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特許7633727睡眠覚醒判定システム、睡眠覚醒判定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】睡眠覚醒判定システム、睡眠覚醒判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20250213BHJP
【FI】
A61B5/16 130
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023538370
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 JP2022026470
(87)【国際公開番号】W WO2023008099
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2021122223
(32)【優先日】2021-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521318608
【氏名又は名称】株式会社ACCELStars
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】史 蕭逸
(72)【発明者】
【氏名】香取 真知子
(72)【発明者】
【氏名】山田 陸裕
(72)【発明者】
【氏名】上田 泰己
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-050005(JP,A)
【文献】特表2018-505759(JP,A)
【文献】国際公開第2013/061415(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0256096(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠覚醒判定システムであって、
次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備え、
取得ステップでは、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得し、
判定ステップでは、
前記加速度を示す信号に含まれる特定周波数成分に基づいて、所定時間で規定されるエポックごとに特徴量を特定し
前記エポックのうちの、所望エポックの前記特徴量と、時系列で前記所望エポックより過去の近過去エポックの前記特徴量と、予め設定された参照情報とに基づいて、前記ユーザの睡眠及び覚醒を判定する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
さらに、帯域制限ステップでは、前記加速度を示す信号に含まれる周波数成分を前記特定周波数成分に制限し、
さらに、変換ステップでは、前記特定周波数成分から構成される信号をフーリエ変換して判定用データを生成し、
前記判定ステップでは、前記判定用データと、予め設定された参照情報とに基づいて、前記ユーザの睡眠及び覚醒を判定する、もの。
【請求項3】
請求項2に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
前記帯域制限ステップでは、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを用いて、前記特定周波数成分に制限する、もの。
【請求項4】
請求項2に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
さらに、補正ステップでは、前記判定用データの周波数成分の分布を標準化して補正する、もの。
【請求項5】
請求項2に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
さらに、補正ステップでは、取得された前記信号の周波数成分の分布を標準化して補正し、
前記帯域制限ステップでは、標準化された前記周波数成分を前記特定周波数成分に制限する、もの。
【請求項6】
請求項1に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
前記取得ステップでは、ビットレートを8ビット以上として、前記加速度をアナログ-デジタル変換して、前記信号を取得する、もの。
【請求項7】
請求項1に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
前記参照情報は、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【請求項8】
請求項7に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
前記学習済みモデルは、サンプリング周波数5Hz以上で前記信号を取得することで、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【請求項9】
請求項8に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、
前記学習済みモデルは、サンプリング周波数25Hz以上で前記信号を取得することで、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【請求項10】
睡眠覚醒判定方法であって、
請求項1~請求項の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項11】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~請求項の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠覚醒判定システム、睡眠覚醒判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の健康状態を良好に保つには健全な睡眠の確保が必要であり、不眠症、睡眠時呼吸障害、過眠症などの睡眠障害が健康を害する原因となることが知られている。ある人の睡眠状態を把握するには、実際にその人がどのように睡眠しているのか、一晩から数日間に渡って実態を検査する必要がある。
【0003】
人の睡眠状態を検査するものとして、特許文献1などで提案されている、終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)が開発されている。PSGでは検査対象者の体に多数の電極やセンサを装着し、その電極やセンサをそれぞれ専用の計測器具に接続することで、脳波、心電図、筋電図、呼吸状態など基礎データを計測し、その基礎データに基づいて睡眠及び覚醒の状態を検査している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-99507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1など、PSGを用いる睡眠検査では、使用する計測機器が多く、検査場所が病院や研究室に限定される。そのため、多くの人が気軽に複数日以上の長期間検査を行うことができない。また、自宅とは異なる環境で、身体に多くの電極やセンサを装着することで、ストレスも発生し寝づらくなってしまう。そのため、普段の睡眠状態を正しく検査するのは困難である。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、少ない装着器具を用いて充分高い精度で睡眠及び覚醒を判定する、睡眠覚醒判定システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、睡眠覚醒判定システムが提供される。この睡眠覚醒判定システムでは、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える。取得ステップでは、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得する。帯域制限ステップでは、加速度を示す信号に含まれる周波数成分を特定周波数成分に制限する。変換ステップでは、特定周波数成分から構成される信号をフーリエ変換して判定用データを生成する。判定ステップでは、判定用データと、予め設定された参照情報とに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定する。
【0008】
このような態様によれば、少ない装着器具を用いて充分高い精度で睡眠及び覚醒を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る睡眠覚醒判定システム1の構成概要を示す図である。
図2図1に示した睡眠覚醒判定システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】ウェアラブル機器2の一例を示す写真である。
図4】情報処理装置3における制御部33の機能ブロック図である。
図5】睡眠覚醒判定システム1の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】エポックEを説明するための概念図である。
図7】エポックEを説明するための概念図である。
図8】エポックごとの加速度のL2ノルムを示すグラフ(図8A)と、実際の睡眠を示すヒプノグラム(図8B)とを示す図である。
図9】サンプリング周波数別の学習済みモデルIF1の精度を示すグラフである。
図10】アナログ-デジタル変換におけるビットレート別の、睡眠覚醒判定の精度を示すグラフである。
図11】補正部334による標準化処理を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、睡眠覚醒判定システム1の全体構成について説明する。
【0015】
1.1 睡眠覚醒判定システム1
図1は、本実施形態に係る睡眠覚醒判定システム1の構成概要を示す図である。睡眠覚醒判定システム1は、ウェアラブル機器2と、情報処理装置3とを備え、これらが電気的通信手段によって情報のやりとりが可能なシステムである。図2は、図1に示した睡眠覚醒判定システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
1.2 ウェアラブル機器2
図3は、ウェアラブル機器2の一例を示す写真である。図3に示されるように、ウェアラブル機器2は、例えばユーザの腕に装着することのできる小型デバイスである。また、図2に示されるように、ウェアラブル機器2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、加速度センサ24とを有し、これらの構成要素がウェアラブル機器2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段や、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて有するように実施することが好ましい。特に、本実施形態では、通信部21は、後述の加速度センサ24が計測した時系列の3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を含む情報を、外付けの記憶媒体Mに書込可能に構成されることが好ましい。記憶媒体Mの種類や態様は特に限定されず、例えば、フラッシュメモリ、カードタイプメモリ、光学ディスク等が適宜採用されるとよい。
【0018】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、後述の加速度センサ24が計測した時系列の3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を含む情報を記憶することができる。なお、記憶部22を介さずに前述の記憶媒体Mに直接記憶させるように実施してもよい。
【0019】
制御部23は、ウェアラブル機器2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、ウェアラブル機器2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0020】
加速度センサ24は、ユーザの身体の一部、例えば腕の加速度を3次元のベクトル情報として計測可能に構成される。換言すると、時系列の3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を含む情報をユーザから取得することができる。
【0021】
1.3 情報処理装置3
図2に示されるように、情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。以下、各構成要素についてさらに説明する。
【0022】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段や、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて有するように実施することが好ましい。特に、本実施形態では、通信部31は、外付けの記憶媒体Mに記憶された情報を読込可能な記憶媒体読込部として実施することが好ましい。記憶媒体Mには、ウェアラブル機器2によってユーザから取得された時系列の3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を含む情報が記憶されている。これにより、記憶媒体読込部である通信部31は、記憶媒体Mに記憶された3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を読込可能に構成される。
【0023】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えばソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0024】
さらに、記憶部32は、所望エポックの特徴量f(N)と、近過去エポックの特徴量f(N±δ)と、ユーザの睡眠及び覚醒との相関性を学習させた学習済みモデルを記憶している。かかる機械学習のアルゴリズムは、従来のアルゴリズムを適宜採用することが好ましい。例えば、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、XGBoost、多層パーセプトロン(MLP)等が挙げられる。また、情報処理装置3を使用する度に、これを教師データとする機械学習をさらに実施して、かかる学習済みモデルを更新することができる。
【0025】
制御部33(プロセッサの一例)は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、後述の各機能部として実行されうる。なお、図2においては、単一の制御部33として表記されているが、実際はこれに限るものではなく、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。図4は、情報処理装置3における制御部33の機能ブロック図である。すなわち、制御部33は、次の各部を備える。
【0027】
取得部331は、ネットワーク又は記憶媒体M等を通じて、外部より種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部331は、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得してもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0028】
帯域制限部332は、取得部331が取得した信号に対して帯域制限処理を実行するように構成される。例えば、帯域制限部332は、加速度を示す信号に含まれる周波数成分のうち特定周波数成分Cに制限してもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0029】
変換部333は、帯域制限部332によって制限された特定周波数成分Cからなる信号に対してフーリエ変換処理を実行するように構成される。例えば、特定周波数成分Cからなる信号に対してフーリエ変換をして、判定用データを生成してもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0030】
補正部334は、補正処理を実行するように構成される。例えば、補正部334は、変換部333によって生成された判定用データの周波数成分の分布を標準化して補正してもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0031】
判定部335は、ユーザの睡眠及び覚醒を判定するように構成される。例えば、判定部335は、特定周波数成分Cと、予め設定された参照情報IFとに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定してもよい。これについては後にさらに詳述する。
【0032】
表示制御部336は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0033】
3.情報処理方法
本節では、前述した睡眠覚醒判定システム1の情報処理方法について説明する。
【0034】
(流れの概説)
図5は、睡眠覚醒判定システム1の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、図5の各アクティビティに沿って、情報処理の流れを概説する。ここでのユーザは、睡眠覚醒判定システム1が提供するサービスを用いて睡眠及び覚醒を判定されたい者であるとする。なお、ここでの睡眠及び覚醒の判定とは、ユーザが睡眠状態にあるか又は覚醒状態にあるかを判定することを含みうる。ユーザは、例えば自身の腕にウェアラブル機器2を装着している。
【0035】
まず、ユーザが、自身の身体の少なくとも一部、例えば片腕にウェアラブル機器2を装着した状態で横たわって休息をしている。この間、ウェアラブル機器2における加速度センサ24が、ユーザの片腕の加速度を逐次検出し、これを計測する(アクティビティA101)。計測された加速度を示す信号のログデータは、ウェアラブル機器2に挿入された記憶媒体Mに逐次記憶される。
【0036】
続いて、加速度を示す信号の十分なログデータが取得されたあとに、記憶媒体Mをウェアラブル機器2から情報処理装置3に差し替えることで、記憶媒体Mに記憶された加速度を示す信号を情報処理装置3に移管する。換言すると、取得部331は、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得する(アクティビティA102)。取得された加速度を示す信号は、記憶部32の一時記憶領域に読み出されるとよい。
【0037】
続いて、制御部33が記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことで、加速度の信号に含まれている周波数成分を特定周波数成分Cに制限する。換言すると、帯域制限部332は、加速度を示す信号に含まれる周波数成分を特定周波数成分Cに制限し、特に好ましくは、帯域制限部332は、ハイパスフィルタHFを用いて、特定周波数成分Cに制限する(アクティビティA103)。このような態様によれば、特定周波数成分Cをカットオフ周波数以上の高周波成分に制限することができ、より頑健にユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0038】
続いて、制御部33が記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことで、特定周波数成分Cから構成される信号に対してフーリエ変換を実行する。かかるフーリエ変換は、FFT(Fast Fourier Transformation)のアルゴリズムを用いることが好ましい。換言すると、変換部333は、特定周波数成分Cから構成される信号をフーリエ変換して判定用データを生成する(アクティビティA104)。
【0039】
続いて、制御部33が記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことで、生成された判定用データの周波数成分の標準化が行われる。換言すると、補正部334が判定用データの周波数成分(特定周波数成分Cの分布)を標準化して補正する(アクティビティA105)。
【0040】
続いて、標準化がなされた判定用データが、所定時間t単位で規定されるエポックEとして取り扱われる。具体的には、制御部33が記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことで、エポックEごとの特徴量f(N)が演算される(アクティビティA106)。ここでのNはエポックEの通し番号であり、後にさらに詳述する。
【0041】
その後、制御部33が記憶部32に記憶された参照情報IFを読み出し(アクティビティA107)、所望のエポックEの特徴量fとその周辺に規定されるエポックEの特徴量fとを参照情報IFに与えることで、ユーザの睡眠及び覚醒についての判定結果が表示される。特に好ましくは、参照情報IFは、特定周波数成分Cと、睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルIF1である。このような態様によれば、機械学習を用いた、精度の高いユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0042】
換言すると、判定部335は、特定周波数成分Cを含む判定用データと、予め設定された参照情報IFとに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定する。好ましくは、判定部335は、特定周波数成分Cに基づいて、所定時間tで規定されるエポックEごとに特徴量fを特定する。また、判定部335は、エポックEのうちの、所望エポックEの特徴量fと、時系列で所望エポックEよりも過去の近過去エポックEの特徴量fと、参照情報IFの一例である学習済みモデルIF1とに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定する。そして、表示制御部336は、かかる判定結果をユーザに提示可能に表示させるように制御する(アクティビティA108)。このような態様によれば、より精度高く、ユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0043】
以上をまとめると、この睡眠覚醒判定方法は、睡眠覚醒判定システム1における各ステップを備える。取得ステップでは、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得する。帯域制限ステップでは、加速度を示す信号に含まれる周波数成分を特定周波数成分Cに制限する。変換ステップでは、特定周波数成分Cから構成される信号をフーリエ変換して判定用データを生成する。判定ステップでは、判定用データと、予め設定された参照情報とに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定する。
【0044】
このような態様によれば、少ない装着器具を用いて充分高い精度で睡眠及び覚醒を判定することが可能となる。特に、先に帯域制限をしてからフーリエ変換を行うことで、判定用データにおける特徴量fを顕著とすることが可能となり、その結果、睡眠及び覚醒の判定に寄与する。また、装置が信号を取得するサンプリング周波数に依存しないため、より頑健に、ユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0045】
(情報処理の詳細)
ここでは、図5で概説された情報処理の詳細部分を説明する。図6及び図7は、エポックEを説明するための概念図である。図8は、エポックごとの加速度のL2ノルムを示すグラフ(図8A)と、実際の睡眠を示すヒプノグラム(図8B)とを示す図である。図9は、サンプリング周波数別の学習済みモデルIF1の精度を示すグラフである。図10は、アナログ-デジタル変換におけるビットレート別の、睡眠覚醒判定の精度を示すグラフである。図11は、補正部334による標準化処理を示す概要図である。
【0046】
図6に示されるように、エポックEは、所定時間tで規定された加速度の信号ログデータである。この所定時間tは、例えば、5~600秒であり、好ましくは、10~120秒であり、さらに好ましくは、20~60秒であり、具体的には例えば、10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,200,210,220,230,240,250,260,270,280,290,300,310,320,330,340,350,360,370,380,390,400,410,420,430,440,450,460,470,480,490,500,510,520,530,540,550,560,570,580,590,600秒であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0047】
本実施形態では、加速度を示す信号を複数のエポックEとして取り扱うこととなる。時系列においてN番目のエポックEを所望エポックEと称し、それよりも少し過去である、例えば、N-1~N-4番目のエポックEを近過去エポックEと称することとする。本実施形態では、所望エポックEの特徴量f(N)と、近過去エポックEの特徴量f(N-δ)とを入力として、記憶部32に記憶された前述の学習済みモデルに基づいて、ユーザの睡眠及び覚醒を判定する。
【0048】
δの値は、具体的には例えば、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい.もちろんエポックの数はあくまでも一例であり、この限りではない。また、特徴量f(N-δ)に代えて、図7に示されるように、特徴量f(N±δ)を採用してもよい。かかる場合、例えば、N-4~N+4番目のエポックEを周辺エポックEと称してもよい。
【0049】
また、エポックEの特徴量fは特に限定されるものではない。例えば、加速度を表す3次元加速度ベクトルv(x,y,z)等にハイパスフィルタHF、FFT及び標準化処理を施したもののL2ノルムから、特徴量f(N)を抽出して、これを睡眠及び覚醒の判定に用いてもよい。具体的には例えば、特徴量f(N)は、L2ノルム等のスカラー値又はその対数に対して、複数の閾値で階級を分けて生成したヒストグラムでもよいし、スカラー値に窓関数を乗算した積値に基づくパワースペクトルでもよい。例えば、図8Aには、加速度の時間差分の対数パワースペクトルが示されている。そして、図8Bには、図8Aに相関するヒプノグラムが示されている。
【0050】
続いて、図9に示されるように、学習済みモデルIF1を生成するにあたって、教師データのサンプリング周波数によって、判定の精度に変化が見られることが分かった。具体的には、図8A図8Dの順に、教師データのサンプリング周波数を、50Hz,25Hz,10Hz及び5Hzとして学習済みモデルIF1を生成した。
【0051】
全体として、教師データのサンプリング周波数と、これに入力するサンプル信号のサンプリング周波数とを合わせた場合に、正答率(Accuracy)のスコア(Score)が高くなる傾向が見られた。さらに、特に、学習済みモデルIF1の生成に際しての教師データのサンプリング周波数が25Hz以上であれば、入力するサンプル信号のサンプリング周波数が低い場合でも比較的高い精度を実現することができた。なお、サンプリング周波数を変更するにあたって、リサンプリング(resampling)処理を行う場合と、間引き(thinning)処理を行う場合とでは、大きな差は見られなかった。
【0052】
以上より、好ましくは、学習済みモデルIF1は、サンプリング周波数5Hz以上で信号を取得することで、特定周波数成分Cと、睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルIF1であるとよい。また、学習済みモデルIF1に入力するサンプル信号のサンプリング周波数も5Hz以上であるとよい。このような学習済みモデルに対して、入力するサンプルのサンプリング周波数を、学習時のものに合わせた場合に、精度の高い判定を実現することができる。
【0053】
さらに好ましくは、学習済みモデルIF1は、サンプリング周波数25Hz以上で信号を取得することで、特定周波数成分Cと、睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルIF1であるとよい。このような態様によれば、入力するサンプルのサンプリング周波数を学習時のものよりも低くした場合であっても、精度の高い判定を実現することができる。
【0054】
すなわち、学習済みモデルIF1の学習に用いた信号のサンプリング周波数は、具体的には例えば、5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100Hzであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0055】
さらに、図10に示されるように、アナログ-デジタル変換するにあたっての、ビットレートが判定の精度に影響することが確認された。図10によれば、リサンプリング処理をした場合は、4ビットと6ビットとの間に差が見られ、間引き処理をした場合は、6ビットと8ビットとの間に差が見られることが分かった。すなわち、好ましくは、取得部331は、ビットレートを8ビット以上として、加速度をアナログ-デジタル変換して、信号を取得するとよい。具体的には例えば、8,10,12,14,16,32,48,64ビットであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このような態様によれば、デジタル変換された信号の精度を高く維持することができるため、より頑健にユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。なお、アナログ-デジタル変換自体を8ビット以上で行ってもよいし、取得された信号が結果的に8ビット以上であるように行ってもよい。
【0056】
さらに、図11に示されるように、ウェアラブル機器2は、その製品ごとに周波数感度が異なることが確認されている。ここでは、ウェアラブル機器2aと、ウェアラブル機器2bとの場合が例示されている。本実施形態では、このような製品ごとの周波数感度の分散による誤差を緩和するために、補正部334による標準化処理を導入している。標準化処理を施すことで、ウェアラブル機器2a,2bともに略均一な周波数感度の分布に変化している。すなわち、本実施形態では、補正部334による標準化処理を含むことで、製品によらず周波数感度の影響を軽減し、より頑健にユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0057】
4.その他
本実施形態に係る睡眠覚醒判定システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0058】
以上の実施形態では、睡眠覚醒判定システム1の構成として説明したが、少なくとも1つのコンピュータに、睡眠覚醒判定システム1における各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。このような態様によれば、少ない装着器具を用いて充分高い精度で睡眠及び覚醒を判定することが可能となる。また、装置が信号を取得するサンプリング周波数に依存しないため、より頑健に、ユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0059】
ウェアラブル機器2から情報処理装置3への加速度を示す信号のログデータの受け渡しを、記憶媒体Mを介さずに、インターネット、イントラネット又は専用無線通信等の通信ネットワークを介して行ってもよい。また、ウェアラブル機器2による加速度の計測と、情報処理装置3による睡眠及び覚醒の判定とをオンラインで一定のレイテンシを有して略リアルタイムに行えるようにしてもよい。
【0060】
本実施形態では、取得部331、帯域制限部332、変換部333、補正部334、判定部335及び表示制御部336を、情報処理装置3の制御部33によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、ウェアラブル機器2の制御部23によって実現される機能部として実施してもよい。
【0061】
さらには、ウェアラブル機器2と情報処理装置3とが一体となって構成されてもよい。換言すると、情報処理装置3は、ユーザが身体の一部に着用可能なウェアラブル機器2であって、加速度センサ24をさらに備え、加速度センサ24は、加速度の3次元加速度ベクトルv(x,y,z)を計測可能に構成されるとよい。
【0062】
帯域制限部332は、ハイパスフィルタHFに代えて、バンドパスフィルタを用いて、特定周波数成分Cに制限するように構成されてもよい。このような態様によれば、特定周波数成分を、好ましい成分に制限することができ、より頑健にユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0063】
図5に示されるアクティビティA103及びA104の順序を逆にしてもよい。換言すると、補正部334が取得された信号の周波数成分の分布を標準化して補正し、帯域制限部332が標準化された周波数成分を特定周波数成分Cに制限してもよい。このような態様によれば、装置ごとに異なる周波数感度の影響を軽減し、より頑健にユーザの睡眠及び覚醒を判定することができる。
【0064】
本実施形態の加速度センサ24に加えて、他のセンサが適宜追加されてもよい。例えば、SpO2センサ、環境光センサ、心拍センサ等が追加されてもよい。SpO2センサが経皮的動脈血酸素飽和度を測定し、その結果が睡眠及び覚醒を判定に付加的に用いられるように実施してもよい。環境光センサがユーザの環境光の強度を測定し、その結果が睡眠及び覚醒を判定に付加的に用いられるように実施してもよい。心拍センサがユーザの心拍を測定し、その結果が睡眠及び覚醒を判定に付加的に用いられるように実施してもよい。
【0065】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0066】
(1)睡眠覚醒判定システムであって、次の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備え、取得ステップでは、ユーザの身体の少なくとも一部の加速度を示す信号を取得し、帯域制限ステップでは、前記加速度を示す信号に含まれる周波数成分を特定周波数成分に制限し、変換ステップでは、前記特定周波数成分から構成される信号をフーリエ変換して判定用データを生成し、判定ステップでは、前記判定用データと、予め設定された参照情報とに基づいて、前記ユーザの睡眠及び覚醒を判定する、もの。
【0067】
(2)上記(1)に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記帯域制限ステップでは、ハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを用いて、前記特定周波数成分に制限する、もの。
【0068】
(3)上記(1)又は(2)に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、さらに、補正ステップでは、前記判定用データの周波数成分の分布を標準化して補正する、もの。
【0069】
(4)上記(1)又は(2)に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、さらに、補正ステップでは、取得された前記信号の周波数成分の分布を標準化して補正し、前記帯域制限ステップでは、標準化された前記周波数成分を前記特定周波数成分に制限する、もの。
【0070】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記取得ステップでは、ビットレートを8ビット以上として、前記加速度をアナログ-デジタル変換して、前記信号を取得する、もの。
【0071】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記参照情報は、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【0072】
(7)上記(6)に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記学習済みモデルは、サンプリング周波数5Hz以上で前記信号を取得することで、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【0073】
(8)上記(7)に記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記学習済みモデルは、サンプリング周波数25Hz以上で前記信号を取得することで、前記特定周波数成分と、前記睡眠及び覚醒との相関を学習させた学習済みモデルである、もの。
【0074】
(9)上記(1)~(8)の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおいて、前記判定ステップでは、前記判定用データに基づいて、所定時間で規定されるエポックごとに特徴量を特定し、前記エポックのうちの、所望エポックの前記特徴量と、時系列で前記所望エポックより過去の近過去エポックの前記特徴量と、前記参照情報とに基づいて、前記ユーザの睡眠及び覚醒を判定する、もの。
【0075】
(10)睡眠覚醒判定方法であって、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおける各ステップを備える、方法。
【0076】
(11)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(9)の何れか1つに記載の睡眠覚醒判定システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0077】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 :睡眠覚醒判定システム
2 :ウェアラブル機器
2a :ウェアラブル機器
2b :ウェアラブル機器
3 :情報処理装置
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :加速度センサ
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :帯域制限部
333 :変換部
334 :補正部
335 :判定部
336 :表示制御部
C :特定周波数成分
E :エポック
HF :ハイパスフィルタ
IF :参照情報
IF1 :学習済みモデル
M :記憶媒体
f :特徴量
t :所定時間
v :3次元加速度ベクトル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11