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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-17
(45)【発行日】2025-02-26
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/32 20200101AFI20250218BHJP
【FI】
D06F33/32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024077141
(22)【出願日】2024-05-10
【審査請求日】2024-08-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724001992
【氏名又は名称】宮石 博
(72)【発明者】
【氏名】宮石 博
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-244090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/30-33/76、95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
つけおき洗い工程を含む槽洗浄の自動運転の手段と、
槽洗浄の自動運転が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、使用者に警告する手段を、
備えた洗濯機。
【請求項2】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
つけおき洗い工程を含む槽洗浄の自動運転手段と、
槽洗浄の自動運転が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、使用者に警告する手段と、
その際、つけおきの時間を変更することのできる手段を備えた洗濯機。
【請求項3】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
つけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転の手段と、
つけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、使用者に警告する手段と、
を備えた洗濯機。
【請求項4】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
つけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転の手段と、
つけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、使用者に警告する手段と、
その際、つけおきの時間を短縮するか延長するかを選択することのできる手段を備えた洗濯機。
【請求項5】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
洗濯の自動運転の手段と、
洗濯若しくは乾燥までの完了の時刻を予約できる自動洗濯運転手段と、
自動運転の予約が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、
使用者に警告を発する手段と、
を備えた洗濯機。
【請求項6】
時計を内蔵し、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段と、
洗濯の自動運転の手段と、
洗濯若しくは乾燥までの完了の時刻を予約できる自動洗濯運転手段と、
自動運転の予約が選択された際に、
洗濯槽やパルセーター、ドラムの回転が、
上記モータ回転不可の時間帯に行われる場合、
使用者に警告を発する手段と、警告時に洗濯完了時刻を変更することができる手段と、
を備えた洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機においては、洗濯運転を繰り返し実行すると、内槽や外槽の内側に汚れが付着し、これに黒かび等が発生することがわかっている。このような汚れが多くなると、汚れが洗いやすすぎ運転中に剥離して洗濯物に付着することがある。
【0003】
このため、従来から、洗濯機には槽洗浄の自動運転機能が採用されてきた。
槽洗浄の自動運転では、使用者が槽洗浄を選択する。給水が開始され、使用者は槽洗浄専用の洗剤を投入し蓋をする。給水が止まった後、数分間、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させ、その後、8時間から12時間程度のつけおき工程に入る。このつけおき工程ではモータを止める制御プログラムになっている。つけおき工程終了後、槽の本洗いと数回のすすぎ工程に入る。槽洗浄の工程では10時間以上かかる自動運転となるものが多い。
例えば、
日立社製のNW-T73の使用マニュアルでは、
槽洗浄が11時間、槽乾燥は30分との記載があり、槽洗浄の11時間には、つけおき工程の600分が含まれている。また、1~2ヵ月に一度の槽洗浄がすすめられている。
ハイアール社製のAQW-P70Aの使用マニュアルでは、
槽洗浄が12時間との記載がある。槽洗浄の12時間には、つけおき工程の11時間が含まれている。また、故障の原因になるので、24時間以上、洗浄液を入れたまま放置しないよう留意せよとの記載がある。また、槽洗浄の場合は自動洗濯時の最高水位より4センチメートル高く給水される旨の記載がある。
【0004】
特開2016-13364に、時計を有し、夜間には静音モードになる洗濯機が開示されている。
特開2013-226241に、筐体と外槽と内槽によって構成された、縦型若しくはドラム式の、
槽を洗浄することのできる洗濯機若しくは洗濯乾燥機が開示されている。
実開昭64-1681に、槽の洗浄ができる全自動洗濯機が開示されている。
特開平7-299280に、一つの全自動コースの中に衣類ののり付けが出来るコースと衣類ののり付け終了後、洗濯槽を洗浄するコースを有する自動洗濯機が開示されている。
特開平10-99586に、回転ドラム式洗濯機の槽の自動洗浄と、その工程中に、回転ドラムを所定時間、回転させ、その後は浸け置き状態にする技術が開示されている。
特開平10-244090に、昼間と夜間で報知音の音出力を変化させることで、夜間等に使用した場合においても報知音を小さくすることで睡眠の妨げや近所迷惑が軽減できる使い勝手が良好な洗濯機が開示されている。
特開平2002-248295に、槽洗浄の場合は自動的に洗濯時の最高水位より高く給水し、かつ、その槽洗浄工程につけ置き工程が含まれる洗濯機が開示されている。
特開2003-284888に基本操作とは別の付加的操作のための操作パネルを備えた洗濯機が開示されている。
特開2004-81508に槽の自動洗浄のコースを備え、その操作のための操作パネルを備えた洗濯機が開示されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-226241
【文献】実開昭64-1681
【文献】特開平7-299280
【文献】特開平10-99586
【文献】特開平10-244090
【文献】特開平2002-248295
【文献】特開2003-284888
【文献】特開2004-81508
【文献】特開2016-13364
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に、筐体と外槽と内槽によって構成された、縦型若しくはドラム式の、
槽を洗浄できる洗濯機若しくは洗濯乾燥機が開示されている。
特許文献2に、槽を洗浄できる全自動洗濯機が開示されている。
特許文献3に、一つの全自動コースの中に衣類ののり付けが出来るコースと衣類ののり付け終了後、洗濯槽を洗浄するコースを有する自動洗濯機が開示されている。
特許文献4に、回転ドラム式洗濯機の槽の自動洗浄と、その工程中に、回転ドラムを所定時間の間回転させ、その後は浸け置き状態にすることができる技術が開示されている。
特許文献5に、昼間と夜間で報知音の音出力を変化させることで、夜間等に使用した場合においても報知音を小さくすることで睡眠の妨げや近所迷惑が軽減できる使い勝手が良好な洗濯機が開示されている。
特許文献6に、槽洗浄の場合は自動的に洗濯時の最高水位より高く給水し、かつ、つけ置き工程が含まれる洗濯機が開示されている。
特許文献7に、基本操作とは別の付加的操作のための操作パネルを備えた洗濯機が開示されている。
特許文献8に、槽の自動洗浄のコースを備え、その操作のための操作パネルを備えた洗濯機が開示されている。
特許文献9に、時計を有し、夜間には静音モードになる洗濯機が開示されている。
しかしながら、予め、モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる洗濯機はなかった。
【0007】
つけおき工程を含む槽の洗浄の場合は、
図7の通り、第一洗い工程の後、つけおき工程となり、その後、第二洗い工程に進む。
夜間や早朝に第二洗い工程が始まってしまうことがあり、
集合住宅等においては近所迷惑になることがあった。
そのため、使用者は使用マニュアルを熟読し、
事前に、モータが回転する時間を計算する必要があった。
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、
安心して、槽の洗浄ができる洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
洗濯機に時計を内蔵させ、
予めモータを作動させることのできない時間帯を設定する手段を備えることにより、
近所に迷惑をかけずに、槽の洗浄を実施させることを可能にする。
【0009】
本発明に係る洗濯機は、時計を内蔵し、洗濯機内部に洗濯水を溜める外槽と、前記外槽内に配設され衣類が収容される内槽と、前記外槽に給水する給水行程と、前記内槽を前記外槽に貯水した水に浸漬するつけ置き行程と、前記外槽内の水を排出する排水行程とを実行し前記外槽及び前記内槽を洗浄する槽洗浄手段と、モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
時計を内蔵し、
予めモータを作動させることのできない時間帯を設定することができる洗濯機によって、
槽洗浄や、
つけおき工程を含む自動洗濯や、
洗濯予約において、
夜間や早朝にモータを作動させてしまうことがなくなり、
結果的に近所に迷惑をかける心配がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1本発明に係る洗濯機の電気的構成を示す基本的なブロック図である。
図2図1に記載の洗濯機の電気的構成に、外部端末で行ったモータ作動不可時間帯の設定を、記憶媒体を用いて洗濯機に伝えるためのための外部情報の入力ユニットを加えた図である。
図3図2の電気的構成に外部端末で操作するための通信ユニットを加えた図である。
図4】本発明の洗濯機の電気的構成に、時計部のための電池部を加えた図である。
図5】本発明の洗濯機における、表示と操作のためのパネルの一例である。
図6】本発明の洗濯機における、モータ作動不可の時間帯を設定する操作と、洗濯機の表示あるいは工程の一例を示す図である。
図7】従来の、槽洗浄の自動運転を示すフローチャートである。
図8図1に記載の洗濯機の槽洗浄の自動運転を示すフローチャートである。
図9図1に記載の洗濯機の槽洗浄の自動運転において、浸漬時間を変更する際のフローチャートである。
図10図1に記載の洗濯機のつけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転を示すフローチャートである。
図11図1に記載の洗濯機のつけおき洗い工程を含む洗濯の自動運転において、浸漬時間を変更する際のフローチャートである。
図12洗濯機に洗濯予約した際の自動運転パターンを示すフローチャートである。
図13洗濯機に漬け置き工程を含む洗濯予約した際の自動運転パターンを示すフローチャートである。
図14洗濯機に漬け置き工程を含む洗濯予約した際の自動運転において、浸漬時間を変更する際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。
【0013】
(従来の槽洗浄)
以下、従来の槽洗浄について説明する。
図7に従来の槽洗浄のフローチャートを示す。
槽洗浄のボタンが選択されると、
給水が開始され、槽洗浄のための水位になるまで給水が続く(S2)。
使用者はこの間に槽洗浄洗剤を投入する。
洗濯機の蓋が閉められると、洗濯機は槽洗浄洗剤を均一に混ぜるために、第一洗い工程に入る(S3)
第一洗い工程が終わると、そこからつけ置き工程に入る(S4)
所定の時間が経過し、つけ置き工程が終わると、第二洗い工程に入る(S5)
その後S6、S7、S8、S9が行われる。
S6からS9については2度あるいは3度何度か繰り返し行われることが好ましい。
また、S9の後、乾燥工程に入ることが好ましい。
S3とS5とS7とS9、加えて乾燥工程ではモータが作動し、洗濯槽やパルセータ、ドラムが回転する。
時計部が備わっていないため、槽洗浄において、警告を発せられることもなく、夜間や早朝に槽洗浄の第二洗い工程が始まってしまうことがあった。
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示す本実施形態に係る洗濯機1は、
時計部を備える。時刻を表示する時刻表示部は表示器に備える。
洗濯機購入後、使用者若しくは設置者が初期設定として時刻を合わすものとする。図5は表示&操作のためのパネルの一例である。通電後、このパネルを操作して時計を合わせる。
図4の通り、停電等のため通電されなくなっても、一定期間は時計機能が保持されるよう、洗濯機内に電池部を設けておくことが好ましい。
【0016】
本発明の洗濯機は、
時計とは別に、
モータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段を備える。
制御プログラムの一例として、
本洗濯機における時刻変換について述べる。
現時刻を、24時表示でx時y分とした時、60×x+yの計算式で時刻を分に変換する。この分による時刻をzとする。zが1440になった時、0にリセットする。
例としては21:30ならzは1290、
午前10:45ならzは645になる。
23:59ならzは1439になる。
午後12:00になるとzは0にリセットされる。
【0017】
制御プログラムの一例として、
モータ作動不可時間帯における時刻変換について述べる。
モータ作動不可時間帯の開始をa時b分に設定した時、60×a+bの計算式でc分に変換する。
モータ作動不可時間帯の終了をd時e分に設定した時、60×d+eの計算式でf分に変換する。
【0018】
本発明における洗濯機の槽洗浄の自動運転のフローチャートを図8に示す。
それぞれの工程の時間について説明する。
S2の給水を15分間(5分程度ではあるも安全をみて15分とする)
S3の第一洗い工程をα分間、
S4のつけ置き工程をβ分間、
S5からS9までの工程をγ分間、
とする自動運転では、
f<z<c-(15+α+β+γ)あるいは、
c-20>z>f+1440-(15+α+β)の時には警告の対象としない制御プログラムを図1から図4にある時間判定部に採用する。
日立社製のNW-T73では、
槽洗浄の、600分間のつけおき工程を含む11時間の槽洗浄と30分間の乾燥がセットになったコースがある。
この場合、乾燥工程の30分間はγに組み込む制御プログラムにしておけばいい。
モータ作動不可時間を23時から7時までと使用者が設定している場合は、
420<z<690(07:00から11:30に開始)
あるいは1170>z>1360(19:30から22:40に開始)の時は警告の対象としないプログラム制御になる。
420<z<690(07:00から11:30に開始)
あるいは1170>z>1360(19:30から22:40に開始)の時以外に槽洗浄のボタンが押されると警告を発し、
07:00から11:30に開始した場合はモータ作動不可時間帯以外につけ置き工程が実施される。
19:30から22:40に開始した場合はモータ作動不可時間帯につけおき工程が実施される。
また、S6からS9を数回繰り返す自動運転の場合は繰り返す時間をγに組み込んだ制御プログラムにしておけばいい。
【0019】
モータ作動不可時間帯の設定の流れの一例を6図に示す。
その時間帯は
時計を合わせた後、
使用者あるいは設置者が、
図5にあるような表示&操作のためのパネルを操作することで設定する。
もちろん、この時間帯を設定しなくても、洗濯機としては使える。しかし設定されていないことを示す警告がパネル上でわかるようにすることが好ましい。
この設定は洗濯機のパネル以外に、
専用アプリをインストールした外部端末から設定できれば、さらに使いやすい。外部端末からは持ち運び可能な記憶媒体を用いる。その場合は専用の外部情報入力ユニットを洗濯機に備えさせておく。この外部情報入力ユニットには記録媒体の挿入口を含む(図2
例としてはSDカードやUSBメモリなどが考えられる。
また、記録媒体とは別に洗濯機に通信ユニットと加えておき、通信手段により外部端末から時刻合わせやモータ作動不可時間の設定が行われるようにしてもよい(図3
【0020】
モータ作動不可時間帯が設定された洗濯機では、図8のフローチャートの通り、使用者が槽洗浄コース開始のボタンを押した後、その時刻から、モータ作動不可時間帯に槽洗浄のための洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させるか否かを判定する。
上記時間帯にモータは回転しないと判定すれば、槽の自動運転を始め、給水開始となる
上記時間帯にモータが回転すると判定すれば、槽の自動運転は自動的にキャンセルされたものとして、自動で電源をおとす。
これで使用者は近所に迷惑をかけずに済む。
【0021】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
第1実施形態は警告を発した後、自動的に槽洗浄はキャンセルされて電源が落ちる制御にしたものである。その場合、モータ作動不可時間帯を無視して槽を洗浄したい使用者は電源を入れ直し、モータ作動不可時間帯の設定を変更しなければならない。
これは不便である。
第2実施例では図9の通り、警告の後、その場でつけおきの時間を変更できる手段を備えさせておく。つけ置き時間を変更することが可能となる。つけおき時間の変更は操作パネルで使用者が行う。
【0022】
第二実施例においては、
洗濯機が音あるいはランプ点灯、その両方で警告を発する。その後、図5の操作パネルの時計表示部に既定値のつけおき時間を点滅して表示させる。
使用者は上下の矢印キーで、つけおき時間を変更し、決定ボタンを押す。
尚、このつけおき時間の変更はその回の洗浄や洗濯のみを対象とし、洗浄や洗濯が終わる度に既定値に戻す。
モータ作動不可時間帯に、
モータを回転しないと判定すれば、槽の自動運転を始める。、給水開始となる。
図5にある通り、制御プログラムにより、推奨のつけおき時間を表示させれば操作しやすい。なので推奨時間の表示が可能な、液晶等のhelp画面があれば更に操作しやすい。
日立社製のNW-T73を例にとって、
槽洗浄開始可能な時間帯について、
既に開示したが、
槽洗浄開始時刻が7:00から11:30の場合は、つけおき時間の短縮を推奨する。
19:30から22:40の場合は、つけおき時間の延長を推奨する。
短縮の場合は、槽洗浄の効果が落ちることが想定されるので、
短縮の限界値を設けておいてもいい。
【0023】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について、説明する。
【0024】
(つけおき効果)
これまでの洗濯機による洗濯では、
洗濯機の自動運転によって洗濯がなされていた。時間短縮が優先され、洗剤の能力が十分に発揮されないまま、洗い工程が終了し排水されてしまうケースが多かった。洗濯においては漬け置けば、洗剤の能力を十分に発揮させ、洗浄や除菌の効果を高められることがよく知られている。
第3実施形態は、
つけおき工程を含む洗濯に第1実施形態を応用したものである。
つけおき工程を含む洗濯の自動運転を図10に示す。
【0025】
(第4実施形態)
第4実施形態は、第3実施形態において、つけおき時間の変更を可能にしたものである。
その流れを図11に示す。
【0026】
(第5実施形態)
以下、本発明の第5実施形態について、説明する。
【0027】
(予約機能)
従来から、予約機能を備えた洗濯機はあった。しかし、いずれも現時刻から開始や終了を何時間後かに予約するだけのものであった。本発明では、洗濯の完了時刻を予約することが可能になる。
【0028】
給水は毎分12リットルで給水完了、
毎分20リットルで排水完了と想定して、予約された洗濯や洗濯&乾燥の完了の時刻から、各工程にかかる時間を逆算して、開始時刻を決定する制御プログラムによって、第5実施形態を可能にする。
給水と排水にかかる時間は住環境によって異なるため、実際に洗濯が完了する時刻は予約した時刻とは多少は異なることもあるが、その旨を理由に、誤差の範囲であることを使用マニュアルに記載しておけばいい。
【0029】
(第5実施形態における、使用者の操作の一例)
使用者は、洗濯物を内槽に入れ、図5にある予約のボタンを押す。
洗濯機は図1の洗濯物重量算定部と水量決定部により水量を決定し、図5の水量表示部に、かかる洗濯の水量を表示する。
また、図5の操作パネルの時計表示部
に現在の時刻を点滅させる。
使用者は矢印キーを操作して、現時刻を希望する洗濯完了時刻に変更し「決定」ボタンを押す。
時刻表示は予約時刻に変わり、点滅は点灯に変わる。行程パイロットランプの列にある「予約」のランプが点灯する。これで予約の時刻と、予約の完了を使用者は認識できる。
ここで洗濯機は給水を開始する。
使用者は洗剤を投入し、蓋を閉める。
決定された水量まで給水が開始される。
洗濯物の重量によって決定した水量となる水位は、
図5の水位センサにより検知され、給水が完了となる。
第5実施形態の流れを図12に示す。
このフローチャートの通り、給水が終わると運転休止となる。
洗濯機は、水量によって計算された、
S5以降にかかる時間と排水や給水の時間の総和を計算し、
予約された洗濯完了時刻から逆算した洗濯開始時刻を決定する。
【0030】
(予約時刻と洗濯開始時刻に関する例)
第5実施形態において、
水量が48リットルと決定された場合の例を以下に示す。
標準コースが選択され水量48リットルで洗濯をする場合のプログラムが、
洗い工程を7分12秒、すすぎ工程を8分、脱水を5分としている場合、
第5実施形態の予約では、
S9の脱水に5分、S8の排水に2分24秒、S7のすすぎは給水を含め8分、S6は2分24秒、S5の洗い工程は7分12秒となり、洗い工程から洗濯完了までの時間は25分となる。
8:00に洗濯完了の予約がなされた場合は、
7:35にS5から開始される予約が完了したことになる。
また、脱水後に20分間乾燥する工程で、
乾燥完了が8:00に予約されている場合は、
7:15にS5から開始される予約となる。
【0031】
第5実施形態の流れは図13に示すような、給水後、すぐに第一洗い工程を実施し、その後、つけおき工程に入るタイプでもいい。
このタイプの予約の場合、
図13にあるS6の第二洗い工程開始は、
S6以降にかかる時間と排水や給水の時間の総和を計算し、
予約された洗濯完了時刻から逆算した洗濯開始時刻を決定する。
【0032】
(第6実施形態)
以下、本発明の第6実施形態について、説明する。
【0033】
第6実施形態は
第5実施形態の実施の際に、
早朝や夜間にモータが回転してしまうことがないようにするものである。
その一例を図14に示す。

【要約】
【課題】外槽に貯水した水に内槽を浸漬するつけおき工程を含む、槽の洗浄の自動運転を選択した場合、夜間や早朝にモータが回転してしまうことがあり、使用者は時刻や時間を計算する必要があった。
【解決手段】時計を内蔵し、使用者が予めモータを作動させることのできない時間帯を設定することのできる手段を備え、槽洗浄の自動運転において、つけおき終了後の槽本洗い開始時刻が上記時間帯に入る場合、使用者に警告する洗濯機を提供する。

【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14