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特許7669188端末管理システム及び端末管理装置並びにその制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-18
(45)【発行日】2025-04-28
(54)【発明の名称】端末管理システム及び端末管理装置並びにその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20250421BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20250421BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 301D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021086176
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022178992
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】大江 涼介
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-012438(JP,A)
【文献】特開2020-042460(JP,A)
【文献】特開2019-159650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-50/60
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限部と、
前記制限部により前記モバイル端末による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末に出力する出力部と、
を具備し、
前記出力部は、前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常発生日と異常内容とがそれぞれ記述された異常状態に係る一覧を当該モバイル端末に出力する端末管理装置。
【請求項2】
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出部と、を具備する複数の端末管理装置と、
前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常状態に係る情報を収集して記憶する記憶部と、
を含み、
前記端末管理装置は、
前記記憶部に記憶された前記モバイル端末の異常状態に係る情報に基づいた前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限部と、
前記制限部により前記モバイル端末による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末に出力する出力部と、
を具備し、
前記出力部は、前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常発生日と異常内容とがそれぞれ記述された異常状態に係る一覧を当該モバイル端末に出力する端末管理システム。
【請求項3】
端末管理装置のコンピュータを、
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出手段、
前記検出手段により検出された前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限手段、及び、
前記制限手段により前記モバイル端末による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末に出力する出力手段、
として機能させ、
前記出力手段は、前記検出手段により検出された前記モバイル端末の異常発生日と異常内容とがそれぞれ記述された異常状態に係る一覧を当該モバイル端末に出力する端末管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端末管理システム及び端末管理装置並びにその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、客が、店舗の売場での買い回り時に、モバイル端末(スマートフォン、カート端末等)を利用して購買商品の登録から会計(支払い)までをセルフで行う店舗システムが種々考案されている。このような店舗システムでは、モバイル端末を利用する客、いわゆるユーザは、そのモバイル端末を操作してユーザ自身が購買商品の登録や会計(支払い)を行う。このため、ユーザが購買商品の登録途中でモバイル端末の利用を終了して、会計(支払い)未完了の購買商品を店舗から持ち出す等の事態が発生する可能性がある。このような異常状態が発生したモバイル端末を操作したユーザに対して、当該モバイル端末による購買商品の登録操作や会計処理操作等を含む購買サービス(以下、本明細書では単に「モバイル端末による購買処理」あるいは「モバイル端末による取引」と記載する場合がある)の利用を制限することができる仕組みが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-186875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、異常状態が発生したモバイル端末による購買商品の登録操作や会計処理操作等を含む購買サービスの利用を制限することができる端末管理システム及び端末管理装置並びにその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、端末管理装置は、取得部と、検出部と、制限部と、出力部と、を備える。取得部は、商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する。検出部は、取得部により取得されたステータス情報に基づいてモバイル端末の異常状態を検出する。制限部は、検出部により検出されたモバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する。出力部は、制限部によりモバイル端末による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末に出力する。出力部は、検出部により検出されたモバイル端末の異常発生日と異常内容とがそれぞれ記述された異常状態に係る一覧を当該モバイル端末に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る端末管理システムの概略構成を示すブロック図。
図2】モバイル端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3】仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図4】購買登録リストの一例を示す模式図。
図5】時系列バッファの一例を示す模式図。
図6】異常状態ファイルに保存される異常状態データレコードのデータ構造を示す模式図。
図7】接続管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図8】接続管理テーブルの一例を示す模式図。
図9】会計機の要部回路構成を示すブロック図。
図10】モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図11】モバイル端末におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図12】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図13】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図14】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図15】会計機におけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図16】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図17】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図18】接続管理サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図19】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図20】利用制限画面の一例を示す図。
図21】第1異常状態一覧画面の一例を示す図。
図22】第2実施形態に係る端末管理システムの概略構成を示すブロック図。
図23】第2実施形態において、集計サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図24】第2実施形態において、集計データファイルに保存される集計データレコードの一例を示す模式図。
図25】第2実施形態において、集計サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図26】第2実施形態において、仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図27】第2実施形態において、集計サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図28】第2実施形態において、第2異常状態一覧画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、各実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る端末管理システムSYAの概略構成を示すブロック図である。
端末管理システムSYAは、店舗サーバ10、仮想POS(Point Of Sales)サーバ20、接続管理サーバ30、会計機40、アクセスポイント50及びモバイル端末60を含む。店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、接続管理サーバ30、会計機40及びアクセスポイント50は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク1に接続されている。モバイル端末60は、無線ユニット66(図2を参照)を備える。モバイル端末60は、アクセスポイント50と無線通信を行う。アクセスポイント50は、通信ネットワーク1に繋がる各機器、すなわち店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、接続管理サーバ30及び会計機40と、モバイル端末60との通信を中継する。アクセスポイント50は、図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0009】
店舗サーバ10は、商品データベースを管理する。商品データベースは、店舗で販売されている商品のデータを記録した商品データレコードを保存する。商品データレコードは、商品コード、商品名、価格等の項目を含む。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された商品識別情報である。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。
【0010】
仮想POSサーバ20は、モバイル端末60と協働することで、そのモバイル端末60がPOS端末の機能を実現するように動作させる。仮想POSサーバ20は、端末管理装置の一例である。
【0011】
接続管理サーバ30は、端末管理システムSYAと通信を行うモバイル端末60の通信接続状態を管理する。接続管理サーバ30は、例えばモバイル端末60が店舗内の無線LAN等に接続されているか否かを管理する。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。
【0012】
会計機40は、ユーザが購入しようとする商品、いわゆる購買商品の会計を店員若しくはユーザが行うことを可能とした機器である。会計機40の台数は、特に制限されない。会計機40は、例えば購買商品の会計に係る操作を店員が行うようにした有人対応の会計機、いわゆる有人会計機401と、購買商品の会計に係る操作をユーザが行うようにしたセルフ対応の会計機、いわゆるセルフ会計機402とがある。有人会計機401の台数は、特に制限されない。セルフ会計機402の台数は、特に制限されない。
【0013】
モバイル端末60は、購買商品の登録に係るデータの入力を、例えばモバイル端末60を操作する客であるユーザがセルフで行うことを可能とした機器である。モバイル端末60は、1取引に係る購買商品の登録操作または会計処理操作等を含む購買処理に使用される機器である。モバイル端末60は、携帯型の通信端末である。モバイル端末60は、例えばユーザが個人で所有するデジタルカメラを搭載したスマートフォン、タブレット端末等である。店舗では、例えば買い物客であるユーザにモバイル端末60を貸し出してもよい。モバイル端末60は、例えばショッピングカートに設置してもよい。モバイル端末60は、少なくともバーコード、二次元コード等のデータコードを読み取るためのハードウェアを有している。
【0014】
図2は、モバイル端末60の要部回路構成を示すブロック図である。図2に示すように、モバイル端末60は、プロセッサ61、内蔵メモリ62、外部メモリ63、タッチパネル64、カメラ65、無線ユニット66及びシステム伝送路67を備えている。システム伝送路67は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。モバイル端末60は、システム伝送路67に、プロセッサ61、内蔵メモリ62、外部メモリ63、タッチパネル64、カメラ65及び無線ユニット66を接続する。そしてプロセッサ61、内蔵メモリ62及び外部メモリ63がシステム伝送路67で接続されて、モバイル端末60を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0015】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、モバイル端末60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0016】
内蔵メモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ62は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。内蔵メモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0017】
外部メモリ63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USB(universal serial bus)メモリ等が外部メモリ63となり得る。外部メモリ63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ63は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0018】
外部メモリ63に記憶されるアプリケーションプログラムには、買物アプリケーションプログラムが含まれる。以下では、買物アプリケーションプログラムを買物アプリと略称する。買物アプリは、端末管理システムSYAが導入された店舗での買物の際に実行されるアプリである。買物アプリを外部メモリ63にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、外部メモリ63にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。なお、外部メモリ63ではなく、内蔵メモリ62に買物アプリをインストールしてもよい。
【0019】
タッチパネル64は、モバイル端末60の入力デバイス及び表示デバイスを兼ね備えた機器である。タッチパネル64は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ61に出力する。
【0020】
カメラ65は、モバイル端末60に内蔵された撮像デバイスである。カメラ65は、モバイル端末60にインストールされた買物アプリにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。
【0021】
無線ユニット66は、アクセスポイント50との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0022】
モバイル端末60は、外部メモリ63において、アプリIDを記憶している。アプリIDは、モバイル端末60にインストールされた買物アプリを識別するために買物アプリ毎に割り当てられた固有のコードである。
【0023】
図3は、仮想POSサーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信インターフェース25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信インターフェース25を接続する。仮想POSサーバ20では、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータが構成される。
【0024】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0025】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0026】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0027】
時計24は、仮想POSサーバ20の時刻情報源として機能する。プロセッサ21は、時計24によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0028】
通信インターフェース25は、通信ネットワーク1に接続される。通信インターフェース25は、通信ネットワーク1を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0029】
かかる構成の仮想POSサーバ20は、メインメモリ22の揮発性メモリ領域の一部を、購買登録リスト221(図4を参照)として使用する。仮想POSサーバ20は、この領域に複数の購買登録リスト221を形成することができる。なお、購買登録リスト221の記憶先はメインメモリ22に限定されない。補助記憶デバイス23において購買登録リスト221を記憶してもよい。
【0030】
図4は、購買登録リスト221の一例を示す模式図である。図4に示すように、購買登録リスト221は、アプリID、購買商品データ2211、合計金額及び会計コードをそれぞれ記述するための領域を有する。購買商品データ2211は、ユーザが購入する購買商品の商品コード、商品名、価格、購買点数、購買金額等を含む。購買点数は、その商品コードで識別される商品の購買数であり、購買金額は、購買点数に基づく価格の合計である。合計金額は、購買商品データ2211に含まれる購買金額の合計である。会計コードは、後述する。購買登録リスト221は、アプリIDと関連付けて作成される。なお、購買登録リスト221は、図4の項目に限定されるものではない。
【0031】
また仮想POSサーバ20は、補助記憶デバイス23の記憶領域の一部を、時系列バッファ231(図5を参照)及び異常状態ファイル232の領域とする。この領域に、図5に示すデータ構造の時系列バッファ231を、店舗で端末管理システムSYAを利用するモバイル端末60の数だけ形成する。なお、時系列バッファ231及び異常状態ファイル232の記憶先は補助記憶デバイス23に限定されない。メインメモリ22の揮発性メモリ領域の一部に時系列バッファ231及び異常状態ファイル232を記憶してもよい。
【0032】
図5は、時系列バッファ231の一例を示す模式図である。図5に示すように、時系列バッファ231は、アプリID別に、ステータスSTを現在日時DTの早い順に記述するための領域を有したものである。ステータスSTは、モバイル端末60の動作状態を示す情報である。ステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」がある。「入店」は、例えば店舗へ入店する入店操作が行われた状態である。ユーザがカメラ65で店舗の入口に用意された入店用データコードを読み取ると、入店操作が行われたとして、ステータスSTは「入店」となる。入店用データコードは、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。「登録中」は、例えばユーザ自身による購買商品の登録操作を受け付けている状態である。1点目の購買商品が登録されると、ステータスSTは「登録中」となる。以後、会計への移行が宣言されるまで、ステータスSTは「登録中」を維持する。「会計中」は、例えば会計への移行が宣言されてからその会計処理操作が完了するまでの状態である。「会計完了」は、例えば購買商品の会計処理操作が完了した状態である。「退店」は、例えば店舗から退店する退店操作が行われた状態である。ユーザがカメラ65で店舗の出口に用意された退店用データコードを読み取ると、退店操作が行われたとして、ステータスSTは「退店」となる。退店用データコードは、店舗又はその店舗を運営する企業体特有の設定情報を、所定の二次元コード体系でコード化したものである。通常、ステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」の順番で時系列バッファ231に記述されることとなる。なお、ステータスSTを「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」又は「退店」とする動作は、上述の動作に限定されない。またステータスSTは、「入店」、「登録中」、「会計中」、「会計完了」及び「退店」に限定されない。
【0033】
図6は、異常状態ファイル232に保存される異常状態データレコード2321のデータ構造を示す模式図である。図6に示すように、異常状態データレコード2321は、アプリID毎に生成される異常状態データを保存する。異常状態データレコード2321は、異常発生日、異常内容、無効フラグ等の項目を含む。異常発生日は、異常状態が発生した日である。異常状態は、例えばユーザが店舗で購買商品の登録操作を行っているものの会計処理操作が完了していない、購買商品の登録操作の途中で店舗内の無線LANに接続されている状態であったモバイル端末60が当該無線LANに接続されなくなる等の状態である。異常内容は、異常状態の内容である。異常内容は、例えば「未会計」、「未会計のまま接続切断」等である。無効フラグは、異常発生日に発生した異常状態を無効とするか否かを設定するためのフラグデータである。本実施形態では、異常発生日が予め設定された一定期間外である場合、その異常発生日と同一行の無効フラグは“1”にセットされる。一定期間は、例えば2021年1月1日から2021年3月31日までの3か月、2021年1月1日から2021年6月30日までの6か月等である。無効フラグは、一定期間中は初期状態の“0”であり、一定期間外になると“1”にセットされる。無効フラグが“1”にセットされると、その無効フラグと同一行の全ての項目は無効化される。異常発生日、異常内容及び無効フラグを、以下では、異常状態データと称する。異常状態データレコード2321は、モバイル端末60の異常状態に係る情報の一例である。なお、異常状態データレコード2321は、図6の項目に限定されるものではない。また一定期間をどのように設定するかは任意である。一定期間は、仮想POSサーバ20において固定の値であってもよいし、仮想POSサーバ20を管理する店舗によって所望の値に変更可能であってもよい。
【0034】
プロセッサ21は、取得部211、検出部212、制限部213及び出力部214としての機能を有する。取得部211は、商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末60の動作状態を示すステータス情報を取得する機能である。取得部211は、取得手段と言い換えることができる。
【0035】
検出部212は、取得部211により取得されたステータス情報に基づいてモバイル端末60の異常状態を検出する機能である。検出部212は、検出手段と言い換えることができる。
【0036】
制限部213は、検出部212により検出されたモバイル端末60の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末60による購買処理を制限する機能である。制限部213は、制限手段と言い換えることができる。
【0037】
出力部214は、次の2つの機能を含む。1つ目は、制限部213によりモバイル端末60による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末60に出力する機能である。2つ目は、検出部212により検出されたモバイル端末60の異常状態に係る一覧を当該モバイル端末60に出力する機能である。出力部214は、出力手段と言い換えることができる。
【0038】
図7は、接続管理サーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。接続管理サーバ30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、通信インターフェース34及びシステム伝送路35を備える。システム伝送路35は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。接続管理サーバ30は、システム伝送路35に、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33及び通信インターフェース34を接続する。接続管理サーバ30では、プロセッサ31、メインメモリ32及び補助記憶デバイス33と、これらを接続するシステム伝送路35とによってコンピュータが構成される。
【0039】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、接続管理サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0040】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0041】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0042】
通信インターフェース34は、通信ネットワーク1に接続される。通信インターフェース34は、通信ネットワーク1を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0043】
かかる構成の接続管理サーバ30は、メインメモリ32の揮発性メモリ領域の一部を、接続管理テーブル321(図8を参照)の領域として使用する。接続管理サーバ30は、この領域に接続管理テーブル321を形成することができる。なお、接続管理テーブル321の記憶先はメインメモリ32に限定されない。補助記憶デバイス33において接続管理テーブル321を記憶してもよい。
【0044】
図8は、接続管理テーブル321の一例を示す模式図である。図8に示すように、接続管理テーブル321は、アプリIDと、そのアプリIDで識別される買物アプリがインストールされたモバイル端末60の通信接続状態とを記述したものである。通信接続状態には、「接続中」及び「接続切断」がある。「接続中」は、モバイル端末60が店舗内の無線LANに接続されている状態である。通常、買物アプリを実行している間は、「接続中」となる。「接続切断」は、店舗内の無線LANに接続されている状態であったモバイル端末60が当該無線LANに接続されなくなった状態である。モバイル端末60が店舗内の無線LANに接続されなくなった理由としては、例えばモバイル端末60のバッテリ切れが生じた、無線LANへの接続に何らかの不具合が発生した、ユーザが故意に無線LANへの接続を切断した、ユーザが買物アプリを終了して店舗から退店した等が挙げられる。なお、通信接続状態は、「接続中」及び「接続切断」に限定されるものではない。
【0045】
図9は、会計機40の要部回路構成を示すブロック図である。会計機40は、プロセッサ411、メインメモリ412、補助記憶デバイス413、時計414、釣銭機インターフェース415、通信インターフェース416、タッチパネル417、スキャナ418、リーダ419、プリンタ420及びシステム伝送路421を備える。システム伝送路421は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路421は、プロセッサ411と、メインメモリ412、補助記憶デバイス413、時計414、釣銭機インターフェース415、通信インターフェース416、タッチパネル417、スキャナ418、リーダ419及びプリンタ420を相互に接続する。プロセッサ411、メインメモリ412及び補助記憶デバイス413がシステム伝送路421で接続されることにより、会計機40のコンピュータが構成される。
【0046】
プロセッサ411は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ411は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、会計機40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ411は、例えばCPUである。
【0047】
メインメモリ412は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ412は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ412は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ412は、プロセッサ411が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ412は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ411によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0048】
補助記憶デバイス413は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス413となり得る。補助記憶デバイス413は、プロセッサ411が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ411での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス413は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0049】
メインメモリ412又は補助記憶デバイス413に記憶されるアプリケーションプログラムには、会計機40で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ412又は補助記憶デバイス413にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ412又は補助記憶デバイス413にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0050】
時計414は、会計機40の時刻情報源として機能する。プロセッサ411は、時計414によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間(日時)を計時する。
【0051】
釣銭機インターフェース415は、自動釣銭機との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース415は、自動釣銭機から投入金額のデータ、貨幣収納枚数のデータ等を受信する。釣銭機インターフェース415は、釣銭データを自動釣銭機へと送信する。
【0052】
通信インターフェース416は、通信ネットワーク1に接続される。通信インターフェース416は、通信ネットワーク1を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0053】
タッチパネル417は、会計機40の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル417は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ411に出力する。
【0054】
スキャナ418は、バーコードシンボル及びQRコード(登録商標)等のコードシンボルを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ411に出力する読取装置の一例である。スキャナ418は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0055】
リーダ419は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ411に出力する。リーダ419は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ419として使用される。
【0056】
プリンタ420は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。この種のプリンタ420としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を利用できる。プリンタ420は、会計機40の印刷デバイスとして機能する。
【0057】
図10及び図11は、モバイル端末60のプロセッサ61が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図12乃至図14図16図17及び図19は、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図15は、会計機40のプロセッサ411が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図18は、接続管理サーバ30のプロセッサ31が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。以下、これらの図を用いて、端末管理システムSYAの主要な動作について説明する。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0058】
はじめに、ユーザは端末管理システムSYAが導入された店舗に出向くと、買物を開始する前に、ユーザが所有するモバイル端末60にインストールされている買物アプリを起動する。そうすると、プロセッサ61は、図10の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
なお、本実施形態では、接続管理サーバ30は、買物アプリを起動したモバイル端末60からアプリIDを取得する。そして接続管理サーバ30は、接続管理テーブル321に当該アプリIDと、通信接続状態として「接続中」とを記述するものとする。
【0059】
先ず、プロセッサ61は、ACT1としてチェックイン画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。チェックイン画面には、例えば入店用データコードを読み取ることを指示するメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。チェックイン画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0060】
チェックイン画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ61は、ACT2としてカメラ65を起動する。そしてプロセッサ61は、カメラ画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。カメラ画面には、例えば二次元コードの読み取り領域を示す画像が表示される。カメラ画面を確認したユーザは、店舗の入口に用意された入店用データコードが読み取り領域を示す画像に収まるように、カメラ65のレンズを入店用データコードに翳す。
【0061】
プロセッサ61は、ACT3としてカメラ65によって入店用データコードが読み取られるのを待ち受ける。入店用データコードが読み取り領域を示す画像内に収まると、プロセッサ61は、入店用データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ61は、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。
【0062】
プロセッサ61は、ACT4として入店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット66を制御する。この制御により、無線ユニット66は、入店コマンドを無線送信する。入店コマンドは、アクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク1を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。入店コマンドには、アプリIDが含まれる。
【0063】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末60からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。そして受信コマンドが入店コマンドであった場合、プロセッサ21は、図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0064】
プロセッサ21は、ACT31として入店コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT32としてそのアプリIDで識別される異常状態データレコード2321を異常状態ファイル232から抽出する。
【0065】
プロセッサ21は、ACT33として異常状態データレコード2321に一定期間外の異常発生日が存在するか否かを確認する。一定期間は、例えば補助記憶デバイス23に記憶されている。一定期間外の異常発生日が存在しない場合、プロセッサ21は、ACT33においてNOと判定し、ACT35へと進む。ACT35の処理は、後述する。
【0066】
一定期間外の異常発生日が存在する場合、プロセッサ21は、ACT33においてYESと判定し、ACT34へと進む。プロセッサ21は、ACT34として一定期間外の異常発生日と同一行の無効フラグを“1”にセットする。すなわち“1”がセットされた無効フラグと同一行の全ての項目は無効化される。なお、異常状態データレコード2321に一定期間外の異常発生日が複数存在する場合には、各異常発生日と同一行の無効フラグをそれぞれ“1”にセットする。
【0067】
プロセッサ21は、ACT35として異常状態データレコード2321から異常状態の回数を取得する。具体的にはプロセッサ21は、“0”にセットされている無効フラグの数すなわち一定期間中の異常発生日を含む有効な異常状態データの数を取得する。
【0068】
プロセッサ21は、ACT36として制限部213の機能により異常状態の回数が上限数を超えたか否かを確認する。上限数は、例えば補助記憶デバイス23に記憶されている。なお、上限数をどのように設定するかは任意である。上限数は、仮想POSサーバ20において固定の値であってもよいし、仮想POSサーバ20を管理する店舗によって所望の値に変更可能であってもよい。上限数を超えた場合、ACT36においてYESと判定し、ACT37へと進む。
【0069】
プロセッサ21は、ACT37として異常状態データレコード2321を基に利用制限画面と第1異常状態一覧画面とを作成する。利用制限画面と第1異常状態一覧画面とは、後述する。
【0070】
プロセッサ21は、ACT38として出力部214の機能によりモバイル端末60に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して否認応答コマンドが送信される。否認応答コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、入店コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。否認応答コマンドには、利用制限画面の画像データと、第1異常状態一覧画面の画像データとが含まれる。以上で、プロセッサ21は、入店コマンドの受信処理を終了する。
【0071】
異常状態の回数が上限数を超えない場合、ACT36においてNOと判定し、ACT39へと進む。プロセッサ21は、ACT39としてアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0072】
プロセッサ21は、ACT40として取得部211の機能によりステータスSTを「入店」とする。プロセッサ21は、ACT41として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT42として、ACT39の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0073】
プロセッサ21は、ACT43としてメインメモリ22に購買登録リスト221を形成する。そしてプロセッサ21は、その購買登録リスト221にアプリIDを記憶する。
【0074】
プロセッサ21は、ACT44としてモバイル端末60に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して承認応答コマンドが送信される。承認応答コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、入店コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。以上で、プロセッサ21は、入店コマンド受信処理を終了する。
【0075】
図10の説明に戻る。
ACT4において入店コマンドの送信を制御したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT5として仮想POSサーバ20からの応答コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT5においてNOと判定し、ACT6へと進む。
【0076】
プロセッサ61は、ACT6として利用制限画面100(図20を参照)が表示されるようにタッチパネル64を制御する。以上で、プロセッサ61は、図10の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0077】
図20は、利用制限画面100の一例を示す図である。図20に示すように、利用制限画面100には、一定期間と一定期間中に発生した異常状態の回数とをユーザに通知するとともに、異常状態の発生により通常レーンで買い物を行うことをユーザに通知するメッセージが表示される。通常レーンで買い物を行うとは、店舗の店員が有人会計機401で購買商品の登録操作と会計処理操作とを行うことを意味する。通常レーンで買い物を行うとは、ユーザはモバイル端末60を利用した購買商品の登録操作と、セルフ会計機402での会計処理操作とを行うことができないことを意味する。すなわちモバイル端末60による購買処理(取引)が制限される。またユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタン101の画像と、異常状態に係る一覧を閲覧することを指示するための「詳細」ボタン102とが表示される。利用制限画面100を確認したユーザは、「はい」ボタン101にタッチする。「はい」ボタン101がタッチされると、買物アプリが終了する。ユーザは、通常レーンでの買い物を行うことになる。異常状態に係る一覧を閲覧するユーザは、「詳細」ボタン102にタッチする。「詳細」ボタン102がタッチされると、第1異常状態一覧画面200(図21を参照)が表示される。なお、図20に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0078】
図21は、第1異常状態一覧画面200の一例を示す図である。図21に示すように、第1異常状態一覧画面200には、異常発生日と異常内容とがそれぞれ記述された一覧が表示される。すなわち第1異常状態一覧画面200には、モバイル端末60の異常状態に係る一覧が表示される。またユーザが第1異常状態一覧画面200から利用制限画面100に戻ることを指示するための「戻る」ボタン201の画像が表示される。「戻る」ボタン201がタッチされると、利用制限画面100が再度表示される。
【0079】
図10の説明に戻る。
仮想POSサーバ20から承認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT5においてYESと判定し、ACT7へと進む。
【0080】
プロセッサ61は、ACT7としてチェックイン完了画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。チェックイン完了画面には、例えば買物の準備が整ったことを示すメッセージととともに、「はい」ボタンの画像が表示される。チェックイン完了画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0081】
チェックイン完了画面の表示を制御したプロセッサ61は、ACT8として買物開始が指示されるのを待ち受ける。チェックイン完了画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ61は、買物開始が指示されたと判定する。プロセッサ61は、ACT8においてYESと判定し、ACT9へと進む。
【0082】
プロセッサ61は、ACT9として購買登録画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。購買登録画面には、例えば購買登録された商品の商品名、単価、点数及び購買金額と合計金額とを表示するための領域が形成されている。また会計を指示するための「会計」ボタンの画像が表示される。
【0083】
購買登録画面を確認したユーザは、売場を回り、購買商品を買物かご又はショッピングカート等の収容体に収容する。例えばユーザは、収容体に収容する際に、その購買商品に付されているバーコードにカメラ65のレンズを翳す。カメラ65によってそのバーコードが読み取られると、そのバーコードで表わされた商品コードがモバイル端末60に入力される。
【0084】
プロセッサ61は、ACT10として商品コードを取得したか否かを確認する。プロセッサ61は、商品コードを取得したことを確認すると、ACT10においてYESと判定し、ACT12へと進む。
【0085】
プロセッサ61は、ACT12として購買登録コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット66を制御する。この制御により、無線ユニット66は、購買登録コマンドを無線送信する。購買登録コマンドは、アクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク1を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。購買登録コマンドには、アプリIDと、購買商品の商品コードとが含まれる。
【0086】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末60から購買登録コマンドを受信すると、図13の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0087】
プロセッサ21は、ACT51として購買登録コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT52としてそのアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0088】
プロセッサ21は、ACT53としてステータスSTとして「登録中」が時系列バッファ231の最終行に記述されているか否かを確認する。ステータスSTとして「登録中」が時系列バッファ231の最終行に記述されている場合とは、既に購買商品が登録されているため、当該商品は2点目以降の購買商品であることを意味する。したがってステータスSTとして「登録中」が記述されている場合、プロセッサ21は、ACT53においてYESと判定し、ACT57へと進む。ACT57の処理は、後述する。
【0089】
ステータスSTとして「登録中」が記述されていない場合、すなわち1点目の購買商品である場合、プロセッサ21は、ACT53においてNOと判定し、ACT54へと進む。プロセッサ21は、ACT54として取得部211の機能によりステータスSTを「登録中」とする。
【0090】
プロセッサ21は、ACT55として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT56として、ACT52の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0091】
プロセッサ21は、ACT57としてアプリIDで識別される購買登録リスト221を抽出する。プロセッサ21は、ACT58として購買登録コマンドに含まれる商品コードを基に購買商品データ2211を作成し、その購買商品データ2211を購買登録リスト221に書き込む。またプロセッサ21は、ACT59として購買登録リスト221の合計金額を、新たに書き込まれた購買商品データ2211の購買金額を加算した金額に更新する。
【0092】
プロセッサ21は、ACT60としてモバイル端末60に登録済コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して登録済コマンドが送信される。登録済コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、購買登録コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。登録済コマンドには、購買登録リスト221が含まれる。以上で、プロセッサ21は、購買登録コマンド受信処理を終了する。
【0093】
図10の説明に戻る。
ACT12において購買登録コマンドの送信を制御したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT13として仮想POSサーバ20からの登録済コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から登録済コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT13においてYESと判定し、ACT14へと進む。
【0094】
プロセッサ61は、ACT14として購買登録画面を更新する。すなわちプロセッサ61は、購買登録された商品の商品名、単価、点数及び購買金額が追加され、合計金額に購買金額が加算されるように、購買登録画面を更新する。そしてプロセッサ61は、ACT9に戻る。
【0095】
商品コードを取得しない場合、プロセッサ61は、ACT10においてNOと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ61は、ACT11として「会計」ボタンがタッチされたか否かを確認する。上述したように、購買登録画面の一部には「会計」ボタンの画像が表示される。購買を終えたユーザは、「会計」ボタンにタッチする。プロセッサ61は、「会計」ボタンがタッチされた場合、会計が指示されたと判定する。「会計」ボタンがタッチされていない場合、プロセッサ61は、ACT11においてNOと判定し、ACT10へと戻る。すなわちプロセッサ61は、ACT10乃至ACT11の待ち受け状態に戻る。
【0096】
プロセッサ61は、会計が指示されたことを確認すると、ACT11においてYESと判定し、図11のACT21へと進む。プロセッサ61は、ACT21として会計実行コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット66を制御する。この制御により、無線ユニット66は、会計実行コマンドを無線送信する。会計実行コマンドは、アクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク1を介して仮想POSサーバ20へと送られる。会計実行コマンドには、外部メモリ63に記憶されているアプリIDが含まれる。
【0097】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末60から会計実行コマンドを受信すると、図14の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0098】
プロセッサ21は、ACT61として会計実行コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT62としてそのアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0099】
プロセッサ21は、ACT63として取得部211の機能によりステータスSTを「会計中」とする。プロセッサ21は、ACT64として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT65として、ACT62の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0100】
プロセッサ21は、ACT66としてそのアプリIDで識別される購買登録リスト221を抽出する。プロセッサ21は、ACT67として会計コードのデータを作成する。会計コードは、会計機40で会計を行うユーザを識別するためのものである。会計コードは、会計機40で会計を行うユーザ毎に作成される。
【0101】
プロセッサ21は、ACT68として購買登録リスト221に会計コードを記憶する。プロセッサ21は、ACT69として会計案内画面を作成する。会計案内画面には、例えばACT67において作成した会計コードを表す会計バーコードと、その会計バーコードを会計機40に備えられたスキャナ418で読み取らせることを促すメッセージとが表示される。
【0102】
プロセッサ21は、ACT70としてモバイル端末60に会計案内コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して会計案内コマンドが送信される。会計案内コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、会計実行コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。会計案内コマンドには、ACT69において作成した会計案内画面の画像データが含まれる。以上で、プロセッサ21は、会計実行コマンド受信処理を終了する。
【0103】
図11の説明に戻る。
ACT21において会計実行コマンドの送信を制御したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT22として仮想POSサーバ20からの会計案内コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から会計案内コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT22においてYESと判定し、ACT23へと進む。
【0104】
プロセッサ61は、ACT23として会計案内画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。会計案内画面を確認したユーザは、利用可能な会計機40の設置場所に行き、その会計機40に備えられたスキャナ418で会計バーコードを読み取らせる。そうすると、会計機40のプロセッサ411は、図15の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0105】
会計機40のプロセッサ411は、ACT71として、会計バーコードが読み取られるのを待ち受ける。会計バーコードを読み取られた場合、プロセッサ411は、ACT71においてYESと判定し、ACT72へと進む。
【0106】
プロセッサ411は、ACT72として読み取った会計バーコードで仮想POSサーバ20に購買登録リスト221を問い合わせる。この問い合わせにより、仮想POSサーバ20は、問い合わせのあった会計バーコードが記憶された購買登録リスト221を抽出し、会計機40へ購買登録リスト221を送信する。しかしてプロセッサ411は、ACT73として購買登録リスト221を受信するのを待ち受ける。購買登録リスト221を受信した場合、プロセッサ411は、ACT73においてYESと判定し、ACT74へと進む。
【0107】
プロセッサ411は、ACT74として受信した購買登録リスト221の購買商品データ2211を基に会計処理を実行する。この会計処理は既存の処理で周知なので、具体的な説明は省略する。
【0108】
プロセッサ411は、ACT75として仮想POSサーバ20に処理済コマンドを送信するように通信インターフェース416を制御する。この制御により、通信インターフェース416を介して処理済コマンドが送信される。処理済コマンドは、通信ネットワーク1を介して仮想POSサーバ20で受信される。処理済コマンドには、購買登録リスト221に記憶されているアプリIDが含まれる。以上で、プロセッサ411は、図15の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0109】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介して会計機40から処理済コマンドを受信すると、図16の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0110】
プロセッサ21は、ACT81として処理済コマンドからアプリIDを取得する。プロセッサ21は、ACT82としてそのアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0111】
プロセッサ21は、ACT83として取得部211の機能によりステータスSTを「会計完了」とする。プロセッサ21は、ACT84として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT85として、ACT82の処理で抽出された時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0112】
プロセッサ21は、ACT86としてモバイル端末60に会計済コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して会計済コマンドが送信される。会計済コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、モバイル端末60で受信される。会計済コマンドには、アプリIDが含まれる。以上で、プロセッサ21は、処理済コマンド受信処理を終了する。
【0113】
図11の説明に戻る。
会計案内画面を表示させたプロセッサ61は、ACT24として仮想POSサーバ20からの会計済コマンドを待ち受ける。仮想POSサーバ20から会計済コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT24においてYESと判定し、ACT25へと進む。
【0114】
プロセッサ61は、ACT25としてチェックアウト画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。チェックアウト画面には、例えば退店用データコードを読み取ることを指示するメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。チェックアウト画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチする。
【0115】
チェックアウト画面の「はい」ボタンがタッチされると、プロセッサ61は、ACT26としてカメラ65を起動する。そしてプロセッサ61は、カメラ画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。カメラ画面を確認したユーザは、店舗の出口に用意された退店用データコードが読み取り領域を示す画像に収まるように、カメラ65のレンズを退店用データコードに翳す。
【0116】
カメラ画面を表示させたプロセッサ61は、ACT27としてカメラ65によって退店用データコードが読み取られるのを待ち受ける。退店用データコードが読み取り領域を示す画像内に収まると、プロセッサ61は、退店用データコードを読み取れたと判定する。プロセッサ61は、ACT27においてYESと判定し、ACT28へと進む。
【0117】
プロセッサ61は、ACT28として退店コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように無線ユニット66を制御する。この制御により、無線ユニット66は、退店コマンドを無線送信する。退店コマンドは、アクセスポイント50で受信され、通信ネットワーク1を経由して仮想POSサーバ20へと送られる。退店コマンドには、アプリIDが含まれる。
【0118】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末60から退店コマンドを受信すると、プロセッサ21は、図17の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0119】
プロセッサ21は、ACT91として退店コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT92としてそのアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0120】
プロセッサ21は、ACT93として取得部211の機能によりステータスSTを「退店」とする。プロセッサ21は、ACT94として時計24で計時されている現在日時DTを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT95として、ACT92の処理で抽出した時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとを関連付けて記述する。
【0121】
プロセッサ21は、ACT96として検出部212の機能により時系列バッファ231にステータスSTとして「会計完了」が記述されているか否かを確認する。具体的には、プロセッサ21は、ACT95の処理でステータスSTとして「退店」が記述された現在日時DTと同日であって、その現在日時DTよりも前の時刻にステータスSTとして「会計完了」が記述されているか否かを確認する。
【0122】
ステータスSTとして「会計完了」が記述されていない場合、すなわちステータスSTとして「入店」、「登録中」、「会計中」及び「退店」が記述されているが、「退店」の前に「会計完了」が記述されていない場合、ユーザが店舗で購買商品の登録操作を行っているものの、会計を終えずに退店操作を行ったことを意味する。したがってステータスSTとして「会計完了」が記述されていない場合、プロセッサ21は、ACT96においてNOと判定し、ACT97へと進む。
【0123】
プロセッサ21は、ACT97としてアプリIDで識別される異常状態データレコード2321を異常状態ファイル232から抽出する。プロセッサ21は、ACT98として異常状態データレコード2321に異常状態データを記述する。具体的にはプロセッサ21は、異常状態データレコード2321に、異常発生日としてACT94の処理で取得された現在日時DTと、異常内容として「未会計」とを関連付けて記述する。プロセッサ21は、その関連付けて記述された異常発生日と異常内容と同一行の無効フラグを“0”にセットする。
【0124】
プロセッサ21は、ACT99としてモバイル端末60に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して否認応答コマンドが送信される。否認応答コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、退店コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。以上で、プロセッサ21は、退店コマンドの受信処理を終了する。
【0125】
ステータスSTとして「会計完了」が記述されている場合、プロセッサ21は、ACT96においてYESと判定し、ACT100へと進む。プロセッサ21は、ACT100としてモバイル端末60に承認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して承認応答コマンドが送信される。承認応答コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、退店コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。以上で、プロセッサ21は、退店コマンド受信処理を終了する。
【0126】
図11の説明に戻る。
ACT28において退店コマンドの送信を制御したモバイル端末60のプロセッサ61は、ACT29として仮想POSサーバ20から承認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT29においてYESと判定し、図10及び図11の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0127】
仮想POSサーバ20から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、ACT29においてNOと判定し、ACT30へと進む。プロセッサ61は、ACT30として未会計画面が表示されるようにタッチパネル64を制御する。未会計画面には、例えば会計が終えていないことを通知するためのメッセージとともに、ユーザがメッセージを確認したことを指示するための「はい」ボタンの画像が表示される。未会計画面を確認したユーザは、「はい」ボタンにタッチして購買登録画面に戻り、「会計」ボタンをタッチすることとなる。以上で、図10及び図11の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0128】
ところで接続管理サーバ30は、接続管理テーブル321にて、例えばモバイル端末60のバッテリ切れが生じた、無線LANへの接続に何らかの不具合が発生した、ユーザが故意に無線LANへの接続を切断した、ユーザが買物アプリを終了して店舗から退店した等の理由により、店舗内の無線LANに接続されている状態であったが接続されなくなったモバイル端末60を管理する。すなわち接続管理サーバ30のプロセッサ31は、図18のACT101として接続管理テーブル321に記述されたアプリIDの中で、通信接続状態として「接続切断」が記述されたアプリIDが存在するのを待ち受ける。通信接続状態として「接続切断」が記述されたアプリIDが存在する場合、プロセッサ31は、ACT101においてYESと判定し、ACT102へと進む。
【0129】
プロセッサ31は、ACT102として仮想POSサーバ20に接続切断コマンドを送信するように通信インターフェース34を制御する。この制御により、通信インターフェース34を介して接続切断コマンドが送信される。接続切断コマンドは、通信ネットワーク1を介して仮想POSサーバ20で受信される。接続切断コマンドには、通信接続状態として「接続切断」が記述されたアプリIDが含まれる。以上で、プロセッサ31は、図18の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0130】
仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介して接続管理サーバ30から接続切断コマンドを受信すると、プロセッサ21は、図19の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0131】
プロセッサ21は、ACT111として接続切断コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT112としてそのアプリIDで識別される時系列バッファ231を抽出する。
【0132】
プロセッサ21は、ACT113として検出部212の機能により時系列バッファ231に現在の未会計を示すデータが記述されているか否かを確認する。
【0133】
現在の未会計を示すデータが記述されていない場合、すなわちユーザが店舗で会計を終えている場合は、例えばユーザが買物アプリを終了して店舗から退店したためにモバイル端末60が店舗内の無線LANに接続されなくなったことが考えられる。したがって現在の未会計を示すデータが記述されていない場合、プロセッサ21は、ACT113においてNOと判定し、接続切断コマンド受信処理を終了する。
【0134】
現在の未会計を示すデータが記述されている場合、例えば時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」及び「会計中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、ユーザが店舗で購買商品の登録操作を行っているものの、会計を終えていないことを意味する。したがって現在の未会計を示すデータが記述されている場合、プロセッサ21は、ACT113においてYESと判定し、ACT114へと進む。プロセッサ21は、ACT114として時計24で計時されている現在日時を取得する。
【0135】
プロセッサ21は、ACT115としてアプリIDで識別される異常状態データレコード2321を異常状態ファイル232から抽出する。プロセッサ21は、ACT116として異常状態データレコード2321に異常状態データを記述する。具体的にはプロセッサ21は、異常状態データレコード2321に、異常発生日としてACT114の処理で取得された現在日時と、異常内容として「未会計のまま接続切断」とを関連付けて記述する。プロセッサ21は、その関連付けて記述された異常発生日と異常内容と同一行の無効フラグを“0”にセットする。以上で、プロセッサ21は、接続切断コマンド受信処理を終了する。
【0136】
したがってこのような端末管理システムSYAであれば、モバイル端末60から仮想POSサーバ20に入店コマンドが送信されると、入店コマンドに含まれるアプリIDで識別される異常状態データレコード2321から、一定期間中に発生した異常状態の回数が取得される。
異常状態の回数が上限数を超えない場合、そのアプリIDで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「入店」とが関連付けて記述される。そして承認応答コマンドがモバイル端末60に送信される。すなわちモバイル端末60を利用した購買登録が行われる。モバイル端末60から仮想POSサーバ20に退店コマンドが送信されると、退店コマンドに含まれるアプリIDで識別される時系列バッファ231に、現在日時DTとステータスSTとして「退店」とが関連付けて記述される。その時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」、「会計中」及び「退店」が記述されているが、「退店」の前に「会計完了」が記述されていない場合、そのアプリIDで識別される異常状態データレコード2321に異常状態データ(異常発生日、異常内容及び無効フラグ)が記述される。
また接続管理サーバ30は、接続管理テーブル321の通信接続状態として「接続切断」が記述されたアプリID、すなわち店舗内の無線LANに接続されている状態であったが接続されなくなったアプリIDが存在することを確認すると、仮想POSサーバ20に接続切断コマンドを送信する。仮想POSサーバ20で接続切断コマンドが受信されると、接続切断コマンドに含まれるアプリIDで識別される時系列バッファ231にステータスSTとして「入店」、「登録中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、又は、ステータスSTとして「入店」、「登録中」及び「会計中」の記述がされているが、「会計完了」の記述がされていない場合、そのアプリIDで識別される異常状態データレコード2321に異常状態データが記述される。
一方、異常状態の回数が上限数を超えた場合、利用制限画面100の画像データと第1異常状態一覧画面200の画像データとを含む否認応答コマンドがモバイル端末60に送信される。
したがって異常状態が発生したモバイル端末60を操作したユーザに対して、当該モバイル端末60による購買処理(取引)を制限することができる。
【0137】
また利用制限画面100には、一定期間と、一定期間中に発生した異常状態の回数と、異常状態の発生によりモバイル端末60による購買処理を制限することをユーザに通知するメッセージとが表示される。したがってユーザは、異常状態の発生を認識することができる。
【0138】
さらに利用制限画面100の「詳細」ボタン102がタッチされると、第1異常状態一覧画面200が表示される。したがってユーザは、発生した異常状態の詳細を確認することができる。
【0139】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図22乃至図28を用いて説明する。
第2実施形態では、集計サーバ90を含む端末管理システムSYBを説明する。なお、第2実施形態に係る各図面及び以下におけるその説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。したがって当該同一の要素については説明を省略している場合がある。因みに、第1実施形態の説明で用いた図2乃至図11図13乃至図20は、第2実施形態でも共通であるので、ここでの説明は省略する。
【0140】
図22は、第2実施形態に係る端末管理システムSYBの概略構成を示すブロック図である。端末管理システムSYBは、複数の店舗システム80、集計サーバ90、通信ネットワーク2、複数のモバイル端末60を含む。集計サーバ90は、通信ネットワーク2を介して中継サーバ70に接続されている。
【0141】
店舗システム80は、端末管理システムSYBを導入した店舗毎に構成される。店舗の数は、特に限定されるものではない。図22では、店舗Aに構成された店舗システム80と、店舗Bに構成される店舗システム80とを示している。なお、店舗Aを運営する企業体は、店舗Bを運営する企業体と同じであってもよいし異なっていてもよい。以下では、店舗Aの店舗システムを店舗システム81と表し、店舗Bの店舗システムを店舗システム82と表す。また、各店舗の店舗システム81,82,…を総称する場合には、店舗システム80と表す。
【0142】
店舗システム80の基本的な構成は共通である。すなわち店舗システム80は、店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、接続管理サーバ30、会計機40、アクセスポイント50、モバイル端末60及び中継サーバ70を含む。店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、接続管理サーバ30、会計機40、アクセスポイント50及び中継サーバ70は、通信ネットワーク1に接続されている。
【0143】
接続管理サーバ30は、店舗システム80と通信を行うモバイル端末60の通信接続状態を管理する。接続管理サーバ30は、例えばモバイル端末60が店舗内の無線LAN等に接続されているか否かを管理する。
【0144】
中継サーバ70は、通信ネットワーク2に接続された集計サーバ90と、通信ネットワーク1に接続された各機器、すなわち店舗サーバ10、仮想POSサーバ20、接続管理サーバ30、会計機40及びアクセスポイント50と、の通信を中継する。通信ネットワーク2は、典型的にはインターネットである。通信ネットワーク2は、専用の閉域網であってもよいし、モバイル通信網を含んでいてもよい。
【0145】
集計サーバ90は、各店舗の仮想POSサーバ20で管理される異常状態ファイル232を収集し集計する。集計サーバ90は、集計したデータを仮想POSサーバ20に提供する。
【0146】
図23は、集計サーバ90の要部回路構成を示すブロック図である。図23に示すように、集計サーバ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、補助記憶デバイス93、時計94、通信インターフェース95及びシステム伝送路96を備える。システム伝送路96は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。集計サーバ90は、システム伝送路96に、プロセッサ91、メインメモリ92、補助記憶デバイス93、時計94及び通信インターフェース95を接続する。集計サーバ90では、プロセッサ91、メインメモリ92及び補助記憶デバイス93と、これらを接続するシステム伝送路96とによってコンピュータが構成される。
【0147】
プロセッサ91は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ91は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、集計サーバ90としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ91は、例えばCPUである。
【0148】
メインメモリ92は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ92は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ92は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ92は、プロセッサ91が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ92は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ91によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0149】
補助記憶デバイス93は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(登録商標)、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス93となり得る。補助記憶デバイス93は、プロセッサ91が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ91での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス93は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス93は、モバイル端末60の異常状態に係る情報を収集して記憶する記憶部として機能する。
【0150】
時計94は、集計サーバ90の時刻情報源として機能する。プロセッサ91は、時計94によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0151】
通信インターフェース95は、通信ネットワーク2に接続される。通信インターフェース95は、通信ネットワーク2を介して接続される各店舗システム80の中継サーバ70との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0152】
集計サーバ90は、補助記憶デバイス93の記憶領域の一部を集計データファイル931の領域とする。なお、集計データファイル931の記憶先は補助記憶デバイス93に限定されない。メインメモリ92の揮発性メモリ領域の一部に集計データファイル931を記憶してもよい。
【0153】
図24は、集計データファイル931に保存される集計データレコード9311の一例を示す模式図である。図24に示すように、集計データレコード9311は、アプリID毎に生成される集計データを保存する。アプリIDは、端末管理システムSYBが導入された店舗での買物の際に実行される買物アプリを識別するために買物アプリ毎に割り当てられた固有のコードである。集計データレコード9311は、アプリID、累計異常状態回数、一定期間、店舗データ9312等の項目を含む。累計異常状態回数は、各店舗データ9312の異常状態データレコード2321に含まれる有効な異常状態データの数の合計である。一定期間は、例えば端末管理システムSYBを管理する管理者が設定する。この場合、一定期間は、端末管理システムSYBが導入された各店舗において同一である。店舗データ9312は、店舗コード、店舗名、異常状態データレコード2321等を含む。店舗データ9312は、端末管理システムSYBが導入された店舗で買物アプリを利用した数だけある。店舗コードは、店舗を識別するために店舗毎に割り当てられた固有のコードである。店舗名は、対応する店舗コードで識別される店舗の名称である。なお、集計データレコード9311は、図24の項目に限定されるものではない。
【0154】
図25及び図27は、第2実施形態において、集計サーバ90のプロセッサ91が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。図26は、第2実施形態において、仮想POSサーバ20のプロセッサ21が、制御プログラムに従って実行する要部制御手順を示す流れ図である。そして、図26は、第1実施形態で説明した図12に対応する。そこで、第1実施形態と同一の処理ステップについては、同一の符号を付いている。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その動作手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0155】
第2実施形態では、例えば毎営業日の閉店後の所定の時間になると、仮想POSサーバ20は、店舗コードと異常状態ファイル232とを集計サーバ90宛てに送信するものとする。所定の時間をどのように設定するかは任意である。所定の時間は、仮想POSサーバ20において固定の値であってもよいし、仮想POSサーバ20を管理する店舗によって所望の値に変更可能であってもよい。店舗コードは、例えば仮想POSサーバ20のメインメモリ22に記憶されている。
また第2実施形態では、例えば毎営業日の閉店後の所定の時間から店舗コードと異常状態ファイル232とが受信される前までの、所定の時間になると、集計サーバ90は、集計データファイル931に保存される集計データレコード9311に含まれる累計異常状態回数の初期化を行うものとする。この初期化により、累計異常状態回数は“0”にリセットされる。所定の時間は、集計サーバ90において固定の値であってもよいし、集計サーバ90を管理する管理者によって所望の値に変更可能であってもよい。
【0156】
集計サーバ90のプロセッサ91は、図25のACT121として店舗コードと異常状態ファイル232とを受信するのを待ち受ける。店舗コードと異常状態ファイル232とを受信した場合、プロセッサ91は、ACT121においてYESと判定し、ACT122へと進む。
【0157】
プロセッサ91は、ACT122として受信した異常状態ファイル232に保存される異常状態データレコード2321を識別するアプリID別に、各アプリIDを含む集計データレコード9311を集計データファイル931からそれぞれ抽出する。
【0158】
プロセッサ91は、ACT123として受信した店舗コードを含む店舗データ9312を集計データレコード9311から抽出する。
【0159】
プロセッサ91は、ACT124としてその店舗データ9312に含まれる異常状態データレコード2321を、受信した異常状態データレコード2321に更新する。
【0160】
プロセッサ91は、ACT125としてACT124の処理で更新された異常状態データレコード2321に、一定期間外の異常発生日が存在するか否かを確認する。一定期間は、ACT122の処理で抽出された集計データレコード9311に含まれる一定期間である。一定期間外の異常発生日が存在しない場合、プロセッサ91は、ACT125においてNOと判定し、ACT127へと進む。ACT127の処理は、後述する。
【0161】
一定期間外の異常発生日が存在する場合、プロセッサ91は、ACT125においてYESと判定し、ACT126へと進む。プロセッサ91は、ACT126として一定期間外の異常発生日と同一行の無効フラグを“1”にセットする。すなわち“1”がセットされた無効フラグと同一行の全ての項目は無効化される。なお、異常状態データレコード2321に一定期間外の異常発生日が複数存在する場合には、各異常発生日と同一行の無効フラグをそれぞれ“1”にセットする。
【0162】
プロセッサ91は、ACT127として異常状態データレコード2321から異常状態の回数を取得する。なお、店舗データ9312が複数存在する場合には、異常状態の回数は、各店舗データ9312に含まれる異常状態データレコード2321からそれぞれ異常状態の回数を取得して合算した数である。
【0163】
プロセッサ91は、ACT128として累計異常状態回数を更新する。具体的にはプロセッサ91は、集計データレコード9311に含まれる累計異常状態回数を、ACT127の処理で取得された異常状態の回数に更新する。以上で、プロセッサ91は、図25の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0164】
ところで、第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、通信インターフェース25を介してモバイル端末60から入店コマンドを受信すると、図26の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0165】
第2実施形態では、ACT31の処理の後にACT131乃至ACT133の処理を行う。
プロセッサ21は、ACT131として集計コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して集計コマンドが送信される。集計コマンドは、通信ネットワーク1を介して中継サーバ70で受信され、通信ネットワーク2を介して集計サーバ90へと送信される。集計コマンドには、ACT31の処理で取得されたアプリIDが含まれる。
【0166】
集計サーバ90のプロセッサ91は、通信インターフェース95を介して仮想POSサーバ20から集計コマンドを受信すると、プロセッサ91は、図27の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0167】
プロセッサ91は、ACT141として集計コマンドからアプリIDを取得する。そしてプロセッサ91は、ACT142としてそのアプリIDで識別される集計データレコード9311を集計データファイル931から抽出する。
【0168】
プロセッサ91は、ACT143として集計済コマンドを仮想POSサーバ20に送信するように通信インターフェース95を制御する。この制御により、通信インターフェース95を介して集計済コマンドが送信される。集計済コマンドは、通信ネットワーク2を介して中継サーバ70で受信され、通信ネットワーク1を介して仮想POSサーバ20へと送信される。集計済コマンドには、ACT141の処理で取得されたアプリIDで識別される集計データレコード9311が含まれる。
【0169】
図26の説明に戻る。
ACT131において集計コマンドの送信を制御した仮想POSサーバ20のプロセッサ21は、ACT132として集計サーバ90からの集計済コマンドを待ち受ける。集計サーバ90から集計済コマンドを受信した場合、プロセッサ21は、ACT132においてYESと判定し、ACT133へと進む。
【0170】
プロセッサ21は、ACT133として制限部213の機能により集計済コマンドに含まれる集計データレコード9311において、その集計データレコード9311に含まれる累計異常状態回数が上限数を超えたか否かを確認する。
【0171】
累計異常状態回数が上限数を超えない場合、ACT133においてNOと判定し、ACT39へと進む。ACT39乃至ACT44の処理は、第1実施形態と同様である。以上で、プロセッサ21は、入店コマンドの受信処理を終了する。
【0172】
第2実施形態では、上限数を超えた場合、プロセッサ21は、ACT133においてYESと判定し、ACT134へと進む。
プロセッサ21は、ACT134として集計データレコード9311を基に利用制限画面100と第2異常状態一覧画面とを作成する。第2異常状態一覧画面は、後述する。
【0173】
プロセッサ21は、ACT135として出力部214の機能によりモバイル端末60に否認応答コマンドを送信するように通信インターフェース25を制御する。この制御により、通信インターフェース25を介して否認応答コマンドが送信される。否認応答コマンドは、通信ネットワーク1を介してアクセスポイント50から無線送信され、入店コマンド送信元のモバイル端末60で受信される。否認応答コマンドには、利用制限画面100の画像データと、第2異常状態一覧画面の画像データとが含まれる。以上で、プロセッサ21は、入店コマンドの受信処理を終了する。
【0174】
仮想POSサーバ20から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、利用制限画面100が表示されるようにタッチパネル64を制御する。異常状態の詳細を閲覧するユーザは、「詳細」ボタン102にタッチする。「詳細」ボタン102がタッチされると、第2異常状態一覧画面300(図28を参照)が表示される。
【0175】
図28は、第2異常状態一覧画面300の一例を示す図である。図21図28とを対比すればわかるように、第2実施形態では、店舗名がさらに表示される。なお、図28に表示されているテキストデータ及び画像の内容は一例である。
【0176】
したがってこのような端末管理システムSYBであれば、モバイル端末60から仮想POSサーバ20に入店コマンドが送信されると、仮想POSサーバ20から集計サーバ90に入店コマンドに含まれるアプリIDを含む集計コマンドが送信される。集計サーバ90は、そのアプリIDで識別される集計データレコード9311を含む集計済コマンドを仮想POSサーバ20に送信する。仮想POSサーバ20で集計済コマンドが受信されると、集計データレコード9311に含まれる一定期間中に発生した累計異常状態回数が取得される。累計異常状態回数が上限数を超えた場合、利用制限画面100の画像データと第2異常状態一覧画面300の画像データとを含む否認応答コマンドがモバイル端末60に送信される。
したがって複数の店舗で異常状態が発生したモバイル端末60を操作したユーザに対して、当該モバイル端末60による購買処理(取引)を制限することができる。
【0177】
またモバイル端末60で否認応答コマンドが受信されると、タッチパネル64に利用制限画面100が表示される。利用制限画面100の「詳細」ボタン102がタッチされると、店舗名がさらに表示された第2異常状態一覧画面300が表示される。したがってユーザは、複数の店舗で発生した異常状態の詳細を確認することができる。
【0178】
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0179】
前記実施形態では、入店用データコード及び退店用データコードは、所定の二次元コード体系でコード化したものであることを例示した。例えば入店用データコード及び退店用データコードは、媒体に含める情報量によっては、一次元コード体系でもよい。
【0180】
前記実施形態では、ユーザがカメラ65で店舗の入口に用意された入店用データコードを読み取ると、入店操作が行われたとして、ステータスSTは「入店」となることを例示した。またユーザがカメラ65で店舗の出口に用意された退店用データコードを読み取ると、退店操作が行われたとして、ステータスSTは「退店」となることを例示した。入店用データコード又は退店用データコードを読み取らずに店舗から入店又は退店した場合も、ステータスSTを「入店」又は「退店」としてもよい。例えば店舗の出入口にゲート装置がある。ゲート装置は、客がゲート装置を通過したことを検出する通過センサと、モバイル端末60の端末コードを読み取るリーダとを含む。例えば客は、入店方向にゲート装置を通過する。その客が所有するモバイル端末60の端末コードがリーダで読み取られると、入店操作が行われたとして、ステータスSTを「入店」としてもよい。また例えば客は、退店方向にゲート装置を通過する。その客が所有するモバイル端末60の端末コードがリーダで読み取られると、退店操作が行われたとして、ステータスSTを「退店」としてもよい。
【0181】
前記実施形態では、1点目の購買商品である場合、ステータスSTを「登録中」とすることを例示した。例えばユーザが登録した購買商品を1点ずつ削除操作又は一括削除操作(取引中止)を行い、購買登録リスト221の購買商品データ2211が存在しなくなった場合、ステータスSTを「入店」としてもよい。この場合、ステータスSTは、「入店」、「登録中」、「入店」の順番で時系列バッファ231に記述されることとなる。
【0182】
前記実施形態では、モバイル端末60のタッチパネル64に未会計画面が表示されることを例示した。例えば未会計である旨との音声メッセージを出力してもよい。
【0183】
前記実施形態では、接続管理サーバ30は、通信ネットワーク1に接続されていることを例示した。例えば接続管理サーバ30は、クラウドコンピューティングとしてインターネット上に設けられていてもよい。
【0184】
前記実施形態では、仮想POSサーバ20は、補助記憶デバイス23の記憶領域の一部を、時系列バッファ231の領域とすることを例示した。例えばモバイル端末60の外部メモリ63に時系列バッファ231を記憶してもよい。
【0185】
前記実施形態では、仮想POSサーバ20を端末管理装置の一態様として説明した。例えば店舗サーバ10、接続管理サーバ30、または集計サーバ90のうち少なくとも1つのサーバとしての機能をさらに備えた仮想POSサーバ20を端末管理装置としてもよい。換言すれば、仮想POSサーバ20としての機能を備えた店舗サーバ10、接続管理サーバ30、または集計サーバ90を端末管理装置としてもよい。
【0186】
前記第2実施形態では、毎営業日の閉店後の所定の時間になると、仮想POSサーバ20は、店舗コードと異常状態ファイル232とを集計サーバ90宛てに送信することを例示した。集計サーバ90宛てに送信するタイミングは、例えば毎営業日の開店前の所定の時間でもよい。この場合、例えば毎営業日の開店前の所定の時間から店舗コードと異常状態ファイル232とが受信される前までの、所定の時間になると、集計サーバ90は、集計データファイル931に保存される集計データレコード9311に含まれる累計異常状態回数の初期化を行ってもよい。
【0187】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限部と、
を具備する端末管理装置。
[C2]
前記制限部により前記モバイル端末による購買処理が制限されると、その旨を当該モバイル端末に出力する出力部と、
をさらに具備するC1記載の端末管理装置。
[C3]
前記出力部は、前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常状態に係る一覧を当該モバイル端末に出力する、
をさらに具備するC2記載の端末管理装置。
[C4]
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出部と、を具備する複数の端末管理装置と、
前記検出部により検出された前記モバイル端末の異常状態に係る情報を収集して記憶する記憶部と、
を含み、
前記端末管理装置は、
前記記憶部に記憶された前記モバイル端末の異常状態に係る情報に基づいた前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限部と、
を具備する端末管理システム。
[C5]
端末管理装置のコンピュータを、
商品の購買処理に使用される客が操作するモバイル端末の動作状態を示すステータス情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された前記ステータス情報に基づいて前記モバイル端末の異常状態を検出する検出手段、及び、
前記検出手段により検出された前記モバイル端末の異常状態の回数に応じて、当該モバイル端末による購買処理を制限する制限手段、
として機能させるための端末管理プログラム。
【符号の説明】
【0188】
1、2…通信ネットワーク、10…店舗サーバ、20…仮想POSサーバ、21、31、61、91、411…プロセッサ、22、32、92、412…メインメモリ、23、33、93、413…補助記憶デバイス、24、94、414…時計、25、34、95、416…通信インターフェース、26、35、67、96、421…システム伝送路、30…接続管理サーバ、40…会計機、50…アクセスポイント、60…モバイル端末、62…内蔵メモリ、63…外部メモリ、64、417…タッチパネル、65…カメラ、66…無線ユニット、70…中継サーバ、80(81、82)…店舗システム、90…集計サーバ、221…購買登録リスト、231…時系列バッファ、232…異常状態ファイル、321…接続管理テーブル、401…有人会計機、402…セルフ会計機、415…釣銭機インターフェース、418…スキャナ、419…リーダ、420…プリンタ、931…集計データファイル、2211…購買商品データ、2321…異常状態データレコード、9311…集計データレコード、9312…店舗データ、SYA、SYB…端末管理システム、211…取得部、212…検出部、213…制限部、214…出力部。
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