(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】電子機器、撮像装置、表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20250311BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20250311BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20250311BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20250311BHJP
【FI】
G06F3/0484
G03B17/02
G06F3/0488
H04N23/63 100
(21)【出願番号】P 2020167765
(22)【出願日】2020-10-02
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】榎並 英司
(72)【発明者】
【氏名】河 俊光
(72)【発明者】
【氏名】松下 武
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-48202(JP,A)
【文献】特表2015-508357(JP,A)
【文献】特許第5888305(JP,B2)
【文献】特許第6455147(JP,B2)
【文献】特許第5775659(JP,B2)
【文献】特開2008-204402(JP,A)
【文献】特開2018-200385(JP,A)
【文献】特許第6762723(JP,B2)
【文献】特開2018-37861(JP,A)
【文献】特許第6295738(JP,B2)
【文献】特許第5581986(JP,B2)
【文献】特許第5882923(JP,B2)
【文献】特許第6173961(JP,B2)
【文献】特開2002-55750(JP,A)
【文献】特開2013-175183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048 - 3/04895
G03B 17/02
H04N 23/60 - 23/698
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する電子機器であって、
当該電子機器における第一機能に対応する第一画像が前記表示部に表示されている状態において、前記第一機能とは異なり、前記第一画像に関する設定を行う第二機能に対応する第二画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像の少なくとも一部を表示させたまま、前記第二画像を前記表示部に表示させる制御部を備え、
前記制御部は、
前記表示部に前記第一画像および前記第二画像が表示されている場合に、
前記第一機能および前記第二機能とは異なり、前記電子機器に関する設定を行う第三機能に対応する第三画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像および前記第二画像を前記表示部に表示される表示画面から消去して、前記第三画像を前記表示部に表示させ
、
前記第二機能および前記第三機能は、撮影に関する設定を受け付ける機能であり、
前記第三画像において表示される機能の数は、前記第二画像において表示される機能の数よりも多い、
電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一画像および前記第二画像を前記表示画面から消去する前に、前記第二画像に対して前記第一画像の反対側に前記第三画像を表示させ、前記第二画像の表示位置を前記第三画像の表示に伴って前記第一画像の方向に移動させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部における表示領域の端部から中央に向けられたスワイプ操作を、前記第二画像を表示させる操作または前記第三画像を表示させる操作として受け付ける、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
表示部と、
前記表示部に、撮影された動画像と、静止画像の撮影の指示を受け付けるためのシャッター領域を示す画像と、を含む第一画像が表示されている場合に、前記動画像の表示に関する設定、または前記静止画像の撮影に関する設定に対応する第二画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像の少なくとも一部を表示したまま、前記第二画像を前記表示部に表示させる制御部と、を備える撮像装置であって、
前記制御部は、前記表示部に前記第一画像および前記第二画像が表示されている場合に、前記第二画像に対応する設定とは異なり、前記撮像装置についての設定に対応する第三画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像および前記第二画像を前記表示部に表示される表示画面から消去して、前記第三画像を前記表示部に表示させ
、
前記第三画像において表示される機能の数は、前記第二画像において表示される機能の数よりも多い、
撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記操作を受け付けると、少なくとも前記シャッター領域を示す画像と前記第二画像とを、前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部における表示領域の端部から中央に向けられたスワイプ操作を、前記第二画像を表示させる操作または前記第三画像を表示させる操作として受け付ける、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
電子機器における表示方法であって、
前記電子機器における第一機能に対応する第一画像が表示部に表示されている状態において、前記第一機能とは異なり、前記第一画像に関する設定を行う第二機能に対応する第二画像を表示させる操作を受け付けるステップと、
前記操作を受け付けると、前記第一画像の少なくとも一部を表示させたまま、前記第二画像を前記表示部に表示させるステップと、
前記表示部に前記第一画像および前記第二画像が表示されている場合に、前記第一機能および前記第二機能とは異なり、前記電子機器に関する設定を行う第三機能に対応する第三画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像および前記第二画像を前記表示部に表示される表示画面から消去して、前記第三画像を前記表示部に表示させるステップと、を備え
、
前記第二機能および前記第三機能は、撮影に関する設定を受け付ける機能であり、
前記第三画像において表示される機能の数は、前記第二画像において表示される機能の数よりも多い、
表示方法。
【請求項8】
電子機器に、
前記電子機器における第一機能に対応する第一画像が表示部に表示されている状態において、前記第一機能とは異なり、前記第一画像に関する設定を行う第二機能に対応する第二画像を表示させる操作を受け付けるステップと、
前記操作を受け付けると、前記第一画像の少なくとも一部を表示させたまま、前記第二画像を前記表示部に表示させるステップと、
前記表示部に前記第一画像および前記第二画像が表示されている場合に、前記第一機能および前記第二機能とは異なり、前記電子機器に関する設定を行う第三機能に対応する第三画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像および前記第二画像を前記表示部に表示される表示画面から消去して、前記第三画像を前記表示部に表示させるステップと、
を実行させるためのプログラム
であって、
前記第二機能および前記第三機能は、撮影に関する設定を受け付ける機能であり、
前記第三画像において表示される機能の数は、前記第二画像において表示される機能の数よりも多い、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、撮像装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示中の画像に対応する機能に関連する機能を実現させるために、ユーザの操作に応じて、表示中の画像とは異なる画像を表示する電子機器が開発されている。例えば、特許文献1には、アプリケーションプログラムに規定された処理を実行する携帯電子デバイスが開示されている。この携帯電子デバイスは、ユーザの操作に応答して、ホーム画面を含む第一の画面表示レイアウトから、当該プログラムの使用可能な設定メニューに対応するアイコンを含む第二の画面表示レイアウトに、表示画面を遷移させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、第一の画面表示レイアウトを表示させたまま、第二の画面表示レイアウトを表示させるという技術思想は開示されていない。特許文献1に記載の技術では、第二の画面表示レイアウトが表示されると、第一の画面表示レイアウトで選択できた機能が選択できなくなり、操作性という観点で改善の余地がある。
【0004】
開示の技術は、操作性が良い電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術は、表示部を有する電子機器であって、当該電子機器における第一機能に対応する第一画像が前記表示部に表示されている状態において、前記第一機能とは異なり、前記第一画像に関する設定を行う第二機能に対応する第二画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像の少なくとも一部を表示させたまま、前記第二画像を前記表示部に表示させる制御部を備え、前記制御部は、前記表示部に前記第一画像および前記第二画像が表示されている場合に、前記第一機能および前記第二機能とは異なり、前記電子機器に関する設定を行う第三機能に対応する第三画像を表示させる操作を受け付けると、前記第一画像および前記第二画像を前記表示部に表示される表示画面から消去して、前記第三画像を前記表示部に表示させ、前記第二機能および前記第三機能は、撮影に関する設定を受け付ける機能であり、前記第三画像において表示される機能の数は、前記第二画像において表示される機能の数よりも多い、電子機器である。
【発明の効果】
【0006】
開示の技術によると、操作性が良い電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】撮像装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】第二画像の表示方法について説明するための第一の図である。
【
図5】第二画像の表示方法について説明するための第二の図である。
【
図6】スワイプ操作について説明するための図である。
【
図7】第三画像の表示方法について説明するための第一の図である。
【
図8】第三画像の表示方法について説明するための第二の図である。
【
図9】第三画像の表示方法について説明するための第三の図である。
【
図10】撮像装置の実行する処理のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明に係る電子機器の一例である撮像装置の実施の形態について説明する。電子機器は撮像装置に限らず、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0009】
図1は、撮像装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0010】
撮像装置1は、撮像ユニット101と、画像処理ユニット104と、撮像制御ユニット105と、マイク108と、音処理ユニット109と、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、SRAM(Static Random Access Memory)113と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)114と、操作部115と、外部機器接続I/F116と、通信部117と、アンテナ117aと、加速度・方位センサ118と、タッチパネル119と、を備える。
【0011】
このうち、撮像ユニット101は、広角レンズ102aおよび広角レンズ102bと、各広角レンズに対応させて設けられている2つの撮像素子103aおよび撮像素子103bと、を備える。広角レンズ102aおよび広角レンズ102bは、いわゆる魚眼レンズであって、各々半球画像を結像するための180°以上の画角を有する。
【0012】
撮像素子103aおよび撮像素子103bは、それぞれ広角レンズ102aまたは広角レンズ102bによる光学像を電気信号の画像データに変換して出力するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサなどの画像センサ、画像センサの水平又は垂直同期信号や画素クロックなどを生成するタイミング生成回路、撮像素子の動作に必要な種々のコマンド、パラメータなどが設定されるレジスタ群などを有している。
【0013】
撮像ユニット101の撮像素子103aおよび撮像素子103bは、各々、画像処理ユニット104と、シリアルI/Fバスを介して接続されている。また、撮像ユニット101の撮像素子103aおよび103bは、各々、撮像制御ユニット105と、シリアルI/Fバス(I2Cバス等)を介して接続されている。
【0014】
画像処理ユニット104、撮像制御ユニット105及び音処理ユニット109は、バス110を介してCPU111と接続されている。さらに、バス110には、ROM112、SRAM113、DRAM114、操作部115、外部機器接続I/F(Interface)116、通信部117、加速度・方位センサ118、タッチパネル119などが接続されている。
【0015】
画像処理ユニット104は、撮像素子103aおよび撮像素子103bから出力される画像データをシリアルI/Fバスを通して取り込み、それぞれの画像データに対して所定の処理を施した後、これらの画像データを合成して、正距円筒射影画像のデータを作成する。
【0016】
撮像制御ユニット105は、一般に撮像制御ユニット105をマスタデバイス、撮像素子103aおよび撮像素子103bをスレーブデバイスとして、I2Cバスを利用して、撮像素子103aおよび撮像素子103bのレジスタ群にコマンド等を設定する。撮像制御ユニット105は、必要なコマンド等をCPU111から受け取る。また、撮像制御ユニット105は、同じくI2Cバスを利用して、撮像素子103aおよび撮像素子103bのレジスタ群のステータスデータ等を取り込み、CPU111に送る。
【0017】
また、撮像制御ユニット105は、操作部115のシャッターボタンが押下されたタイミングで、撮像素子103aおよび撮像素子103bに画像データの出力を指示する。撮像装置1は、タッチパネル119または外部装置に撮像装置1が撮影した動画像を表示するライブビュー表示機能を有する。そのため、撮像素子103aおよび撮像素子103bは、画像データの出力を所定のフレームレート(フレーム/分)によって連続して行う。
【0018】
また、撮像制御ユニット105は、後述するように、CPU111と協働して撮像素子103aおよび撮像素子103bの画像データの出力タイミングの同期をとる同期制御手段としても機能する。
【0019】
マイク108は、音を音(信号)データに変換する。音処理ユニット109は、マイク108から出力される音データをI/Fバスを通して取り込み、音データに対して所定の処理を施す。
【0020】
CPU111は、撮像装置1の全体の動作を制御すると共に必要な処理を実行する。ROM112は、CPU111のための種々のプログラムを記憶している。SRAM113及びDRAM114はワークメモリであり、CPU111で実行するプログラムや処理途中のデータ等を記憶する。なお、DRAM114は、画像処理ユニット104での処理途中の画像データや処理済みの正距円筒射影画像のデータを記憶する。
【0021】
操作部115は、シャッターボタンなどの操作ボタンを有する。ユーザは操作部115を操作することで、種々の撮影モードや撮影条件などを入力する。
【0022】
外部機器接続I/F116は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、PC(Personal Computer)等である。撮像装置1は、DRAM114に記憶された正距円筒射影画像のデータを、この外部機器接続I/F116を介して外付けのメディアに記録する。また、撮像装置1は、外部機器接続I/F116を介してスマートフォン等の外部端末(装置)に送信しても良い。
【0023】
通信部117は、撮像装置1に設けられたアンテナ117aを介して、Wi-Fi、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信技術によって、スマートフォン等の外部端末(装置)と通信を行う。この通信部117によっても、正距円筒射影画像のデータをスマートフォン等の外部端末(装置)に送信することができる。
【0024】
加速度・方位センサ118は、地球の磁気から撮像装置1の方位を算出し、方位情報を出力する。この方位情報はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮影画像の画像補正等の画像処理に利用される。なお、関連情報には、画像の撮影日時、及び画像データのデータ容量の各データも含まれている。また、加速度・方位センサ118は、撮像装置1の移動に伴う角度の変化(Roll角、Pitch角、Yaw角)を検出する。
【0025】
角度の変化はExifに沿った関連情報(メタデータ)の一例であり、撮像画像の画像補正等の画像処理に利用される。更に、加速度・方位センサ118は、3軸方向の加速度を検出する。撮像装置1は、加速度・方位センサ118が検出した加速度に基づいて、自装置(撮像装置1)の姿勢(重力方向に対する角度)を算出する。撮像装置1に、加速度・方位センサ118が設けられることによって、画像補正の精度が向上する。
【0026】
タッチパネル119は、表示部119aと、位置入力部119bと、を備える。表示部119aには、例えば液晶ディスプレイ等であって、撮像ユニット101から送信される撮像画像、ROM112に格納されたアイコン画像などを含む表示画面が表示される。
【0027】
位置入力部119bは、表示部119aへの接触を検知し、接触された位置を示す位置情報をCPU111に出力する。
【0028】
なお、撮像装置1は、ソフトシャッター機能を有する。ソフトシャッター機能とは、タッチパネル119に表示されたシャッター領域への接触を検知した場合に、画像を撮影する機能である。すなわち、撮像装置1は、シャッター領域への接触を検知した場合に、操作部115のシャッターボタンが押下された場合と同様に、シャッターを切る処理を実行する。
【0029】
図1に示した撮像装置1は、2つの撮像素子を使用した全天球撮影装置であるが、撮像素子は2つに限定するものでなく、いくつでもよい。また、撮像装置1は、全天球撮影装置である必要はなく、画像を撮影する装置であればよい。また、撮像装置1は、後付けの全方位の撮像ユニットを取り付けられたデジタルカメラ、スマートフォン等であっても良い。
【0030】
【0031】
撮像装置1は、制御部10を備える。制御部10は、CPU111が、ROM112、SRAM113またはDRAM114等に記憶されたプログラムに規定された処理を実行することによって、実現される。
【0032】
制御部10は、第一表示制御部13と、第一操作受付部14と、第二表示制御部15と、第二操作受付部16と、第三表示制御部17と、撮像操作受付部18と、を含む。
【0033】
第一表示制御部13は、第一機能に対応する第一画像を表示部119aに表示させる。第一機能は、自機(撮像装置1)が実現する機能であって、例えば、ライブビュー表示機能またはソフトシャッター機能である。その場合、第一画像は、ライブビュー表示機能を実現するための動画像またはソフトシャッター機能に対応するシャッター領域を示す画像である。
【0034】
第一操作受付部14は、表示部119aに第一画像が表示されている場合に、第一機能とは異なる第二機能に対応する第二画像を表示させる操作を受け付ける。具体的には、第二機能は、第一機能に関連する機能であり、例えば、ライブビュー表示機能における動画像の表示に関する設定、またはソフトシャッター機能における静止画像の撮影に関する設定を受け付ける機能である。例えば、第二機能は、露出、ホワイトバランス、シャッタースピード等の設定を受ける機能である。
【0035】
第二画像を表示させる操作は、例えば、表示部119aにおける表示領域の端部から中央に向けられたスワイプ操作である。
【0036】
また、第一操作受付部14は、表示部119aに第一画像と第二画像が表示されている場合は、第二画像を消去する操作を受け付ける。第二画像を消去する操作は、例えば、表示部119aにおける表示領域の中央から端部に向けられたスワイプ操作である。この場合の端部は、表示中の第二画像を表示させるスワイプ操作において接触が検知された端部である。
【0037】
第二表示制御部15は、第一操作受付部14が第二画像を表示させる操作を受け付けると、第一画像を表示させたまま、第二画像を表示部119aに表示させる。具体的には、第二表示制御部15は、少なくとも第一画像の一部と第二画像とを含む表示画面を表示部119aに表示させる。これによって、撮像装置1のユーザは、ライブビュー表示機能による動画像を見ながら露出、ホワイトバランス、シャッタースピード等の設定が可能となったり、ソフトシャッター機能を利用してシャッターを切ったりすることができる。
【0038】
また、第二表示制御部15は、第一操作受付部14が第二画像を消去する操作を受け付けると、第二画像を表示画面から消去する。これによって、第二表示制御部15は、第二画像によって隠れていた部分に相当する第一画像を表示部119aに表示させる。
【0039】
第二操作受付部16は、表示部119aに第一画像および第二画像が表示されている場合に、第一機能および第二機能とは異なる第三機能に対応する第三画像を表示させる操作を受け付ける。具体的には、第三画像は、第二画像に対応する設定とは異なる設定に対応する画像である。例えば、第三画像は、撮像装置1についての詳細な設定に対応する画像である。
【0040】
第三画像を表示させる操作は、第二画像を表示させる操作と同様に、例えば、表示部119aにおける表示領域の端部から中央に向けられたスワイプ操作である。第三画像を表示させる操作が、第二画像を表示させる操作と同様であれば、撮像装置1のユーザは、操作方法を複数記憶する必要が無いため、操作性が良い。
【0041】
なお、この場合、第二画像を表示させる操作と第三画像を表示させる操作との違いは、表示部119aに第一画像が表示されている場合に受け付けた操作であるか、表示部119aに第一画像および第二画像が表示されている場合に受け付けた操作であるかの違いである。
【0042】
また、第二操作受付部16は、表示部119aに第三画像が表示されている場合は、第三画像を消去する操作を受け付ける。第三画像を消去する操作は、例えば、表示部119aにおける表示領域の中央から端部に向けられたスワイプ操作である。この場合の端部は、表示中の第三画像を表示させるスワイプ操作において接触が検知された端部である。
【0043】
第三表示制御部17は、第二操作受付部16が第三画像を表示させる操作を受け付けると、第一画像および第二画像を表示画面から消去して、第三画像を表示部119aに表示させる。これによって、撮像装置1のユーザは、表示部119aの表示領域における広い範囲を利用して詳細な設定を行うことができる。
【0044】
また、第三表示制御部17は、第二操作受付部16が第三画像を消去する操作を受け付けると、第三画像を表示画面から消去する。これによって、第三表示制御部17は、第三画像によって隠れていた部分に相当する第一画像および第二画像を表示部119aに表示させる。
【0045】
第一表示制御部13、第一操作受付部14、第二表示制御部15、第二操作受付部16および第三表示制御部17は、CPU111によって実現される。
【0046】
撮像操作受付部18は、撮像操作を受け付ける。具体的には、撮像操作受付部18は、操作部115が有するシャッターボタンの押下を検知するか、またはソフトシャッター機能のシャッター領域への接触を検知することによって、撮像操作を受け付ける。
【0047】
次に、表示部119aに表示される画像について説明する。
【0048】
【0049】
図3は、表示部119aに表示される表示画面900に、第一画像が含まれる例を示している。第一画像は、撮像された動画像と、シャッター領域を示すアイコン画像901と、を含む。撮像操作受付部18は、アイコン画像901に囲まれた領域への接触を検知すると、撮像操作として受け付ける。
【0050】
図4は、第二画像の表示方法について説明するための第一の図である。
【0051】
第一操作受付部14がスワイプ操作等の操作を受け付けると、第二表示制御部15は、その操作に応じたアニメーション動作によって、第二画像902を表示部119aに表示させる。具体的には、第二表示制御部15は、第一操作受付部14が表示部119aにおける表示領域の下端から中央に向けられたスワイプ操作を受け付けると、
図4に示すように、表示部119aにおける表示領域の下端から中央に向けて徐々に表示範囲を拡大しながら第二画像902を表示部119aに表示させる。
【0052】
図5は、第二画像の表示方法について説明するための第二の図である。
【0053】
第二表示制御部15は、第二画像902の表示範囲が最も拡大された状態でも、
図5に示すように、ライブビュー表示機能による動画像の主要な部分と、アイコン画像901とが表示されたまま、第二画像902を表示部119aに表示させる。したがって、
図5に示す状態では、ライブビュー表示機能およびソフトシャッター機能は有効なまま維持されている。
【0054】
なお、
図5に示す第二画像902は、露出設定、ホワイトバランス設定およびシャッタースピード設定を受け付ける機能に対応する画像である。
【0055】
図6は、スワイプ操作について説明するための図である。
【0056】
図6に示されるマス目は、表示部119aの表示領域を複数の小領域に区切ったものである。位置入力部119bは、各小領域への接触を検知する。具体的には、各小領域は、表示部119aの表示領域の上端部801、下端部802、左端部803、右端部804および中央部805のいずれかに区分されている。
【0057】
第一操作受付部14または第二操作受付部16は、上端部801、下端部802、左端部803または右端部804のいずれかへの接触を検知し、接触されたまま接触の位置が中央部805に向かって移動することを検知すると、第二画像または第三画像を表示させる操作として受け付ける。
【0058】
図7は、第三画像の表示方法について説明するための第一の図である。
【0059】
第二操作受付部16がスワイプ操作等の操作を受け付けると、第三表示制御部17は、その操作に応じたアニメーション動作によって、第三画像903を表示部119aに表示させる。具体的には、第三表示制御部17は、第二操作受付部16が表示部119aにおける表示領域の下端から中央に向けられたスワイプ操作を受け付けると、
図7に示すように、表示部119aにおける表示領域の下端から中央に向けて徐々に表示範囲を拡大しながら第三画像903を表示部119aに表示させる。
【0060】
また、第三表示制御部17は、あらかじめ表示されていた第二画像902を、第三画像903に押し出されるように移動させて表示する。
【0061】
図8は、第三画像の表示方法について説明するための第二の図である。
【0062】
第三表示制御部17は、あらかじめ表示されていた第二画像902を、第三画像903に押し出されるように移動させつつ、徐々に第三画像903に重畳されるように、すなわち第二画像902の下端の一部を徐々に表示画面から消去するようにしても良い。
【0063】
なお、第三表示制御部17は、あらかじめ表示されていた第二画像902を移動させないで、徐々に第三画像903に重畳されるように、すなわち第二画像902の下端の一部を徐々に表示画面から消去するようにしても良い。
【0064】
図9は、第三画像の表示方法について説明するための第三の図である。
【0065】
第三表示制御部17は、第三画像903の表示範囲が最も拡大された状態では、
図9に示すように、ライブビュー表示機能による動画像、アイコン画像901、第二画像902等を表示画面から消去する。したがって、
図9に示す状態では、詳細な設定内容の操作に必要な大きさで表示され、操作性が良い。
【0066】
次に、撮像装置1の動作について説明する。
【0067】
撮像装置1の電源がONされ、ライブビュー表示機能が有効になると、第一表示制御部13は、撮像ユニット101によって撮像された動画像を表示部119aに表示して、次に示す処理フローを開始する。
【0068】
図10は、撮像装置の実行する処理のフローの一例を示す図である。
【0069】
撮像操作受付部18は、撮像操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。撮像操作受付部18が、撮像操作を受け付けたと判定すると(ステップS101:Yes)、制御部10は、撮像ユニット101を制御して撮像する(ステップS102)。そして、撮像装置1は、ステップS101の処理を再度実行する。
【0070】
また、撮像操作受付部18が、撮像操作を受け付けていないと判定すると(ステップS101:No)、第一操作受付部14は、第二画像を表示させる操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。第一操作受付部14が、第二画像を表示させる操作を受け付けていないと判定すると(ステップS103:No)、撮像装置1は、ステップS101の処理を再度実行する。
【0071】
第一操作受付部14が、第二画像を表示させる操作を受け付けたと判定すると(ステップS103:Yes)、第二表示制御部15は、第二画像を表示部119aに表示させる(ステップS104)。これによって、
図5に示したように、表示部119aに表示される表示画面900は、アイコン画像901等を含む第一画像と、第二画像902とを含む。この状態では、撮像操作受付部18は、撮像操作を受け付けることができる。
【0072】
図10に戻り、次に、撮像操作受付部18は、撮像操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。撮像操作受付部18が、撮像操作を受け付けたと判定すると(ステップS105:Yes)、制御部10は、撮像ユニット101を制御して撮像する(ステップS102)。
【0073】
また、撮像操作受付部18が、撮像操作を受け付けていないと判定すると(ステップS105:No)、第一操作受付部14は、第二画像を消去する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。
【0074】
第一操作受付部14が、第二画像を消去する操作を受け付けたと判定すると(ステップS106:Yes)、第二表示制御部15は、第二画像を表示画面から消去する(ステップS107)。具体的には、第二表示制御部15は、表示部119aに、
図3に示したように、表示されていた第二画像に相当する部分も含む第一画像を表示させる。
【0075】
そして、撮像装置1は、ステップS101の処理を再度実行する。
【0076】
また、第一操作受付部14が、第二画像を消去する操作を受け付けていないと判定すると(ステップS106:No)、第二操作受付部16は、第三画像を表示させる操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。
【0077】
第二操作受付部16が、第三画像を表示させる操作を受け付けていないと判定すると(ステップS108:No)、撮像装置1は、ステップS105の処理を再度実行する。
【0078】
第二操作受付部16が、第三画像を表示させる操作を受け付けたと判定すると(ステップS108:Yes)、第三表示制御部17は、第三画像を表示部119aに表示させる(ステップS109)。これによって、
図9に示したように、表示部119aに表示される表示画面900から、アイコン画像901等を含む第一画像と、第二画像902とが消去され、表示部119aに第三画像903が表示される。この状態では、撮像操作受付部18は、撮像操作を受け付けることができない。
【0079】
図10に戻り、第二操作受付部16は、第三画像を消去する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。第二操作受付部16は、第三画像を消去する操作を受け付けていないと判定すると(ステップS110:No)、ステップS110の処理を再度実行する。
【0080】
第二操作受付部16が、第三画像を消去する操作を受け付けたと判定すると(ステップS110:Yes)、第三表示制御部17は、第三画像を表示画面から消去する(ステップS111)。そして、撮像装置1は、ステップS105の処理を再度実行する。
【0081】
本実施形態に係る撮像装置1によれば、第一操作受付部14が、第二画像を表示させる操作を受け付けると、第一画像を表示させたまま、第二画像を表示部119aに表示させる。これによって、表示中の第一画像に対応する第一機能の操作性が向上する。
【0082】
また、表示部119aに第一画像および第二画像が表示されている場合に、第二操作受付部16が第三画像を表示させる操作を受け付けると、第一画像および第二画像を表示画面から消去して、第三画像を表示部119aに表示させる。これによって、第三機能に対応する第三画像の表示範囲を十分に確保することができる。
【0083】
上述した実施形態に係る第一機能、第二機能および第三機能は、一例であって他でも良い。第一機能、第二機能および第三機能は、表示された第一画像、第二画像および第三画像に対応する機能であれば良く、表示された画像に対する操作によって実現される機能であっても、表示そのものが機能の目的であっても良い。
【0084】
上述した実施形態において、撮像装置1がタッチパネル119を有する例を示した。しかし、タッチパネル119の代わりに、スマートフォン等の他の機器が表示部119aとして機能しても良い。この場合、撮像装置1は、外部機器接続I/F116を介して、スマートフォン等の他の機器と通信して、表示する画像、検知された位置情報等を送信または受信しても良い。
【0085】
ある実施形態では、撮像装置1は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む情報処理システムとして構成されても良い。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施しても良い。
【0086】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0087】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 撮像装置
10 制御部
13 第一表示制御部
14 第一操作受付部
15 第二表示制御部
16 第二操作受付部
17 第三表示制御部
18 撮像操作受付部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】