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  • 特許-溶解可能な構成成分を有する口腔用製品 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-08
(45)【発行日】2025-04-16
(54)【発明の名称】溶解可能な構成成分を有する口腔用製品
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/00 20060101AFI20250409BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 31/465 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20250409BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20250409BHJP
【FI】
A24B13/00
A24B15/30
A61K9/72
A61K47/26
A61K45/00
A61K31/465
A61K9/14
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/42
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022534740
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 IB2020061462
(87)【国際公開番号】W WO2021116852
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-20
(31)【優先権主張番号】62/945,578
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルトン・ジュニア,ダレル・ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】ビーソン,ドゥエイン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ハッチェンス,ロナルド・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】プール,トーマス・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】セント・チャールズ,フランク・ケリー
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0051002(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0068545(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0255801(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 13/00
A24B 15/30
A61K 9/72
A61K 47/26
A61K 45/00
A61K 31/465
A61K 9/14
A61K 47/32
A61K 47/36
A61K 47/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ、及び
空洞内に位置する口腔用組成物を含むパウチ製品であって、
外側水透過性パウチ及び組成物の両方が口内で溶解可能であ
口腔用組成物が、
約0.1重量%~約10重量%の量の、活性成分及び着香剤のうちの少なくとも1種、
少なくとも約80重量%の量の糖代替物、並びに
糖アルコールシロップ
を含む、パウチ製品。
【請求項2】
組成物が、少なくとも約3重量%の量の、活性成分及び着香剤のうちの少なくとも1
む、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項3】
糖代替物が、ガラス状マトリックスを形成することが可能な非吸湿性糖アルコールである、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項4】
糖代替物がイソマルトである、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項5】
糖代替物が、少なくとも約85重量%の量で存在する、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項6】
糖代替物が、少なくとも約90重量%の量で存在する、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項7】
糖アルコールシロップが、マルチトールシロップである、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項8】
口腔用組成物が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、栄養補給食品、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、大麻類似物、テルペン及びこれらの組合せからなる群から選択される活性成分を含む、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項9】
口腔用組成物が、約0.1mm~約5mmの範囲のサイズを有する粒状材料の形態である、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項10】
口腔用組成物が、ポリオール、ブドウ糖、マルトデキストリン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含む、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項11】
口腔用組成物が、少なくとも1種の着香剤を含む、請求項1に記載のパウチ製品。
【請求項12】
着香剤の量が、口腔用組成物の約0.1~約0.5重量パーセントである、請求項11に記載のパウチ製品。
【請求項13】
口腔用組成物が、タバコ材料を実質的に含まない、請求項1~12のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【請求項14】
外側水透過性パウチが繊維材料を含む、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項15】
外側水透過性パウチが、少なくとも1種の親水性ポリマーを含む、請求項に記載のパウチ製品。
【請求項16】
外側水透過性パウチが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギネート、グルテン、カラギーナン又はこれらの組合せを含む、請求項に記載のパウチ製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒトへの使用を目的とする香味づけた製品に関する。本製品は、口腔用使用のため、及び使用中、香味料及び/又は活性成分などの物質を送達するよう設計されている。このような製品はタバコ又はタバコ由来の製品を含んでもよいし、又はタバコを含まない代替形態であってもよい。
【背景技術】
【0002】
タバコは、いわゆる「無煙」の形態で楽しむことができる。特に人気のある無煙タバコ製品は、いくつかの形態の加工タバコ又はタバコ含有配合物を使用者の口に挿入することにより利用される。このような無煙タバコ製品に対する従来のフォーマットとして、湿潤型嗅ぎたばこ、スヌース及び噛みたばこが挙げられ、これらは通常、ほとんど完全に粒状、顆粒状、又は刻みたばこで形成され、使用者により分割される、又は個々の部分、例えば、使い捨てパウチ若しくはサッシェに入れて使用者に提示される。無煙製品の他の従来の形態として、圧縮形態又は凝集形態、例えば、プラグ、錠剤、又はペレットが挙げられる。代替の製品フォーマット、例えば、タバコ含有ガム及びタバコと他の植物材料との混合物などもまた公知である。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Schwartzの米国特許第1,376,586号;Pittmanらの米国特許第4,513,756号;Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,528,993号;Storyらの米国特許第4,624,269号;Tibbettsの米国特許第4,991,599号;Townsendの米国特許第4,987,907号;Sprinkle、IIIらの米国特許第5,092,352号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;Williamsの米国特許第6,668,839号;Williamsの米国特許第6,834,654号;Atchleyらの米国特許第6,953,040号;Atchleyらの米国特許第7,032,601号;及びAtchleyらの米国特許第7,694,686号;Williamsの米国特許公開第2004/0020503号;Quinterらの米国特許公開第2005/0115580号;Stricklandらの米国特許公開第2006/0191548号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0062549号;Holton,Jr.らの米国特許公開第2007/0186941号;Stricklandらの米国特許公開第2007/0186942号;Dubeらの米国特許公開第2008/0029110号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0029116号;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Neilsenらの米国特許公開第2008/0209586号;Essenらの米国特許公開第2009/0065013号;及びAtchleyの米国特許公開第2010/0282267号、並びにArnarpらのWO2004/095959に記載の無煙タバコ配合物、成分及び加工方法の種類を参照されたい。
【0003】
タバコ材料を様々な結合剤及びフィラーと組み合わせる無煙タバコ製品の構成は、ロゼンジ剤、パステル剤、ゲル剤、押出し形態などを含む例示的製品フォーマットで最近提案されている。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Engstromらの米国特許出願公開第2008/0196730号;Crawfordらの米国特許出願公開第2008/0305216号;Kumarらの米国特許出願公開第2009/0293889号;Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号;Muaらの米国特許出願公開第2011/0139164号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0037175号;Huntらの米国特許出願公開第2012/0055494号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138073号;Cantrellらの米国特許出願公開第2012/0138074号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074855号;Holton,Jr.の米国特許出願公開第2013/0074856号;Muaらの米国特許出願公開第2013/0152953号;Jacksonらの米国特許出願公開第2013/0274296号;Moldoveanuらの米国特許出願公開第2015/0068545号;Marshallらの米国特許出願公開第2015/0101627号;及びLampeらの米国特許出願公開第2015/0230515号に記載されている製品の種類を参照されたい。
【0004】
ある特定の種類のパウチ又はサッシェは、口腔用使用に適応した組成物を含有するために利用されてきた。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyらの米国特許公開第2011/0303511号及びDugginsらの米国特許公開第2013/0206150号に記載の背景技術において参照されている代表的な無煙タバコの種類、並びに様々な無煙タバコ配合物、成分及び加工方法を参照されたい。使用の間、これらパウチ又はサッシェは使用者の口に挿入され、これらパウチ又はサッシェ内に含有されている水溶性成分は、唾液との相互作用の結果放出される。
【0005】
ある特定の市販の無煙タバコ製品、例えば、一般的に「スヌース」と呼ばれる製品は、密閉したパウチ内に組み込まれた製粉したタバコ材料を含む。代表的な種類のスヌース製品は、欧州、特にスウェーデンで、例えば、Swedish Match AB(例えば、General、Ettan、Goteborgs Rape and Grovsnusなどのブランドで);Fiedler & Lundgren AB(例えば、Lucky Strike、Granit、Krekt and Moccaなどのブランドで);JTI Sweden AB(例えば、Gustavusなどのブランドで)及びRocker Production AB(例えば、Rockerなどのブランドで)などの会社により又は会社を介して製造されている。他の種類のスヌース製品は、Philip Morris USA、Inc.(例えば、Marlboro Snusなどのブランドで);U.S. Smokeless Tobacco Company(例えば、SKOAL Snusなどのブランドで)及びR.J.Reynolds Tobacco Company(例えば、CAMEL Snusなどのブランドで)などの会社を介して米国で市販されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Bryzgalovら、1N1800 Life Cycle Assessment、Comparative Life Cycle Assessment of General Loose and Portion Snus(2005年)も参照されたい。
【0006】
様々な種類のスヌース製品、並びにこれら製品に対する構成成分及びこれら製品に関連する構成成分を加工するための方法が提案されてきた。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Schleefらの米国特許第8,067,046号及びHolton,Jr.らの米国特許第7,861,728号;Lundinらの米国特許公開第2004/0118422号;Torrenceらの米国特許公開第2008/0202536号;Muaらの米国特許公開第2009/0025738号;Geeらの米国特許公開第2011/0180087号;Zhuangらの米国特許公開第2010/0218779号;Robinsonらの米国特許公開第2010/0294291号;Zimmermannの米国特許公開第2010/0300465号;Dubeらの米国特許公開第2011/0061666号;Williamsらの米国特許公開第2011/0303232号;Molaらの米国特許公開第2012/0067362号;Kawataらの米国特許公開第2012/0085360号;Sebastianらの米国特許公開第2012/0103353号及びKobalらの米国特許公開第2012/0247492号;並びにAtchleyらのPCT公開第WO05/063060号及びOnnoのPCT公開第WO08/56135号を参照されたい。加えて、スヌース製造に関連するある特定の品質規格がいわゆるGothiaTek規格として構築されている。さらに、スヌースタイプの製品の生産に対して有用な様々な方式及び方法が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lindenの米国特許第4,607,479号及びNielsenの米国特許第4,631,899号;並びにWintersonらの米国特許公開第2008/0156338号;Brinkleyらの米国特許公開第2010/0018539号;Boldriniの米国特許公開第2010/0059069号;Boldriniの米国特許公開第2010/0071711号;Boldriniの米国特許公開第2010/0101189号;Boldriniの米国特許公開第2010/0101588号;Boldriniの米国特許公開第2010/0199601号;Fallonの米国特許公開第2010/0200005号;Grussらの米国特許公開第2010/0252056号;Gunterらの米国特許公開第2011/0284016号;Grussらの米国特許公開第2011/0239591号;Brinkleyらの米国特許公開第2011/0303511号;Novak IIIらの米国特許公開第2012/0055493号及びHanssonらの米国特許公開第2012/0103349号;並びにWintersonらのPCT公開第WO2008/081341号及びCecilらのWO2008/146160号を参照されたい。さらに、スヌース製品は、例えば、Merz Verpackungmaschinen GmBHからSB 51-1/T、SBL 50及びSB 53-2/Tとして入手可能な装置を使用して製造することができる。
【0007】
タバコ代替品(又はタバコとタバコ代替品との組合せ)を含有する、パウチ又はサッシェを利用したある特定の種類の製品もまた提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Kjerstadの米国特許第5,167,244号及びWintersonらの米国特許第7,950,399号;並びにHanssonらの米国特許第2005/0061339号;Essenらの第2011/0041860号及びBeesonらの第2011/0247640号を参照されたい。
【0008】
パウチ又はサッシェを利用したある特定の種類の製品は、ニコチンを含有するために利用されており、例えば、ニコチン補充療法(NRT)タイプの製品(例えば、Niconovum ABにより商標名ZONNIC(登録商標)で流通している医薬品)に使用されている。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Rayらの米国特許第4,907,605号;Axelssonらの米国特許公開第2009/0293895号及びBrinkleyらの米国特許公開第2011/0268809号;並びにAxelssonらのPCT公開第WO2010/031552号及びNilssonのWO2012/134380号に記載のパウチ材料及びニコチン含有配合物の種類を参照されたい。
【0009】
上述の種類のパウチ製品を製造するため、パウチは、所望の材料を充填した後で密閉しなければならない。Rushforthらの米国特許公開第2014/0026912号に記述されているように、このような密閉は通常、繊維網状組織への結合剤材料の適用により達成され、これによって熱の適用によりパウチの密閉が可能となる。しかし、このような繊維パウチに適用される従来の結合剤、例えば、アクリルポリマーは、パウチに適用するには費用がかかり、廃棄されるパウチの生分解性を阻害する。
【0010】
オールホワイトなスヌースポーションの人気が高まっており、このスヌースポーションは、はっきりと異なり、見た目に美しく心地良い、従来のスヌースの代替物を提供する。このような現代の「ホワイトな」パウチ製品は、漂白タバコを含んでもよいし、又はタバコを含まなくてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第1376586号明細書
【文献】米国特許第4513756号明細書
【文献】米国特許第4528993号明細書
【文献】米国特許第4624269号明細書
【文献】米国特許第4991599号明細書
【文献】米国特許第4987907号明細書
【文献】米国特許第5092352号明細書
【文献】米国特許第5387416号明細書
【文献】米国特許第6668839号明細書
【文献】米国特許第6834654号明細書
【文献】米国特許第6953040号明細書
【文献】米国特許第7032601号明細書
【文献】米国特許第7694686号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0020503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0115580号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0191548号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0062549号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186941号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0186942号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029110号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0029116号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0173317号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0209586号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0065013号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0282267号明細書
【文献】国際公開第2004/095959号
【文献】米国特許出願公開第2008/0196730号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0305216号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0293889号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0291245号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0139164号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0037175号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0055494号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0138073号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0138074号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0074855号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0074856号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0152953号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0274296号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0068545号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0101627号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0230515号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0303511号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0206150号明細書
【文献】米国特許第8067046号明細書
【文献】米国特許第7861728号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0118422号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0202536号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0025738号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0180087号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0218779号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0294291号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0300465号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0061666号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0303232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0067362号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0085360号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0103353号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0247492号明細書
【文献】国際公開第2005/063060号
【文献】国際公開第2008/56135号
【文献】米国特許第4607479号明細書
【文献】米国特許第4631899号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0156338号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0018539号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0059069号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0071711号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0101189号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0101588号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0199601号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0200005号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0252056号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0284016号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0239591号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0055493号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0103349号明細書
【文献】国際公開第2008/081341号
【文献】国際公開第2008/146160号
【文献】米国特許第5167244号明細書
【文献】米国特許第7950399号明細書
【文献】米国特許出願第2005/0061339号明細書
【文献】米国特許出願第2011/0041860号明細書
【文献】米国特許出願第2011/0247640号明細書
【文献】米国特許第4907605号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0293895号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0268809号明細書
【文献】国際公開第2010/031552号
【文献】国際公開第2012/134380号
【文献】米国特許出願公開第2014/0026912号明細書
【非特許文献】
【0012】
【文献】Bryzgalovら、1N1800 Life Cycle Assessment、Comparative Life Cycle Assessment of General Loose and Portion Snus(2005年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
(簡単な要旨)
本開示は、そこからの水溶性成分の放出に適応したパウチ製品であって、水透過性パウチを介して放出可能な水溶性成分を任意選択的に含む口腔用組成物を含有する空洞を輪郭づける、外側水透過性パウチを含むことができるパウチ製品に関する。一部の実施形態では、パウチ材料それ自体は、パウチ及び基材物質が使用者により摂取され得るように、溶解可能又は分解可能であってよい。好ましいパウチ材料は、水分散性又は溶解可能であるが、正常な使用の条件下で、著しい量の基材物質の内容物が、パウチがその物理的完全性を失う時点より前に、パウチ材料を介して透過するように設計及び製造することができる。ある特定の実施形態では、パウチ材料内の組成物は溶解可能であってよい。
【0014】
ある特定の実施形態では、パウチの空洞内の組成物は、タバコ由来の製品、例えば、粒状タバコ材料、ニコチン、ニコチン及び/若しくは香味剤を含有するように処理した粒状非タバコ材料(例えば、微結晶性セルロース)又はタバコ抽出物を含有するように処理した繊維植物材料(例えば、ビートパルプ繊維)を含有することができる。様々な実施形態では、パウチの空洞内の組成物は無煙タバコ製品又はニコチン補充療法製品である。一部の実施形態では、パウチの空洞内の組成物は、浸漬又は抽出に適応した粒状材料(すなわち、液体抽出に対して構成された)、例えば茶又はコーヒー材料であることができる。したがって、ある特定の実施形態では、パウチの空洞内の組成物は、例えば、様々な茶又は茶の変化形の中に見出されるような粒状又は繊維植物材料を含むことができる。一部の実施形態では、空洞内の組成物は、香味が液体(例えば、水)に加えられるように香味成分を含むことができる。
【0015】
本発明は、制限なしで、以下の実施形態を含む。
【0016】
実施形態1:空洞を輪郭づける外側水透過性パウチ、及び空洞内に位置する口腔用組成物を含むパウチ製品であって、外側水透過性パウチ及び組成物のうちの少なくとも1つが口内で溶解可能である、パウチ製品。
【0017】
実施形態2:組成物が、少なくとも約3重量%の量の、活性成分及び着香剤のうちの少なくとも1種、少なくとも約80重量%の量の糖代替物、並びに糖アルコールシロップを含むことができる、実施形態1に記載のパウチ製品。
【0018】
実施形態3:糖代替物が、ガラス状マトリックスを形成可能な非吸湿性糖アルコールであることができる、実施形態1~2のいずれかに記載のパウチ製品。
【0019】
実施形態4:糖代替物がイソマルトであることができる、実施形態1~3のいずれかに記載のパウチ製品。
【0020】
実施形態5:糖代替物が少なくとも約85重量%の量で存在することができる、実施形態1~4のいずれかに記載のパウチ製品。
【0021】
実施形態6:糖代替物が、少なくとも約90重量%の量で存在することができる、実施形態1~5のいずれかに記載のパウチ製品。
【0022】
実施形態7:糖アルコールシロップがマルチトールシロップであることができる、実施形態1~6のいずれかに記載のパウチ製品。
【0023】
実施形態8:組成物が、ニコチン成分、ボタニカル、刺激剤、栄養補給食品、アミノ酸、ビタミン、カンナビノイド、大麻類似物、テルペン及びこれらの組合せからなる群から選択される活性成分を含むことができる、実施形態1~7のいずれかに記載のパウチ製品。
【0024】
実施形態9:組成物が、0.1mm~約5mmの範囲のサイズを有する粒状材料の形態であることができる、実施形態1~8のいずれかに記載のパウチ製品。
【0025】
実施形態10:外側水透過性パウチが口内で溶解可能であることができ、組成物が口内で溶解可能であることができる、実施形態1~9のいずれかに記載のパウチ製品。
【0026】
実施形態11:組成物が、ポリオール、ブドウ糖、マルトデキストリン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含むことができる、実施形態1~10のいずれかに記載のパウチ製品。
【0027】
実施形態12:組成物が少なくとも1種の着香剤を含むことができる、実施形態1~11のいずれかに記載のパウチ製品。
【0028】
実施形態13:着香剤の量が、組成物の約0.1~約0.5重量パーセントであることができる、実施形態1~12のいずれかに記載のパウチ製品。
【0029】
実施形態14:組成物がタバコ材料を実質的に含まなくてもよい、実施形態1~13のいずれかに記載のパウチ製品。
【0030】
実施形態15:口腔用組成物が、水透過性パウチを介して放出されるように構築された水溶性成分を含む、実施形態1~14のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【0031】
実施形態16:外側水透過性パウチが口内で溶解可能である、実施形態1~15のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【0032】
実施形態17:外側水透過性パウチが不織布材料などの繊維材料を含む、実施形態1~16のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【0033】
実施形態18:外側水透過性パウチが少なくとも1種の親水性ポリマー、例えば、繊維形態の親水性ポリマーを含む、実施形態1~17のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【0034】
実施形態19:外側水透過性パウチがポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アルギン酸塩、グルテン、カラギーナン又はこれらの組合せを含む、実施形態1~18のいずれか一項に記載のパウチ製品。
【0035】
実施形態20:パウチ製品を形成する方法であって、パウチ材料の連続供給を提供するステップ、縦方向に広がる継ぎ目が形成されるように、パウチ材料の側面縁を係合するステップ、連続的管状部材がパウチ材料の連続供給から形成されるように、縦方向に広がる継ぎ目を密閉するステップ、口腔用使用に適応した組成物を連続的管状部材に挿入するステップ、各パウチ部分が組成物の充填材料を含むように、連続的管状部材を別個のパウチ部分へと細分するステップ、並びに組成物の充填材料を封入する外側水透過性パウチが形成されるように、それぞれ別個のパウチ部分の最先端及び末端を密閉するステップを含み、パウチ材料及び組成物のうちの少なくとも1種が口内で溶解可能である、方法。
【0036】
実施形態21:外側水透過性パウチが口内で溶解可能であることができ、組成物が口内で溶解可能である、実施形態20に記載の方法。
【0037】
実施形態22:組成物が、少なくとも約3重量%の量の、活性成分及び着香剤のうちの少なくとも1種、少なくとも約80重量%の量の糖代替物、及び糖アルコールシロップを含むことができる、実施形態20~21のいずれかに記載の方法。
【0038】
実施形態23:(i)少なくとも1種の活性成分及び/又は着香剤を、溶融状態のガラス状マトリックスを形成することが可能な非吸湿性糖アルコールと混合して、混合物を形成するステップ、(ii)混合物を室温に冷却して、固形の口内で溶解可能である製品を形成するステップ、及び(iii)固形の口内で溶解可能である製品を製粉して、粒状材料の形態の組成物を形成するステップをさらに含むことができる、実施形態20~22のいずれかに記載の方法。
【0039】
実施形態24:実施形態20~23のいずれかに記載の方法に従い調製したパウチ製品。
【0040】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図と一緒に以下の詳細な説明を読むことで明らかとなり、図は以下に簡単に説明されている。本発明には、上述の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの任意の組合せ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ、又はこれよりも多くの特徴又は要素の組合せが、このような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わせられているかどうかに関わらず、含まれている。本開示は、全体的に読み取るように意図されているので、特に文脈が明確に他を指示しない限り、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素は、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて結合可能なことが意図されていると見なされるべきである。
【0041】
前述の一般的用語で本開示の態様をこのように記載してきたが、ここで添付の図について言及する。これらの図は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。図は単なる例であり、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本開示のある実施形態によるパウチ製品を図解している正面斜視図である。及び、
図2】本開示のある実施形態によりパウチ製品を製造するための全般的ステップを図解しているフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明はこれより以下、より完全に記載される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施形態化することができ、本明細書で記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分で、完全であるように提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝達するものである。本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、単数形「a」「an」及び「the」は、特に文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0044】
本開示は口腔用使用に対して構築された製品を一般的に提供する。「口腔用使用に対して構築された」という用語は、本明細書で使用される場合、使用中使用者の口内唾液により混合物の1種以上の構成成分(例えば、香味剤及び/又はニコチン)が使用者の口の中に運ばれるような形態で、製品が提供されることを意味する。ある特定の実施形態では、製品は、構成成分を、使用者の口内粘膜を介して使用者に送達するように適合されており、ある場合には、上記構成成分は、製品が使用された際に口内粘膜を介して吸収され得る活性成分(例えば、ニコチンを含むが、これに限定されない)である。
【0045】
特に、本開示は、水分透過性容器(例えば、水透過性パウチ)内に配置された1種以上の構成成分の混合物の形態で製品を提供する。水透過性パウチフォーマットでのこのような混合物は通常、混合物を含有するパウチをヒト対象/使用者の口内に配置することにより使用される。一般的に、パウチは、湿潤型嗅ぎたばこ製品が一般的に使用されるのと同じ方式で、使用者の口腔内のどこか、例えば唇の下に配置される。好ましくは、パウチは咀嚼又は嚥下しない。次いで、唾液への曝露により、その中の混合物の構成成分のいくつか(例えば、香味剤及び/又はニコチン)が、例えば、水透過性パウチを通り抜け、使用者に香味及び満足度をもたらし、使用者は混合物のいずれかの部分を吐き出す必要はない。約10分間~約60分間、通常約15分間~約45分間の使用/楽しみの後、相当量の混合物がヒト対象により摂取され、パウチは廃棄のために消費者の口から除去することができる。本明細書に記載されている製品に対して好ましいパウチ材料は、正常な使用の条件下で、パウチ内の著しい量の配合物の内容物が、パウチがその物理的完全性を失う時点より前に、パウチ材料を介して透過するように設計及び製造することができる。
【0046】
例えば、図1に例示されているように、例示的パウチ製品10は、口腔用使用に適応した粒状混合物15を含有するパウチの形態で、外側水透過性容器20を含むことができる。本明細書で例示されている、外側水透過性パウチの方向、サイズ及び種類並びに口腔用使用に適応した組成物の種類及び性質は、本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0047】
様々な実施形態では、水分透過性パケット又はパウチは、組成物を使用するための容器として作用する。例えばパウチはティーバッグの構築に使用されているメッシュ状タイプの材料と性質が類似すると考え得るタイプの液体透過性容器を提供する。所望する場合、香味成分、崩壊助剤及び他の所望の構成成分を、パウチ材料内に組み込む、又はパウチ材料に適用することができる。このようなパケット又はパウチの組成物/構造体、例えば、図1に例示されている実施形態の容器パウチ20は、本明細書で記述されているように異なり得る。例えば、無煙タバコ製品の製造に使用される種類の適切なパケット、パウチ又は容器は、本開示に従い修正することができ、商標名CatchDry、Ettan、General、Granit、Goteborgs Rape、Grovsnus White、Metropol Kaktus、Mocca Anis、Mocca Mint、Mocca Wintergreen、Kicks、Probe、Prince、Skruf and TreAnkrareの下で入手可能である。本明細書に記載されているパウチ製品の様々な実施形態に類似した形状及び形態のパウチタイプの製品は、ZONNIC(Niconovum ABにより流通)として市販されている。さらに、パウチタイプの製品は、参照により本明細書に組み込まれる、AxelssonらのPCT WO2007/104573の実施例1の嗅ぎたばこバッグ組成物E~Jとして記載されている、パウチ製品の様々な実施形態に形状及び形態が全般的に類似しており、それらは本明細書に記載されているパウチ製品を製造するのに使用することができる賦形剤成分及び加工条件を使用して生成される。
【0048】
パウチ材料
本開示のパウチは、フリース材料、例えば、繊維不織ウェブから形成することができる。本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は織物の基本的要素と定義される。繊維は多くの場合ロープ状又は糸状要素の形態である。本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、繊維、フィラメント、連続フィラメント、短繊維などを含むことを意図する。「多成分繊維」という用語は、物理性質又は化学的性質が異なる2種以上の構成成分を含む繊維を指し、複合繊維を含む。具体的には、「多成分繊維」という用語は、ドメインが分散している、ランダム又は非構造化されている傾向にあるブレンドとは対照的な、繊維内の別個の構造化されたドメインに存在する2種以上のポリマーから調製した短繊維及び連続繊維を含む。
【0049】
「フリース材料」は、本明細書で使用される場合、本明細書で以下により詳細に記載されているような様々な種類の繊維から形成することができ、従来のフリース織物又は他の従来のパウチ材料を形成することが可能である。例えば、フリース材料は、織布又は不織布の形態で提供され得る。適切なタイプのフリース材料は、例えば、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Sebastianらの米国特許第8,931,493号;並びにSebastianらの米国特許出願公開第2015/0128978号、Sebastianらの米国特許出願公開第2016/0000140号及びSebastianらの米国特許出願公開第2016/0073689号に記載されている。
【0050】
「不織布」という用語は、繊維が規定されていない又はランダムな方向性で整列している繊維材料、ウェブ、マット、バット、又はシートに関連して本明細書で使用されている。不織布繊維は未結繊維又はフィラメントとして最初に提示されている。不織布の製造において重要なステップは、様々な繊維又はフィラメントを一緒に結合することを含む。繊維又はフィラメントを結合する方式は異なってもよく、本明細書で以下により詳細に論じられているように、最終生成物の所望の特徴に部分的に基づき選択される熱的、機械的及び化学的技術を含む。
【0051】
様々な実施形態では、パウチ材料は、正常な使用の条件下で(すなわち、使用者の口内の唾液と接触した際)パウチ材料が溶解するように、溶解可能である(すなわち、口腔用に摂取可能である)ことができる。好ましくは、パウチ材料は、パウチ内の著しい量の組成物の溶解成分(例えば、活性成分(複数可)及び/又は着香剤(複数可))がパウチ材料を介して使用者の口へと浸透した後で溶解する。例えば、パウチ材料は、パウチ材料が、実質的にすべての水溶性成分の放出を可能にする位十分な期間の間、組成物を一緒に保持するような速度で溶解するように構築することができる。以下により詳細に記載されているように、ある特定の実施形態では、パウチ材料内の組成物も溶解可能であることができる。このような実施形態では、パウチ材料は、組成物が溶解する速度と類似の速度で溶解するように構築することができる。ある特定の実施形態では、パウチ材料は、約5分間以上、約15分間以上、約30分間以上又は約1時間以上で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように適合させる、又は構築することができる。ある特定の実施形態では、パウチ材料は、30分間以上、45分間以上又は1時間以上で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように適合させる、又は構築することができる。一部の実施形態では、パウチ材料は、約30秒~約30分間、約1分間~約25分間、約5分間~約20分間又は約5分間~約15分間の時間で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように適合させる、又は構築することができる。理論により限定されることなく、溶解可能であるパウチ材料を含むパウチ製品は、環境上の利点をもたらすことができる。
【0052】
様々な実施形態では、溶解可能であるパウチ材料として、これらに限定されないが、紡糸された又は不織布アルギン酸繊維、グルテン繊維、アルギネート由来のミシン目付ミニフラットシート、カラギーナン及び他のポリマー結合剤及びこれらの組合せを挙げることができる。理論により限定されることなく、パウチ材料の溶解速度は、例えば、アルギネート又はペクチンとのカルシウム塩との架橋技術を使用することによって制御することができる。ある特定の実施形態では、溶解可能なパウチ材料は、親水性ポリマーを用いたエレクトロスピニングプロセス(例えば、溶液ベースのエレクトロスピニング)を使用して形成された速溶性繊維を含むことができる。例えば、その全体が本明細書に参照により組み込まれている、Asawahame、Chawalineeら、Formation of Orally Fast Dissolving Fibers Containing Propolis by Electrospinning Technique、Chiang Mai J.Sci.、2015年、42巻(2号)、469~480頁で開示された技術及び繊維を参照されたい。
【0053】
一部の実施形態では、フリース材料内の繊維は、これらに限定されないが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネートアジペート及びこれらのコポリマーからなる群から選択されるポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、フリース材料内の繊維は、ウール、コットン、セルロース系材料で作製された繊維、例えば、再生セルロース、酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロースプロピオネート、酢酸酪酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、タンパク質繊維などからなる群から選択することができる。参照により本明細書に組み込まれている、Sebastianらの米国特許出願公開第2014/0083438号に記載されている繊維の種類も参照されたい。様々な実施形態では、パウチ材料は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びこれらの組合せからなる群から選択されるポリマーを含むことができる。
【0054】
再生セルロース繊維は特に有利となり得るが、これは通常、木材から非セルロース系化合物を抽出し、抽出した木材を苛性ソーダと接触させ、これに続いて二硫化炭素、次いで水酸化ナトリウムと接触させて、粘性の溶液を得ることにより調製される。続いて溶液をスピナレットヘッドに通して押し出し、再生繊維の粘性の糸を作り出す。再生セルロースの調製のための例示的方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Leoniの米国特許第4,237,274号、Baldiniらの米国特許第4,268,666号;Baldiniらの米国特許第4,252,766号;Ishidaらの米国特許第4,388,256号;Yokogiらの米国特許第4,535,028号;Laityの米国特許第5,441,689号;Vosらの米国特許第5,997,790号;及びSumnichtの米国特許第8,177,938号に提供されている。再生セルロースが作製される方式は限定されず、例えば、レーヨンプロセスとTENCELプロセスの両方を含むことができる。Lenzing(オーストリア)、Cordenka(ドイツ)、Aditya Birla(インド)及びDaicel(日本)を含む、再生セルロースの様々な製造元が公知である。
【0055】
本開示による不織ウェブに使用されている繊維の形態は異なってもよく、これらに限定されないが、円形、長方形、正方形、楕円形、三角形及び多葉形を含む任意の種類の断面を有する繊維を含むことができる。ある特定の実施形態では、繊維は1つ以上の空隙空間を有することができ、空隙空間は、例えば、円形、長方形、正方形、楕円形、三角形、又は多葉形の断面を有することができる。以前に記述されたように、繊維は、単一成分(すなわち、繊維全体にわたり組成が均一)又は、これらに限定されないが、シース/コア構造を有する繊維若しくは海島型構造を有する繊維、並びに並列型を有する繊維、セグメント化パイ、セグメント化クロス、セグメント化リボン、又は先端部を有する多葉形の断面を含む多成分繊維の種類から選択することができる。
【0056】
不織ウェブ中に存在する繊維の物理的パラメーターは異なってもよい。例えば、不織ウェブに使用される繊維は異なるサイズ(例えば、長さ、フィラメント当たりのデニール(dpf))及び捲縮特徴を有することができる。一部の実施形態では、不織ウェブに使用される繊維は、ナノ繊維、サブミクロン繊維及び/又はミクロンサイズの繊維であってよい。ある特定の実施形態では、本明細書で有用な不織ウェブの繊維は、約1.5dpf~約2.0dpf、又は約1.6dpf~約1.90dpfと測定することができる。様々な実施形態では、各繊維は、1cm当たり約4~10捲縮、又は1cm当たり約5~8捲縮と測定することができる。一部の実施形態では、各繊維は連続フィラメント繊維であることができる。ある特定の実施形態では、各繊維は短繊維であることができる。各繊維長は、例えば、約35mm~約60mm、又は約38mm~約55mmと測定することができる。不織ウェブ中の繊維の好ましいブレンド及び方向性を確実にするために、不織ウェブ中のすべての繊維が類似の繊維サイズ及び捲縮特質を有することが有利となり得る。
【0057】
繊維ウェブは異なる厚さ、多孔性及び他のパラメーターを有することができる。不織ウェブは、不織ウェブから形成されるパウチ製品の繊維方向性及び多孔性によって、外側水透過性パウチ内に封入される口腔用使用に適応した組成物を保持し、しかも消費者が組成物の香味料を楽しめるように形成することができる。例えば、一部の実施形態では、繊維ウェブは、約20gsm~約35gsm、又は約25gsm~約30gsmの坪量を有することができる。好ましい実施形態では、繊維ウェブは約28gsmの坪量を有することができる。織物の坪量は、例えば、ASTM D3776/D3776M-09a(2013)(布の単位面積質量(重量)に対する標準試験法(Standard Test Methods for Mass Per Unit Area(Weight) of Fabric))を使用して測定することができる。様々な実施形態では、繊維ウェブは約0.1mm~約0.15mm(例えば、約0.11mm)の厚さを有することができる。繊維ウェブは、約70%~約80%、例えば、約78%の伸長率を有することができる。一部の実施形態では、繊維ウェブは約4lbs.~約8lbs.、例えば、約5.5lbs.のピークロードを有することができる。繊維製品織物の伸長率及び破断強度は、例えば、ASTMD5034-09(2013)(織物の強度と伸びの標準試験法(Standard Test Method for Breaking Strength and Elongation of Textile Fabrics(グラブ試験)))を使用して、測定することができる。様々な実施形態では、繊維ウェブは、約35~約40、例えば、約37の引張強度指数(Tensile Energy Absorption(TEA))を有することができる。ある特定の実施形態では、繊維ウェブは、約10,000ml/分/cmより大きい多孔性を有することができる。TEAは、例えば、試料の1側面領域当たりかけられる引張荷重下で、試料を破損するための作用力として測定することができる。繊維織物の多孔性、又は通気性は、例えば、ASTM D737-04(2012)(繊維布の通気性に関する標準試験法(Standard Test method for Air Permeability of Textile Fabrics))を使用して測定することができる。
【0058】
本明細書に記載されているパウチ製品の様々な実施形態では、外側水透過性パウチは上に記載されているような不織ウェブから作製される。一部の実施形態では、パウチは不織ウェブの単層で構築される。様々な実施形態では、パウチ材料は、2種以上の不織布層から作られる多層複合材を含み、各層は口腔用に摂取可能である。各不織布層は以下に論じたプロセスにより形成することができる。多層構造では、第1の層は比較的親水性であることができ、第2の層は比較的疎水性であることができる(互いに比較して)。一部の実施形態では、外側水透過性パウチは、外側親水性層、及び口腔用使用に適応した組成物と接触することができる内側疎水性層を含むことができる。よって、疎水性層は、パウチ製品の貯蔵中、組成物中の香味料が水分損失により失われないように、口腔用使用に適応した組成物中に任意の水分を保持することができる。しかし、疎水性層中のキャピラリーは、使用時に香味料が口腔内に放出されるよう、使用者の口へ水分を逃がすことができる。このように、パウチ材料は、エンド使用者が製品を楽しむことに著しい妥協を課すことなく、貯蔵安定性を増強することができる。あまり好ましくない実施形態では、比較的親水性の層が、多層構造の内部に位置することもできる。2つの層は、当技術分野で公知の任意の手段を使用して、例えば、接着剤又はスティッチングを使用して2つの層を一緒に結合することにより、多層複合材の不織布材料を形成することができる。織物材料の疎水性は、当技術分野で公知の通り、例えば、液体の液滴と、織物材料の表面との間の接触角を測定することによって評価することができる。
【0059】
ある特定の実施形態では、パウチ材料は香味成分(例えば、本明細書で指摘された香味成分のいずれか)を含むことができ、この香味成分は、任意の従来の方式で、例えば、コーティング、プリンティングなどにより不織布層に適用することができる。本明細書に記載されているパウチ製品の一部の実施形態では、外側パウチ材料内の香味料は、内部の口腔用使用に適応した組成物に含有されている香味料と異なるものであってもよい。例えば、ある特定の実施形態では、パウチ材料は、第1の香味成分を有することができ、パウチ材料が溶解された後、より多くの水分がパウチ材料内の組成物に到達することができ、組成物内の香味成分が増強され得る。このように、製品は、複数の、異なる感覚体験をもたらすように設計することができ、第1の感覚体験では、外側パウチ材料中の香味料が使用者の口の中へ移動し、その後の時間に通常生じる第2の感覚体験では、内部組成物の香味料が使用者の口の中に移動する。
【0060】
一部の実施形態では、ヒートシール可能な結合剤コーティング又は結合剤材料(例えば、コーティング又は他の添加剤)は、フリース材料を形成する前、その間、又はその後に繊維に添加することができる。本明細書で使用される場合、「ヒートシール可能な結合剤コーティング」とは、基材(例えば、不織ウェブ又はフリース材料)に適用されるコーティング材料、例えば、アクリルポリマー組成物を指し、これらは加熱により個々のパウチの継ぎ目の密閉が可能である。一部の実施形態では、結合剤材料は、繊維ウェブを積層する前又はその間(すなわち、繊維ウェブが結合されてフリース材料を形成する前)にウェブ繊維に添加することができる。ある特定の実施形態では、結合剤材料は、フリース材料が形成された後でそれに添加することができる。様々な実施形態では、結合剤材料は液体コーティングの形態である。ある特定の実施形態では、結合粉末はフリース材料に塗布することができる。例えば、粉末化ポリエチレンは結合剤材料として使用することができる。液体又は粉末コーティングは、例えば、クロス積層、空気積層において、又は処理後に、繊維層の間に塗布することができる。オーブン内の短時間の曝露は結合剤材料を溶融及び融合するのに十分である。
【0061】
フリースパウチ材料を生成する方法
フリースパウチ材料を生成する手段は異なってもよい。ウェブ形成は、当技術分野で公知の任意の手段で達成することができる。不織ウェブ形成は通常、カーディングステップを含み、これは表面上に繊維を堆積させ、これに続いて繊維を縦方向に整列/ブレンドすることを含む。その後、繊維ウェブは通常、これらに限定されないが、熱的溶融又は結合、機械的な絡合、化学的接着、又はこれらの組合せを含むいくつかの種類の結合/絡合に供する。一実施形態では、繊維ウェブは、カレンダー(フラット又はポイント結合を提供することができる)、水蒸気ジェット式結合、又は通気炉を使用して熱的に結合させる。追加の結合方法は超音波結合及び捲縮を含む。一部の実施形態では、ニードルパンチが利用され、これによりニードルを使用して、繊維間の物理的絡合が得られる。一実施形態では、ウェブは、水流絡合法を使用して絡合され、これは、水力学的力を使用して繊維を絡合及び結合させるために使用されるプロセスである。上述のように、結合剤材料は、繊維ウェブを積層する前、繊維ウェブの形成中、及び/又は繊維ウェブが結合されてフリース材料を形成した後に繊維ウェブの繊維に適用することができる。フリース材料を形成した後、熱をフリース材料に加えて、結合剤材料を活性化/少なくとも部分的に融解することによって、フリース材料をさらに結合し、よってフリース材料の機械的完全性をさらに増強させることができる。
【0062】
天然繊維及び合成繊維を含む不織ウェブを形成するための方法は、乾式、エアレイド及び湿式方法を含むことができる。一部の実施形態では、不織布はスパンレイド又はスパンメルトプロセスを使用して形成することができ、これはスパンボンドプロセスとメルトブロープロセスの両方を含み、このようなプロセスは通常、繊維不織ウェブを形成するために、熱可塑性ポリマー材料の溶融、押出し加工、収集及び結合を必要とすると考えられている。メルトブローの技術は当技術分野で公知であり、様々な特許、例えば、それぞれがその全体において本明細書に参照により組み込まれている、Butinの米国特許第3,849,241号、Buntinらの米国特許第3,987,185号、Buntinの米国特許第3,972,759号及びMcAmishらの米国特許第4,622,259号において論じられている。一般的スパンボンドプロセスは、例えば、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Appelらの米国特許第4,340,563、Dorschnerらの米国特許第3,692,618号、Matsukiらの米国特許第3,802,817号、Kinneyらの米国特許第3,338,992号及び米国特許第3,341,394号、Hartmannの米国特許第3,502,763号、並びにDoboらの米国特許第303,542,615号に記載されている。
【0063】
様々な実施形態では、不織ウェブは、繊維の乾式ウェブ又はスパンレイドウェブを準備し、次いでウェブにニードルパンチして、乾式ウェブ又はスパンレイドウェブを結合することにより作製される。バーブ付き針が繊維ウェブを介して押し進められ、バーブ付き針がウェブを介して一部の繊維を上向きに押し上げ、又は下向きに押し下げると、ニードルパンチしたフリース材料が生成される。ニードルが回収されると、ウェブを介してパンチされた繊維はこれら新規の位置に留まる。この穿刺処置が繊維をかみ合せ、ウェブの圧縮により引き起こされる繊維間摩擦力で一緒に構造を保持させ、これによってウェブを結合させる。十分な数の繊維をウェブ内で動かすことによって、ウェブは不織布へと変換される。
【0064】
ある特定の実施形態では、不織ウェブはポイント結合を用いたフリースカーディングプロセスにより作製される。ポイント結合(例えば、カレンダーを使用)は、口腔用使用の間、ウェブを介した水溶性成分の移動のためウェブ内に良好な多孔性を維持するために不織ウェブの表面積の比較的に小さな部分に限定されるべきである。ある特定の実施形態では、ポイント結合は不織ウェブ(又は生成したパウチ)の表面積の約60%未満、例えば、約50%未満、約30%未満、又は約20%未満(例えば、約1%~約50%、約5%~約40%、又は約10%~約30%)に限定される。ポイント結合の利点は、多孔性、可撓性及び織物強度を制御する能力にある。
【0065】
他の実施形態では、不織ウェブは水流交絡に供することができる。「水流交絡される」又は「スパンレースされる」という用語は、本明細書の不織布に適用される場合、ウェブが、多くの場合マニホールド又はインジェクターと呼ばれる、圧力容器内に収容されたノズルジェットストリップから通常放射される高速の微細水ジェットのカーテンによる衝突に供されることと定義される。この水流交絡された織物は、再配向された、ねじれた、回転した、絡合された繊維であることを特徴とすることができる。例えば、繊維は、約10バール~約1000バールの範囲の水圧で、1つ以上の水流交絡マニホールドからの水圧に不織ウェブを曝露することによって水流交絡することができる。ある特定の実施形態では、ポイント結合と比較して、スパンレース技術は、ウェブの多孔性に対する影響は低く、よって不織布パウチ材料を介した香味料の移動を増強させることができる。
【0066】
様々な実施形態では、不織ウェブは、加工中のウェブの伸長率を減少させるために第2の結合方法に供することができる。ある特定の実施形態では、本開示の不織ウェブは、パウチ装置上での高速加工中、著しい伸長率を示し得る。不織ウェブの過剰な伸長率は加工中ウェブの収縮を起こす可能性があり、最終生成物が適切なサイズとならない。よって、例えば、伸長率による最終生成物の任意の収縮を埋め合わせるために、加工装置を改造して、フリースのより幅広いロールにフィットさせることが必要となり得る。
【0067】
このような伸長率の問題を回避するか、又は少なくとも減少させるため、様々な実施形態では不織ウェブは、第1の結合(例えば、水流交絡)が完了した後、ポイント結合することができる。第2の結合プロセスは不織ウェブの引張り強度を増加させ、伸長率特徴を減少させることができる。特に、ポイント結合プロセスは、ウェブを別個のポイントで部分的に又は完全に溶融することにより(例えば、ヒートシール可能な結合剤材料)、不織ウェブを結合することができる。例えば、一部の実施形態では、不織ウェブは、ウェブの最初の結合後、超音波結合に供することができる。不織ウェブを超音波結合するために、不織布材料に対して当技術分野で公知の任意の超音波結合システムを使用することができる。例えば、本明細書に参照により組み込まれる、Austの米国特許第8,096,339号及びWeilerの米国特許第8,557,071号に開示された装置及びデバイスを参照されたい。一部の実施形態では、不織ウェブは、エンボス加工及び/又は彫刻カレンダーロールを介したポイント結合に供することができ、この場合通常加熱される。例えば、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、Schmidtの米国特許公開第2008/0249492号で論じられている非常に高いカレンダー圧力及びエンボス加工技術の使用を組み込んだポイント結合方法を参照されたい。ポイント結合プロセスは通常、上述のように不織ウェブの表面積の約60%未満に限定される。
【0068】
ある特定の実施形態では、不織ウェブをブレンド、絡合及び結合するために使用される加工技術はまた、繊維不織ウェブ材料に所望のテキスチャーを付与することができる。例えば、ポイント結合又は水流交絡は不織ウェブに所望のテキスチャー(例えば所望のパターン)を付与することができる。このテキスチャーパターンは情報を識別する製品を含むことができる。一部の実施形態では、製品識別情報は、製品ブランド、会社名称、企業ロゴ、企業ブランド,マーケティングメッセージ、製品強度、活性成分、製品製造日、製品有効期限、製品フレーバー、製品放出プロファイル、重量、製品コード(例えば、バッチコード)、他の製品との識別マーキング及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0069】
パウチ内の組成物
パウチ製品は、パウチベースの外側に加えて、1種以上の活性成分及び/又は1種以上の着香剤並びに様々な他の任意選択的成分を通常含む、パウチ内の混合物を一般的に含む。様々な実施形態では、組成物は口内で溶解可能であることができる。組成物は、使用者の口内の唾液と接触した際に活性成分(複数可)及び/又は着香剤(複数可)の持続放出を提供するように構築することができる。使用後、全組成物、及びある特定の実施形態では、組成物をもともと収納していた全パウチ材料が溶解され、使用者により口腔用に摂取可能であることによって、使用者の口から除去すべきパウチ製品は何も残らない。パウチ材料とパウチ材料内の組成物の両方が溶解可能なように構築された様々な実施形態では、組成物は、パウチ材料の溶解が完了する前に、組成物の少なくとも約85%、少なくとも約90%又は少なくとも約95%が溶解されるように構築することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、その中に含まれる水溶性成分の放出プロファイルが所望の使用期間にわたり一定であるように(例えば、所望の使用期間が20分間の場合、水溶性成分の25%が5分間ごとに放出され得る)構築することができる。
【0070】
様々な実施形態では、組成物は、約5分間以上、約15分間以上、約30分間以上又は約1時間以上で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように適合させる、又は構築することができる。ある特定の実施形態では、組成物は、30分以上、45分以上又は1時間以上で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように構築することができる。一部の実施形態では、組成物は、約30秒~約30分間、約1分間~約25分間、約5分間~約20分間又は約5分間~約15分間の時間で少なくとも部分的に溶解するか、又は完全に溶解するように構築することができる。
【0071】
本明細書に提供されるパウチ内の材料の組成物は特に限定されず、従来のパウチ製品内に含まれているようなものを含む任意の充填組成物を含むことができる。このような組成物は一般的に2種以上の構成成分の混合物であり、よって組成物は、ある場合には、本明細書で以下に「混合物」と呼ばれる。本明細書に提供されているパウチのある特定の実施形態内の混合物に有利に含むことができるある特定の構成成分は、以下に全般的に概説されている。しかし、以下の考察は、開示されたパウチ内に組み込むことができる構成成分を限定することを意図していないことを理解されたい。ある特定の実施形態では、組成物は唾液溶解性材料のみを含む。
【0072】
フィラー成分
本明細書に記載されているパウチ内の材料は、少なくとも1種の粒状フィラー成分を含むことができる。このような粒状フィラー成分は、複数の機能、例えば、ある特定の官能特性、例えば、テキスチャー及び口当たりを増強する、製品の粘着性又は圧縮性を増強することなどを満たすことができる。一般的に、フィラー成分は粒状材料であり、セルロースベースである。例えば、適切な粒状フィラー成分は、任意の非タバコ植物材料又はその誘導体であり、このような供給源由来のセルロース材料を含む。セルロース系非タバコ植物材料の例として、穀物(例えば、トウモロコシ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、ソバなど)、テンサイ(例えば、International fiber Corporationから入手可能なFIBREX(登録商標)ブランドフィラー)、ふすま繊維及びこれらの混合物が挙げられる。非タバコ植物材料の誘導体の非限定的例として、デンプン(例えば,ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ由来のもの)、天然セルロース及び修飾セルロース系材料が挙げられる。潜在的な粒状フィラー成分の追加の例として、マルトデキストリン、ブドウ糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、キシリトール及びソルビトールが挙げられる。フィラーの組合せもまた使用することができる。
【0073】
「デンプン」とは、本明細書で使用される場合、任意の供給源からの純粋なデンプン、加工デンプン、又はデンプン誘導体を指すことができる。デンプンは通常、ほとんどすべての緑色植物において、及び様々な種類の植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、新芽、果実、穀粒及び茎)において顆粒状の形態で存在する。デンプンは組成並びに顆粒の形状及びサイズが異なってもよい。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは異なる化学的及び物理的な特徴を有する。特定のデンプンは、特定の感覚刺激特性を組成物に付与するデンプン材料の能力に基づき、混合物内への包含に対して選択することができる。様々な供給源由来のデンプンを使用することができる。例えば、デンプンの主要な供給源として、穀物(例えば、米、小麦及びトウモロコシ)及び根菜類(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプンの供給源の他の例として、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、オオムギ、マメ(例えば、ソラマメ、レンズマメ、ヤエナリ、エンドウマメ、ひよこマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、コロカシア、カタクリ、クズ、マランガ、雑穀、カラスムギ、オカ、ポリネシアンアロールート、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロイモ、タバコ、シログワイ及びヤムが挙げられる。ある特定のデンプンは加工デンプンである。加工デンプンは、1種以上の構造的変化が施され、多くの場合その高い熱特性を変化させるように設計されている。一部のデンプンは遺伝子組換えにより開発され、「遺伝子組換え」デンプンと見なされている。他のデンプンは入手されてから、続いて物理的(例えば、加熱、冷水膨潤など)、化学的、又は酵素的に修飾される。例えば、加工デンプンは、化学反応、例えば、エステル化、エーテル化、酸化、酸触媒作用若しくは塩基の存在下での酸化による脱重合(低粘調化)、漂白、グリコシル基転移及び脱重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、アセチル化、ヒドロキシプロピル化並びに/又は部分加水分解に供したデンプンであってよい。酵素的処理には、天然澱粉を酵素分離物又は濃縮物、微生物酵素及び/又は植物材料由来の酵素にさらすこと、例えば、トウモロコシデンプンを修飾するために、トウモロコシ種実に存在するアミラーゼにさらすことが含まれる。他のデンプンは加熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスにより修飾される。ある特定の加工デンプンとして、リン酸化デンプン、グリセロール架橋デンプン、トリメタリン酸ナトリウムでエステル化したリン酸架橋デンプン、リン酸化リン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸でエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピル化デンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。
【0074】
一部の実施形態では、粒状フィラー成分はセルロース材料又はセルロース誘導体である。本明細書に記載されている製品における使用に対して1種の特に適切な粒状フィラー成分は微結晶性セルロース(「MCC」)である。MCCは合成であっても、半合成であってもよく、又は全面的に天然セルロースから得ることもできる。MCCは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。一実施形態では、混合物はMCCを粒状フィラー成分として含む。本明細書に記載されている混合物中に存在するMCCの量は所望の特性により異なり得る。
【0075】
粒状フィラー成分の量は異なってもよいが、通常パウチ内に含有される材料(すなわち、混合物)の約75重量パーセント(混合物の総重量に対して)までである。混合物内の粒状フィラー材料(例えば、MCC)の典型的な範囲は、混合物の総重量の約10~約75重量パーセント、例えば、約10重量パーセント、約15重量パーセント、約20重量パーセント、約25重量パーセント、又は約30重量パーセントから、約35重量パーセント、約40重量パーセント、約45重量パーセント、又は約50重量パーセントまで(例えば、約20~約50重量パーセント又は約25~約45重量パーセント)であることができる。ある特定の実施形態では、粒状フィラー材料の量は、混合物の総重量に対して、少なくとも約10重量パーセント、例えば、少なくとも約20重量パーセント、又は少なくとも約25重量パーセント、又は少なくとも約30重量パーセント、又は少なくとも約35重量パーセント、又は少なくとも約重量40パーセントである。
【0076】
一実施形態では、粒状フィラー成分はセルロース誘導体又はこのような誘導体の組合せをさらに含む。一部の実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対して、約1~約10重量%のセルロース誘導体を含み、ある特定の実施形態では、約1~約5重量%のセルロース誘導体を含む。ある特定の実施形態では、セルロース誘導体はセルロースエーテル(カルボキシアルキルエーテルを含む)であり、これはセルロース構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル、ヒドロキシアルキル、又はアリール基で置き換えられたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。一実施形態では、セルロース誘導体はメチルセルロース、HPC、HPMC、ヒドロキシエチルセルロース及びCMCのうちの1種以上である。一実施形態では、セルロース誘導体はHPCである。一部の実施形態では、混合物は、混合物の総重量に対して、約1~約3重量%のHPCを含む。ある特定の実施形態では、組成物はポリオール、ブドウ糖、マルトデキストリン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含む。一部の実施形態では、組成物は、糖アルコール(複数可)(例えば、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール及びこれらの組合せ)、グルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトデキストリン、加工デンプン及びこれらの組合せからなる群から選択されるフィラーを含む。
【0077】

製品の消費者による使用前、本明細書に記載されているパウチ製品内の混合物の含水量は所望の特性によって異なってもよい。通常、使用者の口への挿入前に製品内に存在する混合物は、約60重量パーセント未満の水、一般的に約1~約60重量%の水、例えば、約5~約55重量パーセント、約10~約50重量パーセント、約20~約45重量パーセント、又は約25~約40重量パーセントの水含み、これは、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%及び少なくとも約20重量%の水量を含む。
【0078】
香味剤
本明細書で使用される場合、「香味剤」又は「着香剤」は、口腔用製品に伴う感覚特性を改変することが可能な任意の風味豊かな又は香りの良い物質である。香味剤で修正することができる感覚特性の例として、味覚、口当たり、湿り気、冷却/加熱及び/又は香料/芳香が挙げられる。香味剤は天然又は合成であってよく、これによりもたらされる香味料の性質は、制限なしで、フレッシュ、スイート、ハーバル、菓子類、フローラル、フルーティー、又はスパイシーと記載することができる。特定の種類の香味料として、これらに限定されないが、バニラ、コーヒー、チョコレート/ココア、クリーム、ミント、スペアミント、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、ユーカリ、ラベンダー、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、カスカリラ、ビャクダン、蜂蜜、ジャスミン、ショウガ、アニス、セージ、甘草、レモン、オレンジ、リンゴ、桃、ライム、サクランボ、イチゴ、三叉神経感覚剤、テルペン及びこれらの任意の組合せが挙げられる。参照により本明細書に組み込まれる、Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972年)もまた参照されたい。香味剤は、テルペン、テルペノイド、アルデヒド、ケトン、エステルなどの構成成分を含んでもよい。一部の実施形態では、香味剤は三叉神経感覚剤である。本明細書で使用される場合、「三叉神経感覚剤」とは三叉神経神経に対する作用を有し、加熱、冷却、ピリピリ感などを含む感覚を生成する香味剤を指す。三叉神経感覚剤の香味剤の非限定的例として、カプサイシン、クエン酸、メントール、四川ボタン(Sichuan button)、エリスリトール及びクベボールが挙げられる。香味剤としてまた、湿潤剤、冷却剤又は平滑化剤であると考えられる構成成分、例えば、ユーカリを挙げることができる。これらの香味料は純粋(すなわち、単独で)又は複合体で提供されてもよいし、濃縮物又は香味料パッケージ(例えば、スペアミント及びメントール、オレンジ及びシナモン;ライム、パイナップル、など)として利用されてもよい。構成成分の代表的な種類はまた、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Whiteらの米国特許第5,387,416号;Stricklandらの米国特許出願公開第2005/0244521号;及びQuinterらPCT出願WO05/041699号に記載されている。ある場合には、香味剤はスプレー乾燥形態又は液体形態で提供されてもよい。
【0079】
香味剤は少なくとも1種の揮発性香味成分を一般的に含む。本明細書で使用される場合、「揮発性」とは、周辺温度で容易に蒸気を形成する化学物質を指す(すなわち、不揮発性物質と比べて所与の温度で高い蒸気圧を有する化学物質)。通常、揮発性香味成分は、約400Da未満の分子量を有し、多くの場合、少なくとも1種の炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、又は両方を含む。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分は1種以上のアルコール、アルデヒド、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、テルペン、テルペノイド、又はこれらの組合せを含む。アルデヒドの非限定的例として、バニリン、エチルバニリン、p-アニスアルデヒド、ヘキサナール、フルフラール、イソバレルアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンズアルデヒド及びシトロネラールが挙げられる。ケトンの非限定的例として、1-ヒドロキシ-2-プロパノン及び2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン-1-オンが挙げられる。エステルの非限定的例として、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、酢酸イソアミル及び3-メチルブチルアセテートが挙げられる。テルペンの非限定的例として、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、ネロリドール、ツジョン、ミルセン、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナロール及びユーカリプトールが挙げられる。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分は、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、サビネン、リモネン、γ-テルピネン、β-ファルネセン、又はシトラルのうちの1種以上を含む。一実施形態では、少なくとも1種の揮発性香味成分はエチルバニリンを含む。
【0080】
混合物において利用される香味剤の量は異なってもよいが、通常約10重量パーセントまでであり、ある特定の実施形態は、混合物の総重量に対して、少なくとも約0.1重量パーセント、例えば、約0.5~約10重量パーセント、約1~約6重量パーセント、又は約2~約5重量パーセントの香味剤含有量であることを特徴とする。
【0081】
混合物内に存在する香味剤の量は一定時間異なってもよい(例えば、混合物の調製後の貯蔵期間の間)。例えば、混合物中に存在するある特定の揮発性成分は蒸発又は化学転換を受けることもあり、これは1種以上の揮発性香味成分の濃度の減少をもたらす。一実施形態では、存在する少なくとも1種の揮発性香味成分のうちの1種以上の濃度は、同じ期間の後、1種以上の有機酸を含まない対照パウチ製品中に存在する1種以上の揮発性香味成分の濃度より高い。理論に制約されることを望むことなく、白さの損失の原因である同様の機序が、香味剤分(例えば、アルデヒド、ケトン、テルペン)中のある特定の揮発成分にゆっくりとした低下をもたらすと考えられる。したがって、時間の経過と共に変色をもたらすこれら揮発性成分の存在の低下が、このような分解プロセスにさらされる製品に伴う感覚満足度を減退させることが予想され得る。
【0082】

一部の実施形態では、混合物は、通常所望の官能属性を混合物に提供するのに十分な量で利用される塩(例えば、アルカリ金属塩)をさらに含むことができる。適切な塩の非限定的例として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、穀粉塩などが挙げられる。存在する場合、塩の代表的な量は約0.5重量パーセント以上、約1.0重量パーセント以上、又は約1.5重量パーセント以上であるが、通常混合物の総重量の約10パーセント重量以下、又は約7.5パーセント重量以下又は約5パーセント重量以下(例えば、約0.5~約5重量パーセント)を構成する。
【0083】
甘味剤
混合物は通常1種以上の甘味剤をさらに含む。甘味剤は、天然若しくは人工の形態、又は天然甘味剤と人工甘味剤の組合せとして、任意の甘味剤又は甘味剤の組合せであることができる。天然甘味剤の例として、イソマルツロース、フルクトース、スクロース、グルコース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、ステビア、蜂蜜などが挙げられる。人工甘味剤の例として、スクラロース、マルトデキストリン、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、ネオテームなどが挙げられる。一部の実施形態では、甘味剤は1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールは部分的又は完全に水素化された形態を有する、単糖又は二糖由来のポリオールである。糖アルコールは、例えば、約4~約20個の炭素原子を有し、エリスリトール、アラビトール、リビトール、イソマルト、マルチトール、ズルシトール、イジトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、ソルビトール及びこれらの組合せ(例えば、水素化デンプン加水分解物)が挙げられる。存在する場合、甘味剤の代表的な量は、混合物の総重量に対して、重量ベースで、混合物の約0.1~約20重量パーセント以上、例えば、混合物の約0.1~約1重量%、約1~約5重量%、約5~約10重量%、又は約10~約20重量%を構成してもよい。
【0084】
結合剤
ある特定の実施形態では、結合剤(又は結合剤の組合せ)は、混合物に所望の物理的特質及び物理的完全性をもたらすのに十分な量で利用することができる。結合剤はまた、多くの場合増粘剤又はゲル化剤として機能する。典型的な結合剤は有機でも無機でも、又はこれらの組合せであってもよい。代表的な結合剤として、修飾セルロース、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプンベースの結合剤、ペクチン、カラギーナン、プルラン、ゼインなど及びこれらの組合せが挙げられる。結合剤は、混合物に所望の物理的特質及び物理的完全性をもたらすのに十分な量で利用することができる。一部の実施形態では、結合剤はペクチン若しくはカラギーナン又はこれらの組合せを含む。
【0085】
混合物において利用される結合剤の量は異なってもよいが、通常約30重量パーセントまでであり、ある特定の実施形態は、混合物の総重量に対して、少なくとも約0.1重量%の結合剤含有量、例えば、約1~約30重量%、又は約5~約10重量%の結合剤含有量を特徴とする。
【0086】
ある特定の実施形態では、結合剤はガム、例えば、天然ガムを含む。本明細書で使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用である天然起源の多糖材料を指す。植物由来の代表的な天然ガムは、通常ある程度水溶性であるが、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガカントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組合せが挙げられる。存在する場合、天然ガム結合剤材料は通常、混合物の総重量に対して、約5重量%までの量で、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、又は約1重量%から、約2重量%、約3重量%、約4重量%、又は約5重量%の量で存在する。
【0087】
保湿剤
ある特定の実施形態では、1種以上の保湿剤を混合物において利用することができる。保湿剤の例として、これらに限定されないが、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。含まれる場合、保湿剤は通常、混合物に所望の水分特質をもたらすのに十分な量で提供される。さらに、ある場合には、保湿剤は、型内への堆積のため、混合物に望ましい流れ特性を付与することができる。存在する場合、保湿剤は通常混合物の重量の約5重量%以下(例えば、約0.5~約5重量%)を構成する。存在する場合、保湿剤の代表的な量は、混合物の総重量に対して、約0.1重量%~約1重量%、又は約1重量%~約5重量%である。
【0088】
緩衝剤
ある特定の実施形態では、本開示の混合物はpH調整剤又は緩衝剤を含むことができる。使用することができるpH調整剤及び緩衝剤の例として、これらに限定されないが、金属水酸化物(例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム)及び他のアルカリ金属緩衝液、例えば、金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)、又は金属炭酸水素塩、例えば、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。存在する場合、緩衝剤は、混合物の重量に対して、通常約5パーセント未満の量で存在し、例えば、混合物の総重量に対して、約0.5%~約5重量%、例えば、約0.75重量%~約4重量%、約0.75重量%~約3重量%、又は約1重量%~約重量2%の量で存在する。適切な緩衝液の非限定的例として、アルカリ金属酢酸塩、グリシン酸塩、リン酸塩、グリセロリン酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0089】
着色剤
着色剤は、混合物に所望の物理的特質をもたらすのに十分な量で利用することができる。着色剤の例として、様々な染料及び顔料、例えば、カラメル着色剤及び二酸化チタンが挙げられる。混合物において利用される着色剤の量は異なってもよいが、存在する場合、混合物の総重量に対して、通常約3重量パーセントまで、例えば、約0.1重量%、約0.5重量%、又は約1重量%から、約3重量%までである。
【0090】
活性成分
本明細書で開示されている組成物は1種以上の活性成分を含む。本明細書で使用される場合、「活性成分」とは、以下のカテゴリーのいずれかに属する1種以上の物質を指す:API(活性医薬成分)、食品添加物、天然薬剤及びヒトに対して作用を有し得る天然由来物質。例示的活性成分として、1種以上の体内の生物学的機能に影響を及ぼすことが公知の任意の成分、例えば、疾患の診断、治癒、軽減、治療、若しくは予防において、薬理学的活性又は他の直接的作用をもたらす、又はヒトの身体の構造又は任意の機能に影響を与える成分(例えば、中枢神経系に刺激作用をもたらす、活発化作用、解熱作用若しくは鎮痛作用、又は身体に有用な他の作用を有する)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は、一般的に栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる種類であってもよい。これらの種類の添加剤は、1種以上の有利な生物学的作用(例えば、健康促進、疾患予防、又は他の薬理作用)を提供するが、薬物として分類されても、規制されてもいない天然由来の供給源(例えば、ボタニカル材料)から通常入手可能な物質を包含するように当技術分野で定義される場合もある。
【0091】
活性成分の非限定的例として、ボタニカル成分、刺激剤、アミノ酸、ニコチン成分並びに/又は医薬品、栄養補給食品及び薬用成分(例えば、ビタミン、例えば、A、B3、B6、B12、及びC、並びに/又はカンナビノイド、例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))のカテゴリーに入るものが挙げられる。これらのカテゴリーのそれぞれがさらに以下の本明細書に記載されている。活性成分の特定の選択は、特定の製品の所望の香味料、テキスチャー及び所望の特徴に応じて異なる。
【0092】
ある特定の実施形態では、活性成分は、カフェイン、タウリン、GABA、テアニン、ビタミンC、ビタミンB(例えば、ビタミンB6又はB12)、レモンバーム抽出物、トリプトファン、ニンジン、シチコリン、ヒマワリレシチン及びこれらの組合せからなる群から選択される。例えば、活性成分は、カフェイン、テアニン及び任意選択的にニンジンの組合せを含むことができる。別の実施形態では、活性成分は、テアニン、γ-アミノ酪酸(GABA)及びレモンバーム抽出物の組合せを含む。さらなる実施形態では、活性成分はテアニン、テアニン及びトリプトファン、又はテアニン及び1種以上のビタミンB(例えば、ビタミンB6又はB12)を含む。またさらなる実施形態では、活性成分はカフェイン、タウリン及びビタミンCの組合せを含む。
【0093】
存在する活性成分の特定のパーセンテージは、特定の製品の所望の特徴に応じて異なる。通常、活性成分又はこれらの組合せは、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001重量%~約20重量%の範囲の総濃度で存在する。一部の実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.1w/w%~約10%w/w%、例えば、約0.5w/w%~約10w/w%,約1w/w%~約10w/w%、約1w/w%~約5w/w%の濃度で存在する。一部の実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、又は約1重量%から、約20重量%まで、例えば、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%までの濃度で存在する。特定の活性成分に対するさらに適切な範囲が本明細書において以下に提供されている。
【0094】
ボタニカル
一部の実施形態では、活性成分はボタニカル成分を含む。本明細書で使用される場合、「ボタニカル成分」又は「ボタニカル」という用語は、任意の植物材料又は菌類由来の材料(その天然形態での植物材料を含む)及び天然植物材料由来の植物材料、例えば、植物材料又は処理した植物材料からの抽出物又は分離物(例えば、材料の物理的及び/又は化学的性質を改変することが可能な加熱処理、発酵、漂白、又は他の処理プロセスに供された植物材料)を指す。本開示の目的のため、「ボタニカル」には、これらに限定されないが、「薬草材料」が含まれ、この薬草材料とは、持続性の木質組織を生み出さず、多くの場合、これらの薬用特性又は感覚特性(例えば、茶又はハーブ茶)に対して評価されている種子生成植物を指す。「非タバコ」としてのボタニカル材料についての言及は、タバコ材料を除外することを意図する(すなわち、いかなるニコチアナ属種も含まない)。一部の実施形態では、本明細書で開示されている組成物は、いかなるタバコ材料も含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書で開示されている任意の実施形態はいかなるタバコ材料も完全に又は実質的に含まなくてもよい)。「実質的に含まない」とは、いかなるタバコ材料も意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、0.001重量%未満のタバコ、又は0.0001%未満、又はさらに0重量%のタバコを有することを特徴とすることができる。
存在する場合、ボタニカルは通常、組成物の総重量に対して、約0.01w/w%~約10w/w%、例えば、約0.01%w/w、約0.05w/w%、約0.1w/w%、又は約0.5w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、又は約10w/w%、約11w/w%、約12w/w%、約13w/w%、約14w/w%、又は約15重量%までの濃度である。
【0095】
本開示に有用なボタニカル材料として、制限なしで、これらの混合物を含めた、本明細書に記載の化合物及び供給源のいずれかを挙げることができる。この種類のある特定のボタニカル材料は、時には栄養補助食品、栄養補給食品、「植物化学作用物質」又は「機能性食品」と呼ばれる。ある特定のボタニカルは、ボタニカル材料又はボタニカル抽出物として、従来の薬草薬における使用が見出され、本明細書でさらに記載されている。植物又は植物由来の材料の非限定的例として、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ(Bacopa monniera)、バオバブ、バジル、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、チャイフー、カモミール、サクラの花、クロロフィル、シナモン、カンキツ、クローブ、ココア、ノムシタケ属(cordyceps)、クルクミン、ダミアナ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラータ(Dorstenia odorata)、エッセンシャルオイル、ユーカリ、フェンネル、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ショウガ、ギンコ・ビロバ(Ginkgo biloba)、ニンジン(例えば、パナックス・ジンセン(Panax ginseng))、緑茶、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、アサ、大麻、ホップ、ジャスミン、カエンフェリア・パルビフローラ(Kaempferia parviflora)(ウコン)、カバ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、甘草、ルテイン、マカ、マッチャ、ナルドスタキス・チネンシス(Nardostachys chinensis)、ビオラ・オドラータ(Viola odorata)の油ベースの抽出物、ペパーミント、ケルセチン、リスベラトロール、リゾマ・ガストロジアエ(Rhizoma gastrodiae)、ロディオラ(Rhodiola)、ルイボス(rooibos)、ローズエッセンシャルオイル、ローズマリー、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、チョウセンゴミシ、スカルキャップ、スペアミント抽出物、スパイクナード、テルペン、ハーブ茶、ターメリック、トゥルネラ・アフロディシアカ(Turnera aphrodisiaca)、バレリアン、クワ及びイェルバマテが挙げられる。
【0096】
一部の実施形態では、活性成分はレモンバームを含む。レモンバーム(メリッサ・オフィキナリス(Melissa officinalis))はミント(シソ科(Lamiaceae))と同じ科の穏やかなレモンのよい香りがする薬草である。薬草は欧州、北アフリカ及び西アジアを原産とする。レモンバームの茶、並びにエッセンシャルオイル及び抽出物は伝統的な薬及び代替薬として使用されている。一部の実施形態では、活性成分はレモンバーム抽出物を含む。一部の実施形態では、レモンバーム抽出物は、組成物の総重量に対して、約1~約4重量%の量で存在する。
【0097】
一部の実施形態では、活性成分はニンジンを含む。ニンジンはパナックス属(Panax)植物の根であり、独特なステロイドサポニン植物化学作用物質(ジンセノシド)及びジントニンの存在を特徴とする。ニンジンは、エネルギードリンク又は薬草茶及び伝統的な薬において栄養補助食品としての使用を見出している。栽培種として、チョウセンニンジン(P.ジンセン(P.Ginseng))、サンシチニンジン(P.ノトジンセン(P.notoginseng))及びアメリカニンジン(P.キンケフォリウス(P.quinquefolius))が挙げられる。アメリカニンジン及びチョウセンニンジンは存在する様々なジンセノシドの種類及び量が異なる。一部の実施形態では、ニンジンはアメリカニンジン又はチョウセンニンジンである。特定の実施形態では、活性成分はチョウセンニンジンを含む。一部の実施形態では、ニンジンは、組成物の総重量に対して、約0.4~約0.6重量%の量で存在する。
【0098】
刺激剤
一部の実施形態では、活性成分は1種以上の刺激剤を含む。本明細書で使用される場合、「刺激剤」という用語は、中枢神経系及び/又は身体の活性を増加させる、例えば、集中、認知、活力、気分、警戒などを増強する材料を指す。刺激剤の非限定的例として、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)はカフェインと構造的に関係しているプリンアルカロイドであり、刺激作用、鎮痛作用及び抗炎症作用を有する。存在する刺激剤は天然のものでも、自然に由来するものでも、又は完全に合成のものであってもよい。例えば、ある特定のボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えば、カフェイン又は関連アルカロイドの存在により刺激作用を有することができ、したがって「天然の」刺激剤である。「自然に由来する」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)は、その天然(例えば、ボタニカル)マトリックスの外側が精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)からの抽出及び精製により得ることができる。「完全に合成による」とは、刺激剤が化学合成により得られることを意味する。一部の実施形態では、活性成分はカフェインを含む。一部の実施形態では、カフェインは封入された形態で存在する。封入されたカフェインの1つの例は、Balchem Corp.、52 Sunrise Park Road、New Hampton、NY、10958から入手可能なVitashure(登録商標)である。
【0099】
存在する場合、刺激剤又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン及びこれらの組合せ)は通常、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%、約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、又は約0.9w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、約10w/w%、約11w/w%、約12w/w%、約13w/w%、約14w/w%、又は約15重量%までの濃度である。一部の実施形態では、組成物は、組成物の総重量に対して、約1.5~約6重量%の量のカフェインを含む。
【0100】
アミノ酸
一部の実施形態では、活性成分はアミノ酸を含む。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、アミン(-NH)及びカルボキシル(-COOH)又はスルホン酸(SOH)官能基を、各アミノ酸に特異的である側鎖(R基)と共に含有する有機化合物を指す。アミノ酸はタンパク質原性であっても、非タンパク質原性であってもよい。「タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に見出される20種の天然由来アミノ酸のうちの1種であることを意味する。タンパク質原性アミノ酸として、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンが挙げられる。「非タンパク質原性」とは、アミノ酸がタンパク質中に自然に見出されないか、細胞機構により直接生成されない(例えば、翻訳後修飾の生成物である)ことを意味する。非タンパク質原性アミノ酸の非限定的例として、γ-アミノ酪酸(GABA)、タウリン(2-アミノエタンスルホン酸)、テアニン(L-γ-グルタミルエチルアミド)、ヒドロキシプロリン及びβ-アラニンが挙げられる。一部の実施形態では、活性成分はテアニンを含む。一部の実施形態では、活性成分はGABAを含む。一部の実施形態では、活性成分はテアニンとGABAの組合せを含む。一部の実施形態では、活性成分はテアニン、GABA及びレモンバームの組合せである。一部の実施形態では、活性成分はカフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。一部の実施形態では、活性成分はタウリンを含む。一部の実施形態では、活性成分はカフェインとタウリンの組合せである。
【0101】
存在する場合、アミノ酸又はアミノ酸の組合せ(例えば、テアニン、GABA及びこれらの組合せ)は通常、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、又は約0.9w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、約10w/w%、約11w/w%、約12w/w%、約13w/w%、約14w/w%、又は約15重量%までの濃度である。
【0102】
ビタミン
一部の実施形態では、活性成分はビタミン又はビタミンの組合せを含む。本明細書で使用される場合、「ビタミン」という用語は、哺乳動物における代謝の適正な機能に必要とされる主要な微量栄養素である有機分子(又は関連する分子のセット)を指す。ヒトの代謝には13種のビタミンが必要とされ、これらは以下の通りである:ビタミンA(all-trans-レチノール、all-trans-レチニル-エステル、並びにall-trans-β-カロテン及び他のプロビタミンAカロチノイド)、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸又はフォレート)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール及びトコトリエノール)及びビタミンK(キノン)。一部の実施形態では、活性成分はビタミンCを含む。一部の実施形態では、活性成分はビタミンC、カフェイン及びタウリンの組合せである。
【0103】
存在する場合、ビタミン又はビタミンの組合せ(例えば、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンC、又はこれらの組合せ)は通常、組成物の総重量に対して、約0.01%w/w~約6重量%、例えば、約0.01w/w%、約0.02w/w%、約0.03w/w%、約0.04w/w%、約0.05w/w%、約0.06w/w%、約0.07w/w%、約0.08w/w%、約0.09w/w%、又は約0.1w/w%から、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、約0.9w/w%、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、又は約6重量%までの濃度である。
【0104】
抗酸化剤
一部の実施形態では、活性成分は1種以上の抗酸化剤を含む。本明細書で使用される場合、「抗酸化剤」という用語は、フリーラジカル反応を終結させることによって、酸化を防止又は抑制する物質を指し、一部の種類の細胞損傷を遅延又は防止することができる。抗酸化剤は天然由来でも、合成でもよい。天然由来の抗酸化剤として、食物及びボタニカル材料に見出されるものが挙げられる。抗酸化剤の非限定的例として、ある特定のボタニカル材料、ビタミン、ポリフェノール及びフェノール誘導体が挙げられる。
【0105】
抗酸化性特徴を伴うボタニカル材料の例として、制限なしで、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトーシード、アンズ油、バジル、ビーバーム、野生型ベルガモット、黒コショウ、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、カラマスルート、イヌハッカ、カツアバ、カイエンペッパー、チャガマッシュルーム、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、ジャガイモの皮、ブドウ種、ニンジン、イチョウ、セイヨウオトギリ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラックコホシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココア粉末、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、イブニングプリムローズ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカスの花、アマチャヅル、カバ、ラベンダー、甘草、ハナハッカ、オオアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、ビート根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤル、ペパーミント、赤色クローバ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリーセージ、セイボリー、スペアミント、スピルリナ、スリッペリーエルムバーク、ソルガムふすま高タンニン、ソルガム種子高タンニン、スマックふすま、ヒレハリソウの葉及び根、ゴジベリー、ゴツコーラ、タイム、ターメリック、ウバウルシ、バレリアン、野生型ヤムの根、ウィンターグリーン、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ、イェルバサンタ、バコパ・モニエラ、アシュワガンダ、ヤマブシタケ及びシリバム・マリアナム(silybum marianum)が挙げられる。このようなボタニカル材料は新鮮なまま又は乾燥させた形態、エッセンシャルオイルで提供されてもよいし、又は抽出物の形態であってもよい。ボタニカル材料(並びにこれらの抽出物)は、多くの場合、抗酸化作用をもたらすことが公知の様々なクラスの化合物、例えば、ミネラル、ビタミン、イソフラボン、フィトステロール(phytoesterols)、硫化アリル、ジチオールチオン、イソチオシアネート、インドール、リグナン、フラボノイド、ポリフェノール及びカロチノイドを含む。ボタニカル抽出物又は油に見出される化合物の例として、アスコルビン酸、ピーナッツ内果皮、リスベラトロール、スルフォラファン、β-カロテン、リコピン、ルテイン、コエンザイムQ、カルニチン、ケルセチン、ケンフェロールなどが挙げられる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Santhoshら、Phytomedicine、12巻(2005年)216~220頁を参照されたい。
【0106】
他の適切な抗酸化剤の非限定的例として、クエン酸、ビタミンE又はその誘導体、トコフェロール、エピカテコール、エピガロカテコール、没食子酸エピガロカテコール、エリソルビン酸、エリトルビン酸ナトリウム、4-ヘキシルレソルシノール、テアフラビン、テアフラビンモノガレートA又はB、テアフラビンジガレート、フェノール酸、グリコシド、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ヒペロシド、ポリフェノール、カテコール、リスベラトロール、オレウロペイン、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、第三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)及びこれらの組合せが挙げられる。
【0107】
存在する場合、抗酸化剤は通常、組成物の総重量に対して、約0.001%w/w~約10重量%、例えば、約0.001w/w%、約0.005w/w%、約0.01w/w%、約0.05w/w%、約0.1w/w%、又は約0.5w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、又は約10w/w%までの濃度である。
【0108】
ニコチン成分
ある特定の実施形態では、本開示のパウチ製品はニコチン酸化合物を挙げることができる。様々なニコチン酸の化合物及びこれらの投与のための方法は、参照により本明細書に組み込まれる、Borschkeの米国特許公開第2011/0274628号に記載されている。本明細書で使用される場合、「ニコチン酸化合物」又は「ニコチン供給源」とは多くの場合、植物材料から取った天然由来の又は合成ニコチン酸化合物を指し、これは、化合物が少なくとも部分的に精製され、植物構造、例えば、タバコの葉中に含有されていないことを意味する。最も好ましくは、ニコチンは天然由来であり、ニコチアナ属種(例えば、タバコ)から抽出物として得られる。ニコチンはエナンチオマー形態S(-)-ニコチン、R(+)-ニコチン、又はS(-)-ニコチンとR(+)-ニコチンの混合物を有することができる。最も好ましくは、ニコチンはS(-)-ニコチンの形態(例えば、実質的にはすべてS(-)-ニコチンである形態)又は主に若しくは大部分S(-)-ニコチン(例えば、約95重量部のS(-)-ニコチンと約5重量部のR(+)-ニコチンで構成される混合物)で構成されるラセミ混合物である。最も好ましくは、ニコチンは実質的に純粋な形態で又は本質的に純粋な形態で利用される。利用される極めて好ましいニコチンは、重量ベースで、約95パーセントより大きい、より好ましくは約98パーセントより大きい、最も好ましくはより大きい約99パーセントより大きい純度を有する。
【0109】
ある特定の実施形態では、ニコチン成分は、混合物中に、遊離塩基形態、塩形態で、複合体として、又は溶媒和物として含まれていてもよい。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の経口吸収をもたらすための、任意の適切な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。通常、ニコチン成分はニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、ニコチンは遊離塩基形態であり、例えば、微結晶性セルロース材料に簡単に吸着されて、微結晶性セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Hanssonの米国特許出願第2004/0191322号における遊離塩基形態のニコチンの考察を参照されたい。
【0110】
一部の実施形態では、ニコチンの少なくとも一部分は塩の形態で利用することができる。ニコチン塩は、参照により本明細書に組み込まれる、Coxらの米国特許第2,033,909号及びPerfetti、Beitrage Tabakforschung Int.、12巻:43~54頁(1983年)に記載の種類の成分及び技術を使用して提供することができる。さらに、ニコチンの塩は、例えば、Pfaltz and Bauer、Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals、Inc.などの供給源から入手可能である。通常、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、ジヒドロクロリド、モノ酒石酸塩、酒石酸水素塩、硫酸塩、サリチル酸塩及び塩化亜鉛ニコチンからなる群から選択される。一部の実施形態では、ニコチン成分又はその一部分は、1種以上の有機酸とのニコチン塩である。
【0111】
一部の実施形態では、ニコチンの少なくとも一部分はニコチンの樹脂複合体の形態であることができ、ニコチンは、イオン交換樹脂に結合している、例えば、ニコチンポラクリレックスであり、これは、例えば、ポリメタクリル酸(polymethacrilic)に結合しているニコチン、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR、又はDoshion P551である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lichtneckertらの米国特許第3,901,248号を参照されたい。別の例は、ニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体、例えば、Carbopol 974Pのものである。一部の実施形態では、ニコチンはニコチンポリアクリル複合体の形態で存在することができる。
【0112】
通常、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、混合物の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約10%の範囲の濃度である。一部の実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、混合物の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、又は約0.9w/w%から、約1w/w%、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、又は約10重量%までの濃度で存在する。一部の実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、混合物の総重量に対して、約0.1%w/w~約3重量%、例えば、約0.1%w/w~約2.5%、約0.1w/w%~約2.0w/w%,約0.1w/w%~約1.5w/w%、又は約0.1w/w%~約1重量%の濃度で存在する。これらの範囲はまた、本明細書で指摘された他の活性成分にも適用することができる。
【0113】
一部の実施形態では、本開示の製品又は組成物は、任意のニコチン成分を含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書で開示されている任意の実施形態はいかなるニコチン成分も完全に又は実質的に含まなくてもよい)。「実質的に含まない」とは、例えば、ボタニカル材料中に自然に存在し得る微量を超えて、いかなるニコチンも意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算された0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満のニコチン、又はさらに0重量%未満のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0114】
一部の実施形態では、活性成分はニコチン成分を含む(例えば、本明細書で開示されている任意の活性成分又は活性成分の組合せを含むことに加えて、本開示の任意の生成物又は組成物はニコチン成分をさらに含むことができる)。
【0115】
カンナビノイド
一部の実施形態では、活性成分は1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される場合、「カンナビノイド」という用語は、カンナビノイド受容体に作用するクラスの多様な化学化合物を指し、脳内の神経伝達物質放出を変化させる、細胞内の内在性カンナビノイド系としてもまた公知である。これらの受容体タンパク質に対するリガンドとして、動物により体内で自然に生成される内在性カンナビノイド;アサに見出される植物性カンナビノイド;及び人為的に製造される合成カンナビノイドが挙げられる。アサに見出されるカンナビノイドとして、制限なしで以下が挙げられる:カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、トラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビノトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)。ある特定の実施形態では、カンナビノイドは、アサにおける主要な精神活性化合物であるテトラヒドロカンナビノール(THC)、及びアサの別の主要成分であるカンナビジオール(CBD)から選択されるが、これらは精神作用を含まない。上記化合物のすべては、植物材料からの分離物又は合成的に誘導された形態で使用することができる。
【0116】
代わりに、活性成分は、大麻類似物であることができ、これは、カンナビノイドに類似した、内在性カンナビノイド系に対した生物学的作用を有する、アサ以外の植物由来のクラスの化合物である。例として、ヤンゴニン、アルファ-アミリン又はベータ-アミリン(またテルペンとも分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。
【0117】
存在する場合、カンナビノイド(例えば、CBD)又は大麻類似物は通常、組成物の総重量に対して、組成物の少なくとも約0.1重量%の濃度、例えば、約0.1重量%~約30重量%の範囲、例えば、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、又は約30重量%までの濃度である。
【0118】
テルペン
本開示における使用に適した活性成分はまたテルペンとして分類することができ、このうちの多くは生物学的作用、例えば、沈静作用を伴う。テルペンは、一般式(Cを有すると考えられ、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンを含む。テルペンは非環式、単環式又は二環式の構造であることができる。一部のテルペンは、カンナビノイド又は大麻類似物と組み合わせて使用された場合、アントラージュ効果を提供する。例として、ベータ-カリオフィレン、リナロール、リモネン、ベータ-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(アルファ又はベータ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、ベータ-ブルボネン及びゲルマクレンが挙げられ、これらは個々に又は組み合わせて使用することができる。
【0119】
医薬品成分
一部の実施形態では、活性成分は活性医薬成分(API)を含む。APIは、治療用、予防用、又は診断用の使用に適応した任意の公知の薬剤であることができる。これらは、例えば、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、リン脂質、無機化合物(例えば、マグネシウム、セレン、亜鉛、硝酸塩)、神経伝達物質又はその前駆体(例えば、セロトニン、5-ヒドロキシトリプトファン、オキシトリプタン、アセチルコリン、ドーパミン、メラトニン)及び核酸配列を含むことができ、これらは治療的、予防的、又は診断用活性を有する。APIの非限定的例として、鎮痛剤及び解熱剤(例えば、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、3-(4-イソブチルフェニル)プロパン酸)、ホスファチジルセリン、ミオイノシトール、ドコサヘキサエン酸(DHA、オメガ-3)、アラキドン酸(AA、オメガ-6)、S-アデノシルメチオニン(SAM)、ベータ-ヒドロキシ-ベータ-メチルブチレート(HMB)、シチコリン(シチジン-5’-ジホスフェート-コリン)及びコチニンが挙げられる。一部の実施形態では、活性成分はシチコリンを含む。一部の実施形態では、活性成分はシチコリン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。一部の実施形態では、活性成分はヒマワリレシチンを含む。一部の実施形態では、活性成分はヒマワリレシチン、カフェイン、テアニン及びニンジンの組合せである。
【0120】
APIの量は異なってもよい。例えば、存在する場合、APIは通常、組成物の総重量に対して、約0.001%w/w~約10w/w%、例えば、約0.01w/w%、約0.02w/w%、約0.03w/w%、約0.04w/w%、約0.05w/w%、約0.06w/w%、約0.07w/w%、約0.08w/w%、約0.09w/w%、約0.1%w/w、約0.2w/w%、約0.3w/w%、約0.4w/w%、約0.5w/w%約0.6w/w%、約0.7w/w%、約0.8w/w%、約0.9w/w%、又は約1w/w%から、約2w/w%、約3w/w%、約4w/w%、約5w/w%、約6w/w%、約7w/w%、約8w/w%、約9w/w%、又は約10重量%までの濃度である。
【0121】
一部の実施形態では、組成物は実質的にいかなるAPIも含まない。「実質的にいかなるAPIも含まない」とは、組成物は、本明細書で定義された任意のAPI、例えば、任意の医学的状態を治療することを意図した、任意の食品医薬品局(FDA)承認治療剤の存在を含有せず、特異的に排除することを意味する。
【0122】
タバコ材料
一部の実施形態では、混合物はタバコ材料を含むことができる。タバコ材料は種、種類、及び形態が異なってもよい。一般的に、タバコ材料は、ニコチアナ属種の収穫された植物から得る。例示的ニコチアナ属種として、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスチカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレントシ(N.arentsii)、N.エクセルシオール(N.excelsior)、N.フォルゲティアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノーザ(N.glutinosa)、N.ゴッセイ(N.gossei)、N.カワカミ(N.kawakamii)、N.ナイチアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、N.オトホラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルベストリス(N.sylvestris)、N.トメントサ(N.tomentosa)、N.トメントシホルミス(N.tomentosiformis)、N.アンドゥラタ(N.undulata)、N.xサンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカーナ(N.africana)、N.アムプレキシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフロラ(N.longiflora)、N.マリチナ(N.maritina)、N.メガロシホン(N.megalosiphon)、N.オシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プルムバギニフォリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンジ(N.raimondii)、N.ロスラタ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストクトニ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラチカ(N.umbratica)、N.ベルチナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテヌアタ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランジ(N.clevelandii)、N.コルジフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシ(N.miersii)、N.ヌジカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オシデンタリス亜種へスぺリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリバルビス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンジフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)及びN.スペガジニ(N.spegazzinii)が挙げられる。ニコチアナ属種の様々な代表的な他の種類の植物が、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Goodspeed、The Genus Nicotiana、(Chonica Botanica)(1954年);Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号、Lawsonらの米国特許第7,025,066号;Lawrence,Jr.の米国特許第7,798,153号及びMarshallらの米国特許第8,186,360号に記載されている。様々な種類のタバコ、栽培の実施及び収穫の実施の説明が、参照により本明細書に組み込まれる、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。
【0123】
適切なタバコ材料を得ることができるニコチアナ属種は、遺伝的改変又は交配育種技術を使用して誘導することができる(例えば、タバコ植物は、遺伝子操作又は異種交配して、構成成分、特徴又は特質の生成を増加又は低減することができる)。例えば、Fitzmauriceらの米国特許第5,539,093号;Wahabらの米国特許第5,668,295号;Fitzmauriceらの米国特許第5,705,624号;Weiglの米国特許第5,844,119号;Dominguezらの米国特許第6,730,832号;Liuらの米国特許第7,173,170号;Colliverらの米国特許第7,208,659号及びBenningらの米国特許第7,230,160号;Conklingらの米国特許出願公開第2006/0236434号;並びにNielsenらのPCT WO2008/103935に記載の植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Sensabaugh,Jr.らの米国特許第4,660,577号;Whiteらの米国特許第5,387,416号;及びDominguezらの米国特許第6,730,832号に記載の種類のタバコも参照されたい。
【0124】
一部の実施形態では、ニコチアナ属種は、その中に存在する様々な化合物の含有量に対して選択することができる。例えば、植物は、単離を希望する1種以上の化合物を比較的多量に生成するような植物であることに基づき選択することができる。ある特定の実施形態では、ニコチアナ属種の植物(例えば、ガルパオコムンタバコ)は、これらの葉面化合物が豊富なことから特別に栽培されている。タバコ植物は、温室、生育チャンバー、又は屋外のフィールドで栽培することができ、又は水耕栽培することができる。
【0125】
ニコチアナ属種の植物の様々な部分又は一部分が、本明細書で開示されている混合物内に含まれていてもよい。例えば、実質的には植物のすべて(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま利用することができる。代わりに、植物の様々な部分又は小片は、収穫する、又は収穫後のさらなる使用のために分離することもできる。例えば、花、葉、茎、幹、根、種子及び様々なこれらの組合せは、さらなる使用又は処理のために単離することができる。一部の実施形態では、タバコ材料はタバコ葉(葉身)を含む。本明細書で開示されている混合物は、加工したタバコ部分若しくは小片、本質的に天然葉身及び/又は茎の形態で乾燥加工し、熟成させたタバコ、タバコ抽出物、抽出タバコパルプ(例えば、水を溶媒として使用)、又は前述の混合物(例えば、抽出タバコパルプを顆粒化し、乾燥加工して、熟成させた天然のタバコ葉身と合わせた混合物)を挙げることができる。
【0126】
ある特定の実施形態では、タバコ材料は、葉身及び茎からなる群から選択される固形タバコ材料を含む。混合物に使用されるタバコは、最も好ましくは、タバコ葉身、又はタバコ葉身と茎の混合物(このうち少なくとも一部分は煤煙処理している)が挙げられる。混合物内のタバコの一部分は加工した形態、例えば、加工タバコ茎(例えば、切断圧延茎、切断圧延拡張茎又は切断パフ茎)、又は体積膨張タバコ(例えば、パフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))を有してもよい。例えば、すべてが参照により組み込まれているde la Burdeらの米国特許第4,340,073号;Guyらの米国特許第5,259,403号;並びにPoindexterらの米国特許第5,908,032号;及びPoindexterらの米国特許第7,556,047号に記載のタバコ膨張加工を参照されたい。加えて、混合物は任意選択的に発酵性であるタバコを組み込んでもよい。参照により本明細書に組み込まれる、AtchleyらのPCT WO2005/063060に記載のタバコ加工技術の種類を参照されたい。
【0127】
タバコ材料は通常、粒状と記載することができる形態(すなわち、細断、製粉、顆粒化、又は粉末形態)で使用されている。タバコ材料が微細に分割された又は粉末形態のタイプで提供される方式は異なり得る。好ましくは、植物部分又は小片は、製粉、ミリングなどに対する装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化されて粒状形態となる。最も好ましくは、植物材料は、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量パーセント未満又は約5重量パーセント未満である場合、製粉又はミリングすることができる。最も好ましくは、タバコ材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの間の平均粒径を有する部分又は小片の形態で利用される。ある場合には、タバコ粒子は、必要とされる粒径範囲を得るため、スクリーンメッシュの通過サイズにすることができる。所望する場合、空気分級装置を使用して、所望のサイズ、又はサイズ範囲の、小さなサイズのタバコ粒子を確実に収集することができる。所望する場合、顆粒化タバコの異なるサイズの小片を一緒に混合することができる。
【0128】
タバコが微細に分割された又は粉末タイプの形態で提供される方式は異なってもよい。好ましくは、タバコ部分又は小片は、製粉、ミリングなどのための装置及び技術を使用して、粉末化、製粉、又は微粉化され、粉末タイプの形態にする。最も好ましくは、タバコは、ハンマーミル、カッターヘッド、空気制御ミルなどの装置を使用して製粉又はミリングしている間、比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部分又は小片は、その含水量が約15重量パーセント未満~約5重量パーセント未満である場合、製粉又はミリングすることができる。例えば、タバコ植物又はその一部分は、個々の部分又は小片へと分離することができる(例えば、葉は茎から除去することができ、並びに/又は茎及び葉は幹から除去することができる)。収穫された植物又は個々の部分又は小片は、部分又は小片へとさらに細分することができる(例えば、葉は、細断、切断、粉末化、微粉化、ミリング、又は製粉して、小片又は部分にすることができ、これら小片又は部分はフィラータイプ小片、顆粒、粒状又は微細な粉末であることを特徴とし得る)。植物、又はその部分は、外部の力又は圧力に供することができる(例えば、圧縮又はロール処理により)。このような加工条件を実行する場合、植物若しくはその一部分はその天然含水量に近似する含水量(例えば、収穫直後のその含水量)、水分を植物若しくはその一部分に添加することにより達成される含水量、又は植物若しくはその一部分の乾燥から得られる含水量を有することができる。例えば、粉末化、微粉化、製粉又はミリングした植物の小片又はその一部分は、約25重量パーセント未満、多くの場合約20重量パーセント未満、及び頻繁には約15重量パーセント未満の含水量を有することができる。
【0129】
口腔用製品の調製のため、ニコチアナ属種の収穫された植物を乾燥加工化プロセスに供することが通常である。本明細書で開示されている製品内への包含用の混合物内に組み込まれるタバコ材料は、適切に乾燥加工した、及び/又は熟成したものである。様々な種類のタバコに対する様々な種類の乾燥加工プロセスの説明が、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999年)に記載されている。熱風乾燥したタバコを乾燥加工するための技術及び条件の例が、参照により本明細書に組み込まれる、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.、20巻、467~475頁(2003年)及びPeeleの米国特許第6,895,974号に記載されている。タバコを空気乾燥加工するための代表的な技術及び条件が、参照により本明細書に組み込まれる、Grovesらの米国特許第7,650,892号;Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、305~320頁(2005年)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、321~330頁(2005年)に記載されている。ある特定の種類のタバコは、代替の種類の乾燥加工プロセス、例えば、直火煙乾燥又は日光乾燥に供することもできる。
【0130】
ある特定の実施形態では、利用することができるタバコ材料として、熱風乾燥した又はバージニア(例えば、K326)、バーレー種、日光乾燥したもの(例えば、インディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ、これにはカテリニ、プレリップ、コモティニ、クサンティ及びヤンボルタバコが含まれる)、メリーランド、ダーク、ダークファイアード、ダーク空気乾燥(例えば、マドール、パサンダ、クバーノ、ジャティン及びベズキタバコ)、ライト空気乾燥(例えば、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコ)、インディアン空気乾燥、レッドロシアン及びルスチカタバコ、並びに様々な他の稀な又は専門タバコ及び前述のタバコのいずれかの様々なブレンドが挙げられる。
【0131】
タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態を有することができる。例えば、タバコ材料は、熱風乾燥、バーレー種(例えば、マラウイバーレー種タバコ)及びオリエンタルタバコの部分又は小片の混合物を含むことができる(例えば、タバコ葉身、又はタバコ葉身とタバコ茎の混合物で構成される、又はこれら由来のタバコ)。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量ベースで、約30~約70部のバーレー種タバコ(例えば、葉身、又は葉身及び茎)、及び約30~約70部の熱風乾燥タバコ(例えば、茎、葉身、又は葉身及び茎)を組み込むことができる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約75部の熱風乾燥タバコ、約15部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約25部のバーレー種タバコ、及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の熱風乾燥タバコ、約10部のバーレー種タバコ、及び約25部のオリエンタルタバコを組み込んでいる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約20~約30部のオリエンタルタバコ及び約70~約80部の熱風乾燥タバコを組み込んでいる。
【0132】
本開示において使用されているタバコ材料は、例えば、発酵、漂白などに供することができる。所望する場合、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌、又はさもなければ制御された加熱処理に供することもできる。このような処理プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許第8,061,362号に詳述されている。ある特定の実施形態では、タバコ材料は、水で、及びタバコ材料の加熱時にアクリルアミドを形成するアスパラギンの反応を阻害することが可能な添加剤(例えば、リシン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価のカチオンを組み込んでいる組成物、アスパラギナーゼ、ある特定の非還元性糖類、ある特定の還元剤、フェノール系化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有するある特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然の植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)、並びにこれらの組合せからなる群から選択される添加剤)で処理することができる。例えば、すべて参照により本明細書に組み込まれる、Chenらの米国特許公開第8,434,496号、米国特許公開第8,944,072号及び米国特許公開第8,991,403号に記載されているタイプの処理プロセスを参照されたい。ある特定の実施形態では、このタイプの処理は、以前に記述されたプロセスにおいて元のタバコ材料を加熱に供する場合有用である。
【0133】
一部の実施形態では、タバコ材料の種類は、最初に目視により他のタバコ材料よりも色がある程度薄いものが選択される(例えば、白色化又は漂白されている)。ある特定の実施形態では、タバコパルプは、当技術分野で公知の任意の手段により白色化することができる。例えば、様々な漂白剤又は酸化剤及び酸化触媒を使用して様々な白色化方法により生成された漂白タバコ材料を使用することができる。例示的酸化剤として、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びこれらの組合せが挙げられる。例示的酸化触媒は二酸化チタン、二酸化マンガン及びこれらの組合せである。漂白剤を用いてタバコを処理するためのプロセスは、例えば、すべて本明細書に参照により組み込まれている、Daniels,Jr.の米国特許第787,611号;Oelenheinzの米国特許第1,086,306号;Dellingの米国特許第1,437,095号;Rosenhochの米国特許第1,757,477号;Hawkinsonの米国特許第2,122,421号;Baierの米国特許第2,148,147号;Baierの米国特許第2,170,107号;Baierの米国特許第2,274,649号;Pratsらの米国特許第2,770,239号;Rosenの米国特許第3,612,065号;Rosenの米国特許第3,851,653号;Rosenの米国特許第3,889,689号;Minamiの米国特許第3,943,940号;Rosenの米国特許第3,943,945号;Rainerの米国特許第4,143,666号;Campbellの米国特許第4,194,514号;Rainerらの米国特許第4,366,823号、米国特許第4,366,824号及び米国特許第4,388,933号;Schmekelらの米国特許第4,641,667号;Bergerの米国特許第5,713,376号;Byrd Jr.らの米国特許第9,339,058号;Beesonらの米国特許第9,420,825号;並びにByrd Jr.らの米国特許第9,950,858号;並びにBjorkholmらの米国特許出願公開第2012/0067361号;Crooksの米国特許出願公開第2016/0073686号;Bjorkholmの米国特許出願公開第2017/0020183号;及びBjorkholmの米国特許出願公開第2017/0112183号、並びにGiolvasのPCT公開出願第WO1996/031255号及びBjorkholmのPCT公開出願第WO2018/083114号において論じられている。
【0134】
一部の実施形態では、白色化タバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%のISO白色度を有することができる。一部の実施形態では、白色化タバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%、又は約60%~約70%の範囲のISO白色度を有することができる。ISO白色度は、ISO3688:1999又はISO2470-1:2016に従い測定することができる。
【0135】
一部の実施形態では、白色化タバコ材料は、未処理のタバコ材料と比較して、明色化した色を特徴とすることができる(例えば、「白色化」)。白色の色は多くの場合国際照明委員会(International Commission on Illumination(CIE))の色度図を参照して定義される。ある特定の実施形態では、白色化タバコ材料は、色度図上で未処理のタバコ材料よりも純粋な白色により近いことを特徴とすることができる。
【0136】
様々な実施形態では、タバコ材料は、処理して、タバコ材料の溶解性構成成分をそれから抽出することができる。「タバコ抽出物」は本明細書で使用される場合、抽出プロセスでタバコ材料と接触させる溶媒により、固形のタバコパルプから抽出されるタバコ材料の単離した構成成分を指す。タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固形材料を得ることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640に記載されている抽出プロセスを参照されたい。タバコの構成成分を抽出するための他の例示的技術は、すべてが参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号;Osborne,Jr.らの米国特許第4,150,677号;Reidの米国特許第4,267,847号;Wildmanらの米国特許第4,289,147号;Brummerらの米国特許第4,351,346号;Brummerらの米国特許第4,359,059号;Mullerの米国特許第4,506,682号;Keritsisの米国特許第4,589,428号;Sogaらの米国特許第4,605,016号;Pouloseらの米国特許第4,716,911号;Niven,Jr.らの米国特許第4,727,889号;Bernasekらの米国特許第4,887,618号;Clappらの米国特許第4,941,484号;Faggらの米国特許第4,967,771号;Robertsらの米国特許第4,986,286号;Faggらの米国特許第5,005,593号;Grubbsらの米国特許第5,018,540号;Whiteらの米国特許第5,060,669号;Faggの米国特許第5,065,775号;Whiteらの米国特許第5,074,319号;Whiteらの米国特許第5,099,862号;Whiteらの米国特許第5,121,757号;Faggの米国特許第5,131,414号;Munozらの米国特許第5,131,415号;Faggの米国特許第5,148,819号;Kramerの米国特許第5,197,494号;Smithらの米国特許第5,230,354号;Faggの米国特許第5,234,008号;Smithの米国特許第5,243,999号;Raymondらの米国特許第5,301,694号;Gonzalez-Parraらの米国特許第5,318,050号;Teagueの米国特許第5,343,879号;Newtonの米国特許第5,360,022号;Clappらの米国特許第5,435,325号;Brinkleyらの米国特許第5,445,169号;Lauterbachの米国特許第6,131,584号;Kierulffらの米国特許第6,298,859号;Muaらの米国特許第6,772,767号;及びThompsonの米国特許第7,337,782号に記載されている。
【0137】
タバコ材料に対する典型的な包含範囲は、タバコ材料の性質及び種類、並びに最終混合物に対して意図する作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、混合物の総重量に対して、約30重量%まで(又は約20重量%まで、又は約10重量%まで、又は約5重量%まで)(例えば、約0.1~約15重量%)である。
【0138】
一部の実施形態では、本開示の製品は、タバコ材料を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(活性成分としての精製ニコチン以外)。例えば、ある特定の実施形態は、1重量%未満、又は0.5重量%未満、又は0.1重量%未満のタバコ材料、又は0重量%のタバコ材料を有することを特徴とすることができる。
【0139】
他の添加剤
他の添加剤が開示された混合物の中に含まれてもよい。例えば、混合物は、他の材料又は成分を用いて、加工、ブレンド、製剤化、組み合わせ及び/又は混合することができる。添加剤は人工のものであってもよいし、又は薬草若しくは生物源から得られるもの若しくはこれら由来のものでもよい。さらなる種類の添加剤の例として、増粘剤若しくはゲル化剤(例えば、魚ゼラチン)、乳化剤、オラルケア添加剤(例えば、タイム油、ユーカリ油及び亜鉛)、保存剤(例えば、ソルビン酸カリウムなど)、水溶性の高い組成物に対しては比較的水溶性であるために選択される亜鉛塩若しくはマグネシウム塩(例えば、グルコン酸マグネシウム又はグルコン酸亜鉛)又は水溶性の低い組成物に対しては比較的不水溶性であるために選択される亜鉛塩若しくはマグネシウム塩(例えば、酸化マグネシウム又は酸化亜鉛)、崩壊助剤、又はこれらの組合せが挙げられる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Muaらの米国特許第9,237,769号、Holton,Jr.らの米国特許第7,861,728号、Gaoらの米国特許出願公開第2010/0291245号及びHolton,Jr.らの米国特許出願公開第2007/0062549号に記載されているような、代表的な構成成分、構成成分の組合せ、それら構成成分の相対量、並びにこれら構成成分を利用するための方式及び方法を参照されたい。このような追加の添加剤に対する典型的な包含範囲は、添加剤の性質及び機能並びに最終混合物に対して意図された作用に応じて異なってもよく、例示的範囲は、混合物の総重量に対して、約10重量%までである(例えば、約0.1~約5重量%)。
【0140】
上述の添加剤は一緒に(例えば、添加剤配合物として)又は別々に利用することができる(例えば、個々の添加剤成分は最終混合物の調製に関与している異なる段階において添加することができる)。さらに、上述の種類の添加剤は、最終生成物又は混合物で提供される場合、封入されていてもよい。例示的封入添加剤は、例えば、本明細書に以前に参照により組み込まれている、AtchleyのWO2010/132444に記載されている。
【0141】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているフィラー成分、タバコ材料及び全体的な口腔用製品のうちのいずれか1種以上は、粒状材料と記載することができる。本明細書で使用される場合、「粒状」という用語は複数の個々の粒子の形態の材料を指し、このうちの一部は複数の粒子の凝集の形態であることができ、粒子は、2:1未満、例えば、1.5:1未満、例えば、約1:1未満の平均長の幅に対する比を有する。様々な実施形態では、粒状材料の粒子は実質的に球状又は顆粒状であると記載することができる。
【0142】
粒状材料の粒径はふるい分折で測定することができる。当業者であれば容易に認識しているように、ふるい分折(他にはグラデーション試験としても公知)は、粒状材料の粒径分布を測定するために使用される方法である。通常、ふるい分折は入れ子になったふるいのカラムを含み、ふるいは好ましくはワイヤ製網布の形態のスクリーンを含む。予め秤量した試料をカラム内の上側又は上端のふるいに導入することができ、この上側又は上端に最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズ(すなわちふるいの最も大きな細孔直径)がある。カラム内でより下にある各ふるいは、上部のふるいよりも、スクリーン開口又はメッシュサイズが次第に小さくなる。通常、ふるいのカラムの底部にはレシーバー部分があり、このレシーバー部分で、カラム内の底部又は1番下のふるいのスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズ(スクリーン開口又はメッシュサイズが最も小さい)よりも小さな粒径を有するあらゆる粒子を収集する。
【0143】
一部の実施形態では、ふるいのカラムは、機械的撹拌機の上又は中に配置することができる。撹拌機は、カラム内のふるいのそれぞれの振動を起こす。機械的撹拌機は、予め決定された期間の間稼働させることにより、すべての粒子が確実に正しいふるいに収集されるようにすることができる。一部の実施形態では、ふるいのカラムは0.5分間~10分間、例えば、1分間~10分間、例えば、1分間~5分間、例えば、およそ3分間の期間の間撹拌する。カラム内のふるいの撹拌が完了したら、各ふるい上に収集された材料を秤量する。次いで、各ふるい上の各試料の重量を総重量で割って、各ふるい上に保持された質量のパーセンテージを得る。当業者であれば、ふるい分折に対して使用されるカラム内の各ふるいに対するスクリーン開口サイズ又はメッシュサイズは、分析する試料の粒度又は公知の最大/最小粒径に基づき選択することができることを容易に認識している。一部の実施形態では、ふるいのカラムはふるい分折に使用することができ、カラムは2~20個のふるい、例えば、5~15個のふるいを含む。一部の実施形態では、ふるいのカラムは、ふるい分折に使用することができ、カラムは10個のふるいを含む。一部の実施形態では、ふるい分折に対して使用されるふるいの最も大きなスクリーン開口又はメッシュサイズは、1000μm、例えば、500μm、例えば、400μm、例えば、300μmであってよい。
【0144】
一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料(例えば、フィラー成分、タバコ材料及び全体的な口腔用製品)は、少なくとも50重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有することを特徴とすることができる。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも60重量%の粒子が約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも70重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも80重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも90重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも95重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも99重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料のおよそ100重量%の粒子が、約1000μm以下、例えば、約500μm以下、例えば、約400μm以下、例えば、約350μm以下、例えば、約300μm以下の粒径を有する。
【0145】
一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約0.01μm~約1000μm、例えば、約0.05μm~約750μm、例えば、約0.1μm~約500μm、例えば、約0.25μm~約500μmの粒径を有する。一部の実施形態では、ふるい分折で測定した場合、本明細書で参照されたあらゆる粒状材料の少なくとも50重量%、例えば、少なくとも60重量%、例えば、少なくとも70重量%、例えば、少なくとも80重量%、例えば、少なくとも90重量%、例えば、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも99重量%の粒子が、約10μm~約400μm、例えば、約50μm~約350μm、例えば、約100μm~約350μm、例えば、約200μm~約300μmの粒径を有する。ある特定の実施形態では、粒状材料の粒子は、約200μm~約3mmの範囲のサイズ、例えば、約200μm~約300μm又は約1mm~約3mmの範囲のサイズを有することができる。
【0146】
混合物の調製
混合物の様々な構成成分が組み合わせられる方式は異なってもよい。よって、様々な構成成分と、例えば、粉末化混合物構成成分との全体的な混合物は、比較的均一な性質であることができる。上述の構成成分は、液体又は乾燥固体形態であってもよく、混合物の任意の残留構成成分との混合前の前処理ステップにおいて混和することもできるし、又は単にすべての他の液体又は乾燥成分と一緒に混合することもできる。混合物の様々な構成成分は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は装置を使用して、一緒に接触させる、組み合わせる、又は混合することができる。混合物成分を密接に接触させる任意の混合方法、例えば、インペラ又は他の撹拌可能な構造を特徴とする混合装置を使用することができる。混合装置の例として、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体スプレー装置、コニカル-タイプブレンダー、リボンブレンダー、Littleford Day、Inc.から入手可能なFKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000のミキサー、Plough Shareタイプのミキサーシリンダー、Hobartミキサーなどが挙げられる。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsらの米国特許第6,834,654号に記載されている方法の種類も参照されたい。一部の実施形態では、混合物を形成する構成成分は、混合物を形成するためのデンプン成型プロセスにその混合物を使用できるように調製される。混合物を配合するための方式及び方法は当業者には明らかである。例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、Solomonらの米国特許第4,148,325号;Korteらの米国特許第6,510,855号;及びWilliamsの米国特許第6,834,654号、Ridgwayらの米国特許第4,725,440号及びBolderらの米国特許第6,077,524号に記載されている方法の種類を参照されたい。
【0147】
ある特定の実施形態では、パウチ製品内の組成物は、ロゼンジ剤又はパステル剤タイプの組成物を含むことができ、次いでこの組成物はフリース材料への挿入前に製粉する。ロゼンジ剤/パステル剤製品を製剤化及び製造するための使用される方式及び方法は異なってもよい。例えば、組成物は、ハード糖剤の調製に対して一般的に使用されている任意の方法を介して調製することができる。硬質な糖剤の調製に対する例示的な方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、LFRA Ingredients Handbook、Sweeteners、Janet M.Dalzell編、Leatherhead Food RA(1996年12月)、21~44頁に見出すことができる。その全体が本明細書に参照により組み込まれている、Holton Jr.らの米国特許公開第2018/0228204号も参照されたい。
【0148】
通常、成分の第1の混合物が調製される。成分の第1の混合物の組成は異なってもよい。しかし、第1の混合物は通常糖代替物を含み、様々な追加の物質(例えば、糖アルコールシロップ、NaCl、保存剤、さらに甘味剤、水及び/又は香味剤)を含有することができる。ある特定の実施形態では、第1の混合物は糖代替物、塩及びバニリンを含む。他の実施形態では、第1の混合物は糖代替物及び糖アルコールシロップを含む。通常、成分の第1の混合物は活性成分を含有しない。
【0149】
成分の第1の混合物は、溶融するまで加熱し、続いて、混合物は、ハードクラック段階まで、又はこれを通り越すまで加熱する。糖剤類の作製において、ハードクラック段階とは、加熱した混合物のスレッド(親指と人差し指の間で冷却したシロップの試料を引き上げることにより得られる)が壊れやすい温度、又はシロップを型に入れるようとすると、結果としてクラッキングが生じる温度と定義される。本開示によると、生成物の混合物の特定の組成に応じて、ハードクラック段階が達成される温度は異なってもよいが、一般的に約145℃~約170℃の間である。通常、混合物は約171℃より上には加熱しない。この温度でカラメル化が生じる始めるからである。本開示のプロセスでは、混合物は通常ハードクラック段階の温度又はその上まで加熱し、次いで冷却させる。加熱は大気圧又は真空下で行うことができる。通常、本開示の方法は大気圧で行われる。
【0150】
一つの例示的実施形態では、成分の第1の混合物は高いパーセンテージのイソマルトを含み、混合物は約143℃に加熱する。すべての構成成分が溶解したら、ハードクラック段階(例えば、約166℃まで)を通り越して温度を上昇させる。混合物はこの温度まで加熱し、次いで熱源から外し、混合物を冷却させる。
【0151】
ある特定の実施形態では、活性成分及び、任意選択的に、上に記載されているような追加の構成成分(例えば、追加の甘味剤、フィラー、着香剤及び水)は別々に組み合わせる。活性成分含有混合物は通常、成分の第1の混合物を熱源から外した後で、成分の第1の混合に添加する。一部の実施形態では、活性成分含有混合物の添加は、成分の加熱した第1の混合物が既定の温度に(例えば、ある特定の実施形態では、約132℃に)冷却された後のみ生じ得る。ある特定の実施形態では、1種以上の着香剤は、混合物を成分の加熱した第1の混合物に添加する直前に、活性成分含有混合物に添加する。ある特定の着香剤は揮発性であり、よって好ましくは混合物がいくらか冷却された後で添加する。
【0152】
次いで、合わせた混合物は、所望の形状へと形成される。ある特定の実施形態では、混合物は、直接型に注入し、所望の形状へと形成される(例えば、ロール又はプレス加工される)、又は押出し加工される。所望する場合、混合物は、押出し成型又は射出成型することができる。ある特定の実施形態では、混合物は、封入されたシステム内で、形成され、又は型へと押し出されて所望の形状となるが、これは温度の低減を必要とすることがあり、ある特定の混合物の構成成分の蒸発を制限し得る。例えば、このようなシステムは、これらに限定されないが、着香剤を含めた、揮発性成分の蒸発を制限し得る。口腔用製品(例えば、ロゼンジ剤)を生成する他の方法も本明細書で包含されることが意図されている。
【0153】
口腔用に摂取可能な製品が形成されると、次いで製品は、本明細書に記載されているパウチ製品への挿入に適した、口内で溶解可能である組成物へと製粉することができる。一部の実施形態では、製品は、粒状形態で提供されてもよく、様々な平均粒子サイズを有してもよい。例えば、粒径は、約0.01mm~約20mmの範囲であってよい。一部の実施形態では、粒径は約0.01mm~約5mm、約0.1mm~約5mm又は約0.5mm~約4mmであってよい。一部の実施形態では、粒径は約1mm~約20mm、約2mm~約15mm又は約2mm~約10mmであってよい。
パウチ製品を作製する方法
様々な製造装置及び方法は、本明細書に記載されているパウチ製品を作り出すために使用することができる。例えば、その全体が以前に参照により組み込まれているNovak、IIIらの米国公開第2012/0055493号は、無煙タバコ製品の製造における使用のために、管状に形成されるパウチ材料を提供するための装置及びプロセスに関する。パウチ材料の連続供給を供給するための装置を組み込む類似の装置(例えば、パウチ材料から連続的管状部材を形成するために、パウチ材料を連続的管形成単位に供給するように適合されているパウチ加工単位)を使用して、本明細書に記載されているパウチ製品を作り出すことができる。このようなパウチ材料の連続的管を形成するための代表的装置は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Boldriniらの米国特許出願公開第2010/0101588号に開示されている。装置は、連続的管状部材が細分され、密閉されて別個のパウチ部分になった場合、各パウチ部分が口腔用使用に適応した組成物の充填材料を含むように、パウチ材料を連続的管状部材に供給するための装置をさらに含む。フィラー材料を供給するための代表的な装置は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Brinkleyの米国特許出願公開第2010/0018539号において開示されている。ある場合には、装置は連続的管状部材を個々のパウチ部分に細分するための細分単位を含んでもよく、個々のパウチ部分へと細分された際に各パウチ部分の末端の少なくとも1つを密閉するための密閉単位を含んでもよい。他の場合には、連続的管状部材は密閉単位により密閉されて、個々のパウチ部分となってもよく、よって、個々のパウチ部分が密閉された場合、直列に配置されたパウチ部分の密閉された末端の間で連続的管状部材を細分単位で細分することにより、連続的管状部材が別個の個々のパウチ部分へと細分されてもよい。さらに他の場合には、連続的管状部材の個々のパウチ部分の密閉(閉鎖)は、閉鎖及び分割単位を使用して、その細分化と実質的に同時に生じてもよい。低融点結合剤材料が使用される本開示のある特定の実施形態では、パウチ製品の継ぎ目の密閉に必要とされる温度は、従来の結合剤材料に伴う従来のプロセスに必要とされる温度より低くてもよいことが指摘されている。その結果、本開示によるパウチ製造プロセスは、従来のプロセスと比較して、必要とされるエネルギーがより少なく、及び/又はパウチ製品のより速い生産を必要とする。少なくともこれらの理由のため、本開示のある特定のプロセスは、従来のプロセスよりも経済的であることができる。
【0154】
経口パウチ製品を製造するための例示的装置は、Novak、IIIらの米国公開第2012/0055493号の図1~5に例示されている。しかし、この装置は一般的な及び説明的な観点のみから使用されているもので、限定する目的のためのものではない。以下の製造プロセス及び関連装置は、以下に記載されているプロセス順序に限定されないこともまた認識されたい。本開示の様々な実施形態では、米国公開第2012/0055493号に記載されているものと類似の装置は、巻き戻しスピンドルアセンブリー上の第1のボビンを除去可能なように受けるように構築することができ、第1のボビンは、その上に巻かれたパウチ材料などの材料の連続的な長さを有する。第1のボビンが装置と係合した場合、パウチ材料は、第1のボビンから形成単位へ向かう経路を取ることができ、この形成単位は、縦方向軸を規定する連続的管状部材へのパウチ材料の連続供給を形成するように構築されている。
【0155】
よって、パウチ材料が第1のボビンから巻き戻されると、パウチ材料は、ローラーメンバー(本明細書で他にダンサーアセンブリーとも呼ばれる)の配置の周辺へと方向づけることができる。形成単位は、パウチ材料が第1のボビンから巻き戻され、例えば、駆動システムにより形成単位に供給される間、第1のボビン及びダンサーアセンブリーと協働して、パウチ材料内の緩みを取り、パウチ材料上にある特定量の縦方向の引っ張りを維持するように構築することができる。当業者であれば、第1のボビンと形成単位との間で、パウチ材料が、所望の経路に沿ってパウチ材料を誘導するための、適切に整列された一連の任意の数の、例えばアイドラーローラー、ガイドポスト、エアバー、ターニングバー、ガイド、トラック、トンネルなどにより支持され、経路に乗り、及び/又は誘導されることが可能であると認識している。従来の自動化パウチ作製装置に使用されている典型的なボビンは、多くの場合長さが異なり得るパウチ材料の連続ストリップを含有する。よって、本明細書に記載されている装置は、その種類及びサイズのボビンを扱うように構築することができる。
【0156】
形成単位は1つ以上のローラーメンバーを含むことができ、このローラーメンバーは、連続的管状部材へのパウチ材料の連続供給が形成され得るように、パウチ材料を中空シャフト周囲に方向づけるよう構築されている。形成単位は密閉デバイスを含むことができ、この密閉デバイスは、パウチ材料の側面縁を密閉、固定、又はさもなければ係合して、縦方向に広がる継ぎ目を形成し、これによって縦方向に広がる連続的管状部材を形成するように構築されている。様々な実施形態では、挿入単位は、中空シャフトを介して口腔用使用に適応した組成物の充填材料を連続的管状部材に導入するよう構築することができる。挿入単位は中空シャフトと直接的又は間接的に係合することができる。
【0157】
連続的管状部材の最先端又は末端(また横方向に広がる継ぎ目ともと呼ばれる)は、挿入単位により挿入された口腔用使用に適応した組成物の充填材料が連続的管状部材内の先端近位に含有されるよう、閉鎖/密閉することができる。先端は閉鎖及び分割単位を介して閉鎖/密閉することができ、この閉鎖及び分割単位は、連続的管状部材の第1の部分を閉鎖/密閉して、パウチメンバー部分の閉鎖された先端を形成するように構築されている。閉鎖及び分割単位はまた、前のパウチメンバー部分の閉鎖された後縁又は末端を形成するように構築することもできる。この関連で、閉鎖及び分割単位はまた、連続的管状部材の第2の部分を閉鎖して、パウチメンバー部分の閉鎖された終端を形成するように構築することもできる。この関連で、閉鎖及び分割単位は、ヒートシーリング、又は他の適切な密閉機序により末端を閉鎖することができる。
【0158】
Novak、IIIらの米国公開第2012/0055493号の図20~22に例示されているように、閉鎖及び分割単位は、それぞれ別個のパウチメンバー部分が挿入単位からの口腔用組成物の一部分を含むように、直列に配置されたパウチメンバー部分の閉鎖された終端と、閉鎖された先端との間で、連続的管状部材の縦方向軸に沿って連続的管状部材を分割して、複数の別個のパウチメンバー部分にするように構築することができる。この関連で、閉鎖及び分割単位は、連続的管状部材を別個のパウチメンバー部分へと切り離すためのブレード、熱線、又は他の切断配列を含むことができる。例えば、閉鎖及び分割単位は、相互作用して連続的管状部材を閉鎖及び分割するよう構築された第1及び第2のアームメンバーを含むことができる。
【0159】
作動中、口腔用使用に適応した組成物の充填材料(すなわち、個々のパウチメンバー部分に適した量)は、先端が閉鎖された後、ただし終端の閉鎖前に、挿入単位によりパウチメンバー部分へと供給することができる。様々な実施形態では、口腔用組成物の充填材料を受け取った後、個々のパウチ製品が形成されるよう、終端を閉鎖し、閉鎖されたパウチメンバー部分を連続的管状部材から切り離すことにより、別個の個々のパウチメンバー部分が形成され得る。
【0160】
各パウチ内に含有される材料の量は異なってもよい。様々な実施形態では、各パウチ内の混合物の重量は、少なくとも約50mg、例えば、約50mg~約2グラム、約100mg~約1.5グラム、又は約200mg~約700mgである。ある特定のより小さな実施形態では、各パウチ内の材料の重量は少なくとも約50mg~約150mgである。一部のより大きな実施形態に対して、各パウチ内の材料の重量は好ましくは約300mg~約500mgを超えない。一部の実施形態では、各パウチ/容器は、参照により本明細書に組み込まれる、Holton,Jr.らの米国特許第7,861,728号により詳細に記載されているように、その中に着香料メンバーを配置することができる。例えば、香味づけた水分散性又は水溶性材料の少なくとも1枚の香味づけたストリップ、小片又はシート(例えば、息爽快化食用フィルムタイプの材料)は、少なくとも1つのカプセルと共に又はなしで、各パウチ内に配置することができる。このようなストリップ又はシートは折り畳む又はクランプルすることによって、パウチ内に容易に組み込むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるScottらの米国特許第6,887,307号及びLeungらの米国特許第6,923,981号;並びにThe EFSA Journal(2004年)85巻、1~32頁に記載されている材料及び技術の種類を参照されたい。
【0161】
様々な実施形態では、不織ウェブは十分に粘着性であることで、高速パウチ装置に伴う問題が生じ得る。したがって、ある特定の実施形態では、テフロンコーティング、又は類似の材料を、不織ウェブと接触するパウチ装置、例えば、ローラー、切断装置及びヒートシーリングデバイスの1つ以上の表面に適用して、加工中パウチ装置に固着するパウチ材料に伴う任意の問題を減少させる及び/又は緩和することができる。
【0162】
図2に例示されているように、例えば、パウチ製品の製造の方法は、任意の望ましい順序で実施することができるいくつかの一般的な、非限定的作業を含むことができる。作業100では、本開示による少なくとも一部分の繊維を含む不織ウェブの形態でのパウチ材料の連続供給を提供することができる。作業105では、縦方向に広がる継ぎ目が形成されるよう、パウチ材料の側面縁を密閉することにより、パウチ材料は連続的管状部材へと形成される。本明細書に記述されているように、継ぎ目は、例えば、従来のヒートシーリング技術をパウチ材料に適用し、不織ウェブ内のヒートシール可能な結合剤材料の軟化及び/又は溶融をもたらし、密閉を形成することにより形成することができる。作業110では、口腔用使用に適応した組成物の充填材料を連続的管状部材に挿入することができる。作業115では、連続的管状部材は、既定の間隔で細分して、複数のパウチメンバー部分を形成することができ、各パウチメンバー部分は組成物の充填材料を含む。作業120では、各別個のパウチ部分は、組成物を封入する外側水透過性パウチが形成されるよう、全面的に密閉することができる。この第2の密閉ステップは、従来のヒートシーリング技術をパウチ材料に適用し、不織ウェブ内のヒートシール可能な結合剤材料の軟化及び/又は溶融をもたらし、密閉を形成することを含むことができる。したがって、本開示の態様は、特に別個のパウチ製品を提供するよう構築される。本明細書で記載されている作業及び例示されている方法ステップの順序は、これを限定するものと解釈されない。
【0163】
パウチ製品は、外側水透過性パウチに印刷又は染色された又は外側水透過性パウチにインプリントされた(例えば、エンボス加工、デボス加工、又はさもなければプレス加工された)情報を識別する製品をさらに含むことができ、これらは例えば、本明細書に参照により組み込まれている、2013年3月11日に出願した、Reddickらの米国特許出願公開第2014/0255452号に記載されている。上述のように、着香剤もまた、所望する場合、例えば、食用着香剤インクを不織ウェブ上にコーティング又は印刷することにより、不織ウェブに組み込むことができる。例えば、それぞれが本明細書に参照により組み込まれている、Kawataらの米国特許出願公開第2012/0085360号及びSebastianらの米国特許出願公開第2012/0103353号を参照されたい。
【0164】
本明細書に記載されているパウチ製品は、任意の適切な内側包装材料及び/又は外側容器内にパッケージすることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Hensonらの米国特許第7,014,039号;Kutschらの米国特許第7,537,110号;Kutschらの米国特許第7,584,843号;Gelardiらの米国特許第8,397,945号、ThiellierらのD592,956;PatelらのD594,154;及びBaileyらのD625,178;Robinsonらの米国特許公開第2008/0173317号;Clarkらの米国特許公開第2009/0014343号;Bjorkholmの米国特許公開第2009/0014450号;Bellamahらの米国特許公開第2009/0250360号;Gelardiらの米国特許公開第2009/0266837号;Gelardiの米国特許公開第2009/0223989号;Thiellierの米国特許公開第2009/0230003号;Gelardiの米国特許公開第2010/0084424号;並びにBaileyらの米国特許公開第2010/0133140号;Baileyらの米国特許公開第2010/0264157号;及びBaileyらの米国特許公開第2011/0168712号に記載されている無煙タイプ製品に対する様々な種類の容器も参照されたい。
【0165】
口腔用使用に対して構築された本開示の製品は、従来のタイプの無煙タバコ製品がパッケージされ、貯蔵されるのとほぼ同じ方式で任意の適切な包装内にパッケージされ、貯蔵され得る。例えば、複数のパケット又はパウチは円柱状の容器に含有されてもよい。調製後の製品の貯蔵期間は異なってもよい。本明細書で使用される場合、「貯蔵期間」とは、開示された製品の調製後の期間を指す。一部の実施形態では、本明細書で開示されている製品の1つ以上の特徴(例えば、白さの保持、変色の欠如、揮発性香味成分の保持)は、貯蔵期間の一部又はすべてにわたり示される。一部の実施形態では、貯蔵期間(すなわち、期間後の調製物)は少なくとも1日である。一部の実施形態では、貯蔵期間は、約1日、約2日、若しくは約3日から、約1週まで、又は約1週~約2週、約2週~約1カ月、約1カ月~約2カ月、約2カ月~約3カ月、約3カ月~約4カ月、又は約4カ月~約5カ月である。一部の実施形態では、貯蔵期間は、約1日~約150日の間の任意の数の日である。ある特定の実施形態では、貯蔵期間は、5カ月、例えば、約6カ月、約7カ月、約8カ月、約9カ月、約10カ月、約11カ月、又は約12カ月より長くてもよい。
【0166】
前述の説明に提示された教示の利益を有する、本発明が付随する本発明の多くの変化形及び他の実施形態が、当業者により考案されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるわけではなく、変化形及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図することを理解されたい。特定の用語が本明細書で利用されているが、これらは一般的及び説明的な観点のみで使用され、制限目的のためではない。
図1
図2