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特許7629667債権管理装置、債権管理方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-05
(45)【発行日】2025-02-14
(54)【発明の名称】債権管理装置、債権管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20250206BHJP
【FI】
G06Q50/18 330
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2024147644
(22)【出願日】2024-08-29
【審査請求日】2024-08-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年9月1日 ODR実証事業ウェブサイト「ONE」のウェブサイトhttps://one-odr.jp/ を通じて発表 令和5年9月1日 One Negotiation(ワンネゴ)のウェブサイトhttps://service.1nego.jp/ を通じて発表 令和5年9月1日 PR TIMESのウェブサイト https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000126490.html を通じて発表 令和5年10月12日 ビジネス・アライアンス・コンソーシアムの勉強会 を通じて発表 令和5年10月25日 近畿経済産業局「J-StartupKANSAI」への申込書 を通じて発表 令和5年11月25日 経済産業省「始動プロジェクト」選抜ピッチオンライン発表 https://us06web.zoom.us/w/89734575895?tk=jA3C1gGcf8GnZ4Flbb71a7emGRPheLMv89ldQpftEQI.DQYAAAAU5Jj3FxZVbXVCTV83Q1NuMnNBRmlEb09OaWZ3AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA&pwd=v5UhzDWdqwmIlFfrNG0SsnZsliI7uC.1 を通じて発表 令和5年12月16日 経済産業省「始動プロジェクト」国内ピッチ を通じて発表 令和6年1月18日 経済産業省「始動プロジェクト」シリコンバレーピッチ を通じて発表 令和6年1月24日 経済産業省「始動プロジェクト」シリコンバレーピッチ を通じて発表 令和6年2月17日 経済産業省「始動プロジェクト」最終ピッチ を通じて発表 令和6年3月15日 ODR実証事業に係る報告書ウェブサイト https://www.moj.go.jp/housei/adr/housei10_00008.html を通じて発表 令和6年4月8日 PR TIMESのウェブサイト https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000126490.html を通じて発表 令和6年5月22日 大阪産業創造館主催「IAGベンチャーサポートプログラム」への応募申込書 を通じて発表 令和6年8月28日 IAGベンチャーサポート発表会 を通じて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520496176
【氏名又は名称】株式会社AtoJ
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】森 理俊
(72)【発明者】
【氏名】冨田 信雄
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-170556(JP,A)
【文献】特許第7538978(JP,B1)
【文献】特開2003-256646(JP,A)
【文献】特開2017-049717(JP,A)
【文献】特開2009-331759(JP,A)
【文献】特開2002-342566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権の内容に関する債権内容情報とを有する申立情報を取得する申立取得部と、
債権を識別する債権識別子に対応付く情報であり、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な1以上の債権状況情報が格納される債権管理部に、前記申立取得部が取得した前記申立情報を、当該申立情報に対応付く債権を識別する債権識別子に対応付けて蓄積する申立蓄積部と、
前記申立取得部が前記申立情報を取得したことに応じて、前記申立情報が有する前記債権者識別子で識別される前記債権者の情報と前記債権内容情報とを含む通知情報を取得し、当該通知情報を、前記債務者に対して送信する申立通知部と、
前記債権の申し立ての確認に関する確認情報を前記債務者の債務者端末から受信する確認受信部と、
前記確認受信部が前記確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、当該確認情報を前記債権識別子に対応付けて前記債権管理部に蓄積する確認蓄積部と、
前記確認受信部が前記確認情報を受信した後、前記債権者の債権者端末および前記債務者の前記債務者端末から、前記債権者と前記債務者の交渉に関する交渉情報を受信する交渉受信部と、
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報を、前記債権者を識別する債権者識別子または前記債務者を識別する債務者識別子、および前記債権識別子に対応付けて、前記債権管理部に蓄積する交渉蓄積部と、
前記債権者端末または前記債務者端末から債権状況情報の出力指示を受信する指示受信部と、
前記出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を前記債権管理部から取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記債権状況情報の一部または全部を、前記債権者端末または前記債務者端末に送信する情報送信部とを具備する債権管理装置。
【請求項2】
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報が提案内容作成条件に合致する場合に、前記債権者の情報および前記債務者の情報を前記債権管理部から取得し、当該債権者の情報および当該債務者の情報を含む情報であり、前記交渉情報の内容を含む情報であり、債権の処理に関する提案を示す情報である提案内容を取得する提案内容取得部と、
前記提案内容取得部が取得した前記提案内容を、前記債権者端末または前記債務者端末に送信する提案内容送信部とをさらに具備する請求項1記載の債権管理装置。
【請求項3】
前記提案内容送信部は、
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報と前記提案内容取得部が取得した前記提案内容とが対応付くように、前記提案内容を送信する請求項2記載の債権管理装置。
【請求項4】
前記確認受信部が前記確認情報を受信した後、債権処理の2以上の方法のうちの一の方法を前記債務者に選択させるための画面情報を前記債務者端末に送信する画面送信部をさらに具備し、
前記交渉受信部は、
債権処理の前記2以上の方法のうちの一の方法を識別する債権処理識別子を含む前記交渉情報を前記債務者端末から受信し、
前記提案内容取得部は、
前記債権者の情報および前記債務者の情報を前記債権管理部から取得し、当該債権者の情報および当該債務者の情報を含む情報であり、前記債権処理識別子に対応する前記提案内容を取得する請求項2記載の債権管理装置。
【請求項5】
前記交渉受信部が、オンライン調停を示す前記債権処理識別子を含む前記交渉情報を前記債務者端末から受信した場合、前記債権者と前記債務者とを含むグループがオンラインにより調停を行うことを支援する調停支援処理を行う調停支援部をさらに具備する請求項4記載の債権管理装置。
【請求項6】
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報を用いて合意条件を満たしたか否かを判断する判断部と、
前記判断部が前記合意条件を満たしたと判断した場合に、前記債務者が債権処理を行うために必要な情報である必要情報を前記債務者に対して送信する必要情報送信部とをさらに具備する請求項1記載の債権管理装置。
【請求項7】
前記交渉受信部が受信した2以上の前記交渉情報について、前記交渉受信部が受信した順に、かつ前記交渉情報が対応付く識別子が債権者識別子であるか債務者識別子であるかが把握可能な態様で出力する交渉情報出力部をさらに具備する請求項1記載の債権管理装置。
【請求項8】
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報が合意条件を満たした場合に、前記交渉情報を用いて合意文書を生成する合意文書生成部と、
前記合意文書生成部が生成した合意文書を出力する合意文書出力部とをさらに具備する請求項1記載の債権管理装置。
【請求項9】
前記債権状況情報は、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能なフェーズ特定情報を有し、
前記申立通知部が前記通知情報を前記債務者に送信したことに応じて、および前記確認受信部が前記確認情報を受信したことに応じて、前記債権識別子に対応付くフェーズ特定情報を更新する更新部をさらに具備する請求項1から請求項8いずれか一項に記載の債権管理装置。
【請求項10】
債権処理に関する情報であり、債権を識別する債権識別子に対応付く情報であり、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な1以上の債権状況情報が格納される債権管理部と、申立取得部と、申立蓄積部と、申立通知部と、確認受信部と、確認蓄積部と、交渉受信部と、交渉蓄積部と、指示受信部と、情報取得部と、情報送信部とにより実現される債権管理方法であって、
前記申立取得部が、債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権の内容に関する債権内容情報とを有する申立情報を取得する申立取得ステップと、
前記申立蓄積部が、前記債権管理部に、前記申立取得部が取得した前記申立情報を、当該申立情報に対応付く債権を識別する債権識別子に対応付けて蓄積する申立蓄積ステップと、
前記申立通知部が、前記申立取得部が前記申立情報を取得したことに応じて、前記申立情報が有する前記債権者識別子で識別される前記債権者の情報と前記債権内容情報とを含む通知情報を取得し、当該通知情報を、前記債務者に対して送信する申立通知ステップと、
前記確認受信部が、前記債権の申し立ての確認に関する確認情報を前記債務者の債務者端末から受信する確認受信ステップと、
前記確認蓄積部が、前記確認受信部が前記確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、当該確認情報を前記債権識別子に対応付けて前記債権管理部に蓄積する確認蓄積ステップと、
前記交渉受信部が、前記確認受信部が前記確認情報を受信した後、前記債権者の債権者端末および前記債務者の前記債務者端末から、前記債権者と前記債務者の交渉に関する交渉情報を受信する交渉受信ステップと、
前記交渉蓄積部が、前記交渉受信部が受信した前記交渉情報を、前記債権者を識別する債権者識別子または前記債務者を識別する債務者識別子、および前記債権識別子に対応付けて、前記債権管理部に蓄積する交渉蓄積ステップと、
前記指示受信部が、前記債権者端末または前記債務者端末から債権状況情報の出力指示を受信する指示受信ステップと、
前記情報取得部が、前記出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を前記債権管理部から取得する情報取得ステップと、
前記情報送信部が、前記情報取得部が取得した前記債権状況情報の一部または全部を、前記債権者端末または前記債務者端末に送信する情報送信ステップとを具備する債権管理方法。
【請求項11】
債権処理に関する情報であり、債権を識別する債権識別子に対応付く情報であり、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な1以上の債権状況情報が格納される債権管理部にアクセス可能なコンピュータを、
債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権の内容に関する債権内容情報とを有する申立情報を取得する申立取得部と、
前記債権管理部に、前記申立取得部が取得した前記申立情報を、当該申立情報に対応付く債権を識別する債権識別子に対応付けて蓄積する申立蓄積部と、
前記申立取得部が前記申立情報を取得したことに応じて、前記申立情報が有する前記債権者識別子で識別される前記債権者の情報と前記債権内容情報とを含む通知情報を取得し、当該通知情報を、前記債務者に対して送信する申立通知部と、
前記債権の申し立ての確認に関する確認情報を前記債務者の債務者端末から受信する確認受信部と、
前記確認受信部が前記確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、当該確認情報を前記債権識別子に対応付けて前記債権管理部に蓄積する確認蓄積部と、
前記確認受信部が前記確認情報を受信した後、前記債権者の債権者端末および前記債務者の前記債務者端末から、前記債権者と前記債務者の交渉に関する交渉情報を受信する交渉受信部と、
前記交渉受信部が受信した前記交渉情報を、前記債権者を識別する債権者識別子または前記債務者を識別する債務者識別子、および前記債権識別子に対応付けて、前記債権管理部に蓄積する交渉蓄積部と、
前記債権者端末または前記債務者端末から債権状況情報の出力指示を受信する指示受信部と、
前記出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を前記債権管理部から取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記債権状況情報の一部または全部を、前記債権者端末または前記債務者端末に送信する情報送信部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権の処理を促進させるための債権管理装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カード発行者又は他の電子支払プロバイダに、顧客の加盟店との紛争に対する迅速で望ましい効率的な解決を得ることができる、とするシステムがあった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2015-535365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームが存在しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本第一の発明の債権管理装置は、債権処理に関する情報であり、債権を識別する債権識別子に対応付く情報であり、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な1以上の債権状況情報が格納される債権管理部と、債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権の内容に関する債権内容情報とを有する申立情報を取得する申立取得部と、債権識別子に対応付けて、申立取得部が取得した申立情報を債権管理部に蓄積する申立蓄積部と、申立取得部が申立情報を取得したことに応じて、申立情報が有する債権者識別子で識別される債権者の情報と債権内容情報とを含む通知情報を取得し、通知情報を、債務者に対して送信する申立通知部と、債権の申し立ての確認に関する確認情報を債務者の債務者端末から受信する確認受信部と、確認受信部が確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、確認情報を債権識別子に対応付けて債権管理部に蓄積する確認蓄積部と、確認受信部が確認情報を受信した後、債権者の債権者端末および債務者の債務者端末から、債権を消滅させるための交渉情報を受信する交渉受信部と、交渉受信部が受信した交渉情報を、債権者を識別する債権者識別子または債務者を識別する債務者識別子、および債権識別子に対応付けて、債権管理部に蓄積する交渉蓄積部と、債権者端末または債務者端末から債権状況情報の出力指示を受信する指示受信部と、出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を債権管理部から取得する情報取得部と、情報取得部が取得した債権状況情報の一部または全部を、債権者端末または債務者端末に送信する情報送信部とを具備する債権管理装置である。
【0006】
かかる構成により、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームを提供できる。
【0007】
また、本第二の発明の債権管理装置は、第一の発明に対して、交渉受信部が受信した交渉情報が提案内容作成条件に合致する場合に、債権者の情報および債務者の情報を債権管理部から取得し、債権者の情報および債務者の情報を含む情報であり、交渉情報の内容を含む情報であり、債権の処理に関する提案を示す情報である提案内容を取得する提案内容取得部と、提案内容取得部が取得した提案内容を、債権者端末または債務者端末に送信する提案内容送信部とをさらに具備する債権管理装置である。
【0008】
かかる構成により、交渉情報に応じた債権処理に関する提案内容を自動的に構成できる。
【0009】
また、本第三の発明の債権管理装置は、第二の発明に対して、提案内容送信部は、交渉受信部が受信した交渉情報と提案内容取得部が取得した提案内容とが対応付くように、提案内容を送信する債権管理装置である。
【0010】
かかる構成により、交渉情報と提案内容とを適切に提示できる。
【0011】
また、本第四の発明の債権管理装置は、第二または第三の発明に対して、確認受信部が確認情報を受信した後、債権処理の2以上の方法のうちの一の方法を債務者に選択させるための画面情報を債務者端末に送信する画面送信部をさらに具備し、交渉受信部は、債権処理の2以上の方法のうちの一の方法を識別する債権処理識別子を含む交渉情報を債務者端末から受信し、提案内容取得部は、債権者の情報および債務者の情報を債権管理部から取得し、債権者の情報および債務者の情報を含む情報であり、債権処理識別子に対応する提案内容を取得する債権管理装置である。
【0012】
かかる構成により、交渉情報に応じた債権処理に関する提案内容であり、債務者が選択した債権処理識別子を含む提案内容を自動的に構成できる。
【0013】
また、本第五の発明の債権管理装置は、第四の発明に対して、交渉受信部が、オンライン調停を示す債権処理識別子を含む交渉情報を債務者端末から受信した場合、債権者と債務者とを含むグループがオンラインにより調停を行うことを支援する調停支援処理を行う調停支援部をさらに具備する債権管理装置である。
【0014】
かかる構成により、債権に対するオンライン調停を支援できる。
【0015】
また、本第六の発明の債権管理装置は、第一から第五いずれか1つの発明に対して、交渉受信部が受信した交渉情報を用いて合意条件を満たしたか否かを判断する判断部と、判断部が合意条件を満たしたと判断した場合に、債務者が債権処理を行うために必要な情報である必要情報を債務者に対して送信する必要情報送信部とをさらに具備する債権管理装置である。
【0016】
かかる構成により、債権処理のための交渉が成立した場合に、債務者に債権処理のために必要な情報を提示できる。
【0017】
また、本第七の発明の債権管理装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、交渉受信部が受信した2以上の交渉情報について、交渉受信部が受信した順に、かつ交渉情報が対応付く識別子が債権者識別子であるか債務者識別子であるかが把握可能な態様で出力する交渉情報出力部をさらに具備する債権管理装置である。
【0018】
かかる構成により、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるプラットフォームを提供できる。
【0019】
また、本第八の発明の債権管理装置は、第一から第七いずれか1つの発明に対して、交渉受信部が受信した交渉情報が合意条件を満たした場合に、交渉情報を用いて合意文書を生成する合意文書生成部と、合意文書生成部が生成した合意文書を出力する合意文書出力部とをさらに具備する債権管理装置である。
【0020】
かかる構成により、債権処理に関する交渉が合意に達した場合に、合意文書を自動生成できる。
【0021】
また、本第九の発明の債権管理装置は、第一から第八いずれか1つの発明に対して、債権状況情報は、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能なフェーズ特定情報を有し、申立通知部が通知情報を債務者に送信したことに応じて、および確認受信部が確認情報を受信したことに応じて、債権識別子に対応付くフェーズ特定情報を更新する更新部をさらに具備する債権管理装置である。
【0022】
かかる構成により、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームを提供できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明による債権管理装置によれば、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1における情報システムAの概念図
図2】同情報システムAのブロック図
図3】同債権管理装置1のブロック図
図4】同債権管理装置1の動作例について説明するフローチャート
図5】同債権管理装置1の動作例について説明するフローチャート
図6】同通知情報を構成処理の例について説明するフローチャート
図7】同提案内容構成処理の例について説明するフローチャート
図8】同合意文書生成処理の例について説明するフローチャート
図9】同出力情報構成処理の例について説明するフローチャート
図10】同債権者端末2の動作例について説明するフローチャート
図11】同債務者端末3の動作例について説明するフローチャート
図12】同債権の申し立て以降のフェーズの流れの例を示す図
図13】同債権者管理表の例を示す図
図14】同債権管理表の例を示す図
図15】同提案内容雛形の例を示す図
図16】同合意文書雛形の例を示す図
図17】同案件登録画面の例を示す図
図18】同通知情報の例を示す図
図19】同確認画面の例を示す図
図20】同決定画面の例を示す図
図21】同通知情報の例を示す図
図22】同出力画面の例を示す図
図23】同分割金額変更画面の例を示す図
図24】同出力画面の例を示す図
図25】同出力画面の例を示す図
図26】同支払スケジュールの出力例を示す図
図27】同出力画面の例を示す図
図28】同出力画面の例を示す図
図29】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、債権管理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態において、ユニークな債権識別子と対にして、債権状況情報を蓄積する債権管理装置について説明する。
【0027】
本実施の形態において、債権者が送信した申立情報を用いて、債務者に通知する通知情報を構成し、当該通知情報を債務者の連絡先に送信する債権管理装置について説明する。
【0028】
本実施の形態において、通知情報に基づく債務者からのアクセスを受け付け、かつ債務者からの債権の申立に対する確認の情報を受信し、当該確認の情報を蓄積し、その後、債権者と債務者との交渉情報を債権識別子に対応付けて蓄積する債権管理装置について説明する。
【0029】
本実施の形態において、債権者または債務者からの交渉情報に基づいて、提案内容を取得し、交渉情報に対応付けて、提案内容を蓄積する債権管理装置について説明する。
【0030】
本実施の形態において、債権者と債務者との交渉の過程において、2以上の選択肢を有する画面を出力する債権管理装置について説明する。
【0031】
本実施の形態において、債権者と債務者の双方の同意があった場合に、オンライン調停を支援する処理を行う債権管理装置について説明する。
【0032】
本実施の形態において、合意条件を満たすか否かを判断し、合意条件を満たした場合に、債権処理に必要な情報を債務者に送信する債権管理装置について説明する。
【0033】
本実施の形態において、債権者と債務者との交渉の過程を時系列、かつ債権者と債務者のどちらが入力した交渉情報かが把握可能なように交渉情報を出力する債権管理装置について説明する。
【0034】
本実施の形態において、債権状況情報を用いて合意文書を生成し、出力する債権管理装置について説明する。
【0035】
なお、本明細書において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0036】
また、本明細書において、情報Zを選択したり、決定したりすることは、情報Zを取得すること、情報Zへのポインタを取得すること、情報ZのIDを取得すること、情報Zにフラグを立てること等であり、情報Zにアクセスできれば良い。
【0037】
図1は、本実施の形態における情報システムAの概念図である。情報システムAは、債権管理装置1、1または2以上の債権者端末2、および1または2以上の債務者端末3を備える。
【0038】
債権管理装置1は、債権に関する情報を管理するためのサーバである。債権管理装置1は、一のユーザが債権者となる債権と当該一のユーザが債務者となる債権とを含む2以上の債権に関する情報を管理しても良い。債権管理装置1は、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバであるが、その種類は問わない。
【0039】
債権者端末2は、債権者が使用する端末である。債務者端末3は、債務者が使用する端末である。債権者端末2、債務者端末3は、例えば、いわゆるパソコン、スマートフォン、タブレット端末であるが、その種類は問わない。
【0040】
図2は、本実施の形態における情報システムAのブロック図である。図3は、債権管理装置1のブロック図である。
【0041】
債権管理装置1は、格納部11、受信部12、処理部13、および送信部14を備える。格納部11は、債権管理部111を備える。なお、格納部11は、債権管理部111を有さなくても良い。つまり、債権管理部111は、図示しない外部の装置に存在していても良い。
【0042】
受信部12は、申立取得部121、確認受信部122、交渉受信部123、および指示受信部124を備える。処理部13は、申立蓄積部131、更新部132、確認蓄積部133、交渉蓄積部134、提案内容取得部135、調停支援部136、判断部137、合意文書生成部138、および情報取得部139を備える。送信部14は、申立通知部141、画面送信部142、提案内容送信部143、交渉情報出力部144、必要情報送信部145、合意文書出力部146、および情報送信部147を備える。
【0043】
債権者端末2は、債権者格納部21、債権者受付部22、債権者処理部23、債権者送信部24、債権者受信部25、および債権者出力部26を備える。
【0044】
債務者端末3は、債務者格納部31、債務者受付部32、債務者処理部33、債務者送信部34、債務者受信部35、および債務者出力部36を備える。
【0045】
債権管理装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する債権状況情報、各種の画面情報、各種の条件、各種の雛形、弁護士情報である。
【0046】
画面情報とは、画面を構成するための情報である。画面情報は、例えば、HTML、XMLで記述されるが、実現手段は問わない。画面情報は、例えば、他の画面情報の中の選択オブジェクトに対応付いている。選択オブジェクトとは、選択可能なオブジェクトである。選択オブジェクトは、例えば、ボタン、メニュー項目、またはチェックボックスである。
【0047】
各種の条件は、例えば、後述する提案内容作成条件、後述する合意条件である。なお、各種の条件は、プログラム中に埋め込まれていても良い。
【0048】
各種の雛形は、例えば、通知情報雛形、提案内容雛形、合意文書雛形である。通知情報雛形とは、後述する通知情報を構成するための雛形の文書であり、変数を有する文書である。提案内容雛形とは、提案内容を構成するための雛形の文書であり、変数を有する文書である。合意文書雛形とは、合意文書を構成するための雛形の文書であり、変数を有する文書である。
【0049】
弁護士情報とは、オンライン調停を支援する弁護士に関する情報である。弁護士情報は、弁護士識別子、弁護士連絡先を有する。弁護士識別子とは、弁護士を識別する情報である。弁護士識別子は、例えば、弁護士名、弁護士の登録番号、弁護士のIDである。弁護士連絡先とは、弁護士への連絡先を示す情報である。弁護士連絡先は、例えば、弁護士のメールアドレス、弁護士の電話番号、弁護士が債権管理装置1にログインするためのIDである。
【0050】
債権管理部111には、1または2以上の債権状況情報が格納される。債権状況情報とは、債権に関する情報である。債権状況情報は、債権の発生から合意までの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な情報である。債権状況情報は、債権の申立から合意までの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な情報であっても良い。ここでの合意は、債権者と債務者とにおける債権の処理に対する合意である。債権とは、債権者が債務者に対して一定の行為を要求する権利である。ここでの一定の行為は、通常、お金の支払いであるが、物の引き渡し、サービスの提供等でも良く、債権により要求する行為は限定されなくても良い。つまり、ここで、取り扱う債権に種類は、金銭債権であることは好適であるが、物的債権、作為債権等問わない。なお、ここでのフェーズとは、債権の発生から合意または決裂等までの債権に関する処理の進行における特定の状態または期間等である。フェーズは、ステップ、段階、局面等と言っても良い。
【0051】
債権状況情報とは、債権処理に関する情報である、と言える。債権状況情報は、例えば、債権の状況を管理するための情報である、と言える。債権状況情報は、債権識別子に対応付く情報である。債権識別子とは、債権を識別する情報である。債権識別子は、例えば、債権のID、債権の名称(例えば、申立案件の名称)である。債権状況情報は、例えば、債権者情報、債務者情報、債権内容情報、確認情報、交渉情報、提案内容、合意文書、フェーズ特定情報、各種の時情報を含む。
【0052】
債権者情報とは、債権者に関する情報である。債権者情報は、例えば、債権者識別子、1または2以上の債権者属性値を有する。債権者識別子とは、債権者を識別する情報である。債権者識別子は、例えば、債権者のID、債権者の氏名、債権者の電話番号、債権者のメールアドレス、債権者端末2のIPアドレスである。債権者属性値は、例えば、債権者の入金先情報、債権者の会社名、債権者である会社の代表者名、債権者が法人であるか個人であるかを示す債権者種類である。入金先情報とは、債権者に債務者が入金するための情報である。入金先情報は、例えば、銀行口座情報、クレジットカード情報、オンライン決済情報である。銀行口座情報とは、銀行振込のために必要な銀行口座に関する情報であり、例えば、銀行名、支店名、銀行口座番号を有する。クレジットカード情報とは、クレジットカードを使って入金するために必要な情報であり、例えば、クレジットカード番号、有効期限を有する。オンライン決済情報とは、オンライン決済を使って入金するために必要な情報であり、例えば、オンライン決済のためのIDである。なお、銀行口座情報は、適宜、口座情報と言っても良い。
【0053】
債務者情報とは、債務者に関する情報である。債務者情報は、例えば、債務者識別子、1または2以上の債務者属性値を有する。債務者識別子とは、債務者を識別する情報である。債務者識別子は、例えば、債務者のID、債務者の氏名、債務者の電話番号、債務者のメールアドレス、債務者端末3のIPアドレスである。債務者属性値は、例えば、債務者の連絡先情報、債務者の会社名、債務者である会社の代表者名、債務者の住所、債務者が法人であるか個人であるかを示す債務者種類である。連絡先情報は、例えば、メールアドレス、電話番号、SNS(例えば、Line(登録商標)、Slack(登録商標))のIDである。
【0054】
債権内容情報とは、債権の内容を特定する情報である。債権内容情報は、例えば、債権の申し立ての案件名、申立金額、本来の支払期日を有する。債権が貸し出した物品の返却を要求する権利である場合は、債権内容情報は、例えば、返却対象の物品の情報、返却先を特定する情報である。
【0055】
確認情報とは、債権者の債権の申立に対して、債務者が確認したことを示す情報である。債務者の確認とは、債務者が、当該債権の申立が、自分の案件であることを認めることである。確認情報は、例えば、フラグであるが、確認フェーズの後に格納されるべき情報(例えば、交渉情報)を債権状況情報が有することに代替されても良い。確認情報は、例えば、確認時情報である。確認時情報とは、債務者が債権の申立を確認した時を特定する情報である。確認時情報は、例えば、債務者端末3から情報が受信された年月日時刻である。時を特定する時情報は、年月日でも良いし、年月日と時刻等でも良い。時情報の粒度は問わない。確認情報は、債務者が債権の申立を確認したことを把握できる情報であれば良い。
【0056】
交渉情報とは、債権の処理に対する債権者と債務者との交渉に関する情報である。交渉情報は、債権の処理に対する債権者と債務者との交渉の内容を特定する情報である、と言える。交渉の内容を特定する情報は、交渉内容である。交渉情報は、入力者識別子を含んでも良い。入力者識別子は、交渉内容を提案した者を識別する情報である。入力者識別子は、例えば、債権者を示す情報または債務者を示す情報である。
【0057】
ここでの交渉は、債権の処理を行うための交渉である。交渉は、債権の処理に関して、債権者と債務者とが合意に至るまでの交渉である。交渉情報は、例えば、債権処理識別子を含む。債権処理識別子とは、債権を処理するための方法を識別する情報である。債権処理識別子は、例えば、ID、債権処理の名称(例えば、「今すぐクレジットカードで支払う」「翌月末日に全額支払う」「毎月末日分割で支払う」「金額の修正の提案」「請求に身に覚えがない」「既に直接支払い済み」「オンライン調停を希望」)である。債権処理識別子は、例えば、支払いの手段を識別する情報である支払手段識別子(例えば、「クレジットカード」「銀行振込」等)を含む。
【0058】
提案内容とは、債権処理識別子で識別される債権処理を行う場合の両者が合意したことによる事項が記載された文書である。提案内容とは、債権の処理に関する提案を示す情報である、と言える。提案内容は、債権者の情報(例えば、債権者の名称)および債務者の情報(例えば、債務者の名称)を含む情報であり、交渉情報の内容(例えば、分割払いにおける各月の金額)を含む情報である。
【0059】
合意文書とは、債権の処理に対する交渉が合意に達した場合に作成される文書であり、交渉の内容を含む文書である。合意文書は、例えば、債権者の情報(例えば、債権者の名称)、債務者の情報(例えば、債務者の名称)、債務者が債権者に対してお金を支払う方法、支払う金額を含む。なお、合意文書は、交渉における最終的な提案内容と同じでも良い。
【0060】
フェーズ特定情報とは、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な情報である。フェーズ特定情報により識別され得るフェーズは、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちすべてのフェーズでなくても良い。フェーズ特定情報は、例えば、フェーズ識別子であるが、債権状況情報の中に陽に存在しなくても良い。フェーズ特定情報は、債権状況情報からフェーズが決定できるための情報であれば良い。フェーズ特定情報は、債権状況情報が有する情報または債権状況情報が有さない情報により決定できる情報でも良い。例えば、債権状況情報が申立時と確認時とを有し、交渉情報を有さない場合、現在のフェーズは「交渉」フェーズであると決定できるので、かかる場合、フェーズ特定情報は、申立時と確認時、または申立時と確認時と存在しない交渉情報とから決定されるフェーズ識別子である。
【0061】
債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズは、例えば、「申立済み」「確認待ち」「確認済み」「交渉中」「合意済み」である。「申立済み」フェーズは、債権者が債権を債務者に対して申し立てたフェーズである。「確認待ち」フェーズは、債権の申し立てに対する債務者の確認を待っているフェーズである。なお、「確認待ち」フェーズは、「申立済み」フェーズと同じフェーズでも良い。「確認済み」フェーズは、債務者が、申し立てられた債権を確認したフェーズである。「交渉中」フェーズは、債権の処理について、債権者と債務者とが交渉しているフェーズである。「合意済み」フェーズとは、債権の処理のための交渉が合意に達したフェーズである。なお、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズは、「債権の発生」フェーズおよび「合意」フェーズを有さなくても良い。
【0062】
なお、債権管理装置1が取り扱うフェーズは、交渉の合意後のフェーズを含んでも良い。かかるフェーズは、例えば、「債権処理中」「債権処理完了」である。フェーズ「債権処理中」は、交渉が合意した後であり、債権の処理中(例えば、支払い中)であるフェーズである。「債権処理完了」フェーズは、債権処理が完了したフェーズである。なお、債権管理装置1が取り扱うフェーズは、「申立済み」「確認待ち」「確認済み」「交渉中」「合意済み」「債権処理中」「債権処理完了」であることが望ましいが、これらのフェーズの集合の中の一部のフェーズでも良い。また、債権管理装置1が取り扱うフェーズは、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでのすべてのフェーズでなくても良い。
【0063】
また、各種の時情報は、例えば、申立時情報、確認時情報、交渉時情報、合意時情報、債権処理完了時情報である。申立時情報とは、債権が申し立てされた時を示す情報である。申立時情報は、例えば、申立取得部121が申立情報を受信した時を示す情報である。交渉時情報とは、交渉時を示す情報である。交渉時情報は、例えば、交渉受信部123が交渉情報を受信した時を示す情報である。合意時情報とは、合意に達した時を示す情報である。合意時情報は、例えば、判断部137が後述する合意条件を満たしたと判断した時を示す情報である。債権処理完了時情報は、債権の処理が完了した時を示す情報である。
【0064】
受信部12は、債権者端末2または債務者端末3から、各種の情報や指示を受信する。各種の情報や指示は、例えば、後述する案件登録、後述する申立情報、確認情報、交渉情報、後述する出力指示、後述する提案内容指示、後述する合意文書指示、後述する支払スケジュール指示、または支払情報である。
【0065】
支払情報とは、債務者による支払いが行われたことを特定する情報である。支払情報は、債権識別子に対応付く。支払情報は、例えば、支払金額を含む。
【0066】
申立取得部121は、申立情報を取得する。申立取得部121は、例えば、申立情報を債権者端末2から受信する。申立取得部121は、例えば、申立情報を有する案件登録を債権者端末2から受信する。申立取得部121は、格納部11または図示しない外部の装置から申立情報を読み出しても良い。申立取得部121が申立情報を取得する方法は問わない。
【0067】
申立情報とは、申し立てられる債権に関する情報である。申立情報は、将来、申し立てられる可能性のある債権に関する情報も含むと考えても良く、申立情報は、広く解する。申立情報は、債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権内容情報とを有する。申立情報は、債権者識別子を有する債権者情報、債務者識別子を有する債務者情報を有しても良い。案件登録とは、債権の申立の対象の案件を登録する指示である。
【0068】
申立取得部121は、例えば、図示しない時計から申立時情報を取得し、当該申立時情報と受信した申立情報とを有する情報であり、蓄積する情報である申立情報を構成しても良い。
【0069】
確認受信部122は、債権の申し立ての確認に関する確認情報を債務者の債務者端末3から受信する。確認受信部122は、通常、後述する通知情報が債務者に対して送信されたことに応じて、確認情報を債務者端末3から受信する。確認情報は、通常、債権が存在することを債務者が認めたことを示す情報である。確認受信部122が受信する確認情報は、通常、債権識別子に対応付いている。確認受信部122が受信する確認情報は、通常、債権識別子に対応付いている。確認受信部122が受信する確認情報は、例えば、債権の申し立てに対して確認した旨を示すフラグ、または債務者識別子である。
【0070】
確認受信部122は、不存在情報を受信しても良い。不存在情報とは、債権が不存在である、という債務者の主張を示す情報である。
【0071】
交渉受信部123は、確認受信部122が確認情報を受信した後、債権者の債権者端末2および債務者の債務者端末3から、交渉情報を受信する。交渉受信部123は、通常、債権者端末2と債務者端末3とから、交互に、交渉情報を受信する。交渉は、通常、債権の消滅のための交渉である。なお、債権の消滅は、債権の処理と言っても良い。交渉受信部123が受信する交渉情報は、通常、債権識別子に対応付いている。交渉受信部123が受信する交渉情報は、通常、交渉情報を送信した債権者の債権者識別子または交渉情報を送信した債務者の債務者識別子に対応付いている。
【0072】
交渉受信部123は、例えば、債権処理の2以上の方法のうちの一の方法を識別する債権処理識別子を含む交渉情報を債務者端末3から受信する。交渉受信部123は、例えば、債権処理のためのお金を分割支払いする際の開始月、および各月の支払金額を含む債権者の提案である交渉情報を、債権者端末2または債務者端末3から受信する。
【0073】
交渉受信部123は、例えば、支払い金額の修正に関する提案を含む交渉情報を、債権者端末2または債務者端末3から受信する。
【0074】
交渉受信部123は、例えば、「請求に身に覚えがない旨の情報」「既に直接支払い済み旨の情報」を含む交渉情報を債務者端末3から受信する。
【0075】
交渉受信部123は、例えば、「オンライン調停を希望する旨の情報」を含む交渉情報を、債権者端末2または債務者端末3から受信する。
【0076】
指示受信部124は、債権者端末2または債務者端末3から各種の指示を受信する。各種の指示は、例えば、出力指示、提案内容指示、合意文書指示、または支払スケジュール指示である。
【0077】
出力指示とは、債権管理部111の債権状況情報の出力の指示である。出力指示は、債権識別子に対応付く。出力指示は、例えば、債権識別子を有する。債権状況情報の出力の指示は、債権状況情報の一部の情報の出力の指示を含むと考えても良い。
【0078】
提案内容指示とは、提案内容の出力の指示である。合意文書指示とは、合意文書の出力の指示である。支払スケジュール指示とは、支払スケジュールの出力の指示である。
【0079】
処理部13は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、申立蓄積部131、更新部132、確認蓄積部133、交渉蓄積部134、提案内容取得部135、調停支援部136、判断部137、合意文書生成部138、情報取得部139が行う処理である。
【0080】
処理部13は、受信された支払情報を、債権識別子に対応付けて、債権管理部111に蓄積する。
【0081】
処理部13は、受信された指示に応じた情報を取得する。処理部13は、受信された提案内容指示に応じた提案内容を債権管理部111から取得する。処理部13は、受信された合意文書指示に応じた合意文書を債権管理部111から取得する。処理部13は、受信された支払スケジュール指示に応じた支払スケジュールを債権管理部111から取得する。
【0082】
申立蓄積部131は、債権識別子に対応付けて、申立取得部121が取得した申立情報を債権管理部111に蓄積する。蓄積された申立情報は、債権管理部111の債権状況情報を構成する。
【0083】
申立蓄積部131は、例えば、情報取得部139が申立情報を債権者端末2から受信した場合に、ユニークな債権識別子を生成し、当該債権識別子に対応付けて当該申立情報を債権管理部111に蓄積する。なお、ユニークな債権識別子を生成する方法は問わない。申立蓄積部131は、例えば、最近に生成した債権識別子に1を加えたユニークな数値を取得する。
【0084】
更新部132は、申立通知部141が通知情報を債務者に送信したことに応じて、債権識別子に対応付くフェーズ特定情報を更新する。更新部132は、通常、現在のフェーズが、フェーズ「確認待ち」であることを示す情報を債権管理部111に蓄積する。更新部132は、通知情報を債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積しても良いし、通知情報が送信されたことを示すフラグを債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積しても良い。更新部132は、通知情報が送信されたことにより、フェーズが進んだことを特定するための処理をすれば良い。かかる処理は、申立蓄積部131が申立情報を蓄積する処理に置き換えても良い。更新部132は、例えば、現在のフェーズがフェーズ「確認待ち」であることを示すフェーズ特定情報に、フェーズ特定情報を更新する。
【0085】
更新部132は、確認受信部122が確認情報を受信したことに応じて、債権識別子に対応付くフェーズ特定情報を更新する。ここでは、更新部132は、例えば、現在のフェーズが、フェーズ「交渉中」であることを示す情報を債権管理部111に蓄積する。更新部132は、確認情報を債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積しても良いし、確認情報が受信されたことを示すフラグを債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積しても良い。更新部132は、確認情報が受信されたことにより、フェーズが進んだことを特定するための処理をすれば良い。かかる処理は、確認蓄積部133が確認情報を蓄積する処理に置き換えても良い。更新部132は、例えば、現在のフェーズがフェーズ「交渉中」であることを示すフェーズ特定情報に、フェーズ特定情報を更新する。
【0086】
確認蓄積部133は、確認受信部122が確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、当該確認情報を債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積する。確認蓄積部133は、例えば、図示しない時計から時情報である確認時情報を取得し、当該確認時情報を含む確認情報を債権識別子に対応付けて債権管理部111に蓄積する。なお、蓄積される確認情報は、確認時情報でも良い。つまり、受信される確認情報と蓄積される確認情報とは異なる情報でも良い。確認情報は、債務者が債権の申立を確認したことを判断可能な情報であれば良い。
【0087】
交渉蓄積部134は、交渉受信部123が受信した交渉情報を、当該交渉情報を送信した債権者を識別する債権者識別子または当該交渉情報を送信した債務者を識別する債務者識別子、および債権識別子に対応付けて、債権管理部111に蓄積する。
【0088】
交渉蓄積部134は、交渉受信部123が交渉情報を受信した場合に、図示しない時計から交渉時情報を取得し、当該交渉時情報を含む交渉情報を蓄積しても良い。交渉蓄積部134は、交渉受信部123が交渉情報を受信した場合に、交渉情報を送信した者が債権者であるか債務者であるかを特定する入力者識別子を取得し、当該入力者識別子を含む交渉情報を蓄積しても良い。
【0089】
提案内容取得部135は、交渉受信部123が受信した交渉情報が提案内容作成条件に合致する場合に、当該交渉情報を用いて提案内容を取得する。提案内容取得部135は、債権状況情報を用いて提案内容を取得することは好適である。
【0090】
提案内容作成条件とは、提案内容を作成するための条件である。提案内容作成条件は、例えば、交渉情報が、債権処理の2以上の方法のうちの特定の方法を示す債権処理識別子を含むこと(特定の債権処理識別子が選択されたこと)である。特定の債権処理識別子は、例えば、債権処理識別子「今すぐクレジットカードで支払う」「翌月末日に全額支払う」「毎月末日分割で支払う」「金額の修正の提案」「請求に身に覚えがない」「既に直接支払い済み」「オンライン調停を希望」のうち、債権処理識別子「今すぐクレジットカードで支払う」「翌月末日に全額支払う」「毎月末日分割で支払う」または「金額の修正の提案」である。提案内容作成条件は、例えば、交渉情報が、分割金額を含むことである。提案内容作成条件は、例えば、受信された交渉情報の中に、今までに受信された交渉情報の中に存在しない情報を含むことである。
【0091】
提案内容取得部135は、債権者の情報および債務者の情報を債権管理部111から取得し、当該債権者の情報および当該債務者の情報を含む情報であり、債権処理の一の方法に対応する提案を示す情報である提案内容を取得する。
【0092】
提案内容取得部135は、例えば、1または2以上の各債権処理識別子と対になる提案内容雛形に、債権者の情報および債務者の情報を代入し、提案内容を構成する。提案内容取得部135は、例えば、1または2以上の各債権処理識別子と対になる提案内容雛形に、債権者の情報(例えば、債権者名)および債務者の情報(例えば、債務者名)および交渉情報の一部または全部の情報(例えば、支払い金額)を代入し、提案内容を構成する。
【0093】
調停支援部136は、交渉受信部123が、オンライン調停に対応する一の方法を識別する債権処理識別子を含む交渉情報を債務者端末3から受信した場合、調停支援処理を行う。
【0094】
調停支援処理とは、債権者と債務者とを含むグループがオンラインにより調停を行うことを支援するための処理である。グループは、弁護士を含むことは好適である。調停支援処理は、例えば、グループの各メンバーに、オンライン会議のための会議情報を送信する処理である。会議情報は、例えば、オンライン会議を開始するためのURLを含む。会議情報は、例えば、オンライン会議の開始日時を含む。なお、オンライン会議は、例えば、Zoom(登録商標)による会議、Webex(登録商標)による会議である。
【0095】
判断部137は、交渉受信部123が受信した交渉情報を用いて合意条件を満たしたか否かを判断する。
【0096】
合意条件とは、債権処理に関する交渉が成立したことを判断するための条件である。合意条件は、例えば、受信された交渉情報が、債権処理の2以上の方法のうちの特定の方法を示す債権処理識別子を含むこと(特定の債権処理識別子が選択されたこと)である。特定の債権処理識別子は、例えば、債権処理識別子「今すぐクレジットカードで支払う」「翌月末日に全額支払う」「毎月末日分割で支払う」「金額の修正の提案」「請求に身に覚えがない」「既に直接支払い済み」「オンライン調停を希望」のうち、債権処理識別子「今すぐクレジットカードで支払う」「翌月末日に全額支払う」である。合意条件は、例えば、受信された交渉情報が、支払手段識別子を含むことである。合意条件は、例えば、債権者から送信された交渉情報に対して、債務者が同意したことを示す交渉情報が受信されたことである。合意条件は、例えば、債務者から送信された交渉情報に対して、債権者が同意したことを示す交渉情報が受信されたことである。
【0097】
合意文書生成部138は、交渉受信部123が受信した交渉情報が合意条件を満たした場合に、1または2以上の交渉情報を用いて合意文書を生成する。合意文書生成部138は、生成した合意文書を債権識別子と対にして、債権管理部111に蓄積することは好適である。
【0098】
合意文書生成部138は、例えば、格納部11の合意文書雛形に、債権者の情報と債務者の情報と1以上の交渉情報に含まれる情報とを代入し、合意文書を生成する。
【0099】
情報取得部139は、出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を債権管理部111から取得する。情報取得部139は、例えば、出力指示が有する債権識別子と対になる債権状況情報の一部または全部を債権管理部111から取得する。
【0100】
送信部14は、各種の情報を送信する。各種の情報は、例えば、後述する通知情報、画面情報、提案内容、交渉情報、後述する必要情報、合意文書である。
【0101】
申立通知部141は、申立取得部121が申立情報を取得したことに応じて、申立情報が有する債権者識別子で識別される債権者の情報と債権内容情報とを含む通知情報を取得し、当該通知情報を、債務者に対して送信する。情報を送信することは、プッシュ型での送信でも、プル型の送信でも良い。
【0102】
画面送信部142は、特定の画面情報を送信する送信条件を満たす場合に、当該特定の画面情報を債権者端末2または債務者端末3に送信する。画面送信部142は、例えば、確認受信部122が確認情報を受信した後、債権処理の2以上の方法のうちの一の方法を債務者に選択させるための画面情報を債務者端末3に送信する。画面送信部142は、例えば、債権者端末2または債務者端末3から選択オブジェクトの選択が受信された場合に、当該選択オブジェクトに対応付く画面情報を債権者端末2または債務者端末3に送信する。
【0103】
提案内容送信部143は、提案内容取得部135が取得した提案内容を、債権者端末2または債務者端末3に送信する。提案内容送信部143は、同じ提案内容を、債権者端末2および債務者端末3に送信しても良い。提案内容送信部143は、例えば、提案内容指示の受信に応じて、当該指示に対応する提案内容を送信する。
【0104】
提案内容送信部143は、交渉受信部123が受信した交渉情報と提案内容取得部135が取得した提案内容とが対応付くように、提案内容を送信することは好適である。提案内容の元になる交渉情報が把握できるからである。
【0105】
交渉情報出力部144は、交渉受信部123が受信した2以上の交渉情報を出力する。交渉情報出力部144は、例えば、交渉受信部123が受信した2以上の交渉情報について、交渉受信部123が受信した順に、かつ交渉情報が対応付く識別子が債権者識別子であるか債務者識別子であるかが把握可能な態様で出力する。交渉情報出力部144は、例えば、債権者識別子に対応付く交渉情報は画面の右寄せまたは左寄せに配置した画面情報であり、債務者識別子に対応付く交渉情報は画面の左寄せまたは右寄せに配置した画面情報を出力する。
【0106】
ここでの出力とは、通常、債権者端末2または債務者端末3への送信である。ただし、出力は、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、債権者端末2または債務者端末3以外の他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念であっても良い。
【0107】
必要情報送信部145は、判断部137が合意条件を満たしたと判断した場合に、債務者が債権処理を行うために必要な情報である必要情報を債務者に対して送信する。必要情報は、通常、入金先情報を含む。入金先情報は、例えば、口座情報、クレジットカード情報、オンライン決済情報である。必要情報は、例えば、貸与されている物品の郵送先を示す情報、サービスを享受する場所を示す情報である。
【0108】
合意文書出力部146は、合意文書生成部138が生成した合意文書を出力する。合意文書出力部146は、合意文書を債権者端末2および債務者端末3に送信する。合意文書出力部146は、合意文書指示が受信された場合に、当該指示に対応する合意文書を送信することは好適である。
【0109】
情報送信部147は、処理部13が取得した情報を債権者端末2または債務者端末3に送信する。情報送信部147は、例えば、情報取得部139が取得した債権状況情報の一部または全部を、債権者端末2または債務者端末3に送信する。情報送信部147は、出力指示を送信してきた債権者端末2または債務者端末3に、債権状況情報の一部または全部を送信する。情報送信部147は、例えば、提案内容指示または合意文書指示または支払スケジュール指示を送信してきた債権者端末2または債務者端末3に、提案内容または合意文書または支払スケジュールを送信する。
【0110】
債権者端末2を構成する債権者格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、債権者識別子である。
【0111】
債権者受付部22は、各種の情報や指示等を受け付ける。各種の情報や指示等とは、例えば、申立情報、交渉情報、出力指示、提案内容指示、合意文書指示、または支払スケジュール指示である。
【0112】
各種の情報や指示等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0113】
債権者処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0114】
債権者送信部24は、各種の情報や指示等を債権管理装置1または他の図示しない装置に送信する。各種の情報や指示等は、例えば、申立情報、交渉情報、出力指示である。
【0115】
債権者受信部25は、各種の情報をから受信する。各種の情報は、例えば、確認情報、交渉情報、債権状況情報、各種の画面情報である。
【0116】
債権者出力部26は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、確認情報、交渉情報、債権状況情報、各種の画面である。
【0117】
ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0118】
債務者端末3を構成する債務者格納部31には、各種の情報が格納される。各種の情報とは、例えば、債務者識別子である。
【0119】
債務者受付部32は、各種の情報や指示等を受け付ける。各種の情報や指示等とは、例えば、確認情報、交渉情報、出力指示、提案内容指示、合意文書指示、または支払スケジュール指示である。
【0120】
各種の情報や指示等の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0121】
債務者処理部33は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0122】
債務者送信部34は、各種の情報や指示等を債権管理装置1または他の図示しない装置に送信する。各種の情報や指示等は、例えば、確認情報、交渉情報、出力指示である。
【0123】
債務者受信部35は、各種の情報をから受信する。各種の情報は、例えば、通知情報、交渉情報、債権状況情報である。
【0124】
債務者出力部36は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、通知情報、交渉情報、債権状況情報、各種の画面である。
【0125】
格納部11、債権管理部111、債権者格納部21、および債務者格納部31は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0126】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0127】
受信部12、申立取得部121、確認受信部122、交渉受信部123、指示受信部124、債権者受信部25、および債務者受信部35は、例えば、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段等で実現されても良い。
【0128】
処理部13、申立蓄積部131、更新部132、確認蓄積部133、交渉蓄積部134、提案内容取得部135、調停支援部136、判断部137、合意文書生成部138、情報取得部139、債権者処理部23、および債務者処理部33は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部13等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。なお、申立取得部121は、処理部13と同様、プロセッサやメモリ等から実現されても良い。
【0129】
送信部14、申立通知部141、画面送信部142、提案内容送信部143、交渉情報出力部144、必要情報送信部145、合意文書出力部146、情報送信部147、債権者送信部24、および債務者送信部34は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0130】
債権者受付部22、および債務者受付部32は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0131】
債権者出力部26、および債務者出力部36は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。債権者出力部26は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0132】
次に、債権管理装置1の動作例について、図4図5のフローチャートを用いて説明する。
【0133】
(ステップS401)申立取得部121は、案件登録を債権者端末2から受信したか否かを判断する。案件登録を受信した場合はステップS402に行き、受信しなかった場合はステップS408に行く。
【0134】
(ステップS402)申立蓄積部131は、図示しない時計から日時である申立時情報を取得する。申立蓄積部131は、案件登録に含まれる申立情報を取得する。申立蓄積部131は、当該申立情報と当該申立時情報とを有する情報であり、蓄積する申立情報を構成する。
【0135】
(ステップS403)申立蓄積部131は、ユニークな債権識別子を取得する。
【0136】
(ステップS404)申立蓄積部131は、ステップS403で取得した債権識別子と対にして、ステップS402で取得した申立情報を債権管理部111に蓄積する。ここで、更新部132は、当該債権識別子と対にして、フェーズ特定情報を「確認待ち」に更新しても良い。
【0137】
(ステップS405)申立通知部141は、通知情報を構成する。かかる通知情報を構成処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
(ステップS406)申立通知部141は、受信された申立情報から債権者の連絡先情報を取得する。
【0139】
(ステップS407)申立通知部141は、ステップS406で取得した連絡先情報が特定する連絡先に、ステップS405で構成した通知情報を送信する。ステップS401に戻る。
【0140】
(ステップS408)確認受信部122は、確認情報等を債務者端末3から受信したか否かを判断する。確認情報等を受信した場合はステップS409に行き、受信しなかった場合はステップS411に行く。なお、確認情報等とは、確認情報または不存在情報である。また、受信された確認情報等は、債務識別子と対応付いている。
【0141】
(ステップS409)確認蓄積部133は、確認情報等に対応付いている債権識別子を取得する。
【0142】
(ステップS410)確認蓄積部133は、図示しない時計から確認時情報を取得する。確認蓄積部133は、ステップS409で取得した債権識別子に対応付けて、確認時情報を含む確認情報等を債権管理部111に蓄積する。ステップS401に戻る。なお、ここで、受信された情報が確認情報である場合、確認蓄積部133は、債権識別子に対応付くフェーズ特定情報を「確認済み」に更新しても良い。
【0143】
(ステップS411)交渉受信部123は、債権者端末2または債務者端末3から交渉情報を受信したか否かを判断する。交渉情報を受信した場合はステップS412に行き、受信しなかった場合はステップS423に行く。なお、受信される交渉情報は、債権識別子に対応付く。
【0144】
(ステップS412)交渉蓄積部134は、債権識別子を取得する。
【0145】
(ステップS413)交渉蓄積部134は、債権識別子に対応付けて、交渉情報を債権管理部111に蓄積する。なお、交渉蓄積部134は、入力者識別子を取得し、当該入力者識別子を含む交渉情報を蓄積しても良い。
【0146】
(ステップS414)提案内容取得部135は、受信された交渉情報が提案内容作成条件に合致するか否かを判断する。提案内容作成条件に合致する場合はステップS415に行き、合致しない場合はステップS417に行く。
【0147】
(ステップS415)提案内容取得部135は、提案内容を構成する。かかる提案内容構成処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0148】
(ステップS416)提案内容取得部135は、ステップS415で構成した提案内容を交渉情報に対応付けて債権管理部111に蓄積する。
【0149】
(ステップS417)判断部137は、受信された交渉情報が合意条件に合致するか否かを判断する。合意条件に合致する場合はステップS418に行き、合致しない場合はステップS401に戻る。
【0150】
(ステップS418)合意文書生成部138は、合意文書を生成する。かかる合意文書生成処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0151】
(ステップS419)合意文書生成部138は、ステップS418で取得した合意文書を、債権識別子に対応付けて、債権管理部111に蓄積する。
【0152】
(ステップS420)処理部13は、債権者識別子を取得する。必要情報送信部145は、当該債権者識別子と対になる必要情報を債権管理部111から取得する。なお、必要情報は、例えば、入金先情報である。
【0153】
(ステップS421)処理部13は、ステップS420で必要情報を取得したか否かを判断する。必要情報を取得した場合はステップS422に行き、取得しなかった場合はステップS401に戻る。
【0154】
(ステップS422)必要情報送信部145は、必要情報を債務者に対して送信する。ステップS401に戻る。なお、ここでの必要情報の送信手段は問わない。
【0155】
(ステップS423)指示受信部124は、債権者端末2または債務者端末3から出力指示を受信したか否かを判断する。出力指示を受信した場合はステップS424に行き、受信しなかった場合はステップS428に行く。なお、出力指示は、債権識別子に対応付く。
【0156】
(ステップS424)情報取得部139は、ステップS423で受信された出力指示に対応付く債権識別子を取得する。
【0157】
(ステップS425)情報取得部139は、ステップS424で取得した債権識別子と対になる債権状況情報を債権管理部111から取得する。なお、ここで取得する債権状況情報は、債権管理部111の債権状況情報の一部の情報でも良い。
【0158】
(ステップS426)情報取得部139は、ステップS425で取得した債権状況情報を用いて、出力する情報を構成する。かかる出力情報構成処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0159】
(ステップS427)情報送信部147は、出力情報を、出力指示を送信してきた端末に送信する。ステップS401に戻る。
【0160】
(ステップS428)指示受信部124は、債権者端末2または債務者端末3から提案内容指示を受信したか否かを判断する。提案内容指示を受信した場合はステップS429に行き、受信しなかった場合はステップS431に行く。提案内容指示は、一の交渉情報に対応付く。
【0161】
(ステップS429)情報取得部139は、ステップS428で受信された提案内容指示に対応する一の交渉情報と対になる提案内容を債権管理部111から取得する。
【0162】
(ステップS430)情報送信部147は、ステップS429で取得された提案内容を、提案内容指示を送信してきた端末に送信する。ステップS401に戻る。
【0163】
(ステップS431)指示受信部124は、債権者端末2または債務者端末3から合意文書指示を受信したか否かを判断する。合意文書指示を受信した場合はステップS432に行き、受信しなかった場合はステップS434に行く。なお、合意文書指示は、債権識別子に対応付く。
【0164】
(ステップS432)情報取得部139は、ステップS431で受信された合意文書指示に対応する債権識別子を取得する。情報取得部139は、当該債権識別子と対になる合意文書を債権管理部111から取得する。
【0165】
(ステップS433)情報送信部147は、ステップS432で取得された合意文書を、合意文書指示を送信してきた端末に送信する。ステップS401に戻る。
【0166】
(ステップS434)指示受信部124は、債権者端末2または債務者端末3から支払スケジュール指示を受信したか否かを判断する。支払スケジュール指示を受信した場合はステップS435に行き、受信しなかった場合はステップS437に行く。なお、支払スケジュール指示は、債権識別子に対応付く。
【0167】
(ステップS435)情報取得部139は、ステップS434で受信された支払スケジュール指示対応付く債権識別子を取得する。情報取得部139は、当該債権識別子と対になる支払い総額、および毎月の金額を債権管理部111から取得する。情報取得部139は、支払い総額と毎月の金額とを用いて支払スケジュールを取得する。
【0168】
(ステップS436)情報送信部147は、ステップS435で取得された支払スケジュールを、支払スケジュール指示を送信してきた端末に送信する。ステップS401に戻る。
【0169】
(ステップS437)受信部12は、支払情報を受信したか否かを判断する。支払情報を受信した場合はステップS438に行き、受信しなかった場合はステップS439に行く。なお、支払情報は、債権識別子に対応付いている。
【0170】
(ステップS438)処理部13は、債権識別子に対応付けて、支払情報を蓄積する。ステップS401に戻る。
【0171】
(ステップS439)処理部13は、債権者端末2または債務者端末3に特定の画面情報を送信する送信条件を満たすか否かを判断する。送信条件を満たす場合はステップS440に行き、満たさない場合はステップS401に戻る。
【0172】
なお、送信条件は、例えば、確認情報または特定の交渉情報を受信したこと、債権者端末2または債務者端末3から画面出力指示を受信したことである。なお、送信条件には、送信する画面情報が対応付いている。
【0173】
(ステップS440)情報取得部139は、送信条件に対応する画面情報を格納部11から取得する。なお、送信条件に対応する画面情報は、例えば、選択された選択オブジェクトと対になる画面情報である。
【0174】
(ステップS441)情報送信部147は、ステップS440で取得された画面情報を債権者端末2または債務者端末3に送信する。ステップS401に戻る。
【0175】
なお、図4図5のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0176】
次に、ステップS405の通知情報構成処理の例について、図6のフローチャートを用いて説明する。
【0177】
(ステップS601)申立通知部141は、格納部11から通知情報雛形を取得する。
【0178】
(ステップS602)申立通知部141は、債権識別子を取得する。申立通知部141は、当該債権識別子と対になる債権者の情報(例えば、債権者の名称)を取得する。
【0179】
(ステップS603)申立通知部141は、通知情報雛形の債権者の情報を代入する変数の箇所に、債権者の情報を代入する。
【0180】
(ステップS604)申立通知部141は、債権識別子と対になる債務者の情報(例えば、債務者の名称)を取得する。
【0181】
(ステップS605)申立通知部141は、通知情報雛形の債務者の情報を代入する変数の箇所に、債務者の情報を代入する。
【0182】
(ステップS606)申立通知部141は、債権識別子と対になる債権内容情報にアクセスするためのリンク情報を取得する。なお、リンク情報は、通常、URLであるが、債権内容情報にアクセスするための情報であれば良い。
【0183】
(ステップS607)申立通知部141は、通知情報雛形のリンク情報を代入する変数の箇所に、リンク情報を代入する。上位処理にリターンする。
【0184】
次に、ステップS415の提案内容構成処理の例について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0185】
(ステップS701)提案内容取得部135は、提案内容雛形を格納部11から取得する。
【0186】
なお、提案内容取得部135は、例えば、交渉情報に含まれる債権処理識別子を取得し、当該債権処理識別子と対になる提案内容雛形を格納部11から取得する。
【0187】
(ステップS702)提案内容取得部135は、受信された交渉情報に対応付く債権識別子を取得する。
【0188】
(ステップS703)提案内容取得部135は、カウンタiに1を代入する。
【0189】
(ステップS704)提案内容取得部135は、ステップS701で取得した提案内容雛形の中にi番目の変数が存在するか否かを判断する。i番目の変数が存在する場合はステップS705に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0190】
(ステップS705)提案内容取得部135は、i番目の変数に対応する情報を、債権識別子と対になる債権状況情報から取得する。
【0191】
(ステップS706)提案内容取得部135は、ステップS705で取得した情報を提案内容雛形の中にi番目の変数の箇所に代入する。
【0192】
(ステップS707)提案内容取得部135は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS704に戻る。
【0193】
次に、ステップS418の合意文書生成処理の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0194】
(ステップS801)合意文書生成部138は、合意文書雛形を格納部11から取得する。
【0195】
(ステップS802)合意文書生成部138は、受信された交渉情報に対応付く債権識別子を取得する。
【0196】
(ステップS803)合意文書生成部138は、カウンタiに1を代入する。
【0197】
(ステップS804)合意文書生成部138は、ステップS801で取得した合意文書雛形の中にi番目の変数が存在するか否かを判断する。i番目の変数が存在する場合はステップS805に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0198】
(ステップS805)合意文書生成部138は、i番目の変数に対応する情報を、債権識別子と対になる債権状況情報から取得する。
【0199】
(ステップS806)合意文書生成部138は、ステップS805で取得した情報を合意文書雛形の中にi番目の変数の箇所に代入する。
【0200】
(ステップS807)合意文書生成部138は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS804に戻る。
【0201】
次に、ステップS426の出力情報構成処理の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。
【0202】
(ステップS901)情報取得部139は、出力情報を構成するための元になる画面情報を格納部11から取得する。
【0203】
(ステップS902)情報取得部139は、カウンタiに1を代入する。
【0204】
(ステップS903)情報取得部139は、画面情報の中にi番目の変数が存在するか否かを判断する。i番目の変数が存在する場合はステップS904に行き、存在しない場合はステップS907に行く。
【0205】
(ステップS904)情報取得部139は、債権識別子を取得する。情報取得部139は、画面情報の中のi番目の変数に対応する情報を、当該債権識別子と対になる債権状況情報の中から取得する。なお、i番目の変数に対応する情報は、例えば、債権者名、債務者名、支払金額、支払開始日、支払期日である。
【0206】
(ステップS905)情報取得部139は、画面情報の中にi番目の変数に、ステップS904で取得した情報を代入する。
【0207】
(ステップS906)情報取得部139は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS903に戻る。
【0208】
(ステップS907)情報取得部139は、ステップS904で取得した債権識別子と対になる債権状況情報の中の申立情報を用いて、申立関連情報を取得する。なお、申立関連情報は、例えば、債権を申し立てたことを示す情報(例えば、「申し立てました。」)、申立時情報(例えば、年月日および時刻)、債権者名である。
【0209】
(ステップS908)情報取得部139は、ステップS904で取得した債権識別子と対になる債権状況情報の中に、確認情報が存在するか否かを判断する。確認情報が存在する場合はステップS909に行き、存在しない場合は上位処理にリターンする。
【0210】
(ステップS909)情報取得部139は、債権識別子と対になる債権状況情報の確認情報を用いて、確認関連情報を取得する。なお、確認関連情報は、例えば、債権の申立を確認したことを示す情報(例えば、「案件を確認しました。」)、確認時情報(例えば、年月日および時刻)、債務者名である。
【0211】
(ステップS910)情報取得部139は、カウンタiに1を代入する。
【0212】
(ステップS911)情報取得部139は、ステップS904で取得した債権識別子と対になる債権状況情報の中に、i番目の交渉情報が存在するか否かを判断する。i番目の交渉情報が存在する場合はステップS912に行き、存在しない場合はステップS919に行く。
【0213】
(ステップS912)情報取得部139は、i番目の交渉情報と対になる債権者識別子または債務者識別子を、当該債権識別子と対になる債権状況情報から取得する。なお、債権者識別子または債務者識別子を、適宜、識別子と言う。
【0214】
(ステップS913)情報取得部139は、i番目の交渉情報に提案内容が対応付いているか否かを判断する。提案内容が対応付いている場合はステップS914に行き、提案内容が対応付いていない場合はステップS915に行く。
【0215】
(ステップS914)情報取得部139は、i番目の交渉情報と提案内容とを用いて、出力する交渉関係情報を構成する。ステップS916に行く。なお、ここでの交渉関係情報は、例えば、交渉情報を説明する文、交渉時情報、および提案内容へのリンク情報を有する。
【0216】
(ステップS915)情報取得部139は、i番目の交渉情報を用いて、出力する交渉関係情報を構成する。なお、ここでの交渉関係情報は、例えば、交渉情報を説明する文、交渉時情報を有する。
【0217】
(ステップS916)情報取得部139は、識別子が特定する側(例えば、画面の右側、または左側)であり、既に配置されている情報の下に、i番目の交渉関係情報を配置する。
【0218】
(ステップS917)情報取得部139は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS911に戻る。
【0219】
(ステップS918)情報取得部139は、合意済みであるか否かを判断する。合意済みであればステップS919に行き、合意済みでなければ上位処理にリターンする。
【0220】
(ステップS919)情報取得部139は、債権識別子と対になる必要情報を取得する。なお、必要情報は、通常、入金先情報である。
【0221】
(ステップS920)情報取得部139は、必要情報を、画面情報に配置する。上位処理にリターンする。
【0222】
次に、債権者端末2の動作例について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0223】
(ステップS1001)債権者受付部22は、案件登録を受け付けたか否かを判断する。案件登録を受け付けた場合はステップS1002に行き、受け付けなかった場合はステップS1003に行く。
【0224】
(ステップS1002)債権者送信部24は、ステップS1001で受け付けられた案件登録を債権管理装置1に送信する。ステップS1001に戻る。
【0225】
(ステップS1003)債権者受付部22は、出力指示を受け付けたか否かを判断する。出力指示を受け付けた場合はステップS1004に行き、受け付けなかった場合はステップS1007に行く。
【0226】
(ステップS1004)債権者処理部23は、債権識別子を取得する。債権者送信部24は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1003で受け付けられた出力指示を債権管理装置1に送信する。
【0227】
(ステップS1005)債権者受信部25は、出力情報を受信したか否かを判断する。出力情報を受信した場合はステップS1006に行き、受信しなかった場合はステップS1005に戻る。
【0228】
(ステップS1006)債権者処理部23は、受信された出力情報から出力する出力情報を構成する。債権者出力部26は、当該出力情報を出力する。ステップS1001に戻る。
【0229】
(ステップS1007)債権者受付部22は、交渉情報を受け付けたか否かを判断する。交渉情報を受け付けた場合はステップS1008に行き、受け付けなかった場合はステップS1009に行く。
【0230】
(ステップS1008)債権者処理部23は、債権識別子を取得する。債権者送信部24は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1007で受け付けられた交渉情報を債権管理装置1に送信する。ステップS1001に戻る。
【0231】
(ステップS1009)債権者受付部22は、画面出力指示を受け付けたか否かを判断する。画面出力指示を受け付けた場合はステップS1010に行き、受け付けなかった場合はステップS1013に行く。なお、画面出力指示は、画面情報を特定する情報を有する。
【0232】
(ステップS1010)債権者処理部23は、債権識別子を取得する。債権者送信部24は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1009で受け付けられた画面出力指示を債権管理装置1に送信する。
【0233】
(ステップS1011)債権者受信部25は、債権管理装置1から画面情報を受信したか否かを判断する。画面情報を受信した場合はステップS1012に行き、受信しなかった場合はステップS1011に戻る。
【0234】
(ステップS1012)債権者処理部23は、ステップS1011で受信された画面情報から画面を構成する。債権者出力部26は、当該画面を出力する。ステップS1001に戻る。
【0235】
(ステップS1013)債権者受付部22は、その他の指示を受け付けたか否かを判断する。その他の指示を受け付けた場合はステップS1014に行き、受け付けなかった場合はステップS1001に戻る。
【0236】
(ステップS1014)債権者処理部23は、債権識別子を取得する。債権者送信部24は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1013で受け付けられた指示を債権管理装置1に送信する。
【0237】
(ステップS1015)債権者受信部25は、債権管理装置1から情報を受信したか否かを判断する。情報を受信した場合はステップS1016に行き、受信しなかった場合はステップS1015に戻る。
【0238】
(ステップS1016)債権者処理部23は、受信された情報から出力する情報を構成する。債権者出力部26は、当該情報を出力する。ステップS1001に戻る。
【0239】
なお、図10のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0240】
次に、債務者端末3の動作例について、図11のフローチャートを用いて説明する。
【0241】
(ステップS1101)債務者受信部35は、債権管理装置1から通知情報を受信したか否かを判断する。通知情報を受信した場合はステップS1102に行き、受信しなかった場合はステップS1104に行く。なお、受信された通知情報には、債権識別子が対応付いている。
【0242】
(ステップS1102)債務者出力部36は、ステップS1101で受信された通知情報を出力する。
【0243】
(ステップS1103)債務者受付部32は、確認情報等を受け付けたか否かを判断する。確認情報等を受け付けた場合はステップS1104に行き、受け付けなかった場合はステップS1103に戻る。
【0244】
(ステップS1104)債務者処理部33は、通知情報に対応付いている債権識別子を取得する。債務者送信部34は、当該債権識別子に対応付けて、確認情報等を債権管理装置1に送信する。ステップS1101に戻る。
【0245】
(ステップS1105)債務者受付部32は、出力指示を受け付けたか否かを判断する。出力指示を受け付けた場合はステップS1106に行き、受け付けなかった場合はステップS1009に行く。
【0246】
(ステップS1106)債務者処理部33は、出力指示を入力する画面に対応付く債権識別子を取得する。債務者送信部34は、当該債権識別子に対応付けて、出力指示を債権管理装置1に送信する。
【0247】
(ステップS1107)債務者受信部35は、出力情報を受信したか否かを判断する。出力情報を受信した場合はステップS1109に行き、受信しなかった場合はステップS1107に戻る。
【0248】
(ステップS1108)債務者処理部33は、ステップS1107で受信された出力情報から、出力する出力情報を構成する。債務者出力部36は、当該出力情報を出力する。ステップS1101に戻る。
【0249】
(ステップS1109)債債務者受付部32は、交渉情報を受け付けたか否かを判断する。交渉情報を受け付けた場合はステップS1110に行き、受け付けなかった場合はステップS1111に行く。
【0250】
(ステップS1110)債務者処理部33は、交渉情報を入力する画面に対応付く債権識別子を取得する。債務者送信部34は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1109で受け付けられた交渉情報を債権管理装置1に送信する。ステップS1101に戻る。
【0251】
(ステップS1111)債務者受付部32は、画面出力指示を受け付けたか否かを判断する。画面出力指示を受け付けた場合はステップS1112に行き、受け付けなかった場合はステップS1115に行く。
【0252】
(ステップS1112)債務者処理部33は、債権識別子を取得する。債務者送信部34は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1111で受け付けられた画面出力指示を債権管理装置1に送信する。
【0253】
(ステップS1113)債務者受信部35は、債権管理装置1から画面情報を受信したか否かを判断する。画面情報を受信した場合はステップS1114に行き、受信しなかった場合はステップS1113に戻る。
【0254】
(ステップS1114)債務者処理部33は、ステップS1113で受信された画面情報から画面を構成する。債務者出力部36は、当該画面を出力する。ステップS1101に戻る。
【0255】
(ステップS1115)債務者受付部32は、その他の指示を受け付けたか否かを判断する。その他の指示を受け付けた場合はステップS1116に行き、受け付けなかった場合はステップS1101に戻る。
【0256】
(ステップS1116)債務者処理部33は、債権識別子を取得する。債務者送信部34は、当該債権識別子に対応付けて、ステップS1115で受け付けられた指示を債権管理装置1に送信する。
【0257】
(ステップS1117)債務者受信部35は、債権管理装置1から情報を受信したか否かを判断する。情報を受信した場合はステップS1118に行き、受信しなかった場合はステップS1116に戻る。
【0258】
(ステップS1118)債務者処理部33は、受信された情報から出力する情報を構成する。債務者出力部36は、当該情報を出力する。ステップS1101に戻る。
【0259】
なお、図11のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0260】
以下、本実施の形態における情報システムAの具体的な動作例について説明する。ここでの債権管理装置1が扱う債権は、金銭債権である、とする。また、債権管理装置1において、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意し、債権処理が完了するまでのフェーズの流れを図12に示す。図12において、「申立済み」「確認待ち」「確認済み」「交渉中」「債権処理中」「債権処理完了」の順にフェーズが進む、とする。また、「交渉中」において、「オンライン調停中」に移行することがある、とする。また、「オンライン調停中」からは「債権処理中」または「交渉不調」にフェーズが進む、とする。図12における各フェーズを示す文字列の上の数値は、フェーズを識別するフェーズ識別子である。つまり、フェーズ「申立済み」のフェーズ識別子は「1」、「確認待ち」は「2」、「確認済み」は「3」、「交渉中」は「4」、「債権処理中」は「5」、「債権処理完了」は「6」、「オンライン調停中」は「7」、「交渉不調」は「8」である。なお、「債権処理中」は、例えば、複数回の分割払いにおける支払いの途中回数の段階である。
【0261】
債権管理装置1の格納部11には、図13に示す債権者管理表が格納されている。債権者管理表とは、債権者に関する情報を管理する表である。債権者管理表は、債権管理装置1のサービスを受けるためにユーザが登録した債権者情報を管理する表である。債権者管理表は、「ID」「債権者識別子」「債権者名」「メールアドレス」「入金先情報」を有する1以上のレコードを管理する。なお、「債権者名」「メールアドレス」「入金先情報」は、債権者情報を構成する。「入金先情報」は、例えば、銀行口座の情報である。
【0262】
債権管理装置1の債権管理部111には、図14に示す構造を有する債権管理表が格納されている。債権管理表は、債権状況情報を管理する表である。債権管理表は、「債権識別子」「申立情報」「確認情報」「債権処理識別子」「フェーズ識別子」「交渉情報」「交渉時」「提案内容」「合意文書」を有するレコードを1以上管理する表である。「申立情報」は、「債権内容情報」「債権者識別子」「債務者情報」「申立時」を有する。「確認情報」は、「確認時」を有する。「交渉情報」は、ここでは「入力者」「交渉内容」を有する。「入力者」は、交渉情報の入力者が債権者であることを示す「1」または交渉情報の入力者が債務者であることを示す「2」のいずれかを有する。
【0263】
「債権処理識別子」を構成する情報について、ここでは「今すぐクレジットカードで支払う」は「1」、「翌月末日に全額支払う」は「2」、「毎月末日分割で支払う」は「3」、「金額の修正の提案」は「4」、「請求に身に覚えがない」は「5」、「既に直接支払い済み」は「6」、「オンライン調停を希望」は「7」とする。「債権処理識別子」は支払手段識別子を有しても良い。支払手段識別子は、例えば、クレジットカード払いを示す「A」、銀行振込を示す「B」である。
【0264】
債権管理装置1の格納部11には、債権処理手段識別子ごとの提案内容雛形が格納されている(図15)。また、債権管理装置1の格納部11には、債権処理手段識別子ごとの合意文書雛形が格納されている(図16)。提案内容雛形および合意文書雛形において、「<」「>」で囲まれている文字列は変数である。変数は、情報が置き換わり、提案内容が構成される。変数<債務者名>は債務者名が配置され、変数<債権者名>には債権者名が配置される。
【0265】
以上の状況において、債権者情報を債権管理装置1に登録している田中A子は、債権者端末2を使用し、債権管理装置1にログインした、とする。
【0266】
そして、田中A子の操作により、債権者端末2は、債権管理装置1から債権の申立を行うための画面情報を受信し、図17に示す案件登録画面を出力した、とする。
【0267】
次に、田中A子は、図17の画面の「申立案件名」「申立金額」「本体の支払期日」等の各フィールドに情報を入力し、「申し立てる」ボタン1701を指示した、とする。
【0268】
次に、債権者端末2の債権者受付部22は、ボタン1701の指示により、案件登録を受け付ける。案件登録は、申立情報「<申立案件名>X社不払い <申立金額>100,000 <本体の支払期日>2924/8/1 <債権者識別子>C01 ・・・ <相手方の名称>X社 ・・・<相手方のメールアドレス>yy@x.jp」を有する。次に、債権者送信部24は、当該案件登録を債権管理装置1に送信する。なお、債権者識別子「C01」は、例えば、債権者格納部21に格納されている、とする。
【0269】
次に、債権管理装置1の申立取得部121は、案件登録を債権者端末2から受信する。申立取得部121は、図示しない時計から現在の日時である申立時「2024/8/11 09:00」を取得する。申立取得部121は、蓄積する申立情報「<申立案件名>X社不払い <申立金額>100,000 <本体の支払期日>2924/8/1 <債権者識別子>C01 ・・・ <相手方の名称>X社 ・・・<相手方のメールアドレス>yy@x.jp <申立時>2024/8/11 15:35」を構成する。次に、申立蓄積部131は、ユニークな債権識別子「1」を取得する。次に、申立蓄積部131は、債権識別子「1」と対にして、構成された申立情報を債権管理表(図14)に蓄積する。かかる申立情報は、図14の「ID=1」の申立情報である。また、更新部132は、図14の「ID=1」のレコードに、フェーズ識別子を「1」を蓄積する。
【0270】
次に、債権管理装置1の申立通知部141は、以下のように通知情報を構成する。まず、申立通知部141は、図6のフローチャートを用いて説明した通知情報構成処理の動作に従って、図18の通知情報を構成する。なお、申立通知部141は、図18の下線部が変数となった通知情報雛形に、各下線部に対応する情報を代入し、通知情報を構成する。次に、申立通知部141は、申立情報から債務者の連絡先情報「yy@x.jp」を取得する。次に、申立通知部141は、連絡先情報が特定する連絡先に、通知情報(図18)を送信する。また、更新部132は、図14の「ID=1」のフェーズ識別子を「1」から「2」に更新する。
【0271】
次に、債務者端末3は、債権管理装置1から通知情報(図18)であるメールを受信し、出力する。なお、債務者端末3における通知情報の出力のトリガーは問わない。
【0272】
次に、X社の担当者「山田Y子」は、通知情報(図18)を見て、URL1801をクリックした、とする。次に、債務者端末3には、URL1801に対応する申立情報を含む画面情報を債権管理装置1から取得し、当該画面情報に基づく確認画面(図19)を出力する。なお、確認画面とは、債権の申立に対して、債務者が確認するための画面である。次に、山田Y子は、確認画面を見て、「私に対する申立てです」のチェックボックス1901にチェックを入れ、「次へ」ボタン1902を指示した、とする。すると、債務者端末3の債務者受付部32は、確認情報を受け付ける。次に、債務者処理部33は、当該画面情報に対応付いている債権識別子「1」を取得する。次に、債務者処理部33は、送信する確認情報「<確認結果>確認 <債権識別子>1」を構成する。次に、債務者送信部34は、当該確認情報を債権管理装置1に送信する。なお、確認結果「確認」は確認したことを示す情報であり、例えば、「1」である。
【0273】
次に、債権管理装置1の確認受信部122は、確認情報「<確認結果>確認 <債権識別子>1」を債務者端末3から受信する。次に、確認蓄積部133は、受信された債権識別子「1」を取得する。次に、確認蓄積部133は、図示しない時計から日時である確認時「2024/8/11 15:50」を取得する。次に、確認蓄積部133は、確認情報「<確認結果>確認」に基づいて、債権識別子「1」と対にして、確認時「2024/8/11 15:50」を蓄積する。また、更新部132は、フェーズ識別子を「2」から「3」に更新する。
【0274】
次に、処理部13は、当該確認情報を受信したことにより、送信条件を満たすと判断し、当該送信条件に合致する画面情報を格納部11から取得する。かかる画面情報は、決定画面を構成するための画面情報である。決定画面とは、債権処理識別子を決定するための画面である。次に、画面送信部142は、当該画面情報を山田Y子の債務者端末3に送信する。
【0275】
債務者端末3は、当該画面情報を受信し、債権処理識別子の決定画面(図20)を出力する。図20の画面は、債権処理のための今までの経緯2001、および7つの各債権処理識別子の各候補に対応するボタン2002を有する。
【0276】
そして、山田Y子は、図20からボタン2003を指示した、とする。また、山田Y子は、ボタン2003の押下により、問い合わせられる分割金額「5000円」を入力した、とする。すると、債務者端末3の債務者受付部32は、交渉情報「<債権処理識別子>3 <分割金額>5000」を受け付ける。債務者処理部33は、債権識別子「1」を取得し、送信する交渉情報「<債権識別子>1 <債権処理識別子>3 <分割金額>5000」を構成する。次に、債務者送信部34は、当該交渉情報を債権管理装置1に送信する。
【0277】
次に、債権管理装置1の交渉受信部123は、債務者端末3から当該交渉情報を受信する。次に、交渉蓄積部134は、受信された交渉情報から債権識別子「1」を取得する。また、交渉蓄積部134は、図示しない時計から現在日時である交渉時「2024/8/11 16:01」を取得する。また、交渉蓄積部134は、債権処理識別子「3」(分割払い)であることを検知し、債権識別子「1」と対になる申立金額「100000円」、分割金額「5000円」を取得し、支払開始日、支払終了日、各月の支払額を取得し(支払スケジュールを取得し)、債権識別子「1」と対にして蓄積する。なお、支払スケジュールは、図14に蓄積されるが、図示していない。
【0278】
次に、提案内容取得部135は、受信された交渉情報に含まれる債権処理識別子「3」が提案内容作成条件に合致する、と判断する。そして、提案内容取得部135は、図7のフローチャートを用いて説明した処理により、提案内容を構成する。次に、提案内容取得部135は、構成した提案内容を当該交渉情報に対応付けて債権管理表(図14)に蓄積する。かかる提案内容は、ファイル「P1」である。
【0279】
また、処理部13は、当該交渉情報の受信に応じて、格納部11の通知情報雛形を用いて、債権者に送信する通知情報を構成する。かかる通知情報は、債務者の提案を通知するための情報である。次に、送信部14は、当該通知情報を債権者に送信する。なお、ここでの通知情報雛形は、図21の下線部が変数となった文書である。
【0280】
次に、債権者の田中A子の債権者端末2は、当該通知情報を受信し、出力する。かかる通知情報は、図21である。図21は、通知情報雛形の変数の箇所に、債権者名、分割金額、および交渉情報にアクセスするためのリンク情報2101が配置され、構成された通知情報である。そして、田中A子は、図21のURL2101を指示した、とする。
【0281】
すると、債権者端末2は、URL2101に対応する画面情報の送信指示が債権管理装置1に送信し、債権管理装置1から画面情報を受信し、図22に示す画面を出力する。なお、図22の画面を構成する画面情報は、図9のフローチャートを用いて説明した出力情報構成処理を用いて構成された情報である。
【0282】
次に、田中A子は、図22の画面の「分割金額の変更を提案する」ボタン2201を指示した、とする。すると、債権者端末2は、当該指示を受け付け、「分割金額の変更を提案する」ボタン2201の指示に対する画面出力指示を債権管理装置1に送信する。
【0283】
次に、債権管理装置1の指示受信部124は、当該画面出力指示を受信する。次に、情報取得部139は、当該画面出力指示に対応する画面情報を格納部11から取得する。次に、情報送信部147は、当該画面情報を、田中A子の債権者端末2に送信する。
【0284】
次に、田中A子の債権者端末2は、当該画面情報を受信し、図23に示す分割金額変更画面を出力する。そして、田中A子は、図23の画面において、提案する新しい分割金額「20000円」を入力した、とする(図23の2301)。
【0285】
次に、債権者端末2は、提案する新しい分割金額「20000円」を受け付け、当該分割金額「20000円」を含む交渉情報を、債権識別子「1」と対にして、債権管理装置1に送信する。
【0286】
次に、債権管理装置1の受信部12は、当該分割金額「20000円」を含む交渉情報を、債権識別子「1」と対にして受信する。
【0287】
次に、提案内容取得部135は、受信された交渉情報が提案内容作成条件「分割金額を含むこと」に合致する、と判断する。
【0288】
次に、提案内容取得部135は、図7のフローチャートを用いて説明した提案内容構成処理に基づき、提案内容作成条件と対になる提案内容雛形を格納部11から取得し、当該提案内容雛形に、当該分割金額「20000円」と、債権識別子「1」と対になる債権者名と債務者名と申立金額とを代入し、提案内容を構成する。次に、送信部14は、当該提案内容を田中A子の債権者端末2に送信する。
【0289】
次に、債権者端末2は、当該提案内容を受信し、出力する。かかる提案内容の出力例は、図23の2031である。
【0290】
次に、田中A子は、図23の「分割金額の変更を提案する」ボタン2303を指示した、とする。すると、債権者端末2は、当該ボタン203への指示を受け付ける。次に、債権者端末2は、交渉情報「<債権識別子>1 <分割金額>20000円 <債権識別子>C01」を構成し、債権管理装置1に送信する。
【0291】
次に、債権管理装置1の交渉受信部123は、当該交渉情報を受信する。次に、交渉蓄積部134は、交渉情報に含まれる債権識別子「1」を取得する。また、交渉蓄積部134は、図示しない時計から時情報「2024/8/11 16:34」を取得した、とする。また、交渉蓄積部134は、債権識別子「1」と対になる申立金額「100000円」、分割金額「20000円」を取得し、支払開始日、支払終了日、各月の支払額を取得し(支払スケジュールを取得し)、債権識別子「1」と対にして蓄積する。なお、支払スケジュールは、図14に蓄積されるが、図示していない。
【0292】
次に、提案内容取得部135は、先に取得されていた提案内容を取得する。次に、提案内容取得部135は、当該提案内容を当該交渉情報(ファイル「P2」)に対応付けて債権管理表(図14)に蓄積する。
【0293】
次に、処理部13は、特定の画面情報を送信する送信条件「提案内容が構成されたこと」を満たす、と判断する。次に、情報取得部139は、当該交渉情報と提案内容へのリンク情報等を含む画面情報を構成する。次に、情報送信部147は、当該画面情報を、山田Y子の債務者端末3に送信する。
【0294】
次に、債務者端末3は、当該画面情報を受信し、図24の画面を出力する。そして、山田Y子は、図24の「分割金額修正を受け入れる」ボタン2401を指示した、とする。すると、債務者端末3は、当該ボタン2401への指示を受け付ける。次に、債務者端末3は、ボタン2401に対応付いている情報「<交渉結果>合意」を取得し、当該情報を含む交渉情報「<債権識別子>1 <交渉結果>合意 <分割金額>20000 <債務者識別子>X社」を構成し、債権管理装置1に送信する。
【0295】
次に、債権管理装置1の交渉受信部123は、当該交渉情報を受信する。交渉蓄積部134は、債権識別子「1」を取得する。交渉蓄積部134は、図示しない時計から現在時刻である合意時「2024/8/11 16:39」を取得する。次に、交渉蓄積部134は、債権識別子「1」に対応付けて、交渉情報「合意」と合意時とを蓄積する。
【0296】
次に、判断部137は、受信された交渉情報が合意条件「交渉情報に「<交渉結果>合意」が含まれること」に合致する、と判断する。次に、合意文書生成部138は、図8のフローチャートを用いて説明した合意文書生成処理により、合意文書「A1」を生成する。そして、合意文書生成部138は、当該合意文書「A1」を債権識別子「1」と対にして、債権管理表(図14)に蓄積する。
【0297】
次に、情報取得部139は、債務者(山田Y子)のボタン2401(図24)の指示に応じて、交渉情報「<債権識別子>1 <交渉結果>合意 <分割金額>20000 <債務者識別子>X社」に対応する画面情報であり、債権者に送信するための画面情報を取得する。次に、情報送信部147は、当該画面情報を債権者端末2に送信する。
【0298】
また、情報取得部139は、債務者のボタン2401(図24)の指示に応じて、債務者が債権処理識別子を決定するための画面情報を取得する。次に、情報送信部147は、当該画面情報を債務者端末3に送信する。
【0299】
次に、債権者端末2は、情報送信部147が送信した画面情報を受信し、図25に示す画面を出力する。図25の画面は、債権の申立、案件の確認、および合意に至るまでの交渉の過程を示す画面である。
【0300】
ここで、田中A子は、図25の画面の「支払スケジュールを確認する」ボタン2501を指示した、とする。すると、債権者端末2は当該指示を受け付け、当該指示に応じた支払スケジュールであり、債権識別子「1」と対になる支払スケジュールを債権管理装置1から取得し、出力する。かかる支払スケジュールの出力例は、図26である。
【0301】
また、債務者端末3は、債権処理識別子を決定するための画面情報を受信し、債権処理識別子を決定するための画面を出力する。かかる画面例は、図27である。
【0302】
次に、山田Y子は、債務者端末3の図27の画面の「銀行振込で支払う」ボタン2701を指示した、とする。
【0303】
次に、債務者端末3は、当該指示を受け付け、債権処理識別子「B」を取得する。なお、債権処理識別子「A」は「クレジットカードでの支払い」、「B」は「銀行振込での支払い」である、とする。次に、債務者端末3は、債権識別子「1」と対にして、債権処理識別子「B」を債権管理装置1に送信する。
【0304】
次に、債権管理装置1は、当該債権処理識別子「B」等を受信し、債権識別子「1」と対にして、債権処理識別子「B」を、債権管理表(図14)に蓄積する。なお、かかる処理により、債権管理表の「ID=1」のレコードには、債権処理識別子「3,B」が蓄積された。
【0305】
また、債権管理装置1の更新部132は、債権識別子「1」と対になるフェーズ識別子を「5」に更新する。
【0306】
次に、情報取得部139は、債権者識別子「1」と対になる債権者識別子「C01」を債権管理表(図14)から取得する。次に、情報取得部139は、債権者識別子「C01」と対になる入金先情報「銀行口座A」を取得する。次に、情報取得部139は、当該入金先情報「銀行口座A」を含む画面情報を構成する。次に、情報送信部147は、当該画面情報を債務者端末3に送信する。
【0307】
次に、債務者端末3は、当該画面情報を受信し、図28に示す画面を出力する。図28において、2801が「銀行口座A」の情報である。
【0308】
以上、本実施の形態によれば、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームを提供できる。
【0309】
また、本実施の形態によれば、交渉情報に応じた債権処理に関する提案内容を自動的に構成できる。
【0310】
また、本実施の形態によれば、交渉情報に対応付けて提案内容を適切に提示できる。そのため、交渉中における相手方の提案が詳細に把握できる。
【0311】
また、本実施の形態によれば、交渉情報に応じた債権処理に関する提案内容であり、債務者が選択した債権処理識別子を含む提案内容を自動的に構成できる。
【0312】
また、本実施の形態によれば、債権に対するオンライン調停を支援できる。
【0313】
また、本実施の形態によれば、債権処理のための交渉が成立した場合に、債務者に債権処理のために必要な情報を提示できる。
【0314】
また、本実施の形態によれば、債権の申し立てから債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるプラットフォームを提供できる。
【0315】
さらに、本実施の形態によれば、債権処理に関する交渉が合意に達した場合に、合意文書を自動生成できる。
【0316】
なお、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報システムAを実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、債権処理に関する情報であり、債権を識別する債権識別子に対応付く情報であり、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズのうちの現在のフェーズが特定可能な1以上の債権状況情報が格納される債権管理部にアクセス可能なコンピュータを、債権者を識別する債権者識別子と、債務者を識別する債務者識別子と、債権の内容に関する債権内容情報とを有する申立情報を取得する申立取得部と、前記債権管理部に、前記申立取得部が取得した前記申立情報を、当該申立情報に対応付く債権を識別する債権識別子に対応付けて蓄積する申立蓄積部と、前記申立取得部が前記申立情報を取得したことに応じて、前記申立情報が有する前記債権者識別子で識別される前記債権者の情報と前記債権内容情報とを含む通知情報を取得し、当該通知情報を、前記債務者に対して送信する申立通知部と、前記債権の申し立ての確認に関する確認情報を前記債務者の債務者端末から受信する確認受信部と、前記確認受信部が前記確認情報を受信したことに応じて、蓄積する確認情報を取得し、当該確認情報を前記債権識別子に対応付けて前記債権管理部に蓄積する確認蓄積部と、前記確認受信部が前記確認情報を受信した後、前記債権者の債権者端末および前記債務者の前記債務者端末から、前記債権者と前記債務者の交渉に関する交渉情報を受信する交渉受信部と、前記交渉受信部が受信した前記交渉情報を、前記債権者を識別する債権者識別子または前記債務者を識別する債務者識別子、および前記債権識別子に対応付けて、前記債権管理部に蓄積する交渉蓄積部と、前記債権者端末または前記債務者端末から債権状況情報の出力指示を受信する指示受信部と、前記出力指示に対応する債権状況情報の一部または全部を前記債権管理部から取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記債権状況情報の一部または全部を、前記債権者端末または前記債務者端末に送信する情報送信部として機能させるためのプログラムである。
【0317】
また、図29は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の債権管理装置1等を実現するコンピュータシステム300のブロック図である。
【0318】
図29において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0319】
図29において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0320】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の債権管理装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0321】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の債権管理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0322】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0323】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0324】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0325】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0326】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0327】
以上のように、本発明にかかる債権管理装置1は、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームを提供できるという効果を有し、債権管理を行うサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0328】
A 情報システム
1 債権管理装置
2 債権者端末
3 債務者端末
11 格納部
12 受信部
13 処理部
14 送信部
21 債権者格納部
22 債権者受付部
23 債権者処理部
24 債権者送信部
25 債権者受信部
26 債権者出力部
31 債務者格納部
32 債務者受付部
33 債務者処理部
34 債務者送信部
35 債務者受信部
36 債務者出力部
111 債権管理部
121 申立取得部
122 確認受信部
123 交渉受信部
124 指示受信部
131 申立蓄積部
132 更新部
133 確認蓄積部
134 交渉蓄積部
135 提案内容取得部
136 調停支援部
137 判断部
138 合意文書生成部
139 情報取得部
141 申立通知部
142 画面送信部
143 提案内容送信部
144 交渉情報出力部
145 必要情報送信部
146 合意文書出力部
147 情報送信部
【要約】
【課題】従来、債権の発生から債権者と債務者とが債権の処理に対して合意するまでの2以上のフェーズの中の2以上のフェーズにおける債権の状況を管理し、債権の処理を促進させるためのプラットフォームが存在しなかった。
【解決手段】債権の申立情報を取得する申立取得部121と、当該申立情報を蓄積する申立蓄積部131と、債権の通知情報を債務者に対して送信する申立通知部141と、債権の申立の確認情報を債務者から受信する確認受信部122と、確認情報を債権識別子に対応付けて蓄積する確認蓄積部133と、交渉情報を受信する交渉受信部123と、交渉情報を蓄積する交渉蓄積部134と、債権状況情報の出力指示を受信する指示受信部124と、出力指示に応じて債権状況情報を送信する情報送信部147とを具備する債権管理装置1により、上記課題を解決できる。
【選択図】図3
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