(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-25
(45)【発行日】2025-09-02
(54)【発明の名称】液体収容体
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20250826BHJP
【FI】
B41J2/175 201
B41J2/175 301
B41J2/175 133
B41J2/175 167
(21)【出願番号】P 2021161387
(22)【出願日】2021-09-30
【審査請求日】2024-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 準
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 梓
(72)【発明者】
【氏名】水野 和義
(72)【発明者】
【氏名】中川 茂憲
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-163643(JP,A)
【文献】特開2019-034418(JP,A)
【文献】特開2001-310482(JP,A)
【文献】特開2017-140737(JP,A)
【文献】国際公開第2021/166888(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/012786(WO,A1)
【文献】特開2014-061693(JP,A)
【文献】特開2017-094510(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0012417(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第107933101(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出装置に接続される液体収容体であって、
液体を収容する容器と、
異物を捕集するフィルター部と、
前記液体吐出装置と接続される導出部と、を備え、
前記容器には、
前記容器に液体を注入するための注入口と、
前記容器から液体を導出するための導出口と、が開口し、
前記フィルター部は、前記注入口に位置
し、
前記容器は、前壁と、前記前壁と反対の後壁と、収容する液体の液面を視認するための視認部と、を有し、
前記注入口は、前記容器の上側、且つ、前記容器の前側に位置し、
前記視認部は、前記前壁に位置し、
前記導出部は、前記液体収容体において前記後壁から前記前壁に向かう方向である前方を向く面に位置し、前記導出口から導出される液体を前記液体吐出装置に導出することを特徴とする液体収容体。
【請求項2】
前記フィルター部は、1次フィルターと、前記1次フィルターを通過した液体が通過する2次フィルターと、を有し、
前記1次フィルターの目の粗さは、前記2次フィルターの目の粗さよりも粗いことを特徴とする請求項1に記載の液体収容体。
【請求項3】
少なくとも前記視認部を露出させるように前記容器を覆うカバーを備えることを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の液体収容体。
【請求項4】
前記導出口と前記導出部との間に位置し、開閉可能な弁部と、
前記容器を下方から支持するフレームと、を備え、
前記フレームは、前記容器の下方に、外部からアクセス可能な収容空間を画定し、
前記弁部は、前記収容空間に位置することを特徴とする請求項
3に記載の液体収容体。
【請求項5】
前記導出口と前記導出部との間に位置するサブフィルター部を備え、
前記サブフィルター部は、前記収容空間に位置することを特徴とする請求項
4に記載の液体収容体。
【請求項6】
前記フレームは、前記導出部が取り付けられる取付板を有し、
前記取付板は、前記前壁の下方に位置し、前記前壁と連なるように延び、
前記容器は、下壁を有し、
前記導出口は、前記下壁に開口し、前記容器の後側に位置することを特徴とする請求項
5に記載の液体収容体。
【請求項7】
前記カバーは、前記収容空間を覆うことを特徴とする請求項
5又は請求項
6に記載の液体収容体。
【請求項8】
前記カバーは、前記フレームに固定されることを特徴とする請求項
4から請求項
7の何れか一項に記載の液体収容体。
【請求項9】
前記弁部は、
前記容器に収容される液体の残量によって移動するフロートを有し、
前記フロートが移動することによって開閉することを特徴とする請求項
4から請求項
8の何れか一項に記載の液体収容体。
【請求項10】
前記カバーは、ユーザーが把持するための把持部を有することを特徴とする請求項
3から請求項
9の何れか一項に記載の液体収容体。
【請求項11】
前記液体吐出装置は、前記導出部と接続される接続体を備え、
前記接続体は、前記液体収容体との接続を検知するための接続部を有し、
前記導出部は、前記接続部と接続される回路基板を有し、
前記回路基板は、前記接続部と接触する接続端子を有することを特徴とする請求項
1から請求項
10の何れか一項に記載の液体収容体。
【請求項12】
前記液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部を備え、
前記液体収容体は
、
前記導出口と前記導出部との間に位置し、開閉可能な弁部と、
前記弁部と前記導出部との間に位置するサブフィルター部と、を備え
、
前記サブフィルター部の捕集能力は、前記フィルター部の捕集能力よりも高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体収容体。
【請求項13】
液体を吐出する
吐出部を備える液体吐出装置に接続される液体収容体であって、
液体を収容する容器と、
異物を捕集するフィルター部と、を備え、
前記容器には、
前記容器に液体を注入するための注入口と、
前記容器から液体を導出するための導出口と、が開口し、
前記フィルター部は、前記注入口に位置
し、
前記液体収容体は、
前記液体吐出装置と接続される導出部と、
前記導出口と前記導出部との間に位置し、開閉可能な弁部と、
前記弁部と前記導出部との間に位置するサブフィルター部と、を備え、
前記導出部は、前記導出口から導出される液体を前記液体吐出装置に導出し、
前記サブフィルター部の捕集能力は、前記フィルター部の捕集能力よりも高いことを特徴とする液体収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体吐出装置と接続される液体収容体が記載されている。液体収容体は、液体を収容する容器を備える。容器には、液体が注入される注入口が開口する。注入口から液体が注入されることによって、液体収容体が継続的に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される液体収容体では、注入口から液体を注入する場合に、容器に異物が進入するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する液体収容体は、液体を吐出する液体吐出装置に接続される液体収容体であって、液体を収容する容器と、異物を捕集するフィルター部と、を備え、前記容器には、前記容器に液体を注入するための注入口と、前記容器から液体を導出するための導出口と、が開口し、前記フィルター部は、前記注入口に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】液体吐出装置及び液体収容体の模式図である。
【
図10】
図4の10-10線で切断した断面図である。
【
図19】
図13とは異なる方向で切断した弁部の断面図である。
【
図24】フィルター部の変更例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、液体吐出装置と接続される液体収容体の一実施形態について図を参照しながら説明する。まず、液体吐出装置について説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
図1に示すように、液体吐出装置11は、液体収容体31と接続される。液体吐出装置11は、筐体12と、吐出部13と、供給機構14とを備える。
吐出部13は、筐体12に収容される。吐出部13は、液体を吐出するように構成される。吐出部13は、例えば、ヘッドである。吐出部13は、1以上のノズル15を有する。吐出部13は、ノズル15から媒体99に液体を吐出する。
【0009】
供給機構14は、液体収容体31から吐出部13に液体を供給するように構成される。供給機構14は、例えば、接続体21と、供給管22と、ポンプ23と、脱気モジュール24と、貯留部25と、圧力調整弁26とを備える。
【0010】
接続体21は、液体収容体31と接続可能に構成される。接続体21が液体収容体31に接続されることによって、液体収容体31から吐出部13に液体を供給可能となる。本例では、接続体21は、筐体12外に位置する。接続体21は、筐体12内に位置してもよい。
【0011】
接続体21は、接続部27を有する。接続部27は、液体収容体31と接続体21との接続を検知するための機能部である。接続部27は、例えば、液体収容体31と電気的に接続される端子である。
【0012】
供給管22は、液体が流れるように構成される。供給管22は、例えば、チューブを含む。供給管22は、接続体21と吐出部13とに接続される。本例では、供給管22は、筐体12の内外にわたって延びる。供給管22は、筐体12内だけを延びてもよい。すなわち、供給管22の全体が、筐体12に収容されてもよい。
【0013】
ポンプ23は、供給管22に位置する。ポンプ23は、例えば、接続体21と脱気モジュール24との間に位置する。ポンプ23は、例えば、筐体12内に位置する。ポンプ23は、駆動することによって、液体収容体31から吐出部13に向けて液体を送る。ポンプ23は、例えば、ダイヤフラムポンプである。
【0014】
脱気モジュール24は、供給管22に位置する。脱気モジュール24は、例えば、ポンプ23と貯留部25との間に位置する。脱気モジュール24は、例えば、筐体12内に位置する。脱気モジュール24は、供給管22を流れる液体を脱気するように構成される。脱気モジュール24は、例えば、液体に負圧を作用させることによって、液体から気泡を取り除く。
【0015】
貯留部25は、供給管22に位置する。貯留部25は、例えば、脱気モジュール24と圧力調整弁26との間に位置する。貯留部25は、例えば、筐体12内に位置する。貯留部25は、液体を貯留するように構成される。貯留部25は、貯留する液体を供給するように構成されてもよい。例えば、貯留部25は、貯留する液体に圧力を加えることによって、貯留する液体を吐出部13に送ってもよい。
【0016】
圧力調整弁26は、供給管22に位置する。圧力調整弁26は、例えば、貯留部25と吐出部13との間に位置する。圧力調整弁26は、例えば、筐体12内に位置する。圧力調整弁26は、吐出部13内の圧力に応じて開閉する。圧力調整弁26は、吐出部13内の圧力が所定圧力以下の場合に、開く。この場合、貯留部25から吐出部13に液体が流れる。吐出部13に液体が流れると、吐出部13内の圧力が大きくなる。圧力調整弁26は、吐出部13内の圧力が所定圧力を超える場合に、閉じる。この場合、貯留部25から吐出部13に液体が流れない。これにより、吐出部13内の圧力が調整される。
【0017】
供給機構14は、1以上の供給弁28を有していてもよい。供給弁28は、供給管22に位置する。供給弁28は、例えば、接続体21とポンプ23との間に位置する。供給弁28は、例えば、筐体12内に位置する。供給弁28は、筐体12外に位置してもよい。
【0018】
供給弁28が閉じると、液体収容体31から液体吐出装置11に液体が供給されない。供給弁28が開くと、液体収容体31から液体吐出装置11に液体が供給される。供給機構14が複数の供給弁28を有する場合、複数の供給弁28は、接続体21とポンプ23との間の他に、例えば、脱気モジュール24と貯留部25との間に配置されてもよいし、貯留部25と圧力調整弁26との間に配置されてもよい。
【0019】
次に、液体収容体31について説明する。
液体収容体31は、液体を収容するように構成される。液体収容体31は、液体吐出装置11と接続される。詳しくは、液体収容体31は、接続体21と接続される。液体収容体31は、接続体21から取り外すこともできる。液体収容体31は、接続体21と着脱自在である。
【0020】
本例では、液体収容体31において前方を向く面に、接続体21が接続される。液体収容体31に接続体21が接続された状態において、液体収容体31から接続体21に向かう方向が、前方である。液体収容体31において接続体21が接続される面が、液体収容体31において前方を向く面である。
【0021】
本例では、液体収容体31は、筐体12外に位置する。そのため、液体収容体31は、筐体12外で接続体21と接続される。本例では、液体収容体31は、筐体12から離れた位置で接続体21と接続される。液体収容体31は、筐体12内に位置してもよい。例えば、液体収容体31は、筐体12に収容されたうえで、接続体21と接続されてもよい。
【0022】
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、及び、
図7に示すように、本例では、液体収容体31の形状は、直方体形状である。本例では、液体収容体31について、幅、奥行き、高さのうち、高さが最も大きい。
【0023】
図8に示すように、液体収容体31は、容器32を備える。容器32は、液体を収容する。
図9に示すように、本例では、容器32の形状は、直方体形状である。そのため、容器32は、前壁33と、後壁34と、上壁35と、下壁36と、右側壁37と、左側壁38とを有する。
【0024】
前壁33は、容器32において前方に位置する壁である。前壁33は、後壁34と反対の壁である。前壁33は、上壁35と下壁36と右側壁37と左側壁38とに繋がる。本例では、前壁33は、液体収容体31において前方を向く面を構成する。
【0025】
後壁34は、容器32において後方に位置する壁である。後壁34は、前壁33と反対の壁である。後壁34は、上壁35と下壁36と右側壁37と左側壁38とに繋がる。
上壁35は、容器32において上方に位置する壁である。上壁35は、下壁36と反対の壁である。上壁35は、前壁33と後壁34と右側壁37と左側壁38とに繋がる。
【0026】
下壁36は、容器32において下方に位置する壁である。下壁36は、上壁35と反対の壁である。下壁36は、前壁33と後壁34と右側壁37と左側壁38とに繋がる。
右側壁37は、前壁33を正面から見た場合に、容器32において右方に位置する壁である。右側壁37は、左側壁38と反対の壁である。右側壁37は、前壁33と後壁34と上壁35と下壁36とに繋がる。
【0027】
左側壁38は、前壁33を正面から見た場合に、容器32において左方に位置する壁である。左側壁38は、右側壁37と反対の壁である。左側壁38は、前壁33と後壁34と上壁35と下壁36とに繋がる。
【0028】
図10に示すように、容器32は、液体を収容する収容室41を有する。収容室41は、容器32において、前壁33、後壁34、上壁35、下壁36、右側壁37、及び、左側壁38によって区画される空間である。
【0029】
図9及び
図10に示すように、容器32には、注入口42が開口する。注入口42は、容器32に液体を注入するための開口である。注入口42を通じて、収容室41に液体が注入される。これにより、ユーザーは、液体収容体31を継続的に使用できる。
【0030】
注入口42は、容器32の上側に位置する。容器32の上側とは、上壁35と下壁36との間の中間位置よりも上方を指す。具体的には、容器32の上側は、上壁35と下壁36との間の中間を延びる第1仮想線L1よりも上方である。本例では、注入口42は、上壁35に開口する。
【0031】
注入口42は、容器32の前側に位置する。容器32の前側とは、前壁33と後壁34との間の中間位置よりも前方を指す。具体的には、容器32の前側は、前壁33と後壁34との間の中間を延びる第2仮想線L2よりも前方である。本例では、注入口42は、上壁35の前側に開口する。
【0032】
容器32には、導出口43が開口する。導出口43は、容器32から液体を導出するための開口である。導出口43を通じて収容室41から液体が導出される。
導出口43は、容器32の下側に位置する。容器32の下側とは、上壁35と下壁36との間の中間位置よりも下方を指す。具体的には、容器32の下側は、第1仮想線L1よりも下方である。本例では、導出口43は、下壁36に開口する。
【0033】
導出口43は、容器32の後側に位置する。容器32の後側とは、前壁33と後壁34との間の中間位置よりも後方を指す。具体的には、容器32の後側は、第2仮想線L2よりも後方である。本例では、導出口43は、下壁36の後側に開口する。
【0034】
容器32は、視認部44を有する。視認部44は、容器32に収容される液体の液面を視認するための機能部である。ユーザーは、視認部44を通じて液面を視認することによって、容器32に収容される液体の残量を把握する。
【0035】
視認部44は、容器32において透明又は半透明な部分によって構成される。本例では、視認部44は、前壁33に位置する。そのため、容器32において、少なくとも前壁33は、透明又は半透明である。本例では、前壁33に限らず、容器32の全体が、透明又は半透明である。
【0036】
容器32は、例えば、透明又は半透明な樹脂材料で製造される。容器32は、例えば、ブロー成形で製造される。容器32は、ブロー成形に限らず、射出成形、押出成形など、その他の方法で製造されてもよい。
【0037】
図8に示すように、液体収容体31は、保護部材51を備える。保護部材51は、容器32を囲うことによって、容器32を保護する。本例では、保護部材51は、カバー52と、フレーム53とを有する。カバー52とフレーム53とは、一体化されてもよい。
【0038】
本例では、カバー52は、フレーム53に固定される。本例では、カバー52は、フレーム53に対してねじ留めされる。カバー52は、フレーム53に対して着脱自在である。
【0039】
カバー52がフレーム53に固定される場合、カバー52が容器32に固定される場合と比べて、カバー52に加わる力が容器32に伝わりにくい。例えば、カバー52が変形した場合に、変形による応力が容器32に伝わりにくい。また、カバー52がフレーム53に固定される場合、カバー52が容器32に固定される場合と比べて、カバー52を固定するために容器32に加工を施す必要がなくなる。そのため、容器32の剛性が維持される。したがって、保護部材51によって容器32が適切に保護される。
【0040】
カバー52は、容器32を覆うように構成される。カバー52は、例えば、板金で構成される。本例では、カバー52は、前板54と、上板55と、右板56と、左板57とを有する。
【0041】
前板54は、カバー52において前方に位置する板である。前板54は、上板55と右板56と左板57とに繋がる。前板54は、前壁33と対向する。本例では、前板54は、液体収容体31において前方を向く面を構成する。
【0042】
上板55は、カバー52において上方に位置する板である。上板55は、前板54と右板56と左板57とに繋がる。上板55は、上壁35と対向する。
右板56は、前板54を正面に見た場合に、カバー52において右方に位置する板である。右板56は、左板57と反対の板である。右板56は、前板54と上板55とに繋がる。右板56は、右側壁37と対向する。本例では、右板56は、フレーム53に固定される。
【0043】
左板57は、前板54を正面に見た場合に、カバー52において左方に位置する板である。左板57は、右板56と反対の板である。左板57は、前板54と上板55とに繋がる。左板57は、左側壁38と対向する。本例では、左板57は、フレーム53に固定される。
【0044】
カバー52は、少なくとも視認部44を露出させるように容器32を覆う。本例では、カバー52は、前壁33の少なくとも一部を露出させるように容器32を覆う。カバー52には、前壁33を露出させる露出口58が開口している。本例では、容器32の全体が透明又は半透明であるため、前壁33において露出口58から露出する部分が視認部44として機能する。ユーザーは、露出口58を通じて、容器32が収容する液体の液面を視認する。
【0045】
本例では、カバー52が後壁34を覆わないため、後壁34が露出している。そのため、本例では、ユーザーは、後壁34を通じて容器32に収容される液体の液面を視認することもできる。
【0046】
本例では、露出口58は、視認部44に限らず、注入口42も露出させる。すなわち、本例では、露出口58は、前壁33と上壁35とを露出させる。したがって、露出口58は、前板54と上板55とにわたって開口している。視認部44を露出させる開口と、注入口42を露出させる開口とは、分けられていてもよい。
【0047】
カバー52は、ユーザーが把持するための把持部59を有していてもよい。これにより、ユーザーにとって液体収容体31を運搬しやすくなる。本例では、把持部59は、上板55に取り付けられる。把持部59は、上板55の後側に位置する。すなわち、把持部59は、上板55において第2仮想線L2よりも後方に位置する。
【0048】
図9に示すように、フレーム53は、容器32を下方から支持する。フレーム53は、容器32の下方に位置する。フレーム53が容器32を支持することによって、液体収容体31の姿勢が安定する。
【0049】
フレーム53は、例えば、板金で構成される。本例では、フレーム53は、取付板61と、保護板62と、天板63と、底板64とを有する。
図9及び
図11に示すように、取付板61は、フレーム53において前方に位置する。取付板61は、保護板62と反対の板である。取付板61は、天板63と底板64とに繋がる。本例では、取付板61は、液体収容体31において前方を向く面を構成する。
【0050】
取付板61は、後述する導出部151が取り付けられる板である。取付板61は、前壁33の下方に位置する。取付板61は、前壁33と連なるように延びる。取付板61は、前板54の下方に位置する。取付板61は、前板54と連なるように延びる。
【0051】
保護板62は、フレーム53において後方に位置する。保護板62は、取付板61と反対の板である。保護板62は、天板63と底板64とに繋がる。保護板62は、後壁34の下方に位置する。保護板62は、後壁34と連なるように延びる。
【0052】
天板63は、フレーム53において上方に位置する。天板63は、底板64と反対の板である。天板63は、取付板61と保護板62とに繋がる。天板63に、容器32が置かれる。すなわち、天板63は、容器32と接触する。天板63は、下壁36と対向する。
【0053】
底板64は、フレーム53において下方に位置する。底板64は、天板63と反対の板である。底板64は、取付板61と保護板62とに繋がる。
フレーム53は、容器32の下方に収容空間65を画定する。収容空間65は、取付板61と、保護板62と、天板63と、底板64とによって区画される空間である。収容空間65は、外部からアクセス可能な空間である。収容空間65は、容器32の直下に位置する。収容空間65内には、液体収容体31が備える構成が位置する。
【0054】
図11に示すように、フレーム53には、1以上の開放口66が開口する。本例では、フレーム53には、2つの開放口66が開口する。開放口66は、取付板61と、保護板62と、天板63と、底板64とによって区画される開口である。収容空間65は、開放口66と通じる。ユーザーは、開放口66を通じて収容空間65にアクセスできる。
【0055】
本例では、カバー52がフレーム53に取り付けられる場合に、2つの開放口66は、右板56と左板57とによってそれぞれ塞がれる。すなわち、本例では、カバー52は、収容空間65を覆う。そのため、本例では、ユーザーが収容空間65にアクセスするために、カバー52をフレーム53から取り外す必要がある。換言すると、収容空間65内に位置する構成は、カバー52によって保護される。
【0056】
フレーム53には、挿入口67が開口する。挿入口67は、天板63に開口する。本例では、挿入口67は、天板63の後側に開口する。フレーム53に容器32が置かれた状態において、挿入口67は、導出口43と重なる。
【0057】
フレーム53には、取付口68が開口する。取付口68は、取付板61に開口する。取付口68は、導出部151が取り付けられるための開口である。
図12に示すように、液体収容体31は、緩衝材71を備えてもよい。緩衝材71は、例えば、容器32とカバー52との間に位置する。本例では、緩衝材71は、上壁35と上板55との間に位置する。
【0058】
通常、カバー52は、製造誤差、取付誤差などを考慮して、容器32よりも大きく製造される。そのため、容器32とカバー52との間に隙間が生じることがある。容器32とカバー52との間に隙間が生じると、カバー52内で容器32が移動するおそれがある。この点、緩衝材71によって、カバー52内で容器32が移動するおそれが低減される。また、緩衝材71によって、カバー52から容器32に振動、衝撃などが伝わりにくくなる。
【0059】
液体収容体31は、保護蓋72を備えてもよい。保護蓋72は、例えば、容器32に取り付けられる。本例では、保護蓋72は、上壁35に取り付けられる。保護蓋72は、ヒンジ73によって上壁35に取り付けられる。
【0060】
保護蓋72は、容器32に対して開閉する。保護蓋72は、閉じることによって、注入口42を塞ぐ。これにより、保護蓋72は、注入口42を保護する。保護蓋72が開くと、注入口42が露出する。この場合に、ユーザーは、注入口42から液体を注入できる。
【0061】
液体収容体31は、シールリング74を備えてもよい。シールリング74は、容器32と保護蓋72との間に位置する。本例では、シールリング74は、容器32に取り付けられる。詳しくは、シールリング74は、注入口42を囲うように上壁35に取り付けられる。
【0062】
シールリング74は、保護蓋72が閉じる場合に、容器32と保護蓋72とをシールする。これにより、保護蓋72が閉じる状態で、注入口42に異物が進入するおそれが低減される。
【0063】
容器32又は保護蓋72に、大気開放口75が開口していてもよい。大気開放口75は、収容室41を大気に開放する開口である。収容室41を大気に開放することによって、収容室41の液体が導出口43を通じてスムーズに導出される。特に、シールリング74によって容器32と保護蓋72とがシールされる場合に、大気開放口75は有用である。本例では、保護蓋72に大気開放口75が開口している。
【0064】
液体収容体31は、ロック機構76を備えていてもよい。ロック機構76は、閉じた保護蓋72を容器32に対してロックする機構である。ロック機構76は、容器32と保護蓋72とに取り付けられる。ロック機構76が保護蓋72をロックすることによって、意図せず保護蓋72が開くおそれが低減される。
【0065】
液体収容体31は、フィルター部81を備える。フィルター部81は、容器32に取り付けられる。フィルター部81は、容器32から取り外すこともできる。フィルター部81は、容器32に対して着脱自在である。フィルター部81は、注入口42に位置する。
【0066】
フィルター部81は、異物を捕集するように構成される。フィルター部81によって、注入口42から異物が容器32に進入するおそれが低減される。フィルター部81は、例えば、保持部材82と、1以上のフィルターとを有する。本例では、フィルター部81は、保持部材82と、第1フィルター83と、第2フィルター84とを有する。
【0067】
注入口42から液体が注入されると、その液体は、フィルター部81を通過する。注入口42から注入される液体は、第1フィルター83、第2フィルター84の順で通過する。そのため、本例では、第1フィルター83は、1次フィルターである。第2フィルター84は、1次フィルターを通過した液体が通過する2次フィルターである。液体が1以上のフィルターを通過することによって、液体から異物が取り除かれる。
【0068】
保持部材82は、第1フィルター83と、第2フィルター84とを保持する。保持部材82は、注入口42に嵌め込まれる。保持部材82は、液体が通過可能に構成される。本例では、保持部材82は、ステンレス製のメッシュフィルターである。そのため、本例では、保持部材82は、3次フィルターとしても機能する。第1フィルター83と第2フィルター84とを通過した液体が3次フィルターを通過する。
【0069】
保持部材82は、縁部分85と、突出部分86とを有する。縁部分85は、上壁35において注入口42を画定する縁と接触する。縁部分85が上壁35に引っかけられることによって、保持部材82が容器32に取り付けられる。突出部分86は、縁部分85と連なる。突出部分86は、縁部分85から容器32内に突出する部分である。そのため、突出部分86は、収容室41に位置する。
【0070】
突出部分86内に1以上のフィルターが収められる。すなわち、突出部分86が、第1フィルター83と第2フィルター84とを保持する。本例では、第1フィルター83と第2フィルター84とは、突出部分86の底よりも上方に位置する。そのため、第1フィルター83、第2フィルター84を通過した液体は、突出部分86の底を通過する。
【0071】
第1フィルター83は、例えば、スポンジフィルターである。第1フィルター83は、フィルター部81において、注入口42から注入された液体に最先で接触するフィルターである。本例では、第1フィルター83は、第2フィルター84よりも上方に位置する。
【0072】
第2フィルター84は、例えば、スポンジフィルターである。第2フィルター84は、フィルター部81において、第1フィルター83を通過した液体に接触するフィルターである。第2フィルター84は、第1フィルター83よりも下方に位置する。本例では、第2フィルター84は、第1フィルター83と積層される。
【0073】
1次フィルターの目の粗さは、2次フィルターの目の粗さよりも粗い。本例では、第1フィルター83の目の粗さは、第2フィルター84の目の粗さよりも粗い。すなわち、第1フィルター83の濾過粒度は、第2フィルター84の濾過粒度よりも大きい。濾過粒度は、例えば、粒径が既知の標準粒子を濾過した場合に標準粒子の捕集率が99%以上となる粒径を指す。例えば、第1フィルター83の濾過粒度は、70マイクロメートルである。例えば、第2フィルター84の濾過粒度は、13マイクロメートルである。
【0074】
フィルターの濾過粒度が小さいほど、より細かな異物が捕集される。その反面、フィルターの濾過粒度が小さいほど、液体がフィルターを通過するときの圧力損失が大きい。すなわち、フィルターの濾過粒度が小さいほど、液体がフィルターを通過しにくい。フィルターにおいて、濾過粒度と圧力損失とは、トレードオフである。
【0075】
液体がフィルターを通過しにくいと、液体の注入が滞る。液体がフィルターを通過しにくいと、フィルターに液体が溜まる場合がある。この場合、注入された液体がフィルターで跳ね返るおそれがある。液体がフィルターで跳ね返ると、注入口42の周囲に液体が飛散するおそれがある。
【0076】
本例では、注入口42から液体が注入されると、その液体は、まず第1フィルター83に接触する。第1フィルター83の目が粗いため、液体は第1フィルター83を通過しやすい。そのため、液体が第1フィルター83に溜まらない。これにより、注入された液体が飛散するおそれが低減される。
【0077】
第1フィルター83を通過した液体は、第2フィルター84に接触する。第2フィルター84の目は細かいため、第2フィルター84によって細かな異物が捕集される。すなわち、第1フィルター83を通過した異物を第2フィルター84が捕集する。
【0078】
第2フィルター84の目は細かいため、注入された液体が第2フィルター84で溜まる場合がある。注入された液体の速度は、第1フィルター83を通過することによって減衰する。そのため、第2フィルター84に液体が溜まっていても、第2フィルター84で液体が跳ね返るおそれが小さい。また、第2フィルター84で液体が跳ね返ったとしても、その液体は、第1フィルター83に受け止められる。そのため、注入口42の周囲に液体が飛散するおそれが小さい。
【0079】
3次フィルターとして機能する保持部材82の目の粗さは、第1フィルター83の目の粗さよりも粗くてもよいし、第2フィルター84の目の粗さよりも細かくてもよい。また、保持部材82の目の粗さは、第1フィルター83の目の粗さよりも細かい、且つ、第2フィルター84の目の粗さよりも粗くてもよい。保持部材82の目の粗さが第2フィルター84の目の粗さよりも細かい場合、フィルター部81がより細かな異物を捕集できる。
【0080】
図10に示すように、液体収容体31は、導出機構91を備える。導出機構91は、容器32から接続体21に液体を導出する機構である。導出機構91は、導出口43と接続体21とに接続される。
【0081】
導出機構91は、弁部92を有する。弁部92は、開閉可能に構成される。弁部92は、開閉することによって液体の流れを制御する。弁部92が開くと、容器32から接続体21に液体が導出可能となる。弁部92が閉じると、容器32から接続体21に液体が導出不能となる。
【0082】
本例では、弁部92は、容器32に取り付けられる。詳しくは、弁部92は、下壁36に取り付けられる。弁部92は、導出口43と重なるように取り付けられる。すなわち、弁部92は、下壁36の後側に取り付けられる。弁部92は、容器32と直接接続されることに限らず、例えば、チューブを介して容器32と接続されてもよい。弁部92は、挿入口67を通じて、収容空間65に位置する。すなわち、弁部92は、フレーム53に収容される。
【0083】
弁部92は、容器32が収容する液体の残量に応じて開閉するように構成される。弁部92は、例えば、容器32が収容する液体の残量が0又は僅少となると、閉じる。これにより、液体収容体31から液体吐出装置11に空気が流れるおそれが低減される。本例では、弁部92は、容器32が収容する液体の残量に応じて自動的に開閉するフロート弁である。
【0084】
図13に示すように、弁部92は、ホルダー93と、フロート94と、シール部材95とを有する。
ホルダー93の形状は、円筒形状である。ホルダー93は、フロート94とシール部材95とを収容する。液体は、ホルダー93内を通過することによって、容器32から接続体21に流れる。
【0085】
ホルダー93は、液室96と、流入路97と、流出路98とを有する。液室96は、フロート94とシール部材95とが収容される空間である。液室96は、流入路97及び流出路98と通じる。流入路97を通じて液室96に液体が流入する。流出路98を通じて液室96から液体が流出する。
【0086】
液室96は、流入面101と、流出面102と、内周面103とによって画定される。流入面101、流出面102、及び、内周面103は、ホルダー93が内部に有する面である。
【0087】
流入面101は、流入路97が開口する面である。流入面101は、流出面102よりも上方に位置する。
流出面102は、流出路98が開口する面である。流出面102は、流入面101よりも下方に位置する。流入面101と流出面102との間でフロート94が移動する。詳しくは、フロート94は、流入面101に接近したり流出面102に接近したりするように移動する。
【0088】
内周面103は、流入面101と流出面102とに連なる。内周面103は、ホルダー93を上方から見た場合に、円形に延びる。すなわち、液室96の形状は、ホルダー93を上方から見た場合に、円筒形状である。
【0089】
図14及び
図15に示すように、本例では、ホルダー93は、2種類の流入路97を有する。詳しくは、ホルダー93は、第1流入路97Aと、第2流入路97Bとを有する。本例では、1つの第1流入路97Aと、4つの第2流入路97Bとを有する。
【0090】
第1流入路97Aは、ホルダー93を上方から見た場合に、中心に位置する。4つの第2流入路97Bは、ホルダー93を上方から見た場合に、第1流入路97Aの周囲に位置する。第1流入路97Aと第2流入路97Bとは、導出口43とそれぞれ通じる。
【0091】
複数の第2流入路97Bは、複数の形成面104によってそれぞれ画定される。複数の形成面104は、ホルダー93が内部に有する面である。複数の形成面104は、流入面101とそれぞれ連なる。
【0092】
図13に示すように、第1流入路97Aは、第1内面105と、段差面106と、第2内面107と、傾斜面108とによって画定される。第1内面105、段差面106、第2内面107、及び、傾斜面108は、ホルダー93が内部に有する面である。
【0093】
第1内面105、段差面106、第2内面107、傾斜面108は、導出口43から液室96に向かってこの順で連なる。すなわち、第1内面105は、段差面106と連なる。段差面106は、第1内面105と第2内面107とに連なる。第2内面107は、段差面106と傾斜面108とに連なる。傾斜面108は、第2内面107と流入面101とに連なる。
【0094】
第1流入路97Aは、導出口43から液室96に向かって断面積が大きくなるように延びる。そのため、ホルダー93を上方から見た場合に、第1内面105によって形成される円の径は、第2内面107によって形成される円の径より小さい。傾斜面108は、導出口43から液室96に向かって第1流入路97Aの断面積が大きくなるように傾斜する。
【0095】
流出路98は、画定面109によって画定される。画定面109は、ホルダー93が内部に有する面である。画定面109は、流出面102と連なる。
本例では、ホルダー93は、第1接触部分111と、第2接触部分112とを有する。第1接触部分111と第2接触部分112とは、流出面102に形成される。第1接触部分111と第2接触部分112とは、流出面102においてシール部材95に接触する部分である。本例では、第1接触部分111と第2接触部分112とは、流出面102において突出する部分である。
【0096】
第1接触部分111は、ホルダー93を上方から見た場合に、流出面102において、流出路98を囲うように位置する。第1接触部分111に流出路98が開口するともいえる。第1接触部分111は、ホルダー93を上方から見た場合に、円環状に延びる。
【0097】
第2接触部分112は、ホルダー93を上方から見た場合に、流出面102において、第1接触部分111を囲うように位置する。第2接触部分112は、ホルダー93を上方から見た場合に、円環状に延びる。
【0098】
フロート94は、液室96に位置する。フロート94の質量は、容器32が収容する液体の質量よりも小さい。そのため、フロート94は、液体に対して浮く。容器32に収容される液体の残量が減ることによって、液面が液室96にまで下がる。具体的には、容器32に収容される液体の残量が0になると、液面が液室96にまで下がる。フロート94は、液面の位置に応じて移動する。このように、フロート94は、容器32に収容される液体の残量によって移動する。弁部92は、フロート94が移動することによって開閉する。
【0099】
フロート94は、第1対向面121と、第2対向面122と、外周面123とを有する。第1対向面121は、流入面101に対向する面である。本例では、第1対向面121は、フロート94の上面である。第2対向面122は、流出面102に対向する面である。本例では、第2対向面122は、フロート94の下面である。外周面123は、内周面103に対向する面である。外周面123は、第1対向面121と第2対向面122とに連なる。
【0100】
図16及び
図17に示すように、本例では、フロート94の形状は、直方体形状である。外周面123は、フロート94を上方から見た場合に、矩形に延びる。
フロート94は、取付部124を有する。取付部124には、シール部材95が取り付けられる。取付部124は、第2対向面122に形成される。
【0101】
取付部124は、例えば、第1リブ125と、第2リブ126とを有する。第1リブ125と第2リブ126とにシール部材95が嵌め込まれることによって、取付部124にシール部材95が取り付けられる。
【0102】
図18に示すように、取付部124は、変位空間127を有する。変位空間127は、第1リブ125とシール部材95とによって区画される空間である。変位空間127は、シール部材95が第1接触部分111と接触することによって、シール部材95が変位するための空間である。
【0103】
フロート94が流出面102に接近すると、第1接触部分111は、取付部124に食い込むようにシール部材95と接触する。シール部材95は、第1接触部分111と接触することによって変形する。このとき、シール部材95は、変位空間127の容積を小さくするように撓む。
【0104】
液室96においてフロート94の姿勢が傾くことがある。例えば、第2対向面122が、流出面102と平行にならないことがある。フロート94の姿勢が傾くと、シール部材95の姿勢も傾く。そのため、第1接触部分111がシール部材95に対して適切に接触できないおそれがある。
【0105】
本例では、第1接触部分111は、取付部124に食い込むようにシール部材95と接触する。この場合、シール部材95の姿勢が傾いていても、第1接触部分111に合わせてシール部材95が変形する。これにより、第1接触部分111がシール部材95に対して適切に接触できる。すなわち、シール部材95が、ホルダー93とフロート94とをシールできる。このように、変位空間127によって、フロート94の姿勢の傾きに対応できる。
【0106】
変位空間127がない場合、フロート94の姿勢が傾くと、第1接触部分111がシール部材95に接触しても、シール部材95が変形しない。そのため、シール部材95の姿勢が傾いたままとなる。この場合、シール部材95がホルダー93とフロート94とをシールできないおそれがある。
【0107】
図16、
図17、
図18に示すように、取付部124は、退避溝128を有する。退避溝128は、第1リブ125と第2リブ126とを切り欠くように延びる。退避溝128は、シール部材95と取付部124との間の空間を外部と通じさせる溝である。シール部材95と取付部124との間の空間は、変位空間127を含む。
【0108】
シール部材95を取付部124に取り付けると、シール部材95と取付部124との間の空間から退避溝128を通じて空気が外部に排出される。すなわち、退避溝128によって、シール部材95を取付部124に取り付けやすくなる。退避溝128がない場合、シール部材95を取付部124に取り付けると、シール部材95と取付部124との間の空間が密閉される。この場合、シール部材95と取付部124との間の空間に空気が溜まるため、シール部材95を取付部124に取り付けにくくなる。
【0109】
図13に示すように、フロート94は、液体収容体31から液体吐出装置11に液体が導出されることによって液室96の液面が下がると、流出面102に接近する。その結果、シール部材95が流出面102に接触する。これにより、流出路98が塞がれる。このように、容器32に収容される液体がなくなると、弁部92は流出路98を閉じる。本例では、シール部材95が第1接触部分111と第2接触部分112とに接触する。すなわち、シール部材95は、ホルダー93とフロート94とを2重でシールする。これにより、シール部材95によるシール性が向上する。また、第1接触部分111及び第2接触部分112の何れかがシール部材95に対して適切に接触することによって、ホルダー93とフロート94とをシールできる。そのため、フロート94の姿勢が傾いていても、ホルダー93とフロート94とを適切にシールしやすくなる。
【0110】
フロート94は、容器32に液体が注入されることによって液室96の液面が上がると、流入面101に接近する。その結果、シール部材95が流出面102から離れる。これにより、液体収容体31から液体吐出装置11に液体を導出することが可能となる。
【0111】
容器32に液体が収容されていると、液室96が液体で満たされる。そのため、容器32に液体が収容されている間、流入面101と第1対向面121とが接触し続ける。この場合、流入面101と第1対向面121との間に付着する液体によって、フロート94がホルダー93に張り付くおそれがある。この点、本例では、流入面101に複数の流入路97が開口することによって、流入面101と第1対向面121との接触面積が低減される。また、傾斜面108によって、流入面101と第1対向面121との接触面積が低減される。これにより、フロート94がホルダー93に張り付くおそれが低減される。
【0112】
図19に示すように、本例では、外周面123は、内周面103と接触している。そのため、フロート94は、外周面123に接触しながら移動する。すなわち、内周面103がフロート94の移動をガイドする。
【0113】
容器32に収容される液体の有無によらず、外周面123は、内周面103と接触し続ける。そのため、外周面123と内周面103の間に付着する液体によって、フロート94がホルダー93に張り付くおそれがある。この点、本例では、ホルダー93を上方から見た場合に、内周面103が円形に延びているのに対し、外周面123が矩形に延びている。そのため、外周面123のうち内周面103に接触する部分は、矩形の角部分だけである。これにより、例えば外周面123が円弧状に延びる場合と比べて、外周面123と内周面103との接触面積が低減されている。これにより、フロート94がホルダー93に張り付くおそれが低減される。
【0114】
液面が液室96にまで下がると、液室96に空気が進入する。容器32に液体が注入されることによって液面が収容室41にまで上がったにもかかわらず、液室96に空気が残ると、フロート94が正常に移動しないおそれがある。この点、本例では、傾斜面108によって、液室96に残留する空気が収容室41に戻りやすい。
【0115】
図13に示すように、弁部92は、ガイド部材131を有してもよい。本例では、弁部92は、2つのガイド部材131を有する。ガイド部材131は、例えば、ロッドである。ガイド部材131は、ホルダー93に取り付けられる。ガイド部材131は、液室96に位置する。ガイド部材131は、流出面102から流入面101に向かって延びる。ガイド部材131は、フロート94の移動をガイドする。この場合、フロート94は、ガイド部材131が挿入される挿入部132を有する。挿入部132は、例えば、外周面123から突出する。
【0116】
弁部92は、ばねを有してもよい。本例では、弁部92は、第1ばね133と、第2ばね134とを有する。第1ばね133と第2ばね134とは、フロート94をホルダー93に対して押し付ける。これにより、フロート94が移動しやすくなる。また、第1ばね133と第2ばね134とによって、フロート94がホルダー93に張り付くおそれが低減される。
【0117】
第1ばね133は、フロート94を流出面102に押し付ける。第1ばね133は、ホルダー93とフロート94との間に位置する。第1ばね133は、ホルダー93とフロート94とに接触する。詳しくは、第1ばね133は、段差面106と第1対向面121とに接触する。
【0118】
第2ばね134は、フロート94を流入面101に押し付ける。第2ばね134は、ホルダー93とフロート94との間に位置する。第2ばね134は、フロート94とシール部材95とに接触する。詳しくは、第2ばね134は、流出面102とシール部材95とに接触する。
【0119】
図10に示すように、導出機構91は、第1継手136を有する。第1継手136は、弁部92に取り付けられる。詳しくは、第1継手136は、ホルダー93に取り付けられる。第1継手136は、流出路98と接続される。
【0120】
導出機構91は、第1導出管137を有する。第1導出管137は、例えば、チューブである。第1導出管137は、第1継手136に接続される。本例では、第1導出管137は、収容空間65を延びる。
【0121】
導出機構91は、サブフィルター部141を有する。サブフィルター部141は、第1導出管137と接続される。すなわち、サブフィルター部141は、導出機構91において弁部92よりも下流に位置する。サブフィルター部141が弁部92よりも下流に位置することによって、弁部92に進入した空気を収容室41に戻しやすくなる。サブフィルター部141は、収容空間65に位置する。サブフィルター部141は、第1継手136と第1導出管137とによって弁部92と接続される。
【0122】
サブフィルター部141は、異物を捕集するように構成される。サブフィルター部141は、例えば、カプセル142と、サブフィルター143とを有する。カプセル142は、サブフィルター143を収容する。液体は、カプセル142内を通過することによって、容器32から接続体21に流れる。
【0123】
サブフィルター143は、例えば、不織布フィルターである。サブフィルター143は、カプセル142内を通過する液体から異物を捕集する。本例では、サブフィルター143は、4次フィルターである。
【0124】
サブフィルター部141は、フィルター部81よりも、細かな異物を捕集するように構成される。すなわち、サブフィルター部141の捕集能力は、フィルター部81の捕集能力よりも高い。サブフィルター部141の捕集能力は、サブフィルター143に依存する。フィルター部81の捕集能力は、自身が有するフィルターのうち最も目が細かいフィルターに依存する。したがって、サブフィルター143の目の粗さは、第2フィルター84の目の粗さよりも細かい。換言すれば、サブフィルター143の濾過粒度は、第2フィルター84の濾過粒度よりも小さい。サブフィルター143の濾過粒度は、例えば、5マイクロメートルである。
【0125】
液体収容体31から液体吐出装置11に液体を導出するにあたって、フィルター部81とサブフィルター部141とで求められる捕集能力が異なる。フィルター部81では、容器32に液体をスムーズに注入するために、液体の通過速度が求められる。そのため、フィルター部81は、弁部92が正常に動作できる程度に異物を捕集すればよい。サブフィルター部141では、吐出部13が正常に動作できるように異物を捕集することが求められる。
【0126】
一般的に、吐出部13は、弁部92よりも精密である。そのため、吐出部13を流れる液体は、弁部92を流れる液体よりも、細かに濾過されている必要がある。フィルター部81は、弁部92が正常に動作するために液体を濾過する。サブフィルター部141は、吐出部13が正常に動作するために液体を濾過する。フィルター部81とサブフィルター部141との2段階で異物を捕集することによって、異物を適切に捕集しつつ、液体を注入しやすくなる。
【0127】
仮に、サブフィルター143のような目の細かいフィルターをフィルター部81が有する場合では、サブフィルター部141は不要となる。しかし、この場合には、フィルター部81で目の細かいフィルターを液体が通過する必要があるため、液体の注入が滞る。
【0128】
導出機構91は、第2導出管146を有する。第2導出管146は、例えば、チューブである。第2導出管146は、サブフィルター部141に接続される。本例では、第2導出管146は、カプセル142に接続される。
【0129】
導出機構91は、第2継手147を有する。第2継手147は、第2導出管146と接続される。
導出機構91は、導出部151を備える。導出部151は、第2継手147と接続される。導出部151は、導出機構91においてサブフィルター部141よりも下流に位置する。導出部151は、第2導出管146と第2継手147とによってサブフィルター部141と接続される。導出部151は、接続体21と接続される。すなわち、導出部151は、液体吐出装置11と接続される。導出部151は、収容空間65の内外にわたって位置する。
【0130】
導出部151は、導出機構91において下流端を構成する。本例では、導出機構91において、弁部92、第1継手136、第1導出管137、サブフィルター部141、第2導出管146、第2継手147、導出部151は、この順に並ぶ。弁部92の位置とサブフィルター部141の位置とは、逆でもよい。例えば、弁部92は、サブフィルター部141よりも下流に位置してもよい。弁部92は、導出口43と導出部151との間に位置すればよい。サブフィルター部141は、同様に、導出口43と導出部151との間に位置すればよい。導出部151は、導出口43から導出される液体を液体吐出装置11に導出する。
【0131】
導出部151は、液体収容体31において前方を向く面に位置する。本例では、導出部151は、フレーム53に取り付けられる。導出部151は、取付板61に取り付けられる。
【0132】
図20に示すように、導出部151は、第1部材152と、固定板153と、第2部材154とを有する。液体は、第1部材152内及び第2部材154内を通過することによって、容器32から接続体21に流れる。
【0133】
第1部材152は、固定板153に取り付けられる部材である。第1部材152は、第2継手147と接続される。
第1部材152は、基台部分155と、挿入部分156とを有する。基台部分155は、第2継手147と接続される部分である。基台部分155は、固定板153に固定される。挿入部分156は、基台部分155から延びる部分である。挿入部分156は、固定板153に挿入される。
【0134】
挿入部分156の形状は、円筒形状である。挿入部分156は、嵌合部分157を有する。嵌合部分157は、固定板153に嵌合する部分である。嵌合部分157は、挿入部分156の基端に位置する。
【0135】
挿入部分156は、複数のフック158を有する。複数のフック158は、挿入部分156の先端に位置する。複数のフック158は、第1部材152と第2部材154とを接続するための部材である。複数のフック158が第2部材154に引っ掛けられることによって、第1部材152と第2部材154とが接続される。
【0136】
固定板153には、挿入穴159が開口する。挿入穴159に、挿入部分156が挿入される。挿入穴159の径は、嵌合部分157の径とほぼ同一である。そのため、挿入部分156を挿入穴159に挿入すると、嵌合部分157が挿入穴159に嵌まる。これにより、第1部材152は、固定板153に対して位置決めされる。第1部材152は、嵌合部分157が挿入穴159に嵌まる状態で、例えば、ねじによって固定板153と固定される。固定板153は、取付板61に取り付けられる。これにより、導出部151が取付板61に固定される。
【0137】
第2部材154は、接続体21と接続される部材である。第2部材154は、接続管161と、接続部分162とを有する。接続管161は、接続体21に挿入される。接続管161から接続体21に液体が導出される。接続部分162は、第1部材152と接続される部分である。接続部分162に、挿入部分156が挿入される。
【0138】
図21及び
図22に示すように、接続部分162には、複数の接続口163が形成される。複数の接続口163は、複数のフック158と対応する。挿入部分156が接続部分162に挿入されると、フック158が接続口163内に位置する。これにより、フック158が接続部分162に引っかかる。フック158が接続部分162に引っかかることによって、第1部材152と第2部材154とが接続される。
【0139】
図23に示すように、導出部151は、回路基板164を有してもよい。回路基板164は、導出部151と接続体21との接続を検知するための基板である。回路基板164は、接続部27と接続される。回路基板164は、第2部材154に取り付けられる。回路基板164は、例えば、接続管161よりも上方に位置する。これにより、接続管161から垂れた液体が回路基板164に接触するおそれが低減される。
【0140】
回路基板164は、1以上の接続端子165を有する。接続端子165は、接続部27と接続される端子である。接続端子165は、接続体21が導出部151に接続されることに伴って、接続部27と接触する。接続端子165と接続部27とが接触することによって、回路基板164と接続部27とが接続される。これにより、液体吐出装置11は、液体収容体31と接続されたことを検知する。
【0141】
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)液体収容体31は、液体を収容する容器32と、異物を捕集するフィルター部81と、を備える。容器32には、容器32に液体を注入するための注入口42と、容器32から液体を導出するための導出口43と、が開口する。フィルター部81は、注入口42に位置する。上記構成によれば、フィルター部81によって、液体中の異物、空気中の異物などが注入口42から容器32に進入するおそれが低減される。
【0142】
(2)フィルター部81は、1次フィルターである第1フィルター83と、1次フィルターを通過した液体が通過する2次フィルターである第2フィルター84と、を有する。第1フィルター83の目の粗さは、第2フィルター84の目の粗さよりも粗い。
【0143】
注入口42から注入される液体は、フィルターに接触することによって飛散するおそれがある。特に、フィルターの目が細かいほど、そのフィルターを液体が通過しにくくなるため、フィルターに液体が溜まりやすい。この場合、液体がフィルターで跳ね返ることによって飛散するおそれがある。
【0144】
上記構成によれば、注入口42から注入される液体は、第2フィルター84よりも先に第1フィルター83に接触する。第1フィルター83の目は粗いため、液体は、第1フィルター83を通過しやすい。すなわち、第1フィルター83に液体が溜まりにくい。したがって、第1フィルター83よりも先に第2フィルター84に液体が接触する場合と比べて、液体が飛散するおそれが低減される。
【0145】
(3)液体収容体31は、液体吐出装置11と接続される導出部151を備える。導出部151は、液体収容体31において前方を向く面に位置し、導出口43から導出される液体を液体吐出装置11に導出する。上記構成によれば、ユーザーは、液体収容体31の前方から導出部151と液体吐出装置11とを接続しやすい。
【0146】
(4)容器32は、前壁33と、収容する液体の液面を視認するための視認部44と、を有する。注入口42は、容器32の上側、且つ、容器32の前側に位置する。視認部44は、前壁33に位置する。
【0147】
上記構成によれば、容器32の前側に注入口42が位置するため、ユーザーは、前壁33と対向する位置から液体を注入しやすい。そのうえ、視認部44が前壁33に位置するため、ユーザーは、視認部44を通じて容器32内の液面を確認しながら液体を注入できる。
【0148】
(5)液体収容体31は、少なくとも視認部44を露出させるように容器32を覆うカバー52を備える。
上記構成によれば、視認部44の機能を損なうことなくカバー52が容器32を保護できる。
【0149】
(6)液体収容体31は、導出口43と導出部151との間に位置し、開閉可能な弁部92と、容器32を下方から支持するフレーム53と、を備える。フレーム53は、容器32の下方に、外部からアクセス可能な収容空間65を画定する。弁部92は、収容空間65に位置する。上記構成によれば、弁部92に不具合が生じた場合に、弁部92に容易にアクセスできる。したがって、弁部92をメンテナンスしやすい。
【0150】
(7)液体収容体31は、導出口43と導出部151との間に位置するサブフィルター部141を備える。サブフィルター部141は、収容空間65に位置する。
上記構成によれば、サブフィルター部141に不具合が生じた場合に、サブフィルター部141に容易にアクセスできる。したがって、サブフィルター部141をメンテナンスしやすい。
【0151】
(8)フレーム53は、導出部151が取り付けられる取付板61を有する。取付板61は、前壁33の下方に位置し、前壁33と連なるように延びる。容器32は、下壁36を有する。導出口43は、下壁36に開口し、容器32の後側に位置する。
【0152】
上記構成によれば、導出口43が容器32の後側に位置するため、収容空間65において導出部151と導出口43との間にスペースが生まれる。したがって、収容空間65に弁部92及びサブフィルター部141を収めやすい。
【0153】
(9)カバー52は、収容空間65を覆ってもよい。
上記構成によれば、カバー52によって、弁部92及びサブフィルター部141を保護できる。
【0154】
(10)カバー52は、フレーム53に固定される。
カバー52が容器32に固定される場合、例えばカバー52に力が加わると、その力が容器32に伝わりやすい。この点、上記構成によれば、カバー52がフレーム53に固定されるため、カバー52に力が加わっても、その力が容器32に伝わりにくい。したがって、容器32を効果的に保護できる。
【0155】
(11)弁部92は、容器32に収容される液体の残量によって移動するフロート94を有し、フロート94が移動することによって開閉する。
上記構成によれば、電気的な制御を要することなく、弁部92が開閉する。したがって、弁部92の構成を簡易にできる。
【0156】
(12)カバー52は、ユーザーが把持するための把持部59を有する。
上記構成によれば、ユーザーにとって、液体収容体31の運搬がしやすくなる。
(13)液体吐出装置11は、導出部151と接続される接続体21を備える。接続体21は、液体収容体31との接続を検知するための接続部27を有する。導出部151は、接続部27と接続される回路基板164を有する。回路基板164は、接続部27と接触する接続端子165を有する。上記構成によれば、接続部27と回路基板164との接続によって、液体吐出装置11が液体収容体31との接続を検知できる。
【0157】
(14)サブフィルター部141の捕集能力は、フィルター部81の捕集能力よりも高い。
一般的に、吐出部13は、弁部92よりも精密である。そのため、吐出部13を流れる液体は、弁部92を流れる液体よりも、細かに濾過されている必要がある。例えば、吐出部13が正常に動作するようにフィルター部81で異物を捕集する場合、目の細かいフィルターをフィルター部81に適用する必要がある。この場合、フィルター部81によって異物が適切に捕集される一方で、液体の注入が滞る。
【0158】
上記構成によれば、フィルター部81とサブフィルター部141とによって、段階的に異物が捕集される。目の細かいフィルターをサブフィルター部141が有することによって、目の粗いフィルターをフィルター部81に適用できる。弁部92が正常に動作するようにフィルター部81が異物を捕集し、吐出部13が正常に動作するようにサブフィルター部141が異物を捕集することによって、異物を適切に捕集しつつ、液体の注入がスムーズとなる。
【0159】
本実施形態は、以下のように変更して実施できる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
・
図24に示すように、保持部材82は、フィルターとして機能せず、単にフィルターを保持する部材として構成されてもよい。例えば、フィルター部81は、1次フィルターと、2次フィルターと、フィルターとして機能しない保持部材82とを有する構成でもよい。また、フィルター部81は、1次フィルターと、フィルターとして機能しない保持部材82とを有する構成でもよい。
【0160】
・フィルター部81は、1次フィルターと、2次フィルターとして機能する保持部材82とを有する構成でもよい。この場合、保持部材82の目の粗さは、1次フィルターの目の粗さよりも細かい。
【0161】
・
図25に示すように、第1接触部分111とシール部材95との接触によって、ホルダー93とフロート94とがシールされる構成でもよい。すなわち、ホルダー93は、第2接触部分112を有しなくてもよい。この場合でも、変位空間127によって、フロート94の姿勢の傾きに対応できる。
【0162】
・
図26に示すように、取付部124は、シール部材95のうち第1接触部分111が接触する部分を受け止めるように構成されてもよい。すなわち、取付部124は、変位空間127を画定しないように構成されてもよい。この場合でも、第1接触部分111と第2接触部分112とによって、フロート94の姿勢の傾きに対応できる。
【0163】
・注入口42は、上壁35に限らず、例えば、前壁33に開口してもよい。注入口42は、後壁34に開口してもよいし、右側壁37に開口してもよいし、左側壁38に開口してもよい。注入口42は、容器32の上側に開口していればよい。
【0164】
・導出口43は、下壁36に限らず、例えば、前壁33に開口してもよい。注入口42は、後壁34に開口してもよいし、右側壁37に開口してもよいし、左側壁38に開口してもよい。導出口43は、容器32の下側に開口していればよい。
【0165】
・容器32は、露出口58によって露出される部分だけが透明又は半透明な樹脂で構成されてもよい。
・上壁35は、傾斜壁を含んでもよい。傾斜壁は、例えば、上方且つ前方を向く壁である。傾斜壁は、上方且つ後方を向く壁でもよいし、上方且つ右方を向く壁でもよいし、上方且つ左方を向く壁でもよい。注入口42は、傾斜壁に開口していてもよい。
【0166】
・弁部92は、容器32が収容する液体の残量によって電気的に開閉する電磁弁でもよい。この場合、液体収容体31は、例えば、容器32が収容する液体の残量を検知するセンサーを有する。弁部92は、センサーの検知結果に基づいて開閉する。
【0167】
・弁部92は、収容空間65外に位置してもよい。
・サブフィルター部141は、収容空間65外に位置してもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0168】
(A)液体収容体は、液体を吐出する液体吐出装置に接続される液体収容体であって、液体を収容する容器と、異物を捕集するフィルター部と、を備え、前記容器には、前記容器に液体を注入するための注入口と、前記容器から液体を導出するための導出口と、が開口し、前記フィルター部は、前記注入口に位置する。上記構成によれば、フィルター部によって、液体中の異物、空気中の異物などが注入口から容器に進入するおそれが低減される。
【0169】
(B)上記液体収容体において、前記フィルター部は、1次フィルターと、前記1次フィルターを通過した液体が通過する2次フィルターと、を有し、前記1次フィルターの目の粗さは、前記2次フィルターの目の粗さよりも粗くてもよい。
【0170】
注入口から注入される液体は、フィルターに接触することによって飛散するおそれがある。特に、フィルターの目が細かいほど、そのフィルターを液体が通過しにくくなるため、フィルターに液体が溜まりやすい。この場合、液体がフィルターで跳ね返ることによって飛散するおそれがある。
【0171】
上記構成によれば、注入口から注入される液体は、2次フィルターよりも先に1次フィルターに接触する。1次フィルターの目は粗いため、液体は、1次フィルターを通過しやすい。すなわち、1次フィルターに液体が溜まりにくい。したがって、1次フィルターよりも先に2次フィルターに液体が接触する場合と比べて、液体が飛散するおそれが低減される。
【0172】
(C)上記液体収容体は、前記液体吐出装置と接続される導出部を備え、前記導出部は、前記液体収容体において前方を向く面に位置し、前記導出口から導出される液体を前記液体吐出装置に導出してもよい。上記構成によれば、ユーザーは、液体収容体の前方から導出部と液体吐出装置とを接続しやすい。
【0173】
(D)上記液体収容体において、前記容器は、前壁と、収容する液体の液面を視認するための視認部と、を有し、前記注入口は、前記容器の上側、且つ、前記容器の前側に位置し、前記視認部は、前記前壁に位置してもよい。
【0174】
上記構成によれば、容器の前側に注入口が位置するため、ユーザーは、前壁と対向する位置から液体を注入しやすい。そのうえ、視認部が前壁に位置するため、ユーザーは、視認部を通じて容器内の液面を確認しながら液体を注入できる。
【0175】
(E)上記液体収容体は、少なくとも前記視認部を露出させるように前記容器を覆うカバーを備えてもよい。
上記構成によれば、視認部の機能を損なうことなくカバーが容器を保護できる。
【0176】
(F)上記液体収容体は、前記導出口と前記導出部との間に位置し、開閉可能な弁部と、前記容器を下方から支持するフレームと、を備え、前記フレームは、前記容器の下方に、外部からアクセス可能な収容空間を画定し、前記弁部は、前記収容空間に位置してもよい。上記構成によれば、弁部に不具合が生じた場合に、弁部に容易にアクセスできる。したがって、弁部をメンテナンスしやすい。
【0177】
(G)上記液体収容体は、前記導出口と前記導出部との間に位置するサブフィルター部を備え、前記サブフィルター部は、前記収容空間に位置してもよい。
上記構成によれば、サブフィルター部に不具合が生じた場合に、サブフィルター部に容易にアクセスできる。したがって、サブフィルター部をメンテナンスしやすい。
【0178】
(H)上記液体収容体において、前記フレームは、前記導出部が取り付けられる取付板を有し、前記取付板は、前記前壁の下方に位置し、前記前壁と連なるように延び、前記容器は、下壁を有し、前記導出口は、前記下壁に開口し、前記容器の後側に位置してもよい。
【0179】
上記構成によれば、導出口が容器の後側に位置するため、収容空間において導出部と導出口との間にスペースが生まれる。したがって、収容空間に弁部及びサブフィルター部を収めやすい。
【0180】
(I)上記液体収容体において、前記カバーは、前記収容空間を覆ってもよい。
上記構成によれば、カバーによって、弁部及びサブフィルター部を保護できる。
(J)上記液体収容体において、前記カバーは、前記フレームに固定されてもよい。カバーが容器に固定される場合、例えばカバーに力が加わると、その力が容器に伝わりやすい。この点、上記構成によれば、カバーがフレームに固定されるため、カバーに力が加わっても、その力が容器に伝わりにくい。したがって、容器を効果的に保護できる。
【0181】
(K)上記液体収容体において、前記弁部は、前記容器に収容される液体の残量によって移動するフロートを有し、前記フロートが移動することによって開閉してもよい。
上記構成によれば、電気的な制御を要することなく、弁部が開閉する。したがって、弁部の構成を簡易にできる。
【0182】
(L)上記液体収容体において、前記カバーは、ユーザーが把持するための把持部を有してもよい。
上記構成によれば、ユーザーにとって、液体収容体の運搬がしやすくなる。
【0183】
(M)上記液体収容体において、前記液体吐出装置は、前記導出部と接続される接続体を備え、前記接続体は、前記液体収容体との接続を検知するための接続部を有し、前記導出部は、前記接続部と接続される回路基板を有し、前記回路基板は、前記接続部と接触する接続端子を有してもよい。上記構成によれば、接続部と回路基板との接続によって、液体吐出装置が液体収容体との接続を検知できる。
【0184】
(N)上記液体収容体において、前記液体吐出装置は、液体を吐出する吐出部を備え、前記液体収容体は、前記液体吐出装置と接続される導出部と、前記導出口と前記導出部との間に位置し、開閉可能な弁部と、前記弁部と前記導出部との間に位置するサブフィルター部と、を備え、前記導出部は、前記導出口から導出される液体を前記液体吐出装置に導出し、前記サブフィルター部の捕集能力は、前記フィルター部の捕集能力よりも高くてもよい。
【0185】
一般的に、吐出部は、弁部よりも精密である。そのため、吐出部を流れる液体は、弁部を流れる液体よりも、細かに濾過されている必要がある。例えば、吐出部が正常に動作するようにフィルター部で異物を捕集する場合、目の細かいフィルターをフィルター部に適用する必要がある。この場合、フィルター部によって異物が適切に捕集される一方で、液体の注入が滞る。
【0186】
上記構成によれば、フィルター部とサブフィルター部とによって、段階的に異物が捕集される。目の細かいフィルターをサブフィルター部が有することによって、目の粗いフィルターをフィルター部に適用できる。弁部が正常に動作するようにフィルター部が異物を捕集し、吐出部が正常に動作するようにサブフィルター部が異物を捕集することによって、異物を適切に捕集しつつ、液体の注入がスムーズとなる。
【符号の説明】
【0187】
11…液体吐出装置、12…筐体、13…吐出部、14…供給機構、15…ノズル、21…接続体、22…供給管、23…ポンプ、24…脱気モジュール、25…貯留部、26…圧力調整弁、27…接続部、28…供給弁、31…液体収容体、32…容器、33…前壁、34…後壁、35…上壁、36…下壁、37…右側壁、38…左側壁、41…収容室、42…注入口、43…導出口、44…視認部、51…保護部材、52…カバー、53…フレーム、54…前板、55…上板、56…右板、57…左板、58…露出口、59…把持部、61…取付板、62…保護板、63…天板、64…底板、65…収容空間、66…開放口、67…挿入口、68…取付口、71…緩衝材、72…保護蓋、73…ヒンジ、74…シールリング、75…大気開放口、76…ロック機構、81…フィルター部、82…保持部材、83…第1フィルター、84…第2フィルター、85…縁部分、86…突出部分、91…導出機構、92…弁部、93…ホルダー、94…フロート、95…シール部材、96…液室、97…流入路、97A…第1流入路、97B…第2流入路、98…流出路、99…媒体、101…流入面、102…流出面、103…内周面、104…形成面、105…第1内面、106…段差面、107…第2内面、108…傾斜面、109…画定面、111…第1接触部分、112…第2接触部分、121…第1対向面、122…第2対向面、123…外周面、124…取付部、125…第1リブ、126…第2リブ、127…変位空間、128…退避溝、131…ガイド部材、132…挿入部、133…第1ばね、134…第2ばね、136…第1継手、137…第1導出管、141…サブフィルター部、142…カプセル、143…サブフィルター、146…第2導出管、147…第2継手、151…導出部、152…第1部材、153…固定板、154…第2部材、155…基台部分、156…挿入部分、157…嵌合部分、158…フック、159…挿入穴、161…接続管、162…接続部分、163…接続口、164…回路基板、165…接続端子、L1…第1仮想線、L2…第2仮想線。