(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-28
(45)【発行日】2025-09-05
(54)【発明の名称】Ti-MWWゼオライトを含み、特定のルイス酸性度を有する成形体
(51)【国際特許分類】
C01B 39/06 20060101AFI20250829BHJP
B01J 29/89 20060101ALI20250829BHJP
B01J 37/00 20060101ALI20250829BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20250829BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20250829BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20250829BHJP
B01J 37/10 20060101ALI20250829BHJP
C01B 37/02 20060101ALI20250829BHJP
C07D 301/12 20060101ALI20250829BHJP
【FI】
C01B39/06
B01J29/89 Z
B01J37/00 D
B01J37/02 101Z
B01J37/04 102
B01J37/08
B01J37/10
C01B37/02
C07D301/12
(21)【出願番号】P 2022538132
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2020087090
(87)【国際公開番号】W WO2021123214
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-15
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】パルフレスク,アンドレイ-ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】モルムル,ヤロスラヴ ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】テレス,ヨアキム ヘンリケ
(72)【発明者】
【氏名】リーデル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー,マルクス
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512845(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106115732(CN,A)
【文献】特表2020-506857(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134289(WO,A1)
【文献】特表2008-525187(JP,A)
【文献】特開2001-232194(JP,A)
【文献】特表2011-522926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20 - 39/54
B01J 21/00 - 38/74
C07D 301/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む成形体であって、ゼオライト材料がZnおよびアルカリ土類金属Mをさらに含み、成形体がバインダーをさらに含み、
前記バインダーがSiおよびOを含み、
成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、1490cm
-1におけるIRバンドの積分減光単位が
0.1~7.5の範囲であ
り、
成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ルイス酸IRバンドの積分減光単位が1~100の範囲であり、
成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位が1以下であり、
前記アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.5~5質量%の範囲の量で含み、
前記アルカリ土類金属Mが、Mg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、
成形体が、6~15質量%の範囲の水の取り込みを示し、水の取り込みが、参考例7に記載の通り決定される、成形体。
【請求項2】
Siを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して20~60質量%の範囲の量で含む、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
Tiを、元素として計算した場合に、0.1~5質量%の範囲の量で含む、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項4】
Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~5質量%の範囲の量で含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項5】
前記アルカリ土類金属Mが、Baを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項6】
ゼオライト材料が希土類金属をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項7】
成形体は、参考例12に記載の通り決定した場合に、水に対するねじれパラメーターが、1.0~5.0の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項8】
成形体は、全細孔容積が0.5~3.0mL/gの範囲であり、細孔容積がDIN66133に従い決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項9】
成形体が、200℃より低い温度において、0.05~1.00mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含み、および/または、成形体が、500℃より高い温度において、0.001~0.5mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含み、酸性部位の濃度が、参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH
3-TPD)により決定される、請求項1から8のいずれか一項に記載の成形体。
【請求項10】
MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む
、請求項1~9のいずれか一項に記載の成形体を製造するための方法であって、
(i)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む成形体を用意する工程であり、ゼオライト材料が、Zn、アルカリ土類金属M、および任意に希土類金属をさらに含み、
ゼオライト材料が、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.5~5質量%の範囲の量で含み、アルカリ土類金属Mが、Mg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、成形体が前記ゼオライト材料のためのバインダーをさらに含む、工程、
(ii)(i)による前駆成形体および水を含む混合物を製造し、混合物を熱水条件下で水処理に供し、水処理された成形体を得、水処理された成形体をガス雰囲気中でか焼する工程
であって、(ii)による水処理が、100~200℃の範囲の混合物の温度を含み、(ii)による水処理が、自生圧力下で行われ、(ii)による水処理が、6~10時間行われる、工程
を含
み、
(i)が、
(i.1)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程、
(i.2)Zn供給源の水溶液を用意する工程、
(i.3)アルカリ土類金属M供給源の水溶液を用意する工程、
(i.4)任意に希土類金属供給源の水溶液を用意する工程、
(i.5)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液、(i.3)による水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程、
(i.6)(i.5)から得た含浸したゼオライト材料およびバインダー前駆体を含む混合物を製造する工程、
(i.7)(i.6)から得た混合物を成形する工程
を含み、
バインダー前駆体が、シリカゾル、コロイド状シリカ、湿式法シリカ、乾式法シリカ、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、
方法。
【請求項11】
請求項1
0に記載の方法によ
り得られた、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む、成形体。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項または請求項
11に記載の成形体を、吸着剤、吸収剤、触媒または触媒成分として使用する方法。
【請求項13】
少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物を、請求項1から9のいずれか一項または請求項
11に記載の成形体を含む触媒と接触させることを含む、有機化合物を酸化するための方法。
【請求項14】
酸化プロピレンを製造するための方法であって、アセトニトリル溶液中、請求項1から9のいずれか一項または請求項
11に記載の成形体を含む触媒の存在下で、プロペンを過酸化水素と反応させて、酸化プロピレンを得ることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MWW型骨格を有するゼオライト材料を含む成形体であって、骨格構造がTi、SiおよびOを含み、ゼオライト材料がZnおよびアルカリ土類金属Mをさらに含み、成形体がバインダーをさらに含み、成形体が特定のルイス酸性度を示す成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、チタニウム含有ゼオライトは、酸化プロピレンのエポキシ化による意図的な酸化プロピレンの生成において触媒として使用される。一般的に過酸化水素が酸化剤として使用されるので、この工業プロセスは、過酸化水素の酸化プロピレンへのプロセスと呼ばれる(本明細書でHPPOとも略記される)。特に、2つの特定のHPPOプロセスは公知であり、このうちの一方はTS-1ゼオライトに基づき、他方はZn/Ti-MWWゼオライト触媒に基づく。後者は、第1世代触媒よりも著しく改善された性能を示すことが見出された。最近の活動は、第2の金属、例えばBaおよび/またはLaの添加により、触媒の性能を増加させることに関する。
【0003】
CN105854933Aは、バリウムを含浸させ、任意に追加の亜鉛および/またはランタンを含浸させることにより改変されたTS-1ゼオライトを開示している。生成したゼオライトは、プロピレンの酸化プロピレンへの変換において触媒活性を示し、過酸化水素が酸化剤として、メタノールが溶媒として使用された。
【0004】
また、CN106115732Aは、バリウム、亜鉛、および任意に追加のランタンで改変されたTS-1ゼオライトを開示している。製造したゼオライトは、アセトニトリルを溶媒として使用する、液相プロピレンエポキシ化において触媒活性を有することが示されている。
【0005】
Y.Yuらは、チタノシリケート/H2O2系上での過酸化水素の利用の効率についての研究を開示している。これらの研究のための触媒として、2種の異なるTS-1ゼオライト、ラメラ状Ti-MWW、B-MWW、F-Ti-MWWゼオライト、Re-Ti-MWW、および非晶質シリカ-アルミナが製造され、とりわけアルケン、特に1-ヘキセンのエポキシ化反応において試験された。
【0006】
本発明の目的は、MWW型骨格を有するゼオライト材料を含む新規の成形体を提供することであり、これによってゼオライト材料は特にZnおよびアルカリ土類金属を含むように改変され、成形体は有利な特徴を有する。特に、触媒としてまたは触媒成分として、特にプロペンの酸化プロピレンへのエポキシ化反応において使用された場合、改善された酸化プロピレン選択性を有する新規の成形体を提供することが目的であった。本発明のさらなる目的は、このような成形体の製造のための方法を提供すること、特に、好ましくは、具体的には酸化またはエポキシ化反応において触媒または触媒成分として使用された場合、有利な特性を有する成形体をもたらす方法を提供することであった。本発明のさらなる目的は、過酸化水素を酸化剤として用いたプロペンのエポキシ化のための改善された方法であって、エポキシ化反応の副産物および副生成物に関して非常に低い選択性を示し、同時に、非常に高いプロピレン選択性を可能にする方法を提供することであった。
【0007】
驚くことに、骨格構造MWWを有するゼオライト材料を含む所与の成形体を特定のその後の水処理に供した場合、中でも、本明細書に記載されているようなプローブガスとしてピリジンを使用してFTIRを介して決定される特定のルイス酸性度を示す成形体がもたらされる場合、前記の有利な特徴を示すような成形体が提供され得ることが判明した。
【0008】
そして、驚くことに、前駆成形体が水処理で処理された場合、骨格構造MWWを有するゼオライト材料を含む、結果として得られた新規の成形体は、プロペンの酸化プロピレンへのエポキシ化において触媒として使用された場合、酸化プロピレンに対する選択性の増加により改善された性能を示すことが観察された。さらに、新規の成形体の寿命の増加もまた観察された。特に、驚くことに、プロペンの酸化プロピレンへのエポキシ化反応において触媒として使用された場合、および従来技術の成形体と比較した場合、有意に増加した酸化プロピレン選択性および収率を示し、優れた寿命特性をさらに示す成形体が提供され得ることが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】CN 105854933 A
【文献】CN 106115732 A
【非特許文献】
【0010】
【文献】Y.Yuら「Insights into the efficiency of hydrogen peroxide utilization over titanosilicate/H2O2 systems」、Journal of Catalysis 2020年、381巻、96~107頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明において、成形体は、成形プロセスから得られる三次元の実体として理解され、したがって、「成形体」という用語は、「成形された物体」という用語の同義語として使用される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、成形体、好ましくは本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つの方法により得ることができるまたは得られた成形体であって、MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含み、ゼオライト材料がZnおよびアルカリ土類金属Mをさらに含み、成形体がバインダーをさらに含み、成形体は、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位が8以下である、成形体に関する。1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は、好ましくは、本明細書に開示されている参考例1に記載の通り決定される。
【0013】
さらに、本発明は、ゼオライト材料がMWW型骨格を有するおよびバインダー材料を含む成形体、好ましくは、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を製造するための方法であって、
(i)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む成形体を用意する工程であり、ゼオライト材料が、Zn、アルカリ土類金属M、および任意に希土類金属をさらに含み、成形体が前記ゼオライト材料のためのバインダーをさらに含む工程、
(ii)(i)による成形体および水を含む混合物を製造し、混合物を熱水条件下で水処理に供し、水処理された成形体を得、水処理された成形体をガス雰囲気中でか焼する工程
を含む方法に関する。
【0014】
またさらに、本発明は、本明細書に開示されている実施形態いずれか1つによる方法で得ることができるまたは得られた、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む成形体に関する。
【0015】
またさらに、本発明は、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を、吸着剤、吸収剤、触媒または触媒成分として、好ましくは触媒または触媒成分として、より好ましくはルイス酸触媒またはルイス酸触媒成分として、異性化触媒または異性化触媒成分として、酸化触媒または酸化触媒成分として、アルドール縮合触媒またはアルドール縮合触媒成分として、またはプリンス反応触媒またはプリンス反応触媒成分として、より好ましくは酸化触媒または酸化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒またはエポキシ化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒として使用する方法に関する。
【0016】
またさらに、本発明は、有機化合物を酸化するための方法であって、有機化合物を、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を含む触媒と接触させて、好ましくは有機化合物をエポキシ化する、より好ましくは少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物、好ましくはC2-C10アルケン、より好ましくはC2-C5アルケン、より好ましくはC2-C4アルケン、より好ましくはC2またはC3アルケン、より好ましくはプロペンをエポキシ化することを含む方法に関する。
【0017】
またさらに、本発明は、酸化プロピレンを製造するための方法であって、アセトニトリル溶液中、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を含む触媒の存在下で、プロペンを過酸化水素と反応させて、酸化プロピレンを得ることを含む方法に関する。
【0018】
本発明の成形体に関して、1490cm-1における成形体のIRバンドの積分減光単位は、好ましくは0.05~8.0の範囲、より好ましくは0.1~7.5の範囲、より好ましくは0.5~7.0の範囲、より好ましくは1.0~6.9の範囲、より好ましくは1.5~6.9の範囲である。1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は、本明細書に開示されている参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0019】
成形体は、ルイス酸IRバンドの積分減光単位が、好ましくは1~100の範囲、より好ましくは5~90の範囲、より好ましくは8~88の範囲、より好ましくは9.0~79.0の範囲のである。ルイス酸IRバンドの積分減光単位は、本明細書中に開示されている参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0020】
成形体は、ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位が、好ましくは1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下である。ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位は、参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0021】
成形体は、水に対するねじれパラメーターが、好ましくは1.0~5.0の範囲、好ましくは1.5~3.0の範囲、より好ましくは1.7~2.5の範囲、より好ましくは1.9~2.1の範囲である。ねじれパラメーターは、好ましくは本明細書に開示されている参考例12に記載の通り決定される。
【0022】
本発明に従い、ブレンステッド酸性度およびルイス酸性度は、IR-分光器を使用して、特にFTIRセルを利用して決定され、FTIRセルではピリジンがプローブガスとして使用された。好ましくは、試料は圧縮してペレットにされた。測定条件は、好ましくは空気中での試料の約350℃への約1時間の加熱を含んだ。よって、水およびいかなる揮発性物質も試料から除去することができた。さらに、測定条件は、好ましくは低圧を加えることを含んだ(約10-5mbarの「高真空」)。低圧を加えている間、好ましくは、試料は約80℃に冷却した。測定は、好ましくは測定の全期間にわたり約80℃で行った。よって、セル内のピリジンの縮合は回避することができた。次いで、好ましくは、ピリジンを連続する工程でセル内に投入した(0.01、0.1、1、および3mbar)。したがって、試料の制御されたおよび完全な曝露を確実に行うことができた。
【0023】
成形体は、Siを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは20~60質量%の範囲、より好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む。
【0024】
成形体は、Tiを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2.0質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲の量で含む。
【0025】
成形体は、Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.25~2.0質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量で含む。
【0026】
アルカリ土類金属Mは、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であることが好ましく、より好ましくは、Mg、CaおよびBaのうちの1種または複数種である。アルカリ土類金属MがBaであることが特に好ましい。
【0027】
成形体は、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2.0質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲の量で含む。
【0028】
成形体の98~100質量%、好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.5~100質量%が、Si、O、Ti、Zn、M、および任意にHで構成されることが好ましい。
【0029】
ゼオライト材料は、好ましくは希土類金属、より好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種、より好ましくはY、La、Ce、Pr、およびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、La、およびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む。
【0030】
成形体が希土類金属をさらに含む場合、成形体は、希土類金属を、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.25~2.5質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量で含む。
【0031】
さらに成形体が希土類金属をさらに含む場合、成形体の好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.5~100質量%が、Si、O、Ti、Zn、M、希土類金属、および任意にHで構成される。
【0032】
バインダーは、SiおよびOを含むことが好ましい。
【0033】
成形体中に含まれるバインダーの好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは少なくとも99.5~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%がSiおよびOで構成される。
【0034】
成形体は、バインダーを、成形体の総質量に対して好ましくは1~75質量%の範囲、より好ましくは5~50質量%の範囲、より好ましくは10~40質量%の範囲、より好ましくは15~25質量%の範囲の量で含む。
【0035】
成形体の好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは少なくとも99.5~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%が、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダーで構成される。
【0036】
成形体は、全細孔容積が好ましくは0.5~3.0mL/gの範囲、より好ましくは0.75~2.5mL/gの範囲、より好ましくは1.0~2.0mL/gの範囲、より好ましくは1.25~1.75mL/gの範囲である。細孔容積は、DIN66133により決定されることが好ましい。
【0037】
成形体は、好ましくは1~20質量%の範囲、より好ましくは6~15質量%の範囲、より好ましくは8~12質量%の範囲の水の取り込みを示す。水の取り込みは、参考例7に記載の通り決定されることが好ましい。
【0038】
成形体は、200℃より低い温度で、好ましくは0.05~1.00mmol/gの範囲、より好ましくは0.10~0.50mmol/gの範囲、より好ましくは0.15~0.30mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、本明細書に開示されている参考例5に従い、アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0039】
成形体は、200~400℃の範囲の温度で、好ましくは0.05mmol/g以下、より好ましくは0.02mmol/g以下の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、本明細書に開示されている参考例5に従い、アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0040】
成形体は、500℃より高い温度で、好ましくは0.001~0.5mmol/gの範囲、より好ましくは0.01~0.10mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、本明細書に開示されている参考例5に従い、アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0041】
成形体は、好ましくはストランドであり、好ましくは六方晶形、長方形、二次的、三角形、楕円形または環状の断面、より好ましくは環状の断面を有するストランドである。
【0042】
成形体は、好ましくは0.5~5mmの範囲、より好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲の直径を有する環状断面を有するストランドである。
【0043】
成形体は押出物であることが好ましい。
【0044】
成形体は、好ましくは押出物であり、より好ましくは本明細書に開示されているストランドであり、好ましくは5~50Nの範囲、より好ましくは10~30Nの範囲、より好ましくは15~25Nの範囲の粉砕強度を示す。粉砕強度は、本明細書に開示されている参考例6に記載の通り決定されることが好ましい。
【0045】
成形体は、好ましくは少なくとも6.2質量%、より好ましくは7.5~15質量%の範囲、より好ましくは10~13質量%の範囲の酸化プロピレン活性を示す。酸化プロピレン活性は、本明細書に開示されている参考例8に記載の通り決定されることが好ましい。
【0046】
成形体は、好ましくは96~100%の範囲、より好ましくは97~100%の範囲、より好ましくは98~100%の範囲の酸化プロピレン選択性を示す。酸化プロピレン活性は、本明細書に開示されている参考例9に記載の通り決定されることが好ましい。
【0047】
成形体は、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上、より好ましくは280m2/g以上のBET比表面積を有する。BET比表面積は、DIN66131に従い決定されることが好ましい。
【0048】
成形体は、好ましくはプロペンおよび過酸化水素から酸化プロピレンを製造するための反応において、より好ましくはプロペンおよび過酸化水素から酸化プロピレンを連続的に製造するための反応において、より好ましくは連続的エポキシ化反応において、より好ましくは本明細書に開示されている参考例9に記載の連続的エポキシ化反応において、触媒または触媒成分として使用されることが好ましい。
【0049】
さらに、本発明は、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む成形体、好ましくは本明細書中に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を製造するための方法であって、
(i)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む成形体を用意する工程であり、ゼオライト材料が、Zn、アルカリ土類金属M、および任意に希土類金属をさらに含み、成形体が前記ゼオライト材料のためのバインダーをさらに含む工程;
(ii)(i)による成形体および水を含む混合物を製造し、混合物を熱水条件下で水処理に供し、水処理された成形体を得、水処理された成形体をガス雰囲気中でか焼する工程
を含む方法に関する。
【0050】
本方法において(i)は、
(i.1)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程、
(i.2)Zn供給源の水溶液を用意する工程、
(i.3)アルカリ土類金属M供給源の水溶液を用意する工程、
(i.4)任意に希土類金属供給源の水溶液を用意する工程、
(i.5)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液、(i.3)による水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程、
(i.6)(i.5)から得た含浸したゼオライト材料およびバインダー前駆体を含む混合物を製造する工程、
(i.7)(i.6)から得た混合物を成形する工程
を含むことが好ましい。
【0051】
方法が本明細書で定義された(i.5)を含む場合、(i.5)は
(i.5.a)(i.2)により用意された水溶液、(i.3)により用意された水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含む混合物を用意する工程、
(i.5.b)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.5.a)により用意された混合物を含浸させる工程。
をさらに含むことが好ましい。
【0052】
代わりに、方法が本明細書で定義された(i.5)を含む場合、(i.5)は、
(i.5.1)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液を含浸させる工程、
(i.5.2)(i.5.1)から得たゼオライト材料に、(i.3)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程
を含むことが好ましい。
【0053】
代わりに、方法が本明細書で定義された(i.5)を含む場合、(i.5)は、
(i.5.1’)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.3)により用意された水溶液を含浸させる工程、
(i.5.2’)(i.5.1’)から得たゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程
を含むことが好ましい。
【0054】
方法が本明細書で定義された(i.5.1)または(i.5.1’)を含む場合、方法は、
(i.5.3)(i.5.1)の前または(i.5.1’)の前に、ゼオライト材料に、(i.4)により用意された水溶液を任意に含浸させる工程、
(i.5.4)(i.5.1)の後および(i.5.2)の前、または(i.5.1’)の後および(i.5.2’)の前に、ゼオライト材料に(i.4)により用意された水溶液を任意に含浸させる工程、
(i.5.5)(i.5.2)の後または(i.5.2’)の後に、ゼオライト材料に(i.4)により用意された水溶液を任意に含浸させる工程
をさらに含むことが好ましい。
【0055】
代わりに、方法が本明細書で定義された(i.5)を含む場合、(i.5)は、
(i.zn.1)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程、
(i.zn.2)(i.zn.1)から得た含浸したゼオライト材料およびバインダー前駆体を含む混合物を製造する工程、
(i.zn.3)(i.zn.2)から得た混合物を成形して、第1の成形体を得る工程、
(i.zn.4)(i.zn.3)から得た第1の成形体に、(i.3)により用意された水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含浸させて、前駆成形体を得る工程、
を含むことが好ましい。
【0056】
(i.5)、(i.5.b)、(i.5.1)、(i.5.2)、(i.5.1’)、(i.5.2’)、(i.5.3)、(i.5.4)、(i.5.5)、(i.zn.1)、および(i.zn.4)のうちの少なくとも1つがn回行われる(式中、nは1より大きい自然数であり、nは好ましくは2、3、4または5と等しい)ことが好ましい。
【0057】
方法は、(i.5)、(i.5.b)、(i.5.1)、(i.5.2)、(i.5.1’)、(i.5.2’)、(i.5.3)、(i.5.4)、(i.5.5)、(i.zn.1)、および(i.zn.4)のうちの1つまたは複数の後に、ガス雰囲気内での熱処理を含むことが好ましい。
【0058】
方法が(i.5)、(i.5.b)、(i.5.1)、(i.5.2)、(i.5.1’)、(i.5.2’)、(i.5.3)、(i.5.4)、(i.5.5)、(i.zn.1)、および(i.zn.4)のうちの1つまたは複数の後に熱処理をさらに含む場合、熱処理は、
(i.5.6)好ましくは50~200℃の範囲のガス雰囲気の温度で任意に乾燥させる工程、および/または、好ましくはおよび、
(i.5.7)好ましくは、400~700℃の範囲のガス雰囲気の温度で任意にか焼する工程
を含むことが好ましい。
【0059】
さらに、方法が熱処理後、(i.5)、(i.5.b)、(i.5.1)、(i.5.2)、(i.5.1’)、(i.5.2’)、(i.5.3)、(i.5.4)、(i.5.5)、(i.zn.1)、および(i.zn.4)のうちの1つまたは複数をさらに含む場合、ガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物のうちの1種または複数種を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、より好ましくは、酸素、空気または希薄な空気である。
【0060】
(i)で用意された成形体は、Siを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは20~60質量%の範囲、より好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは40~45質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む。
【0061】
(i)で用意された成形体は、Tiを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.01~10質量%の範囲、より好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲、より好ましくは1.1~1.4質量%の範囲の量で含む。
【0062】
(i)で用意された成形体は、Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.01~5質量%の範囲、より好ましくは0.1~2.5質量%の範囲、より好ましくは0.25~1.1質量%の範囲、より好ましくは0.5~0.9質量%の範囲の量で含む。
【0063】
(i)で用意された成形体に含まれるアルカリ土類金属Mは、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MはBaである。
【0064】
(i)で用意された成形体は、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.01~10質量%の範囲、より好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲、より好ましくは1.1~1.4質量%の範囲の量で含む。
【0065】
(i)で用意された成形体は、好ましくは希土類金属、好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種、より好ましくは、Y、La、Ce、Pr、およびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、La、およびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む。
【0066】
(i)で用意された成形体は、希土類金属を、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.01~5質量%の範囲、より好ましくは0.1~2質量%の範囲、より好ましくは0.25~1.25質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量でさらに含むことが好ましい。
【0067】
(i)で用意された成形体は、バインダーを、成形体の総質量に対して好ましくは1~50質量%の範囲、より好ましくは5~30質量%の範囲、より好ましくは15~25質量%の範囲、より好ましくは18~23質量%の範囲、より好ましくは19~22質量%の範囲の量で含む。
【0068】
(i)で用意された成形体は、好ましくは200~500g/mLの範囲、より好ましくは300~400g/mLの範囲、より好ましくは325~375g/mLの範囲のかさ密度を有する。
【0069】
(i)で用意された成形体は、好ましくは0.5~5mmの範囲、より好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲の直径を有する環状断面を有するストランドであり、成形体は、好ましくは参考例6に記載の通り決定した場合に、好ましくは少なくとも1.5N、好ましくは5~30Nの範囲、より好ましくは15~25Nの範囲の粉砕強度を示す。
【0070】
(i)で用意された成形体は、好ましくは少なくとも1.0g/mL、より好ましくは1.3~2.0g/mLの範囲の細孔容積を有する。細孔容積は、本明細書に開示されている参考例2に記載の通り決定されることが好ましい。
【0071】
(i)で用意された成形体は、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位が好ましくは5~15の範囲、より好ましくは7.5~13.0の範囲、より好ましくは10.0~12.0の範囲、より好ましくは11.0~11.6の範囲である。1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は、参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0072】
(i)で用意された成形体は、ルイス酸IRバンドの積分減光単位が好ましくは1~100の範囲、より好ましくは50~200の範囲、より好ましくは75~150の範囲、より好ましくは101~125の範囲、より好ましくは105~120の範囲である。ルイス酸IRバンドの積分減光単位は、参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0073】
(i)で用意された成形体は、ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位が好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下である。ブレンステッド酸IRバンドは、参考例1に記載の通り決定されることが好ましい。
【0074】
(i)で用意された成形体は、200℃より低い温度で、好ましくは0.05~1.00mmol/gの範囲、より好ましくは0.10~0.50mmol/gの範囲、より好ましくは0.15~0.25mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0075】
(i)で用意された成形体は、200~400℃の範囲の温度で、好ましくは0.05mmol/g以下、より好ましくは0.02mmol/g以下の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0076】
(i)で用意された成形体は、500℃より高い温度で、好ましくは0.005~0.1mmol/gの範囲、より好ましくは0.01~0.05mmol/gの範囲、より好ましくは0.02~0.03mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む。酸性部位の濃度は、参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定されることが好ましい。
【0077】
方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、Siを、元素として計算した場合に、ゼオライト材料の総質量に対して好ましくは20~60質量%の範囲、より好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは40~45質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む。
【0078】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、Tiを、元素として計算した場合に、ゼオライト材料の総質量に対して好ましくは0.1~10質量%の範囲、より好ましくは0.5~5質量%の範囲、より好ましくは1~2質量%の範囲、より好ましくは1.2~1.8質量%の範囲の量で含む。
【0079】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~2.5質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.3質量%の範囲、より好ましくは0.7~1.1質量%の範囲の量で含む。
【0080】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料に含まれるアルカリ土類金属Mは、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MはBaである。
【0081】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~7.5質量%の範囲、より好ましくは0.25~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2.5質量%の範囲、より好ましくは1.2~2.0質量%の範囲の量で含む。
【0082】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、好ましくは希土類金属、より好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種または複数種、より好ましくは、Y、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、LaおよびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む。
【0083】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、希土類金属を、さらに含むことが好ましく、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対してより好ましくは0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.25~2質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.5質量%の範囲、より好ましくは0.8~1.2質量%の範囲の量で含む。
【0084】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、15~40nmの範囲の微結晶サイズを有することが好ましい。微結晶サイズは、本明細書に開示されている参考例4に記載の通り決定されることが好ましい。
【0085】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、BET比表面積が好ましくは250m2/g以上、より好ましくは275m2/g以上、より好ましくは300m2/g以上である。BET比表面積は、DIN66131に従い決定されることが好ましい。
【0086】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、C値が好ましくは-150~-40の範囲、より好ましくは-125~-50の範囲、より好ましくは-100~-60の範囲である。C値は、本明細書に開示されている参考例10に記載の通り決定されることが好ましい。
【0087】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、結晶化度が好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。結晶化度は、本明細書に開示されている参考例4に記載の通り決定されることが好ましい。
【0088】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、好ましくは8~20質量%の範囲、より好ましくは9~17.5質量%の範囲、より好ましくは10~15質量%の範囲の水の取り込みを有する。水の取り込みは、本明細書に開示されている参考例7に記載の通り決定されることが好ましい。
【0089】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、好ましくは少なくとも10質量%の範囲、より好ましくは10~15質量%の範囲、より好ましくは11~14質量%の範囲の酸化プロピレン活性を示す。酸化プロピレン活性は、本明細書に開示されている参考例8に記載の通り決定されることが好ましい。
【0090】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、(i.1)により用意されたゼオライト材料は、(3700~3750)+/-20cm-1の領域に最大値を有するバンドおよび(3670~3690)+/-20cm-1の領域に最大値を有するバンドを含む赤外線スペクトルを示すことが好ましく、ここで、(3700~3750)+/-20cm-1の領域のバンドの、(3670~3690)+/-20cm-1の領域のバンドに対する強度比は、最大でも1.7であり、好ましくは最大でも1.6である。赤外線スペクトルは、本明細書に開示されている参考例11に記載の通り決定されることが好ましい。
【0091】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、Zn供給源は塩であることが好ましく、より好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、酢酸塩のうちの1種または複数種、より好ましくは硝酸塩である。
【0092】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、アルカリ土類金属供給源中のアルカリ土類金属は、好ましくはMg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種である。アルカリ土類金属MはBaであることが特に好ましい。
【0093】
さらに方法が(i.1)をさらに含む場合、アルカリ土類金属供給源は塩であることが好ましく、より好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、水酸化物のうちの1種または複数種であり、より好ましくは硝酸塩である。
【0094】
さらに方法が(i.2)をさらに含む場合、(i.2)による混合物は、希土類金属供給源を含み、希土類金属は、好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種であり、より好ましくはY、La、Ce、Pr、およびNdのうちの1種または複数種であり、より好ましくはY、La、およびCeのうちの1種または複数種であり、より好ましくはLaである。
【0095】
(i.2)による混合物が希土類金属供給源を含み、希土類金属がSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種である場合、希土類金属供給源は塩であることが好ましく、より好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物および水酸化物のうちの1種または複数種であり、より好ましくは硝酸塩である。
【0096】
方法が(i.5)をさらに含む場合、(i.5)による含浸は、スプレー含浸、接着含浸、初期含浸、湿式含浸接着技法、およびかき混ぜ、より好ましくは機械によるかき混ぜ、より好ましくは撹拌、より好ましくは、0.1~5時間の範囲、より好ましくは0.5~2時間の範囲の期間の撹拌のうちの、1種または複数種を含むことが好ましい。
【0097】
さらに方法が(i.5)をさらに含む場合、(i.5)による含浸は、好ましくは、混合物を同じ温度で、より好ましくは15~40℃の範囲の温度で、1~50時間の範囲の期間、より好ましくは30~40時間の範囲の期間、保つことを含む。
【0098】
方法が(i.5)および(i.6)をさらに含む場合、(i.5)の後および(i.6)の前に、方法は、
(a)任意に、(i.5)で得た含浸したゼオライト材料を、好ましくは濾過により、単離する工程、および/または、好ましくはおよび
(b)任意に、(i.5)もしくは(a)で得た含浸したゼオライト材料を、好ましくは脱イオン水で、洗浄する工程、および/または、好ましくはおよび
(c)任意に、(i.5)、(a)もしくは(b)で得た含浸したゼオライト材料をガス雰囲気内で乾燥させる工程、および/または、好ましくはおよび
(d)任意に、(i.5)、(a)、(b)もしくは(c)で得た含浸したゼオライト材料をガス雰囲気内でか焼する工程
を含むことが好ましい。
【0099】
方法が(c)をさらに含む場合、好ましくは70~150℃の範囲、より好ましくは90~130℃の範囲、より好ましくは100~120℃の範囲のガス雰囲気の温度で、(c)に従い乾燥が行われる。
【0100】
さらに方法が(c)をさらに含む場合、(c)における乾燥にのためのガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、より好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である。
【0101】
さらに方法が(d)をさらに含む場合、好ましくは510~590℃の範囲、より好ましくは530~570℃の範囲、より好ましくは540~560℃の範囲のガス雰囲気の温度で、(d)に従いか焼が行われる。
【0102】
さらに方法が(d)をさらに含む場合、(d)におけるか焼のためのガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、より好ましくは酸素、空気、または希薄な空気である。
【0103】
方法が(i.6)をさらに含む場合、(i.6)におけるバインダー前駆体は、シリカゾル、コロイド状シリカ、湿式法シリカ、乾式法シリカ、およびこれらのうちの2種以上の混合物からなる群から選択されることが好ましく、バインダー前駆体は、より好ましくはコロイド状シリカである。
【0104】
この状況において、両方のコロイド状シリカ、いわゆる「湿式法」シリカおよびいわゆる「乾式法」シリカを使用することができる。好ましくはアルカリ性溶液および/またはアンモニア性溶液としての、より好ましくはアンモニア性溶液としてのコロイド状シリカは市販されており、とりわけ、例えば、Ludox(登録商標)、Syton(登録商標)、Nalco(登録商標)またはSnowtex(登録商標)である。「湿式法」シリカは市販されており、とりわけ、例えば、Hi-Sil(登録商標)、Ultrasil(登録商標)、Vulcasil(登録商標)、Santocel(登録商標)、Valron-Estersil(登録商標)、Tokusil(登録商標)またはNipsil(登録商標)である。「乾式法」シリカは市販されており、とりわけ、例えば、Aerosil(登録商標)、Reolosil(登録商標)、Cab-O-Sil(登録商標)、Fransil(登録商標)またはArcSilica(登録商標)である。本発明によれば、コロイド状シリカのアンモニア性溶液が好ましい。
【0105】
さらに方法が(i.6)をさらに含む場合、(i.6)による混合物中、(i.5)から得たゼオライト材料の、バインダー前駆体に対する質量比は、好ましくは1:1~10:1の範囲であり、より好ましくは3:1~5:1の範囲であり、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲である。
【0106】
方法が(i.5)および(i.6)をさらに含む場合、(i.6)に従い製造した混合物の好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%は、(i.5)から得た含浸したゼオライト材料、およびバインダー前駆体で構成される。
【0107】
方法が(i.6)をさらに含む場合、(i.6)に従い製造した混合物は、1種または複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤をさらに含むことが好ましい。
【0108】
(i.6)に従い製造した混合物が1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤をさらに含む場合、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤は、水、アルコール、有機ポリマー、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択されることが好ましく、有機ポリマーは、より好ましくは、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、有機ポリマーは、より好ましくは、セルロース誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、有機ポリマーは、より好ましくは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤は水およびメチルセルロースを含む。
【0109】
さらに(i.6)に従い製造した混合物が1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤をさらに含む場合、(i.6)に従い製造した混合物中での、ゼオライト材料の、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤に対する質量比は、好ましくは10:1~20:1の範囲、より好ましくは15:1~16:1の範囲、より好ましくは15.5:1~15.7:1の範囲である。
【0110】
方法が(i.5)および(i.6)をさらに含む場合、(i.6)に従い製造した混合物の好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%は、(i.5)から得た含浸したゼオライト材料、バインダー前駆体、ならびに1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤で構成される。
【0111】
方法が(i.7)をさらに含む場合、(i.7)において混合物は、好ましくはストランド、より好ましくは環状断面を有するストランドへと成形される。
【0112】
混合物が環状断面を有するストランドへと成形される場合、環状断面を有するストランドは、好ましくは0.2~10mmの範囲、より好ましくは0.5~5mmの範囲、より好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲、より好ましくは1.6~1.8mmの範囲の直径を有する。
【0113】
(i.7)における成形に関して、特段の限定はないので、成形は任意の想到し得る手段で実施することができる。方法が(i.7)をさらに含む場合、(i.7)において、成形は混合物を押出加工することを含むことが好ましい。
【0114】
適切な押出し装置は、例えば、「Ullmann’s Enzyklopaedie der Technischen Chemie」、第4版、2巻、295頁およびそれ以降、1972年に記載されている。押出し機の使用に加えて、成形体の製造のため押出しプレスを使用することもできる。必要であれば、押出し機は押出しプロセスの間適切に冷却することができる。押出し機ダイヘッドを介して押出し機を出るストランドは、適切なワイヤーによりまたは不連続な気体流を介して機械的に切断することができる。
【0115】
方法が(i.7)をさらに含む場合、(i.7)の後および(ii)の前に、方法は、
(e)任意に、(i.7)から得た成形体をガス雰囲気内で乾燥させる工程、および/または、好ましくはおよび
(f)任意に、(i.7)もしくは(e)から得た成形体をガス雰囲気内でか焼する工程
をさらに含むことが好ましい。
【0116】
方法が(e)をさらに含む場合、(e)における乾燥は、好ましくは80~160℃の範囲、より好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは110~130℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる。
【0117】
さらに方法が(e)をさらに含む場合、(e)における乾燥のためのガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、好ましくは酸素、空気、または希薄な空気である。
【0118】
方法が(f)をさらに含む場合、(f)によるか焼は、好ましくは460~540℃の範囲、より好ましくは480~520℃の範囲、より好ましくは490~510℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる。
【0119】
さらに方法が(f)をさらに含む場合、(f)におけるか焼にのためのガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、好ましくは酸素、空気、または希薄な空気である。
【0120】
(ii)の混合物は、ニーダーまたはミックスマラー内で製造されることが好ましい。
【0121】
(ii)の混合物は、(i)による成形体および水を、好ましくは5:1~1:100の範囲、より好ましくは1:1~1:50の範囲、より好ましくは1:10~1:30の範囲、より好ましくは1:15~1:25の範囲の質量比で含む。
【0122】
(ii)による水処理は、好ましくは100~200℃の範囲、より好ましくは125~175℃の範囲、より好ましくは130~160℃の範囲、より好ましくは135~155℃の範囲より好ましくは140~150℃の範囲の混合物の温度を含む。
【0123】
(ii)による水処理は、好ましくは自己圧力下、より好ましくはオートクレーブ内で行われる。
【0124】
(ii)による水処理は、好ましくは6~10時間、より好ましくは7~9時間の間行われる。
【0125】
(ii)における水処理の後およびか焼の前に、水処理された成形体は、水処理から得た混合物から分離されることが好ましく、ここで、分離は、水処理から得た混合物を濾過または遠心分離に供することを好ましくは含み、より好ましくは、分離は、水処理された成形体を液体溶媒系で少なくとも1回洗浄することをさらに含み、液体溶媒系は、好ましくは、水、アルコール、およびこれらの2種以上の混合物のうちの1種または複数種を含み、水処理された成形体は、より好ましくは水で洗浄される。
【0126】
混合物を水処理に供する後および水処理された成形体をか焼する前に、(ii)は成形体をガス雰囲気内で乾燥させることをさらに含むことが好ましい。
【0127】
方法が乾燥をさらに含む場合、乾燥は、好ましくは80~160℃の範囲、より好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは110~130℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる。
【0128】
さらに方法が乾燥をさらに含む場合、ガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である。
【0129】
前駆成形体、好ましくは本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による乾燥した前駆成形体の(ii)によるか焼は、ガス雰囲気内で行われることが好ましい。
【0130】
前駆成形体の(ii)によるか焼がガス雰囲気内で行われる場合、か焼は、好ましくは410~490℃の範囲、より好ましくは430~470℃の範囲、より好ましくは440~460℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる。
【0131】
さらに前駆成形体の(ii)によるか焼がガス雰囲気内で行われる場合、ガス雰囲気は、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含むことが好ましく、ガス雰囲気は、より好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である。
【0132】
またさらに、本発明は、本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つによる方法により得ることができるまたは得られた、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む成形体に関する。
【0133】
またさらに、本発明は、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を、吸着剤、吸収剤、触媒または触媒成分として、好ましくは触媒または触媒成分として、より好ましくはルイス酸触媒またはルイス酸触媒成分として、異性化触媒または異性化触媒成分として、酸化触媒または酸化触媒成分として、アルドール縮合触媒またはアルドール縮合触媒成分として、またはプリンス反応触媒またはプリンス反応触媒成分として、より好ましくは酸化触媒または酸化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒またはエポキシ化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒として使用する方法に関する。
【0134】
成形体は、少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物、好ましくはC2-C10アルケン、より好ましくはC2-C5アルケン、より好ましくはC2-C4アルケン、より好ましくはC2またはC3アルケン、より好ましくはプロペンのエポキシ化反応のため、より好ましくは酸化剤として過酸化水素を用いたプロペンのエポキシ化のため、より好ましくは酸化剤として過酸化水素を用いたアセトニトリルを含む溶媒中のプロペンのエポキシ化のために使用されることが好ましい。
【0135】
またさらに、本発明は、有機化合物を酸化するための方法であって、有機化合物を、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を含む触媒と接触させて、好ましくは有機化合物をエポキシ化する、より好ましくは少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物、好ましくはC2-C10アルケン、より好ましくはC2-C5アルケン、より好ましくはC2-C4アルケン、より好ましくはC2またはC3アルケン、より好ましくはプロペンをエポキシ化する工程を含む方法に関する。
【0136】
過酸化水素は酸化剤として使用されることが好ましく、酸化反応は、より好ましくは溶媒中、より好ましくはアセトニトリルを含む溶媒中で行われる。
【0137】
またさらに、本発明は、酸化プロピレンを製造するための方法、好ましくは本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態の方法、より好ましくは本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態の有機化合物を酸化するための方法であって、アセトニトリル溶液中、本明細書に開示されているいずれか1つの実施形態による成形体を含む触媒の存在下で、プロペンを過酸化水素と反応させて、酸化プロピレンを得ることを含む方法に関する。
【0138】
単位バール(abs)は105Paの絶対圧を指す。
【0139】
本発明は、示されている従属状態および以下の記載から得られる以下のセットの実施形態および実施形態の組合せをさらに例示する。特に、どの場合にも、実施形態が記述されている範囲、例えば、「実施形態1~4のいずれか1つに記載の成形体」という用語の文脈で、この範囲のすべての実施形態が当業者に対して明示的に開示されることが意図される、すなわちこの用語の表現は、当業者により、「実施形態1、2、3、および4のいずれか1つに記載の成形体」と同義であると理解されることに留意されたい。さらに、以下のセットの実施形態は、保護の範囲を決定する特許請求の範囲のセットではなく、本発明の全般的および好ましい態様を対象とする、明細書の適切に構造化された部分を表すことが明示的であることに留意されたい。
【0140】
1.好ましくは、MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含み、ゼオライト材料が、Znおよびアルカリ土類金属Mをさらに含み、成形体がバインダーをさらに含み、成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位が8以下である、実施形態31~100のいずれか1つに記載の方法により得ることができるまたは得られた成形体。
【0141】
2.成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位が0.05~8.0の範囲、好ましくは0.1~7.5の範囲、より好ましくは0.5~7.0の範囲、より好ましくは1.0~6.9の範囲、より好ましくは1.5~6.9の範囲である、実施形態1に記載の成形体。
【0142】
3.成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ルイス酸IRバンドの積分減光単位が1~100の範囲、より好ましくは5~90の範囲、より好ましくは8~88の範囲、より好ましくは9.0~79.0の範囲である、実施形態1または2に記載の成形体。
【0143】
4.成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位が1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の成形体。
【0144】
5.成形体は、好ましくは参考例12に記載の通り決定した場合に、水に対するねじれパラメーターが、1.0~5.0の範囲、好ましくは1.5~3.0の範囲、より好ましくは1.7~2.5の範囲である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の成形体。
【0145】
6.Siを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して20~60質量%の範囲、好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の成形体。
【0146】
7.Tiを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.5~2.0質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲の量で含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の成形体。
【0147】
8.Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.25~2.0質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量で含む、実施形態1~7のいずれか1つに記載の成形体。
【0148】
9.アルカリ土類金属Mが、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MがBaである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の成形体。
【0149】
10.アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.5~2.0質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲の量で含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の成形体。
【0150】
11.成形体の98~100質量%、好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.5~100質量%が、Si、O、Ti、Zn、M、および任意にHで構成される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の成形体。
【0151】
12.ゼオライト材料が、希土類金属、好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種、より好ましくはY、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、LaおよびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む、実施形態1~11のいずれか1つに記載の成形体。
【0152】
13.希土類金属を、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.25~2.5質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量で含む、実施形態12に記載の成形体。
【0153】
14.成形体の98~100質量%、好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.5~100質量%が、Si、O、Ti、Zn、M、希土類金属、および任意にHで構成される、実施形態12または13に記載の成形体。
【0154】
15.バインダーがSiおよびOを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の成形体。
【0155】
16.成形体中に含まれるバインダーの95~100質量%、好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは少なくとも99.5~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%が、SiおよびOで構成される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の成形体。
【0156】
17.バインダーを、成形体の総質量に対して、1~75質量%の範囲、好ましくは5~50質量%の範囲、より好ましくは10~40質量%の範囲、より好ましくは15~25質量%の範囲の量で含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の成形体。
【0157】
18.成形体の95~100質量%、好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは少なくとも99.5~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%が、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダーで構成される、実施形態1~17のいずれか1つに記載の成形体。
【0158】
19.成形体は、全細孔容積が0.5~3.0mL/gの範囲、好ましくは0.75~2.5mL/gの範囲、より好ましくは1.0~2.0mL/gの範囲、より好ましくは1.25~1.75mL/gの範囲であり、細孔容積が、好ましくはDIN66133に従い決定される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の成形体。
【0159】
20.成形体が、1~20質量%の範囲、好ましくは6~15質量%の範囲、より好ましくは8~12質量%の範囲の水の取り込みを示し、水の取り込みが、好ましくは参考例7に記載の通り決定される、実施形態1~19のいずれか1つに記載の成形体。
【0160】
21.成形体が、0.05~1.00mmol/gの範囲、好ましくは0.10~0.50mmol/gの範囲、より好ましくは0.15~0.30mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含み、この濃度が、200℃より低い温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定される、実施形態1~20のいずれか1つに記載の成形体。
【0161】
22.成形体が、0.05mmol/g以下、好ましくは0.02mmol/g以下の濃度で酸性部位を含み、この濃度が、200~400℃の範囲の温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の成形体。
【0162】
23.成形体が、0.001~0.5mmol/gの範囲、好ましくは0.01~0.10mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含み、この濃度が、500℃より高い温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定される、実施形態1~22のいずれか1つに記載の成形体。
【0163】
24.成形体が、ストランドであり、好ましくは六方晶形、長方形、二次的、三角形、楕円形または環状の断面、より好ましくは環状の断面を有するストランドである、実施形態1~23のいずれか1つに記載の成形体。
【0164】
25.成形体が、0.5~5mmの範囲、より好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲の直径を有する環状断面を有するストランドである、実施形態1~24のいずれか1つに記載の成形体。
【0165】
26.成形体が押出物である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の成形体。
【0166】
27.成形体が、5~50Nの範囲、好ましくは10~30Nの範囲、より好ましくは15~25Nの範囲の粉砕強度を示し、この粉砕強度が、好ましくは参考例6に記載の通り決定される、実施形態1~26、好ましくは実施形態24または25のいずれか1つ、より好ましくは実施形態24に記載の成形体。
【0167】
28.成形体が、少なくとも6.2質量%、好ましくは7.5~15質量%の範囲、より好ましくは10~13質量%の範囲の酸化プロピレン活性を示し、この酸化プロピレン活性が、好ましくは参考例8に記載の通り決定される、実施形態1~27のいずれか1つに記載の成形体。
【0168】
29.成形体が、96~100%の範囲、好ましくは97~100%の範囲、より好ましくは98~100%の範囲の酸化プロピレン選択性を示し、酸化プロピレン選択性が、好ましくは参考例9に記載の連続的エポキシ化反応において決定される、実施形態1~28のいずれか1つに記載の成形体。
【0169】
30.好ましくはDIN66131に従い決定して、100m2/g以上、好ましくは200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上、より好ましくは280m2/g以上のBET比表面積を有する、実施形態1~29のいずれか1つに記載の成形体。
【0170】
31.好ましくはプロペンおよび過酸化水素から酸化プロピレンを製造するための反応において、より好ましくはプロペンおよび過酸化水素から酸化プロピレンを連続的に製造するための反応において、より好ましくは参考例9に記載されている連続的エポキシ化反応において、触媒または触媒成分として使用するための、実施形態1~30のいずれか1つに記載の成形体。
【0171】
32.MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む成形体、好ましくは実施形態1~31のいずれか1つに記載の成形体を製造するための方法であって、
(i)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を含む成形体を用意する工程であり、ゼオライト材料が、Zn、アルカリ土類金属M、および任意に希土類金属をさらに含み、成形体が前記ゼオライト材料のためのバインダーをさらに含む工程、
(ii)(i)による成形体および水を含む混合物を製造し、混合物を熱水条件下で水処理に供し、水処理された成形体を得、水処理された成形体をガス雰囲気中でか焼する工程
を含む方法。
【0172】
33.(i)が、
(i.1)MWW型骨格を有し、Ti、SiおよびOを含む骨格構造を有するゼオライト材料を用意する工程、
(i.2)Zn供給源の水溶液を用意する工程、
(i.3)アルカリ土類金属M供給源の水溶液を用意する工程、
(i.4)任意に希土類金属供給源の水溶液を用意する工程、
(i.5)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.2)により用意された水溶液、(i.3)による水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含浸させて、含浸したゼオライト材料を得る工程、
(i.6)(i.5)から得た含浸したゼオライト材料およびバインダー前駆体を含む混合物を製造する工程、
(i.7)(i.6)から得た混合物を成形する工程
を含む、実施形態32に記載の方法。
【0173】
34.(i.5)が、
(i.5.a)(i.2)により用意された水溶液、(i.3)により用意された水溶液、および任意に(i.4)により用意された水溶液を含む混合物を用意する工程、
(i.5.b)(i.1)により用意されたゼオライト材料に、(i.5.a)により用意された混合物を含浸させる工程
含む、実施形態33に記載の方法。
【0174】
35.(i)で供された成形体が、Siを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して20~60質量%の範囲、好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは40~45質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む、実施形態32~34のいずれか1つに記載の方法。
【0175】
36.(i)で用意された成形体が、Tiを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.01~10質量%の範囲、好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲、より好ましくは1.1~1.4質量%の範囲の量で含む、実施形態32~35のいずれか1つに記載の方法。
【0176】
37.(i)で用意された成形体が、Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.01~5質量%の範囲、好ましくは0.1~2.5質量%の範囲、より好ましくは0.25~1.1質量%の範囲、より好ましくは0.5~0.9質量%の範囲の量で含む、実施形態32~36のいずれか1つに記載の方法。
【0177】
38.(i)で用意された成形体に含まれるアルカリ土類金属Mが、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MがBaである、実施形態32~37のいずれか1つに記載の方法。
【0178】
39.(i)で用意された成形体が、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.01~10質量%の範囲、好ましくは0.1~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2質量%の範囲、より好ましくは1.0~1.5質量%の範囲、より好ましくは1.1~1.4質量%の範囲の量で含む、実施形態32~38のいずれか1つに記載の方法。
【0179】
40.(i)で用意された成形体が、希土類金属、好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuのうちの1種または複数種、より好ましくは、Y、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、LaおよびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む、実施形態32~39のいずれか1つに記載の方法。
【0180】
41.(i)で用意された成形体が、希土類金属を、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.01~5質量%の範囲、より好ましくは0.1~2質量%の範囲、より好ましくは0.25~1.25質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.0質量%の範囲の量でさらに含む、実施形態32~40のいずれか1つに記載の方法。
【0181】
42.(i)で用意された成形体が、バインダーを、成形体の総質量に対して1~50質量%の範囲、好ましくは5~30質量%の範囲、より好ましくは15~25質量%の範囲、より好ましくは18~23質量%の範囲、より好ましくは19~2221質量%の範囲の量で含む、実施形態32~41のいずれか1つに記載の方法。
【0182】
43.(i)で用意された成形体が、200~500g/mLの範囲、好ましくは300~400g/mLの範囲、より好ましくは325~375g/mLの範囲のかさ密度を有する、実施形態32~42のいずれか1つに記載の方法。
【0183】
44.(i)で用意された成形体が、0.5~5mmの範囲、好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲の直径を有する環状断面を有するストランドであり、好ましくは参考例6に記載の通り決定した場合に、成形体が、少なくとも1.5N、好ましくは5~30Nの範囲、より好ましくは15~25Nの範囲の粉砕強度を示す、実施形態32~43のいずれか1つに記載の方法。
【0184】
45.(i)で用意された成形体が、好ましくは参考例2に記載の通り決定した場合に、少なくとも1.0g/mL、好ましくは1.3~2.0g/mLの範囲の細孔容積を有する、実施形態32~44のいずれか1つに記載の方法。
【0185】
46.(i)で用意された成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位が5~15の範囲、より好ましくは7.5~13.0の範囲、より好ましくは10.0~12.0の範囲、より好ましくは11.0~11.6の範囲である、実施形態32~45のいずれか1つに記載の方法。
【0186】
47.(i)で用意された成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ルイス酸IRバンドの積分減光単位が50~200の範囲、より好ましくは75~150の範囲、より好ましくは101~125の範囲、より好ましくは105~120の範囲である、実施形態32~46のいずれか1つに記載の方法。
【0187】
48.(i)で用意された成形体は、参考例1に記載の通り決定した場合に、ブレンステッド酸IRバンドの積分減光単位が1以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、より好ましくは0.01以下である、実施形態32~47のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
49.(i)で用意された成形体が、200℃より低い温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定した場合に、0.05~1.00mmol/gの範囲、好ましくは0.10~0.50mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む、実施形態32~48のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
50.(i)で用意された成形体が、200~400℃の範囲の温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定した場合に、最大でも0.05mmol/g、好ましくは最大でも0.02mmol/gの濃度で酸性部位を含む、実施形態32~49のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
51.(i)で用意された成形体が、500℃より高い温度において、好ましくは参考例5に従いアンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)により決定した場合に、0.005~0.1mmol/gの範囲、好ましくは0.01~0.05mmol/gの範囲、より好ましくは0.02~0.03mmol/gの範囲の濃度で酸性部位を含む、実施形態32~50のいずれか1つに記載の方法。
【0191】
52.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、Siを、元素として計算した場合に、ゼオライト材料の総質量に対して20~60質量%の範囲、好ましくは30~55質量%の範囲、より好ましくは35~50質量%の範囲、より好ましくは40~45質量%の範囲、より好ましくは41~44質量%の範囲の量で含む、実施形態33~51のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
53.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、Tiを、元素として計算した場合に、ゼオライト材料の総質量に対して0.1~10質量%の範囲、好ましくは0.5~5質量%の範囲、より好ましくは1~2質量%の範囲、より好ましくは1.2~1.8質量%の範囲の量で含む、実施形態33~52のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
54.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、Znを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して0.1~2.5質量%の範囲、好ましくは0.5~1.3質量%の範囲、より好ましくは0.7~1.1質量%の範囲の量で含む、実施形態33~53のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
55.(i.1)により用意されたゼオライト材料に含まれるアルカリ土類金属Mが、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MがBaである、実施形態33~54のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
56.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、アルカリ土類金属Mを、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して、0.1~7.5質量%の範囲、好ましくは0.25~5質量%の範囲、より好ましくは0.5~2.5質量%の範囲、より好ましくは1.2~2.0質量%の範囲の量で含む、実施形態33~55のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
57.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、希土類金属、好ましくはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種または複数種、より好ましくはY、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種または複数種、より好ましくはY、LaおよびCeのうちの1種または複数種、より好ましくはLaをさらに含む、実施形態33~56のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
58.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、元素として計算した場合に、成形体の総質量に対して好ましくは0.1~5質量%の範囲、好ましくは0.25~2質量%の範囲、より好ましくは0.5~1.5質量%の範囲、より好ましくは0.8~1.2質量%の範囲の量で希土類金属をさらに含む、実施形態33~57のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
59.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、好ましくは参考例4に記載の通り決定した場合に、15~40nmの範囲の微結晶サイズを有する、実施形態33~58のいずれか1つに記載の方法。
【0199】
60.(i.1)により用意されたゼオライト材料は、好ましくはDIN66131に従い決定した場合に、BET比表面積が250m2/g以上、好ましくは275m2/g以上、より好ましくは300m2/g以上である、実施形態33~59のいずれか1つに記載の方法。
【0200】
61.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、好ましくは参考例10に記載の通り決定した場合に、C値が-150~-40の範囲、好ましくは-125~-50の範囲、より好ましくは-100~-60の範囲である、実施形態33~60のいずれか1つに記載の方法。
【0201】
62.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、好ましくは参考例4に記載の通り決定した場合に、結晶化度が少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である、実施形態33~61のいずれか1つに記載の方法。
【0202】
63.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、好ましくは参考例7に記載の通り決定した場合に、8~20質量%の範囲、好ましくは9~17.5質量%の範囲、より好ましくは10~15質量%の範囲の水取り込みを有する、実施形態33~62のいずれか1つに記載の方法。
【0203】
64.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、好ましくは参考例8に記載の通り決定した場合に、少なくとも10質量%、好ましくは10~15質量%の範囲、より好ましくは11~14質量%の範囲の酸化プロピレン活性を示す、実施形態33~63のいずれか1つに記載の方法。
【0204】
65.(i.1)により用意されたゼオライト材料が、(3700~3750)+/-20cm-1の領域に最大値を有するバンドおよび(3670~3690)+/-20cm-1の領域に最大値を有するバンドを含む赤外線スペクトルを示し、好ましくは参考例11に記載の通り決定した場合に、(3700~3750)+/-20cm-1の領域のバンドの、(3670~3690)+/-20cm-1の領域のバンドに対する強度比が、最大でも1.7であり、好ましくは最大でも1.6である、実施形態33~64のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
66.Zn供給源が塩であり、好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、酢酸塩のうちの1種または複数種であり、好ましくは硝酸塩である、実施形態33~65のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
67.アルカリ土類金属供給源中のアルカリ土類金属が、Mg、Ca、SrおよびBaのうちの1種または複数種であり、好ましくはMg、CaおよびBaのうちの1種または複数種であり、より好ましくは、アルカリ土類金属MがBaである実施形態33~66のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
68.アルカリ土類金属供給源が塩であり、好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、水酸化物のうちの1種または複数種であり、より好ましくは硝酸塩である、実施形態33~67のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
69.(i.2)による混合物が、希土類金属供給源を含み、希土類金属が、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuのうちの1種または複数種であり、より好ましくはY、La、Ce、PrおよびNdのうちの1種または複数種であり、より好ましくはY、LaおよびCeのうちの1種または複数種であり、より好ましくはLaである、実施形態33~68のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
70.希土類金属供給源が塩であり、好ましくは硝酸塩、ハロゲン化物および水酸化物のうちの1種または複数種であり、より好ましくは硝酸塩である、実施形態69に記載の方法。
【0210】
71.(i.5)による含浸が、スプレー含浸、接着含浸、初期含浸、湿式含浸法接着技法、およびかき混ぜ、好ましくは機械によるかき混ぜ、より好ましくは撹拌、より好ましくは、0.1~5時間の範囲、より好ましくは0.5~2時間の範囲の期間の撹拌のうちの1種または複数種を含む、実施形態33~70のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
72.(i.5)による含浸が、混合物を同じ温度、好ましくは15~40℃の範囲の温度で、1~50時間の範囲の期間、好ましくは30~40時間の範囲の期間保つことを含む、実施形態33~71のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
73.(i.5)の後および(i.6)の前に、
(a)任意に、(i.5)で得た含浸したゼオライト材料を、好ましくは濾過により、単離する工程、および/または、好ましくはおよび
(b)任意に、(i.5)もしくは(a)で得た含浸したゼオライト材料を、好ましくは脱イオン水で、洗浄する工程、および/または、好ましくはおよび
(c)任意に、(i.5)、(a)もしくは(b)で得た含浸したゼオライト材料をガス雰囲気内で乾燥させる工程、および/または、好ましくはおよび
(d)任意に、(i.5)、(a)、(b)もしくは(c)で得た含浸したゼオライト材料をガス雰囲気内でか焼する工程
を含む、実施形態33~72のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
74.70~150℃の範囲、好ましくは90~130℃の範囲、より好ましくは100~120℃の範囲のガス雰囲気の温度で、(c)に従い乾燥が行われる、実施形態73に記載の方法。
【0214】
75.(c)における乾燥にのためのガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態73または74に記載の方法。
【0215】
76.510~590℃の範囲、好ましくは530~570℃の範囲、より好ましくは540~560℃の範囲のガス雰囲気の温度で、(d)に従いか焼が行われる、実施形態73~75のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
77.(d)におけるか焼にのためのガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態73または76に記載の方法。
【0217】
78.バインダー前駆体が、シリカゾル、コロイド状シリカ、湿式法シリカ、乾式法シリカ、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、バインダー前駆体がより好ましくはコロイド状シリカである、実施形態33~77のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
79.(i.6)による混合物中で、(i.5)から得たゼオライト材料の、バインダー前駆体に対する質量比が、1:1~10:1の範囲、好ましくは3:1~5:1の範囲、より好ましくは3.5:1~4.5:1の範囲である、実施形態33~78のいずれか1つに記載の方法。
【0219】
80.(i.6)に従い製造した混合物の95~100質量%、好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%が、(i.5)から得た含浸したゼオライト材料、およびバインダー前駆体で構成される、実施形態33~79のいずれか1つに記載の方法。
【0220】
81.(i.6)に従い製造した混合物が、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤をさらに含む、実施形態33~80のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
82.1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤が、水、アルコール、有機ポリマー、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、有機ポリマーが、好ましくは、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、有機ポリマーが、より好ましくは、セルロース誘導体、ポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、有機ポリマーが、より好ましくは、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリスチレン、およびこれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、より好ましくは、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤が水およびメチルセルロースを含む、実施形態81に記載の方法。
【0222】
83.(i.6)に従い製造した混合物中で、ゼオライト材料の、1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤に対する質量比が、10:1~20:1の範囲、好ましくは15:1~16:1の範囲、より好ましくは15.5:1~15.7:1の範囲である、実施形態81または82に記載の方法。
【0223】
84.(i.6)に従い製造した混合物の95~100質量%、好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%が、(i.5)から得た含浸したゼオライト材料、バインダー前駆体、ならびに1種もしくは複数種の粘度調整および/またはメソ細孔形成剤で構成される、実施形態33~83のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
85.(i.7)において、混合物が、ストランドへ、好ましくは環状断面を有するストランドへと成形される、実施形態33~84のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
86.環状断面を有するストランドが、0.2~10mmの範囲、好ましくは0.5~5mmの範囲、より好ましくは1~3mmの範囲、より好ましくは1.5~2mmの範囲、より好ましくは1.6~1.8mmの範囲の直径を有する、実施形態85に記載の方法。
【0226】
87.(i.7)において、成形が混合物を押出加工することを含む、実施形態33~86のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
88.(i.7)の後および(ii)の前に、
(e)任意に、(i.7)から得た成形体をガス雰囲気内で乾燥させる工程、および/または、好ましくはおよび
(f)任意に、(i.7)もしくは(e)から得た成形体をガス雰囲気内でか焼するする工程
をさらに含む、実施形態33~87のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
89.(e)における乾燥が、80~160℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは110~130℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる、実施形態88に記載の方法。
【0229】
90.(e)における乾燥のためのガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態88または89に記載の方法。
【0230】
91.(f)によるか焼が、460~540℃の範囲、好ましくは480~520℃の範囲、より好ましくは490~510℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる、実施形態88~90のいずれか1つに記載の方法。
【0231】
92.(f)におけるか焼にのためのガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態88~91のいずれか1つに記載の方法。
【0232】
93.(ii)の混合物が、ニーダーまたはミックスマラー内で製造される、実施形態32~92のいずれか1つに記載の方法。
【0233】
94.(ii)の混合物が、(i)による成形体および水を、質量比5:1~1:100の範囲、好ましくは1:1~1:50の範囲、より好ましくは1:10~1:30の範囲、より好ましくは1:15~1:25の範囲で含む、実施形態32~93のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
95.(ii)による水処理が、100~200℃の範囲、好ましくは125~175℃の範囲、より好ましくは130~160℃の範囲、より好ましくは135~155℃の範囲、より好ましくは140~150℃の範囲の混合物の温度を含む、実施形態32~94のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
96.(ii)による水処理が、自己圧力下、好ましくはオートクレーブ内で行われる、実施形態32~95のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
97.(ii)による水処理が、6~10時間、好ましくは7~9時間行われる、実施形態32~96のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
98.(ii)における水処理の後およびか焼の前に、水処理された成形体が、水処理から得た混合物から分離され、ここで、分離が、好ましくは水処理から得た混合物を濾過または遠心分離に供することを含み、より好ましくは、分離が、水処理された成形体を液体溶媒系で少なくとも1回洗浄することをさらに含み、液体溶媒系が、好ましくは、水、アルコール、およびこれらの2種以上の混合物のうちの1種または複数種を含み、水処理された成形体が、より好ましくは水で洗浄される、実施形態32~97のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
99.混合物を水処理に供した後および水処理された成形体をか焼する前に、(ii)が成形体をガス雰囲気内で乾燥させることをさらに含む、実施形態32~98のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
100.乾燥が、80~160℃の範囲、好ましくは100~140℃の範囲、より好ましくは110~130℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる、実施形態99に記載の方法。
【0240】
101.ガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態99または100に記載の方法。
【0241】
102.成形体の(ii)によるか焼、好ましくは実施形態86~90のいずれか1つに記載の乾燥した成形体のか焼が、ガス雰囲気内で行われる、実施形態32~101のいずれか1つに記載の、好ましくは実施形態93~101のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
103.か焼が、410~490℃の範囲、好ましくは430~470℃の範囲、より好ましくは440~460℃の範囲のガス雰囲気の温度で行われる、実施形態102に記載の方法。
【0243】
104.ガス雰囲気が、窒素、酸素、またはこれらの混合物を含み、ガス雰囲気が、好ましくは、酸素、空気、または希薄な空気である、実施形態102または103に記載の方法。
【0244】
105.実施形態32~104のいずれか1つに記載の方法により得ることができるまたは得られた、MWW型骨格を有するゼオライト材料およびバインダー材料を含む成形体。
【0245】
106.実施形態1~31のいずれか1つに記載のまたは実施形態105に記載の成形体を、吸着剤、吸収剤、触媒または触媒成分として、好ましくは触媒または触媒成分として、より好ましくはルイス酸触媒またはルイス酸触媒成分として、異性化触媒または異性化触媒成分として、酸化触媒または酸化触媒成分として、アルドール縮合触媒またはアルドール縮合触媒成分として、またはプリンス反応触媒またはプリンス反応触媒成分として、より好ましくは酸化触媒または酸化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒またはエポキシ化触媒成分として、より好ましくはエポキシ化触媒として使用する方法。
【0246】
107.少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物、好ましくはC2-C10アルケン、より好ましくはC2-C5アルケン、より好ましくはC2-C4アルケン、より好ましくはC2またはC3アルケン、より好ましくはプロペンのエポキシ化反応のための、より好ましくは酸化剤として過酸化水素を用いたプロペンのエポキシ化のための、より好ましくは酸化剤として過酸化水素を用いたアセトニトリルを含む溶媒中のプロペンのエポキシ化のための、実施形態106に記載の方法。
【0247】
108.有機化合物を酸化するための方法であって、有機化合物を、実施形態1~31のいずれか1つに記載または実施形態105に記載の成形体を含む触媒と接触させて、好ましくは有機化合物をエポキシ化する、より好ましくは少なくとも1つのC-C二重結合を有する有機化合物、好ましくはC2-C10アルケン、より好ましくはC2-C5アルケン、より好ましくはC2-C4アルケン、より好ましくはC2またはC3アルケン、より好ましくはプロペンをエポキシ化することを含む、方法。
【0248】
109.過酸化水素が酸化剤として使用され、酸化反応が、好ましくは溶媒中で、より好ましくはアセトニトリルを含む溶媒中で行われる、実施形態108に記載の方法。
【0249】
110.アセトニトリル溶液中、実施形態1~31のいずれか1つに記載または実施形態105に記載の成形体を含む触媒の存在下で、プロペンを過酸化水素と反応させて、酸化プロピレンを得ることを含む、酸化プロピレンを製造するための方法、好ましくは実施形態108または109に記載の方法。
【0250】
本発明を、以下の例および参考例によりさらに例示する。
【0251】
[参考例1]
ブレンステッド酸性度およびルイス酸性度の決定
例において、ピリジンをプローブガスとして使用して、ブレンステッド酸性度およびルイス酸性度を決定した。測定は、FTIRセルを利用するIR分光器Nicolet 6700を使用して行った。測定のため、試料を圧縮して、FTIRセル内に配置するペレットにした。FTIRセル内に配置した後、次いで試料を大気中で350℃に加熱し、温度で1時間保持して、水およびあらゆる揮発性物質を試料から除去した。次いで装置を高真空(10-5mbar)下に配置し、セルを80℃まで冷却させた。セルは測定の全期間の間この温度で保持して、セル内でのピリジンの縮合を回避した。
【0252】
次いで、ピリジンをセルに連続する工程(0.01、0.1、1、および3mbar)で投入して、試料の制御された完全な曝露を確実にした。
【0253】
80℃および10-5mbarでの活性化した試料の照射スペクトルを吸収スペクトルに対するバックグランドとして使用して、マトリックスバンドの影響を補正した。
【0254】
分析について、試料は安定した平衡状態にあったので、スペクトルは1mbarの圧力で使用した。定量化のため、減光スペクトルを使用した。これは、減光スペクトルにより、マトリックス作用の取り消しが可能となるからである。
【0255】
積分減光単位は以下の通り決定した:ピリジン吸収に対する特徴的シグナルを統合し、こうして決定した領域をペレットの厚さに応じて拡大縮小した。より良い比較を可能にするため、決定した値を一定の係数で掛けた。前記係数は1000であった。したがって、測定したスペクトルに基づき、積分減光単位を式Iに従い計算した:
積分減光単位=(1mbarでの減光バンド下の領域/分解したペレットの厚さの値μm)×1000。
【0256】
圧力1mbarでのIRバンドの積分減光単位(integrale Extinktionseinheiten)は、それぞれの材料のルイス酸性度を定義する値として本明細書で使用される。さらに、圧力1mbarでの1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は、それぞれの材料の酸性度を定義するさらなる値として本明細書で使用される。
【0257】
【0258】
例において、ルイス酸部位の決定は1450cm-1でのバンドを考慮して決定され、ブレンステッド酸部位は1545cm-1でのバンドを考慮して決定された。
【0259】
[参考例2]
全細孔容積の決定
DIN 66133に従い、水銀圧入ポロシメトリーを介して全細孔容積を決定した。
【0260】
[参考例3]
BET比表面積の決定
77Kでの窒素物理吸着を介して、DIN66131において開示された方法に従いBET比表面積を決定した。Micrometrics ASAP 2020Mを使用して、液体窒素の温度におけるN2収着等温線を測定し、Tristarシステムを使用して、BET比表面積を決定した。
【0261】
[参考例4]
粉末X線回折および結晶化度の決定
40kVおよび40mAで動くCopper アノードX線チューブを用いて作動するLYNXEYE検出器を備えた回折計(D8 Advance Series II、Bruker AXS GmbH)を使用して粉末エックス線回折(PXRD)データを収集した。形状はBragg-Brentanoであり、大気散乱シールドを使用して大気散乱を減少させた。
【0262】
結晶化度のコンピューティング:Bruker AXS GmbH、Karlsruheにより提供されるソフトウエアDIFFRAC.EVAを使用して試料の結晶化度を決定した。方法はユーザーマニュアルの121頁に記載されている。計算用のデフォルトパラメーターを使用した。
【0263】
相組成のコンピューティング:Bruker AXS GmbH、Karlsruheで提供されるモデリングソフトウエアDIFFRAC.TOPASを使用して、生データに対して相組成を計算した。特定された相の結晶構造、装置パラメーターならびに個々の相の微結晶サイズを使用して回折パターンをシミュレートした。これは、バックグラウンド強度をモデリングする機能に加えてデータにフィットさせた。
【0264】
データ収集:試料を乳鉢内でホモジナイズし、次いで圧縮して、Bruker AXS GmbHにより提供される標準的なフラット試料ホルダーに入れ、Bragg-Brentano形状データ収集を行った。試料粉末を加圧し、平らにするために、ガラスプレートを使用して平らな面を達成した。変数発散スリットを0.1°の角度にセットする間、角度範囲2~70°2シータから、ステップサイズ0.02°2シータでデータを収集した。結晶の含有量は全散乱強度に対する結晶シグナルの強度を表現する。(User Manual for DIFFRAC.EVA、Bruker AXS GmbH、Karlsruhe.)
【0265】
[参考例5]
酸性部位の決定:アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)
アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)を、熱伝導率検出器を有する自動化された化学吸着分析ユニット(Micromeritics AutoChem II 2920)で行った。オンライン質量分析器(OmniStar QMG200、Pfeiffer Vacuum製)を使用して、脱離種の連続的分析を達成した。試料(0.1g)を石英管に導入し、以下に記載されているプログラムを使用して分析した。石英管内の試料の真上のNi/Cr/Niサーモカップルを用いて温度を測定した。分析のため、純度5.0のHeを使用した。あらゆる測定前には、較正のためブランクの試料を分析した。
【0266】
1.準備:記録の開始;毎秒1回の測定。25℃で10分間待つ。He流速は30cm3/分(室温(約25℃)および1atm);20K/分の加熱速度で600℃まで加熱する;10分間保持する。He流(30cm3/分)の下で100℃に冷却する(冷却速度20K/分(炉のランプ温度);He流(30cm3/分)の下で、3K/分の冷却速度で100℃に冷却する(試料ランプ温度)。
2.NH3での飽和:記録の開始;毎秒1回の測定。100℃で気体流をHe中10%NH3の混合物に変える(75cm3/分;100℃および1atm);30分間保持する。
3.過剰分の除去:記録の開始;毎秒1回の測定。100℃で気体流を75cm3/分のHe流に変える(100℃および1atm);60分間保持する。
4.NH3-TPD:記録の開始;毎秒1回の測定。He流(流速:30cm3/分)下で、加熱速度10K/分で600℃に加熱する;30分間保持する。
5.測定終了。
【0267】
脱離したアンモニアを、オンライン質量分析器を用いて測定した。これは熱伝導率検出器からのシグナルは脱離したアンモニアにより引き起こされたことを実証した。これには、アンモニアからのm/z=16シグナルを利用して、アンモニアの脱離をモニターすることが含まれた。水平ベースラインとのTPDシグナルの統合を介して、Micromeriticsソフトウエアを用いて、吸着したアンモニアの量(mmol/gの試料)を確定した。
【0268】
[参考例6]
硬さの決定
本発明の文脈でこのように呼ばれている粉砕力は、粉砕力試験機器Z2.5/TS1S、製造元 ZwickGmbH&Co.、D-89079Ulm、Germanyを介して決定されるものと理解されたい。この機器およびその操作の原理については、ハンドブック「Register1:Betriebsanleitung/Sicherheitshandbuch fuer die Material-Pruefmaschine Z2.5/TS1S」第1.5版、2001年12月、Zwick GmbH&Co.、Technische Dokumentation、August-Nagel-Strasse 11、D-89079 Ulm、Germanyにおけるそれぞれの指示を参照している。機器はストランドが配置される、固定された水平なテーブルを備えていた。垂直方向に自由に移動可能な、直径3mmのプランジャーは、固定されたテーブルに対してストランドを動かした。装置を、初期の力0.5N、初期の力での剪断速度10mm/分で作動させ、その後試験速度1.6mm/分で作動させた。垂直に移動可能なプランジャーは、力を感知するためのロードセルに連結されており、測定中、調査する成形体(ストランド)が配置された、固定されたターンテーブルに向かって移動し、よってストランドをテーブルに向けて動かした。プランジャーはこれらの縦方向の軸に対して垂直にストランドを適用した。前記機器を用いて、以下に記載されている所与のストランドを、ストランドが粉砕するまで、プランジャーを介して増加する力に供した。ストランドが粉砕する力をストランドの粉砕強度と呼ぶ。
【0269】
実験の制御は、コンピュータを用いて行い、コンピュータは、測定結果を登録し、評価した。得られた値は、いずれの場合も10本のストランドに対する測定の平均値である。
【0270】
[参考例7]
水の取り込みの決定
水吸着/脱離等温線測定を、VTI SA装置、TA Instruments製で、ステップ等温線プログラムに従い実施した。実験は、装置内側のミクロバランスパン上に配置された試料材料に対して実施された作動または一連の作動で構成された。測定を開始する前、試料を100℃に加熱(5℃/分の昇温条件)し、N2流の下で6時間保持することにより、試料の残留する水分を除去した。乾燥プログラム後、セル内の温度を25℃に低減し、測定中は等温で保持した。ミクロバランスを較正し、乾燥した試料の質量を平衡した(最大質量偏差0.01質量%)。試料による水の取り込みを乾燥試料の質量からの質量の増加として測定した。最初に、相対湿度(RH)(セル内側の雰囲気中の水の質量%として表現)を増加させ、これに試料を曝露し、平衡での試料による水の取り込みを測定することにより、吸着曲線を測定した。RHは、5%から85%へと1ステップ10%で増加させ、各ステップでは、システムはRHを制御して、平衡状態に到達し、質量取り込みを記録するまで、試料質量をモニターした。試料を85%RHに曝露した後、試料により吸着された全水量を採取した。脱離測定の間、RHは1ステップ10%で85%から5%へと低減し、試料の質量の変化(水の取り込み)をモニターし、記録した。
【0271】
[参考例8]
プロピレンオキシド活性および圧力降下速度(PO試験)の決定
以下に開示されたPO試験は、触媒としての成形体の、プロペンのエポキシ化に対して見込まれる適性を評価する予備的試験手順を表す。PO試験では、成形体は、プロペンと過酸化水素の反応に関して、小型オートクレーブ内で触媒として試験され、プロペンと過酸化水素は、酸化プロピレンを生成するために水性過酸化水素溶液(30質量%)として提供された。特に、0.63gの成形体を、室温の79.2gのアセトニトリルおよび12.4gのプロペン、ならびに22.1gの水性過酸化水素とともに、スチールオートクレーブ内に導入する。40℃で4時間の反応時間の後、混合物を冷却し、降圧し、液相をその酸化プロピレン含有量に関してガスクロマトグラフィーで分析した。液相の酸化プロピレン含有量(質量%)がPO試験の結果である。
【0272】
[参考例9]
連続的エポキシ化反応における酸化プロピレン活性の決定
連続的エポキシ化反応は、WO2015/010990Aの中の参考例1、55頁14行目から57頁10行目に記載の通り行った。反応温度を45℃の値にセットした(WO2015/010990A、56頁、16行目から18行目を参照されたい)。温度を調節して、本質的に90%で一定の過酸化水素変換率を達成した(WO2015/010990A、56頁21行目から23行目を参照されたい)。KH2PO4を添加剤として利用し(WO2015/010990A、56頁7行目から10行目を参照されたい)、添加剤の濃度は、過酸化水素1モル当たり130ミクロモルであった。触媒として、本明細書で以下の比較例22、参考例20および例23による触媒を利用した(WO2015/010990A、55頁、16行目から18行目を参照されたい)。
【0273】
[参考例10]
C値(BET C定数)の決定
当業者には公知の通り、p/p0に対するBET値1/(V((p/p0)-1))のプロットに基づく通常の計算((傾き/切片)+1)により、C値を決定した。pは、Paにおける、77.4K(液体窒素のb.p.)の表面と平衡状態にある吸着質ガスの部分的な蒸気圧力であり、p0は、Paにおける、吸着質ガスの飽和圧力であり、Vは標準的な温度および圧力(STP)[273.15Kおよび大気圧(1.013×105Pa)]において吸着されたガスの体積(単位:mL)である。
【0274】
[参考例11]
IR測定
IR測定はNicolet 6700分光器で実施した。ゼオライト材料を、いかなる添加剤も使用せず、自立性のあるペレットに圧縮した。ペレットを高真空セルに導入し、IR装置に配置した。測定前、試料を高真空(10-5mbar)内で、300℃で3時間事前処理した。セルを50℃に冷却後、スペクトルを収集した。スペクトルを、4000cm-1~800cm-1の範囲で、2cm-1の分解能で記録した。得たスペクトルを、x軸上に波数(cm-1)、y軸上に吸光度(任意単位)を有するプロットで表した。ピーク高さおよびピーク高さの比率の定量的決定のため、ベースライン補正を行った。
【0275】
[参考例12]
水に対するねじれパラメーターの決定
少量の(0.05~0.2g)触媒を、NMR測定チューブ内で、T>350℃、真空下で終夜乾燥させることにより、NMR分析用の試料を準備した。次いで、試料は、真空系統を介して、触媒担体の細孔容積の90%まで(Hg-ポロシメトリーにより決定)、ナノピュア水(Millipore Advantage A10)で充填した。次いで、充填した試料を測定チューブに火炎密閉し、測定前、終夜静置させた。
【0276】
触媒材料中の水に対する自己拡散係数(D
eff)を決定するために、20℃および1バールで、400MHz1H共鳴周波数で、Bruker Avance III NMR分光器を用いてNMR分析を行った。Bruker Diff50プローブヘッドをBruker Great 60A勾配増幅器と共に使用した。20℃の温度を、水冷した勾配コイルで維持した。PFG NMR自己拡散分析に使用されているパルスプログラムは、US20070099299A1の
図1bによる、パルス化されたフィールド勾配を用いた刺激されたスピンエコーであった。各試料に対して、フィールド勾配の強度を段階的に増加させて(最大gmax=3T/mまで)、異なる拡散時間(20~100msの間)においてスピンエコー減光曲線を測定した。勾配パルス長は1msであった。スピンエコー減光曲線を、US2007/0099299Aの方程式6にフィットさせ、例として、使用された様々な拡散時間における触媒担体からのデータの二重対数プロットが
図Xに示されている。各線の傾きは拡散率に対応する。式IIに従い、すべての拡散時間の全域での平均拡散率を使用して、各触媒担体に対するねじれを計算した(参考例2を参照されたい)。
【0277】
PFG NMRは、遊離ガスおよび液体中、マクロおよび超分子溶液中、ならびに多孔質系内の吸着された分子の分子熱運動の破壊なしの検査を可能にする。原理および用途はUS20070099299A1に記載されている。参考例4に従いNMRで得た拡散率から、ねじれ係数を計算した。多孔質材料のねじれ係数を、式IIに従い、多孔質系(Deff)内のプローブ分子自己拡散係数および自由液体(D0)の自己拡散係数から決定する(S.Kolitcheff、E.Jolimaitre、A.Hugon、J.Verstraete、M.Rivallan、P-L.Carrette、F.CouenneおよびM.Tayakout-Fayolle、Catal.Sci.Technol.、2018年、8巻、4537頁;ならびにF.Elwinger、P.Pourmand、およびI.Furo、J.Phys.Chem.C.2017年、121巻、13757~13764頁を参照されたい):
【0278】
【0279】
水に対する自由拡散係数は、20℃において2.02×10-9m2s-1であった(M.Holz、S.R.HeilおよびA.Sacco.Phys.Chem.Chem.Phys.、2000年、2巻、4740~4742頁を参照されたい)。
【0280】
[参考例12]
Ti-MWWの製造
骨格構造MWWを有し、Tiを含むゼオライト材料(本明細書でTi-MWWとも略記)は、WO2013/117536Aの例5、5.1~5.3、83頁、26行目から92頁7行目に従い製造したゼオライト材料と同様のものが提供された。生成したゼオライト材料は結晶化度89%、BET比表面積353m2/g、C値-94、Ti含有量1.5gTi/100gを有した。さらに、生成したゼオライト材料は12質量%の水吸着を示した。
【0281】
[参考例14:]
Znを含浸したTi-MWWの製造
骨格構造MWWを有し、Tiを含み、Znを含浸したゼオライト材料は、WO2013/117536A2の参考例1、57~66頁に従い提供された。
【0282】
[参考例15]
Baを含浸したTi-MWWの製造
1.2gの硝酸バリウム(Ba(NO3)2)をビーカー内で1時間撹拌しながら60gの脱イオン水に溶解した。次いで、40.0gの参考例12によるTi-MWWを混合物に加え、室温で40時間保持した。生成した固体を、大気中、110℃で5時間乾燥させ、続いて大気中、550℃で8時間か焼して、生成物を得た。収量は39.6gであった。
【0283】
生成した材料はBa含有量1.6g/100g、Si含有量43g/100g、およびTi含有量1.5g/100gを有した。
【0284】
[参考例16]
BaおよびZnを含浸したTi-MWWの製造
1.20gの硝酸バリウム(Ba(NO3)2)および1.64硝酸亜鉛(Zn(NO3)2・6H2O)を、ビーカー内で1時間撹拌しながら、60.00gの脱イオン水に溶解した。次いで、40.00gの参考例12によるTi-MWWを混合物に加え、室温で36時間保持した。生成した固体を大気中、110℃で5時間乾燥させ、続いて大気中550℃で8時間か焼して、生成物を得た。収量は40.3gであった。
【0285】
生成した材料は、Ba含有量1.6g/100g、Si含有量42g/100g、Ti含有量1.5g/100gおよびZn含有量0.88g/100gを有した。
【0286】
[参考例17]
Ba、Zn、およびLaを含浸したTi-MWWの製造
1.20gの硝酸バリウム(Ba(NO3)2)、1.64の硝酸亜鉛(Zn(NO3)2・6H2O)および1.24gの硝酸ランタン(La(NO3)3・6H2O)を、ビーカー内で1時間撹拌しながら、60.00g脱イオン水に溶解した。次いで、参考例12による40.00gのTi-MWWを混合物に加え、室温で36時間保持した。生成した固体を大気中、110℃で5時間乾燥させ、続いて大気中550℃で8時間か焼させて、生成物を得た。収量は40.9gであった。
【0287】
生成した材料は、Ba含有量1.6g/100g、La含有量1.0g/100g、Si含有量42g/100g、Ti含有量1.5g/100gおよびZn含有量0.88g/100gを有した。
【0288】
[参考例18]
Znを含浸したTi-MWWの成形
参考例14によりZnを含浸した、30gのTi-MWWおよび1.92gのメチルセルロース(Walocel MW 15000 GB、Wolff Cellulosics GmbH&Co.KG、Germany)をニーダー内に入れ、5分間混錬した。次いで、60mLの脱イオン水を18.75gのコロイド状シリカ(Ludox(登録商標)AS40)と一緒に加え、混合物をさらに10分間混錬した。次いで、10mLの脱イオン水を加え、混合物を15分間さらに混錬した。全混練時間は45分間であった。
【0289】
混錬した塊を120バール(abs)の圧力で押し出して、直径1.7mmの環状断面を有するストランドを得た。続いて、押し出したストランドを乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.40分間以内で120℃の温度まで加熱する;
2.120℃の温度を6時間保つ;
3.380分間以内で500℃の温度に加熱する;
4.500℃の温度を5時間保つ。
【0290】
生成した材料は、TOC0.1g/100g未満、Zn含有量1.1g/100g、Si含有量43g/100g、およびTi含有量1.9g/100gを有した。参考例1に従いルイス酸性度を決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を14.2と決定し、これによって1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位を0と決定した。さらに、ブレンステッド酸部位の積分減光単位は0.23と観察され、これは参考例1に従い決定された。加えて、参考例5に従いルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位の密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.26mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.01mmol/gが観察された。
【0291】
[参考例19]
Baを含浸したTi-MWWの成形
参考例15に従いBaを含浸した30gのTi-MWWおよび1.92gのメチルセルロース(Walocel MW 15000GB、Wolff Cellulosics GmbH&Co.KG、Germany)をニーダー内に入れ、5分間混錬した。次いで、60mLの脱イオン水を18.75gのコロイド状シリカ(Ludox(登録商標)AS40)と一緒に加え、混合物をさらに10分間混錬した。次いで、10mLの脱イオン水を加え、混合物をさらに15分間混錬した。全混練時間は45分間であった。
【0292】
混錬した塊を120バール(abs)の圧力で押し出して、直径1.7mmの環状断面を有するストランドを得た。続いて、押し出したストランドを乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.40分間以内で120℃の温度まで加熱する;
2.120℃の温度を6時間保つ;
3.380分間以内で500℃の温度に加熱する;
4.500℃の温度を5時間保つ。
【0293】
生成した材料は、TOC0.1g/100g未満、Ba含有量1.3g/100g、Si含有量43g/100g、およびTi含有量1.2g/100gを有した。参考例1に従いルイス酸性度を決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を100.7と決定し、これにより圧力1mbarでの1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位を9.77と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定した。加えて、参考例5に従い、ルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.15mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.02mmol/gが観察された。
【0294】
[参考例20]
BaおよびZnを含浸したTi-MWWの成形
参考例16に従いBaおよびZnを含浸した、30gのTi-MWWおよび1.92gのメチルセルロース(Walocel MW 15000 GB、Wolff Cellulosics GmbH&Co.KG、Germany)をニーダーに入れ、5分間混錬した。次いで、60mLの脱イオン水を18.75gのコロイド状シリカ(Ludox(登録商標)AS 40)と一緒に加え、混合物をさらに10分間混錬した。次いで、10mLの脱イオン水を加え、混合物を15分間さらに混錬した。全混練時間は45分間であった。
【0295】
混錬した塊を120バール(abs)の圧力で押し出して、直径1.7mmの環状断面を有するストランドを得た。続いて、押し出したストランドを乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.40分間以内で120℃の温度まで加熱する;
2.120℃の温度を6時間保つ;
3.380分間以内で500℃の温度に加熱する;
4.500℃の温度を5時間保つ。
【0296】
生成した材料は、TOC0.1g/100g未満、Ba含有量1.2g/100g、Si含有量43g/100g、Ti含有量1.2g/100gおよびZn含有量0.69g/100gを有した。参考例1に従いルイス酸性度を決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を108.9と決定し、これにより、1mbarの圧力での1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位を11.05と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定した。加えて、参考例5に従い、ルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.23mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.02mmol/gが観察された。
【0297】
[参考例21]
Ba、ZnおよびLaを含浸したTi-MWWの成形
参考例17に従いBa、ZnおよびLaを含浸した、30gのTi-MWWおよび1.92gのメチルセルロース(Walocel MW 15000 GB、Wolff Cellulosics GmbH&Co.KG、Germany)をニーダーに入れ、5分間混錬した。次いで、60mLの脱イオン水を18.75gのコロイド状シリカ(Ludox(登録商標)AS40)と一緒に加え、混合物をさらに10分間混錬した。次いで、10mLの脱イオン水を加え、混合物を15分間さらに混錬した。全混練時間は45分間であった。
【0298】
混錬した塊を120バール(abs)の圧力で押し出して、直径1.7mmの環状断面を有するストランドを得た。続いて、押し出したストランドを乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.40分間以内で120℃の温度まで加熱する;
2.120℃の温度を6時間保つ;
3.380分間以内で500℃の温度に加熱する;
4.500℃の温度を5時間保つ。
【0299】
生成した材料は、TOC0.1g/100g未満、Ba含有量1.2g/100g、La含有量0.78g/100g、Si含有量42g/100g、Ti含有量1.2g/100gおよびZn含有量0.68g/100gを有した。参考例1に従いルイス酸性度を決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を118.3と決定し、これにより圧力1mbarでの1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位を11.53と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定した。加えて,参考例5に従い、ルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.23mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.01mmol/gが観察された。
【0300】
[比較例22]
Znを含浸した、成形されたTi-MWWの水処理
参考例18に従い製造した7gのストランドを140gの脱イオン水と混合した。生成した混合物をオートクレーブ内で、145℃の温度に8時間加熱した。その後、得た水処理されたストランドを分離し、0.8mm篩上で篩い分けした。次いで、得たストランドを脱イオン水で洗浄し、周辺温度で、窒素流の中で予備乾燥させた。洗浄し、予備乾燥したストランドを続いて乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.60分間以内で120℃まで加熱する;
2.120℃の温度を4時間保つ;
3.165分間以内で450℃まで加熱する;
4.450℃の温度を2時間保つ。
【0301】
生成した材料は、BET比表面積283m2/gを示し、TOC0.1g/100g未満、Zn含有量1.9g/100g、Si含有量42°g/100g、およびTi含有量1.9g/100gを有し、これらはそれぞれ本明細書の上記に記載の通り決定した。生成した材料は水の取り込み10.2質量%を示し、これは参考例7に記載の通り決定した。本明細書の上記に記載の通り決定したストランドの粉砕強度は19Nであり、本明細書の上記に記載の通り決定した細孔容積は1.0mL/gであった。水に対するねじれパラメーターは1.6と観察され、これは参考例12に従い決定した。ルイス酸性度は参考例1に従い決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を77.8と決定し、これにより、圧力1mbarでの、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は8.1と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定された。加えて、参考例5に従い、ルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.24mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.05mmol/gが観察された。
【0302】
[実施例23]
BaおよびZnを含浸した、成形されたTi-MWWの水処理
実施例20に従い製造した21gのストランドをそれぞれ7gの4つの部分に分けて、1部分当たり140gの脱イオン水と混合した。生成した混合物をオートクレーブ内で温度145℃に8時間加熱した。その後、得られた、水処理されたストランドを分離し、0.8mm篩上で篩い分けした。次いで、得たストランドを脱イオン水で洗浄し、窒素流の中、周辺温度で予備乾燥した。洗浄し、予備乾燥したストランドを続いて乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.60分間以内で120℃まで加熱する;
2.120℃の温度を4時間保つ;
3.165分間以内で450℃まで加熱する;
4.450℃の温度を2時間保つ。
【0303】
生成した材料は、BET比表面積284m2/gを示し、TOC0.1g/100g未満、Ba含有量1.2g/100g、Si含有量43°g/100g、Ti含有量1.2g/100g、およびZn含有量0.7g/100gを有し、これらはそれぞれ本明細書の上記に記載の通り決定した。生成した材料は、水の取り込み10.4質量%を示し、これは参考例7に記載の通り決定した。生成した材料は、200℃より低い温度において、酸性部位の濃度0.25を示し、200~400℃の範囲の温度において酸性部位の濃度0を示し、500℃より高い温度において酸性部位の濃度0.05を示し、これらは参考例5に従いアンモニア(NH3-TPD)の昇温脱離により決定した。本明細書の上記に記載の通り決定したストランドの粉砕強度は9Nであり、本明細書の上記に記載の通り決定した細孔容積は1.5mL/gであった。水に対するねじれパラメーターは、2.0と観察され、これは参考例12に従い決定した。参考例1に従いルイス酸性度を決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を78.5と決定し、これにより圧力1mbarでの、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位は6.8と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定された。加えて、参考例5に従い、ルイス酸部位密度を、アンモニアの昇温脱離により決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.25mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域ではいかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度で、ルイス酸部位密度0.05mmol/gが観察された。
【0304】
[実施例24]
Ba、ZnおよびLaを含浸した、成形されたTi-MWWの水処理
実施例21に従い製造した21gのストランドをそれぞれ7gの4つの部分に分けて、1部分当たり140g脱イオン水と混合した。生成した混合物を、オートクレーブ内で、温度145℃に8時間加熱した。その後、得られた、水処理されたストランドを分離し、0.8mm篩上で篩い分けした。次いで、得たストランドを脱イオン水で洗浄し、窒素流の中、周辺温度で予備乾燥した。洗浄し、予備乾燥したストランドを続いて乾燥させ、以下のプログラムに従い大気中でか焼した:
1.60分間以内で120℃まで加熱する;
2.120℃の温度を4時間保つ;
3.165分間以内で450℃まで加熱する;
4.450℃の温度を2時間保つ。
【0305】
生成した材料は、TOC0.1g/100g未満、Ba含有量1.2g/100g、La含有量0.75g/100g、Si含有量42°g/100g、Ti含有量1.1g/100g、およびZn含有量0.68g/100gを有し、これらはそれぞれ本明細書の上記に記載の通り決定した。生成した材料はBET比表面積334m2/gを示した。本明細書の上に記載の通り決定した細孔容積は1.7mL/gであった。水に対するねじれパラメーターは、2.0と観察され、これは参考例12に従い決定された。生成した材料は水の取り込み11.5質量%を示し、これは参考例7に記載の通り決定した。ルイス酸性度を参考例1に従い決定し、これによりルイス酸部位のIRバンドの積分減光単位を9.95と決定し、これにより、圧力1mbarでの、1490cm-1におけるIRバンドの積分減光単位を1.6と決定した。さらに、いかなるブレンステッド酸部位も観察されず、これは参考例1に従い決定した。加えて、参考例5に従い、ルイス酸部位密度をアンモニアの昇温脱離で決定した。よって、ルイス酸部位密度は、NH3-TPDを介して、200℃未満の温度で、0.19mmol/gと決定し、200~400℃の間の温度領域では、いかなるルイス酸部位も観察されず、500℃より上の温度でルイス酸部位密度0.02mmol/gが観察された。
【0306】
[実施例25]
触媒の試験
[実施例25.1]
予備的試験-PO試験
例の成形体を、参考例8に記載されているPO試験に従い、エポキシ化触媒としてのこれらの一般的適性に関して予備的に試験した。酸化プロピレン活性のそれぞれの結果値を以下の表2に示す。
【0307】
【0308】
明らかに、比較例22による成形体は、PO試験に従い非常に良好な酸化プロピレン活性を示す。したがって、本発明による成形体もまた、工業用連続的エポキシ化反応における触媒に対する有望な候補であることが予想され得る。
【0309】
[実施例25.2]
プロピレンの連続的エポキシ化
a)
図1に示されている比較例22についての結果
試験時間の最初の200時間、変換率は約99%であると観察され、次いで400時間周辺で約95%に低下し、次いで再度約99%に増加してから、約1500時間以内に約86%に低減した。約50時間の間最大約98%の変換率に到達後、次いで2000時間後には、変換率は84%未満に低減した。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約97~約99%の範囲であった。プロペン(C3)に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約99%からほぼ100%までの範囲であった。温度は全作動時間にわたり約32~約37℃の範囲であった。
【0310】
b)
図2に示されている参考例20についての結果
全作動時間は約500時間であった。変換率は約87~96%の範囲であると観察され、約320時間後に最大に到達し、約50時間後、さらに約360時間後にも最小に到達した。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約97~約98%の範囲であった。プロペン(C3)に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約97~約99%の範囲であった。温度は全作動時間内で約35~約44℃に増加した。
【0311】
c)
図3に示されている例23についての結果
全作動時間は約900時間であった。変換率は全作動時間にわたり少なくとも92%であると観察され、変換率は最初の約250時間約99%であり、次いで92%の最小にゆっくりと低減してから、再度増加した。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約99%であった。プロペン(C3)に基づく酸化プロピレン選択性は、全作動時間にわたり約99%からほぼ100%の範囲であった。温度は全作動時間にわたり約35℃であった。
【0312】
要約すると、プロペンの連続的エポキシ化反応に関して、本発明の成形体は工業規模のプロセスにおいて特に適切であり、よって、例23による本発明の成形体は理想的触媒であり、絶え間ない少なくとも92%の高い変換率で、酸化プロピレンに関する、特にプロペンに基づく酸化プロピレンに関する優れた選択性を可能にすることが納得のいくように示されているので、市販の目的について興味深いものである。
【0313】
特に、本明細書の上記で項目b)で論じられているような参考例20による従来の技術を代表する成形体と比較すると、本発明の成形体は少なくとも92%の変換率を示したのに対して、参考例20について観察された変換率は約87~96%の範囲であることが示されている。前記結果を達成するにはより高い温度が必要であったことは言うまでもない。さらに、H2O2に基づくならびにプロペンに基づく選択性は全作動時間にわたり本発明の成形体がより高かった。
【0314】
同様に、例23による成形体は試験の最初の約250時間以内に、高レベルの約99%で改善された変換率を示したのに対して、比較例22による成形体は、本明細書の上記項目a)においてに論じられているように、特に作動時間の200~250時間以内に低減している変換率を示した。
【図面の簡単な説明】
【0315】
【
図1】価値のある生成物酸化プロピレンおよび過酸化水素変換率という観点から、比較例22の成形体についての参考例9による連続的エポキシ化反応の結果を示している。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性S(PO)H
2O
2(単位:%)(中間の灰色グラフ)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。プロピレンに基づく酸化プロピレン選択性S(PO)C3(単位:%)(薄い灰色の線)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるプロピレンのモルで割ったもの×100と定義される。H
2O
2の変換率C(単位:%)(左縦軸)は、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルを1単位時間当たり反応器に供給されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。入り口温度T(単位:℃)(右の縦軸)は熱伝達媒体の入り口温度である。流れに対する時間t(単位:時間)は横座標に付与される。出発点(t=0)はH
2O
2定量ポンプが開始される時間点とする(すべての他のポンプは先に開始されている)。
【
図2】価値のある生成物酸化プロピレンおよび過酸化水素変換率という観点から、参考例20の成形体についての参考例9による連続的なエポキシ化反応の結果を示している。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性S(PO)H
2O
2(単位:%)(中間の灰色グラフ)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。プロピレンに基づく酸化プロピレン選択性S(PO)C3(単位:%)(薄い灰色の線)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるプロピレンのモルで割ったもの×100と定義される。H
2O
2の変換率C(単位:%)(左縦軸)は、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルを、1単位時間当たり反応器に供給されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。入り口温度T(単位:℃)(右の縦軸)は熱伝達媒体の入り口温度である。流れtに対する時間(単位:時間)は横座標に付与される。出発点(t=0)はH
2O
2定量ポンプが開始される時間点とする(すべての他のポンプは先に開始されている)。
【
図3】価値のある生成物酸化プロピレンおよび過酸化水素変換率という観点から、例23の成形体についての参考例9による連続的エポキシ化反応の結果を示している。H
2O
2に基づく酸化プロピレン選択性S(PO)H
2O
2(単位:%)(中間の灰色グラフ)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。プロピレンに基づく酸化プロピレン選択性S(PO)C3(単位:%)(薄い灰色の線)は、1単位時間当たり形成される酸化プロピレンのモルを、1単位時間当たり消費されるプロピレンのモルで割ったもの×100と定義される。H
2O
2の変換率C(単位:%)(左縦軸)は、1単位時間当たり消費されるH
2O
2のモルを、1単位時間当たり反応器に供給されるH
2O
2のモルで割ったもの×100と定義される。入り口温度T(単位:℃)(右の縦軸)は熱伝達媒体の入り口温度である。流れに対する時間t(単位:時間)は横座標に付与される。出発点(t=0)は、H
2O
2定量ポンプが開始される時間点とする(すべての他のポンプは先に開始されている)。引用文献- CN 105854933 A- CN 106115732 A- Y.Yu et al.“Insights into the efficiency of hydrogen peroxide utilization over titanosilicate/H
2O
2 systems”in Journal of Catalysis 2020,vol.381,p.96-107