(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-01
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】電気部品組立体、電気部品組立体の製造方法及び車両用ブレーキ液圧制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 8/34 20060101AFI20250502BHJP
H01F 7/06 20060101ALI20250502BHJP
H01F 7/16 20060101ALI20250502BHJP
【FI】
B60T8/34
H01F7/06 P
H01F7/16 R
(21)【出願番号】P 2024512695
(86)(22)【出願日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2023012864
(87)【国際公開番号】W WO2023190711
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2022061056
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】千葉 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】野原 みさと
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-160482(JP,A)
【文献】特開2000-221368(JP,A)
【文献】国際公開第2018/151264(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/32-8/96
H01F 7/06
H01F 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに制御基板組立体が組み付けられて構成される電気部品組立体であって、
前記制御基板組立体は、制御基板と、接続端子を介して前記制御基板に組み付けられた電気部品と、
前記制御基板に設けられ、前記ハウジングに対して前記制御基板を固定するための基板位置決め孔と、
前記ハウジングに設けられ、前記基板位置決め孔に嵌合される固定用のハウジング側突起と、を備え
、
前記制御基板組立体において、前記電気部品は、電磁弁を駆動するためのコイル組立体
及び電動モータに接続されるバスバー端子
体のいずれかであることを特徴とする電気部品組立体。
【請求項2】
前記電気部品は、前記コイル組立体及び前記バスバー端子体のいずれか、及びコネクタ端子体であることを特徴とする請求項1に記載の電気部品組立体。
【請求項3】
前記制御基板は、前記電気部品を固定するための固定孔を備えており、
前記電気部品は、前記接続端子が樹脂で一体化された端子本体部と、前記端子本体部に設けられ、前記固定孔に嵌合される固定用突起と、を備えていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の電気部品組立体。
【請求項4】
前記接続端子は、前記制御基板に設けられたスルーホールに挿入されるプレスフィット端子であることを特徴とする請求項1
から請求項
3のいずれか1項に記載の電気部品組立体。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の電気部品組立体を備えた車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に接続され、前記車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の電気部品組立体の製造方法であって、
組立用治具に前記電気部品をセットする電気部品セット工程と、
前記組立用治具に前記制御基板をセットし、前記電気部品セット工程により前記組立用治具にセットされた前記電気部品の前記接続端子を前記制御基板に電気的に接続して前記制御基板組立体を組み立てる組立工程と、
前記組立工程により組み立てられた前記制御基板組立体を、前記ハウジングにセットする制御基板組立体セット工程と、を備えることを特徴とする電気部品組立体の製造方法。
【請求項7】
請求項
1に記載の電気部品組立体の製造方法であって、
組立用治具に前記電気部品をセットする電気部品セット工程と、
前記組立用治具に前記制御基板をセットし、前記電気部品セット工程により前記組立用治具にセットされた前記電気部品の前記接続端子を前記制御基板に電気的に接続して前記制御基板組立体を組み立てる組立工程と、
前記組立工程により組み立てられた前記制御基板組立体を、前記ハウジングにセットする制御基板組立体セット工程と、を備え、
前記制御基板組立体セット工程は、
前記ハウジング側突起を前記基板位置決め孔に嵌合し、前記ハウジング側突起を熱カシメする工程を備えることを特徴とする電気部品組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品組立体、電気部品組立体の製造方法及び車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車や四輪車等の車両のブレーキ系統において、車輪ブレーキに作用させるブレーキ液圧を制御する車両用ブレーキ液圧制御装置を備えたものが知られている。車両用ブレーキ液圧制御装置としては、内部にブレーキ液路が形成された基体と、基体の一面に取り付けられる電磁弁と、を備えているものがある。基体の一面には、電気部品としてのコイル組立体、バスバー端子体及びコネクタ端子体と、これらを覆うハウジングとからなる電気部品組立体が取り付けられている。コイル組立体等の電気部品は、ハウジング内に配設された制御基板に接続されている。
【0003】
ハウジングへの制御基板の組み付け方法としては、特許文献1に開示された方法が知られている。特許文献1では、ハウジングに電気部品を予め組み付けておき、ハウジングに予め組み付けた電気部品の各接続端子の先端部に制御基板の各スルーホールを位置合わせし、制御基板を電気部品に向けて押し込んでいる。これにより、電気部品の各接続端子が制御基板の各スルーホールに圧接され、各電気部品が制御基板に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の組み付け方法は、ハウジングを介して、電気部品の各接続端子と制御基板の各スルーホールとの位置出しを行うものであるため、ハウジングの構造が複雑になるとともに、位置出しに関わる各電気部品及びハウジングの高い寸法精度や高い組付精度が必要であり、コストアップに繋がるという課題があった。
【0006】
本発明は、前記した課題を解決し、ハウジングの構造を簡単化できるとともに、電気部品の組付性に優れ、コスト低減を図ることができる電気部品組立体、電気部品組立体の製造方法及び車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の電気部品組立体は、ハウジングに制御基板組立体が組み付けられて構成される。前記制御基板組立体は、制御基板と、接続端子を介して前記制御基板に組み付けられた電気部品と、を備えている。電気部品組立体は、前記制御基板に設けられ、前記ハウジングに対して前記制御基板を固定するための基板位置決め孔と、前記ハウジングに設けられ、前記基板位置決め孔に嵌合される固定用のハウジング側突起と、を備えている。前記制御基板組立体において、前記電気部品は、電磁弁を駆動するためのコイル組立体及び電動モータに接続されるバスバー端子体のいずれかである。
【0008】
本発明によれば、制御基板に対して電気部品を予め組み付けて制御基板組立体を構成し、その後、この制御基板組立体をハウジングに組み付けるという組み付け手法を採ることができる。したがって、従来のような組み付け手法、すなわち、ハウジングに電気部品を予め組み付けた後に、電気部品の接続端子と制御基板(制御基板のスルーホール)との位置出しを行いつつ制御基板をハウジングに組み付けるという組み付け手法を採る必要がなくなる。したがって、電気部品の接続端子と制御基板(制御基板のスルーホール)との位置出しに必要となる、高い寸法精度や高い組付精度が不要となり、ハウジングの構造を簡素化できる。
また、電気部品と制御基板とを接続するための端子等をハウジングに対してインサート成形する必要がなくなるので、電気的な接続方法の選択肢が増える。
また、制御基板組立体をハウジングに組み付けるだけで電気部品組立体が構成されるので、組付性に優れる。以上により、本発明の電気部品組立体によれば、コスト低減を図ることができる。
また、制御基板の基板位置決め孔にハウジングのハウジング側突起を嵌合することで、制御基板組立体をハウジングに固定できる。したがって、制御基板組立体をハウジングへ容易に組み付けることができ、組付性が向上する。
また、コストを低減した電気部品組立体が得られる。
また、前記電気部品は、前記コイル組立体及び前記バスバー端子体のいずれか、及びコネクタ端子体であることが好ましい。
【0009】
また、前記制御基板は、前記電気部品を固定するための固定孔を備えており、前記電気部品は、前記接続端子が樹脂で一体化された端子本体部と、前記端子本体部に設けられ、前記固定孔に嵌合される固定用突起と、を備えていることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、制御基板の固定孔に端子本体部の固定用突起を嵌合することで、制御基板に対して端子本体部を固定できる。また、制御基板に対して端子本体部を直接固定できるので取付強度が向上し、端子本体部に意図しない外力が作用したときには、固定用突起が外力に抵抗するようになる。これにより、接続端子と制御基板との電気的接続部に外力による負荷が作用するのを好適に防止できる。
【0011】
また、前記接続端子は、前記制御基板に設けられたスルーホールに挿入されるプレスフィット端子であることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、電気部品と制御基板との接続を容易に行うことができ、組付性が向上する。
【0017】
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置は、前記電気部品組立体を備えており、マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に接続され、前記車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置では、制御基板への電気部品の接続を確実に行うことができるので、製品品質の向上、装置によるブレーキ液圧制御の信頼性の向上を図ることができる。また、車両用ブレーキ液圧制御装置のコストの低減を図ることができる。
【0019】
また、本発明は、前記電気部品組立体の製造方法であって、組立用治具に前記電気部品をセットする電気部品セット工程と、前記組立用治具に前記制御基板をセットし、前記電気部品セット工程により前記組立用治具にセットされた前記電気部品の前記接続端子を前記制御基板に電気的に接続して前記制御基板組立体を組み立てる組立工程と、前記組立工程により組み立てられた前記制御基板組立体を、前記ハウジングにセットする制御基板組立体セット工程と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の電気部品組立体の製造方法では、組立用治具を用いて電気部品を位置決めできるので、電気部品の位置精度が向上する。また、組立用治具を用いて電気部品の接続端子を制御基板に接続できるので、電気部品と制御基板との位置出しに関わる高い寸法精度や高い組付精度が不要となり、組付性に優れ、コスト低減を図ることができる。
【0021】
また、本発明は、前記電気部品組立体の製造方法であって、組立用治具に前記電気部品をセットする電気部品セット工程と、前記組立用治具に前記制御基板をセットし、前記電気部品セット工程により前記組立用治具にセットされた前記電気部品の前記接続端子を前記制御基板に電気的に接続して前記制御基板組立体を組み立てる組立工程と、前記組立工程により組み立てられた前記制御基板組立体を、前記ハウジングにセットする制御基板組立体セット工程と、を備え、前記制御基板組立体セット工程は、前記ハウジング側突起を前記基板位置決め孔に嵌合し、前記ハウジング側突起を熱カシメする工程を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明の電気部品組立体の製造方法では、組立用治具を用いて電気部品を位置決めできるので、電気部品の位置精度が向上する。また、組立用治具を用いて電気部品の接続端子を制御基板に接続できるので、電気部品と制御基板との位置出しに関わる高い寸法精度や高い組付精度が不要となり、組付性に優れ、コスト低減を図ることができる。
さらに、熱カシメにより、ハウジングに制御基板組立体を確実に固定できる。したがって、ハウジングに対して制御基板組立体を高精度に位置決めできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る電気部品組立体、電気部品組立体の製造方法及び車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、ハウジングの構造を簡単化できるとともに、電気部品の組付性に優れ、コスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電気部品組立体が組み付けられた車両用ブレーキ液圧制御装置を示した斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る電気部品組立体を示した斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る電気部品組立体において制御基板組立体をハウジングに組み付ける際の様子を示した斜視図である。
【
図4】
図3のIV-IV線に沿う拡大断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る電気部品組立体の制御基板組立体を組み立てる際に使用される組立用治具を示した斜視図である。
【
図6】組立用治具に電気部品を組み付けた状態を示した斜視図である。
【
図7】電気部品を組み付けた組立用治具に制御基板を組み付けた状態を示した斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る電気部品組立体に用いられるコネクタ端子体を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図9】コネクタ端子体の断面を示す図であり、(a)は
図8(b)のIX-IXに沿う断面図、(b)は一部断面側面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る電気部品組立体に用いられる他の形態のコネクタ端子体を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図11】他の形態のコネクタ端子体の断面を示す図であり、(a)は
図10(b)のXI-XIに沿う断面図、(b)は一部断面側面図である。
【
図12】制御基板組立体の他の組み付け方法を示した分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。以下では、車両用ブレーキ液圧制御装置の構成部品として機能する電気部品組立体について説明するが、電気部品組立体の用途を限定する趣旨ではない。また、車両用ブレーキ液圧制御装置、電気部品組立体、制御基板組立体の前後左右上下を言うときは、電気部品の上に制御基板を配置した状態(
図1等に示す方向)を基準とするが、各方向を限定する趣旨ではない。電気部品組立体の使用状態(車両等に搭載したときの状態)における前後左右上下とは必ずしも一致しない。
【0026】
(第1実施形態)
車両用ブレーキ液圧制御装置100は、図示しないマスタシリンダと車輪ブレーキとの間に接続され、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御するものである。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置100は、基体110と、基体110の一面に組み付けられた電気部品組立体1とを備えている。基体110には、車両に備わるブレーキ系統に対応した電磁弁120、圧力センサ等の各種センサ(不図示)、さらに電動モータM、往復動ポンプPなどが組み付けられている。電気部品組立体1は、車体の挙動を検出して、電磁弁120の開閉や電動モータMの作動を制御する電子制御ユニットとして機能する。
【0027】
基体110は、略直方体に形成された金属部品であり、その内部には図示しないブレーキ液路(油路)が形成されている。基体110の図示しない外面には、車輪ブレーキに至る配管が接続されるポート等が形成されている。車両用ブレーキ液圧制御装置100は、車体の挙動に基づいて、電気部品組立体1に備わる制御基板11が電磁弁120や電動モータMを作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させる。
【0028】
電気部品組立体1は、
図2に示すように、樹脂製のハウジング2と、ハウジング2に組み付けられる制御基板組立体3とを備えている。ハウジング2は、基体110(
図1参照)の上面にねじ締結等の手段により一体的に固着される箱体である。ハウジング2は、制御基板組立体3を収容するとともに、
図1に示すように、基体110から突出した電磁弁120、モータバスバー(不図示)を収容している。
【0029】
ハウジング2は、
図3に示すように、
図3の上面側及び下面側がそれぞれ開口している。上面側は、基体110(
図1参照、以下同じ)側とは反対側となる面であり、後記する図示しない蓋体が取り付けられる側である。下面側は、基体110側である。ハウジング2は、板状の底壁部24と、底壁部24の上面側に設けられる蓋体側周壁部25と、底壁部24の下面側に設けられる基体側周壁部21とを備えている。
底壁部24は、図の前後方向よりも図の左右方向に大きい略長方形の外形を備えている。蓋体側周壁部25は、底壁部24の周縁部から上方へ延在しており、外周形状が略四角形状を呈している。蓋体側周壁部25は、その内側に、略四角形状の制御基板11及びコイル組立体15等の電気部品の上部側を収容する基体側収容室25aを形成している。
なお、蓋体側周壁部25の上部開口部は、樹脂製の図示しない蓋体で密閉される。蓋体は、溶着や接着、ねじ締結などの手段により蓋体側周壁部25の上部開口部に固着される。
【0030】
基体側周壁部21は、底壁部24の下面から図の下方へ延在しており、外周形状が略八角形状(一部図示)を呈している。基体側周壁部21は、その内側にコイル組立体15を収容する基体側収容室21aを形成している。基体側周壁部21の内面形状は、コイル組立体15の外面形状に沿う形状となっている。
基体側周壁部21の後壁内面には、前方へ突出する略円筒状の第1突出部130が形成されている。第1突出部130の内側には、図の上下方向に貫通する円形の中空部131が形成されている。中空部131は、バスバー端子体16を収容する収容孔として機能する。
【0031】
基体側周壁部21の図の左壁側内面には、図の右方へ突出する略円筒状の第2突出部24aが形成されている。また、基体側周壁部21の図の右壁側内面には、図の左方へ突出する略円筒状の第3突出部24bが形成されている。第2突出部24a及び第3突出部24bの各外周部は、基体側収容室21aに収容される4つのコイル組立体15の側方に配置されており、各コイル組立体15の位置決め部材(移動規制部材)として機能する。第2突出部24a及び第3突出部24bには、図の上下方向に貫通する肉抜き部24cが形成されている。
【0032】
底壁部24の図の右側には、底壁部24を図の上下方向に貫通するコネクタ端子体収容室26aが形成されている。コネクタ端子体収容室26aは、図の左右方向よりも図の前後方向に大きい長方形の形状を呈している。コネクタ端子体収容室26aは、底壁部24の上面から上方へ延在する基体側コイル周壁部26と、底壁部24の下面から下方へ延在するコネクタ側コイル周壁部22とにより画成されている。コネクタ端子体収容室26aには、コネクタ端子体17が配置される。
【0033】
底壁部24における前後左右の各部位には、制御基板11を位置決め固定するためのハウジング側突起23が立設されている。各ハウジング側突起23は、制御基板11の対応する位置にそれぞれ設けられた基板位置決め孔12に嵌合可能な円柱状を呈している。
図2に示したハウジング側突起23は、熱カシメによって頭部23aを半球状に形成した状態を示している。なお、頭部23の形状は、制御基板11を固定できる形状であれば種々の形状を採用し得る。
【0034】
制御基板組立体3は、
図3に示すように、制御基板11と、制御基板11に組み付けられた電気部品としてのコイル組立体15、バスバー端子体16及びコネクタ端子体17とを備えている。コイル組立体15、バスバー端子体16及びコネクタ端子体17は、接続端子としてのプレスフィット端子14を介して制御基板11に電気的に接続されている。以下では、コイル組立体15、バスバー端子体16及びコネクタ端子体17を、単に電気部品と称することがある。
【0035】
制御基板11は、電気回路がプリントされた略長方形の基板本体に、半導体チップなどの電子部品を取り付けたものである。制御基板11には、スルーホール13が複数形成されている。各スルーホール13には、コイル組立体15、バスバー端子体16及びコネクタ端子体17の各プレスフィット端子14が挿入され、各スルーホール13の孔壁に圧接されている。制御基板11は、車両に備わる図示しないセンサ等から得られた情報や、予め記憶させておいたプログラムに基づいて制御を行う。具体的には、コイル組立体15や電動モータMへの通電を制御して、各電磁弁120の開閉作動や電動モータMの駆動を制御する。センサとしては、圧力センサの他、角速度センサや加速度センサ等の種々のものが挙げられる。
【0036】
コイル組立体15は、樹脂製のボビン15aと、ボビン15aに巻回されたコイル15bと、ボビン15aに装着されたヨーク15cとを備えている。ボビン15aの基体側端部には、プレスフィット端子14が立設されている。プレスフィット端子14の基端部は、モールド成形によりボビン15aに埋設されている。コイル組立体15は、電磁弁120が設けられる位置に対応して計4個備わり、
図1に示すように、電磁弁120を取り囲んだ状態で、ハウジング2内に収容される。各コイル組立体15は、制御基板11からプレスフィット端子14を介してコイル15bに通電されることで各電磁弁120の周囲に磁場を発生させ、各電磁弁120を駆動するように構成されている。
【0037】
バスバー端子体16は、
図3に示すように、有底円筒状を呈する樹脂製の筒部を有している。バスバー端子体16の筒部の基体側端部には、プレスフィット端子14が立設されている。プレスフィット端子14の基端部は、モールド成形によりバスバー端子体16の筒部に埋設されている。バスバー端子体16は、ハウジング2の基体側周壁部21の中空部131に対応して制御基板11に取り付けられており、制御基板組立体3をハウジング2に組み付けることで中空部131に収容される。バスバー端子体16は、電動モータMからのバスバーが接続される図示しない接続部を内部に備えており、制御基板11から供給される電力を電動モータMに供給する。
【0038】
コネクタ端子体17は、
図4に示すように、複数のプレスフィット端子14がモールドにより一体化された樹脂体としての端子本体部17aを備えている。端子本体部17aは、
図3に示すように、図の前後方向に延在する略角柱状を呈している。端子本体部17aの蓋体側面17dは、全体が平らに形成されており、制御基板11の基体側面11aに突き当てられている。端子本体部17aの蓋体側面17dには、前後一対の固定用突起17bが突設されている(
図4では一方のみ図示)。各固定用突起17bは、制御基板11に形成された固定孔18に嵌合可能な円柱状を呈している(
図8(a)(b)参照)。
図4に示した固定用突起17bは、熱カシメによって頭部17b1を半球状に形成した状態を示している。なお、頭部17b1の形状は、コネクタ端子体17を固定できる形状であれば種々の形状を採用し得る。
【0039】
コネクタ端子体17において、複数のプレスフィット端子14は、端子本体部17aに対して
図3の左右二列で
図3の前後方向に間隔を開けて配置されている。各プレスフィット端子14は、
図3の上下方向の中央部が端子本体部17aに埋設されて(モールドされて)おり、上部及び下部がそれぞれ露出している。各プレスフィット端子14は、モールドされた樹脂が流入する流入孔14b1を備えている。本実施形態のコネクタ端子体17は、プレスフィット端子14として、端子本体部17aの前端部及び後端部に配置されるプレスフィット端子14Bと、それ以外の部位に配置されるプレスフィット端子14Aとの二種類の端子を備えている。
【0040】
このようなコネクタ端子体17は、複数のプレスフィット端子14を各スルーホール13に挿入するとともに、各固定用突起17bを各固定孔18に嵌合し、各固定用突起17bの頭部を溶着や接着等の固着手段により固定孔18に固着することで、端子本体部17aが制御基板11の下面に固定される。そして、コネクタ端子体17は、制御基板組立体3をハウジング2に組み付ける過程で、ハウジング2のコネクタ端子体収容室26aに収容される。コネクタ端子体17に対しては、車両側の図示しないコネクタが接続される。
【0041】
なお、端子本体部17aは、制御基板11の基体側面11aに対して蓋体側面17dの全体が突き当てられるものに限られることはなく、一部が突き当てられるものであってもよい。
【0042】
次に、電気部品組立体1の製造方法について説明する。
図5は電気部品組立体1を構成している制御基板組立体3の製造に用いられる組立用治具を示した斜視図、
図6は組立用治具に電気部品を組み付けた状態を示した斜視図、
図7は電気部品を組み付けた組立用治具に制御基板を組み付けた状態を示した斜視図である。
【0043】
組立用治具50は、電気部品を制御基板11に組み付けるために用いられる治具である。組立用治具50は、
図5に示すように、板状の基台51と、基台51上にそれぞれ一体に設けられた、基板支持部52,53と、コイル支持部54と、バスバー端子体支持部55と、コネクタ端子体支持部56とを備えている。
【0044】
基台51は、平面視において前後方向の長さよりも左右方向の長さが大きい略長方形に構成されている。基板支持部52は、前後方向に延在する板状を呈しており、基台51の左縁部に沿って設けられている。基板支持部52の上面には、制御基板11(
図7参照)の左縁部が載置される載置面52aが形成されている。基板支持部53は、柱状を呈しており、基台51の前縁部及び後縁部に一対設けられている。各基板支持部53の上面には、制御基板11の前縁部及び後縁部が載置される載置面53aがそれぞれ形成されている。
【0045】
コイル支持部54は、円柱状を呈しており、基台51の所定位置に計4個設けられている。各コイル支持部54は、コイル組立体15(
図6参照)のボビン15aに挿通可能に形成されている。基台51には、各コイル支持部54の基体側端部の周りに凹部54aが形成されている。各凹部54aは、コイル組立体15の基体側端部が嵌め入れられる形状を呈している。このようなコイル支持部54と凹部54aとにより、基台51上にコイル組立体15の位置決めがなされ、コイル組立体15に備わるプレスフィット端子14の位置出しが実現される。
【0046】
バスバー端子体支持部55は、円柱状を呈しており、基台51の左右方向の略中央部において後端部側に設けられている。バスバー端子体支持部55は、バスバー端子体16に挿入可能に形成されている。コネクタ端子体支持部56は、左右方向の長さよりも前後方向の長さが大きい有底の四角枠状を呈しており、基台51の右縁部に沿って設けられている。コネクタ端子体支持部56の内側には、コネクタ端子体17が収容される大きさの収容部56aが形成されている。収容部56aの底部には、コネクタ端子体17の複数のプレスフィット端子14の一部が差し込まれる差込穴56bが形成されている。
【0047】
制御基板組立体3の製造方法は、電気部品セット工程と、組立工程と、制御基板組立体セット工程とを備えている。
電気部品セット工程は、組立用治具50に電気部品をセットする工程である。
具体的な手順の一例は次のとおりである。
図6に示すように、まず、各コイル支持部54にコイル組立体15を挿通し、各凹部54aにコイル組立体15の基体側端部をそれぞれ嵌め入れる。続けて、バスバー端子体支持部55にバスバー端子体16を被せ、左右方向に2つのプレスフィット端子14が並ぶように向きを合わせる。そして、コネクタ端子体支持部56の収容部56aにコネクタ端子体17を近づけ、各プレスフィット端子14を差込穴56bに差し込んで収容部56aにコネクタ端子体17を収容する。
【0048】
組立工程は、組立用治具50に制御基板11をセットし、各電気部品のプレスフィット端子14を制御基板11に電気的に接続して制御基板組立体3を組み立てる工程である。
具体的な手順の一例は次のとおりである。
図7に示すように、制御基板11を上方から組立用治具50に近づけ、左側の載置面52a及び右側の前後の載置面53aに制御基板11の各部が載るように位置合わせしつつ、各電気部品のプレスフィット端子14の先端部を制御基板11のスルーホール13に位置合わせする。このようにして制御基板11の位置合わせが済んだら、制御基板11を基台51に向けて押し込む。そうすると、各電気部品のプレスフィット端子14の先端部が制御基板11のスルーホール13に挿入され、スルーホール13の孔壁に圧接される。また、コネクタ端子体17の各固定用突起17bが制御基板11の固定孔18に嵌合される。そして、各固定用突起17bを熱カシメして頭部17b1,17b1を形成し、コネクタ端子体17を制御基板11に固定する。これにより、制御基板11に対して各電気部品が組み付けられた制御基板組立体3が完成する。
【0049】
制御基板組立体セット工程は、組み立てられた制御基板組立体3をハウジング2にセットして組み付ける工程である。制御基板組立体セット工程は、後記するカシメ工程を備えている。
制御基板組立体セット工程では、
図3に示すように、ハウジング2の上方から制御基板組立体3を基体側収容室25aに近づけてゆき、制御基板11の下面に組み付けられた各コイル組立体15を基体側収容室25aから基体側収容室21aに収容するとともに、バスバー端子体16を基体側収容室25aから中空部131に収容する。また、コネクタ端子体17をコネクタ端子体収容室26aに収容する。
そして、ハウジング2の各ハウジング側突起23に制御基板11の各基板位置決め孔12を位置合わせし、制御基板11を底壁部24に向けて(下方へ向けて)押し込む。これにより、各ハウジング側突起23が各基板位置決め孔12に嵌合され、ハウジング2に制御基板組立体3が組み付けられる(
図2参照)。
【0050】
カシメ工程は、ハウジング2に対して制御基板組立体3(制御基板11)を熱カシメにより確実に固定する工程である。
カシメ工程では、各基板位置決め孔12に嵌合した各ハウジング側突起23を溶融して各ハウジング側突起23を熱カシメする。すなわち、基板位置決め孔12から突出したハウジング側突起23に熱を付与しながら押し潰し、基板位置決め孔12の孔径よりも大きな部位を形成する。これにより、ハウジング側突起23が抜け止めとなり、制御基板組立体3(制御基板)がハウジング2に確実に固定される。これにより、制御基板組立体3(制御基板)がハウジング2に確実に固定される。
【0051】
以上説明した本実施形態の電気部品組立体1によれば、制御基板11に対して電気部品を予め組み付けて制御基板組立体3を構成し、その後、この制御基板組立体3をハウジング2に組み付けるという組み付け手法を採ることができる。したがって、従来のような煩雑な組み付け手法、すなわち、ハウジングに電気部品を予め組み付けた後に、電気部品の接続端子(プレスフィット端子)と制御基板(制御基板のスルーホール)との位置出しを行いつつ制御基板をハウジングに組み付けるという組み付け手法を採る必要がなくなる。したがって、本実施形態によれば、電気部品のプレスフィット端子14と制御基板(制御基板のスルーホール)11のスルーホール13との位置出しに必要となる、高い寸法精度や高い組付精度が不要となり、ハウジング2の構造を簡素化できる。
【0052】
また、電気部品と制御基板11とを接続するための端子等をハウジング2に対してインサート成形する必要がなくなるので、電気的な接続方法の選択肢が増える。
また、制御基板組立体3をハウジング2に組み付けるだけで電気部品組立体1が構成されるので、組付性に優れる。以上により、本発明の電気部品組立体1によれば、コスト低減を図ることができる。
【0053】
また、制御基板11の各固定孔18に端子本体部17aの各固定用突起17bを嵌合することで、制御基板11に対して端子本体部17aを組み付けることができる。また、制御基板11に対して端子本体部17aを直接固定できるので取付強度が向上し、端子本体部17aに意図しない外力が作用したときには、固定用突起17bが外力に抵抗するようになる。これにより、プレスフィット端子14とスルーホール13との電気的接続部に外力による負荷が作用するのを好適に防止できる。
【0054】
また、接続端子としてプレスフィット端子14を用いているので、電気部品と制御基板11との接続を容易に行うことができ、組付性が向上する。
【0055】
また、制御基板11の各基板位置決め孔12にハウジング2の各ハウジング側突起23を嵌合することで、制御基板組立体3をハウジング2に固定できる。したがって、制御基板組立体3をハウジング2へ容易に組み付けることができ、組付性が向上する。
【0056】
また、電気部品がコイル組立体15、バスバー端子体16及びコネクタ端子体17であるので、コストを低減した電気部品組立体1が得られる。
【0057】
また、本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置100によれば、制御基板11へのコイル組立体15(電気部品)の接続を確実に行うことができるので、製品品質の向上、装置によるブレーキ液圧制御の信頼性の向上を図ることができる。また、車両用ブレーキ液圧制御装置100のコストの低減を図ることができる。
【0058】
また、本発明の電気部品組立体1の製造方法では、組立用治具50を用いて電気部品を位置決めできるので、電気部品の位置精度が向上する。また、組立用治具50を用いて電気部品の各プレスフィット端子14を制御基板11に接続できるので、電気部品と制御基板11との位置出しに関わる高い寸法精度や高い組付精度が不要となり、組付性に優れ、コスト低減を図ることができる。
【0059】
また、電気部品組立体1の製造方法では、制御基板組立体セット工程により、ハウジング2へ制御基板組立体3を確実に固定できる。したがって、組付性に優れ、コスト低減を図ることができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電気部品組立体について説明する。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、第1実施形態と異なる製造方法にて製造されるコネクタ端子体17Aを用いた点である。
図8は本発明の第2実施形態に係る電気部品組立体に用いられるコネクタ端子体を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、
図9はコネクタ端子体の断面を示す図であり、(a)は
図8(b)のIX-IXに沿う断面図、(b)は一部断面側面図である。
【0061】
本実施形態のコネクタ端子体17Aは、
図9(a)(b)に示すように、端子本体部17aに端子配置穴17j,17k(
図9(a)では一部図示)が形成されており、端子配置穴17j,17kに配置したプレスフィット端子14を樹脂の溶融により固定したものである。端子配置穴17j,17kは、端子本体部17aを樹脂成形する際に予め形成される。
端子配置穴17jは、直線形状のプレスフィット端子14Aを配置するための穴である。プレスフィット端子14Aは、端子本体部17aの下側から端子配置穴17jに挿通される。一方、端子配置穴17kは、クランク形状のプレスフィット端子14Bを配置するための穴である。プレスフィット端子14Bは、端子本体部17aの下側から端子配置穴17kに挿通される。各プレスフィット端子14A,14Bは、
図9(b)に示すように、溶融した樹脂の流入を許容する流入孔14b1をそれぞれ有している。
【0062】
端子本体部17aの側面には、
図8(b)に示すように、各プレスフィット端子14A,14Bに対応する位置に略四角形状の溶融凹部17gがそれぞれ形成されている。各溶融凹部17g内には、側方へ向けて略半球状に突出する溶融肉部17cが形成されている。各溶融肉部17cは、各プレスフィット端子14A,14Bの流入孔14b1の形成位置にそれぞれ対応した位置に形成されている。溶融凹部17g及び溶融肉部17cは、端子本体部17aの反対側の左側面にも同様に形成されている。
【0063】
コネクタ端子体17Aの製造過程において、端子本体部17aにプレスフィット端子14A,14Bを固定する際には、各端子配置穴17j,17kにプレスフィット端子14A,14Bを下方から挿入した後、コネクタ端子体17Aを左右両側方から挟むようにして各溶融肉部17cに熱を加える。そうすると、各溶融肉部17cが溶融し、溶融した樹脂が各プレスフィット端子14A,14Bの流入孔14b1に流入する。これにより、コネクタ端子体17Aに各プレスフィット端子14A,14Bがモールドされて固定される。
【0064】
本実施形態によれば、各溶融肉部17cに熱を加えるという簡単な手段で、各プレスフィット端子14A,14Bを端子本体部17aに固定できる。したがって、コネクタ端子体17Aの製造が簡単であり、生産性に優れる。また、製造方法の選択肢が増える。
【0065】
図10,
図11は、前記した製造方法と異なる製造方法で製造される他の形態のコネクタ端子体17Bを示している。
図10は本発明の第2実施形態に係る電気部品組立体に用いられる他の形態のコネクタ端子体を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、
図11は他の形態のコネクタ端子体の断面を示す図であり、(a)は
図10(b)のXI-XIに沿う断面図、(b)は一部断面側面図である。
【0066】
コネクタ端子体17Bは、
図10(a)(b),
図11(a)(b)に示すように、端子本体部17aと、端子本体部17aの下部に装着されるプラグ本体部17mとを備えている。端子本体部17aの前部及び後部には、
図11(b)に示すように、凹状の係合部17eがそれぞれ形成されている。一方、プラグ本体部17mの前部及び後部には、端子本体部17aの各係合部17eに係合可能なフック部17fがそれぞれ形成されている。プラグ本体部17mは、各フック部17fを端子本体部17aの各係合部17eに係合させることで、端子本体部17aに固定されている。
【0067】
端子本体部17aには、前記形態と同様に端子配置穴17j,17kが形成されている。一方、プラグ本体部17mには、端子配置穴17jに連通するプラグ側配置穴17nと、端子配置穴17kに連通するプラグ側配置穴17pとが形成されている。プラグ側配置穴17n,17pは、プレスフィット端子14A,14Bの下部の形状に対応する形状となっており、プレスフィット端子14A,14Bの幅広部14n,14pを保持する保持部17r,17sを備えている。保持部17r,17sは、プレスフィット端子14A,14Bの幅広部14n,14pに下方から当接して、プレスフィット端子14A,14Bを抜け止め保持する。
【0068】
このようなコネクタ端子体17Bの製造過程において、プレスフィット端子14A,14Bを固定する際には、次のように行う。はじめに、端子本体部17aの各端子配置穴17j,17kにプレスフィット端子14A,14Bを下方から挿入する。その後、端子本体部17aにプラグ本体部17mを下方から近づけ、各プレスフィット端子14A,14Bの下部14cをプラグ側配置穴17n,17pに差し込みながらプラグ本体部17mの上面を端子本体部17aの下面に当接する。そうすると、プラグ本体部17mの各フック部17fが端子本体部17aの各係合部17eに係合し、プラグ本体部17mが端子本体部17aに固定されるとともに、プレスフィット端子14A,14Bが抜け止め保持される。
【0069】
この形態によれば、端子本体部17aにプラグ本体部17mを装着して係合するという簡単な手段で、各プレスフィット端子14A,14Bを端子本体部17aに固定できる。したがって、コネクタ端子体17Bの製造が簡単であり、生産性に優れる。また、製造方法の選択肢が増える。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
前記各実施形態では、接続端子としてプレスフィット端子14を例に挙げて説明したが、これに限られることはなく、他の接続端子であってもよい。
また、前記各実施形態では、コネクタ端子体17(電気部品)に固定用突起17bを設け、制御基板11に固定孔18を設けたが、これとは逆に、コネクタ端子体17(電気部品)に固定孔を設け、制御基板11に固定用突起を設けてもよい。
【0071】
また、前記各実施形態では、コネクタ端子体17の端子本体部17aを制御基板11に突き立てて固定したが、これに限られることはなく、コイル組立体15やバスバー端子体16を制御基板11に突き立てて固定してもよい。
また、前記各実施形態では、ハウジング2に制御基板11が嵌合されて熱カシメにて固定されるものを示したが、制御基板11の固定方法はこれに限られることはなく、種々の固定方法を採用し得る。
【0072】
また、前記第1実施形態では、電気部品組立体1を構成してから基体110に電気部品組立体1を固定したが、これに限られることはなく、
図12に示すように、基体110にハウジング2を先に取り付けておいてから、ハウジング2に制御基板組立体3を組み付けてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 電気部品組立体
2 ハウジング
3 制御基板組立体
11 制御基板
12 基板位置決め孔
13 スルーホール
14 プレスフィット端子(接続端子)
15 コイル組立体(電気部品)
16 バスバー端子体(電気部品)
17 コネクタ端子体(電気部品)
17A,17B コネクタ端子体(電気部品)
17a 端子本体部(樹脂体)
17b 固定用突起
17b1 頭部
18 固定孔
23 ハウジング側突起
23a 頭部
100 車両用ブレーキ液圧制御装置