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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-08
(45)【発行日】2025-09-17
(54)【発明の名称】電池システム監視装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20250909BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/02 X
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024511134
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2022016903
(87)【国際公開番号】W WO2023188397
(87)【国際公開日】2023-10-05
【審査請求日】2024-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】505083999
【氏名又は名称】ビークルエナジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】有馬 智行
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-010562(JP,A)
【文献】特開2014-121231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の単電池の状態を監視する電池システム監視装置であって、
前記複数の単電池の電圧に含まれるリップルノイズを第1の時定数に基づいて除去する第1ノイズ除去部と、
前記第1ノイズ除去部により前記リップルノイズが除去された前記複数の単電池の電圧を合計して合計電圧を演算する合計電圧演算部と、
前記複数の単電池の直列接続された最上位の単電池の正極と最下位の単電池の負極との間の電圧である直列電圧に含まれる前記リップルノイズを、前記第1の時定数とは異なる第2の時定数に基づいて除去する第2ノイズ除去部と、
前記第2ノイズ除去部により前記リップルノイズが除去された前記直列電圧を測定する直列電圧測定部と、
前記合計電圧演算部により演算された前記合計電圧と前記直列電圧測定部により測定された前記直列電圧とに基づいて、低周波の前記リップルノイズの有無を判断して前記複数の単電池の状態の診断を許可するか否かを判断する診断許可判断部と、
前記診断許可判断部により前記低周波の前記リップルノイズが無く前記診断が可能と判断された場合に前記複数の単電池の状態の前記診断を実施するセル監視診断部と、を有することを特徴とする電池システム監視装置。
【請求項2】
前記診断許可判断部は、
前記合計電圧演算部により演算された前記合計電圧と前記直列電圧測定部により測定された前記直列電圧との差分が予め設定された閾値よりも大きいか否かに応じて前記複数の単電池の状態の前記診断を許可するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の電池システム監視装置。
【請求項3】
前記診断許可判断部は、
前記差分が前記閾値よりも大きい場合に前記診断を不許可とし、前記差分が前記閾値以下の場合に前記診断を許可することを特徴とする請求項2に記載の電池システム監視装置。
【請求項4】
前記複数の単電池の電圧は、セル電圧であることを特徴とする請求項1に記載の電池システム監視装置。
【請求項5】
前記複数の単電池の電圧は、放電電圧であることを特徴とする請求項1に記載の電池システム監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池システム監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などでは、所望の高電圧を確保するため、二次電池の単電池を多数直列接続した組電池(電池システム)が用いられている。このような組電池においては、集積回路を用いて各単電池の容量計算や保護管理を行っている。集積回路は、例えばセル電圧(単電池の端子間電圧)の計測と、充電状態すなわち残存容量の均等化(バランシング放電)を行う。そしてさらに、単電池やセルコントローラの各種診断も実施して、組電池の信頼性と安全性を高めている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-203593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組電池の信頼性と安全性をより高めるには、集積回路による診断の精度を向上させることが重要である。出願人は、鋭意研究の結果、セル電圧に重畳するノイズの印加の可能性を考慮することによって集積回路の診断精度を向上させることができることを見出した。
【0005】
本発明の目的は、集積回路の診断精度を向上させることができる電池システム監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明の電池システム監視装置は、
直列接続された複数の単電池の状態を監視する電池システム監視装置であって、
前記複数の単電池の電圧に含まれる第1のノイズを第1の時定数に基づいて除去する第1ノイズ除去部と、
該第1ノイズ除去部により前記第1のノイズが除去された前記複数の単電池の電圧を合計して合計電圧を演算する合計電圧演算部と、
前記複数の単電池の直列接続された最上位の単電池の正極と最下位の単電池の負極との間の電圧である直列電圧に含まれる第2のノイズを第2の時定数に基づいて除去する第2ノイズ除去部と、
該第2ノイズ除去部により前記第2のノイズが除去された前記直列電圧を測定する直列電圧測定部と、
前記合計電圧演算部により演算された前記合計電圧と前記直列電圧測定部により測定された前記直列電圧とに基づいて前記複数の単電池の状態の診断を許可するか否かを判断する診断許可判断部と、
該診断許可判断部により診断可能と判断された場合に前記複数の単電池の状態の診断を実施するセル監視診断部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による電池システム管理装置によれば、集積回路の診断精度を向上させることができる。本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の電池システム監視装置を含む電池システムを備えたハイブリッド自動車の構成例を示す図。
図2図1のセルコントローラ200の構成を示す図。
図3】セル監視ICの内部機能を説明する機能ブロック図。
図4】セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるノイズ除去の処理内容を説明するフローチャート。
図5】VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によるノイズ除去の処理内容を説明するフローチャート。
図6】セル監視ICによる診断の実施可否を判定するフローチャート。
図7】リップルノイズの有無に応じたセル合計電圧とVBLK電圧それぞれの電圧の差分ΔVを示すグラフ。
図8】セル合計電圧とVBLK電圧の差を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
本実施形態は、本発明に係る電池システム監視装置を、ハイブリッド自動車(HEV)などに用いられる駆動システムに対して適用した場合の例である。なお、本発明はHEVに限らず、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)や電気自動車(EV)、鉄道車両などに搭載される各種の駆動システムに対して幅広く適用可能である。
【0011】
以下の実施形態では、制御の最小単位となる蓄電・放電デバイスとして3.0~4.2V(平均出力電圧:3.6V)の範囲に電圧を持つリチウムイオン電池を想定しているが、これに限定されるものではなく、それ以外でも、充電状態を示すSOC(State of Charge)が高すぎる場合(過充電)や低すぎる場合(過放電)に使用が制限されるような、電気を蓄え放電可能なデバイスであればよく、ここでは、それらを総称して単電池あるいはセルと呼ぶ。
【0012】
本実施形態では、単電池を複数個(概ね数個から十数個)直列に接続したものをセルグループと呼び、このセルグループを複数個直列に接続したものを電池モジュールと呼ぶ。さらにこのセルグループあるいは電池モジュールを複数個直列または並列に接続したものを組電池と呼ぶ。各セルグループには、セル監視ICが各々設けられる。セル監視ICは、各単電池のセル電圧を検出し、各セル電圧の均等化を図るバランシング放電等を行いながら電池状態を監視及び制御する。
【0013】
<HEV用駆動システム>
図1は、本実施形態の電池システム監視装置100を備えたHEV用駆動システム10の構成例を示す図である。
HEV用駆動システム10は、電池システム監視装置100と、電池システム監視装置100に接続されたインバータ700と、インバータ700に接続されたモータ800を有している。電池システム監視装置100は、リレー600、610を介してインバータ700に接続されている。車両の発進・加速時には、電池システム監視装置100から放電された電力がインバータ700を通じてモータ800に供給されて、HEV10の図示されないエンジンをアシストする。車両停止・減速時には、モータ800からの回生電力がインバータ700を通じて電池システム監視装置100に供給されて充電される。
【0014】
なお、ここではインバータ700は、複数の半導体スイッチング素子を備えたインバータ回路と、半導体スイッチング素子のゲート駆動回路と、ゲート駆動回路をPWM制御するパルス信号を発生するモータコントローラとを備えているが、図1では省略されている。
【0015】
電池システム監視装置100は、主に、リチウムイオン電池である複数の単電池101から構成される組電池103と、各単電池101のセル電圧を組電池103のセルグループ102ごとに検出してバランシング放電動作等を行う電池監視・制御用のセル監視IC300を複数備えたセルコントローラ200と、セルコントローラ200の動作を制御し、各単電池101の状態判定を行うバッテリコントローラ500とを有する。
【0016】
本実施形態に示す電池システム監視装置100の例では、定格容量5.5Ahのリチウムイオン電池を単電池101として、これを96個直列に接続した組電池103を有している。バッテリコントローラ500は、絶縁素子群400を介して複数のセル監視IC300と通信を行い、組電池103を制御する。組電池103は、複数のセルグループ102を有している。セル監視IC300は、前述のように、セルグループ102毎に設けられている。
【0017】
セルコントローラ200は、これら複数のセル監視IC300を用いて、組電池103の管理を行う電池管理装置として機能する。組電池103とセルコントローラ200は、セル電圧検出・放電ライン201を介して互いに接続されている。
【0018】
バッテリコントローラ500は、複数の単電池間の充電状態をバランシングさせるときに、複数の単電池101の放電を制御する。バッテリコントローラ500は、総電圧検出回路501と、充放電電流検出回路502と、マイクロコンピュータ504とを備えている。総電圧検出回路501は、組電池103の総電圧を測定する。充放電電流検出回路502は、電流センサ503に接続されており、電流センサ503の検出信号に基づいて組電池103に流れる充放電電流を検出する。マイクロコンピュータ504は、セルコントローラ200とインバータ700及び図示されない車両制御システムなどの上位車両コントローラ(不図示)との間で通信を行い、バッテリコントローラ500の全体を制御する。なお、総電圧検出回路501は、組電池103の総電圧を測定できればよく、図1のようにバッテリコントローラ500の内部に設けられていなくともよい。
【0019】
インバータ700の内部にも、組電池103の総電圧を検出する総電圧検出回路701が設けられている。また、図1には示されていないが、バッテリコントローラ500は、セル監視IC300に接続された温度検出回路によって測定された単電池101の温度に基づいて、電池状態のパラメータの温度補正を行っている。
【0020】
なお、図1では省略されているが、セルコントローラ200とバッテリコントローラ500は、一つの基板の上に設けられており、これらは金属製のケースに収納されている。また、組電池103も金属製のケースに収納されている。セルコントローラ200と組電池103とは、複数の電圧検出線や単電池101の温度センサ(不図示)の接続線等が束ねられたハーネスで接続されている。
【0021】
この電池システム監視装置100では、起動後に以下の動作が行われる。バッテリコントローラ500は、セルコントローラ200に対して、各単電池101のOCV(開路電圧)測定を行う指令を送信する。バッテリコントローラ500からセルコントローラ200に対する指令の送信は、絶縁素子群400を介して行われる。この指令に応じてセルコントローラ200では、各単電池101のOCVの測定が行われる。そして、セルコントローラ200で測定された各単電池101のOCVのデータは、セルコントローラ200からセルグループ単位でバッテリコントローラ500に送信される。セルコントローラ200からバッテリコントローラ500へのデータ送信も絶縁素子群400を介して行われる。
【0022】
バッテリコントローラ500は、受信した各単電池101のOCVをSOCに変換し、各単電池101のSOCの偏差を算出する。複数の単電池101のうち、SOCの偏差が所定の値よりも大きい単電池101がバランシング放電を行う対象となる。そして、バランシング放電の対象となった単電池101のSOCの偏差が0となるまでの時間が計算される。そして、この時間だけバランシング放電の対象となった単電池101のセル放電スイッチ321をオンとする制御動作を行う指令が、バッテリコントローラ500からセルコントローラ200に送られる。この指令に応じて、セルコントローラ200では、バランシング対象の単電池101のセル放電スイッチ321がオンに制御され、バランシング対象の単電池101の放電が行われる。
【0023】
上記で測定された各単電池101のOCVから、組電池103のSOCが算出された後、インバータ700あるいは上位車両コントローラがリレー600とリレー610とをオンとして、電池システム監視装置100がインバータ700に接続される。そして、上位車両コントローラからの充放電指令をインバータ700が受けると、インバータ700が動作してモータ800を駆動するとともに、電池システム監視装置100の充放電動作が行われる。
【0024】
リレー600及びリレー610をオンとして電池システム監視装置100が充放電を開始する時から、バッテリコントローラ500は、総電圧検出回路501及び充放電電流検出回路502を用いて、一定時間毎に総電圧と充放電電流を測定する。得られた総電圧と充放電電流の値から、バッテリコントローラ500は組電池103の充電状態(SOC)と内部抵抗(DCR)をリアルタイムに算出する。さらに、これらの値から、組電池103が充放電可能な電流あるいは電力をリアルタイムに算出して、インバータ700に送信する。インバータ700は、その電流あるいは電力の範囲内で充放電電流あるいは電力を制御する。
【0025】
図2は、セルコントローラ200の内部構成を示す説明図である。
図2には、1つのセルグループ102と、そのセルグループ102に対応するセル監視IC300が示されている。各セルグループ102は、n-1個(nは整数)の単電池101(セル1~セルn-1とする)を直列に接続することによって構成されている。
【0026】
セルグループ102とこれを制御するセル監視IC300は、n個のセル電圧検出・放電ライン201(CL1~CLn)を介して互いに接続されている。n個のセル電圧検出・放電ライン201(CL1~CLn)は、単電池101側が組電池103の各単電池101の正極端子と負極端子に接続されている。そして、セル監視IC側が、n個のセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)と、n個のセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)とにそれぞれ分岐される。各々のセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)は、セル入力抵抗Rcv221を介してセル監視IC300の電圧検出用のCV端子(CV1~CVn)に接続される。セル監視IC300のCV端子間には、セル入力コンデンサCcv222が接続されている。セル入力コンデンサCcv222は、ノイズ対策用に設けられているバイパスコンデンサである。セル入力コンデンサCcv222は、セル監視ICの診断(詳細は省略)の誤診断を防止するためのものであり、インバータ700の動作に起因するリップル電圧等のノイズを誤検出しないようにしている。
【0027】
そして、バランシング動作用のセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)は、バランシング抵抗Rbs231を介してセル監視IC300のBS端子(BS1~BSn)に接続される。セル監視IC300のBS端子間には、バランシングコンデンサCbs232が接続されている。バランシングコンデンサCbs232は、ノイズ対策用に設けられているバイパスコンデンサである。バランシングコンデンサCbs232は、セル監視ICの診断(詳細は省略)の誤診断を防止するためのものであり、インバータ700の動作に起因するリップル電圧等のノイズで誤検出しないようにしている。
【0028】
セルコントローラ200は、セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220と、セル電圧放電ラインRCフィルタ回路230と、VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240を有している。セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220は、セル電圧検出ライン202(SL1~SLn)においてセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)とセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)の分岐点とセル監視IC300との間に設けられる。セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220は、セル電圧検出ライン202(SL1~SLn)からセル監視IC300に入力される各単電池101の電圧信号に重畳された高周波ノイズを除去するためのものであり、セル入力抵抗Rcv221とセル入力コンデンサCcv222を有するRCフィルタによって構成されている。セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220は、第1の時定数を有している。セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220は、複数の単電池101のセル電圧に含まれる第1のノイズを第1の時定数に基づいて除去する第1ノイズ除去部を構成する。
【0029】
セル電圧放電ラインRCフィルタ回路230は、バランシング抵抗Rbs231とバランシングコンデンサCbs232を有するRCフィルタによって構成されている。バランシング抵抗Rbs231は、放電時にセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)に流れるセル放電電流を調整するための抵抗素子であり、セル電圧放電ライン203(BL1~BLn)においてセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)とセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)との分岐点とセル監視IC300の間にそれぞれ設けられる。
【0030】
VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240は、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧に重畳されたノイズを除去するためのものであり、VBLK電圧ライン入力抵抗211とVBLK電圧ライン入力コンデンサ212を有するRCフィルタによって構成されている。VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240は、セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220の第1の時定数とは異なる第2の時定数を有している。
【0031】
VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240のVBLK電圧ライン入力抵抗211は、VBLK電圧ライン205に設けられている。VBLK電圧ライン205は、一端がセルグループ102の最上位、すなわち最も高電位側に配置されている単電池101の正極側に接続され、他端がセル監視IC300のVBLK端子に接続されている。VBLK電圧ライン205は、セルグループ102を構成する全ての単電池101を直列に接続したセルグループ全体の電圧(VBLK電圧)を測定するのに用いられる。VBLK電圧ライン入力コンデンサ212は、一端がVBLK電圧ライン205に接続され、他端がGNDラインGL206に接続されている。VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240は、複数の単電池101の直列接続された最上位の単電池101の正極と最下位の単電池101の負極との間の直列電圧であるVBLK電圧に含まれる第2のノイズを第2の時定数に基づいて除去する第2ノイズ除去部を構成する。
【0032】
セル監視IC300は、セル電圧検出部310、バランシングスイッチ回路320、及びセル放電制御部330を備えている。セル電圧検出部310は、n個のセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)により各単電池101のセル電圧をそれぞれ検出する。バランシングスイッチ回路320は、セル監視IC300のBS端子(BS1~BSn)に接続される複数のセル放電スイッチ321を有している。セル放電スイッチ321は、オンによりセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)からバランシング抵抗Rbs231を通じて当該セルのセル放電電流を流す。セル放電制御部330は、セル電圧放電ライン203(BL1~BLn)のうち、放電対象の単電池101に対応するセル放電スイッチ321を制御する。
【0033】
セル監視IC300の電源端子VCCは、セル監視IC300の電源ラインPL204によりセルグループ102の最上位、すなわち最も高電位側に配置されている単電池101の正極側に接続される。セル監視IC300のGND端子は、セル監視IC300のGNDラインGL206により、セルグループ102の最下位、すなわち最も低電位側に配置されている単電池101の負極側に接続される。
【0034】
なお、図2では、組電池103においてn-1個の単電池101が直列に接続された例を示しているが、組電池103の構成は、電池セルを並列に接続したものをさらに直列に接続するなど、他の構成であってもよく、電池セルの個数も限定されない。
【0035】
上記構成を有するセル監視IC300は、n個のセル電圧検出・放電ライン201(CL1~CLn)から分岐されたn個のセル電圧検出ライン202(SL1~SLn)により各単電池101のセル電圧を検出する。セル監視IC300は、セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220により第1のノイズが除去された各単電池101のセル電圧を検出する。また、セル監視IC300は、n個のセル電圧検出・放電ライン201(CL1~CLn)から分岐されたn個のセル電圧放電ライン203(BL1~BLn)により各単電池101の放電電圧を検出する。セル監視IC300は、セル電圧放電ラインRCフィルタ回路230により第2のノイズが除去された各単電池101の放電電圧を検出する。
【0036】
電池システム監視装置100は、セル監視IC300による各単電池101の電圧検出結果に基づいて、組電池103を制御及び監視するための所定の動作を実行する。例えば、各単電池101の充電状態(SOC)を推定し、単電池101間で充電状態にばらつきが生じている場合は、セル電圧放電ライン203(BL1~BLn)のうち、放電対象の単電池101に対応するセル放電スイッチ321をオンに制御する。そして、セル電圧放電ライン203を介してセル放電電流を流すことにより、各単電池101の充電状態を均一化するための放電を行う。この他にも、電池システム監視装置100は、セル監視IC300により検出された各単電池101のセル電圧に基づいて、様々な処理や制御を行う。
【0037】
セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220は、インバータ700の動作に起因してセル電圧に重畳するリップル電圧を主とするノイズを抑制する。単電池101の両端の電圧端子は、バランシング抵抗Rbs231を通じてセル監視IC300のBS端子に接続される。セル放電スイッチ321をオンにすると、バランシング抵抗Rbs231を通じて当該単電池101のセル放電電流が流れて放電される。
【0038】
不図示だがCV端子は、セル監視IC300の内部でマルチプレクサの入力端子に接続されている。マルチプレクサは、各々の単電池101を選択して、その正極電位と負極電位を出力するもので、ロジック部のマルチプレクサ入力選択レジスタからの出力で制御される。マルチプレクサの出力は、差動増幅器を通じて各単電池101の端子間電圧に変換され、その電圧はADコンバータでデジタル値に変換される。ADコンバータの動作は、ロジック部で制御され、ADコンバータの出力は、ロジック部で処理される。すなわち、差動増幅器とADコンバータとで電圧測定を行っている。
【0039】
このADコンバータには、例えば逐次比較型等の高速なADコンバータを採用している。このような高速なADコンバータを用いることで、マルチプレクサの診断(詳細は省略)などを高速に行うことができるようになっている。
【0040】
高速なADコンバータは信号にノイズ成分があると、これをそのまま検出してAD変換してしまう。このため、本実施形態では、端子間電圧測定用のCV端子に接続されているセル電圧検出ライン202の各々にセル入力抵抗Rcv221とセル入力コンデンサCcv222を設けてRCフィルタを構成している。そして、RCフィルタによってノイズを除去してから、セル監視IC内のマルチプレクサ、差動増幅器を経由してADコンバータに入力されるようにしている。したがって、例えばインバータ700の動作に起因してセル電圧に重畳する高周波リップルノイズが印加された場合であっても、その高周波リップルノイズを除去し、セル監視IC300による診断への影響を抑えることができる。
【0041】
例えば、このCV端子のRCフィルタのカットオフ周波数は50Hz程度となるようにしている。これにより、インバータ700の半導体スイッチング素子のスイッチングによるノイズ(p-pで約20%、20kHz程度)は1/100以下にすることができる。バランシング抵抗Rbs231とバランシングコンデンサCbs232で構成されるセル電圧放電ラインRCフィルタ回路230の時定数は小さいので、バランシング電流検出での断線判定(詳細は省略)を高速に行うことができる。
【0042】
本実施形態のセルコントローラ200は、セル電圧検出ライン202のセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220と、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧ラインRCフィルタ回路240とが、互いに異なる時定数(第1の時定数と第2の時定数)を有している。
フィルタ回路をRCフィルタで構成した場合、時定数及びカットオフ周波数は、以下の式(1)、(2)で表される。
時定数τ=R×C・・・(1)
カットオフ周波数fc=1/(2・π・τ)=1/(2・π・R・C)・・・(2)
【0043】
例えば、リップルノイズ周波数fnoiseが1kHzのリップルノイズが回路に印加される場合、セル電圧検出ライン202のセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるカットオフ周波数fc(Cn)を、数10kHzに設定し、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によるカットオフ周波数fc(VBLK)を、数100Hz程度に設定する。
周波数の関係性は、以下の式(3)となる。
fc(Cn)>fnoise>fc(VBLK)・・・(3)
【0044】
セル電圧検出ライン202のセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるカットオフ周波数fc(Cn)は、リップルノイズ周波数fnoiseより大きいため、リップルノイズの減衰は小さく、セル監視IC300で測定するRCフィルタ後段(セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220後段)のセル電圧は、リップルノイズが重畳した測定電圧となる。
【0045】
一方、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によるカットオフ周波数fc(VBLK)は、リップルノイズ周波数fnoiseより小さいため十分減衰され、セル監視IC300によるRCフィルタ後段(VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240後段)のVBLK電圧の測定値は、リップルノイズが除去された測定電圧となる。
【0046】
式(4)のようにセル監視IC300で得られた各単電池101(セル1からセルn-1)のセル電圧を足し合わせたセル合計電圧と、VBLK電圧との差分ΔVをとると、VBLK電圧は、ノイズが除去されているが、セル電圧には、リップルノイズが重畳しているため、大きい差が生じる。
|VBLK電圧-セル合計電圧|=ΔV・・・(4)
【0047】
例えば回路にリップルノイズ周波数fnoiseが20kHzのリップルノイズが印加される場合、セル電圧検出ライン202のセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるカットオフ周波数fc(Cn)を、数10kHzに設定し、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によるカットオフ周波数fc(VBLK)を、数100Hzに設定する。
周波数の関係性は、以下の式(5)となる。
fc(noise)>fc(Cn)>fc(VBLK)・・・(5)
【0048】
セル電圧検出ライン202のカットオフ周波数fc(Cn)は、リップルノイズ周波数fnoiseより小さいため、十分減衰され、セル監視IC300で測定するRCフィルタ後段(セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220後段)のセル電圧は、リップルノイズが除去された測定電圧となる。
【0049】
一方、VBLK電圧ライン205のRCフィルタのカットオフ周波数fc(VBLK)は、リップルノイズ周波数fnoiseより小さいため十分減衰され、セル監視IC300によるRCフィルタ後段(VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240後段)のVBLK電圧測定値は、リップルノイズが除去された測定電圧となる。
【0050】
式(4)のようにセル監視IC300で得られた各単電池101(セル1からセルn-1)のセル電圧を足し合わせたセル合計電圧と、VBLK電圧との差分ΔVをとると、セル合計電圧とVBLK電圧は両方ともノイズが除去されているため、差分ΔVは小さくなる。
【0051】
以上より、セル電圧検出ライン202のカットオフ周波数とVBLK電圧ライン205のカットオフ周波数との違いにより、例えば低い周波数のリップルノイズが回路に印加された場合には、セル合計電圧とVBLK電圧値との差が大きいが、高い周波数のリップルノイズが印加された場合には、セル合計電圧とVBLK電圧値との差は小さい。このように、互いに時定数が異なるRCフィルタ回路を用いてセル合計電圧とVBLK電圧のノイズ除去処理を行い、ノイズ除去処理後のセル合計電圧とVBLK電圧との差分ΔVをとることで、低周波リップルノイズの有無を検出することができる。
【0052】
図7においてグラフにて説明する。
図7は、10個の単電池101を用いた電池システム監視装置において、リップルノイズがあるときとリップルノイズがないときのセル1からセル10のセル合計電圧の偏差と、リップルノイズがあるときとリップルノイズがないときのVBLK電圧の偏差を示すグラフである。図7に示す例では、リップルノイズがないときのセル1からセル10のセル合計電圧とVBLK電圧のセル監視IC300で測定するRCフィルタ後段の電圧の測定結果と、リップルノイズを1kHzから20kHzまで印加した場合のセル1からセル10のセル合計電圧とVBLK電圧のセル監視IC300で測定するRCフィルタ後段の電圧の測定結果との偏差を示している。図7のグラフにおいて、横軸はリップルノイズの周波数であり、縦軸はリップルノイズを印加しているときと、印加していないときのセル合計電圧とVBLK電圧それぞれの電圧の差分ΔVとなる。
【0053】
セル電圧検出ライン202のセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるカットオフ周波数fc(Cn)は、数10kHz、VBLK電圧ライン205のRCフィルタのカットオフ周波数fc(VBLK)は数100Hzに設定する。
【0054】
リップルノイズ1kHz付近では、セル合計電圧は、fc(Cn)>fnoiseのため、偏差は±1500mVと大きく。VBLK電圧はfnoise>fc(VBLK)のため、偏差は±300mVと小さい。
【0055】
リップルノイズ20kHz付近では、セル合計電圧は、fc(noise)>fc(Cn)のため、偏差は±50mV以下と小さく、VBLK電圧もfc(noise)>fc(VBLK)のため偏差は±50mV以下と小さい。
【0056】
図8は、セル合計電圧とVBLK電圧の差を計算した結果となる。図8の横軸は、図7のセル合計電圧の偏差とVBLK電圧の偏差との差となる。
図8に示すように、セル合計電圧の偏差とVBLK電圧の偏差との差は、リップルノイズ1kHz付近では、1000mV以上と大きく、リップルノイズ20kHz付近では、50mV以下と小さい。したがって、セル合計電圧とVBLK電圧との差分ΔVが大きいときは低周波リップルノイズが回路に印加されていると判断することができる。このように、セル合計電圧とVBLK電圧との差分ΔVをとることで、低周波リップルノイズの有無を検出することができる。
【0057】
次に、セル監視ICにおいて診断を実施するか否かを判断する処理について説明する。
セル監視IC300は、セル電圧測定と均等化だけでなく、通信、IC内部電源、IC内部回路の各種診断を行って、自己の信頼性と安全性を高めている。セル監視IC300は、診断を行う前に低周波リップルノイズが印加されているか否かを判断する。そして、印加されていないと判断した場合に診断を実施し、印加されていると判断した場合には誤診断のリスクがあるとして診断を実施しない。
【0058】
図3は、セル監視ICの内部機能を説明する機能ブロック図、図4は、セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によるノイズ除去の処理内容を説明するフローチャート、図5は、VBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によるノイズ除去の処理内容を説明するフローチャート、図6は、セル監視ICによる診断の実施可否を判定するフローチャートである。
【0059】
まず、図4に示すように、セル電圧検出ラインRCフィルタ回路220によって、各単電池101の電圧からそれぞれ第1のノイズが除去される(S101)。第1のノイズが除去された後の各単電池101のセル電圧は、CV端子からセル監視IC300に入力される。そして、セル監視IC300のセル電圧検出部310によって、各単電池101のセル電圧がそれぞれ検出される(S102)。
【0060】
また、図5に示すように、VBLK電圧ライン205のVBLK電圧ラインRCフィルタ回路240によって、VBLK電圧から第2のノイズが除去される(S201)。第2のノイズが除去されたVBLK電圧は、VBLK端子からセル監視IC300に入力される。そして、セル監視IC300のセル電圧検出部310によって、VBLK電圧が検出される(S202)。
【0061】
そして、図3に示すように、セル監視IC300は、内部機能として、セル合計電圧演算部(合計電圧演算部)341と、VBLK電圧測定部(直列電圧測定部)342と、診断許可判断部343と、セル監視IC診断部(セル監視診断部)344とを有している。セル合計電圧演算部341は、セル監視IC300が対応するセルグループ102において、第1のノイズを除去済みの各単電池のセル電圧を合計してセル合計電圧を演算する(S401)。
【0062】
そして、VBLK電圧測定部342は、VBLK端子からセル監視IC300に入力される第2のノイズを除去済みのVBLK電圧を測定する(S402)。なお、ステップS401のセル合計電圧の算出と、ステップS402のVBLK電圧の測定の順番は、逆でも良く、また、同時でもよい。
【0063】
診断許可判断部343は、上記した式(4)により、第1のノイズを除去済みのセル合計電圧と、第2のノイズを除去済みのVBLK電圧との差分ΔVを演算する(S403)。そして、差分ΔVと予め設定された差分閾値(規定値)Vthとを比較し(S404)、差分ΔVの方が差分閾値Vthよりも大きいときは(S404でYES)、低周波リップルノイズが印加されていると判断し、セル監視IC300による診断をマスクし、セル監視IC診断部344による診断の実施を不許可とする(S406)。一方、差分ΔVが差分閾値Vth以下のときは(S404でNO)、低周波リップルノイズが印加されていないと判断し、セル監視IC診断部344による診断の実施を許可する(S405)。セル監視IC診断部344は、診断許可判断部343により、診断の実施が許可された場合に診断を行い、診断がマスクされた場合には、診断を行わない。
【0064】
例えば、セル合計電圧とVBLK電圧との差分閾値Vthを50mVとした場合、セル合計電圧とVBLK電圧の差分ΔVが50mVよりも大きいときは、低周波リップルノイズが印加されていると判断し、低周波リップルノイズの影響が大きいセル監視IC300の診断はマスクし、つまり、診断は行わない。一方、セル合計電圧とVBLK電圧の差分ΔVが閾値50mV以下のときは、低周波リップルノイズが印加されていないと判断し、診断を行う。
【0065】
例えば、インバータ700の動作に起因してセル電圧に重畳するリップルノイズが印加される可能性がある。高周波リップルノイズは、RCフィルタなどにより抑制することができるが、低周波リップルノイズにはRCフィルタの効果が小さく、低周波リップルノイズを抑制することが困難である。本実施形態の電池システム監視装置100によれば、セル監視IC300に低周波リップルノイズが印加されている状況か否かを正確に把握することができるので、セル監視IC300による診断においてノイズの印加の可能性を考慮したノイズ対策をとることができる。例えば、低周波リップルノイズが印加されている場合には、セル監視IC300による診断をマスクすることができる。したがって、セル監視IC300による診断においてノイズの影響を排除することができ、その診断精度を向上させることができる。
【0066】
上記した実施形態では、セル電圧検出ラインとVBLK電圧ライン205を用いた場合を例に説明したが、セル放電ラインにおいてもセル電圧は測定できる。セル放電ラインとVBLK電圧ラインの測定電圧を用いてもよい。つまり、複数の単電池101の放電電圧に含まれる第1のノイズを、セル電圧放電ラインRCフィルタ回路230により第1の時定数に基づいて除去し、そのノイズが除去された複数の単電池101の放電電圧をセル監視IC300で合計して合計電圧を演算する。そして、VBLK電圧に含まれるノイズをセル電圧検出ラインRCフィルタ回路220により第2の時定数に基づいて除去し、そのノイズが除去されたVBLK電圧をVBLK電圧測定部342で測定する。そして、合計電圧とVBLK電圧とに基づいて複数の単電池101の状態の診断を許可するか否かを判断し、診断可能と判断された場合に複数の単電池101の状態の診断を実施する構成としても良い。
【0067】
以上説明した各実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0068】
10・・・HEV用駆動システム、100・・・電池システム監視装置、101・・・単電池、102・・・セルグループ、103・・・組電池、200・・・セルコントローラ、201・・・セル電圧検出・放電ラインCL、202・・・セル電圧検出ラインSL、203・・・セル電圧放電ラインBL、204・・・電源ラインPL、205・・・VBLK電圧ライン、206・・・GNDラインGL、211・・・VBLK電圧ライン入力抵抗、212・・・VBLK電圧ライン入力コンデンサ、220・・・セル電圧検出ラインRCフィルタ回路(第1ノイズ除去部)、221・・・セル入力抵抗Rcv、222・・・セル入力コンデンサCcv、230・・・セル電圧放電ラインRCフィルタ回路、231・・・バランシング抵抗Rbs、232・・・バランシングコンデンサCbs、240・・・VBLK電圧ラインRCフィルタ回路(第2ノイズ除去部)、300・・・セル監視IC、341・・・セル合計電圧演算部(合計電圧演算部)、342・・・VBLK電圧測定部(直列電圧測定部)、343・・・診断許可判断部、344・・・セル監視IC診断部(セル監視診断部)、400・・・絶縁素子群、500・・・バッテリコントローラ、700・・・インバータ、800・・・モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8