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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-28
(45)【発行日】2025-06-05
(54)【発明の名称】水中生物収容装置
(51)【国際特許分類】
   A01K 63/02 20060101AFI20250529BHJP
   A01K 63/04 20060101ALI20250529BHJP
【FI】
A01K63/02 A
A01K63/04 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023061043
(22)【出願日】2023-04-04
(65)【公開番号】P2024148109
(43)【公開日】2024-10-17
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】515154090
【氏名又は名称】公益財団法人ふくしま海洋科学館
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】吉村 光太郎
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0013098(KR,A)
【文献】特開2004-081071(JP,A)
【文献】特開2017-023026(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174339(JP,U)
【文献】特開2000-060356(JP,A)
【文献】特開平01-016539(JP,A)
【文献】特開平03-183426(JP,A)
【文献】実開昭58-122959(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00 - 63/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬性の水生生物収容装置であって、
水生生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、
前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、
前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、
前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、
前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、しかも手動で開閉操作するための開閉操作ハンドルを含み、前記開閉操作ハンドルの手動操作によって開放量を調整可能とされている水生生物収容装置。
【請求項2】
可搬性の水生生物収容装置であって、
水生生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、
前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、
前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、
前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、
前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、
しかも前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室内のガスを前記圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔、及び前記ガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、前記ガス導入部材に突出形成された突筒部の外側面に螺着されて前記突筒部の突端部を収容し前記突筒部の突端の開口部を覆う分岐孔開閉部材とを有し、
前記分岐孔は前記突筒部の内側全体を含んで前記ガス導入部材に形成され、
前記分岐孔開閉部材は、前記突筒部外側面に螺着された筒状側壁部と、前記筒状側壁部の内側領域の前記筒状側壁部の軸線方向における片側全体を塞ぐ背壁部とを有し、前記筒状側壁部には前記筒状側壁部の厚みを貫通するガス出口孔が形成され、
前記分岐孔開閉部材は前記突筒部に対する螺着位置を変更する回転操作によって前記突端部の突端の開口部である前記分岐孔の開口部を開閉可能、かつ前記ガス出口孔の前記突筒部から前記突筒部の基端側とは逆の突端側に位置する範囲である開放範囲を調整可能とされている水生生物収容装置。
【請求項3】
可搬性の水生生物収容装置であって、
水生生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、
前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、
前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、
前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、
前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、
しかも前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室内のガスを前記圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔、及び前記ガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、前記ガス導入部材の外面に開口する前記分岐孔の開口部に挿入されて前記ガス導入部材の前記分岐孔に臨む面である分岐孔内周面に螺着されたねじ軸を含む分岐孔開閉部材とを有し、
前記分岐孔開閉部材は頭部及び前記頭部から突出する前記ねじ軸が形成された開閉部材本体と、前記ねじ軸に外挿されたリング板状のパッキンとを有し、前記頭部は前記分岐孔への前記ねじ軸のねじ込みによって前記ガス導入部材の外面における前記分岐孔の開口部の周囲全周との間に前記パッキンを挟み込み可能に形成され、
前記ねじ軸の側面には前記ねじ軸の軸線方向全長にわたって延在する排気溝が形成され、
前記分岐孔開閉部材は前記ガス導入部材に対する螺着位置を変更する回転操作によって前記分岐孔の開口部を開閉可能、かつ前記ねじ軸部と前記分岐孔内周面との間に前記ねじ軸部の前記排気溝を含んで確保されたガス出口孔の前記分岐孔内に位置する部分の長さを調整可能とされている水生生物収容装置。
【請求項4】
前記圧力逃がし弁は、前記蓋体に直接あるいは前記蓋体に固定された固定補助部材を介して固定されて前記蓋体の前記生物収容室側の下面とは逆の上面側に位置する部分を確保して設けられた軸押さえブロックと、前記蓋体を貫通して前記下面及び前記上面に開口する蓋体ステム孔と前記軸押さえブロックに貫通形成され前記蓋体ステム孔に連通するブロックステム孔とで構成されたステム収容孔に挿入され前記ブロックステム孔を貫通するステムと、前記ステムに固定されて前記軸押さえブロックの前記生物収容室側とは逆の上側に配置されたリング板状のパッキンと、前記ステムの前記ブロックステム孔から前記生物収容室側に延出する部分の側面に突出された受け突部と前記軸押さえブロックとの間に配置されて前記ステムを前記生物収容室側へ弾性付勢する付勢部材と、前記軸押さえブロックから上側に突出され前記パッキンよりも上側に位置する前記ステムの上端部に設けられた前記開閉操作ハンドルとを有し、前記ステムと前記パッキンと前記開閉操作ハンドルとを含んで構成された開閉用可動体が前記軸押さえブロックに対して前記ブロックステム孔の軸線方向に移動自在に設けられ、
前記パッキンは開閉用可動体の前記軸押さえブロックに対する前記ブロックステム孔の軸線方向への移動によって前記軸押さえブロックの前記生物収容室側とは逆側のブロック上面との接離を切り換え可能、かつ前記ブロック上面との接離によって前記ブロック上面に開口する前記ステム収容孔の上端開口部の開閉を切り換え可能とされている請求項1に記載の水生生物収容装置。
【請求項5】
前記固定補助部材は前記蓋体ステム孔に挿入され前記蓋体の前記上面側に突出する部分を確保して前記蓋体に固定されたスリーブ状のチャンバ部材であり、
前記圧力逃がし弁は、前記チャンバ部材と、前記ステムの下端部に設けられて前記ステムの下端部の全周にわたって前記ステムの側方に突出されたステム下端部パッキンとを含み、前記ステム下端部パッキンは前記生物収容室の内圧が大気圧と同等の状態において前記チャンバ部材の前記生物収容室側の下端開口部を気密に封止し、前記生物収容室の内圧によって前記ステムに作用する前記軸押さえブロックに対する上側への押圧力が前記付勢部材が前記ステムを弾性付勢する付勢力を上回り前記ステムが上側へ移動されることで前記チャンバ部材の前記下端開口部を封止状態から開放状態へ切り換え可能とされている請求項4に記載の水生生物収容装置。
【請求項6】
前記開閉操作ハンドルは前記ステムに対して鈍角の開き角を確保して前記ステムの上端から前記ステムに対して傾斜して突出する板状または棒状の突片であり、前記開閉操作ハンドルの前記ステムの中心軸線に対する開き角は110~160度である請求項4に記載の水生生物収容装置。
【請求項7】
前記圧力逃がし弁の前記開閉操作ハンドルは前記ステムの上端部から前記ステムの上端部側方へ突出形成され、
前記圧力逃がし弁は前記軸押さえブロックの側面に螺着された押し上げリング部材を有し、
前記押し上げリング部材は前記軸押さえブロックに対する螺着位置を変更する回転操作によって前記開閉操作ハンドルを上下動可能とされている請求項4に記載の水生生物収容装置。
【請求項8】
前記手動エアポンプは液体またはガスを前記収容容器外側から前記手動エアポンプ内に導入するためのニップルを有し、前記手動エアポンプは前記ニップルを介して導入された液体またはガスを手動操作により前記生物収容室内へ圧入可能とされている請求項1~3のいずれか1項に記載の水生生物収容装置。
【請求項9】
前記手動エアポンプは、前記蓋体から前記生物収容室側に突出する下側突出部及び前記蓋体から前記生物収容室とは逆の側に突出する上側突出部を確保して前記蓋体に貫通固定された筒状のシリンダと、前記シリンダ内に前記シリンダの軸線方向に移動可能に設けられたピストンと、前記シリンダ内に挿入された先端部に前記ピストンが設けられたピストンロッドと、前記シリンダの前記上側突出部の先端に開口する前記シリンダの上端開口部から前記シリンダ外へ突出された前記ピストンロッドの突端部に設けられたハンドルと、前記下側突出部の先端部である前記シリンダの下端部に設けられて前記シリンダ内から前記シリンダ外へのガス吐出を許可し且つ前記シリンダ外から前記シリンダ内へのガス流入を阻止する吐出部逆止弁と、前記上側突出部の先端部である前記シリンダの上端部に前記シリンダ内における前記ピストンから前記上端開口部側の領域である導入側ガス室と連通させて設けられた前記ニップルとを有し、前記シリンダの上端開口部から前記導入側ガス室に流入した空気に前記ニップルから流入した酸素を混入可能に構成され、
前記ピストンは前記シリンダ内における前記ピストンから前記吐出部逆止弁側の領域である吐出側ガス室と前記ピストンから前記上端開口部側の領域である導入側ガス室との間の連通、遮断を切り換える開閉弁構造を有し、前記開閉弁構造は前記ピストンを前記シリンダの上端開口部側に移動させる動作によって開放されて前記吐出側ガス室と前記導入側ガス室との間を連通させ且つ前記ピストンを前記シリンダの下端部側に移動させる動作によって閉止されて前記吐出側ガス室と前記導入側ガス室との間を遮断するように構成されている請求項8に記載の水生生物収容装置。
【請求項10】
冷却材がケースまたは袋である容器に収容された構成の冷却材内蔵体をさらに有し、前記冷却材内蔵体は前記生物収容室に取り出し可能に収容される請求項1~3のいずれか1項に記載の水生生物収容装置。
【請求項11】
前記収容容器の前記容器本体は、前記容器本体の内側領域を前記生物収容室と前記生物収容室の下側の冷却材収容室とに仕切る仕切り壁と、前記容器本体に開口形成された前記冷却材収容室の開口部を開閉する下部開閉壁とを有し、前記下部開閉壁は前記容器本体における前記下部開閉壁以外の部分である容器本体主部に対して前記冷却材収容室の開口部を塞いだ状態で固定される固定状態と固定解除状態とを切り換え可能とされている請求項1~3のいずれか1項に記載の水生生物収容装置。
【請求項12】
前記蓋体に設けられ前記生物収容室の内圧を計測して表示する圧力計をさらに有する請求項1~3のいずれか1項に記載の水生生物収容装置。
【請求項13】
前記収容容器を取り出し可能に収容して覆う筒状断熱カバーをさらに有する請求項1~3のいずれか1項に記載の水生生物収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中生物を水とともに収容する生物収容室を有し、生物収容室内を大気圧よりも高圧に加圧した状態を保ったまま水中生物の搬送に用いることができる可搬性の水中生物収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
深海に生息する魚類(深海魚)、甲殻類(エビ、カニ、等足類等の海生甲殻類)、軟体動物(イカ、タコ、貝類等)、クラゲ等の深海生物は、飼育、研究のためのサンプリング、食用の為の活魚輸送など多くの分野において近年注目を集めている。
しかしながら、深海生物は、深海から船上に引き上げた後に、生息海域帯との圧力差に起因する減圧症により著しく破損することがある。また、深海から船上に引き上げた深海生物は、著しい破損に至らなくても、減圧症により眼球突出(魚類、イカ、タコ等の眼球を有するもの)、身体の局所的な膨出等の局所的変形、腹部全体の膨張といった身体変形を生じるものがある。
これに鑑みて、大気圧よりも格段に高い水圧(例えば2MPa以上)を維持可能な圧力水槽を船上に設置し、深海から引き上げた深海生物を迅速に圧力水槽に収容して生きた状態のまま輸送する対策が知られている。深海から船上に引き上げた深海生物は、減圧症により身体変形を生じたとしても、引き上げ後に迅速に圧力水槽に収容して大気圧よりも格段に高い水圧下に置くことで生きたまま輸送できるケースが多々ある。
【0003】
しかしながら、従来の圧力水槽は水循環装置や水圧維持のための電動の加圧ポンプ等を含む大掛かりな設備が一般的であり、コストが高い、小型船への設置が困難等の問題がある。
これに鑑みて、大掛かりな設備である従来の圧力水槽に対して、手動操作によって内部を加圧可能でコンパクト化及び低コスト化を実現できる可搬性の搬送容器の提案も存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-6547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
減圧症により身体変形を生じた深海生物は、圧力水槽や搬送容器等の容器に収容して大気圧よりも格段に高い水圧下に置くことで減圧症の症状が改善されるものが多々ある。しかしながら、深海生物は、容器内の高圧下で減圧症の症状が改善され治癒しても、容器を開放し大気圧下に晒すと減圧症を再発することがある。容器内の高圧下で減圧症の症状が改善されなかった深海生物や、減圧症が改善されたが治癒までには至らなかった深海生物
については、容器を開放し大気圧下に晒すと減圧症が進行して死んでしまうことがある。
【0006】
ところで、大気圧よりも格段に高い内圧を保った容器内に収容した深海生物の生残を目的とする場合は、容器内の水中の空気または酸素の溶存量が深海生物の生命を維持できる必要分確保される必要がある。但し、容器に収容された深海生物は生息環境と異なる状況に置かれることで緊張状態となり呼吸が早くなる。このため、時間当たりの要求酸素量も当然多くなる。容器内の深海生物の呼吸が速くなること、その結果、時間当たりの要求酸素量が多くなることは、容器内の水温が通常低水温である深海より高いとさらに顕著になる。
容器内の水への溶存酸素の補充が無い状況下では、容器内の水中溶存酸素は深海生物の呼吸により次第に減少していく。
【0007】
しかしながら、手動操作によって内部を加圧可能でコンパクトかつ可搬性の搬送容器について、容器内の水の溶存酸素濃度を深海生物の生命を維持可能なレベルに保つことができ、しかも、大気圧よりも格段に高い水圧を安定維持できるものは現状存在しない。
【0008】
特許文献1では、図1図2の搬送容器(深海生物水槽)について、密閉容器内に空気を混入させることなく内部の水を加圧することが説明されている(段落0038、0044)。特許文献1の図1図2の搬送容器(深海生物水槽)は容器内の水への溶存酸素の補充を行えるものではない。
仮に、特許文献1の図1図2の搬送容器について、密閉容器内に空気を残した状態で内部の水を加圧した場合は、加圧後の時間の経過とともに残存空気が水に溶け込み水中溶存酸素濃度を高めることが可能であるが、水への空気の溶け込みに伴い内圧が低下する。このため、内圧低下が容器内に水とともに収容した深海生物の減圧症の治療停滞を招き、治療停滞の影響が大きい場合は生物の死亡に繋がる。
【0009】
本発明の目的は、手動操作によって内部を加圧可能でコンパクトかつ可搬性を有し、容器内の水の溶存酸素濃度を水中生物の生命を維持可能なレベルに保つこと、及び大気圧よりも格段に高い水圧を安定維持することを実現でき、その結果、輸送等の目的で一時的に容器内に収容した水中生物の減圧症の改善(治療)の効率向上、生存率向上を実現できる水中生物収容装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では以下の態様を提供する。
[1]可搬性の水中生物収容装置であって、水中生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、しかも手動で開閉操作するための開閉操作ハンドルを含み、前記開閉操作ハンドルの手動操作によって開放量を調整可能とされている水中生物収容装置。
[2]可搬性の水中生物収容装置であって、水中生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、しかも前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室内のガスを前記圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔、及び前記ガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、前記ガス導入部材に突出形成された突筒部の外側面に螺着されて前記突筒部の突端部を収容し前記突筒部の突端の開口部を覆う分岐孔開閉部材とを有し、前記分岐孔は前記突筒部の内側全体を含んで前記ガス導入部材に形成され、前記分岐孔開閉部材は、前記突筒部外側面に螺着された筒状側壁部と、前記筒状側壁部の内側領域の前記筒状側壁部の軸線方向における片側全体を塞ぐ背壁部とを有し、前記筒状側壁部には前記筒状側壁部の厚みを貫通するガス出口孔が形成され、前記分岐孔開閉部材は前記突筒部に対する螺着位置を変更する回転操作によって前記突端部の突端の開口部である前記分岐孔の開口部を開閉可能、かつ前記ガス出口孔の前記突筒部から前記突筒部の基端側とは逆の突端側に位置する範囲である開放範囲を調整可能とされている水中生物収容装置。
[3]可搬性の水中生物収容装置であって、水中生物を水とともに収容する生物収容室を確保する収容容器と、前記収容容器に設けられ手動操作により前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入可能な手動エアポンプと、前記収容容器に設けられた圧力逃がし弁とを有し、前記収容容器は、有底筒状の容器本体と、前記容器本体のその下底部とは逆側の上部開口部に脱着可能に設けられる蓋体とを有し、前記手動エアポンプ及び前記圧力逃がし弁は前記収容容器の前記蓋体に設けられ、前記手動エアポンプは前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に設けられた状態で前記収容容器外の空気を前記収容容器内の前記生物収容室へ圧入する手動操作を繰り返し行なうことが可能であり、前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室の内圧が作動圧未満のときに閉止されかつ前記生物収容室の内圧が作動圧以上となったときに開放されて前記生物収容室内のガスを前記収容容器外へ放出するように構成され、しかも前記圧力逃がし弁は、前記生物収容室内のガスを前記圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔、及び前記ガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、前記ガス導入部材の外面に開口する前記分岐孔の開口部に挿入されて前記ガス導入部材の前記分岐孔に臨む面である分岐孔内周面に螺着されたねじ軸を含む分岐孔開閉部材とを有し、前記分岐孔開閉部材は頭部及び前記頭部から突出する前記ねじ軸が形成された開閉部材本体と、前記ねじ軸に外挿されたリング板状のパッキンとを有し、前記頭部は前記分岐孔への前記ねじ軸のねじ込みによって前記ガス導入部材の外面における前記分岐孔の開口部の周囲全周との間に前記パッキンを挟み込み可能に形成され、前記ねじ軸の側面には前記ねじ軸の軸線方向全長にわたって延在する排気溝が形成され、前記分岐孔開閉部材は前記ガス導入部材に対する螺着位置を変更する回転操作によって前記分岐孔の開口部を開閉可能、かつ前記ねじ軸部と前記分岐孔内周面との間に前記ねじ軸部の前記排気溝を含んで確保されたガス出口孔の前記分岐孔内に位置する部分の長さを調整可能とされている水中生物収容装置。
[4]前記圧力逃がし弁は、前記蓋体に直接あるいは前記蓋体に固定された固定補助部材を介して固定されて前記蓋体の前記生物収容室側の下面とは逆の上面側に位置する部分を確保して設けられた軸押さえブロックと、前記蓋体を貫通して前記下面及び前記上面に開口する蓋体ステム孔と前記軸押さえブロックに貫通形成され前記蓋体ステム孔に連通するブロックステム孔とで構成されたステム収容孔に挿入され前記ブロックステム孔を貫通するステムと、前記ステムに固定されて前記軸押さえブロックの前記生物収容室側とは逆の上側に配置されたリング板状のパッキンと、前記ステムの前記ブロックステム孔から前記生物収容室側に延出する部分の側面に突出された受け突部と前記軸押さえブロックとの間に配置されて前記ステムを前記生物収容室側へ弾性付勢する付勢部材と、前記軸押さえブロックから上側に突出され前記パッキンよりも上側に位置する前記ステムの上端部に設けられた前記開閉操作ハンドルとを有し、前記ステムと前記パッキンと前記開閉操作ハンドルとを含んで構成された開閉用可動体が前記軸押さえブロックに対して前記ブロックステム孔の軸線方向に移動自在に設けられ、前記パッキンは開閉用可動体の前記軸押さえブロックに対する前記ブロックステム孔の軸線方向への移動によって前記軸押さえブロックの前記生物収容室側とは逆側のブロック上面との接離を切り換え可能、かつ前記ブロック上面との接離によって前記ブロック上面に開口する前記ステム収容孔の上端開口部の開閉を切り換え可能とされている[1]に記載の水中生物収容装置。
[5]前記固定補助部材は前記蓋体ステム孔に挿入され前記蓋体の前記上面側に突出する部分を確保して前記蓋体に固定されたスリーブ状のチャンバ部材であり、前記圧力逃がし弁は、前記チャンバ部材と、前記ステムの下端部に設けられて前記ステムの下端部の全周にわたって前記ステムの側方に突出されたステム下端部パッキンとを含み、前記ステム下端部パッキンは前記生物収容室の内圧が大気圧と同等の状態において前記チャンバ部材の前記生物収容室側の下端開口部を気密に封止し、前記生物収容室の内圧によって前記ステムに作用する前記軸押さえブロックに対する上側への押圧力が前記付勢部材が前記ステムを弾性付勢する付勢力を上回り前記ステムが上側へ移動されることで前記チャンバ部材の前記下端開口部を封止状態から開放状態へ切り換え可能とされている[4]に記載の水中生物収容装置。
[6]前記開閉操作ハンドルは前記ステムに対して鈍角の開き角を確保して前記ステムの上端から前記ステムに対して傾斜して突出する板状または棒状の突片であり、前記開閉操作ハンドルの前記ステムの中心軸線に対する開き角は110~160度である[4]に記載の水中生物収容装置。
[7]前記圧力逃がし弁の前記開閉操作ハンドルは前記ステムの上端部から前記ステムの上端部側方へ突出形成され、前記圧力逃がし弁は前記軸押さえブロックの側面に螺着された押し上げリング部材を有し、前記押し上げリング部材は前記軸押さえブロックに対する螺着位置を変更する回転操作によって前記開閉操作ハンドルを上下動可能とされている[4]に記載の水中生物収容装置。
[8]前記手動エアポンプは液体またはガスを前記収容容器外側から前記手動エアポンプ内に導入するためのニップルを有し、前記手動エアポンプは前記ニップルを介して導入された液体またはガスを手動操作により前記生物収容室内へ圧入可能とされている[1]~[7]のいずれか1項に記載の水中生物収容装置。
[9]前記手動エアポンプは、前記蓋体から前記生物収容室側に突出する下側突出部及び前記蓋体から前記生物収容室とは逆の側に突出する上側突出部を確保して前記蓋体に貫通固定された筒状のシリンダと、前記シリンダ内に前記シリンダの軸線方向に移動可能に設けられたピストンと、前記シリンダ内に挿入された先端部に前記ピストンが設けられたピストンロッドと、前記シリンダの前記上側突出部の先端に開口する前記シリンダの上端開口部から前記シリンダ外へ突出された前記ピストンロッドの突端部に設けられたハンドルと、前記下側突出部の先端部である前記シリンダの下端部に設けられて前記シリンダ内から前記シリンダ外へのガス吐出を許可し且つ前記シリンダ外から前記シリンダ内へのガス流入を阻止する吐出部逆止弁と、前記上側突出部の先端部である前記シリンダの上端部に前記シリンダ内における前記ピストンから前記上端開口部側の領域である導入側ガス室と連通させて設けられた前記ニップルとを有し、前記シリンダの上端開口部から前記導入側ガス室に流入した空気に前記ニップルから流入した酸素を混入可能に構成され、前記ピストンは前記シリンダ内における前記ピストンから前記吐出部逆止弁側の領域である吐出側ガス室と前記ピストンから前記上端開口部側の領域である導入側ガス室との間の連通、遮断を切り換える開閉弁構造を有し、前記開閉弁構造は前記ピストンを前記シリンダの上端開口部側に移動させる動作によって開放されて前記吐出側ガス室と前記導入側ガス室との間を連通させ且つ前記ピストンを前記シリンダの下端部側に移動させる動作によって閉止されて前記吐出側ガス室と前記導入側ガス室との間を遮断するように構成されている[8]に記載の水中生物収容装置。
[10]冷却材がケースまたは袋である容器に収容された構成の冷却材内蔵体をさらに有し、前記冷却材内蔵体は前記生物収容室に取り出し可能に収容される[1]~[9]のいずれか1項に記載の水中生物収容装置。
[11]前記収容容器の前記容器本体は、前記容器本体の内側領域を前記生物収容室と前記生物収容室の下側の冷却材収容室とに仕切る仕切り壁と、前記容器本体に開口形成された前記冷却材収容室の開口部を開閉する下部開閉壁とを有し、前記下部開閉壁は前記容器本体における前記下部開閉壁以外の部分である容器本体主部に対して前記冷却材収容室の開口部を塞いだ状態で固定される固定状態と固定解除状態とを切り換え可能とされている[1]~[10]のいずれか1項に記載の水中生物収容装置。
[12]前記蓋体に設けられ前記生物収容室の内圧を計測して表示する圧力計をさらに有する[1]~[11]のいずれか1項に記載の水中生物収容装置。
[13]前記収容容器を取り出し可能に収容して覆う筒状断熱カバーをさらに有する[1]~[12]のいずれか1項に記載の水中生物収容装置。
【0011】
本発明に係る水中生物収容装置は水中から水上へ移動した水中生物の収容に広く適用できる。水中生物は海洋生物に限定されず、湖沼等に生息するものであっても良い。
本発明に係る水中生物収容装置は、深海生物等、水深が深い水域(例えば水深200m以上)から移動した水中生物の収容、減圧症の治療に好適に用いることができる。
【0012】
本発明に係る水中生物収容装置に関する説明における「大気圧」は、本発明に係る水中生物収容装置の生物収容室に水中生物を入れる作業を行なう場所の大気圧を指す。
水中生物収容装置の生物収容室に水中生物を入れる作業を行なう場所は、例えば海上の船舶上であるが、この他、高地にある湖沼に浮かべた船舶上等であっても良い。「大気圧」は水中生物収容装置の生物収容室に水中生物を入れる作業を行なう場所の標高、気温等の影響を受ける。
【0013】
本発明に係る水中生物収容装置は、水中生物を水とともに収容する収容容器に収容容器内の生物収容室へ空気を圧入可能な手動エアポンプが設けられた構成であり、手動によって収容容器の生物収容室内を加圧可能な簡易構造で小型化、軽量化が容易な可搬性の装置である。
また、本発明の水中生物収容装置は、生物収容室の内圧が収容容器に設けられている圧力逃がし弁の開放作動圧以上になったときに圧力逃がし弁から装置外へ生物収容室内のガスが放出される。その結果、生物収容室の内圧が過剰になることを回避でき、収容容器の破損、破裂等を防ぐことができる。
【0014】
圧力逃がし弁から装置外への生物収容室内のガス放出によって生物収容室の内圧過剰を回避する点では、水及び水中生物を収容した容器本体の上部開口部を蓋体によって塞いだときに収容容器内に空気も収容し、収容した空気が収容容器内の水の上側で蓋体下面全体にわたって接する層状に存在するようにすることが好ましい。圧力逃がし弁は生物収容室内の水の水中生物収容装置外への排出を想定していない。収容容器内に収容した空気を収容容器内の水の上側で蓋体下面全体にわたって接する層状に存在させた場合は、生物収容室内圧が過剰になったときの生物収容室内のガスの圧力逃がし弁から水中生物収容装置外への放出を円滑に実現できる。
【0015】
本発明に係る水中生物収容装置は手動エアポンプによって収容容器の生物収容室へ空気を圧入して生物収容室内を大気圧よりも格段に高い所望圧力まで加圧(収容時加圧作業)した後、生物収容室内の水への空気の溶解、温度変化等により生物収容室の内圧が低下した場合、再び手動エアポンプを操作して生物収容室へ空気を圧入する(追加圧入作業)ことで、生物収容室の内圧を大気圧よりも格段に大きい所望圧力まで簡単に上昇させることができる。その結果、本発明に係る水中生物収容装置は収容容器内に収容した空気を収容容器内の水に溶け込ませて水中溶存酸素が不足することを防ぐとともに、生物収容室の内圧(生物収容室内の水の水圧を含む)を大気圧よりも格段に高い所望圧力付近に保つことを容易も実現できる。生物収容室の内圧(生物収容室内の水の水圧を含む)を大気圧よりも格段に高い所望圧力付近に保てることは、収容容器の生物収容室に収容した水中生物の減圧症の治療推進に有効に寄与する。
【0016】
収容時加圧作業の後に手動エアポンプを操作して行なう追加圧入作業は、例えば、生物収容室の容積、収容時加圧作業の完了後の経過時間、水中生物収容装置の周囲の外気温等から割り出されるタイミング、操作回数(圧入する空気量)で行なうことができる。但し、追加圧入作業は、生物収容室内の圧力を計測して表示する圧力計を有する水中生物収容装置を採用し、圧力計が表示する圧力値の目視確認にて必要性を判断して実行することが依り好ましい。圧力計が表示する圧力値の目視確認にて実行する追加圧入作業は、必ずしも圧力逃がし弁からの排気を生じさせる必要は無く、生物収容室内に必要圧力が確保されるように過不足無く行なうことが可能である。
【0017】
また、生物収容室内では、水中生物から生物収容室内の水中へアンモニアや二酸化炭素が放出される。
鰓呼吸を行なう水生生物は、体内で発生したアンモニアや二酸化炭素を鰓にて水に溶解させて体外へ排出する。
アンモニアや二酸化炭素は水中生物の生存に悪影響をもたらす。このため、生物収容室内の水は必要に応じて一部または全部を交換する。
【0018】
生物収容室内の水の一部または全部の交換を可能にする点で、本発明に係る水中生物収容装置は[8]の発明のように手動エアポンプ内への液体またはガスの導入のためのニップルを有する手動エアポンプを採用することがより好ましい。
本発明に係る水中生物収容装置は手動エアポンプのニップルから手動エアポンプ内に導入した水をニップルから手動エアポンプ内への導入圧あるいは手動エアポンプの操作によって手動エアポンプから生物収容室へ給水可能なものを採用する。また、本発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は生物収容室内のガスの排出のみならず生物収容室内の水の装置外への排出も可能なものを採用する。
本発明に係る水中生物収容装置はかかる構成により、例えば水槽内に貯留した水中に水中生物収容装置の収容容器、手動エアポンプの空気取り込み口及びニップルまでを水没させた状態で手動エアポンプの手動操作によって手動エアポンプから生物収容室へ水を圧入して生物収容室の内圧を高める水中給水作業と、次いで水槽から大気中に取り出した収容容器を傾けて圧力逃がし弁を手動で開放操作(分岐孔開閉部材の手動回転操作であっても良い)し生物収容室内の水の一部を圧力逃がし弁から排出する排水作業とを繰り返しても良い。排水作業は生物収容室の内圧が低下しすぎないように行なう。また、排水作業の完了後に大気中にて手動エアポンプを手動操作して手動エアポンプから生物収容室へ空気を圧入し、排水作業によって低下した生物収容室の内圧を昇圧させても良い。
【0019】
また、本発明に係る水中生物収容装置は、生物収容室内の水を圧力逃がし弁から排出容易に圧入収容容器を傾けておき、大気中にて、ニップルから手動エアポンプ内に導入した水を手動エアポンプから生物収容室へ供給する給水と、生物収容室内の水の圧力逃がし弁からの排水とを並行継続して生物収容室内の水の一部または全部の入れ替えを行なっても良い。手動エアポンプはニップルから内部に導入した水を手動エアポンプから生物収容室のみへ排出可能、生物収容室側へ水または空気を吐出する吐出口以外からの水の吐出や漏出が無い構成のものを採用する。ニップルから手動エアポンプ内に導入した水の手動エアポンプから生物収容室への供給は、例えば手動エアポンプの手動操作であるが、電動ポンプ、油圧ポンプ等の動力ポンプから手動エアポンプ内へ圧送された水が手動エアポンプを操作することなく生物収容室へ供給可能な構成の手動エアポンプを採用し、動力ポンプからの水の送給圧によって手動エアポンプから生物収容室へ給水することも可能である。
【0020】
手動操作によって内部を加圧可能でコンパクトかつ可搬性を有し、容器内の水の溶存酸素濃度を水中生物の生命を維持可能なレベルに保つこと、及び大気圧よりも格段に高い水圧を安定維持することを実現でき、その結果、輸送等の目的で一時的に収容容器内に収容した水中生物の減圧症の改善(治療)を効率良く行なうことができる収容装置は本発明者の知る限り従来存在しない。
【0021】
容器内の高圧下で減圧症の症状が治癒あるいは治癒まで至らなくても改善した水生生物に関して容器を開放し大気圧下に晒したときに減圧症が再発または進行することは、容器の開放に伴う急激な減圧が大きく影響するものと考えられる。
深海から船上に引き上げた深海生物の減圧症は、主として、体内に溶け込んだ窒素が減圧により気泡化し、それが組織に損傷を与えることに起因することが知られている。容器内にて減圧症の治療を進めた水生生物についても、容器開放後の急激な減圧により体内の窒素が気泡化して減圧症が再発または進行するものと考えられる。
【0022】
本発明に係る水中生物収容装置は収容容器に収容した水中生物の減圧症の治療を効率良く進めることができるため、収容容器を開放した後の減圧症の再発、進行を生じるものを少なくでき、水生生物の生存率を高めることが可能である。
また、本発明に係る水中生物収容装置は、圧力逃がし弁に手動操作によって生物収容室内の圧力をゆっくり減圧するための構成を有する。
本発明に係る水中生物収容装置は、収容容器に収容した水中生物の減圧症の治療を進めた後、収容容器を開放する前に生物収容室内の圧力をゆっくり減圧することで、収容容器を開放した後の水中生物の減圧症の再発、進行を少なくでき、水生生物の生存率を高めることができる。
【0023】
深海生物等、深度(水深)が大きい水域に生息する水中生物は水圧が大気圧に近くても生息継続可能な順応性を有するものが多い。但し、水圧の急激な変化には順応しにくい。急激な減圧については減圧症を発生しやすい。
水生生物の環境の減圧がゆっくりと進行していく場合は減圧症の発症が見られないケースが多々ある。水生生物の種類等に応じてメカニズムのさらなる検証が必要ではあるが、水生生物の環境の減圧がゆっくりと進行していく場合は、生物体内の血流によって窒素が絶え間なく運搬されることで、生体内で生体組織に損傷を与えるサイズの窒素の気泡化が防がれ、減圧症の発症が防がれるものと考えられる。
【0024】
本発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は以下の構成を有する。
[1]の発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は、開閉操作ハンドルの手動操作によって開放量を調整可能である。
[2]の発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は、生物収容室内のガスを圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔及び前記ガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、ガス導入部材に突出形成された突筒部の外側面に螺着された筒状側壁部を含み回転操作によって突筒部突端に開口する分岐孔の開口部を開閉可能なキャップ状の分岐孔開閉部材とを有し、分岐孔開閉部材の手動回転操作によって分岐孔開閉部材に形成されたガス出口孔のガス導入部材の突筒部から突筒部突端側に位置する範囲である開放範囲を調整可能である。
[3]の発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は、生物収容室内のガスを圧力逃がし弁の弁体が接離する弁座まで導入するためのガス導入孔及びガス導入孔の途中部から延在する分岐孔が形成されたガス導入部材と、ガス導入部材の分岐孔内側面に螺着されたねじ軸及びねじ軸が突出された頭部を含む分岐孔開閉部材とを有し、分岐孔開閉部材の手動回転操作によってガス導入部材に開口する分岐孔の開口部を開閉可能、かつねじ軸部と分岐孔内側面との間にねじ軸部の排気溝を含んで確保されたガス出口孔の分岐孔内に位置する部分の長さを調整可能とされている。
[1]の発明に係る水中生物収容装置は、圧力逃がし弁の開閉操作ハンドルの手動操作によって生物収容室内の圧力をゆっくりと減圧することが可能である。
[2]及び[3]の発明に係る水中生物収容装置は、圧力逃がし弁の分岐孔開閉部材の手動回転操作によってガス出口孔から弁外に放出されるガスの圧力損失を調整でき、生物収容室内の圧力をゆっくりと減圧することが可能である。
なお、[2]及び[3]の発明に係る水中生物収容装置の圧力逃がし弁は、手動操作によって弁体を弁座から離間させる開閉操作ハンドルを有する構成、手動操作によって弁体を弁座から離間させる開閉操作ハンドルを有していない構成、のいずれも採用可能である。
【0025】
ところで、密閉容器内の加圧下で深海生物を水とともに収容した場合は、容器内の水に溶け込んだ空気が生物の呼吸により生物体内に溶け込んで行く。生体内で酸素は生体の代謝に使用されて二酸化炭素等として排出される反面、空気内の窒素は生体内で使用されずガス分子の状態のまま生体内に残存する。密閉容器の開放等により生体の周囲の環境が急激に減圧されたときには、ガス分子の状態の窒素の気泡化が急激に進行し減圧症の発症に至ると考えられる。
【0026】
これに対して、本発明者は、手動エアポンプから酸素分圧を高めた空気を生物収容室へ供給し、水中溶存酸素濃度の向上を介して水中生物の体内に高い分圧の酸素を取り込ませることで生体内からの窒素の排出を促すことを見出した。やや具体的には[8]の発明のようにニップルを有する手動エアポンプを採用し、ニップルを介して酸素供給装置からの酸素を手動エアポンプ内に導入する構成を検討した。
本発明に係る水中生物収容装置は[8]の発明のようにニップルを有する手動エアポンプを採用することがより好ましい。
[8]の発明のようにニップルを有する手動エアポンプを採用した水中生物収容装置では、ニップルを介して酸素供給装置から手動エアポンプ内に供給された酸素を、手動エアポンプの手動操作によって手動エアポンプから生物収容室へ圧入可能である。
[8]の発明の水中生物収容装置によれば、収容容器に収容した水中生物の減圧症の治療を進めつつ水中生物の体内に高い分圧の酸素を取り込ませ生体内からの窒素の排出を促し、収容容器を開放する前に生物収容室内の圧力をゆっくり減圧することで、水中生物の種類等にも依ると思われるが、収容容器を開放した後の水中生物の減圧症の再発、進行をより確実に防ぎ、収容容器開放後の水中生物の生存率向上に寄与するケースが多々有り得る。
本発明に係る水中生物収容装置において[8]の構成は必須ではない。但し、本発明に係る水中生物収容装置は、[8]の構成を具備することで、収容容器を開放した後の水中生物の減圧症の再発、進行をより確実に防ぎ、収容容器開放後の水中生物の生存率向上を実現することが可能である。
【0027】
[8]の発明に係る水中生物収容装置は、収容容器内の水面上全体に空気(空気層)が存在する状態で、手動エアポンプから生物収容室へ酸素濃度が高い空気の圧入を継続することで、生物収容室内の水面上の空気の酸素濃度を次第に上昇させることができる。ここで手動エアポンプから生物収容室への空気圧入によって生物収容室を高めて圧力逃がし弁から生物収容室内のガスの装置外への放出を生じさせると生物収容室内の空気の手動エアポンプから圧入された空気への置換を促進できる。その結果、手動エアポンプから生物収容室への空気圧入によって圧力逃がし弁から装置外へのガス放出を生じさせない場合に比べて、生物収容室内の空気の酸素濃度を短時間で効率良く上昇させることができる。
なお、手動エアポンプから生物収容室への酸素濃度が高い空気の圧入によって生物収容室を高めて生物収容室内のガスの圧力逃がし弁から装置外への放出を生じさせることは必ずしも行なう必要はなく、必要に応じて行なうことができる。
【0028】
本発明者は、本発明に係る水中生物収容装置(具体的には[1]の発明に係る水中生物収容装置)の試作装置を用いて、減圧症により身体変形を生じた深海魚(深海生物)の治療を試みた。その結果、減圧症により身体変形を生じた深海魚の治療が可能であることを確認した。
具体的な一例として、深海魚であるサクラダイを水中生物収容装置の生物収容室に収容し、0.2~0.25MPaの生物収容室内圧を3時間維持した。その結果、眼球の突出や、内臓の突出、異常遊泳に改善効果を確認できた。また、減圧症により破損したものと破損が生じなかったものとでは生残数に堅調な違いが得られた。上記の他、複数種類の深海魚についても減圧症による身体変形の治療が可能であることを確認できた。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る水中生物収容装置によれば、手動操作によって内部を加圧可能でコンパクトかつ可搬性を有する容器でありながら、容器内の水の溶存酸素濃度を深海生物の生命を維持可能なレベルに保つこと、及び大気圧よりも格段に高い水圧を安定維持することを実現でき、その結果、容器内に収容した水中生物の減圧症の改善(治療)を効率良く実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る1実施形態の水中生物収容装置を示す全体正面図である。
図2図1の水中生物収容装置の構造を示す正断面図である。
図3図1の水中生物収容装置の手動エアポンプ付近を示す拡大断面図であり、(a)はピストン上昇操作時、(b)はピストン下降操作時を示す。
図4】手動エアポンプにおける圧力逃がし弁付近を示す拡大部分断面図である。
図5】チャンバ部材を含む圧力逃がし弁の一例を示す部分断面図であり、(a)は閉状態、(b)は開状態を示す。
図6】チャンバ部材と、チャンバ部材の上部開口部内にねじ込まれる螺着突部を含む軸押さえブロックとを有する圧力逃がし弁を示す部分断面図である。
図7】チャンバ部材と軸押さえブロックとの間にガス導入部材を有し、ガス導入部材のガス導入孔から延在する分岐孔のガス導入孔とは逆側の開口部を開閉する分岐孔開閉部材にガス出口孔が形成された圧力逃がし弁を示す断面図である。
図8図7の分岐孔開閉部材を拡大して示す図であって、(a)は正断面図、(b)は正面図である。
図9】チャンバ部材と軸押さえブロックとの間にガス導入部材を有し、ガス導入部材のガス導入孔から延在する分岐孔のガス導入孔とは逆側の開口部内に螺着されたねじ軸部を含む分岐孔開閉部材に排気溝が形成された圧力逃がし弁を示す断面図である。
図10図9の分岐孔開閉部材を拡大して示す図であって、(a)は正面図、(b)はねじ軸部先端側から見た構造を示す図である。
図11図4の圧力逃がし弁に可動押し上げリングが設けられた構成を示す正断面図である。
図12】通気性の多孔質セラミック材の弁体を有する開閉用可動体を採用した構成の圧力逃がし弁の一例を示す部分正断面図である。
図13図12の圧力逃がし弁を開閉操作ハンドル側から見た平面図である。
図14】冷却材内蔵体の一例を示す分解正面図である。
図15】冷却材内蔵体を取り出し可能に収容する凹部が底部に形成された容器本体の一例を示す正断面図である。
図16】生物収容室の下側に仕切り壁を介して冷却材収容室が設けられた構造の容器本体の一例を示す正断面図である。
図17図16の冷却材収容室の開口部を開閉する下部開閉壁の一例を示す図であり、容器本体の下端部の冷却材収容室の開口部を塞いだ状態の下部開閉壁を収容容器底面側から見た状態を示す下面図である。
図18図16の冷却材収容室の開口部を開閉する下部開閉壁が容器本体の下端部に枢着された構造を示す正断面図である。
図19図18の容器本体の下部開閉壁を収容容器底面側から見た状態を示す下面図である。
図20】容器本体の胴部に筒状の透明壁部を有する水中生物収容装置を示す全体正面図である。
図21】収容容器を取り出し可能に収容する筒状断熱カバーを有する水中生物収容装置を示す全体正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。また、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
【0032】
本発明に係る1実施形態の水中生物収容装置について、図1図7図9図11図12図14図16図18図20図21において上側を上、下側を下、として説明する。
図1は本発明に係る1実施形態の水中生物収容装置10を示す全体正面図、図2は水中生物収容装置10の構造を示す正断面図である。
図1図2に示すように、第1実施形態の水中生物収容装置10は、水中生物Fを水Wとともに収容する収容容器20と、収容容器20に設けられた手動エアポンプ30及び圧力逃がし弁40と、収容容器20に設けられた圧力計Pとを有する。
【0033】
<収容容器>
図2に示すように、収容容器20は、有底筒状の容器本体22と、容器本体22のその下底部とは逆側の上部開口部22aに脱着可能に設けられる蓋体23とを有する。
容器本体22及び蓋体23はステンレス等の耐食性に優れた金属によって形成されていいる。但し、容器本体22及び蓋体23の形成材料は充分な耐食を有するものであれば種々採用可能である。
【0034】
図2に示すように、収容容器20の容器本体22は、筒状(具体的には円筒状)の胴部22bと、胴部22bの内側領域の軸線方向片側の端部全体を塞ぐ底部22cとを有する。容器本体22の上部開口部22aは胴部22b軸線方向において底部22cとは反対の側に形成されている。容器本体22は、胴部22b軸線方向一側のみが塞がれ他側は開口されている(上部開口部22aが形成されている)片側有底筒状である。
容器本体22の底部22cは板状であり、容器本体22内側領域とは反対の側に胴部22b軸線方向に垂直の収容容器底面を形成している。
水中生物収容装置10は、収容容器底面を載置面上に載置し、上部開口部22aを塞いで容器本体22に取り付けられた蓋体23が容器本体22の上端部に位置する向きで使用される。
【0035】
図2において、蓋体23は円板状に形成されている。蓋体23は、容器本体22の円形の上部開口部22aに臨む面である上部開口部内周面に螺着して上部開口部22aを塞ぐ円板状の蓋体本体23dと、蓋体本体23dの側面全周に突出形成されたフランジ部23eとを有する。蓋体23は、蓋体本体23dを容器本体22の上部開口部22aにねじ込みフランジ部23eを容器本体22の上端部に当接させて容器本体22に締め付け固定できる。容器本体22の上部開口部22aを塞いで容器本体22に締め付け固定された状態の蓋体23は、締め付け時とは逆向きの回転操作によって容器本体22から取り外すことができる。蓋体23は回転操作によって容器本体22に対して脱着可能である。
なお、本明細書では、図2において蓋体23の生物収容室21側の面を下面23b、下面23bとは逆側の面を上面23aとして扱う。
【0036】
図2に示すように、収容容器20の生物収容室21は容器本体22の上部開口部22aが蓋体23によって塞がれた状態の収容容器20の内側領域全体を指す。
容器本体22の上部開口部22aが容器本体22に螺着された蓋体23によって塞がれた状態(組み立て状態)の収容容器20は、圧力計P、手動エアポンプ30、圧力逃し弁40に対応する領域が密閉された仮定において、生物収容室21内圧を大気圧に比べて格段に高圧の状態に保つことができる耐圧性、気密性、水密性を有する容器である。
【0037】
図1に示すように、容器本体22の胴部22bの複数箇所には容器本体22外側から生物収容室21内の観察を可能とする透明の透明壁部22dが設けられている。
透明壁部22dは例えばガラス、アクリル樹脂等の透明部材によって形成される。
図20に示すように、容器本体22の胴部22bの透明壁部22dは胴部22bの軸線方向両端部間の部分全体の円筒状としても良い。
容器本体22の胴部22bに透明壁部22dを有する収容容器20は、容器外側から生物収容室21内の水中生物Fの様子等を観察できる。
【0038】
<手動エアポンプ>
図2等に示す手動エアポンプ30は、手動操作により収容容器20外の空気Aを収容容器20内の生物収容室21へ圧入可能である。
図2に示す手動エアポンプ30は、蓋体23に貫通固定されて上下方向に延在配置された筒状のシリンダ31と、シリンダ31内に設けられたピストン32と、シリンダ31内に挿入された先端部にピストン32が設けられたピストンロッド33と、シリンダ31上端部から上方へ突出されたピストンロッド33の突端部に設けられたハンドル34とを有する。また、図2に示す手動エアポンプ30は、シリンダ31の下端部に設けられた吐出部逆止弁35、及びシリンダ31の上端部に設けられたニップル36も有している。
【0039】
図2に示すように、シリンダ31には蓋体23から生物収容室21側へ突出する下側突出部と、生物収容室21とは逆の上側に突出する上側突出部とが確保されている。
ピストン32はシリンダ31内にシリンダ31の軸線方向に移動可能に設けられている。ピストン32はシリンダ31内周面に摺動可能であり、シリンダ31に対してシリンダ31内周面に摺動させつつシリンダ31軸線方向に移動させることができる。
ピストン32はピストンロッド33のシリンダ31内に挿入された先端部に設けられている。
なお、シリンダ31の内周面は円筒状のシリンダ31のシリンダ31軸線方向に垂直の断面の内周側の面(内側面)を指す。
【0040】
ハンドル34は、シリンダ31の上側突出部の先端に開口するシリンダ31の上端開口部31aからシリンダ31外へ突出されたピストンロッド33の突端部に設けられている。ハンドル34は、ピストンロッド33の突端部から突端部側方へ突出形成されている。
【0041】
ピストン32と、ピストンロッド33と、ハンドル34とはシリンダ31に対するシリンダ31軸線方向への手動操作によってシリンダ31内のガスを生物収容室21へ圧入するための圧入操作部材37を構成している。
以下、図2においてシリンダ31内におけるピストン32から上側(上端開口部31a側)の領域を導入側ガス室、ピストン32から下側(吐出部逆止弁35側)の領域を吐出側ガス室ともいう。
【0042】
ピストン32は、吐出側ガス室と導入側ガス室との間の連通、遮断を切り換える開閉弁構造を有している。
図3(a)、(b)に示すように、ピストン32はピストンロッド33先端部に固定された先端部固定部品32fと、先端部固定部品32fに突出形成された上部フランジ32bと下部フランジ32cとの間に遊挿された可動リング32dとを有する。
先端部固定部品32fはピストンロッド33先端部に固定されてピストンロッド33先端側にピストンロッド33を延長するようにピストンロッド33と同軸に設けられた棒状の固定幹部32aと、固定幹部32aの側面全周に突出形成されたそれぞれフランジ状の上部フランジ32b及び下部フランジ32cとを有する。
上部フランジ32b及び下部フランジ32cはピストンロッド33軸線方向に互いに離間させて形成されている。
【0043】
図3(a)、(b)に示すように、可動リング32dはシリンダ31内径と一致する外径を有するリング状の部材である。可動リング32dはシリンダ31に対してシリンダ31内周面に摺動しつつシリンダ31軸線方向に移動可能である。
可動リング32dは先端部固定部品32fの固定幹部32aに外挿して上部フランジ32bと下部フランジ32cとの間に設けられている。可動リング32d内径は固定幹部32aの外径に比べて格段に大きい。
先端部固定部品32fの上部フランジ32bと下部フランジ32cとの間には、可動リング32dの先端部固定部品32fに対するピストンロッド33軸線方向への遊動を可能にするサイズの隙間が確保されている。可動リング32dは上部フランジ32bと下部フランジ32cとの間に先端部固定部品32fに対してピストンロッド33軸線方向に移動(遊動)可能に設けられている。
【0044】
上部フランジ32b及び下部フランジ32cはピストンロッド33軸線に垂直のリング板状に形成されている。上部フランジ32b及び下部フランジ32cはシリンダ31内径よりも径小の外径を有し、シリンダ31内周面との間に空気流通可能な隙間を確保できる。
上部フランジ32bの外周はピストンロッド33軸線回りの周方向全周にわたって連続する円周を形成している。下部フランジ32cの外周部の周方向複数箇所には下部フランジ32c外周から窪む通気凹部32eが形成されている。
【0045】
図3(a)、(b)に示すように、上部フランジ32b及び下部フランジ32cの外径は可動リング32dの内径よりも大きい。
このため、図3(b)に示すように、可動リング32dが上部フランジ32b外周部に重なるように当接したときには、シリンダ31内における上部フランジ32b上下の領域間の上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間を介した連通、空気流通が可動リング32dによって遮断される。
【0046】
可動リング32dと上部フランジ32bとは、圧入操作部材37をシリンダ31に対してシリンダ31軸線方向へ移動させる手動操作によって、上部フランジ32b外周部に対する可動リング32dの接離を切り換えることで、上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間の開閉を切り換える開閉弁構造を形成する。
シリンダ31内の吐出側ガス室と導入側ガス室とは詳細には可動リング32dが接離する上部フランジ32b下面から上側が導入側ガス室、上部フランジ32b下面から下側が吐出側ガス室となっている。
【0047】
図3(a)、(b)に示すように、可動リング32dは断面円形で連続するリング部材である。
図3(a)に示すように、可動リング32dは下部フランジ32c外周部に重なるように配置されたときに下部フランジ32c外周部に線接触し、下部フランジ32cの通気凹部32eの上部フランジ32bに臨む側の開口部を空気流通不可能に完全に塞いでしまうことはない。可動リング32dは下部フランジ32c外周部に重なるように配置されたときであっても、シリンダ31内における通気凹部32eを上下に空気が通過可能な通気凹部32eの空気流通性は維持される。
【0048】
なお、上部フランジ32b及び下部フランジ32cとシリンダ31内周面との間の空気流通可能な隙間は水(海水を含む)の流通も可能である。
また、可動リング32d下部フランジ32c外周部に重なるように配置されたときの下部フランジ32cの通気凹部32eも上下方向への空気流通の他、通気凹部32eの上下方向の水流通も可能である。
【0049】
図2図3(a)、(b)に示すように、吐出部逆止弁35はシリンダ31の下側突出部の先端部であるシリンダ31下端部に設けられている。吐出部逆止弁35はシリンダ31内からシリンダ31外へのガス吐出を許可し且つシリンダ31外からシリンダ31内へのガス流入を阻止する。
図3(a)、(b)に示すように、シリンダ31下端部には、シリンダ31下端部を塞ぐ下端壁部31bが設けられている。下端壁部31bには下端壁部31bの厚みを貫通してシリンダ31の内側領域(具体的には吐出側ガス室)とシリンダ31下端部周囲の生物収容室21とを連通させるエア吐出孔31cが形成されている。
【0050】
図3(a)、(b)に示す吐出部逆止弁35は板状ゴム片である。吐出部逆止弁35は、その面方向中央部を下端壁部31bに固定して下端壁部31bのシリンダ31下側の面(下面)に設けられている。下端壁部31bの下面はシリンダ31下端部下面である。吐出部逆止弁35は外力の作用が無いとき、及び図3(a)のようにピストン32の上昇時にはシリンダ31下端部下面に密着してエア吐出孔31cを閉止する。
吐出部逆止弁35は図3(b)のようにピストン32が下降され、ピストン32がシリンダ31内におけるピストン32から吐出部逆止弁35側の領域である吐出側ガス室内の空気を押圧したときには吐出側ガス室内の空気圧によって押し開かれる。その結果、吐出側ガス室内の空気がエア吐出孔31cからシリンダ31下端部周囲の生物収容室21へ放出される。
【0051】
図2に示すように、ニップル36はシリンダ31の上側突出部の側面から突出させてシリンダ31の上端部に固定して設けられている。ニップル36はシリンダ31の上側突出部の側壁部を貫通して設けられ、上側突出部の側壁部から外側に突出する部分、及び上側突出部の側壁部からシリンダ31内側に突出する部分を有している。
圧入操作部材37はシリンダ31に対してピストン32の上部フランジ32bがニップル36のシリンダ31内側に突出する部分に当接する所まで上昇操作可能である。ニップル36のシリンダ31内側に突出する部分はシリンダ31内における導入側ガス室内に位置する。
【0052】
シリンダ31の導入側ガス室内にはニップル36を介して水生生物収容装置10外側(本明細書において「装置外側」とも言う)から空気等のガスまたは水等の液体を導入可能である。
図2に示すように、手動エアポンプ30は、ニップル36のシリンダ31側面から突出する部分(外側突出部)に接続したチューブ91を介して酸素供給装置が供給する酸素を導入側ガス室内に導入したり、水送給装置が圧送供給する水を導入側ガス室内に導入することも可能である。
手動エアポンプ30は、ニップル36の外側突出部に、スプレー缶タイプの携帯可能な酸素ボンベ(酸素供給装置)を直接接続して、酸素ボンベから導入側ガス室内に酸素を導入することも可能である。
図2に示す手動エアポンプ30のニップル36の外側突出部はチューブ91等の接続が無く、大気開放状態となっている。
【0053】
図3(a)に示すように、手動エアポンプ30は、圧入操作部材37の操作によってシリンダ31内のピストン32を上昇させると、下部フランジ32c外周部が可動リング32dに当接し、上部フランジ32b外周部に対して可動リング32dが離間状態となり、上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間が開放される。そして、圧入操作部材37をシリンダ31に対して上昇させる操作を継続すると、シリンダ31内の導入側ガス室内の空気がピストン32の上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間を通って吐出側ガス室へ移動する。ピストン32の上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間を通って吐出側ガス室へ移動する空気は下部フランジ32cの通気凹部32eを通ってシリンダ31内における下部フランジ32cの下側の領域にも流入する。
【0054】
手動エアポンプ30は、圧入操作部材37の操作によってシリンダ31内のピストン32をシリンダ31上部まで上昇させた後、圧入操作部材37を下方へ押し下げ操作すると、図3(b)に示すように、ピストン32の上部フランジ32b外周部が可動リング32に当接することで可動リング32によってピストン32の上部フランジ32b外周部とシリンダ31内周面との間の隙間が閉止され、吐出側ガス室と導入側ガス室との間のガス移動が遮断される。そして、圧入操作部材37の押し下げ操作によってピストン32の下降に伴い吐出側ガス室内の空気を押圧し、吐出側ガス室内圧によってエア吐出孔31cを閉止していた吐出部逆止弁35とシリンダ31の下端壁部31bとの間を押し開けてエア吐出孔31cを開放することで、吐出側ガス室内の空気をエア吐出孔31cから生物収容室21内へ吐出させることができる。
この結果、手動エアポンプ30は手動エアポンプ30内の空気(具体的にはシリンダ31内の空気)の生物収容室21内への圧入を実現できる。
【0055】
また、図2に示すように、手動エアポンプ30は、圧入操作部材37の押し下げ操作によるピストン32の下降に伴いニップル36及びシリンダ31の上端開口部31aを介して装置外側の空気を導入側ガス室内へ導入できる。
手動エアポンプ30は、圧入操作部材37をシリンダ31に対して上下動操作することで、手動エアポンプ30内の空気(具体的にはシリンダ31内の空気)の生物収容室21内への圧入を繰り返し行なうことができる。
【0056】
<圧力逃がし弁>
図4は手動エアポンプ30における圧力逃がし弁40付近を示す拡大部分断面図である。
図4に示すように、圧力逃がし弁40は、蓋体23に固定されて蓋体23の上面23a側に位置する部分を確保して設けられた軸押さえブロック41と、蓋体23及び軸押さえブロック41を貫通して生物収容室21に連通させて確保されたステム収容孔40aに挿入されたステム43を含みステム収容孔40a軸線方向に移動自在に設けられた開閉用可動体42とを有する。
【0057】
図4に示すステム収容孔40aは、蓋体23を貫通して下面23b及び上面23aに開口する蓋体ステム孔23cと、軸押さえブロック41に貫通形成され蓋体ステム孔23cに連通するブロックステム孔41aとで構成されている。
ステム収容孔40a(詳細にはブロックステム孔41a)は軸押さえブロック41の上面41b(本明細書において「ブロック上面」とも言う)に開口されている。
【0058】
図4に示す開閉用可動体42は、ステム収容孔40aに挿入されブロックステム孔41aを貫通するステム43と、ステム43に固定されて軸押さえブロック41の生物収容室21側とは逆の上側に配置されたリング板状のパッキン44と、ステム43のブロックステム孔41aから生物収容室21側に延出する部分の側面に突出された受け突部45と、受け突部45と軸押さえブロック41との間に配置されてステム43を生物収容室21側へ弾性付勢する付勢部材46と、ステム43の上端部に設けられた開閉操作ハンドル47とを有する。
【0059】
付勢部材46は具体的にはステム43に外挿されたコイルスプリングである。
開閉操作ハンドル47は、軸押さえブロック41から上側に突出されパッキン44よりも上側に位置するステム43上端部に設けられている。図4の開閉操作ハンドル47は、手動で開閉用可動体42を収容容器20に対して上下動させやすいように、ステム43上端全周からその側方へ突出する円板状に形成されている。開閉操作ハンドル47は例えばねじ止め、螺着等の手動で固定解除操作可能な固定手段によってステム43上端部に脱着可能に固定されている。
【0060】
パッキン44は開閉用可動体42の軸押さえブロック41に対するブロックステム孔41aの軸線方向への移動によって軸押さえブロック41の生物収容室21側とは逆側のブロック上面41bとの接離を切り換え可能、かつブロック上面41bとの接離によってブロック上面41bに開口するステム収容孔40aの上端開口部の開閉を切り換え可能とされている。
図4に示すようにステム収容孔40a内においてステム43の周囲にはクリアランスが確保されている。図4実線のようにブロック上面41bに当接されてステム収容孔40aの上端開口部を塞いだ状態のパッキン44には生物収容室21の内圧が作用する。
【0061】
図4の圧力逃がし弁40は、生物収容室21の内圧が作動圧未満のときにパッキン44がステム収容孔40aの上端開口部を塞ぐ(閉止する)状態が維持される。閉止状体の圧力逃がし弁40は、生物収容室21の内圧が作動圧以上となったときに開閉用可動体42の軸押さえブロック41に対する上昇を生じパッキン44がブロック上面41bから上方へ離間してステム収容孔40aの上端開口部が開放され、生物収容室21内のガスを収容容器20外へ放出する。
作動圧は、付勢部材46の弾性付勢力に抗して開閉用可動体42の軸押さえブロック41に対する上昇を生じる生物収容室21内圧を指す。
【0062】
また、図4の圧力逃がし弁40は、開閉用可動体42の開閉操作ハンドル47の手動操作によって、開閉用可動体42を軸押さえブロック41に対して上下動させることが可能である。圧力逃がし弁40は、開閉用可動体42の開閉操作ハンドル47の手動操作によってパッキン44ブロック上面41bから上方への離間距離に対応する圧力逃がし弁40開放量(逃がし弁開放量)を調整可能である。
【0063】
図2に示す冷却材内蔵体60はステンレス、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属によって形成された箱形容器内に氷(冷却材)を収容したものである。
図14に示すように、冷却材内蔵体60は例えば下容器61と下容器61に脱着可能な蓋62とで構成された箱形容器を採用できる。開閉可能な箱形容器に収容する氷は溶解して箱形容器から生物収容室21内に流出する可能性に鑑みて、収容容器20に収容する水中生物が深海生物等の海洋生物である場合は海水を凍らせた氷を採用することが好ましい。
【0064】
図2に示すように、氷を収容した冷却材内蔵体60は収容容器20の容器本体22の底部22cに取り付けたバンド63を利用するなどして底部22cからの浮き上がりを防ぐことが好ましい。バンド63は、バックルによる係合等により冷却材内蔵体60の拘束、取り外しを自在に行えるものが好適である。
冷却材内蔵体60は内部に収容した水を冷凍庫で凍らせたものなどを使用することも可能である。冷却材内蔵体60は水の注入、排出が可能な水入口が1つのみ存在する構成のものなども採用可能である。
【0065】
図15に示すように、冷却材内蔵体60は、容器本体22の底部22cに形成した凹部凹部22に収容して、船舶の揺れ等による収容容器20内での位置安定性を担保するようにしても良い。
図15では、容器本体22の底部22cに、底部22cからの冷却材内蔵体60の浮き上がりを防ぐバンド63の一端を容器本体22の底部22cに固定する固定部64、バンド63の長手方向途中部を巻き掛ける巻き掛け部65が設けられた構成を例示する。また、図15のバンド63にはその長手方向の一部同士の固定と固定解除とを切り換え可能な固定拘束具66が設けられている。図15のバンド63は図2のバンド63にも用いることができる。
【0066】
冷却材内蔵体は、例えばフィルム等によって形成された柔軟な袋体に氷あるいは保冷剤を収容したものであっても良い。
また、柔軟な袋体に氷あるいは保冷剤を収容した冷却材内蔵体は、収容容器20内に水中生物Fとともに収容した水の上に浮かべた状態で使用するものであっても良い。
【0067】
本発明に係る水中生物収容装置10は、水中生物Fを水Wとともに収容する収容容器20に収容容器20内の生物収容室21へ空気Aを圧入可能な手動エアポンプ30が設けられた構成であり、手動によって収容容器20の生物収容室21内を加圧可能な簡易構造で小型化、軽量化が容易な可搬性の装置である。
また、本発明の水中生物収容装置10は、生物収容室21の内圧が収容容器20に設けられている圧力逃がし弁40の開放作動圧以上になったときに圧力逃がし弁40から装置外へ生物収容室21内のガスが放出される。その結果、生物収容室21の内圧が過剰になることを回避でき、収容容器20の破損、破裂等を防ぐことができる。
【0068】
圧力逃がし弁40から装置外への生物収容室21内のガス放出によって生物収容室21の内圧過剰を回避する点では、水及び水中生物Fを収容した容器本体の上部開口部を蓋体23によって塞いだときに収容容器20内に空気も収容し、収容した空気が収容容器20内の水の上側で蓋体23下面全体にわたって接する層状に存在するようにすることが好ましい。圧力逃がし弁40は生物収容室21内の水の水中生物収容装置10外への排出を想定していない。収容容器20内に収容した空気を収容容器20内の水の上側で蓋体23下面全体にわたって接する層状に存在させた場合は、生物収容室21内圧が過剰になったときの生物収容室21内のガスの圧力逃がし弁40から水中生物収容装置10外への放出を円滑に実現できる。
【0069】
水中生物収容装置10は手動エアポンプ30によって収容容器20の生物収容室21へ空気Aを圧入して生物収容室21内を大気圧よりも格段に高い所望圧力まで加圧(収容時加圧作業)した後、生物収容室21内の水への空気の溶解、温度変化等により生物収容室21の内圧が低下した場合、再び手動エアポンプ30を操作して生物収容室21へ空気を圧入する(追加圧入作業)ことで、生物収容室21の内圧を大気圧よりも格段に大きい所望圧力まで簡単に上昇させることができる。その結果、水中生物収容装置10は収容容器20内に収容した空気を収容容器20内の水に溶け込ませて水中溶存酸素が不足することを防ぐとともに、生物収容室21の内圧(生物収容室21内の水の水圧を含む)を大気圧よりも格段に高い所望圧力付近に保つことを容易も実現できる。
生物収容室21の内圧(生物収容室21内の水の水圧を含む)を大気圧よりも格段に高い所望圧力付近に保てることは、収容容器20の生物収容室21に収容した水中生物Fの減圧症の治療推進に有効に寄与する。
【0070】
収容時加圧作業の後に手動エアポンプ30を操作して行なう追加圧入作業は、例えば、生物収容室21の容積、収容時加圧作業の完了後の経過時間、水中生物収容装置10の周囲の外気温等から割り出されるタイミング、操作回数(圧入する空気量)で行なうことができる。但し、追加圧入作業は、生物収容室21内の圧力を計測して表示する圧力計Pを有する水中生物収容装置10を採用し、圧力計Pが表示する圧力値の目視確認にて必要性を判断して実行することが依り好ましい。圧力計Pが表示する圧力値の目視確認にて実行する追加圧入作業は、必ずしも圧力逃がし弁40からの排気を生じさせる必要は無く、生物収容室21内に必要圧力が確保されるように過不足無く行なうことが可能である。
【0071】
また、生物収容室21内では、水中生物Fから生物収容室21内の水中へアンモニアや二酸化炭素が放出される。
鰓呼吸を行なう水生生物は、体内で発生したアンモニアや二酸化炭素を鰓にて水に溶解させて体外へ排出する。
アンモニアや二酸化炭素は水中生物Fの生存に悪影響をもたらす。このため、生物収容室21内の水は必要に応じて一部または全部を交換する。
【0072】
図2に示す水中生物収容装置10は手動エアポンプ30のニップル36から手動エアポンプ30内に導入した水Wをニップル36から手動エアポンプ30内への導入圧あるいは手動エアポンプ30の操作によって手動エアポンプ30から生物収容室21へ給水可能である。また、水中生物収容装置10の圧力逃がし弁40は生物収容室21内のガスの排出のみならず生物収容室21内の水の装置外への排出も可能である。
なお、図2に示す手動エアポンプ30のシリンダ21の上端開口部31aは装置外からシリンダ21内への空気Aの流入を許可しシリンダ21から装置外への空気、水等の流体の流出を阻止する逆止弁が設けられていることが好ましい。また、シリンダ21の上端開口部31aからシリンダ21内への空気流入が不要である場合は、上端開口部31aはOリング等を設けて流体の通過を阻止しても良い。
【0073】
水中生物収容装置10はかかる構成により、例えば水槽内に貯留した水中に水中生物収容装置10の収容容器20、手動エアポンプ30の空気取り込み口及びニップル36までを水没させた状態で手動エアポンプ30の手動操作によって手動エアポンプ30から生物収容室21へ水を圧入して生物収容室21の内圧を高める水中給水作業と、次いで水槽から大気中に取り出した収容容器20を傾けて圧力逃がし弁40を手動で開放操作(分岐孔開閉部材の手動回転操作であっても良い)し生物収容室21内の水の一部を圧力逃がし弁40から排出する排水作業とを繰り返しても良い。排水作業は生物収容室21の内圧が低下しすぎないように行なう。また、排水作業の完了後に大気中にて手動エアポンプ30を手動操作して手動エアポンプ30から生物収容室21へ空気を圧入し、排水作業によって低下した生物収容室21の内圧を昇圧させても良い。
【0074】
また、水中生物収容装置10は、生物収容室21内の水を圧力逃がし弁40から排出容易に圧入収容容器20を傾けておき、大気中にて、ニップル36から手動エアポンプ30内に導入した水を手動エアポンプ30から生物収容室21へ供給する給水と、生物収容室21内の水の圧力逃がし弁40からの排水とを並行継続して生物収容室21内の水の一部または全部の入れ替えを行なっても良い。手動エアポンプ30はニップル36から内部に導入した水を手動エアポンプ30から生物収容室21のみへ排出可能、生物収容室21側へ水または空気を吐出する吐出口以外からの水の吐出や漏出が無い構成のものを採用する。ニップル36から手動エアポンプ30内に導入した水の手動エアポンプ30から生物収容室21への供給は、例えば手動エアポンプ30の手動操作であるが、電動ポンプ、油圧ポンプ等の動力ポンプから手動エアポンプ30内へ圧送された水が手動エアポンプ30を操作することなく生物収容室21へ供給可能な構成の手動エアポンプ30を採用し、動力ポンプからの水の送給圧によって手動エアポンプ30から生物収容室21へ給水することも可能である。
【0075】
水中生物収容装置10は収容容器20に収容した水中生物Fの減圧症の治療を効率良く進めることができるため、収容容器20を開放した後の減圧症の再発、進行を生じるものを少なくでき、水生生物の生存率を高めることが可能である。
また、水中生物収容装置10は、圧力逃がし弁40に手動操作によって生物収容室21内の圧力をゆっくり減圧するための構成を有する。図4に示すように、水中生物収容装置10の圧力逃がし弁40は開閉操作ハンドル47の手動操作によって開放量を調整可能である。
水中生物収容装置10は、収容容器20に収容した水中生物Fの減圧症の治療を進めた後、収容容器20を開放する前に生物収容室21内の圧力をゆっくり減圧することで、収容容器20を開放した後の水中生物Fの減圧症の再発、進行を少なくでき、水生生物の生存率を高めることができる。
【0076】
図2に示すように、水中生物収容装置10は、ニップル36を有する手動エアポンプ30を採用し、ニップル36を介して酸素供給装置からの酸素を手動エアポンプ30内(具体的にはシリンダ31内)に導入できる。そして、水中生物収容装置10は、ニップル36を介して酸素供給装置から手動エアポンプ30内に供給された酸素を、手動エアポンプ30の手動操作によって手動エアポンプ30から生物収容室21へ圧入可能である。
水中生物収容装置10は、手動エアポンプ30から酸素分圧を高めた空気を生物収容室21へ供給し、水中溶存酸素濃度の向上を介して水中生物Fの体内に高い分圧の酸素を取り込ませることで生体内からの窒素の排出を促すことができる。
【0077】
水中生物収容装置10によれば、収容容器20に収容した水中生物Fの減圧症の治療を進めつつ水中生物Fの体内に高い分圧の酸素を取り込ませ生体内からの窒素の排出を促し、収容容器20を開放する前に生物収容室21内の圧力をゆっくり減圧することで、収容容器20を開放した後の水中生物Fの減圧症の再発、進行をより確実に防ぐことができる。その結果、収容容器20開放後の水中生物Fの生存率を向上させることも可能となる。
【0078】
水中生物収容装置10は、収容容器20内の水面上全体に空気(空気層)が存在する状態で、手動エアポンプ30から生物収容室21へ酸素濃度が高い空気の圧入を継続することで、生物収容室21内の水面上の空気の酸素濃度を次第に上昇させることができる。ここで手動エアポンプ30から生物収容室21への空気圧入によって生物収容室21を高めて圧力逃がし弁40から生物収容室21内のガスの装置外への放出を生じさせると生物収容室21内の空気の手動エアポンプ30から圧入された空気への置換を促進できる。その結果、手動エアポンプ30から生物収容室21への空気圧入によって圧力逃がし弁40から装置外へのガス放出を生じさせない場合に比べて、生物収容室21内の空気の酸素濃度を短時間で効率良く上昇させることができる。
【0079】
図5(a)、(b)に示す圧力逃がし弁40Aの開閉用可動体50は、図4の開閉用可動体42との対比で、ステム43に垂直の円板状の開閉操作ハンドル47に代えて、ステム43に対して鈍角の開き角を確保してステム43の上端からステム43に対して傾斜して突出する板状または棒状の突片である開閉操作ハンドル51を採用したものである。開閉操作ハンドル51のステム43の中心軸線に対する開き角は110~160度である。 この開閉用可動体50は、開閉操作ハンドル51を手指先端で押し上げるようにすることで、手動での開閉用可動体50のパッキン44の軸押さえブロック4の上面に対する押し上げ量の微調整が容易である。
【0080】
図5(a)、(b)に示す圧力逃がし弁40Aの開閉用可動体50は、ステム43の下端部に設けられてステム43の下端部の全周にわたってステム43の側方に突出されたステム下端部パッキン50aも有している。
図5(a)、(b)に示す圧力逃がし弁40Aは、蓋体ステム孔23cに挿入され蓋体23の上面23a側に突出する部分を確保して蓋体23に固定されたスリーブ状のチャンバ部材48と、チャンバ部材48の蓋体23上に突出された上部突筒部48bの側面に螺着して設けられた軸押さえブロック49とを有する。
【0081】
軸押さえブロック49はチャンバ部材48の上部突筒部48bの側面に螺着された側壁部49aと、円筒状の側壁部49aの内側領域の上端を塞ぐように形成された上壁部49bとを有するキャップ状に形成されている。開閉用可動体50のステム43は軸押さえブロック49の上壁部49bの中央部に貫通形成されたブロックステム孔49cにクリアランスを確保して挿通されている。開閉用可動体50の受け突部45及び付勢部材46はチャンバ部材48の上部突筒部48bから下側の胴部48a内に収容され、付勢部材46は受け突部45と軸押さえブロック49の上壁部49bとの間に設けられている。
【0082】
図5(a)、(b)に示すように、ステム下端部パッキン50aは、チャンバ部材48の下端に開口する下端開口部48cに挿脱自在であり、挿脱によって下端開口部48cを開閉する。
図5(a)に示すように、軸押さえブロック49の上壁部49上面であるブロック上面に開閉用可動体50のパッキン44が重なってブロック上面に開口するブロックステム孔49cの上端開口部を塞いだ状態のとき、ステム下端部パッキン50aはチャンバ部材48の下端開口部48cに挿入されて下端開口部48cを閉止し、パッキン44に加えて生物収容室21内圧の確実維持の役割を果たす。また、下端開口部48cを閉止したステム下端部パッキン50aは万一パッキン44を超えた装置外の空気が生物収容室21に流入することを防ぐ役割も果たす。
【0083】
図6に示す圧力逃がし弁40Bは、図5(a)、(b)のチャンバ部材48の上部突筒部48bを省略したチャンバ部材52を採用したものである。チャンバ部材52は上部開口部に、軸押さえブロック53の螺着突部53bが螺着挿入される螺着壁部52aを有している。軸押さえブロック53はチャンバ部材52の上部開口部の周囲上に当接可能なブロック本体53aと、ブロック本体53aから突出する螺着突部53bとを有する構成であり、チャンバ部材52に螺着によって脱着可能に取り付けられる。
開閉用可動体50のステム43は軸押さえブロック53のブロック本体53a及び螺着突部53bに貫通形成されたブロックステム孔53cにクリアランスを確保して挿通されている。開閉用可動体50の受け突部45及び付勢部材46はチャンバ部材52の胴部48a内に収容され、付勢部材46は受け突部45と軸押さえブロック53の螺着突部53b突端との間に設けられている。
【0084】
図7に示す圧力逃がし弁40Cは、図6に示す圧力逃がし弁40Bについて、図6のチャンバ部材52にかえて採用した図5(a)、(b)のチャンバ部材48と、生物収容室21内のガスをチャンバ部材48から軸押さえブロック53のブロックステム孔53cに導入するためのガス導入孔54dが貫通形成されたガス導入部材54と、ガス導入部材54にガス導入孔54dの途中部から延在形成された分岐孔54cのガス導入孔54dとは逆側の開口部を開閉する分岐孔開閉部材55と、開閉用可動体50とを有する。
【0085】
図7に示すように、ガス導入部材54は、ガス導入孔54dが貫通形成された導入部材本体54aと、導入部材本体54aの側面に突出形成された突筒部54bとを有している。図7において導入部材本体54aは円筒状に形成されているが、導入部材本体54aの具体的形状は適宜変更可能である。
ガス導入部材54は、ガス導入孔54dの一端部内周に上部突筒部48bを螺着したチャンバ部材48と、ガス導入孔54dの一端部内周に螺着突部53bを螺着した軸押さえブロック53との間に設けられている。
【0086】
図7に示すように、ガス導入部材54の分岐孔54cは突筒部54bの内側全体を含んで形成されている。分岐孔54cのガス導入孔54dとは逆側の端は突筒部54bの突端に開口されている。
分岐孔開閉部材55はガス導入部材54に突出形成された突筒部54b側面に螺着された筒状側壁部55aと、筒状側壁部55aの内側領域の筒状側壁部55a軸線方向片端全体を塞ぐ背壁部55bとを有し、突筒部54b突端の分岐孔54c開口部を覆うキャップ状に形成されている。
図7図8(a)に示すように、分岐孔開閉部材55は背壁部55bに重ねて筒状側壁部55a内側に設けられたパッキン55dも有している。
【0087】
図7図8(a)、(b)に示すように、分岐孔開閉部材55の筒状側壁部55aには筒状側壁部55a厚みを貫通するガス出口孔55cが形成されている。
図示例のガス出口孔55cは筒状側壁部55a軸線方向に延在する長孔状であるが、ガス出口孔55cは正円形、長方形等、種々形状を採用可能である。
図7において分岐孔開閉部材55は手動回転操作によって突筒部54bに対する螺着位置を変えることで分岐孔54cの開口部を開閉可能である。しかも、分岐孔開閉部材55は手動回転操作によって突筒部54bに対する螺着位置を変えることでガス出口孔55cのガス導入部材54の突筒部54bから突筒部54b突端側に位置する範囲である開放範囲を調整可能であり、ガス出口孔55cから装置外へ流出するガスの圧力損失、流量を細かく調整できる。
【0088】
図9に示す圧力逃がし弁40Dは、図の圧力逃がし弁40Cについて、キャップ状の分岐孔開閉部材55にかえてガス導入部材54の分岐孔54c開口部内周面に螺着されたねじ軸部56aを含む分岐孔開閉部材56を採用したものである。
分岐孔開閉部材56は、ねじ軸部56aと、ねじ軸部56aが突出された頭部56bと、ねじ軸部56aに螺着されたリング板状のパッキン56cとを有する。
図9図10(a)、(b)に示すように、ねじ軸部56aの側面にはねじ軸部56a軸線方向に延在する排気溝56dが形成されている。
【0089】
分岐孔開閉部材56は手動回転操作によってガス導入部材54に対する螺着位置をガス導入部材54に開口する分岐孔54cの開口部軸線方向に変更することで分岐孔54cの開口部を開閉可能である。また、分岐孔開閉部材56は手動回転操作によってねじ軸部56aと分岐孔54c内側面との間にねじ軸部56aの排気溝56dを含んで確保されたガス出口孔の分岐孔54c内に位置する部分の長さを調整可能であり、ガス出口孔から装置外へ流出するガスの圧力損失、流量を細かく調整できる。
【0090】
図11に示すように、図4の圧力逃し弁40は、軸押さえブロック41の側面に螺着され軸押さえブロック41に対する螺着位置を上方へ変更することで開閉操作ハンドル47を押し上げ可能な押し上げリング部材57を有していても良い。押し上げリング部材57は軸押さえブロック41に対する螺着位置を変更する回転操作によって開閉操作ハンドル47を上下動可能であり、パッキン44の上下方向の位置を細かく調整できる。
【0091】
図12図13に示す圧力逃し弁40Eは、開閉用可動体42のパッキン44が接離される軸受けブロック上面及びブロック上面よりも下方の下方弁座を形成する下方弁座形成部材58を軸受けブロック41のブロックステム孔41a内に有し、開閉用可動体42に下方弁座にその下側から接離される通気性の多孔質セラミック材59を設けた開閉用可動体50を採用した構成である。
また、この圧力逃し弁40Eでは開閉操作ハンドル47を開閉操作ハンドル47と蓋体23との間に挿脱可能に介挿した板ばねSによって多孔質セラミック材59を下方弁座に当接した状態を保って生物収容室21からゆっくりとした排気、減圧を継続することも可能である。
【0092】
図16図17に示すように、収容容器20の容器本体22は、容器本体22の内側領域を生物収容室21と生物収容室21の下側の冷却材収容室Iとに仕切る仕切り壁25と、容器本体22に開口形成された冷却材収容室Iの開口部を開閉する下部開閉壁26とを有していても良い。
冷却材収容室Iには氷等の冷却材を直接入れたり、交換したりすることが可能である。仕切り壁25は熱伝導性が良好な点でアルミニウム板を好適に用いることができる。
【0093】
図16において下部開閉壁26は容器本体22の胴部22b下端部にその内側の冷却材収容室I開口部を開閉可能に設けられている。下部開閉壁26は容器本体22の下部開閉壁26以外の部分である容器本体22主部に対して冷却材収容室Iの開口部を塞いだ状態で固定される固定状態と固定解除状態とを切り換え可能とされている。
下部開閉壁26は手動操作によって容器本体22の胴部22b下端部に対する係脱を切り換え可能な可動係止片27を有し、可動係止片27の胴部22b下端部に対する係脱によって胴部22b下端部に対する固定状態と固定解除状態とを切り換え可能とされている。
【0094】
図16図17に示す下部開閉壁26は胴部22b下端部内側に脱着可能である。
図18図19に示すように、下部開閉壁26はヒンジ28を介して胴部22b下端部に枢着しても良い。
【0095】
図21に示すように、水中生物収容装置は、収容容器20を取り出し可能に収容して覆う筒状断熱カバーCを有していても良い。
筒状断熱カバーCは、内面側がアルミ箔あるいはアルミ蒸着フィルムによってライニングされた柔軟な筒状カバーであり、直射日光に晒されて高温になりがちな船上において水中生物収容装置の温度上昇を抑制する。
図21に示す筒状断熱カバーCは、底部シートから上方へ延在する一対の側部シートC1、C2を有し、ファスニング可動体CMの手動操作によって側部シートC1、C2のそれぞれに設けられたファスナー半体CF同士を係合させ閉じ合わせることで収容容器20全体を収容可能である。閉じ合わせたファスナー半体CF同士はファスニング可動体CMの手動操作によって係合を解除して一対の側部シートC1、C2間を開放できる。
【符号の説明】
【0096】
10…水生生物収容装置、20…収容容器、21…生物収容室、22…容器本体、22a…上部開口部、22b…胴部、22c…底部、22d…透明壁部、22e…凹部、23…蓋体、23a…上面、23b…下面、23c…蓋体ステム孔、23d…蓋体本体、23e…フランジ部、30…手動エアポンプ、31…シリンダ、31a…上端開口部、31b…下端壁部、31c…エア吐出孔、32…ピストン、32a…固定幹部、32b…上部フランジ、32c…下部フランジ、32e…通気凹部、32f…先端部固定部品、33…ピストンロッド、34…ハンドル、35…吐出部逆止弁、36…ニップル、37…圧入操作部材、40、40A、40B、40C、40D、40E…圧力逃がし弁、40a…ステム収容孔、41…軸押さえブロック、41a…ブロックステム孔、41b…ブロック上面、42…開閉用可動体、43…ステム、44…パッキン、45…受け突部、46…付勢部材(コイルスプリング)、47…開閉操作ハンドル、48…チャンバ部材、48a…胴部、48b…上部突筒部、49…軸押さえブロック、49a…側壁部、49b…上壁部、49c…ブロックステム孔、50…開閉用可動体、50a…ステム下端部パッキン、51…開閉操作ハンドル、53…軸押さえブロック、53a…ブロック本体、53b…螺着突部、53c…ブロックステム孔、54…ガス導入部材、54a…導入部材本体、54b…突筒部、54c…分岐孔、54d…ガス導入孔、55…分岐孔開閉部材、55a…筒状側壁部、55b…背壁部、55c…ガス出口孔、55d…パッキン、56…分岐孔開閉部材、56a…ねじ軸部、56b…頭部、56c…パッキン、56d排気溝…、60…冷却材内蔵体、A…空気、C…筒状断熱カバー、F…水中生物、I…冷却材収容室、P…圧力計、W…水。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
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図11
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