(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-04
(45)【発行日】2025-09-12
(54)【発明の名称】位相シフタ、無線デバイス、及び位相シフトの方法
(51)【国際特許分類】
H01P 1/18 20060101AFI20250905BHJP
H01P 1/28 20060101ALI20250905BHJP
【FI】
H01P1/18
H01P1/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025067287
(22)【出願日】2025-04-16
(62)【分割の表示】P 2021201326の分割
【原出願日】2021-12-13
【審査請求日】2025-05-09
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】アジジ、 モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】サルビシャエイ、 ハッサン
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0296718(US,A1)
【文献】特開2000-091803(JP,A)
【文献】特開平04-021201(JP,A)
【文献】特表2012-514881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/18
H01P 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相シフタであって、
第1ポート及び第2ポートと、
第1伝送線、及び前記第1伝送線
に接続され
た4つ以上の
隣接シャントスイッチを
複数のポイントに含む第1制御可能反射負荷
であって、前記複数のポイントの隣接対間の距離が前記第1伝送線の長さに沿って減少する、第1制御可能反射負荷と、
第2制御可能反射負荷と、
互いに電磁的に結合され
た一対の結合線と
を含み、
前記一対の結合線は、前記第1ポートと前記第1制御可能反射負荷との間に接続され
た第1導電線と、前記第2制御可能反射負荷と前記第2ポートとの間に接続され
た第2導電線とを含む、位相シフタ。
【請求項2】
前記第1制御可能反射負荷はさらに、前記第1伝送線の第1側の第1グランド導体と、前記第1伝送線の第2側の第2グランド導体とを含む、請求項1の位相シフタ。
【請求項3】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタとして実装され、
前記一対の電界効果トランジスタは、前記第1伝送線と前記第1グランド導体との間に接続され
た第1電界効果トランジスタと、前記第1伝送線と前記第2グランド導体との間に接続され
た第2電界効果トランジスタとを含む、請求項2の位相シフタ。
【請求項4】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチの一以上は、前記位相シフタの位相シフト設定に基づいて閉にされる、請求項1の位相シフタ。
【請求項5】
前記第1ポートは無線周波数入力信号を受信し、
前記第2ポートは、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える、請求項1の位相シフタ。
【請求項6】
前記第2ポートは無線周波数入力信号を受信し、
前記第1ポートは、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える、請求項1の位相シフタ。
【請求項7】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチはそれぞれが異なるサイズを有する、請求項1の位相シフタ。
【請求項8】
前記
4つ以上の
隣接シャントトランジスタのサイズは、前記第1伝送線の長さに沿っ
て増加する、請求項
7の位相シフタ。
【請求項9】
前記第1伝送線は複数の蛇行セクションを含む、請求項1の位相シフタ。
【請求項10】
前記複数の蛇行セクションの少なくとも一つがループを含む、請求項
9の位相シフタ。
【請求項11】
前記第2制御可能反射負荷は、第2伝送線、及び前記第2伝送線に沿って接続され
た複数の
隣接シャントスイッチを含む、請求項1の位相シフタ。
【請求項12】
前記4つ以上の隣接シャントスイッチは、第1シャントスイッチ、第2シャントスイッチ、及び第3シャントスイッチを含み、前記第1シャントスイッチと前記第2シャントスイッチとの間に介在するスイッチが存在せず、
前記第2シャントスイッチと前記第3シャントスイッチとの間に介在するスイッチが存在しない、請求項1の位相シフタ。
【請求項13】
無線デバイスであって、
送受信器と、
前記送受信器に結合され
たフロントエンドシステムと
を含み、
前記フロントエンドシステムは位相シフタを含み、
前記位相シフタは、第1ポートと、第2ポートと、第1伝送線
、及び前記第1伝送線
に接続され
た4つ以上の
隣接シャントスイッチ
を複数のポイントに含む第1制御可能反射負荷であって、前記複数のポイントの隣接対間の距離が前記第1伝送線の長さに沿って減少する、第1制御可能反射負荷と、第2制御可能反射負荷と、互いに電磁的に結合され
た一対の結合線とを含み、
前記一対の結合線は、前記第1ポートと前記第1制御可能反射負荷との間に接続され
た第1導電線と、前記第2制御可能反射負荷と前記第2ポートとの間に接続され
た第2導電線とを含む、無線デバイス。
【請求項14】
前記第1制御可能反射負荷はさらに、前記第1伝送線の第1側の第1グランド導体と、前記第1伝送線の第2側の第2グランド導体とを含む、請求項
13の無線デバイス。
【請求項15】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタとして実装され、
前記一対の電界効果トランジスタは、前記第1伝送線と前記第1グランド導体との間に接続され
た第1電界効果トランジスタと、前記第1伝送線と前記第
2グランド導体との間に接続され
た第
2電界効果トランジスタとを含む、請求項
14の無線デバイス。
【請求項16】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチの一以上は、前記無線デバイスの位相シフト設定に基づいて閉にされる、請求項
13の無線デバイス。
【請求項17】
前記
4つ以上の
隣接シャントスイッチはそれぞれが異なるサイズを有する、請求項
13の無線デバイス。
【請求項18】
前記4つ以上の隣接シャントスイッチのサイズは、前記第1伝送線の長さに沿って増加する、請求項17の無線デバイス。
【請求項19】
位相シフトの方法であって、
第1ポートにおいて無線周波数入力信号を受信することと、
第1制御可能反射負荷及び第2制御可能反射負荷を制御して、第2ポートにおける無線周波数出力信号の位相シフトを制御することと、
一対の結合線の第1導電線と第2導電線との結合を与えることと
を含み、
前記第1制御可能反射負荷は、第1伝送線と、前記第1伝送線
に接続され
た4つ以上の
隣接シャントスイッチ
を複数のポイントに含み
、前記複数のポイントの隣接対間の距離が前記第1伝送線の長さに沿って減少し、
前記第1導電線は前記第1ポートと前記第1制御可能反射負荷との間に接続され、
前記第2導電線は前記第2制御可能反射負荷と前記第2ポートとの間に接続される、方法。
【請求項20】
前記4つ以上の隣接シャントスイッチはそれぞれが異なるサイズを有する、請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は電子システムに関し、詳しくは無線周波数(RF)電子機器に関す
る。
【背景技術】
【0002】
位相シフタは、アンテナを介して無線で送信又は受信されるRF信号の位相を制御する
べくRF通信システムにおいて使用される。
【0003】
一以上の位相シフタを備えたRF通信システムの例は、携帯電話機、タブレット、基地
局、ネットワークアクセスポイント、顧客宅内機器(CPE)、ラップトップ、及びウェ
アラブル電子機器を含むがこれらに限られない。例えば、セルラー規格、無線ローカルエ
リアネットワーク(WLAN)規格、及び/又は任意の他の適切な通信規格を使用して通
信する無線デバイスにおいては、RF信号増幅を目的として電力増幅器を使用することが
できる。RF信号は、例えば周波数レンジ1(FR1)を使用する第5世代(5G)通信
のための約410MHz~約7.125GHzの範囲、又は周波数レンジ2(FR2)を
使用する5G通信のための約24.25GHz~52.6GHzの範囲のような、約30
kHz~300GHzの範囲にある周波数を有し得る。
【発明の概要】
【0004】
所定の実施形態において、本開示は位相シフタに関する。位相シフタは、第1ポートと
、第2ポートと、第1伝送線及び当該第1伝送線に沿って接続される第1複数のシャント
スイッチを含む第1制御可能反射負荷と、第2制御可能反射負荷と、互いに電磁的に結合
される一対の結合線とを含む。一対の結合線は、第1ポートと第1制御可能反射負荷との
間に接続される第1導電線と、第2制御可能反射負荷と第2ポートとの間に接続される第
2導電線とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態において、第1制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側に
ある第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。一定数
の実施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジ
スタとして実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体
との間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間
に接続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは一以上が、位相シフタの
位相シフト設定に基づいて閉とされる。
【0007】
様々な実施形態において、第1ポートが無線周波数入力信号を受信し、第2ポートが、
位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0008】
いくつかの実施形態において、第2ポートが無線周波数入力信号を受信し、第1ポート
が、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にあ
る複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0010】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離にある
複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数のポ
イントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズ
を有する。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズ
を有する。一定数の実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、第
1伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0013】
様々な実施形態によれば、第1伝送線は、複数の蛇行セクションを含む。いくつかの実
施形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、第2制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に
沿って接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド
結合器を含む。
【0016】
所定の実施形態において、本開示は無線デバイスに関する。無線デバイスは、送受信器
と、当該送受信器に結合されるフロントエンドシステムとを含む。フロントエンドシステ
ムは位相シフタを含み、この位相シフタは、第1ポートと、第2ポートと、第1伝送線及
び当該第1伝送線に沿って接続される第1複数のシャントスイッチを含む第1制御可能反
射負荷と、第2制御可能反射負荷と、互いに電磁的に結合される一対の結合線とを含む。
一対の結合線は、第1ポートと第1制御可能反射負荷との間に接続される第1導電線と、
第2制御可能反射負荷と第2ポートとの間に接続される第2導電線とを含む。
【0017】
様々な実施形態において、第1制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側にある
第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。一定数の実
施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタ
として実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体との
間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に接
続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは一以上が、位相シフタの
位相シフト設定に基づいて閉とされる。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1ポートが無線周波数入力信号を受信し、第2ポート
が、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0020】
様々な実施形態において、第2ポートが無線周波数入力信号を受信し、第1ポートが、
位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にあ
る複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離に
ある複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数
のポイントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0023】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズを有
する。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズ
を有する。一定数の実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、第
1伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、第1伝送線は、複数の蛇行セクションを含む。様々な実
施形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に
沿って接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0027】
様々な実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド結合
器を含む。
【0028】
所定の実施形態において、本開示は位相シフトの方法に関する。方法は、第1ポートに
おいて無線周波数入力信号を受信することを含む。方法はさらに、第1制御可能反射負荷
及び第2制御可能反射負荷を制御して、第2ポートにおける無線周波数出力信号の位相シ
フトを制御することを含み、第1制御可能反射負荷は、第1伝送線と、第1伝送線に沿っ
て接続される第1複数のシャントスイッチとを含む。方法はさらに、一対の結合線の第1
導電線と第2導電線との結合を与えることを含み、第1導電線は第1ポートと第1制御可
能反射負荷との間に接続され、第2導電線は第2制御可能反射負荷と第2ポートとの間に
接続される。
【0029】
様々な実施形態において、第1制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側にある
第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。いくつかの
実施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジス
タとして実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体と
の間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に
接続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0030】
一定数の実施形態において、方法はさらに、位相シフタの位相シフト設定に基づいて第
1複数のシャントスイッチの一以上を閉にすることを含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にあ
る複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0032】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離にある
複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数のポ
イントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズ
を有する。
【0034】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズ
を有する。様々な実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、第1
伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0035】
一定数の実施形態において、第1伝送線は、複数の蛇行セクションを含む。いくつかの
実施形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、第2制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に
沿って接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド
結合器を含む。
【0038】
所定の実施形態において、本開示は位相シフタに関する。位相シフタは結合器を含み、
この結合器は、入力端子と、スルー端子と、当該入力端子とスルー端子との間に接続され
る第1結合線と、アイソレーション端子と、結合端子と、当該アイソレーション端子と結
合端子との間に接続される第2結合線とを含む。位相シフタはさらに、結合器の入力端子
に接続されて無線周波数入力信号を受信するように構成される入力ポートと、結合器の結
合端子に接続されて当該無線周波数入力信号に対して位相シフトを有する無線周波数出力
信号を出力するように構成される出力ポートと、結合器のスルー端子に接続される第1制
御可能反射負荷とを含む。第1制御可能反射負荷は、伝送線と、それぞれが接地電圧と当
該伝送線の異なるポイントとの間に接続される複数のシャントスイッチとを含み、当該複
数のシャントスイッチは位相シフトを制御するべく選択可能である。
【0039】
様々な実施形態において、第1制御可能反射負荷はさらに、伝送線の第1側にある第1
グランド導体と、伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。一定数の実施形態に
よれば複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタとして実装され
る。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体との間に接続される
第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に接続される第2電
界効果トランジスタとを含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、複数のシャントスイッチは、不均一な間隔にある複数の
ポイントにおいて伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数のポイントの隣
接対同士の間の距離は、伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0041】
様々な実施形態において複数のシャントスイッチはそれぞれが、異なるサイズを有する
。一定数の実施形態によれば、複数のシャントトランジスタのサイズは、第1伝送線の長
さに沿って次第に増加する。
【0042】
いくつかの実施形態において、伝送線は複数の蛇行セクションを含む。いくつかの実施
形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0043】
一定数の実施形態において、位相シフタはさらに、結合器のアイソレーション端子に接
続される第2制御可能反射負荷を含む。
【0044】
所定の実施形態において、本開示は無線デバイスに関する。無線デバイスは、送受信器
と、当該送受信器に結合されるフロントエンドシステムとを含む。フロントエンドシステ
ムは位相シフタを含み、この位相シフタは結合器を含み、この結合器は、無線周波数入力
信号を受信するように構成される入力端子と、スルー端子と、当該入力端子とスルー端子
との間に接続される第1結合線と、アイソレーション端子と、当該無線周波数入力信号に
対して位相シフトを有する無線周波数出力信号を出力するように構成される結合端子と、
当該アイソレーション端子と結合端子との間に接続される第2結合線とを含む。位相シフ
タはさらに、結合器のスルー端子に接続される第1制御可能反射負荷を含み、この第1制
御可能反射負荷は、伝送線と、それぞれが接地電圧と当該伝送線に沿った異なるポイント
との間に接続される複数のシャントスイッチとを含み、当該複数のシャントスイッチは位
相シフトを制御するべく選択可能である。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1制御可能反射負荷はさらに、伝送線の第1側にある
第1グランド導体と、伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。一定数の実施形
態によれば複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタとして実装
される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体との間に接続さ
れる第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に接続される第
2電界効果トランジスタとを含む。
【0046】
様々な実施形態において、複数のシャントスイッチは、不均一な間隔にある複数のポイ
ントにおいて伝送線に接続される。いくつかの実施形態によれば、複数のポイントの隣接
対同士の間の距離は、伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0047】
いくつかの実施形態において、複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズを有
する。一定数の実施形態によれば、複数のシャントトランジスタのサイズは、第1伝送線
の長さに沿って次第に増加する。
【0048】
いくつかの実施形態において、携帯デバイスはさらに、結合器のアイソレーション端子
に接続される第2制御可能反射負荷を含む。
【0049】
所定の実施形態において、本開示は位相シフトの方法に関する。方法は、結合器の入力
端子において無線周波数入力信号を受信することを含む。方法はさらに、結合器の第1結
合線から当該結合器の第2結合線への結合を与えることを含み、第1結合線は当該結合器
の入力端子と当該結合器のスルー端子との間に接続され、第2結合線は当該結合器のアイ
ソレーション端子と当該結合器の結合端子との間に接続される。方法はさらに、結合器の
結合端子から無線周波数出力信号を与えることを含み、当該無線周波数出力信号は無線周
波数入力信号に対して位相シフトを有する。方法はさらに、結合器のスルー端子に接続さ
れる第1制御可能反射負荷を使用して位相シフトを制御することを含み、これは、第1制
御可能反射負荷の複数のシャントスイッチの一以上を選択することを含み、当該複数のシ
ャントスイッチはそれぞれが、接地電圧と第1制御可能反射負荷の伝送線に沿った異なる
ポイントとの間に接続される。
【0050】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、結合器のアイソレーション端子に接続さ
れる第2制御可能反射負荷を制御することを含む。
【0051】
所定の実施形態において、本開示は位相シフタに関する。位相シフタは、第1ポート、
第2ポート、第1制御可能反射負荷、及び第2制御可能反射負荷を含み、第2制御可能反
射負荷は、第1伝送線と、第1伝送線に沿って接続される第1複数のシャントスイッチと
を含む。位相シフタはさらに、互いに電磁的に結合される一対の結合線を含む。一対の結
合線は、第1ポートと第1制御可能反射負荷との間に接続される第1導電線と、第2制御
可能反射負荷と第2ポートとの間に接続される第2導電線とを含む。
【0052】
様々な実施形態において、第2制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側にある
第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。いくつかの
実施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジス
タとして実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体と
の間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に
接続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0053】
一定数の実施形態において、第1複数のシャントスイッチは一以上が、位相シフタの位
相シフト設定に基づいて閉とされる。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1ポートが無線周波数入力信号を受信し、第2ポート
が、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0055】
いくつかの実施形態において、第2ポートが無線周波数入力信号を受信し、第1ポート
が、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0056】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にある複
数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離に
ある複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数
のポイントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズ
を有する。
【0059】
一定数の実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズを
有する。いくつかの実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、第
1伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0060】
様々な実施形態によれば、第1伝送線は、複数の蛇行セクションを含む。一定数の実施
形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、第1制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に
沿って接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド
結合器を含む。
【0063】
所定の実施形態において、本開示は無線デバイスに関する。無線デバイスは、送受信器
と、当該送受信器に結合されるフロントエンドシステムとを含む。フロントエンドシステ
ムは位相シフタを含み、この位相シフタは、第1ポート、第2ポート、第1制御可能反射
負荷、第1伝送線を含む第2制御可能反射負荷、及び第1伝送線に沿って接続される第1
複数のシャントスイッチを含む。位相シフタはさらに、互いに電磁的に結合される一対の
結合線を含む。一対の結合線は、第1ポートと第1制御可能反射負荷との間に接続される
第1導電線と、第2制御可能反射負荷と第2ポートとの間に接続される第2導電線とを含
む。
【0064】
様々な実施形態において、第2制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側にある
第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。一定数の実
施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トランジスタ
として実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導体との
間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との間に接
続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは一以上が、位相シフタの
位相シフト設定に基づいて閉とされる。
【0066】
様々な実施形態において、第1ポートが無線周波数入力信号を受信し、第2ポートが、
位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0067】
いくつかの実施形態において、第2ポートが無線周波数入力信号を受信し、第1ポート
が、位相がシフトされた無線周波数出力信号を与える。
【0068】
一定数の実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にある
複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離に
ある複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数
のポイントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0070】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズを有
する。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズ
を有する。いくつかの実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、
第1伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0072】
一定数の実施形態において、第1伝送線は、複数の蛇行セクションを含む。様々な実施
形態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、第1制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に
沿って接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド
結合器を含む。
【0075】
所定の実施形態において、位相シフトの方法が与えられる。方法は、第1ポートにおい
て無線周波数入力信号を受信することを含む。方法はさらに、第1制御可能反射負荷及び
第2制御可能反射負荷を制御して、第2ポートにおける無線周波数出力信号の位相シフト
を制御することを含み、第1制御可能反射負荷は、第1伝送線と、第1伝送線に沿って接
続される第1複数のシャントスイッチとを含む。方法はさらに、一対の結合線の第1導電
線と第2導電線との結合を与えることを含み、第1導電線は第1ポートと第1制御可能反
射負荷との間に接続され、第2導電線は第2制御可能反射負荷と第2ポートとの間に接続
される。
【0076】
いくつかの実施形態において、第2制御可能反射負荷はさらに、第1伝送線の第1側に
ある第1グランド導体と、第1伝送線の第2側にある第2グランド導体とを含む。いくつ
かの実施形態によれば、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが一対の電界効果トラン
ジスタとして実装される。一対の電界効果トランジスタは、第1伝送線と第1グランド導
体との間に接続される第1電界効果トランジスタと、第1伝送線と第2グランド導体との
間に接続される第2電界効果トランジスタとを含む。
【0077】
一定数の実施形態において、方法はさらに、位相シフタの位相シフト設定に基づいて第
1複数のシャントスイッチの一以上を閉にすることを含む。
【0078】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから一定距離にある複
数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。
【0079】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチは、互いから不均一距離に
ある複数のポイントにおいて第1伝送線に接続される。一定数の実施形態によれば、複数
のポイントの隣接対間の距離は、第1伝送線の長さに沿って次第に減少する。
【0080】
様々な実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが共通のサイズを有
する。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1複数のシャントスイッチはそれぞれが異なるサイズ
を有する。一定数の実施形態によれば、第1複数のシャントトランジスタのサイズは、第
1伝送線の長さに沿って次第に増加する。
【0082】
いくつかの実施形態において、伝送線は複数の蛇行セクションを含む。一定数の実施形
態によれば、複数の蛇行セクションは少なくとも一つがループを含む。
【0083】
様々な実施形態において、第1制御可能反射負荷は、第2伝送線と、第2伝送線に沿っ
て接続される第2複数のシャントスイッチとを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、位相シフタはさらに、一対の結合線を含むハイブリッド
結合器を含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
本開示の実施形態が、添付図面を参照する非限定的な例を介して以下に記載される。
【0086】
【
図1】通信ネットワークの一例の模式的な図である。
【
図2A】ビームフォーミングにより動作する通信システムの一実施形態の模式的な図である。
【
図2B】送信ビームを与えるビームフォーミングの一実施形態の模式的な図である。
【
図2C】受信ビームを与えるビームフォーミングの一実施形態の模式的な図である。
【
図3】一実施形態に係る位相シフタの模式的な図である。
【
図4A】一実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図4B】他実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図5A】他実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図5B】他実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図6】他実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図7】他実施形態に係るスイッチ式伝送線の模式的な図である。
【
図8】携帯デバイスの一実施形態の模式的な図である。
【
図9A】一実施形態に係るRFチャネルの模式的な図である。
【
図9B】他実施形態に係るRFチャネルの模式的な図である。
【
図10A】ビームフォーミングにより動作するモジュールの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
所定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を提示する。しか
しながら、ここに記載されるイノベーションは、例えば特許請求の範囲により画定かつカ
バーされる数多くの異なる態様で具体化することができる。本明細書において、同じ参照
番号が同一の又は機能的に同様の要素を示す図面が参照される。理解されることだが、図
面に示される要素は必ずしも縮尺どおりとは限らない。さらに理解されることだが、所定
の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素、及び/又は図面に示される要素の部分
集合を含み得る。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適
切な組み合わせも含み得る。
【0088】
国際電気通信連合(ITU)は、国連(UN)の専門機関であり、無線周波数帯の世界
的な共用を含む情報通信技術に関する世界的な問題の責任を負っている。
【0089】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、無線工業会(ARIB)、電
気通信技術委員会(TTC)、中国通信規格協会(CCSA)、電気通信業界ソリューシ
ョン同盟(ATIS)、電気通信技術協会(TTA)、欧州電気通信規格協会(ETSI
)、インド電気通信規格開発協会(TSDSI)のような、世界中の電気通信規格団体の
グループ間での共同プロジェクトである。
【0090】
3GPPは、ITUの範囲内で、例えば、第2世代(2G)技術(例えばGlobal
System for Mobile Communications(GSM)(登
録商標)及びEnhanced Data Rates for GSM Evolut
ion(EDGE))、第3世代(3G)技術(例えばUniversal Mobil
e Telecommunications System(UMTS)及びHigh
Speed Packet Access(HSPA))、第4世代(4G)技術(例え
ばロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト)を含む、様々な移
動通信技術の技術仕様を開発及び維持する。
【0091】
3GPPにより管理される技術仕様は仕様リリースによって拡張及び改訂することがで
きる。この仕様リリースは、多数年にわたってよく、かつ、幅の広い新たな機能及び進化
を指定してよい。
【0092】
一例において、3GPPは、リリース10においてLTEのためのキャリアアグリゲー
ション(CA)を導入した。3GPPは、初期には2つのダウンリンクキャリアを導入し
たが、リリース14においては5つまでのダウンリンクキャリア及び3つまでのアップリ
ンクキャリアを含むように拡張した。3GPPリリースにより与えられる新たな特徴及び
進化の他例は、ライセンス・アシステッド・アクセス(LAA)、エンハンストLAA(
eLAA)、狭帯域インターネットオブシングス(NB-IOT)、ビークル・ツー・エ
ブリシング(V2X)、及びハイパワーユーザ機器(HPUE)を含むがこれらに限られ
ない。
【0093】
3GPPは、リリース15において第5世代(5G)技術のフェーズ1を導入し、リリ
ース16において5G技術のフェーズ2を導入した。その後の3GPPリリースは、5G
技術をさらに進化及び拡張させるであろう。5G技術はここでは、5Gニューラジオ(N
R)とも称する。
【0094】
5GNRは、ミリメートル波スペクトルによる通信、ビームフォーミング能力、高スペ
クトル効率波形、低レイテンシ通信、多重ラジオヌメロロジー、及び/又は非直交多重ア
クセス(NOMA)のような様々な特徴をサポートし又はサポート予定である。かかるR
F機能がネットワークに柔軟性を与えてユーザデータレートを向上させるにもかかわらず
、かかる特徴をサポートするには一定数の技術的な課題がある。
【0095】
ここでの教示は、LTEアドバンスト、LTEアドバンストプロ及び/又は5GNRの
ようなアドバンストセルラー技術を使用する通信システムを含むがこれらに限られない多
種多様な通信システムに適用可能である。
【0096】
図1は、通信ネットワーク10の一例の模式的な図である。通信ネットワーク10は、
マクロセル基地局1、スモールセル基地局3、及びユーザ機器(UE)の様々な例を含む
。ユーザ機器(UE)は、第1携帯デバイス2a、無線接続車両2b、ラップトップ2c
、静止無線デバイス2d、無線接続列車2e、第2携帯デバイス2f、及び第3携帯デバ
イス2gを含む。
【0097】
基地局及びユーザ機器の特定例が
図1に示されるにもかかわらず、通信ネットワークは
、多種多様なタイプ及び/又は数の基地局及びユーザ機器を含んでよい。
【0098】
例えば、図示の例において、通信ネットワーク10はマクロセル基地局1及びスモール
セル基地局3を含む。スモールセル基地局3は、マクロセル基地局1と比べて相対的に低
い電力、短い距離、及び/又は少ない同時ユーザで動作し得る。スモールセル基地局3、
フェムトセル、ピコセル又はマイクロセルと称してもよい。通信ネットワーク10が2つ
の基地局を含むように示されるにもかかわらず、通信ネットワーク10は、これよりも多
い又は少ない基地局及び/又は他のタイプの基地局を含むように実装してよい。
【0099】
ユーザ機器の様々な例が示されるにもかかわらず、ここでの教示は、携帯電話機、タブ
レット、ラップトップ、インターネットオブシングス(IoT)デバイス、ウェアラブル
電子機器、加入者宅内機器(CPE)、無線接続車両、無線リレー、及び/又は多種多様
な他の通信デバイスを含むがこれらに限られない多種多様なユーザ機器に適用可能である
。さらに、ユーザ機器は、セルラーネットワークにおいて動作する現在利用可能な通信デ
バイスのみならず、ここに記載されかつ特許請求の範囲に請求される本発明のシステム、
プロセス、方法及びデバイスに容易に実装可能な、その後開発される通信デバイスをも含
む。
【0100】
図1の例示の通信ネットワーク10は、例えば4GLTE及び5GNRを含む様々なセ
ルラー技術を使用する通信をサポートする。所定の実装例において、通信ネットワーク1
0はさらに、WiFiのような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を与えるよ
うに適合される。通信技術の様々な例が与えられてきたにもかかわらず、通信ネットワー
ク10は、多種多様な通信技術をサポートするように適合され得る。
【0101】
通信ネットワーク10の様々な通信リンクが
図1に描かれている。通信リンクは、例え
ば、周波数分割二重化(FDD)及び/又は時分割二重化(TDD)を使用することを含
む多種多様な方法で二重化(デュプレクシング)することができる。FDDは、信号の送
信及び受信に異なる周波数を使用するタイプの無線周波数通信である。FDDは、高いデ
ータレート及び低いレイテンシのような一定数の利点を与えることができる。これとは対
照的に、TDDは、信号の送信及び受信にほぼ同じ周波数を使用するタイプの無線周波数
通信であり、送信通信と受信通信とが時間で切り替わる。TDDには、スペクトルの効率
的な使用、及び送受信方向間のスループットの可変的割り当てのような一定数の利点を与
えることができる。
【0102】
所定の実装例において、ユーザ機器は、4GLTE、5GNR及びWiFi技術の一以
上を使用して基地局と通信することができる。所定の実装例において、エンハンスト・ラ
イセンス・アシステッド・アクセス(eLAA)が、一以上のライセンスされた周波数キ
ャリア(例えばライセンスされた4GLTE及び/又は5GNR周波数)を、一以上の未
ライセンスキャリア(例えば未ライセンスWiFi周波数)と集約するべく使用される。
【0103】
図1に示されるように、通信リンクは、UEと基地局との間の通信リンクのみならず、
UE対UE通信及び基地局対基地局通信をも含む。例えば、通信ネットワーク10は、(
例えばモバイルデバイス412gとモバイルデバイス412fとの間のような)自己フロ
ントホール及び/又は自己バックホールをサポートするように実装することができる。
【0104】
通信リンクは、多種多様な周波数にわたって動作することができる。所定の実装例にお
いて、通信は、6ギガヘルツ(GHz)未満の一以上の周波数帯域にわたって及び/又は
6GHz超過の一以上の周波数帯域にわたって、5GNR技術を使用してサポートされる
。例えば、通信リンクは、周波数レンジ1(FR1)、周波数レンジ2(FR2)、又は
これらの組み合わせを与えることができる。一実施形態において、携帯デバイスの一以上
が、HPUE電力クラス仕様をサポートする。
【0105】
所定の実装例において、基地局及び/又はユーザ機器はビームフォーミングを使用して
通信する。例えば、ビームフォーミングは、高い信号周波数にわたる通信に関連付けられ
る高い損失のような、経路損失を克服するべく信号強度を収束させるべく使用することが
できる。所定の実施形態では、一以上の携帯電話機のようなユーザ機器は、30GHz~
300GHzの範囲のミリメートル波周波数帯域において、及び/又は6GHz~30G
Hz、詳しくは24GHz~30GHzの範囲の上側センチメートル波周波数において、
ビームフォーミングを使用して通信する。
【0106】
通信ネットワーク10の異なるユーザが、利用可能な周波数スペクトルのような利用可
能なネットワークリソースを、多種多様な態様で共有することができる。
【0107】
一例において、一周波数帯域を分割して多重周波数キャリアにするべく周波数分割多重
接続(FDMA)が使用される。加えて、一以上のキャリアが特定の一ユーザに割り当て
られる。FDMAの例は、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)及び直交FDM
A(OFDMA)を含むがこれらに限られない。OFDMAは、利用可能な帯域幅を多数
の相互に直交する狭帯域サブキャリアに分割するマルチキャリア技術であり、異なるユー
ザに別々に割り当てることができる。
【0108】
共有アクセスの他の例は、周波数リソースを使用するべくユーザに特定のタイムスロッ
トが割り当てられる時分割多重接続(TDMA)、各ユーザに固有の符号を割り当てるこ
とにより周波数リソースを異なるユーザ間で共有する符号分割多重接続(CDMA)、空
間分割による共有アクセスを与えるべくビームフォーミングが使用される空間分割多重接
続(SDMA)、多重アクセスを目的としてパワードメインが使用される非直交多重接続
(NOMA)を含むが、これらに限られない。例えば、NOMAは、同じ周波数、時間及
び/又は符号であるが異なる電力レベルにより多数のユーザにサービスを提供するべく使
用され得る。
【0109】
エンハンストモバイルブロードバンド(eMBB)は、LTEネットワークのシステム
キャパシティを増加させる技術を言及する。例えば、eMBBは、各ユーザに対して少な
くとも10Gbpsのピークデータレートかつ最小100Mbpsの通信を言及してよい
。超高信頼性低レイテンシ通信(uRLLC)は、例えば2ミリ秒未満の非常に低いレイ
テンシの通信のための技術を言及する。uRLLCは、自動運転及び/又は遠隔手術アプ
リケーション目的のようなミッションクリティカルな通信に使用することができる。大規
模機械タイプ通信(mMTC)は、日常的な物体との無線接続に関連付けられる低コスト
かつ低データレートの通信、例えばインターネットオブシングス(IoT)アプリケーシ
ョンに関連付けられる通信を言及する。
【0110】
図1の通信ネットワーク10は、eMBB、uRLLC及び/又はmMTCを含むがこ
れらに限られない多種多様なアドバンスト通信機能をサポートするべく使用することがで
きる。
【0111】
図2Aは、ビームフォーミングにより動作する通信システム110の一実施形態の模式
的な図である。通信システム110は、送受信器105、信号コンディショニング回路1
04a1、104a2……104an、104b1、104b2…104bn、104m
1、104m2…104mn、及びアンテナアレイ102を含む。アンテナアレイ102
は、アンテナ素子103a1、103a2…103an、103b1、103b2…10
3bn、103m1、103m2…103mnを含む。
【0112】
ミリメートル波キャリア、センチメートル波キャリア、及び/又は他の周波数キャリア
を使用して通信する通信システムは、信号の送信及び/又は受信のためのビームフォーメ
ーション及び指向性を与えるべくアンテナアレイ102のようなアンテナアレイを用いる
ことができる。
【0113】
例えば、図示の実施形態において、通信システム110は、m×n個のアンテナ素子の
アレイ102含み、これらの素子はそれぞれが、この実施形態では別個の信号コンディシ
ョニング回路に結合される。省略記号により示されるように、通信システム110は、任
意の適切な数のアンテナ素子及び信号コンディショニング回路を実装することができる。
【0114】
信号送信について、信号コンディショニング回路104a1、104a2…104an
、104b1、104b2…104bn、104m1、104m2…104mnは、当該
アンテナ素子から放射される信号が建設的及び破壊的な干渉を使用して結合し、アンテナ
アレイ102から離れる所与の方向に伝播する強い信号強度を有するビームのような品質
を示す集約送信信号を生成するように、送信信号をアンテナアレイ102に与えることが
できる。
【0115】
信号受信の文脈では、信号コンディショニング回路104a1、104a2…104a
n、104b1、104b2…104bn、104m1、104m2…104mnは、受
信信号を(例えば受信信号位相を別個に制御することによって)、当該信号が特定の方向
からアンテナアレイ102に到達するときに多くの信号エネルギーが受信されるように処
理する。したがって、通信システム110はまた、信号の受信のための指向性も与える。
【0116】
送信ビーム又は受信ビームになる信号エネルギーの相対的濃度は、アレイのサイズを増
加させることによって高めることができる。例えば、合焦されて送信ビームになる信号エ
ネルギーが多くなると、その信号は、RF通信のための十分な信号レベルを与えている間
に長い範囲を伝播することができる。例えば、合焦されて送信ビームになる信号エネルギ
ーの比率が大きい信号は、高い実効等方放射電力(EIRP)を示し得る。
【0117】
図示の実施形態において、送受信器105は、信号コンディショニング回路104a1
、104a2…104an、104b1、104b2…104bn、104m1、104
m2…104mnに信号を送信し、当該信号コンディショニング回路から受信した信号を
処理する。
【0118】
図2Aに示されるように、送受信器105は、信号コンディショニング回路104a1
、104a2…104an、104b1、104b2…104bn、104m1、104
m2…104mnのための制御信号を生成する。制御信号は、ビームフォーミングを制御
するべく送信信号及び/又は受信信号の利得及び位相を制御することのような、様々な機
能のために使用することができる。例えば、信号コンディショニング回路104a1、1
04a2…104an、104b1、104b2…104bn、104m1、104m2
…104mnはそれぞれが、ここでの教示に従って実装される位相シフタを含み得る。
【0119】
図2Bは、送信ビームを与えるビームフォーミングの一実施形態の模式的な図である。
図2Bは、第1信号コンディショニング回路114a、第2信号コンディショニング回路
114b、第1アンテナ素子113a、及び第2アンテナ素子113bを含む通信システ
ムの一部分を示す。
【0120】
2つのアンテナ素子及び2つの信号コンディショニング回路を含むように示されるにも
かかわらず、通信システムは、付加的なアンテナ素子及び/又は信号コンディショニング
回路を含んでよい。例えば、
図2Bは、
図2Aの通信システム110の一部分の一実施形
態を示す。
【0121】
第1信号コンディショニング回路114aは、第1位相シフタ130a、第1電力増幅
器131a、第1低雑音増幅器(LNA)132a、及び電力増幅器131a又はLNA
132aの選択を制御するスイッチを含む。加えて、第2信号コンディショニング回路1
14bは、第2位相シフタ130b、第2電力増幅器131b、第2LNA132b、及
び電力増幅器131b又はLNA132bの選択を制御するスイッチを含む。第1位相シ
フタ130a及び第2位相シフタ130bは、ここでの実施形態のいずれかに従って実装
することができる。
【0122】
信号コンディショニング回路の一実施形態が示されるにもかかわらず、信号コンディシ
ョニング回路の他の実装例も可能である。例えば、一例において、信号コンディショニン
グ回路は、一以上の帯域フィルタ、デュプレクサ、ダイプレクサ、及び/又は他のコンポ
ーネントを含む。
【0123】
図示の実施形態において、第1アンテナ素子113aと第2アンテナ素子113bとは
距離dだけ離間される。加えて、
図2Bには角度θの注釈が付けられている。この例にお
いて、θは、送信ビーム方向がアンテナアレイの平面に実質的に垂直である場合に約90
°の値であり、送信ビーム方向がアンテナアレイの平面に実質的に平行である場合に約0
°の値である。
【0124】
アンテナ素子113a、113bに与えられる送信信号の相対的な位相を制御すること
により、所望の送信ビーム角度θを達成することができる。例えば、第1位相シフタ13
0aは0°の基準値を有し、第2位相シフタ130bは、約-2πf(d/ν)cosθ
ラジアンの位相シフトを与えるように制御され得る。ここで、fは送信信号の基本周波数
であり、dはアンテナ素子間の距離であり、νは放射波の速度であり、πは数学的定数パ
イである。
【0125】
所定の実装例において、距離dは約1/2λとなるように実装される。ここで、λは、送
信信号の基本成分の波長である。かかる実装において、第2位相シフタ130bは、送信
ビーム角度θを達成するべく約-πcosθラジアンの位相シフトを与えるように制御さ
れ得る。
【0126】
したがって、位相シフタ130a、130bの相対位相は、送信ビームフォーミングを
与えるように制御され得る。所定の実装例において、送受信器(例えば
図2Aの送受信器
105)は、ビームフォーミングを制御するべく一以上の位相シフタ位相値を制御する。
【0127】
図2Cは、受信ビームを与えるビームフォーミングの一実施形態の模式的な図である。
図2Cは
図2Bと同様であるが、
図2Cが、送信ビームよりもむしろ受信ビームの文脈に
おけるビームフォーミングを示す点が異なる。
【0128】
図2Cに示されるように、第1位相シフタ130aと第2位相シフタ130bとの相対
位相差は、所望の受信ビーム角度θを達成するべく-2πf(d/ν)cosθラジアン
にほぼ等しくなるように選択することができる。距離dが約λ/2に対応する実装例にお
いて、位相差は、受信ビーム角度θを達成するべく-πcosθラジアンにほぼ等しくな
るように選択することができる。
【0129】
ビームフォーミングを与える位相値のための様々な式が与えられてきたにもかかわらず
、アンテナアレイの実装、信号コンディショニング回路の実装、及び/又は無線環境に基
づいて選択される位相値のような、他の位相選択値も可能である。
【0130】
スイッチ式伝送線負荷を備えた位相シフタ
【0131】
位相シフタが、無線周波数(RF)システムにおいて制御可能位相調整をRF信号に与
えるべく使用される。
【0132】
スイッチ式伝送線負荷を備えた位相シフタがここに与えられる。所定の実施形態におい
て、位相シフタは、第1ポート、第1制御可能反射負荷、第2ポート、第2制御可能反射
負荷、及び互いに電磁的に結合される一対の結合線を含む。一対の結合線は、第1ポート
と第1制御可能反射負荷との間の第1導電線と、第2制御可能反射負荷と第2ポートとの
間の第2導電線とを含む。第1制御可能反射負荷又は第2制御可能反射負荷の少なくとも
一方がスイッチ式伝送線負荷を含む。
【0133】
この態様において位相シフタを実装することにより、高周波数性能(例えば24GHz
~30GHzの範囲にあるFR2での動作)が有効になる。さらに、位相シフタの位相設
定の範囲にわたり、良好な反射損失を達成することができ、及び/又は反射損失を相対的
に一定にすることができる。さらに、位相シフタの群遅延は、周波数によるばらつきがほ
とんどなく、それゆえ、広帯域信号を歪ませることがない。
【0134】
第1制御可能反射負荷及び第2制御可能反射負荷は、位相シフタの、選択された位相設
定に基づいて制御される。所定の実装例において、各制御可能反射負荷が、スイッチ式伝
送線負荷を使用して実装される。かかるスイッチ式伝送線負荷は、伝送線と、当該伝送線
とグランドのような基準電圧との間に接続されるシャントスイッチ(例えば電界効果トラ
ンジスタすなわちFET)とを含み得る。オンにされるスイッチの組み合わせを選択する
ことにより、伝送線の実効電気長さを制御することができる。実効電気長さが変化すると
、位相シフタによる位相シフトの量も変化する。
【0135】
偶モードインピーダンス、奇モードインピーダンス、及び一対の結合線の長さを、所望
の性能特性を達成するべく設計中に調整することができる。所定の実装例において、一対
の結合線は、3dB九十度90°結合器(ここではハイブリッド結合器とも称される)の
ような結合器として実装される。ハイブリッド結合器は、所望の性能を達成するべく制御
可能反射負荷との組み合わせで動作する。
【0136】
ここでの位相シフタは、ビームフォーミングアプリケーション用のRF信号コンディシ
ョナル回路において位相シフトを与えることを含むがこれに限られない多種多様なアプリ
ケーションにおいて使用することができる。
【0137】
ここでの所定の実装例において、位相シフタは、例えば24.25GHz~52.6G
Hzのような5Gの周波数レンジ2(FR2)にあるRF信号に位相シフトを与えるべく
構成される。しかしながら、ここでの位相シフタは、他のRF信号周波数も扱うことがで
きる。
【0138】
図3は、一実施形態に係る位相シフタ210の模式的な図である。位相シフタ210は
、一対の結合線200(この実施形態においてはハイブリッド結合器に対応)、第1制御
可能反射負荷201(ここでは可変反射負荷とも称する)、第2制御可能反射負荷202
、入力ポートIN、及び出力ポートOUTを含む。結合線200は、互いに電磁的に結合
される第1導電線203及び第2導電線204を含む。
【0139】
図示の実施形態において、第1導電線203の第1端207aが入力ポートINに接続
され、第1導電線203の第2端207bが第1制御可能反射負荷201に接続される。
加えて、第2導電線204の第1端208aがi第2制御可能反射負荷202に接続され
、第2導電線204の第2端208bが出力ポートOUTに接続される。第1導電線20
3の第1端207aと第2導電線204の第1端208aとが結合線200の第1側に存
在する一方、第1導電線203の第2端207bと第2導電線204の第2端208bと
が結合線200の第2側又は反対側に存在する。
【0140】
この実施形態では、一対の結合線200がハイブリッド結合器として実装される。加え
て、第1端207aが結合器の入力端子(IN)に対応し、第2端207bが結合器のス
ルー端子(0°)に対応し、第1端208aが結合器のアイソレーション端子(ISO)
に対応し、第2端208bが結合器の結合端子(90°)に対応する。
【0141】
第1制御可能反射負荷201又は第2制御可能反射負荷202の少なくとも一方が、こ
こでの教示に係るスイッチ式伝送線を使用して実装される。
【0142】
この態様において位相シフタ210を実装することにより、複数の位相設定にわたって
高い周波数性能、良好な反射損失、及び/又は一定の反射損失を達成することができる。
さらに、位相シフタ210の群遅延は、周波数によるばらつきがほとんどなく、それゆえ
、広帯域信号を歪ませることがない。
【0143】
所定の実装例において、第1制御可能反射負荷201及び第2制御可能反射負荷202
は、位相シフタ210の選択された位相設定に基づいて制御されるので、これらの反射負
荷の伝送線の電気的な長さが変化する。例えば、第1制御可能反射負荷201及び第2制
御可能反射負荷202はそれぞれが、共通制御信号により制御されるスイッチ式伝送線と
して実装され得る。
【0144】
偶モードインピーダンス、奇モードインピーダンス、及び結合線200の長さは、所望
の性能特性を達成するべく設計中に調整することができる。結合線200は、所望の性能
を達成するべく制御可能反射負荷201/202との組み合わせで動作する。
【0145】
図4Aは、一実施形態に係るスイッチ式伝送線230の模式的な図である。スイッチ式
伝送線230は、伝送線221と、伝送線221へのRF入力RF
INと、シャントスイ
ッチ222a、222b、222c、…222nと、制御回路223とを含む。すなわち
、n個のシャントスイッチが含まれる。ここで、nは2以上の整数であり、4以上である
ことが好ましい。
【0146】
図4Aのスイッチ式伝送線230は、ここでの教示に従って実装される一実施形態の制
御可能反射負荷を示す。
【0147】
図示の実施形態において、制御回路223は、選択された位相シフト設定φに基づいて
シャントスイッチ222a、222b、222c、…222nを開又は閉にする。シャン
トスイッチ222a、222b、222c、…222nは、伝送線221に沿った異なる
位置に接続される。シャントスイッチ222a、222b、222c、…222nは、伝
送線221をグランドに選択的に接続する。
【0148】
シャントスイッチ222a、222b、222c、…222nのいずれがオンにされる
か及びいずれがオフにされるかを変更することにより、伝送線221の電気的な長さが変
化する。これは、その後、スイッチ式伝送線230が組み入れられる反射タイプの位相シ
フタの全体的な位相シフトに影響を与える。
【0149】
所定の実装例において、制御回路223は、すべてのスイッチ(又は少なくとも、RF
INに最も近いシャントスイッチ222a)をオンにして伝送線221の最短の電気的な
長さを与える。すべてのシャントスイッチが閉である状態から開始する場合、当該シャン
トスイッチを、RFINに最も近いスイッチ222aから始めて逐次的に開(オフ)にす
ることによって、次第に長くなる電気的な長さを与えることができる。
【0150】
図4Bは、他実施形態に係るスイッチ式伝送線230’の模式的な図である。
【0151】
図4Bのスイッチ式伝送線230’は
図4Aのスイッチ式伝送線230と同様であるが
、
図4Bのスイッチ式伝送線230’は、温度計デコーダ224を含む制御回路223’
を含む点が異なる。
【0152】
ここでの所定の実施形態において、スイッチ式伝送線は、温度計デコーディングを使用
して制御されるシャントスイッチを含む。
【0153】
図5Aは、他実施形態に係るスイッチ式伝送線240の模式的な図である。スイッチ式
伝送線240は、伝送線231、第1グランド導体233a、第2グランド導体233b
、及び複数対のFETスイッチ232a1/232a2、232b1/232b2、23
2c1/232c2、…232n1/232n2を含む。すなわち、n対のシャントスイ
ッチが含まれる。ここで、nは2以上の整数であり、4以上であることが好ましい。
【0154】
図4Aのスイッチ式伝送線230を比較すると、
図5Aのスイッチ式伝送線240は、
一対のFETスイッチを使用して各シャントスイッチを実装する。付加的に、各対のFE
Tスイッチは、伝送線231と第1グランド導体233aとの間に接続される一つのFE
Tスイッチ(例えばFETスイッチ232a1)と、伝送線231と第2グランド導体2
33bとの間に接続される他のFETスイッチ(例えばFETスイッチ232a2)とを
含む。所定の実装例において、各対のFETスイッチは、対応する制御信号(例えば
図4
Aの制御回路223のような制御回路によって各対に対して一つ生成されるn個の制御信
号)によって共通に制御される。
【0155】
描かれる態様のFETを使用してシャントスイッチを実装することにより、向上した性
能(特に高周波数において)が達成される。
【0156】
図5Bは、他実施形態に係るスイッチ式伝送線250の模式的な図である。スイッチ式
伝送線250は、伝送線231、第1グランド導体233a、第2グランド導体233b
、及び複数対のFETスイッチ242a1/242a2、242b1/242b2、24
2c1/242c2、…242n1/242n2を含む。
【0157】
図5Bのスイッチ式伝送線250は
図5Aのスイッチ式伝送線240と同様であるが、
図5Bのスイッチ式伝送線250は、相互に異なるサイズ(すなわちオン状態抵抗及びオ
フ状態キャパシタンスが変化する)及び異なる距離又は分離を有する複数のシャントスイ
ッチを含む点が異なる。
【0158】
この態様のスイッチ式伝送線250を実装することにより、一定数の利点が得られる。
【0159】
例えば、シャントスイッチのオン状態抵抗(Ron)は、複数のスイッチ状態(複数の
位相シフト設定に対応)にわたって実質的に一定の反射係数(|ΓL|)を維持するべく
、個々に選択することができる。所定の実装例において、位相シフトが増加するにつれて
Ronが減少するので、伝送線のRF入力に近いスイッチは、RF入力から遠いスイッチ
(オン状態抵抗が高い)よりも小さくなる。
【0160】
他例において、スイッチ間の伝送線231の長さ(d1、d2、…dn)は、隣接位相
設定間の位相ステップの量を制御するように制御される。
【0161】
スイッチ間距離を適切に選択することによって、例えば、27GHzの中心周波数にお
いて11.25度の位相ステップを達成することができる。
【0162】
スイッチ式伝送線250を実装するとき、オフ状態キャパシタンス(Coff)は、伝
送線231の特性インピーダンス及び伝搬定数への影響の点で考慮される。例えば、スイ
ッチ及び伝送線は、同時にかつ反復的に設計することができる。
【0163】
図6は、他実施形態に係るスイッチ式伝送線260の模式的な図である。スイッチ式伝
送線260は、伝送線251と、伝送線251へのRF入力RF
INと、シャントスイッ
チ222a、222b、222c、…222nと、制御回路223とを含む。
【0164】
図6のスイッチ式伝送線260は
図4Aのスイッチ式伝送線230と同様であるが、図
6に示される伝送線251は、コンパクトなレイアウトを維持しながら所望の位相及び/
又は振幅応答を達成するべく蛇行するセクション255a、255b、…255nを含む
点が異なる。
【0165】
伝送線の蛇行はまた、一対のグランド線に結合される複数対のFETスイッチを使用す
る構成にも適用可能である。例えば、
図5A及び
図5Bの実施形態の伝送線231は、こ
こでの教示に従って蛇行してよい。
【0166】
図7は、他実施形態に係るスイッチ式伝送線310の模式的な図である。スイッチ式伝
送線310は、伝送線301、第1グランド導体302a、第2グランド導体302b、
第1対のスイッチ304a~304b、及び第2対のスイッチ305a~305bを含む
。省略記号によって示されるように、付加的な対のスイッチが含まれてよい。
【0167】
図7の例において、伝送線301は、小さなループで蛇行する第1セクション305a
と、ループなしで蛇行する第2セクション305bとを含む。
図7の実施形態は、コンパ
クトなレイアウトを維持しながら所望の位相及び/又は振幅応答を達成する他例の蛇行も
描く。
【0168】
ここでの教示に従って実装される反射タイプ位相シフタを使用して、多種多様な性能結
果を達成することができる。
【0169】
以下の表1は、
図5Bの一実装例に係るスイッチ式伝送線負荷を使用する位相シフタの
結果の一例を示す。
【表1】
【0170】
図8は、携帯デバイス800の一実施形態の模式的な図である。携帯デバイス800は
、ベース帯域システム801、送受信器802、フロントエンドシステム803、アンテ
ナ804、電力管理システム805、メモリ806、ユーザインタフェイス807、及び
電池808を含む。
【0171】
携帯デバイス800は、2G、3G、4G(LTE、LTEアドバンスト、及びLTE
アドバンストプロ)、5GNR、WLAN(例えばWi-Fi)、WPAN(例えばBl
uetooth(登録商標)及びZigBee(登録商標))、WMAN(例えばWiM
ax)、及び/又はGPS技術を含むがこれらに限られない多種多様な通信技術を使用し
て通信するように使用することができる。
【0172】
送受信器802は、送信のためのRF信号を生成し、アンテナ804から受信した入来
RF信号を処理する。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられる様
々な機能は、
図8においてまとめて送受信器802として代表される一以上のコンポーネ
ントによって達成することができる。一例において、所定タイプのRF信号を取り扱うべ
く別個のコンポーネント(例えば別個の回路又はダイ)を設けてもよい。
【0173】
フロントエンドシステム803は、アンテナ804に送信し及び/又はアンテナ804
から受信する信号のコンディショニングを補助する。図示の実施形態において、フロント
エンドシステム803は、電力増幅器(PA)811、低雑音増幅器(LNA)812、
フィルタ813、スイッチ814、及びデュプレクサ815を含む。
【0174】
位相シフタ810は、ここでの実施形態のいずれかに従って実装することができる。し
かしながら、ここに開示される位相シフタは、他の構成の電子システムにおいて使用する
こともできる。
【0175】
フロントエンドシステム803は、送信信号の増幅、受信信号の増幅、信号のフィルタ
リング、異なる帯域間のスイッチング、異なる電力モード間のスイッチング、送信モード
及び受信モード間のスイッチング、信号のデュプレクシング、信号のマルチプレクシング
(例えばダイプレクシング又はトライプレクシング)、又はこれらの何らかの組み合わせ
を含むがこれらに限られない一定数の機能を与えることができる。
【0176】
携帯デバイス800は、ビームフォーミングとともに動作する。例えば、フロントエン
ドシステム803は、送受信器802により可変位相制御される位相シフタ810を含む
。所定の実装例において、送受信器802は、プロセッサ801から受信したデータに基
づいて位相シフタ810の位相を制御する。
【0177】
位相シフタ810は、アンテナ804を使用した信号の送信及び/又は受信のためのビ
ームのフォーミング及び指向性を与えるように制御される。例えば、信号送信の文脈にお
いて、送信のために使用されるアンテナアレイに与えられる送信信号の位相が、放射され
る信号が建設的及び破壊的な干渉を使用して結合されるように制御され、所与の方向に伝
播する強い信号強度を有するビームのような品質を示す集約送信信号が生成される。信号
受信の文脈において、位相は、信号が特定の方向からアンテナアレイに到達するときに多
くの信号エネルギーが受信されるように制御される。
【0178】
所定の実装例において、携帯デバイス800は、キャリアアグリゲーションをサポート
するので、ピークデータレートを増加させる柔軟性が得られる。キャリアアグリゲーショ
ンは、周波数分割デュプレクシング(FDD)及び時間分割デュプレクシング(TDD)
の双方に使用することができるので、複数のキャリア又はチャネルを集約(アグリゲーシ
ョン)するべく使用してよい。キャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内に連
続キャリアが集約される隣接集約を含む。キャリアアグリゲーションは不連続でもよく、
共通帯域内又は異なる帯域内で周波数が分離したキャリアを含んでもよい。
【0179】
アンテナ804は、多種多様なタイプの通信のために使用されるアンテナを含み得る。
例えば、アンテナ804は、多種多様な周波数及び通信規格に関連付けられる信号の送信
及び/又は受信のためのアンテナを含み得る。
【0180】
所定の実装例において、アンテナ804は、MIMO通信及び/又はスイッチ式ダイバ
ーシティ通信をサポートする。例えば、MIMO通信は、単数の無線周波数チャネルを経
由して多重データストリームを通信する多重アンテナを使用する。MIMO通信は、無線
環境の空間的多重化(マルチプレクシング)に起因して高信号対雑音比、改善されたコー
ディング、及び/又は信号干渉低減からの利益を受ける。スイッチ式ダイバーシティとは
、特定の時刻に動作する特定のアンテナが選択される通信を言及する。例えば、観測ビッ
ト誤り率及び/又は信号強度指標のような様々な係数に基づいて一群のアンテナから特定
のアンテナを選択するようにスイッチを使用することができる。
【0181】
所定の実装例において、アンテナ804は、ビームフォーミングを強化するべく一以上
のアレイのアンテナ素子を含む。
【0182】
ベース帯域システム801は、処理of音声及びデータのような様々なユーザ入出力(
I/O)の処理を容易にするユーザインタフェイス807に結合される。ベース帯域シス
テム801は、送受信器802に送信信号のデジタル表現を与え、これを送受信器802
が処理して送信用のRF信号が生成される。ベース帯域システム801はまた、送受信器
802により与えられる受信信号のデジタル表現も処理する。
図8に示されるように、携
帯デバイス800の動作を容易にするべくベース帯域システム801がメモリ806に結
合される。
【0183】
メモリ806は、携帯デバイス800の動作を容易にし及び/又はユーザ情報の格納を
与えるべく、データ及び/又は命令の格納のような多種多様な目的のために使用すること
ができる。
【0184】
電力管理システム805は、携帯デバイス800の一定数の電力管理機能を与える。所
定の実装例において、電力管理システム805は、複数の電力増幅器811の供給電圧を
制御するPA供給制御回路を含む。例えば、電力管理システム805は、電力付加効率(
PAE)のような効率を改善するべく複数の電力増幅器811のうちの一以上に与えられ
る供給電圧を変化させるように構成してよい。
【0185】
図8に示されるように、電力管理システム805は、電池808から電池電圧を受信す
る。電池808は、携帯デバイス800における使用のための、例えばリチウムイオン電
池を含む任意の適切な電池としてよい。
【0186】
図9Aは、一実施形態に係るRFチャネル910の模式的な図である。RFチャネル9
10は、RF分割器/結合器901、位相シフタ902a、902b、…902z、第1
群の送信/受信(T/R)スイッチ903a、903b、…903z、電力増幅器904
a、904b、…904z、低雑音増幅器(LNA)905a、905b、…905z、
第2群のT/Rスイッチ906a、906b、…906z、及びアンテナ907a、90
7b、…907zを含む。
【0187】
図示の実施形態において、T/Rスイッチは、送信のための電力増幅器、又は受信のた
めのLNAを選択するべく使用される。すなわち、RFチャネル910は時間分割デュプ
レクシング(TDD)に適している。付加的に、RF分割器/結合器901は、送信方向
及び受信方向で共有されるので、RF信号引き回しが低減される。
【0188】
RFチャネルの一実施形態が描かれるにもかかわらず、ここでの教示は、多種多様な態
様で実装されるRFチャネルにも適用可能である。したがって、他の実装例も可能である
。
【0189】
図9Bは、他実施形態に係るRFチャネル920の模式的な図である。RFチャネル9
20は、RF分割器911a、RF結合器911b、第1群の位相シフタ912a、91
2b、…912z、第2群の位相シフタ913a、913b、…913z、電力増幅器9
04a、904b、…904z、LNA905a、905b、…905z、T/Rスイッ
チ906a、906b、…906z、及びアンテナ907a、907b、…907zを含
む。
【0190】
RFチャネル920は、他実施形態のRFチャネルを示していた。しかしながら、ここ
での教示は、多種多様な態様で実装されるRFチャネルに適用可能である。したがって、
他の実装例も可能である。
【0191】
図10Aは、ビームフォーミングにより動作するモジュール1140の一実施形態の斜
視図である。
図10Bは、
図10Aのモジュール1140の、10B-10B線に沿った
断面である。
【0192】
モジュール1140は、積層材基板又は積層材1141、半導体ダイ又はIC1142
(
図10Aでは不可視)、表面実装デバイス(SMD)1143(
図10Aでは不可視)
、及びアンテナアレイを含む。このアンテナアレイは、アンテナ素子1151a1、11
51a2、1151a3…1151an、1151b1、1151b2、1151b3…
1151bn、1151c1、1151c2、1151c3…1151cn、1151m
1、1151m2、1151m3…1151mnを含む。
【0193】
一実施形態のモジュールが
図10A及び
図10Bに示されるにもかかわらず、ここでの
教示は、多種多様な態様で実装されるモジュールにも適用可能である。例えば、モジュー
ルは、異なる配列及び/又は数のアンテナ素子、ダイ、及び/又は表面実装デバイスを含
み得る。付加的に、モジュール1140は、封入構造物、遮蔽構造物、及び/又はワイヤ
ボンドを含むがこれらに限られない付加的な構造物及びコンポーネントを含み得る。
【0194】
アンテナ素子アンテナ素子1151a1、1151a2、1151a3…1151an
、1151b1、1151b2、1151b3…1151bn、1151c1、1151
c2、1151c3…1151cn、1151m1、1151m2、1151m3…11
51mnが、積層材1141の第1表面に形成され、実装に基づいて信号を受信及び/又
は送信するように使用され得る。4×4アレイのアンテナ素子が図示されるにもかかわら
ず、省略記号により示されるように、これよりも多い又は少ないアンテナ素子が可能であ
る。さらに、アンテナ素子は、例えば、アンテナ素子の不均一な配列を使用するアレイを
含む他のパターン又は構成にアレイ配列してよい。さらに、他実施形態において多数のア
ンテナアレイが設けられる。これらのアンテナアレイは、例えば、送信及び受信のための
、及び/又は異なる通信帯域のための、別個のアンテナアレイを含む。
【0195】
図示の実施形態において、IC1142が、積層材1141の、第1表面とは反対側の
第2表面に存在する。しかしながら、他の実装例も可能である。一例において、IC11
42は、積層材1141の内部に集積される。
【0196】
所定の実装例において、IC142は、アンテナ素子1151a1、1151a2、1
151a3…1151an、1151b1、1151b2、1151b3…1151bn
、1151c1、1151c2、1151c3…1151cn、1151m1、1151
m2、1151m3…1151mnに関連づけられる信号コンディショニング回路を含む
。かかる信号コンディショニング回路は、ここでの教示に従って実装される一以上の位相
シフタ1145を含み得る。
【0197】
一実施形態において、IC1142は、位相シフタ1145が与える位相シフトの量の
ような信号コンディショニング回路を制御するデータを受信するモバイルインダストリプ
ロセッサインタフェイス無線周波数フロントエンド(MIPI RFFE)バス及び/又
は集積回路間通信(I2C)バスのようなシリアルインタフェイスを含む。他実施形態に
おいて、IC142はさらに集積型送受信器を含む。
【0198】
積層材1141は、例えば、導電層、誘電層、及び/又ははんだマスクを含む様々な構
造物を含み得る。当該層を形成するべく使用される層の数、層厚さ、及び材料は、多種多
様な因子に基づいて選択することができ、アプリケーション及び/又は実装によって変わ
り得る。積層材1141は、アンテナ素子の信号フィード及び/又はグランドフィードへ
の電気接続を与えるビアを含み得る。例えば、所定の実装例において、ビアは、IC11
42の信号コンディショニング回路と対応アンテナ素子との電気接続を与える支援をする
。
【0199】
アンテナ素子1151a1、1151a2、1151a3…1151an、1151b
1、1151b2、1151b3…1151bn、1151c1、1151c2、115
1c3…1151cn、1151m1、1151m2、1151m3…1151mnが、
多種多様な態様で実装されるアンテナ素子に対応し得る。一例において、アンテナ素子の
アレイは、積層材1141の第1側のパターン状導電層から形成されるパッチアンテナ素
子を含み、これは、積層材1141の反対側の又は積層材1141の内部の導電層を使用
して形成されるグランドプレーンを有する。アンテナ素子の他の例は、ダイポールアンテ
ナ素子、セラミック共振器、スタンプ加工金属アンテナ、及び/又はレーザ直接構造化ア
ンテナを含むがこれらに限られない。
【0200】
モジュール1140は、携帯電話機又は基地局のような通信システムに含まれてよい。
一例において、モジュール1140は、携帯電話機の電話機基板に取り付けられる。
【0201】
アプリケーション
【0202】
ここに記載される実施形態の原理及び利点は、多種多様なアプリケーションのために使
用することができる。
【0203】
例えば、位相シフタは、消費者用電子製品、消費者用電子製品の部品、電子試験機器等
を含むがこれらに限られない様々な電子デバイスに含めることができる。電子デバイスの
例は、基地局、無線ネットワークアクセスポイント、携帯電話機(例えばスマートフォン
)、タブレット、テレビ、コンピュータモニタ、コンピュータ、ハンドヘルドコンピュー
タ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車、ステレ
オシステム、ディスクプレーヤー、デジタルカメラ、携帯型メモリチップ、洗濯機、乾燥
機、コピー機、ファクシミリ装置、スキャナ、多機能周辺デバイス、腕時計、置時計等を
含むがこれらに限られない。さらに、電子デバイスは未完成の製品も含んでよい。
【0204】
まとめ
【0205】
文脈が明確にそうでないことを要求しない限り、明細書及び特許請求の範囲全体を通し
て、「含む」、「備える」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは逆の、包括的な意味
で、すなわち「~を含むがこれに限られない」意味で解釈されるべきである。ここで一般
に使用される用語「結合」は、2つ以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の中
間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。同様に、ここで一
般に使用される用語「接続」も、2つ以上の要素が、直接に接続されるか、又は一以上の
中間要素を経由して接続されるかのいずれかとなり得ることを言及する。加えて、本願に
おいて使用される場合、用語「ここで」、「上」、「下」、及び同様の意味の用語は、本
願全体を言及するものとし、本願のいずれか特定の部分を言及するわけではない。文脈上
許容される場合、単数又は複数の数を使用する上記の詳細な説明における用語は、それぞ
れ複数又は単数の数も含み得る。2つ以上の項目のリストを参照する「又は」及び「若し
くは」という用語は、その用語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リ
スト内の項目のすべて、及びリスト内の項目の任意の組み合わせ、のすべてをカバーする
。
【0206】
さらに、具体的に記述されない限り、又は使用される文脈内でそうでないと理解されな
い限り、とりわけ「できる」、「し得る」、「してよい」、「かもしれない」、「例えば
」、「のような」等のようなここで使用される条件的言語は一般に、所定の実施形態が所
定の特徴、要素、及び/又は状態を含む一方で他の実施形態は含まないことを意図する。
すなわち、かかる条件的言語は一般に、特徴、要素及び/若しくは状態が、一以上の実施
形態に必要な任意の態様で存在すること、又は一以上の実施形態が、著者のインプット若
しくはプロンプトあり若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が含まれ
るか否か、若しくは任意の特定の実施形態において行われるべきか否かを決定する論理を
必ず含むこと、を含意することが意図されていない。
【0207】
本発明の実施形態の上記説明は、網羅的であることを意図したものではなく、又は上記
開示の正確な形態に本発明を限定することを意図したものでもない。本発明の特定の実施
形態及び例は、説明目的のために上述されているが、当業者が認識するように、本発明の
範囲内で様々な等価な修正例が可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序
で提示される一方、代替の実施形態が異なる順序でステップを有するルーチンを実行し又
はブロックを有するシステムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは、
削除、移動、追加、細分化、結合及び/又は修正され得る。これらのプロセス又はブロッ
クはそれぞれが、様々な異なる態様で実装してよい。また、プロセス又はブロックは、直
列に実行されるように示されることがある一方、これらのプロセス又はブロックは、その
代わりに並列に実行されてもよく、又は異なる時刻に実行されてもよい。
【0208】
ここに与えられる本発明の教示は、必ずしも上述のシステムというわけではない他のシ
ステムに適用することができる。上述の様々な実施形態の要素及び作用は、さらなる実施
形態を与えるべく組み合わせてよい。
【0209】
本発明の所定の実施形態が記載されてきたが、これらの実施形態は例としてのみ提示さ
れており、本開示の範囲を限定することを意図しない。実際のところ、ここに記載される
新規な方法及びシステムは、様々な他の形式で具体化してよく、さらには、ここに記載さ
れる方法及びシステムの形式の様々な省略、置換及び変更を、本開示の要旨から逸脱する
ことなく行ってよい。添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物は、本開示の範囲及び要
旨に収まるような形式又は修正をカバーすることが意図される。