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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-12
(45)【発行日】2025-02-20
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20250213BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
B60R11/02 C
G01C21/36
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024117526
(22)【出願日】2024-07-23
【審査請求日】2024-07-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社Anemoneが令和6年1月26日にYahoo!オークションに出品した。 Anemoneが令和6年1月26日にYahoo!ショッピング,Yahoo!オークション,楽天市場に出品した。 株式会社AVANTが令和6年1月25日にAmazonに出品した。 株式会社AVANTが令和6年1月26日にYahoo!オークションに出品した。 株式会社AVANTが令和6年1月31日に楽天市場に出品した。 株式会社トロアが令和6年1月26日にYahoo!オークションに出品した。 株式会社トロアが令和6年2月8日にAmazonに出品した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517264959
【氏名又は名称】株式会社Anemone
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】松中 哲也
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-063295(JP,A)
【文献】特開2024-077282(JP,A)
【文献】特開2024-053885(JP,A)
【文献】特開2005-43064(JP,A)
【文献】登録実用新案第3104005(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
G01C 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載ナビゲーション装置に搭載されているカーテレビ装置の車両走行中における視聴を可能とする車両制御装置において、
車両からの車速パルス信号を受信する第1受信手段と、
前記カーテレビ装置をON/OFFするか否かのスイッチ信号を受信する第2受信手段と、
前記スイッチ信号がONであれば、第1の一定時間内に前記車速パルス信号が前記第1受信手段にて、何回受信したかを計測する計測手段と、
前記計測手段にて計測した計測結果に応じて、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合を調整した車速パルス信号を第2の一定時間内、前記車載ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を有し、
前記送信手段にて、前記調整した車速パルス信号を前記第2の一定時間内、前記車載ナビゲーション装置に送信した後、第3の一定時間内、前記調整した車速パルス信号を前記車載ナビゲーション装置に送信しないようにし、
前記送信手段は、車両速度変化を確認するため、前記計測手段にて計測した受信回数を確認し、その受信回数が所定のパルス数未満であれば、車両速度が低速であると判断し、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合をmsec単位で調整し、その調整した信号を前記車載ナビゲーション装置に送信する一方、所定のパルス数未満でなければ、車両速度が高速であると判断し、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合をμsec単位で調整し、その調整した信号を前記車載ナビゲーション装置に送信してなる車両制御装置。
【請求項2】
前記第3の一定時間は、前記第2の一定時間よりも長い時間に設定されている請求項に記載の車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メーカ純正や販売店オプション等の車載ナビゲーション装置に搭載されているカーテレビ装置(以下、単にテレビという場合もある)には、運転者による運転の安全性確保のために、車両走行中に視聴ができないような機能が搭載されている。しかしながら、運転を行わない助手席や後部座席の同乗者も車両走行中にテレビを視聴することができないため、同乗者にとっては不便であった。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、車両走行中であってもテレビの視聴を可能にするものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7313640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、車両走行中であってもテレビの視聴が可能であるものの、車両から車載ナビゲーション装置が受け取る車両情報を一定期間送信せず記憶し、一定期間後まとめて、車両情報を車載ナビゲーション装置へ送信するというものであることから、車載ナビゲーション装置が認識する車両の位置が実際の位置からずれてしまう可能性があり、これによって、車載ナビゲーション装置の精度(ナビゲーションのための位置認識の精度)が低下する可能性があるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、車両走行中であってもテレビの視聴が可能であると共に、車載ナビゲーション装置の精度低下を低減させることができる車両制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1の発明に係る車両制御装置は、車載ナビゲーション装置に搭載されているカーテレビ装置の車両走行中における視聴を可能とする車両制御装置において、
車両からの車速パルス信号(例えば、図3(b)に示す車速パルス信号PA)を受信する第1受信手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS12,13参照)と、
前記カーテレビ装置をON/OFFするか否かのスイッチ信号を受信する第2受信手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS4参照)と、
前記スイッチ信号がONであれば、第1の一定時間内に前記車速パルス信号が前記第1受信手段にて、何回受信したかを計測する計測手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS13参照)と、
前記計測手段にて計測した計測結果に応じて、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合を調整した車速パルス信号(例えば、図3(a)に示す調整後車速パルス信号PAC)を第2の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T2)内、前記車載ナビゲーション装置に送信する送信手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS15,17参照)と、を有し、
前記送信手段にて、前記調整した車速パルス信号を前記第2の一定時間内、前記車載ナビゲーション装置に送信した後、第3の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T3)内、前記調整した車速パルス信号を前記車載ナビゲーション装置に送信しないようにし、
前記送信手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS15,17参照)は、車両速度変化を確認するため、前記計測手段(例えば、図1に示すCPU2、図2に示すステップS13参照)にて計測した受信回数を確認し、その受信回数が所定のパルス数未満(例えば、図2に示すステップS14:YES参照)であれば、車両速度が低速であると判断し、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合をmsec単位で調整し、その調整した信号を前記車載ナビゲーション装置に送信する(例えば、図2に示すステップS15参照)一方、所定のパルス数未満でなければ(例えば、図2に示すステップS14:NO参照)、車両速度が高速であると判断し、前記車速パルス信号のON/OFFの時間割合をμsec単位で調整し、その調整した信号を前記車載ナビゲーション装置に送信してなる(例えば、図2に示すステップS17参照)ことを特徴としている。
【0010】
請求項の発明に係る車両制御装置は、上記請求項に記載の車両制御装置において、前記第3の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T3)は、前記第2の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T2)よりも長い時間に設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
請求項1に係る発明によれば、スイッチ信号がONであれば、第1の一定時間内に車速パルス信号が第1受信手段にて、何回受信したかを計測する。そしてその計測した計測結果に応じて、車速パルス信号のON/OFFの時間割合を調整した車速パルス信号(例えば、図3(a)に示す調整後車速パルス信号PAC)を第2の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T2)内、車載ナビゲーション装置に送信する。これにより、車速パルス信号(例えば、図3(b)に示す車速パルス信号PA)をリアルタイムで処理することができるから、車載ナビゲーション装置(図示せず)が認識する車両の位置が実際の位置からずれてしまう可能性を低減させることができる。
【0013】
さらに、請求項1係る発明によれば、上記の処理後、第3の一定時間(例えば、図3(a)に示す一定時間T3)内、調整した車速パルス信号を車載ナビゲーション装置に送信しないようにしている。これにより、この期間に、カーテレビ装置(図示せず)が視聴可能となる。
【0014】
したがって、本発明によれば、車両走行中であってもテレビの視聴が可能であると共に、車載ナビゲーション装置の精度低下を低減させることができる。
【0015】
さらに、請求項に係る発明によれば、計測結果が所定のパルス数未満か否か、つまり、現在の車両速度に応じて、車速パルス信号(例えば、図3(b)に示す車速パルス信号PA)のON/OFFの時間割合の調整を、msec単位又はμsec単位の何れかで調整するようにしている。これにより、車両速度が途中で変化しても、車載ナビゲーション装置が認識する車両の位置が実際の位置からずれてしまう可能性をより低減させることができる。それゆえ、このようにすれば、車載ナビゲーション装置の精度低下をより低減させることができる。
【0016】
請求項に係る発明によれば、車両走行中のテレビの視聴がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る車両制御装置のブロック図である。
図2】同実施形態に係る車両制御装置の処理内容を示すフローチャート図である。
図3】(a)は、調整後の車速パルス信号のタイミングチャートを示し、(b)は、車両からの車速パルス信号のタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る車両制御装置の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0019】
<車両制御装置の概略説明>
本実施形態に係る車両制御装置は、車両走行中であってもテレビの視聴が可能であると共に、車載ナビゲーション装置の精度低下を低減させることができるものである。具体的には、図1に示す車両制御装置1は、車載ナビゲーション装置(図示せず)と電気的に接続されているものである。より詳しく説明すると、図1に示す車両制御装置1は、各種制御を統括的に実施するCPU2を備えている。このCPU2は、図1に示すように、レベル変換3を介して、図3(b)に示すような車両からの車速パルス信号PAを受信することができる。なお、レベル変換3は、CPU2が受信できる電圧に変換する処理などを行うものである。また、車速パルス信号PAは、図3(b)に示す、1回のON(Hiレベル)と1回のOFF(Lowレベル)とを組み合わせた期間T1の信号を指すものである。かくして、このような車速パルス信号PAが、図3(b)に示すように、複数連続的に車両から送信されてくることになる。
【0020】
一方、図1に示すCPU2は、図3(b)に示す車速パルス信号PAを、レベル変換3を介して受信し、その受信した図3(b)に示す車速パルス信号PAのON/OFFの時間割合を調整し、図3(a)に示すような調整後車速パルス信号PACを生成する。そして、図1に示すCPU2は、その生成した調整後車速パルス信号PACを、図1に示すレベル変換4を介して車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信するようになっている。なお、レベル変換4は、車載ナビゲーション装置(図示せず)が受信できる電圧に変換する処理などを行うものである。
【0021】
また、図1に示すように、CPU2には、車載ナビゲーション装置(図示せず)に搭載されているカーテレビ装置(図示せず)をON/OFFするか否かのスイッチ5が接続されている。そして、図1に示すCPU2は、このスイッチ5からのスイッチ信号を受信できるようになっている。
【0022】
また、図1に示すように、CPU2には、図1に示すスイッチ5に内蔵されているLED6が接続されている。これにより、図1に示すCPU2は、スイッチ5がONされている場合(車載ナビゲーション装置(図示せず)に搭載されているカーテレビ装置(図示せず)を視聴する場合)に点灯させる制御を行い、スイッチ5がOFFされている場合(車載ナビゲーション装置(図示せず)に搭載されているカーテレビ装置(図示せず)を視聴しない場合)に消灯させる制御を行うようになっている。
【0023】
また、図1に示すように、CPU2には、ブザー7が接続されている。これにより、図1に示すCPU2は、状況に応じた各種音がブザー7から出力されるように制御するようになっている。
【0024】
また、図1に示すように、CPU2には、ROM8が接続されている。図1に示すROM8は、変更を必要としないプログラムや各種パラメータを格納しているものである。
【0025】
また、図1に示すように、CPU2には、RAM9が接続されている。図1に示すRAM9は、データを一時記憶するものである。
【0026】
以上説明した内容が、図1に示す車両制御装置1の概略説明である。
【0027】
<車両制御装置の処理内容の説明>
次に、図2に示すフローチャートも参照し、本実施形態に示す車両制御装置1の処理内容を説明することで、より詳しく車両制御装置1を説明する。
【0028】
車両制御装置1に電源が投入されると、図1に示すCPU2は、各種初期設定を行う(ステップS1)。具体的には、CPU2は、I/Oの入出力設定を行い、I/Oの初期設定を行い、図1に示すRAM9の初期化などを行う。
【0029】
次に、CPU2は、図示しないジャンパーの確認を行う(ステップS2)。
【0030】
次に、CPU2は、ジャンパーがショートしていれば、カーテレビ装置(図示せず)が走行中視聴できない状態であることから、「ピッ」という音を図1に示すブザー7から出力させるように制御する。また、CPU2は、ジャンパーがショートしていなければ(オープンであれば)、カーテレビ装置(図示せず)が走行中視聴できる状態であることから、「ピッピッ」という音を図1に示すブザー7から出力させるように制御する(ステップS3)。これにより、ユーザにジャンパーの状態を報知し、正しい設定になっているか否かの確認を促すようにしている。
【0031】
次に、CPU2は、図1に示すスイッチ5から受信しているスイッチ信号を確認する(ステップS4)。スイッチ信号がONであれば(ステップS4:YES)、走行中カーテレビ装置(図示せず)をONするということであるから、CPU2は、図1に示すスイッチ5に内蔵されているLED6を点灯させる制御を行う(ステップS5)。次に、CPU2は、「ピッピッ」という音を図1に示すブザー7から出力させるように制御し(ステップS6)、フラグをONにセットする処理を行う(ステップS7)。
【0032】
一方、スイッチ信号がOFFであれば(ステップS4:NO)、走行中カーテレビ装置(図示せず)をOFFするということであるから、CPU2は、図1に示すスイッチ5に内蔵されているLED6を消灯させる制御を行う(ステップS8)。次に、CPU2は、「ピッ」という音を図1に示すブザー7から出力させるように制御し(ステップS9)、フラグをOFFにセットする処理を行う(ステップS10)。
【0033】
かくして、CPU2は、上記説明したステップS7又はステップS10の処理を終えると、フラグの確認を行う(ステップS11)。フラグがOFFにセットされていれば(ステップS11:OFF)、CPU2は、図1に示すレベル変換3を介して受信した図3(b)に示す車速パルス信号PAを、何も処理せず、図1に示すレベル変換4を介して車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信する(ステップS12)。そして、その処理後、CPU2は、再び、ステップS4の処理に戻り上記説明した処理を繰り返すことになる。
【0034】
一方、フラグがONにセットされていれば(ステップS11:ON)、CPU2は、図1に示すレベル変換3を介して受信した図3(b)に示す車速パルス信号PAを計測する。すなわち、CPU2は、一定時間(例えば、0.6秒間)内に図3(b)に示す車速パルス信号PAを何回受信したかを計測する(ステップS13)。
【0035】
次に、CPU2は、上記計測した計測結果を確認する(ステップS14)。一定時間(例えば、0.6秒間)内の受信回数が所定パルス数未満であれば(ステップS14:YES)、CPU2は、現在、車両が低速(例えば、10km/h程度)で走行中であると判断し、受信した図3(b)に示す車速パルス信号PAのON/OFFの時間割合をmsec単位で調整し、図3(a)に示すような調整後車速パルス信号PACを生成する。そして、このような調整後、CPU2は、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)、調整後車速パルス信号PACを図1に示すレベル変換4を介して車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信し続ける(ステップS15)。なお、調整としては、例えば、一定時間(例えば、0.6秒間)内に計測したパルス数の3倍、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)内に送信できるように調整するものである。
【0036】
次に、CPU2は、上記ステップS15の処理を終えた後、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)、調整後車速パルス信号PACを車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信しないようにする(ステップS16)。これにより、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)の区間、車載ナビゲーション装置(図示せず)が、車両が停止したと判断することになるから、走行中であっても、カーテレビ装置(図示せず)が視聴できることになる。なお、ステップS16の処理後、CPU2は、再び、ステップS4の処理に戻り上記説明した処理を繰り返すことになる。
【0037】
一方、一定時間(例えば、0.6秒間)内の受信回数が所定パルス数未満でなければ(ステップS14:NO)、CPU2は、現在、車両が高速で走行中であると判断し、受信した図3(b)に示す車速パルス信号PAのON/OFFの時間割合をμsec単位で調整し、図3(a)に示すような調整後車速パルス信号PACを生成する。そして、このような調整後、CPU2は、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)、調整後車速パルス信号PACを図1に示すレベル変換4を介して車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信し続ける(ステップS17)。なお、調整としては、例えば、一定時間(例えば、0.6秒間)内に計測したパルス数の3倍、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)内に送信できるように調整するものである。
【0038】
次に、CPU2は、上記ステップS17の処理を終えた後、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)、調整後車速パルス信号PACを車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信しないようにする(ステップS16)。これにより、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)の区間、車載ナビゲーション装置(図示せず)が、車両が停止したと判断することになるから、走行中であっても、カーテレビ装置(図示せず)が視聴できることになる。なお、ステップS16の処理後、CPU2は、再び、ステップS4の処理に戻り上記説明した処理を繰り返すことになる。
【0039】
以上説明した内容が、本実施形態に示す車両制御装置1の処理内容である。
【0040】
したがって、以上説明してきた本実施形態によれば、計測した計測結果に応じて、図3(b)に示す車速パルス信号PAのON/OFFの時間割合を調整し、図3(a)に示すような調整後車速パルス信号PACを生成する。そして、図1に示すCPU2は、その生成した調整後車速パルス信号PACを、図1に示すレベル変換4を介して車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信するようになっている。これにより、図3(b)に示す車速パルス信号PAをリアルタイムで処理することができるから、車載ナビゲーション装置が認識する車両の位置が実際の位置からずれてしまう可能性を低減させることができる。
【0041】
また、上記の処理後、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)、調整後車速パルス信号PACを車載ナビゲーション装置(図示せず)に送信しないようにしているから、この期間に、カーテレビ装置(図示せず)が視聴可能となる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、車両走行中であってもテレビの視聴が可能であると共に、車載ナビゲーション装置の精度低下を低減させることができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、現在の車両速度に応じて、図3(b)に示す車速パルス信号PAのON/OFFの時間割合の調整を、msec単位又はμsec単位の何れかで調整するようにしている。これにより、車両速度が途中で変化しても、車載ナビゲーション装置が認識する車両の位置が実際の位置からずれてしまう可能性をより低減させることができる。それゆえ、このようにすれば、車載ナビゲーション装置の精度低下をより低減させることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)は、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)より長い時間に設定されている。このようにすれば、車両走行中のテレビの視聴がし易くなる。つまり、あまりに早く切り替えてしまうと、ユーザが視認できる程度にテレビの画面が表示されない可能性がある。そのため、本実施形態においては、図3(a)に示す一定時間T3(例えば、1.0秒間)は、図3(a)に示す一定時間T2(例えば、0.5秒間)より長い時間に設定されている。
【0045】
<変形例の説明>
なお、本実施形態において例示した内容は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 車両制御装置
2 CPU(第1受信手段、第2受信手段、計測手段、送信手段)
PA 車速パルス信号
PAC 調整後車速パルス信号(調整した車速パルス信号)
T2 一定時間(第2の一定時間)
T3 一定時間(第3の一定時間)



【要約】
【課題】車両走行中であってもテレビの視聴が可能であると共に、車載ナビゲーション装置の精度低下を低減させることができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】スイッチ信号がONであれば、一定時間内に車速パルス信号を何回受信したかをCPUにて計測する。そして、その計測結果に応じて、車速パルス信号のON/OFFの時間割合を調整した車速パルス信号を一定時間T2内、車載ナビゲーション装置に送信する。さらに、調整した車速パルス信号を一定時間T2内、車載ナビゲーション装置に送信した後、一定時間T3内、調整した車速パルス信号を車載ナビゲーション装置に送信しないようにしている。
【選択図】図3

図1
図2
図3