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特許7707819車両用表示装置、車両、表示処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】車両用表示装置、車両、表示処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/21 20240101AFI20250708BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20250708BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20250708BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20250708BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20250708BHJP
【FI】
B60K35/21
B60W60/00
B60W30/10
B60W50/14
G01C21/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021163602
(22)【出願日】2021-10-04
(65)【公開番号】P2023054632
(43)【公開日】2023-04-14
【審査請求日】2024-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】緒方 瞭
(72)【発明者】
【氏名】長島 賢人
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-088222(JP,A)
【文献】特開2016-095173(JP,A)
【文献】特開2015-176338(JP,A)
【文献】特開2009-031802(JP,A)
【文献】特開2018-100867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00 - 37/20
B60R 16/00 - 17/02
B60W 10/00 - 60/00
G01C 21/00 - 21/36
G02B 27/00 - 30/60
G09F 9/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられ、画像を表示可能な表示領域を有する表示部と、
前記表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させ、前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去する制御部と、
を有する車両用表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記トッププランを消去させた際、前記トッププランと共に前記表示領域に表示されていた前記プランを前記表示領域内で前記トッププランが表示されていた位置側に移動させる請求項1記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のプランと異なるプランである追加プランを前記表示領域に追加して表示する請求項1又は2記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示領域において前記複数のプランと異なる位置に前記車両が走行中の道路映像を表示しており、前記トッププランについて所定条件が成立したときに、前記トッププランを前記表示領域内で前記道路映像上に移動させた後、消去させる請求項1~3のいずれか1項記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記トッププランの動作が開始された時に、前記トッププランの前記所定条件が成立する請求項1~4のいずれか1項記載の車両用表示装置。
【請求項6】
車室内に設けられ、画像を表示可能な表示領域を有する表示部と、
前記表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させ、前記複数のプランの中で最後に実施予定の前記プランであるラストプランを前記表示領域内でフェードアウト処理によって消去した後、前記複数のプランと異なるプランである追加プランを前記複数のプランの間に挿入して実施予定順に並ベて表示する制御部と、
を有する車両用表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記追加プランを前記表示領域内に表示する際、前記追加プランをフェードイン処理によって前記表示領域内に表示させる請求項3又は6記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記プランを前記表示領域内から消去させる前に強調表示する請求項1~7のいずれか1項記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記表示部は、インストルメントパネルにおける運転席の車両前方に設けられている請求項1~8のいずれか1項記載の車両用表示装置。
【請求項10】
前記表示部は、ヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面である請求項1~8のいずれか1項記載の車両用表示装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項記載の車両用表示装置を備える車両。
【請求項12】
車室内に設けられた表示部において画像を表示可能な表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させる表示処理方法であって、
前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去させるステップを含む表示処理方法。
【請求項13】
車室内に設けられた表示部において画像を表示可能な表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させるプログラムであって、
前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去させるステップ
を含む処理をコンピュータに実施させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用表示装置、車両、表示処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両を目的地に誘導する経路上において運転操作(車線変更や車線合流、車線分岐等)の支援行為をディスプレイやヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」という)に表示する車両用表示装置が開示されている。この表示装置では、操作位置(距離)が近いものから複数の支援行為が下側から上側に積層表示され、終了した一番下の支援行為が消去され、新たな支援行為が一番上に追加表示されるように表示処理されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-088222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、同一の支援行為(例えば、右側への車線変更)が連続する場合、表示が更新されたことに乗員が気づきにくいおそれがあった。すなわち、表示が更新されたことを乗員に確実に把握させる点において、改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、表示が更新されたことを乗員に確実に把握させることができる車両用表示装置、車両、表示処理方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用表示装置は、車室内に設けられ、画像を表示可能な表示領域を有する表示部と、前記表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させ、前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去する制御部と、を有する。
【0007】
この車両用表示装置では、車室内に表示部が設けられている。この表示部の表示領域には、制御部によって車両で実施予定の複数のプランが実施予定順に並べて表示される。制御部は、表示部の表示領域に表示された複数のプランの中で最初に実施予定のプランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、表示領域内でトッププランをフェードアウト処理によって消去する。これにより、トッププランについて所定条件が成立したことを乗員が明確に把握することができる。
【0008】
特に、表示領域に同一(種類)のプランが連続して表示されている場合、トッププランを消去して新しいプランが追加された表示に更新するだけだと、乗員が表示部のプランの表示が更新されたことに気づかないおそれがあったが、プランがフェードアウト処理によって消去されるため、乗員は表示領域におけるプランの表示の更新を確実に把握することができる。
【0009】
なお、「フェードアウト処理」には、表示領域に表示されたプランの位置を維持したままで(プランを移動させずに)プランの表示濃度を徐々に下げて消去させる画像表示処理と、プランを表示領域内において移動させてから消去させる画像表示処理のいずれも含む。
【0010】
第2の態様に係る車両用表示装置は、第1の態様に係る車両用表示装置において、前記制御部は、前記トッププランを消去させた際、前記トッププランと共に前記表示領域に表示されていた前記プランを前記表示領域内で前記トッププランが表示されていた位置側に移動させる。
【0011】
この車両用表示装置では、複数のプランが実施予定順に表示される表示部の表示領域において、トッププランを消去させた場合には、表示領域内でトッププランと共に表示されていたプランを表示領域内でトッププランが表示されていた位置側に移動させることで、プランの表示の更新、及び次に実施予定のプランが乗員に明確に把握される。
【0012】
第3の態様に係る車両用表示装置は、第1又は第2の態様に係る車両用表示装置において、前記制御部は、前記複数のプランと異なるプランである追加プランを前記表示領域に追加して表示する。
【0013】
この車両用表示装置では、制御部が表示部の表示領域においてトッププランを消去すると共に、表示領域に表示されていた複数のプランと異なるプランである追加プランを表示する。すなわち、表示領域に表示されていた複数のプランのうち、トッププランが消去されると共に、表示されている複数のプランと異なる追加プランが表示領域に追加される。これにより、乗員は表示装置の表示領域を視認することで、常に一定数である複数の実施予定のプランを把握することができる。
【0014】
第4の態様に係る車両用表示装置は、第1~第3のいずれか一態様に係る車両用表示装置において、前記制御部は、前記表示領域において前記複数のプランと異なる位置に前記車両が走行中の道路映像を表示しており、前記トッププランについて所定条件が成立したときに、前記トッププランを前記表示領域内で前記道路映像上に移動させた後、消去させる。
【0015】
この車両用表示装置では、トッププランの所定条件が成立した場合に、制御部がトッププランを表示領域において複数のプランと異なる位置に表示されている自車両が走行している道路映像上に移動させた後、消去している。
【0016】
これにより、表示装置の表示領域上で乗員の視線が集まりやすい道路映像上にトッププランを移動させた後、消去しているので、乗員がトッププランの消去(特定表示領域のプラン表示の更新)を一層確実に把握できる。
【0017】
第5の態様に係る車両用表示装置は、第1~第4のいずれか一態様に係る車両用表示装置において、前記トッププランの動作が開始された時に、前記トッププランの前記所定条件が成立する。
【0018】
この車両用表示装置では、制御部が車両においてトッププランの動作が開始された場合に、トッププランの所定条件が成立したとして、トッププランをフェードアウト処理によって消去する。
【0019】
これにより、乗員はトッププランの動作が開始されたことを確実に把握することができる。
【0020】
第6の態様に係る車両用表示装置は、車室内に設けられ、画像を表示可能な表示領域を有する表示部と、前記表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させ、前記複数のプランの中で最後に実施予定の前記プランであるラストプランを前記表示領域内でフェードアウト処理によって消去した後、前記複数のプランと異なるプランである追加プランを前記複数のプランの間に挿入して実施予定順に並ベて表示する。
【0021】
この車両用表示装置では、制御部が表示領域に表示された複数のプランの中で最後に実施予定のプラン(ラストプラン)を表示領域内からフェードアウト処理によって消去させた後、複数のプランと異なるプラン(追加プラン)を表示領域に表示された複数のプランの間に挿入して実施予定順に並べて表示する。例えば、追加プランが後発的に発生した場合でも、表示領域に表示された複数のプランの間に追加プランを挿入させ、表示領域に複数のプランを実施予定順に表示することができる。
【0022】
「複数のプランの間に挿入」には、表示領域に表示される複数のプランの最も端部に挿入されることを含む。
【0023】
第7の態様に係る車両用表示装置は、第3又は第6の態様に係る車両用表示装置において、前記制御部は、前記追加プランを前記表示領域内に表示する際、前記追加プランをフェードイン処理によって前記表示領域内に表示させる。
【0024】
この車両用表示装置は、表示部の表示領域にそれまで表示されていた複数のプランからトッププラン又はラストプランが消去されると共に、複数のプランと異なるプラン(追加プラン)が表示装置の表示領域にフェードイン処理で表示される。
【0025】
これによって、乗員は追加プラン及び追加プランがどの位置(実行予定順位)に挿入されたかを明確に把握することができる。
【0026】
なお、「フェードイン処理」には、表示領域内における表示位置でプランの濃度を徐々に上げてプランを表示させる画像表示処理と、プランを表示領域内において別位置から表示位置に移動させて表示させる画像表示処理のいずれも含む。
【0027】
第8の態様に係る車両用表示装置は、第1~第7のいずれか一態様に係る車両用表示装置において、前記制御部は、前記プランを前記表示領域内から消去させる前に強調表示する。
【0028】
この車両用表示装置では、制御部がプラン(トッププラン又はラストプラン)を表示部の表示領域から消去させる前に強調表示する。
【0029】
これにより、乗員はトッププラン又はラストプランが消去される(プランの表示が更新される)ことを一層確実に認識することができる。
【0030】
第9の態様に係る車両用表示装置は、第1~第8いずれか一態様に係る車両用表示装置において、前記表示部は、インストルメントパネルにおける運転席の車両前方に設けられている。
【0031】
この車両用表示装置では、表示部がインストルメントパネルにおける運転席の車両前方に設けられているため、乗員は、運転中の乗員が視線を大きく動かすことなく実施予定順にプランを確認することができる。
【0032】
第10の態様に係る車両用表示装置は、第1~第8いずれか一態様に係る車両用表示装置において、前記表示部は、ヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面である。
【0033】
この車両用表示装置では、表示部がヘッドアップディスプレイ装置によって投影された投影面であり、実施予定順に複数のプランが車両上方の投影面に表示される。これにより、運転中の乗員が視線を大きく動かすことなく車両の実施予定間近な複数のプランを確認することができる。
【0034】
第11の態様に係る車両は、請求項1~10の車両用表示装置を備える。
【0035】
この車両は、請求項1~10のいずれか1項記載の車両用表示装置を備えるため、車両で実施予定のプランを把握することが容易であると共に、車両用表示装置におけるプランの表示の更新を確実に把握することができる。
【0036】
第12の態様に係る表示処理方法は、車室内に設けられた表示部において画像を表示可能な表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させる表示処理方法であって、前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去させるステップを含む。
【0037】
この表示処理方法によれば、第1の態様と同様の作用効果を奏する。
【0038】
第13の態様に係るプログラムは、車室内に設けられた表示部において画像を表示可能な表示領域に車両で実施予定の複数のプランを実施予定順に並べて表示させるプログラムであって、前記複数のプランの中で最初に実施予定の前記プランであるトッププランについて所定条件が成立したときに、前記表示領域内で前記トッププランをフェードアウト処理によって消去させるステップを含む処理をコンピュータに実施させる。
【0039】
このプログラムをコンピュータに実施させることにより、第1の態様と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0040】
以上説明したように、第1、第2、第5、第7、第8態様に係る車両用表示装置によれば、乗員がプランの表示が更新されたことを確実に把握できる。
【0041】
第3態様、第6態様に係る車両用表示装置によれば、一定数である複数のプランが常時表示部に表示されることになる。
【0042】
第4態様に係る車両用表示装置によれば、乗員が実施中のプラン(運転支援制御)を確実に認識することができる。
【0043】
第9、第10態様に係る車両用表示装置によれば、運転中の乗員が視線を大きく動かすことなく実施予定順に並んで表示されたプランを確認することができる。
【0044】
第11態様に係る車両によれば、乗員がプランの表示が更新されたことを確実に把握できる。
【0045】
第12態様に係る表示処理方法によれば、乗員がプランの表示が更新されたことを確実に把握できる。
【0046】
第13態様に係るプログラムによれば、乗員がプランの表示が更新されたことを確実に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】実施形態に係る車両用表示装置が適用された車両における車室内の前部を車両後方側から見た概略図である。
図2】実施形態に係る車両用表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る車両用表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】(A)は第2表示部の表示例を示す図であり、(B)は第1表示部の表示例を示す図である。
図5】(A)は図4(A)の状態から100m進んだ状態における第2表示部のフェードアウト処理中の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態から100m進んだ状態における第1表示部のフェードアウト処理中の表示例を示す図である。
図6】(A)は図4(A)の状態から100m進んだ状態における第2表示部のフェードイン処理中の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態から100m進んだ状態における第1表示部のフェードイン処理中の表示例を示す図である。
図7】(A)は図4(A)の状態から100m進んだ状態における第2表示部の更新処理後の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態から100m進んだ状態における第1表示部の更新処理後の表示例を示す図である。
図8】第1実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】第1実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態の第1バリエーションにおいて、(A)は図4(A)の状態から100m進んだ状態における第2表示部の強調表示処理中の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態から100m進んだ状態における第1表示部の強調表示処理の表示例を示す図である。
図11】第1実施形態の第2バリエーションの車両用表示装置における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】第1実施形態の第2バリエーションに係る車両用表示装置の機能構成を示すブロック図である。
図13】(A)は図4(A)の状態における第2表示部のフェードアウト処理中の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態における第1表示部のフェードアウト処理中の表示例を示す図である。
図14】(A)は図4(A)の状態における第2表示部のフェードイン処理中の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態における第1表示部のフェードイン処理中の表示例を示す図である。
図15】(A)は図4(A)の状態における第2表示部の更新処理後の表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態における第1表示部の更新処理後の表示例を示す図である。
図16】第2実施形態における表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17】(A)は図4(A)の状態から100m進んだ状態における第2表示部の移動処理した表示例を示す図であり、(B)は図4(B)の状態から100m進んだ状態における第1表示部の移動処理した表示例を示す図である。
図18】その他の例に係るフェードアウト処理の説明図である。
図19】その他の例に係るフェードイン処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[第1実施形態]
【0049】
第1実施形態に係る車両用表示装置10が適用された車両12について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の車両12は一例として、自動運転と手動運転とを切替可能に構成されている。図1に示すように、車両12における車室内の前部には、インストルメントパネル14が設けられている。
【0050】
インストルメントパネル14は、車両幅方向に延在されており、このインストルメントパネル14の車両右側にはステアリングホイール16が設けられている。すなわち、本実施形態では一例として、右側にステアリングホイール16が設けられた右ハンドル車とされており、運転席が車両右側に設定されている。
【0051】
インストルメントパネル14の前端部にはウインドシールドガラス18が設けられている。ウインドシールドガラス18は、車両上下方向及び車両幅方向に延在されて車室内部と車室外部とを区画している。
【0052】
ウインドシールドガラス18の車両右側端部は、車両右側のフロントピラー20に固定されている。フロントピラー20は、車両上下方向に延在されており、このフロントピラー20の車両幅方向内側端部にはウインドシールドガラス18が固定されている。また、フロントピラー20の車両幅方向外側端部にはフロントサイドガラス22の前端部が固定されている。なお、ウインドシールドガラス18の車両左側端部は、図示しない車両左側のフロントピラーに固定されている。
【0053】
ここで、インストルメントパネル14には第1表示部24が設けられている。第1表示部24は、インストルメントパネル14における運転席の車両前方に設けられており、運転者が車両前方へ視線を向けた状態で視界に入る位置に設けられている。
【0054】
ウインドシールドガラス18には、第2表示部26が設けられている。第2表示部26は、第1表示部24の車両上方側に設定されており、ヘッドアップディスプレイ装置44(図2参照)によって投影された投影面によって構成されている。具体的には、インストルメントパネル14よりも車両前方側にヘッドアップディスプレイ装置44が設けられており、このヘッドアップディスプレイ装置44からウインドシールドガラス18の第2表示部26へ映像が投影されるように構成されている。
【0055】
(車両用表示装置10のハードウェア構成)
【0056】
車両12には、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)28が設けられている。図2は、車両用表示装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。この図2に示すように、車両用表示装置10のECU28は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)30、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)34、ストレージ36、通信インタフェース38及び入出力インタフェース40を含んで構成されている。各構成は、バス42を介して相互に通信可能に接続されている。
【0057】
CPU30は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実施したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU30は、ROM32又はストレージ36からプログラムを読み出し、RAM34を作業領域としてプログラムを実施する。CPU30は、ROM32又はストレージ36に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0058】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM34は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ36は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。本実施形態では、ROM32又はストレージ36には、表示処理を行うためのプログラム、及び各種データなどが格納されている。
【0059】
通信インタフェース38は、車両用表示装置10が図示しないサーバ及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、LTE、FDDI、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0060】
入出力インタフェース40には、第1表示部24、第2表示部26に映像を投影するヘッドアップディスプレイ装置44、及びアクチュエータ46が接続されている。アクチュエータ46は、ステアリングアクチュエータ、アクセルアクチュエータ及びブレーキアクチュエータを含んで構成されており、ステアリングアクチュエータは、車両12の操舵を行うものである。アクセルアクチュエータは、車両12の加速を行うものである。また、ブレーキアクチュエータは、ブレーキを制御することで、車両12の減速を行うものである。なお、入出力インタフェース40には、車両12を自動走行させるための図示しないセンサ類及びGPS装置などが接続されている。
【0061】
(車両用表示装置10の機能構成)
【0062】
車両用表示装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。車両用表示装置10が実現する機能構成について図3を参照して説明する。
【0063】
図3に示すように、車両用表示装置10は、機能構成として、通信部50、運行計画設定部52、自動運転制御部54、第1表示指示部56、第2表示指示部58、強調表示部60、第1判定部62及び第2判定部64を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU30がROM32又はストレージ36に記憶されたプログラムを読み出し、実施することにより実現される。
【0064】
通信部50は、通信インタフェース38を介して外部のサーバ及び他の機器とデータの送受信を行う。例えば、サーバに格納されている地図データ及び交通状況などのデータの送受信を行う。また、通信部50は、周囲の車両との間で車車間通信を行う構成としてもよい。
【0065】
運行計画設定部52は、車両12の運行計画を設定する。具体的には、乗員によって目的地が入力されることで、現在地から目的地までの運行計画を設定する。
【0066】
自動運転制御部54は、位置情報及び車両12の周囲の環境情報を考慮しつつ、設定された運行計画に沿って車両12を自動走行させる。具体的には、アクチュエータ46を制御することで車両12を自動走行させる。
【0067】
第1表示指示部56は、運行計画設定部52によって設定された運行計画に基づいて車両12のプランを第1表示部24に表示させる。この第1表示指示部56の機能について、図4(B)、図5(B)及び図6(B)を参照して説明する。
【0068】
図4(B)に示すように、第1表示部24の表示領域における上部には、クルーズコントロール時の設定速度VAと、現在の車両12の車速VBが表示されている。設定速度VA及び車速VBは、第1表示部24の表示領域24Aにおける車両幅方向左側に表示されている。設定速度VAは、下段に小さく表示されており、ここでは一例として時速120km/hに設定されている。また、現在の車速VBは上段に表示されており、時速58km/hと表示されている。このため、車両12は、前方の車両と一定の車間距離を保ちながら時速120km/hまでの速度で走行するように設定されている。
【0069】
第1表示部24の表示領域24Aにおける左側には、自車両を模した映像V1と、周辺の車両を模した映像V2及び映像V3が道路映像R上に表示されている。映像V1を見ると、自車両が道路映像Rの3車線の走行車線のうち、真ん中の車線を走行していることが分かるようになっている。また、映像V2及び映像V3はそれぞれ、車両12に搭載された図示しないセンサ類によって検知された情報に基づいて表示されている。そして、映像V2及び映像V3を見ることで、自車両の右斜め前方と、自車両の前方とに車両が走行していることが分かるようになっている。なお、自車両の位置は、車両12に搭載されたGPS装置によって検知できるようになっている。また、周辺の車両を検知するセンサとして、ステレオカメラ、超音波センサ、ミリ波レーダ、レーザーレーダなどのセンサが組み合わせて用いられている。この他に、周囲の車両と車車間通信を行うことで、自車両の位置及び周囲の車両の位置を把握できるように構成してもよい。
【0070】
第1表示部24の表示領域24Aにおける右側には、第1表示指示部56によって車両12のプランが表示される特定表示領域24Bが設定されており、特定表示領域24B内に実施予定の複数のプランが表示されている。本実施形態では一例として、下から順に第1プランP1、第2プランP2及び第3プランP3の3つのプランが表示されている。また、それぞれのプランには、現在位置から動作の実施予定位置までの距離、走行予定経路、及び運転の種別の3つの情報が表示されている。ここでいう運転の種別とは、運転者が手動で行う動作であるか、又は自動運転で行われる動作であるかの種別を指す。また、本実施形態では一例として、直近の3つのプランのみが表示され、その後に続くプランについては表示されないように設定されているが、これに限定されない。例えば、4つ以上のプランを第1表示部24に表示させてもよい。また、第1表示部24に表示させるプランの数(但し、複数)を任意に設定できるようにしてもよい。
【0071】
以下、第1プランP1、第2プランP2及び第3プランP3について、具体的に説明する。
【0072】
図4(B)に示すように、第1プランP1の左には「100m」と表示されており、現在位置から約100m先で実施される動作であることが示されている。また、第1プランP1の真ん中には、左車線から右車線への車線変更が模式図で表示されており、この模式図によって走行予定経路が分かるようになっている。さらに、第1プランP1の右側には、「ASSIST」と表示されており、自動運転(運転支援制御)によって行われる(実施される)動作であることが示されている。
【0073】
なお、第1プランP1は、後述する第2プランP2、第3プランP3よりも若干拡大して表示されている。また、第1プランP1が「トッププラン」に相当する。
【0074】
一方、第1プランP1の上には第2プランP2が表示されている。第2プランP2の左には、「200m」と表示されており、現在位置から約200m先で行われる(実施される)動作であることが示されている。また、第2プランP2の真ん中には、左側の側道から本線へ合流する経路が模式図で表示されており、この模式図によって走行予定経路が分かるようになっている。さらに、第2プランP2の右側には、「MANUAL」と表示されており、手動運転によって行われる動作であることが示されている。すなわち、200m走行する前に自動運転から手動運転へ一時的に引継ぎが行われることとなる。なお、本実施形態では一例として、合流動作のみを乗員が行い、車線変更後は自動運転に切り替えられるように構成されている。
【0075】
第2プランP2の上には第3プランP3が表示されている。第3プランP3の左には、「800m」と表示されており、現在位置から約800m先で行われる(実施される)動作であることが示されている。また、第3プランP3の真ん中には、左車線から右車線への車線変更が模式図で表示されており、この模式図によって走行予定経路が分かるようになっている。さらに、第3プランP3の右側には、「ASSIST」と表示されており、自動運転(運転支援制御)によって行われる動作であることが示されている。
【0076】
ところで、自動運転の運行計画に手動運転のプランが挿入される場合としては、例えば、合流地点が常時混雑していて、自動運転では合流が困難な地点であると事前に把握されている場合や、事故発生等で渋滞が発生しており車線変更が自動運転では困難と考えられる場合等である。
【0077】
図5(B)は、図4(B)の状態から車両12が約100m走行した状態における第1表示部24の映像が示されている。この図5(B)に示すように、第1プランP1の左の表示が「0m」に変更されており、第2プランP2の左の表示が「100m」に変更されている。また、第3プランP3の左の表示が「700m」に変更されている。
【0078】
また、図5(B)は、図4(B)に示した第1プランP1のアニメーション処理の一つであるフェードアウト処理(表示濃度を徐々に下げる画像表示処理)中の状態を示す図である。
【0079】
すなわち、図5(B)において、第1プランP1は、表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、図4(B)の状態から表示濃度を下げた状態になっている(この状態を第1プランP1を示す枠体を破線で示すことによって示している。)。その他の表示内容は図4(B)と同様である。
【0080】
図6(B)は、図5(B)に示した第1プランP1のフェードアウト処理が終了した(第1プランP1が消去された)後に、特定表示領域24B内において、第2プランP2と第3プランP3が一段ずつ下方にスライド(移動)表示されると共に、3段目の位置に第4プランP4がフェードイン処理(表示濃度を徐々に上げる画像表示処理)中の状態を示す図である。
【0081】
すなわち、図6(B)は、特定表示領域24B内の3段目の位置に、第4プランP4の表示濃度を徐々に上げている過程(途中状態)が示されている(この状態を第4プランP4を示す枠体を破線で示すことによって示している。)。
【0082】
この図6(B)に示すように、第4プランP4の左には、「1.5km」と表示されており、現在位置から約1.5km先で行われる動作であることが示されている。また、第4プランP4の真ん中には、右側の側道から本線へ合流する経路が模式図で表示されており、この模式図によって走行予定経路が分かるようになっている。さらに、第4プランP4の右側には、「ASSIST」と表示されており、自動運転(運転支援制御)によって行われる動作であることが示されている。
【0083】
図7(B)は、第4プランP4のフェードイン処理が完了した状態を示す図である。
【0084】
図7(B)に示すように、表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、第4プランP4の表示濃度が他のプラン(第2プランP2、第3プランP3)の表示濃度まで上げられ、特定表示領域24Bにおいて第3プランP3の上に第4プランP4が表示される。その他の表示内容は図6(B)と同様である。
【0085】
次に、第2表示指示部58について説明する。
【0086】
図3に示すように、車両用表示装置10は、機能構成として、第2表示指示部58を備えている。第2表示指示部58は、第1表示指示部56によって第1表示部24に表示させたプランのうち、実施予定が最も早い2つのプランを第2表示部26に表示させる構成である。
【0087】
強調表示部60は、第1表示部24、第2表示部26の特定表示領域24B、26Bにそれぞれ複数のプランを表示する際に、最も実施予定が早いプラン(以下、「トッププラン」という)を他のプランよりも強調表示(拡大表示)させる機能を有する。
【0088】
強調表示部60の機能によって、第1表示部24の特定表示領域24Bでは、図4(B)に示すように、トッププランである第1プランP1(図4(B)参照)や第2プランP2(図7(B)参照)が他のプランより少し拡大表示されている。例えば、110%程度の拡大である。
【0089】
一方、強調表示部60は、第2表示部26に複数のプランを表示させる際に、最も直近のプランを他のプランよりも強調して第2表示部26に表示させる。
【0090】
この第2表示指示部58及び強調表示部60の機能について、図4(A)~図7(A)を参照して説明する。なお、第2表示部26に表示される映像について、第1表示部24に表示される映像と略同様のものについては、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第2表示部26に表示される映像は、第1表示部24と略同様のものについては、第1表示部24の表示と同期した内容が表示されている。
【0091】
図4(A)に示すように、第2表示部26の表示領域26Aにおける下部には、クルーズコントロール時の設定速度VAと、現在の車両12の車速VBが表示されている。設定速度VA及び車速VBは、第2表示部26の表示領域26Aにおける車両幅方向左側に表示されている。設定速度VAは、右側に表示されており、ここでは一例として時速120km/hに設定されている。また、現在の車速は左側に表示されており、時速58km/hと表示されている。このため、車両12は、前方の車両と一定の車間距離を保ちながら時速120km/hまでの速度で走行するように設定されている。なお、設定速度及び車速の表示は、第1表示部24の内容と同期されている。
【0092】
第2表示部26の表示領域26Aにおける右側には、第2表示指示部58によって車両12のプランが表示される特定表示領域26Bが設定されており、特定表示領域26B内に実施予定の複数のプラン(直近の第1プランP1とその次に実施予定の第2プランP2)が表示されている。直近のプランである第1プランP1が下方に表示されている。この第1プランP1は、図4(A)に示すように、他のプラン(第2プランP2)と比較して拡大されて表示されており、下側に第1プランP1までの距離100mが記載されており、その距離100mの上側に左側車線から右側車線への車線変更の模式図が示されており、その模式図の右側に自動運転であることを示す「ASSIST」が表示されている。
【0093】
また、第2表示部26の表示領域26Aにおいて、第1プランP1の上方には、第2プランP2が表示されている。
【0094】
図5(A)は、図4(A)の状態から車両12が100m進行した位置における状態を示す図であり、表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて第1プランP1がフェードアウト処理中の状態を示した図である。
【0095】
図6(A)は、図5(A)の状態から第1プランP1が第2表示部26の表示領域26Aの特定表示領域26Bから消去された後、第2プランP2が下方に移動して拡大表示されると共に、表示領域26Aにおいて特定表示領域26Bにおいて、追加される第3プランP3がフェードイン処理中である状態を示した図である。
【0096】
図7(A)は、図6(A)の状態から第3プランP3のフェードイン処理が完了し、特定表示領域26Bにおいて第3プランP3が第2プランP2の上に表示されている状態を示した図である。
【0097】
次に、第1判定部62の機能について説明する。上記のように、第1表示指示部56や第2表示指示部58によって特定表示領域24B、26Bにおけるプランの表示が更新されるが、この更新開始のタイミングは、トッププランの動作が開始されたタイミングである。第1判定部62はトッププランの動作が開始されたか否かを判定している。
【0098】
具体的には、第1判定部62は、トッププランの動作の種類(車線変更、車線合流、車線分岐等)毎に、動作の開始時に最初に行うアクチュエータに対する駆動信号を検出するか否かで、動作が開始されたか否かを検出する機能を有する。例えば、トッププランが右側車線への車線変更であれば車両12の右側の方向指示器に対する点滅駆動信号を検出することで、トッププランの動作が開始されたと判定する。
【0099】
続いて、第2判定部64の機能について説明する。特定表示領域24B、26Bにおけるプランの表示が更新される際、追加表示するプランがあるか否かを判定する機能を有する。
【0100】
具体的には、運行計画設定部52で作成された運行計画(プランのリスト)に第1表示部24、第2表示部26の特定表示領域24B、26Bに未表示のプランがあるか否かで判定している。
【0101】
なお、本実施形態のように特定表示領域24Bと特定表示領域26Bに表示されるプランの数が異なる場合には、第2判定部64は、先ず、表示数の多い第1表示部24(特定表示領域24B)について判定する。ここで、肯定判定された(未表示の(追加)プランが有る)場合には、第2表示部26(特定表示領域26B)に対しても追加プランがあることになるためである。
【0102】
一方、そこで否定判定がされた場合には、第2判定部64は、特定表示領域24Bに表示されるプランが複数であるか否かを判定し、肯定判定された場合には、第2表示部26に追加プランがあると判定する。
【0103】
(作用)
【0104】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0105】
(表示処理)
【0106】
運行計画に基づいて車両12のプランを表示させる表示処理の一例について、図8及び図9に示されているフローチャートを用いて説明する。この表示処理は、CPU30がROM32又はストレージ36から表示プログラムを読み出して、RAM34に展開して実施することによって実施される。
【0107】
図8に示すように、CPU30は、ステップS102で目的地が設定されているか否かについて判断する。目的地は、乗員によって車両12に直接入力されてもよく、携帯端末などを介して間接的に入力されてもよい。
【0108】
CPU30は、ステップS102で目的地が設定されていると判断した場合、ステップS104の処理へ移行する。また、CPU30は、ステップS102で目的地が設定されていないと判断した場合、表示処理を終了させる。
【0109】
CPU30は、ステップS104で車両12の運行計画を設定する。具体的には、CPU30は、運行計画設定部52の機能により、現在地から目的地までの運行計画を設定する。運行計画の設定時には、交通状況及び事故に関する情報などを取得して反映してもよい。また、予め入力された乗員の要望に応じて、自動運転が多くなるように運行計画を設定してもよい。
【0110】
CPU30は、ステップS106で第1表示部24及び第2表示部26にプランを表示させる。具体的には、CPU30は、運行計画に基づいて、第1表示指示部56及び第2表示指示部58の機能によって車両12のプランをそれぞれ第1表示部24、第2表示部26に表示させる。
【0111】
ここでは一例として、図4(B)に示すように、CPU30は、第1表示部24の表示領域24Aの右側に設定された特定表示領域24Bに第1プランP1、第2プランP2及び第3プランP3の3つのプランを表示させている。同様に、図4(A)に示すように、CPU30は、第2表示部26の表示領域26Aの右側に設定された特定表示領域26Bに第1プランP1及び第2プランP2の3つのプランを表示させている。
【0112】
この際、CPU30は、強調表示部60の機能によって、図4(B)に示すように、第1表示部24の特定表示領域24Bでは、トッププランである第1プランP1の表示を他のプラン(第2プランP2、第3プランP3)の表示よりも少し拡大して表示する。
【0113】
同様に、CPU30は、強調表示部60の機能によって、図4(A)に示すように、第2表示部26の特定表示領域26Bでは、トッププランである第1プランP1の表示を他のプラン(第2プランP2)の表示よりも拡大して表示する。
【0114】
CPU30は、ステップS108で、第1判定部62の機能により、トッププラン(第1プランP1)の動作が開始されたか否かを判定する。図4(B)に示す第1表示部24に表示させたプランP1~P3のうち、トッププランである第1プランP1の動作(車線変更制御(運転支援制御))が開始されたか否かをアクチュエータ46に対する駆動信号等から判定する。例えば、車線変更の場合には、方向指示器の点滅駆動信号を第1判定部62で検出することで第1プランP1である車線変更制御(運転支援制御)が開始されたと判定する。
【0115】
なお、CPU30は、ステップS108で否定判定された場合には、肯定判定されるまで待機する。
【0116】
CPU30は、ステップS108で肯定判定された場合には、図9に示すように、ステップS110で、第1表示指示部56及び第2表示指示部58の機能により、第1表示部24及び第2表示部26に表示されたトッププラン(第1プランP1)に対してフェードアウト処理を行う。
【0117】
具体的には、図5(B)に示すように、第1表示部24の表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、動作が開始された第1プランP1の表示濃度を徐々に低下させて第1プランP1を消去する。
【0118】
同様に、図5(A)に示すように、第2表示部26の表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、動作が開始された第1プランP1の表示濃度を徐々に低下させて第1プランP1を消去する。
【0119】
続いて、CPU30は、ステップS112で、第1表示指示部56の機能により、図6(B)に示すように、図5(B)の状態から第2プランP2、第3プランP3を特定表示領域24B内でそれぞれ下方(トッププランが表示されていた位置側)に移動させる。この際、強調表示部60の機能により、トッププランの位置に移動した第2プランP2は少し拡大して表示される。
【0120】
同様に、CPU30は、第2表示指示部58の機能により、図6(A)に示すように、図5(A)の状態から第2プランP2を下方に移動させる。この際、強調表示部60の機能により、トッププランの位置に移動した第2プランP2は拡大して表示される。
【0121】
さらに、CPU30は、ステップS114で、第2判定部64の機能により、第1表示部24の特定表示領域24Bに未表示のプラン(追加プラン)が有るか否かを判定する。肯定判定の場合には、ステップS116に移行し、否定判定の場合にはステップS118に移行する。
【0122】
CPU30は、ステップS116で、第1表示指示部56の機能により、図6(B)、図7(B)に示すように、未表示のプランのうち最も実施予定が早い追加プランである第4プランP4のフェードイン処理を行う。具体的には、表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、第3プランP3の上の位置で第4プランP4の表示濃度を徐々に上げて他のプラン(第2プランP2、第3プランP3)の表示濃度まで上げて、第3プランP3の上に第4プランP4を表示させる。すなわち、図7(B)に示すように、車両12の現在位置において、最も早く実施予定の3つのプラン(第2プランP2、第3プランP3、第4プランP4)が表示されることになる(特定表示領域24Bに表示されるプランが更新されることになる)。
【0123】
同様に、CPU30は、第2表示指示部58の機能により、図6(A)、図7(A)に示すように、追加される第3プランP3が表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、第2プランP2の上の位置で第3プランP3の表示濃度を徐々に上げて他のプラン(第2プランP2)の表示濃度まで上げて、第2プランP2の上に第3プランP3を表示させる。すなわち、図7(A)に示すように、車両12の現在位置において、最も早く実施予定の2つのプラン(第2プランP2、第3プランP3)が表示されることになる(特定表示領域26Bに表示されるプランが更新されることになる)。
【0124】
なお、CPU30は、ステップS114で否定判定された場合には、ステップS118で、第2判定部64の機能により、第1表示部(特定表示領域24B)に複数のプランが表示されているか否かを判定する。
【0125】
これは、第2表示部26の特定表示領域26Bに表示されるプランの数(本実施形態では2つ)が第1表示部24の特定表示領域24Bに表示されるプランの数(本実施形態では3つ)よりも少ないため、第1表示部24に対して追加プランがなくても、第1表示部24に複数のプランが表示されていれば、第2表示部26に対する追加プランは存在することになるためである。
【0126】
したがって、CPU30は、ステップS118で肯定判定された場合には、ステップS120で、第2表示指示部58の機能により、第2表示部26のみ、追加される第3プランP3のフェードイン処理が行われる。具体的には、追加される第3プランP3が表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、第2プランP2の上の位置で第3プランP3の表示濃度を徐々に上げて他のプラン(第2プランP2)の表示濃度まで上げて、第2プランP2の上に第3プランP3を表示させる。すなわち、図7(A)に示すように、車両12の現在位置において、最も早く実施予定の2つのプラン(第2プランP2、第3プランP3)が表示されることになる(特定表示領域26Bに表示されるプランが更新されることになる)。
【0127】
なお、CPU30は、ステップS118て否定判定された場合には、ステップS122に移行する。
【0128】
続いて、CPU30は、ステップS122で、第1表示部24(特定表示領域24B)に実施予定のプランが残っているか否かを判定する。ステップS122で肯定判定された場合には、このプランの表示処理が必要であるため、ステップS108に戻る。
【0129】
ステップS122で否定判定された場合には、第1表示部24及び第2表示部26の特定表示領域24B、26Bに表示されたプランが無いので、表示処理を終了する。
【0130】
以上のように、本実施形態に係る車両用表示装置10では、動作が開始されたトッププラン(例えば、第1プランP1)が第1表示部24及び第2表示部26においてフェードアウト処理される。具体的には、第1表示部24の表示領域24Aの特定表示領域24B及び第2表示部26の表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、トッププラン(例えば、第1プランP1)の表示濃度が徐々に低下されてトッププランが消去される。
【0131】
このように、第1表示部24、第2表示部26において特定表示領域24B、26Bに表示されたトッププラン(例えば、第1プランP1)を消去する際に、フェードアウト処理(特定表示領域24B、26Bにおいてトッププランの表示濃度を徐々に低下させて消去)されるため、運転席の乗員が第1表示部24及び第2表示部26からトッププランが消去されることを確実に把握することができる。
【0132】
したがって、例えば、第1表示部24の特定表示領域24B又は第2表示部26の特定表示領域26Bに、連続して同一(同種類)のプラン(例えば、右側車線への車線変更)が表示されている場合でも、プランの表示が更新された(トッププランが消去された)ことを乗員が把握できないということが防止又は抑制できる。
【0133】
また、第1表示部24又は第2表示部26の特定表示領域24B、26Bにおいてプランの表示を更新する際、トップアクションプランの移動(消去)後に、残ったプランを下方に移動(スライド)させる(一段ずつ下げる)と共に、追加プランをフェードイン処理(追加プランの表示濃度を徐々に上げる)で追加表示するため、乗員にプランの追加(プランの表示の更新)を確実に把握させることができる。
【0134】
さらに、第1表示部24のインストルメントパネル14において運転席の乗員の正面上部に配置されているため、また、第2表示部26はウインドシールドガラス18において運転席の乗員の正面に配置されている。したがって、第1表示部24、第2表示部26の特定表示領域24B、26Bに表示されたプランの更新を運転席の乗員は視線を余り動かくことなく、視認することができる。すなわち、運転席の乗員はプランの更新を視認しやすい。
【0135】
さらにまた、車両12は、このような車両用表示装置10を有するため、乗員は実施予定のプラン(動作(車線変更や車線合流等)の実施予定順を容易に把握することができると共に、そのプランの表示の更新を確実に把握することができる。
【0136】
(第1バリエーション)
【0137】
本実施形態の第1バリエーションの車両用表示装置10Aについて説明する。第1実施形態との差異は、トッププランのフェードアウト処理の仕方のみなので、この点のみを図10を参照して説明する。
【0138】
第1バリエーションに係る車両用表示装置10Aでは、トッププランである第1プランP1の動作が開始され、第1表示部24の表示領域24Aの特定表示領域24B上でフェードアウト処理される第1プランP1が、フェードアウト処理前に強調表示(例えば、点滅処理(図10、第1表示部24の太線部参照))される。
【0139】
なお、第1バリエーションに車両用表示装置10では、第1表示部24、第2表示部26において、第1実施形態と同様に、特定表示領域24B、26Bにおいてトッププランである第1プランP1がすでに拡大表示されているため、この強調表示は拡大表示以外の強調表示を意味する。しかし、第1実施形態のように、トッププランである第1プランP1が拡大表示されていない場合には、この強調表示に拡大表示も含まれる。
【0140】
これにより、乗員は第1プランP1の動作が開始(実施)されていること、及び第1プランP1の表示が消去されることを一層確実に把握できる。
【0141】
(第2バリエーション)
【0142】
本実施形態の第2バリエーションの車両用表示装置について説明する。第2バリエーションに係る車両用表示装置10Bは、その機能構成が車両用表示装置10と若干異なることなり、表示処理が異なる。この相違点に関して説明する。
【0143】
事前に運行計画で設定されていたプランと異なるプランが追加で必要となった場合に、当該プラン(以下、「追加プラン」という場合がある)を追加で表示する場合の表示処理について図11のフローチャート及び図12図15を参照して説明する。
【0144】
先ず、車両用表示装置10Bの機能構成について説明する。第1実施形態の車両用表示装置10の機能構成と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0145】
車両用表示装置10Bは、図12に示すように、第3判定部66を有する。第3判定部66は、運行計画設定部52で新たに生成されたプラン(追加プラン)があるか否かを判定する機能と、追加プランを第1表示部24及び第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bに挿入表示しなければならないかを判定する機能を有する。
【0146】
具体的には、第3判定部66は、運行計画設定部52で当初のプラン以外のプランが追加(生成)された場合に、追加プランが生成されたと判定する。また、第3判定部66は、この場合に、追加プランの実施予定順位が第1表示部24の特定表示領域24Bで表示されるプラン数(本バリエーションでは、3)、第2表示部26の特定表示領域26Bで表示されるプラン数(本バリエーションでは、2)以下であるか否かで、各特定表示領域24B、26Bに挿入表示必要か否かを判定する。
【0147】
(作用)
【0148】
車両用表示装置10Bでは、以下のような表示処理が行われる。
【0149】
先ず、CPU30は、ステップS202で、第3判定部66の機能により、運行計画設定部52で追加プランが生成されたか否かを判定する。具体的には、CPU30は、運行計画設定部52の機能により、運行計画にない車両挙動(車両操作)を検出すると、それに伴って追加するプランが必要か否かを判定し、必要な場合には追加するプランが生成される。CPU30は、この追加プランの生成を検出した場合に、追加プランが生成されたと判定する。
【0150】
例えば、車両12が、図1の状態で、前方の車両(映像V3で表示)が急減速したため、車両12の乗員が手動で自車両(映像V1で表示)を左側に車線変更した場合、元の車線に復帰するために右側への車線変更を追加する必要がある。このような場合に、追加プラン(右側車線への車線変更)が生成される。
【0151】
CPU30は、ステップS202で否定判定された場合には、処理を終了する。
【0152】
続いて、CPU30は、ステップS202で肯定判定された場合には、ステップS204で、第3判定部66の機能により、プラン(第5プランP5)を第1表示部24、第2表示部26の特定表示領域24B、26Bにそれぞれ挿入する必要があるか否かを判定する。
【0153】
これは、例えば、追加プランが実施予定のプランの実施予定順位の四番目以降であれば、トッププラン(第1プランP1)が消去された後に、通常のフェードイン処理で表示すれば良い(図9のフローチャートのステップS116(図6(B)参照)と同様)ためである。
【0154】
例えば、上記のように、車両が手動で左側に車線変更したため、右側車線への車線変更が追加された場合には、少なくとも右側合流(第2プランP2)の前に右側車線への車線変更を行う必要があるため、追加プランである第5プランP5は、実施予定距離が第2プランの実施予定距離200mよりも手前の150mに設定される。
【0155】
CPU30は、第3判定部66の機能により、追加プランである第5プランP5の実施予定距離が第2プランP2の実施予定距離よりも小さい値であることから第2プランP2の前に挿入必要であると判定する。
【0156】
CPU30は、ステップS204で否定判定された場合には、表示処理を終了する。
【0157】
CPU30は、ステップS204で肯定判定された場合には、ステップS206で、第1表示部24、第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bに最上部に表示された実施予定が最も遅いプラン(以下、「ラストプラン」という)のフェードアウト処理を行う。
【0158】
すなわち、図13(B)に示すように、第1表示指示部56の機能により、第1表示部24の表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、ラストプランである第3プランP3の表示濃度が徐々に低下されて消去される。
【0159】
同様に、図13(A)に示すように、第2表示指示部58の機能により、第2表示部26の表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、ラストプランである第2プランP2の表示濃度が徐々に低下されて消去される。
【0160】
次に、CPU30は、ステップS208で、第1表示指示部56及び第2表示指示部58の機能により、特定表示領域24B、26Bにおいて、追加プランの挿入位置よりも上方に表示スペースがある場合には、スライド処理を行う。
【0161】
具体的には、図14(B)に示すように、第1表示部24の特定表示領域24Bにおいて、第5プランP5の挿入位置よりも上方に表示可能な第2プランP2が上方に移動する。
【0162】
なお、図14(A)に示すように、第1表示部26では、特定表示領域26Bにおいて第5プランP5の挿入位置の上方に他のプランを表示するスペースはないため、スライド処理は実施されない。
【0163】
続いて、CPU30は、ステップS210で、追加プランである第5プランP5のフェードイン処理を行う。
【0164】
具体的には、図14(B)に示すように、第1表示指示部56の機能により、第1表示部24の表示領域24Aの特定表示領域24Bにおいて、第1プランP1とスライドさせた第2プランP2との間の位置で第5プランP5の表示濃度を徐々に上げて他のプラン(第1プランP1、第2プランP2)の表示濃度まで上げる。この結果、図15(B)に示すように、特定表示領域24Bにおいて、第1プランP1と第2プランP2との間に第5プランP5が挿入(表示)される。
【0165】
同様に、図14(A)に示すように、第2表示指示部58の機能により、第2表示部26の表示領域26Aの特定表示領域26Bにおいて、第1プランP1の上の位置で第5プランP5の表示濃度を徐々に上げて他のプラン(第1プランP1)の表示濃度まで上げる。この結果、図15(A)に示すように、特定表示領域24Bの内部で第1プランP1の上に第5プランP5が挿入(表示)される。
【0166】
このように、第2バリエーションに係る車両用表示装置10では、車両の挙動(乗員の操作)等により追加プランが発生し、第1表示部24の特定表示領域24B、第2表示部26の特定表示領域26Bに追加プラン(一例として第5プランP5)が挿入される場合には、特定表示領域24B、26Bからラストプラン(第3プランP3、第2プランP2)をそれぞれフェードアウト処理で消去し、必要な場合にはスライド処理を行い(第2プランP2を上部に移動させ)、追加プラン(第5プランP5)を特定表示領域24B、26Bにフェードイン処理で挿入している。
【0167】
これにより、乗員はラストプランが表示から消去されたこと、及び追加プラン(第5プランP5)が挿入されたことを確実に認識することができる。すなわち、運転者はプランが追加されたことを確実に認識できる。
【0168】
特に、追加プラン(第5プランP5)がフェードイン処理で特定表示領域24B、26Bに挿入されるため、複数表示されているプランのどの位置に挿入されたか、乗員が明確に認識することができる。
【0169】
なお、追加プランの「挿入」には、複数のプランの間に追加プランが挿入される場合だけでなく、図15(A)に示すように、特定表示領域24B、26Bに並べて表示された複数のプランの端部(の位置)に挿入される場合も含む。
【0170】
[第2実施形態]
【0171】
第2実施形態に係る車両用表示装置100について説明する。第1実施形態に係る車両用表示装置10と同様の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0172】
また、車両用表示装置10との差異は、表示処理の方法のみなので、当該部分についてのみ図16に示すフローチャート及び図17を参照して説明する。
【0173】
車両用表示装置100における表示処理の前半は、車両用表示装置10の表示処理と全く同じ(図8参照)なので、図8のフローチャートで説明の代用とする。また、図16のフローチャートにおいて、車両用表示装置10の表示処理と同様のステップには、同一のステップ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0174】
CPU30は、ステップS108(図8参照)で、トッププラン(第1プランP1)の動作が開始されたと判定されると、図16のステップS302で、第1表示指示部56及び第2表示指示部58の機能により、第1表示部24、第2表示部26の各表示領域24A、26Aにおいて、それぞれ第1プランP1を特定表示領域24B、26Bから左側(外側)に移動させて、道路映像R上に位置させる(図17(A)、(B)参照)。
【0175】
次に、CPU30は、ステップS204で、第1表示指示部56、第2表示指示部58の機能により、第1表示部24の表示領域24A及び第2表示部26の表示領域26Aで道路映像R上に位置した第1プランP1をフェードアウト処理でそれぞれ消去する。
【0176】
これと同時に、CPU30は、第1表示部24及び第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bで、残ったプラン(第2プランP2及び第3プラン、又は第2プラン)を下方に移動(スライド)させると共に、追加プランが存在する場合には追加プラン(第4プランP4、又は第3プランP3)をフェードイン処理で特定表示領域24B、26Bの最上段に表示する(ステップS112~ステップS116)。
【0177】
このように表示処理を行う車両用表示装置100によれば、実施開始されたトッププラン(第1プランP1)が道路映像R上に移動されるため、乗員は動作が実施されているプランを乗員が確実に把握することができる。
【0178】
例えば、トッププランと、その次(二番目)に実施予定のプランが同一種類のプラン(右側車線への車線変更)である場合、動作開始に伴って特定表示領域24B、26Bからトッププランを消去してプランの表示を更新するだけだと、動作が開始されたプランが次のプランであると乗員に誤解されるおそれがある。
【0179】
しかし、この車両用表示装置100では、動作が開始されたトッププラン(第1プランP1)を第1表示部24、第2表示部26の各表示領域24A、26Aに表示された道路映像R上に移動させることで、動作が実施されているプランがどれであるか乗員が確実に把握することができる。
【0180】
なお、車両用表示装置100は、車両用表示装置10と同様の作用効果を有する。
【0181】
(その他)
【0182】
以上、実施形態に係る車両用表示装置及び表示処理方法について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、第1表示部24をインストルメントパネル14における運転席の車両前方に設け、第2表示部26をヘッドアップディスプレイ装置44によって投影された投影面としたが、これに限定されない。すなわち、第1表示部をインストルメントパネル14の車両幅方向中央部に設けたセンタディスプレイとしてもよい。また、第2表示部をインストルメントパネル14におけるステアリングホイール16の車両前方側に設けてもよい。
【0183】
また、第1実施形態(第1、第2バリエーションを含む(以下、同じ))及び第2実施形態では、強調表示部60の機能により、第1表示部24及び第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bにおいてトッププランが拡大表示されていたが、必須ではない。すなわち、第1表示部24及び第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bにおいて、複数の全プランは同一の大きさで表示されていても良い。
【0184】
さらに、第1実施形態の第1バリエーションでは、トッププランをフェードアウト処理する際に、トッププランを点滅表示することで強調表示したが、これに限定されず、他の方法で強調表示を行ってもよい。例えば、色及びトーンなどを変化させることで強調表示を行ってもよい。また、プランの輝度を上げる方法などによって強調表示させてもよい。第1表示部24及び第2表示部26の各特定表示領域24B、26Bにおいて、複数の全プランが同一の大きさで表示されている(トッププランが拡大表示されていない)場合には、トッププランがフェードアウト処理される際、トッププランを拡大表示することで強調表示しても良い。
【0185】
さらにまた、上記実施形態では、プランとして、車両12の動作までの距離、車両の走行予定経路、及び運転の種別の3つの情報を表示したが、これに限定されない。例えば、制限速度などの情報を表示させてもよいが、表示を見やすくする観点で、上記3つの情報のみを表示させるのが好ましい。また、走行予定経路の表示は、図4~6に示した模式図に限定されず、他のアイコンなどによって表示させてもよい。
【0186】
また、上記実施形態では、第2表示指示部58は、第2表示部26に直近の2つのプランを表示したが、これに限定されない。例えば、第2表示指示部58は、直近の3つ以上のプランを第2表示部26に表示してもよい。
【0187】
さらに、上記実施形態では、第1表示部24及び第2表示部26の特定表示領域24B、26Bに実施予定順に下方から上方に複数のプランを表示したが、この方向に限定するものではない。例えば、第1表示部24及び第2表示部26の特定表示領域24B、26Bに、実施予定順に上方から下方に複数のプランを表示しても良い。
【0188】
さらにまた、上記実施形態では、第1表示部24及び第2表示部26の各表示領域24A、26Aにそれぞれ複数のプランを表示したが、第2表示部26は直近のトッププランのみ表示する構成でも良い。
【0189】
またさらに、上記実施形態では、第1表示部24及び第2表示部26の各表示領域24A、26Aでプランのフェードアウト処理、スライド処理、フェードイン処理を行ったが、第1表示部24及び第2表示部26のいずれか一方だけ上記処理を実施する構成でも良い。また、第1表示部24及び第2表示部26では、トッププランのフェードアウト処理だけが必須であり、スライド処理、追加プランのフェードイン処理は省略可能である。
【0190】
一連の実施形態では、フェードアウト処理を特定表示領域24B、26B内のプランの表示濃度を徐々に低下させて消去させる画像表示処理として記載したが、これに限定されるものではない。例えば、プランを表示領域24A、26A内で特定表示領域24B、26Bの外部まで移動させた後、消去させる処理でも良い。この場合には、移動中にプランの表示濃度を徐々に低下させても良いし、表示濃度一定で移動し、移動後に消去させる構成でも良い。
【0191】
フェードイン処理も同様であり、特定表示領域24B、26B内のプランの表示濃度を徐々に上げて表示させる画像表示処理として記載したが、これに限定されるものではない。例えば、表示領域24A、26A内で特定表示領域24B、26Bの外部に表示させたプランを特定表示領域24B、26Bの内部に移動させる処理でも良い。この場合には、移動中にプランの表示濃度を徐々に上昇させても良いし、移動中の表示濃度は一定でも良い。
【0192】
第1実施形態であれば、図18(B)に示すように、トッププランである第1プランP1をフェードアウト処理する場合、第1プランP1が表示領域24Aにおいて特定表示領域24Bから左側に移動した後、消去させることが考えられる。同様に、図19(B)に示すように、追加プランである第4プランP4をフェードイン処理する場合、第4プランP4を表示領域24Aにおいて特定表示領域24Bの左側から特定表示領域24Bの内部に移動させた後、消去させることが考えられる。
【0193】
図18(A)、図19(A)に示すように、第2表示部26でも第1表示部24と同様に画像表示処理を実施することが考えられる。
【0194】
第1実施形態、第2実施形態の車両用表示装置では、トッププランの動作開始タイミングでトッププランのフェードアウト処理が開始されたが、トッププランのフェードアウト処理の開始条件は、これに限定されるものではない。例えば、トッププランのフェードアウト処理の開始条件を、トッププランの動作完了タイミングとしても良いし、車両12が実施予定位置を通過するタイミングとしても良い。このフェードアウト処理の開始条件は、トッププランに関連した条件であれば特に限定するものではない。なお、これらの開始条件が、「所定条件」に相当する。
【0195】
また、第1実施形態、第2実施形態の説明図では、トッププランの実施予定位置(0m)でフェードアウト処理が開始されるように記載したが、これに限定されるものではない。例えば、第1プランP1の右側車線への車線変更が実施予定位置よりも前で方向指示器の点滅が開始されるものであれば、その方向指示器の点滅開始位置(点滅開始時点)からフェードアウト処理を開始すれば良い。
【0196】
さらに、一連の実施形態では、説明の便宜上、第1表示部24、第2表示部26の各表示領域24A、26Aにおいて、プランのフェードアウト処理と、スライド処理、フェードイン処理を異なるタイミングで行うように記載したが、これらの処理を同時に行っても良い。
【0197】
一連の実施形態では、フェードアウト処理は、説明の便宜上、プランが一定の濃度のまま特定表示領域24B、26Bの外側まで移動してから消去するように図示したが、移動しながら濃度を薄めていって消去する処理でも良い。
【0198】
なお、画面表示された道路の状況やプランの種類、距離等は、あくまでも説明の便宜上記載されたものであり、実際の路面状況と一致していない場合がある。
【0199】
また、上記実施形態でCPU30がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実施した表示処理を、CPU30以外の各種のプロセッサが実施してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実施させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、表示処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実施してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実施してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0200】
さらに、上記実施形態では、ストレージ36に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。
【符号の説明】
【0201】
10 車両用表示装置
12 車両
14 インストルメントパネル
24 第1表示部(表示部)
24A、26A 表示領域
26 第2表示部(表示部、投影面)
28 ECU(制御部)
44 ヘッドアップディスプレイ装置
P1~P5 プラン
R 道路映像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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