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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-13
(45)【発行日】2025-02-21
(54)【発明の名称】把持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/56 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
B66C1/56
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023532707
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2021061004
(87)【国際公開番号】W WO2022113012
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】102020000028784
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】523198512
【氏名又は名称】エフ.エルエルアイ リギーニ エス.アール.エル.
【氏名又は名称原語表記】F.LLI RIGHINI S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via Travaglini, 21, 48122 Ravenna (IT)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】リギーニ,レンゾ
(72)【発明者】
【氏名】アルゲリ フランコ
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/020819(WO,A1)
【文献】特表2016-500135(JP,A)
【文献】特表2014-502944(JP,A)
【文献】特開2007-131394(JP,A)
【文献】特開平07-232891(JP,A)
【文献】米国特許第06733058(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第106586820(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/00-15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(AL)が設けられた円筒パイル(CP)を端部位置で把持するように設計された把持アセンブリ(1)であって、前記アセンブリ(1)は、中心軸(CA)、及び、前記中心軸(CA)の周りに均等に分布し、摩擦によって前記パイル(CP)の1つと結合するように半径方向に移動可能な複数の把持部材(12)を有する円筒状の第一本体(10)であって、互いに平行かつ前記第一本体(10)の前記中心軸(CA)に対して横断方向にある第一上部平坦面(2)及び第二下部平坦面(3)によって画定される第一本体(10)と、長手方向直径平面(M)に対して横方向に配置され、前記直径平面に対して横方向である第一軸(TA1)の周りで前記第一本体(10)と一体のプレート(100)(100’)にヒンジ接続された前記第一本体(10)によって担持される少なくとも1つの支持部(22)を備えるリフティングアーム(20)とを備え、各前記支持部(22)(22’)は前記アーム(20)を回転可能な態様で支持するように、前記第一軸(TA1)に平行な支点軸(AF)の周りに展開された中心軸(24)を備え、
各前記支持部(22)(22’)は第一フック部材(222)(222’)によって前記第一軸(TA1)の周りで対応する前記プレート(100)(100’)に回転可能に連結されたエルボー(220)(220’)を有し、各前記プレート(100)(100’)は、前記第一軸(TA1)と同心のそれぞれの円形スリット(226)(226’)であって、2つの凹状当接部(224)(224’)によって画定される、該それぞれの円形スリット(226)(226’)を介して角度的に摺動するように前記エルボー(220)(220’)に連結された第二フック部材(14)(14’)を有し、
前記リフティングアーム(20)はそれぞれが前記第一軸(TA1)の周りでそれぞれの前記プレート(100)(100’)にヒンジ接続された2つの支持部(22)(22’)を備え、前記支持部(22)(22’)は前記直径平面(M)に対して対称に配置され、前記支持部(22)(22’)は前記中心軸(24)によって接続され、
前記第二フック部材(14)(14’)の各々が、前記プレート(100)(100’)のブラケット(102)(102’)によって担持されるピン(14)(14’)を備えることを特徴とする、把持アセンブリ。
【請求項2】
前記直径平面(M)上の前記第一フック部材(222)(222’)の中心の第一突起(P1)と、前記直径平面(M)上の前記第二フック部材(14)(14’)の中心の第二突起(P2)とが、セグメント(P1-P2)を画定し、前記セグメント(P1-P2)に直角で前記セグメント(P1-P2)の両端から等距離にある幾何学的軸(GA)が前記中心軸(CA)に平行又は一致することを特徴とする、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記2つの凹状当接部(224)(224’)が、前記第一軸(TA1)を中心とする90°未満の角度だけ互いに離間していることを特徴とする、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記アームと前記第一本体との間に配置され、前記第一軸(TA1)の周りの相対回転運動でそれらを移動させる作動手段(30)を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記作動手段(30)は、リニアアクチュエータ(32)を備え、前記リニアアクチュエータの軸は前記第一軸(TA1)を横断し、前記第一本体(10)に連結された第一ブラケット(34)と角度的に固定された態様で前記アーム(20)に連結された第二ブラケット(36)によって両端が担持されることを特徴とする、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第一フック部材(222)(222’)が、回転子対で形成されていることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第一軸(TA1)が、前記第一本体(10)の外部又は内部にあることを特徴とする、請求項1~のいずれかに記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持アセンブリに関する。特に、本発明は、それぞれの端部を通してパイル(又は、杭)を把持するための把持アセンブリに関する。さらに詳細には本発明がそれぞれの端部を通ってパイルを把持するための把持アセンブリに関し、前記アセンブリはこの端部を通る軸の周りで前記パイルを移動させるように設計される。
【背景技術】
【0002】
取扱い(又は、ハンドリング)部門、特に円筒体の持ち上げ及び垂直化において、例えば、限定するものではないが、海洋エネルギー産業(例えば、限定するものではないが、石油及びガス及び風力部門)における使用のための鋼パイルにおいて、複数の半径方向に移動可能な把持部材を備えた把持デバイスに回転可能に結合されたリフティング(又は、持ち上げ/lifting)アームに関連するそれぞれの軸によって担持された把持デバイスを使用して、取り扱われるべきパイルの内部又は外部シェルと摩擦によって結合することが知られている。各把持アセンブリにおいて、アームは、クレーンによって回転可能に把持され得る軸を有する。各アセンブリのアームは、通常は少なくとも1つのリニアアクチュエータを備える往復回転を制御するための軸及び制御部材を介して把持デバイスに結合される。リニアアクチュエータの機能は持ち上げられるか又は取り扱われるべきパイルの中への挿入を決定するために、把持デバイスを垂直面に正確に向ける(又は、配置する/orient)(例えば、限定されないが、垂直から水平、及びその逆)ことである。把持デバイスが完全に挿入され、次いでパイルの内部にロックされた後、パイルの持ち上げ及び/又は垂直化動作を開始する前に、リニアアクチュエータを浮動させることができ、その結果、アームは、反対の抵抗なしに(又は、抵抗に逆らうことなく)クレーンに接続されたケーブルによって、その後の持ち上げ動作の間中、円筒パイルの向きに受動的に従うことができる。基礎パイルとして理解される、持ち上げられるパイルの質量が時としてかなりのものになることを考慮すると、場合によってはリニアアクチュエータのみが、動作中に把持デバイスを担持するアームの向きを能動的に制御することは困難であり得る。したがって、使用されるクレーンの性能に悪影響を及ぼすであろうリニアアクチュエータの出力、したがって質量、及び全体寸法を過度に増加させることも回避するために、アームをその回転平面内で「浮動」させることが一般的に行われており、その結果、アームは持ち上げ段階の最初から最後まで、パイルの向きに受動的に追従することができ、その場合、パイルを垂直にし得る。この状況では、リニアアクチュエータは緩いままであり、特に、ステムの自由端とアーマチュアの自由端との間の距離が自由に変化し得るように、相対ステムは対応するアーマチュアに対して自由に並進し得るままであり、したがって、把持デバイスとアームとの間、したがって、パイルとアームとの間の相対角度が自由に変化し得る。
【0003】
前記アセンブリの一例はIHCの特許EP2925658に見られ、そのアームはそれを横切る直径軸において把持デバイスに中心で結合され、把持デバイスとアームとの間の相対回転はリニアアクチュエータによって操作されるレバーによって制御される。
【0004】
頻繁に発生するように、ハンドリングされたパイルの構成が後続のパイル打ち動作のための持ち上げの終わりに垂直でなければならない場合、クレーン持ち上げケーブルとパイルとの間に介在するリフティングアームの存在のために、持ち上げクレーンが制御するのに、パイルのハンドリング及び最終的な位置決めがより容易でないという欠点が生じる。これの主な理由は、この段階ではアームが「浮動」構成であるため、円筒体はアームが第一振り子を構成する二重振り子構成の第二振り子と事実上(又は、実際上/effectively)似ており、把持デバイスによって一体的に担持されるパイルが第二振り子を構成するからである。強風及び/又は非常に荒れた海の条件では、これは円筒体によって持ち上げられるパイルの制御性を非常に制限し、必要な場合にパイルの下端を位置決めすることが非常に困難になる可能性がある。
【0005】
当然のことながら、この状況(「浮動」アーム)は波動(又は、波の動き/wave motion)又は任意の予期せぬ原因のために、不適切な寸法又は不十分なメンテナンスのために、リニアアクチュエータがアームと把持デバイスとの間の相対角度を制御することができないときにも起こり得る。これらの場合、アームの回転が大きすぎてアームを把持デバイスの内壁に衝突させてしまい、これは、アーム及び/又は把持デバイスに深刻な損傷をもたらす可能性がある。
【0006】
上記の状況を考慮すると、取り扱われるパイルがそれを担持する把持デバイスと同軸であるとき、アームに対する把持デバイスの相対的な傾斜を調整するリニアアクチュエータが作動停止されるときでさえ、同軸の状態が維持される把持アセンブリが望ましい。このようにして、上述の欠点を含む、既知の技術に典型的な欠点を制限し、克服し、前記タイプの機器のための新しい規格(又は、標準/standard)を定義することが可能である。
【発明の開示】
【0007】
本発明の概要
本発明は、把持アセンブリに関する。特に、本発明は、それぞれの端部を通してパイルを把持するための把持アセンブリに関する。さらに詳細には本発明がそれぞれの端部を通ってパイルを把持するための把持アセンブリに関し、前記アセンブリは前記端部を通過する軸の周りで前記パイルを移動させるように設計される。
【0008】
上述の欠点は、以下の特許請求の範囲の少なくとも1つによる本発明によって解決される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、把持アセンブリは長手方向軸が設けられた円筒パイルを端部位置で把持するように作動され設計され、前記アセンブリは、中心軸、及び、前記中心軸の周りに均等に分布し、摩擦によって前記パイルの1つと結合するように半径方向に移動可能な把持部材を有する第一円筒形本体と、前記直径平面を横切る第一軸の周りに前記第一本体と一体化されたそれぞれのプレートにヒンジ接続された前記第一本体によって担持される長手方向直径平面に対して対称に配置された少なくとも1つの支持部を備えるリフティングアームと、を備え、各前記支持部は前記アームを回転可能な態様で支持するように前記第一軸に平行な支点軸の周りに展開された中心軸を備え、前記第一軸は前記直径平面を横切る前記第一本体の直径軸と平行であり、直径軸とは異なる。
【0010】
上述のような実施形態によれば、各前記支持部は第一フック部材を介して前記第一軸の周りで対応する前記プレートと回転連結されたエルボーを有し、各前記プレートは前記第一軸と同心であり、2つの凹状当接部によって画定されるそれぞれの円形スロットを介して角度的に摺動するように前記エルボーと連結された第二連結部材を有する。
【0011】
上述のような実施形態によれば、前記リフティングアームはそれぞれが前記第一軸の周りでそれぞれの前記プレートにヒンジ接続された2つの支持部を備え、前記支持部は前記直径平面に対して対称に配置され、前記支持部は前記中心軸によって接続される。
【0012】
上述のような実施形態によれば、前記直径平面上の前記第一フック部材の中心の第一突起と、前記直径平面上の前記第二フック部材の中心の第二突起とはセグメントを画定し、その幾何学的軸は前記中心軸と平行であるか、又は一致する。
【0013】
上述のような実施形態によれば、前記2つの凹状当接部は、前記第一軸を中心とする90°未満の角度だけ互いに離間している。
【0014】
上述のような実施形態によれば、作動手段は、前記アームと前記第一本体との間に配置され、前記第一軸線の周りの相対的な回転運動でそれらを移動させる。
【0015】
上述のような実施形態によれば、前記作動手段は、リニアアクチュエータを備え、その軸は前記第一軸を横断し、角度的に固定された態様で前記アームと連結された第二ブラケットと、前記第一本体と連結された第一ブラケットとによって、両端が担持される。
【0016】
上述のような実施形態によれば、前記第二フック部材の各々は、前記プレートのブラケットによって担持されるピンを備える。
【0017】
上述のような実施形態によれば、前記第一フック部材は回転子対を備える。
【0018】
上述のような実施形態によれば、前記第一軸は、前記第一本体の外部又は内部にある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明による把持アセンブリのさらなる特徴及び利点は、同一又は対応する部品が同じ参照番号によって識別される、その少なくとも1つの非限定的な実施形態例を示す添付の図面を参照して提供される、以下の説明からより明らかになるであろう。特に:
図1は、本発明による把持アセンブリの概念的な斜視図である。
図2図4は3つの別個の動作構成における図1のアセンブリの横方向立面図であり、明確にするために、いくつかの部分は図示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態又はその詳細を詳細に説明する前に、相対的な範囲が以下に記載される特定の実施形態に限定されないことを明記することが有用である。本明細書における開示及び説明は1つ又は複数の現在好ましい実施形態及び変形例の例示及び説明であり、本発明の趣旨から逸脱することなく、設計、構成、動作の順序、動作手段、機器の構造及び位置、方法論、ならびに機械的等価物の使用における様々な変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。
【0021】
さらに、添付の図及び図面は当業者に現在好ましい実施形態を明確に図示及び開示する目的を有するが、これらの実施形態が実際に、又は最終製品の実際の表現においてどのように実行されるべきかを示す図面ではなく、逆に、これらの図は理解を容易にするため、又はより容易かつより迅速な説明を提供するために、簡略化された概念図を含み得ることを理解されたい。さらに、構成要素の相対的な寸法及び配置は示されているものとは異なり、本発明の精神において依然として機能し得る。
【0022】
さらに、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの様々な方向は図面と組み合わせた説明に関してのみ実行され、構成要素は例えば、輸送及び生産中、ならびに動作中に、異なる方向に向けられ得ることを理解されたい。多くの異なる別個の実施形態が本明細書で教示される概念の範囲内で考案されることができ、本明細書で説明される実施形態に対して複数の修正がなされ得るので、以下で提供される詳細は、本発明の趣旨に関して例示的かつ非限定的であると解釈されなければならないことを理解されたい。
【0023】
図1において、番号1は、長手方向軸ALが設けられた円筒パイルCPを端部位置で把持するように設計された把持アセンブリ1の全体を示す。アセンブリ1は互いに平行な第一上側平坦面2と第二下側平坦面3とによって画定される第一円筒形本体10を備え、そのうち、前記第一本体10の中心軸(central axis)CAを横断方向に切断する線のみが、添付の図面に見られる。前記第一本体10は、中心軸CAの周りに均等に分布し、摩擦によってパイルCPのうちの1つと結合するように半径方向に移動可能である複数の把持部材12を備え、図2図4ではCPの全体の寸法を示すために破線によって示されている。把持部材12は既知のタイプのものであり、リニアアクチュエータによって動作可能なウェッジ(又は、楔)を備える。それらは、本発明を理解するために重要ではないので、文章及び図の経済性のために、さらに詳細には説明されない。
【0024】
アセンブリ1はフォークの形状のリフティングアーム20をさらに備え、したがって、第一本体10の長手方向直径平面Mに対して対称に配置された2つの側部22及び22’を有し、この平面の線は図1にのみ見ることができる。2つの側部22及び22’がそれぞれのプレート100及び100’において平面Mを横断する第一軸TA1の周りで第一本体10にヒンジ接続され、第一面2の上方に、したがって第二面3に対して前記第一面2とは反対側に配置される。これらのプレート100及び100’は本発明の範囲を限定することなく、内部にあり、直径平面Mに対して対称に配置されている。特に、2つの側部22及び22’もまた、直径平面Mに対して対称であり、第一軸TA1に対して同心である軸21上に嵌合されている。
【0025】
再度、図1を参照すると、側部22及び22’は第一軸TA1に平行で、回転可能に把持されるように予め配置された支点軸AFを中心に展開する中心軸24によって、次に、既知であり、かつ図の経済性のために図示されていない、クレーンの把持部材によって、頂部で接続される。アセンブリ1の対称性を考慮すると、本文及び/又は図は図を明瞭にするために、及び本発明の範囲を限定することなく、アーム20の対称的な構成要素のうちの1つのみを、例えば、側部22及び22’のうちの1つのみに対して提示し得る。
【0026】
特に図1及び図2を参照すると、各側部22/22’は第一軸TA1と同心の回転子対(又は、環状対/rotoidal pair)で形成された第一フック部材222/222’を介して第一軸TA1の周りで第一本体10と一体の矩形プレート100/100’に回転結合された(又は、環状結合された/coupled rotoidally)エルボー220/220’を有し、これは、プレート100/100’によって上部に担持されたブラケット101/101’と、エルボー220/220’の角度部分とを備え、ブラケット101/101’とエルボー220/220’の角度部分とが軸21によって接続される。図1の上部に見られるように、各プレート100/100’は同じ第一本体10の中心軸CAに対して対称に配置され、その形状が図2にのみ破線によって全体的に示されるブラケット102/102’を有する。各ブラケット102/102’は第二フック部材14/14’を収容し、各第二フック部材14/14’は本発明の一般性を制限することなく、ピンである。2つのピン14及び14’は、第一軸TA1に平行な第二軸TA2に沿って整列される。
【0027】
特に図2図4を参照すると、各エルボー220/220’は凸状の斜辺を有する三角形と同様の形状であり、各ピン14/14’は90°未満及び90°と同一のサイズを有する第一軸TA1と同心の2つの凹状当接部分224及び224’によって画定されるそれぞれの円形スロット226/226’を通して角度的に摺動するようにエルボー220/220’に結合される。
【0028】
特に図3を参照すると、直径平面M上の回転子対222/222’の中心の第一突起P1と、直径平面M上のピン14/14’の中心の第二突起P2とは、セグメントP1-P2を画定し、その幾何学的軸GAは同じセグメントP1-P2の端部に対して垂直かつ等距離であり、支点軸AFと交差する。
【0029】
添付の図面のうちのいずれか1つを参照すると、アセンブリ1は、アーム20と第一本体10との間に配置された作動部材30を備え、第一軸TA1の周りの相対回転運動でそれらを移動させる。特に、作動部材30は、リニアアクチュエータ32を備え、その軸は第一軸TA1を横断し、軸21に嵌合されるので、角度的に固定された態様でアーム20に結合された第二ブラケット36によって、及び、第一本体10に連結された第一ブラケット34によって、両端部が担持される。
【0030】
アセンブリ1の使用は上記の説明から容易に理解することができ、さらなる説明を必要としない。一方、エルボー220/220’、スロット226/226’、及びピン14/14’からなる各アセンブリがスロット226/226’がカムであり、タペットがピン14/14’から形成されるカム-タペット(cam-tappet)機構を画定し、カムに対するタペットの移動を決定するユニットがアクチュエータ32であることを特定することが有用であり得る。
【0031】
さらに、使用時に、アセンブリ1が図4のように配置されるとき、リニアアクチュエータ32は最大伸長状態にあり、第一本体10は回転子対222/220’のピン21と、直径平面Mを横断する長手方向平面Nに対してスリット226と係合するピン14/14’とによって対称的に支持され、その線は幾何学的軸GA、中心軸CA及び長手方向軸ALの線と一致することに留意されたい。特に、この場合、中心軸24の支点軸AF及びピン14の中心及び回転子対222の中心は長手方向平面Nに対して対称な二等辺三角形の頂点に配置され、二等辺三角形AF-P1-P2はその基部としてセグメントP1-P2を有する。この場合、プレート100/100’上の応力はブラケット102/102’上に広がり、第一本体10上の質量の分布を最適化し、第一本体10及びそれに結合されたパイルCPの、軸24に対する安定性を最大にし、自然にクレーンに対して安定性を最大にし、したがって、パイルCP自体の振動の場合にリニアアクチュエータ32上の荷重を軽減する。図4の位置のように、一旦、アセンブリ1がアーム20及び側部22及び22’と共に配置されると、リニアアクチュエータ32のいかなる非作動(又は、動作停止/deactivation)も、アーム20と第一本体10との間の相対位置を変化させないことを理解することが容易である。第一本体10のユニットの質量、及び把持される相対的なパイルCPの質量は軸21とピン14/14’との間に広がり、したがって、アーム20によって、中心軸24の支点軸AFを常に中心とするように担持され、したがって、先行技術の議論において上述された「浮動アーム」の条件における二重振り子効果を回避するので、中心軸24の支点軸AFに関してのみ、ユニットの任意の回転が生じ得る。この動作状態では、把持アセンブリ1のこれらの2つの構成要素間の結合の特定の性質のために、アーム20が第一本体10の完全に外部にあるので、第一本体がその中心軸CAと位置合わせされたそれぞれのパイルCPを担持するとき、アーム20と第一本体10との間に衝撃が発生することはない。最後に、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載され、図示された把持アセンブリ1に修正及び変更を加えることができることは明らかである。
【0032】
例えば、上述のアセンブリ1の実施形態はプレート100及び100’が第一本体10内に完全に収容されるさらなる実施形態と機能的に同等であり、その結果、それぞれのブラケット102及び102’もまた、本発明の範囲を修正又は限定することなく、第一本体10の長手方向延長部内に収容される。この場合、図の経済性のために図示を省略するが、第一軸TA1は第一本体10の内部にある。
【0033】
さらに、本発明の範囲は第一本体10がやはり直径平面Mに対して対称に配置された1つの単一の支持部22を有するリフティングアーム20によって支持される把持アセンブリ1の変形形態も含む。支持部22は第一本体10の中心に配置されたそれぞれのプレート100内の第一軸TA1の周りで第一本体10にヒンジ接続される。
【0034】
さらに、本発明の範囲はアーム20が、第一本体10が長手方向軸ALが垂直になるように配置されたときに、セグメントP1-P2の幾何学的軸GAが第一円筒形本体10の中心軸CAに平行であるが、中心軸24の支点軸AFが幾何学的軸GAに対して横方向かつ傾斜しているように、添付の図面に示されたものとは異なる(より大きいか又はより小さい)寸法を有する軸24を収容する部分を有する、アセンブリ1のさらなる変形形態を含む。
【0035】
請求項において、括弧内の参照符号は、請求項の限定として解釈されてはならない。用語「含む」は、請求項に列挙されたものに加えて、他の要素又はステップの存在を排除しない。さらに、この文脈で使用される「1つ」という用語は、1つ又は2つ以上として定義される。さらに、請求項における「少なくとも1つ」及び「1つ又は複数」のような導入句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による別の請求項要素の導入が同じ請求項が「1つ又は複数」又は「少なくとも1つ」のような導入句及び「a」又は「an」のような不定冠詞を含む場合であっても、1つのみを含む本発明に導入される本請求項要素を含む任意の特定の請求項を限定するという意味で解釈されてはならない。同じことが、明確な物品の使用にも当てはまる。別段の定めがない限り、「第一」及び「第二」などの用語は、これらの用語が説明する要素を任意に区別するために使用される。したがって、これらの用語は、必ずしも、前記要素の時系列的又は任意の他の優先順位を示すようには設計されていない。いくつかの手段が異なる請求項に記載されているという単純な事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを意味しない。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項18>
長手方向軸(AL)が設けられた円筒パイル(CP)を端部位置で把持するように設計された把持アセンブリ(1)であって、前記アセンブリ(1)は、中心軸(CA)、及び、前記中心軸(CA)の周りに均等に分布し、摩擦によって前記パイル(CP)の1つと結合するように半径方向に移動可能な把持部材(12)を有し、互いに平行かつ前記第一本体(10)の前記中心軸(CA)に対して横断方向にある第一上部平坦面(2)及び第二下部平坦面(3)によって画定される第一円筒状本体(10)と、長手方向直径平面(M)に対して横方向に配置され、前記直径平面に対して横方向である第一軸(TA1)の周りで前記第一本体(10)と一体のプレート(100)(100’)にヒンジ接続された前記第一本体(10)によって担持される少なくとも1つの支持部(22)を備えるリフティングアーム(20)とを備え、各前記支持部(22)(22’)は前記アーム(20)を回転可能な態様で支持するように、前記第一軸(TA1)に平行な支点軸(AF)の周りに展開された中心軸(24)を備え、前記第一軸(TA1)が、前記第一面(2)に対して前記第二面(3)とは反対側の前記第一本体(10)の外側に配置されることを特徴とする、把持アセンブリ。
<請求項2>
各前記支持部(22)(22’)は第一フック部材(222)(222’)によって前記第一軸(TA1)の周りで対応する前記プレート(100)(100’)に回転可能に連結されたエルボー(220)(220’)を有し、各前記プレート(100)(100’)は、前記第一軸(TA1)と同心であり、2つの凹状当接部(224)(224’)によって画定されるそれぞれの円形スリット(226)(226’)を介して角度的に摺動するように前記エルボー(220)(220’)に連結された第二フック部材(14)(14’)を有することを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
<請求項3>
前記リフティングアーム(20)はそれぞれが前記第一軸(TA1)の周りでそれぞれの前記プレート(100)(100’)にヒンジ接続された2つの支持部(22)(22’)を備え、前記支持部(22)(22’)は前記直径平面(M)に対して対称に配置され、前記支持部(22)(22’)は前記中心軸(24)によって接続されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
<請求項4>
前記直径平面(M)上の前記第一フック部材(222)(222’)の中心の第一突起(P1)と、前記直径平面(M)上の前記第二フック部材(14)(14’)の中心の第二突起(P2)とが、セグメント(P1-P2)を画定し、その幾何学的軸(GA)が前記中心軸(CA)に平行又は一致することを特徴とする、請求項2又は3に記載のアセンブリ。
<請求項5>
前記2つの凹状当接部(224)(224’)が、前記第一軸(TA1)を中心とする90°未満の角度だけ互いに離間していることを特徴とする、請求項4に記載のアセンブリ。
<請求項6>
前記アームと前記第一本体との間に配置され、前記第一軸(TA1)の周りの相対回転運動でそれらを移動させる作動手段(30)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のアセンブリ。
<請求項7>
前記作動手段(30)は、リニアアクチュエータ(32)を備え、前記リニアアクチュエータの軸は前記第一軸(TA1)を横断し、前記第一本体(10)に連結された第一ブラケット(34)と角度的に固定された態様で前記アーム(20)に連結された第二ブラケット(36)によって両端が担持されることを特徴とする、請求項6に記載のアセンブリ。
<請求項8>
前記第二フック部材(14)(14’)の各々が、前記プレート(100)(100’)のブラケット(102)(102’)によって担持されるピン(14)(14’)を備えることを特徴とする、請求項3~7のいずれかに記載のアセンブリ。
<請求項9>
前記第一フック部材(222)(222’)が、回転子対を備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載のアセンブリ。
<請求項10>
前記第一軸(TA1)が、前記第一本体(10)の外部又は内部にあることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載のアセンブリ。
図1
図2
図3
図4