(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】風力タービンタワー用の土台
(51)【国際特許分類】
E04H 12/22 20060101AFI20250218BHJP
【FI】
E04H12/22
(21)【出願番号】P 2021531325
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 ES2019070791
(87)【国際公開番号】W WO2020115341
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】521234364
【氏名又は名称】エイチダブリューエス コンクリート タワーズ,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】モンタネール フラグエト,ジーザス
(72)【発明者】
【氏名】ソラズ エチャベ,ホセ マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ペレス アバディア,マリアーノ
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/046452(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0030045(US,A1)
【文献】中国実用新案第206467679(CN,U)
【文献】特開2000-073443(JP,A)
【文献】特開2000-240071(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0224016(US,A1)
【文献】中国実用新案第204266666(CN,U)
【文献】特表2017-523330(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 12/00-12/34
F03D 13/20
E02D 27/00-27/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンタワー用の土台であって、放射状に水平に配置された少なくとも3つのプレキャスト梁(2a,2b,2c)を含み、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)の
それぞれの最外端は、コンクリートフーチング(1)の中心部にある支持ボールジョイント(3)によって
前記最外端に対応する複数の前記フーチング(1)で支持され、また、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)の前記最外端と前記フーチング(1)との間は複数のアンカー(4)によって固定され、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)は、接続手段によって、前記土台の中心部でくっつけて強固に固定されることを特徴とする、風力タービンタワー用の土台。
【請求項2】
1つの前記プレキャスト梁(2a)は
、他の2つの前記プレキャスト梁(2b,2c)の長さの約2倍であり、前記
他の2つのプレキャスト梁(2b,2c)の内端は、
1つの前記プレキャスト梁(2a)の中心部に強固に固定され、十字平面構造を形成する、請求項1に記載の風力タービンタワー用の土台。
【請求項3】
風力タービンタワーは金属であり、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)を強固に固定するための前記接続手段は、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)の接続部において地盤面(8)の下に位置するコンクリートバラスト充填物(5)を含み、前記プレキャスト梁(2a,2b,2c)の前記接続部において、金属タワー(7)を固定するための前記地盤面(8)の上に現れる上側スラブ(6)がある、請求項1
または2に記載の風力タービンタワー用の土台。
【請求項4】
前記接続手段は、前記コンクリートバラスト充填物(5)
と、プレキャストコンクリート要素の型枠
と、を含む、請求項
3に記載の風力タービンタワー用の土台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本説明は、「発明の名称」に示されるように、風力タービンタワー用の土台に関し、当該風力タービンタワー用の土台は、風力タービンの金属タワー及びコンクリートタワーの両方を支持するために使用される種類であり、原位置においてコンクリートで固められた小さなフーチングと組み合わされたプレキャストコンクリートを使用し、梁は、タワーの接続要素及び支持要素によって土台の中心部で構造的に接続される。
【0002】
本発明は、風力タービンの金属タワー及びコンクリートタワーの両方のための支持物として使用される土台の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、風力タービンタワーは、主に、電気エネルギーを発生させるために広く使用されている。風力タービンタワーの高さが大きいため、風力タービンタワーは地面に堅固に固定される必要があり、ほとんどの設置において、鉄筋コンクリートから作られた主に先細の土台によって施工される。これについては、スペイン国特許出願公開第2659523号明細書「Method for erecting a wind turbine」、スペイン国特許出願公開第2685834号明細書「A wind turbine tower and method for altering the natural frequency of a wind turbine tower」、及びスペイン国特許出願公開第2347742号明細書「Wind turbine foundation」の特許文献に説明されている。スペイン国特許出願公開第2571731号明細書「Wind power plant foundation as well as wind power plant」には、特に、従来の土台に使用される補強材が含まれる。この種類の土台は多くの欠点をもたらし、その欠点について、土台には18メートルよりも大きい直径及び少なくとも4メートルの深さの事前の深い掘削が要求され、その土台には、約400m3以上の大量のコンクリート、同様に、いくつかのかなりの量の38,000kg以上の大断面の金属補強材または鉄筋が使用される。これらの全ては、高い経済コスト及び長い構施工時間を伴う。
【0004】
これらの問題を部分的に回避し、コンクリート及び鉄筋を少なく使用するために、いくつかの場合、主に円筒状構造は、原位置においてコンクリートで固められた放射状のリブまたはブレースの両方の形態で周辺構造補強材が実装される。これらの構造の例は、国際公開第2016116645号「Concrete Tower」、国際公開第2015185770号「Foundation system for towers and method for installing the foundation system for towers」、及びスペイン国特許出願公開第2524840号明細書「Foundation system for towers and method for installing the foundation system for towers」の特許文献で確認できる。
【0005】
他の場合、これらの横方向補強材は、プレキャストコンクリートブレースまたは金属バーまたは金属要素の形態であり、これについては、スペイン国特許出願公開第2544806号明細書「Improved foundation for a wind turbine tower」またはスペイン国特許出願公開第2601232号明細書「Foundation for wind power plants」の特許文献で見られる。
【0006】
しかしながら、これらの実施形態では、事前に言及したように、原位置でコンクリートを固める必要がある大きい体積の土台と、補強材の複雑性及び量とに起因する主要な問題の改善が成し遂げられていない。これらの問題とは別に、硬化を補正するために、コンクリート施工は、遮断せずに連続的である必要があり、多くの領域または国で、取得するのが困難または不可能である大量のコンクリートの安定した供給が要求されることが必ず加わる。経済が貧しい多くの国では、補強に必要な大量の鉄筋を取得することは容易ではない。
【0007】
さらなる別の問題は、必要な掘削を施工するために、係る深さを掘削する必要があるので、重機を降下させるために斜面を作る必要があり、これにより、作業時間が長くなることである。同様に、掘削した穴の底面を水平及び滑らかにする必要がある。
【0008】
これらの全ては、調合、コンクリート施工、及び硬化にかかる一般的な期間は約3週間または4週間であり、風力発電基地のそれぞれにある多くの風力タービンによって、それらの期間が長くなるとき、かなり多額の経済コストを伴うことを意味する。
【0009】
さらなる欠点について、この種類の土台が、異質の地形または不十分な地形に適応するのが困難であり、多くの場合、さらに多額の投資が必要であり、またはいくつかの地形で風力タービンの設置を不可能にすることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】スペイン国特許出願公開第2659523号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2685834号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2347742号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2571731号明細書
【文献】国際公開第2016116645号
【文献】国際公開第2015185770号
【文献】スペイン国特許出願公開第2524840号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2544806号明細書
【文献】スペイン国特許出願公開第2601232号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現在、風力タービンの土台に存在する問題を解決するために、本発明の主題である風力タービンタワー用の土台が想定されており、風力タービンタワー用の土台は、放射状に水平に配置される少なくとも3つのプレキャスト梁を、原位置で施工される補強された小さな鉄筋コンクリートフーチングと組み合わせ、当該フーチングの中心部で、コンクリートフーチングは支持ボールジョイントによって梁の最外端を支持し、支持ボールジョイントは直線状または球状のいずれかであり、1つ以上の方向における変位制限をもたらし得、またはもたらし得なく、これにより、全ての支持応力をフーチングによって等しく分布することを可能にする。また、端は、アンカーによって梁の端とフーチングとの間に固定され、タワーが転倒することを防止する。異なる梁は、接続手段によって土台の中心部で一緒に強固に固定される。プレキャスト梁は、コンクリート、金属、またはコンクリート及び金属の両方の組み合わせから作ることができる。
【0012】
フーチングでは、同じ土台でさえも異なる形状及び深さが採用され、各地形の特定の特徴に適応できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
好ましくは、3つのプレキャスト梁を使用し、3つのプレキャスト梁の1つは他の2つの梁の長さの約2倍であり、この場合、より小さい梁の内端は、より大きい梁の中心部に強固に固定され、十字平面構造を形成する。この構造は、製造、搬送、及び性能の容易性に関して最適なものであることが証明されている。しかしながら、本発明の目的である土台を施工することも可能であり、当該土台には、3つ以上の数で、同じまたは異なる長さの複数の梁が交互に並び、土台はその梁の内端に接合され、その梁の外端のそれぞれが同様にフーチングに接続される。
【0014】
2つの実施形態の変形が説明され、一方の変形は、風力タービンタワーが金属である場合、別の変形は、風力タービンタワーが少なくともその下部においてコンクリートである場合であり、すなわち、その変形は、セクションもしくはセグメントのいずれかで全体的にプレキャストコンクリートから作られる、または、その変形は、大部分がコンクリートのタワーの下部を、金属であるタワーの上部とを組み合わせたものである。
【0015】
風力タービンタワーが金属である場合、梁を強固に固定するための手段は、また、梁の接続部において地盤面の下に位置するコンクリートボール充填物を含み、梁の接続部にわたって、金属タワーを固定するための地盤面の上に現れる上側スラブがある。
【0016】
風力タービンタワーがコンクリートである場合、少なくとも風力タービンタワーの下部において、梁を強固に固定するための手段は、また、梁の内側断面の間に設置される、外側に円状セクターまたは多角形面及び壁を有するプレキャストコンクリート要素によって施工される中空引張チャンバ閉鎖部と、梁の接続部にわたって、プレキャストコンクリートタワーを支持するために及びタワーの垂直ポストテンション部を固定するために、円形冠面を有する上側スラブとを含む。この場合、プレキャストコンクリートタワーは上側スラブで支持され、当該タワーの垂直ポストテンション部は、上側スラブを通過し、穿孔またはダクトを通って、中空引張チャンバまで到達し、垂直ポストテンション部には、タワーに剛性を提供するケーブルのポストテンション及び固定を行う手段が位置付けられる。
【0017】
好ましくは、梁は長方形断面であり、中心断面において高さがより大きくなり、端において高さがより低くなる。より大きい高さの断面が下向きに垂直に配向されるため、土台のほとんどは地盤面の下に埋設され、上側スラブの一部だけが現れ、視覚影響を最小にする。しかしながら、視覚影響が重要ではなく、さらなる少しの節約が望まれる場所において、地盤面の上に現れる上向きに配向されるより大きい高さの断面を有する梁を、コンクリートバラスト充填物またはプレキャストコンクリート要素の一部と一緒に、上側スラブ全体と一緒に組み立てることが可能である。
【0018】
開示されるこの風力タービンタワー用の土台について、地形を整える第1の段階、フーチングをコンクリートで固める第2の段階、フーチングを硬化する第3の段階、プレキャスト梁を組み立てる第4の段階、中心部において梁の接続を施工する第5の段階、及び残りの空間を元の地盤面に充填する第6の段階を含む特定の施工法が要求される。
【発明の効果】
【0019】
提示される風力タービンタワー用の土台は、現在、使用される既知の技術よりも多くの利点をもたらし、最も重要なことは、小さなフーチングを使用するとき、風力タービンタワー用の土台は、使用されるコンクリートの量及び補強用の鉄筋の量の両方についてかなりの節約をもたらし、これにより、係る量のコンクリートまたは鉄筋の供給または生産に関する問題がある領域または国において、顕著な経済的節約及び高い実現可能性の両方を意味する。
【0020】
前述の結果として、硬化を補正するための従来の大型の土台に内在する途切れない連続的方法で大量のコンクリートを供給する必要性に関連付けられる問題はなくなる。また、コンクリートで固める前に原位置で費用がかかる特殊な補強材を組み立てる必要性がなく、従来の組立済みの鉄筋の補強材の使用を可能にする。
【0021】
別の重要な利点は、量及び深さの両方に関して掘削の必要性はかなり少なくなり、例によって、数メートルの深さがある従来の土台の場合、重機が下方に降下するための斜面を作る必要がないことである。これにより、時間及び経済コストの顕著な節約をもたらす。
【0022】
本発明の別の利点は、従来技術とは異なり、フーチングの底面は完全に水平または滑らかにする必要がなく、これにより、また、時間及び経済コストのさらなる節約をもたらすことである。
【0023】
強調される最も重要な別の利点は、プレキャスト要素を使用するとき、従来技術を使用して、土台の全施工時間を、通常の3週間または4週間から、最短で1週間に著しく短縮することである。
【0024】
さらに、別のさらなる利点は、この土台が異なる種類の地面(同質の地形及び異質の地形または不十分な地形の両方)に容易に適応できることであり、能力を少しも低下させないで、従来の土台によって可能ではなかったエリアに、風力タービンタワーを設置することを可能にすることである。
【0025】
本発明の良好な理解を達成するために、添付図では、2つの実施形態の変形(一方の変形は金属タワーに関するものであり、別の変形はコンクリートから作られた少なくともタワーの下部を有するタワーに関するもの)によって、風力タービンタワー用の土台の実用的な好ましい実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】地盤面の下の土台の大部分に関する金属タワー用の土台の断面図及び平面図を示す。
【
図2a】地盤面の下の土台の大部分に関する金属タワー用の土台における地面の種類に応じて使用可能である、フーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図2b】地盤面の下の土台の大部分に関する金属タワー用の土台における地面の種類に応じて使用可能である、フーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図2c】地盤面の下の土台の大部分に関する金属タワー用の土台における地面の種類に応じて使用可能である、フーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図3】地盤面の下の土台の大部分に関する全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の土台の断面図及び平面図を示す。
【
図4a】地盤面の下の土台の大部分に関する全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の土台における、地面の種類に応じて使用可能であるフーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図4b】地盤面の下の土台の大部分に関する全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の土台における、地面の種類に応じて使用可能であるフーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図4c】地盤面の下の土台の大部分に関する全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の土台における、地面の種類に応じて使用可能であるフーチングの様々な変形の断面図を示す。
【
図5】金属タワーを固定するための上側スラブの立面図及び平面図を示す。
【
図6】全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の引張チャンバを閉鎖するためのプレキャストコンクリート要素の立面図及び平面図を示す。
【
図7】全体的または部分的にコンクリートで固められたタワーを支持するための上側スラブの立面図及び平面図を示す。
【
図8】地盤面の上の土台の一部に関する金属タワー用の土台の断面図を示す。
【
図9】地盤面の上の土台の一部に関する全体的または部分的にコンクリートで固められたタワー用の土台の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の構造及び特徴は、添付図に関する以下の説明において良好に理解できる。
【0028】
図1及び
図3は風力タービンタワー用の土台の例を示し、風力タービンタワー用の土台は、放射状に水平に配置される少なくとも3つのプレキャスト梁(2a,2b,2c)を含み、梁の最外端または複数の最外端は、それぞれ、コンクリートフーチング(1)の中心部の支持ボールジョイント(3)によってフーチングで支持され、また、梁(2a,2b,2c)の端とフーチング(1)との間で複数のアンカー(4)によって固定され、異なる梁は、接続手段によって、土台の中心部で一緒に強固に固定される。支持ボールジョイント(3)は直線状または球状であり得、1つ以上の方向における変位制限をもたらし得る、またはもたらし得ない。
【0029】
図1及び
図3に示される好ましい実施形態では、梁(2a)は梁(2b,2c)の長さの約2倍であり、この場合、梁(2b,2c)の内端は、梁(2a)の中心部に強固に固定され、十字平面構造を形成する。この構造は、製造、搬送、及び性能の容易性に関して最適なものであることが証明されている。しかしながら、本発明の目的である土台を施工することも可能であり、当該土台には、3つよりも多い数で、同じまたは異なる長さの複数の梁が交互に並び、土台はその梁の内端に接合され、その梁の外端のそれぞれが同様にフーチング(1)に接続される。
【0030】
プレキャスト梁(2a,2b,2c)は、コンクリート、金属、またはコンクリート及び金属の両方の組み合わせから作ることができる。
【0031】
全ての場合、梁(2a,2b,2c)を強固に固定するための手段は、別の梁、さね継ぎ、及びポストテンション螺旋構造の覆いをコンクリートで固めるためのねじ棒、ブラケット、補強端等のプレキャストコンクリートを接続する従来技術の使用を含む。
【0032】
2つの実施形態の変形を説明する。
図1、
図2、及び
図5に示されるように、第1の実施形態の変形では、風力タービンタワーが金属である場合が言及され、この場合、梁(2a,2b,2c)を強固に固定するための手段は、さらに、梁(2a,2b,2c)の接続部において地盤面(8)の下に位置するコンクリートバラスト充填物(5)を含み、梁(2a,2b,2c)の接続部にわたって、金属タワー(7)を固定するための、地盤面(8)の上に現れる上側スラブ(6)がある。
【0033】
コンクリートバラスト充填物(5)は、木材、金属、もしくは木材及び金属の両方の組み合わせから作られた回収可能な型枠によって、またはプレキャストコンクリート要素から作られた型枠によってのいずれかで施工できる。
【0034】
図2は、金属タワー(7)を固定するための上側スラブ(6)が好ましくは円状平面図を採用している状態を示し、また、その面は多角形であり、好ましくは、少なくともHA-50強度の鉄筋コンクリートである可能性がある。
【0035】
ナット、ボルト等を有するねじ棒等の土台に固定する従来技術を使用して、上側スラブ(2)への金属タワー(7)の固定を施工する。
【0036】
図3、
図4、
図6、及び
図7に示されるように、第2の実施形態の変形では、少なくとも、風力タービンタワーの下部において、風力タービンタワーがコンクリートである場合が参照され、梁(2a,2b,2c)を強固に固定する手段は、さらに、梁(2a,2b,2c)の内端の間に設置され、中空引張チャンバ(9)を画定する、プレキャストコンクリート要素(10)と、梁(2a,2b,2c)の接続部にわたって及び引張チャンバ(9)にわたって、コンクリートタワー(12)を支持するための及びタワーの垂直ポストテンション部(13)を固定するための上側スラブ(11)とを備える。
【0037】
プレキャストコンクリート要素(10)は、使用される梁の数によって角度が決まる円状セクターと、梁に隣接しない側面または複数の側面に単独で垂直壁を有する多角形とによって形成されるグループから選ばれた平面を採用したものである。
図6は、円状セクター平面(示される場合、90°の角度)と、湾曲端で単独の垂直壁とを有するプレキャストコンクリート要素(10)とを示す。
【0038】
図7は、上側スラブ(11)は、引張チャンバ(9)へのアクセス開口を含む状態を示し、上側スラブ(11)は、少なくともHP-50強度のプレストレストコンクリートから作られるのが好ましい。
【0039】
プレキャストコンクリートタワー(12)は上側スラブ(11)で支持され、当該タワーの垂直ポストテンション部(13)は、上側スラブ(11)を通過し、穿孔またはダクトを通って、中空引張チャンバ(9)まで到達し、垂直ポストテンション部(13)には、プレキャストコンクリートセクションまたはセグメントから作られるタワーの一般的な方法に見られるように、タワーに剛性を提供するケーブルのポストテンション及び固定を行う手段が位置付けられる。
【0040】
両方の変形では、
図2a、
図2b、
図2c、
図4a、
図4b、及び
図4cに示されるように、フーチングの全てまたはいずれかの形状、寸法、及び深さに関して異なる構成を採用し、タワーが設置される地形のそれぞれの特殊性に土台を適応させることが可能である。したがって、
図2a及び
図4aは、同質の地形に対応する、同じ深さにおけるフーチングを示す。
図2b及び
図4bは、異質の地形または高さが異なる地形に対応する、異なる深さにおけるフーチングを示す。最後に、
図2c及び
図4cは、不十分な地形に関する、深い杭基礎フーチングを示す。
【0041】
梁(2a,2b,2c)は長方形断面が好ましく、中心断面において高さがより大きくなり、端において高さがより低くなる。
図1、
図2、
図3、及び
図4に示されるように、より大きい高さの断面が下向きに垂直に配向されるため、土台のほとんどは地盤面(8)の下に埋設され、視覚影響を最小にする。しかしながら、
図8及び
図9に示されるように、視覚影響が重要ではない場所において、地盤面(8)から現れる上向きに配向されるより大きい高さの断面を有する交互に並ぶ梁(2a,2b,2c)を、コンクリートバラスト充填物(5)またはプレキャストコンクリート要素(10)の一部と一緒に、対応する上側スラブ(6,11)の全体と一緒に組み立てることが可能である。
【0042】
提示されるこの風力タービンタワー用の土台は特定の施工法が要求され、施工法は、
地形を整える第1の段階と、
フーチング(1)をコンクリートで作る第2の段階と、
フーチング(1)を硬化させる第3の段階と、
プレキャスト梁(2a,2b)を組み立てる第4の段階と、
中心部において、梁(2a,2b)の接続を施工する第5の段階と、
残りの空間を元の地盤面(8)に充填する第6の段階と、
を含む、方法。
【0043】
地形を整える第1の段階は、場合によって、フーチング(1)の溝部の掘削と、梁(2a,2b)を収容するためのフーチング(1)の間の溝の掘削と、梁(2a,2b)を接続するための及びコンクリートバラスト充填物(5)またはプレキャストコンクリート要素(10)のための中央溝部の掘削と、を含む。
【0044】
フーチング(1)をコンクリートで固める第2の段階は、型枠を作成するステップ、金属補強部に適合するステップ、支持ボールジョイント(3)及びアンカー(4)に適合するステップ、及びコンクリートを注ぐステップを含む。
【0045】
フーチング(1)を硬化させる第3の段階は、使用されるコンクリートの形状及び量に適切な期間で実行される。
【0046】
プレキャストコンクリート梁(2a,2b)を組み立てる第4の段階は、支持ボールジョイント(3)に梁の外端がある溝に、クレーンによって梁を設置するステップと、プレキャストコンクリート要素を接続する従来技術によって、梁(2a,2b)の内端を一緒に強固に固定するステップ、または、梁(2a)が梁(2b)の長さの2倍である場合、梁(2b)の内端を梁2aの中間部と強固に固定するステップと、アンカー(4)によって外端をフーチング(1)と強固に固定するステップとを含む。
【0047】
風力タービンタワーが金属である場合、中心部において梁(2a,2b)を接続する第5の段階は、コンクリートバラスト充填物(5)を施工するステップと、梁(2a,2b)の接続部にわたって上側スラブ(6)を施工するステップとを含む。
【0048】
風力タービンタワーがその下部においてコンクリートである場合、中心部において梁(2a,2b)を接続する第5の段階は、プレキャストコンクリート要素を接続する従来技術によって、中心部における梁(2a,2b,2c)の間の残りの開口にプレキャストコンクリート要素(10)を組み立てるステップであって、プレキャストコンクリート要素(10)は中空引張チャンバ(9)を画定する、ステップと、梁(2a,2b)の接続部にわたって上側スラブ(11)を施工するステップとを含む。
【0049】
当業者は、組み合わせが技術的に可能である場合、異なる実施形態の特徴が他の可能な実施形態の特徴と組み合わせできることを容易に理解する。
【0050】
実施例または実施形態に言及される全ての情報は本発明の説明の一部を形成する。