及び外方向へ伸張するディフューザーと、
(f)
1つ又は複数のフィルタを収容し、前記プレナムから気流を受けるよう構成されたトンネルと、
(g)前記クックトップから前記吸気開口部へと前記プレナムを通って空気及び煙を引き込むよう構成された送風ファンを収容する送風器ハウジングと、を備える再循環グリルであって、
前記廃棄物トレーコンパートメントが前記プレナムを通って位置しており、前記ディフューザーが前記廃棄物トレーコンパートメントの上部を形成する、再循環グリル。
【請求項2】
前記プレナムが、気流を拡大し、冷却し、前記吸気開口部から前記トンネルへ気流を導くよう構成されたオープン空間を形成する、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項3】
前記プレナムが、前記プレナムの底部で油脂を回収するよう構成された、下方向の傾斜部を備えた区分された側壁を画定する、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項4】
前記プレナムが、
該プレナムを通って空気及び煙が、前記クックトップから、
前記1つ又は複数のフィルタのうちの前記空気及び煙が最初
に接触するフィルタまで
移動する距離が少なくとも18インチ
となるよう構成されている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項5】
前記ディフューザーが、気流を分割して2つの互いに反対の外側方向に導くよう構成されている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項6】
前記ディフューザーが、2つの対向する下方向の傾斜部間に位置する水平な中央部を含み、前記傾斜部は、前記中央部から前記対向するプレナム壁方向へと、前記プレナム内で気流を遠方かつ下方へと導くよ
うに、下方に伸長している、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項7】
前記ディフューザーが、気流を前記プレナムの下部へと下方に向けるように構成された、対向する傾斜部に接続された垂直端部を含む、請求項6に記載の再循環グリル。
【請求項8】
前記ディフューザーが金属で形成される、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項9】
前記プレナムが、前記吸気開口部を通って流入する空気内の大きな油脂粒子を凝縮して、空気中から落として前記プレナム壁に沿って
導くように構成されており、前記プレナム壁が、前記再循環グリルの底部に位置する油脂トラップに向かって角度がつけられている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項10】
前記プレナム壁が曲線をおびている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項11】
前記プレナムが、前記吸気開口部で吸引効果を形成するよう構成された上部及び下部通気区画を形成する、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項12】
前記吸気開口部
は、送風器ハウジング内のプル送風器と組み合わされて前記クックトップの上にエアカーテンを形成するプッシュエア送風器から押し出された低速の空気を受け取って100%の可視煙捕捉を達成する
、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項13】
前記トラフが、前記クックトップの長さのほとんど又は全ての長さに伸張した細長いトラフであり、前記吸気開口部下に位置している、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項14】
プッシュエア送風器及びプッシュエア開口部に結合されたプッシュエアダクトを更に備え、前記クックトップの反対側から可視煙を捉えて、前記クックトップを越えて前記吸気開口部へと導くよう動作する、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項15】
前記送風器ハウジングが、ウールバッフルフィルタ及び最小効率レポート値(MERV)フィルタとカーボンフィルタを有するコンビネーション使い捨てフィルタを含む、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項16】
前記送風ファンが、可変ファンドライブ及び制御プロセスに応答して速度を調整するよう構成されており、前記送風ファンが、前記クックトップから前記吸気開口部へと前記プレナムを通って空気及び煙を引き込むよう構成されている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項17】
前記送風器ハウジング及びトンネルを支持する可動式プラットフォームを更に備え、前記クックトップを支持する固定フレームで摺動的に係合するよう動作し、前記可動式プラットフォーム及び前記固定フレームが、モジュラーフレームセグメントから形成されるモジュラーフレームである、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項18】
制御器を更に備え、前記制御器は、発熱体、前記送風ファン、前記プレナム及びトンネル内に位置する複数の気流及び温度センサ、及び安全システムと結合されている、請求項1に記載の再循環グリル。
【請求項19】
前記制御器が、前記送風ファン及び前記トンネル内の任意のフィルタの性能をモニタリングし、一定の風速又は温度閾値を超えると前記安全システムを作動させるよう構成されている、請求項18に記載の再循環グリル。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2019年8月7日に出願された米国仮出願第62/884,014号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、屋内グリル及びクックテーブルの分野に関し、特に、再循環グリル/テーブルに関する。
【関連技術の説明】
【0003】
レストラン及び私的使用の屋内グリルは、当技術分野で知られている。食品を調理すると煙が出る。従来、動力源として電気又はガスを使用する屋内調理は、煙の換気が必要であった。これは、多くの場合、ヒュームフードなどの高価で、固定された強固な換気システムの設置を意味する。ヒュームフードの使用は、暖房、換気、空調(HVAC)システムに関して大きな負担である。これらの頭上フードは、調理面を直接覆って物理的に配置される必要があり、その物理的位置にもかかわらず、十分に煙を捕捉することができていない。その結果、これらのシステムの近くにいる人は、臭いにさらされたり、煙を吸い込んだりすることが多くなる。これも臭気汚染の原因となる。適切な換気が必要なため、対応するグリル又は調理面の柔軟性、革新性、デザイン性が更に制限される。
【0004】
日本の伝統的なステーキハウスや鉄板焼きレストランでは、一定の床面積の中で、グリルがかなりの面積を占有する。グリルは、対応する頭上換気フードシステムに対応するために、固定されている。このため、レストランの創造性が制限され、様々なスタイル、座席の配置、全体的なデザインに対応できない。更に、換気が完全でない場合、客から臭いの付着や衣服への染み込みなどの苦情が出て、食事が台無しとなる。これらの屋内グリルは、消防や安全の基準を満たすために構造部品の多くが固定されているため、洗浄や操作が困難である。
【0005】
屋内再循環グリルが知られている。これらのグリル及びクックトップは、頭上換気及びフードシステムを必要としない様式で設計されている。しかしながら、これらのグリルを商業的に操作するために必要な安全認証は、通常、UL及び/又はETL基準により管理されている。UL/ETL認証は、防火安全対応及び電気的機械的シャットダウンと併せて、煙を100%捕捉することが求められる。これは、調理ユニットのサイズが小さくなると実現が難しくなる。
【0006】
既存のグリルに関連する課題を解決するその他の試行に関わらず、本開示の利点及び特徴を有する材料及び/又は方法を教示も示唆もするものはない。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、(a)固定フレームによって支持されているクックトップと、(b)クックトップから煙を受けるよう構成された複数のスラットを画定する吸気開口部と、(c)廃棄物及び油脂を受けるトラフに結合されており、除去及び洗浄用引き出しを有する廃棄物トレーコンパートメントと、(d)クックトップから吸気開口部へと空気及び煙を引き込む吸引力を生成するよう構成された内部のプレナムと、(e)廃棄物トレーコンパートメントを覆うように位置し、対向するプレナム壁方向へと下方及び外方向へ伸張するディフューザーと、(f)プレナムから気流を受けるよう構成されたトンネルと、(g)クックトップから吸気開口部へとプレナムを通って空気及び煙を引き込むよう構成された送風ファンを収容する送風器ハウジングと、を含む再循環グリルであって、廃棄物トレーコンパートメントがプレナムを通って位置しており、ディフューザーが廃棄物トレーコンパートメントの上部を形成する、再循環グリルを提供する。吸気開口部、プレナム、送風ファンが100%可視煙の捕捉を達成するよう構成され得る。プレナムが、気流を拡大し、冷却し、吸気開口部からトンネルへ気流を導くよう構成されたオープン空間を形成する。一例では、プレナムが、プレナムの底部で油脂を回収するよう構成された下方向の傾斜部を備えた区分された側壁を画定する。プレナムが、クックトップから最初のフィルタに接触するまでに少なくとも18インチの距離があるよう構成され得る。
【0008】
一例では、ディフューザーが、気流を2つの互いに反対の外側方向に導くよう構成されている。ディフューザーが、2つの対向する下方向の傾斜部間に位置する水平な中央部を含み得、前記傾斜部は、前記中央部から対向するプレナム壁方向へと、プレナム内で気流を遠方かつ下方へと導くよう構成された角度で下方に伸張している。別の例では、ディフューザーが、気流をプレナムの下部へと下げるように構成された、対向する傾斜部に接続された垂直端部を含む。ディフューザーがステンレスなどの金属で形成され得る。更に別の例では、プレナムが、吸気開口部を通って流入する空気内の大きな油脂粒子を凝縮して、空気中から落としてプレナム壁に沿って形成するように構成されており、プレナム壁が、グリルの底部に位置する油脂トラップに向かって角度がつけられている。
【0009】
本開示は、プレナム壁が曲線をおびているグリルを提供する。プレナムが、吸気開口部で吸引効果(vacuum effect)を形成するよう構成された上部及び下部通気区画を形成するよう構成されている。吸気開口部が、100%可視煙を捕捉するのに十分な表面積を形成するよう構成され得る。廃棄物コンパートメントがプレナムを通って位置しており、ディフューザーが廃棄物コンパートメントの上部を形成する。トラフが、クックトップの長さのほとんど又は全ての長さに伸張した細長いトラフであり、吸気開口部下に位置している。
【0010】
本開示は、プッシュエア送風器及びプッシュエア開口部に結合されたプッシュエアダクトを更に含む再循環グリルを提供し、クックトップの反対側から可視煙を捉えて、クックトップを越えて吸気開口部へと導くよう動作する。一例では、トンネルハウジングが、ウールバッフルフィルタ及び最小効率レポート値(MERV)フィルタとカーボンフィルタを有するコンビネーション使い捨てフィルタを含み得る。送風ファンが、可変ファンドライブ及び制御プロセスに応答して速度を調整するよう構成され得、送風器が、クックトップから吸気開口部へとプレナムを通って空気及び煙を引き込むよう構成されている。
【0011】
本開示は、送風器ハウジング及びトンネルを支持する可動式プラットフォームを含む再循環グリルを更に提供し、クックトップを支持する固定フレームで摺動的に係合するよう動作し、可動式及び固定フレームはモジュラーフレームセグメントから形成されるモジュラーフレームである。本グリルは、制御器を更に含み得、当該制御器は、発熱体、送風ファン、プレナム及びトンネル内に位置する複数の気流及び温度センサ、及び安全システムと結合されている。制御器は、送風ファン及びトンネル内の任意のフィルタの性能をモニタリングし、一定の風速又は温度閾値を超えると安全システムを作動させるよう構成されている。
【0012】
本開示を要約する目的で、本開示の特定の側面、利点、新規特徴が本明細書に記載されている。必ずしもすべてのこのような利点が、本開示の任意の1つの実施形態に従って達成されるとは限らないことを理解されたい。従って、本開示は、本明細書で教示または示唆されているような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されているような1つの利点又は利点群を達成若しくは最適化する方法で具現化又は実施することができる。新規性があると考えられる本開示の特徴は、本明細書の結論部分で特に指摘され、明確に主張される。本開示のこれら及びその他の特徴、側面、利点は、以下の図面及び詳細な説明を参照することでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書の書面部分に添付されている図は、本開示の教示に従って構築され、動作する本開示の実施形態及び使用方法を示す。
【0014】
【
図1A】
図1Aは、外側ハウジングを備えた本開示の再循環グリルの上面図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1A-1Dの再循環グリルの上面図であり、外側ハウジングがなく、送風器ハウジングと送風ファンを備えたフロートンネルが露出している。
【
図3】
図3は、本開示の再循環グリルの分解図である。
【
図4A】
図4Aは、再循環グリルの上面図であり、細長いトラフを有し、内部部品が露出し、可動式プラットフォームを介してハウジングから引き出されている。
【
図5A】
図5Aは、本開示の再循環グリルの内部部分のプレナムを示す。
【
図6A】
図6Aは、外側ハウジングを有する再循環グリルで使用するために伸張された可動式プラットフォームの上面図である。
【
図6B】
図6Bは、
図6Aの可動式プラットフォームを伸ばした状態の再循環グリルの正面図である。
【
図6C】
図6Cは、
図6Aの可動式プラットフォームを伸ばした状態の再循環グリルの等角投影図である。
【
図6D】
図6Dは、
図6Aの可動式プラットフォームを伸ばした状態の再循環グリルの側面図である。
【
図7A】
図7Aは、モジュラーフレームセグメントを有する
図6Aの可動式プラットフォームの露出した側面図である。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aの可動式プラットフォームのモジュラーフレームのコネクタピースを示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示の再循環グリルに関連する上面図のダイニング表面設計を示す。
【
図9A】
図9Aは、本開示の再循環グリルで使用するバッフルフィルタの正面図である。
【
図9D】
図9Dは、本開示の再循環グリルで使用するためのコンビネーションフィルタの正面図である。
【
図10】
図10は、本開示の再循環グリルで使用するための可変ファンドライブに関連するフローチャートである。
【
図11A】
図11Aは、本開示の再循環グリルのトンネル内に斜めに位置するバッフルフィルタを有する再循環グリルの等角投影図である。
【0015】
本開示の様々な実施形態を添付の図面と併せて以下に説明するが、同様の表記は同様の要素を示す。
【発明の詳細な説明】
【0016】
本開示は、以下の特徴の少なくとも1つ又は複数を有する再循環グリルを提供する。(i)トンネル内への気流を改善し、油脂を制御するために動作可能なディフューザー及び内部プレナム、(ii)調理面の全長又は大部分を伸張し、開口部の下に位置された廃棄物トラフ、(iii)洗浄及び修理のために調理ユニットの内部部品へのアクセスを改善し、操縦するための可動式プラットフォーム、(iv)フィルタを通る気流の効率及び制御を改善するための可変ファンドライブ(VFD)、及び(v)フィルタの廃棄、洗浄、及び交換を改善するために動作可能なコンビネーションフィルタ。本開示は、可動であり、UL/ETLの安全基準に従い特定の要件を満たす再循環グリル/テーブルを提供する。先行技術のグリルと比較し、使い易さ/メンテナンス、効果的加熱特性、食事を台無しにしない低レベルの音/振動の点で、改善されている。これには、輸送及び運搬時に効率的に分解可能なモジュラー式のグリル/テーブルが含まれた。
【0017】
用語「グリル」及び「テーブル」は業界、及び本明細書中にて互換的に使用可能である。一般的に、業務用厨房や鉄板焼きスタイルのレストランでは、調理温度を調整するためのコントロールノブに接続された複数の電子式又はガス式バーナーによって加熱されるフラットトップの調理面を持つ1つ又は複数のグリルが設置される。グリル/テーブルは、調理面の下に位置された内部部品を含む。グリル/テーブルは、内部部品を保護して隠す大きさと形状の外側ハウジングを含み得る。グリル/テーブルが可動式である、若しくは客が近くにいるレストラン客席に接地されている場合、追加的安全対策が必要とされる。
【0018】
図1A―7Dを参照し、例示的調理ユニット、又は再循環グリル、又はテーブル100を示す。この例では、グリル100は、グリルの内部部分上に比較的平らに位置されるクックトップ110を含む。クックトップ110は、調理及び洗浄し易くするために十分なあらゆる素材でできていてよい。この例では、クックトップ110は、ステンレス製の単一プレートとして作成されている。クックトップ110は、より長い辺に沿った長さ「L」及びより短い辺に沿った幅「W」を有する長方形を画定し得る。ユーザや調理人/シェフは、長さLに沿った正面位置にて食物の調理にアクセスし管理できる。鉄板焼きスタイルのレストランでは、客が露出して間近で自分たちの食物の調理を見るが、パトロンや顧客は、幅Wに沿った周囲に沿って、正面から反対側に座ることができる。料理人の仕事を目の当たりにすることは、そのレストランのエンターテインメント及び魅力の重要な部分であるため、これは大概望ましい。
【0019】
再循環グリル100は、クックトップ110を支持して、調理により生じる煙を捕捉できる内部部品を含む。
図1に示すように、グリル100は、側壁115及びフロントフェイスカバー116及びバックウォール(図示せず)によって囲われており、これにより外側ハウジングを形成する。これらの壁は、安全性と美観目的のために内部部品を囲んでおり、不要な騒音を制限、低減、除去するマフラーとしても作用する。バッフルフィルタドア118は、カバー116に沿って位置されており、1つ又は複数のフィルタを収容するトンネル120にアクセスできるよう取り外し可能である。一例では、任意の制御器122がカバー116に沿って位置され、ユーザがクックトップ110の加熱を制御、グリル100のオンとオフの切り替え、対応するスクリーンで見ることができる基本的な診断データを提供することができる。一例では、制御器122は、デジタルディスプレイと併せてタッチスクリーン制御及び互換性を含む。更なる例では、制御器122は、プログラム可能であり、グリルの効率性及び性能を拡張又は改善する特定の用途に合わせて調節する人工知能及びスマートな適応性を含む。これに
は、調理面及び環境条件に関連したホットゾーンの調整を含み得る。
【0020】
グリル100の内部部品は、トンネル120及び送風器ハウジング121を含む。トンネル120は、クックトップ110から吸引される煙及び気流を濾過するために動作可能なフィルタを保持するフィルタハウジングとして機能する。食品がクックトップ110で調理されると、煙及び排気は、プッシュエアダクト119を通って押し出される空気に押され、吸気開口部112を介して引き込まれる。グリル100の使用中、煙/空気は、油脂及び食物の粒子で汚染され、グリル100から放出される前にフィルタリングされる必要がある。トンネル120は、多くの場合、バッフルフィルタ及び二次フィルタを含むフィルタを囲む(
図9-11参照)。プッシュエアダクト119は、プッシュエア送風器128に接続されており、プッシュエア開口部129から直接空気を押し出す。プッシュ送風器128は、吸気開口部112に向けてクックトップを横切って押し出される低速の空気を生成する。これにより、クックトップ110の上にエアカーテンが形成される。送風器ハウジング121内のプル送風器と組み合わせたエアカーテンが、空気の汚染を防ぎ、100%可視煙の捕捉を可能にする。
【0021】
送風器ハウジング121は、クックトップ110から空気を吸引する送風ファン123を含む。送風器は、十分な速度で空気をクックトップ110から吸気開口部112を通って、プレナム150を通り、トンネル120へ引き込む十分な強度が必要であり、空気は、送風ファン123を通って引き込まれる前にフィルタリングされ、グリル100から排出される。この空気は、「再循環空気」と呼ぶことができる。再循環空気は、押し出され、床を這ってユーザの足元に出てくる。一例では、ルーバー付きの通気口127がグリル100の前部に向かって位置されており、空気が抜けるときに下向きに誘導するようになっている。一例では、送風ファン123は、効率を高めるために送風器に空気を流すインレットリングを含む。送風ファンは、煙を捕捉するために必要な気流を作り出す後方に湾曲した遠心ファンを含む。
【0022】
クックトップ110を加熱するために、複数の電熱体126がクックトップ110直下に位置されている。この例では、3つの発熱体126が設けられ、クックトップ110の上部に調理又は加熱ゾーンができる。これにより、表面に異なる温度を作り出すことで、ユーザは様々な方法で調理を管理する。例えば、一つのゾーンでは米と野菜を温め、別のゾーンでは、より高い火力で肉や魚を調理できる。発熱体126は、クックトップ110に熱を供給するための電源(図示せず)及び、調理面の温度を手動で制御するための制御ノブ(図示せず)に電気的に結合されている。別の例では、デジタル制御及びスマート制御が採用されている。熱源としてガスも使用可能であり、本開示の範囲内である。消火ノズル114が吸気開口部112に隣接して位置しており、クックトップ110に向けられている。これは、フェイルセーフの安全機構により引き起こされると、消火剤を放出する安全対策である。安全コンプライアンスでは、グリル100の内部に対応するセンサと併せてノズル114が存在し、機能することが必要である。安全センサは、所定の温度や圧力の閾値を超えたときにノズル114を作動させるように構成されている。
【0023】
グリル100は更に、クックトップ110の外周に沿って位置するスプラッシュガード113を含む。このスプラッシュガード113は、油脂及び食品がクックトップ10から落下したり押し出されるのを減少及び防止するよう構成されている。これは、客が調理面に近い位置に座っているレストランでは特に有効である。
【0024】
〈トラフ〉
一例では、グリル100は、クックトップ110の長さLを伸張するよう構成された細長いトラフ又は「油脂」トラフ125を含む。一例では、クックトップ110は、長さLに沿って48インチであり、トラフ125は、長さLの大部分又はその全体伸張する。トラフ125は、前面116に沿って開口部内に形成されている。これにより、ユーザが廃棄物及び食物を開口部を介して押し、トラフ125内に捕捉できるようにする。吸気開口部112は、トラフ125上に直接位置しており、裏面に沿って開口又はスラット152を有し、調理面からの煙及び排気を捕捉する。開口部112によって捕捉された空気中の追加の油脂及び粒子は、トラフ125にて捕捉できる。トラフ125で捕捉された廃棄物は、グリル100の前面カバー116から開けることができる引き出しである廃棄物コンパートメント111に押し出される。廃棄物引き出し111は、ユーザによってトラフに押し込まれた生ごみ及び油脂を回収する。トラフ125は、幅Wに沿って開口部112に対して調理面を短くすることができ、そのため、エアカーテンが汚染された空気が調理面から逃げることを十分に防ぐことができる。トラフ125は、長さLに沿って伸張するため、ユーザがクックトップ110から廃棄物を除去し易い。トラフ125は、廃棄物が、廃棄物引き出し111に向かって流れるよう下方向の傾斜部を含む。
【0025】
グリル100の追加の内部部品には、送風器ハウジング121の隣に位置付け可能で、グリル100のほとんど又は全ての電気部分のための電子部品及び電源コネクタを収容する電気ボックス124が含まれる。これには、送風器、発熱体、制御器、センサが含まれる。消火タンク140は消火剤を搭載し、消火配管141を介して開始されると、ノズル114に消火剤が供給される。この例では、消火タンク140は、電気ボックス124と比較して、送風器ハウジング121の反対側に位置している。また、システムリリースモジュール142を設けることができ、これは、作動時消火剤を放出する機械的なシステムである。UL/ETLコンプライアンスでは、センサ式と機械式の両方の安全機構が必要である。
【0026】
〈プレナム及びディフューザー〉
図5A及び
図5Bに特に注目し、本開示は、吸気開口部112からトンネル121への
効果的な気流を促し、促進するよう構成された構造のオープン空間を画定するプレナム1
50を提供する。プレナム150は、開口部112をトンネル121に接続する。これが
、トンネル121に収容された濾過システムに向かうよう空気が流れる最初のルートであ
る。プレナムは、ディフューザー151を利用して、ディフューザー151の周りを空気
が動くよう強制することで、最初のフィルタに接触する前に調理面(クックトップ110
)から18インチという安全要件を満たす。ディフューザー151は、プレナム壁153
に向かって下向き及び外側に傾斜する構造を形成するよう構成されている。この例では、
ディフューザーは、比較的平坦または水平な中央部1501と、中央部1501によって
画定される平面A-Aから下方及び遠方に向かって傾斜する2つの対向する傾斜部150
2とを含む。一例では、傾斜部1502は、テーブルの外側ハウジングのプレナム壁15
3に向かって伸張し、中央部1501から離れる気流を引き起こす。ディフューザーは、
拡散された空気をプレナム
150の下部に流下させる垂直端部1503を更に含み得る。
【0027】
一例では、ディフューザー151は、304又は316などステンレスなどの金属で形成される。様々な部分が溶接可能である。使用の際、空気は吸気開口部112から入り、ディフューザー151に当たり、空気を分割して傾斜部1502に沿って側壁115に向かって少なくとも2つの異なる方向に移動させる。ディフューザー151によって形成された物理的存在が、空気をプレナム壁153に向けて押し出し、トンネル121へと降下する。その際、プレナムの空間容積が大きくなるにつれて、空気が膨張し急速に冷却されるため、フィルタにかけられる前の空気からより大きな粒子が落ちる。これは、グリル100を介して再循環される煙又は気体のプレフィルタリングとして機能する。拡散された空気は、ディフューザー151の周りで急旋回することになり、余分な油脂がプレナム150の底部に落ちて、油脂トレー154に排出する。油分を含んだ空気がプレナム150を通過すると、金属の温度が低いため、最外壁153上に油脂が自然に凝固する。一例では、プレナム150の底部は、壁153の排水部1504に沿って下向きに傾斜されており、重力で油脂粒子が油脂トレー154に排出できる。
【0028】
この例では、プレナム壁153の形状は、なめらかな曲線ではなく鋭い接続点を示して区分されている。どちらも本開示の範囲内で考えられるが、区分された曲線設計は、セグメントの溶接が可能であるため、製造が容易である。プレナム壁153は、プレナム150の底部に向けて、下方に気流及び油脂を誘導し、促すよう構成されている。
【0029】
ディフューザー151は、ディフューザー151上の上部プレナム155及びディフューザー151下の下部プレナム156の2つの通気区画を効果的に形成する。これらの通気区画は、区画内の立方体の容積に対する区画の開口部の比率が大きくなる。吸気開口部112において捕捉に必要な「吸引」効果が得られ、100%又は100%に近い可視煙捕捉に必要な空気速度を生成する。吸気開口部112を横切る表面積は、空気の速度及び空気の体積に対する空気の比率を作り出す。これは、プレナム側壁153の形状内で均衡がとられており、グリル100の所定の大きさに対して100%可視煙を捕捉することができる。吸気開口部112の表面積を変えることで、速度を操作することが可能になり、プレナム壁153の形状を変えることで体積変化によって吸引効果を操作することができる。体積が減少すると、速度が増加する。しかしながら、体積が増加すると、送風器及びフィルタへの負担が大きくなる。従って、プレナム150の大きさ及び形状のバランスを最適化し、十分な送風器と煙の捕捉を確保する必要がある。
【0030】
廃棄物引き出し111の位置決めは、プレナムがテーブル100の前部全体を包含するため、プレナム150の空間要件に対応する必要ある。従って、廃棄物引き出し111は、既存の屋内調理台のようにクックトップ110の真下に収まらない。この例では、廃棄物引き出し11は、プレナム150の中央に配置され、プレナム150を亘って伸張し、クックトップ110の下側に達する。これにより、ディフューザー151によってできたデッドスペースを活用して、気流を妨げる効果を最小限にする。この例では、ディフューザー151は、引き出し111の上部を形成する。
【0031】
〈プラットフォーム設計〉
本開示は、テーブル100の効率的かつ効果的な操作及び、内部部品へのアクセスと洗浄を可能に動作する可動式プラットフォームを更に提供する。この例では、可動式プラットフォームは、クックトップ110及び内部部品のいくつかを保持する構造を形成する固定フレーム130を含む。固定フレーム130は、フレームセグメント230の長さを伸張する取付けスロット231を画定するモジュラーフレームセグメント230を形成する。この例では、各モジュラーフレームセグメント230は、相対的に正方形の断面を画定し、任意の所望の大きさに切断可能である。一例では、フレームセグメント230は、テーブル100及びその内部部品を保持するためにアルミニウム又は任意の材料から製造されている。固定フレーム130は、水平フレームセグメント130及び垂直フレームセグメント133を含む。この例では、プラットフォームは、更にキャスター車輪などの車輪117を含む。車輪は水平フレームセグメント130から下に延び、床又は平らな面に沿って、テーブル100全体を手動で操作可能である。これにより、各テーブル100ユニットの所望の移動が可能となり、洗浄、デザイン性、アクセスなどが向上する。
【0032】
固定フレーム130は、基礎フレームとして機能する。可動式フレーム131は、固定フレーム130と接続しており、固定フレーム130内で摺動するよう動作可能である。
図1に示すように、閉じられた構成では、可動式フレーム131は、固定フレーム130内に全体的に位置し、クックトップ110の下に位置する。開いた状態では、
図3、4A、4B、6A、6C、6D及び7Aのように、内部部品を、外側ハウジングから引き出して露出することができる。これらの例では、可動式フレーム131が、摺動して伸張し、内部部品にアクセス可能である。可動式フレーム131は、防火システム、トンネル、送風器ハウジングのダクトを支持する。別の例では、電気ボックスは更に可動式フレーム131上に位置されている。可動式フレーム131は、固定フレーム130と同様にモジュラーフレームセグメント230で構成され得る。この例では、可動式フレーム131は、更にスライディングドローワー132に接続しており、可動式フレーム131をガイドトラックに摺動させて動くようにできる。
【0033】
各フレームセグメント230は、コネクタピース232によって各端でキャップされ得る。この例では、コネクタ232は、その間にチャネル234を画定する4つの突出部233を形成する。チャネル234は、コネクタ232が、チャネル231に係合することで他の任意のモジュラーフレームセグメント232に取り付けて接続することができる。従って、テーブル100及び任意の対応する部品を取り付け保持するために、複数のフレーム構造を形成及び設計できる。これにより、カスタマイズ及びデザイン性が向上する。
【0034】
一例では、プラットフォーム設計は、可動式プラットフォーム131及び固定フレーム130の2つの部分から構成されている。可動式プラットフォーム131は、幅Wに沿ってテーブル100の両側のスライドによって固定フレーム130に取り付けられている。摺動的に分離されると、固定フレーム130は、クックトップ110、発熱体126、電気ボックス124、熱電対、ジャンクションボックス、プッシュエアアセンブリ128を支持する。可動式プラットフォーム131は、送風器123、トンネルアセンブリ120、防火システム構成要素140、141、142を支持する。別の例では、電気ボックスは、可動式フレームで支持されている。テーブル100が開いた状態では、トンネル120の上部へのアクセスが容易にでき、フィルタへのアクセス及び交換ができる。更に、電気ボックス124及び防火システム構成要素140、141、142がそれぞれある、可動式プラットフォームの右側及び左側、及び発熱体126のためのクックトップ110下でも、メンテナスが容易でアクセスし易い。
【0035】
プラットフォーム設計により、内部部品へのアクセスが改良され、洗浄、フィルタ交換、メンテナンスができる。710Bの安全規定である最低18インチ及びテーブルの高さが必要なため、フィルタはほぼ地面に近い高さになければならない。フィルタの洗浄又は交換でこの領域に到達するには、床を這う必要がある。また、トンネルの両側には電気的及び防火のためのスペースが必要であるため、本明細書に記載されているような可動式プラットフォームがないと、これらシステムの背後のトンネルにアクセスするのは容易ではない。また、防火及び電気システムは、本開示の可動式プラットフォームが無ければ、床の高さからアクセスする必要がある。本開示は、フィルタ、電気的及び防火システムへのトップアクセスが可能な2つのセクションに分離できるテーブルを提供する。
【0036】
電気ボックスを固定フレームで隔離することで、電気系統の構成が改良される。ボックスが固定されていると、技術者は電気ボックスに手を加えたり、触れることなく、テーブルのほとんどの領域にアクセスできる。このため、電気ボックスとその他部品又は電源の接続点を固定できる。電気ボックスは、コイルケーブルを介して接続された2つのマルチプレクサを含み得る。防火システムの接続は専用のコイルケーブルを有する。
【0037】
消火配管、可動部分間の配線、固定/水平確保は、可動式プラットフォームを利用する際、最適化が必要である。消火配管の場合、固定フレームは更に内側に動いて、防火パイプがプレナムまで伸びてクックトップに到達できる。このため、防火システムは、可動式プラットフォーム上にとどまる。可動部分間の配線は、伸ばさないときは、ばねのような形状に戻るカーリーケーブルを使用する。水平にするには、脚及び車輪の両方を含むレベリングキャスタ上にフレームを配置することで達成する。固定には、プラットフォームは、プラットフォームの重量に十分対応可能なスライドを介してフレームに取り付けられる。このため、人がプレナムにもたれかかるようなプラットフォームに余分な重量がかかる不測の事態にも対応できる。
【0038】
図8は、クックトップ110を囲う飲食又はダイニング面300を有するテーブル100の例を示す。テーブル100は、可動式で持ち運びができるため、様々なダイニング面の設計が実現できる。この例では、ダイニング面300は相対的に正方形である。しかしながら、その他の形状は、円形及び長方形など本開示の範囲内で考えられる。ダイニング面300は、テーブル100と一緒に動くことができる可動式であったり、テーブル100が面から出たり入ったり動くよう固定式にできる。更に、様々な材料及びデザインの美観がダイニング面300に実装できることが考えられる。
【0039】
〈可変ファンドライブによるフィルタリング設計〉
従来のモデルでは、電気集塵装置(ESP)のフィルタを適切な手順と頻度で洗浄するための人件費がかかるため、所有コストが高いという問題があった。これらのユニットを維持及び洗浄するための従業員のトレーニング費用は、比較的高い。不適切に扱うと、ESPは簡単に破損し故障の原因となる。本開示は、パッシブフィルタを使用するグリルを提供する。一例では、パッシブフィルタは、Merv15のようなMERVスタイルのフィルタと臭気制御のコンビネーションフィルタ(コンボフィルタ)及びウールバッフルフィルタを含む。このパッシブフィルタは、油脂が完全に飽和し交換の時期になると、使い捨てとなる。また、洗浄が必要な内部部品は、アクセスし易い設計となっており、洗浄時間を短縮する。パッシブフィルタの使用でESPの使用と比較して、静圧を増加することができる。しかしながら、送風器速度を制御する可変ファンドライブ(VFD)(
図10のフロー図参照)の使用で、フィルタ寿命を延ばすことが可能である。一例では、VFDは、UL/ETL規格では、最大10%の気流変化を監視できる(気流が10%以上変化するとユニットが停止する)。このフィルタの配置により、煙の捕捉に必要な視覚的捕捉率が100%となり、EPAテストの排気口にて測定された油分を含んだ蒸気が5ppm(100万分率)以下となる。このため、適切なフィルタリングには最低風速が求められ、捕捉には高い風速が求められる、正反対の条件が生まれる。
【0040】
図9-11を参照し、本開示は、コンビネーション使い捨てフィルタ500を提供する。コンビネーションフィルタは、ウールで覆われたバッフルフィルタ400と併せて作用する。フィルタの寿命を延ばす目的で一定速度ファンよりも可変速度ファンが使用される。ウールバッフルフィルタ400は、ウールインサート412及びバッフルフィルタ414をまとめて保持するフレーム410を含む。バッフルフィルタ414は、取り外して洗うことができる。ウールバッフルフィルタ400は、システム(テーブル100)の中に入る油脂のほとんどを占める大きな油脂粒子を最初に捉える。フィルタ400上のウールカバー412もまた、使い捨てであり、必要に応じて交換する必要がある。その後、空気中に残る油脂が、コンボフィルタ500に集まる。
【0041】
コンボフィルタ500は、異なる2つのフィルタ512及び514の1つのパッケージから成る。1つ目はMERVフィルタ512であり、物理的な空中の油脂を回収する。2つ目は、カーボンフィルタ514である。このカーボンフィルタ514は、臭いを発生させる粒子を吸収する。710Bの規定のため、再循環ユニットは、気流が10%以上変化する場合、停止しなければならず、全てのフィルタで検出が必要となることがある。可変ファンドライブ(VFD)は回転数を増加可能であり、そのためフィルタが飽和しても風速を維持できる。MERVフィルタの性質により、フィルタが飽和すると濾過効率が上がるため、ファンの回転速度が上がっても捕捉できなくなるリスクはない。このため、気流条件で交換する必要がなく、フィルタをその寿命まで使用することができる。この検出に対処するために、コンボフィルタ500は、ユーザの使い易さと、必要とされる検出量を制限するため特別に設計された。
【0042】
従来のシステムでは、電気集塵装置、つまりESPを使用していた。ESPには、洗浄及び信頼性に問題がある。ESPは、高電圧部品であるため、安全のため専門家のみが取り扱う必要がある。また、ESPの誤った取り扱いで、内部プレート/セルが破損することがよくある。セルが曲がったり破損すると、ESPはパワーパックをショートさせてしまい、ユニットが故障する。ESPは頻繁に洗浄する必要があるため、専門家が取り扱わないと破損する可能性が高い。
【0043】
フィルタリングのもう一つの問題は、実際のフィルタのスペースがある。濾過効率は、油分を含んだ空気がフィルタを通過する時間の長さに依存する。これを達成する2つの方法は、空気を遅くするか、若しくはフィルタの深さを増大させるかである。この問題に対応するために、気流を抑制(choke)して、バッフルフィルタ400をトンネル120内で角度をつけて位置し(
図11参照)、トンネル120の使用可能な深さを増加させる。
【0044】
図10は、可変ファンドライブのプロセス600のフロー図である。この例では、プロセス600は、気流が気流センサによって測定されるボックス610にて開始する。気流センサは、ボックス620にて入力信号を生成する。ボックス620での入力信号は、その後ボックス630にてプログラマブルロジックコントローラ(PLC)によって受信される。これにより、ボックス630にて出力信号が生成され、その後ボックス650に移動し可変ファンドライブ(VFD)を調整する。その後、VFDは、ボックス660にてファンの回転速度を適宜調整する。
【0045】
臭気の除去と低減は、再循環グリルや屋内のレストラン環境で作業する際に対処すべき問題である。従って、別の例では、バッフルフィルタ及びコンビネーションフィルタの両方で空気が浄化された後に、仕上げフィルタが気流流路内に設けられている。この仕上げフィルタは、比較的大きな表面積を持つフィルタリング材を含み、肉からの脂肪酸のような残りの臭気粒子を捕捉及び/又は除去することができる。別の例では、仕上げフィルタは、ステーキ/ビーフ、魚介類、鶏肉、野菜、米、食用油の調理に起因する臭気を除去するように特別に設計されている。
【0046】
本開示は、グリル100の内部に排水することで、油脂を回収するトラフ125を使用する再循環グリル/テーブルを提供する。トラフ125は、吸気開口部112の直前に位置し、煙捕捉に必要な距離を増大させる。そのため、開口部112は、トラフ125を覆うことでこの欠点を無くし、捕捉深度を増大させる。また、フィルタ400/500の組成を調整することで気流を最適化でき、捕捉に適した風速を処理しつつ、一方で吸引効果を作り出す風速と体積比のバランスをとる。クックトップ110の開口部112とは反対側にプッシュエア開口部119及びプッシュエア送風器128を追加することで、追加捕捉となる空気を捉え、テーブルから離れて逃げることを防ぐ。これにより、開口部112の方向で空気が巻き込まれ、捕捉が容易になる。
【0047】
本開示によるグリルによりサービスのコスト削減も達成できる。従来のモデルでは、技術的な問題を診断する指標がなかった。例えば、ESPの誤作動は、大抵クリーニング不足が原因であった。適切な洗浄を行わないと、ESPに大量の油脂/ごみが蓄積し、電気的なショートへとつながる。是正措置がとられない場合、パワーパックは安全モードに入り、濾過効率及び煙の捕捉の低下を引き起こす。本開示には、ヒューズ、ハイライトされた短絡の表示に加えて、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)画面を介してユーザに警告して特定の誤作動を対処して指示を出力するスマートシステムが組み込まれている。
【0048】
本開示は、ほとんどのキッチンで他のユニットと合う標準的な寸法を有するグリル/テーブルを提供する。一例では、本開示のグリル/テーブルは、キッチングリドルの標準仕様:30インチ(高さ)×50インチ(長さ)×33インチ(幅)に収まる。
【0049】
本開示は、追加の労働力を必要とせず、ユニットを周囲やドアを通って容易に動かすことができる重量及び大きさが低減された可動式グリル/テーブルを提供する。テーブル重量は、鋳造アルミニウムのヒーターを使用することで、取付け板を無くして軽減された。更に、軟鋼からアルミニウム押し出し材に変更することで、大幅に重量を軽減することができる。アルミニウム押し出し材は、軽量化に有利なだけでなく、モジュラーデザインを可能にする。アルミニウム押し出し成形及びサブシステムは、現場で交換できるようボルトによって取り外し可能である一方で、専門知識を必要としない。そのため、サービスコストを削減できる。また、フレームが部分的に組み立て可能であるため、輸送も簡略化される。
【0050】
本開示は、使い易さ/メンテナスのし易さを含むユーザフレンドリーな機能を提供する。限定的な自動温度調節器(「ATC」)とは異なり、本開示のグリルは、エンドユーザに診断情報を提供する高度なHMI(スマート)システムディスプレイを利用する。これらのメッセージは、フィルタの交換、ヒューズの交換、又はアクティブショートに注意するようユーザに警告できる。動作不能時間及びメンテナンスコストを大幅に削減する。別の利点は、洗浄及びフィルタの交換などのメンテナスレベルを含む。所有コストにおいて前述したように、VFDにパッシブフィルタを使用することで、メインのアクティブフィルタを洗浄する必要がなくなる。フィルタが油脂で目詰まりすると、VFDは、送風器の速度を上げ、適切な風速及び捕捉を維持する。これは、フィルタが「ライフサイクルの終了」に到達し、HMIがユーザにフィルタの交換を通知するまで続く。
【0051】
更に、可動式プラットフォームは、可動式プラットフォーム上に、フィルタリング、開口部、防火システムを配置でき、電気システム、プッシュエア、クックトップを保持する固定フレーム内に収容される。これにより、可動式プラットフォームを展開し、濾過トンネル及びその他の必須システムに容易にアクセスしてサービスを受けることができる。フィルタ交換では、トンネルの扉を開け、古いフィルタを破棄し、新しいフィルタをスライドさせて入れる単純な手順で容易に行うことができる。安全装置が適切にロックされ、可動式プラットフォームが元の位置に戻った後、ユニットは、電源を入れて動作させることができる。
【0052】
外食産業向けの調理機器の重要な側面は、信頼性及び昇温/復温速度を含む効率的な加熱特性である。電気製品の共通の批判は、ガス式ユニットでは温度特性が測定できないことである。利用可能なアンペア数を調理と再循環ビルトインフードシステムに分ける必要があるため、十分な加熱に達して維持するのは大きな課題となり得る。一例では、加熱能力を向上させるため、本開示は50アンペアのテーブルユニットを提供し、利用可能なアンペア数を増加させる。一例では、クラッドクックトップを提供する。クラッドクックトップは、アルミニウム、スチール、その他の金属を重ねて、熱伝導特性を促進させたものである。アルミニウムは、熱伝導性を高め、熱回復時間を減少させる特性がある。鋳造アルミニウム製の加熱アセンブリが、端から端までより均一に加熱する特性を作り出すクックトップ下面の最大領域をカバーしている。
【0053】
本開示は、音と振動の低減及びキャンセル可能なテーブルを提供する。再循環グリルでは、送風器によりモーター及び気流からより大きな音及び振動が発生する。高音のヒューヒューという音は、不適切な製造工程での空気の漏れ/隙間が原因で発生する。一例では、マフラーサイズが大きくなるとピッチが下がるという概念に基づき排気がグリルへと出る。高音は、同じデシベルの低音よりも耳障りである。従来のマフラーを使用しないため、グリルを二重の波形板で囲み、グリル内で発生する音を消す。また、適切なガスケットを使用し、送風器及び全ての可動部を固定して、音及び振動を可能な限り小さくできる。テーブルの内壁面が、排気に影響し得るマフラーとして効率的に作用する。フレーム下のグリルから大量の排気があらゆる方向で出るため、乱流及び巻き込みを制御するため、排気は特定の領域へと向かう。これを達成するため、グリル周りにキックプレートを設けて空気の漏れを防ぎ、プレナムにルーバーパネル及びディフューザーを追加し排気を下向きの角度に向ける。
【0054】
本開示は、固定フレームを備えた可動式プラットフォームや、VFDと併せてパッシブフィルタを使用し捕捉に可能な限り低い風速を維持する、マフラーとして外側のフレーム自体を利用し音及びスペース問題を対処する、再循環システムの開口部前にトラフを設ける、バッフルフィルタを傾斜をつけて配置するなどの側面を利用する。
【0055】
なお、使用方法にて記載された手順は、ユーザの好みに応じて多くの異なる順番で実行されてよい。本明細書の特許請求の範囲における「の手順(step of)」の使用は、「のための手順(step for)」と解釈されるべきではなく、米国特許法第112条(f)の規定の適用を望むことを意図するものではない。本明細書を一読して、適切な状況下では、デザインの好み、ユーザの好み、マーケティングの好み、コスト、構造要件、利用可能な材料、技術の進歩などの問題を考慮して、例えば、上記のリスト内の異なる順序、特定の手順の排除または追加、特定のメンテナンスステップの包含又は除外など、他の使用方法も十分であることが理解されるべきである。
【0056】
本明細書に記載されている本開示の実施形態は例示的なものであり、実質的に同等の結果を得るために数多くの修正、変形、再配置を容易に想定することができ、そのすべてが本開示の精神と範囲に包含されることが意図されている。更に、前述の要約書の目的は、米国特許商標庁と一般の人々、特に特許又は法律の用語や言い回しに精通していない科学者、技術者、当業者が、本出願の技術開示の性質と本質をざっと見ただけですぐに判断できるようにすることである。