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特許7687908ナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-26
(45)【発行日】2025-06-03
(54)【発明の名称】ナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20250527BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20250527BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250527BHJP
【FI】
G08G1/04 D
G08G1/015 A
G06T7/00 650B
G06T7/00 300Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021140208
(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公開番号】P2023034122
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】小島 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
(72)【発明者】
【氏名】尾張 伸行
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012332(JP,A)
【文献】特開2016-177389(JP,A)
【文献】特開2016-162354(JP,A)
【文献】国際公開第2020/035916(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/04
G08G 1/015
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識システムであって、
前記車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラと、
前記カメラによって撮影可能に配置され、前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡と、
前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識する認識処理部と、
車線方向の検知位置の路側に設置され、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知する車両検知器と、
を備え、
前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、下流側から上流側に向けて撮影可能に設けられ、
前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、前記車両の車両進行方向の上流側の面を映すように設けられるナンバープレート認識システム。
【請求項2】
前記認識処理部は、前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映る画像を左右反転処理して前記ナンバープレート情報を認識する、
請求項1に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項3】
前記認識処理部は、予め左右反転した文字を反転文字情報としてデータベースに格納し、前記データベースの前記反転文字情報に基づいて前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映った画像内のナンバープレート情報を認識する、
請求項1に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項4】
前記鏡の鏡面は、曲面を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項5】
前記認識処理部は、前記鏡の曲面形状に応じて生じた画像の歪みを補正する歪み補正処理を行う、
請求項4に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項6】
前記認識処理部は、予め前記鏡の曲面形状に応じた曲率で歪んだ文字を歪み文字情報としてデータベースに格納し、前記データベースの前記歪み文字情報に基づいて前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映った画像内のナンバープレート情報を認識する、
請求項4に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項7】
前記車両検知器で前記車両の進入を検知したタイミングで前記一方のナンバープレートが映る画像を取得し、前記車両の退出を検知したタイミングで前記他方のナンバープレートが鏡越しに映る画像を取得する画像取得部と、
をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項8】
前記カメラは、時系列で連続的に撮影可能に設けられている、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のナンバープレート認識システム。
【請求項9】
車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識方法であって、
前記車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラを使用し、前記一方のナンバープレートを撮影するステップと、
前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡を前記カメラによって撮影するステップと、
前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識するステップと、
車線方向の検知位置の路側に設置される車両検知器を使用し、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知するステップと、
を有し、
前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、下流側から上流側に向けて撮影し、
前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、前記車両の車両進行方向の上流側の面を映すナンバープレート認識方法。
【請求項10】
車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識システムのコンピュータに、
車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラを使用し、前記一方のナンバープレートを撮影するステップと、
前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡を前記カメラによって撮影するステップと、
前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識するステップと、
車線方向の検知位置の路側に設置される車両検知器を使用し、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知するステップと、
を実行させ、
前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、
前記カメラで前記一方のナンバープレートを撮影するステップにおいて、前記カメラで下流側から上流側に向けて撮影し、
前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、
前記鏡を前記カメラで撮影するステップにおいて、前記鏡で前記車両の車両進行方向の上流側の面を映すプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路の料金所においては、走行中の車両の車種区分等に応じた適正な料金を収受すべく、走行車両のナンバープレートを読み取って当該走行車両の車種判別、個体識別などを行う技術が用いられている。
【0003】
一台の走行車両に対するナンバープレートの認識精度を高めたいという要望の他、後方側にしかナンバープレートが付されていない二輪車に対しても認識できるようにしたいという要望から、走行車両の前側のナンバープレートと、後側のナンバープレートとの両方を認識可能とする料金収受設備が求められている。
【0004】
走行車両の前後に設けられているナンバープレートの両方を撮影して認識するためには、前側のナンバープレート認識用のカメラと、後側のナンバープレート認識用のカメラとの2台のカメラを配置することが考えられる。
【0005】
また、前後2方向の撮影を1台のカメラで行う方法として、2枚の平面鏡を利用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6602595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
走行車両の前後のナンバープレートを認識できる料金収受システムにおいて、構成の簡素化が求められている。
【0008】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、より簡素な構成で、走行車両の前後のナンバープレートを認識可能なナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係るナンバープレート認識システムは、車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識システムであって、前記車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラと、前記カメラによって撮影可能に配置され、前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡と、前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識する認識処理部と、車線方向の検知位置の路側に設置され、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知する車両検知器と、を備え、前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、下流側から上流側に向けて撮影可能に設けられ、前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、前記車両の車両進行方向の上流側の面を映すように設けられる。
【0010】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記認識処理部は、前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映る画像を左右反転処理して前記ナンバープレート情報を認識してもよい。
【0011】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記認識処理部は、予め左右反転した文字を反転文字情報としてデータベースに格納し、前記データベースの前記反転文字情報に基づいて前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映った画像内のナンバープレート情報を認識してもよい。
【0012】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記鏡の鏡面は、曲面を有し、前記認識処理部は、前記鏡の曲面形状に応じて生じた画像の歪みを補正するする歪み補正処理を行ってもよい。
【0013】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記認識処理部は、予め前記鏡の曲面形状に応じた曲率で歪んだ文字を歪み文字情報としてデータベースに格納し、前記データベースの前記歪み文字情報に基づいて、前記カメラで撮影した画像に含まれる前記鏡に映った画像内のナンバープレート情報を認識してもよい。
【0014】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記認識処理部は、前記一方のナンバープレートを撮影した第1画像から得られた第1ナンバープレート情報と、前記鏡に映る前記他方のナンバープレートを撮影した第2画像から得られた第2ナンバープレート情報と、を紐づけて前記一方のナンバープレートと前記他方のナンバープレートとを比較して同一性を認識してもよい。
【0015】
また、上記のナンバープレート認識システムは、前記車両検知器で前記車両の進入を検知したタイミングで前記一方のナンバープレートが映る画像を取得し、前記車両の退出を検知したタイミングで前記他方のナンバープレートN2が鏡越しに映る画像を取得する画像取得部と、をさらに備える。
【0016】
また、上記のナンバープレート認識システムにおいて、前記カメラは、時系列で連続的に撮影可能に設けられてもよい。
【0017】
また、本開示の一態様に係るナンバープレート認識方法は、車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識方法であって、前記車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラを使用し、前記一方のナンバープレートを撮影するステップと、前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡を前記カメラによって撮影するステップと、前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識するステップと、車線方向の検知位置の路側に設置される車両検知器を使用し、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知するステップと、を有し、前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、下流側から上流側に向けて撮影し、前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、前記車両の車両進行方向の上流側の面を映す。
【0018】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、車線を走行する車両の前後に設けられるナンバープレートを認識するためのナンバープレート認識システムのコンピュータに、車両の前または後に設けられるうち一方のナンバープレートを撮影可能に配置されたカメラを使用し、前記一方のナンバープレートを撮影するステップと、前記車両の他方のナンバープレートを映す鏡を前記カメラによって撮影するステップと、前記カメラで撮影した画像からナンバープレート情報を認識するステップと、車線方向の検知位置の路側に設置される車両検知器を使用し、前記車線を走行する前記車両の所定走行位置への進入及び退出を検知するステップと、を実行させ、前記カメラは、車両進行方向で前記車両検知器の下流側に配置され、前記カメラで前記一方のナンバープレートを撮影するステップにおいて、前記カメラで下流側から上流側に向けて撮影し、前記鏡は、車両進行方向で前記車両検知器の上流側に配置され、前記鏡を前記カメラで撮影するステップにおいて、前記鏡で前記車両の車両進行方向の上流側の面を映す。
【発明の効果】
【0019】
本発明のナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムによれば、より簡素な構成で、走行車両の前後のナンバープレートを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す第1の平面図である。
図2】第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す第2の平面図である。
図4】第1の実施形態に係る車両の前側のナンバープレートを映した第1画像を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る車両の後側のナンバープレートを映した第2画像を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの処理を示す第1のフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの処理を示す第2のフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係るナンバープレート認識システムを示す第3の平面図である。
図9】第2の実施形態に係るナンバープレート認識システムを示す第4の平面図である。
図10】第2の実施形態に係るナンバープレート認識システムの処理を示す第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施形態によるナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムについて説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0022】
<第1の実施形態>
図1図7を参照しながら、第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムについて詳細に説明する。
【0023】
(ナンバープレート認識システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す第1の平面図である。
【0024】
図1に示すナンバープレート認識システム1は、有料道路の料金所において、走行する車両Aから通行料金を収受する料金収受システムの構成の一つとして用いられる。
【0025】
図1に示すように、有料道路を利用する車両Aは、料金所において、車線Lを走行する。以下の説明では、車線Lが延在する方向(±X方向)を「車線方向」とも記載し、車線方向(±X方向)に水平に直交する方向(±Y方向)を「車線幅方向」とも記載する。また、車両Aの進行方向手前側(-X方向側)を「上流側」とも記載し、車両Aの進行方向奥側(+X方向側)を「下流側」とも記載する。また、車線幅方向(±Y方向)における-Y方向側は、車両Aの「進行方向右側」であり、車線幅方向(±Y方向)における+Y方向側は、車両Aの「進行方向左側」である。また、車線方向(±X方向)と車線幅方向(±Y方向)とを含む平面に直交する方向(±Z方向)を「上下方向」とも記載する。
【0026】
ナンバープレート認識システム1は、車線Lを走行する車両Aの前後に設けられるナンバープレートN(N1、N2)を認識するシステムである。ここで、車両Aの前側に設けられるナンバープレートを「ナンバープレートN1」とも記載し、車両Aの後側に設けられるナンバープレートを「ナンバープレートN2」とも記載する。
【0027】
図1に示すように、ナンバープレート認識システム1は、カメラ2と、鏡3と、車両検知器5とを備える。カメラ2、鏡3及び車両検知器5は、車線Lの路側に設置される。
【0028】
カメラ2は、車線Lを走行する車両Aの前側のナンバープレートN1を撮影可能に設けられる。
具体的には、図1に示すように、カメラ2は、車線Lの車線幅方向(±Y方向)の一方(車両進行方向の右側(-Y方向側))で、車線Lの下流側(+X方向側)から上流側(-X方向側)に向けて撮影するように配置されている。また、カメラ2は、車両Aの前側のナンバープレートN1と、車両Aの後側のナンバープレートN2が映る鏡3と、の両方を撮影できる画角20Rを有している。
【0029】
鏡3は、平面鏡であり、車線Lの車両進行方向の右側(-Y方向側)、すなわち、カメラ2と車線幅方向で同じ側に配置されている。鏡3は、図1に示すように、カメラ2よりも上流側(-X方向側)に配置されている。そして、鏡3は、車線Lの下流側(+X方向側)において、カメラ2の画角20Rに含まれる位置に配置されている。鏡3の姿勢(鏡面の向き)は、カメラ2から、当該鏡3を介して車両Aの後側のナンバープレートN2を映すことができるように調整されている。
【0030】
車両検知器5は、車線方向の検知位置の路側に設置され、車両Aの進入及び退出を検出する。車両検知器5は、例えば、透過型の車両検知器であり、車線Lを挟んで対向設置される投光器51及び受光器52の対を有している。車両検知器5は、投光器51から投光された光を受光器52が受光したか否かに基づいて、検知位置における車両の存在の有無を区別可能な車両検知信号を出力する。車両検知器5は、受光器52が光を受光している間は、検知位置に車両が存在していないことを示す車両検知信号(OFF)を出力する。一方、車両検知器5は、受光器52が光を受光していない間は、検知位置に車両が存在することを示す車両検知信号(ON)を出力する。
【0031】
(ナンバープレート認識システムの機能構成)
図2は、第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの機能構成を示す図である。
【0032】
図2に示すように、ナンバープレート認識システム1は、車線制御装置4を備える。
車線制御装置4は、料金所の車線Lごとに設置される処理装置であって、当該車線Lを走行する車両に対する課金処理全般を行うコンピュータである。車線制御装置4は、CPU40と、メモリ41と、接続インタフェース42と、記録媒体43とを有してなる。
【0033】
CPU40は、予め用意されたプログラムに従って動作するプロセッサである。本実施形態においては、CPU40は、プログラムに従って動作することで、画像取得部400および認識処理部401としての機能を発揮する。
メモリ41は、いわゆる主記憶装置であって、CPU40の動作に必要な記憶領域である。
接続インタフェース42は、路側機器(カメラ2、車両検知器5)との間で、信号のやり取りを行うための接続インタフェースである。
記録媒体43は、いわゆる補助記憶装置であって、車線Lを走行する車両に対する課金処理に必要な情報が記録される。特に、本実施形態においては、記録媒体43には、認識処理部401による認識処理(マッチング処理)の際に参照される文字情報等が記録される。
【0034】
画像取得部400は、車両検知器5から受信する車両検知信号に応じて、カメラ2を作動させて撮影を行い、撮影画像を取得する。
認識処理部401は、カメラ2で撮影した第1画像D1(図4参照)及び第2画像D2(図5参照)の各々から、前側のナンバープレートN1及び後側のナンバープレートN2を認識し、各々のナンバープレート情報を取得する。
画像取得部400および認識処理部401の具体的な処理については、以下のフローチャート(図6図7)を参照しながら説明する。
【0035】
(ナンバープレート認識システムの処理フロー)
図3は、第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの全体構成を示す第2の平面図である。
また、図4図5は、それぞれ、第1の実施形態に係る車両の前側のナンバープレートを映した第1画像、及び、車両の後側のナンバープレートを映した第2画像を示す図である。
また、図6図7は、それぞれ、第1の実施形態に係るナンバープレート認識システムの処理フローを示す図である。
以下、ナンバープレート認識システム1が、車線Lを走行する車両AのナンバープレートNを認識する動作手順について、図1図6を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
まず、図6に示す処理フローに基づいて、車両Aの前側のナンバープレートN1を認識する処理の流れについて説明する。
【0037】
まず、車両Aが料金所に到来し、車線Lを走行すると、車両Aの車体先端が車線Lにおける検知位置に進入(到達)する。このとき、車両検知器5が出力する車両検知信号がOFFの状態からONに切り替わる(ステップS11)。この時点で、車両Aの前側のナンバープレートN1は、図1に示すように、車両検知器5の検知位置付近に位置する。
【0038】
車線制御装置4の画像取得部400は、車両検知信号がOFFからONに切り替わったタイミングでカメラ2を作動させて撮影画像を取得する(ステップS12)。このようにして取得された画像は、図4に示すように、車両Aの前側のナンバープレートN1が直接(鏡3を介さずに)映された画像(第1画像D1)となる。
【0039】
次に、車線制御装置4の認識処理部401は、ステップS12で取得された第1画像D1から前側のナンバープレートN1を認識する(ステップS13)。
ここで、認識処理部401は、車両Aの進入時(車両検知信号がOFFからONに切り替わったタイミング)に撮影された画像を「第1画像D1」と識別する。図1に示すようなカメラ2の画角20R、車両Aの前側のナンバープレートN1および鏡3の位置関係によれば、車両Aの前側のナンバープレートN1の像は、第1画像D1内の中央右側の領域(鏡3の像が映っていない領域)に含まれることとなる(図4参照)。したがって、認識処理部401は、この第1画像D1内の中央右側の領域(鏡3の像が映っていない領域)を認識対象としてナンバープレート情報の認識処理を行う。
【0040】
以上のようにして、認識処理部401は、車両Aの前側のナンバープレートN1に係るナンバープレート情報を読み取る。
【0041】
次に、図7に示す処理フローに基づいて、車両Aの後側のナンバープレートN2を認識する処理の流れについて説明する。
【0042】
車両Aの車体後端が車線Lにおける車両検知器5の検知位置から離れると、車両検知器5が出力する車両検知信号がONの状態からOFFに切り替わる(ステップS21)。このとき、車両Aの後側のナンバープレートN2は、図3に示すように、車両検知器5の検知位置付近に位置する。
【0043】
車線制御装置4の画像取得部400は、車両検知信号がONからOFFに切り替わったタイミングでカメラ2を作動させて撮影画像を取得する(ステップS22)。このようにして取得された画像は、図5に示すように、車両Aの後側のナンバープレートN2が、鏡3を介して(鏡越しに)映る第2画像D2となる。ただし、第2画像D2において、ナンバープレートN2に印字されている文字列は、左右が反転した状態となっている。
【0044】
次に、車線制御装置4の認識処理部401は、ステップS22で取得された第2画像D2に対し、左右を反転させる画像処理を実行する(ステップS23)。
ここで、認識処理部401は、車両Aの退出時(車両検知信号がONからOFFに切り替わったタイミング)に撮影された画像を、「第2画像D2」と識別する。図3に示すようなカメラ2の画角20R、鏡3を介して撮影される領域(以下、「鏡越し撮影領域30R」ともいう。)、及び、車両Aの後側のナンバープレートN2の位置関係によれば、車両Aの後側のナンバープレートN2は、第2画像D2内のうち鏡3の像が映されている領域内に含まれることとなる(図5参照)。したがって、認識処理部401は、この第2画像D2のうち鏡3の像が映される領域を認識対象として、左右を反転させる画像処理を行う。なお、カメラ2と鏡3との位置関係は初期設置時点から変化しないものであるから、カメラ2および鏡3の初期設置時に、カメラ2を通じて取得される画像のうち「鏡3の像が映される領域」を事前に把握して記憶させておくことで、認識処理部401は、ステップS23において、画像内で鏡3の像が映される領域のみを認識対象とする(反転処理の対象とする)ことができる。
【0045】
続いて、認識処理部401は、ステップS23の反転処理によって得られた反転画像を認識対象としてナンバープレート情報の認識処理を行う(ステップS24)。
【0046】
以上のようにして、認識処理部401は、車両Aの後側のナンバープレートN2に係るナンバープレート情報を読み取る。
【0047】
(作用効果)
上述したナンバープレート認識システム1によれば、車両Aの前側のナンバープレートN1が鏡3を介すことなく映される第1画像D1と、車両Aの後側のナンバープレートN2が鏡越しに映った第2画像D2と、を1台のカメラ2と1枚の鏡3で撮影することができる。そして、車線制御装置4において、1台のカメラ2で撮影した第1画像D1と第2画像D2とからナンバープレート情報を認識することができる。
このように、本実施形態に係るナンバープレート認識システム1によれば、1台のカメラ(カメラ2)と1枚の鏡(鏡3)のみを使用する簡素な構成で、走行車両の前後のナンバープレートを認識することができる。
【0048】
また、本実施形態に係るナンバープレート認識システム1によれば、鏡3に左右反転した状態で映る、後側のナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4(認識処理部401)で左右反転する処理(図7のステップS23)を行う。これにより、鏡越しに撮影されたナンバープレートの像からナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0049】
なお、本実施形態においては、車線制御装置4による左右反転処理として、第2画像D2のうちナンバープレートN2の像を映す鏡3の領域を左右反転することとしているが、他の実施形態においてはこの態様に限定されることはない。
例えば、他の実施形態に係る車線制御装置4は、予め左右反転した文字を反転文字情報としてデータベース(記録媒体43)に格納し、データベースの反転文字情報とのマッチング処理により、第2画像D2に含まれる、鏡3に映ったナンバープレートN2のナンバープレート情報を認識してもよい。このようにすることで、認識処理部401は、第2画像D2の対象領域を左右反転させなくとも、予め格納されている反転文字情報に基づいてナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0050】
また、本実施形態ナンバープレート認識システム1は、車線Lを走行する車両Aの所定走行位置(検知位置)への進入及び退出を検知する車両検知器5をさらに備える。そして、ナンバープレート認識システム1は、車両検知器5で車両Aの進入を検知したタイミングで前側のナンバープレートN1が映る画像(第1画像D1)を取得し、車両Aの退出を検知したタイミングで後側のナンバープレートN2が鏡越しに映る画像(第2画像D2)を取得する。
このようにすることで、前側のナンバープレートN1がカメラ2の画角20Rの範囲内に存在しているタイミング(図1参照)、および、後側のナンバープレートN2が鏡越し撮影領域30Rの範囲内に存在しているタイミング(図3参照)で撮影が行われる。したがって、いかなる車種(普通車、大型車等)の車両が到来した場合であっても、確実に前側のナンバープレートN1が映された画像(第1画像D1)と、後側のナンバープレートN2が映された画像(第2画像D2)との両方を取得することができる。
【0051】
<第2の実施形態>
次に、図8図10を参照しながら、第2の実施形態によるナンバープレート認識システムについて説明する。なお、上述した第1の実施形態の構成要素と同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、これらについては、説明が重複するので詳しい説明は省略する。
【0052】
(ナンバープレート認識システムの全体構成)
図8図9は、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システムを示す平面図である。
【0053】
図8に示すように、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システム1Aは、第1の実施形態の鏡3を凸面鏡3Aとしている。
また、図9に示すように、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システム1Bは、第1の実施形態の鏡3を凹面鏡3Bとしている。
凸面鏡3Aを設けたナンバープレート認識システム1Aによれば、上述した第1の実施形態の平面鏡の鏡3よりも視野角θ1が広角となる。
また、凹面鏡3Bを設けたナンバープレート認識システム1Bによれば、視野角θ2が狭角となり、鏡越しの像を拡大することができる。
【0054】
(ナンバープレート認識システムの処理フロー)
図10は、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システムの処理を示す第3のフローチャートである。
【0055】
次に、第2の実施形態によるナンバープレート認識システム1A、1Bを用いてナンバープレートNを認識する動作手順について、図10に示す第3のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、車両Aの前側のナンバープレートN1を認識する処理の流れは、上述した第1の実施形態の図6に示す動作フローと同等であるので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0056】
ナンバープレート認識システム1A、1Bによる、車両Aの後側のナンバープレートN2を認識する処理の流れについて説明する。
【0057】
車両Aの車体後端が車線Lにおける車両検知器5の検知位置から離れると、車両検知器5が出力する車両検知信号がONの状態からOFFに切り替わる(ステップS31)。このとき、車両Aの後側のナンバープレートN2は、図8図9に示すように、車両検知器5の検知位置付近に位置する。
【0058】
車線制御装置4の画像取得部400は、車両検知信号がONからOFFに切り替わったタイミングでカメラ2を作動させて撮影画像を取得する(ステップS32)。このようにして取得された画像は車両Aの後側のナンバープレートN2が、鏡3を介して(鏡越しに)映る第2画像D2となる。第2画像D2において、ナンバープレートN2に印字されている文字列は、左右が反転した状態となっている。
【0059】
さらに、本実施形態において、曲面形状を有する鏡3A、3Bに映る像は、その曲面形状に応じて歪んだものとなる。
【0060】
次に、車線制御装置4の認識処理部401は、ステップS32で取得された第2画像D2に対し、左右を反転させる画像処理に加え、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状に応じて生じる像の歪みを補正する歪み補正処理を実行する(ステップS33)。
ここで、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状(曲率)は事前に把握されているものであるから、第2画像D2の対象領域に対し、この曲面形状に応じた歪み補正処理を施すことで、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bに映る歪んだ像を、あたかも平面鏡に映る像のように歪みのない像に変換することができる。
【0061】
続いて、認識処理部401は、ステップS33の反転処理および歪み補正処理によって得られた反転・補正済み画像を認識対象としてナンバープレート情報の認識処理を行う(ステップS34)。
【0062】
以上のようにして、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システム1A、1Bは、車両Aの後側のナンバープレートN2に係るナンバープレート情報を読み取る。
【0063】
(作用効果)
以上のように、第2の実施形態に係るナンバープレート認識システム1A、1Bによれば、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状に応じた曲率で歪みが生じた状態で映る後側のナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4で歪み補正処理を行うことで、ナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0064】
また、ナンバープレート認識システム1Aでは、鏡3を介して映る領域が広がるため、例えば車線Lの車線幅が広い場合などに有効である。
【0065】
一方、ナンバープレート認識システム1Bでは、鏡3を介して映る領域が狭くなる分、ナンバープレートN2を拡大して撮影することが可能となる。したがって、より高いナンバープレート認識精度が求められる場合に有効である。
【0066】
なお、鏡3の曲面により歪みが生じている画像に対する認識処理としては、上記の態様に限定されることはなく、例えば、他の実施形態においては以下のようにしてもよい。
即ち、他の実施形態に係る車線制御装置4は、予め凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状に応じた曲率で歪んだ文字を歪み文字情報としてデータベース(記録媒体43)に格納しておき、このデータベースの歪み文字情報とのマッチング処理により、第2画像D2に含まれる、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bに映ったナンバープレートN2のナンバープレート情報を認識してもよい。このようにすることで、認識処理部401は、第2画像D2の対象領域に対する歪み補正処理を行わなくとも、予め格納されている歪み文字情報に基づいてナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0067】
以上のように、第2実施形態では、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状に応じた曲率で歪みが生じた状態で映る後側のナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4で歪み補正処理を行うことで、ナンバープレート情報を認識することができる。
【0068】
以上、ナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムの各実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0069】
例えば、カメラ2及び鏡3の車線方向Xの位置は、上流側(+X方向側)及び下流側(-X方向側)のどちらに配置されていてもよい。すなわち、上記の実施形態では、前側のナンバープレートN1が鏡3を介さずに映され、後側のナンバープレートN2が鏡3を介して撮影されるようにカメラ2と鏡3が配置された構成とされているが、他の実施形態においてはカメラ2と鏡3の車線方向における位置を逆に配置してもよい。すなわち、車線方向の下流側(+X方向側)に鏡3を配置し、上流側(-X方向側)にカメラ2を配置し、前側のナンバープレートN1が鏡3を介して撮影され、後側のナンバープレートN2が鏡3を介さずに映るようにカメラ2と鏡3が配置された構成であってもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、カメラ2は車両検知器5の検知情報に基づいて撮影する構成としているが、これに限定されることはない。
例えば、他の実施形態においては、車両検知器5を省略することも可能である。この場合、例えば、カメラ2は、所定の時間間隔(例えば、秒間30フレーム等)で連続的に静止画像を取得する(つまり、動画像を撮影する)構成とする。そうした場合、車両Aの走行に伴い、カメラ2が取得する静止画像も時々刻々と変化するので、画像取得部400は、車両Aの走行中のいずれかのタイミングで前側のナンバープレートN1が直接撮影された画像(第1画像D1)を取得し、更に別のタイミングで後側のナンバープレートN2が鏡越しに撮影された画像(第2画像D2)を取得することができる。
また、認識処理部401は、カメラ2によって連続的に撮影された静止画像ごとに認識処理を行う。これにより、認識処理部401は、車両Aの走行中のいずれかのタイミングで取得された第1画像D1および第2画像D2に対する認識処理を通じて、ナンバープレート情報を取得することができる。
【0071】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0072】
<付記>
上述の実施形態に記載のナンバープレート認識システム、ナンバープレート認識方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0073】
(1)第1の態様によれば、ナンバープレート認識システム1は、車線Lを走行する車両Aの前後に設けられるナンバープレートNを認識するためのナンバープレート認識システムであって、車両Aの前または後に設けられるうち一方のナンバープレートNを撮影可能に配置されたカメラ2と、カメラ2によって撮影可能に配置され、車両Aの他方のナンバープレートNを映す鏡3と、カメラ2で撮影した画像からナンバープレート情報を認識する認識処理部401と、を備える。
【0074】
このようにすることで、車両Aの前側のナンバープレートN1が鏡3を介すことなく映される第1画像D1と、鏡3を介して車両Aの後側のナンバープレートN2が映った第2画像D2と、を1台のカメラ2と1枚の鏡3で撮影することができる。そして、認識処理部401では、1台のカメラ2で撮影した画像(D1、D2)から、各々のナンバープレート情報を認識することができる。
【0075】
(2)第2の態様によれば、認識処理部401は、カメラ2で撮影した画像に含まれる鏡3に映る第2画像D2を左右反転処理してナンバープレート情報を認識する。
【0076】
このようにすることで、鏡3に左右反転した状態で映るナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4で左右反転する処理を行うことで、ナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0077】
(3)第3の態様によれば、認識処理部401は、予め左右反転した文字を反転文字情報としてデータベースに格納し、データベースの反転文字情報に基づいてカメラ2で撮影した画像に含まれる鏡3に映った画像内のナンバープレート情報を認識する。
【0078】
このようにすることで、鏡3に左右反転した状態で映るナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4で左右反転する処理を行うことなく、予め格納されている反転文字情報とのマッチング処理により、ナンバープレート情報を認識することができる。
【0079】
(4)第4の態様によれば、鏡3の鏡面は、曲面を有する。
【0080】
このようにすることで、曲面に応じた所望の範囲を、鏡3を介して撮影することができる。
【0081】
(5)第5の態様によれば、認識処理部401は、鏡3の曲面形状に応じて生じた画像の歪みを補正する歪み補正処理を行う。
【0082】
このようにすることで、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bの曲面形状に応じた歪みが生じた状態で映るナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、車線制御装置4で鏡3の曲面形状に応じて画像の歪みを補正する歪み補正処理を行うことで、ナンバープレート情報を正しく認識することができる。
【0083】
(6)第6の態様によれば、認識処理部401は、予め鏡(凸面鏡3A、凹面鏡3B)の曲面形状に応じた曲率で歪んだ文字を歪み文字情報としてデータベースに格納し、当該データベースの歪み文字情報に基づいてカメラ2で撮影した画像に含まれる鏡(凸面鏡3A、凹面鏡3B)に映った画像内のナンバープレート情報を認識する。
【0084】
このようにすることで、凸面鏡3A又は凹面鏡3Bに歪んだ状態で映るナンバープレートN2をカメラ2で撮影した第2画像D2に対して、歪み補正処理を行うことなく、予め格納されている歪み文字情報とのマッチング処理により、ナンバープレート情報を認識することができる。
【0085】
(7)第7の態様によれば、ナンバープレート認識システム1は、車線Lを走行する車両Aの所定走行位置(検知位置)への進入及び退出を検知する車両検知器5と、車両検知器5で車両Aの進入を検知したタイミングで一方(前側)のナンバープレートが映る画像(第1画像D1)を取得し、車両Aの退出を検知したタイミングで他方(後側)のナンバープレートN2が鏡越しに映る画像(第2画像D2)を取得する画像取得部400と、をさらに備える。
【0086】
このようにすることで、前側のナンバープレートN1がカメラ2の画角20Rの範囲内に存在しているタイミング、および、後側のナンバープレートN2が鏡越し撮影領域30Rの範囲内に存在しているタイミングで撮影が行われる。したがって、いかなる車種の車両が到来した場合であっても、確実に前側のナンバープレートN1が映された画像(第1画像D1)と、後側のナンバープレートN2が映された画像(第2画像D2)との両方を取得することができる。
【0087】
(8)第8の態様によれば、カメラ2は、時系列で連続的に撮影可能に設けられている。
【0088】
このようにすることで、所定の時間間隔で連続的に撮影された静止画像の中に含まれる第1画像D1と、第2画像D2との各々から、ナンバープレート情報を認識することができる。
【符号の説明】
【0089】
1、1A、1B ナンバープレート認識システム
2 カメラ
3 鏡
4 車線制御装置
5 車両検知器
401 認識処理部
D1 第1画像
D2 第2画像
L 車線
N、N1、N2 ナンバープレート
X 車線方向
Y 車線幅方向
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10