IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -ボックス穿設マットレス 図1
  • -ボックス穿設マットレス 図2
  • -ボックス穿設マットレス 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】ボックス穿設マットレス
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/02 20060101AFI20250219BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
A61G7/02
A47C27/00 E
A47C27/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024017499
(22)【出願日】2024-01-22
【審査請求日】2024-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515021345
【氏名又は名称】有限会社エスアンドアールプロジェクト
(72)【発明者】
【氏名】堀内 富貴子
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-166226(JP,U)
【文献】実開昭59-174817(JP,U)
【文献】実開昭59-044430(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/02
A47C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレス本体の真ん中ぐらいの左右両サイド2箇所に、概ね奥行40cm、概ね幅30cm、概ね高さ10cmの窪みを穿設し、マットレスと連結する開閉蓋を開けてベッドサイドでの座位姿勢で使うことで自力での排泄が可能になる。窪み取り外し可能な抽斗は、便座及び排泄容器を収納できることを特徴とするマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、咄嗟の立位・歩行が自力では困難な人(以降、歩行困難者という)の自主性を重んじ、夜間にボックス穿設マットレスを活用することにより、ベッドサイドで自力座位での排泄可能な方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
化・核家族化が進み、施設ケアおよび在宅ケアにおいて、夜間頻尿等への排泄対応の難しさが浮上した。介護人材の減少も加わり、特に夜間の頻繁な排泄介助は思うように為されず、おむつ使用は皮膚の糜爛や褥瘡の悪化へと繋がり、介護の担い手にとっての負担が増大している。本発明は、自力ではトイレへ行く歩行困難者の転倒を避け、自尊心を損なわず、プライバシーを守ることを第一義としつつ、一方で、介護の担い手(以降、介護者という)の負担軽減にある。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【文献】[特開2009-219670号公報][特開2010-088701号公報]
【課題を解決するための手段】
【0004】
マットレス本体両サイドに穿設されたボックスの左右孰れかの蓋を取り外して、自力 ベッドサイドに腰を掛けると、座位での排尿等、排泄行動を可能にする。
【0005】
歩行困難者の自主性を尊重し、自力での座位を促し、自ら実施すことは心の平穏等プラスに傾き、自分なりの方法を見出し、こうしたい・こうするという意識を高め、決断・実効を促す。また、介護者の負担軽減にも繋がる。
【0006】
自主性を尊重しながらの座位排泄に加え、自力での下肢運動や理学療法などによるリハビリテーションを受けることで、筋力や歩行機能が向上し、無理かもしれないという気持ちが徐々に出来るかもしれないに変化し、自力で行なうことに自信を持ち、スムーズに出来るようになる。
【0007】
適切な栄養摂取及び適切な看護・介護が為されることで、体力および身体機能の維持・回復に伴う免疫力と自然治癒力を向上させ、歩行困難者の自立心を育む。
【0008】
寝たきり状態でのおむつ中心の生活を避け、自信を喪失させないよう、介助によるベッドサイド座位で、呼吸療法や呼吸筋のトレーニングを通じて、呼吸機能の向上が図れる。
【0009】
寝たままの状態から生じる褥瘡を予防するために、体位変換とベッドサイド座位姿勢を適切に替えることで一極圧力を分散させる。
【0010】
自主的な排泄行動を促し、介護者の休息とリフレッシュを保つことで両者の健康維持につながる。
【0011】
歩行困難者の自主性が保たれ、モチベーションが維持されることで、介護者はコミユ二ケーションを図り、心理的な不安を取り除く余裕ができる。
【0012】
介助者が歩行困難者の感情や希望を理解し、心理的なストレスや孤独感の軽減に努める余裕ができることで、介助の必要性を説き、屈辱感を除去し、適切で効果的な手助けを心掛けるようになる。
【0013】
歩行困難者の周囲に目を配り、快適なベッド、適切な室温、清潔な環境、心地よい居住空間を心掛け、転倒や怪我のリスクを最小限に抑える対策を事前に講じることにより、必要に応じた手すり等の支えや補助器具を選択できる。
【0014】
歩行困難者が特定の治療や処方薬を受けている場合は、医師との連携の下での適切な薬の服用や治療を継続することで、病状の改善を図ることにつながる。
【0015】
歩行困難者にとって必要と判断した上で、ボックス穿設マットレスを提供する。排泄時は特に、他者にトイレ介助を委ねることに抵抗感を示す人が多い。本発明は、マットレスを図1のように成型することで、夜間等トイレへの移動を控え、必要時にボックスを排泄容器として使用し、窪みに高分子吸収素材の使い捨て尿パットや紙おむつを重ねて使うことで、他者の手を借りずに自力で排泄しやすく、皮膚汚染もなく、簡単に後処理ができ、転倒防止にもつながる。
【発明の効果】
【0016】
歩行困難者が自力でベッドサイドに座ることができれば、床に足底がつき安定し、その体勢のままで排泄ができるボックス穿設マットレスである。人は寝たままでの排泄は生理的に困難を伴うが、ベッドサイドに腰掛ける体勢であれば、洋式トイレと同じ姿勢であるので排泄が容易になる。オムツ装着は自尊心を傷つけ、向上心を失わせる。この方法は他者の手を借りずに、自力で排泄することができ自尊心を損うことがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態を示すマットレスの斜視図
図2】ボックス=抽斗
図3】座位姿勢
【発明を実施するための形態】
【0018】
抽斗は、概ね奥行40cm、概ね幅30cm、概ね高さ10cmの蓋付で、樹脂性あるいはステンレス性あるいはポリエステル性材質であればよい。
【0019】
図1は、ベッドは、部屋仕様によって設置場所が異なるため穿設ボックスはマットレスの左右サイド2箇所に設け、孰れか片方を用いることができる。
【0021】
図1は、マットレス斜視図
【0022】
図2は、ボックス=抽斗
【0023】
図3は、座位姿勢
【符号の説明】
【0026】
1・・・ベッド 2・・・マットレス 3ボックス 5・・・座位姿勢
【要約】      (修正有)
【課題】身体の自由が利かない人にとっては、排泄する際に他者の手を煩わせることには抵抗感が伴い、自尊心が傷つく。自力での排泄を促し可能にする方法を提供する。
【解決手段】マットレスの両サイドに穿設されたボックスの孰れかのベッドサイドに腰を掛け、座位での排尿等、排泄行動を可能にする。
【選択図】図1
図1
図2
図3