(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-07-07
(45)【発行日】2025-07-15
(54)【発明の名称】旅行情報通知装置、旅行情報通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20250708BHJP
G06Q 50/43 20240101ALI20250708BHJP
【FI】
G06Q50/14
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2021171827
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉尾 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 啓明
(72)【発明者】
【氏名】中山 展空
(72)【発明者】
【氏名】元田 彰拓
(72)【発明者】
【氏名】水野 遼
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-005703(JP,A)
【文献】特開2008-192088(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039957(WO,A1)
【文献】特開2004-233333(JP,A)
【文献】特開2019-008659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから旅行費用の通知指示を受け付ける受付部と、
ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得する条件取得部と、
前記条件取得部により取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得するレンタカー標準費用取得部と、
前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得する空車率取得部と、
前記レンタカー標準費用取得部で取得した標準費用に対して、前記空車率取得部で取得した空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出する旅行費
用算出部と、
前記旅行費用算出部で算出された複数の地域の旅行費用を通知する通知部と、
を有する旅行情報通知装置。
【請求項2】
プロセッサにより、
ユーザから旅行費用の通知指示を受け付け、
ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得し、
取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得し、
前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得し、
取得した前記標準費用に対して、取得した前記空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出し、
算出された複数の地域の旅行費用を通知する、
旅行情報通知方法。
【請求項3】
プロセッサにより、
ユーザから旅行費用の通知指示を受け付け、
ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得し、
取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得し、
前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得し、
取得した前記標準費用に対して、取得した前記空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出し、
算出された複数の地域の旅行費用を通知する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行情報通知装置、旅行情報通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、消費者(ユーザ)が複数の目的地を含む旅程工程の旅行計画を行うための多目的地旅行計画方法が開示されている。具体的には、特許文献1では、ユーザが目的地エリア及び旅行開始日を入力することで、目的地エリアの地図とカレンダを表示させて、ユーザが詳細な目的地と滞在期間を入力できるようなユーザインタフェースが用意されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の旅行計画方法では、ユーザが旅行先を決定していることが前提となる。このため、旅行先が決まっていないユーザが低予算で旅行を計画するには改善の余地がある。
【0005】
本発明は、旅行先が決まっていないユーザが低予算で旅行を計画することが可能な旅行情報通知装置、旅行情報通知方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る旅行情報通知装置は、ユーザから旅行費用の通知指示を受け付ける受付部と、ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部により取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得するレンタカー標準費用取得部と、前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得する空車率取得部と、前記レンタカー標準費用取得部で取得した標準費用に対して、前記空車率取得部で取得した空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出する旅行費用算出部と、前記旅行費用算出部で算出された複数の地域の旅行費用を通知する通知部と、を有する。
【0018】
請求項2に係る旅行情報通知方法は、プロセッサにより、ユーザから旅行費用の通知指示を受け付け、ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得し、取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得し、前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得し、取得した前記標準費用に対して、取得した前記空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出し、算出された複数の地域の旅行費用を通知する。
【0019】
請求項3に係るプログラムは、プロセッサにより、ユーザから旅行費用の通知指示を受け付け、ユーザが設定した、自宅からの距離及び旅行先の地域を含む検索条件を取得し、取得した条件を満たす複数のレンタカー事業所に対して、当該レンタカー事業所ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得し、前記レンタカー事業所ごとの空車率を所定のデータベースを参照することで取得し、取得した前記標準費用に対して、取得した前記空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を前記レンタカー事業所ごとに算出し、当該レンタカー費用を加えた旅行費用を算出し、算出された複数の地域の旅行費用を通知する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る旅行情報通知装置、旅行情報通知方法及びプログラムによれば、旅行先が決まっていないユーザが低予算で旅行を計画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る旅行情報通知装置を含むシステムの概略図である。
【
図2】実施形態に係る旅行情報通知装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る旅行情報通知装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る旅行情報通知装置によって携帯端末に表示された表示画面の一例である。
【
図5】実施形態における旅行費用通知処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施形態に係る旅行情報通知装置10について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、旅行情報通知装置10を含むシステムSである。この
図1に示されるように、旅行情報通知装置10は、ネットワークNを介して複数のレンタカー事業所12と通信可能とされている。また、旅行情報通知装置10は、携帯端末Pと通信可能に構成されている。
【0024】
レンタカー事業所12はそれぞれ、旅行先として設定されている所定の地域に位置する事業所であり、貸出対象の車両を複数保有している。なお、ここでいうレンタカー事業所12とは、特定の会員同士でシェアリングを行う車両を保有している事業所を広く含む概念である。
【0025】
また、レンタカー事業所12にはそれぞれ、車両の貸出費用が設定されている。車両の貸出費用は、地域及び車種などに応じて異なっており、レンタカー事業所12ごとに標準の貸出費用が設定されている。
【0026】
さらに、レンタカー事業所12はそれぞれ、周辺の旅行先に関する費用などの旅行情報を保有している。旅行情報は、旅行代理店から取得した情報であってもよい。
【0027】
ここで、本実施形態の旅行情報通知装置10は、レンタカー事業所12ごとに設定されたレンタカー費用を含む旅行費用を取得し、ユーザへ通知する。
【0028】
(旅行情報通知装置10のハードウェア構成)
図2は、旅行情報通知装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図2に示されるように、旅行情報通知装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)20、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、ストレージ26、通信I/F(通信インタフェース)28及び入出力I/F(入出力インタフェース)30を含んで構成されている。各構成は、バス32を介して相互に通信可能に接続されている。
【0029】
CPU20は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20は、ROM22又はストレージ26からプログラムを読み出し、RAM24を作業領域としてプログラムを実行する。CPU20は、ROM22又はストレージ26に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0030】
ROM22は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM24は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ26は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。本実施形態では、ROM22又はストレージ26には、旅行情報通知処理を行うためのプログラム及び各種データなどが格納されている。
【0031】
通信I/F28は、旅行情報通知装置10が外部サーバ及び他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)などの規格が用いられる。
【0032】
入出力I/F30は、旅行情報通知装置10の周辺機器と電気的に接続されるインタフェースである。例えば、入出力I/F30には、情報を表示するためのディスプレイ、及び旅行情報通知装置10へ入力するためのキーボードなどが接続されていてもよい。
【0033】
(旅行情報通知装置10の機能構成)
旅行情報通知装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。旅行情報通知装置10が実現する機能構成について
図3を参照して説明する。
【0034】
図3に示されるように、旅行情報通知装置10は、機能構成として、受付部48、条件取得部50、レンタカー標準費用取得部52、空車率取得部54、旅行費用算出部56、及び通知部58を含んで構成されている。なお、各機能構成は、CPU20がROM22又はストレージ26に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0035】
受付部48は、ユーザから旅行費用の通知指示を受け付ける。本実施形態では一例として、受付部48は、ユーザから携帯端末Pを介して通知指示を受け付ける。例えば、受付部48は、携帯端末Pのアプリケーションから旅行費用の通知指示を受け付けてもよい。
【0036】
条件取得部50は、ユーザが設定した検索条件を取得する。検索条件は、例えば、自宅などの任意の場所からの距離、旅行費用の範囲、旅行先の地域などを含む。このため、ユーザが携帯端末Pを使って自宅から300km以内の条件を設定した場合、条件取得部50は、この条件を検索条件として取得する。
【0037】
レンタカー標準費用取得部52は、レンタカー事業所12ごとに設定されたレンタカーの標準費用を取得する。ここで、ユーザが指定した条件を満たすレンタカー事業所12のみから標準費用を取得してもよい。また、管理している全てのレンタカー事業所12ごとの標準費用が登録されたデータベースが図示しないサーバなどに記憶されている場合、レンタカー標準費用取得部52は、サーバからデータベースを取得することで、レンタカーの標準費用を取得してもよい。
【0038】
空車率取得部54は、レンタカー事業所12ごとの現在の空車率を取得する。例えば、管理している全てのレンタカー事業所12の空車率が登録されたデータベースを参照することでレンタカー事業所12ごとの空車率を取得してもよい。この場合、周期的に各レンタカー事業所12がデータベースへアクセスして空車率を更新するようにしてもよい。
【0039】
旅行費用算出部56は、レンタカーの空車率が高いほど費用が安くなるようにレンタカー事業所12ごとにレンタカー費用を含む旅行費用を算出する。すなわち、旅行費用算出部56は、レンタカー事業所12ごとに設定された標準費用に対して、空車率に基づいて設定された係数を乗じたレンタカー費用を算出し、このレンタカー費用を加えた旅行費用を算出する。
【0040】
例えば、レンタカー事業所12が保有しているレンタカーのうち、70%が貸し出されている場合、このレンタカー事業所12における空車率は30%となる。そして、空車率が30%の場合における係数を1と設定した場合、空車率が30%であれば、レンタカー費用は標準費用と同じとなる。また、本実施形態では、標準費用よりもレンタカー費用が高くしないため、空車率が20%の場合のように空車率が30%以下であれば、レンタカー費用は標準費用となる。
【0041】
一方、空車率が30%よりも多い場合、空車率が多いほど係数が小さくなる。例えば、空車率が70%の場合の係数を0.5とした場合、レンタカー費用は標準費用の半分となる。なお、本実施形態の旅行費用算出部56は一例として、レンタカーの空車率が大きくなるほど、係数を段階的に小さくする。
【0042】
また、本実施形態の旅行費用算出部56は、レンタカーの燃料費用を含んだ料金を旅行費用として算出する。具体的には、旅行先の情報と滞在期間に基づいて算出された平均的なレンタカーの走行距離から燃料費用を設定し、この燃料費用を旅行費用に加える。ここでいう燃料費用とは、ガソリン費用などに限定されず、モータを駆動源とする電気自動車の場合は、充電費用が燃料費用となる。また、燃料電池車両の場合、水素ガスなどの燃料の充填費用が燃料費用となる。
【0043】
さらに、ここでいう旅行費用とは、旅行先までの往復の交通機関の利用料金とレンタカー費用とを合わせた費用に限定されず、施設利用料を含めて費用としてもよい。また、2日以上の旅行であれば、宿泊費用も旅行費用に含まれる。
【0044】
本実施形態の旅行費用算出部56は、旅行先の宿泊料及び旅行先周辺における施設利用料を含んだ料金を旅行費用として算出する。ここでいう施設利用料とは、美術館、水族館、動物園などのような施設に入場するための料金に限定されず、飲食店における飲食費用及び売店などにおける物品購入費用の一部を負担する割引卷なども含まれる。
【0045】
通知部58は、ユーザへ複数の地域の旅行費用を通知する。具体的には、通知部58は、ユーザが設定した検索条件を満たす情報のみを通知する。本実施形態では一例として、通知部58は、ユーザが所持している携帯端末Pへ情報を送信することで携帯端末Pの表示画面に情報を表示させる。
【0046】
図4には、携帯端末Pの表示画面に表示された情報の一例が示されている。この
図4に示されるように、通知部58は、タイトル、料金、割引率、旅程詳細及び周辺道路情報を含む情報を携帯端末Pに表示させる。
【0047】
タイトルの欄には、旅行の概要を把握できる内容が記載される。例えば、タイトルとして、旅行先の地名、施設名称などが含まれた内容を表示してもよい。料金の欄に、旅行費用算出部56で算出された割引後の費用が記載されている。また、割引率の欄には、レンタカーの標準費用に対する割引率が記載されている。すなわち、本実施形態では、通知部58は、旅行費用と共に、レンタカーの標準費用に対する割引率を通知する。なお、通知部58は、割引率に代えて、標準費用に対する割引料金を通知してもよい。
【0048】
旅程詳細の欄には、旅行の詳細情報が記載されている。また、周辺道路情報の欄には、旅行先周辺における走行路に関する情報が記載されている。例えば、通知部58は、道幅の広い道路が多いことなどを記載してもよい。また、通知部58は、景色が良い山道などの情報を記載してもよい。
【0049】
(作用)
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0050】
(旅行情報通知処理の一例)
本実施形態に係る旅行情報通知装置10における旅行情報通知処理の一例について、
図5に示されるフローチャートを用いて説明する。この旅行情報通知処理は、CPU20がROM22又はストレージ26からプログラムを読み出して、RAM24に展開することによって実行される。
【0051】
CPU20は、ステップS102で旅行費用の通知指示を受け付ける。具体的には、CPU20は、受付部48の機能によってユーザから携帯端末Pを介して旅行費用の通知指示を受け付ける。
【0052】
CPU20は、ステップS104で条件を取得する。具体的には、CPU20は、条件取得部50の機能によってユーザが設定した検索条件を取得する。ユーザは、条件を決定した状態で旅行費用の通知指示を行うため、条件取得部50は、通知指示と共に受信した条件を取得する。
【0053】
CPU20は、ステップS106で空車率が30%よりも多いか否かについて判定する。具体的には、CPU20は、ユーザが指定した条件を満たすレンタカー事業所12のそれぞれに対して、データベースから現在の空車率を取得し、空車率が30%以下である場合には、ステップS106が否定されてステップS110の処理へ移行する。
【0054】
一方、CPU20は、ステップS106でレンタカー事業所12の空車率が30%よりも多い場合、ステップS106が肯定されてステップS108の処理へ移行する。
【0055】
CPU20は、ステップS108で空車率に応じた割引率を考慮して旅行費用を算出する。具体的には、CPU20は、旅行費用算出部56の機能によって、割引後のレンタカー費用を含めた旅行費用を算出する。すなわち、CPU20は、旅行費用算出部56の機能によって、レンタカーの標準費用に対して空車率に応じた係数を乗じてレンタカー費用を算出する。また、CPU20は、旅行費用算出部56の機能によって、レンタカー事業所12の周辺の旅行先の旅行費用に対して、算出されたレンタカー費用を加えた費用を旅行費用とする。
【0056】
CPU20は、ステップS106が否定された場合、ステップS110でレンタカー費用を標準費用として旅行費用を算出する。
【0057】
CPU20は、ステップS112で旅行費用などをユーザへ通知する。具体的には、CPU20は、通知部58の機能によってユーザが所持する携帯端末Pの表示画面に旅行費用を表示させる。このとき、CPU20は、通知部58の機能によって、旅行費用に加えて、割引率、旅程詳細及び周辺道路情報などを表示させる。そして、CPU20は、旅行情報通知処理を終了する。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る旅行情報通知装置10では、レンタカー費用を含む旅行費用を複数の地域から取得してユーザへ通知する。また、レンタカー費用は、レンタカーの空車率が高いほど費用が安くなるように事業所ごとに設定されている。これにより、比較的人気が少ない地域では、標準費用よりも割引された旅行費用をユーザへ通知することができる。また、ユーザは、レンタカー費用を含む旅行費用を把握することができるため、旅行先での移動に要するコストを考えずに済む。
【0059】
また、本実施形態では、通知部58は、レンタカーの空車率を考慮しない標準費用で算出された費用に対する割引率を通知する。これにより、ユーザが割引の程度を把握することができ、割引されていることを実感することができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、旅行費用算出部56は、旅行費用にレンタカーの燃料費用を含んだ費用を算出するため、ユーザが燃料代を気にせずに旅行先でレンタカーを利用することができる。
【0061】
さらにまた、本実施形態では、通知部58は、ユーザが旅行先周辺の走行路に関する情報を受け取ることで、ユーザの運転技術に応じた旅行先を選択することができる。例えば、特定の地域において道幅の狭い道路が多いことをユーザへ通知することで、運転の経験が浅いユーザが当該地域を旅行先から外すことができる。
【0062】
また、本実施形態では、施設利用料を含んだ旅行費用とすることで、ユーザが旅行先で支払う費用を最小限にすることができ、ユーザに対して旅行に要する総額を容易に把握させることができる。
【0063】
以上、実施形態及び変形例に係る旅行情報通知装置10について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、旅行費用算出部56は、空車率が30%の場合における係数を1と設定し、空車率が30%以下の場合にレンタカー費用が標準費用となるように算出したが、これに限定されない。空車率が0%から100%までの範囲で段階的に標準費用に乗じる係数を変化させてもよい。
【0064】
また、旅行費用算出部56は、ユーザが指定した旅行日程におけるレンタカーの空車率を予測し、予測された空車率に応じて係数を変動させてもよい。例えば、数カ月先の繁忙期のおけるレンタカーの予約が少ない場合であっても、今後の予約を見越して空車率を予測し、旅行費用算出部56が予測された空車率に基づいて係数を算出してもよい。
【0065】
さらに、上記実施形態では、旅行費用算出部56は、レンタカーの空車率が高いほどレンタカー費用を安くし、このレンタカー費用に残りの旅行費用を加えた料金を算出したが、これに限定されない。例えば、レンタカーの空車率が高いほど小さくなる係数を設定し、レンタカー費用を含む旅行費用に当該係数を乗じて全体の旅行費用を算出してもよい。この場合、標準のレンタカー費用のみに係数を乗じて旅行費用を算出する場合と比較して、より割引額を大きくなり、ユーザに対してレンタカー空車率を考慮した旅行計画を促すことができる。
【0066】
さらにまた、上記実施形態では、車種にかかわらずにレンタカー費用に一定の係数を乗じたが、これに限定されない。例えば、車種ごとの空車率を取得し、旅行費用算出部56は、空車率の高い車種の方が旅行費用が安くなるように旅行費用を算出してもよい。この場合、人気の少ない車種ほどレンタカー費用が割り引かれるため、多くのユーザに乗車を促すことができ、レンタカーの利用率のばらつきを小さくすることができる。
【0067】
また、上記実施形態でCPU20がプログラムを読み込んで実行した処理を、CPU20以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、旅行情報通知処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよく、例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0068】
さらに、上記実施形態では、ストレージ26に種々のデータを記憶させる構成としたが、これに限定されない。例えば、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体を記憶部としてもよい。この場合、これらの記録媒体に各種プログラム及びデータなどが格納されることとなる。
【符号の説明】
【0069】
10 旅行情報通知装置
12 レンタカー事業所
20 CPU(プロセッサ)