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特許7730985塗布処理方法、記憶媒体、及び塗布処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-20
(45)【発行日】2025-08-28
(54)【発明の名称】塗布処理方法、記憶媒体、及び塗布処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20250821BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20250821BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20250821BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20250821BHJP
【FI】
H01L21/30 564D
H01L21/30 564C
B05C11/10
B05D3/00 D
B05D5/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024511835
(86)(22)【出願日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2023010675
(87)【国際公開番号】W WO2023189753
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-09-19
(31)【優先権主張番号】P 2022055183
(32)【優先日】2022-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】▲鶴▼田 豊久
(72)【発明者】
【氏名】柴 和宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 直人
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-044494(JP,A)
【文献】特開2010-010314(JP,A)
【文献】特開2007-286000(JP,A)
【文献】特開2006-049630(JP,A)
【文献】特開2001-202518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
B05C 11/10
B05D 3/00
B05D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得することと、
前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得ることと、
前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示することと、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、実生産用の基板に前記処理液の被膜を形成する際の、前記処理液の吐出量を決定することと、
を含む、塗布処理方法。
【請求項2】
前記表示することにおいて、前記1以上の極座標変換画像と共に、当該画像を撮像した基板の極座標変換前の表面画像を併せて表示する、請求項1に記載の塗布処理方法。
【請求項3】
前記表示することにおいて、前記画面に表示した画像のコントラストを調整可能である、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項4】
前記表示することにおいて、前記1以上の極座標変換画像に対して、当該画像を撮像した基板の周縁または中心からの距離を示す補助線を追加して表示する、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項5】
前記表示することにおいて、前記1以上の極座標変換画像に対応付けて、当該画像を撮像した基板を特定する情報を表示する、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項6】
前記表示することにおいて、前記複数の極座標変換画像に含まれる2以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で、且つ、前記処理液の吐出量の順に配置した状態で、画面に表示する、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項7】
前記表示することにおいて、前記ユーザの指示に基づいて、前記画像の特定の領域を拡大表示可能である、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項8】
前記吐出量を決定することにおいて決定された吐出量の前記処理液を複数の基板のそれぞれに対して供給することによって、被膜がその表面に形成された複数の基板の表面画像を個別に取得し、複数の確認用画像を得ることと、
前記複数の確認用画像を画面に表示することと、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、基板処理条件における前記処理液の吐出量を確定することと、
をさらに含む、請求項1または2に記載の塗布処理方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の塗布処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得する画像取得部と、
前記画像取得部において取得された前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得る画像変換部と、
前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示する表示部と、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、実生産用の基板に前記処理液の被膜を形成する際の、前記処理液の吐出量を決定する吐出量決定部と、
を含む、塗布処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布処理方法、記憶媒体、及び塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、処理液を基板に塗布する際の塗布条件を自動調節することが示されている。具体的には、特許文献1では、塗布条件として、処理液の塗布速度及び供給期間が調節され得ることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-44500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板表面に適切な被膜を形成可能な処理液の吐出量を決定することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による塗布処理方法は、互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得することと、前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得ることと、前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示することと、前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、前記処理液の被膜を形成する際の、前記基板への前記処理液の吐出量を決定することと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、基板表面に適切な被膜を形成可能な処理液の吐出量を決定することが可能な技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一つの例示的実施形態に係る基板処理装置の概略構成を示す図である。
図2図2は、塗布ユニットの概略構成を例示する模式図である。
図3図3は、制御部の機能的構成を例示するブロック図である。
図4図4は、制御部のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5図5は、条件決定用サンプルの作成及び撮像の手順を例示するシーケンス図である。
図6図6は、画像に基づく吐出量決定の手順を例示するシーケンス図である。
図7図7は、表示部における表示内容を例示する図である。
図8図8は、表示部における表示内容を例示する図である。
図9図9は、確認用サンプルの作成及び撮像の手順を例示するシーケンス図である。
図10図10は、画像に基づく吐出量確認の手順を例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
【0009】
一つの例示的実施形態において、塗布処理方法が提供される。塗布処理方法は、互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得することと、前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得ることと、前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示することと、前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、前記処理液の被膜を形成する際の、前記基板への前記処理液の吐出量を決定することと、を含む。
【0010】
上記の液塗布処理方法によれば、互いに異なる吐出量の処理液によって被膜が形成された複数の基板の表面画像から極座標変換画像が作成され、1以上の極座標変換画像が画面に表示される。したがって、ユーザは画面に表示された極座標変換画像を参照しながら、基板への処理液の吐出量を決定することができる。このように、上記の液塗布処理方法によれば、ユーザは吐出量の違いに由来する被膜の変化を極座標変換画像を見て把握した上で、処理液の吐出量を決定することができる。
【0011】
前記表示することにおいて、前記極座標変換画像と共に、極座標変換前の基板の表面画像を併せて表示する態様としてもよい。
【0012】
上記のように、極座標変換前の基板の表面画像を極座標変換画像と併せて表示することで、ユーザは、極座標変換画像に加えて、基板表面の実際の状態を確認しながら、基板への処理液の吐出量を決定することができる。
【0013】
前記表示することにおいて、前記画面に表示した画像のコントラストを調整可能である態様としてもよい。
【0014】
上記のように、画面に表示した画像のコントラストを調整可能とすることで、ユーザは、画像からより多くの情報を得ることができるため、ユーザがより適切に吐出量を決定することが可能となる。
【0015】
前記表示することにおいて、前記極座標変換画像に対して、前記基板の周縁または中心からの距離を示す補助線を追加して表示する態様としてもよい。
【0016】
上記のように、基板の周縁または中心からの距離を示す補助線を極座標変換画像に追加して表示する構成とすることで、基板の周縁からの距離がどの程度の位置にどのような変化が起きているかをユーザが把握しやすくなる。
【0017】
前記表示することにおいて、前記1以上の極座標変換画像に対応付けて、当該画像を撮像した基板を特定する情報を表示する態様としてもよい。
【0018】
上記のように、極座標変換画像に対応付けて、画像を撮像した基板を特定する情報を表示することで、ユーザがどの基板の画像かを直感的に把握しやすくなる。
【0019】
前記表示することにおいて、前記複数の極座標変換画像に含まれる2以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で、且つ、前記処理液の吐出量の順に配置した状態で、画面に表示する態様としてもよい。
【0020】
上記のように、複数の極座標変換画像に含まれる2以上の極座標変換画像を処理液の吐出量の順に配置した状態で画面に表示する場合、ユーザは、処理液の吐出量の変化による基板の表面状態の変化を把握しやすくなる。
【0021】
前記表示することにおいて、前記ユーザの指示に基づいて、前記画像の特定の領域を拡大表示可能である態様としてもよい。
【0022】
上記のように、画像の特定の領域を拡大可能な構成とすることで、例えばユーザが気になる部分を詳細に確認することができるため、画像情報からユーザがより適切に吐出量を決定することが可能となる。
【0023】
前記吐出量を決定することにおいて決定された吐出量の前記処理液を複数の基板のそれぞれに対して供給することによって、被膜がその表面に形成された複数の基板の表面画像を個別に取得し、複数の確認用画像を得ることと、前記複数の確認用画像を画面に表示することと、前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、基板処理条件における前記処理液の吐出量を確定することと、をさらに含む態様としてもよい。
【0024】
上記の構成では、決定された吐出量の処理液を複数の基板に供給して被膜を形成し、被膜が形成された基板の表面画像が撮像される。また、表面画像を参照したユーザの指示に基づいて基板処理条件における処理液の吐出量を確定する。このような構成とすることで、例えば、吐出量を決定する際の画像を取得する際の基板表面の状態が、偶発的なものか定常的なものかを確認することができる。したがって、確定することにおいて確定された基板処理条件は、多数の基板を処理する際に適したものとなる。
【0025】
一つの例示的実施形態において、記憶媒体が提供される。記憶媒体は、上記の塗布処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。このような場合、上記の塗布処理方法と同様の効果が奏される。
【0026】
一つの例示的実施形態において、塗布処理装置が提供される。塗布処理装置は、互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得する画像取得部と、前記画像取得部において取得された前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得る画像変換部と、前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示する表示部と、前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、前記処理液の被膜を形成する際の、前記基板への前記処理液の吐出量を決定する吐出量決定部と、を含む。
【0027】
上記の液塗布処理装置によれば、互いに異なる吐出量の処理液によって被膜が形成された複数の基板の表面画像から極座標変換画像が作成され、1以上の極座標変換画像が画面に表示される。したがって、ユーザは画面に表示された極座標変換画像を参照しながら、基板への処理液の吐出量を決定することができる。このように、上記の液塗布処理方法によれば、ユーザは吐出量の違いに由来する被膜の変化を極座標変換画像を見て把握した上で、処理液の吐出量を決定することができる。
【0028】
[例示的実施形態]
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0029】
[基板処理システム]
図1に示すように、基板処理システム1は、基板に対し、感光性被膜の形成、当該感光性被膜の露光、及び当該感光性被膜の現像を施すシステムである。
【0030】
処理対象のワークW(基板)は、例えば半導体用の基板である。基板としては、一例として、シリコンウェハである。ワークWは円形に形成されてもよい。また、処理対象のワークWは、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)などであってもよい。ワークWは、一部が切り欠かれた切欠部を有していてもよい。切欠部は、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよいし、直線状に延びる直線部(いわゆる、オリエンテーション・フラット)であってもよい。また、感光性被膜は、例えばレジスト膜である。
【0031】
基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、ワークW(基板)上に形成されたレジスト膜(感光性被膜)の露光処理を行う。具体的には、液浸露光等の方法によりレジスト膜の露光対象部分にエネルギー線を照射する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ワークWの表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0032】
[液処理装置]
以下、液処理装置の一例として、塗布・現像装置2の構成を説明する。塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、制御部100とを備える。また、制御部100には、表示部210及び入力部220が接続されている。
【0033】
キャリアブロック4は、塗布・現像装置2内へのワークWの導入及び塗布・現像装置2内からのワークWの導出を行う。例えばキャリアブロック4は、ワークW用の複数のキャリアCを支持可能であり、受け渡しアームA1を内蔵している。キャリアCは、例えば円形の複数枚のワークWを収容する。受け渡しアームA1は、キャリアCからワークWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からワークWを受け取ってキャリアC内に戻す。
【0034】
処理ブロック5は、複数の処理モジュール11,12,13,14を有する。処理モジュール11,12,13は、塗布ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。
【0035】
処理モジュール11は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりワークWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール11の塗布ユニットU1は、下層膜形成用の成膜液をワークW上に塗布する。処理モジュール11の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0036】
処理モジュール12は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール12の塗布ユニットU1は、レジスト膜形成用の成膜液(以下、「レジスト液」という。)を下層膜の上に塗布する。処理モジュール12の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0037】
処理モジュール12は、基板冷却部91と、表面検査部92とを更に有してもよい。基板冷却部91は、塗布ユニットU1がワークWにレジスト液を塗布する前に、当該ワークWを冷却する。表面検査部92は、ワークWの表面Waに形成されたレジスト膜の状態を画像として取得する。表面検査部92は、ワークWの表面Waの撮像画像における画素値を取得する。画素値とは、画像を構成する画素それぞれの状態を示す数値である。例えば画素値は、画素の色彩の濃淡レベル(例えば白黒画像におけるグレイレベル)を示す数値である。なお、表面Waの撮像画像において、画素値は、画素に対応する撮像対象部分の高さに相関する。すなわち、画素値は、当該撮像対象部分におけるレジスト膜の厚さにも相関する。
【0038】
処理モジュール13は、塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール13の塗布ユニットU1は、上層膜形成用の成膜液をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール13の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。
【0039】
処理モジュール14は、現像ユニットU3と、熱処理ユニットU4と、これらのユニットにワークWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。処理モジュール14は、現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。現像ユニットU3は、露光済みのワークWの表面上に現像液を塗布した後、これをリンス液により洗い流すことで、レジスト膜の現像処理を行う。熱処理ユニットU4は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0040】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でワークWを昇降させる。
【0041】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0042】
インタフェースブロック6は、露光装置3との間でワークWの受け渡しを行う。例えばインタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたワークWを露光装置3に渡し、露光装置3からワークWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0043】
制御部100は、塗布・現像装置2の各部や露光装置3の各部を動作させるためのプログラムを記憶し、これらの動作を制御する機能を有する。制御部100に接続される表示部210は、例えば、例えばモニタである。モニタは、画面上に情報の表示が可能なものであればいかなるものであってもよく、その具体例としては液晶パネル等が挙げられる。表示部210は、制御部100による制御内容を表示する機能を有していてもよい。さらに、表示部210は、制御部100を利用して、ワークWを処理する際の条件を設定する際に、ユーザ(装置を使用する作業者等)が参照すべき情報等を表示する。この点については後述する。
【0044】
また、種々の条件をユーザが入力可能な入力部220を有してもよい。この場合、制御部100は、入力部220を通じて制御部100に入力された条件に従って、塗布・現像装置2の各部や露光装置3の各部を動作させてもよい。入力部220としては、例えば、マウス、タッチパネル、ペンタブレット、キーボードを挙げることができる。
【0045】
上記の制御部100、表示部210及び入力部220は、塗布・現像装置2のうち制御部100以外の実際にワークWに対する処理を行う部分(基板処理部)が設置されている場所の近傍に設けられていてもよい。また、これらの機能部は、基板処理部から離間した位置に設けられていてもよい。特に、実際にユーザが操作する表示部210及び入力部220は、塗布・現像装置2の本体部とは離間した位置に設けられていてもよい。その場合、表示部210及び入力部220と制御部100とは、有線または無線によって接続されていてもよい。
【0046】
制御部100は、例えば以下の手順で塗布・現像処理を実行するように塗布・現像装置2を制御する。まず制御部100は、キャリアC内のワークWを棚ユニットU10に搬送するように受け渡しアームA1を制御し、このワークWを処理モジュール11用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
【0047】
次に制御部100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール11内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御する。そして、制御部100は、このワークWの表面上に下層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、下層膜が形成されたワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このワークWを処理モジュール12用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。
【0048】
次に制御部100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール12内の塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、このワークWの下層膜上にレジスト膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このワークWを処理モジュール13用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。なお、制御部100は、塗布ユニットU1におけるワークWの処理の前に、ワークWを基板冷却部91で冷却するように搬送アームA3を制御してもよい。さらに、制御部100は、塗布ユニットU1におけるワークWに対する処理(レジスト液の塗布)の後に、ワークWの表面Waの画像を表面検査部92において取得するように、搬送アームA3を制御してもよい。
【0049】
次に制御部100は、棚ユニットU10のワークWを処理モジュール13内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このワークWのレジスト膜上に上層膜を形成するように塗布ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。その後制御部100は、ワークWを棚ユニットU11に搬送するように搬送アームA3を制御する。
【0050】
次に制御部100は、棚ユニットU11のワークWを露光装置に送り出すように受け渡しアームA8を制御する。その後制御部100は、露光処理が施されたワークWを露光装置から受け入れて、棚ユニットU11における処理モジュール14用のセルに配置するように受け渡しアームA8を制御する。
【0051】
次に制御部100は、棚ユニットU11のワークWを処理モジュール14内の各ユニットに搬送するように搬送アームA3を制御し、このワークWのレジスト膜に現像処理を施すように現像ユニットU3及び熱処理ユニットU4を制御する。その後制御部100は、ワークWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このワークWをキャリアC内に戻すように昇降アームA7及び受け渡しアームA1を制御する。以上で塗布・現像処理が完了する。
【0052】
なお、基板処理装置の具体的な構成は、以上に例示した塗布・現像装置2の構成に限られない。基板処理装置は、塗布ユニットU1と、表面検査部92と、これらを制御可能な制御部100とを備えていればどのようなものであってもよい。
【0053】
[塗布ユニット]
続いて、処理モジュール12の塗布ユニットU1の構成を具体的に説明する。図2に示すように、塗布ユニットU1は、回転保持部20と、液供給部30と、ノズル搬送部50と、カップ70とを有する。
【0054】
回転保持部20は、ワークWを裏面Wb側から保持して回転させる。例えば回転保持部20は、保持部21と回転駆動部22とを有する。保持部21は、表面Waを上にして水平に配置されたワークWの中心部(中心を含む部分)を裏面Wb側から支持し、当該ワークWを例えば真空吸着等により保持する。回転駆動部22は、例えば電動モータ等を動力源として、ワークWの中心を通る鉛直な軸線まわりに保持部21を回転させる。これによりワークWも回転する。
【0055】
液供給部30は、回転保持部20に保持されたワークWの表面Waの中心にレジスト液を供給する。例えば液供給部30は、ノズル31と、液源32と、バルブ33とを含む。
【0056】
ノズル31は、下方にレジスト液を吐出する。液源32(成膜液の供給源)は、ノズル31にレジスト液を供給する。例えば液源32は、レジスト液を貯留するタンク及びレジスト液を圧送するポンプ等を含む。液源32は、ポンプ等によって、レジスト液の送液圧力を調節し得るように構成されていてもよい。バルブ33は、液源32からノズル31へのレジスト液の流路を開閉する。
【0057】
ノズル搬送部50は、液供給部30のノズル31を搬送する。例えばノズル搬送部50は、水平搬送部51と、昇降部52とを有する。水平搬送部51は、例えば電動モータ等を動力源としてノズル31を水平な搬送ラインに沿って搬送する。昇降部52は、例えば電動モータ等を動力源としてノズル31を昇降させる。
【0058】
カップ70は、ワークWを保持部21と共に収容し、ワークWから振り切られた各種処理液(例えばレジスト液)を回収する。カップ70は、傘部72と、排液部73と、排気部74とを有する。傘部72は、保持部21の下に設けられており、ワークWから振り切られた各種処理液をカップ70内の外周側の排液領域70aまで導く。排液部73は、傘部72より下方(すなわちワークWの裏面Wbより下方)にてカップ70内(ワークWの収容空間)に開口した排液口73aを有し、排液口73aからカップ70外に処理液を排出する。例えば排液口73aは、排液領域70aにおいて傘部72よりも下方に設けられている。このため、傘部72により排液領域70aに導かれた処理液が排液口73aからカップ70外に排出される。
【0059】
排気部74は、保持部21より下方(すなわちワークWの裏面Wbより下方)にてカップ70内に開口した排気口74aを有し、カップ70内のガス(ワークWの収容空間の気体)を排気口74aからカップ70外に排出する。例えば排気口74aは、排液領域70aよりも内側の排気領域70bにおいて傘部72よりも下方に設けられている。このため、排液領域70aから排気領域70bに流入したガスが排気口74aからカップ70外に排出される。
【0060】
このように構成された塗布ユニットU1は、制御部100により制御される。制御部100は、液供給部30によりワークWの表面Waの中心にレジスト液を供給させながら所定の回転速度にて回転保持部20によりワークWを回転させる。また、制御部100は、表面Waに供給されたレジスト液がワークWの外周Wcに到達する前に、液供給部30によりレジスト液の供給を停止させる。また、液供給部30によるレジスト液の供給が停止した後も所定の回転速度にて回転保持部20によりワークWの回転を継続させる場合もある。制御部100はこれらの塗布制御を実行するように構成されている。
【0061】
[制御部]
制御部100は、塗布・現像装置2を用いてワークWに対してレジスト膜を形成する際の処理条件として、吐出量を決定するための機能部である。ワークWに対してレジスト膜を形成する際には、レジスト液の種類に応じてワークWに対して供給すべきレジスト液の量が変化し得る。例えば、レジスト液は一般的に高価であるため、ワークWに対して供給するレジスト液の量はできるだけ少ないことが重要である。一方で、レジスト液の供給量が少なすぎると、ワークWの表面Waに均一に塗布することができない。より少ないレジスト液の吐出量(供給量)でレジスト膜が適切に形成できる条件を見極めるためには、吐出量を異ならせた状態でレジスト膜を形成した複数のワークWを準備し、その表面の状態をユーザが確認するという手順が必要である。そこで、制御部100では、ユーザの指示に基づいて、レジスト液の吐出量を互いに異ならせた条件で処理を行ったワークWを準備する。さらに、制御部100では、処理後のワークWの状態を確認しやすいように、異なる条件でレジスト膜を形成した複数のワークWの表面Waの画像をユーザに提示する。さらに、制御部100では、ユーザが選択した条件(吐出量)を用いて、実生産用のワークWに対する処理を行ってよいか、ユーザが確認するための制御も実行する。以下、上記の動作を行うための制御部100の各部について説明する。 図3に例示するように、制御部100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、画面出力部101、ユーザ指示取得部102、画像変換部103、条件決定用サンプル作成条件設定部104、確認用サンプル作成条件設定部105、処理後画像取得部106、基板処理条件更新部107、基板処理制御部108、サンプル作成条件保持部121、基板画像保持部122、及び、基板処理条件保持部123を含む。このうち、画面出力部101、ユーザ指示取得部102、及び画像変換部103は、表示部210として機能するモニタに対して種々の情報をユーザに対して提示すると共に、表示部210を参照したユーザが入力部220等を利用して指示する情報等を取得するためのユーザインタフェース110として機能する。
【0062】
画面出力部101は、ユーザの指示等に基づいて表示部210において種々の情報を表示するように、表示部210を制御する機能を有する。
【0063】
ユーザ指示取得部102は、入力部220等を用いて行われるユーザからの指示を取得する機能を有する。ユーザ指示取得部102が取得するユーザからの指示に基づいて、制御部100による種々の制御が行われる。
【0064】
画像変換部103は、表示部210において、処理後のワークWの表面を撮像した画像を表示する際に、画像を加工する処理を行う機能を有する。画像を加工する処理としては、例えば、極座標変換、コントラスト変換(強調)等が挙げられる。ただし、これらとは異なる画像加工処理を行ってもよい。
【0065】
条件決定用サンプル作成条件設定部104は、レジスト膜の形成時の条件を決定するためのサンプルを作成する機能を有する。すなわち、レジスト液の吐出量が互いに異なる条件でレジスト膜が形成された複数種類のワークWを準備するための条件を設定する。条件の詳細については、ユーザから指示される。したがって、条件決定用サンプル作成条件設定部104では、ユーザの指示と、後述のサンプル作成条件保持部121に保持される、条件決定用サンプルを作成する際に使用する基板処理条件に基づいて、条件決定用サンプルを作成する際の条件を決定する。
【0066】
確認用サンプル作成条件設定部105は、ユーザが一度吐出量を決定した後に、当該条件を実生産に使用してよいか確認するためのサンプルを作成する機能を有する。この段階では、ユーザが設定したレジスト液の吐出量で、複数のワークWについて処理を行う。条件の詳細については、ユーザから指示される。したがって、確認用サンプル作成条件設定部105では、ユーザの指示と、後述のサンプル作成条件保持部121に保持される、確認用サンプルを作成する際に使用する基板処理条件に基づいて、確認用サンプルを作成する際の条件を決定する。
【0067】
処理後画像取得部106は、条件決定用サンプルまたは確認用サンプルとして作成されたレジスト膜を形成した後のワークWを撮像した画像を取得する機能を有する。具体的には、処理後画像取得部106は、表面検査部92において処理後のワークWの表面Waを撮像するように各部を制御し、その結果得られた画像を取得する。撮像された画像は、当該ワークWに対してレジスト膜を形成した際の条件を特定する情報と対応付けて、基板画像保持部122に保持される。
【0068】
基板処理条件更新部107は、ユーザの指示に基づいて、実生産時のワークWに対するレジスト液の吐出量に係る条件を更新する機能を有する。レジスト液の吐出量に係る条件は、後述の基板処理条件保持部123において保持される。
【0069】
基板処理制御部108は、条件決定用サンプル作成条件設定部104及び確認用サンプル作成条件設定部105によって設定された条件に基づいてワークWへレジスト膜を形成するように、塗布・現像装置2の各部を制御する機能を有する。さらに、基板処理制御部108は、基板処理条件更新部107によって更新され、基板処理条件保持部123に保持される基板処理条件に基づいて、実生産時にワークWに対してレジスト膜を形成するように塗布・現像装置2の各部を制御する機能を有する。
【0070】
サンプル作成条件保持部121は、条件決定用サンプルを作成する際の塗布・現像装置2の各部の動作条件、及び、確認用サンプルを作成する際の塗布・現像装置2の各部の動作条件を保持する機能を有する。サンプル作成条件保持部121では、塗布・現像装置2の各部の動作条件のうち、ユーザの指示に基づいて設定されるレジスト液の吐出量に関する条件以外の動作条件についての情報を保持する。
【0071】
なお、レジスト液の吐出量を決定する場合、レジスト液の吐出量に関する条件以外の動作条件(例えば、ワークWの回転数等)は、予め決められているものとする。すなわち、1枚のワークWに対してレジスト膜を形成する処理において、レジスト液の吐出量以外の条件は既に決まっているものとする。サンプル作成条件保持部121では、1枚のワークWに対してレジスト膜を形成する際の各部の動作の条件のうち、レジスト液の吐出量以外の条件を保持している。
【0072】
基板画像保持部122は、処理後画像取得部106の指示に基づいて表面検査部92において撮像された、処理後のワークWの表面Waの画像を保持する機能を有する。このとき、基板画像保持部122では、撮像した画像のそれぞれに対応付けて、ワークWの処理条件として、各ワークWへのレジスト液の吐出量を特定する情報が保持される。ワークWへのレジスト液の吐出量を特定する情報としては、吐出量を特定する数値であってもよい。また、レジスト液の吐出量を含む各ワークWの動作条件に係る情報が例えば識別情報(ID等)によって特定されている場合には、当該識別情報を撮像した画像のそれぞれに対応付ける構成としてもよい。表示部210においてワークWの表面Waの画像を表示する際に、そのワークWに対して吐出したレジスト液の量をユーザに対して提示することが可能な構成であれば、その構成は特に限定されない。
【0073】
基板処理条件保持部123は、実生産時の塗布・現像装置2の各部の動作条件を保持する機能を有する。実生産時には、ユーザによって指定されたレジスト液の吐出量に基づいてレジスト膜の形成に係る動作が行われる。基板処理条件保持部123に保持される情報には、ユーザによって指定されたレジスト液の吐出量に係る情報も保持される。なお、ユーザによって指定するレジスト液の吐出量が変更される場合には、基板処理条件更新部107によって、基板処理条件保持部123に保持される情報が更新され得る。
【0074】
制御部100は、一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成される。例えば、制御部100は、図4に示される回路130を有する。回路130は、一つ又は複数のプロセッサ131と、メモリ132と、ストレージ133と、入出力ポート134と、タイマ135と、を備える。
【0075】
ストレージ133は、例えばハードディスク等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。記憶媒体は、後述の基板処理手順を塗布・現像装置2に実行させるためのプログラムを記録している。記憶媒体は、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスクおよび光ディスク等の取り出し可能な媒体であってもよい。メモリ132は、ストレージ133の記憶媒体からロードしたプログラムおよびプロセッサ131による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ131は、メモリ132と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。入出力ポート134は、液供給部30の各部との間で電気信号の入出力を行う。
【0076】
なお、制御部100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えば制御部100の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
【0077】
[液処理方法]
上記の液処理装置による液処理方法について、図5図10を参照しながら説明する。なお、液処理方法についての説明には、表示部210における表示方法の一例に係る説明も含まれ得る。
【0078】
(条件決定用サンプルの作成及び撮像)
図5は、条件決定用サンプルの作成及び撮像の手順の一例を示す図である。まず、ユーザは、入力部220を操作して、サンプル作成開始の画面を起動させる(ステップS01)。制御部100では、ユーザ指示取得部102がユーザからの指示を取得すると、画面出力部101の制御によって条件設定用の画面を表示部210に表示させる(ステップS02)。これに対して、ユーザは、条件設定用の画面を参照しながら、サンプル作成条件の設定を行う(ステップS03)。具体的には、ワークWの搬送条件の指定(ワークWを搬送するユニットを特定する等)、吐出量の初期値(条件決定用サンプルの作成時のワークWへのレジスト吐出量の最小値)、吐出量の刻み値(初期値から、どの程度吐出量を増加させながら、複数のサンプルを作成するか)等が挙げられる。さらに、吐出量の上限値等を設定してもよい。ユーザが入力部220を操作してこれらの情報を入力すると、制御部100では、ユーザ指示取得部102がユーザからの指示を取得する。条件決定用サンプル作成条件設定部104では、ユーザから取得された情報と、サンプル作成条件保持部121で保持する情報とに基づいて、条件決定用サンプル作成のためのワークWの処理条件を決定する。準備ができると、制御部100の基板処理制御部108は、基板処理部として機能する塗布・現像装置2の各部に対してサンプル作成条件に基づいたサンプル作成指示を行う(S04)。基板処理部(塗布・現像装置2の各部)は、サンプル作成の条件に基づいて、基板処理を行い、レジスト膜が形成されたサンプルを作成する(S05)。さらに、レジスト膜形成後のワークWは表面検査部92に搬送され、処理後画像の撮像が行われる(S06)。表面検査部92で撮像された画像は、制御部100へ送られ、処理後画像取得部106において取得される(S07)。また、画像は、レジスト液の吐出量に係る情報に対応付けた状態で、基板画像保持部122において保持される(S08)。
【0079】
(画像に基づく吐出量決定)
図6は、図5に示す手順で取得された処理後の画像に基づいて、ユーザが、レジスト液の吐出量を決定する手順の一例を示す図である。この段階では、ユーザは、互いに異なる吐出量のレジスト液を供給して作成された、複数のワークWの表面のレジスト膜の形成状態を画像で確認する。ユーザは、これらの画像を見ながら、レジスト膜が均一に形成されている(OK)か、レジスト膜が均一には形成されていない(NG)か、をワークWごとに判定する。この結果、レジスト膜が均一に形成されているワークWのうち、最もレジスト液の吐出量が少ない条件を、実生産時に使用するレジスト液の吐出量として特定する。
【0080】
まず、ユーザは、入力部220を操作して、吐出量を決定するための画面(判定画面)を起動させる(ステップS11)。このとき、ユーザは、ロット番号等を指定することによって、判定の対象となる、すなわち、レジスト液の吐出量を決定する対象となるデータを指定する。
【0081】
制御部100では、ユーザ指示取得部102がユーザからの指示を取得すると、画面出力部101の制御によって判定用の画面を表示部210に表示させる(ステップS12)。判定用の画面には、判定の対象となるレジスト液の条件に対応したワークWの処理後の画像が表示される。
【0082】
図7は、処理後のワークWの画像の表示例である。図7に示すように、表示部210での表示画面D1では、複数のワークWに係る処理後画像が表示されてもよい。図7に示す例では、互いに異なる条件(条件1~条件4)で処理された4枚のワークWに係る画像が表示されている。また、条件1~条件4それぞれについて、対応するレジスト液の吐出量D2が表示されていてもよい。なお、複数の処理後画像を並べる場合、例えば、条件1~条件4は、吐出量の順に並んでいてもよい。吐出量の順に画像を並べる場合、吐出量の変化と画像の変化との関係をユーザが把握しやすくなる。
【0083】
表示画面D1では、ワークWの表面Waを撮像した画像P1の内側に番号が示されている。これは、ワークWを特定する情報である。このように、処理の条件に加えて、ワークWを特定する情報が表示されていてもよい。なお、ワークWを特定する情報として、ワークWが保持されているスロットを特定する情報を用いてもよい。
【0084】
4枚のワークWについては、それぞれ、ワークWの表面Waを撮像した画像P1のほか、極座標変換された画像P2が表示されていてもよい。極座標変換された画像とは、画像中の各位置の直交座標を極座標に変換し、極座標を用いて各画素を表現したものである。極座標画像の作成は、画像変換部103によって行われる。極座標への変換手法としては公知のものを用いることができる。図7に示す極座標変換画像P2は、ワークWの中心を基準(原点)として、原点からの距離が横軸となり、角度を縦軸となるように示している。したがって、画像P2では、左端がワークWの中心であり、右端が周縁となる。条件4の画像P2では、周縁を示す画像右側に輝線のようなものが確認される。この輝線は、ワークW表面へのレジスト液が少ない等の理由によって未塗布領域が発生したことに由来する(ドライパッチ)。実生産のワークWにおいてこのような未塗布領域が形成されると、不良品等の発生に繋がる可能性がある。ユーザは、この表示画面D1において、各条件で撮像されたワークWのうち、不良品の発生に繋がる可能性のある事象が発生していないかを目視で確認しながら、実生産で使用可能な条件を選択する。
【0085】
表示画面D1では、ワークWに係る画像P1,P2を表示することに加えて、ユーザの指示等に基づいて種々の画像処理を加えた状態の画像を表示してもよい。
【0086】
例えば、極座標変換画像P2については、ワークWのからの距離(またはワークWの中心からの距離)が簡単に分かるように、補助線Lを併せて表示することとしてもよい。補助線Lは、図7に示す例のように所定間隔(例えば、1mm~数mm間隔)で複数設ける構成としてもよいし、例えば、周縁部付近では間隔を小さくし、内側では間隔を大きくしてもよい。また、補助線Lは1本であってもよい。
【0087】
また、ユーザが所定の領域Aを選択した場合に当該領域の拡大画像P3を表示する構成としてもよい。拡大画像P3を表示可能な構成とした場合、ユーザは各条件でのワークWの表面Waの状態をより細かく確認することができる。
【0088】
また、画像P1~P3におけるワークWの表面Waの色の変化等を詳細に把握できるように、ユーザがコントラストを指定可能とされていてもよい。図7に示す例では、ユーザの指定したコントラストD3が5倍となっている。コントラストを調整することで、表面Waの色の変化が強調された状態を形成することができる。
【0089】
このように、ユーザは、画面D1を見ながら、レジスト膜が均一に形成されているワークWのうち、最もレジスト液の吐出量が少ない条件を選択し、これを実生産時の吐出量として設定する。
【0090】
図8は、処理後のワークWの画像の表示の別の例である。図8に示す例では、複数(ここでは6枚)のワークWの表面Waの画像のみを並べた状態の表示画面D4を示している。表示画面D4では、図7に示す表示画面D1と比べて、表示可能なワークWの枚数を増やすことが可能となる。また、コントラストを調整することで、各ワークWの全体的な色ムラを比較しやすくなる。図8に示す例では、条件3~6のワークWは中心と周縁との間での色ムラが明確に分かる状態となっているため、ユーザが、レジスト膜が均一に形成されていない(FAILED)と判定した状態を示している。
【0091】
このように、表示部210における表示画面は適宜変更することができる。図8に示すように、ユーザの指示に基づいて、極座標変換画像P2を示さない表示画面D4が表示可能であってもよい。また、図では示してしないが、極座標変換画像P2のみを複数並べた表示画面を設定可能であってもよい。
【0092】
図6に戻り、ユーザは、図7図8等に示すような判定用の画面表示を参照しながら、吐出量条件の選択を行う(ステップS13)。一例として、図8に示すように、ユーザが各ワークWの画像を見ながら、「PASS(レジスト膜が均一に形成されている;OK)」、「FAILED(レジスト膜が均一に形成されていない;NG)」を判定していく。この結果、レジスト膜が均一に形成されているワークWのうち、最もレジスト液の吐出量が少ない条件が確定する。この条件が、実生産時のレジスト液の吐出量として設定される。ユーザが判定動作を行うと、その結果がユーザ指示取得部102によって取得される。これらの動作によって最もレジスト液の吐出量が少ない条件が確定すると、その情報に基づいて、制御部100の基板処理条件更新部107において、基板処理条件が更新される(ステップS14)。これによって、実生産時のレジスト液の吐出量の条件が、ユーザの判定結果に基づいたものに更新される。
【0093】
(条件確認用サンプルの作成及び撮像)
次に、これまでの手順で設定したレジスト液吐出量が実生産に適した条件であるかを確認する目的として、同一の条件で複数のワークWを処理し、その結果を確認する。
【0094】
図9は、確認用サンプルの作成及び撮像の手順の一例を示す図である。まず、ユーザは、入力部220を操作して、条件確認用の処理を開始するように指示する(ステップS21)。このとき、ユーザは、同一条件で処理を行うワークWの枚数を指示してもよい。また、ワークWの搬送条件の指定(ワークWを搬送するユニットを特定する等)を行ってもよい。制御部100では、ユーザ指示取得部102がユーザからの指示を取得すると、基板処理制御部108は、基板処理部として機能する塗布・現像装置2の各部に対して確認用のサンプル作成条件に基づいたサンプル作成指示を行う(S22)。基板処理部(塗布・現像装置2の各部)は、サンプル作成の条件に基づいて、基板処理を行い、レジスト膜が形成されたサンプルを作成する(S23)。さらに、レジスト膜形成後のワークWは表面検査部92に搬送され、処理後画像の撮像が行われる(S24)。表面検査部92で撮像された画像は、制御部100へ送られ、処理後画像取得部106において取得される(S25)。また、画像は、レジスト液の吐出量に係る情報に対応付けた状態で、基板画像保持部122において保持される(S26)。
【0095】
(画像に基づく吐出量の確認)
図10は、図9に示す手順で取得された処理後の画像に基づいて、ユーザが、レジスト液の吐出量を決定する手順の一例を示す図である。この段階では、ユーザは、同一条件の吐出量のレジスト液を供給して作成された、複数のワークWの表面のレジスト膜の形成状態を画像で確認する。ユーザは、これらの画像を見ながら、レジスト膜が均一に形成されている(OK)か、レジスト膜が均一には形成されていない(NG)かを確認する。この段階では、実生産時に確認用サンプルの作成条件が使用できるかの判定を行うため、ワークW単位というよりは、複数のワークWのそれぞれにおいてレジスト膜が適切に形成されているかを判定することになる。
【0096】
まず、ユーザは、入力部220を操作して、条件確認結果を表示するめの画面(条件確認結果画面)を起動させる(ステップS31)。このとき、ユーザは、ロット番号等を指定することによって、確認の対象となるデータを指定する。
【0097】
制御部100では、ユーザ指示取得部102がユーザからの指示を取得すると、画面出力部101の制御によって結果を確認するための判定用の画面を表示部210に表示させる(ステップS32)。判定用の画面には、判定の対象となるレジスト液の条件に対応したワークWの処理後の画像が表示される。この段階で表示する画面は、図7及び図8に示す表示画面D1,D4と同様とすることができる。複数のワークWに係る処理後画像及び極座標変換画像を表示する構成としてもよい。このような構成とすることで、条件を確認する段階においても、ワークWの周縁部の塗り残し(ドライパッチ)の有無が確認しやすくなる。また、コントラストを調整可能とした場合、レジスト膜の形成ムラ等がよりわかりやすくなる。
【0098】
ユーザは、表示部210に表示された画像を参照しながら、確認用サンプルの作成に使用した吐出量条件が適切であるかの判定(OK/NG判定)を行う(ステップS33)。判定結果は、ユーザ指示取得部102によって取得される。ここで、ユーザの判定がNGの場合には、基板処理条件更新部107は、基板処理条件におけるレジスト液の吐出量の条件を更新する(ステップS34)。一例として、ユーザによる判定がNGである場合はレジスト液の吐出量が不足しているとして、基板処理条件更新部107は、実生産時の基板処理条件においてレジスト液の吐出量を所定量大きくすることとしてもよい。また、レジスト液の吐出量を大きくする場合には、その増加量をユーザが指定する構成としてもよい。さらに、ユーザの指示に基づいて、図9及び図10に示す手順を繰り返して、レジスト液の吐出量を増加した条件での確認用サンプルを再度作成し評価することによって、吐出量を確定することとしてもよい。ユーザによる判定がOKである場合は、基板処理条件更新部107は、基板処理条件におけるレジスト液の吐出量は変更しない構成としてもよい。
【0099】
上記の一例の手順を経て、実生産時の基板処理条件が確定する(ステップS35)。確定した基板処理条件は、基板処理条件保持部123に保持され、実生産時に使用され得る。
【0100】
[作用]
上記の液塗布処理方法及び液塗布処理装置によれば、互いに異なる吐出量の処理液(例えばレジスト液)によって被膜が形成された複数の基板(ワークW)の表面画像から極座標変換画像が作成され、1以上の極座標変換画像P2が表示部210の画面に表示される。したがって、ユーザは、画面に表示された極座標変換画像P2を参照しながら、基板への処理液の吐出量を決定することができる。このように、上記の液塗布処理方法及び液塗布処理装置によれば、ユーザは吐出量の違いに由来する被膜の変化を極座標変換画像を見て把握した上で、処理液の吐出量を決定することができる。
【0101】
また、例えば図7に示すように、極座標変換前の基板の表面画像P1を極座標変換画像P2と併せて表示することで、ユーザは、極座標変換画像P2に加えて、基板表面の実際の状態を確認しながら、基板への処理液の吐出量を決定することができる。基板表面の画像P1は基板全体を撮像したものであるため、ユーザはこの画像を見ることで基板全体の状況を俯瞰して把握することができる。
【0102】
また、図7及び図8に示すように、画面に表示した画像のコントラストを調整可能としてもよい。このような構成とすることで、ユーザは、例えばコントラストを強調することによって基板表面の微妙な変化を確認することができる。このように、ユーザは画像からより多くの情報を得ることができるため、ユーザがより適切に吐出量を決定することが可能となる。
【0103】
また、図6の極座標変換画像P2に示すように、基板の周縁または中心からの距離を示す補助線Lを極座標変換画像に追加して表示する構成としてもよい。この場合、基板の周縁からの距離L2がどの程度の位置にどのような変化が起きているかをユーザが把握しやすくなる。
【0104】
また、極座標変換画像P2に対応付けて、画像を撮像した基板を特定する情報を表示することで、ユーザがどの基板の画像かを直感的に把握しやすくなる。
【0105】
また、複数の極座標変換画像に含まれる2以上の極座標変換画像を処理液の吐出量の順に配置した状態で画面に表示してもよい。この場合、ユーザは、処理液の吐出量の変化による基板の表面状態の変化を把握しやすくなる。
【0106】
また、図7に示すように、ユーザの指示に基づいて画像の特定の領域を拡大可能な構成としてもよい。この場合、ユーザが気になった部分(例えば、ムラが生じている部分、塗り残しがある部分)を詳細に確認することができるため、画像情報からユーザがより適切に吐出量を決定することが可能となる。
【0107】
また、図9で示した手順のように、決定された吐出量の処理液を複数の基板のそれぞれに対して供給することによって、被膜がその表面に形成された複数の基板の表面画像を個別に取得することで、複数の確認用画像を取得してもよい。また、図10に示すように、得られた確認用画像を画面に表示して、基板処理条件における処理液の吐出量を確定してもよい。このような構成とすることで、例えば、吐出量を決定する際の画像を取得する際の基板表面の状態が、偶発的なものか定常的なものかを確認することができる。したがって、確定することにおいて確定された基板処理条件は、多数の基板を処理する際に適したものとなる。
【0108】
[その他]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0109】
例えば、図7及び図8で示した画面表示例は一例であり、その配置・デザイン等は適宜変更され得る。また、ユーザが入力する情報等についても適宜変更することができる。画面表示を変更する例として、図7に示した極座標変換画像P2を通常座標に基づく画像に戻した状態で表示してもよい。また、その他の変更例として、ワークW周縁部の被覆状態(色ムラ)に着目した変更が挙げられる。例えば、ワークWの周縁部まで処理液(例えば、レジスト液)で被覆されている場合に、被覆状態が均一でないと不良品の発生につながる。そこで、図8の示したワークWの周縁部における処理液の被覆状態(色ムラ)を数値またはグラフによって表してもよい。さらに別の変更例として、例えば、図7または図8の画面において指定した部分(例えばワークWの周縁エリア)におけるRGB値またはグレイ値をグラフ化して表示してもよい。
【0110】
また、図5図10で示した手順は一例であり、各ステップでの処理の内容やその順序は変更してもよい。
【0111】
また、上記手順では、処理液がレジスト液である場合について説明したが、処理液の種類はレジスト液に限定されない。
【0112】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【0113】
[付記]
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下のとおり記載する。
【0114】
[1]
互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得することと、
前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得ることと、
前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示することと、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、前記処理液の被膜を形成する際の、前記基板への前記処理液の吐出量を決定することと、
を含む、塗布処理方法。
【0115】
[2]
前記表示することにおいて、前記極座標変換画像と共に、極座標変換前の基板の表面画像を併せて表示する、[1]に記載の塗布処理方法。
【0116】
[3]
前記表示することにおいて、前記画面に表示した画像のコントラストを調整可能である、[1]または[2]に記載の塗布処理方法。
【0117】
[4]
前記表示することにおいて、前記極座標変換画像に対して、前記基板の周縁または中心からの距離を示す補助線を追加して表示する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の塗布処理方法。
【0118】
[5]
前記表示することにおいて、前記1以上の極座標変換画像に対応付けて、当該画像を撮像した基板を特定する情報を表示する、[1]~[4]のいずれか一項に記載の塗布処理方法。
【0119】
[6]
前記表示することにおいて、前記複数の極座標変換画像に含まれる2以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で、且つ、前記処理液の吐出量の順に配置した状態で、画面に表示する、[1]~[5]のいずれか一項に記載の塗布処理方法。
【0120】
[7]
前記表示することにおいて、前記ユーザの指示に基づいて、前記画像の特定の領域を拡大表示可能である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の塗布処理方法。
【0121】
[8]
前記吐出量を決定することにおいて決定された吐出量の前記処理液を複数の基板のそれぞれに対して供給することによって、被膜がその表面に形成された複数の基板の表面画像を個別に取得し、複数の確認用画像を得ることと、
前記複数の確認用画像を画面に表示することと、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、基板処理条件における前記処理液の吐出量を確定することと、
をさらに含む、[1]~[7]のいずれか一項に記載の塗布処理方法。
【0122】
[9]
[1]~[8]のいずれか一項に記載の塗布処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0123】
[10]
互いに異なる吐出量の処理液を供給することによって形成された互いに異なる被膜をその表面にそれぞれ有する、複数の基板について、その表面画像を個別に取得する画像取得部と、
前記画像取得部において取得された前記複数の基板の表面画像をそれぞれ極座標変換することで、複数の極座標変換画像を得る画像変換部と、
前記複数の極座標変換画像に含まれる1以上の極座標変換画像を、当該画像を撮像した基板への前記処理液の吐出量を特定する情報に対応付けた状態で画面に表示する表示部と、
前記画面の表示内容に対するユーザの指示に基づいて、前記処理液の被膜を形成する際の、前記基板への前記処理液の吐出量を決定する吐出量決定部と、
を含む、塗布処理装置。
【符号の説明】
【0124】
1…基板処理システム、2…塗布・現像装置、92…表面検査部、100…制御部、101…画面出力部、102…ユーザ指示取得部、103…画像変換部、104…条件決定用サンプル作成条件設定部、105…確認用サンプル作成条件設定部、106…処理後画像取得部、107…基板処理条件更新部、108…基板処理制御部、110…ユーザインタフェース、121…サンプル作成条件保持部、122…基板画像保持部、123…基板処理条件保持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10