(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-04
(45)【発行日】2025-02-13
(54)【発明の名称】問診システム及び問診用端末
(51)【国際特許分類】
G16H 10/20 20180101AFI20250205BHJP
【FI】
G16H10/20
(21)【出願番号】P 2024081994
(22)【出願日】2024-05-20
【審査請求日】2024-05-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524191321
【氏名又は名称】有限会社ビルケ
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】小暮 裕之
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 慎也
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-060391(JP,A)
【文献】特開2023-041503(JP,A)
【文献】特開2019-079503(JP,A)
【文献】特開2019-207562(JP,A)
【文献】特開2004-206516(JP,A)
【文献】特開2012-043552(JP,A)
【文献】特開2023-072649(JP,A)
【文献】特開2022-009351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問診を受ける患者により操作される問診用端末と、
前記問診用端末により入力された問診情報を管理する管理装置とを備え、
前記問診用端末は、
キャラクター画像を表示させる表示部と、
前記表示部に表示される前記キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせる問診処理部と、
前記問診内容に対する患者の回答入力を受け付ける入力部と、
前記回答入力の情報を前記問診情報として前記管理装置に送信する通信部とを有
し、
異なる患者が診療前にそれぞれ入室する複数の部屋それぞれに設けられ、部屋の入口を施錠し、前記部屋及び時間帯ごとに異なるコードで解錠される電子錠を備え、
前記部屋の室内には当該室内に係る部屋を特定する部屋特定情報を提供し、患者端末により読み取り可能な画像が掲示され、
前記問診用端末は、前記複数の部屋それぞれに設けられる、問診システム。
【請求項2】
前記問診処理部は、前記問診内容を音声及び表示の少なくとも一方で患者に問い合わせる、請求項1に記載の問診システム。
【請求項3】
前記問診処理部は、前記問診内容、及び、前記問診内容に対する患者の前記回答入力の情報を患者ごとに異なるスレッドで前記表示部に表示させる、請求項1に記載の問診システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記スレッドのデータを患者ごとに対応付けて記憶し、
前記問診処理部は、患者に対応する前記スレッドのデータを前記管理装置から読み出して前記表示部に表示させることにより、当該スレッドの続きから前記入力部による患者の回答入力を受付可能にする、請求項3に記載の問診システム。
【請求項5】
前記問診処理部は、予め設定された全ての問診内容について、前記入力部による患者の回答入力を受け付けた場合に、当該回答入力の内容の一覧を前記問診情報として前記表示部に表示させる、請求項1に記載の問診システム。
【請求項6】
前記管理装置は、患者を識別する情報を患者ごとに記憶し、前記問診用端末から受信する前記問診情報と前記患者を識別する情報とに基づいて患者を特定する、請求項1に記載の問診システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診療前の問診に用いられる問診システム及び問診用端末に関する。
【背景技術】
【0002】
病院、診療所その他の医療機関において、診療前に行われる問診では、紙で準備された問診票に患者が筆記具を用いて記入することが一般的に行われている。問診票には、患者の氏名及び生年月日といった個人情報の他、病状や薬の服用の有無といった各種情報が記入される。このような問診票の記入は煩わしく、特に病状が芳しくない患者にとっては負担も大きいため、問診内容に対して患者が簡単に回答することができるようなシステムが望まれる。また、予約システムにて予約を行った後にオンラインで問診を回答する方法も一般的である。予約時点では問診を行わない患者が一定数いることや、予約時点の問診内容(病状等)と実際に来院された際の問診内容(病状等)が時間の経過とともに変化することがあることなどから、来院時に患者が簡単に回答することができるようなシステムが望まれる。
【0003】
一方、近年では、タブレット端末などの患者による操作が可能な端末を用いて、患者が問診内容に対する回答を行うことができるような問診システムも提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者が高齢である場合などには、端末に表示される問診内容に対する操作方法が分かりにくく、問診内容に対して簡単に回答できない場合もあった。
【0006】
本発明は、係る事情にかんがみてなされたものである。本発明の目的は、問診内容に対して患者が簡単に回答することができるような問診システム及び問診用端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る問診システムは、問診用端末と、管理装置とを備える。前記問診用端末は、問診を受ける患者により操作される。前記管理装置は、前記問診用端末により入力された問診情報を管理する。前記問診用端末は、表示部と、問診処理部と、入力部と、通信部とを有する。前記表示部は、キャラクター画像を表示させる。前記問診処理部は、前記表示部に表示される前記キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせる。前記入力部は、前記問診内容に対する患者の回答入力を受け付ける。前記通信部は、前記回答入力の情報を前記問診情報として前記管理装置に送信する。
【0008】
このような構成によれば、問診用端末にキャラクター画像を表示させ、当該キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせることができるため、患者にとって問診内容が分かりやすい。したがって、問診内容に対して患者が簡単に回答することができる。
【0009】
前記問診処理部は、前記問診内容を音声及び表示の少なくとも一方で患者に問い合わせてもよい。
【0010】
このような構成によれば、音声及び表示の少なくとも一方で問診内容を患者に分かりやすく問い合わせることができるため、問診内容に対して患者がより簡単に回答することができる。
【0011】
前記問診処理部は、前記問診内容、及び、前記問診内容に対する患者の前記回答入力の情報を患者ごとに異なるスレッドで前記表示部に表示させてもよい。
【0012】
このような構成によれば、患者ごとに異なるスレッドを表示部に表示させ、患者に一問ずつ問診内容を問い合わせる形式により、複数の問診内容に対して患者が簡単に回答することができる。
【0013】
前記管理装置は、前記スレッドのデータを患者ごとに対応付けて記憶してもよい。この場合、前記問診処理部は、患者に対応する前記スレッドのデータを前記管理装置から読み出して前記表示部に表示させることにより、当該スレッドの続きから前記入力部による患者の回答入力を受付可能にしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、患者に対応するスレッドのデータを管理装置から読み出して、当該スレッドの続きから患者が回答入力を行うことができるため、患者ごとのスレッドで以前に回答入力した情報については、再度の回答入力を省略することが可能になる。したがって、再診患者にとっては、問診内容に対する回答がさらに簡単になる。
【0015】
前記問診処理部は、予め設定された全ての問診内容について、前記入力部による患者の回答入力を受け付けた場合に、当該回答入力の内容の一覧を前記問診情報として前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
このような構成によれば、予め設定された全ての問診内容に対する患者の回答入力の内容が、問診情報として一覧で表示部に分かりやすく表示される。この問診情報の一覧をそのままカルテに転記すれば、診療関係者の負担も軽減できる。
【0017】
前記管理装置は、患者を識別する情報を患者ごとに記憶し、前記問診用端末から受信する前記問診情報と前記患者を識別する情報とに基づいて患者を特定してもよい。
【0018】
このような構成によれば、問診用端末から受信する問診情報と患者を識別する情報とに基づいて患者を特定し、患者の受診を受け付けることができる。したがって、別途受付を行う必要がなく、患者及び診療関係者の負担を軽減できる。
【0019】
前記問診システムは、電子錠を備えていてもよい。前記電子錠は、異なる患者が診療前にそれぞれ入室する複数の部屋それぞれに設けられ、部屋の入口を施錠し、前記部屋及び時間帯ごとに異なるコードで解錠される。この場合、前記問診用端末は、前記複数の部屋それぞれに設けられてもよい。
【0020】
このような構成によれば、電子錠により入口の施錠を行うことができる複数の部屋それぞれにおいて、入室した患者が問診用端末を用いて問診内容に対する回答を簡単に行うことができる。また、複数の部屋がそれぞれ個室となっているため、問診内容を音声で患者に問い合わせるような構成であっても、患者のプライバシーを損なうことを防止できる。
【0021】
本発明に係る問診用端末は、表示部と、問診処理部と、入力部と、通信部とを備える。前記表示部は、キャラクター画像を表示させる。前記問診処理部は、前記表示部に表示される前記キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせる。前記入力部は、前記問診内容に対する患者の回答入力を受け付ける。前記通信部は、前記回答入力の情報を問診情報として管理装置に送信する。
【0022】
このような構成によれば、問診用端末にキャラクター画像を表示させ、当該キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせることができるため、患者にとって問診内容が分かりやすい。したがって、問診内容に対して患者が簡単に回答することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、問診内容に対して患者が簡単に回答できるような問診システム及び問診用端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本実施形態のシステム(診療システム)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】管理装置のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】予約状況データベースに格納されたデータの一例である。
【
図4】診療内容データベースに格納されたデータの一例である。
【
図5】スレッドデータベースに格納されたデータの一例である。
【
図7】電子錠のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図8】コードリストに格納されたデータの一例である。
【
図9】電子錠解錠コードデータベースに格納されたデータの一例である。
【
図10】問診用端末のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
【
図11A】問診用端末の端末表示部における表示画面の一例を示す図である。
【
図11B】問診用端末の端末表示部における表示画面の他の例を示す図である。
【
図11C】問診用端末の端末表示部における表示画面の他の例を示す図である。
【
図12】本実施形態の管理装置で実行される管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
【
図16】本実施形態の問診用端末で実行される問診処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。
【
図17】本実施形態のシステムを用いた診療の流れ(システム利用の流れ)の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0026】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムS(診療システム)のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態のシステムSは、管理装置1、複数の部屋2、部屋2それぞれの入口を施錠する電子錠3、及び管理装置1と電子錠3それぞれとを互いに通信可能に接続するネットワークNを含んで構成される。管理装置1は、ネットワークNを介して関係者端末C、患者端末T及び問診用端末5と通信可能である。部屋2は、例えば、建物Bの内部に設けられる。システムSは、電子錠3を管理する電子錠管理装置4をさらに含んで構成されることが好ましい。
【0027】
〔管理装置1〕
図2は、管理装置1のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。
管理装置1は、
図2に示す各ハードウェア構成要素によって
図2に示す各ソフトウェア構成要素を実現する。そして、管理装置1は、各ソフトウェア構成要素により、スタッフの労力及び患者の待ち時間を低減しつつ、大人数で共用される待合室を介すことなく予約した患者を診療室に案内し、診療を行えるようにする管理処理を実行する。管理装置1の種類は、特に限定されない。管理装置1の種類は、例えば、各種のサーバ装置、クラウドサーバ等で良い。管理装置1は、そのハードウェア構成要素として、装置制御部11、装置記憶部13、装置通信部14等を備える。
【0028】
[装置制御部11]
装置制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0029】
装置制御部11は、必要に応じて装置記憶部13及び/又は装置通信部14と協働する。そして、装置制御部11は、管理装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、予約依頼受信部111、予約決定部112、コード取得部113、予約送信部114、予約状況管理部115、チェックイン部116、通知部117、予約延長部118、診療内容受信部119、薬情報受信部120、診療報酬算出部121、請求書送信部122、処方箋生成部123、処方箋送信部124、質問受信部125、回答生成部126等を実現する。本実施形態の管理装置1に係るプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する管理処理の好ましい流れの説明において示される。
【0030】
[装置記憶部13]
装置記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。
【0031】
装置記憶部13には、CPUで実行されるプログラム、予約状況データベース131、及び患者の情報等が格納されている。また、必須の態様ではないが、装置記憶部13には、診療内容データベース132、診療内容と診療報酬との対応関係、大規模言語モデル等が格納されてもよい。さらに、装置記憶部13には、スレッドデータベース133が格納されている。
【0032】
(予約状況データベース131)
予約状況データベース131には、複数の部屋2それぞれの予約状況が格納される。予約状況は、患者を識別する情報、予約時間帯、予約された部屋2(予約部屋)を識別する情報等を含む。患者を識別する情報は、特に限定されない。患者を識別する情報は、例えば、診察券番号等で良い。予約時間帯、予約された部屋2を識別する情報のフォーマットは、特に限定されない。なお、予約状況データベース131からの取得・格納の便宜のため、予約状況は、予約状況を識別する予約IDと関連付けられて格納されることが好ましい。
【0033】
図3は、予約状況データベース131に格納されたデータの一例である。
図3に示す例の予約状況データベース131には、予約ID「R0001」と関連付けられた予約状況、予約ID「R0002」と関連付けられた予約状況、予約ID「R0003」と関連付けられた予約状況等が格納されている。
【0034】
予約ID「R0001」は、診察券番号「12345」で識別される患者が予約時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に部屋番号「1」で識別される部屋2(
図6の符号2A)を予約したとの予約状況と関連付けられている。また、予約ID「R0002」は、診察券番号「67890」で識別される患者が予約時間帯「2023/12/29 12:00-13:00」に部屋番号「1」で識別される部屋2を予約したとの予約状況と関連付けられている。加えて、予約ID「R0003」は、診察券番号「11223」で識別される患者が予約時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に部屋番号「4」で識別される部屋2(
図6の符号2D)を予約したとの予約状況と関連付けられている。
【0035】
予約状況データベース131に上述の予約状況が格納されているため、管理装置1は、同じ予約部屋を異なる時間帯で予約した患者に、後述するコードリスト331等を参照して得られた時間帯ごとに異なるコードを提供できる。
図3に示す例では、診察券番号「12345」で識別される患者と診察券番号「67890」で識別される患者がこれに該当する。また、管理装置1は、異なる予約部屋を同じ時間帯で予約した患者に、後述するコードリスト331等を参照して得られた部屋ごとに異なるコードを提供できる。
図3に示す例では、診察券番号「12345」で識別される患者と診察券番号「11223」で識別される患者がこれに該当する。これにより、管理装置1は、大人数で共用される待合室と異なる個室のように、部屋2それぞれを管理できる。
【0036】
(診療内容データベース132)
診療内容データベース132には、患者に行われた診療内容、患者に処方する薬の情報、患者に請求する診療報酬等と患者を識別する情報とを関連付けたデータが格納される。機能ごとに分離された構成とすべく、診療内容データベース132は、管理装置1と異なる電子カルテシステム上に格納されていてもよい。患者を識別する情報は、例えば、診察券番号等で良い。患者に行われた診療内容、患者に処方する薬の情報、患者に請求する診療報酬等のフォーマットは、特に限定されない。なお、診療内容データベース132からの取得・格納の便宜のため、上述のデータは、当該データを識別する診療IDと関連付けられて格納されることが好ましい。その他、上述のデータは、保険証の確認状況、問診票の入力状況、会計の状況等によって例示される、来院後の患者に係る各種情報を含んでもよい。
【0037】
ところで、診療内容データベース132に格納される診療内容は、個人情報であることから、高度な秘密保持が求められる。また、診療内容データベース132に格納される診療内容は、医療機関にとって欠かすことのできないデータであることから、アクセス不能となることがない信頼性が求められる。
【0038】
係る事情により、診療内容データベース132は、その一部又は全部がブロックチェーン技術により構成されたデータベースに格納されていることが好ましい。ブロックチェーン技術は、トランザクションの履歴をハッシュ値と共に格納する。これにより、ブロックチェーン技術に係る診療内容データベース132のデータの改ざんは、容易に検出可能となる。また、ブロックチェーン技術は、全体を管理するスーパーノードを持たないP2Pネットワークにより、データの保持及びトランザクションの実行を実現する。これにより、ブロックチェーン技術に係る診療内容データベース132は、単一のスーパーノードの障害によりアクセス不能となることがない信頼性を実現できる。
【0039】
図4は、診療内容データベース132に格納されたデータの一例である。
図4に示す例の診療内容データベース132には、診療ID「M0001」と関連付けられたデータ、診療ID「M0002」と関連付けられたデータ等が格納されている。
【0040】
診療ID「M0001」は、診察券番号「12345」で識別される患者に係る診療内容「診察、・・・」、当該患者に処方される薬の情報「デキサメタゾンシペシル酸エステルカプセル外用、1日1回、14日分」、患者が請求される診療報酬「1,100円」と関連付けられている。また、診療ID「M0002」は、診察券番号「67890」で識別される患者に係る診療内容「花粉症パッチテスト、・・・」、当該患者に処方される薬の情報「フルチカゾンプロピオン酸エステル点鼻液、1日2回、14日分」、患者が請求される診療報酬「4,600円」と関連付けられている。
【0041】
診療内容データベース132に上述のデータが格納されているため、管理装置1は、診療内容に応じた診療報酬を算出し、当該診療報酬を患者に請求できる。また、管理装置1は、薬の情報に基づいて処方箋のデータを生成し、患者に提供できる。
【0042】
(大規模言語モデル)
本実施形態の大規模言語モデルは、入力されたプロンプトへの応答を生成する自然言語処理を実行する言語モデルであれば、特に限定されない。ここで言う「言語モデル」は、自然言語処理において用いられる確率モデルの一種であり、与えられた単語・文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測するためのモデルである。具体的には、言語モデルは、与えられた文章等の出現確率の計算、複数の文章の出現確率を比較すること等によって、次の文章を予測する。これにより、言語モデルは、与えられた文章等に係る文脈に基づいて最もありそうな文章を自動的に生成できる。機能ごとに分離された構成とすべく、大規模言語モデルは、管理装置1と異なる装置(例えば、コールセンターシステム上の装置)に格納されていてもよい。
【0043】
本実施形態の大規模言語モデルは、OpenAIのChatGPT-3.5、ChatGPT-4、Meta AIのLLaMa等によって例示される、少なくとも500GB以上の大量のテキストで学習が行われ、少なくとも100億以上の多数のパラメータを有する大規模言語モデルであることが好ましい。このような大規模言語モデルにより、管理装置1は、予約及び/又は診療に係る質問を含むプロンプトが入力された場合に、当該質問に対する適切な回答を生成できる。
【0044】
より適切な回答を生成すべく、本実施形態の大規模言語モデルは、予約及び/又は診療に係る質問と当該質問に対する回答とを関連付けた学習データによる事前学習が行われていることが好ましい。より詳細には、本実施形態の大規模言語モデルは、予約及び/又は診療に係る質問を説明変数とし、当該質問に対する回答を目的変数とする学習データを用いた事前学習が行われていることが好ましい。
【0045】
(スレッドデータベース133)
スレッドデータベース133には、患者に対する問診を行う際に使用されるスレッドのデータ(スレッドデータ)が格納される。スレッドデータは、患者との間で一問ずつ問診内容を問い合わせるチャット形式により行われたスレッドの内容(スレッド内容)及び名称(スレッド名)が含まれており、これらが患者を識別する情報に関連付けてスレッドデータベース133に格納される。すなわち、管理装置1は各患者のスレッドデータを患者ごとに対応付けて記憶している。スレッド内容は、問診内容に対する患者の回答内容の情報(問診情報)を含んでいる。スレッド名は任意に設定可能である。患者を識別する情報は、例えば、診察券番号等で良い。スレッドデータベース133に格納されるスレッドデータは、個人情報を含む可能性があるため、診療内容データベース132と同様に、その一部又は全部がブロックチェーン技術により構成されたデータベースに格納されていることが好ましい。
【0046】
図5は、スレッドデータベース133に格納されたデータの一例である。
図5に示すスレッドデータベース133には、診察券番号「12345」と関連付けられたデータ、診察券番号「67890」と関連付けられたデータ、診察券番号「11223」に関連付けられたデータ等が格納されている。
【0047】
初診の患者の場合には、過去の問診の際に使用されたスレッドデータが存在しないため、新たにスレッドデータが作成され、その患者に割り当てられた診察券番号と関連付けてスレッドデータベース133に格納される。一方、受診歴のある患者の場合には、過去の問診の際に使用されたスレッドデータがスレッドデータベース133から読み出されて使用され、患者の新たな回答入力の情報を含むスレッドデータがスレッドデータベース133に上書きされる。これにより、患者ごとのスレッドで以前に回答入力した情報については、再度の回答入力を省略することが可能になる。したがって、再診患者にとっては、問診内容に対する回答がさらに簡単になる。
【0048】
[装置通信部14]
装置通信部14は、管理装置1をネットワークNに接続して関係者端末C、患者端末T、問診用端末5等と通信可能にするものであれば特に限定されない。装置通信部14として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0049】
〔建物B〕
図6は、部屋2がある建物Bの概略を示す平面図である。本実施形態のシステムSに係る建物Bには、患者が診療を待つ待合室である部屋2が複数設けられる(例えば、
図6の符号2Aから符号2H)。建物Bは、特に限定されない。建物Bは、例えば、病院、医院等によって例示される医療施設、大型商業施設等で良い。建物Bには、部屋2のほかに各種の部屋が設けられても良い。建物Bに設けられる部ほかは、例えば、検査機器が設置された検査室、治療に係る医療機器が設置された治療室、可搬式の各種医療機器が収納される物置等である。
【0050】
〔部屋2〕
部屋2は、予約した患者が診療前に入室して診療を待ち、診療を受ける場所である。システムSは、複数の部屋2を含む。部屋2には、医療機関の外側に設けられた外扉である入口21を含む1以上の入口が設けられる。部屋2には、診療関係者が入室するための内扉が医療機関の内側に設けられることが好ましい。部屋2の入口21は、電子錠3により施錠され、当該部屋2に係る予約を行った患者当人及び診療関係者のみが入室できるようになっている。すなわち、部屋2は、予約した患者が診療を待つ個室として利用される。
【0051】
部屋2の室内には、当該室内に係る部屋2を特定する部屋特定情報を提供する画像22が掲示される。画像22により提供される部屋特定情報は、部屋2を特定する情報であれば、特に限定されない。画像22は、例えば、QRコード(登録商標)等によって例示される2次元コード(例えば、
図6の符号22A)、バーコード、文字及び/又は数字からなるコード等を介して部屋特定情報を提供する。部屋2の室内に画像22が掲示されることにより、患者端末Tは、患者が当該部屋2に入室したことを確実に示す情報を管理装置1に提供できる。これにより、患者の取り違えが防がれる。
【0052】
また、部屋2の室内には、入室した患者により操作される問診用端末5が設置される。各部屋2には、それぞれ異なる問診用端末5(例えば、
図6の符号5A)が設置され、各部屋2に入室した1人の患者が、それぞれ異なる問診用端末5を用いて問診を受けることができる。各問診用端末5は、管理装置1に対して有線又は無線により通信可能であり、各問診用端末5により入力された問診情報が管理装置1に送信され、管理装置1において管理される。
【0053】
〔電子錠3〕
電子錠3は、部屋2の入口21を施錠するよう設けられる。電子錠3は、診察室及び/又は診療室の入口を施錠するよう設けられてもよい。これにより、システムSは、当該診察室及び/又は診療室を個室として用いる、自動化された個室診察を実現できる。電子錠3の種類は、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードで解錠され、時間帯ごとのコードを管理装置1に提供するよう構成されていれば、特に限定されない。電子錠3の種類は、例えば、時間帯ごとに異なる解錠コードを自動生成し、外部の装置からの指令に応じて当該解錠コードの一覧を提供するよう構成されたスマートロック等でよい。電子錠3それぞれは、当該電子錠3を一意に識別する情報である電子錠IDにより識別される。
【0054】
必須の態様ではないが、電子錠3は、いわゆるマスターキーに類する仕組みを有していてもよい。これにより、診療関係者は、部屋2及び時間帯ごとに異なる解錠コードを逐一入力することなく、マスターキーに類する仕組みを介して部屋2に入室できる。
【0055】
図7は、電子錠3のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。電子錠3は、そのハードウェア構成要素として、電子錠制御部31、電子錠施解錠部32、電子錠記憶部33、電子錠通信部34、電子錠入力部35等を備える。
【0056】
[電子錠制御部31]
電子錠制御部31は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。電子錠制御部31は、電子錠施解錠部32を施錠状態と解錠状態との間で制御する。
【0057】
電子錠制御部31は、必要に応じて電子錠施解錠部32、電子錠記憶部33、電子錠通信部34、及び/又は電子錠入力部35と協働する。そして、電子錠制御部31は、電子錠3で実行されるソフトウェア構成要素である、コード管理部311、コード提供部312、解錠指示受信部313、解錠部314等を実現する。
【0058】
コード管理部311は、電子錠制御部31及び電子錠記憶部33が協働して実現される。コード管理部311は、コードリスト331に格納された時間帯ごとのコードを管理する。コード管理部311は、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードを自動生成することが好ましい。ここで言う「時間帯」は、少なくとも医療機関が患者を診療する時間帯を1時間ごと等の所与の時間単位で区切ったそれぞれの時間帯である。来院するタイミングに余裕を持たせ、十分な診療時間を確保し、かつ、患者が時間帯を把握しやすくすべく、「所与の時間単位」は、1時間であることが好ましい。コード管理部311により管理されるコードは、電子錠入力部35から入力可能な要素からなることが好ましい。当該コードは、例えば、複数の数字からなる暗証番号である。
【0059】
コード提供部312は、電子錠制御部31、電子錠記憶部33、及び電子錠通信部34が協働して実現される。コード提供部312は、管理装置1等の外部の装置から上述のコードの提供を求められた場合に、コードリスト331を参照し、時間帯と当該時間帯のコードとが関連付けられたデータを外部に提供する。セキュリティ上の観点から、コード提供部312は、認証された装置にのみコードの提供を行うことが好ましい。当該認証は、例えば、暗号鍵を用いた手順、ネットワークN上のアドレスを識別する手順等の各種手順によって実現される。
【0060】
解錠指示受信部313は、電子錠制御部31、電子錠記憶部33等が協働して実現される。解錠指示受信部313は、コードを含む解錠指示を受信する。当該受信は、電子錠通信部34を介した通信を受信するものでもよく、電子錠入力部35を介した入力を受信するものでもよい。解錠指示の受信後、解錠指示受信部313は、解錠部314に処理を移す。
【0061】
解錠部314は、電子錠制御部31、電子錠施解錠部32、及び電子錠記憶部33が協働して実現される。解錠部314は、解錠指示受信部313により受信された解錠指示に含まれるコードをコードリスト331に格納されたコードと照合する。そして、解錠部314は、受信された解錠指示に含まれるコードが現在日時の属する時間帯と関連付けられたコードである場合に、入口21を解錠する。当該解錠は、電子錠3の電子錠施解錠部32を解錠状態に制御することにより実現される。
【0062】
[電子錠施解錠部32]
電子錠施解錠部32は、電子錠制御部31からの制御に応じて、電子錠3を施錠状態と解錠状態との間で制御する。電子錠施解錠部32の種類は、特に限定されない。電子錠施解錠部32の種類は、例えば、従来公知の各種電子錠及びそれらに基づく各種電子錠と同様でよい。
【0063】
[電子錠記憶部33]
電子錠記憶部33には、CPUで実行されるプログラム、コードリスト331等が格納されている。
【0064】
(コードリスト331)
コードリスト331には、時間帯と当該時間帯に電子錠3を解錠するコードとが関連付けられたデータが格納される。コードは、電子錠入力部35から入力可能な要素からなることが好ましい。当該コードは、例えば、複数の数字からなる暗証番号である。同じ時間帯に対応するコードは、電子錠3ごとに異なる。すなわち、同じ時間帯に対応するコードは、部屋2ごとに異なる。当該コードは、当該電子錠3を識別する情報である電子錠IDと関連付けられて格納されることが好ましい。
【0065】
図8は、コードリスト331に格納されたデータの一例である。
図8に示す例には、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 10:00-11:00」に解錠するコード「112233」、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に解錠するコード「456456」、及び電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 12:00-13:00」に解錠するコード「789078」等の時間帯に対応するコードが格納されている。
【0066】
これらのコードが格納されることにより、部屋2の入口21を施錠する電子錠3は、コードリスト331を参照して、時間帯に応じたコードを受信したか否かを判別できる。そして、電子錠3は、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードが受信された場合に、部屋2の入口21を解錠できる。電子錠3のコード提供部312を介してコードを提供された管理装置1は、時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に予約した患者に、当該時間帯に対応するコード「456456」を提供する。このコードは、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードである。よって、当該患者は、当該時間帯と異なる時間帯、例えば、「10:00-11:00」「12:00-13:00」に電子錠3を解錠することができない。
【0067】
[電子錠通信部34]
電子錠通信部34は、電子錠3をネットワークNに接続して管理装置1等と通信可能にするものであれば特に限定されない。電子錠通信部34として、例えば、無線LANに接続する無線通信装置が挙げられる。
【0068】
必須の態様ではないが、電子錠通信部34は、関係者端末C及び患者端末Tと電子錠3との通信を可能にするよう構成されていることが好ましい。これにより、電子錠通信部34は、関係者端末C及び患者端末Tから上述の解錠指示を受信できる。当該構成の電子錠3は、電子錠入力部35を含まない構成でもよい。
【0069】
[電子錠入力部35]
電子錠入力部35は、患者等がコードを含む解錠指示を入力できるよう構成される。電子錠入力部35は、例えば、数字、記号、文字等を入力するキーパッド、タッチパネル等により実現される。また、電子錠入力部35は、例えば、2次元コード、バーコード、文字及び/又は数字からなるコード等によって例示される光学的に読み取り可能な各種コードを読み取る光学読取装置により実現されてもよい。
【0070】
〔電子錠管理装置4〕
電子錠管理装置4は、錠管理装置制御部41、錠管理装置制御部41で実行されるプログラム及び電子錠解錠コードデータベース421等が格納される錠管理装置記憶部42、錠管理装置通信部43等を備える。錠管理装置制御部41、錠管理装置記憶部42、錠管理装置通信部43それぞれのハードウェア構成は、順に、装置制御部11、装置記憶部13、装置通信部14と同様でよい。電子錠管理装置4は、錠管理装置制御部41、錠管理装置記憶部42、錠管理装置通信部43の協働により、部屋2を施錠する電子錠3及び電子錠解錠コードデータベース421を管理する処理である電子錠管理処理を実行する。電子錠管理処理は、管理装置1からの指令に応じて、電子錠解錠コードデータベース421を参照し、部屋2を施錠する電子錠3を指定された時間帯に解錠するコードを管理装置1に提供する手順を含む。また、電子錠管理処理は、電子錠3との協働により、電子錠解錠コードデータベース421に格納されたデータを自動更新する手順を含む。データを自動更新する手順は、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードを自動生成する手順を含むことが好ましい。電子錠解錠コードデータベース421には、電子錠3を一意に特定する情報である電子錠IDと、当該電子錠3により入口を施錠される部屋2を特定する情報と、時間帯と、当該電子錠3を当該時間帯に解錠するコード(解錠コード)とを関連付けたデータが格納される。
【0071】
図9は、電子錠解錠コードデータベース421に格納されたデータの一例である。
図9に示す例には、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 10:00-11:00」に解錠するコード「112233」、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に解錠するコード「456456」、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 12:00-13:00」に解錠するコード「789078」、電子錠ID「K0002」で識別される電子錠3を時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に解錠するコード「445566」等の時間帯に対応するコードが格納されている。
【0072】
これらのコードが格納されることにより、管理装置1は、電子錠管理装置4を介して電子錠解錠コードデータベース421を参照して、部屋2及び時間帯に応じたコードを受信したか否かを判別できる。そして、電子錠3は、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードが受信された場合に、部屋2の入口21を解錠できる。電子錠3のコード提供部312を介してコードを提供された管理装置1は、電子錠ID「K0001」で識別される電子錠3で施錠された部屋2を時間帯「2023/12/29 11:00-12:00」に予約した患者に、当該時間帯に対応するコード「456456」を提供する。このコードは、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードである。よって、当該患者は、当該時間帯と異なる時間帯、例えば、「10:00-11:00」「12:00-13:00」に当該部屋2に対応する電子錠3を解錠することができない。また、当該患者は、当該時間帯と同じ時間帯、例えば、「11:00-12:00」であっても、異なる部屋2に対応する電子錠3、例えば、電子錠ID「K0002」で識別される電子錠3を解錠することができない。
【0073】
〔関係者端末C〕
関係者端末Cの種類は、特に限定されない。関係者端末Cは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。関係者端末Cは、管理装置1からの通知を受信する処理、当該通知が受信された場合に画面表示及び/又は音声出力等を介して関係者端末Cを利用する診療関係者に当該受信を通知する処理を実行する。
【0074】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、管理装置1、電子錠3、患者端末T、関係者端末C及び問診用端末5を互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0075】
〔患者端末T〕
患者端末Tの種類は、特に限定されない。患者端末Tは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。患者端末Tは、予約依頼を管理装置1に送信する処理、管理装置1から送信された予約に係る情報を受信・格納・表示する処理、部屋特定情報等を管理装置1に送信する処理等を実行するよう構成される。
【0076】
〔問診用端末5〕
図10は、問診用端末5のハードウェア構成及びソフトウェア構成を示すブロック図である。問診用端末5は、
図10に示す各ハードウェア構成要素によって
図10に示す各ソフトウェア構成要素を実現する。問診用端末5の種類は、特に限定されない。問診用端末5の種類は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等で良い。問診用端末5は、そのハードウェア構成要素として、端末制御部51、端末記憶部52、端末表示部53、端末出力部54、端末入力部55、端末通信部56等を備える。ただし、これらの各部が全て問診用端末5に備えられた構成に限らず、少なくとも一部が問診用端末5に備えられていない構成であってもよい。例えば、端末制御部51及び端末機億部52が別のサーバにより実現されてもよい。この場合、問診用端末5は、インプット及びアウトプットを行う端末表示部53、端末出力部54、端末入力部55、端末通信部56のみを備え、ブラウザを利用するのみの構成であってもよい。
【0077】
〔端末制御部51〕
端末制御部51は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0078】
端末制御部51は、必要に応じて端末記憶部52、端末表示部53、端末出力部54、端末入力部55、及び/又は端末通信部56と協働する。そして、端末制御部51は、問診用端末5で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、問診処理部511、スレッド送信部512、スレッド受信部513等を実現する。
【0079】
問診処理部511は、端末記憶部52、端末表示部53、端末出力部54、及び端末入力部55が協働して実現される。問診処理部511は、端末記憶部52に格納されているスレッドデータに基づいて、各患者に関連付けられたスレッドを端末表示部53に表示させる。また、端末表示部53には、スレッドだけでなく、キャラクター画像が表示される。このとき、必要に応じて端末出力部54から音声が出力される。
【0080】
患者は、表示及び/又は音声で問い合わせられる問診内容に対して、端末入力部55により回答入力を行い、その回答入力の情報が端末表示部53に表示される。このように、問診処理部511は、問診内容を音声及び表示の少なくとも一方で患者に問い合わせることができる。問診処理部511は、問診内容、及び、問診内容に対する患者の回答入力の情報を患者ごとに異なるスレッドで端末表示部53に表示させる。
【0081】
キャラクター画像は、いわゆるアバターであり、仮想空間上の人間又は人間等の動物をモチーフにしたキャラクターの画像である。キャラクター画像は、スレッドに順次表示される問診内容の表示タイミングに合わせて、口等の体の一部が動くように表示される。このとき、キャラクター画像の動きに合わせて端末出力部54から音声が出力されてもよい。このように、問診処理部511は、端末表示部53に表示されるキャラクター画像の動きに連動させて、スレッド上で問診内容を患者に問い合わせる。このように、問診用端末5にキャラクター画像を表示させ、当該キャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせることができるため、患者にとって問診内容が分かりやすい。したがって、問診内容に対して患者が簡単に回答することができる。
【0082】
スレッドに順次表示される問診内容は、大規模言語モデルを用いて実現できる。この大規模言語モデルは、OpenAIのChatGPT-3.5、ChatGPT-4、Meta AIのLLaMa等によって例示されるが、入力されたプロンプトへの応答を生成する自然言語処理を実行する言語モデルであれば、特に限定されない。このような大規模言語モデルにより、問診用端末5は、問診内容に対する患者の回答を含むプロンプトが入力された場合に、当該入力に対する適切な回答を生成できる。
【0083】
問診内容は、予め複数設定されており、設定された全ての問診内容に対する患者の回答入力があった場合に、問診処理部511は、患者への問診内容の問い合わせを終了する。そして、問診処理部511は、複数の問診内容に対する回答入力の内容の一覧を問診情報として端末表示部53に表示させる。問診処理部511による患者への問診内容の問い合わせに使用したスレッドのデータは、スレッドデータ521として端末記憶部52に格納される。
【0084】
スレッド送信部512は、端末記憶部52及び端末通信部56が協働して実現される。スレッド送信部512は、問診処理部511による患者への問診内容の問い合わせが終了した後に、その問い合わせに使用したスレッドデータを端末記憶部52から読み出して管理装置1に送信する。このスレッドデータには、問診情報としての患者の回答内容が含まれる。管理装置1は、問診用端末5から受信したスレッドデータ521をスレッドデータベース133に格納する。
【0085】
スレッド受信部513は、端末記憶部52及び端末通信部56が協働して実現される。スレッド受信部513は、患者に対する問診を開始する際に、その患者に関連付けられたスレッドデータ521を管理装置1から読み出して端末記憶部52に格納する。患者に対応するスレッドデータ521を管理装置1から読み出して端末記憶部52に格納し、そのスレッドを端末表示部53に表示させることにより、当該スレッドの続きから患者の回答入力を受付可能にすることができる。
【0086】
患者の特定は、問診の開始時に患者により回答入力される氏名、生年月日等により行われてもよい。この場合、特定された患者の診察券番号に関連付けられたスレッドデータ521が管理装置1から読み出されて端末記憶部52に格納される。このように、管理装置1は、患者を識別する情報である診察券番号を患者ごとに記憶し、問診用端末5から受信する問診情報と診察券番号とに基づいて患者を特定することができる。ただし、問診の開始時に患者により診察券番号が回答入力されてもよい。この場合、診察券番号に関連付けられている氏名、生年月日等が、回答入力された情報と1つでも異なる場合に、その旨を報知するような構成であってもよい。また、患者の特定は、顔認証、声認証等の各種生体認証により行われてもよいし、保険証等の読取により行われてもよい。
【0087】
〔端末記憶部52〕
端末記憶部52は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。また、端末記憶部52には、CPUで実行されるプログラム、スレッドデータ521等が格納されている。スレッドデータ521は、患者に対する問診を行うときにだけ管理装置1から読み出されて端末記憶部52に格納されてもよい。
【0088】
〔端末表示部53〕
端末表示部53は、キャラクター画像及びスレッドを表示できるよう構成される。端末表示部53は、例えば、液晶表示器、有機EL表示器等により実現される。
【0089】
〔端末出力部54〕
端末出力部54は、音声を出力できるよう構成される。端末出力部54は、例えば、スピーカ等により実現される。端末出力部54は、端末表示部53により表示されるキャラクター画像の動きに連動させて音声を出力することにより、問診内容を音声で患者に問い合わせることができる。
【0090】
〔端末入力部55〕
端末入力部55は、問診内容に対する患者の回答入力を受け付けることができるよう構成される。端末入力部55は、例えば、数字、記号、文字等を入力するキーパッド、タッチパネル等により実現される。タッチパネル付き表示器により、端末表示部53及び端末入力部55が一体的に構成されてもよい。
【0091】
〔端末通信部56〕
端末通信部56は、問診用端末5をネットワークNに接続して管理装置1等と通信可能にするものであれば特に限定されない。端末通信部56として、例えば、無線LANに接続する無線通信装置が挙げられる。
【0092】
〔問診用端末の表示画面〕
図11は、問診用端末5の端末表示部53における表示画面の一例を示す図である。端末表示部53の表示画面には、キャラクター表示領域531、スレッド表示領域532、スレッド名表示領域533、回答入力領域534、会話ボタン535等が含まれる。
【0093】
キャラクター表示領域531には、キャラクター画像531Aが表示される。キャラクター画像531Aは、例えば、人間をモチーフにしたアバターであり、少なくとも体の一部として頭部が含まれている。スレッド表示領域532において患者に対する問診内容の問い合わせを行う際には、キャラクター画像531Aの少なくとも口が動くことが好ましく、表情や顔以外の部分も動くことがより好ましい。
【0094】
スレッド名表示領域533には、スレッド表示領域532に表示されているスレッドのスレッド名が表示される。スレッド名は、例えば患者IDであるが、これに限らず患者番号等の他の名称であってもよい。このスレッド名は、
図5を用いて説明した通り、スレッド表示領域532に表示されているスレッドの内容とともに、診察券番号に関連付けてスレッドデータベース133に格納されている。したがって、各患者に対応するスレッドの内容をスレッドデータベース133から読み出す際に、スレッド名も読み出されてスレッド名表示領域533に表示される。なお、スレッド名表示領域533に表示されたスレッド名を画面上で修正することはできない。
【0095】
スレッド表示領域532には、複数の問診内容532A、532B、・・・が順次表示される。各問診内容532A、532B、・・・の表示タイミングに連動させて、キャラクター表示領域531のキャラクター画像531Aが動くことにより、患者は、そのキャラクターに話しかけられているような感覚で問診を受けることができる。問診内容としては、患者の氏名、生年月日、性別、体温、同居家族の健康状態、症状、服用薬の有無、アレルギーの有無、希望の薬の形状等の少なくとも1つが含まれていてもよい。ただし、問診内容は、これらに限らず、任意の項目を問診内容として患者に問い合わせることができる。また、問診内容の各項目は、予め定められていてもよいし、任意に設定可能であってもよい。
【0096】
患者は、回答入力領域534に対する入力により、各問診内容532A、532B、・・・に対して個別に回答する。すなわち、「氏名」の問診内容532Aがスレッドに表示された場合、患者は、回答入力領域534に自分の氏名を回答入力する。また、「生年月日」の問診内容532Bがスレッドに表示された場合、患者は、回答入力領域534に自分の生年月日を回答入力する。
【0097】
予め設定された全ての問診内容532A、532B、・・・について、回答入力領域534に対する患者の回答入力が受け付けられた場合には、回答入力の内容の一覧532Zが問診情報としてスレッド表示領域532に表示される。このスレッドの内容が管理装置1に送信され、スレッドデータベース133に格納されることにより、問診用端末5から管理装置1への問診情報の送信が実現する。管理装置1においては、この問診情報の一覧をそのままカルテ(電子カルテ)に転記すれば、診療関係者の負担を軽減できる。ただし、問診情報を手動で転記するような構成に限らず、管理装置1において自動で転記されるような構成であってもよい。
【0098】
上記のような回答入力領域534に対する入力の代わりに、会話ボタン535を選択することにより、音声入力で各問診内容532A、532B、・・・に対して個別に回答することもできる。この場合、氏名については、音声入力では正しく変換できない可能性があるため、回答入力領域534に対する入力でのみ受け付けられてもよいし、予め特定した患者の氏名をスレッド表示領域532に表示させて患者に確認させてもよい。
【0099】
図11B及び
図11Cは、問診用端末5の端末表示部53における表示画面の他の例を示す図である。
図11Aでは、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末等の表示画面の一例を示したが、
図11B及び
図11Cでは、モバイル端末の表示画面の一例を示している。
図11B及び
図11Cでは、表示画面を縦にした場合の表示例が示されているが、表示画面を横にした場合には、表示画面内の各領域の配置が変更されてもよい。
【0100】
図11Bに示す端末表示部53の表示画面には、キャラクター表示領域531、スレッド表示領域532、スレッド名表示領域533、回答入力領域534、会話ボタン535等が含まれる。それぞれの説明については、
図11Aと同様であるため省略する。ただし、表示画面が小さい場合には、スレッド表示領域532に直近の1往復の会話のみが表示されるなど、表示される文字数が制限されてもよいし、スレッド表示領域532自体が表示されない構成であってもよい。
【0101】
図11Cに示す端末表示部53の表示画面には、キャラクター表示領域531、スレッド表示領域532、スレッド名表示領域533、回答入力領域534、会話ボタン535等が含まれる。それぞれの説明については、
図11Aと同様であるため省略する。この例では、キャラクター表示領域531とスレッド表示領域532が一部又は全部において重複しており、キャラクター画像531に重なるようにスレッドが表示される。これにより、表示画面が小さい場合でも多くの内容を表示させることができる。この場合、スレッド表示領域532の左側に問診内容が表示され、右側に患者の回答が表示される。問診内容の各表示に対しては、キャラクター画像531Aに対応するアイコンが付与されてもよい。
【0102】
〔管理処理のメインフローチャート〕
図12は、本実施形態の管理装置1で実行される管理処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図13は、
図12から続く図である。
図14は、
図13から続く図である。
図15は、
図14から続く図である。以下は、
図12から
図15を用いた、本実施形態の管理装置1で実行される管理処理の好ましい流れの一例である。
【0103】
管理装置1は、ステップS1からステップS6において、診療の予約に係る一連の処理を実行する。当該一連の処理により、管理装置1は、複数の部屋2それぞれの予約状況を管理し、予約時間帯に対応する暗証番号等の予約時間帯に対応するコードを電子錠3から取得し、このコードを予約された部屋2の情報と共に患者端末Tに送信することにより、予約時間帯に重複部分がある各患者を別の部屋2に案内できる。これらの部屋2それぞれは、時間帯ごとに異なるコードで解錠される電子錠3により施錠されている。そのため、本実施形態の管理装置1は、予約時間帯に対応する予約コードを用いて電子錠3を解錠する患者及び診療関係者のみが予約された部屋2に入室できるよう管理できる。
【0104】
[ステップS1:予約依頼を受信したか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約依頼受信部111を実行する。そして、装置制御部11は、予約依頼受信部111により、患者の端末(患者端末T)から少なくとも希望時間帯を含む予約の依頼(予約依頼)を受信したか判別する処理を実行する(ステップS1、予約依頼受信ステップ)。受信したと判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS2に移す。受信したと判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS7に移す。様々な要望を予約に反映させるべく、予約依頼は、希望時間帯のほかに、診療科目、患者が希望する担当者等の希望時間帯以外の情報をさらに含むことが好ましい。
【0105】
[ステップS2:希望時間帯に予約可能か判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約決定部112を実行する。そして、装置制御部11は、予約決定部112により、予約状況データベース131を参照し、予約依頼受信ステップで受信された予約依頼に含まれる希望時間帯に予約可能か否かを判別する処理を実行する(ステップS2、予約可否判別ステップ)。予約可能であると判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS3に移す。予約可能であると判別しなかった場合、装置制御部11は、希望時間帯に予約できないことを予約依頼受信ステップに係る患者端末Tに通知し、処理をステップS1に戻す。上述のように通知し、処理を戻すことにより、管理装置1は、当該患者が別の希望時間帯で再度予約を依頼することを可能にする。
【0106】
医療機関の事情、患者のより詳細な希望等に対応すべく、予約可否判別ステップは、休診日、診療科目、患者が希望する担当者等の希望時間帯以外の情報をさらに参照して、予約可能か否かを判別してもよい。
【0107】
[ステップS3:予約時間帯及び予約部屋を決定]
装置制御部11は、予約決定部112により、予約状況データベース131を参照し、予約依頼受信ステップで受信された予約依頼に含まれる希望時間帯に対応する予約時間帯及び予約部屋を決定する処理を実行する(ステップS3、予約決定ステップ)。ここで言う「予約部屋」は、複数の部屋2のうち、予約時間帯に予約に割り当てる部屋2である。装置制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0108】
[ステップS4:電子錠からコードを取得]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、コード取得部113を実行する。そして、装置制御部11は、コード取得部113により、予約決定ステップに係る予約部屋の入口21を施錠する電子錠3から、予約決定ステップに係る予約時間帯のコードである予約コードを取得する処理を実行する(ステップS4、コード取得ステップ)。ここで言う「予約時間帯のコード」は、予約時間帯に当該電子錠3を解錠するコードである。装置制御部11は、処理をステップS5に移す。なお、コード取得ステップにおける予約コードの取得は、当該電子錠3を管理する電子錠管理装置4を介して行われてもよい。
【0109】
[ステップS5:予約に係る情報を送信]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約送信部114を実行する。そして、装置制御部11は、予約送信部114により、予約決定ステップで決定された予約に係る情報を予約依頼受信ステップに係る患者端末Tに送信する処理を実行する(ステップS5、予約送信ステップ)。ここで言う「予約に係る情報」は、少なくとも、予約決定ステップで決定された予約時間帯及び予約部屋、並びに、コード取得ステップで取得された予約コードを含む。装置制御部11は、処理をステップS6に移す。
【0110】
診療関係者が予約状況を認識できるようにすべく、予約送信ステップは、予約に係る情報を、患者端末Tに加えて、関係者端末Cにも送信することが好ましい。
【0111】
[ステップS6:予約に係る情報を格納]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約状況管理部115を実行する。そして、装置制御部11は、予約状況管理部115により、予約送信ステップで送信された予約に係る情報を格納する処理を実行する(ステップS6、予約状況管理ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0112】
管理装置1は、ステップS7からステップS8において、部屋特定情報を送信した患者の入室を診療関係者の端末(関係者端末C)に通知する一連の処理を実行する。当該一連の処理により、管理装置1は、予約部屋内で提供された当該予約部屋を特定する部屋特定情報等が予約された部屋2に入室した患者の患者端末Tから送信され、管理装置1において受信された場合に、関係者端末Cに、予約部屋で当該患者が待機していることを通知する。これにより、本実施形態の管理装置1は、診療関係者の数より多い数の部屋2に各患者を待機させつつ、部屋特定情報等が受信され、診療が可能となったタイミングで診療関係者が当該患者を診療することを可能とする。これにより、本実施形態の管理装置1は、予約した患者を不必要に待たせることを防げる。
【0113】
[ステップS7:チェックイン情報を受信したか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、チェックイン部116を実行する。そして、装置制御部11は、チェックイン部116により、患者端末Tから部屋特定情報を含むチェックイン情報受信したか判別する処理を実行する(ステップS7、チェックインステップ)。受信したと判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS8に移す。受信したと判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS8の処理を繰り返す。
【0114】
チェックインステップにおけるチェックイン情報は、部屋特定情報及び患者を特定する情報等を含む。チェックインステップにおける部屋特定情報は、例えば、予約部屋である部屋2に掲示された画像22を患者端末Tで読み取って取得した情報である。
【0115】
(保険証等の確認について)
管理装置1は、保険証等の診療に要する各種書類を確認する一連の処理を実行することが好ましい。当該処理は、装置記憶部13に格納された、各種書類の確認状況に関する情報を参照し、確認が行われていない書類について、確認に係る手順を進める処理を含む。「診療に要する各種書類」は、例えば、健康保険証、健康保険証利用が登録されたマイナンバーカード、高額療養費制度に係る限度額適用認定証等の月次で確認される各種書類を含む。「確認に係る手順」は、例えば、マイナンバーカードの読取装置からマイナンバーカードの健康保険証情報を読み取る手順、当該書類の確認を行うようにとの指示を医療機関のスタッフに送信する手順等を含む。
【0116】
[ステップS8:診療関係者の端末に通知]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、通知部117を実行する。そして、装置制御部11は、通知部117により、チェックインステップに係る予約部屋で当該ステップに係る患者が待機していることを診療関係者の端末(関係者端末C)に通知する処理を実行する(ステップS8、通知ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS8の処理を繰り返す。
【0117】
いわゆるマスターキーに類する仕組みを介さずに診療関係者が予約部屋に入室できるようにすべく、通知ステップは、予約部屋の入口21に設けられた電子錠3を解錠するコードを関係者端末Cに通知することが好ましい。
【0118】
ところで、予約時間帯に診療を受ける患者の数より少ない人数の医師等の診療関係者で診療を行うこと、及び、症状等によって診療に要する時間が予想より長くなり得ることという、医療機関における診療固有の事情のため、診療関係者が予約時間帯に患者を診療できない場合があり得る。
【0119】
上述の事情に関し、必須の態様ではないが、管理装置1は、予約の延長に係る一連の処理を実行してもよい(ステップS9からステップS12)。予約の延長に係る一連の処理である予約延長ステップを実行することにより、管理装置1は、予約時間帯に診療を受けることができなかった患者の予約を延長できる。この延長において、管理装置1は、延長時間帯に当該予約に割り当てる部屋である延長部屋を決定するため、既に部屋を割り当てられた別の患者の移動に係る労力が発生することを防げる。管理装置1は、予約時間帯に診療を受けることができなかった患者が患者の端末に送信された延長時間帯、延長部屋、及び延長時コードにより、適切な部屋で診療を待ち、診療を受けるように管理できる。
【0120】
[ステップS9:予約延長を要するか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約延長部118を実行する。そして、装置制御部11は、予約延長部118により、予約延長を要するか判別する処理を実行する(ステップS9、延長要否判別ステップ)。要すると判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS10に移す。要すると判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0121】
延長要否判別ステップにおいて、予約延長を要するか判別する手順は、特に限定されない。自動延長を可能とすべく、当該手順は、例えば、予約部屋に入室した患者について、予約時間帯が終了するまでの時間が所与の時間を下回り、かつ、当該患者に係る診療が終了したことを示す情報を関係者端末Cから受信していない場合に、予約延長を要すると判別する手順を含むことが好ましい。また、診療関係者による延長を可能とすべく、当該手順は、関係者端末Cから予約延長の指示があった場合に、予約延長を要すると判別する手順を含むことが好ましい。
【0122】
[ステップS10:延長時間帯及び延長部屋を決定]
装置制御部11は、予約延長部118により、予約状況データベース131を参照して、延長時間帯及び延長部屋を決定する処理を実行する(ステップS10、予約延長実行ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS11に移す。予約延長実行ステップは、延長時間帯が現在の予約時間帯に続く時間帯であり、可能な限り予約部屋と同じ部屋を延長部屋にする点を除き、予約決定ステップと同様でよい。
【0123】
[ステップS11:電子錠からコードを取得]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、コード取得部113を実行する。そして、装置制御部11は、コード取得部113により、予約延長実行ステップに係る延長部屋の入口21を施錠する電子錠3から、予約延長実行ステップに係る延長時間帯のコードである延長時コードを取得する処理を実行する(ステップS11、延長時コード取得ステップ)。ここで言う「延長時間帯のコード」は、延長時間帯に当該電子錠3を解錠するコードである。装置制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0124】
[ステップS12:延長に係る情報を送信]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、予約送信部114を実行する。そして、装置制御部11は、予約送信部114により、予約延長実行ステップで決定された延長に係る情報を患者端末Tに送信する処理を実行する(ステップS12、延長送信ステップ)。ここで言う「延長に係る情報」は、少なくとも、予約延長実行ステップで決定された延長時間帯及び延長部屋、並びに、延長時コード取得ステップで取得された延長時コードを含む。装置制御部11は、処理をステップS13に移す。
【0125】
必須の態様ではないが、管理装置1は、診療内容のデータベース化及び診療報酬の請求に係る一連の処理を実行することが好ましい(ステップS13からステップS21)。これにより、管理装置1は、診療の予約及び診療まで至る流れのみならず、診療報酬の請求においても、患者が大人数で共用される会計の待合室を介することなく、患者に診療報酬を請求できる。また、これにより、管理装置1は、診療の予約及び診療まで至る流れのみならず、診療報酬を請求する手順においても、スタッフの労力及び患者の待ち時間を低減できる。機能ごとに分離された構成とすべく、当該一連の処理は、管理装置1と異なる電子カルテシステム上で実行されることが好ましい。
【0126】
当該一連の処理は、処方箋の発行に係る処理(ステップS15からステップS16及びステップS20からステップS21)を含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、診療の予約及び診療まで至る流れのみならず、処方箋の提供においても、患者が大人数で共用される会計の待合室を介することなく、患者が処方箋に基づく薬を購入できるように取り計らえる。また、上述の構成により、管理装置1は、診療の予約及び診療まで至る流れのみならず、処方箋を提供する手順においても、スタッフの労力及び患者の待ち時間を低減できる。
【0127】
[ステップS13:診療内容を受信したか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、診療内容受信部119を実行する。そして、装置制御部11は、診療内容受信部119により、診療内容を受信したか判別する処理を実行する(ステップS13、診療内容受信ステップ)。受信したと判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS14に移す。受信したと判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS15に移す。
【0128】
[ステップS14:診療内容を格納]
装置制御部11は、診療内容受信部119により、診療内容受信ステップで受信した診療内容を診療内容データベース132に格納する処理を実行する(ステップS14、診療内容格納ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS15に移す。診療内容格納ステップにおいて、診療内容は、患者を識別する情報、診療のタイミングを示す情報等と関連付けられて診療内容データベース132に格納される。なお、診療内容の秘密保持及び信頼性向上のために、診療内容データベース132の一部又は全部がブロックチェーン技術により実現される場合、診療内容は、ブロックチェーン技術により実現された診療内容データベース132に格納されることが好ましい。
【0129】
[ステップS15:薬の情報を受信したか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、薬情報受信部120を実行する。そして、装置制御部11は、薬情報受信部120により、薬の情報を受信したか判別する処理を実行する(ステップS15、薬情報受信ステップ)。受信したと判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS16に移す。受信したと判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0130】
[ステップS16:薬の情報を格納]
装置制御部11は、薬情報受信部120により、薬情報受信ステップで受信した薬の情報を診療内容データベース132に格納する処理を実行する(ステップS16、薬情報格納ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS17に移す。薬情報格納ステップにおいて、薬の情報は、患者を識別する情報、診療のタイミングを示す情報等と関連付けられて診療内容データベース132に格納される。なお、薬の情報の秘密保持及び信頼性向上のために、診療内容データベース132の一部又は全部がブロックチェーン技術により実現される場合、薬の情報は、ブロックチェーン技術により実現された診療内容データベース132に格納されることが好ましい。
【0131】
[ステップS17:診療報酬を算出するか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13と協働し、診療報酬算出部121を実行する。そして、装置制御部11は、診療報酬算出部121により、診療報酬を算出するか判別する処理を実行する(ステップS17、診療報酬算出判別ステップ)。算出すると判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS18に移す。算出すると判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS20に移す。
【0132】
診療報酬算出判別ステップにおける診療報酬を算出するか否かを判別する処理は、例えば、関係者端末Cから診療の終了を示す情報を受信した場合に診療報酬を算出すると判別する手順を含む。
【0133】
[ステップS18:診療報酬を算出]
装置制御部11は、診療報酬算出部121により、診療報酬算出判別ステップで算出すると判別された診療報酬を算出する処理を実行する(ステップS18、診療報酬算出ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS19に移す。診療報酬算出ステップは、診療内容格納ステップにおいて格納された診療内容に基づき、装置記憶部13に格納された診療内容と診療報酬との対応関係、患者に係る各種の診療報酬減免等を参照して、診療報酬を算出する。
【0134】
[ステップS19:請求書を送信]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、請求書送信部122を実行する。そして、装置制御部11は、請求書送信部122により、診療報酬算出ステップで算出された診療報酬を請求する請求書を患者端末Tに送信する処理を実行する(ステップS19、請求書送信ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS20に移す。
【0135】
[ステップS20:処方箋を送信するか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、処方箋生成部123を実行する。そして、装置制御部11は、処方箋生成部123により、処方箋を送信するか判別する処理を実行する(ステップS20、処方箋生成ステップ)。送信すると判別した場合、装置制御部11は、処方箋生成部123により、薬情報格納ステップで格納された薬の情報に基づいて、処方箋のデータを生成する。そして、装置制御部11は、処理をステップS21に移す。送信すると判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS22に移す。処方箋生成ステップにおける処方箋を送信するか否かの判別は、例えば、処方箋を薬局に送信するよう患者端末Tから指定された場合に処方箋を送信すると判別する手順を含む。
【0136】
[ステップS21:処方箋を送信]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、処方箋送信部124を実行する。そして、装置制御部11は、処方箋送信部124により、処方箋生成ステップで生成された処方箋のデータを送信する処理を実行する(ステップS21、処方箋送信ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS22に移す。処方箋のデータの送信先は、上述の薬局であることが好ましい。
【0137】
ところで、傷病を抱える患者は、予約又は診療について医療機関に質問する傾向が、傷病への不安がない者たちより強いと考えられる。また、本発明のシステムSが提供する新たな診療形態に馴染んでいない患者は、当該診療形態における予約及び診療に係る質問を行う可能性が高いと予想される。このような質問への対応は、医療機関のスタッフに多大な労力を費やさせ得る。また、質問が殺到することにより、患者が質問への回答を待つ時間が長くなることが懸念される。
【0138】
必須の態様ではないが、管理装置1は、質問に対する自動応答に係る一連の処理を実行することが好ましい(ステップS22からステップS24)。これにより、管理装置1は、スタッフに労力を費やさせることなく、質問に対して自動生成された回答を患者に提供できる。このとき、管理装置1は、スタッフの時間を占有することなく回答を提供するため、患者が回答を待つ時間を低減できる。機能ごとに分離された構成とすべく、当該一連の処理は、管理装置1と異なるコールセンターシステム上で実行されることが好ましい。
【0139】
[ステップS22:質問を受信したか判別]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、質問受信部125を実行する。そして、装置制御部11は、質問受信部125により、予約及び/又は診療に係る質問を患者端末Tから受信したか判別する処理を実行する(ステップS22、質問受信ステップ)。受信したと判別した場合、装置制御部11は、処理をステップS23に移す。受信したと判別しなかった場合、装置制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS24の処理を繰り返す。
【0140】
[ステップS23:回答を生成]
装置制御部11は、装置記憶部13と協働し、回答生成部126を実行する。そして、装置制御部11は、回答生成部126により、質問受信ステップで受信したと判別された質問に対する回答を、大規模言語モデルを用いた処理により生成する処理を実行する(ステップS23、回答生成ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS24に移す。
【0141】
回答生成ステップは、質問受信ステップで受信したと判別された質問を少なくとも含むプロンプトを大規模言語モデルに与えることで実現される。なお、患者の属性に応じた回答を生成すべく、当該プロンプトは、患者の属性を含むことが好ましい。
【0142】
[ステップS24:回答を送信]
装置制御部11は、装置記憶部13及び装置通信部14と協働し、回答生成ステップで生成された回答を質問受信ステップに係る患者端末Tに送信する処理を実行する(ステップS24、回答送信ステップ)。装置制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS24の処理を繰り返す。
【0143】
患者が人間のスタッフとの対話を行えるようにすべく、回答送信ステップは、人間のスタッフとの対話を希望するとの情報を送るよう構成されたリンクをさらに送信することが好ましい。また、患者が自動応答についての質問等を行う際に状況を説明しやすくすべく、回答送信ステップは、自動応答の履歴を参照可能に構成されたリンクをさらに送信することが好ましい。
【0144】
[決済情報登録ステップ]
管理処理は、診療報酬のオンライン決済に必要な情報である決済情報を登録する決済情報登録ステップを含むことが好ましい。決済情報は、例えば、患者がオンライン決済に用いるクレジットカードの情報である。これにより、管理装置1は、大人数で共用される会計を経由することなく、診療報酬の決済を行える。
【0145】
[予約変更ステップ]
管理処理は、患者端末Tから少なくとも希望時間帯を含む予約変更の依頼(予約変更依頼)を受信した場合に、ステップS1からステップS6と同様の手順によって、予約部屋及び予約時間帯を変更し、変更後の予約部屋及び予約時間帯に対応するコードを取得し、このコードを変更後の予約部屋である部屋2の情報と共に患者端末Tに送信する予約変更ステップを含むことが好ましい。これにより、管理装置1は、患者からの予約変更の依頼に自動対応できる。
【0146】
[予約状況表示ステップ]
診療関係者が予約状況を把握できるようにすべく、管理処理は、予約状況の表示を関係者端末Cに指令する予約状況表示ステップを含むことが好ましい。予約状況表示ステップは、予約状況データベース131を参照することにより実現される。
【0147】
[領収書送信ステップ]
診療報酬に係る領収書の送信においても患者のプライバシー保護及び感染症対策を支援すべく、管理処理は、診療報酬に係る領収書を患者端末Tに送信する領収書送信ステップを含むことが好ましい。
【0148】
〔本実施形態のシステムSの構成がもたらす効果について〕
本実施形態のシステムSが上述の構成を備えることにより、管理装置1は、暗証番号等によって例示される予約コードを患者に提供できる。この予約コードは、予約部屋2に設けられた電子錠3を予約時間帯に解錠するコードである。よって、例えば、予約部屋2Aを予約した患者は、提供された予約コードにより、予約部屋2Aに設けられた電子錠3Aを予約時間帯に解錠できる。当該予約コードは、部屋2及び時間帯ごとに異なるコードであるため、予約時間帯であっても予約部屋2Aと異なる部屋2に設けられた電子錠3を解錠できない。よって、システムSは、予約部屋2Aに係る患者以外の者が電子錠3Aを解錠することを防ぐ。これにより、システムSは、患者のプライバシー保護及び感染症対策を支援できる。
【0149】
また、上述の構成により、システムSは、2次元コード等の画像22Aを介して予約部屋2Aに係る部屋特定情報を患者端末Tに提供できる。これにより、部屋特定情報を含むチェックイン情報を受信した管理装置1は、患者が当該患者の予約に係る予約部屋2Aに入ったことを確実に識別できる。よって、システムSは、部屋2に案内された患者の取り違えを防ぐ。すなわち、システムSは、患者が必要最低限のスタッフと会うだけで診療を受けることを実現できる。
【0150】
〔問診処理のメインフローチャート〕
図16は、本実施形態の問診用端末5で実行される問診処理の好ましい流れの一例を示すフローチャートである。問診用端末5は、ステップS101からステップS105において、診療前の患者に対する問診に係る一連の処理を実行する。
【0151】
[ステップS101:患者が入室したか判別]
端末制御部51は、端末入力部55と協働し、患者が部屋2に入室したか判別する処理を行う(ステップS101、入室判別ステップ)。例えば、端末入力部55が操作されることに基づいて、患者が部屋2に入室したと判別してもよいし、端末入力部55を用いて患者を特定する情報が回答入力されたことに基づいて、患者が部屋2に入室したと判別してもよい。また、カメラ等で患者の入室を判別してもよいし、電子錠3の解錠又は入口21の扉の開閉等に基づいて患者の入室を判別してもよい。ただし、端末制御部51は、患者端末Tにおいて部屋2の室内に掲示された画像22を読み取ることに連動して、管理装置1から受信するデータに基づいて患者が部屋2に入室したと判別してもよい。患者が部屋2に入室したと判別した場合、端末制御部51は、処理をステップS102に移す。
【0152】
[ステップS102:スレッドデータを受信]
端末制御部51は、端末記憶部52及び端末通信部56と協働し、スレッド受信部513を実行する。そして、端末制御部51は、スレッド受信部513により、特定された患者の診察券番号に関連付けられたスレッドデータ521を管理装置1から受信する(ステップS102、スレッドデータ受信ステップ)。なお、初診の患者の場合には、まだスレッドデータ521が存在しないため、この時点でスレッドデータ521が新たに作成される。端末制御部51は、処理をステップS103に移す。
【0153】
[ステップS103:問診を開始]
端末制御部51は、端末記憶部52、端末表示部53、端末出力部54、及び端末入力部55と協働し、問診処理部511を実行する。そして、端末制御部51は、問診処理部511により、端末表示部53に表示されるキャラクター画像の動きに連動させて問診内容をスレッドで患者に問い合わせる(ステップS103、問診処理ステップ)。このとき、キャラクター画像の動きに連動させて端末出力部54から音声が出力される。スレッドには、予め設定された複数の問診内容が順次表示され、患者は、端末入力部55に対する回答入力により各問診内容に対して回答する。端末制御部51は、処理をステップS104に移す。
【0154】
[ステップS104:問診を終了したか判別]
端末制御部51は、問診処理部511により、予め設定された複数の問診内容の全てに対して患者が回答入力を行い、患者への問診内容の問い合わせが終了したか判別する処理を行う(ステップS104、問診終了判別ステップ)。患者への問診内容の問い合わせが終了したと判別されるまでは、問診処理ステップが継続される。患者への問診内容の問い合わせが終了したと判別した場合、端末制御部51は、処理をステップS105に移す。
【0155】
[ステップS105:スレッドデータを送信]
端末制御部51は、端末記憶部52及び端末通信部56と協働し、スレッド送信部512を実行する。そして、端末制御部51は、スレッド送信部512により、患者の問い合わせに使用したスレッドデータ521を管理装置1に送信する(ステップS105、スレッドデータ送信ステップ)。このスレッドデータには、問診情報としての患者の回答内容が含まれており、管理装置1によるスレッドデータの受信により、診療前の患者に対する問診に係る一連の処理が終了する。
【0156】
<使用例>
図17は、本実施形態のシステムSを用いた診療の流れ(システム利用の流れ)の一例を示すフローチャートである。
図18は、
図17から続く図である。
図19は、
図18から続く図である。
図20は、
図19から続く図である。
図21は、
図20から続く図である。以下は、
図17から
図21を用いた、本実施形態のシステムSに係る使用例の説明である。
【0157】
〔予約〕
まず、患者は、システムSを用いた予約を行う。患者は、患者端末Tを介してシステムSを構成する管理装置1にアクセスする。そして、患者は、患者端末Tを介して予約を希望する日付(予約時間帯)、診療科目等を入力する。患者端末Tは、入力された情報を管理装置1に送信される。管理装置1は、当該情報を受信する。そして、管理装置1は、予約の時間帯(予約時間帯)、部屋(予約部屋)を決定する。管理装置1は、電子錠3から当該時間帯、部屋に対応するコード(予約コード)を取得する。そして、管理装置1は、予約時間帯、予約部屋、予約コード等の予約の情報を送信する。当該情報は、患者端末T及び関係者端末Cに送信される。これにより、患者及び診療関係者は、予約の情報を認識する。
【0158】
〔来院〕
患者は、予約時間帯に医療機関に来院する。医療機関がある建物Bには、複数の部屋2が設けられている。患者は、患者端末Tに送信された予約部屋を見て、複数の部屋2から予約部屋である特定の部屋2を訪れる。そして、患者は、患者端末Tに送信された予約コードを見て、予約部屋である特定の部屋2の入口21に設けられた電子錠3をコード(予約コード)で解錠する。解錠後、患者は、予約部屋である特定の部屋2に入室し、室内に設けられた画像22を患者端末Tに読み取らせる。患者端末Tは、画像22が提供する部屋特定情報を含むチェックイン情報を管理装置1に送信する。管理装置1は、これらの情報を受信し、装置記憶部13に情報を登録する。そして、管理装置1は、予約部屋で当該患者が待機しているとの受付状況を関係者端末Cに通知する。診療関係者は、受付状況を認識する。
【0159】
〔問診〕
患者は、入室した部屋2に設置されている問診用端末5を操作する。これに伴い、問診用端末5から管理装置1にスレッドデータ521の送信が要求され、その要求を受けた管理装置1は、問診用端末5に患者に関連付けられたスレッドデータ521を送信する。スレッドデータ521を受信した問診用端末5では、スレッドを用いて患者に対する問診が開始され、予め設定された全ての問診内容に対する患者の回答入力が終了すると、管理装置1にスレッドデータ521を送信する。スレッドデータ521を受信した管理装置1は、そのスレッドデータ521を装置記憶部13に格納することによりスレッドデータベース133を更新する。
【0160】
〔診療〕
受付状況を認識した診療関係者は、患者の部屋2(予約部屋)に移動する。患者は、診療室に移動し、当該診療関係者による診療を受診する。
【0161】
〔会計〕
患者端末Tは、患者が事前登録したクレジットカード情報により、診療報酬を事後決済する。患者は、患者端末Tを介して、当該決済に係る領収書を受け取る。
【0162】
〔帰宅〕
患者は、薬局で薬を購入する。そして、患者は、帰宅する。本実施形態のシステムSの構成により、患者は、来院から帰宅までの流れにおいて、診療関係者、薬局従業員という最低限のスタッフと会うだけで診療を受けることができる。
【0163】
以上の実施形態では、問診用端末5が患者端末Tとは別に設けられた構成について説明した。しかしながら、問診用端末5が患者端末Tにより実現されてもよい。この場合、患者が部屋2に入室した後、患者端末Tを問診用端末5として使用し、問診内容に対する回答入力を行ってもよい。
【0164】
また、以上の実施形態では、入口21に電子錠3が設けられた部屋2内に問診用端末5が設置される場合について説明した。しかしながら、予約をした複数の患者が異なる部屋2で待機するような構成に限らず、例えば、複数の患者が共通の待合室で待機するような構成においても、本発明に係る問診システムを使用することが可能である。この場合、1つ又は複数の問診用端末5が受付に設置され、来院した患者に手渡されてもよい。
【0165】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0166】
S システム
1 管理装置
11 装置制御部
111 予約依頼受信部
112 予約決定部
113 コード取得部
114 予約送信部
115 予約状況管理部
116 チェックイン部
117 通知部
13 装置記憶部
131 予約状況データベース
132 診療内容データベース
14 装置通信部
B 建物
2 部屋
21 入口
22 画像
3 電子錠
31 電子錠制御部
311 コード管理部
312 コード提供部
313 解錠指示受信部
314 解錠部
32 電子錠施解錠部
33 電子錠記憶部
331 コードリスト
34 電子錠通信部
35 電子錠入力部
4 電子錠管理装置
41 錠管理装置制御部
42 錠管理装置記憶部
421 電子錠解錠コードデータベース
43 錠管理装置通信部
5 問診用端末
51 端末制御部
511 問診処理部
512 スレッド送信部
513 スレッド受信部
52 端末記憶部
521 スレッドデータ
53 端末表示部
54 端末出力部
55 端末入力部
56 端末通信部
C 関係者端末
N ネットワーク
T 患者端末
【要約】
【課題】問診内容に対して患者が簡単に回答することができるような問診システム及び問診用端末を提供する。
【解決手段】問診用端末5は、問診を受ける患者により操作される。問診用端末5は、端末表示部53と、問診処理部511と、端末入力部55と、端末通信部56とを有する。端末表示部53は、キャラクター画像を表示させる。問診処理部511は、端末表示部53に表示されるキャラクター画像の動きに連動させて問診内容を患者に問い合わせる。端末入力部55は、問診内容に対する患者の回答入力を受け付ける。端末通信部56は、回答入力の情報を問診情報として管理装置に送信する。
【選択図】
図10