(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-08-29
(45)【発行日】2025-09-08
(54)【発明の名称】塗布装置
(51)【国際特許分類】
B05C 5/02 20060101AFI20250901BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20250901BHJP
【FI】
B05C5/02
B05C11/10
(21)【出願番号】P 2023166690
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2024-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】横山 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 尚城
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-169465(JP,A)
【文献】特開2022-59204(JP,A)
【文献】特開2016-87572(JP,A)
【文献】特開2018-1123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/02
B05C 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗液収容部内における塗液を前記のスリット状吐出口を通して吐出させる幅を調整する幅調整手段を設け、前記の幅調整手段により被塗布体に塗布する塗液の幅を変更させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅を調整することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを前記の塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる交差方向移動手段を設け、前記の交差方向移動手段により塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を塗布方向と交差する方向に移動させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整することを特徴とする塗布装置。
【請求項3】
塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗液収容部内における塗液を前記のスリット状吐出口を通して吐出させる幅を調整する幅調整手段と、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを前記の塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる交差方向移動手段を設け、前記の幅調整手段により被塗布体に塗布する塗液の幅を変更させると共に、前記の交差方向移動手段により塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を塗布方向と交差する方向に移動させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段により算出すると共に、前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅を調整すると共に、前記の算出手段によって算出された算出された位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整することを特徴とする塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布するようにした塗布装置に関するものである。特に、前記のような塗布装置において、被塗布体に対して塗液を塗布する塗布幅や塗布位置を変化させる場合に、被塗布体に対して塗液を正確な塗布幅になるようにし、また被塗布体に対して塗液を正確な塗布位置に塗布できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体デバイスや液晶パネル等を製造するにあたって、塗布装置により、ガラスやフィルム等の被塗布体に対し、薬液や塗料などの塗液を塗布することが行われている。
【0003】
また、近年はそのような装置の複雑な動きを自動化させるための演算式として、特許文献1に示されるような「重み付け」や「活性化関数」などを用いた「ニューラルネットワーク」が採用されることがある。
【0004】
そして、このように被塗布体に対して薬液や塗料などを塗布するにあたり、従来は、一般に四角形状や円形状等の一定した形状に塗布するようにしていたが、近年においては、商品が多様化し、様々な被塗布体に対して様々な形状に塗液を塗布することが行われるようになっている。
【0005】
ここで、従来においては、特許文献2に示されるように、スリット状吐出口を備えた塗布用ノズルを用い、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に収容させた塗液を塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口から被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置が使用されている。
【0006】
しかし、特許文献2に示されるものは、被塗布体の表面に塗液を四角形状に塗布させることはできるが、被塗布体に対して塗液を塗布する塗布幅や塗布位置を変化させながら、塗液を様々な形状になるようにして被塗布体の表面に塗布させることはできなかった。
【0007】
また、特許文献3においては、塗液収容部内における塗液をスリット状吐出口に導く所定のパターン形状になった案内凹部が外周面に設けられた円柱状の塗液供給体を、前記のスリット状吐出口の上に位置するようにして回転可能に設け、前記の塗液供給体をスリット状吐出口の上で回転させて、塗液収容部内における塗液を前記の案内凹部を通して前記のスリット状吐出口に導いて、被塗布体の表面に塗布させるようにし、塗液供給体に設ける案内凹部の形状等に合わせて、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させるようにしたものが示されている。
【0008】
また、特許文献4においては、円筒状のノズル体に軸方向に沿った長い吐出スリットを設けると共に、このノズル体内に台形状の切欠孔が設けられた円筒状の調整内筒を回転可能に嵌挿させ、ノズル体における吐出スリットに対して、この調整内筒に設けられた切欠孔を合わせる位置を調整して、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させるようにしたものが示されている。
【0009】
さらに、特許文献5においては、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記のスリット状吐出口を通して前記の塗液収容部内における塗液を被塗布体に塗布する幅を調整する幅調整手段を設けると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、前記の塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる交差方向移動手段を設け、前記の幅調整手段により、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させるようにし、また前記の交差方向移動手段により、塗液を塗布させる被塗布体における幅方向の位置を変更させるようにしたものが示されている。
【0010】
しかし、前記の特許文献3、4に示されるように、塗布用ノズルと被塗布体とを被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させながら、被塗布体の表面に塗液を塗布する幅を変化させる場合や、特許文献4に示されるように、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させたり、塗液を塗布させる被塗布体における幅方向の位置を変更させたりする場合には、その変化や変更の際に、塗布用ノズルのスリット状吐出口から被塗布体の表面に供給される塗液が、既に被塗布体の表面に塗布されている塗液に引きずられてしまい、所望する所定の塗布位置に正確に塗布させることができなくなるという問題があった。
【0011】
また、その度合いは、塗布用ノズルのスリット状吐出口と被塗布体の表面との間の距離や塗液の粘度や、その変化や変更の速度等によって異なるのも問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特表2021-532432号公報
【文献】特許第6326315号公報
【文献】特許第6847560号公報
【文献】特開平10-192762号公報
【文献】特許7266957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布するようにした塗布装置における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0014】
すなわち、本発明においては、前記のような塗布装置を用いて被塗布体の表面に塗液を塗布するにあたり、被塗布体に対して塗液を塗布する塗布幅や塗布位置を変化させる場合に、被塗布体に対して塗液を正確な塗布幅になるようにし、また被塗布体に対して塗液を正確に所望の塗布位置に塗布できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る第1の塗布装置においては、前記のような課題を解決するため、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗液収容部内における塗液を前記のスリット状吐出口を通して吐出させる幅を調整する幅調整手段を設け、前記の幅調整手段により被塗布体に塗布する塗液の幅を変更させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅を調整するようにした。
【0016】
また、本発明に係る第2の塗布装置においては、前記のような課題を解決するため、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを前記の塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる交差方向移動手段を設け、前記の交差方向移動手段により塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を塗布方向と交差する方向に移動させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整するようにした。
【0017】
また、本発明に係る第3の塗布装置においては、前記のような課題を解決するため、塗布用ノズルにおける塗液収容部内に供給された塗液を、塗布用ノズルの先端部におけるスリット状吐出口を通して被塗布体に吐出させると共に、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを、被塗布体に塗液を塗布する塗布方向に相対的に移動させて、被塗布体の表面に塗液を塗布する塗布装置において、前記の塗液収容部内における塗液を前記のスリット状吐出口を通して吐出させる幅を調整する幅調整手段と、前記の塗布用ノズルと被塗布体とを前記の塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる交差方向移動手段を設け、前記の幅調整手段により被塗布体に塗布する塗液の幅を変更させると共に、前記の交差方向移動手段により塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を塗布方向と交差する方向に移動させるにあたり、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段により算出すると共に、前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段により算出し、前記の算出手段によって算出された幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅を調整すると共に、前記の算出手段によって算出された位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整するようにした。
【0018】
そして、本発明に係る第1~第3の塗布装置においては、幅調整手段により被塗布体に塗布する塗液の幅を変更させたり、交差方向移動手段により塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を塗布方向と交差する方向に移動させたりする場合には、各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段により算出し、また前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段により算出し、算出された前記の幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅、つまりスリット状吐出口のスリットの幅を調整し、また算出された前記の位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整するようにしている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る第1~第3の塗布装置においては、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させたり、被塗布体の表面に塗液を塗布する位置を塗布方向と交差する方向に移動させたりするにあたり、前記のように各種の塗布条件データーにおける演算式を記憶させた記憶手段に基づいて、前記の幅調整手段によって調整されてスリット状吐出口から吐出される塗液の幅と、実際に被塗布体に塗布される塗液の幅との幅差分を算出手段によって算出し、また前記の交差方向移動手段によって塗布用ノズルと被塗布体とが塗布方向と交差する方向に相対的に移動される位置と、実際に被塗布体に塗布される塗液の移動位置との位置差分を算出手段によって算出し、算出された幅差分に基づいて、制御装置により前記の幅調整手段を制御して、スリット状吐出口を通して吐出される塗液の幅を調整し、また算出された位置差分に基づいて、制御装置により前記の交差方向移動手段を制御して、塗布用ノズルと被塗布体とを塗布方向と交差する方向に相対的に移動させる位置を調整するようにした。
【0020】
この結果、本発明に係る第1~第3の塗布装置においては、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変化させたり、被塗布体の表面に塗液を塗布する位置を塗布方向と交差する方向に変化させたりする場合においても、被塗布体に対して塗液を正確な塗布幅になるように塗布できるようになると共に、被塗布体に対して塗液を正確な塗布位置に塗布できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態に係る塗布装置を使用する例を示した概略平面説明図である。
【
図2】前記の実施形態に係る塗布装置を使用する例を示した概略正面説明図である。
【
図3】前記の実施形態に係る塗布装置において、塗液が供給される塗布用ノズルの塗液収容部内に、塗液供給体をスリット状吐出口の上に位置するようにして回転可能に設けた状態を示し、(A)は塗布用ノズルの長手方向の概略断面説明図、(B)は塗布用ノズルの長手方向と交差する方向の概略断面説明図である。
【
図4】前記の実施形態に係る塗布装置において、塗液が供給される塗布用ノズルにおける塗液収容部内に回転可能に設ける塗液供給体の外周面に平面形状が略三角形状になった案内凹部を設けた状態を示し、(A)は案内凹部を設けた塗液供給体の概略正面図、(B)は案内凹部を設けた塗液供給体の外周面の展開図である。
【
図5】前記の実施形態に係る塗布装置において、(A)~(C)は、スリット状吐出口の上に位置する塗液供給体における案内凹部の幅を変更させた場合に、スリット状吐出口から被塗布体の表面に供給される塗液の状態を示した概略断面説明図であり、(A)は塗布開始直後の状態、(B)は案内凹部の幅が広がって行くときに塗液が引きずられている状態、(C)は案内凹部の幅が狭くなって行くときに塗液が引きずられている状態を示す。
【
図6】前記の実施形態に係る塗布装置において、幅調整手段によってスリット状吐出口から吐出される塗液の幅を変更させるにあたり、塗布用ノズルをY方向に移動させながら、制御装置によりスリットの幅を変更し、スリット状吐出口から吐出される塗液の幅を制御して、被塗布体の表面に塗液が所望の幅に塗布される状態を示した概略平面説明図であり、実線が所望の塗液の縁の位置を示し、点線がスリット状吐出口の幅の縁の位置を示し、ハッチング部が実際に塗布された塗液を示す。
【
図7】前記の実施形態に係る塗布装置において、(A)~(C)は、塗布用ノズルを塗布方向と交差する被塗布体の幅方向に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を移動させる場合、スリット状吐出口から被塗布体の表面に供給される塗液の状態を示した概略断面説明図であり、(A)は塗布開始直後の状態、(B)は塗布用ノズルがX1方向に移動しているときに塗液が引きずられている状態、(C)は塗布用ノズルがX2方向に移動しているときに塗液が引きずられている状態を示す。
【
図8】前記の実施形態に係る塗布装置において、交差方向移動手段により塗布用ノズルを塗布方向と交差する被塗布体の幅方向に移動させて、被塗布体に塗布する塗液の位置を移動させるにあたり、塗布用ノズルをY方向に移動させながら、スリット状吐出口の幅を一定のまま、制御装置によりスリット状吐出口から被塗布体に塗液を吐出させる幅方向の移動位置を制御して、塗液が被塗布体の表面の所望の位置に塗布される状態を示した概略平面説明図であり、実線が所望の塗液の縁の位置を示し、点線がスリット状吐出口の幅の縁の位置を示し、ハッチング部が実際に塗布された塗液を示す。
【
図9】前記の実施形態に係る塗布装置において、被塗布体の表面に塗布する塗液の幅を変更させると共に、被塗布体に塗布させる塗液の幅方向に位置を変更させるようにして、被塗布体Wの表面に塗液を塗布させるにあたり、塗布用ノズルをY方向に移動させながら、制御装置によりスリット状吐出口から吐出される塗液の幅を制御して、被塗布体の表面に塗液が所望の幅に塗布されると共に、制御装置によりスリット状吐出口から被塗布体に塗液を吐出させる幅方向の移動位置を制御して、塗液が被塗布体の表面の所望の位置に塗布される状態を示した概略平面説明図であり、実線が所望の塗液の縁の位置を示し、点線がスリット状吐出口の幅の縁の位置を示し、ハッチング部が実際に塗布された塗液を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係る塗布装置を、添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明における塗布装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0023】
この実施形態における塗布装置においては、
図1及び
図2に示すように、固定テーブル10の上に被塗布体Wを載置させ、この被塗布体Wの幅方向Xの両側に、それぞれ被塗布体Wに塗液pを塗布する塗布方向Yである被塗布体Wの長手方向に沿った走行用レール11を敷設し、この両側の走行用レール11の上に、一対の支柱21間に梁22がかけ渡されて門型状になった走行台車20をセットすると共に、この走行台車20に塗布用ノズル30を取り付け、この走行台車20を前記の走行用レール11に沿って被塗布体Wの長手方向の塗布方向Yに沿って走行させて、前記の塗布用ノズル30を被塗布体Wの長手方向の塗布方向Yに移動させるようにしている。
【0024】
そして、この実施形態の塗布装置においては、前記の塗布用ノズル30を、交差方向移動手段(交差方向移動制御装置)40により、塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向Xに移動させて、被塗布体Wに塗布する塗液pの位置を塗布方向Yと交差する幅方向Xに移動させるにあたり、
図1及び
図2に示すように、前記の塗布用ノズル30を、保持部材43により走行台車20における梁22の下に設けた案内レール23に移動可能に保持させると共に、前記の走行台車20にモーター41と長尺のおねじ42とを設け、前記のおねじ42を前記の保持部材43におけるねじブロック43aに挿通させ、前記のモーター41によりおねじ42を回転させて、前記のねじブロック43aを介して、塗布用ノズル30を塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向Xに移動させるようにしている。
【0025】
また、この実施形態の塗布装置においては、前記の梁22を、前記の支柱21に設けた昇降機構(図示せず)によって上下方向に昇降できるようにしている。
【0026】
そして、この実施形態の塗布装置においては、
図3(A),(B)に示すように、前記の塗布用ノズル30に塗液pを供給する塗液供給管34を設け、この塗液供給管34に設けた開閉バルブ35を開けて、塗液pを塗布用ノズル30の塗液収容部32内に供給し、この塗液収容部32内に供給された塗液pを、塗布用ノズル30の先端部におけるスリット状吐出口33を通して被塗布体Wに塗布させるようにしている。
【0027】
また、この実施形態の塗布装置においては、幅調整手段(幅調整制御装置)50により、前記の塗布用ノズル30における塗液収容部32内に供給された塗液pを、前記のスリット状吐出口33から被塗布体Wに吐出させて、被塗布体Wの表面に塗布させる幅を調整するにあたり、
図4(A),(B)に示すように、平面形状が略三角形状になった案内凹部51aが外周面に設けられた円柱状の塗液供給体51を用いるようにしている。
【0028】
そして、
図3(A),(B)に示すように、前記の塗液供給体51が前記のスリット状吐出口33の上に位置するようにして、塗液供給体51を前記の塗液収容部32内に回転可能に設け、この塗液供給体51の回転軸51bを、塗布用ノズル30の側方に延出させ、回転装置52により前記の回転軸51bを介して塗液供給体51を回転させて、前記のスリット状吐出口33の上に導かれる前記の塗液供給体51の外周面に設けた案内凹部51aの幅を変更させ、塗液収容部32内に供給された塗液pが、案内凹部51aを通して前記のスリット状吐出口33に導かれる塗液pの幅を変更させるようにしている。なお、この実施形態においては、円柱状の塗液供給体51の外周面に平面形状が略三角形状になった案内凹部51aを設けたが、案内凹部51aの形状は特に限定されず、例えば、楕円形状や台形状等の様々な形状にすることができる。
【0029】
ここで、この実施形態の塗布装置においては、塗液pの粘度や、塗布用ノズル30のスリット状吐出口33と被塗布体Wの表面との距離dや、交差方向移動手段40によって塗布用ノズル30を塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向Xに移動させる速度や、幅調整手段50によって塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から被塗布体Wに吐出させる塗液pの幅を変更させる速度等の、各種の塗布条件を変更させた場合に、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの状態(塗液の幅方向の縁の位置)がどのように変わるかの演算式のデーターを、
図1及び
図2に示す記憶手段60に記憶させている。
【0030】
そして、この実施形態の塗布装置において、前記の塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から塗液pを被塗布体Wに吐出させて、被塗布体Wの表面に塗布するにあたっては、
図1及び
図2に示すように、前記の塗液pの粘度等の各種の塗布条件データーを入力手段61によって算出手段62に入力し、入力された塗布条件データーに基づいて、算出手段62が前記の記憶手段60に記憶された演算式のデーターから塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から吐出される塗液pの状態(スリット状吐出口の幅の縁の位置)と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの状態(所望の塗液の縁の位置)との差を算出し、このように算出手段62によって算出された差に基づいて(差分を差し引いて)、制御装置63により、前記の幅調整手段50を制御して、スリット状吐出口33を通して吐出される塗液pの幅を制御するようにし、また前記の交差方向移動手段40を制御して、塗布用ノズル30を塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向に移動させる速度を制御するようにしている。
【0031】
ここで、この実施形態の塗布装置において、前記の幅調整手段50により、前記の塗液供給体51を回転させて、スリット状吐出口33の上に位置する塗液供給体51の外周面に設けた案内凹部51aの幅を変更させ、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を変更させる場合、
図5(A)に示すように、スリット状吐出口33の上に位置する前記の案内凹部51aの幅を所定幅にした状態から、前記の塗液供給体51を回転させて、
図5(B)に示すように、スリット状吐出口33の上に位置する前記の案内凹部51aの幅を広げ、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を増加させる時には、スリット状吐出口33から吐出される塗液pが既に被塗布体Wの表面に塗布されている塗液pに引きずられて(引っ張られて)、スリット状吐出口33の上に位置する案内凹部51aの幅の増加に対して、被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅の増加が遅れ、また
図5(C)に示すように、スリット状吐出口33の上に位置する前記の案内凹部51aの幅を減少させて、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を減少させる時にも同様にスリット状吐出口33から吐出される塗液pが既に被塗布体Wの表面に塗布されている塗液pに引きずられて、スリット状吐出口33の上に位置する案内凹部51aの幅の減少に対して、被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅の減少が遅れてしまう。
【0032】
このため、この実施形態の塗布装置においては、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を変更させて、
図6に実線で示す所望のパターンで被塗布体Wの表面に塗液pを塗布させる場合には、実際に被塗布体Wの表面に塗液pを塗布する時の各種の塗布条件、例えば、塗液pの粘度や、塗布用ノズル30のスリット状吐出口33と被塗布体Wの表面との距離dや、幅調整手段50によって塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から被塗布体Wに吐出させる塗液pの幅を変更させる速度や、塗布用ノズル30を塗布方向Yに移動させる速度等の塗布条件を、前記の入力手段61によって前記の算出手段62に入力し、入力された塗布条件に基づいて、前記の算出手段62が、前記の記憶手段60に記憶された演算式データーから前記の幅調整手段50によって調整されてスリット状吐出口33から吐出される塗液pの幅と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅との幅差分を算出する。
【0033】
そして、このように算出手段62によって算出された幅差分に基づいて、前記の制御装置63により前記の幅調整手段50を制御して、スリット状吐出口33を通して吐出される塗液pの幅を、
図6に破線で示すように調整して、塗液pが被塗布体Wの表面に所望の幅で塗布されるようにしている。その結果、実際に塗布された塗液は、
図6のハッチングで示したようになり、実線で示した所望の位置と合致させることができる。
【0034】
また、この実施形態の塗布装置において、前記の交差方向移動手段40により、前記のおねじ42をモーター41によって回転させ、ねじブロック43aを介して、塗布用ノズル30を塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向Xに移動させて、被塗布体Wに塗布する塗液pの位置を塗布方向Yと交差する幅方向Xに移動させる場合、
図7(A)に示すように、塗布用ノズル30を被塗布体Wの幅方向Xの中央に位置させた状態から、
図7(B)に示すように、被塗布体Wの幅方向Xの一方向X1に移動させて、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの位置を被塗布体Wの幅方向Xの一方向X1に移動させる時には、スリット状吐出口33から吐出される塗液pが既に被塗布体Wの表面に塗布されている塗液pに引きずられて(引っ張られて)、被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅方向Xの一方向X1の位置が、塗布用ノズル30の幅方向Xの一方向X1の移動位置よりも遅れるようになる。一方、
図7(C)に示すように、被塗布体Wの幅方向Xの一方向X1に移動された塗布用ノズル30を被塗布体Wの幅方向Xの中央に戻すように、塗布用ノズル30を被塗布体Wの幅方向Xの反対方向X2に移動させて、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの位置を被塗布体Wの幅方向Xの反対方向X2に移動させる時にも同様に、スリット状吐出口33から吐出される塗液pが既に被塗布体Wの表面に塗布されている塗液pに引きずられて、被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅方向Xの反対方向X2の位置が、塗布用ノズル30の幅方向Xの反対方向X2の移動位置よりも遅れるようになる。
【0035】
このため、この実施形態の塗布装置においては、被塗布体Wに塗布する塗液pの位置を塗布方向Yと交差する幅方向Xに移動させて、塗布用ノズルをY方向に移動させながら、スリット状吐出口の幅を一定のまま、
図8に実線で示す所望のパターンで被塗布体Wの表面に塗液pを塗布させる場合には、実際に被塗布体Wの表面に塗液pを塗布する時の各種の塗布条件、例えば、塗液pの粘度や、塗布用ノズル30のスリット状吐出口33と被塗布体Wの表面との距離dや、交差方向移動手段40によって塗布用ノズル30を被塗布体Wの幅方向Xに移動させる速度や、塗布用ノズル30を塗布方向Yに移動させる速度等の塗布条件を、前記の入力手段61によって前記の算出手段62に入力し、入力された塗布条件に基づいて、前記の算出手段62が、前記の記憶手段60に記憶された各種の塗布条件における演算式のデーターから前記の交差方向移動手段40によって塗布用ノズル30が被塗布体Wの幅方向Xに移動される位置と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの移動位置との位置差分を算出する。
【0036】
そして、このように算出手段62によって算出された位置差分に基づいて、前記の制御装置63により前記の交差方向移動手段40を制御して、塗布用ノズル30におけるスリット状吐出口33の移動位置を、
図8に破線で示すように調整して、塗液pが被塗布体Wの表面に所望の幅方向Xの位置に塗布されるようにしている。その結果、実際に塗布された塗液は
図8のハッチングで示したようになり、実線で示した所望の位置と合致させることができる。
【0037】
また、この実施形態の塗布装置において、前記のように幅調整手段50によって、スリット状吐出口33の上に位置する塗液供給体51の外周面に設けた案内凹部51aの幅を変更させ、被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を変更させると共に、前記の交差方向移動手段40によって、塗布用ノズル30を塗布方向Yと交差する被塗布体Wの幅方向Xに移動させて、塗布用ノズルをY方向に移動させながら被塗布体Wに塗布する塗液pの位置を塗布方向Yと交差する幅方向Xに移動させる場合においては、前記のような作用によって、塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から吐出される塗液pの幅と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅とが異なるようになると共に、被塗布体Wの幅方向Xに移動される塗布用ノズル30のスリット状吐出口33の位置と、被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの位置とが異なるようになる。
【0038】
このため、この実施形態の塗布装置においては、前記のように被塗布体Wの表面に塗布する塗液pの幅を変更させると共に、被塗布体Wに塗布させる塗液pの幅方向Xに位置を変更させて、
図9に実線で示す所望のパターンで被塗布体Wの表面に塗液pを塗布させる場合には、実際に被塗布体Wの表面に塗液pを塗布する時の各種の塗布条件、例えば、塗液pの粘度や、塗布用ノズル30のスリット状吐出口33と被塗布体Wの表面との距離dや、幅調整手段50によって塗布用ノズル30のスリット状吐出口33から被塗布体Wに吐出させる塗液pの幅を変更させる速度や、交差方向移動手段40によって塗布用ノズル30を被塗布体Wの幅方向Xに移動させる速度や、塗布用ノズル30を塗布方向Yに移動させる速度等の塗布条件を、前記の入力手段61によって前記の算出手段62に入力し、入力された塗布条件に基づいて、前記の算出手段62が、前記の記憶手段60に記憶された各種の塗布条件における演算式のデーターから、前記の幅調整手段50よって調整されてスリット状吐出口33から吐出される塗液pの幅と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの幅との幅差分と、前記の交差方向移動手段40によって塗布用ノズル30が被塗布体Wの幅方向Xに移動される位置と、実際に被塗布体Wの表面に塗布される塗液pの移動位置との位置差分とを算出する。
【0039】
そして、このように算出手段62によって算出された幅差分に基づいて、前記の制御装置63により前記の幅調整手段50を制御すると共に、算出された位置差分に基づいて、前記の制御装置63により前記の交差方向移動手段40を制御して、塗布用ノズル30におけるスリット状吐出口33の幅及び移動位置を、
図9に破線で示すように調整して、塗液pが被塗布体Wの表面に所望の幅で、かつ所望の幅方向Xの位置に塗布されるようにしている。その結果、実際に塗布された塗液は
図9のハッチングで示したようになり、実線で示した所望の位置と合致させることができる。
【0040】
なお、ここで用いる演算式には、特許文献1に記載のような「重み付け」や「活性化関数」を用いたニューラルネットワークを用いることもできる。
【0041】
また、ここでは算出手段62を用いて、演算式で幅差分と位置差分を求めたが、生産ラインなどで複数の同じ被塗布体Wに同じ塗液pを同じパターンで繰り返し塗布する場合は、次のように行うこともできる。
【0042】
最初の被塗布体には幅差分と位置差分を考慮せずにダミーで塗布し、そのパターンを撮影した画像の塗布部分の縁の位置と所望のパターンの画像の塗布部分の縁の位置の違いを画像認識することによって、幅差分と位置差分の寸法を読み取ることもできる。そのようにすれば、複雑な演算式や、幅差分と位置差分を演算するための膨大なデーターも不要となる。
【符号の説明】
【0043】
10 :固定テーブル
11 :走行用レール
20 :走行台車
21 :支柱
22 :梁
23 :案内レール
30 :塗布用ノズル
32 :塗液収容部
33 :スリット状吐出口
34 :塗液供給管
35 :開閉バルブ
40 :交差方向移動手段(交差方向移動制御装置)
41 :モーター
42 :おねじ
43 :保持部材
43a :ねじブロック
50 :幅調整手段(幅方向制御装置)
51 :塗液供給体
51a :案内凹部
51b :回転軸
52 :回転装置
60 :記憶手段(演算式の記憶手段)
61 :入力手段(塗布条件の入力手段)
62 :算出手段
63 :制御装置
W :被塗布体
X :幅方向
X1 :一方向
X2 :反対方向
Y :塗布方向
d :スリット状吐出口と被塗布体の表面との距離
p :塗液