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▶ トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-23
(45)【発行日】2025-06-02
(54)【発明の名称】車両充電システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20250526BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20250526BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20250526BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250526BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250526BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20250526BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250526BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20250526BHJP
【FI】
H02J7/02 F
B60L53/14
B60L53/30
B60L50/60
B60L58/12
B60L58/16
H02J7/00 P
H02J7/04 A
H02J7/00 X
H02J7/00 Y
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023040014
(22)【出願日】2023-03-14
(65)【公開番号】P2023160734
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】63/333,352
(32)【優先日】2022-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/178,647
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 宣喜
(72)【発明者】
【氏名】クライリング,マーク ブラッドショー
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,ヴェヌ
(72)【発明者】
【氏名】クマル,アジス クッタンナイア
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-536725(JP,A)
【文献】特表2017-515446(JP,A)
【文献】特表2014-532390(JP,A)
【文献】特開2020-145186(JP,A)
【文献】国際公開第2021/186593(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0141203(US,A1)
【文献】特開2013-162555(JP,A)
【文献】特表2014-525225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
B60L 1/00-3/12
B60L 7/00-13/00
B60L 15/00-58/40
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電システムであって、
車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を取得するように構成されたコントローラであって、前記車両システム特性が1つまたは複数の車両システムに対応し、前記充電器特性が1つまたは複数の充電ステーションに対応し、前記車両システムのそれぞれがエネルギー貯蔵装置を含む、コントローラを具備し
前記コントローラが、前記車両システム特性または前記充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから前記1つまたは複数の車両システムの前記エネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するように構成され
前記コントローラが、前記1つまたは複数の車両システムの各々に搭載された車両コントローラを含み、
該車両コントローラが、
該車両コントローラを搭載した対象車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第1の充電ステーションで充電すると予定されているときに、
前記対象車両システムの車両システム特性と、前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第2の充電ステーションおよび前記第1の充電ステーションの充電器特性と、該第1の充電ステーションと該第2の充電ステーションとの間における運行特性と、該第2の充電ステーションにおける環境条件に対する該第1の充電ステーションにおける環境条件と、に基づいて、前記対象車両システムが該第2の充電ステーションで充電するよう予定を変更する、
ように構成される、充電システム。
【請求項2】
前記コントローラが、車両エネルギー管理システム、ディスパッチシステム、またはスケジューリングシステムのうちの1つまたは複数と共に動作して、運行に必要な前記1つまたは複数の車両システムの予期されるエネルギー需要を決定するように構成され、前記コントローラが、前記1つまたは複数の車両の前記予期されるエネルギー需要に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから前記1つまたは複数の車両システムの前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の前記供給を制御するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記車両システム特性または前記充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記車両システムのうちの1つまたは複数が前記1つまたは複数の充電ステーションで1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置を充電するための充電プロファイルを決定するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記車両システム特性または前記充電器特性のうちの1つまたは複数に基づいて、前記車両システムのうちの1つまたは複数が前記1つまたは複数の充電ステーションで1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置を充電するための予定を決定するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記車両システムのうちの1つまたは複数のための運行計画への変更を決定するように構成され、前記運行計画が、1つまたは複数の経路に沿った異なる時間、異なる場所、または異なる距離のうちの1つまたは複数に対して指定された前記1つまたは複数の車両システムの動作設定を含み、前記コントローラが、前記運行計画への前記変更に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションで1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置を充電するために、1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の前記供給を制御するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記充電ステーションまたは前記エネルギー貯蔵装置の1つもしくは複数の充電率、または前記車両システムのうちの1つまたは複数の放電率、の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記運行計画への前記変更を決定するように構成される、請求項5に記載の充電システム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記1つまたは複数の充電ステーションの利用状態または可用性状態の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の前記供給を制御するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項8】
前記コントローラが、前記1つまたは複数の充電ステーションの電力容量に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の前記供給を制御するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項9】
前記コントローラが、前記車両システム特性または前記充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記車両システムのうちの2つ以上の間で前記充電ステーションのうちの1つまたは複数の前記電力の供給を割り当てるように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項10】
前記コントローラが、前記車両システムのうちの少なくとも1つに搭載された前記エネルギー貯蔵装置が、前記車両システムのうちの前記少なくとも1つが前記1つまたは複数の充電ステーションを離れる前にフル充電状態まで充電されるのを防止することにより、前記2つ以上の車両システムの間で前記電力の前記供給を割り当てるように構成される、請求項9に記載の充電システム。
【請求項11】
前記コントローラが、前記少なくとも1つの車両システムの前記エネルギー貯蔵装置に充電限度を実装することにより、前記車両システムのうちの前記少なくとも1つの前記エネルギー貯蔵装置が前記フル充電状態まで充電されるのを防止するように構成される、請求項10に記載の充電システム。
【請求項12】
前記コントローラが、前記エネルギー貯蔵装置の充電プロファイルを含む1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵特性を取得するように構成され、前記コントローラが、1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置の前記エネルギー貯蔵特性に少なくとも部分的に基づいて、前記エネルギー貯蔵装置の残存耐用年数、前記エネルギー貯蔵装置の性能低下、前記エネルギー貯蔵装置の故障、または前記エネルギー貯蔵装置の最大充電状態の変化のうちの1つまたは複数を予測するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項13】
前記コントローラが、1つまたは複数の環境特性を取得し、前記1つまたは複数の環境特性に少なくとも部分的に基づいて、前記充電ステーションのうちの1つまたは複数が前記1つまたは複数の車両システムの1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置を充電する充電プロファイルを変更するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項14】
前記コントローラが、前記車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に前記1つまたは複数の車両システムの前記エネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数の充電状態を予測するように構成される、請求項1に記載の充電システム。
【請求項15】
前記コントローラが、1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置の前記充電状態に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の車両システムを前記充電ステーションのうちの1つまたは複数に割り当てるように構成される、請求項14に記載の充電システム。
【請求項16】
両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を取得するステップであって、前記車両システム特性が1つまたは複数の車両システムに対応し、前記充電器特性が1つまたは複数の充電ステーションに対応し、前記車両システムのそれぞれがエネルギー貯蔵装置を含む、ステップと、
前記車両システム特性または前記充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから前記1つまたは複数の車両システムの前記エネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するステップと
を含む方法であって、
前記1つまたは複数の車両システムの各々に搭載された車両コントローラが、
該車両コントローラを搭載した対象車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第1の充電ステーションで充電すると予定されているときに、
前記対象車両システムの車両システム特性と、前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第2の充電ステーションおよび前記第1の充電ステーションの充電器特性と、該第1の充電ステーションと該第2の充電ステーションとの間における運行特性と、該第2の充電ステーションにおける環境条件に対する該第1の充電ステーションにおける環境条件と、に基づいて、前記対象車両システムが該第2の充電ステーションで充電するよう予定を変更する、ステップ、
を含む方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションで1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置を充電するための充電プロファイルを決定するステップであって、前記充電プロファイルが1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置の電力容量を含む、ステップと、
1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置のための前記充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の供給を制御するステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記車両システムのうちの少なくとも1つの前記エネルギー貯蔵装置が、前記少なくとも1つの車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションを離れる前にフル充電状態まで充電されるのを防止することにより、2つ以上の車両システムの間で前記電力の前記供給を割り当てるステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に、前記1つまたは複数の車両システムの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の充電状態を予測するステップと、
前記1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の前記充電状態に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の車両システムを前記充電ステーションのうちの1つまたは複数に割り当てるステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
車両充電システムであって、
車両システムのエネルギー貯蔵装置に電力を供給するように構成された1つまたは複数の充電ステーションと、
車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の充電ステーションから前記車両システムの前記エネルギー貯蔵装置への前記電力の前記供給を制御するように構成されたコントローラと
具備し
前記コントローラが、前記車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて、前記車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に前記車両システムの前記エネルギー貯蔵装置の充電状態を予測するように構成され、
前記コントローラが、前記エネルギー貯蔵装置の前記充電状態に少なくとも部分的に基づいて、前記車両システムを前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つに割り当てるように構成され
前記コントローラが、
前記車両システムが前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第1の充電ステーションで充電すると予定されているときに、
前記車両システムの車両システム特性と、前記1つまたは複数の充電ステーションのうちの第2の充電ステーションおよび前記第1の充電ステーションの充電器特性と、該第1の充電ステーションと該第2の充電ステーションとの間における運行特性と、該第2の充電ステーションにおける環境条件に対する該第1の充電ステーションにおける環境条件と、に基づいて、前記車両システムが該第2の充電ステーションで充電するよう予定を変更する、ように構成される、車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年4月21日に出願された米国仮出願第63/333,352号の優先権を主張するものである。本出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の主題は、車両に搭載された電子記憶装置(electronic storage devices)を充電するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの車両は、車両に搭載された電池(batteries)内など、エネルギー貯蔵装置(energy storage devices)内に貯蔵された電気エネルギーによって完全にまたは部分的に動力供給される推進システムを有することができる。これらの車両は、貯蔵装置内に貯蔵された電気エネルギーによって完全に動力供給される全電気車両(all-electric vehicles)と、貯蔵装置に貯蔵された電気エネルギーによって部分的に動力供給され、かつ燃料の消費により(例えば、電気エネルギーを生成するオルタネータを動作させ動力供給するために燃料を消費するエンジンを介して)生成された電気エネルギーによって部分的に動力供給されるハイブリッド車両と、を含むことができる。
【0004】
これらの車両は、エネルギー貯蔵装置と結合して貯蔵装置に電圧および/または電流を供給する充電ステーション(charging stations)を使用することができる。しかし、単に充電ステーションを設けるだけでは、個々の車両および/または車両のネットワークもしくはフリートが貯蔵装置を充電することができる効率を改善する機会を逸する可能性がある。車両エネルギー貯蔵装置が充電される効率を改善する機会をフルに生かす充電システムおよび充電方法の必要性が存在し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様または例によれば、充電システムは、車両システム特性および/または充電器特性を取得することができるコントローラを含む。充電システムは、車両システム特性および充電器特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の車両システムの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御する。
【0006】
別の態様または例によれば、方法は、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を取得するステップを含む。車両システム特性は1つまたは複数の車両システムに対応し、充電器特性は1つまたは複数の充電ステーションに対応する。車両システムのそれぞれがエネルギー貯蔵装置を含む。1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の車両システムのエネルギー貯蔵装置への電力の供給は、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて制御される。
【0007】
別の態様または例では、車両充電システムは、車両システムのエネルギー貯蔵装置に電力を供給するように構成された1つまたは複数の充電ステーションと、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから車両システムのエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するコントローラと、を含む。コントローラは、車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムが1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に車両システムのエネルギー貯蔵装置の充電状態を予測する。コントローラは、エネルギー貯蔵装置の充電状態に少なくとも部分的に基づいて、車両システムを1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つに割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことにより理解され得る。
【0009】
図1】一実施形態による充電システムの一例を示す図である。
図2】一実施形態による車両システムの一例を示す図である。
図3図1に示す充電システムの充電ステーションの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載の主題の実施形態は、車両充電システムおよび方法に関する。いくつかの実施形態では、本システムは、車両に搭載されたエネルギー貯蔵装置を充電するために、電流がどのように、いつ、および/またはどこで供給されるかを制御することができる。いくつかの実施形態では、上記のシステムおよび方法は、電気エネルギーを生成するために車両によって使用される燃料(例えば、燃料電池用の燃料、オルタネータに動力を供給するエンジン用の燃料など)がどのように、いつ、および/またはどこで車両に供給されるかを制御することができる。
【0011】
本明細書に記載の主題は、複数の種類の車両システムに及ぶ。これらの車両システムは、1つまたは複数の自動車、トラック(トレーラの有無にかかわらず)、バス、船舶、航空機、鉄道車両、採掘車両、農業車両、または他のオフハイウェイ車両を含むことができる。1つまたは複数の実施形態が鉄道車両システムに関連して記述されるが、すべての実施形態が鉄道車両システムに関するわけではない。本明細書に記載の車両システム(鉄道車両システムまたはレールもしくは軌道上を走行しない他の車両システム)は、単一車両または複数車両から形成することができる。複数車両システムに関して、車両は、互いに機械的に(例えば、連結器(couplers)によって)連結することができる、または機械的に連結されることなく論理的に連結することができる。例えば、別個の車両が互いに通信して、車両が共に(例えば、コンボイ、スウォーム、隊列、フリートとして)走行するように車両の動きを互いに調整するときに、車両は論理的に連結されるが、機械的には連結されない場合がある。各車両システムは、単一車両システム、または2つ以上の車両(互いに機械的にされ得る、または互いに機械的に分離し得るが、コンボイ、スウォーム、グループなどとして共に走行する)から形成された複数車両システムを表すことができる。車両システムは、鉄道車両(例えば機関車、軌道車や輸送車両などの有無にかかわらず)、または自動車、運搬トラック(トレーラの有無にかかわらず)、バス、航空機(例えば、固定翼、ドローン、回転翼など)、船舶、農業車両、採掘車両などの非鉄道車両から形成することができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による充電システム100の一例を示す。充電システムは、決定された動作を実行する1つまたは複数のプロセッサ(例えば、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路など)に結合されかつ/またはこのプロセッサを含むハードウェア回路を表すコントローラ102(車両コントローラ)を含むことができる。車両コントローラは、車両構成要素の動作、車両との通信、経路(routes)に沿った、かつ/または車両システム内の他の車両(または他の車両システム内の車両)に対する車両の動きの調整など、車両制御の決定された態様を担うことができる。車両コントローラは、車両システムから車両を加算および減算することができ、車両システム内の車両の順序を決定することができる。車両コントローラは、経路選択を行い、選択された経路にわたって1つまたは複数の車両の動作を制御することができる。車両コントローラが車外にある場合、車両コントローラは、バックオフィスサーバやデータセンタなどのディスパッチ施設(dispatch facility)に配置され得る。自明ではあるが、車両コントローラは、一例では、相互接続された経路のネットワーク内の1つまたは複数の経路106に沿って移動する搭載車両システム104A~104Dではない。あるいは、車両コントローラは、車両のうちの1つまたは複数に搭載して配置されてもよい。コントローラは、有線通信および/または無線通信をサポートする1つまたは複数のアンテナ、モデムなどを表すかまたは含むことができる非搭載通信システム(図示せず)を含む(またはこれに結合される)ことができる。1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、メモリ(図示せず)または他のデータ記憶システムを含むことができる。
【0013】
経路のネットワークは、経路に沿った様々な道端の場所に配置された1つまたは複数の充電ステーション108を有することができる。適切な充電ステーションが、車両操車場、車両システムが荷積みおよび/または荷降ろしされる場所、道端の場所などに配置され得る。車両システムは、相互接続された経路のネットワークに沿って移動することができ、充電ステーションのうちの1つまたは複数から電力を受け取ることができる。一実施形態では、車両システムのうちの1つまたは複数が、電気エネルギーによって動力供給され得る電気車両であり得る。別の実施形態では、車両システムのうちの1つまたは複数が、電力および/または非電気燃料によって動力供給され得るハイブリッド車両であり得る。非電気燃料は、この意味で、液体燃料および/または気体燃料を含むことができる。適切な液体燃料としては、ガソリン、灯油、アルコール、ディーゼル油などがあり得る。適切な気体燃料としては、アンモニア、水素、天然ガスなどがあり得る。
【0014】
図2は、図1に示す車両104のうちの1つの一例を示す。車両は、搭載コントローラ120と、車両システムの推進システム118に少なくとも部分的に動力供給する1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置124と、を含むことができる。搭載コントローラは、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置および/または推進システムの動作を制御することにより車両の動きを制御するなどにより、搭載コントローラに関連して説明した動作を実行する1つまたは複数のプロセッサに結合されかつ/またはこのプロセッサを含むハードウェア回路を表す。搭載コントローラは、制御信号を生成し、車両システムの構成要素に送って、これらの構成要素の動作を制御することができる。
【0015】
1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置は、電池セル、燃料電池などを表すことができる。燃料電池は、使用準備が整うまで電気エネルギーを化学形態で貯蔵することができる。推進システムは、モータなど、動力システムまたは車両システムを推進させるために動力が供給される1つまたは複数の構成要素を表すことができる。任意選択的に、推進システムは、動力システム(例えば、モータ)の負荷に動力供給するために電気エネルギーを別々に供給するように動作するエンジンおよび/またはオルタネータもしくは発電機を含むことができる。適切なエネルギー貯蔵装置は、車両システムの補助負荷128に動力供給するために使用され得るエネルギーを貯蔵することができる。補助負荷は、車両システムを推進させない作業を行うために、エネルギー貯蔵装置および/または推進システムによって動力供給され得る。例えば、補助負荷は、表示装置、監視装置(例えば、センサ)などを含むことができる。
【0016】
図示の実施形態では、車両システムは、車両の外部にあるまたは車両に搭載されていない供給源から電力を伝えるか、またはその他の方法で受け取ることができる収集装置112を含む。一例として、収集装置は、電化カテナリ(electrified catenary)から電力を受け取るパンタグラフとすることができる。別の例として、収集装置は、電化レールから電流を受け取る導電性シューまたはブラシとすることができる。任意選択的に、収集装置は、誘導によりエネルギーを無線で受け取る導電性コイルとすることができる。別の例では、収集装置は、コネクタ、ケーブルなどとすることができる。適切な収集装置が、動力源(例えば、電力系統の出口に結合され得るケーブル、また道端のエネルギー貯蔵装置)に選択的に結合可能であり得る。別の例では、収集装置は、電力源のケーブルもしくはコネクタを受容するか、またはこれに結合されることができる受容プラグまたは出口とすることができる。
【0017】
通信システム114は、車両システムに搭載および/または非搭載の1つまたは複数の装置と通信することができる受信回路、送信回路、および/または送受信回路を表す。通信システムは、有線通信および/または無線通信をサポートする1つまたは複数のアンテナ110、モデムなどを表すか、または含むことができる。例えば、通信システムは、無線通信するために搭載コントローラおよび/または車両システムの他の構成要素によって使用することができる。通信は、非搭載場所(例えば、車両コントローラ、道端の充電ステーション、操車場など)とのものであり得る。通信は、車両システム内の他の車両とのものであり得る。
【0018】
エネルギー管理システム116(図1に示す「EMS」)は車両システムに含まれ得る。エネルギー管理システムは、1つまたは複数のプロセッサを含みかつ/または1つまたは複数のプロセッサに接続されるハードウェア回路を表すことができる。この回路および/またはプロセッサは、コントローラの回路および/またはプロセッサと同じであってもよく、またはこの回路および/またはプロセッサから(例えば、これに加えて)分離していてもよい。エネルギー管理システムは、指定された制約内で1つまたは複数の目標を達成するために、車両システム用の運用計画を決定する。一例として、エネルギー管理システムは、車両システムの次の走行の異なる場所、異なる時間、異なる距離などにおける車両システムの動作設定を規定する運行計画(trip plan)を決定することができる。これらの動作設定は、制約内で走行するが他の設定を使用する車両システムに対して、車両システムを1つまたは複数の目標(例えば、燃料消費、電池エネルギー消費、排出物生成などを低減する)の達成に向けて駆動しながら、車両システムを制約(例えば、制限速度、車両および/または経路にかかる力、他の車両または物体から安全な距離を保つことなど)内で走行させることができる。動作設定は、スロットル設定、ブレーキ設定、速度などとすることができる。
【0019】
車両システムは、制動システム130を含むことができる。制動システムは、摩擦ブレーキ、エアブレーキ、動的ブレーキ(例えば、発電制動(dynamic braking)を用いて制動力を生成することもできる推進システムのトラクションモータのうちの1つまたは複数)などのうちの1つまたは複数を表すことができる。1つまたは複数の実施形態では、発電制動を用いて制動システムによって生成されたエネルギーは、エネルギー貯蔵装置に向けられてもよく、そこでエネルギーは車両システムの他のシステム内で使用するために貯蔵されてもよい、あるいは、抵抗器グリッドに向けられてもよい(例えば、電池がフル容量にある場合や発電が電池にとって望ましいよりも高いcレートにある場合など)。車両システムは、オペレータからの入力を受信しかつ/またはオペレータに情報を提示することができる入力および/または出力装置122(図1の「I/O装置」)を含むことができる。入力および/または出力装置は、電子ディスプレイ、タッチスクリーン、キーボード、マイクロフォン、スピーカなどを表すことができる。
【0020】
図3は、図1に示す充電ステーションのうちの1つの一例を示す。充電ステーションは、筐体、ハウジング、構造などを表すことができる電力制御室310を含む。電力制御室は、1つまたは複数の構成要素がその中に配置され、1人または複数のオペレータが整備、検査、または修理などのために電力制御室内を移動することを可能にするようなサイズにすることができる。1つまたは複数の実施形態では、電力制御室は、電力制御室の温度、湿度、圧力などが制御されるように、制御された環境であり得る。任意選択的に、電力制御室は、環境条件からの保護など、その中に配置された構成要素への保護を提供することができる。任意選択的に、電力制御室は、電力制御室にアクセスするのを許可され得る個人を管理および/または監視することができる1つまたは複数のセキュリティ手段を定位置に有することができる。
【0021】
充電ステーションは、充電器コントローラに関連して説明した動作を実行する1つまたは複数のプロセッサ(例えば、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、集積回路など)に結合されかつ/またはこのプロセッサを含むハードウェア回路を表す充電器コントローラ312を含むことができる。一実施形態では、充電器コントローラは、電源コントローラ316および配電コントローラ318など、2つ以上の異なるコントローラを含みかつ/またはこれらのコントローラに分離され得る。例えば、電源コントローラは、電源314から充電ステーションへの電力の受け取りを制御することができ、配電コントローラは、1つまたは複数の車両システム304A~304Cへの電力の分配を制御することができる。任意選択的に、充電器コントローラは、電源コントローラおよび配電コントローラの動作を実行するためのプロセッサ、回路などを含むことができる。例えば、電源コントローラおよび配電コントローラは、充電ステーションの単一のコントローラ装置であってもよい。充電ステーションは、車両システム、車両コントローラ、別の充電ステーションなどとの有線通信および/または無線通信をサポートすることができる機器を表すことができる通信システム320を含むことができる。
【0022】
電力制御室はまた、回路遮断器、電力変圧器、整流器などを含むことができる。一実施形態では、充電ステーションは、三相交流回路遮断器、三相電力変圧器、アクティブフロントエンドまたは他の制御可能な整流器などを含むことができる。変圧器の一次電圧は充電ステーションとして適合することができ、二次電圧は三相50ヘルツ、すなわち約480ボルトであり得る。電源コントローラの交流出力は、配電コントローラへの入力として供給することができる。配電コントローラの出力は、車両システムを充電するための可変電圧であり得る。電圧、電流、および電力は、車両システムの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の充電状態に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。
【0023】
充電器コントローラは、1つまたは複数の配電バス302を介して外部電源322に電気的に結合される。配電バスは、電力制御室から外部電源322経由で充電装置324までの一連のケーブルおよび/または母線であり得る。外部電源は、カテナリ線などを表すことができる、配電バス302を1つまたは複数の充電装置に電気的に結合するケーブル、電線、バスなどを表すことができる。充電ステーションは、電力制御室と車両システムとの間のケーブルおよび母線の経路を定めるために使用され得る1つまたは複数の支持構造(図示せず)を含むことができる。
【0024】
各車両システムは、車両システムを充電装置に電気的に結合して、車両システムが充電ステーションから充電装置経由で電力を受け取るようにする収集装置332を含む。一例として、収集装置は、カテナリ線のうちの1つから電力を受け取ることができるパンタグラフであり得る。車両システムは、収集装置(例えば、パンタグラフ)が電化装置に近づいたり、電化装置から離れたりする動きを制御する機器を含むことができる。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、充電装置は、車両システムの収集装置とインタフェースをとるように設計され得る静止の、剛性の、または固定された母線カテナリ構造であり得る。例えば、車両の収集装置は、充電装置に近づいたり、充電装置から離れたりすることができるが、充電装置は、実質的に同じ位置にあるか、または動かされないままである。固定充電構造は、一度に1つの車両システムの1つの収集装置を接続することが可能であり得る、あるいは任意選択的に、固定充電装置構造は、一度に複数の車両システムとインタフェースをとることが可能であり得る。1つまたは複数の実施形態では、充電装置は、充電装置に電気的に結合された車両システムに連続直流充電を提供することができる。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラは、車両システムと通信して、車両システム特性(例えば、エネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵特性)を取得することができる。充電ステーションは、車両システムの実質的に瞬間的な要件に適合する直流出力を、配電バス、外部電源、および充電装置を経由して車両システムに提供することができる。適切な出力電圧は、公称上、約400Vdc~約750Vdcの範囲内であり、約1500Aの電流容量を有する。別の適切な充電ステーションでは、出力電圧は異なる公称範囲内であり得る。電流容量に適切なのは、1500A超であり得る。適切な電流容量は、750Vdc未満であり得る。そのようなパラメータの選択は、最終使用要件を参照して行うことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、充電ステーションは、導電線、ケーブル、またはバスなどを配置した複数の充電装置を含むことができる。任意選択的に、充電ステーションは、電源から車両システムへの電力の分配を管理することができるエネルギー管理システムを含むことができる。任意選択的に、充電ステーションは、メモリまたは代替のデータ記憶システムを含むことができる。任意選択的に、充電ステーションは、充電ステーションのオペレータと充電ステーションの1つまたは複数のシステムまたは構成要素との間の相互作用を可能にする、ディスプレイおよび/またはタッチスクリーン、キーボード、スイッチなどの1つまたは複数の入力および/または出力装置を含むことができる。任意選択的に、充電器コントローラは、展開されたローカルデータ収集システムを有することができ、導出ベースの学習結果を可能にするために機械学習を使用することができる。コントローラは、データ駆動予測を行い、データセットに従って適合させることにより、データセット(様々なセンサによって提供されるデータを含む)から学習し、データセットを決定することができる。
【0028】
適切な車両コントローラおよび/または充電器コントローラは、相互接続されたシステムの経路に沿って移動する車両システムの車両システム特性を受信し監視することができる。さらに、車両コントローラおよび/または充電器コントローラは、経路に沿って道端の場所に配置された1つまたは複数の充電ステーションの充電器特性を受信し監視することができる。車両コントローラは、閉ループ通信システム内などで、車両システム(例えば、車両のそれぞれに搭載されたエネルギー管理システム)、充電ステーション(例えば、相互接続された経路のネットワーク内の各経路に沿って配置された充電ステーション)、スケジューリングシステム(例えば、車両システムの移動を予定するシステム)、ディスパッチシステムなどと通信することができる。一実施形態では、通信システムは安全な通信プロトコルを含むことができ、したがって、安全なプロトコルに精通した通信装置は、安全な閉ループ通信システム内の他の通信装置と通信することができる。別の実施形態では、通信システムは開ループシステムである。別の実施形態では、通信はフィードフォワードシステムである。別の実施形態では、通信はフィードバックシステムである。コントローラは、どの制御システムを使用するかを選択することができる。
【0029】
車両コントローラは、車両システムの運行に必要な車両システムの予期されるエネルギー需要を(例えば、車両システムが運行を開始する前に、車両システムが経路に沿って移動している間に、など)決定することができ、車両が電力をどこでおよび/またはいつ受け取るかを、および/または車両システムが経路に沿って配置された充電ステーションから受け取ることができる電力の量を計画することができる。車両コントローラは、車両システム特性(1つまたは複数の搭載エネルギー貯蔵装置に関連するエネルギー貯蔵特性を含む)、充電器特性、運行および/または経路特性、環境条件、経済的特性などに少なくとも部分的に基づいて、車両システムが電力をどこで、いつ、および/またはどのくらいを受け取ることができるかを計画することができる。車両コントローラは、車両が経路に沿って配置された1つまたは複数の充電ステーションから電力(例えば、電流)をいつおよび/またはどこで受け取るかを計画するために、車両システム特性、充電器特性、運行および/または経路特性、あるいは環境条件のうちの1つまたは複数を考慮することができる。例えば、車両が単に充電ステーション(例えば、車両システムの移動方向などの、利用可能な最寄りの充電ステーション)で停止し、車両システムに搭載されたエネルギー貯蔵装置を完全に充電し、次いで追加のエネルギーが必要になるまで移動し続けるのではなく、車両コントローラは、監視される特性に少なくとも部分的に基づいてエネルギー貯蔵装置を充電するために、車両システムがエネルギーをいつおよび/またはどこで取得するかを、かつ/あるいは車両システムが受け取ることができるエネルギーがどのくらいかを調整することができる。別の例として、車両コントローラは、車両システムからさらに遠く離れて位置する別の充電ステーションから電力を受け取るのを優先して、車両システムが次に利用可能な充電ステーションを迂回すべきであると決定することができる。例えば、近くにある充電ステーションは、利用可能な充電接続点が少なくてもよく、またはさらに離れて位置する充電ステーションに対して異なるまたはより遅い速度で充電することができる。
【0030】
車両システム特性は、以下に限定されるものではないが、車両のサイズ(例えば、重量)(乗客重量や貨物重量など、車両によって運ばれる重量と共に)、推進負荷、エネルギー貯蔵特性(例えば、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の利用可能な貯蔵空間、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の1つまたは複数の種類、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の充電プロファイルなど)、車両システムの1つまたは複数の補助負荷などの車両システムに関連する情報を含むことができる。任意選択的に、車両システム特性は、車両の予定されている移動、車両の予測または予期される移動、車両負荷状態、経路条件などに関連する情報を含むことができる。
【0031】
充電器特性は、以下に限定されるものではないが、充電ステーションの利用率および/または可用性状態(例えば、充電ステーションが車両システムによって使用されているか、車両システムによる使用が予定されているかどうか)、充電ステーションの電力容量、充電ステーションの電力の供給、各充電ステーションに配置されたいくつかの充電器、充電ステーションの充電プロファイル(例えば、充電ステーションがエネルギー貯蔵装置に電力を供給することができる充電率)、充電ステーションの温度などの充電ステーションに関連する情報を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、充電器特性は、充電ステーションの可用性(例えば、充電ステーションでの充電器の可用性、異なる充電ステーションの可用性など)を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、充電ステーションの充電プロファイル、温度、充電率などに少なくとも部分的に基づいて、充電ステーションの残存耐用年数またはエネルギー貯蔵装置への電力の最大充電率の変化を予測することができる。
【0032】
運行および/または経路特性は、車両システムによって走行されるべき経路の異なる等級、車両が走行することを計画された速度、または経路に沿って走行することができる速度、走行されるべき経路の曲率などを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、運行特性は、車両システムのための運行の1つまたは複数の今後のセグメントに関連付けられ得る。車両コントローラで検討され得る環境条件は、車両システムが走行すると予想される地理空間的場所および対応する環境条件(例えば、海面からの距離、温度、湿度、圧力などの周囲の気候条件)、風速、降水量の予想などを含むことができる。
【0033】
車両コントローラは、車両システム特性、充電器特性、運行特性、および/または環境条件を調べることができ、運行の今後のセグメントを通して車両システムに動力供給するためにどのくらいの貯蔵エネルギーが必要とされ得るかを計算することができる。一例として、車両コントローラは、車両が、下り勾配を有する第1の経路セグメントを通って走行すると予定され得るか、または第1の経路セグメントに向かって走行していると決定することができる。車両が回生制動により発電制動し電流を生成する能力を有する場合、車両コントローラは、車両が、下り経路セグメントを通って回生制動により生成し、搭載エネルギー貯蔵装置に貯蔵することができるエネルギーの量を計算または推定することができる。次いで、車両コントローラは、車両が下り経路セグメント内で発電制動することにより追加の電気エネルギーを取得することができるため、車両が近くにある充電ステーションで停止する必要がない可能性があり、追加の電気エネルギーを取得するために、待機してより遠い充電ステーションまで走行することができ得ると決定することができる。車両コントローラは、搭載コントローラと(例えば、無線信号を介して)通信して、下り経路セグメントを走行中に発電制動または回生制動するよう搭載コントローラに指示し、かつ/またはこの制動からエネルギーを取得することにより、近くにある充電ステーションを通過することを推奨することができる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、車両システム特性、充電器特性(例えば、車両システムが再充電することになる充電ステーションの充電器特性)、運行特性、環境条件などに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムが1つまたは複数の充電ステーションで充電するための予定変更を決定することができる。例えば、車両システムは、第1の充電ステーションで充電すると予定されてもよく、車両コントローラは、車両システム特性、(例えば、第1の充電ステーションおよび第2の充電ステーションの)充電器特性、運行特性(例えば、運行の第1の充電ステーションと第2の充電ステーションとの間の部分)、環境条件(例えば、第2の充電ステーションにおける環境条件に対する第1の充電ステーションにおける環境条件)などのうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、車両システムが異なる第2の充電ステーションで充電するために予定を変更することを決定することができる。
【0035】
別の例として、車両コントローラは、車両が発電制動または回生制動を使用して電気エネルギーを生成することができる第2の経路セグメントを通って走行すると予定され得るか、または第2の経路セグメントに向かって走行していることを決定することができる。この経路セグメントは、第2の経路セグメントが下り勾配を有していないことがある(例えば、勾配は平坦であり得る)ので、下りの第1の経路セグメントとは異なり得る。あるいは、第2の経路セグメントは下り勾配を有することがある。車両コントローラは、車両が、搭載推進システムを用いて推進力を生成することができ、並行してまたは同時に制動して回生制動を用いて電流を生成することもできると決定することができる。これは、回生制動を可能にするのに十分な推進力を生成するためにハイブリッド車両内の燃料を消費することができるが、消費される燃料のコストは、生成される電気エネルギー、次に利用可能な充電ステーションまでの距離、および/またはエネルギー貯蔵装置を停止し充電するためにさらに遠い充電ステーションまで待つことができる点で(時間、スループットなどの点で)得られる利益と比較すると、許容可能な損失またはコストであり得る。
【0036】
別の例として、車両コントローラは、少なくとも1つの車両システムが通ると予想されるまたは計画している経路の運行特性を取得することができる。車両コントローラは、充電器特性および/または運行特性に少なくとも部分的に基づいて、どの車両が含まれるべきか、またはどの車両が車両システムから除外されるべきかの構成を決定することができる。任意選択的に、包含または除外すべき車両の構成は、車両のエネルギー貯蔵装置のエネルギー貯蔵特性に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、エネルギー貯蔵特性は、包含または除外されると見なされる各車両に搭載されたエネルギー貯蔵装置の数、エネルギー貯蔵装置のそれぞれに関連する履歴情報、異なるエネルギー貯蔵装置の種類、製造元、またはモデル、異なる貯蔵装置のそれぞれの充電率、1つまたは複数の貯蔵装置が含み得るエネルギー量(例えば、エネルギー貯蔵装置のフル充電状態に対応する電力量)などを含むことができる。本明細書で使用される場合、フル充電状態は、エネルギー貯蔵装置の理論的充電限度未満である決定された充電状態であり得る。このように、新しい電池および使用済み電池の「フル状態」は異なり得る。電池の種類、使用履歴、環境条件などの選択要因に基づいて、コントローラは、エネルギー貯蔵装置または複数の結合されたエネルギー貯蔵装置にとって何がフル充電状態であるかを決定することができる。一実施形態では、車両コントローラは、各車両の車両システム特性が含まれるか、または車両システムから除外されると見なされることを考慮することができる(例えば、車両の種類、車両の経年数、車両のサイズおよび重量、車両が運ぶことができる貨物の種類、異なる車両の可用性など)。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、車両システムが使用されていない間など、複数の車両が保管され得る車両保管施設と通信することができる。車両コントローラ、搭載コントローラ、および/または充電器コントローラは、車両保管施設と通信して、車両の種類、各車両に搭載された各エネルギー貯蔵装置の現在の充電状態、車両システムの構成に含まれるべき車両の準備状況などの車両システム特性を車両保管設備に提供することができる。車両保管施設は、車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて保管設備内の車両を編成することができ、複数車両の車両システムの構成に含まれるべきか、またはこの構成から除外されるべき車両を推奨することができ、各車両システムの充電状態、異なる車両システムのエネルギー貯蔵装置の健全性状態などに少なくとも部分的に基づいて、異なる車両システムに異なる優先順位を割り当てることができる。一実施形態では、車両保管施設は、車両システムの予想される運行計画に少なくとも部分的に基づく車両システムに含まれるべきか、または車両システムから除外されるべき車両、車両システムが取るよう計画している経路(例えば、勾配、曲線など)がどれか、車両システムが経路の長さに沿って走行しながら電力を受け取ることができるカテナリまたは第3のレールを含む経路の長さに少なくとも部分的に基づく、車両システムの予想される環境条件に少なくとも部分的に基づく電力効率の機会、などを推奨することができる。例えば、第1の車両が、第1の車両の最大充電状態の約25%である充電状態を有することができ、第2の車両が、第2の車両の最大充電状態の約85%である充電状態を有することができる。車両保管施設は、第2の車両が車両システムの構成内に含まれることを推奨することができ、第1の車両システムが第1の車両および第2の車両の異なる充電状態に少なくとも部分的に基づいて車両システムの構成から除外されることを推奨することができる。
【0038】
1つまたは複数の実施形態では、コントローラのうちの少なくとも1つが、車両システム特性、充電器特性などのうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて車両システムのうちの少なくとも1つを診断することができる。例えば、車両コントローラは、車両システム特性(例えば、エネルギー貯蔵特性を含む)、充電ステーションに関連しかつ車両システムに電力を供給する充電ステーションに関連する充電特性を受信することができる。本明細書で使用される場合、診断する(diagnose)という用語は、構成要素またはシステムの健全性状態、動作状態、および/または摩耗状態を決定することを意味する。
【0039】
車両コントローラは、充電ステーションおよび/または車両システムから受信したデータを収集、記憶、および/または維持することができ、車両システムおよび/または充電ステーションの1つまたは複数の構成要素またはシステムを分析するためにデータを利用することができる。一実施形態では、車両コントローラは、充電ステーションで行われる充電ごとに、特定の車両システムに関連付けられた充電ごとに、などで、充電ステーションからデータを受信することができる。一例として、車両コントローラは、個々の充電と一致するデータを別々に保存することができる。別の例として、車両コントローラは、相互接続された経路のネットワーク内など、すべての充電ステーションに対応するデータを混合することができる。任意選択的に、車両コントローラは、代替的な方法でデータを混合および/または分離することができる。
【0040】
一実施形態では、車両コントローラは、受信したデータを同じ充電ステーションに関連する保存された履歴データと比較することができ、受信した(例えば、電流)データと履歴データとの比較に少なくとも部分的に基づいて車両システムおよび/または充電ステーションを診断することができる。車両コントローラは、車両システムおよび/または充電ステーションの診断に少なくとも部分的に基づいて、車両システムおよび/または充電ステーションの整備および/または予測推奨事項を提供することができる。別の実施形態では、車両コントローラは、充電事象中にエネルギー貯蔵装置の充電を開始し終了するのに関連する充電開始点から充電終了点までの受信データを分析することができる。車両コントローラは、充電事象にわたってデータを分析して、車両システムおよび/または充電ステーションの構成要素および/またはシステムを診断することができる。1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、車両システムおよび/または充電ステーションの構成要素および/またはシステムが整備または修理を必要とすると決定することができる。別の実施形態では、車両コントローラは、車両システムに、構成要素および/またはシステムが修理または交換されるまで充電ステーションにとどまるよう指示することができる。任意選択的に、車両コントローラは、車両システムに対して整備および/または修理を行うことができる整備庫または整備操車場まで移動するよう車両システムに指示することができる。
【0041】
任意選択的に、充電器コントローラは、車両システム特性を受信することができ、充電器特性および車両システム特性を分析して充電ステーションを診断することができる。1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラは、診断には充電ステーションの整備および/または修理を必要とすると決定することができる。充電ステーションは、充電ステーションが利用できない経路のネットワークに沿って移動する車両コントローラおよび/または車両システムと通信することができる。例えば、充電ステーションは、車両システムが停止し再充電するのを充電ステーションが許可していないこと、修理および/または整備の推定完了時刻、車両システムが停止して再充電することができる代替充電ステーションの推奨などを伝達することができる。
【0042】
1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、保存された充電データの少なくとも一部を分析することができ、現在および/または将来の充電ステーションの配置場所を決定し推奨することができる。例えば、車両コントローラは、第1の場所に配置された充電ステーションに決定済み閾値を超えたいくつかの車両システムが頻繁に出入りしたと決定することができる。車両コントローラは、充電ステーションに停止して再充電するいくつかの車両システムに対応するために、充電ステーションに追加の充電器を追加することを推奨することができる。別の例として、車両コントローラは、第1の充電ステーションと第2の充電ステーションとの間の経路の一部に沿って走行する車両システムが、推奨閾値を下回ったエネルギー貯蔵装置内の貯蔵エネルギー量で第2の充電ステーションに到着していたと決定することができる。車両コントローラは、経路に沿って第1の充電ステーションと第2の充電ステーションとの間の場所に別の充電ステーションを配置することを推奨することができる。新しい充電ステーションの推奨される配置、または既存の充電ステーションの場所の変更は、車両システムが再充電される際の遅延を減らすなどのために、充電ステーションの場所を最適化することができる。
【0043】
車両コントローラは、車両システムが走行することになる予定または予期される経路に対する充電ステーションの位置を調査して、エネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するために車両がいつおよび/またはどこで停止すべきかを決定することができる。一実施形態では、車両コントローラは、車両システムに搭載されたエネルギー貯蔵装置内に貯蔵されたエネルギーを節約して、エネルギー貯蔵装置が充電ステーションから電力を受け取ることになる目標充電ステーションに車両システムが到達することを可能にするために、車両システムを動作させる方法(例えば、スロットルまたはブレーキ設定などの動作設定を変更する方法)を車両システムに指示する命令を車両システムに伝達することができる。別の実施形態では、車両コントローラは、車両システムの動作設定を変更するために車両システムの動作を(例えば、車両システムに搭乗するオペレータの参加なしに)遠隔制御することができる。
【0044】
車両システムが充電ステーションに到着し、充電ステーションと電気的に結合されるのに応答して、車両コントローラおよび/または充電器コントローラは、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するために充電ステーションの動作を制御することができる。例えば、車両コントローラは、電力の供給を制御するために制御信号を充電ステーションに伝達してもよく、充電ステーションの動作を遠隔制御してもよい。任意選択的に、車両コントローラは、制御信号を、車両システムの搭載コントローラ、車両システムに非搭載の代替車両制御システムなどを介して充電ステーションに伝達することができる。
【0045】
充電ステーションから1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の供給は、車両システム特性(例えば、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の充電プロファイル、エネルギー貯蔵装置が電力を受け取ることができる速度、各エネルギー貯蔵装置が受け取ることができる最大電力量など)および/または充電器特性(例えば、充電ステーションの電力容量、充電ステーションが電力を供給することができる充電率、利用可能な電力量、充電ステーションが別の車両システムに電力を供給するための予定など)に少なくとも部分的に基づくことができる。任意選択的に、車両システムへの電力の供給は、相互接続された経路のネットワーク内で動作するいくつかの車両システムに少なくとも部分的に基づくことができる。任意選択的に、電力の供給は、同じ充電ステーションから電力を(例えば、同時に、同時期間中に、決定された時間範囲内に、など)受け取ることができるいくつかの車両システムに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0046】
1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラ、車両システムの搭載コントローラ、および/または充電器コントローラは、車両システムのエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するための充電プロファイルを決定することができる。充電プロファイルは、電力を充電ステーションからエネルギー貯蔵装置に供給するための命令を提供することができる。各エネルギー貯蔵装置の充電プロファイルは、取得される車両システム特性、充電器特性などに少なくとも部分的に基づくことができる。充電プロファイルは、エネルギー貯蔵装置の現在の充電状態、装置の充電上限(例えば、最大充電状態)、エネルギー貯蔵装置が電力を受け取ることができる速度、エネルギー貯蔵装置の温度、エネルギー貯蔵装置の抵抗を示す逆電磁周波数(EMF)信号などを含むことができる。任意選択的に、車両コントローラは、充電プロファイルを決定することができ、エネルギー貯蔵装置の充電状態に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムを充電ステーションのうちの1つでの充電に割り当てることができる。任意選択的に、充電プロファイルは、対応するエネルギー貯蔵装置に関連する履歴充電プロファイルデータに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。エネルギー貯蔵装置は、エネルギー貯蔵装置のそれぞれに対して決定された充電プロファイルに従って充電され得る。
【0047】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラは、エネルギー貯蔵装置の充電プロファイルを決定することができ、エネルギー貯蔵装置に関連する充電プロファイルを車両コントローラに伝達することができる。任意選択的に、車両コントローラは、エネルギー貯蔵装置の充電プロファイルを含むエネルギー貯蔵特性を(例えば、車両システム、充電ステーションなどから)を取得することができる。1つまたは複数の実施形態では、エネルギー貯蔵特性は、エネルギー貯蔵装置の温度、充電ステーションがエネルギー貯蔵装置に電力を供給しているだろうかつ/または供給している充電率、エネルギー貯蔵装置の抵抗を示す逆電磁周波数(EMF)信号などを含むことができる。車両コントローラは、エネルギー貯蔵特性および/または充電プロファイルをメモリまたは他のデータ記憶システムに保存することができる。1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、エネルギー貯蔵装置の残存耐用年数、エネルギー貯蔵装置の性能低下、エネルギー貯蔵装置の故障、エネルギー貯蔵装置の最大充電状態の変化を予測することができる。1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラおよび/または搭載コントローラは、車両システムが1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に、エネルギー貯蔵装置の充電状態を予測する、最大充電状態の変化などを識別する、などをすることができる。
【0048】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラは、充電プロファイルを決定することができ、ディスパッチセンタ(例えば、バックオフィスサーバ)、スケジューリングシステムなどへの通知を伝達することができる。一例として、車両システムが充電されるたびに、充電器コントローラは、充電されたエネルギー貯蔵装置の充電プロファイルを車両コントローラ、ディスパッチセンタ、バックオフィスサーバなどに伝達することができる。伝達される充電プロファイルは、とりわけ、エネルギー貯蔵装置の温度、充電電流などを含むことができる。ディスパッチセンタおよび/またはスケジューリングシステムに伝達される充電プロファイルは、ディスパッチセンタおよびスケジューリングシステムが、車両システムが充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて車両システムの予定に従って確実に走行し続けることができるようにすることを可能にすることができる。例えば、充電プロファイルは、エネルギー貯蔵装置が第1の電力量を受け取ることができることを示すことができるが、ディスパッチセンタおよび/またはスケジューリングシステムは、第1の電力量が経路に沿って目標目的地まで車両システムに動力供給するのに十分ではないと決定することができる。任意選択的に、充電プロファイル(および関連データ)は保存され、エネルギー貯蔵装置および/または充電ステーションの傾向分析および予測分析に使用され得る。
【0049】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、充電ステーションが配置される環境に関連する環境特性を取得することができる。環境特性は、周囲温度および湿度、大気圧、風速、時間帯(例えば、夕方または昼間)、雲量の割合、予期される気象条件(例えば、車両システムが再充電のために充電ステーションに到着すると予想されるときの充電ステーションにおいて)などを含むことができる。充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、環境特性に少なくとも部分的に基づいて、充電ステーションがエネルギー貯蔵装置を充電する充電ステーションの充電プロファイルを変更するよう充電ステーションに指示することができる。
【0050】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、エネルギー貯蔵装置を充電する財務コストを示す経済的特性を取得することができる。経済的コストは、エネルギー価格(例えば、地理的地域内、または2つの異なる地理的地域間のエネルギー価格の比較)、貨物が車両システムによって輸送されることに関連するコスト、輸送される貨物の配送の遅延に関連するコスト(例えば、配送が遅延した場合のペナルティコスト、配送が予定よりも早い場合の報酬)などに少なくとも部分的に基づくことができる。充電器コントローラは、経済的特性に少なくとも部分的に基づいて、エネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するための充電プロファイルを変更することができる。任意選択的に、車両コントローラは、充電器特性および/または経済的特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムの運行計画または移動計画に対する変更を決定し送ることができる。例えば、車両コントローラは、経路に沿ってさらに別の充電ステーションを優先して次の充電ステーションを迂回するよう車両システムに命令することができる。任意選択的に、車両コントローラは、車両システム特性および/または充電器特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムのための運行計画に対する変更を決定することができる。
【0051】
充電器コントローラは、充電状態の更新情報を車両コントローラおよび/または他の車両システムの搭載コントローラと通信することができる。充電状態の更新情報は、車両システムが完全に充電される(または充電限度まで充電される)と予想される時間を車両コントローラに通知することができる。任意選択的に、充電状態の更新情報は、別の車両システムが充電ステーションに到着し、再充電されることを可能にするなどのために、車両システムが充電ステーションから離れると予想される時間を示すことができる。例えば、充電状態の更新情報は、車両システムの推定運行完了を示す充電ステーションからの推定信号であり得る。
【0052】
1つまたは複数の実施形態では、車両コントローラは、車両システム特性、充電器特性、運行特性、経済的特性、および環境条件を受信することができ、車両システムが経路に沿って移動するときに車両システムの運行計画を変更または調整することができる。収集され得るパラメータは、エネルギー貯蔵装置の充電率および/または放電率、温度および他の環境情報、目標目的地に到着したときの予想充電レベルなどを含むことができる。例えば、パラメータは、車両システムが充電ステーションに到着する前に、充電ステーションの利用(例えば、車両システムがどの充電ステーションで停止すべきか、など)を計画するために使用され得る。
【0053】
任意選択的に、車両システムの車両コントローラ、スケジューリングシステム、またはエネルギー管理システム(EMS)は、充電器特性および/または経済的特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムの運行計画を変更することができる。例えば、車両システムの搭載EMSは、車両システムが充電ステーションに到達するまで電力量を維持する、予定よりも早く充電ステーションに到達するように車両システムの速度を上げることにより増加した電力量を活用する、などのために、動作設定を変える(例えば、車両システムの移動速度を上げるまたは下げる)ことができる。1つまたは複数の実施形態では、車両システムの車両コントローラおよび/またはエネルギー管理システムは、充電ステーションの充電率に少なくとも部分的に基づいて(例えば、充電器特性に少なくとも部分的に基づいて)運行計画および/または移動計画への変更を決定するか、あるいは車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて車両システムのエネルギー貯蔵装置の放電率を決定することができる。例えば、運行計画の変更は、近くにある充電ステーションの充電率に少なくとも部分的に基づいてなど、計画よりも経路に沿ってより近い充電ステーションで停止し再充電するよう車両システムに指示することであってもよい。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、車両システムのエネルギー貯蔵装置を充電する優先度は、運行計画の変更に応答して変わり得る。例えば、運行計画を変更すると、車両システムが目標目的地に到着する時刻を到着予定時刻から遅らせる可能性がある。車両システムを充電する優先度(例えば、他の車両システムを充電する優先度に対する)は、変更された運行計画に少なくとも部分的に基づいて変わり得る。例えば、車両システムは、別の車両システムに対してより大きいまたはより高い優先度を有することができ、他の車両システムが再充電するのを許可される前に充電ステーションで再充電するのを許可され得る。
【0055】
図3の図示の実施形態では、充電ステーションは、少なくとも3つの車両システム304A~304Cをほぼ同時に、または同じウィンドウまたは時間内で充電することを可能にする3つの充電装置324を含む。1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、充電ステーションから3台の車両のそれぞれに搭載されたエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御することができる。1つまたは複数の実施形態では、充電ステーションは、実質的に同時に再充電される車両システムの数に少なくとも部分的に基づいて変わり得る1つまたは複数の充電器特性を有することができる。充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、並行して、実質的に同時に、同時期間内に、所定の時間ウィンドウまたは期間内に、などで充電されている2つ以上の異なる車両システムの間で電力の供給を割り当てることができる。例えば、割当ては、車両システムのそれぞれの車両システム特性、充電器特性、充電装置のそれぞれの特性などに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0056】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、車両システムが充電ステーションを離れる前に少なくとも1つの車両システムのエネルギー貯蔵装置がフル充電状態まで充電されるのを防止することにより、電力の供給を割り当てることができる。例えば、充電器コントローラは、エネルギー貯蔵装置をエネルギー貯蔵装置のフル充電状態の約75%までしか再充電できないようにエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御することができ、エネルギー貯蔵装置がフル充電状態の約100%まで再充電されるのを防止または禁止することができる。一実施形態では、エネルギー貯蔵装置に供給される電気エネルギーの量は、車両システムが運行を完了するための所要電気エネルギー量に少なくとも部分的に基づくことができ、車両システムが別の充電ステーション(例えば、現在の充電ステーションに対して異なる経済的コストを有する別の充電ステーション)に到達するための所要電気エネルギー量に少なくとも部分的に基づくことができ、現在の充電ステーションと次の充電ステーションとの間の経路の運行特性、車両システムがハイブリッド車両システムであり、代替エネルギー源(例えば、気体燃料または液体燃料など)に依存することができる場合に、車両システムが目的地に到達したときに有している必要がある電気エネルギーの最小閾値などに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0057】
充電器コントローラおよび/または車両コントローラは、エネルギー貯蔵装置に充電限度を実装することにより、エネルギー貯蔵装置がフル充電状態まで充電されるのを防止することができる。充電限度は、車両システムの計画された経路、車両システムの予想される経路、別の充電ステーションの次の場所、次の場所における充電ステーションの供給量、他の車両システムからの電力の供給に対する需要、経路に沿った次の充電ステーションからの電力の供給に対する需要、などに少なくとも部分的に基づくことができる。
【0058】
1つまたは複数の実施形態では、充電ステーションは、再充電のために充電ステーションで停止した第1の車両システムに十分な電力を供給するのに十分な電力を有していないことがある。再充電のために充電ステーションで停止した第2の車両システムは、第1の車両システムの優先度値よりも低い優先度値を有することができる。例えば、第1の車両システムは、第2の車両システムに対して必要な電力量を受け取ることがより重要であり得る。別の例として、第1の車両システムは、第2の車両システムの前に第1の車両システムの目標目的地に到達することがより重要であり得る。1つまたは複数の実施形態では、充電ステーションは、第1の電力量をより優先度の高い第1の車両システムに割り当てることができ、第2の車両システムは、第2の電力量を第2の車両システムに搭載された1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置から第1の車両システムに電気的に供給することができる。例えば、第1の車両システムは、第1の車両システムが十分な電力量を受け取る、十分な電力量を所定の期間内に受け取る、などのために、充電ステーションから電力の一部を受け取り、第2の車両システムから電力の一部を受け取ることができる。
【0059】
別の実施形態では、充電器コントローラは、車両システムに電力が供給される速度を制御することができる。一例として、電力は、充電装置が電力を供給することができる最大速度で、エネルギー貯蔵装置が電力を受け取ることができる最大速度で、などで供給され得る。別の例として、電力は、車両システムが目標目的地に到着する目標時刻に対する再充電の予想完了時刻に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の他の車両システムが同時期間内に再充電されているのに少なくとも部分的に基づいて、再充電されるべき車両システムの優先度(例えば、再充電されるべき別の車両システムの優先度に対して)に少なくとも部分的に基づいて、など、エネルギー貯蔵装置の寿命を維持するなどのために、可能な最大速度よりも遅い速度で供給され得る。
【0060】
1つまたは複数の実施形態では、充電器コントローラは、車両システム、充電ステーション、環境条件などに関連するデータを、車両コントローラまたは別のディスパッチセンタ(例えば、バックオフィスサーバ)と通信することができる。車両コントローラは、次の運行などのために、車両システムのオペレータまたは所有者によって使用され得る、取得済み情報に少なくとも部分的に基づくアプリケーションを作成または生成することができる。アプリケーションは、ユーザに少なくとも部分的に基づいて変わり得る。一例として、操車場計画者は、車両システムがどこでおよび/またはいつ充電されるべきかを操車場計画者に示すことができる車両保管施設または操車場内の車両システムに関連するアプリケーション情報にアクセスすることができる。別の例として、整備または修理人は、車両システム(例えば、車両システムの構成要素および/またはシステム)、充電ステーションなどの状態に関連するアプリケーション情報にアクセスすることができる。任意選択的に、整備人は、診断または予後情報、推奨される修理アクションなどにアクセスすることができる。整備人は、車両システムまたは充電ステーションで整備作業が完了したのに関連するアプリケーション上で利用可能な情報(例えば、推定完了時刻、車両システムまたは充電ステーションが利用できない時間がどのくらいかを示す推定時間、など)を更新することができる。任意選択的に、他の車両システムのオペレータは、充電ステーションの修理および/または整備に関連するアプリケーション情報にアクセスすることができる。アプリケーションは、車両システムおよび充電ステーションについてオペレータに通知するために、タブレット、スマートフォン、コンピュータなどを通じて、多数の個人によってアクセス可能であり得る。
【0061】
一実施形態では、本明細書に記載のコントローラまたはシステムは、展開されたローカルデータ収集システムを有することができ、導出ベースの学習結果を可能にするために機械学習を使用することができる。コントローラは、データ駆動予測を行い、データセットに従って適合させることにより、データセット(様々なセンサによって提供されるデータを含む)から学習し、データセットを決定することができる。諸実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などの機械学習システムにより複数の機械学習タスクを実行することを含むことができる。教師あり学習は、1組の入力例および所望の出力を機械学習システムに提示することを含むことができる。教師なし学習は、パターン検出および/または特徴学習などの方法によりその入力を構造化する学習アルゴリズムを含むことができる。強化学習は、機械学習システムが動的環境内で実行し、次いで正しい決定および誤った決定に関するフィードバックを提供することを含むことができる。諸例では、機械学習は、機械学習システムの出力に少なくとも部分的に基づく複数の他のタスクを含むことができる。諸例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元削減、異常検出などの機械学習問題であり得る。諸例では、機械学習は、複数の数学的かつ統計的技法を含むことができる。諸例では、多くの種類の機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、相関ルール学習、ディープラーニング、人工ニューラルネットワーク、遺伝的学習アルゴリズム、誘導論理プログラミング、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベースの機械学習、スパース辞書学習、類似性およびメトリック学習、学習分類子システム(LCS)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K平均、勾配ブースト、K最近傍(KNN)、アプリオリアルゴリズムなどを含むことができる。諸実施形態では、特定の機械学習アルゴリズムが(例えば、自然選択に少なくとも部分的に基づき得る制約付き最適化問題と制約なし最適化問題の両方を解くために)使用され得る。一例では、アルゴリズムは、いくつかの成分が整数値であることに制限される混合整数プログラミングの問題に対処するために使用され得る。アルゴリズムならびに機械学習技法および機械学習システムは、計算知能システム、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、レコメンダシステム、強化学習、グラフィカルモデル構築などに使用され得る。一例では、機械学習が使用されて、決定、計算、比較、および行動分析などを行うことができる。
【0062】
一実施形態では、コントローラは、1つまたは複数のポリシーを適用することができるポリシーエンジンを含むことができる。これらのポリシーは、機器または環境の所与の項目の特性に少なくとも部分的に基づくことができる。制御ポリシーに関して、ニューラルネットワークは、いくつかの環境パラメータおよびタスク関連パラメータの入力を受け取ることができる。これらのパラメータは、例えば、動作機器に関する操作入力、様々なセンサからのデータ、場所および/または位置データなどを含むことができる。ニューラルネットワークは、これらの入力に少なくとも部分的に基づいて出力を生成するように訓練することができ、出力は、動作の目標を達成するために機器またはシステムが取るべきアクションまたは一連のアクションを表す。一実施形態の運転中、決定は、ニューラルネットワークのパラメータを介して入力を処理して、そのアクションを所望のアクションとして指定する値を出力ノードで生成することにより行うことができる。このアクションは、車両を動作させる信号に変換することができる。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、閉ループフィードバック、または開ループフィードバックによって実現され得る。あるいは、コントローラの機械学習システムは、バックプロパゲーションを使用するのではなく、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整するために進化戦略技法を使用することができる。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決できるとは限らないかもしれない関数、例えば非凸である関数を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用することができる。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークのいくつかのコピーが生成され、次いでパラメータに対する異なる調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が得られると、これらのモデルは、決定された成功メトリックを使用してそれらの性能について評価することができる。最良のモデルが選択され、車両コントローラは、その計画を実行して所望の入力データを実現し、それにより予測される最良の結果シナリオを反映する。さらに、成功メトリックは、互いに対して重み付けされ得る最適化された結果を組み合わせたものであり得る。
【0063】
1つの態様または例によれば、充電システムは、車両システム特性および/または充電器特性を取得することができるコントローラを含むことができる。充電システムは、車両システム特性および充電器特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の車両システムの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御することができる。
【0064】
コントローラは、車両エネルギー管理システム、ディスパッチシステム、またはスケジューリングシステムのうちの1つまたは複数と共に動作して、運行に必要な1つまたは複数の車両システムの予期されるエネルギー需要を決定することができる。コントローラは、車両エネルギー管理システムからの予期されるエネルギー需要にも少なくとも部分的に基づいて電力の供給を制御することができる。コントローラは、取得された車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を使用して、車両システムのうちの1つまたは複数が1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数で1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するための充電プロファイルを決定することができる。コントローラは、取得された車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を使用して、車両システムのうちの1つまたは複数が1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数で1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するための予定変更を決定することができる。
【0065】
コントローラは、取得された充電器特性の車両システム特性のうちの1つまたは複数を使用して、車両システムのうちの1つまたは複数が1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数で1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電するための運行計画への変更を決定することができる。運行計画は、1つまたは複数の経路に沿った異なる時間、異なる場所、または異なる距離のうちの1つまたは複数に対して指定された1つまたは複数の車両システムの動作設定を含むことができる。コントローラは、車両システム特性および/または充電器特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムのうちの少なくとも1つを診断することができる。コントローラは、車両システム特性および/または充電器特性に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つを診断することができる。コントローラは、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するための制御信号を伝達することができる。コントローラは、この制御信号を、車両システムに非搭載であり、車両システムの許容可能な動きを調整する車両制御システムを介して1つまたは複数の充電ステーションに伝達することができる。車両システム特性は、1つまたは複数の車両システム内の1つまたは複数の車両の重量、サイズ、推進負荷、エネルギー貯蔵システム特性、または補助負荷のうちの1つまたは複数を含むことができる。コントローラは、経路のネットワーク内で動作する1つまたは複数の他の車両システムに少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数への電力の供給を制御することができる。コントローラは、1つまたは複数の充電ステーションの利用状態または可用性状態の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数への電力の供給を制御することができる。
【0066】
コントローラは、1つまたは複数の充電ステーションの電力容量に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つへの電力の供給を制御することができる。車両システムは、1つまたは複数の鉄道車両を含むことができる。任意選択的に、車両システムは自動車を含むことができる。任意選択的に、車両システムは、1つまたは複数の運搬トラックを含むことができる。コントローラは、車両システム特性および/または充電器特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムのうちの2つ以上の間で電力の供給を割り当てることができる。コントローラは、同時または同時期間中に、1つまたは複数の充電ステーションにおいて2つ以上の車両システムの間で電力の供給を割り当てることができる。コントローラは、車両システムのうちの少なくとも1つに搭載されたエネルギー貯蔵装置が、車両システムのうちの少なくとも1つが1つまたは複数の充電ステーションを離れる前にフル充電状態まで充電されるのを防止することにより、2つ以上の車両システムの間で電力の供給を割り当てることができる。コントローラは、エネルギー貯蔵装置に充電限度を実装することにより、エネルギー貯蔵装置がフル充電状態まで充電されるのを防止することができる。充電限度は、車両システムのうちの少なくとも1つの計画された経路、車両システムのうちの少なくとも1つの予想される経路、1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数の次の場所、次の場所における1つまたは複数の充電ステーションの供給量、または次の場所にある1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数からの電力の供給に対する需要のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0067】
コントローラは、1つまたは複数の車両システムに電流を供給する1つまたは複数の充電ステーションから充電プロファイルを受信することができる。コントローラは、充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、エネルギー貯蔵装置の残存耐用年数、エネルギー貯蔵装置の性能低下、エネルギー貯蔵装置の故障、あるいは車両システムのうちの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の最大充電状態の変化、のうちの1つまたは複数を予測することができる。コントローラは、エネルギー貯蔵装置の1つまたは複数の充電プロファイルを含むエネルギー貯蔵特性を取得することができる。コントローラは、1つまたは複数の充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、エネルギー貯蔵装置の残存耐用年数、エネルギー貯蔵装置の性能低下、エネルギー貯蔵装置の故障、あるいは車両システムのうちの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の最大充電状態の変化、のうちの1つまたは複数を予測することができる。エネルギー貯蔵特性は、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の温度、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置に結合されたケーブルの温度、充電装置のコネクタの温度、1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数が1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数に電力を供給する充電率、あるいは1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数の抵抗を示す逆電磁周波数(EMF)信号、のうちの1つまたは複数を含むことができる。コントローラは、温度または充電率の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数の残存耐用年数、エネルギー貯蔵装置の性能低下、1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置の故障、あるいは1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数の最大充電状態の変化、のうちの1つまたは複数を予測することができる。充電器特性は、1つまたは複数の車両システムのエネルギー貯蔵装置に電力を供給する1つまたは複数の充電ステーションの充電プロファイルを含むことができる。コントローラは、充電プロファイルに少なくとも部分的に基づいて、残存耐用年数、あるいは車両システムのうちの1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置への電力の最大充電率の変化、の1つまたは複数を予測することができる。
【0068】
充電器特性は、1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つの温度、1つまたは複数の充電ステーションの構成要素、あるいは1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つが電力をエネルギー貯蔵装置に供給する充電率、のうちの1つまたは複数を含むことができる。コントローラは、温度または充電率の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つの残存耐用年数または最大充電率の変化の1つまたは複数を予測することができる。コントローラは、1つまたは複数の環境特性を取得し、1つまたは複数の環境特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数が1つまたは複数の車両システムのエネルギー貯蔵装置を充電する充電プロファイルを変更することができる。コントローラは、車両システムのうちの1つまたは複数の1つまたは複数のエネルギー貯蔵装置のうちの1つまたは複数を充電する財務コストを示す1つまたは複数の経済的特性を取得することができる。コントローラはまた、充電器特性および経済的特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の車両システムの運行計画または移動計画の1つまたは複数への変更を決定し送るか、あるいは充電器特性または経済的特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて車両システムのうちの少なくとも1つの運行計画を変更することができる。コントローラは、1つまたは複数の環境特性を取得することができ、充電器特性および環境特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の車両システムの運行計画または移動計画の1つまたは複数への変更を決定し送るか、あるいは充電器特性または環境特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて車両システムのうちの少なくとも1つの運行計画を変更することができる。
【0069】
コントローラは、充電ステーションまたはエネルギー貯蔵装置の1つもしくは複数の充電率、または車両システムの放電率の1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、運行計画または移動計画の1つまたは複数への変更を決定することができる。コントローラは、車両システム特性、充電器特性、および1つまたは複数の運行特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムが1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に1つまたは複数の車両システムのエネルギー貯蔵装置の充電状態を予測することができる。コントローラは、エネルギー貯蔵装置の充電状態に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の車両システムを1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数に割り当てることができる。コントローラは、1つまたは複数の運行特性を取得し、充電器特性および1つまたは複数の運行特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムのうちの少なくとも1つにおける車両の構成を決定することができる。1つまたは複数の運行特性は、車両システムのうちの少なくとも1つのための運行の1つまたは複数の次のセグメントに関連付けられ得る。充電器特性は、1つまたは複数の充電ステーションの可用性を含むことができ、運行特性は、1つまたは複数の車両システムによって走行されるべき経路の勾配または曲率のうちの1つまたは複数を含むことができる。コントローラは、1つまたは複数の充電ステーションのうちの1つまたは複数から推定信号を受信することができる。推定信号は、車両システムのうちの少なくとも1つの推定運行完了を示すことができる。
【0070】
別の態様または例によれば、方法は、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数を取得するステップを含むことができる。車両システム特性は1つまたは複数の車両システムに対応し、充電器特性は1つまたは複数の充電ステーションに対応する。車両システムのそれぞれがエネルギー貯蔵装置を含む。1つまたは複数の充電ステーションから1つまたは複数の車両システムのエネルギー貯蔵装置への電力の供給は、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。
【0071】
別の態様または例では、車両充電システムは、車両システムのエネルギー貯蔵装置に電力を供給するように構成された1つまたは複数の充電ステーションと、車両システム特性または充電器特性のうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の充電ステーションから車両システムのエネルギー貯蔵装置への電力の供給を制御するコントローラと、を含むことができる。コントローラは、車両システム特性に少なくとも部分的に基づいて、車両システムが1つまたは複数の充電ステーションに到着する前に車両システムのエネルギー貯蔵装置の充電状態を予測することができる。コントローラは、エネルギー貯蔵装置の充電状態に少なくとも部分的に基づいて、車両システムを1つまたは複数の充電ステーションのうちの少なくとも1つに割り当てることができる。
【0072】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ(processor)」および「コンピュータ(computer)」という用語、ならびに関連する用語、例えば「処理装置(processing device)」、「計算装置(computing device)」、および「コントローラ(controller)」は、当技術分野ではコンピュータと呼ばれる集積回路だけに限定されるものではなく、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、および特定用途向け集積回路、ならびに他のプログラマブル回路を指すことができる。適切なメモリは、例えば、コンピュータ可読媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体であり得る。「非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable media)」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびサブモジュール、または別の装置内の他のデータなど、情報の短期および長期記憶のために実装される有形のコンピュータベースの装置を表す。したがって、本明細書に記載の方法は、記憶装置および/またはメモリ装置を制限なく含む、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体で具現化された実行可能命令として符号化され得る。そのような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本明細書に記載の方法の少なくとも一部を実行させる。したがって、この用語は、揮発性媒体および不揮発性媒体を制限なく含む非一時的コンピュータ記憶装置を制限なく含む有形のコンピュータ可読媒体と、ファームウェア、物理および仮想記憶装置、CD-ROM、DVDなどのリムーバブル媒体および非リムーバブル媒体と、ネットワークやインターネットなどの他のデジタルソースと、を含む。
【0073】
本明細書で使用される場合、単数形で列挙され、単語「a」または「an」の後に続く要素またはステップは、そのような除外が明示的に述べられていない限り、前記要素または動作の複数形を除外しない。さらに、本発明の「一実施形態(one embodiment)」への言及は、列挙された特徴を組み込む追加の実施形態の存在を排除するものではない。さらに、明示的に反対の記載がない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、または「有する(has)」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むことができる。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「in which」という用語は、それぞれ「備える(comprising)」および「wherein」という用語の平易な英語の同義語として使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」などの用語は、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、かかる特許請求の範囲の限定が「~のための手段(means for)」の後にさらなる構造を欠いた機能の記述が続くフレーズを明示的に使用しない限り、そうするまで、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で書かれたものではなく、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図するものではない。
【0074】
上記説明は例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、特定の状況または材料を本発明の主題の教示に、本発明の範囲から逸脱することなく適合させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載の材料の寸法および種類は、本発明の主題のパラメータを定義するが、それらは例示的な実施形態である。他の実施形態は、上記説明を精査すれば当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、かかる特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に決定されるものとする。
【0075】
本明細書は、最良の形態を含む、本発明の主題のいくつかの実施形態を開示するために、かつ、他の装置またはシステムを製作し使用すること、および組み込まれた方法を実行することを含む、本発明の主題の実施形態を当業者が実施することを可能にするために、例を使用する。本発明の主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるように意図されている。
図1
図2
図3