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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-18
(45)【発行日】2025-02-27
(54)【発明の名称】ノイズキャンセリングヘッドホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20250219BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20250219BHJP
【FI】
H04R1/10 101B
G10K11/16 130
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023223750
(22)【出願日】2023-12-29
【審査請求日】2024-01-24
(31)【優先権主張番号】202311314497X
(32)【優先日】2023-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523464417
【氏名又は名称】珠海卓力声科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】黎洪春
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/169133(WO,A1)
【文献】中国実用新案第208989356(CN,U)
【文献】登録実用新案第3127428(JP,U)
【文献】特開2009-11730(JP,A)
【文献】登録実用新案第349285(JP,Z1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
G10K 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズキャンセリングヘッドホンに関る装置であって、ヘッドホン本体(2)を含み、ヘッドホン本体(2)は、収納空間を形成するヘッドホンケース(3)を含む、ノイズキャンセリングヘッドホンに関る装置において、ヘッドホンケース(3)内に防音部品(6)が設けられている。防音部品(6)は、ヘッドホンケース(3)に近い側にある消音部品(7)とヘッドホンケース(3)に遠い側にある微細な穴板(8)を含む、ことを特徴とするノイズキャンセリングヘッドホンに関る装置。
【請求項2】
微細な穴板(8)がヘッドホンケース(3)の収納空間に嵌合し、かつ微細な穴板(8)の外周がヘッドホンケース(3)の内壁に適合している、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項3】
ヘッドホン本体(2)にはイヤホンカバー(11)を含む。イヤホンカバー(11)はヘッドホンケース(3)の開口部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項4】
イヤホンカバー(11)はイヤホンカバー接続ケース(10)を介してヘッドホンケース(3)の開口場所に取り付けられている、ことを特徴とする請求項3に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項5】
防音部品(6)とイヤホンカバー接続ケース(10)の間に防音パッド(9)が設置されている、ことを特徴とする請求項4に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項6】
防音パッド(9)は外部に布で覆われたスポンジコアである、ことを特徴とする請求項5に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項7】
微細な穴板(8)はヘッドホンケース(3)の収納空間の外側に配置し、消音部品(7)はヘッドホンケース(3)の収納空間の内側に配置する。防音部品(6)は、微細な穴板(8)または消音部品(7)を介してヘッドホンケース(3)に接続する、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項8】
ヘッドホン本体(2)にはイヤホンカバー(11)を含む。イヤホンカバー(11)は微細な穴板(8)に取り付けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項9】
イヤホンカバー(11)と微細な穴板(8)の間に防音パッド(9)が設置されている、ことを特徴とする請求項4に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項10】
ノイズキャンセリングパッド(9)は外部に布で覆われたスポンジコアである、ことを特徴とする請求項9に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項11】
消音部品(7)はヘッドホンケース(3)に向かう側面の輪郭面で、外側から内側に向かって徐々に高くなり、曲面を形成している、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項12】
曲面はヘッドホンケース(3)の内側の輪郭面に適合している、ことを特徴とする請求項11に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項13】
ヘッドホンケース(3)と防音部品(6)の間に防音インナーケース(4)が設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項14】
防音インナーケース(4)はヘッドホンケース(3)に近い側の内壁に微小な穴が設けられている、ことを特徴とする請求項13に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項15】
防音インナーケース(4)と防音部品(6)の間に防音スポンジ(5)が設置されている、ことを特徴とする請求項13に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項16】
微細な穴板にはいくつか直径が0.5mm-0.8mm範囲の穴がある、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項17】
ヘッドホンケース(3)の内部は硬質の殻であり、外側はソフトなゴムで包まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項18】
ヘッドホンには接続機構(1)と、接続機構(1)の両端にある2つのヘッドホン本体(2)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項19】
防音部品(6)は蜂の巣形状の防音部品(61)であり、消音部品(7)は蜂の巣形状の消音部品(71)であり、微穿孔(8)は第一の微細な穴板(81)である。蜂の巣形状の防音部品(61)は、ヘッドホンケース(3)に近い側の蜂の巣形状の消音部品(71)およびヘッドホンケース(3)から遠い側の第一の微細な穴板(81)で構成されている。蜂の巣形状の消音部品(71)にはいくつかの巣の穴(711)がある。第一の微細な穴板(81)にはいくつか上記の巣の穴(711)に一対一の微穿孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項20】
いくつかの巣の穴(711)が連続配列されている、ことを特徴とする請求項19に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項21】
第一の微細な穴板(81)は底面より高く多めに円錐台を持つ、これらの円錐台が巣の穴(711)と一対一に対応しており、かつこれらの円錐台の中心には微穿孔が設けられて巣の穴(711)と繋がっている、ことを特徴とする請求項19に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項22】
巣の穴(711)はヘッドホンケース(3)に近い側にも微穿孔が設けられている、ことを特徴とする請求項19に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項23】
防音部品(6)は螺旋形状の防音部品(62)であり、消音部品(7)は螺旋パイプの消音部品(72)であり、微細な穴板(8)は第二の微細な穴板(82)である。螺旋形状の防音部品(62)は、ヘッドホンケース(3)に近い側の螺旋パイプの消音部品(72)およびヘッドホンケース(3)から遠い側の第二の微細な穴板(82)で構成されている。螺旋パイプの消音部品(72)にはいくつかの螺旋パイプのチャンネル(721)があり、第二の微細な穴板(82)にはいくつか上記の螺旋パイプのチャンネル(721)と一対一の微穿孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項24】
いくつかの螺旋パイプが連続配列されている、ことを特徴とする請求項23に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項25】
防音部品(6)は渦巻き形状の防音部品(63)であり、消音部品(7)は渦巻き形状の消音部品(73)であり、微細な穴板(8)は第三の微細な穴板(83)である。渦巻き形状の防音部品(63)は、ヘッドホンケース(3)に近い側の渦巻き消音部品(73)およびヘッドホンケース(3)から遠い側の第三の微細な穴板(83)で構成されている。渦巻き消音部品(73)は第三の微細な穴板(83)の巻き脇板(731)に垂直の軸線で巻き付けられ、第三の微細な穴板(83)にはいくつかの微穿孔が設けられている、ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項26】
渦巻き消音部品(73)の表面が粗い面である、ことを特徴とする請求項25に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【請求項27】
微穿孔は、隣接する2層の巻き脇板(731)の隙間に設置されてる。この隙間内の微穿孔率は1%から5%となる、ことを特徴とする請求項25に記載のノイズキャンセリングヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はノイズキャンセリング技術分野に関する、特にノイズキャンセリングヘッドホンに関連する。
【背景技術】
【0002】
現代の仕事や生活において、ノイズは避けられない存在である。生理学的な観点から見ると、人々の休憩、勉強、仕事、および望ましい音を聴くことに干渉する音、つまり不要な音がすべてノイズと呼ぶ。ノイズが人々と周囲の環境に不良な影響を与える場合、ノイズ汚染となる。
【0003】
ノイズキャンセリングヘッドホンは、特定の方法を利用してノイズを低減することが実現できるためのイヤホンである。主に混雑した環境で外界のノイズを低減する要求を満たす、聴力を保護し、またはより良い環境雰囲気を得るためである。ノイズの測定と制御の観点から、通常500Hz以下のが低周波ノイズであり(本出願で言及されている低周波ノイズはすべてこの定義を持っている)、500Hz~1000Hzのが中周波ノイズであり、1000Hz以上のが高周波ノイズである。中高周波ノイズに対するノイズキャンセリングは比較的簡単であり、通常遮断するだけで十分な効果が得られる。だだし、低周波ノイズの透過性が高く、残響時間が長く、減衰が遅いため、隔離ノイズキャンセリングのが難しくなる。したがって、現在市場に出ているヘッドホン型ノイズキャンセリング製品は主に中高周波ノイズに対応しており、低周波ノイズに対するノイズキャンセリング効果は普遍的に低いである。上記の問題において、低周波ノイズにも対応できるヘッドホン型ノイズキャンセリング製品を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、低周波ノイズにも対応できるヘッドホン型ノイズキャンセリング製品を提供する。具体的な技術方案は以下の通りである。
【0005】
あるノイズキャンセリングヘッドホンは、ヘッドホンの本体を含む。ヘッドホンの本体は収納空間を形成するヘッドホンケースを含み、その特徴として、ヘッドホンケースの内側には防音部品が設置されており、防音部品はヘッドホンケースに近い側の消音部品とヘッドホンケースから遠い側の微細な穴板を含む。
さらに、前記の微細な穴板は、ヘッドホンケースの収納空間の中に嵌合でき、かつ微細な穴板の外周がヘッドホンケースの内壁と適合している。
さらに、前記のヘッドホン本体はイヤホンカバーを含む。イヤホンカバーはヘッドホンケースの開口場所に取り付けられている。
さらに、前記のイヤホンカバーは、イヤホンカバー接続ケースを介してヘッドホンケースの開口場所に取り付けられている。
さらに、前記の防音部品とイヤホンカバー接続ケースとの間に防音パッドが設置されている。
さらに、前記の防音パッドは外部に布で包まれたスポンジコアである。
さらに、前記の微細な穴板はヘッドホンケースの収納空間の外側に配置されており、消音部品はヘッドホンケースの収納空間の内側に配置されている。前記の防音部品は微細な穴板または消音部品を介してヘッドホンケースに接続されている。
さらに、前記のヘッドホン本体は、イヤホンカバーも含み、前記のイヤホンカバーは微細な穴板に取り付けられてる。
さらに、前記のイヤホンカバーと微細な穴板の間には、防音パッドが設置されている。
さらに、前記の防音パッドは外部に布で包まれたスポンジコアである。
さらに、前記の消音部品はヘッドホンケース側方向の輪郭面では、外側から内側に向かって徐々に高くなり、曲面を形成されている。
さらに、前記の曲面はヘッドホンケースの内側の輪郭面と適合している。
さらに、前記のヘッドホンケースと防音部品の間には、防音インナーケースが設置されている。
さらに、前記の防音インナーケースは、ヘッドホンケースに近い側のインナーケースの壁に微細な穴が設けられている。
さらに、前記の防音インナーケースと防音部品の間には、防音スポンジが設置されている。
さらに、前記の微細な穴板の上には、直径が0.5mmから0.8mmの複数の微穿孔がある。
さらに、前記のヘッドホンケースの内部は硬質な殻であり、外側はソフトなゴムで包まれている。
さらに、前記のノイズキャンセリングヘッドホンは、接続構造と接続構造の両端にある2つのヘッドホン本体も含んでいる。
さらに、前記の防音部品は蜂の巣形状の防音部品であり、消音部品は蜂の巣形状の消音部品であり、微細な穴板は第一の微細な穴板である。前記の蜂の巣形状の防音部品は、ヘッドホンケースに近い側の蜂の巣形状の消音部品と、ヘッドホンケースから遠い側の第一の微細な穴板で構成されている。前記の蜂の巣形状の消音部品は複数の穴を持っている。第一の微細な穴板の上にはいくつか複数の穴と一対一の微穿孔が設けられている。
さらに、前記の複数の穴は連続配列されている。
さらに、前記の第一の微細な穴板は、底面より高く複数の円錐台を持つ、円錐台は前記の複数の穴と一対一に対応しており、円錐台の中心には微穿孔が設けられていて、複数の穴と繋がっている。
さらに、前記の複数の穴は、ヘッドホンケースに近い側にも微穿孔が設けられている。
さらに、前記の防音部品は螺旋体の防音部品であり、消音部品は螺旋パイプの消音部品である。微細な穴板は第二の微細な穴板である。前記の螺旋体の防音部品は、ヘッドホンケースに近い側の螺旋パイプの消音部品と、ヘッドホンケースから遠い側の第二の微細な穴板で構成されている。前記の螺旋パイプの消音部品は、複数の螺旋パイプを持っている。第二の微細な穴板の上には複数の螺旋パイプチャンネルと一対一の微細な穴が設けられている。
さらに、前記の複数の螺旋パイプは連続配列されている。
さらに、前記の防音部品は渦巻き体の防音部品であり、消音部品は渦巻きの消音部品であり、微細な穴板は第三の微細な穴板である。前記の渦巻き体の防音部品は、ヘッドホンケースに近い側の渦巻きの消音部品と、ヘッドホンケースから遠い側の第三の微細な穴板で構成されている。前記の渦巻きの消音部品は、第三の微細な穴板の巻き脇板に垂直な軸線で巻き付けられる。第三の微細な穴板の上には複数の微穿孔が設けられている。
さらに、前記の渦巻きの消音部品の表面は粗い面である。
さらに、前記の微細な穴は、隣接する2つの巻き脇板の間に形成される隙間に設置されている。前記の隙間内の微細な穴の穿孔率は1%から5%の範囲である。
【0006】
本発明は、ヘッドホンケースの内に、ヘッドホンケースに近い側からの消音部品とイヤホンカバーに近い側の微細な穴板で構成される防音部品構造となる。ヘッドホンケースを介してノイズを遮断減衰させる上で、まず消音部品を介して低周波ノイズを含むヘッドホンケースを貫通するノイズを減衰し、制振し、次に微細な穴を介してノイズエネルギーが消耗されるまで再度減衰させる。上記に基づいて、本発明はノイズをマルチレベルで段階的に減衰させ、ノイズをキャンセリングし、低周波ノイズを含むノイズを段階的に減衰させ、良好なノイズキャンセリングの効果が実現できる。一方で、本発明は前述の構造のベースで、防音部品とヘッドホンケースの間に防音インナーケースまたは防音スポンジを設置し、もしくはイヤホンカバーと防音部品との間に防音パッドを設置することにより、マルチレベルで段階的にノイズを減衰させ、ノイズキャンセリングの効果をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明によるヘッドホンの全体的な効果の説明図である。
図2】本発明の第一実施例によるヘッドホン構造の爆発図である。
図3】本発明の第一実施例による蜂の巣形状の防音部品構造の説明図1である。
図4】本発明の第一実施例による蜂の巣形状の防音部品構造の説明図2である。
図5】本発明の第一実施例による蜂の巣形状の防音部品構造の説明図3である。
図6】本発明の第二実施例によるヘッドホン構造の爆発図である。
図7】本発明の第二実施例による螺旋体の防音部品構造の説明図1である。
図8】本発明の第二実施例による螺旋体の防音部品構造の説明図2である。
図9】本発明の第三実施例によるヘッドホン構造の爆発図である。
図10】本発明の第三実施例による渦巻き体の防音部品構造の説明図1である。
図11】本発明の第三実施例による渦巻き体の防音部品構造の説明図2である。
図12】本発明の第三実施例による渦巻き体の防音部品構造の説明図3である。
図13】本発明の第一実施例のノイズキャンセリングデータの曲線図である。
図14】本発明の第二実施例のノイズキャンセリングデータの曲線図である。
図15】本発明の第三実施例のノイズキャンセリングデータの曲線図である。
図16】本発明の実施例中のテスト方案5、10、15および比較のノイズキャンセリングデータの曲線図である。
【0008】
以下は図面の注釈である:1は接続構造、2はヘッドホン本体、3はヘッドホンケース、4は防音インナーケース、5は防音スポンジ、6は防音部品、61は蜂の巣形状の防音部品、62は螺旋体の防音部品、63は渦巻き体の防音部品、7は消音部品、71は蜂の巣形状の消音部品、711は巣の穴、72は螺旋パイプ消音部品、721は螺旋パイプチャンネル、73は渦巻き体の消音部品、731は巻き脇板、8は微細な穴板、81は第一微細な穴板、82は第二微細な穴板、83は第三微細な穴板、9は防音パッド、10はイヤホンカバー接続ケース、11はイヤホンカバーである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施方式について、図面を参照して更に詳しく説明する。説明の便利のため、本発明の中で「前」、「後」、「正」、「裏」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「上」、「下」、「内」、「外」、「中」などの位置関係を示す用語が図面に基づく方位と位置関係を示す。ただ本発明を簡単に説明するため、特定の方位で構造され、操作されることではなく、装置また部品が必ず特定の方位を所有することを指示または暗示することでもなく、したがって、本発明の制限および製品または装置が製造、使用、販売などの過程で実際方位の制限を意味することではない。さらに、「第一」、「第二」、「第三」などの用語は目的を説明するために使用され、相対的な重要性を示すもしくは指示される技術特徴の数量を暗示するものではない。さらに、本発明の実施例の中で、別途の明確的な規定や制約がない限り、「取り付け」、「設置」、「接続」、「固定」、「構成」などの用語は広義に解釈されるべき、例えば、固定接続は、着脱可能な接続でもよい、一体化でもよい。直接連結でもよい、中間の媒介を介して間接連結でもよい。本技術分野のつ普通の技術者にとって、具体的な状況に基づいて、上記の用語が本発明において具体的な意味を理解する。
【実施例1】
【0010】
図1図2に示すように、本発明はノイズキャンセリングヘッドホンに関する。接続機構1と接続機構1の両端にある2つのヘッドホン本体2を含む。各ヘッドホン本体2は、接続機構1に接続して開口部を所有する半密閉収納空間のヘッドホンケース3を備えており、ヘッドホンケース3内には蜂の巣形状の防音部品61が設置されている。イヤホンカバー11は、イヤホンカバー接続ケース10を介してヘッドホンケース3の開口部に接続する。蜂の巣形状の防音部品61は、ヘッドホンケース3に近い側(本出願において、ヘッドホンケース側は特にヘッドホンケースの開口に対向するヘッドホンケース部分を指す)にある蜂の巣形状の消音部品71と、ヘッドホンケース3から遠い側(イヤホンカバー11側)にある第一微細な穴板81で構成されている。明確に表示するのが、本出願で記載されている微細な穴板は、すべての微穿孔の直径が1mm未満であるを指す穿孔板である。
【0011】
図3、4、5に示すように、蜂の巣形状の消音部品71は、複数の巣の穴711が連続配列され(巣の穴711とは、隣り合う巣の穴711が穴壁を共有する、または充填物を持つ、隙間なしの配列状態、例えば蜂の巣の構造)、巣の穴711は多角形または類多角形の穴(この実施例では正六角形)である。巣の穴711の穴壁の厚さは0.6mmから1.2mmであり、直径は2.8mmから4.8mmである。蜂の巣形状の消音部品71は、ヘッドホンケース3側方向の輪郭面に向かって、外周の外側から内側に段々高くなり、曲面を形成し、かつこの曲面はヘッドホンケース3の内側の輪郭面と適合している。第一の微細な穴板81の上には、複数の巣の穴711と一対一の微穿孔(1つの巣の穴711が1つの微穿孔に対応する)が設けられていて、微穿孔の直径は0.5mmから0.8mmの範囲である。
【0012】
ヘッドホンケースによるノイズの遮断に基づいて、蜂の巣形状の消音部品71の蜂の巣構造により、多数の穴構造が形成され、ノイズがこの多数の穴構造を通過する際に、多数の穴構造の数、直径、および通路の長さにより、ノイズがより良く吸収され、減少される。また、第一の微細な穴板81の上に巣の穴711と一対一の微穿孔の直径は、音波の波長よりもはるかに小さく、音の抵抗が大きく、穿孔率が低く、音の質が小さいため、微穿孔を通過した後、ノイズのエネルギーがさらに減衰して消耗され、これによりノイズの低減が達成できる。したがって、蜂の巣形状の消音部品71と第一の微細な穴板81で構成される蜂の巣形状の防音部品61は、優秀なノイズ低減効果を持っている。
同時に、ある実施例では、第一の微細な穴板81は、ヘッドホンケース3の収納スペースに嵌合でき、かつ第一の微細な穴板81の外周がヘッドホンケース3の内壁に適合し、密着的に組み立てられ、ノイズキャンセリング効果がもっと向上させる。
【0013】
ある実施例では、第一の微細な穴板81は次の構造となる。第一の微細な穴板81は、多くの底面より1mm高さを持つ中空の円錐台である。円錐台が巣の穴711と一対一に対応し、かつ円錐台の中心には微穿孔が設けられていて、巣の穴711と繋がる。この構造を採用した第一の微細な穴板81において、中空の円錐台は巣の穴711を通過する音の流れを制御して微穿孔に送り、音のエネルギーが巣の穴711内で摩擦消耗されることが増加できる。同時に、イヤホンカバーの方からノイズの漏れが防げる、駐音効果が形成され、円錐台の傾斜面は反射および屈折の役割を果たし、駐音を除去し、最大限に減衰および制振し、より優れたノイズキャンセリング効果を得ることができる。
【0014】
ある実施例では、巣の穴711はヘッドホンケース3に近い側にも微穿孔が設けられ、巣の穴711の両端共に微穿孔が設けられている場合、音波は巣の穴711に入るときと出るとき、2回微穿孔を通過し、消音と制振の効果がより優れている。
【0015】
ある実施例では、ヘッドホンケース3と蜂の巣形状の防音部品61の間に防音インナーケース4が設けられ、ヘッドホンケース3を通過する音に対して防音ができ、ノイズキャンセリング効果が向上できる。
【0016】
ある実施例では、防音インナーケース4はヘッドホンケース3に近い側のインナーケースの底に微穿孔が設けられ、ヘッドホンケース3を通過する音は防音インナーケース4に入るとき、微穿孔を介して消音および減衰され、音のエネルギーが消耗され、ノイズキャンセリング効果がさらに向上できる。
【0017】
ある実施例では、防音インナーケース4と蜂の巣形状の防音部品61の間に防音スポンジ5が設けられ、防音インナーケース4を通過した音は防音フィルタされた後、再び蜂の巣形状の防音部品61に入るため、ノイズキャンセリング効果がもっと良くなる。
【0018】
ある実施例では、蜂の巣形状の防音部品61とイヤホンカバー接続ケース10の間には、防音パッド9が設けられ、蜂の巣形状の防音部品61を通過する音に対して再び防音され、ノイズキャンセリングヘッドホンのノイズ低減効果がさらに向上できる。
【0019】
ある実施例では、防音パッド9は、外部に布で包まれるスポンジコアであり、スポンジコアは防音およびノイズ低減の効果があり、同時に質が柔らかくて、かつ弾力性を持つ、着用する時もっと快適である。
【0020】
ある実施例では、微穿孔の直径は0.5mmから0.8mmであり、上記範囲内の直径では、消音および減衰の効果がより優れている。
【0021】
ある実施例では、ヘッドホンケース3の内部は硬質な殻であり、外側はソフトなゴムで包まれている。外側のソフトなゴムには、このノイズキャンセリングヘッドホンの耐衝撃性を向上させ、外側のソフトなゴムと内部の硬質な殻の組み合わせで、音に対する摩擦がより良好であるため、ノイズキャンセリングの効果もより優れている。
【0022】
ある実施例では、第一の微細な穴板81はヘッドホンケース3の収納空間の外にあり、蜂の巣形状の消音部品71はヘッドホンケース3の収納空間の内にある。蜂の巣形状の防音部品61は、第一の微細な穴板81または蜂の巣形状の消音部品71を介してヘッドホンケース3に接続する。イヤホンカバー11は第一の微細な穴板81に取り付けられている。
【0023】
ある実施例では、接続構造1は、弧状の曲面を持つ硬質な弧状の接続フレームであるか、または柔軟な材料もしくは柔軟弾性体またはその他の柔軟な材料である。
【実施例2】
【0024】
別の実施例として、第一の実施例の蜂の巣形状の防音部品61を螺旋体防音部品62で置き換えることもできる。詳細は以下となる。
【0025】
図8に示すように、本発明はノイズキャンセリングヘッドホンに関する。ノイズキャンセリングヘッドホンは、接続構造1および接続構造1の両端にある2つのヘッドホン本体2を含む。各ヘッドホン本体2は、接続構造1に接続され、開口場所を持つ半密閉収納空間を所有するヘッドホンケース3を含み、ヘッドホンケース3の内部には螺旋体防音部品62が設置されている。イヤホンカバー11は、イヤホンカバー接続ケースを介して、ヘッドホンケース3の開口部に接続する。螺旋体防音部品62は、ヘッドホンケース3に近い側の螺旋パイプ消音部品72およびヘッドホンケース3から遠い側(イヤホンカバー11に近い側)の第二の微細な穴板82で構成されている。
【0026】
図9、10に示すように、螺旋パイプ消音部品72は、ヘッドホンケース3の側方向に向かっている輪郭面において、螺旋パイプ消音部品72の外周に外側から内側に向かって段々と高くなり、曲面が形成され、この曲面はヘッドホンケース3の内部の輪郭面に適合しており、螺旋パイプ消音部品72の内部には微穿孔が連続配列される(隣の螺旋パイプの間に共有パイプの壁があり、または充填物を持っている、隙間がないの配列状態である)。ヘッドホンケース3の側からイヤホンカバー11の側方向にばねのように螺旋内側に向かっている螺旋パイプチャンネル721が設けられている。螺旋パイプチャンネル721は、内径が0.8mmから1.6mmの範囲で、第二の微細な穴板82の上にはいくつか螺旋パイプチャンネル721と一対一の微穿孔が設けられている。
【0027】
ヘッドホンケースを介してノイズを遮断することにより、螺旋パイプ消音部品72の螺旋パイプチャンネル721は、多くの穴の構造が形成されるため、ノイズがこの多くの穴の構造を通過する際、多くの穴の構造の数量、直径、および通路の長さにより、ノイズがより吸収、低減される。また、第二の微細な穴板82の上には螺旋パイプチャンネル721と一対一の微穿孔の直径は、音波の波長よりもはるかに小さく、音の抵抗が大きく、穿孔率が低く、音質が小さいため、微穿孔を通過した後、ノイズはさらに低減され、これによりノイズを低減する目的が達成できる。したがって、螺旋パイプ消音部品72および第二の微細な穴板81から構成される螺旋体防音部品62は、優れたノイズ低減効果を持っている。
【0028】
ある実施例では、第二の微細な穴板82は、ヘッドホンケース3の収納空間に嵌合し、かつ第二の微細な穴板82の外周がヘッドホンケース3の内壁に適合し、密着して組み立てられ、防音とノイズキャンセリングの効果をより良くすることができる。
【0029】
ある実施例では、ヘッドホンケース3と螺旋体防音部品62の間には、防音インナーケース4が設けられ、ヘッドホンケース3を通過する音を隔離し、ノイズ低減効果を強化することができる。
【0030】
ある実施例では、防音インナーケース4は、ヘッドホンケース3側に近いインナーケースの底部に微穿孔が設けられており、ヘッドホンケース3を通過する音は防音インナーケース4に入るときに、微穿孔を介して消音、減衰され、音のエネルギーが消耗され、ノイズ低減効果がさらに強化する。
【0031】
ある実施例では、防音インナーケース4と螺旋体防音部品62の間には、防音スポンジ5が設けられており、防音インナーケース4を通過する音が防音フィルタされ、音が再び螺旋体防音部品62に入るため、ノイズ低減効果がより良くなる。
【0032】
ある実施例では、螺旋体防音部品62とイヤホンカバー接続ケース10の間には、防音パッド9が設けられており、螺旋体防音部品62を通過する音が再び遮音され、このノイズキャンセリングヘッドホンのノイズ低減効果がさらに向上できる。
【0033】
ある実施例では、防音パッド9は、外部に布で包まれたスポンジコアであり、スポンジコアがノイズ低減の効果を持つ、同時に柔らかい質であり、かつ弾性があり、着用時により快適である。
【0034】
ある実施例では、微穿孔の直径は0.5mmから0.8mmであり、微穿孔の直径がこの範囲で、消音および減衰効果がより良くなる。
【0035】
ある実施例では、ヘッドホンケース3は硬質な殻であり、外側にはソフトなゴム材料が包まれて、外側のソフトなゴムは、ノイズキャンセリングヘッドホンをより耐衝撃性を向上させ、外側のソフトなゴムと内部の硬質な殻の組み合わせで、音に対するより摩擦され、ノイズ低減効果が強化できる。
【0036】
ある実施例では、第二の微細な穴板82はヘッドホンケース3の収納空間の外にあり、螺旋パイプ消音部品72はヘッドホンケース3の収納空間の内側にある。螺旋体防音部品62は第二の微細な穴板82または螺旋パイプ消音部品72を介してヘッドホンケース3に接続する。イヤホンカバー11は第二の微細な穴板82に取り付けられている。
【0037】
ある実施例では、接続構造1は、弧状の曲面を持つ硬質な弧状の接続フレームであるか、または柔軟な材料もしくは柔軟弾性体またはその他の柔軟な材料である。
【実施例3】
【0038】
別の実施形態として、第一の実施例の蜂の巣形状の防音部品61の代わりに渦巻体防音部品63を使用することもできる。詳細は以下となる。
【0039】
図8に示すように、本発明はノイズキャンセリングヘッドホンに関する。ノイズキャンセリングヘッドホンは、接続構造1および接続構造1の両端にある2つのヘッドホン本体2を含む。各ヘッドホン本体2は、接続構造1に接続され、開口場所を持つ半密閉収納空間を所有するヘッドホンケース3を含み、ヘッドホンケース3の内部には渦巻体防音部品63が設置されている。イヤホンカバー11は、イヤホンカバー接続ケース10を介してヘッドホンケース3の開口部に接続する。渦巻体防音部品63は、ヘッドホンケース3に近い側に渦巻体消音部品73と、イヤホンカバー11側に近い第三の微細な穴板83とで構成されている。
【0040】
図12、13、14に示すように、渦巻体消音部品73は、第三の微細な穴板83の巻き脇板731に垂直し、軸線で巻き脇板731の内側から外側に向かって巻きつけられ、巻き脇板731の厚さは1.2mmから2mmであり、巻き脇板731の間隔は平等に保たれており、距離が1.8mmから2.3mmである。渦巻体消音部品73は、ヘッドホンケース3の側方向に向かっている輪郭面があり、渦巻体消音部品73の外周に外側から内側に向かって高くなり、曲面が形成され、かつこの曲面はヘッドホンケース3内の空間に適合している。第三の微細な穴板83には、いくつかの微穿孔が設けられており、これらの微穿孔は、隣り合う2層の巻き脇板731の間に形成される隙間に設けられている。この隙間内の微穿孔の穿孔率(単位面積あたりの穴の総面積)は1%から5%である。
【0041】
ヘッドホンケースを介してノイズを遮断する上で、渦巻体消音部品73が渦巻きチャネルを持っているため、ノイズがこの渦巻きチャネルを通過する際、渦巻きチャネルの数や脇板面積により、ノイズがより良く吸収、減衰される。また、第三の微細な穴板83上には、隣り合う2層の巻き脇板731の間に形成される隙間の微穿孔が1%から5%の穿孔率で設けられており、かつ微穿孔の直径が音波の波長よりもはるかに小さく、音の抵抗が大きく、穿孔率が低いため、音質が小さく、微穿孔を通過した後、ノイズがさらに減少されることになり、これによりノイズキャンセリングの目的が達成できる。したがって、渦巻体消音部品73と第三の微細な穴板83で組み合わせる渦巻体防音部品63は、優れたノイズキャンセリング効果を持っている。
【0042】
ある実施例では、第三の微細な穴板83はヘッドホンケース3の収納空間に嵌合でき、かつ第三の微細な穴板83の外周がヘッドホンケース3の内側の壁に適合するため、密着組み立てを実現し、遮音とノイズキャンセリング効果をより向上させる。
【0043】
ある実施例では、渦巻体消音部品73内の巻き面板の表面は粗面であり、音が通過する際の摩擦力を増加させ、音のエネルギーをできるだけ多く消耗され、消音とノイズキャンセリングの目的を達成する。
【0044】
ある実施例では、ヘッドホンケース3と渦巻体防音部品63の間には防音インナーケース4が設けられており、ヘッドホンケース3を通過する音に対して遮音を行い、ノイズキャンセリング効果を強化する。
【0045】
ある実施例では、防音インナーケース4はヘッドホンケース3に近い側のインナーケース底部に微穿孔が設けられており、ヘッドホンケース3を通過する音は防音インナーケース4に入る際に微穿孔を通過するため、消音減衰が行われ、音のエネルギーが消耗され、ノイズキャンセリングの効果がさらに強化される。
【0046】
ある実施例では、防音インナーケース4と渦巻体防音部品63の間には防音スポンジ5が設けられており、防音インナーケース4を通過する音は遮音フィルタされ後に、再び渦巻体防音部品63に入る、ノイズキャンセリングの効果がより良くなる。
【0047】
ある実施例では、渦巻体防音部品63とイヤホンカバー接続ケース10の間には防音パッド9が設けられており、渦巻体防音部品63を通過する音に対して改めて遮音が行われ、このヘッドホンの遮音とノイズキャンセリング効果をより一層向上させる。
【0048】
ある実施例では、防音パッド9は外部に布で包まれたスポンジコアであり、スポンジコアの遮音効果が発揮でき、同時に柔らかい質感を持ち、かつ弾性があり、着用時に快適である。
【0049】
ある実施例では、微穿孔の直径は0.5mmから0.8mmまでの範囲であり、この範囲内の微穿孔では、消音減衰の効果がより優れている。
【0050】
ある実施例では、ヘッドホンケース3の内部は硬質な殻であり、外側はソフトなゴム素材で包まれており、外側のソフトなゴムはノイズキャンセリングヘッドホンをより耐衝撃性を向上させ、外側のソフトなゴムと内部の硬質な殻の組み合わせで、音に対するより摩擦され、これによりノイズ低減効果が強化できる。
【0051】
ある実施例では、第三の微細な穴板83はヘッドホンケース3の収納空間の外にあり、渦巻体消音部品73はヘッドホンケース3の収納空間の内側にある。螺旋体防音部品62は第三の微細な穴板83または渦巻体消音部品73を介してヘッドホンケース3に接続する。イヤホンカバー11は第三の微細な穴板83に取り付けられている。
【0052】
ある実施例では、接続構造1は、弧状の曲面を持つ硬質な弧状の接続フレームであるか、または柔軟な材料もしくは柔軟弾性体またはその他の柔軟な材料である。
【0053】
上記の実施例で言及されている、蜂の巣形状の防音部品61、螺旋体防音部品62、渦巻体防音部品63を除く、ヘッドホンケース3の近い側にある防音部品7と微細な穴板8で構成される防音部品6も、本発明の技術問題を解決することができる。ここでは一一詳細に説明しない。
【0054】
上記の実施例で使用された蜂の巣形状の防音部品61、螺旋体防音部品62、渦巻体防音部品63を備えたノイズキャンセリングヘッドホンの性能を評価することにより、GB/T7584.3《音響聴覚保護具第3部:専用の音響試験装置を使用して耳カバー型の聴覚保護具の挿入損失を測定する》の標準およびISO4869-3《音響聴覚保護具音響試験装置で耳カバー型の聴覚保護具の挿入損耗を測定する》の標準に基づき、音場は校正され、1/3の倍周波数のピンクノイズを使用して、63~1000Hzの範囲で本発明の実施例のサンプルに対するテストが行われた。異なる周波数の音に対するノイズキャンセリングのデータは、以下の表に示す:
【0055】
したがって、本発明のノイズキャンセリングヘッドホンは、ヘッドホンケースの内に、ヘッドホンケースに近い側からの消音部品とイヤホンカバーに近い側の微細な穴板で構成される防音部品の構造となるため、ヘッドホンケースを介してノイズを遮断減衰させる上で、まず消音部品を介して低周波ノイズを含むヘッドホンケースを貫通するノイズを減衰し、制振し、次に微細な穴を介してノイズエネルギーが消耗されるまで再度減衰させる。一方で、本発明は前述の構造のベースで、防音部品とヘッドホンケースの間に防音インナーケースまたは防音スポンジを設置し、もしくはイヤホンカバーと防音部品との間に防音パッドを設置することにより、マルチレベルで段階的にノイズを減衰させ、ノイズキャンセリングの効果をさらに向上させる。
【0056】
上記のテストデータ中の方案5、方案10、方案15のノイズキャンセリングデータと対照方案のノイズキャンセリングデータを引くと、対照結果が以下の表に示す:
【0057】
上記により、低周波帯域で特に250Hzで、ノイズが顕著に減衰し、このノイズキャンセリングヘッドホンは低周波ノイズの除去にも著しい効果がある。
【0058】
上記の実施例は、本発明ための相対的な良い実施例であり、本発明の実施範囲を制限することではない。本発明の形状、構造、および原理に基づく同等の変更には、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【要約】      (修正有)
【課題】騒音をマルチレベルで減衰させてノイズキャンセリングの効果を向上させるヘッドホンを提供する。
【解決手段】ヘッドホン装置の防音部品61には、ヘッドホンケース3に近い側にある消音部品71とヘッドホンケースから遠い側にある微細な穴が設けられている穴板81を有する。ヘッドホンケースを通してノイズを遮断し減衰させるベースの上で、まず消音部品により、ヘッドホンケースを貫通する低周波ノイズを含む騒音を減衰して制振させる。その後、更に微細な穴により、騒音エネルギーが消耗されるまで減衰させる。上記の設計により、低周波ノイズを含む騒音が段階的に減衰され、ノイズキャンセリング効果が実現できる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16