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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-16
(45)【発行日】2025-09-25
(54)【発明の名称】単結晶シリコン基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250917BHJP
   B23K 26/53 20140101ALI20250917BHJP
   B23K 26/067 20060101ALI20250917BHJP
【FI】
H01L21/304 611Z
B23K26/53
B23K26/067
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021133117
(22)【出願日】2021-08-18
(65)【公開番号】P2023027820
(43)【公開日】2023-03-03
【審査請求日】2024-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 勇人
(72)【発明者】
【氏名】田畑 晋
(72)【発明者】
【氏名】平田 和也
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-158778(JP,A)
【文献】特開2019-140411(JP,A)
【文献】特開2011-155070(JP,A)
【文献】国際公開第2022/014107(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B23K 26/53
B23K 26/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び裏面のそれぞれに結晶面{100}が露出するように製造された単結晶シリコンインゴットから単結晶シリコン基板を製造する単結晶シリコン基板の製造方法であって、
保持テーブルの保持面に該裏面側が載置された該単結晶シリコンインゴットを該保持テーブルで保持する保持ステップと、
単結晶シリコンを透過する波長のレーザービームの集光点を該単結晶シリコンインゴットの内部に位置付けた状態で、該保持面に平行であり、かつ、該単結晶シリコンインゴットの結晶方位<100>との間で形成される鋭角の角度が5°以下である第1方向に沿って、該集光点と該単結晶シリコンインゴットとを相対的に移動させながら、該表面側から該単結晶シリコンインゴットに該レーザービームを照射することによって、該単結晶シリコンインゴットの内部の該第1方向に沿った直線状の領域に剥離層を形成する剥離層形成ステップと、
該保持面に平行であり、かつ、該第1方向と直交する第2方向に沿って、再度剥離層形成ステップを実施する際に該レーザービームの照射によって該集光点が形成される該単結晶シリコンインゴットの内部の位置を移動させる割り出し送りステップと、
該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施して該単結晶シリコンインゴットの内部の該第2方向における一端側の領域から他端側の領域まで該剥離層を形成した後、該剥離層を起点として該単結晶シリコンインゴットから該単結晶シリコン基板を分離する分離ステップと、
を含むことを特徴とする単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項2】
該剥離層形成ステップでは、該第2方向に沿って並ぶ複数の集光点が生じるように、該レーザービームを分岐することを特徴とする、請求項1に記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項3】
該剥離層形成ステップでは、結晶面{N10}(Nは、0を除く絶対値が10以下の整数)に含まれる結晶面であって、該単結晶シリコンインゴットの結晶方位<100>のうち該第1方向との間で形成される鋭角の角度が5°以下である結晶方位に平行な結晶面に沿って亀裂が伸展することを特徴とする、請求項1または2に記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項4】
該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施して該一端側の領域から該他端側の領域まで該剥離層を形成した後に、再度該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項5】
該剥離層形成ステップの後、かつ、該割り出し送りステップの前に、再度該剥離層形成ステップを実施することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項6】
該剥離層形成ステップでは、該第2方向に沿った幅が所定の長さになるように該剥離層を形成し、
該割り出し送りステップでは、該第2方向に沿った移動距離が該所定の長さ以上になるように、該レーザービームの照射によって該集光点が形成される該単結晶シリコンインゴットの内部の位置を移動させることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【請求項7】
該保持ステップの前に、該単結晶シリコンインゴットの該表面を研削又は研磨して平坦化する平坦化ステップを含むことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の単結晶シリコン基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面及び裏面のそれぞれに結晶面{100}が露出するように製造された単結晶シリコンインゴットから単結晶シリコン基板を製造する単結晶シリコン基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのチップは、一般的に、円盤状の単結晶シリコン基板(以下、単に「基板」ともいう。)を用いて製造される。この基板は、例えば、ワイヤーソーを用いて円柱状の単結晶シリコンインゴット(以下、単に「インゴット」ともいう。)から切り出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-262826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インゴットからワイヤーソーを用いて基板を切り出す際の切り代は、300μm前後であり、比較的大きい。また、このように切り出された基板の表面には微細な凹凸が形成され、また、この基板は全体的に湾曲する(基板に反りが生じる)。そのため、この基板においては、その表面に対してラッピング、エッチング及び/又はポリッシングを実施して表面を平坦化する必要がある。
【0005】
この場合、最終的に基板として利用される単結晶シリコンの素材量は、インゴット全体の素材量の2/3程度である。すなわち、インゴット全体の素材量の1/3程度は、インゴットからの基板の切り出し及び基板の平坦化の際に廃棄される。そのため、このようにワイヤーソーを用いて基板を製造する場合には生産性が低くなる。
【0006】
この点に鑑み、本発明の目的は、生産性が高い単結晶シリコン基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、表面及び裏面のそれぞれに結晶面{100}が露出するように製造された単結晶シリコンインゴットから単結晶シリコン基板を製造する単結晶シリコン基板の製造方法であって、保持テーブルの保持面に該裏面側が載置された該単結晶シリコンインゴットを該保持テーブルで保持する保持ステップと、単結晶シリコンを透過する波長のレーザービームの集光点を該単結晶シリコンインゴットの内部に位置付けた状態で、該保持面に平行であり、かつ、該単結晶シリコンインゴットの結晶方位<100>との間で形成される鋭角の角度が5°以下である第1方向に沿って、該集光点と該単結晶シリコンインゴットとを相対的に移動させながら、該表面側から該単結晶シリコンインゴットに該レーザービームを照射することによって、該単結晶シリコンインゴットの内部の該第1方向に沿った直線状の領域に剥離層を形成する剥離層形成ステップと、該保持面に平行であり、かつ、該第1方向と直交する第2方向に沿って、再度剥離層形成ステップを実施する際に該レーザービームの照射によって該集光点が形成される該単結晶シリコンインゴットの内部の位置を移動させる割り出し送りステップと、該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施して該単結晶シリコンインゴットの内部の該第2方向における一端側の領域から他端側の領域まで該剥離層を形成した後、該剥離層を起点として該単結晶シリコンインゴットから該単結晶シリコン基板を分離する分離ステップと、を含む単結晶シリコン基板の製造方法が提供される。
【0008】
さらに、該剥離層形成ステップでは、該第2方向に沿って並ぶ複数の集光点が生じるように、該レーザービームを分岐することが好ましい。
【0009】
また、該剥離層形成ステップでは、結晶面{N10}(Nは、0を除く絶対値が10以下の整数)に含まれる結晶面であって、該単結晶シリコンインゴットの結晶方位<100>のうち該第1方向との間で形成される鋭角の角度が5°以下である結晶方位に平行な結晶面に沿って亀裂が伸展することが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施して該一端側の領域から該他端側の領域まで該剥離層を形成した後に、再度該剥離層形成ステップと該割り出し送りステップとを繰り返し実施することが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、該剥離層形成ステップの後、かつ、該割り出し送りステップの前に、再度該剥離層形成ステップを実施することが好ましい。
【0012】
また、該剥離層形成ステップでは、該第2方向に沿った幅が所定の長さになるように該剥離層を形成し、該割り出し送りステップでは、該第2方向に沿った移動距離が該所定の長さ以上になるように、該レーザービームの照射によって該集光点が形成される該単結晶シリコンインゴットの内部の位置を移動させることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、該保持ステップの前に、該単結晶シリコンインゴットの該表面を研削又は研磨して平坦化する平坦化ステップを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、単結晶シリコンインゴットの内部に剥離層を形成した後、この剥離層を起点として単結晶シリコンインゴットから単結晶シリコン基板を分離する。これにより、単結晶シリコンインゴットからワイヤーソーを用いて単結晶シリコン基板を製造する場合と比較して、単結晶シリコン基板の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、単結晶シリコンインゴットの一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、単結晶シリコンインゴットの一例を模式的に示す平面図である。
図3図3は、単結晶シリコン基板の製造方法の一例を模式的に示すフローチャートである。
図4図4は、レーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、レーザービーム照射ユニットにおいてレーザービームが進行する様子を模式的に示す図である。
図6図6は、保持ステップ後のインゴット及び保持テーブルを模式的に示す平面図である。
図7図7は、インゴットにレーザービームを照射する様子を模式的に示す断面図である。
図8図8は、インゴットの内部に形成される隣接する剥離層を模式的に示す断面図である。
図9図9は、分離ステップを超音波付与装置において実施する様子を模式的に示す側面図である。
図10図10は、それぞれが異なる結晶方位に沿った直線状の領域にレーザービームを照射した時にインゴットの内部に形成される剥離層の幅を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、単結晶シリコンインゴットの一例を模式的に示す斜視図であり、図2は、単結晶シリコンインゴットの一例を模式的に示す平面図である。なお、図1においては、このインゴットに含まれる平面において露出する単結晶シリコンの結晶面も示されている。また、図2においては、このインゴットを構成する単結晶シリコンの結晶方位も示されている。
【0017】
図1及び図2に示されるインゴット11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれに結晶面{100}(ここでは、便宜上、結晶面(100)とする。)が露出する円柱状の単結晶シリコンからなる。すなわち、このインゴット11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれの垂線(結晶軸)が結晶方位[100]に沿う円柱状の単結晶シリコンからなる。
【0018】
なお、インゴット11は、表面11a及び裏面11bのそれぞれに結晶面(100)が露出するように製造されるものの、製造時の加工誤差等に起因して、その表面11a及び裏面11bのそれぞれが結晶面(100)から僅かに傾いた面となっていてもよい。具体的には、インゴット11の表面11a及び裏面11bのそれぞれは、結晶面(100)との間で形成される鋭角の角度が1°以下の面であってもよい。すなわち、インゴット11の結晶軸は、結晶方位[100]との間で形成される鋭角の角度が1°以下の方向に沿っていてもよい。
【0019】
また、インゴット11の側面にはオリエンテーションフラット13が形成されており、このオリエンテーションフラット13からみて結晶方位<110>(ここでは、便宜上、結晶方位[011]とする。)にインゴット11の中心Cが位置する。すなわち、このオリエンテーションフラット13においては、単結晶シリコンの結晶面(011)が露出している。
【0020】
図3は、インゴット11から基板を製造する単結晶シリコン基板の製造方法の一例を模式的に示すフローチャートである。端的には、この方法においては、レーザー加工装置を用いてインゴット11の内部に剥離層を形成した後、この剥離層を起点としてインゴット11から基板を剥離する。
【0021】
図4は、この方法において用いられるレーザー加工装置の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図4に示されるX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)は、水平面上において互いに直交する方向であり、また、Z軸方向(上下方向)は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(鉛直方向)である。
【0022】
図4に示されるレーザー加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を有する。この基台4の上面には、水平移動機構6が配置されている。そして、水平移動機構6は、基台4の上面に固定され、かつ、Y軸方向に沿って延在する一対のY軸ガイドレール8を有する。
【0023】
一対のY軸ガイドレール8の上面側には、一対のY軸ガイドレール8に沿ってスライド可能な態様でY軸移動プレート10が連結されている。また、一対のY軸ガイドレール8の間には、Y軸方向に沿って延在するねじ軸12が配置されている。このねじ軸12の前端部(一端部)には、ねじ軸12を回転させるためのモータ14が連結されている。
【0024】
また、ねじ軸12の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸12の表面を転がるボールを収容するナット部(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸12が回転するとボールがナット部内を循環してナット部がY軸方向に沿って移動する。
【0025】
さらに、このナット部は、Y軸移動プレート10の下面側に固定されている。そのため、モータ14でねじ軸12を回転させれば、ナット部とともにY軸移動プレート10がY軸方向に沿って移動する。また、Y軸移動プレート10の上面には、X軸方向に沿って延在する一対のX軸ガイドレール16が固定されている。
【0026】
一対のX軸ガイドレール16の上面側には、一対のX軸ガイドレール16に沿ってスライド可能な態様でX軸移動プレート18が連結されている。また、一対のX軸ガイドレール16の間には、X軸方向に沿って延在するねじ軸20が配置されている。このねじ軸20の一端部には、ねじ軸20を回転させるためのモータ22が連結されている。
【0027】
また、ねじ軸20の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸20の表面を転がるボールを収容するナット部(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、ねじ軸20が回転するとボールがナット部内を循環してナット部がX軸方向に沿って移動する。
【0028】
さらに、このナット部は、X軸移動プレート18の下面側に固定されている。そのため、モータ22でねじ軸20を回転させれば、ナット部とともにX軸移動プレート18がX軸方向に沿って移動する。
【0029】
X軸移動プレート18の上面側には、円柱状のテーブル基台24が配置されている。このテーブル基台24の上部には、インゴット11を保持する保持テーブル26が配置されている。この保持テーブル26は、例えば、X軸方向及びY軸方向に対して平行な円状の上面(保持面)を有し、この保持面においてはポーラス板26aが露出している。
【0030】
また、テーブル基台24の下部には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。そして、この回転駆動源が動作すると、保持テーブル26は、保持面の中心を通り、かつ、Z軸方向に平行な直線を回転軸として回転する。また、上述した水平移動機構6が動作すると、保持テーブル26は、X軸方向及び/又はY軸方向に沿って移動する。
【0031】
さらに、ポーラス板26aは、保持テーブル26の内部に設けられた流路等を介して真空ポンプ等の吸引源(不図示)と連通している。そして、この吸引源が動作すると、保持テーブル26の保持面近傍の空間に負圧が生じる。これにより、例えば、保持面に裏面11b側が載置されたインゴット11を保持テーブル26で保持することができる。
【0032】
また、基台4の後方の領域上には、Y軸方向及びZ軸方向に対して概ね平行な側面を有する支持構造30が設けられている。この支持構造30の側面には、鉛直移動機構32が配置されている。そして、鉛直移動機構32は、支持構造30の側面に固定され、かつ、Z軸方向に沿って延在する一対のZ軸ガイドレール34を有する。
【0033】
一対のZ軸ガイドレール34の表面側には、一対のZ軸ガイドレール34に沿ってスライド可能な態様でZ軸移動プレート36が連結されている。また、一対のZ軸ガイドレール34の間には、Z軸方向に沿って延在するねじ軸(不図示)が配置されている。このねじ軸の上端部(一端部)には、ねじ軸を回転させるためのモータ38が連結されている。
【0034】
また、ねじ軸の螺旋状の溝が形成された表面には、回転するねじ軸の表面を転がるボールを収容するナット部(不図示)が設けられ、ボールねじが構成されている。すなわち、このねじ軸が回転するとボールがナット部内を循環してナット部がZ軸方向に沿って移動する。
【0035】
さらに、このナット部は、Z軸移動プレート36の裏面側に固定されている。そのため、モータ38で一対のZ軸ガイドレール34の間に配置されているねじ軸を回転させれば、ナット部とともにZ軸移動プレート36がZ軸方向に沿って移動する。
【0036】
Z軸移動プレート36の表面側には、支持具40が固定されている。この支持具40は、レーザービーム照射ユニット42の一部を支持する。図5は、レーザービーム照射ユニット42においてレーザービームLBが進行する様子を模式的に示す図である。なお、図5においては、レーザービーム照射ユニット42の構成要素の一部が機能ブロックで示されている。
【0037】
レーザービーム照射ユニット42は、基台4に固定されたレーザー発振器44を有する。このレーザー発振器44は、例えば、レーザー媒質としてNd:YAG等を有し、単結晶シリコンを透過する波長(例えば、1064nm)のパルス状のレーザービームLBを出射する。
【0038】
このレーザービームLBは、その出力が減衰器46において調整された後、空間光変調器48に供給される。そして、空間光変調器48においては、レーザービームLBが分岐される。例えば、空間光変調器48は、後述する照射ヘッド52から出射されるレーザービームLBがY軸方向に沿って等間隔に並ぶ複数(例えば、5つ)の集光点を形成するようにレーザービームLBを分岐する。
【0039】
また、空間光変調器48において分岐されたレーザービームLBは、ミラー50によって反射されて照射ヘッド52へと導かれる。この照射ヘッド52には、レーザービームLBを集光する集光レンズ(不図示)等が収容されている。そして、この集光レンズで集光されたレーザービームLBは、保持テーブル26の保持面側に出射される。
【0040】
なお、図4に示されるように、照射ヘッド52は、円柱状のハウジング54の前端部に設けられている。そして、このハウジング54の後側の側面には、支持具40が固定されている。さらに、このハウジング54の前側の側面には、撮像ユニット56が固定されている。
【0041】
この撮像ユニット56は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、対物レンズと、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子とを有する。
【0042】
そして、上述した鉛直移動機構32が動作すると、照射ヘッド52、ハウジング54及び撮像ユニット56は、Z軸方向に沿って移動する。さらに、基台4上には、上述した構成要素を覆うカバー(不図示)が設けられている。このカバーの前面には、タッチパネル57が配置されている。
【0043】
このタッチパネル57は、例えば、静電容量方式又は抵抗膜方式のタッチセンサ等の入力装置と、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置とによって構成され、ユーザインターフェースとして機能する。
【0044】
図3に示される単結晶シリコン基板の製造方法においては、まず、インゴット11を保持テーブル26で保持する(保持ステップ:S1)。図6は、保持ステップ(S1)後のインゴット11及び保持テーブル26を模式的に示す平面図である。
【0045】
インゴット11は、表面11aが露出するように、裏面11b側が保持テーブル26の保持面に載置される。そして、このインゴット11の裏面11b側には、ポーラス板26aと連通する吸引源を動作させることによって生じる負圧が作用している。これにより、インゴット11が保持テーブル26で保持される。
【0046】
さらに、保持テーブル26は、インゴット11の側面に形成されたオリエンテーションフラット13からインゴット11の中心Cに向かう方向(単結晶シリコンの結晶方位[011])とX軸方向又はY軸方向とがなす鋭角の角度が45°となるようにインゴット11を保持する。このようなインゴット11の位置の調整は、例えば、撮像ユニット56による撮像によって形成された画像に基づいて、テーブル基台24の下部に連結されている回転駆動源によって保持テーブル26を回転させることによって行われる。
【0047】
次いで、保持テーブル26と照射ヘッド52とをX軸方向に沿って相対的に移動させながらインゴット11にレーザービームLBを照射することによって、インゴット11の内部の直線状の領域に剥離層を形成する(剥離層形成ステップ:S2)。例えば、剥離層形成ステップ(S2)においては、保持テーブル26をX軸方向に沿って移動させながらインゴット11にレーザービームLBを照射する。
【0048】
図7は、インゴット11の表面11a側からインゴット11にレーザービームLBを照射する様子を模式的に示す断面図である。このインゴット11は、例えば、単結晶シリコンの結晶方位[010]がX軸方向と平行になるように保持テーブル26に保持されている(図2及び図6等参照)。そのため、レーザービームLBは、単結晶シリコンの結晶方位[010]に沿って照射される。
【0049】
また、レーザービームLBは、分岐されており、その複数の集光点のそれぞれをインゴット11の内部に位置付けた状態で照射される。そして、複数の集光点のそれぞれを中心として、インゴット11の内部に単結晶シリコンの結晶構造が乱れた改質領域15aが形成される。すなわち、Y軸方向に沿って並ぶような複数の改質領域15aが形成される。
【0050】
この時、複数の改質領域15aのそれぞれからは、所定の結晶面に沿って亀裂15bが伸展する。その結果、複数の改質領域15aと、複数の改質領域15aのそれぞれから進展する亀裂15bとを含む剥離層15がインゴット11の内部に形成される。
【0051】
ここで、単結晶シリコンは、一般的に、結晶面{111}において最も劈開しやすく、結晶面{110}において2番目に劈開しやすい。そのため、例えば、インゴットを構成する単結晶シリコンの結晶方位<110>(例えば、インゴット11の側面に形成されたオリエンテーションフラット13からインゴット11の中心Cに向かう方向(結晶方位[011]))に沿って改質領域が形成されると、この改質領域から結晶面{111}に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
【0052】
他方、単結晶シリコンの結晶方位<100>に沿った直線状の領域に、平面視において、この直線状の領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質領域が形成されると、この複数の改質領域のそれぞれから結晶面{N10}(Nは、0を除く絶対値が10以下の整数)のうち当該直線状の領域が延在する方向に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多く発生する。
【0053】
例えば、上述のように、結晶方位[010](X軸方向)に沿った直線状の領域に、平面視において、この直線状の領域が延在する方向と直交する方向(Y軸方向)に沿って並ぶように複数の改質領域15aが形成されると、この複数の改質領域15aのそれぞれから結晶面{N10}(Nは、0を除く絶対値が10以下の整数)のうち単結晶シリコンの結晶方位[010]に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂が多くなる。
【0054】
具体的には、このように複数の改質領域15aが形成される場合には、以下の結晶面において亀裂が伸展しやすくなる。
【数1】
【数2】
【0055】
そして、インゴット11の表面11a及び裏面11bに露出する結晶面(100)と、単結晶シリコンの結晶面{N10}のうち単結晶シリコンの結晶方位[010]に平行な結晶面とがなす鋭角の角度は、45°以下である。他方、結晶面(100)と、単結晶シリコンの結晶面{111}とがなす鋭角の角度は、54.7°程度である。
【0056】
そのため、インゴット11に単結晶シリコンの結晶方位[010]に沿ってレーザービームLBが照射される場合(前者の場合)には、結晶方位[011]に沿ってレーザービームLBが照射される場合(後者の場合)と比較して、剥離層15が幅広かつ薄くなりやすい。すなわち、図7に示される剥離層15の幅(W)と厚さ(T)との比の値(W/T)は、前者の場合が後者の場合よりも大きくなる。
【0057】
次いで、レーザービームLBの照射によって集光点が形成されるインゴット11の内部の位置をY軸方向に沿って移動させる(割り出し送りステップ:S3)。例えば、割り出し送りステップ(S3)においては、保持テーブル26をY軸方向に沿って移動させる(割り出し送りステップ:S3)。なお、Y軸方向に沿った保持テーブル26の移動距離(インデックス)は、例えば、上記の剥離層15の幅(W)以上になるように設定される。
【0058】
具体的には、剥離層15の幅(W)が250μm~280μmに含まれる所定の長さであれば、インデックスは530μm程度に設定される。次いで、上記の剥離層形成ステップ(S2)を再び実施する。図8は、2回目の剥離層形成ステップ(S2)の実施によって、インゴット11の内部に形成される隣接する剥離層を模式的に示す断面図である。
【0059】
この場合、1回目の剥離層形成ステップ(S1)において形成された剥離層15(剥離層15-1)と平行になり、かつ、Y軸方向において剥離層15-1から離隔した剥離層15(剥離層15-2)がインゴット11の内部に形成される。さらに、インゴット11の内部のY軸方向における一端側の領域から他端側の領域まで剥離層15が形成されるように、割り出し送りステップ(S3)及び剥離層形成ステップ(S2)を繰り返し実施する。
【0060】
そして、インゴット11の内部のY軸方向における一端側の領域から他端側の領域まで剥離層15が形成されれば(ステップ(S4):YES)、剥離層15を起点としてインゴット11から基板を分離する(分離ステップ:S5)。図9は、分離ステップ(S5)を超音波付与装置において実施する様子を模式的に示す側面図である。
【0061】
図9に示される超音波付与装置58は、円柱状のチャックテーブル60を有する。このチャックテーブル60の上面は、インゴット11の裏面11b側を保持する保持面となる。この保持面には環状の溝が形成されており、この溝の底面には開口が形成されている。この開口は、チャックテーブル60の内部に設けられている流路を介して、真空ポンプ等の吸引源に連通している。
【0062】
そのため、チャックテーブル60の保持面にインゴット11の裏面11b側が置かれた状態で吸引源が動作すると、チャックテーブル60がインゴット11を保持する。また、チャックテーブル60の上方には、超音波付与ユニット62が設けられている。この超音波付与ユニット62は、円柱状の振動部材64を有する。
【0063】
この振動部材64は、チャックテーブル60に保持されたインゴット11の表面11aに振動部材64の下端面が対面するように設けられている。また、振動部材64は超音波振動子を内蔵し、この超音波振動子が振動することによって、振動部材64の全体が振動する。
【0064】
さらに、振動部材64の上面の中央領域には、駆動軸66の先端(下端)部が固定されている。この駆動軸66は、互いに独立して動作可能な鉛直移動機構(不図示)及び水平移動機構(不図示)に連結されている。なお、鉛直移動機構及び水平移動機構のそれぞれは、例えば、ボールねじを含む。
【0065】
そして、この鉛直移動機構が動作すると、駆動軸66が鉛直方向に沿って移動し、また、この水平移動機構が動作すると、駆動軸66が水平方向に沿って移動する。また、超音波付与ユニット62の側方には、液体ノズル68が設けられている。この液体ノズル68は、その下端面に設けられた開口から振動部材64の下端面とインゴット11の表面11aとの間の空間に液体を供給する。
【0066】
超音波付与装置58において分離ステップ(S5)を実施する際には、まず、インゴット11の裏面11b側をチャックテーブル60の保持面に載置する。次いで、チャックテーブル60の保持面の溝の底面に形成されている開口と連通する吸引源を動作させる。これにより、インゴット11がチャックテーブル60によって保持される。
【0067】
次いで、振動部材64の下端面をインゴット11の表面11aに接近させるように、鉛直移動機構が駆動軸66を下降させる。次いで、液体ノズル68から振動部材64の下端面とインゴット11の表面11aとの間の空間に液体を供給し、かつ、水平移動機構が駆動軸66を移動させながら、振動部材64に内蔵された超音波振動子を振動させる。
【0068】
これにより、超音波がインゴット11の内部に形成された剥離層15に付与される。その結果、剥離層15に含まれる亀裂15bがさらに伸展する。例えば、図8に示される剥離層15-1に含まれる亀裂15bと剥離層15-2に含まれる亀裂15bとがそれぞれ伸展して、両者の亀裂15bがつながる。その結果、インゴット11が剥離層15において分離して基板が製造される。
【0069】
図3に示される単結晶シリコン基板の製造方法においては、インゴット11の内部に剥離層15を形成した後、この剥離層15を起点としてインゴット11から基板を分離する。これにより、インゴット11からワイヤーソーを用いて基板を製造する場合と比較して、基板の生産性を向上させることができる。
【0070】
さらに、上述した方法においては、結晶方位[010]に沿った直線状の領域に分岐したレーザービームLBを照射することによって、平面視において、この直線状の領域が延在する方向と直交する方向に沿って並ぶように複数の改質領域15aを形成する。この場合、複数の改質領域15aのそれぞれから結晶面{N10}(Nは、0を除く絶対値が10以下の整数)のうち単結晶シリコンの結晶方位[010]に平行な結晶面に沿って伸展する亀裂15bが多くなる。
【0071】
これにより、上述した方法においては、インゴット11に単結晶シリコンの結晶方位[011]に沿ってレーザービームLBが照射される場合と比較して、剥離層15を幅広かつ薄くすることができる。その結果、インゴット11から基板を製造する際に廃棄される素材量を低減し、基板の生産性をさらに向上させることができる。
【0072】
なお、上述した単結晶シリコン基板の製造方法は本発明の一態様であって、本発明は上述した方法に限定されない。例えば、本発明において基板を製造するために利用されるインゴットは、図1及び図2等に示されるインゴット11に限定されない。
【0073】
具体的には、本発明においては、側面にノッチが形成されたインゴットから基板が製造されてもよい。あるいは、本発明においては、側面にオリエンテーションフラット及びノッチのいずれもが形成されていないインゴットから基板が製造されてもよい。
【0074】
また、本発明において用いられるレーザー加工装置の構造は、上述したレーザー加工装置2の構造に限定されない。例えば、本発明は、レーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52等をX軸方向及び/又はY軸方向のそれぞれに沿って移動させる水平移動機構が設けられているレーザー加工装置を用いて実施されてもよい。
【0075】
すなわち、本発明においては、インゴット11を保持する保持テーブル26とレーザービームLBを出射するレーザービーム照射ユニット42の照射ヘッド52とがX軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿って相対的に移動できればよく、そのための構造に限定はない。
【0076】
また、本発明においては、剥離層形成ステップ(S2)においてレーザービームLBが照射されるインゴット11の内部の直線状の領域は、結晶方位[010]に沿った直線状の領域に限定されない。例えば、本発明においては、結晶方位[001]に沿った直線状の領域にレーザービームLBが照射されてもよい。
【0077】
なお、このようにインゴット11にレーザービームLBが照射される場合には、以下の結晶面において亀裂が伸展しやすくなる。
【数3】
【数4】
【0078】
さらに、本発明においては、平面視において、結晶方位[010]又は結晶方位[001]から僅かに傾いた方向に沿った直線状の領域にレーザービームLBが照射されてもよい。この点について、図10を参照して説明する。
【0079】
図10は、それぞれが異なる結晶方位に沿った直線状の領域にレーザービームLBを照射した時にインゴット11の内部に形成される剥離層の幅(図7に示される幅(W))を示すグラフである。なお、このグラフの横軸は、平面視において、結晶方位[011]に直交する直線状の領域(基準領域)が延在する方向と、測定対象となる直線状の領域(測定領域)が延在する方向とがなす角の角度を示している。
【0080】
すなわち、このグラフの横軸の値が45°となる場合、結晶方位[001]に沿った直線状の領域が測定対象となる。同様に、このグラフの横軸の値が135°となる場合、結晶方位[010]に沿った直線状の領域が測定対象となる。また、このグラフの縦軸は、測定領域にレーザービームLBを照射することによって測定領域に形成される剥離層の幅を、基準領域にレーザービームLBを照射することによって基準領域に形成される剥離層の幅で割った時の値を示している。
【0081】
図10に示されるように、剥離層の幅は、基準領域が延在する方向と測定領域が延在する方向とがなす角の角度が40°~50°又は130°~140°である時に広くなる。すなわち、剥離層の幅は、結晶方位[001]又は結晶方位[010]のみならず、これらの結晶方位との間で形成される鋭角の角度が5°以下である方向に沿った直線状の領域にレーザービームLBを照射した時に広くなる。
【0082】
そのため、本発明においては、平面視において、結晶方位[001]又は結晶方位[010]から5°以下傾いた方向に沿った直線状の領域にレーザービームLBが照射されてもよい。
【0083】
また、本発明においては、インゴット11の内部のY軸方向における一端側の領域から他端側の領域まで剥離層15が形成された(ステップS4:YES)後に、再度、剥離層形成ステップ(S2)と割り出し送りステップ(S3)とを繰り返し実施してもよい。すなわち、既に剥離層15が形成されているインゴット11の内部のY軸方向における一端側の領域から他端側の領域までに対して、剥離層15を形成するようなレーザービームLBの照射を再び実施してもよい。
【0084】
この場合、剥離層15に含まれる改質領域15a及び亀裂15bのそれぞれの密度が増加する。これにより、分離ステップ(S5)におけるインゴット11からの基板の分離が容易になる。
【0085】
また、本発明においては、剥離層形成ステップ(S2)の後、かつ、割り出し送りステップ(S3)の前に、再度、剥離層形成ステップ(S2)を実施してもよい。すなわち、既に剥離層15が形成されているインゴット11の内部の直線状の領域に対して、剥離層15を形成するようなレーザービームLBの照射を再び実施してもよい。
【0086】
この場合、上記同様、分離ステップ(S5)におけるインゴット11からの基板の分離が容易になる。さらに、この場合には、剥離層15に含まれる亀裂15bがさらに伸展する。すなわち、剥離層15の幅(図7に示される幅(W))が広くなる。そのため、この場合には、割り出し送りステップ(S3)におけるY軸方向に沿った保持テーブル26の移動距離(インデックス)を長くすることができる。
【0087】
また、本発明においては、保持ステップ(S1)に先立って、インゴット11の表面11aが研削又は研磨によって平坦化されてもよい(平坦化ステップ)。例えば、この平坦化は、インゴット11から複数枚の基板を製造する際に実施されてもよい。具体的には、インゴット11が剥離層15において分離して基板が製造されると、新たに露出するインゴット11の表面には、剥離層15に含まれる改質領域15a及び亀裂15bの分布を反映した凹凸が形成される。
【0088】
そのため、このインゴット11から新たな基板を製造する場合には、保持ステップ(S1)に先立って、インゴット11の表面を平坦化することが好ましい。これにより、剥離層形成ステップ(S2)においてインゴット11に照射されるレーザービームLBのインゴット11の表面における乱反射を抑制できる。
【0089】
同様に、本発明においては、インゴット11から分離された基板の剥離層15側の面が研削又は研磨によって平坦化されてもよい。その他、上述した実施形態にかかる構造及び方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0090】
11 :インゴット(11a:表面、11b:裏面)
13 :オリエンテーションフラット
15 :剥離層(15a:改質領域、15b:亀裂)
15-1:剥離層
15-2:剥離層
2 :レーザー加工装置
4 :基台
6 :水平移動機構
8 :Y軸ガイドレール
10 :Y軸移動プレート
12 :ねじ軸
14 :モータ
16 :X軸ガイドレール
18 :X軸移動プレート
20 :ねじ軸
22 :モータ
24 :テーブル基台
26 :チャックテーブル(保持ユニット)(26a:保持面)
30 :支持構造
32 :鉛直移動機構
34 :Z軸ガイドレール
36 :Z軸移動プレート
38 :モータ
40 :支持具
42 :レーザービーム照射ユニット
44 :レーザー発振器
46 :減衰器
48 :空間光変調器
50 :ミラー
52 :照射ヘッド
54 :ハウジング
56 :撮像ユニット
57 :タッチパネル
58 :超音波付与装置
60 :チャックテーブル
62 :超音波付与ユニット
64 :振動部材
66 :駆動軸
68 :液体ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10