(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】垂直自動搬送機
(51)【国際特許分類】
B66B 17/20 20060101AFI20250210BHJP
B66B 3/02 20060101ALI20250210BHJP
【FI】
B66B17/20 B
B66B3/02 P
(21)【出願番号】P 2024029366
(22)【出願日】2024-02-29
【審査請求日】2024-03-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) ▲1▼ 販売日 令和5年(2023年)03月23日 ▲2▼ 販売場所 プライムケア東海株式会社(静岡県焼津市三和1045番地) ▲3▼ 公開者 深澤 正信(静岡県焼津市石脇下196番地) ▲4▼ 公開された発明の内容 深澤 正信が発明した垂直自動搬送機を、プライムケア東海株式会社に販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】524077863
【氏名又は名称】深澤 正信
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】深澤 正信
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-153515(JP,A)
【文献】特開平05-262485(JP,A)
【文献】特開2008-201534(JP,A)
【文献】特開2000-168909(JP,A)
【文献】特開2015-026148(JP,A)
【文献】特開昭60-167883(JP,A)
【文献】特開2011-111296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-3/02
B66B 17/20
B65G 1/00-1/133
B65G 1/14-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、
上記篭内に収容されるパレットと、
を具備し、
上記パレットは自走して上記篭に出入り
し、
上記パレットは無限軌道によって自走し、
上記無限軌道はループ状のチェーンであり、
上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、
上記ループ状のチェーンの両方が1つのモータによって駆動され、
上記ループ状のチェーンは上記パレットの外形を囲うことを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項2】
上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、
上記篭内に収容されるパレットと、
を具備し、
上記パレットは自走して上記篭に出入りし、
上記パレットは無限軌道によって自走
し、
上記無限軌道はループ状のチェーンであり、
上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、
上記ループ状のチェーンのそれぞれに対応したモータによって駆動され、
上記ループ状のチェーンは上記パレットの外形を囲うことを特徴とする垂直自動搬送機械。
【請求項3】
請求項
1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記
篭は各階にて停止され、
上記篭が減速を開始する位置を検出する篭減速位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項4】
請求項
1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記
篭は各階にて停止され、
上記
篭の停止位置を検出する篭停止位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項5】
請求項
1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記
篭は各階にて停止され、
上記
パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、
上記篭内には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項6】
請求項
1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記
篭は各階にて停止され、
上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、
上記篭内には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項7】
請求項1
又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記篭は各階にて停止され、
上記
パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、
上記各階には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項8】
請求項1
又は請求項2記載の垂直自動搬送装機において、
上記篭は各階にて停止され、
上記
パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、
上記
各階には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【請求項9】
請求項1
又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、
上記
パレットの上記篭からのはみ出しを検出するはみ出し検出センサが設けられていることを特徴とする垂直自動搬送機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の階に被搬送物を搬送する垂直自動搬送機に係り、特に、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の垂直自動搬送機の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
特許文献1に記載された垂直自動搬送機は概略次のような構成になっている。まず、建物内の上下に延長された搬送路内に搬送リフトが昇降可能に設置されている。上記搬送リフト内に荷物が搭載された運搬車が搬入・搬出される。
上記搬送リフトは上記建物の1階又は2階で停止される。上記運搬車は、上記搬送リフト内に設置されたチェーンコンベア、及び、上記建物の1階及び2階に設置された補助チェーンコンベアによって搬出・搬入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では次のような問題があった。
搬送リフトには運搬車の搬入・搬出を行うチェーンコンベアが設置されており、又、建物の1階及び2階にも運搬車を上記搬送リフトに搬入・搬出するための補助チェーンコンベアが設置されていて、全体として構成が大掛かりで複雑であるという問題があった。
又、作業者が上記搬送車を上記補助チェーンコンベアに載せなければならず、搬送作業が面倒であるという問題があった。
又、補助チェーンコンベアの高さ分、段差解消のためのスロープを長く設置しなければならず、その為、垂直自動搬送機に要する面積を広く必要としてしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができる垂直自動搬送機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による垂直自動搬送機は、上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、上記篭内に収容されるパレットと、を具備し、上記パレットは自走して上記篭に出入りし、上記パレットは無限軌道によって自走し、上記無限軌道はループ状のチェーンであり、上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、上記ループ状のチェーンの両方が1つのモータによって駆動され、上記ループ状のチェーンは上記パレットの外形を囲うことを特徴とするものである。
又、請求項2による垂直自動搬送機は、上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、上記篭内に収容されるパレットと、を具備し、上記パレットは自走して上記篭に出入りし、上記パレットは無限軌道によって自走し、上記無限軌道はループ状のチェーンであり、上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、上記ループ状のチェーンのそれぞれに対応したモータによって駆動され、上記ループ状のチェーンは上記パレットの外形を囲うことを特徴とするものである。
又、請求項3による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記篭が減速を開始する位置を検出する篭減速位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項4による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記篭の停止位置を検出する篭停止位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記篭内には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項6による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記篭内には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項7による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記各階には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項8による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送装機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記各階には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項9による垂直自動搬送機は、請求項1又は請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記パレットの上記篭からのはみ出しを検出するはみ出し検出センサが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上述べたように本願発明の請求項1による垂直自動搬送機によると、上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、上記篭内に収容されるパレットと、を具備し、上記パレットは自走して上記篭に出入りする構成になっているので、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができる。
又、請求項2による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記パレットは無限軌道によって自走する構成になっているので、構成をより簡略化することができる。
又、請求項3による垂直自動搬送機によると、請求項2記載の垂直自動搬送機において、上記無限軌道はループ状のチェーンであるので、構成をより簡略化することができる。
又、請求項4による垂直自動搬送機によると、請求項3記載の垂直自動搬送機において、上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、上記ループ状のチェーンの両方が1つのモータによって駆動される構成になっているので、構成をより簡略化することができる。又、両側のチェーンを同時に正確に駆動させることができる。
又、請求項5による垂直自動搬送機によると、請求項3記載の垂直自動搬送機において、上記ループ状のチェーンは上記パレットの幅方向両側のそれぞれに設置されていて、上記ループ状のチェーンのそれぞれに対応したモータによって駆動される構成になっているので、両側のチェーンを確実に駆動させることができ、モータの小型化を図ることができる。
又、請求項6による垂直自動搬送機によると、請求項4又は請求項5記載の垂直自動搬送機において、上記ループ状のチェーンは上記パレットの外形を囲う構成になっているので、開口部を大きく確保でき、被搬送物の搬入作業及び搬出作業の容易化を図ることができる。
又、請求項7による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記篭が減速を開始する位置を検出する篭減速位置検出センサが設けられているので、上記篭を適切に減速させることができる。
又、請求項8による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記篭の停止位置を検出する篭停止位置検出センサが設けられているので、上記篭を適切に停止させることができる。
又、請求項9による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記篭内には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられているので、上記パレットを適切に減速させることができる。
又、請求項10による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記篭内には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられているので、上記パレットを適切に停止させることができる。
又、請求項11による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記各階には上記パレットが減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサが設けられているので、上記パレットを適切に減速させることができる。
又、請求項12による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送装機において、上記篭は各階にて停止され、上記パレットは上記篭が停止された際に上記篭に出入り可能であり、上記各階には上記パレットの停止位置を検出するパレット停止位置検出センサが設けられているので、上記パレットを適切に停止させることができる。
又、請求項13による垂直自動搬送機によると、請求項1記載の垂直自動搬送機において、上記パレットの上記篭からのはみ出しを検出するはみ出し検出センサが設けられているので、上記パレットの上記篭からのはみ出しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、垂直自動搬送機の正面図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図1のII-II矢視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図3(a)はパレットを進行方向側から視た図、
図3(b)は
図3(a)のIIIb-IIIb矢視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、パレットの平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図5(a)は建物の2階にパレットを下ろした状態を示す図、
図5(b)は2階側に移動させた篭にパレットを搬入した状態を示す図、
図5(c)はパレットを搬入した篭を1階側に移動させた図、
図5(d)は建物の1階にパレットを下ろした状態を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、建物の2階にパレットを下ろした状態を示す2階部分の平面図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態を示す図で、建物の1階にパレットを下ろした状態を示す1階部分の平面図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態を示す図で、チェーンの構成を示す分解斜視図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図9(a)は
図3(b)のIXa部の拡大図、
図9(b)は
図3(a)のIXbの拡大図である。
【
図10】本発明の第2の実施の形態を示す図で、パレットを進行方向側から視た図である。
【
図11】本発明の第3の実施の形態を示す図で、パレットの平面図である。
【
図12】本発明の第4の実施の形態を示す図で、パレットの側面図である。
【
図13】本発明の第5の実施の形態を示す図で、パレットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1から
図9を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。
この第1の実施の形態による垂直自動搬送機1は、
図1、
図2に示すように、2階建ての建物3内に設置されている。上記建物3内には、
図1中上下方向に延長された搬送路5がある。上記建物3内にはフレーム7が設置されている。上記フレーム7の
図1中左側は上記搬送路5内に配置されている。
【0010】
上記フレーム7の
図1中左側の上側には滑車11、13が設置されている。又、上記フレーム7の
図1中右側の上側には滑車15と電動ホイスト17が設置されている。
上記搬送路5内には篭21が設置されている。上記篭21の
図1中上側には昇降用ワイヤ23の先端が連結されている。上記昇降用ワイヤ23は上記滑車11、13、15に巻回され、基端側から上記電動ホイスト17のドラム25に巻き取られている。上記電動ホイスト17によって上記昇降用ワイヤ23を巻き取ることにより上記篭21を上昇させ、上記電動ホイスト17のドラム25から上記昇降用ワイヤ23を繰り出すことにより上記篭21を下降させる。
上記滑車15にはバランサ16が取り付けられていて、上記籠21の昇降動作の安定化を図っている。
【0011】
上記篭21は上記搬送路5内を昇降されて、上記建物3の1階及び2階で停止される。上記搬送路5内の
図1中上下方向中央付近には、上記篭21が上記建物3の1階に向かって下降される際に減速を開始する位置を検出する下降側篭減速位置検出センサ27が設置されている。又、上記下降側篭減速位置検出センサ27の
図1中下側には、上記篭21の上記建物3の1階での停止位置を検出する下降側篭停止位置検出センサ29が設置されている。
上記搬送路5内の
図1中上側には、上記篭21が上記建物3の2階に向かって上昇される際に減速を開始する位置を検出する上昇側篭減速位置検出センサ31が設置されている。又、上記上昇側篭減速位置検出センサ31の
図1中上側には、上記篭21の上記建物3の2階での停止位置を検出する上昇側篭停止位置検出センサ33が設置されている。
【0012】
上記垂直自動搬送機1には上記篭21内に収容されるパレット41がある。上記パレット41には、
図3に示すように、略直方体形状の外枠43と、上記外枠43の底部(
図3中下側)に設けられた底板45がある。上記外枠43の幅方向両側には、それぞれ、スプロケット47、49、51、53が設置されている。上記スプロケット47、49、51、53は、上記外枠43の角に配置されている。上記スプロケット47、49、51、53には無限軌道としてのループ状チェーン55が巻回されている。上記スプロケット47、49、51、53は上記外枠43の角に配置されているので、上記ループ状チェーン55は上記外枠43の幅方向(
図3(b)中紙面方向)両側それぞれの外周を囲うように配置されている。
【0013】
上記ループ状チェーン51は
図8に示すような構成をなしている。複数個のローラユニット52があり、このローラユニット52は一対の内プレート54、54の間にブッシュ56を介してローラ58を取り付けた構成になっている。このようなローラユニット52を一対の外リンク60、60、ピン62、62を介して連結することにより上記チェーン51が構成されている。
【0014】
一方、
図9に示すように、上記外枠43の下端部の適所には接地部材64が取り付けられていて、これら複数個の接地部材64は上記チェーン51の各ローラユニット52のローラ58に当接されている。又、上記接地部材64と上記内プレート54、外リンク60との間には隙間が形成されている。このような構成とすることによりチェーン51、51の円滑な回転動作を得るようにしている。
【0015】
上記パレット41には2つの中空モータ57がある。上記中空モータ57は上記パレット41の底部側(
図3中下側)の幅方向(
図3中左右方向)両側のそれぞれに設置されている。上記中空モータ57、57によってスプロケット47、47が回転されて上記ループ状チェーン55、55が駆動され、それによって、上記パレット41が自走する。
【0016】
又、
図4に示すように、上記パレット41の幅方向(
図4中上下方向)両側には、観音扉61、61、観音扉63、63が設置されている。又、上記パレット41の進行方向(
図4中左右方向)両側には金網65、67が設置されている。
【0017】
図5に示すように、上記篭21は上記建物3の1階又は2階で停止され、上記パレット41は上記建物3の1階又は2階において自走して上記篭21から出入りする。
【0018】
図1に示すように、上記建物3の1階であって上記搬送路5の
図1中右側には、1階側安全柵71が設置されている。上記1階側安全柵71には外枠73があり、上記外枠73の反搬送路5側(
図1中右側)は金網75によって閉塞されている。上記外枠73の幅方向(
図1中紙面方向)両側それぞれには開口部77、77があり、上記開口部77、77のそれぞれには蛇腹状の伸縮扉79、79が設置されている。
又、上記建物3の1階の床81の上であって上記1階側安全柵71の開口部77、77の外側には、図示しない荷物の上記パレット41からの搬出及び搬入の際に使用されるスロープ83、83が設置されている。
又、上記1階側安全柵71の開口部77、77の近傍には上記篭21の昇降、上記パレット41の搬入と搬出、及び、上記伸縮扉79、79の開閉操作を行う操作盤85、85が設置されている。
【0019】
図1に示すように、上記建物3の2階にも、上記搬送路5の
図1中左側に2階側安全柵91、スロープ93、93、及び、操作盤95、95が設置されている。上記2階側安全柵91も上記1階側安全柵71と同様の構成であり、上記スロープ93、93及び上記操作盤95、95が1階側の上記スロープ83、83及び上記操作盤85、85と同様に配置されている。
【0020】
図6に示すように、上記パレット41が上記建物3の2階でおろされ、上記2階側安全策91の伸縮扉79、79が開くと、上記パレット41の観音扉61、61、63、63を開くことができる。
又、
図7に示すように、上記パレット41が上記建物3の1階でおろされ、上記1階側安全策71の伸縮扉79、79が開くと、上記建物3の2階でおろされた場合と同様、上記パレット41の観音扉61、61、観音扉63、63を開くことができる。
【0021】
図1に示すように、上記篭21内には上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ101が設けられているとともに、上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ103が設けられている。
又、上記搬送路5内には、上記パレット41の上記篭21からのはみ出しを検出するはみ出し検出センサ105が設けられている
【0022】
又、
図1に示すように、上記建物3の1階側にも上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ111が設けられているとともに、上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ113が設けられている。
又、
図1に示すように、上記建物3の2階側にも上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ121が設けられているとともに、上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ123が設けられている。
【0023】
又、
図5に示すように、上記パレット41の中空モータ57、57に電力を供給するケーブル131が敷設されている。上記ケーブル131は、上記パレット41が上記搬送路5、上記1階側安全柵71、及び、上記2階側安全策91内を移動されても断線しないように配置される。
【0024】
次に、この第1の実施の形態の作用について説明する。
垂直自動搬送機1の篭21は、電動ホイスト17によって昇降用ワイヤ23を巻き取ることにより建物3の搬送路5内を上昇され、上記電動ホイスト17によって昇降用ワイヤ23が繰り出されることにより上記建物3の搬送路5内を下降される。
【0025】
上記篭21は、上記建物3の1階又は2階で停止される。上記篭21が上記建物3の1階から2階に向かう場合、上昇側篭減速位置検出センサ31がオンになると上記篭21の減速が開始され、上昇側篭停止位置検出センサ33がオンになると上記篭21が上記建物3の2階で停止される。上記篭21が上記建物3の2階から1階に向かう場合、下降側篭減速位置検出センサ27がオンになると上記篭21の減速が開始され、下降側篭停止位置検出センサ29がオンになると上記篭21が上記建物3の1階で停止される。
【0026】
パレット41は、ループ状チェーン55、55を中空モータ57、57によって駆動することで自走し、上記篭21から出入りする。上記パレット41は上記篭21内に収容される際、パレット減速位置検出センサ101がオンになると減速を開始し、パレット停止位置検出センサ103がオンになると停止する。
上記パレット41は、上記篭21から出て1階側安全柵71内に移動する際は、パレット減速位置検出センサ111がオンになると減速を開始し、パレット停止位置検出センサ113がオンになると停止する。
又、上記パレット41は、上記篭21から出て2階側安全柵91内に移動する際は、パレット減速位置検出センサ121がオンになると減速を開始し、パレット停止位置検出センサ123がオンになると停止する。
【0027】
次に、上記垂直自動搬送機1を用いて建物3の2階から1階に図示しない荷物を移動させる場合について説明する。
まず、
図5(a)に示すように、パレット41が上記建物3の2階側安全柵91側に移動されている。上記2階側安全柵91の伸縮扉79を開けるとともに上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を開け、図示しない荷物をスロープ93に沿って移動させ上記パレット41内に搬入する。
次に、上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を閉じるとともに上記2階側安全柵91の伸縮扉79を閉じ、上記パレット41を自走させて
図5(b)に示すように上記篭21内に収容する。
次に、電動ホイスト17によって昇降用ワイヤ23を繰り出して上記篭21を
図5(c)に示すように上記建物3の1階に降下させる。
次に、上記パレット41を自走させて上記篭21から搬出し、
図5(d)に示すように、1階側安全柵71内に移動させる。次に、上記1階側安全柵71の伸縮扉79を開けるとともに上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を開け、上記パレット41内の図示しない荷物をスロープ83に沿って移動させ、上記パレット41の外に移動させる。
【0028】
次に、上記垂直自動搬送機1を用いて建物3の1階から2階に図示しない荷物を移動させる場合について説明する。
まず、
図5(d)に示すように、パレット41が上記建物3の1階側安全柵71側に移動されている。上記1階側安全柵71の伸縮扉79を開けるとともに上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を開け、図示しない荷物をスロープ83に沿って移動させ上記パレット41内に搬入する。
次に、上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を閉じるとともに上記1階側安全柵71の伸縮扉79を閉じ、上記パレット41を自走させて
図5(c)に示すように上記篭21内に収容する。
次に、電動ホイスト17によって昇降用ワイヤ23を送り出して上記篭21を
図5(b)に示すように上記建物3の1階に降下させる。
次に、上記パレット41を自走させて上記篭21から搬出し、
図5(a)に示すように、2階側安全柵91内に移動させる。次に、上記2階側安全柵91の伸縮扉79を開けるとともに上記パレット41の観音扉61、61又は観音扉63、63を開け、上記パレット41内の図示しない荷物をスロープ93に沿って移動させ、上記パレット41の外に移動させる。
【0029】
次に、この第1の実施の形態の効果について説明する。
垂直自動搬送機1には、自走して篭21に出入りするパレット41があるので、作業者が上記パレット41をコンベアに載せたり上記コンベアから降ろしたりする作業を行う必要がなく、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができる。
上記パレット41は無限軌道としてのループ状のチェーン55、55で自走するので、上記パレット41を更に簡易な構成にできる。
上記ループ状のチェーン55、55は上記パレット41の幅方向両側のそれぞれに設置されていて、上記ループ状のチェーン55のそれぞれが1つの中空モータ57によって駆動されるので、上記パレット41を効果的に自走させることができる。
上記ループ状のチェーン55は上記パレット41の外形を囲うように配置されているので、上記パレット41の側面に搬入及び搬出用の開口部を大きく確保でき、図示しない荷物の搬入作業及び搬出作業を行い易くできる。
又、篭21が減速を開始する位置を検出する下降側篭減速位置検出センサ27及び上昇側篭減速位置検出センサ31が設置されているので、上記篭21を適切に減速できる。
又、上記篭21の停止位置を検出する下降側篭停止位置検出センサ29及び上昇側篭停止位置検出センサ33が設けられているので、上記篭21を適切に停止できる。
又、上記篭21内には上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ101が設けられているので、上記篭21内において上記パレット41を適切に減速できる。
又、上記篭21内には上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ103が設けられているので、上記篭21内において上記パレット41を適切に停止できる。
上記建物3の1階側にも上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ111が設けられているとともに、上記建物3の2階側にも上記パレット41が減速を開始する位置を検出するパレット減速位置検出センサ121が設けられているので、上記篭21から搬出されたあとも上記パレット41を適切に減速できる。
上記建物3の1階側にも上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ113が設けられているとともに、上記建物3の2階側にも上記パレット41の停止位置を検出するパレット停止位置検出センサ123が設けられているので、上記篭21から搬出されたあとも上記パレット41を適切に停止できる。
又、上記搬送路5内には、上記パレット41の上記篭21からのはみ出しを検出するはみ出し検出センサ105が設けられているので、上記パレット41の上記篭21からのはみ出しを防止できる。
【0030】
次に、
図10を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態による垂直自動搬送機では、パレット201が用いられる。このパレット201は、前記第1の実施の形態におけるパレット41と略同様の構成であるが、中空モータ57、57が上記パレット201の天井側(
図10中上側)に設置されている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、図中同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】
この第2の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏する。
【0032】
次に、
図11を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態による垂直自動搬送機では、パレット301が用いられる。このパレット301は、前記第1の実施の形態におけるパレット41と略同様の構成であるが、上記パレット301の幅方向(
図11中上下方向)両側の観音扉61、61、観音扉63、63の他に、進行方向の一方側(
図11中右側)にも観音扉303、303が設けられている。
【0033】
この第3の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏するほか、上記パレット301の三方向に観音扉が設けられているので、上記パレット301の荷物の搬入及び搬出をより効果的に行うことができる。
【0034】
次に、
図12を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。
この第4の実施の形態による垂直自動搬送機では、パレット401が用いられる。このパレット401は、前記第1の実施の形態におけるパレット41と略同様の構成であるが、中空モータ57が天井側(
図12中上側)に1つだけ設置されていて、この中空モータ57のみでループ状チェーン55、55が駆動されるようになっている。
尚、上記パレット401では、上記パレット41と比べて天井側の幅方向(
図12中紙面方向)両側にはそれぞれ3つのスプロケット403、405、407が追加されており、上記中空モータ57によって上記スプロケット405、405を回転させることで上記ループ状チェーン55、55が駆動される。
【0035】
この第4の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏するほか、中空モータ57が一つだけなので、パレット401の構成をより簡易なものとすることができる。
【0036】
次に、
図13を参照しながら、本発明の第5の実施の形態について説明する。
この第5の実施の形態による垂直自動搬送機では、パレット501が用いられる。このパレット501は、前記第1の実施の形態におけるパレット41と略同様の構成であるが、上記パレット501の幅方向の一方(
図13中上側)のみに観音扉503、503が設けられている。
尚、上記パレット501の幅方向の他方(
図13中下側)には金網505が設けられている。
【0037】
この第5の実施の形態の場合も、前記第1の実施の形態の場合と同様の作用と効果を奏するが、上記観音扉503、503が一箇所にしか設けられていないため、荷物を搬入及び搬出できる場所が限定されてしまうが、パレット501の構成はより簡易になる
【0038】
尚、本発明は前記第1~第5の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、パレットにバッテリが設置されていて、パレットに外部から電力を供給されずに自走できる場合が考えられる。
又、パレットの無限軌道として、チェーン以外にも、ベルト等様々なものが考えられる。
又、搬送路内に篭をガイドするガイドレールが設置されることも考えられる。
その他、本発明は図示したものに限定されず、その他にも様々な構成が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、複数の階に被搬送物を搬送する垂直自動搬送機に係り、特に、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、倉庫内の垂直自動搬送機に好適である。
【符号の説明】
【0040】
1 垂直自動搬送機
5 搬送路
21 篭
27 下降側篭減速位置検出センサ
29 下降側篭停止位置検出センサ
31 上昇側篭減速位置検出センサ
33 上昇側篭停止位置検出センサ
41 パレット
55 ループ状チェーン(無限軌道)
57 中空モータ
101 パレット減速位置検出センサ
103 パレット停止位置検出センサ
105 はみ出し検出センサ
111 パレット減速位置検出センサ
113 パレット停止位置検出センサ
121 パレット減速位置検出センサ
123 パレット停止位置検出センサ
【要約】 (修正有)
【課題】構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化を図ることができる垂直自動搬送機を提供すること。
【解決手段】本願発明による垂直自動搬送機によると、上下方向に延長された搬送路内を移動される篭と、上記篭内に収容されるパレットと、を具備し、上記パレットは自走して上記篭に出入りすることを特徴とするものであり、それによって、構成の簡略化、設置スペースの縮小化、搬送作業の容易化といった効果を得ることができる。
【選択図】
図5