(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-10
(45)【発行日】2025-02-19
(54)【発明の名称】密閉ケーブルコネクタ、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
H01R 13/405 20060101AFI20250212BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20250212BHJP
【FI】
H01R13/405
H01R43/00 B
(21)【出願番号】P 2021560732
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2020060194
(87)【国際公開番号】W WO2020208157
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】102019000005734
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521448444
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック アスティ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】クザーノ ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】モンテサーノ ドナート
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130444(JP,A)
【文献】特開平11-312560(JP,A)
【文献】特開2007-172940(JP,A)
【文献】特開2002-276951(JP,A)
【文献】特開平09-134754(JP,A)
【文献】特開平10-233247(JP,A)
【文献】特開2003-323921(JP,A)
【文献】特開2019-036528(JP,A)
【文献】特開2015-056438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R4/70
H01R13/40-13/533
H01R43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉ケーブルコネクタ(10)であって、
複数の電気ケーブル(18,20)と、
相手側コネクタに対してx方向にプラグ着脱可能である接続部を有する電気絶縁ハウジング(12)と、
前記ハウジング(12)に機械的に接続する複数の電気端子(14,16)であって、前記電気端子(14,16)の各々は、対応する電気ケーブル(18,20)の端部に電気的に接続される端部を有する、複数の電気端子(14,16)と、
を備え、
前記ハウジング(12)は、z方向に延びて前記ハウジング(12)によって前記x方向及びy方向に区切られるキャビティ(22a)を形成するフレーム(22)を有し、前記y方向は、前記x方向に対して垂直に延び、前記z方向は、前記x方向及び前記y方向に対して垂直に延び、前記電気ケーブル(18,20)及び前記電気端子(14,16)の接続端部は、前記フレーム(22)の前記キャビティ(22a)内に設けられる、
密閉ケーブルコネクタ(10)であって、
前記電気端子(14,16)は、前記キャビティ(22a)内に
板状の形状を有し、
前記キャビティ(22a)内の前記電気端子(14,16)の端部は、前記x方向及び前記z方向に向けられ、
前記対応する電気ケーブル(18,20)に溶接され、
前記ハウジング(12)は、前記電気ケーブル(18,20)
上及び前記電気端子(14,16)上に成形され、
接続された前記電気ケーブル(18,20)の端部及び前記電気端子(14,16)の端部は、前記ハウジング(12)によって覆われておらず、
電気絶縁材料が前記キャビティ(22a)内に射出されて、前記電気絶縁材料が前記電気ケーブル(18,20)及び前記電気端子(14,16)の前記接続端部を密閉するようにし、
前記キャビティ(22)を閉じるために、上部カバー(26)は、前記フレーム(22)の一方の側に固定され、前記フレーム(22)の他方の側は、底部を有するか、又は下部カバーに固定され、前記上部カバー(26)は、前記電気絶縁材料をキャビティ(22a)内に射出するための射出穴と、前記電気絶縁材料内に気泡が閉じ込められるのを防ぐための空気出口穴とを有する、
ことを特徴とする密閉ケーブルコネクタ。
【請求項2】
前記キャビティ(22a)内に射出される前記電気絶縁材料は、樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の密閉ケーブルコネクタ。
【請求項3】
前記フレーム(22)は、互いに対向して前記y方向及び前記z方向に延びる第1の側壁及び第2の側壁と、互いに対向して前記x方向及び前記z方向に延びる第3の側壁及び第4の側壁とを有し、
前記電気端子(14,16)
の端部は、前記第3の側壁又は前記第4の側壁に対して平行に向けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の密閉ケーブルコネクタ。
【請求項4】
少なくとも1つの干渉防止フィルタ(24)が、前記キャビティ(22a)内に収納され、圧着によって1対の前記電気端子(14,16)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の密閉ケーブルコネクタ。
【請求項5】
密閉ケーブルコネクタの製造方法であって、
a)複数の電気ケーブル(18,20)の端部を、複数の対応する電気端子(14,16)の端部に
溶接するステップと、
b)前記電気ケーブル(18,20)
上及び前記電気端子(14,16)上に、電気絶縁ハウジング(12)を成形するステップであって、前記電気絶縁ハウジング(12)は、相手側コネクタに対してx方向にプラグ着脱可能である接続部を有し、z方向に延びて前記電気ケーブル(18,20)及び前記電気端子(14,16)の接続端部を収納するためのキャビティ(22a)を含むフレーム(22)を有し、
接続された前記電気ケーブル(18,20)の端部及び前記電気端子(14,16)の端部は、前記ハウジング(12)によって覆われておらず、前記キャビティ(22a)は、前記ハウジング(12)によって前記x方向及びy方向に区切られ、前記y方向は、前記x方向に対して垂直に延び、前記z方向は、前記x方向及び前記y方向に対して垂直に延び、前記電気端子(14,16)は、前記キャビティ(22a)内に
板状の形状を有し、
前記キャビティ(22a)内の前記電気端子(14,16)の端部は、前記x方向及び前記z方向に向けられる、ステップと、
c)前記キャビティ(22)を閉じるために、前記フレーム(22)の一方の側に上部カバー(26)を取り付け、前記フレーム(22)の他方の側に、下部カバー又は底部を有する下部カバーを取り付け、ここで、前記上部カバー(26)は、電気絶縁材料をキャビティ(22a)内に射出するための射出穴と、前記電気絶縁材料内に気泡が閉じ込められるのを防ぐための空気出口穴とを有し、
d)前記電気絶縁材料を前記射出穴から前記キャビティ(22a)内に射出して、前記電気ケーブル(18,20)及び前記電気端子(14,16)の前記接続端部を密閉するようにするステップと、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項6】
前記フレーム(22)は、互いに対向して前記y方向及び前記z方向に延びる第1の側壁及び第2の側壁と、互いに対向して前記x方向及び前記z方向に延びる第3の側壁及び第4の側壁とを有し、
前記電気端子(14,16)
の端部は、前記第3の側壁又は前記第4の側壁に対して平行に向けられる、ことを特徴とする、請求項
5に記載の製造方法。
【請求項7】
車両内の装置を電気的に接続するための、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の密閉ケーブルコネクタの使用。
【請求項8】
前記装置は冷却ファンモジュールであることを特徴とする、請求項
7に記載の密閉ケーブルコネクタの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉ケーブルコネクタ、その製造方法及び使用に関する。この密閉ケーブルコネクタは、特に、車両内の装置を電気的に接続するためのものである。
【背景技術】
【0002】
公知のケーブルコネクタは、複数の電気端子と、電気端子に接続される複数のケーブルとを支持する電気絶縁ハウジングを含む。ケーブルは、複数の開口部を介してハウジングに挿入される。複数のシールリングが、ケーブルに嵌合されて開口部に挿入されて、開口部を密閉する。
【0003】
しかしながら、シールリングが開口部から取り外されたり、又はケーブルのいずれか1つが切断されたりした時に、外部の湿気又は流体がハウジングに浸入する可能性が依然としてある。したがって、公知のケーブルコネクタは、そのサイズが比較的大きいものではない限り、湿気又は流体、例えば水のような環境の影響に対して、電気端子とケーブルとの間の電気接続を密閉することにおいて、満足のいくものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性の高い方法でデリケートな電気接続を密閉する一方で、同時に公知のケーブルコネクタよりも大きくないサイズを有する密閉ケーブルコネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、密閉ケーブルコネクタが提供される。この密閉ケーブルコネクタは、複数の電気ケーブルと、相手側コネクタに対してx方向にプラグ着脱可能である接続部を有する電気絶縁ハウジングと、前記ハウジングに機械的に接続する複数の電気端子であって、前記電気端子の各々は、対応する電気ケーブルの端部に電気的に接続される端部を有する、複数の電気端子と、を備え、前記ハウジングは、z方向に延びて前記ハウジングによって前記x方向及びy方向に区切られるキャビティを形成するフレームを有し、前記y方向は、前記x方向に対して垂直に延び、前記z方向は、前記x方向及び前記y方向に対して垂直に延び、前記電気ケーブル及び前記電気端子の接続端部は、前記フレームの前記キャビティ内に設けられる、密閉ケーブルコネクタであって、前記電気端子は、前記キャビティ内に平面形状を有し、前記x方向及び前記z方向に向けられ、前記ハウジングは、接続された前記電気ケーブル及び前記電気端子上に成形され、電気絶縁材料が前記キャビティ内に射出されて、前記電気絶縁材料が前記電気ケーブル及び前記電気端子の前記接続端部を密閉するようにする、ことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記電気ケーブルは、溶接によって、前記電気端子に電気的に接続される。
【0007】
好ましくは、前記キャビティ内に射出される前記電気絶縁材料は、樹脂である。
【0008】
好ましくは、上部カバー及び下部カバーが前記フレーム上にクリップ留めされて、前記キャビティを閉じ、前記上部カバーは、前記電気絶縁材料を前記キャビティ内に射出するための射出穴と、空気出口穴とを有する。
【0009】
好ましくは、前記フレームは、互いに対向して前記y方向及び前記z方向に延びる第1の側壁及び第2の側壁と、互いに対向して前記x方向及び前記z方向に延びる第3の側壁及び第4の側壁とを有し、前記電気端子は、前記第3の側壁又は前記第4の側壁に対して平行に向けられる。
【0010】
好ましくは、少なくとも1つの干渉防止フィルタが、前記キャビティ内に収納され、圧着によって1対の前記電気端子に電気的に接続される。
【0011】
本発明の別の態様によれば、密閉ケーブルコネクタの製造方法は、
a)複数の電気ケーブルの端部を、複数の対応する電気端子の端部に接続するステップと、
b)接続された前記電気ケーブル及び前記電気端子上に、電気絶縁ハウジングを成形するステップであって、前記電気絶縁ハウジングは、相手側コネクタに対してx方向にプラグ着脱可能である接続部を有し、z方向に延びて前記電気ケーブル及び前記電気端子の接続端部を収納するためのキャビティを含むフレームを有し、前記キャビティは、前記ハウジングによって前記x方向及びy方向に区切られ、前記y方向は、前記x方向に対して垂直に延び、前記z方向は、前記x方向及び前記y方向に対して垂直に延び、前記電気端子は、前記キャビティ内に平面形状を有し、前記x方向及び前記z方向に向けられる、ステップと、
c)電気絶縁材料を前記キャビティ内に射出して、前記電気ケーブル及び前記電気端子の前記接続端部を密閉するようにするステップと、
を含む。
【0012】
好ましくは、前記製造方法は、ステップc)の前に、前記キャビティの対向する2つの側に、それぞれ、上部カバー及び下部カバーを取り付けるステップを更に含む。
【0013】
本発明の更に別の態様によれば、車両内の装置を電気的に接続するための、上記の密閉ケーブルコネクタの使用が提供される。
【0014】
好ましくは、前記装置は冷却ファンモジュールである。
【0015】
本発明の密閉ケーブルコネクタの電気絶縁ハウジングは、接続された電気ケーブル及び電気端子上に成形されて、電気ケーブル及び電気端子の接続端部が、電気絶縁材料によって密閉されるので、密閉ケーブルコネクタは、信頼性の高い密閉を有する。更に、電気端子は、xz方向に向けられるので、y方向に沿った電気端子の配置をコンパクトにすることができ、したがって、キャビティのサイズを最小にし、電気絶縁材料の量を最小にして、密閉ケーブルコネクタは、公知のケーブルコネクタよりも大きくない全体サイズを有する。
【0016】
ここで、添付図面の図を参照して、単なる例示として本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、複数の図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ符号で表記される。図内に示される構成要素及び特徴の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。以下、各図を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態による密閉ケーブルコネクタの概略斜視図であり、密閉ケーブルコネクタの電気絶縁ハウジングによって形成されるキャビティが見える図であり、キャビティの内部に、電気ケーブル及び対応する電気端子の接続端部が収容される。
【
図2】
図1に示すコネクタを別の側面から見た概略斜視図である。
【
図3】
図1に示す電気ケーブル及び対応する電気端子の接続領域の拡大図である。
【
図4】
図1に示す、対応する電気ケーブルに接続される電気端子の配置の概略斜視図である。
【
図5】
図1の密閉ケーブルコネクタの上面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態による密閉ケーブルコネクタの概略上面図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態による密閉ケーブルコネクタの概略斜視図である。
【
図8】
図7の密閉ケーブルコネクタを支持体に結合した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付図面及び好ましい実施形態と併せて、主題を説明する。説明された実施形態は、本開示の実施形態のいくつかに過ぎず、その全てではない。本開示の実施形態に基づいて、創作努力を払うことなく当業者によって得られる他の全ての実施形態は、本開示の保護範囲に属する。図面は、単なる参照のためのものであり、本発明を限定することを意図するものではないことを理解されたい。図面に示される寸法は、図示の便宜のためのものに過ぎず、限定的なものを意図するものではない。
【0019】
図1~
図5を参照すると、本発明の第1の実施形態による密閉ケーブルコネクタ10が示されており、密閉ケーブルコネクタ10は、車両内の装置(図示せず)を電気的に接続して、電源及び/又は制御信号を装置に送るために使用される。装置は、冷却ファンモジュール、特に冷却ファンモジュールを駆動するモータとすることができる。
【0020】
密閉ケーブルコネクタ10は、複数の電気ケーブル18、20と、複数の電気端子14、16とを備える。各電気端子14、16は、好ましくは溶接によって、対応する電気ケーブル18、20の端部に電気的に接続される端部を有する。
【0021】
図1に、デカルト座標系xyzを定義する。x方向は、密閉ケーブルコネクタ10のプラグ着脱可能な方向を意味する。y方向は、x方向に対して垂直な垂直方向を意味する。z方向は、xy方向に対して垂直な方向を意味する。
【0022】
密閉ケーブルコネクタ10は、更に、相手側コネクタ(図示せず)に対してx方向にプラグ着脱可能である接続部と、z方向に延びるキャビティ22aを形成するフレーム22とを有する電気絶縁ハウジング12を含む。電気ケーブル18、20及び電気端子14、16の接続端部は、キャビティ22a内に収納される。
【0023】
電気絶縁ハウジング12は、接続された電気ケーブル18、20及び電気端子14、16上に成形されて、一体構造を形成するようになっている。
【0024】
電気絶縁材料が、キャビティ22a内に射出される。電気絶縁材料は、合成樹脂とすることができ、キャビティ22a内で固化して、密閉ケーブルコネクタ10の環境から、電気ケーブル18、20の端部と電気端子14、16の端部とを密閉するようにする。
【0025】
電気端子14、16は、キャビティ22a内に平面形状を有し、xz方向に向けられるので、y方向に沿った電気端子の配置をコンパクトにすることができ、したがって、キャビティ22aのサイズを最小にし、電気絶縁材料の量を最小にして、密閉ケーブルコネクタ10は、公知のケーブルコネクタよりも大きくない全体サイズを有する。更に、xz方向に向けることによって、隣接する電気端子14、16の間の最小絶縁間隔を危うくすることなく、電気端子14、16を積み重ねる方向に配置することができ、キャビティ22a内への電気絶縁材料の射出成形プロセス中に気泡を回避するのを助ける。
【0026】
好ましくは、フレーム22は、互いに対向してyz方向に延びる第1の側壁(符号表記なし)及び第2の側壁(符号表記なし)と、互いに対向してxz方向に延びる第3の側壁(符号表記なし)及び第4の側壁(符号表記なし)とを有し、電気端子14、16は、第3の側壁又は第4の側壁に対して平行に向けられる。
【0027】
図6を参照すると、本発明の第2の実施形態による密閉ケーブルコネクタが示されている。電磁干渉に対する少なくとも1つの干渉防止フィルタ要素24が、キャビティ22a内に収納され、1対の電気端子14、16に電気的に接続される。フィルタ要素24は、好ましくはコンデンサである。電気端子14、16がxz方向に向けられるので、フィルタ要素24は、圧着によって、対応する電気端子14、16に接続されることが好ましい。
【0028】
図7~
図8を参照すると、本発明の第3の実施形態による密閉ケーブルコネクタは、更に、ハウジング12の対向する2つの側にそれぞれ固定(好ましくはクリップ留め)されてキャビティ22aを閉じるようになっている上部カバー26及び下部カバーを含む。代替実施形態では、キャビティ22aは底壁を有するので、下部カバーは必要ない。
【0029】
好ましくは、上部カバー26は、電気絶縁材料をキャビティ22a内に射出するのに適した射出穴(図示せず)と、電気絶縁材料内に気泡が閉じ込められるのを防ぐための空気出口穴とを有する。
【0030】
フレーム22は、フレーム22から外方に突出する複数の突出構造部28を有し、突出構造部28の各々は、支持体30の対応する溝に摺動可能に取り付けられる。
【0031】
本発明は、更に、密閉ケーブルコネクタの製造方法を提供する。この製造方法は、
a)複数の電気ケーブル18、20の端部を、対応する電気端子14、16の端部に接続する、好ましくは溶接するステップと、
b)接続された電気ケーブル18、20及び電気端子14、16上に、電気絶縁ハウジング12を成形するステップであって、電気絶縁ハウジング12は、相手側コネクタに対してx方向にプラグ着脱可能であり、z方向に延びて電気ケーブル18、20及び電気端子14、16の接続端部を収納するためのキャビティ22aを含むフレーム22を有し、電気端子14、16は、キャビティ22a内に平面形状を有し、xz方向に向けられる、ステップと、
c)電気絶縁材料をキャビティ22a内に射出して、電気ケーブル18、20及び電気端子14、16の接続端部を密閉するようにするステップと、
を含む。
【0032】
好ましくは、製造方法は、ステップc)の前に、フレーム22の対向する2つの側に、それぞれ、上部カバー26及び下部カバーを取り付けてキャビティ22aを閉じるステップを更に含む。
【0033】
好ましくは、ステップc)は、上部カバー26に形成される射出穴から電気絶縁材料を射出することによって実行される。
【0034】
本発明は、更に、車両内の装置を電気的に接続するためのものである、上記の実施形態で説明された密閉ケーブルコネクタの使用を提供する。装置は、冷却ファンモジュール、特に冷却ファンモジュールを駆動するためのモータとすることができる。
【0035】
本開示の発明の特定の実施形態を具体的に説明してきたが、本開示は、これらの実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本開示に様々な変更又は修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0036】
10 密閉ケーブルコネクタ
12 電気絶縁ハウジング
14,16 電気端子
18,20 電気ケーブル
22 フレーム
22a キャビティ
24 干渉防止フィルタ/干渉防止フィルタ要素
26 上部カバー
28 突出構造部
30 支持体