特許 7631529 車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2025-02-07

(45)【発行日】2025-02-18

(54)【発明の名称】車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 50/40 20240101AFI20250210BHJP

   G08G 1/00 20060101ALI20250210BHJP

   B60S 5/00 20060101ALI20250210BHJP

【ＦＩ】

G06Q50/40

G08G1/00 D

B60S5/00

【請求項の数】 13

(21)【出願番号】P 2023538991

(86)(22)【出願日】2022-01-28

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2024-01-12

(86)【国際出願番号】 DE2022200011

(87)【国際公開番号】W WO2022167044

(87)【国際公開日】2022-08-11

【審査請求日】2023-06-23

(31)【優先権主張番号】102021201041.5

(32)【優先日】2021-02-04

(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE

(73)【特許権者】

【識別番号】522296653

【氏名又は名称】コンチネンタル・オートモーティヴ・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング

【氏名又は名称原語表記】Ｃｏｎｔｉｎｅｎｔａｌ Ａｕｔｏｍｏｔｉｖｅ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ ＧｍｂＨ

【住所又は居所原語表記】Ｃｏｎｔｉｎｅｎｔａｌ－Ｐｌａｚａ １， ３０１７５ Ｈａｎｎｏｖｅｒ， Ｇｅｒｍａｎｙ

(74)【代理人】

【識別番号】100069556

【弁理士】

【氏名又は名称】江崎 光史

(74)【代理人】

【識別番号】100111486

【弁理士】

【氏名又は名称】鍛冶澤 實

(74)【代理人】

【識別番号】100191835

【弁理士】

【氏名又は名称】中村 真介

(74)【代理人】

【識別番号】100221981

【弁理士】

【氏名又は名称】石田 大成

(72)【発明者】

【氏名】ドライザイテル・シュテファン

(72)【発明者】

【氏名】シュレーダー・ティーモ

【審査官】飯島 尚郎

(56)【参考文献】

【文献】米国特許出願公開第２０１１／０１３０９１６（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１３／０２２６３９１（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許出願公開第２０１５／０１６１８２５（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許第１０８２４１４５（ＵＳ，Ｂ１）

【文献】特開２０１９－０１５７２１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ ５０／４０

Ｇ０８Ｇ １／００

Ｂ６０Ｓ ５／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムであって、
サーバ・コンピュータ（１００）と、車両コンポーネント（２１０）を有する車両（２００）とを備える、当該システムにおいて、
前記車両（２００）は、車両コンポーネント（２１０）を制御し、かつ当該車両コンポーネント（２１０）の状態を記述する車両データ（ＦＤ）を捕捉する制御コンピュータ（２２０）と、車両データ（ＦＤ）をサーバ・コンピュータ（１００）に送信するデータ送信手段（２３０）とを備え、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）を受信し、かつ車両データ（ＦＤ）を評価するように構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両コンポーネント（２１０）の状態を決定することができるように構成されていて、
前記制御コンピュータ（２２０）は、車両データが車両コンポーネント（２１０）とは異なる別の車両コンポーネント（２１０‘）の状態を記述するように、車両データ（ＦＤ）を捕捉するように構成され、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の状態及び／又は車両コンポーネント（２１０）と別の車両コンポーネント（２１０‘）とから構成されているアセンブリ（２４０）の状態を決定することができるように構成されており、
車両コンポーネント（２１０）は、当該車両コンポーネント（２１０）が前記制御コンピュータ（２２０）によって捕捉する車両データ（ＦＤ）を提供するように、能動的な車両コンポーネントとして構成されており、
別の車両コンポーネント（２１０‘）の少なくとも一つは、当該別の車両コンポーネントによって車両データを提供しないように、受動的な車両コンポーネントとして構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、前記別の車両コンポーネント（２１０‘）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。

【請求項2】

前記サーバ・コンピュータ（１００）が、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の認証を実施するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１に記載のシステム。

【請求項3】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態に応じて、コマンドシグナル（ＫＳ）を生成し、前記コマンドシグナル（ＫＳ）を車両（２００）へ送信するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１又は２に記載のシステム。

【請求項4】

前記データ送信手段（２３０）は、コマンドシグナル（ＫＳ）を受信できるように構成されており、
前記制御コンピュータ（２２０）は、コマンドシグナル（ＫＳ）に応じて、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）の状態が変化するように構成されている、
ことを特徴とする請求項３に記載のシステム。

【請求項5】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態に応じて、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態の記述を含む状態説明シグナル（ＺＳ）を生成するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１から４のうち何れか一項に記載のシステム。

【請求項6】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、状態説明信シグナル（ＺＳ）を車両（２００）に送信するように構成されており、
前記データ送信手段（２３０）は、状態説明シグナル（ＺＳ）を受信できるように構成されており、
車両（２００）は、表示手段（２５０）を備え、
前記制御コンピュータ（２００）は、状態説明シグナル（ＺＳ）に応じて、メッセージを表示手段（２５０）に表示するように構成されている、
ことを特徴とする請求項５に記載のシステム。

【請求項7】

前記サーバ・コンピュータ（１００）の外部、及び車両（２００）の外部に配置されているデータ処理手段（３００）を備える、請求項５又は６に記載されているシステムであって、
当該データ処理手段（３００）は、状態説明シグナル（ＺＳ）を受信し、かつ当該状態説明シグナルに応じて、情報を提供するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。

【請求項8】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を、交通適正並びに／又は適正要求事項並びに／又はメンテナンス状態並びに／又は、完全性及び／若しくは安全要求、に関して決定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１から７のうち何れか一項に記載のシステム。

【請求項9】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、送信された車両データを、一定期間にわたって保存するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１から８のうち何れか一項に記載のシステム。

【請求項10】

前記サーバ・コンピュータ（１００）が、一定期間にわたって保存された車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の車両プロファイルを特徴付けるデータを生成するように構成されており、
車両プロファイルを特徴付けるデータが、車両コンポーネント固有のデータ、及び／又は、ユーザ固有のデータ、及び／又は、摩耗固有のデータ、及び／又は、車両コンポーネント及び／又はアセンブリ（２４０）の動的挙動を記述するデータを含む、
ことを特徴とする請求項９に記載のシステム。

【請求項11】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、送信された車両データ（ＦＤ）を、一定期間にわたって保存された車両データ及び／又は車両プロファイルを特徴付けるデータと比較し、当該比較から、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項９又は１０に記載のシステム。

【請求項12】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）の予測される挙動を特徴付けるデータを算出するように構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、前記サーバ・コンピュータ（１００）が予測される挙動を特徴付けるデータと送信された車両データ（ＦＤ）とを比較することによって、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１から１１のうち何れか一項に記載のシステム。

【請求項13】

前記サーバ・コンピュータ（１００）は、予測される挙動を特徴付けるデータを、数学的なモデルを用いて決定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項１２に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ある車両の完全性と交通安全性を監視し、判定するための該車両の車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムに関する。

【0002】

現行、完全性、安全性、並びに、走行適性、特に車両が所定の規制および基準に適合しているかどうかについては、本質的に車両のドライバーが、責任を負っている。即ち、該ドライバーは、走行前及び走行中、車両並びにシステムが、正常に機能しており、且つ、曝されている条件下において、交通安全性が確保されているか否かを、自ら判断しなければならない。

【0003】

車両及びそのシステムの交通安全性に関する要求事項は、一般的に立法機関によって、規制と基準によって定められている。該規制を遵守しているか否かは、通常、ドイツの場合は、ＴＵＥＶやＤＥＫＲＡなど、公的検査機関に所属する認定検査官による検査の一環として監視されている。車両とそのシステムの検査は、通常、認証を受けた検車場内において実施される。よって、該車両は、定期的に検査官に提示される必要がある。

【0004】

しかし今日の車両及び車両コンポーネントは、非常に煩雑であり、故障したシステムの挙動やその故障によってドライバーにもたらされる結果を割り出すことや予測することは非常に困難である。例えば、ハンドル、ブレーキペダル、アクセルペダル、並びに、ワイヤを介して接続されている他のシステムなど、機械的に接続されているヒューマン・マシーン・インタフェースが減ってきていることから、ドライバーにとっては、システムの摩耗状態のみならず、システムの故障ですら、認識することが困難になってきている。将来的な自律走行／高自動化走行に至る開発、及び／又は、様々なドライバーによる一台の車両の共同使用は、この問題を更に加速するであろう。

【0005】

ドライバー又は車両オーナーが、既存の車両システム及び特に将来的なシステムにおいては、摩耗、故障、又は、他の事象、例えば、改竄、事故、ハッキングなどよる車両状態の変化を、認識することは困難である、又は、少なくともその推測は、非常に曖昧なものである。

【0006】

車両コンポーネントの状態、並びに、それらの相互作用を判定するには、公的検査官による車両メンテナンスや交通適正判断の範疇においても、特別な知識、特別な工具、並びに、より詳しい検査が必要である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0007】

本発明の目的の一つは、車両コンポーネントの完全性のみならず、車両全体の交通安全性を信頼性高く評価するために、それを用いることにより、車両コンポーネントの状態を、確実に捕捉し、信頼性高く判断できる車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0008】

この様な車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムは、請求項１に記載されている。

【0009】

該システムは、サーバ・コンピュータと、車両コンポーネントを有する車両とを備える。該車両は、車両コンポーネントを制御し、且つ、該車両コンポーネントの状態を記述する車両データを捕捉するための制御コンピュータを有している。更に概車両は、車両データを、サーバ・コンピュータに送信するデータ送信手段も有している。該サーバ・コンピュータは、車両データを受信し、該車両データを評価するように構成されている。更に該サーバ・コンピュータは、車両データの評価により、車両コンポーネントの状態を決定することができるように構成されている。

【0010】

制御コンピュータによって捕捉された車両データは、好ましくは他の車両コンポーネントの状態を記述できる。また、この他の車両コンポーネントの車両データも、制御コンピュータから、分析する目的で、サーバ・コンピュータへ送信することができる。該サーバ・コンピュータは、収集された車両データを評価することにより、個々の車両コンポーネントの状態のみならず、様々な車両コンポーネントからなるアセンブリの状態、最終的には、車両全体の状態を決定し、評価することもできる。

【0011】

車両コンポーネントは、先ずは、自らその状態を捕捉することができ、車両データとして制御コンピュータに送信することができるアクティブ／能動的な構成部品であることができる。該制御コンピュータは、該能動的構成部品によって捕捉された車両データを問い合わせ、サーバ・コンピュータへ送信することができる。一方、該車両コンポーネントは、自らは状態を捕捉できない受動的な構成部品としてデザインされていることも可能である。その例としては、シャフトやアームなどの構成部品を挙げることができる。サーバ・コンピュータにおける能動的構成部品の車両データの評価により、ある好ましい実施形態によれば、受動的構成部品の状態も推定できる。

【0012】

車両の各車両データが、各車両の特徴的且つ個別な挙動を描写することから、サーバ・コンピュータを用いた車両データの評価により、更には、車両の認証も可能である。尚、システムを騙すためには、データを、サーバ・コンピュータ上だけでなく、車両内自体においても改竄されていなければならないため、車両データの改竄や偽造は、困難である。これにより、該システムは、車両データや車両コンポーネントの偽造を略不可能にする、一義的且つ信頼性の高い車両認証を可能にする。

【0013】

該システムのある可能な実施形態では、サーバ・コンピュータは、車両データの分析後、車両コンポーネント、及び／又は様々な車両コンポーネントからなるアセンブリ、及び／又は車両の決定された状態に応じて、コマンドシグナルを生成し、これを車両に送信できる様に構成されている。そのため、該制御コンピュータは、コマンドシグナルに応じて、車両コンポーネント及び／又はアセンブリを制御する様に構成されている。即ち、車両の特定の機能を、意図的に変更、又は、停止することができる。特に、該サーバ・コンピュータにより、一つの車両コンポーネントの及び／又は複数の車両コンポーネントからなるアセンブリの及び／又は車両の決定された状態に応じて、必要な場合には対策を講じることが可能である。

【0014】

該システムの更なる実施形態によれば、該サーバ・コンピュータは、車両コンポーネント、及び／又は複数の車両コンポーネントからなるアセンブリ、及び／又は車両全体の決定された状態に応じて、状態説明シグナルを生成することができ、これが車両に送信される。よって車内では、車両コンポーネント、及び／又はアセンブリ、及び／又は車両のサーバ・コンピュータによって決定された状態が、ドライバーに対して、表示手段上に、例えば、マルチメディアシステム上に表示することができる。

【0015】

更なる実施形態によれば、該システムは、サーバ・コンピュータ外部、且つ、車両外部に配置されているデータ処理手段を包含している。該サーバ・コンピュータは、状態説明シグナルを、車両自体のみならず、データ処理手段へも送信できる。状態説明シグナルに応じて、該データ処理手段は、車両コンポーネント、及び／又はアセンブリ、及び／又は車両を描写する情報を提供する。加えて、必要なメンテナンスの推奨やあり得るエラー原因に関するヒントも提供されることができる。これらの情報は、ドライバー又は車両オーナーのみならず整備工場又は検査場のサービス人員に提供されることができる。これらの情報は、例えば、ＰＣ、タブレット、又は、スマートフォンに表示することができる。

【0016】

本発明に係るシステムがあれば、車両コンポーネント、及び／又は車両コンポーネントのアセンブリ、及び／又は車両全体の状態を決定するために必要な計算キャパシティは、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータに委託することができる。バックエンド内で用いられるサーバ・コンピュータは、個々の車両が、車両コンポーネントの状態の評価を自ら実施するよりも、より高度、且つ、通常、より安価な計算能力を提供することができる。

【0017】

車両データの捕捉のみが、システムのクライアント側において車両内にある車両の制御コンピュータによって自ら実施される。捕捉された車両データは、車両内のクライアント側、又は、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータによって、該サーバ・コンピュータによってそれを評価でき、それを分析することによって区別できる車両システム状態を、決定することができる様に統合される。

【0018】

該システムは、車両及びその内部システム、すなわち、個々の車両コンポーネント／構成部品、又は、複雑なアセンブリを、交通安全性を満たし、且つ、所定の規定への適合性に関してインテリジェントに監視することを可能にしている。加えて該システムは、個々の車両構成部品の状態のみならず、アセンブリの状態を、オンライン評価することを可能にしている。この様に、該システムは、車両の状態を判定する手助けを提供し、更には、エラーを解決することにより、又は、車両システムをオフにする／非活性化させるなど、講じられた対策によって、交通安全性の向上も提供している。

【0019】

個々の車両コンポーネント、及び／又は複数の車両コンポーネントからなるアセンブリ、及び／又は車両全体の状態に関するメッセージ又は情報、又は、指摘や助言は、車両外部のシステムのユーザから使用されるシステムのフロントエンド側に出力されることができる。これには、例えば、スマートフォン、タブレット、又は、卓上ＰＣなどが含まれる。ユーザ・フロントエンドは、例えば、車載・マルチメディアシステムに内蔵されていることも可能である。この様なケースでは、一つの車両コンポーネント、及び／又は一つのアセンブリ、及び／又は車両全体の状態を示す情報、又は、その他の指摘や助言は、車両内のマルチメディアシステムのディスプレイ上に表示される。

【0020】

サーバ・コンピュータから送信された状態情報は、システムのフロントエンド側に、遠隔検査や公的検査官による車両の検査用の基本事項としても使用可能である。システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータによるデータ分析をベースに、デジタル化されたエキスパート知識、並びに、車両システムの全ライフサイクルに渡る遠隔監視や遠隔評価の継続的改善により、摩耗や起こり得るエラーに関する予測を高い信頼性を持って実施することが可能である。

【0021】

バックエンド側においてサーバ・コンピュータによって決定された評価結果は、数多くのサービスにおいて使用可能である。これには、例えば、「優良な車両メンテナンス」のための保険ボーナスシステムも含まれる。加えて、該システムを、フリートマネージメントシステム及びリース・システムにおいて、車両の価値を、必要なメンテナンスの予測によって評価するために、並びに、車両システムの状態を、車両の継続的なフィールド監視によって評価し改善するために、用いることもできる。

【0022】

以下本発明を、システムの実施例に基づいて詳しく説明する。

【図面の簡単な説明】

【0023】

【図1】図１は、車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムの実施形態を示す。

【図2】図２は、機能や起こり得るエラーを基にしたアセンブリ又は個々の車両コンポーネントの状態評価の分類を示す。

【図3】図３は、車両システムのアセンブリと個々の車両コンポーネントへの分類例を示す。

【図4】図４は、システムの様々な用途の車両コンポーネントの状態の分類を示す。

【発明を実施するための形態】

【0024】

車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステム１のアーキテクチャは、図１に示されている。システムは、システムのバックエンド側にサーバ・コンピュータ１００を、システムのクライアント側に、車両コンポーネント２１０を備えた車両２００を包含している。車両２００は、例えば、道路用又は線路用の車両、例えば、自動車や列車、又は、その他の車両であることができる。該車両２００は、車両コンポーネント２１０を制御し、且つ、該車両コンポーネント２１０の状態が記載されている車両データＦＤを捕捉するための制御ユニット２２０を包含している。車両は、車両データＦＤを、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータ１００へ送信するためのデータ送信手段２３０を包含している。

【0025】

該サーバ・コンピュータ１００は、車両データＦＤを受信し、かつ該車両データを評価するように構成されている。特に、該サーバ・コンピュータ１００は、車両データＦＤの評価により、車両コンポーネント２１０の状態を決定する様に構成されている。

【0026】

システム１の更なる実施形態によれば、サーバ・コンピュータ１００は、車両データＦＤの評価によって車両の認証を実施する様に構成されている。これは、各々の車両用の車両データは、各々異なっており、車両の「指紋」であることにより実現している。この様に車両の認証が可能になったことにより、好ましいことに、車両データのみならず、例えば、他の車両に対してライセンスが与えられている機能の認可されていない使用など車両システムに対する偽造や改竄を発見することもできる様になる。

【0027】

システム１のクライアント側の制御コンピュータ２２０は、車両データが、車両コンポーネント２１０とは異なる別の車両コンポーネント２１０‘の状態を記述する様に、該車両データＦＤを捕捉する様に構成されている。即ち、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータ１００は、車両データＦＤを評価することにより、車両コンポーネント２１０の状態のみならず、数多くの他の車両コンポーネント２１０‘の状態をも決定することができる様に構成されている。

【0028】

加えて、サーバ・コンピュータ１００は、車両コンポーネント２１０並びに別の車両コンポーネント２１０‘からなるアセンブリ２４０の状態、又は、車両２００全体の状態を決定することができる様にも構成されている。サーバ・コンピュータ１００は、個々の車両コンポーネントの車両データを個別に考慮するだけではない。実際は、車両コンポーネントの、又は、多数の車両コンポーネントからなるアセンブリの緊急挙動を得ることができる様に複数の車両コンポーネント２１０、２１０‘を総合的に考慮している。

【0029】

車両コンポーネント２１０は、車両コンポーネントが、制御コンピュータによって捕捉する車両データを提供する様に、能動的な部品として構成することができる。この様に能動的な部品は、その状態を自ら捕捉し、該状態を表す車両データを制御コンピュータ２２０に送信することができる。少なくとも一つの別の車両コンポーネント２１０‘は、受動的な部品として構成することができ、該別の車両コンポーネントは、車両データを提供しない。よって、受動的な部品は、その状態を示す車両データを制御コンピュータ２２０に提供しない。該システムのある可能な実施形態によれば、サーバ・コンピュータ１００は、送信されて来た車両データＦＤの評価により、別の（受動的な）車両コンポーネント２１０‘の状態を決定する様に構成されている。これにより、車両内において能動的な車両コンポーネントによって捕捉される状態データは、サーバ・コンピュータ１００によって、受動的な部品の状態を、間接的に捕捉し、評価するために用いられる。

【0030】

システム１の可能な実施形態によれば、該サーバ・コンピュータ１００は、特に好ましくは、車両データＦＤの評価により、車両コンポーネント２１０、及び／又は様々な車両コンポーネントのアセンブリ２４０、及び／又は車両２００全体の状態を、交通適正並びに／又は適正要求事項及び／又は、メンテナンス状態、及び／又は、完全性、及び／又は、安全性要求を満たしているか否かを決定する、又は、評価することができる様に構成されている。これは、サーバ・コンピュータ１００が、システムのバックエンド側の高性能コンピュータとして構成されていることによって実現されている。

【0031】

システムのクライアント側の制御コンピュータ２２０は、車両２００内に配置される一つ又は複数の計算プロセッサを有していることができる。制御コンピュータ２２０は、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータにより、車両の交通適正、メンテナンス状態、完全性、そして、総合的安全性を評価するために必要な多数の車両コンポーネントの全ての車両データを捕捉することができる様に構成されている。

【0032】

車両データは、システムのクライアント側において、測定システムの、又は、例えば、加速センサ、ジャイロスコープ、車輪回転数センサ、圧力センサ、温度センサ、トルクセンサなどのセンサシステムの同期されたシグナルとして、車両内部で得られる。サーバ・コンピュータ１００用に車両データを同期して提供することは、捕捉された車両データにタイムスタンプを与えることによって実現され、これにより、バックエンド側のサーバ・コンピュータ１００は、送信されて来た車両データを経時的に正しく整理することができる。

【0033】

該車両データは、フィルターをかけない生データとしてのみならず、例えば、フィルターや他の方法によって前処理され変更された、又は、バンド幅を削減するために圧縮された形で、サーバ・コンピュータ１００に送信されることができる。該車両データは、制御コンピュータ２２０から、例えば、定まったスタンダード（ＬＴＥ、Ｇ５など）の無線などのデータ送信手段２３０を用いて、システムのバックエンド側のサーバ・コンピュータ１００へ送信されることができる。その際、該車両データは、継続的に、又は、サーバ・コンピュータ１００による前もった要求の後に、制御コンピュータ２２０からシステムのバックエンド側へ送信されることができる。

【0034】

システムのある可能な実施形態によれば、サーバ・コンピュータ１００は、車両コンポーネント２１０及び／又は様々な車両コンポーネントのアセンブリ２４０の決定された状態に応じて、及び／又は、車両２００の決定された状態に応じて、コマンドシグナルＫＳを生成し、該コマンドシグナルＫＳを車両２００へ送信できる様に構成されている。クライアント側のデータ送信手段２３０は、コマンドシグナルＫＳを受信できるように構成されている。そのため、該制御コンピュータ２２０は、コマンドシグナルＫＳに応じて、車両コンポーネント２１０及び／又はアセンブリ２４０の状態が変化する様に構成されている。

【0035】

そのために、車両コンポーネントの及び／又は複数の車両コンポーネントからなるアセンブリの及び／又は車両全体の状態の評価に応じて、サーバ・コンピュータ１００から、車両２００の交通安全性を確保するために、システムのクライアント側において対策を講じることができる。講じられる対策には、例えば、車両コンポーネントのエラー解除を実施するための対抗策の実施、特定の車両機能、例えば、自動化された走行機能などの制御下における停止、ソフトウェア更新の実施、ある特定のモータのオン／オフなどが、含まれている。

【0036】

該システムの更なる実施形態によれば、サーバ・コンピュータ１００は、車両コンポーネント２１０及び／又はアセンブリ２４０及び／又は車両２００の決定された状態に応じて、車両コンポーネント及び／又はアセンブリ及び／又は車両全体の決定された状態の記述を含む状態説明シグナルＺＳを生成するように構成されていることができる。

【0037】

サーバ・コンピュータ１００は、状態説明シグナルＺＳを、車両２００へ送信する様に構成されていることができる。加えて、車両内のデータ送信手段２３０は、状態説明シグナルＺＳを受信する様に構成されていることができる。

【0038】

システム１のフロントエンド側には、表示手段２５０が、車両２００内に配置されていることができる。そのため、該制御コンピュータ２００は、状態説明シグナルＺＳに応じて、メッセージを表示手段２５０に表示できるように構成されている。これにより例えば、車両２００内部のオン・ボード・システムに、サーバ・コンピュータ１００による車両データの分析及び評価に係るメッセージを表示することができる。

【0039】

ある実施形態によれば、該サーバ・コンピュータ１００は、送信された車両データを、一定の（長い）期間、保存できるように構成されていることができる。該サーバ・コンピュータ１００は、特に好ましくは、その期間中に保存された車両データＦＤを評価することにより、車両のプロファイルを特徴付けるデータを生成する様に構成さていることができる。該車両プロファイルを特徴付けるデータは、車両コンフィグレーション固有のデータ、及び／又は、ユーザ固有のデータ、及び／又は、摩耗固有のデータ、及び／又は、車両コンポーネント及び／又はアセンブリの動的な挙動を記述するデータを包含していることができる。

【0040】

即ち、該サーバ・コンピュータ１００によって、車両２００から継続的に送信される車両ヒストリーを反映しそれを基に車両プロファイルを決定することができる車両データが、収集される。多数の車両２００の記録された車両データと車両プロファイルを特徴付けるデータは、サーバ・コンピュータ１００から、システムのバックエンド側に保存され、更新されることができる。

【0041】

サーバ・コンピュータ１００は、送信された車両データＦＤを、ある一定の（長い）期間保存された車両データ及び／又は車両プロファイルを特徴付けるデータと比較し、この比較から、車両コンポーネント２１０及び／又はアセンブリ２４０及び／又は車両２００の状態を決定する様に構成されている。最も新しく受信された車両データの評価すること、並びに、該最新のデータと、バックエンド側に保存されている記録されたヒストリー的且つ車両固有のデータを比較することにより、サーバ・コンピュータ１００は、個々の車両コンポーネント、又は、アセンブリの完全性を評価することができる。更には、コンポーネントが不具合を起こす確率、車両コンポーネントのクリティカルな摩耗状態、又は、車両コンポーネントに対する不要な改竄を、サーバ・コンピュータ１００が決定することができる。

【0042】

車両コンポーネント又はアセンブリのクリティカルな事象、例えば、摩耗、改竄、又は、不具合が決定された場合、対応するコマンドシグナルＫＳ、又は、状態説明シグナルＺＳを、システムのクライアント側の制御コンピュータ２２０へ送信することができる。

【0043】

ある可能な実施形態によれば、システムのフロントエンド側のシステム１は、サーバ・コンピュータ１００外部、且つ、車両２００外部に配置されているデータ処理手段３００を有している。該データ処理手段３００は、状態説明シグナルＺＳを受信し、該状態説明シグナルに応じて、情報を提供するように構成されている。状態説明シグナルＺＳを用いれば、サーバ・コンピュータ１００によって、用途に応じてシステム１のフロントエンド側へ送信される情報を構造化し、準備することが可能になる。

【0044】

システムのフロントエンド側の該データ処理手段３００は、例えば、ユーザのスマートフォン、タブレット、又は、ＰＣであることができる。状態説明シグナルＺＳに依存して、この様な装置上に、一つの車両コンポーネントの及び／又は一つのモジュールの及び／又は車両全体の状態に関する情報を表示することができる。加えて、それら以上の、車両メンテナンスや不具合を直すための可能な対策に関する情報、又は、推奨される車両サービスなどに関する情報を表示することも可能である。

【0045】

該情報は、システムのフロントエンド側において、データ処理手段３００を介して、ドライバー又は車両オーナー、又は、整備工場のサービス担当者、又は、認証を受けた検査機関の公的な検査官に対して表示されることができる、又は、提供されることができる。即ち、システムのフロントエンド側のデータ処理手段３００は、車両検査、特に、収集された車両データを基にした車両の遠隔検査、及び、公的な検査機関によるそれらの分析に用いられることが可能である。この様な車両検査を実施するために、サーバ・コンピュータ１００からは、全ての安全に関与する車両コンポーネントの状態変化が監視される。

【0046】

システム１のある可能な実施形態によれば、該サーバ・コンピュータ１００は、車両コンポーネント２１０及び／又はアセンブリ２４０の予測される挙動を特徴付けるデータを算出する様に構成されている。サーバ・コンピュータ１００は、車両コンポーネント２１０の及び／又はアセンブリ２４０の及び／又は車両２００の状態を、サーバ・コンピュータ１００が、予測される挙動を特徴付けるデータと送信された車両データＦＤと比較することによって決定する様に構成されている。

【0047】

様々な車両コンポーネントの実際に起こって計測された挙動は、サーバ・コンピュータ１００によって、車両２００から送信された車両データＦＤから決定されることができる。予測される挙動も同様に、送信された車両データＦＤから、サーバ・コンピュータ１００によって、数学的なモデルを用いて決定される。該数学的なモデルは、個々の車両コンポーネントの過渡応答、及び、それら互いのカップリングを記述するものであることが特に好ましい。

【0048】

この様な数学的モデルは、車両コンポーネントの物理的特性及びそれらの相互作用から作成されることができる。数学的モデルを抽出するための更なる方法では、基準車両システムの測定された車両データが、機械学習技術の助けを借りて評価される。加えて、車両コンポーネントの過渡応答における不具合の既知の物理的効果に基づいたモデルを、個々の車両コンポーネント、又は、アセンブリ全体のエラーを検出し、分類するために用いることも可能である。

【0049】

図２は、交通安全性に対するアセンブリ全体の機能の評価、又は、アセンブリの個別のコンポーネントの機能の場合によっては必要となるメンテナンスに関する評価の、システムのサーバ側のサーバ・コンピュータ１００を用いた評価方法を明示している。送信された車両データのサーバ側における更なる評価により、先ずは、特定の車両コンポーネントの具体的なエラーを決定することができる。

【0050】

図３は、車両の個々の車両アセンブリ及び車両コンポーネントへの区分を明示している。

【0051】

あるコンポーネントの検出されたエラーに依存して、サーバ・コンピュータから、検出されたエラーを解除するための対策を開始するためのコマンドシグナル、又は、メンテナンスアドバイスを、システムのクライアント側の制御コンピュータ２２０へ送信する。特に、連鎖的な数学的モデルを使用する場合、サーバ・コンピュータから、アセンブリ又はそれのコンポーネントの状態、並びに、予想されるエラー原因を決定し、評価することが可能になる。

【0052】

特定の車両コンポーネント又はアセンブリが取り得る挙動の評価と、対応する車両コンポーネント又はアセンブリの測定された挙動及びエラーパターンの具体的な検出との比較は、有利なことに、次に予定されている定期的な車両検査を遅らせることが可能か、又は、どの様なメンテナンスが必要であるか、又は、検出された状態では、車両の走行を早急な制限又は停止が必要であるか否かに関する情報を与える。

【0053】

車両データを分析する際の車両コンポーネント又は測定システムの公差を、システムのバックエンド側において考慮するためには、車両のライフサイクルの開始時点において、又は、コンフィグレーションを変更した後に、システムのトレーニングが必要である。これにより、個々の車両から供給される車両データの分析と評価の際に、車両コンポーネントの挙動に関する公差を個別に考慮できる。加えて、該システムを、車両の製造プロセスの最終段階において、車両コンポーネントの定められている機能を証明するためにも用いることができる。

【0054】

システムから提供された車両コンポーネント及び／又は複数の車両コンポーネントからなるアセンブリの状態、状態変化、又は、エラー状態に関する情報は、様々な用途に用いることが可能である。図４は、システムから提供された情報を、メーカ、立法機関、又は、ドライバーの側において、どの様に使用できるかを例示している。

【0055】

車両コンポーネント及び／又はアセンブリの決定された状態変化を、車両メーカは、例えば、推奨される車両のモードを定めるために用いることができる。立法機関は、システムから提供された故障の分級（例えば、ＫＭ ＝ 不具合無し、ＧＭ ＝ 軽微な不具合、ＥＭ ＝ 重大な不具合、ＶＭ ＝ 危険な不具合、ＶＵ ＝ 交通安全を損なう状態など）に応じて、道路交通において車両を運転するための認可認証を与える、又は、取り消すことができる。エラーは、システムによって決定された車両コンポーネント及び／又はアセンブリのエラー状態に応じて、許可できる車両の走行モードを定めることができる。なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
１．
車両コンポーネントの状態を捕捉するためのシステムであって、
サーバ・コンピュータ（１００）と、車両コンポーネント（２１０）を有する車両（２００）とを備える、当該システムにおいて、
前記車両（２００）は、車両コンポーネント（２１０）を制御し、かつ当該車両コンポーネント（２１０）の状態を記述する車両データ（ＦＤ）を捕捉する制御コンピュータ（２２０）と、車両データ（ＦＤ）をサーバ・コンピュータ（１００）に送信するデータ送信手段（２３０）とを備え、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）を受信し、かつ車両データ（ＦＤ）を評価するように構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両コンポーネント（２１０）の状態を決定することができるように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
２．
前記サーバ・コンピュータ（１００）が、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の認証を実施するように構成されている、
ことを特徴とする上記１に記載のシステム。
３．
前記制御コンピュータ（２２０）は、車両データが車両コンポーネント（２１０）とは異なる別の車両コンポーネント（２１０‘）の状態を記述するように、車両データ（ＦＤ）を捕捉するように構成され、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の状態及び／又は車両コンポーネント（２１０）と別の車両コンポーネント（２１０‘）とから構成されているアセンブリ（２４０）の状態を決定することができるように構成されている、
ことを特徴とする上記１又は２に記載のシステム。
４．
車両コンポーネント（２１０）は、当該車両コンポーネント（２１０）が前記制御コンピュータ（２２０）によって捕捉する車両データ（ＦＤ）を提供するように構成されており、
別の車両コンポーネント（２１０‘）の少なくとも一つは、当該別の車両コンポーネントによって車両データを提供しないように構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、前記別の車両コンポーネント（２１０‘）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とする上記３に記載のシステム。
５．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態に応じて、コマンドシグナル（ＫＳ）を生成し、前記コマンドシグナル（ＫＳ）を車両（２００）へ送信するように構成されている、
ことを特徴とする上記３又は４に記載のシステム。
６．
前記データ送信手段（２３０）は、コマンドシグナル（ＫＳ）を受信できるように構成されており、
前記制御コンピュータ（２２０）は、コマンドシグナル（ＫＳ）に応じて、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）の状態が変化するように構成されている、
ことを特徴とする上記５に記載のシステム。
７．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態に応じて、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の決定された状態の記述を含む状態説明シグナル（ＺＳ）を生成するように構成されている、
ことを特徴とする上記３から６のうち何れか一つに記載のシステム。
８．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、状態説明信シグナル（ＺＳ）を車両（２００）に送信するように構成されており、
前記データ送信手段（２３０）は、状態説明シグナル（ＺＳ）を受信できるように構成されており、
車両（２００）は、表示手段（２５０）を備え、
前記制御コンピュータ（２００）は、状態説明シグナル（ＺＳ）に応じて、メッセージを表示手段（２５０）に表示するように構成されている、
ことを特徴とする上記７に記載のシステム。
９．
前記サーバ・コンピュータ（１００）の外部、及び車両（２００）の外部に配置されているデータ処理手段（３００）を備える、上記７又は８に記載されているシステムであって、
当該データ処理手段（３００）は、状態説明シグナル（ＺＳ）を受信し、かつ当該状態説明シグナルに応じて、情報を提供するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
１０．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両データ（ＦＤ）の評価により、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を、交通適正並びに／又は適正要求事項並びに／又はメンテナンス状態並びに／又は、完全性及び／若しくは安全要求、に関して決定するように構成されている、
ことを特徴とする上記１から９のうち何れか一つに記載のシステム。
１１．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、送信された車両データを、一定期間にわたって保存するように構成されている、
ことを特徴とする上記１から１０のうち何れか一つに記載のシステム。
１２．
前記サーバ・コンピュータ（１００）が、一定期間にわたって保存された車両データ（ＦＤ）の評価により、車両（２００）の車両プロファイルを特徴付けるデータを生成するように構成されており、
車両プロファイルを特徴付けるデータが、車両コンポーネント固有のデータ、及び／又は、ユーザ固有のデータ、及び／又は、摩耗固有のデータ、及び／又は、車両コンポーネント及び／又はアセンブリ（２４０）の動的挙動を記述するデータを含む、
ことを特徴とする上記１１に記載のシステム。
１３．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、送信された車両データ（ＦＤ）を、一定期間にわたって保存された車両データ及び／又は車両プロファイルを特徴付けるデータと比較し、当該比較から、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とする上記１１又は１２に記載のシステム。
１４．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）の予測される挙動を特徴付けるデータを算出するように構成されており、
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、前記サーバ・コンピュータ（１００）が予測される挙動を特徴付けるデータと送信された車両データ（ＦＤ）とを比較することによって、車両コンポーネント（２１０）及び／又はアセンブリ（２４０）及び／又は車両（２００）の状態を決定するように構成されている、
ことを特徴とする上記１から１３のうち何れか一つに記載のシステム。
１５．
前記サーバ・コンピュータ（１００）は、予測される挙動を特徴付けるデータを、数学的なモデルを用いて決定するように構成されている、
ことを特徴とする上記１４に記載のシステム。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】