(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-26
(45)【発行日】2025-04-03
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
E03D 5/10 20060101AFI20250327BHJP
A47K 13/10 20060101ALI20250327BHJP
【FI】
E03D5/10
A47K13/10
(21)【出願番号】P 2021106210
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2024-04-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 添付する「出荷日,販売先を示すリスト」に示す各出荷日及び販売先において便器装置を出荷した。
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
(72)【発明者】
【氏名】久田 高志
(72)【発明者】
【氏名】木全 淳
(72)【発明者】
【氏名】竹下 幸一
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-007845(JP,A)
【文献】特開2001-190450(JP,A)
【文献】特開2018-062774(JP,A)
【文献】米国特許第10791888(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第102312478(CN,A)
【文献】特開2022-011025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/00-7/00
E03D 11/00-13/00
A47K 13/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋と、
前記起立状態の前記便蓋を前記倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置と、
便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置と、
前記便蓋開閉装置が前記便蓋閉動作を開始した時以前に所定時間の計測を開始し、前記便蓋閉動作を開始した時よりも後に前記所定時間の計測が終了後に、前記便器洗浄装置に前記便器洗浄を実行させる制御部と、
を備え
、
前記制御部は、前記便蓋を前記倒伏状態に変化させて前記便器洗浄装置に前記便器洗浄を開始させた後、前記便器洗浄装置が前記便器洗浄を実行する時間よりも長い時間、前記倒伏状態の前記便蓋を便蓋開動作するための第1人体検知信号を受け付けない無効期間を設定する便器装置。
【請求項2】
前記所定時間は、前記便蓋開閉装置が前記便蓋を前記起立状態から前記倒伏状態に回転させるまでに要する時間以上である請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便座と、
前記起立状態の前記便座を前記倒伏状態へ回転させる便座閉動作を実行する便座開閉装置と、
を更に備え、
前記便蓋及び前記便座が前記起立状態の場合、前記所定時間は、前記便蓋のみが前記起立状態であった場合よりも長い請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記便蓋開閉装置に前記便蓋閉動作の実行を指示すると、前記所定時間の計測を開始し、前記便蓋開閉装置は前記便蓋閉動作を開始する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、便蓋開閉検知部によって便蓋が閉状態であると判断された場合に便器洗浄部によって洗浄が開始され、便座もしくは便蓋閉キャンセル指令があった場合、洗浄指示を無効もしくは洗浄開始させる制御が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のものは、便座や便蓋の状態を検知して、その状態に応じた制御を設定する必要があり、特に使用者が便座や便蓋を動かすとき等のエラー状態の制御が複雑になりがちである。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、便蓋と連携した便器洗浄の制御を簡単にした便器装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便器装置は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋と、前記起立状態の前記便蓋を前記倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置と、便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置と、前記便蓋開閉装置が前記便蓋閉動作を開始した時以前に所定時間の計測を開始し、前記便蓋閉動作を開始した時よりも後に前記所定時間の計測が終了後に、前記便器洗浄装置に前記便器洗浄を実行させる制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1に係る便器装置が設けられたトイレ装置が設置されたトイレルームを示す斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る便器装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】使用者の指示で閉動作後洗浄を実行した場合におけるフローチャートの一例である。
【
図4】使用者の指示で閉動作後洗浄を実行した場合におけるタイミングチャートの一例である。
【
図5】自動的に閉動作後洗浄を実行した場合におけるタイミングチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本開示の便器装置30を具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、上下方向は、
図1に示すX軸の正方向を上方向とし、X軸の負方向を下方向とする。左右方向については、
図1に示すZ軸の正方向を左方向とし、Z軸の負方向を右方向とする。前後方向は、
図1に示すY軸の正方向を前方向とし、Y軸の負方向を後方向とする。具体的には、前後方向、左右方向、上下方向は、倒伏状態の便座31に着座した着座者から見て前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0009】
トイレ装置10は、
図1に示すように、便器本体20、便器装置30、及びリモートコントローラ60を備えている。トイレ装置10は、リモートコントローラ60が操作されることによって、便器装置30が有する各種機能が動作する。トイレ装置10は、便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を、便器洗浄を実行する前に行うことができる。
【0010】
[便器本体の構成]
便器本体20は、トイレルームRの床面上に設置される床置き式の水洗式便器である。便器本体20は、便鉢部21が形成されている。便鉢部21は、上端部が略楕円形状に開口した椀形状である。便鉢部21は、洗浄水が滞留する溜水部(図示略)が下部に形成されている。溜水部は、洗浄水が排出される排水路(図示略)が連通されている。
【0011】
[便器装置の構成]
便器装置30は、便器本体20の上面に組み付けられている。便器装置30は、便座31、便蓋32、本体33を有している。本体33は、
図2に示すように、制御部51、便座開閉装置48、便蓋開閉装置49、便器洗浄装置41、着座検知部43、第1人体検知部44A、第2人体検知部44B、便蓋検知部45、便座検知部42、脱臭装置46、除菌装置47、リモートコントローラ60等を有している。本体33は、便器本体20に着脱可能に固定されている。本体33は、便座31、及び便蓋32を、倒伏した倒伏状態と起立した起立状態との間において回転自在となるように支持している。
【0012】
便座31は、内側が開口した環状に形成されている。便座31は、本体33によって起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持されている。倒伏状態において、便器本体20の便鉢部21の上端部に沿うように配置される。便蓋32は、本体33によって起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持されている。便蓋32は、倒伏状態において便座31を上方から覆って便座31の開口及び便鉢部21の開口を塞ぐ閉鎖状態となり、起立姿勢において便座31の開口及び便鉢部21の開口を開放する開放状態となる。
【0013】
制御部51は、例えば、マイクロコンピュータとして構成され、便器本体20への洗浄水の吐水、便蓋32及び便座31の開閉動作、脱臭装置46、及び除菌装置47等の動作を制御し得る機能を有する。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて、便器本体20の洗浄水の吐水、便蓋32及び便座31の開閉動作、脱臭装置46、及び除菌装置47等の動作を制御し得る。
【0014】
便座開閉装置48は、例えば、モータ等によって構成されている。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて便座開閉装置48に便座閉動作の実行を指示し、便座開閉装置48のモータを回転駆動させる。これによって、便座開閉装置48は、便座31を起立状態と倒伏状態との間において回転させる。
【0015】
便蓋開閉装置49は、例えば、モータ等によって構成されている。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて便蓋開閉装置49に便蓋閉動作の実行を指示し、便蓋開閉装置49のモータを回転駆動させる。これによって、便蓋開閉装置49は、便蓋32を起立状態と倒伏状態との間において回転させる。
【0016】
便器洗浄装置41は、便器本体20に洗浄水を供給する装置である。便器洗浄装置41には、水道水等の洗浄水を便器本体20に供給する給水路が設けられている。給水路は、便鉢部21に通じている。給水路の途中には、給水弁が設けられている。給水弁は、例えば、電磁弁として構成されている。給水路、及び給水弁は図示しない。制御部51は、リモートコントローラ60から受信した信号に基づいて、便器洗浄装置41に便器洗浄の実行を指示し、便器洗浄装置41の給水弁を開弁し、給水路を開放して便器本体20への洗浄水の供給を開始させる。制御部51は、便器洗浄装置41に給水弁の閉弁の実行を指示し、給水路を遮断して便器本体20への洗浄水の供給を停止させる。便器洗浄装置41は、便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄する便器洗浄を実行する。
【0017】
着座検知部43は、使用者が便座31に着座した状態を検知する。着座検知部43は、本体33に組み付けられている。着座検知部43は、公知の赤外線センサによって構成されている。着座検知部43は、図示しない発光素子(例えばLED等)、及び受光素子(例えばフォトダイオード等)を備えている。着座検知部43は、発光素子から赤外線が照射され、便座31に着座している使用者の表面において反射した赤外線を受光素子によって受光することにより、便座31に使用者が着座したことを検知する。着座検知部43は、使用者が便座31に着座したことを検知すると、着座検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0018】
第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bは、便器装置30に対して所定位置(例えば、トイレルームR内)に位置する人体を検知する。第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bは、公知の赤外線センサによって構成され、図示しない発光素子(例えばLED等)、及び受光素子(例えばフォトダイオード等)を備えている。第1人体検知部44A、及び第2人体検知部44Bは、発光素子から生じ、トイレルームR内に位置する人体で反射された赤外線を受光素子が受光することによって、トイレルームR内に使用者がいることを検知する。
【0019】
第1人体検知部44Aは、便蓋32が倒伏状態である際に便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知する。第1人体検知部44Aは、使用者を検知すると第1人体検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0020】
第2人体検知部44Bは、便座31が起立状態である際に便器本体20の前方の使用者を検知する。第2人体検知部44Bは、使用者を検知すると、第2人体検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0021】
便器装置30には、第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bが便器装置30に対して所定位置(例えば、トイレルームR内)に位置する人体を検知すると便器本体20の周囲及び便鉢部21内の少なくとも一方を照らす発光部である人体検知発光部44Cが設けられている。人体検知発光部44Cは、例えばLED等によって構成されている。人体検知発光部44Cから生じる光の色は、例えば、白色や電球色等である。
【0022】
便蓋検知部45は、便蓋32の回転状態を検知する。便蓋検知部45は、公知の回転検知手段(例えば、便蓋32と共に回転する磁石の向きを検出する磁気式の角度センサ等)を備える。便蓋検知部45は、倒伏状態の便蓋32の角度及び起立状態の便蓋32の角度のいずれかに対する角度の差を検知する。便蓋検知部45は、便蓋開閉装置49によって便蓋32を倒伏状態と起立状態との間で回転させる場合、及び手動によって便蓋32を倒伏状態と起立状態との間で変化させる場合に、倒伏状態の便蓋32の角度及び起立状態の便蓋32の角度のいずれかに対する角度の差を検知し得る構成とされている。便蓋検知部45は、検知した角度の差に対応する信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0023】
便座検知部42は、便座31の回転状態を検知する。便座検知部42は、公知の回転検知手段(例えば、便座31と共に回転する磁石の向きを検出する磁気式の角度センサ等)を備える。便座検知部42は、倒伏状態の便座31の角度及び起立状態の便座31の角度のいずれかに対する角度の差を検知する。便座検知部42は、便座開閉装置48によって便座31を倒伏状態と起立状態との間で回転させる場合、及び手動によって便座31を倒伏状態と起立状態との間で変化させる場合に、倒伏状態の便座31の角度及び起立状態の便座31の角度のいずれかに対する角度の差を検知し得る構成とされている。便座検知部42は、検知した角度の差に対応する信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0024】
脱臭装置46は、便鉢部21内に吸気口が臨んで設けられたダクトと、ダクト内に設けられたファンと、脱臭フィルタとを有している。ダクト、ファン、及び脱臭フィルタは図示しない。脱臭装置46は、ファンを回転駆動させることによって便鉢部21内における空気を吸気口から吸引する。吸引した空気は、脱臭フィルタを通過することによって脱臭される。脱臭された空気は、例えば、本体33の後部に形成された排気口から排出される。排気口は図示しない。つまり、脱臭装置46は倒伏状態の便蓋32よりも下方の空間(すなわち、便鉢部21内の空間)から吸気した臭気を脱臭する。
【0025】
除菌装置47は、除菌ユニットを有している。除菌ユニットは図示しない。除菌ユニットは、空気を電離させて除菌物質であるプラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、これらプラスイオンとマイナスイオンによって空気中に浮遊する細菌やウイルスを取り囲む。これによって、除菌装置47は、空気中に浮遊する細菌やウイルスを不活化する。除菌装置47は、例えば、除菌ユニットにおいて生じたプラスイオンとマイナスイオンを、便鉢部21に臨む放出口を介して便鉢部21内に放出する構成とされている。放出口は図示しない。つまり、除菌装置47は倒伏状態の便蓋32よりも下方の空間(すなわち、便鉢部21内の空間)に向けてプラスイオン及びマイナスイオン(除菌物質)を放出する。
【0026】
除菌装置47は、トイレルームRに使用者がいない場合において、動作した動作状態と、動作が停止した停止状態と、を周期的に繰り返す周期動作を行い得る構成とされている。例えば、除菌装置47は、動作状態を45分間維持し、停止状態を15分間維持する。除菌装置47は、動作状態のときに使用者がトイレルームRに入室すると、停止状態に変化し、使用者がトイレルームRから退室し、便蓋32が閉じると動作状態及び周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。除菌装置47は、リモートコントローラ60によって、周期動作させたり、機能を停止させたり(すなわち、停止状態を維持させたり)することができる。
【0027】
便器装置30には、除菌装置47の動作の状態に応じて点灯、点滅、及び消灯のいずれかを実行する除菌装置発光部が設けられている。除菌装置発光部は、例えばLED等によって構成されている。除菌装置発光部は図示しない。除菌装置発光部は、人体検知発光部44Cから生じる光の色とは異なる色の光を生じる(例えば、青みがかった白色や、青色等。)。
【0028】
便器装置30には、ブザーやブザーを駆動する駆動部等で構成された報知部50が設けられている。報知部50は、制御部51によって、報知音を発する動作が制御される。
【0029】
リモートコントローラ60は、便器装置30における各種機能を動作させる機能を有する。リモートコントローラ60は、使用者の操作に応じた信号を例えば無線信号として便器装置30の制御部51へ送信する。リモートコントローラ60は、概ね直方体状に形成されている。リモートコントローラ60は、トイレルームRの壁面に取り付けられている。
【0030】
リモートコントローラ60は、筐体60A、複数の操作ボタン63Aを備えている。筐体60Aは、マイクロコンピュータや電池等が収容されている。複数の操作ボタン63Aは、便器装置30の機能の内の所望の機能を動作させる際に操作される。各操作ボタン63Aには、予め各種機能のいずれかが割り当てられている。例えば、各操作ボタン63Aには、便蓋32の開閉、便座31の開閉、便器洗浄の開始を指示する機能等が割り当てられている。
【0031】
つまり、リモートコントローラ60は、倒伏状態の便蓋32を起立状態へ回転させる便蓋開動作、及び起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作のいずれかの指令を制御部51に送信する。更に、リモートコントローラ60は、倒伏状態の便座31を起立状態へ回転させる便座開動作、及び起立状態の便座31を倒伏状態へ回転させる便座閉動作のいずれかの指令を制御部51に送信する。
【0032】
[便器装置の動作について]
便器装置30は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行する前に便蓋開閉装置49が起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する。つまり、便器装置30は、便蓋32が便蓋閉動作を実行した後に便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄(以下、閉動作後洗浄ともいう)することができる。便器装置30は、リモートコントローラ60を使用者が操作することによって、閉動作後洗浄と、便蓋32が便蓋閉動作を実行する前に便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄(以下、閉動作前洗浄ともいう)とを切り替え得る構成とされている。
【0033】
便器装置30における閉動作後洗浄の動作の一例について、
図3等を参照して説明する。先ず、使用者によってリモートコントローラ60における便器洗浄の指示に対応する操作ボタン63Aが操作される(
図3におけるステップS1)と、制御部51が、リモートコントローラ60から便器洗浄の指示に対応する無線信号を受信する。ステップS1には、使用者が便座31から離座したことを着座検知部43が検知して、制御部51に対して着座検知信号の出力を停止した後、所定の時間(例えば、6秒)経過した場合も含まれる。更に、ステップS1には、第2人体検知部44Bが、制御部51への第2人体検知信号の出力を停止した場合も含まれる。
【0034】
ステップS2に移行すると、制御部51は、便座検知部42、及び便蓋検知部45からの信号に基づいて便蓋32及び便座31が倒伏状態であるか否かを判定する。ステップS2において、制御部51が便蓋32、及び便座31の少なくともいずれかが倒伏状態でない(ステップS2におけるNo)と判別すると、ステップS3に移行する。
【0035】
ステップS2において、便蓋32及び便座31が倒伏状態である(ステップS2におけるYes)と制御部51が判別すると、ステップS17に移行する。ステップS17に移行すると、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させ、
図3における処理を終了する。
【0036】
ステップS3に移行すると、制御部51は、使用者が便座31から脱座し、且つ使用者が便器装置30に対して所定位置に位置していないかを判定する。具体的には、制御部51は、着座検知部43から着座検知信号が出力されていない、且つ第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されていないかを判定する。ステップS3において、制御部51が着座検知部43から着座検知信号が出力されておらず、且つ第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されていない(ステップS3におけるYes)と判別すると、ステップS4に移行する。
【0037】
ステップS3において、着座検知部43から着座検知信号が出力されている状態、及び第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されている状態のいずれか(ステップS3におけるNo)と制御部51が判別すると、ステップS17に移行する。
【0038】
ステップS4に移行すると、制御部51は、自身に内蔵されたタイマーを所定の待ち時間に設定する。所定の待ち時間は、例えば1秒である。次に、ステップS5に移行すると、制御部51は、タイマーを作動させて所定の待ち時間(1秒)を計測する。制御部51は、所定の待ち時間が経過していない(ステップS5におけるNo)と判別すると、ステップS5の処理を繰り返す。制御部51は、所定の待ち時間が経過した(ステップS5におけるYes)と判別すると、ステップS6に移行する。
【0039】
ステップS6に移行すると、制御部51は、報知部50の駆動部に対してブザーを駆動することを要求する要求信号を送信し、報知部50の駆動部を動作させて、ブザーから報知音を発生させる。
【0040】
ステップS7に移行すると、ブザーからの報知音の発生が完了したかを判定する。例えば、報知部50の駆動部は、ブザーからの報知音の発生が完了したことを示す報知音完了信号を制御部51に向けて出力し得る構成とされている。ステップS7において、制御部51は、報知音完了信号が入力されたか否かを判定する。制御部51が、報知音完了信号が入力された(ステップS7におけるYes)と判別するとステップS8に移行する。
【0041】
ステップS7において、制御部51が、報知音完了信号が入力されていない(ステップS7におけるNo)と判別すると、ステップS9に移行する。ステップS9に移行すると、制御部51は、着座検知部43から着座検知信号が出力されている状態、及び第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されている状態のいずれかであるかを判定する。ステップS9において、制御部51が着座検知部43から着座検知信号が出力されている状態、及び第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されている状態のいずれかである(ステップS9におけるYes)と判別すると、ステップS17に移行する。
【0042】
ステップS9において、制御部51が着座検知部43から着座検知信号が出力されておらず、且つ第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が出力されていない(ステップS9におけるNo)と判別すると、ステップS7に移行する。ステップS9は、報知部50から報知音が発生している間に使用者が便座31に着座するか否かを判定するステップである。
【0043】
ステップS8に移行すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に対して便蓋閉動作の実行を指示する。便座31も起立状態である場合、ステップS8において、便蓋開閉装置49に対して便蓋閉動作の実行を指示すると共に、便座開閉装置48に対して便座開動作の実行を指示する。
【0044】
ステップS10に移行すると、制御部51は、便蓋検知部45、及び便座検知部42から入力された信号に基づいて便蓋32が起立状態であり、且つ便座31が倒伏状態であるかを判定する。ステップS10において、便蓋32が起立状態であり、且つ便座31が倒伏状態である(ステップS10におけるYes)と制御部51が判別すると、ステップS11に移行する。ステップS11に移行すると、制御部51は、自身に内蔵されたタイマーを所定時間に設定する。所定時間は、例えば6秒である。この時間(6秒)は、便蓋開閉装置49が便蓋32を起立状態から倒伏状態に回転させるまでに要する時間以上である。
【0045】
ステップS10において、便蓋32が起立状態でない、及び便座31が倒伏状態でない、のいずれか(ステップS10におけるNo)と制御部51が判別すると、ステップS12に移行する。
【0046】
ステップS12に移行すると、制御部51は、便蓋検知部45、及び便座検知部42から入力された信号に基づいて便蓋32が起立状態であり、且つ便座31が起立状態であるかを判定する。ステップS12において、便蓋32が起立状態であり、且つ便座31が起立状態である(ステップS12におけるYes)と制御部51が判別すると、ステップS13に移行する。ステップS13に移行すると、制御部51は、自身に内蔵されたタイマーを所定時間に設定する。所定時間は、例えば10秒である。つまり、便蓋32及び便座31が起立状態の場合、この時間(10秒)は、便蓋32のみが起立状態であった場合の所定時間(6秒)よりも長い。
【0047】
ステップS12において、便蓋32が起立状態でない、及び便座31が起立状態でない、のいずれか(ステップS12におけるNo)と制御部51が判別すると、ステップS14に移行する。ステップS14に移行すると、制御部51は、自身に内蔵されたタイマーを0秒に設定し、ステップS17に移行する。
【0048】
ステップS15に移行する。例えば、ステップS11からステップS15に移行した場合、便蓋開閉装置49が起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する。ステップS13からステップS15に移行した場合、便蓋開閉装置49が起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行すると共に、便座開閉装置48が起立状態の便座31を倒伏状態へ回転させる便座閉動作を実行する。
【0049】
ステップS16に移行すると、制御部51は、タイマーを作動させて所定時間を計測する。便蓋32が起立状態、且つ便座31が倒伏状態の場合、制御部51は6秒を計測する。便蓋32が起立状態、且つ便座31が起立状態の場合、制御部51は10秒を計測する。
【0050】
制御部51は、所定時間が経過していない(ステップS16におけるNo)と判別すると、ステップS16の処理を繰り返す。制御部51は、所定時間が経過した(ステップS16におけるYes)と判別すると、ステップS17に移行する。
【0051】
[着座して使用後に、リモートコントローラを操作して閉動作後洗浄する際の便器装置の各部分の動作の一例について]
先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して、制御部51に第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51によって、便蓋開閉装置49は、倒伏状態の便蓋32を起立状態に回転させる便蓋開動作を実行する。これと共に、制御部51によって、人体検知発光部44Cを点灯させ、脱臭装置46を動作させる。
【0052】
次に、
図4に示すように、時刻T1において使用者が便座31に着座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31に着座したことを検知して着座検知信号を制御部51に出力する。このとき、制御部51は、着座検知信号の入力に基づいて本体33に設けられた音楽再生部において所定の音楽の再生を開始させる。音楽再生部は図示しない。
【0053】
次に、時刻T2において使用者が便座31から離座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31から離座したことを検知して着座検知信号の出力を停止する。その後、時刻T3において使用者によってリモートコントローラ60における便器洗浄の指示に対応する操作ボタン63Aが操作される(
図3におけるステップS1に相当。)。制御部51は、リモートコントローラ60から便器洗浄の指示に対応する無線信号を受信すると、自身に設けられたタイマーを1秒に設定して1秒の計測を開始する(
図3におけるステップS4、S5に相当。)。1秒経過後、制御部51は、報知部50を動作させて、報知音を発生させる(
図3におけるステップS6に相当。)。
【0054】
制御部51に報知部50の駆動部から報知音完了信号が入力される(
図3におけるステップS7に相当。)と、時刻T4において制御部51は、便蓋開閉装置49に向けて便蓋閉動作の実行を指示する(
図3におけるステップS8に相当。)。このとき、制御部51は、自身に設けられたタイマーを6秒に設定し(
図3におけるステップS11に相当。)、その後、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行する(
図3におけるステップS15に相当。)。このとき、制御部51には、便蓋検知部45が検知した便蓋32の角度に対応する信号が逐一入力される。
【0055】
そして、制御部51は、6秒の計測を開始する(
図3におけるステップS16に相当。)。つまり、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋閉動作の実行を指示すると、所定時間の計測を開始し、便蓋開閉装置49は便蓋閉動作を実行する。時刻T4から6秒経過するまでに(すなわち、タイマーによる所定時間の計測が終了する前に)、便蓋32は、起立状態から倒伏状態への変化が完了する。そして、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる(
図3におけるステップS17に相当。)。こうして、便器洗浄装置41は、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を開始した時に6秒(所定時間)の計測を開始し、便蓋閉動作を開始した時よりも後であって、便蓋閉動作が終了した後に6秒(所定時間)の計測が終了した後、便器洗浄を実行する。
【0056】
時刻T2から所定の時間(例えば6秒)経過した時刻T5において、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0057】
便蓋32が倒伏状態になった時刻T6において、制御部51には、便蓋検知部45から倒伏状態の便蓋32の角度に対応する信号が入力された状態になる。このとき、制御部51は、除菌装置発光部を点灯させると共に除菌装置47が動作状態に変化する。このとき、除菌装置47は、周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。
【0058】
時刻T7において制御部51は、便器洗浄装置41の動作を停止させて便器本体20への洗浄水の供給を停止させる。人体検知発光部44Cは、制御部51によって時刻T7を経過しても点灯を継続する。制御部51は、第1人体検知部44Aから第1人体検知信号が入力されても(すなわち、便蓋32が倒伏状態において、便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知しても)時刻T6から所定の時間(例えば30秒)便蓋開動作を行わない。時刻T6から所定の時間(30秒)は、第1人体検知信号を制御部51が受け付けない無効期間である。この所定の時間(30秒)は、便器洗浄装置41における便器洗浄を実行する時間よりも長いことが好ましい。つまり、便蓋開閉装置49は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を開始した時から所定時間が経過するまでの間において、第1人体検知部44Aが使用者を検知しても便蓋開動作を実行しない。この無効期間において便蓋32は、手動で起立状態に回転させることができる。
【0059】
脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行している間も動作している。つまり、脱臭装置46は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行中に動作する。脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後も動作を継続する。
【0060】
便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間において、便蓋32を便蓋開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが使用者によって操作されると、便蓋開閉装置49は、便蓋開動作を実行する。更に、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間において、便座31を便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが使用者によって操作される。すると、便蓋開閉装置49が便蓋開動作を実行すると共に、便座開閉装置48が便座開動作を実行する。
【0061】
次に、時刻T2から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T8において、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。つまり、脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を終了した後の所定時間が経過するまで動作する。この時、人体検知発光部44Cは、制御部51によって消灯する。便蓋32が倒伏状態になった時点では、使用者がトイレルームR内に入室している可能性が高い。このため、人体検知発光部44Cを時刻T7まで点灯させ、時刻T8において消灯させることによって、便器本体20の周囲及び便鉢部21内の少なくとも一方を照らす時間を少しでも長くすることができ、トイレルームRに備えられた照明を点灯させずにトイレ装置10を使用した場合に、使用者の足元をより長時間照らすことができる。
【0062】
次に、時刻T6から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T9において、制御部51は、除菌装置発光部を点灯した状態から点滅した状態に変化させる。つまり、除菌装置47は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間、及び便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後に動作する。
【0063】
[着座して使用後に自動的に閉動作後洗浄をする際の便器装置の各部分の動作の一例について]
先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して、制御部51に第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、人体検知発光部44Cを点灯させ、脱臭装置46を動作させる。
【0064】
次に、
図5に示すように、時刻T11において使用者が便座31に着座する。すると、着座検知部43が、使用者が便座31に着座したことを検知して、制御部51に対して着座検知信号を出力する。制御部51は、着座検知信号の入力に基づいて音楽再生部が所定の音楽の再生を開始させる。
【0065】
次に、時刻T12において使用者が便座31から離座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31から離座したことを検知して、制御部51に対する着座検知信号の出力を停止する。その後、時刻T12から所定の時間(例えば、6秒)経過した(
図3におけるステップS1に相当。)時刻T13において、制御部51は、自身に設けられたタイマーを1秒に設定して1秒の計測を開始する(
図3におけるステップS4、S5に相当。)。1秒経過後、制御部51は、報知部50を動作させて、報知音を発生させる(
図3におけるステップS6に相当。)。
【0066】
制御部51に報知部50の駆動部から報知音完了信号が入力される(
図3におけるステップS7に相当。)と、時刻T14において制御部51は、便蓋開閉装置49に向けて便蓋閉動作の実行を指示する(
図3におけるステップS8に相当。)。このとき、制御部51は、自身に設けられたタイマーを6秒に設定し(
図3におけるステップS11に相当。)、その後、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行する(
図3におけるステップS15に相当。)。このとき、制御部51には、便蓋検知部45が検知した便蓋32の角度に対応する信号が逐一入力される。
【0067】
そして、制御部51は、6秒の計測を開始する(
図3におけるステップS16に相当。)。つまり、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋閉動作の実行を指示すると、所定時間の計測を開始し、便蓋開閉装置49は便蓋閉動作を実行する。時刻T14から6秒経過するまでに(すなわち、タイマーによる所定時間の計測終了の前に)、便蓋32は、起立状態から倒伏状態への変化が完了する。そして、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる(
図3におけるステップS17に相当。)。
【0068】
時刻T12から所定の時間(例えば6秒)経過した時刻T13において、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。時刻T12から時刻T13までの所定の時間(6秒)の長さは、例えば、リモートコントローラ60を操作することによって変更することができる。
【0069】
便蓋32が倒伏状態になった時刻T15において、制御部51には、便蓋検知部45から倒伏状態の便蓋32の角度に対応する信号が入力される。このとき、制御部51は、除菌装置発光部を点灯させると共に除菌装置47が動作状態に変化する。このとき、除菌装置47は、周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。
【0070】
時刻T16において制御部51は、便器洗浄装置41の動作を停止させて便器本体20への洗浄水の供給を停止させる。人体検知発光部44Cは、制御部51によって時刻T16を経過しても点灯を継続する。制御部51は、第1人体検知部44Aから第1人体検知信号が入力されても(すなわち、便蓋32が倒伏状態において、便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知しても)時刻T15から所定の時間(例えば30秒)便蓋開動作を行わない。時刻T15から所定の時間(30秒)は、第1人体検知信号を制御部51が受け付けない無効期間である。無効期間において便蓋32は、使用者の手によって引き起こすことができる。
【0071】
次に、時刻T12から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T17において制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。この時、人体検知発光部44Cは、制御部51によって消灯する。
【0072】
次に、時刻T15から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T18において制御部51は、除菌装置発光部を点灯した状態から点滅した状態に変化させる。
【0073】
[立位において使用後にリモートコントローラを操作して閉動作後洗浄をする際の便器装置の各部分の動作の一例について]
先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して制御部51に対して第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、脱臭装置46を動作させる。
【0074】
次に、使用者によって便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが操作される。すると、制御部51は、便座開閉装置48を駆動させて便座31を起立状態に回転させる便座開動作を実行する。このとき、制御部51は、音楽再生部において所定の音楽の再生を開始させる。このとき、第2人体検知部44Bは、便座31が起立状態に回転することによって、便器本体20の前方の使用者を検知することができる。制御部51には、第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が入力される。これと共に、第1人体検知部44Aは、便蓋32によって遮られるため使用者を検知することができなくなり、第1人体検知信号の出力を停止する。
【0075】
次に、使用者によって便器洗浄の指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが操作される(
図3におけるステップS1に相当。)。制御部51は、リモートコントローラ60から便器洗浄の指示に対応する無線信号を受信すると、自身に設けられたタイマーを1秒に設定して1秒の計測を開始する(
図3におけるステップS4、S5に相当。)。1秒経過後、制御部51は、報知部50を動作させて、報知音を発生させる(
図3におけるステップS6に相当。)。
【0076】
制御部51に報知部50の駆動部から報知音完了信号が入力される(
図3におけるステップS7に相当。)と、制御部51は、便蓋開閉装置49に向けて便蓋閉動作の実行を指示すると共に、便座開閉装置48に向けて便座閉動作の実行を指示する(
図3におけるステップS8に相当。)。このとき、便蓋32及び便座31は起立状態(ステップS12におけるYes)であるので、制御部51は、自身に設けられたタイマーを10秒に設定し(
図3におけるステップS13に相当。)、その後、便座開閉装置48が便座閉動作を実行し、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行する(
図3におけるステップS15に相当。)。
【0077】
このとき、制御部51には、便蓋検知部45が検知した便蓋32の角度に対応する信号と、便座検知部42が検知した便座31の角度に対応する信号と、が逐一入力される。先ず、便座閉動作の実行が先に開始され、水平方向に対する便座31の角度がおよそ25°に至ると、便蓋閉動作の実行が開始される。便座閉動作の実行の開始に合わせて、制御部51は、10秒の計測を開始する(
図3におけるステップS16に相当。)。つまり、制御部51は、便蓋閉動作を開始した時よりも前に10秒(所定時間)の計測を開始する。そして、便蓋閉動作を開始した時よりも後であって、便蓋閉動作が終了した後に10秒の計測が終了した後、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる(
図3におけるステップS17に相当。)。
【0078】
次に、使用者がトイレルームRから退室する。これにより、第2人体検知部44Bは、制御部51への第2人体検知信号の出力を停止する。第2人体検知信号の入力が停止し、所定の時間(例えば、1秒)経過すると、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0079】
更に、トイレルームRから使用者が退出した後、所定の時間(例えば60秒)経過すると、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。これと共に、制御部51は、除菌装置47に周期動作のうちの動作状態から動作を開始させる。
【0080】
[立位において使用後に自動的に閉動作後洗浄する際の便器装置の各部位の動作の一例について]
先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して制御部51に対して第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、脱臭装置46を動作させる。
【0081】
次に、使用者によって便座31を便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが操作され、制御部51が便座開閉装置48に便座開動作を実行させる。このとき、制御部51は、音楽再生部における所定の音楽の再生を開始させる。このとき、制御部51には、第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が入力される。これと共に、第1人体検知部44Aは、便蓋32によって遮られて使用者を検知することができなくなり、第1人体検知信号の出力を停止する。
【0082】
次に、使用者がトイレルームRから退室する。これにより、第2人体検知部44Bは、制御部51への第2人体検知信号の出力を停止する。制御部51は、第2人体検知信号の入力が停止する(
図3におけるステップS1に相当。)と、自身に設けられたタイマーを1秒に設定して1秒の計測を開始する(
図3におけるステップS4、S5に相当。)。1秒経過後、制御部51は、報知部50を動作させて、報知音を発生させる(
図3におけるステップS6に相当。)。例えば、このとき、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0083】
制御部51は、報知部50の駆動部から報知音完了信号が入力される(
図3におけるステップS7に相当。)と、便蓋開閉装置49に向けて便蓋閉動作の実行を指示すると共に、便座開閉装置48に向けて便座閉動作の実行を指示する(
図3におけるステップS8に相当。)。このとき、便蓋32及び便座31は起立状態(ステップS12におけるYes)であるので、制御部51は、自身に設けられたタイマーを10秒に設定し(
図3におけるステップS13に相当。)、そして、便座開閉装置48が便座閉動作を実行し、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行する(
図3におけるステップS15に相当。)。
【0084】
このとき、制御部51には、便蓋検知部45が検知した便蓋32の角度に対応する信号と、便座検知部42が検知した便座31の角度に対応する信号と、が逐一入力される。先ず、便座閉動作の実行が先に開始され、水平方向に対する便座31の角度がおよそ25°に至ると、便蓋閉動作の実行が開始される。便座閉動作の実行の開始に合わせて、制御部51は、10秒の計測を開始する(
図3におけるステップS16に相当。)。そして、便蓋閉動作を開始した時よりも後であって、便蓋閉動作が終了した後に10秒の計測が終了した後、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる(
図3におけるステップS17に相当。)。
【0085】
更に、トイレルームRから使用者が退出した後、所定の時間(例えば60秒)経過すると、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。これと共に、制御部51は、除菌装置47に周期動作のうちの動作状態から動作を開始させる。
【0086】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0087】
便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋32と、起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置49と、便器本体20に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置41と、便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を開始した時以前に所定時間の計測を開始し、便蓋閉動作を開始した時よりも後に所定時間の計測が終了後に、便器洗浄装置41に便器洗浄を実行させる制御部51と、を備える。
【0088】
この構成によれば、便器洗浄を所定時間の計測が終了後に実行する構成なので、便器洗浄を実行するまでにおいて、便器装置30における内部制御を簡単な構成にすることができる。
【0089】
便器装置30において、所定時間は、便蓋開閉装置49が便蓋32を起立状態から倒伏状態に回転させるまでに要する時間以上である。この構成によれば、便蓋32が倒伏状態に至った後に便器洗浄を開始することができる。
【0090】
便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便座31と、起立状態の便座31を倒伏状態へ回転させる便座閉動作を実行する便座開閉装置48と、を更に備え、便蓋32及び便座31が起立状態の場合、所定時間は、便蓋32のみが起立状態であった場合よりも長い。この構成によれば、便蓋32と便座31とを、時間差を設けて倒伏状態にすることができるので、便蓋32と便座31が倒伏状態に回転する際にぶつかることを防止することが可能となり、このような場合にも便蓋32及び便座31が倒伏状態に至った後に便器洗浄を開始する構成を成立させることができる。
【0091】
便器装置30は、便蓋開閉装置49に便蓋閉動作の実行を指示する制御部51を更に備え、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋閉動作の実行を指示すると、所定時間の計測を開始し、便蓋開閉装置49は便蓋閉動作を開始する。この構成によれば、便蓋開閉装置49への便蓋閉動作の実行指示を指示すると所定時間の計測を開始するので、便蓋閉動作が所定時間内に完了し易くすることができる。このため、便蓋32が倒伏状態に変化した後に便器洗浄を開始させ易い。
【0092】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1とは異なり、報知部をLEDや、スピーカーや、液晶パネル等で構成してもよく、LED、スピーカー、液晶パネル、ブザーを併用した構成としてもよい。スピーカーや液晶パネルを用いた場合には、言葉や文章等のメッセージを使用者に報知することができる。更に、閉動作後洗浄と閉操作前洗浄とで、ブザー音のパターンやLEDの発光パターンを変更してもよい。
(2)実施形態1とは異なり、人体検知部を、超音波センサや、熱感知センサ等の他のセンサによって構成してもよい。
(3)実施形態1とは異なり、着座検知部を静電容量式や体重検知式のセンサによって構成してもよい。
(4)ステップS11,S13において制御部のタイマーに設定する所定時間は、便蓋が起立状態から倒伏状態に確実に変化する時間であればよく、6秒や10秒に限らない。
(5)実施形態1とは異なり、使用者によってリモートコントローラの便器洗浄の指示に対応する操作ボタンが操作された時点や、報知音を発生させる時点や、報知音の発生完了の時点から所定時間の計測を開始してもよい。つまり、便蓋閉動作(便座閉動作)を開始した時よりも前に所定時間の計測を開始してもよい。
【符号の説明】
【0093】
30…便器装置、31…便座、32…便蓋、41…便器洗浄装置、48…便座開閉装置、49…便蓋開閉装置、51…制御部