(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】サービス提供方法及びサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20250210BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2024122943
(22)【出願日】2024-07-30
【審査請求日】2024-07-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524243767
【氏名又は名称】株式会社betaspace
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(72)【発明者】
【氏名】荻原 宏章
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-183609(JP,A)
【文献】特開2019-175410(JP,A)
【文献】特開2024-035317(JP,A)
【文献】特開2020-030588(JP,A)
【文献】特開2014-235540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットにそれぞれ接続された複数の施設設置端末、管理端末、及びサーバを備えるサービス提供システムを用いたサービス提供方法であって、
上記施設設置端末は、第1コントローラ、第1ディスプレイ、第1マイクロフォン、第1スピーカ、第1カメラ、第1入力インタフェース、及び第1通信インタフェースを有し、且つ宿泊施設に設置され、
上記管理端末は、第2コントローラ、第2ディスプレイ、第2マイクロフォン、第2スピーカ、第2カメラ、第2入力インタフェース、及び第2通信インタフェースを有し、且つ管理センタに設置され、
上記サーバは、上記施設設置端末及び上記管理端末を、画像データ及び音声データを含むデータを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行可能であり、
上記施設設置端末は、チェックイン要求と、施設名或いは施設端末IDを含む施設特定情報とを、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する施設特定情報送信処理と、
ゲスト及び身分証明書の撮像により上記第1カメラが生成した本人確認画像データと、入力された氏名とを含む本人確認情報を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する確認情報送信処理と、を実行可能であり、
上記管理端末は、
上記本人確認情報を上記第2ディスプレイに表示させる確認情報表示処理と、
チェックイン日を含むチェックイン事項を登録するチェックイン処理と、を実行可能であり、
ウェブサイトにおいて公開された予約情報のうち上記施設名及び上記氏名に応じた特定予約情報が上記第2ディスプレイに表示される第1工程と、
上記第2ディスプレイに表示された上記特定予約情報及び上記本人確認情報に基づいて本人確認が行われる第2工程と、
上記管理端末が上記チェックイン処理を実行する第3工程と、を備えたサービス提供方法。
【請求項2】
上記サービス提供システムは、
第3カメラを有する現金決済機と、
上記施設設置端末に接続された印刷装置と、をさらに備え、
上記施設設置端末は、
入力された部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを含むチェックアウト要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信するチェックアウト要求送信処理を実行可能であり、
上記管理端末は、
決済情報を示す現金決済用QRコード画像データを生成する現金決済用QRコード生成処理を実行可能であり、
ウェブサイトにおいて公開された利用情報のうち、上記ゲスト特定情報及び施設特定情報に応じた特定利用情報が上記第2ディスプレイに表示される第4工程と、
上記特定利用情報に基づいて上記現金決済用QRコード画像データが生成されて上記施設設置端末に送信される第5工程と、をさらに備え、
上記施設設置端末は、
受信した上記現金決済用QRコード画像データが示す現金決済用QRコード画像を上記印刷装置に印刷させる印刷処理を実行し、
上記現金決済機は、
上記現金決済用QRコード画像を上記第3カメラによって撮像し、当該現金決済用QRコード画像から決済情報を取得して現金の支払いを受け付ける、請求項1に記載のサービス提供方法。
【請求項3】
上記現金決済機は、第3ディスプレイと、当該第3ディスプレイ及び上記施設設置端末が接続される出力インタフェースと、を有し、
上記施設設置端末は、上記現金決済機から入力された画面データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する画面データ転送処理を実行し、
上記管理端末は、受信した上記画面データを上記第2ディスプレイに表示させる画面共有処理を実行する、請求項2に記載のサービス提供方法。
【請求項4】
上記施設設置端末は、
部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報、及び上記施設特定情報を有する案内用QRコード発行要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する発行要求送信処理を実行可能であり、
上記管理端末は、
上記案内用QRコード発行要求に含まれるゲスト特定情報に基づいて、上記サーバを通じて上記管理端末に接続するための通信アドレス及び識別情報を含む案内用QRコード画像データを生成する案内用QRコード生成処理と、
上記案内用QRコード画像データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する案内用QRコード送信処理と、を実行可能であり、
上記施設設置端末は、
受信した上記案内用QRコード画像データが示す案内用QRコード画像を上記第1ディスプレイに表示させる案内用QRコード表示処理を実行可能であり、
上記チェックイン処理の実行後、上記案内用QRコード画像データが生成され、当該案内用QRコード画像データが、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信される第6工程をさらに備え、
上記サーバは、上記識別情報を含む接続要求を行った通信端末と上記管理端末とを、画像データ及び音声データを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行する、請求項1に記載のサービス提供方法。
【請求項5】
上記管理端末は、翻訳プログラムを記憶する第2メモリをさらに備えており、
上記施設設置端末は、
上記第1入力インタフェースを通じて受け付けた指定言語を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する指定言語送信処理を実行し、
上記管理端末は、
入力された音声データが示す音声を、上記指定言語から特定言語に変換し、出力する音声データが示す音声を、当該特定言語から上記指定言語に変換する翻訳処理を実行する、請求項1に記載のサービス提供方法。
【請求項6】
第1コントローラ、第1ディスプレイ、第1マイクロフォン、第1スピーカ、第1カメラ、第1入力インタフェース、及び第1通信インタフェースを有し、且つ宿泊施設に設置されてインターネットに接続された複数の施設設置端末と、
第2コントローラ、第2ディスプレイ、第2マイクロフォン、第2スピーカ、第2カメラ、第2入力インタフェース、及び第2通信インタフェースを有し、且つ管理センタに設置されてインターネットに接続された管理端末と、
第3コントローラ及び第3通信インタフェースを有し、インターネットに接続されたサーバと、を備え、
上記第1コントローラは、
インターネットを通じて、チェックイン要求と、施設名或いは施設端末IDを含む施設特定情報とを有する接続要求を上記サーバに送信する接続要求送信処理を実行し、
上記第3コントローラは、
上記接続要求を受信したことに基づいて、上記施設特定情報を含む接続依頼通知を、上記インターネットを通じて上記管理端末に送信する接続依頼通知送信処理を実行し、
上記第2コントローラは、
上記接続依頼通知を受信したことに基づいて、上記施設特定情報を含む接続要求画面を上記第2ディスプレイに表示させる接続要求画面表示処理と、
上記第2入力インタフェースを通じて接続指示操作を受け付けたことに基づいて、接続許可を、上記インターネットを通じて上記サーバに送信する接続許可送信処理と、を実行し、
上記第3コントローラは、
上記接続許可を受信したことに基づいて、上記施設設置端末と上記管理端末とを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行し、
常時接続時において上記第2コントローラは、
音声データ及び画像データを、上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する指示情報送信処理を実行し、
常時接続時において上記第1コントローラは、
入力した音声データが示す音声を上記第1スピーカに出力させ、或いは入力した画像データが示す画像を上記第1ディスプレイに表示させる指示情報出力処理と、
ゲスト及び身分証明書の撮像により上記第1カメラが生成した本人確認画像データ、及び入力されたゲストの氏名を含む本人確認情報を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する確認情報送信処理と、を実行し、
常時接続時において上記第2コントローラは、
予約利用管理システムから、上記氏名及び上記施設特定情報に応じた特定予約情報を、インターネットを通じて取得する特定予約情報取得処理と、
上記本人確認画像データが示す本人確認画像、上記氏名、及び上記特定予約情報を上記第2ディスプレイに表示させる
確認情報表示処理と、
上記第2入力インタフェースを通じてチェックイン指示の入力を受け付けたことに基づいて、チェックイン日を含むチェックイン事項を登録するチェックイン処理と、を実行する、サービス提供システム。
【請求項7】
第3カメラを有する現金決済機と、
上記施設設置端末と接続された印刷装置と、をさらに備え、
上記第1コントローラは、
上記第1入力インタフェースを通じて入力された部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを含むチェックアウト要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信するチェックアウト要求送信処理を実行し、
上記第2コントローラは、
上記予約利用管理システムから、上記ゲスト特定情報及び施設名に応じた特定利用情報を取得する特定利用情報取得処理と、
上記特定利用情報に基づいて、決済情報を示す現金決済用QRコード画像データを生成する現金決済用QRコード生成処理と、
上記現金決済用QRコード画像データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する現金決済用QRコード送信処理と、を実行し、
上記第1コントローラは、
受信した上記現金決済用QRコード画像データが示す現金決済用QRコード画像を上記印刷装置に印刷させる印刷処理を実行し、
上記現金決済機は、
上記現金決済用QRコード画像を上記第3カメラに撮像させ、当該現金決済用QRコード画像から、決済情報を読み取る決済情報取得処理を実行する、請求項6に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
上記現金決済機は、第3ディスプレイと、当該第3ディスプレイ及び上記施設設置端末が接続される出力インタフェースと、を有し、
上記第1コントローラは、
上記現金決済機から入力された画面データを取得し、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する画面データ転送処理を実行し、
上記第2コントローラは、
受信した上記画面データを上記第2ディスプレイに表示させる画面共有処理を実行する、請求項7に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
上記第1コントローラは、
部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを有する案内用QRコード発行要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する発行要求送信処理を実行し、
上記第2コントローラは、
上記ゲスト特定情報に基づいて、上記サーバを通じて上記管理端末に接続するための通信アドレス及び識別情報を含む案内用QRコード画像データを生成する案内用QRコード生成処理と、
インターネット及び上記サーバを通じて上記案内用QRコード画像データを上記施設設置端末に送信する案内用QRコード送信処理と、を実行し、
上記第1コントローラは、
受信した上記案内用QRコード画像データが示す案内用QRコード画像を上記第1ディスプレイに表示させる案内用QRコード表示処理を実行する、請求項6に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
上記管理端末は、翻訳プログラムを記憶する第2メモリをさらに備えており、
上記第1コントローラは、
上記第1入力インタフェースを通じて受け付けた指定言語を、上記第1通信インタフェース及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する指定言語送信処理を実行し、
上記第2コントローラは、
入力される音声データが示す音声を、上記指定言語から特定言語に変換し、出力する音声データが示す音声を、当該特定言語から上記指定言語に変換する翻訳処理を実行する、請求項6に記載のサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、宿泊施設に対してチェックイン業務の代行サービスを提供するサービス提供方法、及び当該サービス提供方法に用いられるサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲスト(宿泊客)は、宿泊施設においてチェックインを行う。宿泊施設の従業員は、チェックインにおいてゲストの本人確認を行う。ゲストが日本国民以外の者(いわゆる外国人)である場合、顔写真が付されたパスポートなどの身分証明書による本人確認を行うことが、法令によって定められている。
【0003】
特許文献1は、宿泊施設の従業員のチェックイン業務を、宿泊施設の近隣のコンビニエンスストアなどの他の業種の店舗の従業員に代行させるシステムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、チェックイン時の本人確認を宿泊施設にて行う必要があったため、チェックインを夜間に受け付け可能とするには、宿泊施設に従業員を常時滞在させる必要があった。しかし、法改正(規制緩和)により、宿泊施設に来訪したゲストに対し、遠隔で本人確認を行うことが可能となった。
【0006】
本願発明者は、遠隔での本人確認が可能となったことにより、複数の宿泊施設のチェックイン業務等の代行を一括で行うビジネスモデルを着想した。
【0007】
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その目的は、複数の宿泊施設に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供するサービス提供方法、及び当該サービス提供方法に用いられるサービス提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本件発明のサービス提供方法は、インターネットにそれぞれ接続された複数の施設設置端末、管理端末、及びサーバを備えるサービス提供システムを用いた方法である。上記施設設置端末は、第1コントローラ、第1ディスプレイ、第1マイクロフォン、第1スピーカ、第1カメラ、第1入力インタフェース、及び第1通信インタフェースを有し、且つ宿泊施設に設置される。上記管理端末は、第2コントローラ、第2ディスプレイ、第2マイクロフォン、第2スピーカ、第2カメラ、第2入力インタフェース、及び第2通信インタフェースを有し、且つ管理センタに設置される。上記サーバは、上記施設設置端末及び上記管理端末を、画像データ及び音声データを含むデータを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行可能である。上記施設設置端末は、チェックイン要求と、施設名或いは施設端末IDを含む施設特定情報とを、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する施設特定情報送信処理と、ゲスト及び身分証明書の撮像により上記第1カメラが生成した本人確認画像データと、入力された氏名とを含む本人確認情報を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する確認情報送信処理と、を実行可能である。上記管理端末は、上記本人確認情報を上記第2ディスプレイに表示させる確認情報表示処理と、チェックイン日を含むチェックイン事項を登録するチェックイン処理と、を実行可能である。本発明のサービス提供方法は、ウェブサイトにおいて公開された予約情報のうち上記施設名及び上記氏名に応じた特定予約情報が上記第2ディスプレイに表示される第1工程と、上記第2ディスプレイに表示された上記特定予約情報及び上記本人確認情報に基づいて本人確認が行われる第2工程と、上記管理端末が上記チェックイン処理を実行する第3工程と、を備える。
【0009】
ゲストは、宿泊施設に来訪し、宿泊施設に設置された施設設置端末を操作する。施設設置端末は、施設特定情報を、インターネット及びサーバを通じて管理端末に送信する。サーバは、ゲストとオペレータ(コンシェルジュ)とが直接会話可能なように、施設設置端末と管理端末とを常時接続する。ゲストは、コンシェルジュからの指示にしたがって、自身及び身分証明書を施設設置端末の第1カメラに撮像させる。ゲスト及び身分証明書の画像の画像データである本人確認画像データと、ゲストの氏名とを含む本人確認情報が管理端末に送信される。コンシェルジュは、施設名が示す宿泊施設の予約情報であって、ウェブサイトに公開された予約情報から、ゲストの氏名と同一の氏名でされた予約情報である特定予約情報を取得する(第1工程)。また、コンシェルジュは、ゲストの画像と身分証明書に添付された写真の画像とを見比べることにより、本人確認を行う(第2工程)。コンシェルジュは、管理端末、サーバ、及び施設設置端末を通じて取得したゲストの氏名や国籍や住所などの情報と、ウェブサイトから取得した特定予約情報とに基づいて宿泊の是非を判断し、チェックイン処理を管理端末に実行させる(第3工程)。このように、施設設置端末は、施設特定情報とゲストの氏名とを管理端末に送信するから、コンシェルジュは、どの宿泊施設にどのゲストが来訪したかを認識して、ウェブサイトから当該ゲストの予約情報を取得することができる。また、施設設置端末は、ゲスト及び身分証明書の画像(画像データ)を管理端末に送信するから、コンシェルジュは、宿泊施設から離れた管理センタにおいて、ゲストの本人確認を行うことができる。その結果、サービス提供システムの運用者であるサービス提供事業者は、複数の宿泊施設に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供することができる。
【0010】
(2) 上記サービス提供システムは、第3カメラを有する現金決済機と、上記施設設置端末に接続された印刷装置と、をさらに備える。上記施設設置端末は、入力された部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを含むチェックアウト要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信するチェックアウト要求送信処理を実行可能である。上記管理端末は、決済情報を示す現金決済用QRコード画像データを生成する現金決済用QRコード生成処理を実行可能である。本発明のサービス提供方法は、ウェブサイトにおいて公開された利用情報のうち、上記ゲスト特定情報及び施設特定情報に応じた特定利用情報が上記第2ディスプレイに表示される第4工程と、上記特定利用情報に基づいて上記現金決済用QRコード画像データが生成されて上記施設設置端末に送信される第5工程と、をさらに備える。上記施設設置端末は、受信した上記現金決済用QRコード画像データが示す現金決済用QRコード画像を上記印刷装置に印刷させる印刷処理を実行する。上記現金決済機は、上記現金決済用QRコード画像を上記第3カメラによって撮像し、当該現金決済用QRコード画像から決済情報を取得して現金の支払いを受け付ける。
【0011】
管理端末のオペレータであるコンシェルジュは、ゲスト特定情報及び施設特定情報を用いて、ウェブサイトにおいて公開された特定利用情報であって、決済金額などを含む特定利用情報を取得する。コンシェルジュは、特定利用情報に基づいて、現金決済用QRコード(登録商標)画像データを管理端末に生成させる。生成された現金決済用QRコード画像データは、施設設置端末に送信される。施設設置端末は、現金決済用QRコード画像を印刷装置に印刷させる。ゲストは、現金決済用QRコード画像を、現金決済機の第3カメラに撮像させる。現金決済機は、現金決済用QRコード画像から決済情報を読み取り、当該決済情報に基づいて現金の支払いを受け付ける。したがって、ゲストによる決済手続きが容易かつ確実になる。また、施設設置端末は、QRコード(登録商標)によって現金決済機に決済手続きを指示するから、他の機器によって遠隔操作不可である現金決済機であっても、ゲストの決済(チェックアウト)を補助することができる。
【0012】
(3) 上記現金決済機は、第3ディスプレイと、当該第3ディスプレイ及び上記施設設置端末が接続される出力インタフェースと、を有していてもよい。上記施設設置端末は、上記現金決済機から入力された画面データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する画面データ転送処理を実行する。上記管理端末は、受信した上記画面データを上記第2ディスプレイに表示させる画面共有処理を実行する。
【0013】
コンシェルジュは、ゲストが視認する現金決済機画面と同一の画面を確認しながら、ゲストに指示することができる。
【0014】
(4) 上記施設設置端末は、部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報、及び上記施設特定情報を有する案内用QRコード発行要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する発行要求送信処理を実行可能である。上記管理端末は、上記案内用QRコード発行要求に含まれるゲスト特定情報に基づいて、上記サーバを通じて上記管理端末に接続するための通信アドレス及び識別情報を含む案内用QRコード画像データを生成する案内用QRコード生成処理と、上記案内用QRコード画像データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する案内用QRコード送信処理と、を実行可能である。上記施設設置端末は、受信した上記案内用QRコード画像データが示す案内用QRコード画像を上記第1ディスプレイに表示させる案内用QRコード表示処理を実行可能である。本発明のサービス提供方法は、上記チェックイン処理の実行後、上記案内用QRコード画像データが生成され、当該案内用QRコード画像データが、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信される第6工程をさらに備える。上記サーバは、上記識別情報を含む接続要求を行った通信端末と上記管理端末とを、画像データ及び音声データを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行する。
【0015】
ゲストは、スマートフォン(登録商標)などである通信端末を操作して、施設設置端末の第1ディスプレイに表示された案内用QRコード(登録商標)画像を撮像する。ゲストは、道案内や、タクシー配車などのサービスの提供を受けたい場合、通信端末において、案内用QRコード画像が示す通信アドレスにアクセスする操作を行う。当該操作を受け付けた通信端末は、識別情報を含む接続要求を、通信アドレスが示すサーバに送信する。サーバは、接続要求を行ったゲストの通信端末と管理端末とを常時接続する。したがって、ゲストは、チェックイン後において、施設設置端末を介さずに管理端末のオペレータ(コンシェルジュ)と直接会話を行うことができる。
【0016】
(5) 上記管理端末は、翻訳プログラムを記憶する第2メモリをさらに備えていてもよい。上記施設設置端末は、上記第1入力インタフェースを通じて受け付けた指定言語を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する指定言語送信処理を実行する。上記管理端末は、入力された音声データが示す音声を、上記指定言語から特定言語に変換し、出力する音声データが示す音声を、当該特定言語から上記指定言語に変換する翻訳処理を実行する。
【0017】
指定言語は、施設設置端末においてゲストが指定した言語である。特定言語は、管理端末のオペレータ(コンシェルジュ)の指定する言語である。管理端末は、施設設置端末から指定言語を取得し、ゲストの音声を特定言語に翻訳し、コンシェルジュの音声を指定言語に翻訳する。つまり、ゲストの音声及びコンシェルジュの音声が自動で適切な言語に翻訳される。その結果、コンシェルジュにおける翻訳言語の設定の手間が低減する。
【0018】
(6) 本件発明のサービス提供システムは、第1コントローラ、第1ディスプレイ、第1マイクロフォン、第1スピーカ、第1カメラ、第1入力インタフェース、及び第1通信インタフェースを有し、且つ宿泊施設に設置されてインターネットに接続された複数の施設設置端末と、第2コントローラ、第2ディスプレイ、第2マイクロフォン、第2スピーカ、第2カメラ、第2入力インタフェース、及び第2通信インタフェースを有し、且つ管理センタに設置されてインターネットに接続された管理端末と、第3コントローラ及び第3通信インタフェースを有し、インターネットに接続されたサーバと、を備える。上記第1コントローラは、インターネットを通じて、チェックイン要求と、施設名或いは施設端末IDを含む施設特定情報を有する接続要求とを上記サーバに送信する接続要求送信処理を実行する。上記第3コントローラは、上記接続要求を受信したことに基づいて、上記施設特定情報を含む接続依頼通知を、上記インターネットを通じて上記管理端末に送信する接続依頼通知送信処理を実行する。上記第2コントローラは、上記接続依頼通知を受信したことに基づいて、上記施設特定情報を含む接続要求画面を上記第2ディスプレイに表示させる接続要求画面表示処理と、上記第2入力インタフェースを通じて接続指示操作を受け付けたことに基づいて、接続許可を、上記インターネットを通じて上記サーバに送信する接続許可送信処理と、を実行する。上記第3コントローラは、上記接続許可を受信したことに基づいて、上記施設設置端末と上記管理端末とを相互に通信可能に接続する常時接続処理を実行する。常時接続時において上記第2コントローラは、音声データ及び画像データを、上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する指示情報送信処理を実行する。常時接続時において上記第1コントローラは、入力した音声データが示す音声を上記第1スピーカに出力させ、或いは入力した画像データが示す画像を上記第1ディスプレイに表示させる指示情報出力処理と、ゲスト及び身分証明書の撮像により上記第1カメラが生成した本人確認画像データ、及び入力されたゲストの氏名を含む本人確認情報を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する確認情報送信処理と、を実行する。常時接続時において上記第2コントローラは、予約利用管理システムから、上記氏名及び上記施設特定情報に応じた特定予約情報を、インターネットを通じて取得する特定予約情報取得処理と、上記本人確認画像データが示す本人確認画像、上記氏名、及び上記特定予約情報を上記第2ディスプレイに表示させる確認情報表示処理と、上記第2入力インタフェースを通じてチェックイン指示の入力を受け付けたことに基づいて、チェックイン日を含むチェックイン事項を登録するチェックイン処理と、を実行する。
【0019】
施設設置端末は、施設特定情報と、ゲストの氏名とを、インターネット及びサーバを通じて管理端末に送信するから、管理端末のオペレータであるコンシェルジュは、ゲストが来訪した施設の名称及びゲストの氏名を用いて、ウェブサイトの予約利用管理システムから、ゲストの予約情報である特定予約情報を取得することができる。また、施設設置端末は、ゲスト及び身分証明書の画像(画像データ)を管理端末に送信するから、コンシェルジュは、宿泊施設から離れた管理センタにおいて、ゲストの本人確認を行うことができる。その結果、サービス提供システムは、複数の宿泊施設に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供することができる。
【0020】
(7) 本件発明のサービス提供システムは、第3カメラを有する現金決済機と、上記施設設置端末と接続された印刷装置と、をさらに備えていてもよい。上記第1コントローラは、上記第1入力インタフェースを通じて入力された部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを含むチェックアウト要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信するチェックアウト要求送信処理を実行する。上記第2コントローラは、上記予約利用管理システムから、上記ゲスト特定情報及び施設名に応じた特定利用情報を取得する特定利用情報取得処理と、上記特定利用情報に基づいて、決済情報を示す現金決済用QRコード画像データを生成する現金決済用QRコード生成処理と、上記現金決済用QRコード画像データを、インターネット及び上記サーバを通じて上記施設設置端末に送信する現金決済用QRコード送信処理と、を実行する。上記第1コントローラは、受信した上記現金決済用QRコード画像データが示す現金決済用QRコード画像を上記印刷装置に印刷させる印刷処理を実行する。上記現金決済機は、上記現金決済用QRコード画像を上記第3カメラに撮像させ、当該現金決済用QRコード画像から、決済情報を読み取る決済情報取得処理を実行する。
【0021】
施設設置端末は、ゲスト特定情報及び施設特定情報を管理端末に送信する。管理端末は、ゲスト特定情報及び施設特定情報を用いて、ウェブサイトの予約利用管理システムから、ゲストの特定利用情報を取得する。管理端末は、特定利用情報に基づいて、現金決済用QRコード画像データを生成し、当該現金決済用QRコード(登録商標)画像データを施設設置端末に送信する。施設設置端末は、現金決済用QRコード画像を印刷装置に印刷させる。ゲストは、印刷された現金決済用QRコード画像を、現金決済機の第3カメラに撮像させる。現金決済機は、現金決済用QRコード画像から決済情報を読み取り、現金の支払いを受け付ける。したがって、ゲストによる決済手続きが容易かつ確実になる。また、施設設置端末は、QRコードによって現金決済機に決済手続きを指示するから、他の機器との相互通信機能を有しない現金決済機であっても、ゲストの決済(チェックアウト)を補助することができる。
【0022】
(8) 上記現金決済機は、第3ディスプレイと、当該第3ディスプレイ及び上記施設設置端末が接続される出力インタフェースと、を有していてもよい。上記第1コントローラは、上記現金決済機から入力された画面データを取得し、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する画面データ転送処理を実行する。上記第2コントローラは、受信した上記画面データを上記第2ディスプレイに表示させる画面共有処理を実行する。
【0023】
コンシェルジュは、ゲストが視認する現金決済機画面と同一の画面を確認しながら、ゲストに指示することができる。
【0024】
(9) 上記第1コントローラは、部屋特定情報或いは上記氏名を含むゲスト特定情報と、上記施設特定情報とを有する案内用QRコード発行要求を、インターネット及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する発行要求送信処理を実行してもよい。上記第2コントローラは、上記ゲスト特定情報に基づいて、上記サーバを通じて上記管理端末に接続するための通信アドレス及び識別情報を含む案内用QRコード画像データを生成する案内用QRコード生成処理と、インターネット及び上記サーバを通じて上記案内用QRコード画像データを上記施設設置端末に送信する案内用QRコード送信処理と、を実行する。上記第1コントローラは、受信した上記案内用QRコード画像データが示す案内用QRコード画像を上記第1ディスプレイに表示させる案内用QRコード表示処理を実行する。
【0025】
チェックインが完了した後、案内用QRコード(登録商標)画像が、施設設置端末の第1ディスプレイに表示される。ゲストは、自身が所持する通信端末のQR読取アプリを起動させ、案内用QRコードを撮像する。当該通信端末は、案内用QRコードから、管理端末との通信に必要な通信アドレス及び識別情報を取得する。つまり、本発明に係るサービス提供システムでは、ゲストは、チェックイン後において、施設設置端末を用いることなく、所持する通信端末を用いてコンシェルジュと直接通信可能とすることができる。
【0026】
(10) 上記管理端末は、翻訳プログラムを記憶する第2メモリをさらに備えていてもよい。上記第1コントローラは、上記第1入力インタフェースを通じて受け付けた指定言語を、上記第1通信インタフェース及び上記サーバを通じて上記管理端末に送信する指定言語送信処理を実行する。上記第2コントローラは、入力される音声データが示す音声を、上記指定言語から特定言語に変換し、出力する音声データが示す音声を、当該特定言語から上記指定言語に変換する翻訳処理を実行する。
【0027】
指定言語は、施設設置端末においてゲストが指定した言語である。特定言語は、管理端末のオペレータ(コンシェルジュ)の指定する言語(母国語)である。管理端末は、施設設置端末から指定言語を取得し、ゲストの音声を特定言語に翻訳し、コンシェルジュの音声をゲストの指定言語に翻訳する。つまり、コンシェルジュが翻訳言語を指定することなく、ゲストの音声及びコンシェルジュの音声が自動で翻訳される。その結果、コンシェルジュの負担が軽減する。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るサービス提供方法及びサービス提供システムは、複数の宿泊施設に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、実施形態に係るサービス提供システム10の模式的な説明図である。
【
図2】
図2は、サービス提供システム10の機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、チェックイン時の処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、案内用QRコード(登録商標)発行時の処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、案内用QRコードを用いたゲスト通信端末70と管理端末30との通信を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、ゲストがコンシェルジュ15に問い合わせを行う場合の施設設置端末20と管理端末30との通信を説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、チェックアウト時の処理の一部のフローチャートである。
【
図8】
図8は、チェックアウト時の処理の他部のフローチャートである。
【
図9】
図9(A)は、施設設置端末20に表示される待受画面を示す図であり、
図9(B)は、管理端末30に表示される第1接続要求画面を示す図であり、
図9(C)は、施設設置端末20に表示される第1指示画面を示す図である。
【
図10】
図10(A)は、施設設置端末20に表示される氏名入力画面を示す図であり、
図10(B)は、管理端末30に表示される第1本人確認画面を示す図であり、
図10(C)は、施設設置端末20に表示されるチェックイン完了画面を示す図である。
【
図11】
図11(A)は、管理端末30に表示される第2接続要求画面を示す図であり、
図11(B)は、管理端末30に表示されるゲスト情報表示画面を示す図であり、
図11(C)は、管理端末30のメモリ32に記憶された対応テーブルを示す図である。
【
図12】
図12(A)は、管理端末30に表示される第5接続要求画面を示す図であり、
図12(B)は、管理端末30に表示されるチェックアウト要求画面を示す図であり、
図12(C)は、施設設置端末20に表示される決済画面を示す図である。
【
図13】
図13は、予約利用システムから取得した第1確認画面を示す図である。
【
図14】
図14は、予約利用システムから取得した第2確認画面を示す図である。
【
図15】
図15は、予約利用システムから取得した第3確認画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るサービス提供方法及びサービス提供システムの一態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。また、
図3から
図8の各フローチャートに示された各処理(各ステップ)は、本発明の要旨を変更しない範囲で実行順を適宜変更されてもよいし、一部が省略されてもよいし、他の処理を追加されてもよいし、同等の他の処理に代えられてもよい。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るサービス提供システム10の模式的な説明図である。
図2は、サービス提供システム10の機能ブロック図である。
【0032】
[サービス提供システム10の概要]
【0033】
図1に示されたサービス提供システム10は、サービス提供事業者によって運用される。サービス提供事業者は、サービス提供システム10を用いて、ホテルや旅館や民泊施設などの宿泊施設11を運営する事業者に対し、ゲスト(宿泊客)に対する対応業務の代行サービスを提供する。対応業務は、チェックイン及びチェックアウトの受け付け、周辺施設等の案内、タクシーの手配、アメニティグッズの販売の補助、及びクレーム対応などが含まれる。
【0034】
サービス提供事業者は、管理センタ12と、複数の派遣拠点13とを設置している。管理センタ12は、ゲストに応対するコンシェルジュ15が在室する建物或いは建物の一室である。派遣拠点13は、緊急時などにおいて宿泊施設11に派遣される拠点待機者16が在室する建物或いは建物の一室である。複数の宿泊施設11に対して1つの派遣拠点13が設置される。つまり、1つの派遣拠点13が、複数の宿泊施設11を受け持つ。管理センタ12は、1つであってもよいし、複数であってもよい。つまり、1つの管理センタ12が全ての宿泊施設11を受け持ってもよいし、複数の管理センタ12が所定の数の宿泊施設11をそれぞれ受け持ってもよい。
【0035】
コンシェルジュ15は、複数の言語を話すことができる。コンシェルジュ15は、ゲストが指定した言語により、ゲストと会話を行う。
【0036】
図2が示すように、サービス提供システム10は、複数の施設設置端末20、管理端末30、サーバ40、派遣通信端末50、現金決済機60、印刷装置80、及びカード読取装置81を備える。
【0037】
施設設置端末20、管理端末30、及び派遣通信端末50などの「端末」とは、インターネット14上にURLなどの通信アドレスを公開しておらず、他の端末から直接アクセス不可の通信装置を意味する。一方、サーバ40は、インターネット14上にURLなどの通信アドレスを公開しており、端末から直接アクセス可能な装置である。
【0038】
[施設設置端末20]
【0039】
施設設置端末20は、パーソナルコンピュータ或いはタブレット(登録商標)など、インターネット14に接続可能な通信端末である。施設設置端末20は、各宿泊施設11にそれぞれ設置されている。具体的には、施設設置端末20は、宿泊施設11のロビーに設置されている。1つの宿泊施設11に対し、1つの施設設置端末20が設置されてもよいし、1つの宿泊施設11に対し、複数の施設設置端末20が設置されてもよい。
【0040】
施設設置端末20は、CPU21、メモリ22、ディスプレイ23、カメラ24、スピーカ25、マイクロフォン26、入力インタフェース27、及び通信インタフェース28を備える。CPU21は、特許請求の範囲に記載された「第1コントローラ」に相当する。ディスプレイ23、カメラ24、スピーカ25、マイクロフォン26、入力インタフェース27、及び通信インタフェース28は、特許請求の範囲に記載された「第1ディスプレイ、第1カメラ、第1スピーカ、第1マイクロフォン、第1入力インタフェース、及び第1通信インタフェース」に相当する。
【0041】
CPU21は、中央演算処理装置である。CPU21、メモリ22、ディスプレイ23、カメラ24、スピーカ25、マイクロフォン26、入力インタフェース27、及び通信インタフェース28は、不図示の通信バスを通じて相互に接続されている。
【0042】
ディスプレイ23は、CPU21によって画面データを入力され、当該画面データが示す画面を表示する。画面は、いわゆる「ウインドウ」である。
【0043】
カメラ24は、複数の撮像素子を有する。カメラ24は、撮像によって画像データを生成する、いわゆるデジタルカメラである。
【0044】
スピーカ25は、CPU21によって入力された音声データに基づいて音声を出力する。マイクロフォン26は、音声を音声データに変換して出力する。なお、施設設置端末20が音声認識機能を有する場合、マイクロフォン26は、入力インタフェースでもある。
【0045】
入力インタフェース27は、ディスプレイ23に重疊されたタッチセンサ、キーボード、或いはマイクロフォンなどである。
【0046】
通信インタフェース28は、ルータなどの不図示のゲートウェイ装置、或いは不図示のアクセスポイント、或いは移動体通信網を介してインターネット14と接続されている。つまり、施設設置端末20は、インターネット14に接続されている。
【0047】
メモリ22は、オペレーティングシステムであるOS91、端末アプリケーションプログラム92、通信情報、施設端末ID、施設名、及び画面データ(不図示)を記憶している。なお、
図2では、「端末アプリケーションプログラム」は「端末アプリ」に省略されて表記されている。
【0048】
通信情報は、サーバ40の通信アドレスと、管理端末30の識別情報或いは通信アドレスとである。サーバ40の通信アドレスは、グローバルIPアドレス、或いは当該グローバルIPアドレスを含むURLなどである。施設設置端末20は、管理端末30の識別情報(或いは通信アドレス)を用いて、サーバ40に対して常時接続要求を送信する。詳しくは後述される。
【0049】
通信情報には、管理端末30のメールアドレスや、派遣通信端末50の携帯番号及びメールアドレスなどが含まれていてもよい。つまり、施設設置端末20は、管理端末30及び派遣通信端末50にメールを送信可能であってもよいし、派遣通信端末50と通話可能であってもよい。
【0050】
施設端末IDは、施設設置端末20を個々に識別する識別情報である。施設名は、施設設置端末20が設置された宿泊施設の名称である。なお、管理端末30のメモリ32が、施設端末IDと施設名との対応を示すテーブルを記憶している場合、施設設置端末20のメモリ22は、施設名を記憶していなくてもよい。
【0051】
画面データは、
図9(A)や
図9(C)などに示された画面のフォーマットデータである。
【0052】
[管理端末30]
【0053】
管理端末30は、パーソナルコンピュータ或いはタブレット(登録商標)など、インターネット14に接続可能な通信端末である。管理端末30は、管理センタ12(
図1参照)に設置されている。複数の管理センタ12が設置されている場合、管理端末30は、各管理センタ12にそれぞれ設置される。また、1つの管理センタ12に複数のコンシェルジュ15が配置される場合、コンシェルジュ15の人数に応じた数の管理端末30が管理センタ12に設置されてもよい。つまり、管理端末30は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0054】
管理端末30は、CPU31、メモリ32、ディスプレイ33、カメラ34、スピーカ35、マイクロフォン36、入力インタフェース37、及び通信インタフェース38を備える。CPU31、ディスプレイ33、カメラ34、スピーカ35、マイクロフォン36、入力インタフェース37、及び通信インタフェース38の構成は、CPU21、ディスプレイ23、カメラ24、スピーカ25、マイクロフォン26、入力インタフェース27、及び通信インタフェース28の構成と同じである。CPU31は、特許請求の範囲に記載された「第2コントローラ」に相当する。メモリ32、ディスプレイ33、カメラ34、スピーカ35、マイクロフォン36、入力インタフェース37、及び通信インタフェース38は、特許請求の範囲に記載された「第2メモリ、第2ディスプレイ、第2カメラ、第2スピーカ、第2マイクロフォン、第2入力インタフェース、及び第2通信インタフェース」に相当する。
【0055】
メモリ32は、オペレーティングシステムであるOS93、端末アプリケーションプログラム94、画面のフォーマットデータ(不図示)、及び通信情報を記憶している。なお、顔認証プログラム95及び自動翻訳ソフトウエア99については、変形例において説明がされる。
【0056】
画面のフォーマットデータは、
図9(B)や
図10(B)や
図11(A)や
図11(B)に示される画面のフォーマットデータである。当該フォーマットデータに、施設名やゲストの氏名などが入力されることにより、画面データが生成される。
【0057】
通信情報は、サーバ40の通信アドレスである。つまり、管理端末30は、サーバ40にアクセス可能である。
【0058】
通信情報には、施設設置端末20及び派遣通信端末50のメールアドレス或いは携帯番号が含まれていてもよい。つまり、管理端末30は、施設設置端末20及び派遣通信端末50にメールを送信可能であり、且つ施設設置端末20及び派遣通信端末50と通話可能であってもよい。
【0059】
[サーバ40]
【0060】
サーバ40は、ウェブサーバやクラウドサーバなどである。サーバ40は、1つのサーバであってもよいし、複数のサーバであってもよい。また、サーバ40は、上記サービス提供事業者が運用するサーバであってもよいし、サービス提供事業者が運用しないサーバであってもよい。サーバ40は、サービス提供システム10が必要とする機能を提供するサーバであればよい。サービス提供システム10が必要とする機能とは、施設設置端末20及び後述のゲスト通信端末70と、管理端末30とを相互に通信可能に接続する機能である。
【0061】
サーバ40は、CPU41、メモリ42、及び通信インタフェース48を備える。CPU41及び通信インタフェース48の構成は、CPU21及び通信インタフェース28の構成と同じである。CPU41及び通信インタフェース48は、特許請求の範囲に記載された「第3コントローラ及び第3通信インタフェース」に相当する。
【0062】
メモリ42は、オペレーティングシステムであるOS96及びサーバプログラム97を記憶している。
【0063】
サーバ40は、インターネット14に接続された複数の通信端末を相互に通信可能に接続する機能を有する。当該機能は、例えばMicrosoft Teams(登録商標)やZoom(登録商標)として提供されている。なお、
図2には示されていないが、当該機能を利用するためのアプリケーションプログラムが施設設置端末20及び管理端末30にそれぞれ実装されている。或いは、当該アプリケーションプログラムが、端末アプリケーションプログラム92、94であってもよい。
【0064】
[派遣通信端末50]
【0065】
派遣通信端末50は、派遣拠点13(
図1参照)に設置されたパーソナルコンピュータ或いはタブレット(登録商標)であり、或いは派遣者が所持する携帯通信端末である。携帯通信端末は、例えばスマートフォン(登録商標)或いはタブレット(登録商標)である。
【0066】
派遣通信端末50は、CPU51、メモリ52、入力インタフェース57、及び通信インタフェース58を備える。CPU51、入力インタフェース57、及び通信インタフェース58の構成は、CPU21、入力インタフェース27、及び通信インタフェース28の構成と同じである。
【0067】
メモリ52は、通信情報を記憶する。通信情報は、サーバ40の通信アドレス及び管理端末30の識別情報である。つまり、派遣通信端末50は、サーバ40を通じて管理端末30と通信可能である。派遣拠点に待機する派遣者は、管理端末30及び派遣通信端末50を通じてコンシェルジュ15からの指示を受け取る。
【0068】
通信情報には、施設設置端末20の施設端末ID(識別情報)などの情報が含まれていてもよい。つまり、派遣通信端末50は、サーバ40を通じて施設設置端末20と通信可能であってもよいし、施設設置端末20と通話可能であってもよい。
【0069】
[現金決済機60]
【0070】
現金決済機60は、宿泊施設11(
図1参照)のロビーに設置されている。現金決済機60は、CPU61、メモリ62、ディスプレイ63、カメラ64、出力インタフェース68、及び不図示の入力インタフェースを備えている。ディスプレイ63、カメラ64、出力インタフェース68は、特許請求の範囲に記載された「第3ディスプレイ、第3カメラ、出力インタフェース」に相当する。
【0071】
CPU61、ディスプレイ63、及びカメラ64の構成は、CPU21、ディスプレイ23、及びカメラ24の構成と同じである。なお、ディスプレイ63は、タッチセンサ(入力インタフェース)が重ねて配置されたタッチパネルであってもよい。また、入力インタフェースは、タッチセンサの他、キーボードや操作ボタンやマイクロフォン(音声入力)を含んでいてもよい。
【0072】
カメラ64は、QRコード(登録商標)の撮像に使用される。メモリ62は、QRコードから情報を読み取る不図示のQRコード読取アプリケーションプログラムを記憶する。
【0073】
出力インタフェース68は、ディスプレイ63と接続されている。CPU61は、出力インタフェース68を通じてディスプレイ63に画面データを出力する。出力インタフェース68は、施設設置端末20とも接続されている。上記画面データは、ディスプレイ63とともに施設設置端末20にも出力される。施設設置端末20は、入力された画面データを、サーバ40を通じて管理端末30に送信する。管理端末30のディスプレイ33には、現金決済機60のディスプレイ63に表示される画面と同一の画面が表示される。管理端末30のオペレータであるコンシェルジュ15は、ゲストが視認する現金決済機60の画面(現金決済機画面)と同一の画面を確認しながらゲストに指示を与えることができる。詳しくは後述される。
【0074】
[ゲスト通信端末70]
【0075】
ゲスト通信端末70は、ゲストが所持する携帯通信端末である。ゲスト通信端末70は、例えばスマートフォン(登録商標)或いはタブレット(登録商標)である。
【0076】
ゲスト通信端末70は、CPU71、メモリ72、カメラ74、通信インタフェース78、及び不図示の入力インタフェースを備える。CPU71、カメラ74、通信インタフェース78、及び不図示の入力インタフェースの構成は、CPU21、カメラ24、通信インタフェース28、及び入力インタフェース27の構成と同じである。
【0077】
メモリ72は、QRコードから情報を読み取るQRコード読取アプリケーションプログラム(QRコード読取アプリ)を記憶する。
【0078】
[印刷装置80]
【0079】
印刷装置80は、シート(印刷用紙)に画像を印刷する機能を備える機器である。例えば市販(既存)の印刷装置が印刷装置80として使用される。
【0080】
印刷装置80は、通信ケーブルによって施設設置端末20と接続されている。印刷装置80は、施設設置端末20から入力された現金決済用QRコード(登録商標)画像データが示す現金決済用QRコード画像をシート(印刷用紙)に印刷する。なお、印刷された現金決済用QRコード画像は、現金決済機60のカメラ64によって撮像される。現金決済用QRコード画像が有する決済金額などの情報は、現金決済機60によって読み取られる。つまり、管理端末30或いは施設設置端末20は、シートに印刷された現金決済用QRコード画像を通じて、現金決済機60に決済金額などの情報を入力することができる。
【0081】
[カード読取装置81]
【0082】
カード読取装置81は、銀行口座からの料金の引き落としに必要な情報をクレジットカード(デビッドカード)から読み出し、或いは電子マネーカードからデータを読み出す装置である。例えば市販(既存)のカード読取装置がカード読取装置81として使用される。
【0083】
[サービス提供システム10の動作(サービス提供方法)]
【0084】
サービス提供システム10を用いたゲストへのサービスの提供、及びサービス提供システム10の施設設置端末20等が実行する処理及び動作について、以下説明がされる。
【0085】
なお、施設設置端末20、管理端末30、サーバ40、派遣通信端末50、現金決済機60、及びゲスト通信端末70が実行する処理は、コントローラであるCPU21、31、41、51、61、71が実行する処理であり、且つ端末アプリケーションプログラム92、94がCPU21、31に実行させる処理、及びサーバプログラム97がCPU41に実行させる処理でもある。
【0086】
図3は、チェックインの受け付け時にサービス提供システム10の施設設置端末20等が実行する処理(動作)のフローチャートを示す。
図4は、ゲスト通信端末70からコンシェルジュ15に直接アクセスするための案内用QRコードの発行時に施設設置端末20等が実行する処理(動作)のフローチャートを示す。
図5は、ゲスト通信端末70と管理端末30との接続時にゲスト通信端末70等が実行する処理(動作)のフローチャートを示す。
図6は、ゲストがコンシェルジュ15に問い合わせ等を行う場合に施設設置端末20等が実行する処理(動作)のフローチャートを示す。
図7及び
図8は、チェックアウトの受け付け時に施設設置端末20等が実行する処理(動作)のフローチャートを示す。
図9及び
図10は、チェックインの受け付け時に施設設置端末20及び管理端末30のディスプレイ23、33に表示される画面を示す。
図11(A)及び(B)は、上記案内用QRコードの発行時に施設設置端末20及び管理端末30のディスプレイ23、33に表示される画面を示す。
図11(C)は、管理端末30のメモリ32に記憶された対応テーブルを示す。
図12は、チェックアウトの受け付け時に施設設置端末20及び管理端末30のディスプレイ23、33に表示される画面を示す。
図13から
図15は、管理端末30がウェブサイトの予約利用管理システムにアクセスして表示させる画面を示す。具体的には、
図13は、指定した日付における宿泊施設の稼働率等を示す第1確認画面を示す。
図14は、部屋ごとの利用状況、予約状況、及び予約者(利用者)の氏名を示す第2確認画面を示す。
図15は、部屋ごとの現在の利用料金を示す第3確認画面を示す。
【0087】
ゲストは、チェックインの前に、宿泊施設の予約を行う。宿泊施設の予約は、ウェブサイトを通じてゲストが行う。或いは、ゲストの予約の意思を確認した宿泊施設の従業員等が、ウェブサイトを通じて予約を行う。予約に関する情報である予約情報は、予約利用管理システムに登録される。予約利用管理システムは、例えばPMS(Property Management System)である。予約情報は、宿泊予定のゲストの氏名、性別、国籍、人数、宿泊施設の名称である施設名、チェックイン予定日、チェックアウト予定日、宿泊期間、及び部屋番号などである。
【0088】
予約利用管理システムは、登録された予約情報及び利用情報を、宿泊施設の関係者に開示する。具体的には、予約利用管理システムは、各宿泊施設に対してアカウント及びパスワードをそれぞれ発行する。予約利用管理システムは、インターネット14を通じてアクセスを受け付け、アカウントに応じた予約情報及び利用情報を開示(公開)する。アカウントに応じた予約情報及び利用情報とは、当該アカウントが発行された宿泊施設に関する予約情報及び利用情報である。宿泊施設の関係者は、当該宿泊施設に関する予約情報及び利用情報を、インターネット14を通じて閲覧、修正、及び追加することができる。
【0089】
予約を行ったゲストは、チェックイン予定日に宿泊施設11を来訪し、宿泊施設11のロビーに設置された施設設置端末20を操作する。
【0090】
図3が示すように、施設設置端末20は、待受画面をディスプレイ23に表示させる(S10)。
図9(A)が示すように、待受画面は、「チェックイン」アイコン101、「携帯端末でのご案内」アイコン102、「問い合わせ」アイコン103、「チェックアウト」アイコン104、及び「言語切換」アイコン105を有する。
【0091】
「チェックイン」アイコン101は、チェックインの指示を受け付けるアイコンである。「携帯端末でのご案内」アイコン102は、ゲストが所持するゲスト通信端末70を通じてコンシェルジュ15と会話を行うことの指示を受け付けるアイコンである。「問い合わせ」アイコン103は、各種の問い合わせの指示を受け付けるアイコンである。「チェックアウト」アイコン104は、チェックアウトの指示を受け付けるアイコンである。「言語切換」アイコン105は、言語の切り換えの指示を受け付けるアイコンである。
【0092】
「言語切換」アイコン105が選択されると、「英語」や「日本語」や「中国語」などの言語名がそれぞれ表記された複数のアイコンが表示される。1つのアイコンは、1つの言語に対応する。ゲストは、自己が理解可能な言語が表記されたアイコンを選択することにより、言語指定を行う。
【0093】
ゲストは、言語指定を行った後、「チェックイン」アイコン101を選択する。ゲストは、チェックイン後、「携帯端末でのご案内」アイコン102、或いは「問い合わせ」アイコン103を選択する。或いはゲストは、「チェックアウト」アイコン104を選択してチェックアウトを行う。
【0094】
図3が示すように、施設設置端末20は、ゲストによるアイコンの選択(ゲスト操作)を受け付ける(S11)。施設設置端末20は、ゲストが選択したアイコンが「チェックイン」アイコン101であるか否かを判断する(S12)。施設設置端末20は、ゲストが選択したアイコンが「チェックイン」アイコン101であると判断すると(S12:Yes)、接続要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S13)。接続要求は、例えば要求種別、施設設置端末20の識別情報である施設端末ID、施設設置端末20が設置された宿泊施設の名称である施設名、「英語」などの言語種類を示す指定言語、及び管理端末30の識別情報である管理端末IDを含むコマンドである。要求種別は、「チェックイン」を示す識別情報である。ステップS13の処理は、特許請求の範囲に記載された「施設特定情報送信処理」、「接続要求送信処理」、及び「指定言語送信処理」に相当する。施設端末ID及び施設名は、特許請求の範囲に記載された「施設特定情報」に相当する。「チェックイン」を示す要求種別は、特許請求の範囲に記載された「チェックイン要求」に相当する。
【0095】
サーバ40は、接続要求を受信したことに基づいて(S13)、接続依頼通知を管理端末30に送信する(S14)。具体的には、管理端末30は、所定の時間間隔で、管理端末IDを含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、ステップS13で受信したHTTPリクエストに含まれる管理端末IDと同一の管理端末IDを含むHTTPリクエストに対する応答として、接続依頼通知を含むHTTPレスポンスを返信する(S14)。接続依頼通知は、上記施設端末ID、上記指定言語、上記施設名、及び上記要求種別を含む。ステップS14の処理は、特許請求の範囲に記載された「接続依頼通知送信処理」に相当する。
【0096】
管理端末30は、接続依頼通知を受信したことに基づいて(S14)、第1接続要求画面をディスプレイ33に表示させる(S15)。ステップS15の処理は、特許請求の範囲に記載された「接続要求画面表示処理」に相当する。
【0097】
図9(B)が示す第1接続要求画面は、「ABCホテルからチェックイン要求があります。」の文字、「指定言語:英語」の文字、「接続」アイコン106、及び「保留」アイコン107を有する。「ABCホテル」は、上記施設名である。
【0098】
管理端末30のオペレータであるコンシェルジュ15は、即座にゲストに対応する場合、「接続」アイコン106を選択する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応できない場合、「保留」アイコン107を選択する。
図3には示されていないが、管理端末30は、「保留」アイコン107が選択されたことに基づいて、保留情報を、インターネット14及びサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する。具体的には、管理端末30は、施設端末ID及び保留情報を有する転送要求(コマンド)を含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、施設端末IDが示す施設設置端末20が送信したHTTPリクエストに対する応答として、保留情報を返信する。施設設置端末20は、保留情報を受信したことに基づいて、例えば「しばらくお待ちください」などのメッセージをディスプレイ23に表示させる。施設設置端末20は、例えば3分などの所定時間経過後、ステップS13の処理を再度実行する。コンシェルジュ15が「接続」アイコン106を選択する操作は、特許請求の範囲に記載された「接続指示操作」に相当する。
【0099】
管理端末30は、「接続」アイコン106が選択されたことに基づいて(S16)、接続許可をサーバ40に送信する(S17)。接続許可は、例えば施設端末ID及び管理端末IDを有するコマンドである。ステップS17の処理は、特許請求の範囲に記載された「接続許可送信処理」に相当する。
【0100】
サーバ40は、接続許可を受信したことに基づいて、常時接続処理を実行する(S18)。常時接続処理は、施設設置端末20と管理端末30とを、画像データ及び音声データを含むデータを相互に送受信可能に接続する処理である。
【0101】
常時接続処理において管理端末30は、カメラ34が撮像によって生成したコンシェルジュ15の画像データと、マイクロフォン36が生成したコンシェルジュ15の音声データとの入力を受け付ける(S19)。管理端末30は、受け付けた音声データ及び画像データを、インターネット14及びサーバ40を介して施設設置端末20に送信する(S20)。ステップS20の処理は、特許請求の範囲に記載された「指示情報送信処理」に相当する。
【0102】
常時接続処理において施設設置端末20は、受信した音声データをスピーカ25に入力し、且つ画像データをディスプレイ23に入力する。つまり、コンシェルジュ15の画像及び音声が、施設設置端末20から出力される(S21)。コンシェルジュ15は、施設設置端末20の操作方法や操作手順などの指示をゲストに伝える。ステップS21の処理は、特許請求の範囲に記載された「指示情報出力処理」に相当する。
【0103】
施設設置端末20は、カメラ24が撮像によって生成したゲストの画像データと、マイクロフォン26が生成したゲストの音声データとの入力を受け付ける(S22)。施設設置端末20は、音声データ及び画像データを、インターネット14及びサーバ40を介して管理端末30に送信する(S23)。
【0104】
常時接続処理において管理端末30は、受信した音声データをマイクロフォン36に入力し、受信した画像データをディスプレイ33に入力する(S24)。つまり、管理端末30は、ゲストの音声及び画像を出力する(S24)。ステップS19からS24までの処理が繰り返されることにより、コンシェルジュ15とゲストとの間で会話が成立する。
【0105】
ゲストは、コンシュルジュの指示にしたがって、パスポートなどの身分証明書を、施設設置端末20のカメラ24に撮像させる(S25)。
図9(C)は、身分証明書の撮像時に施設設置端末20のディスプレイ23に表示される画面である。当該画面は、コンシェルジュ15の画像が表示されるコンシェルジュ表示領域111と、「パスポートをカメラの前に置いて「OK」に触れてください。」を意味する文字と、カメラが撮像した画像が表示されるパスポート画像表示領域112と、「OK」アイコン113とを有する。なお、「パスポートをカメラの前に置いて「OK」に触れてください。」の文字は、ゲストが指定した指定言語で表記される。
図9(C)では、指定言語である英語で表記されている。
【0106】
ゲストは、身分証明書をカメラ24の前に置き、「OK」アイコン113を選択する(S25)。また、ゲストは、自身の顔をカメラ24に撮像させる(S25)。カメラ24は、身分証明書の画像を示す身分証明書画像データ、及びゲストの顔の画像を示すゲスト画像データを生成する。
【0107】
また、ゲストは、コンシュルジュの指示にしたがって、自身の氏名を入力する(S25)。
図10は(A)は、氏名の入力時に施設設置端末20のディスプレイ23に表示される画面である。当該画面は、「予約を行った人の氏名を入力してください。」を意味する文字と、入力文字が表示されるテキストボックス114と、ソフトウエアキーボード115と、コンシェルジュ表示領域111とを有する。ゲストは、ソフトウエアキーボード115を用いて自己の氏名を入力する(S25)。
【0108】
施設設置端末20は、上記身分証明書画像データ、ゲスト画像データ、ゲストの氏名、及び施設名を含む本人確認情報を生成する(S26)。施設設置端末20は、生成した本人確認情報及び施設端末IDを、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する(S27)。身分証明書画像データ及びゲスト画像データは、特許請求の範囲に記載された「本人確認画像データ」に相当する。ステップS27の処理は、特許請求の範囲に記載された「確認情報送信処理」に相当する。
【0109】
管理端末30は、受信したゲストの氏名及び施設名をディスプレイ33に表示させる(S28)。コンシェルジュ15は、表示された施設名に対応するアカウント及びパスワードを用いて、インターネット14を通じて予約利用管理システムにアクセスし、
図13から
図15に示された画面をディスプレイ33に表示させる(S29)。コンシェルジュ15は、表示された複数の予約情報のうち、ゲストの氏名と同一の氏名で予約された予約情報を、入力インタフェース37を用いて指定する(S30)。管理端末30は、指定された予約情報を、特定予約情報として取得する(S31)。ステップS31の処理は、特許請求の範囲に記載された「特定予約情報取得処理」に相当する。
【0110】
なお、フローチャートに示されていないが、コンシェルジュ15は、ゲストの氏名と同一の氏名でされた予約を予約利用管理システムにおいて発見できなかった場合は、インターネット14、サーバ40、及び施設設置端末20を通じて、その旨をゲストに伝える。
【0111】
管理端末30は、ステップS14で受信した接続依頼通知に含まれる指定言語が日本語であるか否かを判断する(S32)。管理端末30は、指定言語が日本語でないと判断すると(S32:No)、第1本人確認画面をディスプレイ33に表示させる(S33)。ステップS33の処理は、特許請求の範囲に記載された「確認情報表示処理」に相当する。
【0112】
コンシェルジュ15が、管理端末30を用いて予約利用管理システムにアクセスし、特定予約情報を取得してディスプレイ33に表示させる工程(S28~S31、S33)は、特許請求の範囲に記載された「第1工程」に相当する。
【0113】
図10(B)が示すように、第1本人確認画面は、ゲスト画像表示領域116、身分証明書画像表示領域117、予約情報表示領域118、ゲスト入力情報表示領域119、「OK」アイコン120、及び「Reset」アイコン121を有する。
【0114】
ステップS28で受信したゲスト画像データが示すゲスト画像が、ゲスト画像表示領域116に表示される。ステップS28で受信した身分証明書画像データが示す身分証明書画像が、身分証明書画像表示領域117に表示される。ステップS32で取得した特定予約情報が、予約情報表示領域118に表示される。ステップS28で受信したゲストの氏名等であるゲスト入力情報が、ゲスト入力情報表示領域119に表示される。ゲスト画像及び身分証明書画像は、特許請求の範囲に記載された「本人確認画像」に相当する。
【0115】
コンシェルジュ15は、第1本人確認画面に表示されたゲスト画像及び身分証明書画像に基づいて、ゲストの本人確認を行う。また、コンシェルジュ15は、特定予約情報、ゲスト入力情報、及び身分証明書画像が示す氏名等の情報に基づいて、予約を行った者(予約者)とゲストとが一致するか否かを確認する。
【0116】
コンシェルジュ15は、ゲストの本人確認等を行った後、ゲストのチェックインを了承する場合、「OK」アイコン120を選択する(S35)。コンシェルジュ15は、ゲストの本人確認等を行った後、ゲストのチェックインを了承しない場合、その旨を、インターネット14及びサーバ40を通じてゲストに伝え、「Reset」アイコン121を選択する。
【0117】
コンシェルジュ15が、第1本人確認画面において本人確認を行って「OK」アイコン120を選択する工程(S35)は、特許請求の範囲に記載された「第2工程」に相当する。
【0118】
図3が示すように、管理端末30は、ステップS32において指定言語が日本語であると判断すると(S32:Yes)、すなわち日本人であると判断すると、不図示の第2本人確認画面をディスプレイ33に表示させる(S34)。第2本人確認画面は、第1本人確認画面(
図10(B)参照)と同様の画面であって、予約情報表示領域118、ゲスト入力情報表示領域119、「OK」アイコン120、及び「Reset」アイコン121を有する。但し、日本人の場合は、身分証明書による本人確認が不要であるから、第2本人確認画面は、ゲスト画像表示領域116及び身分証明書画像表示領域117(
図10(B)参照)を有さない。なお、ゲストが日本人であるか否かは、指定言語ではなく、ステップS25においてゲストが入力した国籍、或いはステップS31で取得した特定予約情報に含まれる国籍によって判断されてもよい。
【0119】
コンシェルジュ15は、特定予約情報及びゲスト入力情報に基づいて、予約者とゲストとが一致するか否かを判断する。コンシェルジュ15は、予約者とゲストとが一致することを確認した後、「OK」アイコン120を選択する(S35)。コンシェルジュ15は、予約者とゲストとが一致しない場合、その旨を、インターネット14及びサーバ40を通じてゲストに伝え、「Reset」アイコン121を選択する。コンシェルジュ15による「OK」アイコン120の選択は、特許請求の範囲に記載された「チェックイン指示」に相当する。
【0120】
管理端末30は、「OK」アイコン120が選択されたことに基づいて(S35)、チェックイン事項の登録を行う(S36)。チェックイン事項は、例えばゲストの氏名、現在の日時であるチェックイン日時、宿泊人数、ゲストの国籍、部屋番号、ゲスト画像データ、身分証明書画像データ、宿泊施設名、及びチェックアウト予定日等を含む。管理端末30は、例えばチェクイン事項を、インターネット14を通じて予約利用管理システムに送信する(S36)。或いは、チェックイン登録データをメモリ32に記憶させる(S36)。ステップS36の処理は、特許請求の範囲に記載された「チェックイン処理」に相当する。コンシェルジュ15が、管理端末30を用いてチェックイン事項を予約利用管理システムなどに登録する工程は、特許請求の範囲に記載された「第3工程」に相当する。
【0121】
管理端末30は、チェックイン事項に含まれる部屋番号に関するキー情報を取得する(S37)。キー情報は、暗証番号や通信情報やピンなどである。詳しく説明すると、宿泊施設に応じて、部屋のロック(施錠)及びロック解除(開錠)を行う方法が異なる。一の宿泊施設では、ルームキーなどの物理キーによって部屋のロック及びロック解除が行われ、当該物理キーは、例えばロビーに設置されたキーボックスに保管される。当該キーボックスは、暗証番号の入力によって開錠される。当該暗証番号が、キー情報である。一の宿泊施設では、ゲスト通信端末70との近距離無線通信によって部屋のロック及びロック解除が行われる。キー情報は、当該近距離無線に必要な通信情報やピンなどである。その他、キー情報は、ゲストが宿泊する部屋のロック及びロック解除に必要な情報である。管理端末30は、メモリ32からキー情報を取得し、或いはコンシェルジュ15が入力したキー情報を取得する。例えば、メモリ32は、宿泊施設名と、部屋番号と、キー情報とを対応付けたテーブルを予め記憶する。
【0122】
管理端末30は、取得したキー情報及びチェックイン完了通知を、インターネット14及びサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する(S38)。チェックイン完了通知は、例えば、ゲストが宿泊する部屋を示す部屋番号及びチェックアウト予定日を含む。
【0123】
施設設置端末20は、受信したキー情報及びチェックイン完了通知に基づいて、チェックイン完了通知画面をディスプレイ23に表示させる(S39)。
【0124】
図10(C)が示すように、チェックイン完了通知画面は、チェックインが完了したことを示す文字と、ゲストに割り当てられた部屋の番号と、チェックアウト予定日と、キーボックスの番号と、キーボックスからルームキーを取り出すことを促す文字と、キーボックスを開錠するための暗証番号と、「Finish」アイコン122とを有する。なお、宿泊施設11が物理キー以外の方法で部屋の開錠を行う場合、当該方法に応じた情報がチェックイン完了通知画面に表示される。例えば、宿泊施設11がゲスト通信端末70との近距離無線通信によって部屋の施錠及び開錠を行う場合、当該近距離無線通信に必要な通信情報やピンを読取可能なQRコード(登録商標)画像がチェックイン完了通知画面に表示される。ゲストは、当該QRコード画像をゲスト通信端末70のカメラ74で撮像することにより、当該通信情報やピンをゲスト通信端末70に取り込む。
【0125】
ゲストは、チェックイン完了通知画面に表示された事項の確認後、「Finish」アイコン122を選択する。そして、キーボックスからルームキーを取り出し、指定された部屋の開錠を行って宿泊する。
【0126】
図3が示すように、施設設置端末20は、チェックイン完了通知画面において「Finish」アイコン122が選択されたことに基づいて、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に、施設端末IDを含む終了通知を送信する(S40)。
【0127】
管理端末30は、終了通知を受信したことに基づいて(S40)、施設端末ID及び管理端末IDを含む切断指示を、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S41)。なお、管理端末30は、終了通知を受信したことを示す通知画面をディスプレイ33に表示させ、当該通知画面において、施設設置端末20との接続の切断の許可指示をコンシェルジュ15に入力させてもよい。管理端末30は、当該許可指示を受け付けたことに基づいて、切断指示をサーバ40に送信する(S41)。切断指示は、施設端末ID及び管理端末IDを有するコマンドである。
【0128】
なお、施設設置端末20が送信する終了通知自体が切断指示であってもよい。つまり、サーバ40が維持する常時接続(S18)は、施設設置端末20側から終了させてもよいし、管理端末30側から終了させてもよい。
【0129】
サーバ40は、切断指示を受信したことに基づいて(S41)、施設設置端末20と管理端末30との接続を終了させる切断処理を実行する(S42)。
【0130】
次に、ゲストが待受画面(
図9(A)参照)において「携帯端末でのご案内」アイコン102を選択した場合における処理が説明される。
【0131】
ゲストは、チェックインを行った後、ゲスト通信端末70を用いてコンシェルジュ15との会話を希望する場合、待受画面(
図9(A)参照)において「携帯端末でのご案内」アイコン102を選択する。
【0132】
施設設置端末20は、
図3のステップS12において、ゲストが選択したアイコンが「チェックイン」アイコン101でないと判断すると(S12:No)、
図4が示すように、ゲストが選択したアイコンが「携帯端末でのご案内」アイコン102であるか否かを判断する(S51)。施設設置端末20は、ゲストが選択したアイコンが「携帯端末でのご案内」アイコン102であると判断すると(S51:Yes)、接続要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S52)。接続要求は、例えば要求種別、施設設置端末20の施設端末ID、施設名、指定言語、及び管理端末IDを有するコマンドである。要求種別は、「携帯端末でのご案内」を示す識別情報である。
【0133】
サーバ40は、接続要求を受信したことに基づいて(S52)、接続依頼通知を管理端末30に送信する(S53)。具体的には、管理端末30は、所定の時間間隔で、管理端末IDを含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、ステップS52で受信したHTTPリクエストに含まれる管理端末IDと同一の管理端末IDを含むHTTPリクエストに対する応答として、接続依頼通知を含むHTTPレスポンスを返信する(S53)。接続依頼通知は、施設端末ID、指定言語、施設名、及び要求種別を含む。
【0134】
管理端末30は、接続依頼通知を受信したことに基づいて(S53)、第2接続要求画面をディスプレイ33に表示させる(S54)。
図11(A)が示す第2接続要求画面は、「ABCホテルから案内用QRコードの発行要求があります。」の文字、「指定言語:英語」の文字、「接続」アイコン106、及び「保留」アイコン107を有する。「ABCホテル」は、施設名である。
【0135】
管理端末30のオペレータであるコンシェルジュ15は、即座にゲストに対応する場合、「接続」アイコン106を選択する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応できない場合、「保留」アイコン107を選択する。
図4には示されていないが、管理端末30は、「保留」アイコン107が選択されたことに基づいて、保留情報をサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する。施設設置端末20は、保留情報を受信したことに基づいて、例えば「しばらくお待ちください」などのメッセージをディスプレイ23に表示させる。施設設置端末20は、例えば3分などの所定時間経過後、ステップS52の処理を再度実行する。
【0136】
図4が示すように、管理端末30は、「接続」アイコン106が選択されたことに基づいて(S16)、接続許可をサーバ40に送信する(S17)。サーバ40は、接続許可を受信したことに基づいて(S17)、常時接続処理を実行する(S18)。
【0137】
常時接続処理時において、施設設置端末20と管理端末30との間で、インターネット14及びサーバ40を通じて、画像データ及び音声データが相互に送受信される(S19~S25)。つまり、ゲストとコンシェルジュ15との間で会話がなされる。ゲストは、コンシェルジュ15からの指示にしたがって、施設設置端末20を操作する(S55)。具体的には、ゲストは、自己が宿泊する部屋の番号(ルームナンバー)や氏名など、ゲストを特定可能な情報を施設設置端末20に入力する(S55)。
【0138】
施設設置端末20は、案内用QRコード発行要求を、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する(S56)。案内用QRコード発行要求は、例えば施設端末ID、施設名、部屋番号、ゲストの氏名、指定言語、及び要求種別を有するコマンドである。要求種別は、案内用QRコードの発行要求を示す情報である。ステップS56の処理は、特許請求の範囲に記載された「発行要求送信処理」に相当する。施設名と、部屋番号或いはゲストの氏名とは、特許請求の範囲に記載された「ゲスト特定情報」に相当する。
【0139】
管理端末30は、案内用QRコード発行要求を受信したことに基づいて(S56)、ゲスト情報表示画面をディスプレイ23に表示させる(S57)。詳しく説明すると、管理端末30は、案内用QRコード発行要求に含まれる施設端末ID、施設名、指定言語、及び要求種別を取得する。管理端末30は、取得した要求種別及び指定言語に応じた画面のフォーマットデータをメモリ32から読み出し、取得した施設名、部屋番号、ゲストの氏名、及び指定言語の種類(例えば英語)を当該フォーマットデータに入力することにより、ゲスト情報表示画面を示す画面データを生成する。
【0140】
図11(B)が示すように、ゲスト情報表示画面は、「施設名:ABCホテル」の文字と、「部屋番号:405」の文字と、「ゲスト氏名:Michael Smith」の文字と、「指定言語:英語」の文字と、「OK」アイコン123と、「キャンセル」アイコン124と、を有する。
【0141】
図4が示すように、管理端末30は、ステップS29及びS30の処理を実行する。詳しく説明すると、コンシェルジュ15は、ゲスト情報表示画面に表示された施設名に基づいて、インターネット14を通じて上記予約利用管理システムにアクセスする(S29)。コンシェルジュ15は、案内用QRコード発行要求に含まれる施設名で登録された複数の利用情報のうち、案内用QRコード発行要求に含まれる部屋番号或いはゲストの氏名と一致する利用情報を選択する(S30)。利用情報は、宿泊施設に現在宿泊しているゲストに関する情報である。管理端末30は、コンシェルジュ15が選択した利用情報を、特定利用情報として取得する(S58)。
【0142】
コンシェルジュ15は、案内用QRコード発行要求に含まれる部屋番号及びゲストの氏名と、予約利用管理システムに登録された部屋番号及びゲストの氏名とが一致するか否かを判断する。コンシェルジュ15は、一致すると判断すると、ゲスト情報表示画面(
図11(B)参照)において「OK」アイコン123を選択し(S59)、一致しないと判断すると、「キャンセル」アイコン124を選択する。つまり、案内用QRコードは、チェックイン後に発行され、チェックイン前、すなわち予約段階では発行されない。
【0143】
管理端末30は、「OK」アイコン123が選択されたことに基づいて(S59)、案内用QRコード画像データを生成する(S60)。詳しく説明すると、メモリ32に記憶されたサーバ40の通信アドレス及び管理端末IDと、識別情報とを読取可能なQRコード画像データを生成する。ステップS60の処理は、特許請求の範囲に記載された「案内用QRコード生成処理」に相当する。
【0144】
また、管理端末30は、施設名、ゲスト情報、及び識別情報を対応付けた対応テーブル(
図11(C)参照)を作成する(S61)。
図11(C)が示すように、ゲスト情報は、ゲストが宿泊している部屋の番号、ゲストの氏名、指定言語、チェックイン日時、チェックアウト予定日などである。
【0145】
図4が示すように、管理端末30は、生成した案内用QRコード画像データを、インターネット14及びサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する(S62)。ステップS62の処理は、特許請求の範囲に記載された「案内用QRコード送信処理」に相当する。コンシェルジュ15が、管理端末30を用いて、案内用QRコード画像データを施設設置端末20に送信させる工程は、特許請求の範囲に記載された「第6工程」に相当する。
【0146】
施設設置端末20は、案内用QRコード画像データを受信したことに基づいて(S62)、案内用QRコード画像データが示す案内用QRコード画像をディスプレイ23に表示させる(S63)。ステップS63の処理は、特許請求の範囲に記載された「案内用QRコード表示処理」に相当する。
【0147】
ゲストは、ゲスト通信端末70に実装されたQRコード読取アプリケーションプログラム(不図示)を起動させ、当該アプリケーションプログラムを通じてカメラ74に案内用QRコード画像を撮像させる。ゲスト通信端末70は、案内用QRコード画像からサーバ40の通信アドレス、管理端末ID、及び識別情報を読み取る。
【0148】
コンシェルジュ15は、ゲストが案内用QRコードを受け取ったことを確認した後、施設設置端末20との接続の切断指示を管理端末30に入力する(S64)。管理端末30は、切断指示の入力を受け付けたことに基づいて(S64)、切断指示をサーバ40に送信する(S41)。サーバ40は、施設設置端末20と管理端末30との常時接続を切断する切断処理を実行する(S42)。なお、切断指示は、施設設置端末20がサーバ40に送信してもよい。
【0149】
次に、ゲストが、案内用QRコード画像及びゲスト通信端末70を用いてコンシェルジュ15と会話する際のゲスト通信端末70、サーバ40、及び管理端末30が実行する処理について、
図5が参照されて説明がされる。
【0150】
ゲスト通信端末70は、管理端末30との通信を指示するゲスト操作を受け付ける(S71)。ゲスト通信端末70は、案内用QRコード画像から読み取ったサーバ40の通信アドレス、管理端末ID、及び識別情報を用いて、接続要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S72)。接続要求は、例えばゲスト端末ID、識別情報、及び管理端末IDを有するコマンドである。ゲスト通信端末70は、特許請求の範囲に記載された「接続要求を行った通信端末」に相当する。
【0151】
サーバ40は、接続要求を受信したことに基づいて(S72)、接続依頼通知を管理端末30に送信する(S73)。具体的には、管理端末30は、所定の時間間隔で、管理端末IDを含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、ステップS72で受信したHTTPリクエストに含まれる管理端末IDと同一の管理端末IDを含むHTTPリクエストに対する応答として、接続依頼通知を含むHTTPレスポンスを返信する(S73)。接続依頼通知は、ゲスト端末ID及び識別情報を含む。
【0152】
管理端末30は、接続依頼通知を受信したことに基づいて(S73)、ゲスト情報を取得する(S74)。具体的には、管理端末30は、接続依頼通知に含まれる識別情報と対応付けられたゲスト情報を、対応テーブル(
図11(C)参照)から読み出す。管理端末30は、ゲスト情報を取得できたか否かを判断する(S75)。管理端末30は、ゲスト情報を取得できなかった場合(S75:No)、却下通知をサーバ40に送信する(S76)。サーバ40は、却下通知をゲスト通信端末70に転送する(S77)。
【0153】
管理端末30は、ゲスト情報を取得できた場合(S75:Yes)、不図示の第3接続要求画面をディスプレイ33に表示させる。第3接続要求画面は、例えば「ABCホテルの405号室に宿泊中のMichael Smith様の通信端末から接続依頼があります。」の文字と、「接続」アイコンと、「保留」アイコンとを有する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応する場合、「接続」アイコンを選択する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応できない場合、「保留」アイコンを選択する。
図5には示されていないが、管理端末30は、「保留」アイコンが選択されたことに基づいて、保留情報をサーバ40を通じてゲスト通信端末70に送信する。ゲスト通信端末70は、保留情報を受信したことに基づいて、例えば「しばらくお待ちください」などのメッセージをディスプレイ73に表示させる。
【0154】
図5が示すように、管理端末30は、上記第3接続要求画面において「接続」アイコンが選択されたことに基づいて(S16)、接続許可をサーバ40に送信する(S17)。サーバ40は、接続許可を受信したことに基づいて常時接続処理を実行する(S18)。常時接続処理は、ゲスト通信端末70と管理端末30とを、画像データ及び音声データを含むデータを相互に送受信可能に接続する処理である。
【0155】
常時接続処理時において、ゲスト通信端末70と管理端末30との間で、インターネット14及びサーバ40を通じて、画像データ及び音声データが相互に送受信される。当該画像データ及び音声データの送受信は、ステップS19~S24の処理と同様にして実行される。つまり、ゲストとコンシェルジュ15との間で会話がなされる。コンシェルジュ15は、ゲストとの会話の終了後、切断指示を管理端末30に入力する(S64)。
【0156】
管理端末30は、コンシェルジュ15からの切断指示の入力を受け付けたことに基づいて(S64)、切断指示をサーバ40に送信する(S41)。サーバ40は、施設設置端末20と管理端末30との常時接続を切断する切断処理を実行する(S42)。なお、切断指示は、ゲスト通信端末70からサーバ40に送信されてもよい。
【0157】
次に、ゲストが待受画面(
図9(A)参照)において「問い合わせ」アイコン103を選択した場合における処理が説明される。
【0158】
ゲストは、アメニティグッズの購入方法や宿泊施設周辺の地理や観光地などに関する問い合わせを行うことを希望する場合、待受画面(
図9(A)参照)において「問い合わせ」アイコン103を選択する。
【0159】
施設設置端末20は、
図4のステップS51において、ゲストが選択したアイコンが「携帯端末でのご案内」アイコン102でないと判断すると(S51:No)、
図6が示すように、ゲストが選択したアイコンが「問い合わせ」アイコン103であるか否かを判断する(S81)。施設設置端末20は、ゲストが選択したアイコンが「問い合わせ」アイコン103であると判断すると(S81:Yes)、接続要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S82)。接続要求は、例えば要求種別、施設端末ID、施設名、指定言語、及び管理端末IDを有するコマンドである。要求種別は、「問い合わせ」を示す識別情報である。
【0160】
サーバ40は、接続要求を受信したことに基づいて(S82)、接続依頼通知を管理端末30に送信する(S83)。具体的には、管理端末30は、所定の時間間隔で、管理端末IDを含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、ステップS82で受信したHTTPリクエストに含まれる管理端末IDと同一の管理端末IDを含むHTTPリクエストに対する応答として、接続依頼通知を含むHTTPレスポンスを返信する(S83)。接続依頼通知は、施設端末ID、指定言語、施設名、及び要求種別を含む。
【0161】
管理端末30は、接続依頼通知を受信したことに基づいて(S83)、第4接続要求画面(不図示)をディスプレイ33に表示させる(S84)。第4接続要求画面は、「ABCホテルから問い合わせがあります。」の文字、「指定言語:英語」の文字、「接続」アイコン、及び「保留」アイコンを有する。
【0162】
管理端末30のオペレータであるコンシェルジュ15は、即座にゲストに対応する場合、「接続」アイコンを選択する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応できない場合、「保留」アイコンを選択する。
図6には示されていないが、管理端末30は、「保留」アイコンが選択されたことに基づいて、保留情報をサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する。施設設置端末20は、保留情報を受信したことに基づいて、例えば「しばらくお待ちください」などのメッセージをディスプレイ23に表示させる。
【0163】
図6が示すように、管理端末30は、上記第4接続要求画面において「接続」アイコンが選択されたことに基づいて(S16)、接続許可をサーバ40に送信する(S17)。サーバ40は、接続許可を受信したことに基づいて(S17)、常時接続処理を実行する(S18)。常時接続処理は、施設設置端末20と管理端末30とを、画像データ及び音声データを含むデータを相互に送受信可能に接続する処理である。
【0164】
常時接続処理時において、施設設置端末20と管理端末30との間で、インターネット14及びサーバ40を通じて、画像データ及び音声データが相互に送受信される(S19~S24)。つまり、ゲストとコンシェルジュ15との間で会話がなされる。コンシェルジュ15は、ゲストとの会話の終了後、切断指示を管理端末30に入力する(S64)。
【0165】
管理端末30は、コンシェルジュ15からの切断指示を受け付けたことに基づいて(S64)、切断指示をサーバ40に送信する(S41)。サーバ40は、施設設置端末20と管理端末30との常時接続を切断する切断処理を実行する(S42)。
【0166】
次に、ゲストが待受画面(
図9(A)参照)において「チェックアウト」アイコン104を選択した場合における処理が説明される。
【0167】
ゲストは、チェックアウトを行う場合、待受画面(
図9(A)参照)において「チェックアウト」アイコン104を選択する。
【0168】
施設設置端末20は、
図6のステップS81において、ゲストが選択したアイコンが「問い合わせ」アイコン103でないと判断すると(S81:No)、
図7が示すように、接続要求を含むHTTPリクエストを、インターネット14を通じてサーバ40に送信する(S92)。接続要求は、例えば要求種別、施設端末ID、施設名、指定言語、及び管理端末IDを有するコマンドである。要求種別は、「チェックアウト」を示す識別情報である。
【0169】
サーバ40は、接続要求を受信したことに基づいて(S92)、接続依頼通知を管理端末30に送信する(S93)。具体的には、管理端末30は、所定の時間間隔で、管理端末IDを含むHTTPリクエストをサーバ40に送信する。サーバ40は、ステップS92で受信したHTTPリクエストに含まれる管理端末IDと同一の管理端末IDを含むHTTPリクエストに対する応答として、接続依頼通知を含むHTTPレスポンスを返信する(S93)。接続依頼通知は、施設端末ID、指定言語、施設名、及び要求種別を含む。
【0170】
管理端末30は、接続依頼通知を受信したことに基づいて(S93)、第5接続要求画面をディスプレイ33に表示させる(S94)。
図12(A)が示す第5接続要求画面は、「ABCホテルからチェックアウト要求があります。」の文字、「指定言語:英語」の文字、「接続」アイコン106、及び「保留」アイコン107を有する。
【0171】
管理端末30のオペレータであるコンシェルジュ15は、即座にゲストに対応する場合、「接続」アイコン106を選択する。コンシェルジュ15は、即座にゲストに対応できない場合、「保留」アイコン107を選択する。
図7には示されていないが、管理端末30は、「保留」アイコン107が選択されたことに基づいて、保留情報をサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する。施設設置端末20は、保留情報を受信したことに基づいて、例えば「しばらくお待ちください」などのメッセージをディスプレイ23に表示させる。
【0172】
図7が示すように、管理端末30は、「接続」アイコン106が選択されたことに基づいて(S16)、接続許可をサーバ40に送信する(S17)。サーバ40は、接続許可を受信したことに基づいて(S17)、常時接続処理を実行する(S18)。常時接続処理は、施設設置端末20と管理端末30とを、画像データ及び音声データを含むデータを相互に送受信可能に接続する処理である。
【0173】
常時接続処理時において、施設設置端末20と管理端末30との間で、インターネット14及びサーバ40を通じて、画像データ及び音声データが相互に送受信される(S19~S24)。つまり、ゲストとコンシェルジュ15との間で会話がなされる。
【0174】
ゲストは、コンシェルジュ15からの指示にしたがって、部屋番号、氏名、及び決済種別を施設設置端末20に入力する(S95)。決済種別は、例えば「現金決済」、「クレジットカード決済」、「電子マネー決済」、及び「QRコード決済」などである。なお、部屋番号に代えて、「藤の間」など、部屋の名称が入力されてもよい。部屋番号及び部屋の名称は、特許請求の範囲に記載された「部屋特定情報」に相当する。ゲストの氏名は、特許請求の範囲に記載された「ゲスト特定情報」に相当する。
【0175】
施設設置端末20は、部屋番号、氏名、及び決済種別の入力を受け付けたことに基づいて(S95)、決済種別が「現金決済」であるか否かを判断する(S96)。施設設置端末20は、決済種別が「現金決済」であると判断すると(S96:Yes)、現金決済機60から入力された画面データである現金決済機画面データを定期的に取得する(S97)。施設設置端末20は、決済種別が「現金決済」でないと判断すると(S96:No)、ステップS97の処理をスキップする。つまり、決済種別が「現金決済」の場合のみ、現金決済機の画面データが取得される。
【0176】
施設設置端末20は、チェックアウト要求を含むHTTPリクエストを生成する(S98)。チェックアウト要求は、施設端末ID、部屋番号、ゲストの氏名、及び決済種別を含む。また、
図7のフローチャートには示されていないが、施設設置端末20は、決済種別が「現金決済」である場合、常時接続において、ゲストの音声を示す音声データ及びゲストの画像を示すゲスト画像データに加え、上記現金決済機画面データを、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する。つまり、管理端末30のディスプレイ33には、ゲストの音声、ゲストの画像、及び現金決済機画面が表示される。施設設置端末20が、現金決済機画面データを定期的に取得して管理端末30に送信する処理(S97)は、特許請求の範囲に記載された「画面データ転送処理」に相当する。管理端末30が、現金決済機画面データを取得してディスプレイ33に表示させる処理は、特許請求の範囲に記載された「画面共有処理」に相当する。
【0177】
施設設置端末20は、生成したチェックアウト要求を、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する(S99)。ステップS99の処理は、特許請求の範囲に記載された「チェックアウト要求送信処理」に相当する。
【0178】
管理端末30は、チェックアウト要求を受信したことに基づいて(S99)、チェックアウト要求画面をディスプレイ33に表示させる(S100)。
【0179】
図12(B)が示すように、チェックアウト要求画面は、「宿泊施設名:ABCホテル」の文字、「部屋番号:405」の文字、「ゲスト氏名:Michael Smith」の文字、「チェックイン:2024.07.20」の文字、「チェックアウト:2024.07.24」の文字、「宿泊日数:4日」の文字、「人数:1人」の文字、及び「指定言語:英語」の文字を有する。また、チェックアウト要求画面は、ゲスト画像表示領域116及び現金決済機画面表示領域130を有する。現金決済機画面表示領域130には、現金決済機画面が表示される。つまり、コンシェルジュ15は、ゲストが視認している画面(現金決済機画面)と同一の画面を見ながらゲストに現金決済機60の操作指示を行うことができる。なお、ゲストが選択した決済種別が「現金決済」でない場合、チェックアウト要求画面は、現金決済機画面表示領域130を有さない。
【0180】
コンシェルジュ15は、チェックアウト要求画面に表示された施設名に対応するアカウント及びパスワードを用いて、インターネット14を通じて予約利用管理システムにアクセスし、
図13から
図15に示された画面をディスプレイ33に表示させる(S29)。コンシェルジュ15は、表示された複数の利用情報のうち、ゲストの氏名と同一の氏名(利用者氏名)で宿泊中の利用情報を、入力インタフェースを用いて指定する(S30)。管理端末30は、指定された利用情報を、特定利用情報として取得し、ディスプレイ33に表示させる(S101)。コンシェルジュ15が、管理端末30を用いて予約利用管理システムから特定利用情報を取得してディスプレイ33に表示させる工程(S101)は、特許請求の範囲に記載された「第4工程」に相当する。ステップS101の処理は、特許請求の範囲に記載された「特定利用情報取得処理」に相当する。
【0181】
なお、フローチャートに示されていないが、コンシェルジュ15は、ゲストの氏名と同一の氏名でされた利用を予約利用管理システムにおいて発見できなかった場合は、インターネット14及びサーバ40を通じて、その旨をゲストに伝える。
【0182】
管理端末30は、上記決済種別に基づいて、ゲストが指定した決済方法が現金決済か否かを判断する(S102)。管理端末30は、現金決済であると判断すると(S102:Yes)、現金決済用QRコード(登録商標)画像データを含む決済用画面データを生成する(S103)。現金決済用QRコード画像データは、宿泊施設の利用料金(決済金額)を含む決済情報を読取可能なQRコードを示す画像データである。ステップS103の処理は、特許請求の範囲に記載された「現金決済用QRコード生成処理」に相当する。
【0183】
管理端末30は、現金決済でないと判断すると(S102:No)、決済方法に応じた決済用画面データを生成する(S104)。管理端末30は、生成した決済用画面データを、インターネット14及びサーバ40を通じて施設設置端末20に送信する(S105)。コンシェルジュ15が、管理端末30を用いて現金決済用QRコードを作成して施設設置端末20に送信させる工程は、特許請求の範囲に記載された「第5工程」に相当する。ステップS105の処理は、特許請求の範囲に記載された「現金決済用QRコード送信処理」に相当する。
【0184】
施設設置端末20は、受信した決済用画面データに、現金決済用QRコード画像データが含まれているか否かを判断する(S106)。施設設置端末20は、現金決済用QRコード画像データが含まれていると判断すると(S106:Yes)、現金決済用QRコード画像データを印刷装置80に入力し、現金決済用QRコード画像をシートに印刷させる(S107)。施設設置端末20は、現金決済用QRコード画像データが含まれていないと判断すると(S106:No)、ステップS107の処理をスキップする。次いで、施設設置端末20は、決済用画面データが示す決済用画面をディスプレイ23に表示させる(S108)。ステップS107の処理は、特許請求の範囲に記載された「印刷処理」に相当する。
【0185】
図12(C)は、ゲストが指定した決済方法がQRコード(登録商標)決済である場合にディスプレイ23に表示される決済用画面を示す。QRコード決済用の決済用画面は、ゲストの氏名を示す文字と、チェックイン日を示す文字と、チェックアウト日を示す文字と、ゲストが宿泊した部屋の番号を示す文字と、宿泊の基本料金を示す文字と、アメニティグッズの購入代金やルームサービスの代金などであるその他の料金を示す文字と、決済金額(合計金額)を示す文字とを有する。また、QRコード決済用の決済用画面は、「OK」アイコン123と、コンシェルジュ表示領域111と、決済用QRコード画像125と、を有する。なお、ゲストが指定した決済方法がQRコード決済以外の決済方法である場合、決済用QRコード画像125は、決済用画面に表示されない。
【0186】
ゲストは、指定した決済方法が現金決済である場合、現金決済機60のカメラ64に、印刷された現金決済用QRコード画像を撮像させる。
図8が示すように、現金決済機60は、現金決済用QRコード画像をカメラ64によって撮像し(S111)、現金決済用QRコード画像から決済金額等を含む決済情報を読み取る(S112)。ステップS111、S112の処理は、特許請求の範囲に記載された「決済情報取得処理」に相当する。
【0187】
現金決済機60は、読み取った決済情報をディスプレイ63に表示させる(S112)。ゲストは、表示された決済金額に応じた現金を現金決済機60に入金する。現金決済機60は、ゲストによる現金の支払いを受け付ける(S113)。現金決済機60は、現金の支払いを受け付けたことに基づいて、決済完了画面をディスプレイ63に表示させる(S114)。決済完了画面を示す決済完了画面データは、施設設置端末20にも入力される(S115)。施設設置端末20は、入力された決済完了画面データを、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する(S121)。
【0188】
管理端末30は、受信した決済完了画面データが示す決済完了画面をディスプレイ33に表示させる(S122)。
【0189】
ゲストは、指定した決済方法がQRコード決済である場合、ディスプレイ23に表示された決済用QRコード画像(
図12(C)参照)を、ゲスト通信端末70のカメラ74に撮像させる。ゲスト通信端末70は、決済用QRコード画像をカメラ74に撮像させ、決済用QRコード画像から決済金額や通信アドレスなどの決済に必要な情報を読み取る。ゲスト通信端末70は、決済用QRコード画像から読み取った情報を用いて決済を行う。
【0190】
ゲストは、指定した決済方法が電子マネー決済やクレジットカード(デビッドカード)決済である場合、電子マネーカードやクレジットカードをカード読取装置81に読み取らせる。施設設置端末20は、カード読取装置81がカードから読み取った情報と、ステップS105で取得した決済金額等とに基づいて決済を行う。
【0191】
コンシェルジュ15は、決済完了画面等により決済が完了したことを確認した後、切断指示を管理端末30に入力する(S64)。管理端末30は、切断指示の入力を受け付けたことに基づいて(S64)、インターネット14を通じて切断指示をサーバ40に送信する(S41)。サーバ40は、切断指示を受信したことに基づいて(S41)、施設設置端末20と管理端末30との常時接続を切断する(S42)。
【0192】
また、管理端末30は、決済情報を、予約利用管理システムや、メモリ32に記憶されたデータベースなどに登録する(S123)。当該処理(S123)は、コンシェルジュ15の指示にしたがって行われてもよいし、管理端末30が自動で行ってもよい。
【0193】
フローチャートには示されていないが、コンシェルジュ15は、施設設置端末20、インターネット14、サーバ40、及び管理端末30を通じたゲストとの会話時において、人による対応が必要と判断すると、派遣通信端末50を通じて、派遣拠点13に待機する拠点待機者16(
図1参照)に連絡を行う。当該連絡は、例えばサーバ40により派遣通信端末50と管理端末30とが常時接続されることにより、或いはメールにより、或いは移動体通信を介した通話により行われる。
【0194】
例えば、コンシェルジュ15は、ルームキーの紛失などを含むトラブルが発生した場合などにおいて、人による対応が必要であると判断する。コンシェルジュ15は、施設名、ゲストの氏名、部屋番号、及びトラブルの種類などを、拠点待機者16に伝達する。拠点待機者16は、当該連絡を受けたことに基づいて、宿泊施設11に急行する。
【0195】
[実施形態の作用効果]
【0196】
施設設置端末20は、施設名とゲストの氏名とを管理端末30に送信するから(S13、S14、S27)、コンシェルジュ15は、どの宿泊施設にどのゲストが来訪したかを認識して、ウェブサイトから当該ゲストの予約情報を取得することができる(S31)。また、施設設置端末20は、ゲスト及び身分証明書明書の画像を示す画像データを管理端末30に送信するから(S27)、コンシェルジュ15は、宿泊施設11から離れた管理センタ12において、ゲストの本人確認を行うことができる(S35)。その結果、サービス提供システム10の運用者であるサービス提供事業者は、複数の宿泊施設11に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供することができる。
【0197】
管理端末30は、現金決済用QRコード画像データを生成して施設設置端末20に送信する(S103、S105)。施設設置端末20は、現金決済用QRコード画像を印刷装置80に印刷させる(S107)。ゲストは、現金決済用QRコード画像を、現金決済機60のカメラ64に撮像させる。現金決済機60は、現金決済用QRコード画像が示す決済金額を取得し(S112)、現金の支払いを受け付ける(S113)。したがって、ゲストによる決済手続きが容易かつ確実になる。また、施設設置端末20は、QRコードによって現金決済機60に決済手続きを指示するから、他の機器によって遠隔操作不可である現金決済機60であっても、ゲストの決済(チェックアウト)を補助することができる。
【0198】
管理端末30のディスプレイ33には、現金決済機60に表示される画面と同一の画面が表示される(S97、
図12(B))。コンシェルジュ15は、ゲストが視認する現金決済機60の画面と同一の画面を確認しながら、ゲストに指示することができる。
【0199】
ゲストは、ゲスト通信端末70を操作して、施設設置端末20のディスプレイ23に表示された案内用QRコード画像を撮像する(S71)。ゲストは、道案内や、タクシー配車などのサービスの提供を受けたい場合、ゲスト通信端末70において、案内用QRコード画像が示す通信アドレスにアクセスする操作を行う(S71)。当該操作を受け付けたゲスト通信端末70は、識別情報を含む接続要求を、通信アドレスが示すサーバ40に送信する(S72)。サーバ40は、接続要求を行ったゲスト通信端末70と管理端末30とを常時接続する(S18)。したがって、ゲストは、チェックイン後において、施設設置端末20を介さずにコンシェルジュ15と直接会話を行うことができる。
【0200】
ゲストが指定した言語である指定言語が、管理端末30のディスプレイ33に表示される(
図9(B)、
図11(A)、
図11(B)、
図12(A))。したがって、コンシェルジュ15は、ゲストが希望する言語で確実に対応を行うことができる。
【0201】
チェックインを受け付ける装置をサーバではなく「管理端末30」とすることにより、サービス提供システム10を簡素化して初期投資を抑えることができ、且つ管理センタ12の増設を容易にすることができる。そして、施設設置端末20と管理端末30とをサーバ40により常時接続することにより、ゲストとコンシェルジュとを相互に意思疎通可能としている。その結果、事業展開を容易にしつつも、ゲストに対して良質なサービスを提供することができる。
【0202】
[変形例]
【0203】
実施形態では、コンシェルジュ15が複数の言語を話すことができ、且つゲストが指定した指定言語が管理端末30のディスプレイ33に表示される例が説明された。もっとも、管理端末30が、多言語の自動翻訳ソフトウエア99(
図2参照)を実装していてもよい。管理端末30は、ゲストが指定した指定言語(例えば英語)から、コンシェルジュ15が指定した特定言語(例えば日本語)に自動翻訳し、且つコンシェルジュ15が指定した特定言語からゲストが指定した指定言語に自動翻訳することを指定する。自動翻訳ソフトウエア99は、ゲストの音声を示す音声データの言語(指定言語)を、コンシェルジュ15が指定する言語に変換(翻訳)し、コンシェルジュ15の音声を示す音声データの言語を、ゲストが指定する指定言語に変換(翻訳)する。自動翻訳ソフトウエア99を用いることにより、一か国語しか話すことができないコンシェルジュ15であっても、種々の国のゲストに対応することができる。また、コンシェルジュ15が翻訳する言語を指定する必要がないから、コンシェルジュ15の手間を省くことができる。自動翻訳ソフトウエアは、特許請求の範囲に記載された「翻訳プログラム」に相当する。管理端末(自動翻訳ソフト)が、ゲストの音声及びコンシェルジュ15の音声を、指定言語と特定言語との間で相互に翻訳する処理は、特許請求の範囲に記載された「翻訳処理」に相当する。
【0204】
実施形態では、コンシェルジュ15がチェックイン時の本人確認を行う例が説明された。もっとも、本人確認は、管理端末30に実装された顔認証プログラム95(
図2参照)が行ってもよい。顔認証プログラム95は、例えば、ゲスト画像において輝度や明度が閾値以上変化する領域を輪郭として特定し、同様に、身分証明書に映る顔写真の画像において輝度や明度が閾値以上変化する領域を輪郭として特定する。顔認証プログラム95は、特定した2つの輪郭の特徴の一致率が閾値以上である場合、ゲストと、身分証明書に映る写真の人物とが同一であると判断する。顔認証プログラム95が本人確認を行うから、コンシェルジュ15の負担が低減する。
【0205】
実施形態では、コンシェルジュ15が、施設名及びゲストの氏名を用いて予約利用管理ステムにアクセスして予約情報や利用情報を手動で取得する例が説明された。もっとも、施設名及びゲストの氏名を用いて予約利用管理システムから予約情報や利用情報を取得する処理は、自動で行われてもよい。具体的には、管理端末30が実装する端末アプリケーションプログラム94は、施設設置端末20から取得した施設名と、メモリ32に予め記憶された予約利用システムのURL、アカウント、及びパスワードとに基づいて予約利用システムにアクセスして予約情報或いは利用情報を取得(ダウンロード)する。端末アプリケーションプログラム94は、ダウンロードした予約情報或いは利用情報から、チェックイン或いはチェックアウトを行うゲストの氏名と同一の氏名で登録された予約情報或いは利用情報を、特定予約情報或いは特定利用情報として取得する。特定予約情報及び特定利用情報の取得が自動で行われるから、コンシェルジュ15の作業負担が低減する。
【0206】
実施形態では、
図10(B)が示す第1本人確認画面において、ゲスト画像、身分証明書画像、特定予約情報、及びゲスト入力情報が1つの画面に表示される例が説明された。もっとも、ゲスト画像、身分証明書画像、特定予約情報、及びゲスト入力情報は、別個の画面(ポップアップ画面)にそれぞれ表示されてもよい。
【0207】
実施形態では、チェックインを行うゲストが、身分証明書による本人確認が必要な外国人であるか、身分証明書による本人確認が不要な日本人であるかを管理端末30(端末アプリケーションプログラム94)が判断する例(
図3のステップS32)が説明された。もっとも、外国人であるか日本人であるかは、コンシェルジュ15が判断してもよい。その場合、ステップS32からS34において、指定言語によって表示画面が変更されることがなく、管理端末30は、施設設置端末20が送信した画像データが示す画像をディスプレイ33にそのまま表示させる。
【0208】
実施形態では、管理端末30が決済情報を直接入力できない現金決済機60が用いられ、決済用QRコード画像を通じて決済情報が現金決済機60に入力される例が説明された。もっとも、管理端末30が決済情報を直接入力可能な現金決済機60が用いられてもよい。具体的には、現金決済機60は、インターネット14に接続される通信インタフェースを備えていてもよい。その場合、管理端末30は、ゲスト特定情報、施設名、及び部屋番号と、決済情報とを対応付けて不図示のWEBサーバにアップロードする。現金決済機60は、ゲストが入力したゲスト特定情報、施設名、及び部屋番号と対応付けられた決済情報を、上記WEBサーバからダウンロードする。現金決済機60は、ダウンロードした決済情報に基づいて、現金の支払いを受け付ける。上記WEBサーバを用いることにより、管理端末30から現金決済機60に決済情報を入力することができる。
【符号の説明】
【0209】
10・・・サービス提供システム
11・・・宿泊施設
12・・・管理センタ
13・・・派遣拠点
14・・・インターネット
15・・・コンシェルジュ
20・・・施設設置端末
21・・・CPU(第1コントローラ)
22・・・メモリ
23・・・ディスプレイ(第1ディスプレイ)
24・・・カメラ(第1カメラ)
25・・・スピーカ(第1スピーカ)
26・・・マイクロフォン(第1マイクロフォン)
27・・・入力インタフェース(第1入力インタフェース)
28・・・通信インタフェース(第1通信インタフェース)
30・・・管理端末
31・・・CPU(第2コントローラ)
32・・・メモリ(第2メモリ)
33・・・ディスプレイ(第2ディスプレイ)
34・・・カメラ(第2カメラ)
35・・・スピーカ(第2スピーカ)
36・・・マイクロフォン(第2マイクロフォン)
37・・・入力インタフェース
38・・・通信インタフェース(第2通信インタフェース)
40・・・サーバ
41・・・CPU(第3コントローラ)
48・・・通信インタフェース(第3通信インタフェース)
50・・・派遣通信端末
60・・・現金決済機
63・・・ディスプレイ(第3ディスプレイ)
64・・・カメラ(第3カメラ)
68・・・出力インタフェース
70・・・ゲスト通信端末(通信端末)
80・・・印刷装置
81・・・カード読取装置
92・・・端末アプリケーションプログラム
94・・・端末アプリケーションプログラム
95・・・顔認証プログラム
99・・・自動翻訳ソフトウエア
【要約】
【課題】複数の宿泊施設に対して、本人確認を含むチェックイン業務の代行サービスを提供する。
【解決手段】施設設置端末20が各宿泊施設11にそれぞれ設置されている。ゲストは、チェックイン時、身分証明書を施設設置端末20のカメラに撮像させる。施設設置端末20は、宿泊施設の名称である施設名、ゲストの画像、身分証明書の画像、及びゲストの氏名等を、インターネット14及びサーバ40を通じて管理端末30に送信する。管理端末30のオペレータであるコンシェルジュは、施設名を用いてウェブサイト上の予約利用管理システムにアクセスし、ゲストの予約情報を取得する。コンシェルジュは、ゲストの画像と身分証明書の画像とから本人確認を行い、且つゲストの氏名等と予約情報とが一致することにより、チェックインを受け付ける。
【選択図】
図1