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特許7630871丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラム
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  • 特許-丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-07
(45)【発行日】2025-02-18
(54)【発明の名称】丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20250210BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024188241
(22)【出願日】2024-10-25
【審査請求日】2024-10-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524393992
【氏名又は名称】芦田 拓弘
(74)【代理人】
【識別番号】100195752
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 一正
(72)【発明者】
【氏名】芦田 拓弘
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-126148(JP,A)
【文献】特開2002-259494(JP,A)
【文献】特開2001-325496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸太の流通を促進する丸太流通システムであって、
製材所が所有する製材所側通信端末と、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末と、
林業業者が所有する林業業者側通信端末と、
前記製材所側通信端末、前記丸太市場側通信端末、及び前記林業業者側通信端末と通信可能なサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記丸太市場における丸太の在庫情報を前記丸太市場側通信端末から受信して前記在庫情報を保存する保存部と、
前記丸太市場側通信端末から受信した前記在庫情報を前記製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握部と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から受信した丸太引合情報を前記保存部に保存するとともに、少なくとも前記林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知部と、を有し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とする丸太流通システム。
【請求項2】
前記丸太引合情報における前記丸太の品質は、丸太における節の有無と場所を含み、
前記節の有無と節の場所は、4方向に節がある一等材、1cm以下の節が1面~4面のどこにあるかを選択する上小材、すべての方向に節がない無節、隣あったL面や対面(トイ面)に節のない上小や無節を選択した情報であることを特徴とする請求項1に記載の丸太流通システム。
【請求項3】
前記丸太引合情報周知部は、前記丸太市場側通信端末から送信された前記在庫情報に希望する丸太の在庫がない場合に、前記丸太市場からの前記丸太引合情報を前記林業業者側通信端末へ周知することを特徴とする請求項1に記載の丸太流通システム。
【請求項4】
丸太の流通を促進するためにサーバが実行する丸太流通方法であって、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から前記丸太市場における丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を有し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とする丸太流通方法。
【請求項5】
丸太の流通を促進するためにサーバに実行させるプログラムであって、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から前記丸太市場における丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を実行し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とするサーバに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に林業業者からの丸太流通の効率化を図る丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材を最終的に利用する工務店や家具等の製造事業者は、設計図面等を介してプレカット業者に木材を発注し、プレカット業者は製材所に対して丸太を発注し、製材所はどの丸太市場に必要な丸太の在庫があるかを歩いて確認し、在庫があれば丸太を発注している。
【0003】
ところが、現在の木材流通の仕組みでは、必要な木材が工務店や家具等の製造事業者に届くための納期が長く、品質的にも必要なグレードの木材ではないものが届くという問題があり、これらの問題をITにより解決することが望まれている。
【0004】
特許文献1には、CADセンターを設けて建築物件ごとに部材データや加工データを作成し、部材の種類ごとにインターネットに必要な木材情報を公開し、プレカット業者からの受注希望を募る構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許文献1:特開2002-236831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、丸太市場に必要な丸太の在庫がない場合に納期が長くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決して、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の受注希望を募り、必要な品質の丸太の早期入手を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、丸太の流通を促進する丸太流通システムであって、
製材所が所有する製材所側通信端末と、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末と、
林業業者が所有する林業業者側通信端末と、
前記製材所側通信端末、前記丸太市場側通信端末、及び前記林業業者側通信端末と通信可能なサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記丸太市場における丸太の在庫情報を前記丸太市場側通信端末から受信して前記在庫情報を保存する保存部と、
前記丸太市場側通信端末から受信した前記在庫情報を前記製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握部と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から受信した丸太引合情報を前記保存部に保存するとともに、少なくとも前記林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知部と、を有し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とする丸太流通システムを提供するものである。
【0009】
この構成により、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【0010】
丸太流通システムであって、前記丸太引合情報における前記丸太の品質は、丸太における節の有無と場所を含み、
前記節の有無と節の場所は、4方向に節がある一等材、1cm以下の節が1面~4面のどこにあるかを選択する上小材、すべての方向に節がない無節、隣あったL面や対面(トイ面)に節のない上小や無節を選択した情報である構成としてもよい。
【0011】
この構成により、必要な品質の丸太をダイレクトに林業業者に指定でき、発注効率が向上する。
【0012】
丸太流通システムであって、前記丸太引合情報周知部は、前記丸太市場側通信端末から送信された前記在庫情報に希望する丸太の在庫がない場合に、前記丸太市場からの前記丸太引合情報を前記林業業者側通信端末へ周知する構成としてもよい。
【0013】
この構成により、丸太市場に希望の丸太があれば、効率よく発注することができる。
【0014】
また、上記課題を解決するために本発明は、丸太の流通を促進するためにサーバが実行する丸太流通方法であって、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から前記丸太市場における丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を有し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とする丸太流通方法を提供するものである。
【0015】
この構成により、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【0016】
さらに、上記課題を解決するために本発明は、丸太の流通を促進するためにサーバに実行させるプログラムであって、
丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から前記丸太市場における丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、
必要な丸太がいずれの前記丸太市場にも在庫がない場合は、前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を実行し、
前記丸太引合情報は、丸太の品質と産地を少なくとも指定可能であることを特徴とするサーバに実行させるプログラムを提供するものである。
【0017】
この構成により、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラムにより、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1における丸太流通システムを説明する図である。
図2】本発明の実施例1における丸太流通方法を説明する図である。
図3】本発明の実施例1における丸太引合情報における情報例を説明する図である。
図4】本発明の実施例1における林業業者側通信端末に表示された丸太引合情報の例を示す図である。
図5】本発明の実施例1における林業業者側通信端末に表示された引合情報詳細例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
(丸太流通システム) 本発明の実施例1の丸太流通システムを図1図5を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1における丸太流通システムを説明する図である。図2は、本発明の実施例1における丸太流通方法を説明する図である。図3は、本発明の実施例1における丸太引合情報における情報例を説明する図である。図4は、本発明の実施例1における林業業者側通信端末に表示された丸太引合情報の例を示す図である。図5は、本発明の実施例1における林業業者側通信端末に表示された引合情報詳細例を示す図である。
【0021】
実施例1における丸太流通システム100は、図1に示すように、製材所が所有する製材所側通信端末40と、それぞれの丸太市場が所有する丸太市場側通信端末20(20a、20b)と、それぞれの林業業者が所有する林業業者側通信端末30(30a、30b)と、サーバ10とを備えている。
【0022】
なお、図1に示す丸太市場側通信端末20は2台であるが、1台であっても3台以上であってもよい。また、同様に、林業業者側通信端末30は、1台であっても3台以上であってもよい。さらに、製材所側通信端末40は、2台以上あってもよい。
【0023】
サーバ10は、丸太市場側通信端末20、林業業者側通信端末30、及び製材所側通信端末40とは、それぞれインターネット等を介して相互に通信が可能である。
【0024】
サーバ10には、在庫情報把握部11、保存部12、丸太引合情報周知部13を有している。在庫情報把握部11は、それぞれの丸太市場側通信端末20と通信を行って、それぞれの丸太市場における丸太の在庫情報を受信して把握する。把握した在庫情報は、保存部12に保存するとともに、製材所側通信端末40に送信する。
【0025】
製材所では、この在庫情報をディスプレイ等に表示して、図示しないプレカット業者や家具製造事業者からの注文にあった丸太があるか否かを検討することができる。従来は、実際にそれぞれの丸太市場まで足を運び、目で見て在庫を確認していたが、この手間が大幅に改善されることになる。
【0026】
在庫情報を確認して、必要な丸太がいずれの丸太市場にも在庫がない場合は、製材所側通信端末40からサーバ10に対して丸太引合情報を送信し、サーバ10は受信した丸太引合情報を保存部12に保存するとともに、丸太引合情報周知部13からそれぞれの林業業者側通信端末30へ丸太引合情報を送信して周知する。林業業者側通信端末30に表示された丸太引合情報の例を図4に示す。図4においては、複数の製材所や複数の丸太市場からの引合情報が表示された状態を示している。
【0027】
なお、実施例1においては、丸太引合情報周知部13からそれぞれの林業業者側通信端末30へ丸太引合情報を送信して周知するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、丸太引合情報周知部13から指定された特定の林業業者側通信端末30へのみ丸太引合情報を送信して公開するようにしてもよい。また、丸太引合情報周知部13は、それぞれの林業業者側通信端末30に加えて、それぞれの丸太市場側通信端末20へも丸太引合情報を送信して周知するようにしてもよく、少なくとも林業業者側通信端末30に丸太引合情報を送信して周知すればよい。
【0028】
林業業者は、山林の伐採作業を行っているとき等に、丸太引合情報に適合する丸太が得られる場合がある。そのため、当該丸太引合情報に対して「引合内容の確認」をクリックして詳細な引合内容を確認する。「引合内容の確認」をクリックするとその旨サーバ10に送信され、図5に示すような詳細な引合内容が林業業者側通信端末30に表示される。図5には、京都府内産の杉や檜が無節(節がない)や上小(1cm以下の節を有する)の品質指定を行った注文情報(発注情報)が表示されている。林業業者は、この表示を確認して受注可能であれば、「引合を受ける」をクリックする。そうすると、受注希望がすぐさま製材所側通信端末40に送信される。製材所ではこの受注希望に対して検討を行い、問題がなければ、発注情報をサーバ10へ送信する。サーバ10は、送信された発注情報を当該林業業者が所有する林業業者側通信端末30へ送信する。
【0029】
なお、丸太の価格は事前に組合等によって決められている場合がある。その場合、個々の受発注時に価格交渉を行う必要はなく迅速な受発注作業が実行される。但し、品質については、個別に指定と確認が必要である。例えば、床の間に使う丸太であれば、真っすぐで節のない丸太が必要であり、4方向のうち2方向が壁に埋まり異なる別の2方向のみが室内から見える箇所に用いる場合は、室内から見える2方向に節がなく、見えない方向には節があってもよい。
【0030】
本願発明における実施例1においては、これらの品質情報を上述の丸太引合情報に含めて指定することができる。これにより、実際に伐採現場に足を運んで丸太を確認する必要がなく、品質についても問題なく受発注作業をスムーズに効率よく行うことができる。
【0031】
図3に丸太引合情報における情報例を示す。この例では、丸太の産地、樹種、末口径、長さ、本数、品質、その他の情報が含まれている。産地情報としては、指定なし、京都府、その他の地域が指定される。ここで、京都府産を指定して京都府内産ブランドとして付加価値をつけることができる。末口径は丸太の幹の太さ(直径)であり、16cm、18cm、20cm、30cmなどと指定される。樹種としては、杉、檜、松等の針葉樹や楢、桜、朴等の広葉樹を指定した情報とすることができる。また、必要な長さや末口径毎に本数を指定した情報とできる。
【0032】
品質の情報としては、4方向に節がある一等材、1cm以下の節が1面~4面のどこにあるかを選択する上小材、すべての方向に節がない無節、隣あったL面や対面(トイ面)に節のない上小や無節を選択した情報が含まれる。その他の情報における特殊材としては、曲がった丸太を希望するであるとか、二股に分かれた丸太を希望するであるような情報を含めることができる。
【0033】
(丸太流通方法、プログラム) 本発明の実施例1における丸太流通方法、プログラムについて、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施例1における丸太流通方法を説明する図であり、サーバ10においてプログラムが実行されることで各工程が実行される。
【0034】
まず、図示しないプレカット業者や家具製造業者から製材所に木材の注文が入ると、当該製材所は各丸太市場における丸太の在庫情報を確認する。つまり、定期的又は必要に応じて各丸太市場側通信端末20からそれぞれの丸太の在庫情報がサーバ10に送信され、サーバ10は各丸太市場の在庫情報を把握する在庫情報把握工程61がプログラムにより実行される。この在庫情報は製材所側通信端末40へ送信されて表示画面にて在庫を確認できる。
【0035】
製材所にてこの各丸太市場における希望する丸太の在庫有無を確認する作業が表示画面を見て作業者が行う。在庫があれば、当該在庫を有する丸太市場側通信端末20へ発注情報を特定の丸太市場を指示してサーバ10へ送信する。サーバ10では指示された発注情報を指示された丸太市場に対して送信する発注情報送信工程64をサーバ10が実行する。希望する丸太の在庫がどの丸太市場にもなければ、各林業業者側通信端末30へ丸太引合情報の周知依頼を行う。そうすると、製材所が希望する品質情報を含む丸太引合情報を各林業業者側通信端末30へ送信して周知する丸太引合情報周知工程63をサーバ10が実行する。
【0036】
実施例1においては、丸太市場の在庫情報を調べるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更してもよい。例えば、林業業者における在庫情報をサーバ10に送信するようにしてもよい。
【0037】
なお、実施例1においては、丸太引合情報周知工程63で各林業業者側通信端末30へ丸太引合情報を送信して周知するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、丸太引合情報周知工程63では指定された特定の林業業者側通信端末30へのみ丸太引合情報を送信して公開するようにしてもよい。
【0038】
そして、林業業者では、周知又は公開された丸太引合情報を作業者が確認し、例えば、伐採作業中や伐採作業直後に該当するものがあれば、当該丸太引合情報に相当するものを有する林業業者が所有する林業業者側通信端末30からサーバ10へ受注を希望する受注希望情報(図4又は図5における「引合を受ける」。)を送信する。そして、受注希望情報を発した林業業者側通信端末30に対して発注情報を送信する発注情報送信工程67をサーバ10が実行する。
【0039】
もし、いずれの林業業者からも受注希望情報がサーバ10へ送信されなければ、所定の期間をおいて、各丸太市場側通信端末20へ丸太引合情報を送信する丸太引合情報周知工程66をサーバ10が実行する。すると各丸太市場は、林業業者に対して当該丸太引合情報に係る丸太を発注する。
【0040】
なお、実施例1においては、いずれの丸太市場にも希望する丸太がない場合に林業業者側通信端末30に対して丸太引合情報を周知するように構成したが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、いずれの丸太市場にも希望する丸太がない場合に林業業者側通信端末30及び丸太市場側通信端末20に対して丸太引合情報を周知するように構成してもよく、少なくとも林業業者側通信端末30に対して丸太引合情報を送信して周知するようにすればよい。
【0041】
このように、実施例1においては、木材の流通を促進する丸太流通システムであって、 製材所が所有する製材所側通信端末と、 丸太市場が所有する丸太市場側通信端末と、 林業業者が所有する林業業者側通信端末と、 前記製材所側通信端末、前記丸太市場側通信端末、及び前記林業業者側通信端末と通信可能なサーバと、を備え、 前記サーバは、 前記丸太市場側通信端末から在庫情報を受信して前記在庫情報を保存する保存部と、 前記丸太市場側通信端末から受信した前記在庫情報を前記製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握部と、 前記製材所側通信端末から受信した丸太引合情報を前記保存部に保存するとともに、少なくとも前記林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知部と、を有し、 前記丸太引合情報は、丸
太の品質を指定可能であることを特徴とする丸太流通システムにより、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【0042】
また、丸太の流通を促進するためにサーバが実行する丸太流通方法であって、 丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、 前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を有し、 前記丸太引合情報は、丸太の品質を指定可能であることを特徴とする丸太流通方法により、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【0043】
さらに、丸太の流通を促進するためにサーバに実行させるプログラムであって、 丸太市場が所有する丸太市場側通信端末から丸太の在庫情報を受信し保存するとともに、製材所が所有する製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握工程と、 前記製材所側通信端末から送信された丸太引合情報を保存するとともに、少なくとも林業業者が所有する林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知工程と、を実行し、 前記丸太引合情報は、丸太の品質を指定可能であることを特徴とするサーバに実行させるプログラムにより、製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の引合情報を公開し、必要な品質の丸太の早期入手を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明における丸太流通システム、丸太流通方法、及びプログラムは、丸太や木材流通の分野に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0045】
10:サーバ 11:在庫情報把握部 12:保存部
13:丸太引合情報周知部
20(20a、20b):丸太市場側通信端末
30:林業業者側通信端末
40:製材所側通信端末
61:在庫情報把握工程
63:丸太引合情報周知工程
64:発注情報送信工程
66:丸太引合情報周知工程
67:発注情報送信工程
100:丸太流通システム
【要約】      (修正有)
【課題】製材所から丸太市場だけでなく林業業者に対しても必要な丸太の受注希望を募り、必要な品質の丸太の早期入手を図る丸太流通システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】丸太流通システム100は、製材所が所有する製材所側通信端末、丸太市場が所有する丸太市場側通信端末、林業業者が所有する林業業者側通信端末、製材所側通信端末、丸太市場側通信端末及び林業業者側通信端末と通信可能なサーバを備え、サーバは、丸太市場側通信端末から在庫情報を受信して在庫情報を保存する保存部、丸太市場側通信端末から受信した在庫情報を製材所側通信端末へ送信する在庫情報把握部及び製材所側通信端末から受信した丸太引合情報を前記保存部に保存するとともに、少なくとも林業業者側通信端末へ送信して周知する丸太引合情報周知部を有し、丸太引合情報は、丸太の品質を指定可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5