(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】表示装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20250821BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20250821BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20250821BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20250821BHJP
G06F 3/041 20060101ALN20250821BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 342
G09F9/30 308Z
G02F1/1333
H04M1/02 C
G06F3/041 640
(21)【出願番号】P 2021089085
(22)【出願日】2021-05-27
【審査請求日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0065830
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】パク ビョンキュ
(72)【発明者】
【氏名】パク ソンジュン
(72)【発明者】
【氏名】イ ソクホ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンフン
【審査官】▲瀬▼戸井 綾菜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0341566(US,A1)
【文献】特開2019-035950(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0049925(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0082082(KR,A)
【文献】国際公開第2020/079883(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00- 9/46
B32B 1/00-43/00
G02F 1/133
1/1333
1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
H04M 1/02- 1/23
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸に沿って折りたたまれる折りたたみ領域を定義する表示パネルと、
前記表示パネルの下部に配置される接着層と、
前記接着層の下部に配置され、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域に重畳する第1支持部と、前記折りたたみ領域に重畳する第2支持部とを含む支持層と、
を含み、
前記第1支持部
は高分子フィルムを含み、前記第2支持部は
ガラス材質を含む表示装置。
【請求項2】
前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうち少なくともいずれか一つに重畳し、前記第1支持部、前記表示パネル、及び前記接着層を貫通するモジュール孔が定義される請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、非ベンディング部分、及び前記非ベンディング部分からベンディングされたベンディング部分を含み、
前記第1非折りたたみ領域、前記第2非折りたたみ領域、及び前記折りたたみ領域は前記表示パネルの前記非ベンディング部分に重畳する請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記支持層は、前記ベンディング部分の上に配置される補助支持部を更に含み、
前記補助支持部は前記第1支持部と同じ物質を有する請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記補助支持部は、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうちいずれか一つに重畳する請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1支持部は、前記第1非折りたたみ領域に重畳する第1支持部分、及び前記第2非折りたたみ領域に重畳する第2支持部分を含み、
前記第1支持部分及び前記第2支持部分それぞれは、前記第2支持部より大きい平面上の面積を有することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1支持部分、前記第2支持部分、及び前記第2支持部は、前記表示パネルの厚さ方向で同じ厚さを有する請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1支持部の上面と前記接着層との間に配置される第1コーティング部分、及び前記第1支持部の下面に配置される第2コーティング部分を含む静電気防止膜を更に含む請求項2に記載の表示装置。
【請求項9】
表示パネルの厚さ方向において、前記第1支持部の厚さは、前記第1コーティング部分及び前記第2コーティング部分の厚さの和より大きいことを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記モジュール孔に重畳し、前記支持層の下部に配置されるカメラモジュールを更に含む請求項2に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルの上部に配置される偏光層と、
前記偏光層の上部に配置されるウィンドウと、を更に含み、
前記モジュール孔は前記偏光層を貫通する請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
モジュール領域、及び前記モジュール領域を囲む表示領域を定義する表示パネルと、
前記表示パネルの下部に配置される接着層と、
前記接着層の下部に配置される支持層と、を含み、
前記モジュール領域に重畳し、前記支持層、前記接着層、及び前記表示パネルを貫通するモジュール孔が定義され、
前記支持層は、平面上において前記モジュール孔を囲む第1支持部、及び前記第1支持部に隣接し、前記第1支持部とは異なる物質を有する第2支持部を含
み、
前記表示領域は、第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸に沿って折りたたまれる折りたたみ領域を含み、
前記第2支持部は、前記折りたたみ領域に重畳し、
前記第1支持部は高分子フィルムを含み、前記第2支持部はガラス材質を含む表示装置。
【請求項13】
前記モジュール孔は、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうちいずれか一つに重畳する請求項
12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1支持部は、前記第1非折りたたみ領域の一部に重畳する第1支持部分、及び前記第2非折りたたみ
領域の一部に重畳する第2支持部分を含み、
前記第2支持部は、前記第1支持部分と前記第2支持部分との間に配置され、前記折りたたみ
領域、前記第1非折りたたみ領域の他の部分、及び前記第2非折りたたみ領域の他の部分に重畳する請求項
12に記載の表示装置。
【請求項15】
平面上において、前記第2支持部は、前記第1支持部分及び前記第2支持部分それぞれより大きい平面上の面積を有する請求項
14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第2支持部は、前記第1非折りたたみ領域、前記第2非折りたたみ領域、及び前記折りたたみ領域にそれぞれ重畳し、平面上において前記第1支持部を囲む請求項
13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第2支持部の厚さは25μm以上75μm以下であることを特徴とする請求項
12に記載の表示装置。
【請求項18】
第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸
に沿って折りたたまれる折りたたみ領域を定義する表示パネルを提供するステップと、
互いに同じ物質を有する第1支持部分及び第2支持部分を、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域それぞれに重畳するように前記表示パネルの下部に配置するステップと、
前記第1支持部分とは異なる物質を有する第3支持部分を前記折りたたみ領域に重畳する前記表示パネルの下部に配置するステップと、
レーザを介して前記第1支持部分及び前記第1非折りたたみ領域に重畳する前記表示パネルを貫通するモジュール孔を形成するステップと、を含
み、
前記
第1支持部分及び前記第2支持部分は高分子フィルムを含み、前記第3支持部分はガラス材質を含む表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1支持部分及び前記第2支持部分は同じ工程によって前記表示パネルの前記下部に配置され、
前記第3支持部分は前記第1支持部分とは異なる工程を介して前記表示パネルの前記下部に配置される請求項
18に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳しくは、折りたたみ可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機などのようなマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。表示装置の入力装置として、キーボードまたはマウスなどを含む。また、最近、表示装置は入力装置として入力感知層を備えている。
【0003】
最近、平面表示装置とは異なって多様な形態の表示装置が開発されている。例えば、カーブド表示装置、ベンディング型表示装置、フォールダブル表示装置、ローラブル表示装置、及びストレッチャブル表示装置などのような多様なフレキシブル表示装置が開発されている。特に、折りたたみ軸を基盤に折りたたみ可能なフォールダブル表示装置が開発されている。
【0004】
一方、フォールダブル表示装置の場合、多数の折りたたみ動作のため表示装置の折りたたみ部分で一部シワの寄った部分が発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、折りたたみ領域におけるシワを防止する支持層を含む表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するための一実施例による表示装置は、第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸に沿って折りたたまれる折りたたみ領域を定義する表示パネルと、前記表示パネルの下部に配置される接着層と、前記接着層の下部に配置され、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域に重畳する第1支持部と、前記折りたたみ領域に重畳する第2支持部とを含む支持層と、を含み、前記第1支持部と前記第2支持部は互いに異なる物質を含む。
【0007】
本発明の実施例によると、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうちいずれか一つに重畳し、前記第1支持部、前記表示パネル、及び前記接着層を貫通するモジュール孔が定義される。
【0008】
本発明の実施例によると、前記表示パネルは、非ベンディング部分、及び前記非ベンディング部分からベンディングされたベンディング部分を含み、前記第1非折りたたみ領域、前記第2非折りたたみ領域、及び前記折りたたみ領域は前記表示パネルの前記非ベンディング部分に重畳する。
【0009】
本発明の実施例によると、前記支持層は前記ベンディング部分の上に配置される補助支持部を更に含み、前記補助支持部は前記第1支持部と同じ物質を有する。
【0010】
本発明の実施例によると、前記補助支持部は、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうちいずれか一つに重畳する。
【0011】
本発明の実施例によると、前記第1支持部は、前記第1非折りたたみ領域に重畳する第1支持部分、及び前記第2非折りたたみ領域に重畳する第2支持部分を含み、前記第1支持部分及び前記第2支持部分それぞれは、前記第2支持部より大きい平面上の面積を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の実施例によると、前記第1支持部分、前記第2支持部分、及び前記第2支持部は、前記表示パネルの厚さ方向で同じ厚さを有する。
【0013】
本発明の実施例によると、前記第1支持部の上面と前記接着層との間に配置される第1コーティング部分、及び前記第1支持部の下面に配置される第2コーティング部分を含む静電気防止膜を更に含む。
【0014】
本発明の実施例によると、表示パネルの厚さ方向において、前記第1支持部の厚さは、前記第1コーティング部分及び前記第2コーティング部分の厚さの和より大きいことを特徴とする。
【0015】
本発明の実施例によると、前記モジュール孔に重畳し、前記支持層の下部に配置されるカメラモジュールを更に含む。
【0016】
本発明の実施例によると、前記表示パネルの上部に配置される偏光層と、前記偏光層の上部に配置されるウィンドウと、を更に含み、前記モジュール孔は前記偏光層を貫通する。
【0017】
本発明の実施例によると、前記第1支持部は高分子フィルムを含み、前記第2支持部はガラス材質を含む。
【0018】
本発明の目的を達成するための他の実施例による表示装置は、モジュール領域、及び前記モジュール領域を囲む表示領域を定義する表示パネルと、前記表示パネルの下部に配置される接着層と、前記接着層の下部に配置される支持層と、を含み、前記モジュール領域に重畳し、前記支持層、前記接着層、及び前記表示パネルを貫通するモジュール孔が定義され、前記支持層は、平面上において前記モジュール孔を囲む第1支持部、及び前記第1支持部に隣接し、前記第1支持部とは異なる物質を有する第2支持部を含む。
【0019】
本発明の実施例によると、前記表示領域は、第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸を基盤に折りたたまれる折りたたみ領域を含み、前記モジュール孔は、前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域のうちいずれか一つに重畳する。
【0020】
本発明の実施例によると、前記第1支持部は、前記第1非折りたたみ領域の一部に重畳する第1支持部分、及び前記第2非折りたたみ部分の一部に重畳する第2支持部分を含み、前記第2支持部は、前記第1支持部分と前記第2支持部分との間に配置され、前記折りたたみ部分、前記第1非折りたたみ領域の他の部分、及び前記第2非折りたたみ領域の他の部分に重畳する。
【0021】
本発明の実施例によると、平面上において、前記第2支持部は、前記第1支持部分及び前記第2支持部分それぞれより大きい平面上の面積を有する。
【0022】
本発明の実施例によると、前記第2支持部は、前記第1非折りたたみ領域、前記第2非折りたたみ領域、及び前記折りたたみ領域にそれぞれ重畳し、平面上において前記第1支持部を囲む。
【0023】
本発明の実施例によると、前記第1支持部はポリエチレンテレフタレートを含み、前記第2支持部はガラス材質を含み、前記第2支持部の厚さは25μm以上75μm以下であることを特徴とする。
【0024】
本発明の目的を達成するための他の実施例による表示装置の製造方法は、第1非折りたたみ領域、第2非折りたたみ領域、及び前記第1非折りたたみ領域と前記第2非折りたたみ領域との間に配置され、折りたたみ軸を基盤に折りたたまれる折りたたみ領域を定義する表示パネルを提供するステップと、互いに同じ物質を有する第1支持部分及び第2支持部分を前記第1非折りたたみ領域及び前記第2非折りたたみ領域それぞれに重畳するように前記表示パネルの下部に配置するステップと、前記第1支持部分とは異なる物質を有する第3支持部分を前記折りたたみ領域に重畳する前記表示パネルの下部に配置するステップと、レーザを介して前記第1支持部分及び前記第1非折りたたみ領域に重畳する前記表示パネルを貫通するモジュール孔を形成するステップと、を含む。
【0025】
本発明の実施例によると、前記第1支持部分及び前記第2支持部分は同じ工程によって前記表示パネルの前記下部に配置され、前記第3支持部分は前記第1支持部分とは異なる工程を介して前記表示パネルの前記下部に配置される。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施例によると、表示パネルを支持するメイン支持部は、互いに異なる異種の物質からなる第1支持部及び第2支持部を含む。第1支持部はレーザ照射が容易な物質を含み、第2支持部は表示装置にシワが寄ることを防止するためにガラス材質を含む。よって、表示装置の折りたたみ領域においてシワが寄る現象が全般的に改善され、モジュール孔を形成する工程の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例による表示装置の斜視図である。
【
図2a】本発明の実施例による折りたたみ軸を基盤に折りたたまれた表示装置の斜視図である。
【
図2b】本発明の実施例による折りたたみ軸を基盤に折りたたまれた表示装置の斜視図である。
【
図3】本発明の実施例による表示装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例による表示装置の断面図である。
【
図5】本発明の一実施例による支持層の斜視図である。
【
図6】本発明の実施例による
図5に示したI-I’に沿って切断した断面図である。
【
図7a】本発明の他の実施例による支持層の斜視図である。
【
図7b】本発明の実施例による
図7aに示したII-II’に沿って切断した断面図である。
【
図8a】本発明の他の実施例による支持層の斜視図である。
【
図8b】本発明の他の実施例による支持層の斜視図である。
【
図9a】本発明の他の実施例による表示装置の断面図である。
【
図9b】本発明の他の実施例による表示装置の断面図である。
【
図10a】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図10b】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図10c】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【
図10d】本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「接続される」、または「結合される」と言及された場合、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0029】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。
【0030】
「及び/または」は、関連する構成が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0031】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない限り、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0032】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0033】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語のような用語は、関連技術の脈絡での意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、理想的な、または過度に形式的な意味に解釈されない限り、明示的にここで定義される。
【0034】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施例による表示装置の斜視図である。
図2aは、本発明の実施例による折りたたみ軸を基盤に折りたたまれた表示装置の斜視図である。
図2bは、本発明の実施例による折りたたみ軸を基盤に折りたたまれた表示装置の斜視図である。
【0037】
本発明の実施例によると、折りたたみ可能な表示装置DDが例示的に示されているが、これに限らず、キーボード表示装置、ベンディング型表示装置、ローラブル表示装置、及びストレッチャブル表示装置などのような多様な表示装置に適用されてもよい。また、本発明による表示装置DDは、テレビまたは外部広告板のような大型電子装置をはじめ、携帯電話、パソコン、ノートパソコン、個人デジタル端末機、カーナビゲーションユニット、ゲーム機、携帯用電子機器、腕時計型電子機器、カメラのような中小型電子装置などに使用される。
【0038】
図1を参照すると、表示装置DDは、表示面の上で区分される複数の領域を含む。表示面は、イメージIMが実際に表示される表示領域DA及びイメージIMが表示されない周辺領域NDAに区分される。周辺領域NDAは、表示領域DAに隣接する。例えば、
図1に示した表示装置DDは四角形に提供されたスマートホンで提供されて、天気情報及びアイコンのイメージIMを表示してもよい。周辺領域NDAは表示領域DAに隣接するか、表示領域DAを囲むが、省略されてもよい。
【0039】
一方、表示面は、第1方向DR1及び第2方向DR2が定義する面と平行する。表示面の法線方向、つまり、表示装置DDの厚さ方向は第3方向DR3が指示する。本明細書内において、「平面上から見た際または平面上において」の意味は、第3方向DR3から眺める場合を意味する。以下で説明する各層またはユニットの前面(または上面)と背面(または下面)は、第3方向DR3によって区分される。しかし、第1乃至第3方向DR1、DR2、DR3が指示する方向は相対的な概念であって、他の方向、例えば、反対方向に変換されてもよい。
【0040】
本発明の実施例によると、表示装置DDは、折りたたみ軸FXに沿って折りたたまれる折りたたみ領域FA、第1非折りたたみ領域NFA1、及び第2非折りたたみ領域NFA2を含む。第1非折りたたみ領域NFA1及び第2非折りたたみ領域NFA2は、折りたたみ領域FAを間に挟んで第2方向DRAで離隔される。折りたたみ軸FXは、第1方向DR1と平行な方向である。
【0041】
表示装置DDの上面DD-USは、折りたたみ領域FAに重畳する第1表示面、第1非折りたたみ領域NFA1に重畳する第2表示面、及び第2非折りたたみ領域NFA2に重畳する第3表示面を含む。表示装置DDの下面DD-DSは、上面DD-USと対向する面である。第1乃至第3表示面は一つの映像を表示するか、それぞれ異なる映像を表示する。
【0042】
また、本発明によると、表示装置DDは表示領域DAによって囲まれたモジュール領域MAを更に含む。モジュール領域MAは、第1非折りたたみ領域NFA1及び第2非折りたたみ領域NFA2のうち少なくともいずれか一つの領域に重畳する。モジュール領域MAは、表示装置DDに含まれた電子モジュールと重畳する。例えば、電子モジュールはカメラ、スピーカ、光感知センサ、及び熱感知センサのうち少なくともいずれか一つを含む。
【0043】
例えば、
図2a及び
図2bを参照すると、本発明による表示装置DDは折りたたみ軸FXを基盤に両方向に折りたたまれてもよい。
【0044】
図2aを参照すると、折りたたみ領域FAは第2表示面及び第3表示面が互いに向かい合うように折りたたみ軸FXに沿って折りたたまれる。この場合、折りたたみ領域FAは第1回転軸RT1に沿って折りたたまれ、表示装置DDの下面DD-DSは外部に露出される。
【0045】
図2bの図示によると、折りたたみ領域FAは第2表示面及び第3表示面が外部に露出されるように折りたたみ軸FXに沿って折りたたまれる。この場合、折りたたみ領域FAは第2回転軸RT2に沿って折りたたまれ、表示装置DDの上面DD-USは外部に露出される。
【0046】
上述したように、表示装置DDは第1非折りたたみ領域NFA1の第2表示面と第2非折りたたみ領域NFA2の第3表示面が互いに向かい合うように折りたたみ軸FXに沿って折りたたまれるが、これを内側折りたたみ(inner folding)と定義する。また、表示装置DDは第1非折りたたみ領域NFA1の第2表示面と第2非折りたたみ領域NFA2の第3表示面が外部に向かうように折りたたみ軸FXに沿って折りたたまれてもよいが、これを外側折りたたみ(outer folding)と定義する。
【0047】
図3は、本発明の実施例による表示装置の分解斜視図である。
【0048】
図3を参照すると、表示装置DDは、ウィンドウWM、表示パネルDP、電子モジュールCM、及びケースBCを含む。ウィンドウWMとケースBCは結合されて表示装置DDの外観を定義する。
【0049】
ウィンドウWMは表示パネルDPの上に配置され、表示パネルDPの前面をカバーする。ウィンドウWMは光学的に透明な絶縁物質を含む。例えば、ウィンドウWMはガラスまたはプラスチックを含んでもよい。ウィンドウWMは多層または単層構造を有する。例えば、ウィンドウWMは、接着剤で結合された複数個のプラスチックフィルムの積層構造を有するか、接着剤で結合されたガラス基板とプラスチックフィルムの積層構造を有してもよい。
【0050】
ウィンドウWMは外部に露出される前面FSを含む。表示装置DDの表示面は、実質的にウィンドウの前面FSによって定義される。
【0051】
詳しくは、透過領域TAは光学的に透明な領域である。透過領域TAは、表示領域DAと対応する形状を有する。例えば、透過領域TAは表示領域DAの前面または少なくとも一部と重畳する。表示パネルDPの表示領域DAに表示されるイメージIMは、透過領域TAを介して外部から視認される。
【0052】
ベゼル領域BZAは、透過領域TAに比べ相対的に光透過率が低い領域である。ベゼル領域BZAは透過領域TAの形状を定義する。ベゼル領域BZAは、透過領域TAに隣接して透過領域TAを囲む。
【0053】
ベゼル領域BZAは、所定のカラーを有する。ウィンドウWMがガラスまたはプラスチック基板で提供されれば、ベゼル領域BZAはガラスまたはプラスチック基板の一面の上にプリントされたカラー層であるか、蒸着されたカラー層であってもよい。または、ベゼル領域BZAは、ガラスまたはプラスチック基板の該当領域を着色して形成されてもよい。
【0054】
ベゼル領域BZAは表示パネルDPの周辺領域NDAをカバーし、周辺領域NDAが外部から視認されることを遮断する。一方、これは例示的な図示であって、本発明の一実施例によるウィンドウWMにおいて、ベゼル領域BZAは省略されてもよい。
【0055】
本発明によると、表示パネルDPの前面は第1領域及び第1領域に隣接した第2領域を含む。第1領域はモジュール領域MA及びモジュール領域MAを囲む表示領域DAに対応し、第2領域は周辺領域NDAに対応する。表示領域DAは電気的信号によって活性化される領域である。モジュール領域MA及び第2領域は、映像が表示されない非表示領域と定義される。
【0056】
また、表示パネルDPの周辺領域NDAのうち一側はベンディングされた形状を有する。その結果、周辺領域NDAのうち一部は表示パネルDPの背面を向かうようになり、ウィンドウWMの前面におけるベゼル領域BZAが減少される。但し、これに限らず、表示パネルDPは、表示領域DA及び周辺領域NDAがウィンドウWMに向かう平坦な状態で組み立てられてもよい。
【0057】
モジュール領域MAは、表示領域DAに比べ同じ面積に対比して相対的に高い透過率を有する。モジュール領域MAは、後述する電子モジュールCMと平面上において重畳する位置に定義される。
【0058】
モジュール領域MAの少なくとも一部は、表示領域DAによって囲まれる。本実施例において、モジュール領域MAは周辺領域NDAから離隔される。モジュール領域MAは、表示領域DAによって全ての縁が囲まれるように表示領域DAの内部に定義されると示されている。
【0059】
表示パネルDPは、モジュール領域MA内に定義されて表示パネルDPを貫通するモジュール孔MHを含む。モジュール孔MHは表示パネルDPを貫通する。モジュール領域MAの縁は、実質的にモジュール孔MHの縁から所定間隔離隔されてモジュール孔MHの縁に沿って延長される。モジュール領域MAの縁はモジュール孔MHと対応する形状を有する。
【0060】
電子モジュールCMはウィンドウWMの下側に配置される。電子モジュールCMはモジュール領域MAに定義されたモジュール孔MHに重畳する。電子モジュールはモジュール領域MAを介して伝達される外部入力を受信するか、モジュール領域MAを介して出力を提供する。
【0061】
電子モジュールCMのうち外部入力を受信する受信部や出力を提供する出力部は、平面上においてモジュール領域MAに重畳する。電子モジュールCMの一部または全部はモジュール領域MAまたはモジュール孔MH内に収容される。本発明によると、電子モジュールCMが表示領域DAに重畳するように配置されることで、ベゼル領域BZAの面積が減る。
【0062】
一方、
図3を介して図示されていないが、表示装置DDは表示パネルDPとウィンドウWMとの間に配置され、外部入力を感知する入力感知層を更に含む。ここで、外部入力は、ユーザの身体の一部、スタイラスペン、光、熱、または圧力など、多様な形態の外部入力を含む。また、ユーザの手など身体の一部が接触する入力はもちろん、近接するか隣接する空間タッチ(例えば、ホバリング)も入力の一形態になり得る。また、表示装置DDが入力感知層を更に含めば、モジュール孔MHはモジュール領域MAに重畳する表示パネルDP及び入力感知層を貫通する。
【0063】
図4は、本発明の実施例による表示装置の断面図である。
【0064】
図4を参照すると、表示装置DDは、
図3を介して開示されていない第1接着層AM1、外光反射部材POL、第2接着層AM2、及び支持層PMの構成を更に含む。
【0065】
表示パネルDPは非ベンディング部分NBA及び前記非ベンディング部分NBAの一側からベンディングされたベンディング部分BAを含む。
図1を介して説明された表示装置DDの第1非折りたたみ領域NFA1、第2非折りたたみ領域NFA2、及び折りたたみ領域FAは、表示パネルDPの非ベンディング部分NBAに対応する。また、表示パネルDPの非ベンディング部分NBAは平坦部分を意味し、
図1で示した表示装置DDの表示領域DA及び周辺領域NDAに対応する。
【0066】
ベンディング部分BAは表示領域DDの周辺領域NDAに対応し、第2方向DR2に沿う非ベンディング部分NBAの一側からベンディングされた形状を有する。特に、ベンディング部分BAの一部分は、第3方向DR3で非ベンディング部分NBAと重畳する構造を有する。
図4に示したように、表示パネルDPのベンディング部分BAによって表示装置DDの前面における周辺領域NDAが減少する。
【0067】
一方、図示していないが、ベンディング部分BAの一端に外部回路基板が連結される。外部回路基板は、表示パネルDPの駆動に必要な複数個の駆動信号を、ベンディング部分BAを介して表示パネルDPの画素に伝達する。
【0068】
第1接着層AM1は表示パネルDPの非ベンディング部分NBAに重畳し、ウィンドウWMと外光反射部材POLとの間に配置される。第1接着層AM1は、光学透明接着フィルム(OCA、Optically Clear Adhesive film)、光学透明接着樹脂(OCR、Optically Clear Resin)、または感圧接着フィルム(PSA、Pressure Sensitive Adhesive film)のうちいずれか一つである。
【0069】
外光反射部材POLは表示パネルDPの非ベンディング部分NBAに重畳し、第1接着層AM1と表示パネルDPとの間に配置される。一例として、外光反射部材POLは偏光層であってもよく、外光反射部材POLによってウィンドウWMを介して入射する外部光の偏光が制御される。他の例として、外光反射部材POLは外光を吸収するカラーフィルタである。図示していないが、外光反射部材POLと表示パネルDPとの間に接着層が更に配置されてもよい。
【0070】
第2接着層AM2は、表示パネルDPの下部に配置される。一例として、第2接着層AM2は、表示パネルDPのベンディング部分BA及び非ベンディング部分NBAに全体的に重畳する。つまり、第2接着層AM2は非ベンディング部分NBAに重畳する第1接着部分と、ベンディング部分BAに重畳する第2接着部分を含む。他の例として、第2接着層AM2は非ベンディング部分NBAに重畳する第1接着部分と、ベンディング部分BAの一部分に重畳する第2接着部分を含む。この場合、第1接着部分と第2接着部分は互いに離隔される。
【0071】
第2接着層AM2も、光学透明接着フィルム(OCA)、光学透明接着樹脂(OCR)、または感圧接着フィルム(PSA)のうちいずれか一つである。
【0072】
支持層PMは、第2接着層AM2の下部に配置される。支持層PMは第2接着層AM2によって接着され、表示パネルDPの下部に配置される構造を有する。支持層PMは、表示パネルDPの非ベンディング部分NBAに重畳するメイン支持部PM1と、表示パネルDPのベンディング部分BAに重畳する補助支持部PM2を含む。
【0073】
本発明の実施例によると、支持層PMは表示パネルDPの下部に配置され、外部から表示パネルDPの破損を防止し、折りたたみ動作によって
図1に示した表示装置DDの折りたたみ領域FAにシワが寄ることを防止する。
【0074】
特に、本発明による支持層PMは、単一物質で提供されるのではなく、互いに異なる異種の物質を含む。例えば、支持層PMは、表示装置DDの折りたたみ領域FAに重畳する部分と、表示装置DDの非折りたたみ領域NFA1、NFA2に重畳する部分が互いに異なる物質を含んでもよい。つまり、繰り返しの折りたたみ動作によって表示装置DDの折りたたみ領域FAにシワが寄ることを防止するために、折りたたみ領域FAに重畳するメイン支持部PM1の物質と非折りたたみ領域NFA1、NFA2に重畳するメイン支持部PM1の物質が互いに異なる。以下、
図5を介してより詳しく説明する。
【0075】
図5は、本発明の一実施例による支持層の斜視図である。
図6は、本発明の実施例による
図5に示したI-I’に沿って切断した断面図である。
【0076】
図5を参照すると、メイン支持部PM1は第1支持部Pa、Pb、及び第2支持部Pcを含む。第1支持部Pa、Pbは第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbに区画され、第1支持部分Paと第2支持部分Pbとの間に第2支持部Pcが配置される。
【0077】
第1支持部分Paは第1非折りたたみ領域NFA1に重畳し表示パネルDPの下部に配置され、第2支持部分Pbは第2非折りたたみ領域NFA2に重畳し表示パネルDPの下部に配置される。第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbは第2方向DR2で互いに離隔される。
【0078】
モジュール孔MH(
図3を参照)は、第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbのうちいずれか一つに形成される。本明細書において、モジュール孔MHは第1支持部分Paを貫通して形成されると説明される。
【0079】
図6に示したように、一実施例によるモジュール孔MHは、第1支持部分Paと共に第2接着層AM2、表示パネルDP、外光反射部材POL、及び第1接着層AM1を貫通する貫通孔である。モジュール孔MHは、外部から照射されるレーザを介して形成される。実際に外部から映像が視認されるウィンドウWMを除いた表示装置DDの残りの構成にモジュール孔MHが形成される。電子モジュールCMは、モジュール孔MHに重畳するように第1支持部分Paの下部に配置される。電子モジュールCMはカメラモジュールであって、モジュール孔MHを介して光を出力及び受信する。
【0080】
本発明によると、第1支持部分Pa、第2支持部分Pb、及び第2支持部Pcは第3方向DR3で同じ厚さを有し、第2接着層AM2に付着される。つまり、第1支持部Pa、Pbと第2支持部Pcは互いに異なる物質を含むが、同じ厚さで提供される。本明細書において、「同じ」の意味は工程上の誤差を含む寸法である。
【0081】
更に
図5を参照すると、本発明による第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbは同じ物質で形成される。第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbは高分子フィルムを含むが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と説明する)であってもよい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)材質はレーザが貫通する物質であって、これを介して第1支持部分Paにモジュール孔MHが形成される。
【0082】
但し、第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbの材質はこれに限らず、多様な物質を含んでもよい。例えば、第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbはポリイミドなどの高分子フィルムを含んでもよい。
【0083】
第2支持部Pcは折りたたみ領域FAに重畳し、表示パネルDPの下部に配置される。第2支持部Pcは、表示装置DDの折りたたみ領域FAにシワが寄ることを防止するための物質を含む。例えば、第2支持部Pcはガラス材質を含んでもよい。ガラス材質の第2支持部Pcは、ポリエチレンテレフタレート(PET)材質の第1支持部Pa、Pbより折りたたみ領域FAに対応する表示装置DDにシワが寄ることを防止する。ここで、表示装置DDのシワは、繰り返しの折りたたみ動作によって折りたたみ軸FXを基盤にウィンドウWM(
図3を参照)から視認される。
【0084】
第3方向DR3において、第2支持部Pcの厚さは25μm以上75μm以下の範囲を有する。第2支持部Pcの厚さが前記範囲のように提供されることで、折りたたみ領域FAに重畳する第2支持部Pcの折りたたみ特性が向上する。
【0085】
本発明の一実施例によると、第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbそれぞれは、第2支持部Pcより大きい平面上の面積(すなわち、平面視における面積)を有する。この場合、モジュール孔MHは、第1支持部分Paによって平面上において囲まれた構造を有する。
【0086】
一方、ガラス材質の第2支持部Pcがメイン支持部PM1全体を構成すれば、第1支持部分Paにモジュール孔MHを形成することが難しい。これは、モジュール孔MHを形成するために、外部から照射されるレーザがガラス材質の特性によって反射されるためである。
【0087】
そのために、本発明による第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbはレーザ照射が容易なポリエチレンテレフタレート(PET)材質を含み、第2支持部Pcは表示装置DDにシワが寄ることを防止するためにガラス材質を含む。
【0088】
上述したように、本発明によるメイン支持部PM1は、モジュール孔MHを形成しやすい物質、及び折りたたみ動作によってシワが寄ることを防止しやすい物質を含む。よって、表示装置DDの折りたたみ領域FAにおいてシワが寄る現象が全般的に改善され、モジュール孔MHを形成する工程の効率が向上する。
【0089】
補助支持部PM2は、第1支持部Pa、Pbと同じ物質であるポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。本明細書において、補助支持部PM2が第1支持部Pa、Pbと同じ物質を有すると説明したが、実際に補助支持部PM2は第1支持部Pa、Pbと第2支持部Pcのうちいずれか一つと同じ物質を有する。
【0090】
図7aは、本発明の他の実施例による支持層の斜視図である。
図7bは、本発明の実施例による
図7aに示したII-II’に沿って切断した断面図である。
【0091】
図7a及び
図7bに示したメイン支持部PM-1は、
図5に示したメイン支持部PM1に比べ静電気防止膜CN1、CN2が追加されているだけであって、残りの構造は実質的に同じである。
【0092】
図7a及び
図7bを参照すると、静電気防止膜CN1、CN2は、第1コーティング部CN1及び第2コーティング部CN2を含む。第1コーティング部CN1は第1非折りたたみ領域NFA1に重畳し、第2コーティング部CN2は第2非折りたたみ領域NFA2に重畳する。静電気防止膜CN1、CN2は折りたたみ領域FAに重畳しない。
【0093】
本発明によると、第2支持部Pcとは異なる物質を有する第1支持部Pa、Pbの上に静電気防止膜CN1、CN2が容易に形成される。
【0094】
第1コーティング部CN1は、第1支持部分Paの上面に配置される第1コーティング部CN1a、及び第1支持部分Paの下面に配置される第2コーティング部CN1bを含む。第1コーティング部分CN1a及び第2コーティング部分CN1bは第1支持部分Paと平面上において同じ面積を有し、第1支持部分Paより小さい厚さを有する。一例として、第1コーティング部分CN1a及び第2コーティング部分CN1bの厚さの和は、第1支持部分Paの厚さより小さくてもよい。
【0095】
第2コーティング部CN2は、第2支持部分Pbの上面に配置される第3コーティング部CN2a、及び第2支持部分Pbの下面に配置される第4コーティング部CN2bを含む。第3コーティング部分CN2a及び第4コーティング部分CN2bは第2支持部分Pbと平面上において同じ面積を有し、第2支持部分Pbより小さい厚さを有する。一例として、第3コーティング部分CN2a及び第4コーティング部分CN2bの厚さの和は、第2支持部分Pbの厚さより小さくてもよい。
【0096】
第1コーティング部CN1及び第1支持部分Paの厚さの和は、第2支持部分Pcの厚さと実質的に同じである。同じく、第2コーティング部分CN2及び第2支持部分Pbの厚さの和は、第2支持部Pcの厚さと実質的に同じである。
【0097】
本発明によると、静電気防止膜CN1、CN2には伝導性高分子、銀ナノ粒子、グラフェン、炭素ナノチューブなどの有機または無機伝導性材料が含まれる。また、静電気防止膜CN1、CN2は、伝導性材料とマトリックスの混合であるペーストをコーティングした後、硬化して形成される。この際のマトリックスは、テトラエチルオルトシリケート、ポリシラン、ポリシラザンなどの有機または無機マトリックス、及び多様な非伝導性硬化高分子を使用する。
【0098】
静電気防止膜CN1、CN2の形成方法は特に限らないが、伝導性コーティング液組成物を塗布し、硬化して形成されてもよい。塗布方法としては特に限らないが、スリットコーティング法、ナイフコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、マイクログラビアコーティング法、グラビアコーティング法、バーコーティング法、ロールコーティング法、ワイヤバーコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーンプリント法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコーティング法、ディスペンサプリント法、ノズルコーティング法、毛細管コーティング法などの公知のコーティング法を使用してもよい。塗布の後、所定温度で乾燥工程を経て、コーティング膜を硬化させることで、静電気防止膜CN1、CN2が形成される。
【0099】
図8a及び
図8bは、本発明の他の実施例による支持層の斜視図である。
【0100】
図8a及び
図8bに示したメイン支持部PM-2、PM-3は、
図5に示した支持層PMに比べ、メイン支持部PM1b及び静電気防止膜CN1z、CN2zの構造が変形されているだけであって、サブ支持部の構造は実質的に同じである。以下、メイン支持部の構造を中心に説明する。
【0101】
まず、
図8aを参照すると、支持層PM-2のメイン支持部PM1bは第1支持部Pa-1、Pb-1、及び第2支持部Pc-1を含む。本発明によると、第1支持部Pa-1、Pb-1の平面上の面積は、第2支持部Pc-1の平面上の面積より小さい。つまり、第1支持部分Pa-1及び第2支持部分Pb-1の平面上の面積の和が第2支持部Pc-1の平面上の面積より小さい。
【0102】
第1コーティング部CN1zは、第1支持部分Pa-1の上面に配置される第1コーティング部CN1az、及び第1支持部分Pa-1の下面に配置される第2コーティング部CN1bzを含む。第2コーティング部CN2zは、第2支持部分Pb-1の上面に配置される第3コーティング部CN2az、及び第2支持部分Pb-1の下面に配置される第4コーティング部CN2bzを含む。
【0103】
第2支持部Pc-1は第1支持部分Pa-1と第2支持部分Pb-1と間に配置され、折りたたみ領域FA以外に第1非折りたたみ領域NFA1及び第2非折りたたみ領域NFA2それぞれにも重畳する。詳しくは、第1支持部分Pa-1は第1非折りたたみ領域NFA1の一領域に重畳し、第2支持部Pc-1のうち一部分が第1非折りたたみ領域NFA1の残りの領域に重畳する。第2支持部分Pb-1は第2非折りたたみ領域NFA2の一領域に重畳し、第2支持部Pc-1のうち他の部分が第2非折りたたみ領域NFA2の残りの領域に重畳する。第2支持部Pc-1の残りの部分は折りたたみ領域FAに重畳する。
【0104】
図8bを参照すると、支持層PM-3のメイン支持部PM1cは第1支持部Pz及び第2支持部Pc-2を含む。第1支持部Pzはモジュール孔MHを平面上において囲む形状を有し、第1非折りたたみ領域NFA1に重畳する表示パネルDPの下部に配置される。本発明によると、第2支持部Pc-2は平面上において第1支持部Pzを囲み、第1非折りたたみ領域NFA1、第2非折りたたみ領域NFA2、及び折りたたみ領域FAに重畳する。
【0105】
第1支持部Pzは、外部から照射されたレーザを介して孔が形成される物質を含む。つまり、第1支持部Pzはモジュール孔MHを形成するためにポリエチレンテレフタレート(PET)材質を含み、第1支持部Pzの面積はモジュール孔MHが形成されるための最小限の面積で提供される。
【0106】
図9a及び
図9bは、本発明の他の実施例による表示装置の断面図である。
【0107】
図9a及び
図9bに示された表示装置DD-1、DD-2は、
図6に示した表示装置DDに比べ、外部レーザを介してモジュール孔MHが形成されている構造が異なるだけであって、残りの構成の構造は実質的に同じである。更に、
図9a及び
図9bに示した表示装置DD-1、DD-2は、
図7aに示した静電気防止膜CN1、CN2を更に含むと示されている。但し、これに限らず、
図9a及び
図9bに示した実施例とは異なって、静電気防止膜CN1、CN2は省略されてもよい。
【0108】
図9aを参照すると、モジュール領域MAに対応するモジュール孔MHは、支持層PM-1のメイン支持部PM1a、第2接着層AM2、及び表示パネルDPに形成された開口部を介して定義される。つまり、外部レーザは、メイン支持部PM1a、第2接着層AM2、及び表示パネルDPを貫通してモジュール孔MHを形成する。
【0109】
図9bを参照すると、モジュール領域MAに対応するモジュール孔MHは、支持層PM-1のメイン支持部PM1a、及び第2接着層AM2に形成された開口部を介して定義される。つまり、外部レーザは、メイン支持部PM1a、及び第2接着層AM2を貫通してモジュール孔MHを形成する。
【0110】
この場合、モジュール領域MAに重畳する表示パネルDPの画素の配置構造は、モジュール領域MAに重畳しない表示パネルDPの画素の配置構造とは異なる。同一面積対比、モジュール領域MAに重畳する画素の数はモジュール領域MAに重畳しない画素の数より少ない。一例として、モジュール領域MAに重畳する画素の数が8個であれば、モジュール領域MAと同一面積を有し、モジュール領域MAに重畳しない画素の数は16個であってもよい。
【0111】
図10a及び
図10dは、本発明の実施例による表示装置の製造方法を示す図である。
【0112】
図10aを参照すると、表示パネルDPの下部に支持層PM-1が配置される。一例として、
図10a乃至
図10dに開示された支持層PM-1は
図7aに示した実施例に対応する支持層であってもよい。但し、本発明の技術的思想はこれに限らず、静電気防止膜CN1、CN2は省略されてもよい。
【0113】
支持層PM-1は、第1非折りたたみ領域NFA1に重畳する第1支持部分Pa及び第2非折りたたみ領域NFA2に重畳する第2支持部分Pbを含む。第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbそれぞれは第1材質を含む。また、支持層PM-1は、第1コーティング部分CN1a及び第2コーティング部分CN1bを有する第1コーティング部CN1、及び第3コーティング部分CN2a及び第4コーティング部分CN2bを有する第2コーティング部CN2を含む。
【0114】
また、この場合、第1支持部分Paと第2支持部分Pbとの間に第1離型紙RP1が配置される構造であり、支持層PM-1の下部に第2離型紙RP2が配置される構造である。
【0115】
図10bを参照すると、第1離型紙RP1及び第2離型紙RP2が除去される。この場合、第1支持部分Paは第1非折りたたみ領域NFA1に重畳する第2接着層AM2の下面に接着され、第2支持部分Pbは第2非折りたたみ領域NFA2に重畳する第2接着層AM2の下面に接着される。
【0116】
折りたたみ領域FAに重畳する表示パネルDPの下部に第2支持部Pcが配置される。以下、第2支持部Pcは第3支持部分と説明される。第1離型紙RP1が除去されることで、第1支持部分Paと第2支持部分Pbとの間に空き空間が形成され、前記空き空間に第3支持部分Pcが配置される。本発明によると、第3支持部分Pcは第1物質とは異なる第2物質を含む。上述したように、第1物質はポリエチレンテレフタレート(PET)であり、第2物質はガラスである。
【0117】
その結果、第1支持部分Pa及び第2支持部分Pbは互いに同じ工程を介して表示パネルDPの下部に配置されるのに対し、第3支持部分Pcは第1支持部分Paとは異なる工程を介して表示パネルDPの下部に配置される。
【0118】
図10cを参照すると、レーザLARが支持層PM-1の下部に配置される。レーザLARは、
図3で説明した電子モジュールCMが配置されるモジュール領域MAに対応するように光を照射する。ここで、レーザLARを介して照射される光は、第1支持部分Pa、第2接着層AM2、表示パネルDP、及び外光反射部材POLを貫通する強度を有する。
【0119】
その結果、
図10dに示したように、第1支持部分Pa、第2接着層AM2、表示パネルDP、及び外光反射部材POLによって定義されたモジュール孔MHが定義される。
【0120】
但し、モジュール孔MHの構造はこれに限らず、前記
図9a及び
図9bに示した実施例に合わせてレーザLARの強度は多様に調節されてもよい。
【0121】
以上のように、図面と明細書において実施例が開示された。ここで特定の用語が使用されたが、これは単に本発明を説明するための目的で使用されたものであって、意味の限定や特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。よって、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解できるはずである。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付した特許請求の範囲の技術的思想によって決められるべきである。