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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-28
(45)【発行日】2025-04-07
(54)【発明の名称】リニアヘッドモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/03 20060101AFI20250331BHJP
【FI】
H02K41/03 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021098056
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2022189466
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 聡
(72)【発明者】
【氏名】恩田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】三澤 康司
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143494(JP,A)
【文献】特開2015-119615(JP,A)
【文献】特開2015-065748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が出力軸部を備えた可動子を有する複数のリニアモータと、
各々が前記出力軸部のラスト軸線方向の位置を検出する複数の検出部と、
複数の前記検出部が設けられる単一の回路基板と、
各々の前記可動子に設けられた被検出部と、を有し、
前記被検出部は、取付台座を介して前記可動子に固定されており、
前記スラスト軸線方向から見たとき、前記取付台座が前記出力軸部から延びる方向は、前記出力軸部と前記回路基板とが向かい合う方向とは異なっている、リニアヘッドモジュール。
【請求項2】
前記被検出部は前記取付台座の先端面に搭載されており、
前記スラスト軸線方向から見たとき、前記出力軸部の中心から前記先端面の中心に延びる仮想線が前記検出部の垂線に対して交差している、請求項1に記載のリニアヘッドモジュール。
【請求項3】
前記可動子は、
前記被検出部が取り付けられる前記取付台座と、
前記取付台座を前記出力軸部の前記スラスト軸線方向の一方の端面に締結する金属製の締結部材と、を有し、
前記取付台座は、
前記出力軸部の前記スラスト軸線方向の一方の端面と前記締結部材との間に挟まれる金属製の被締結部と、
前記スラスト軸線からずれた位置に設けられた前記被検出部の取付面を有する樹脂製の取付部と、を有する、請求項1に記載のリニアヘッドモジュール。
【請求項4】
前記取付部は、前記被締結部と連結されて前記スラスト軸線と交差する方向に延びる連結部を有し、
前記取付面は、前記連結部から前記スラスト軸線の他方側に延びる台座部に設けられている、請求項3に記載のリニアヘッドモジュール。
【請求項5】
前記取付台座はインサート成形により形成されている、請求項3に記載のリニアヘッドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアヘッドモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のリニアヘッドモジュールが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特許第4385406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のリニアヘッドモジュールは、複数のリニアモータのパイプが挟まれて一体化されている。特許文献1のリニアヘッドモジュールにおいて、フレームの下部の出力側の部位と反出力側の部位とが一体であるため、パイプの出力側端部と反出力側端部の位置決めが容易であり、リニアヘッドモジュールを組み立てやすい。しかしながら本発明者らは、このように複数のリニアモータを有するリニアヘッドモジュールにおいて、さらに組み立てやすさの向上の余地があることを見出した。
【0005】
本発明は、組み立てやすい、複数のリニアモータを有するリニアヘッドモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るリニアヘッドモジュールは、
各々が出力軸部を備えた可動子を有する複数のリニアモータと、
各々が前記出力軸部の前記スラスト軸線方向の位置を検出する複数の検出部と、
複数の前記検出部が設けられる単一の回路基板と、
各々の前記可動子に設けられた被検出部と、を有し、
前記被検出部は、取付台座を介して前記可動子に固定されており、
前記スラスト軸線方向から見たとき、前記取付台座が前記出力軸部から延びる方向は、前記出力軸部と前記回路基板とが向かい合う方向とは異なっている。
【0007】
本発明によれば、組み立てやすい複数のリニアモータを有するリニアヘッドモジュールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るリニアヘッドモジュールの斜視図である。
図2】リニアヘッドモジュールの断面図である。
図3】可動子の後出力軸部を拡大して示す図である。
図4】参考例に係るリニアヘッドモジュールを、スラスト軸線の反出力側から見た模式図である。
図5】本実施形態に係るリニアヘッドモジュールを、スラスト軸線の反出力側から見た模式図である。
図6】本発明の変形例に係るリニアヘッドモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るリニアヘッドモジュール1の斜視図である。図1において、符号Fは前方、符号Bは後方、符号Uは上方、符号Dは下方、符号Rは右方、符号Lは左方をそれぞれ示している。
以降の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。以降の説明では、リニアヘッドモジュール1のスラスト軸線T方向を前後方向と呼んでいる。
【0011】
図1に示したように、リニアヘッドモジュール1は、前後方向(スラスト方向)に移動する可動子60を有する複数のリニアモータ10と、ハウジング11と、センサユニット40(図2参照)を有している。図示した例では、リニアヘッドモジュール1は8つのリニアモータ10を有している。上段に左右方向に4つのリニアモータ10が配列されており、下段に左右方向に4つのリニアモータ10が配列されている。
【0012】
図2は、リニアヘッドモジュール1の断面図である。図2は、前後方向および上下方向に延びる断面でリニアヘッドモジュール1を見た図である。図2に示したように、各々のリニアモータ10は、ハウジング11に固定される固定子50と、固定子50に対して前後方向に移動可能な可動子60を有している。
【0013】
可動子60は、前後方向に延びる出力軸部61と、磁石62を有している。複数の磁石62は前後方向に一列に配列され、互いに連結されている。出力軸部61は、前後方向に延びる棒状の部材である。出力軸部61は、磁石62よりも前方に設けられた前出力軸部61aと、磁石62よりも後方に設けられた後出力軸部61bとを備えている。前出力軸部61aの前部が、リニアヘッドモジュール1によって駆動したい駆動対象物に接続される。
【0014】
固定子50は、バックヨーク51とコイル52を有している。図示した例において、固定子50はさらに、コイル52へ電力を供給してコイル52を制御する駆動用回路基板53と、駆動用回路基板53を収容するカバー54を有している。固定子50は、ハウジング11に固定されている。
【0015】
バックヨーク51は、鉄などの磁性材料で構成された部材である。図示した例において、バックヨーク51は出力軸部61に沿って延びる円筒形の部材である。円筒状のバックヨーク51の内部に、出力軸部61が前後方向に移動可能に収容されている。また、円筒形のバックヨーク51の内部に、複数のコイル52が設けられている。コイル52は、前後方向に延びる軸線を中心とする筒状に電線が巻かれて構成されている。バックヨーク51は、このコイル52から生じる磁束線を収束させて磁力を高めている。
【0016】
駆動用回路基板53は、図示せぬ電源から延びる電線が接続されている。駆動用回路基板53は、円筒状のバックヨーク51の外周側に設けられた、駆動用回路基板53を収容する板状のカバー54に収容されている。駆動用回路基板53からはコイル52へ電線が延びており、コイル52へ電力を供給する。駆動用回路基板53がコイル52へ供給する電流の流れる向きや電流量を制御することにより、コイル52に生じる磁力線の向きや強さを制御する。これにより、出力軸部61の動く向きや速さを制御する。
【0017】
図2に示したように、固定子50は、第一軸受ホルダ20を有している。第一軸受ホルダ20は、ハウジング11に取り付けられ、固定子50のバックヨーク51の出力側端部を支持している。第一軸受ホルダ20は、バックヨーク51の出力側端部に設けられている。第一軸受ホルダ20は、出力軸部61を前後方向に移動可能に支持する第一軸受21を有している。
【0018】
固定子50は、第二軸受ホルダ30を有している。第二軸受ホルダ30は、ハウジング11に取り付けられ、固定子50のバックヨーク51の反出力側端部を支持している。第二軸受ホルダ30はバックヨーク51の反出力側端部に設けられている。第二軸受ホルダ30は、出力軸部61を前後方向に移動可能に支持する第二軸受31を有している。
つまり、ハウジング11は、これら第一軸受21および第二軸受31を介して可動子60をスラスト軸線T方向に移動可能に支持している。
【0019】
センサユニット40は、出力軸部61のスラスト軸線T方向の位置を検出する。センサユニット40は、各々の可動子60に設けられた被検出部43と、センシング回路基板41に設けられ各々の被検出部43のスラスト軸線T方向の位置を検出する複数の検出部42と、を有している。センシング回路基板41はハウジング11に固定されている。検出部42は、センシング回路基板41に搭載されている。このため、検出部42はハウジング11に対して移動不能である。
【0020】
本実施形態におけるセンサユニット40は、光学式のセンサで構成されている。検出部42は、発光部と受光部を備えている。発光部から発した光が被検出部43で反射され、この反射光を受光部で検出する。被検出部43には所定の幅を有する反射部と、スリット反射部よりも反射率の低い非反射部(またはスリット)とが、スラスト軸線T方向に沿って交互に配列されている。出力軸部61がスラスト軸線T方向に移動すると、検出部42で反射光を検出したり検出しなかったりし、検出部42の出力が変化する。この検出部42の出力の変化に基づき、出力軸部61のスラスト軸線T方向の位置が特定できる。
【0021】
図3は、可動子60の後出力軸部61bを拡大して示す図である。図3に示したように、被検出部43は、取付台座70を介して可動子60に固定されている。被検出部43は、後出力軸部61bに直接設けられているのではなく、後出力軸部61bからスラスト軸線Tと交差する方向に延びる取付台座70に設けられている。
【0022】
ところで、複数のリニアモータ10が搭載されたリニアヘッドモジュール1において、上述したように、検出部42を共通のセンシング回路基板41に搭載すると、各々の検出部42を個々のセンシング回路基板に搭載する場合に比べて、部品点数を少なくできる。しかしながら、共通のセンシング回路基板41に複数の検出部42を搭載してしまうと、各々の検出部42と被検出部43との離間距離Dを調節することが難しくなる。例えば検出部42の感度にばらつきがある場合、離間距離Dを調節することで複数の検出部42の出力を調節できると都合がよい。
【0023】
図4は、参考例に係るリニアヘッドモジュールの後出力軸部261b、被検出部43、検出部42の位置関係を示す、スラスト軸線Tの反出力側から見た模式図である。図5は、本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1の後出力軸部61b、被検出部43、検出部42の位置関係を示す、スラスト軸線Tの反出力側から見た模式図である。
【0024】
図4の(a)に示すように、後出力軸部261bとセンシング回路基板241とが向かい合う方向(図4の(a)の上下方向)と、被検出部243と検出部242とが向かい合う方向とが一致するように、被検出部243を後出力軸部261bに設けると、被検出部243を後出力軸部261bに固定する取付台座270を最小の大きさで構成することができ、合理的である。なお、可動子260は高速でスラスト方向に移動することが求められるため、可動子260自身をなるべく軽量に構成することが求められている。
【0025】
ところで、図4の(a)に示した構成においては、図4の(b)に示したように後出力軸部261bをスラスト軸線T回りに回転させることで、被検出部43と検出部42との離間距離D(図4の(b)の上下方向の距離)を調整することが考えられる。しかしながら、このような被検出部43と検出部42との位置関係では、後出力軸部261bをスラスト軸線T回りに回転させても、被検出部43と検出部42との離間距離Dを大きく変動させることができない。なお、検出部42はセンシング回路基板41の上方に向かって広がるセンシングエリアを有しているものの、後出力軸部261bを大きく回転させて被検出部43が検出部42の直上から左右方向に大きく移動してしまうと、検出部42が被検出部43をセンシングできなくなってしまう。
【0026】
そこで本実施形態のリニアヘッドモジュール1においては、図5の(a)および図5の(b)に示したように、被検出部43は、取付台座70を介して可動子60に固定されており、スラスト軸線T方向から見たとき、取付台座70が出力軸部61から延びる方向(仮想線A)は、出力軸部61とセンシング回路基板41とが向かい合う方向(仮想線B)とは異なっている。
【0027】
つまり本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1は、各々が出力軸部61を備えた可動子60を有する複数のリニアモータ10と、各々が出力軸部61のスラスト軸線T方向の位置を検出する複数の検出部42と、複数の検出部42が設けられる単一のセンシング回路基板41と、各々の可動子60に設けられた被検出部43と、を有する。被検出部43は、取付台座70を介して可動子60に固定されている。スラスト軸線T方向から見たとき、取付台座70が出力軸部61から延びる方向は、出力軸部61とセンシング回路基板41とが向かい合う方向とは異なっている。
【0028】
このように本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1によれば、単一のセンシング回路基板41に複数の検出部42を搭載することによりリニアヘッドモジュール1の組み立て容易性が高められている。また、図5の(b)に示したように、後出力軸部61bをスラスト軸線T回りに回転させると、被検出部43と検出部42との離間距離Dを大きく変動させやすい。また、後出力軸部61bを大きく回転させても、被検出部43が左右方向に大きく移動しにくく、離間距離Dの調整の余地が大きい。このため、単一のセンシング回路基板41を採用したことにより求められる被検出部43と検出部42との離間距離Dの調整も容易である。
【0029】
別の言い方をすれば、被検出部43は取付台座70の先端面76に搭載されている。スラスト軸線T方向から見たとき、後出力軸部61bの中心(スラスト軸線T)から先端面76の中心に延びる仮想線Aが、検出部42の垂線Bに対して交差している。
なお、この仮想線Aと垂線Bの交差する角度θ(取付台座70が後出力軸部61bから延びる方向が後出力軸部61bとセンシング回路基板41とが向かい合う方向に対して交差する角度)は、3度以上が好ましい。3度未満であると、上述したような、後出力軸部61bを回転させて効率よく被検出部43と検出部42との離間距離Dを調節することが難しくなる。
またこの角度θは、60度未満が好ましい。この角度θが60度未満であると、取付台座70が隣接する後出力軸部61bと干渉しやすくなり、この干渉を避けるためにリニアヘッドモジュール1が、複数のリニアモータ10が配列している配列方向(左右方向および上下方向)に大きくなってしまう。
さらに別の言い方をすれば、スラスト軸線T方向から見たとき、後出力軸部61bの中心から被検出部43の搭載される先端面76の中心に延びる仮想線が、先端面76に対して直交しない。
【0030】
なお本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1において、図3に示したように、可動子60は、後出力軸部61bと、被検出部43が取り付けられる取付台座70と、取付台座70を後出力軸部61bに締結する金属製の締結部材63を有している。図示した例において、締結部材63は、後出力軸部61bのスラスト軸線T方向の反出力側端面61cにねじ込まれた、ねじ部と頭部を有するボルトである。後出力軸部61bの反出力側端面61cには、内周面にねじ溝が形成されたねじ孔が設けられている。締結部材63はこのねじ孔にねじ込まれている。
【0031】
取付台座70は、金属製の被締結部71と、樹脂製の取付部72を有している。被締結部71は、後出力軸部61bの反出力側端面61cと締結部材63の頭部との間に挟まれている。被締結部71は、締結部材63が挿通されるスラスト軸線T方向に貫通する貫通孔71aを有する円筒状の部材である。貫通孔71aの直径は、締結部材63のねじ部の直径よりも大きく、締結部材63の頭部の直径よりも小さい。被締結部71の反出力側端面61cは、締結部材63の頭部と当接する。
取付部72は、被検出部43が取り付けられる取付面73を有している。この取付面73は、スラスト軸線Tからずれた位置に設けられている。取付面73は、スラスト軸線Tと平行に延びている。
【0032】
本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1によれば、スラスト軸線Tからずれた位置に設けられた被検出部43の取付面73を含む取付部72を軽量の樹脂で構成したため、可動子60が急加速・急減速しても、可動子60に生じる慣性力を小さく抑えることができる。
さらに、金属製の締結部材63が後出力軸部61bの反出力側端面61cに締結されているので、可動子60にはスラスト軸線Tから離れた位置に大きな慣性モーメントが生じず、出力軸部61を支持する第一軸受21および第二軸受31に無理な力が作用しにくい。なお本発明とは異なり、特許文献1の構成では、この慣性モーメントを受け止めるために、金属製の取付台座を移動可能に支持するリニアガイドをハウジングに設けていた。本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1によれば、このようなリニアガイドを設ける必要がない。
さらに、被締結部71を金属で構成しているので、被締結部71を樹脂で構成した場合に比べて、締結部材63を被締結部71に強く締め付けることができる。このため、出力軸部61が急加速・急減速しても取付台座70が変形しにくいので、被検出部43をスラスト軸線Tに平行な軌跡に正確に移動させやすく、検出部42の検出精度を保ちやすい。
なお、キャビティ内に金属製の被締結部71を配置してから樹脂原料を流し込むインサート成形により、取付台座70を形成することが好ましい。
【0033】
本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1において、センサユニット40は、各々の可動子60に設けられた被検出部43と、各々の被検出部43のスラスト軸線T方向の位置を検出する複数の検出部42と、複数の検出部42が搭載される単一のセンシング回路基板41と、を有することが好ましい。
単一のセンシング回路基板41に複数の検出部42を設けることにより、部品点数を削減することができる。
【0034】
図3に示したように、取付部72は、連結部74と、取付面73が設けられた台座部75を有している。連結部74は、被締結部71と連結されてスラスト軸線Tと交差する方向に延びている。台座部75は、連結部74から出力側に延びている。
本実施形態に係るリニアヘッドモジュール1によれば、台座部75が後出力軸部61bの反出力側端面61cから出力側に折り返された位置に設けられているため、リニアヘッドモジュール1のスラスト軸線T方向の寸法を小型に構成できる。
【0035】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0036】
例えば、上述した実施形態においては、取付台座70が後出力軸部61bの反出力側端面61cから出力側へ折り返された形状を説明したが、図6に示した例のように、取付台座170が後出力軸部61bの反出力側端面61cから反出力側へ延びるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 リニアヘッドモジュール
10 リニアモータ
11 ハウジング
20 第一軸受ホルダ
21 第一軸受
30 第二軸受ホルダ
31 第二軸受
40 センサユニット
41 センシング回路基板
42 検出部
43 被検出部
50 固定子
60 可動子
61 出力軸部
61a 前出力軸部
61b 後出力軸部
61c 反出力側端面
63 締結部材
70 取付台座
71 被締結部
71a 貫通孔
72 取付部
73 取付面
74 連結部
75 台座部
76 先端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6