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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-18
(45)【発行日】2025-09-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20250919BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022185135
(22)【出願日】2022-11-18
(65)【公開番号】P2024074070
(43)【公開日】2024-05-30
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】服部 構大
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中島 丈博
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健一
【審査官】山田 克典
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-140666(JP,A)
【文献】特開2020-191982(JP,A)
【文献】特開2002-239154(JP,A)
【文献】特開2004-223236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、
前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、
前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、
入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、
前記予告制御手段は、
入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、
前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであり、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、
前記連続予告演出を実行する前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出を実行する前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るようになっており、
前記第1状況である場合と前記第2状況である場合のそれぞれで第1種演出と第2種演出を実行可能であり、
前記第1状況である場合も前記第2状況である場合も、前記第2種演出の内容を前記第2変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームで引き継ぐようになっており、
前記第1状況である場合と前記第2状況である場合とで、前記第1種演出の実行開始タイミングが同じになり得、前記第2種演出の実行開始タイミングが異なり得る遊技機。
【請求項2】
前記連続予告演出を実行する前記第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中に前記遊技機への電力供給が遮断され、復帰した後には、前記遊技機への電力供給が遮断される前後で演出の一部要素を異なる内容とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種であるパチンコ遊技機には、未だ開始されない図柄変動ゲームであって、保留記憶として記憶されている図柄変動ゲームの大当り期待度を示唆する特定の演出を実行可能に構成したものがある(例えば、特許文献1参照)。特定の演出は、所謂、先読み演出と言われ、未来に実行される特定の図柄変動ゲームの大当り期待度を当該図柄変動ゲームよりも前の段階から示唆することで、複数回の図柄変動ゲームに亘って特定の図柄変動ゲームが大当りになる期待感を遊技者に抱かせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-29726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような特定の演出を実行可能としたパチンコ遊技機では、特定の演出の実行態様に更に工夫を凝らすことにより、遊技に対する興趣の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、前記予告制御手段は、入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであり、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、前記連続予告演出を実行する前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出を実行する前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るようになっており、前記第1状況である場合と前記第2状況である場合のそれぞれで第1種演出と第2種演出を実行可能であり、前記第1状況である場合も前記第2状況である場合も、前記第2種演出の内容を前記第2変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームで引き継ぐようになっており、前記第1状況である場合と前記第2状況である場合とで、前記第1種演出の実行開始タイミングが同じになり得、前記第2種演出の実行開始タイミングが異なり得ることを要旨とする。
上記遊技機において、前記連続予告演出を実行する前記第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中に前記遊技機への電力供給が遮断され、復帰した後には、前記遊技機への電力供給が遮断される前後で演出の一部要素を異なる内容としてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ遊技機を模式的に示す斜視図である。
図2】遊技盤を模式的に示す正面図である。
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図4】変動パターンを示す図である。
図5】先読み演出を実行可とする条件を示す図である。
図6】はずれ変動の数と演出パターンの関係を示す図である。
図7】演出パターンによる先読み演出の流れを示すタイミングチャートである。
図8】先読み演出中に実行可能な演出の内容である兵数パターンを示す図である。
図9】先読み演出中に実行可能な演出の内容である対戦パターンを示す図である。
図10】(a)~(c)は保留変化の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の実施形態を、図1図10にしたがって説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技場の島設備に固定するための設置枠と、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠と、を含んで構成される。パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、枠体11に搭載されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠の前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できるように構成される。
【0010】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う発光手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う音声手段の一例である。例えば、スピーカSPは、一例として、枠体11に設けられる。
【0011】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a、及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別図柄変動ゲームには、第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)と、第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)と、がある。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。本実施形態において第1特別図柄表示部13aと第2特別図柄表示部13bは、図柄変動ゲームの一例である特別ゲームを表示可能な表示手段である。
【0012】
パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当りは当りの一例である。
【0013】
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する第1特別保留表示部13c、及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数、及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0014】
パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する。
【0015】
パチンコ遊技機10に備えられた遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0016】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部GHを有する。画像表示部GHは、一例として、液晶パネル、及び有機ELパネルなどである。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部GHの表示領域が遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う表示手段の一例である。以下の説明では、演出表示装置EHに関して、所定の情報(絵柄)として、文字、数字、記号、アイコン、キャラクタ、及び風景等を「表示する」と示す場合、これら情報を画像として表示することを意味する。
【0017】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0018】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。このように、パチンコ遊技機10には、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、がある。
【0019】
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、左図柄列、及び右図柄列が特定の図柄列に相当し、中図柄列が他の図柄列に相当する。
【0020】
パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15を備える。第1特別始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0021】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2特別始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2特別始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0022】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な手段の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。特別可変部材19は、特別図柄の大当り遊技において、開状態に動作される。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE4を備える(図3参照)。パチンコ遊技機10は、遊技球が普通始動センサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。一例として、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へと排出される。
【0025】
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域、及びセンター枠Wの右側領域の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1特別始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、左側領域を流下するように遊技球が発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1特別始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、大入賞口18、及び第2特別始動入賞口16が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、右側領域を流下するように遊技球が発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2特別始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。
【0026】
本実施形態において、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAは、それぞれ演出を実行可能な演出装置であるとともに、これらは演出実行手段の一例である演出装置群DEを構成する。演出実行手段は、演出表示装置EH、スピーカSP、及び装飾ランプLAの全てを含むことに限らず、これら演出装置の中から任意に選択可能な1又は複数の演出装置によって構成されていてもよい。
【0027】
次に、大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。本実施形態では、特定図柄及び通常図柄の2種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0028】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0029】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40と、副制御基板50と、を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主制御基板40は、各種の制御を行うとともに、各種の制御情報(制御コマンド)を出力する。本実施形態において、主制御基板40は、主制御手段に相当する。副制御基板50は、主制御基板40が出力する各種の制御情報(制御コマンド)に基づいて、演出に関する各種の処理を実行することによって演出実行手段の一例である演出装置群DEの制御を行う。本実施形態において、副制御基板50は、副制御手段に相当する。
【0030】
最初に、主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
【0031】
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれリーチ変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれリーチ変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行い、最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的にはずれの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにてリーチ演出を行わない。
【0032】
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機10が備える変動パターンを例示している。
変動パターンには、はずれ変動パターンHP1と、はずれリーチ変動パターンHP2と、大当り変動パターンHP3と、がある。これらの変動パターンには、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間が対応付けられている。はずれ変動パターンHP1の変動時間t1は、はずれリーチ変動パターンHP2の変動時間t2及び大当り変動パターンHP3の変動時間t3よりも短い。本実施形態では、はずれ変動パターンHP1が第1変動パターンとなり、はずれリーチ変動パターンHP2と大当り変動パターンHP3とがはずれ変動パターンHP1よりも長い変動時間の第2変動パターンとなる。一例として変動時間t1は10sであり、変動時間t2,t3は90sである。
【0033】
主制御RWM44は、所定の情報を記憶可能である。主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0034】
主制御基板40は、センサSE1~SE4と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE4が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能である。主制御基板40は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能である。主制御基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19の動作を制御可能である。
【0035】
副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM52は、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。
【0036】
副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0037】
副制御基板50は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能である。副制御基板50は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能である。副制御基板50は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能である。
【0038】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が遮断した場合でも遊技に関する情報(以下、遊技情報という)を含む所定の情報を記憶し、電力供給が開始されたときには前記各種の情報に基づいて復帰可能とする機能である。
【0039】
パチンコ遊技機10は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主制御基板40に対して電力を供給する。主制御RWM44は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時における主制御RWM44の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。主制御RWM44はバックアップ情報を記憶可能とした記憶手段になる。パチンコ遊技機10では、バックアップ電源を備えることによって、バックアップ機能が実現されている。なお、主制御RWM44は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0040】
バックアップの対象となる遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報を含む。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで停止表示される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報は、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。
【0041】
次に、主制御基板40の主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
主制御CPU42は、所定の周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの複数の処理を実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに格納された制御情報(コマンド)は、タイマ割り込み処理として実行される出力処理によって副制御基板50へ出力される。
【0042】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1特別始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると成立する。
【0043】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、特別抽選(大当り抽選)に用いる特別当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。本実施形態では、主制御CPU42と第1特別始動センサSE1が第1特別ゲームに係る入球を検知する入球検知手段となる。
【0044】
第1特別始動入賞口15へ遊技球が入賞していない場合、及び第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2特別始動入賞口16へ入賞している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、第2特別保留数を1加算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると成立する。
【0045】
次に、主制御CPU42は、マイクロプロセッサ41内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。主制御CPU42は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。本実施形態では、主制御CPU42と第2特別始動センサSE2が第2特別ゲームに係る入球を検知する入球検知手段となる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入賞していない場合、及び第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
【0046】
特別図柄入力処理において主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、コマンド設定処理を行う。コマンド設定処理は、特別図柄入力処理に含まれる処理である。
【0047】
コマンド設定処理において主制御CPU42は、取得した特別当り乱数に対応する数値が、後述する大当り抽選に当選する大当り値であるか、大当り抽選に当選しないはずれ値であるかを判定する。次に、主制御CPU42は、大当り値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、大当り変動パターンの中から選択される大当り変動パターンを特定する。そして、主制御CPU42は、特定した内容をもとに制御コマンドとしての大当り先読みコマンドを出力バッファに格納する。大当り先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した特別当り乱数に対応する数値が大当り値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される大当り変動パターンを示す情報と、を特定可能である。
【0048】
一方、主制御CPU42は、はずれ値の場合、取得した変動パターン乱数に対応する数値をもとに、はずれ変動パターン及びはずれリーチ変動パターンからなる変動パターン群の中から選択される変動パターンを特定する。そして、主制御CPU42は、特定した内容をもとに制御コマンドとしてのはずれ先読みコマンドを出力バッファに格納する。はずれ先読みコマンドは、乱数を取得した時の第1特別保留数を示す情報と、取得した特別当り乱数に対応する数値がはずれ値であることを示す情報と、取得した変動パターン乱数に対応する数値によって選択される変動パターンを示す情報と、を特定可能である。はずれ先読みコマンドから特定可能な変動パターンは、はずれ変動パターン又ははずれリーチ変動パターンの何れかである。
【0049】
出力バッファに格納された大当り先読みコマンド、又ははずれ先読みコマンドは、次周期以降の出力処理にて副制御基板50の副制御CPU51へ出力される。本実施形態のコマンド設定処理は、第1特別ゲームを対象として行い、第2特別ゲームを対象としては行わない。大当り先読みコマンド又ははずれ先読みコマンドを設定した主制御CPU42は、前述した特別図柄入力処理において第2特別ゲームに関する処理を行う。以下の説明において、大当り先読みコマンドとはずれ先読みコマンドを区別することなく説明する場合は、「先読みコマンド」と記載する。本実施形態のコマンド設定処理では、主制御CPU42と第1特別始動センサSE1によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲーム(第1特別ゲーム)の変動内容(変動時間を含む)を示す変動パターンが特定されることになる。そして、主制御CPU42は、コマンド設定処理を行うことで変動パターン先読み手段となる。また、大当り先読みコマンド及びはずれ先読みコマンドはコマンド設定処理で特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドに相当するものであり、大当り先読みコマンド及びはずれ先読みコマンドを出力する主制御CPU42が、出力手段となる。
【0050】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU42は、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU42は、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0051】
主制御CPU42は、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零である場合、主制御RWM44に記憶される出力済情報に基づいて、待機コマンドを出力バッファに格納するか否かを決定する。出力済情報は、待機コマンドが出力済であるか否かを特定可能な情報である。主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報から、待機コマンドが出力済であることを特定した場合、待機コマンドを出力バッファに格納することなく特別図柄開始処理を終了する。一方、主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報から、待機コマンドが出力済でないことを特定した場合、待機コマンドを出力バッファに格納する。そして、主制御CPU42は、主制御RWM44の出力済情報を、待機コマンドが出力済であることを特定可能となるように更新する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0052】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から取得する。続けて、主制御CPU42は、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて、大当りに当選とするか否かの大当り抽選を行う。
【0053】
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて導出させる大当り図柄を決定する。主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
【0054】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。はずれ変動処理において、主制御CPU42は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、リーチありのはずれリーチ変動パターン、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。なお、本実施形態では、はずれ変動パターンを決定するか、はずれリーチ変動パターンを決定するかによって演出ゲームでリーチ演出を実行するか決定されているが、リーチ演出を実行するか否かの判定を行い、その判定結果に応じてはずれリーチ変動パターン又ははずれ変動ゲームの何れかを決定するようにしてもよい。
【0055】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU42は、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0056】
主制御CPU42は、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを出力バッファに格納する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄、又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0057】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム、又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部13aを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を出力バッファに格納する。
【0058】
一方、主制御CPU42は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部13bを制御する。また、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを出力バッファに格納する。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御CPU42が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に特別抽選を行うように構成されている。
【0059】
次に、副制御基板50の副制御CPU51が実行する各種の処理について説明する。
副制御CPU51は、演出ゲーム処理を実行する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中に、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。副制御CPU51は、変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドを入力すると、特別ゲームに対応する演出ゲームを実行するように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力すると、当該制御コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、副制御CPU51は、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0060】
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。一例として、リーチ条件は、大当り変動パターン又ははずれリーチ変動パターンが決定されることによって成立する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能であるとき、大当りの図柄組合せを構成する演出図柄をリーチの演出図柄として決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しており、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、リーチ条件が成立しておらず、且つ特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能であるとき、リーチを含まないはずれの図柄組合せを決定する。
【0061】
副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように演出表示装置EHを制御して演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、変動パターンに定められた変動時間中、選択した演出パターンに基づいて演出ゲームが行われるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、演出ゲームの実行中、各種の演出を実行するように、演出装置群DEを制御可能である。そして、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0062】
副制御CPU51は、演出ゲーム処理とは別に先読み演出設定処理を実行する。先読み演出設定処理及び先読み演出の実行を制御する副制御CPU51が、予告制御手段となる。先読み演出は、複数回の図柄変動ゲーム(特別ゲーム)に亘って特定の図柄変動ゲーム(特別ゲーム)が大当りになる期待感を遊技者に抱かせる演出である。先読み演出は、大当り予告の一種であり、複数回の図柄変動ゲーム(特別ゲーム)に亘って行われることから、連続予告演出とも言われる。また、特定の特別ゲームは先読み演出の対象となる最後の特別ゲームであり、最後の特別ゲームに対応する演出ゲームをターゲット(TG)変動と記載する場合がある。また、先読み演出の対象となる特別ゲームのうち、ターゲット変動よりも前に行われる特別ゲームに対応する演出ゲームを単に変動と記載する場合がある。副制御CPU51は、先読みコマンドを入力する毎に先読み演出設定処理を実行する。先読み演出設定処理において副制御CPU51は、先読み演出の実行可否と、実行可の場合は先読み演出の対象とする特別ゲームの回数と当該回数に含まれる特別ゲームに対応する演出ゲームの演出の内容を決定する。なお、副制御CPU51は、先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数に対応する副制御RWM53の記憶領域に、入力した先読みコマンドから特定される情報を記憶する。ここで記憶される情報は、大当りかはずれかの情報と、選択される変動パターンの情報である。また、副制御RWM53は、変動開始コマンドを入力して特別ゲームが開始される度に、先読みコマンドから特定される情報の記憶領域の記憶内容を、特別ゲームの実行順と一致させる。
【0063】
副制御CPU51は、先読みコマンドを入力すると、先読み演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値であるか、実行中ではないことを示す値であるかを確認する。本実施形態では、先読みコマンドを入力した時点で、既に先読み演出の実行を決定している場合、又は既に先読み演出を実行している場合、新たな先読み演出の実行を決定しない。このため、副制御CPU51は、実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値である場合、先読み演出設定処理を終了する。実行中フラグにおいて、実行中であることには、先読み演出の実行を決定していることを含む。一方で、実行中フラグの設定値が、実行中ではないことを示す値である場合、先読み演出を実行させるための条件の1つである第1条件が成立する。実行中フラグにおいて、実行中ではないことには、先読み演出の実行を決定していないことを含む。
【0064】
第1条件が成立すると、副制御CPU51は、入力した先読みコマンドで特定される第1特別保留数が「2」以上であるかを確認する。第1特別保留数が「2」以上の場合、副制御CPU51は、今回入力した先読みコマンドに基づく特別ゲームに対応する演出ゲームをターゲット変動としたとき、ターゲット変動の変動パターンとターゲット変動よりも前の変動の変動パターンの組合せが、所定の組合せであるかを確認する。変動パターンの組合せが所定の組合せである場合、先読み演出を実行させるための条件の1つである第2条件が成立する。一方で、変動パターンの組合せが所定の組合せではない場合、第2条件が成立しない。第2条件が成立しない場合、副制御CPU51は、先読み演出の実行を決定することなく、先読み演出設定処理を終了する。
【0065】
ここで、図5にしたがって、第2条件が成立する場合と第2条件が成立しない場合について説明する。図中の「TG」はターゲット変動を意味する。
本実施形態では、ターゲット演出の変動パターンがはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであることと、ターゲット変動よりも前の全ての変動がはずれ変動パターンHP1であることの2つを満たすことによって第2条件が成立する。
【0066】
図5を用いて説明すると、第1特別保留数が「4」であるときに、ターゲット変動がはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであり、かつターゲット変動よりも1回前~3回前の各変動がはずれ変動パターンHP1であると、第2条件が成立する。第1特別保留数が「3」であるときに、ターゲット変動がはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであり、かつターゲット変動よりも1回前と2回前の各変動がはずれ変動パターンHP1であると、第2条件が成立する。第1特別保留数が「2」であるときに、ターゲット変動がはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであり、かつターゲット変動よりも1回前の変動がはずれ変動パターンHP1であると、第2条件が成立する。図5の「可否」欄に示す「○」は第2条件が成立する場合を示す。以上により、第2条件が成立する要件には、先読み演出の最後となる図柄変動ゲーム(特別ゲーム)の変動パターンを除く変動パターンが第1変動パターンとしてのはずれ変動パターンHP1であることを含む。また、第2条件が成立する要件には、先読み演出の最後となる図柄変動ゲーム(特別ゲーム)の変動パターンが第1変動パターンよりも長い変動時間の第2変動パターンとしてのはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであることを含む。
【0067】
一方で、第1特別保留数が「2」~「4」の何れかであるときに、ターゲット変動がはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであるが、ターゲット変動よりも前の変動の何れかがはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れかであると、第2条件が成立しない。また、ターゲット変動がはずれ変動パターンHP1であるときは、ターゲット変動よりも前の変動が何れの変動パターンであっても第2条件が成立しない。図5の「可否」欄に示す「×」は第2条件が成立しない場合を示す。
【0068】
第1条件と第2条件の両方が成立すると、副制御CPU51は、先読み演出の実行可否を決める実行可否抽選を行う。実行可否抽選は乱数による抽選であり、当該実行可否抽選で実行可に当選する確率は予め定められている。本実施形態では、第1条件と第2条件の両方が成立し、かつ実行可否抽選で実行可に当選すると、先読み演出を実行させることが最終的に決定される。実行可に当選する確率は、ターゲット変動の変動パターンがはずれリーチ変動パターンHP2であるときと、ターゲット変動の変動パターンが大当り変動パターンHP3であるときとで同一確率でもよい。つまり、この場合は、大当りであるときとはずれであるときとで同一確率のもとで実行可否抽選を行い、実行可に当選する。あるいは、実行可に当選する確率は、ターゲット変動の変動パターンがはずれリーチ変動パターンHP2であるときと、ターゲット変動の変動パターンが大当り変動パターンHP3であるときとで異なる確率としてもよい。一例として、ターゲット変動の変動パターンが大当り変動パターンHP3であるときの方が実行可に当選する確率を高めるとよい。なお、先読み演出の出現による大当り期待度は、先読み演出がはずれのときに出現する割合と大当りのときに出現する割合を合算した合算割合に対する大当りのときに出現する割合によって求めることができる。つまり、合算割合に対して大当りのときに出現する割合を高めることで先読み演出の大当り期待度を高めることができる。また、実施形態の実行可否抽選は、第1特別保留数の数を考慮せずに実行可に当選する確率を同一確率としているが、第1特別保留数の数によって実行可否抽選で実行可に当選する確率を異ならせてもよい。一例として、第1特別保留数の数が多いほど、実行可否抽選で実行可に当選する確率を高めてもよい。一例として、第1特別保留数の数が「3」のときに、実行可否抽選で実行可に当選する確率を高めるなど、上限数に達していないときに実行可に当選し易くしてもよい。
【0069】
副制御CPU51は、実行可否抽選で実行可に当選しない場合には先読み演出を実行しないことを決定して先読み演出設定処理を終了する。一方、副制御CPU51は、実行可否抽選で実行可に当選して先読み演出を実行することを決定すると、実行中フラグの設定値に実行中であることを示す値を設定する。また、副制御CPU51は、先読み演出の実行可を決めたときに入力していた先読みコマンドから特定可能な第1特別保留数に応じて演出残回数を副制御RWM53に定めた所定の記憶領域に設定する。演出残回数は、ターゲット変動までの回数を示す。一例として、副制御CPU51は、先読みコマンドで特定可能な第1特別保留数が「4」のとき、演出残回数に「4」を示す情報を設定する。実行中フラグと演出残回数を設定した副制御CPU51は、先読み演出設定処理を終了する。
【0070】
副制御CPU51は、先読み演出の実行中、すなわち実行中フラグに実行中であることを示す値が設定されている間、変動開始コマンドを入力する毎に演出残回数を1減算して更新する。つまり、副制御CPU51は、先読み演出の対象となる特別ゲームが開始したことを契機に演出残回数を1減算する。そして、副制御CPU51は、演出残回数が「0」になると、すなわちターゲット変動を開始させると、実行中フラグに先読み演出を実行中ではないことを示す値を設定する。
【0071】
次に、先読み演出の内容について説明する。
図6に示すように、本実施形態では、3種類の先読み演出の内容がある。3種類の先読み演出は、その演出の内容が異なっている。3種類の先読み演出の内容は、ターゲット変動よりも前に実行されるはずれ変動の数に対応付けられている。
【0072】
本実施形態における先読み演出は、自軍と敵軍との戦闘をテーマとした内容である。そして、ターゲット変動では、自軍と敵軍との最終決戦が行われるようにあっており、大当りに当選している場合には最終決戦に勝利する一方で、大当りに当選しておらずはずれの場合には最終決戦で敗北するように演出が実行される。
【0073】
はずれ変動の数が「1」のときに選択される演出パターンPT1は、自軍の槍隊が最終決戦に挑み、決戦する内容である。副制御CPU51は、先読みコマンドで特定可能な第1特別保留数が「2」のとき、演出パターンPT1を選択する。はずれ変動の数が「2」のときに選択される演出パターンPT2は、自軍の鉄砲隊が最終決戦に挑み、決戦する内容である。副制御CPU51は、先読みコマンドで特定可能な第1特別保留数が「3」のとき、演出パターンPT2を選択する。はずれ変動の数が「3」のときに選択される演出パターンPT3は、自軍の騎馬隊が最終決戦に挑み、決戦する内容である。副制御CPU51は、先読みコマンドで特定可能な第1特別保留数が「4」のとき、演出パターンPT3を選択する。以上により、本実施形態の先読み演出の内容は、「槍隊」、「鉄砲隊」又は「騎馬隊」というように登場する自軍の兵種の違いによって異なると言える。
【0074】
副制御CPU51は、先読みコマンドで特定可能な第1特別保留数をもとに演出パターンPT1~PT3の何れかを選択すると、その選択した演出パターンPT1~PT3を特定可能な情報を副制御RWM53の所定の記憶領域に記憶する。そして、副制御CPU51は、変動開始コマンドの入力を契機に演出残回数を1減算した結果、演出残回数が「0」になると、副制御RWM53の所定の記憶領域に記憶していた演出パターンPT1~PT3を特定可能な情報をクリアする。つまり、副制御CPU51は、演出パターンPT1~PT3の何れも選択されていない状態を示すように所定の記憶領域を書き替える。
【0075】
次に、図7にしたがって、演出パターンPT1,PT2,PT3によって実行される先読み演出の流れについて説明する。
最初に、演出パターンPT1に基づく先読み演出を説明する。
【0076】
演出パターンPT1に基づく先読み演出は、1回のはずれ変動とターゲット変動の合計2回の変動に亘って実行される。ターゲット変動よりも前の1回分のはずれ変動である演出ゲームでは、槍隊の出陣→槍隊の行軍→槍隊の攻撃の順で演出が進行する。演出パターンPT1における出陣、行軍及び攻撃の各場面に係る演出時間は、出陣が演出時間z1、行軍が演出時間z2、攻撃が演出時間z3である。演出パターンPT1では、1回分のはずれ変動の時間を使って、出陣、行軍及び攻撃というカテゴリーが異なる3つの演出を実行する。
【0077】
演出パターンPT2に基づく先読み演出は、2回のはずれ変動とターゲット変動の合計3回の変動に亘って実行される。ターゲット変動よりも前の2回分のはずれ変動である演出ゲームは、鉄砲隊の出陣→鉄砲隊の行軍→鉄砲隊の攻撃の順で演出が進行する。演出パターンPT2における出陣、行軍及び攻撃の各場面に係る演出時間は、出陣が演出時間z1、行軍が演出時間z4、攻撃が演出時間z5である。出陣の演出時間z1は、演出パターンPT1における出陣の演出時間z1と同一時間である。行軍の演出時間z4は、演出パターンPT1における行軍の演出時間z2よりも長い時間である。また、行軍の演出時間z4は、出陣の演出時間z1と合算したときの合算時間が1回分のはずれ変動の変動時間t1を超えるように定められた時間である。このため、演出パターンPT2では、行軍の演出が、1回目と2回目の変動を跨いで実行されることになる。つまり、演出ゲームの演出として、見た目上は、1回目の変動と2回目の変動が区切られておらず、連続するように視認可能である。攻撃の演出時間z5は、演出パターンPT1における攻撃の演出時間z3よりも長い時間である。また、攻撃の演出時間z5は、2回分のはずれ変動の変動時間t1×2(=t1+t1)から、出陣の演出時間z1と行軍の演出時間z4の合算時間を減算した時間である。演出パターンPT2では、2回分のはずれ変動の時間を使って、出陣、行軍及び攻撃というカテゴリーが異なる3つの演出を実行する。
【0078】
演出パターンPT3に基づく先読み演出は、3回のはずれ変動とターゲット変動の合計4回の変動に亘って実行される。ターゲット変動よりも前の3回分のはずれ変動である演出ゲームは、騎馬隊の出陣→騎馬隊の行軍→騎馬隊の攻撃の順で演出が進行する。演出パターンPT3における出陣、行軍及び攻撃の各場面に係る演出時間は、出陣が演出時間z1、行軍が演出時間z6、攻撃が演出時間z5である。出陣の演出時間z1は、演出パターンPT1,PT2における出陣の演出時間z1と同一時間である。行軍の演出時間z6は、演出パターンPT1,PT2における行軍の各演出時間z2,z4よりも長い時間である。また、行軍の演出時間z6は、出陣の演出時間z1と合算したときの合算時間が2回分のはずれ変動の変動時間t1×2を超えるように定められた時間である。このため、演出パターンPT3では、行軍の演出が、1回目と2回目、及び2回目と3回目のそれぞれの変動を跨いで実行されることになる。つまり、演出ゲームの演出として、見た目上は、1回目~3回目の各変動が区切られておらず、連続するように視認可能である。攻撃の演出時間z5は、演出パターンPT2における攻撃の演出時間z5と同一時間である。また、攻撃の演出時間z5は、3回分のはずれ変動の変動時間t1×3(=t1+t1+t1)から、出陣の演出時間z1と行軍の演出時間z6の合算時間を減算した時間である。演出パターンPT3では、3回分のはずれ変動の時間を使って、出陣、行軍及び攻撃というカテゴリーが異なる3つの演出を実行する。
【0079】
各演出パターンPT1~PT3における出陣の場面は、自軍の総大将が部隊を鼓舞する内容である。各演出パターンPT1~PT3における行軍の場面は、部隊が戦地へ向かう内容である。各演出パターンPT1~PT3における攻撃の場面は、部隊が戦地に向かう途中で敵軍と遭遇して戦闘する内容である。各演出パターンPT1~PT3では、前述したように各場面の演出時間が相違することに加え、各場面に登場する部隊の兵種も相違する。一例として、演出パターンPT1であれば、出陣、行軍及び攻撃の各場面で登場する部隊が槍隊である。一例として、演出パターンPT2であれば、出陣、行軍及び攻撃の各場面で登場する部隊が鉄砲隊である。一例として、演出パターンPT3であれば、出陣、行軍及び攻撃の各場面で登場する部隊が騎馬隊である。
【0080】
各演出パターンPT1~PT3に基づく先読み演出での各ターゲット変動は、はずれリーチ変動又は大当り変動である。ターゲット変動がはずれリーチ変動の場合、その演出時間は、はずれリーチ変動パターンHP2の変動時間t2である。ターゲット変動が大当り変動の場合、その演出時間は、大当り変動パターンHP3の変動時間t3である。
【0081】
各ターゲット変動における演出の内容は、戦地に到着した部隊が、その戦地で敵軍と最終決戦を行う内容である。つまり、ターゲット変動よりも前のはずれ変動では、出陣した部隊が戦地へ向かうまでの過程を表現した演出となっており、その過程を引き継ぐようにターゲット変動では戦地にて敵軍と最終決戦を行う内容となっている。これにより、本実施形態の先読み演出では、当該先読み演出の対象である最初の変動が開始してからターゲット変動において最終決戦の結果、つまり大当りかはずれかの抽選結果が導出されるまで、連続的に進行するストーリーを有する演出として表現されることになる。なお、演出パターンPT1~PT3に基づく先読み演出は、演出自体に連続性を有する点で共通する演出であるが、ターゲット変動に至るまでに含まれるはずれ変動の数の多少により、先読み演出が開始してから終了するまでの全体の演出時間に長短が生じる演出である。また、本実施形態の先読み演出は、はずれ変動の数に対応する演出パターンPT1~PT3を定めており、その演出パターンPT1~PT3の先読み演出の演出内容を異ならせている。具体的には、演出に出現するキャラクタである部隊やターゲット変動へ到達するまでの演出の流れを異ならせている。これにより、先読み演出が開始した時点で、どのように演出が展開されるかを把握し得ることから、遊技者が注目すべき変動、つまりターゲット変動に対して注力させることができる。
【0082】
また、本実施形態では、先読み演出が開始してからターゲット変動にて抽選結果が導出されるまでの過程の中に、大当り期待度を推測させる要素を盛り込んでいる。
以下、図8及び図9にしたがって、大当り期待度を推測させる要素について説明する。
【0083】
本実施形態では、大当り期待度を推測させる要素として第1要素と第2要素と、を備えている。第1要素は、各演出パターンPT1~PT3の先読み演出に登場する「攻撃」の場面において自軍の撃破数の多少と大当り期待度の高低との対応付けで作り出されている。図8は、攻撃の場面において副制御CPU51が用いる兵数パターンw1~w3である。兵数パターンw1~w3は、自軍が攻撃を行った結果としての敵軍の残り兵数に対応するパターンである。兵数パターンw1は、初期値である敵兵数「1000」に対して自軍が敵兵を「300」撃破して残り兵数が「700」となるパターンである。兵数パターンw2は、初期値である敵兵数「1000」に対して自軍が敵兵を「700」撃破して残り兵数が「300」となるパターンである。兵数パターンw3は、初期値である敵兵数「1000」に対して自軍が敵兵を「950」撃破して残り兵数が「50」となるパターンである。
【0084】
副制御CPU51は、先読み演出の実行可を決定すると、兵数パターンw1~w3を決める兵数パターン抽選を行う。兵数パターン抽選は乱数による抽選であり、兵数パターン毎に決定する確率は予め定められている。一例として、図8に示すように、兵数パターンw1よりも兵数パターンw2で演出が実行されるときの大当り期待度が高く、兵数パターンw2よりも兵数パターンw3で演出が実行されるときの大当り期待度が高くなるように乱数を振り分けている。兵数パターン抽選を行う際、副制御CPU51は、先読みコマンドから特定されるターゲット変動の変動パターンがはずれリーチ変動であるか、大当り変動であるかを確認する。兵数パターンw1~w3を決定するタイミングは、先読み演出の実行可を決定したときでもよいし、先読み演出の対象となる最初の変動を開始させるときでもよい。
【0085】
副制御CPU51は、先読み演出を開始させると、各演出パターンPT1~PT3における「攻撃」の場面が到来するタイミングで、兵数パターンw1~w3に基づく演出を実行させる。「攻撃」の場面において画像表示部GHには、自軍を奇襲するために待ち伏せしていた敵軍との戦闘シーンが表示されるとともに、戦闘結果として例えば「700人撃破!残り300人」というようなメッセージ画像が表示される。遊技者は、「攻撃」の場面で導出される戦闘結果から大当り期待度の高低を把握し得る。なお、攻撃の演出は、演出パターンPT1~PT3で先読み演出が実行される場合であっても、同じ兵数パターンw1~w3で実行される場合がある。一例として、兵数パターンw1による攻撃の演出は、先読み演出に1回のはずれ変動を含む場合(演出パターンPT1)、2回のはずれ変動を含む場合(演出パターンPT2)、3回のはずれ変動を含む場合(演出パターンPT3)の何れの場合でも実行され得る。つまり、先読み演出に含まれるはずれ変動の数が異なっていても、先読み演出は同じ内容の演出が実行される場合がある。
【0086】
第2要素は、ターゲット変動の最終決戦で登場する敵軍の登場人物と大当り期待度の高低との対応付けで作り出されている。最終決戦で登場する敵軍の登場人物は、換言すると、最終決戦で自軍と対戦する相手のことである。図9は、ターゲット変動において副制御CPU51が用いる対戦パターンy1~y3である。対戦パターンy1は、最終決戦の対戦相手として「足軽大将」が登場するパターンである。対戦パターンy2は、最終決戦の対戦相手として「侍大将」が登場するパターンである。対戦パターンy3は、最終決戦の対戦相手として「総大将」が登場するパターンである。
【0087】
副制御CPU51は、先読み演出の実行可を決定すると、対戦パターンy1~y3を決める対戦パターン抽選を行う。対戦パターン抽選は乱数による抽選であり、対戦パターン毎に決定する確率は予め定められている。一例として、図9に示すように、対戦パターンy1よりも対戦パターンy2で演出が実行されるときの大当り期待度が高く、対戦パターンy2よりも対戦パターンy3で演出が実行されるときの大当り期待度が高くなるように乱数を振り分けている。対戦パターン抽選を行う際、副制御CPU51は、先読みコマンドから特定されるターゲット変動の変動パターンがはずれリーチ変動であるか、大当り変動であるかを確認する。対戦パターンy1~y3を決定するタイミングは、先読み演出の実行可を決定したときでもよいし、先読み演出の対象となる最初の変動を開始させるときでもよいし、ターゲット変動を開始させるときでもよい。
【0088】
副制御CPU51は、先読み演出を開始させると、各演出パターンPT1~PT3におけるターゲット変動が到来するタイミングで、対戦パターンy1~y3に基づく演出を実行させる。「最終決戦」の場面において画像表示部GHには、自軍と敵軍とが互いの陣地を背にして対峙しており、合戦の合図で双方が突撃する戦闘シーンが表示されるとともに、決戦結果として「勝利」又は「敗北」に対応するメッセージ画像が表示される。対戦パターンy1~y3に対応する対戦相手は、自軍と敵軍とが対峙しているシーンで敵軍を率いる大将格として登場する。また、決戦結果としての「勝利」は大当りに対応するとともに、「敗北」ははずれに対応する。遊技者は、自軍との対戦相手に敵軍を率いる大将格が誰であるかによって大当り期待度の高低を把握し得る。
【0089】
ここで、変動開始コマンドを入力したときに副制御CPU51が実行する制御内容を説明する。
変動開始コマンドを入力したときの副制御CPU51の制御内容は、先読み演出の実行状態を示す実行中フラグの設定値が、実行中であることを示す値であるか、実行中ではないことを示す値であるかによって異なる。副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力したときの実行中フラグの設定値が、先読み演出の実行中であることを示す値である場合、副制御RWM53に記憶している演出パターンを特定可能な情報と演出残回数をもとに先読み演出の対象となる変動のうち、何変動目の演出ゲームを開始させるかを特定する。
【0090】
副制御CPU51は、演出パターンPT1に基づく先読み演出について次のように変動を特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT1、かつ演出残回数「2」のときの変動を、先読み演出の対象である1回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れか、かつ演出パターンPT1、かつ演出残回数「1」のときの変動を、先読み演出の対象である2回目の変動に相当するターゲット変動であると特定する。
【0091】
副制御CPU51は、演出パターンPT2に基づく先読み演出について次のように変動を特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT2、かつ演出残回数「3」のときの変動を、先読み演出の対象である1回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT2、かつ演出残回数「2」のときの変動を、先読み演出の対象である2回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れか、かつ演出パターンPT2、かつ演出残回数「1」のときの変動を、先読み演出の対象である3回目の変動に相当するターゲット変動であると特定する。
【0092】
副制御CPU51は、演出パターンPT3に基づく先読み演出について次のように変動を特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT3、かつ演出残回数「4」のときの変動を、先読み演出の対象である1回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT3、かつ演出残回数「3」のときの変動を、先読み演出の対象である3回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1、かつ演出パターンPT3、かつ演出残回数「2」のときの変動を、先読み演出の対象である3回目の変動に相当するはずれ変動であると特定する。副制御CPU51は、はずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3の何れか、かつ演出パターンPT2、かつ演出残回数「1」のときの変動を、先読み演出の対象である4回目の変動に相当するターゲット変動であると特定する。
【0093】
そして、副制御CPU51は、何回目の変動であるかを特定すると、演出パターンに基づいて各変動の演出を実行させる。
図7に示すように、副制御CPU51は、演出パターンPT1に基づく1回目の変動を特定した場合、1回の変動で出陣→行軍→攻撃の演出を実行させるようにはずれ変動パターンHP1に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。そして、副制御CPU51は、演出パターンPT1に基づく2回目の変動を特定した場合、つまりターゲット変動の場合、最終決戦の演出を実行させるようにはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。
【0094】
先読み演出の対象である各変動において副制御CPU51は、演出ゲームの開始を契機に演出図柄の変動表示を開始させ、演出ゲームの終了を契機に図柄組合せを確定停止表示させる。なお、副制御CPU51は、先読み演出の実行中、ターゲット変動において最終的な図柄組合せを確定停止表示させるまで、全てのはずれ変動及びターゲット変動において、例えば画像表示部GHの右上隅に演出図柄を小さく、目立たないように表示させる。これにより、複数回の変動を跨いで先読み演出を実行させる場合であっても、演出ゲームの区切りが分かり難く、一連の演出として視認可能である。一方、副制御CPU51は、ターゲット変動において決戦結果である「勝利」又は「敗北」に対応するメッセージ画像を表示させてから、例えば画像表示部GHの右上隅に図柄組合せを一旦停止表示させる。その後、副制御CPU51は、演出ゲームを終了させるタイミングで先読み演出を実行していないときと同様に画像表示部GHの中央又は略中央に大きく図柄組合せを確定停止表示させる。
【0095】
図7に示すように、副制御CPU51は、演出パターンPT2に基づく1回目の変動を特定した場合、当該変動と次の変動の合計2回の変動で、出陣→行軍→攻撃の演出を実行させるようにはずれ変動パターンHP1に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。副制御CPU51は、2回目の変動を特定すると、前の変動から引き継いで行軍の演出を画像表示部GHに表示させるとともに、所定のタイミングで攻撃の演出を画像表示部GHに表示させる。そして、副制御CPU51は、演出パターンPT2に基づく3回目の変動を特定した場合、つまりターゲット変動の場合、最終決戦の演出を実行させるようにはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。
【0096】
図7に示すように、副制御CPU51は、演出パターンPT3に基づく1回目の変動を特定した場合、当該変動とその後の2回の変動の合計3回の変動で、出陣→行軍→攻撃の演出を実行させるようにはずれ変動パターンHP1に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。副制御CPU51は、2回目の変動を特定すると、前の変動から引き継いで行軍の演出を画像表示部GHに表示させる。副制御CPU51は、3回目の変動を特定すると、前の変動から引き継いで行軍の演出を画像表示部GHに表示させるとともに、所定のタイミングで攻撃の演出を画像表示部GHに表示させる。そして、副制御CPU51は、演出パターンPT3に基づく4回目の変動を特定した場合、つまりターゲット変動の場合、最終決戦の演出を実行させるようにはずれリーチ変動パターンHP2又は大当り変動パターンHP3に基づく演出ゲームを画像表示部GHに表示させる。
【0097】
以上により、先読み演出の対象である複数回の図柄変動ゲーム(特別ゲーム)の変動パターンの中に含まれるはずれ変動パターンの数により、先読み演出の対象であるはずれ変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なる。なお、図5に示すように、先読み演出は、その対象である複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中にはずれ変動パターンHP1が1つ含まれる第1状況と、当該第1状況とは異なる数(実施形態では2又は3)のはずれ変動パターンHP1が含まれる第2状況とで実行可能である。そして、本実施形態では、図6及び図7で説明したように第1状況と第2状況とで、はずれ変動パターンHP1に基づく図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得る。一例として、第1状況の場合は、演出パターンPT1に基づき、自軍の槍隊が最終決戦に挑み、決戦する内容であるとともに、1回のはずれ変動で出陣、行軍、攻撃の演出が実行される。一例として、第2状況の場合は、演出パターンPT2に基づき、自軍の鉄砲隊が最終決戦に挑み、決戦する内容であるとともに、2回のはずれ変動で出陣、行軍、攻撃の演出が実行される。この場合の2回のはずれ変動では、図7で説明したように、1回目のはずれ変動(出陣と行軍)と2回目のはずれ変動(行軍と攻撃)とで演出の内容も異なり得る。また、一例として、第2状況の場合は、演出パターンPT3に基づき、自軍の騎馬隊が最終決戦に挑み、決戦する内容であるとともに、3回のはずれ変動で出陣、行軍、攻撃の演出が実行される。この場合の3回のはずれ変動では、図7で説明したように、1回目のはずれ変動(出陣と行軍)と2回目のはずれ変動(行軍)と3回目のはずれ変動(行軍と攻撃)とで演出の内容も異なり得る。また、先読み演出の対象となるターゲット変動では、直前に実行されるはずれ変動の内容を引き継いだ内容の演出が実行される。実施形態では、はずれ変動において最終決戦の戦地に向かう過程の演出が実現されており、ターゲット変動において戦地に到着した部隊が決戦する演出が実現されている。なお、1回又は複数回のはずれ変動を経てターゲット変動に引き継いだ後の演出(最終決戦の演出)は、ターゲット変動よりも前のはずれ変動では実行され得ない演出である。
【0098】
一方、副制御CPU51は、変動開始コマンドを入力したときの実行中フラグの設定値が、先読み演出の実行中ではないことを示す値である場合、演出パターンPT1~PT3とは別の通常演出に用いる演出パターンにしたがって演出ゲームを実行させる。はずれ変動パターンHP1に対応する通常はずれ演出の演出ゲームでは、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各演出図柄が変動表示を開始した後に所定の順番で変動表示が停止することによってはずれの図柄組合わが導出される。はずれリーチ変動パターンHP2に対応する通常はずれリーチ演出の演出ゲームでは、各演出図柄が変動表示を開始した後、所定列(例えば、左右の2列)について同一の演出図柄が一旦停止表示されることによってリーチが形成される。続いて、通常はずれリーチ演出の演出ゲームでは、リーチの形成後、リーチ演出にて最終的にはずれの図柄組合せが導出される。大当り変動パターンHP3に対応する通常大当り演出の演出ゲームでは、通常はずれリーチ演出と同じようにリーチが形成された後、リーチ演出にて最終的に大当りの図柄組合せが導出される。なお、リーチを形成する演出図柄の種類は任意であり、通常はずれリーチ演出のときと通常大当り演出のときとでの異同は問わない。
【0099】
本実施形態における通常はずれリーチ演出及び通常大当り演出におけるリーチ演出は、自軍の武将と盗賊頭とが対決する内容である。大当りに当選している場合には対決で勝利する一方、大当りに当選しておらずはずれの場合には対決で敗北するようにリーチ演出が実行される。リーチ演出においては、盗賊頭と対決する自軍の武将として複数人が登場可能であり、大当りであるか、はずれであるかによって登場する自軍の武将の選択確率を設定することで武将毎に異なる大当り期待度を付与してもよい。
【0100】
ところで、パチンコ遊技機10は、例えば停電などの予期せぬ事柄の発生によって電力供給が遮断されることがある。電力供給が遮断された後のパチンコ遊技機10は、電力供給を復帰させることで再び動作させることができる。本実施形態のパチンコ遊技機10は、電源供給が遮断された後にも、主制御基板40に電力を供給するバックアップ電源を備えている。このため、主制御RWM44を初期化せずに電力供給を再開させる場合、パチンコ遊技機10は、主制御RWM44の記憶内容(バックアップ情報)に基づいて復帰可能である。
【0101】
以下、先読み演出の対象となるはずれ変動の実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後に電力供給の復帰によって遮断した時に実行していたはずれ変動に係る演出ゲームに復帰する場合の制御内容について説明する。
【0102】
主制御CPU42は、主制御RWM44を初期化せずに復帰する場合、電力供給が開始されることによって復電処理を実行する。復電処理において主制御CPU42は、バックアップ情報に基づいて復帰することを特定可能な復電コマンドを出力バッファに格納する。復電コマンドを入力した副制御CPU51は、復電に係る処理を実行する。例えば、副制御CPU51は、復電による復帰であることを表示、音声などで報知するための制御、電源遮断前に復帰するために必要な設定などの処理を行う。なお、副制御基板50にはバックアップ電源からの電力は供給されていない。このため、副制御RWM53の記憶内容は、電源遮断後において維持されていない。
【0103】
副制御CPU51は、遮断した時に実行していたはずれ変動に係る演出ゲームに復帰することになるが、当該演出ゲームの演出に係る情報を持ち合わせていない。つまり、情報がバックアップされていない。このため、次の特別ゲームに係る変動開始コマンドを入力するまでの間、画像表示部GHの表示内容を所定の表示内容とする。一例として、画像表示部GHの背景を黒塗りの背景画像で表示するとともに、「復帰中です」などの復帰中であることを報知する報知画像を表示する。
【0104】
副制御CPU51は、復帰後、変動開始コマンドを入力すると、当該変動開始コマンドから特定される変動パターンに基づいて演出ゲームを実行させる。一例として、副制御CPU51は、はずれ変動パターンHP1を特定可能な変動開始コマンドを入力したとき、実行中フラグの設定値が先読み演出の実行中ではないことを示す値である場合、通常はずれ演出の演出ゲームを実行させる。一例として、副制御CPU51は、はずれリーチ変動パターンHP2を特定可能な変動開始コマンドを入力したとき、実行中フラグの設定値が先読み演出の実行中ではないことを示す値である場合、通常はずれリーチ演出の演出ゲームを実行させる。一例として、副制御CPU51は、大当り変動パターンHP3を特定可能な変動開始コマンドを入力したとき、実行中フラグの設定値が先読み演出の実行中ではないことを示す値である場合、通常大当り演出の演出ゲームを実行させる。つまり、本実施形態では、復電したとき、先読み演出を実行中であったことの情報を記憶していないことから、電源供給が遮断されなかった場合であれば実行されるべき演出とは異なる態様で演出が実行されることになる。なお、復電後の主制御CPU42は、復電後、第1特別始動入賞口15に対して新たな入賞が発生すると、先読みコマンドを出力可能である。
【0105】
次に、図10にしたがって、先読み演出に関連する保留変化演出について説明する。
図10(a)に示すように、画像表示部GHでは、図中に白抜き矢印で示すように演出図柄を変動表示させる演出ゲームが表示されるとともに、実行中の演出ゲームに関する実行画像H0と、保留中の特別ゲームに対応する演出ゲームの数に関する保留画像H1~H4が表示されている。保留画像H1~H4は、保留記憶数に対応しており、保留記憶数が「1」のときには保留画像H1が表示される。また、保留記憶数が「2」のときには保留画像H1,H2が表示されるとともに、保留記憶数が「3」のときには保留画像H1~H3が表示され、さらに保留記憶数「4」のときには保留画像H1~H4が表示される。図10(a)は、保留記憶数が「3」のときの画像表示部GHを示しており、当該画像表示部GHには保留画像H1~H3が表示されている。
【0106】
図10(a)の状態で、第1特別始動入賞口15への新たな入賞が発生すると、主制御CPU42は先読みコマンドを出力するとともに、副制御CPU51は先読みコマンドを入力する。副制御CPU51は、実行中フラグの設定値が実行中ではないことを示す値である場合、入力した先読みコマンドをもとに先読み演出の実行可否を決定する。
【0107】
図10(b)に示すように、副制御CPU51は、先読み演出の実行否を決定すると、保留画像H4を通常表示態様で表示する。一方、図10(c)に示すように、副制御CPU51は、先読み演出の実行可を決定すると、保留画像H4を通常表示態様とは異なる特殊表示態様で表示する。つまり、他の保留画像H1~H3と区別して表示する。これにより、先読み演出の実行可が決定されたことと、保留中の演出ゲームのうち、特殊表示態様で表示された保留画像に対応する演出ゲームがターゲット変動に相当する演出ゲームであることと、を報知する。
【0108】
なお、先読み演出の開始後、当該先読み演出の対象となる変動が終了して保留が消化される毎に、ターゲット変動に対応する保留画像の表示位置が変わる。一例として、図10(c)に示すように保留画像H4をターゲット変動であると示している場合に、実行中の演出ゲームが終了して保留が消化されると、次に保留画像H3が特殊表示態様で表示される。また、ターゲット変動が開始する場合には、実行画像H0が特殊表示態様で表示される。保留画像H1~H4の特殊表示態様と実行画像H0の特殊表示態様は、同一態様でもよいし、異なる態様でもよい。また、複数種類の特殊表示態様を備えており、ターゲット変動に近づく毎、つまり保留消化が進む毎に特殊表示態様を変化させてもよい。なお、複数種類の特殊表示態様に、ターゲット変動の最終決戦で勝利する期待度を対応付けておき、入賞時には期待度に対応する特殊表示態様で所定の保留画像を表示させてもよいし、ターゲット変動に近づく毎、つまり保留消化が進む毎に特殊表示態様を変化させてもよい。特殊表示態様が変化する頻度は、ターゲット変動に至るまでの全ての変動でもよいし、ターゲット変動に至るまでの変動の一部の変動でもよい。また、特殊表示態様の変化は、実行画像H0で起こり得てもよく、この場合は実行画像H0のみで変化するようにしてもよいし、保留画像での変化に加えて変化するようにしてもよい。
【0109】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)先読み演出の対象となる全ての特別ゲームの変動パターンを先読みした結果、ターゲット変動に対応する特別ゲームの変動パターンと当該ターゲット変動の前に行われる全ての特別ゲームの変動パターンとが所定の組合せである場合に、先読み演出の実行可を決定できるようにした。したがって、先読み演出が実行される際、違和感なく、また間延びすることなく、設計者の設計通りに先読み演出を実行させることができる。つまり、一繋がりの先読み演出として遊技者に認識させることができる。このように先読み演出の実行態様に工夫を凝らすことで、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0110】
(2)また、先読み演出は、保留中の特別ゲームの数に応じて、予め決められた時間で、かつ予め決められた内容で、一繋がりの演出として実行させることができる。したがって、先読み演出自体が決められたルールの中で実行されることになり、演出が間延びしたり、あるいは時間が不足したり、というようなことが生じ得ない演出を実現できる。
【0111】
(3)ターゲット変動の前に実行される変動ははずれ変動であることを前提とし、そのはずれ変動が1つ含まれる場合と2つ以上含まれる場合とで、はずれ変動における演出の内容を異ならせた。これにより、先読み演出に含まれるはずれ変動の数によって態様が異なる先読み演出を実現し得る。その結果、先読み演出のバリエーションを増加させることができる。したがって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0112】
(4)そして、実施形態においては、先読み演出の内容によってターゲット変動を把握し得る。このため、遊技者には、何れの変動がターゲット変動であり、先読み演出において注目するべきポイントを知らしめることができる。
【0113】
(5)ターゲット変動の前に実行されるはずれ変動が複数回ある場合において、これらのはずれ変動の実行中における演出の内容が異なり得る。このため、はずれ変動毎に何らかの演出が実行されているというように区切られた演出であるとの印象を払拭でき、一繋がりの演出であるかの印象を強く抱かせることができる。
【0114】
(6)ターゲット変動の前に実行されるはずれ変動の数が異なる場合であっても、先読み演出中に同じ演出が実行される場合がある。このため、はずれ変動の数が異なることで先読み演出全体の内容が異なる場合に比して先読み演出のバリエーションを増加させることができる。また、同じ演出が実行されることで、数の相違による大当り期待度の優劣感を払拭でき、先読み演出全体の時間が短い場合でも、長い場合でも、大当りに対して同様の期待感を得ることができる。
【0115】
(7)ターゲット変動では、当該ターゲット変動の前に実行されるはずれ変動の内容を引き継いだ内容の演出を実行させる。この際、ターゲット変動で実行される演出は、はずれ変動では実行されない演出となっている。これにより、先読み演出が一繋がりの演出であることを強く感じさせることができる。また、ターゲット変動に至る迄の過程も楽しませることができる。
【0116】
(8)先読み演出の対象である変動のうち、はずれ変動の実行中に電力供給が遮断され、復帰した場合、その後のターゲット変動では、電力供給が遮断されなかった場合に実行可能な演出とは異なる態様で演出が実行される。このため、先読み演出を一繋がりの演出として構成している場合において、電力供給が遮断されることに起因して途中の演出が抜けるなど、違和感を生じる演出とならないようにすることができる。つまり、復帰後は、別の演出が実行されるイメージを遊技者に与えることができ、その演出を遊技者に楽しませることができる。
【0117】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0118】
・副制御基板50のバックアップ機能を備えていてもよい。この場合、先読み演出に関する情報は、復電したときに副制御RWM53に残っている。このため、先読み演出中のはずれ変動で電力供給が遮断され、その後に復帰したときにはターゲット変動において電力供給が遮断されなかった場合に実行を予定していた演出を実行させるようにしてもよい。あるいは、副制御CPU51は、復電コマンドを入力したとき、電力供給が遮断される前には先読み演出を実行していたことが特定されれば、ターゲット変動において復電時専用の演出を実行させるようにしてもよい。
【0119】
・先読み演出の対象であるはずれ変動の実行中に電力供給が遮断され、その後にはずれ変動に復帰する場合、復帰後のはずれ変動において電力供給の遮断前に実行していた演出又は実行を予定していた演出とは異なる内容の演出を実行させてもよい。一例として、「槍隊」、「鉄砲隊」、「騎馬隊」による演出ではあるが、電力供給の遮断前後で装備の種類、部隊の兵数など、一部を異なる内容としてもよい。一例として、「槍隊」、「鉄砲隊」、「騎馬隊」とは全く異なる部隊(例えば忍者隊、大筒隊)を登場させるなど、全部を異なる内容としてもよい。そして、復電した場合には、ターゲット変動においても、電力供給の遮断前に実行を予定していた演出とは異なる内容の演出を実行させてもよい。一例として、全く別の大将を出現させて最終決戦を行わせてもよい。一例として、別の大将を出現させて最終決戦を行う演出ではなく、他の演出(例えば、擬似連続演出やステップアップ演出などの予告演出、プレミアム演出)であってもよい。
【0120】
・パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2特別始動入賞口16への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載していてもよい。パチンコ遊技機10における遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動、及び非作動)を組合せて構成される。一例として、パチンコ遊技機10は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない通常状態を備える。一例として、パチンコ遊技機10は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する第1有利状態を備える。一例として、パチンコ遊技機10は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能、及び時短機能が作動する第2有利状態を備える。これの遊技状態を備えるパチンコ遊技機10において実施形態の先読み演出を、通常状態、第1有利状態及び第2有利状態のうち何れか1つの遊技状態で実行させてもよいし、これらの遊技状態を任意に組合せた複数の遊技状態で実行させてもよい。
【0121】
・パチンコ遊技機10は、第1特別始動入賞口15へ遊技球が入球した場合よりも、第2特別始動入賞口16へ遊技球が入球した場合の方が、有利な構成としてもよい。一例として、有利な構成には、1回の大当り遊技で得られる出玉が多いことがある。
【0122】
・パチンコ遊技機10は、第1有利状態又は第2有利状態であるときに普通抽選に当選する確率が通常状態よりも高くなる構成でもよい。パチンコ遊技機10は、通常状態においては普通抽選に当選しないが、第1有利状態又は第2有利状態においては普通抽選に当選する構成でもよい。
【0123】
・実施形態のパチンコ遊技機10のように第2特別ゲームを第1特別ゲームよりも優先的に実行させる構成の場合、先読み演出の実行中に第2特別始動入賞口16へ遊技球が入球すると、先読み演出の実行中であっても、第2特別ゲームが割り込み実行されることになる。このようなイレギュラーな事象が生じた場合、副制御CPU51は、第2特別ゲームを実行させている間、先読み演出の実行を中断させてもよい。あるいは、副制御CPU51は、第2特別ゲームが実行されることにより、第1特別ゲームで実行されるはずの先読み演出を途中で中止させてもよい。あるいは、副制御CPU51は、第2特別ゲームに対応する演出ゲームにおいて特別な演出を実行させることにより、先読み演出が中断したことに違和感を抱かせないようにしてもよい。
【0124】
・パチンコ遊技機10は、変動パターンの種類を増やしてもよい。一例として、変動時間が異なる複数のはずれ変動パターンを備えていてもよい。複数のはずれ変動パターンの全てを第1変動パターンとして先読み演出の実行可否を決めてもよいし、複数のはずれ変動パターンのうち1又は複数のはずれ変動パターンを第1変動パターンとして先読み演出の実行可否を決めてもよい。演出時間の異なるはずれ変動パターンを第1変動パターンとして先読み演出を実行させた場合は、ターゲット変動に至るまでのはずれ変動の数が同じであっても、ターゲット変動に至るまでの時間に変化が生じ得る。これにより、先読み演出のバリエーションを増加させることができる。
【0125】
・先読み演出の対象となる各変動において、様々な大当り予告を実行させてもよい。あるいは、パチンコ遊技機10が備える操作ボタンを操作させる操作演出を実行させ、操作ボタンを操作したか否かによって先読み演出の内容を分岐させるようにしてもよい。
【0126】
・先読み演出は、画像表示部GHに画像を表示することによって実行させているが、保留画像H1~H4に何らかの変化を生じさせる保留変化の演出として実行させてもよい。また、保留変化の演出に、実行画像H0を変化させる演出を加えて、先読み演出を実行させてもよい。
【0127】
・実施形態の先読み演出は、自軍と敵軍との戦闘をテーマとした内容で構成したが、そのテーマは任意に変更してもよい。一例として、財宝を探すテーマ、謎解きのテーマなど、ターゲット変動と当該ターゲット変動に至るまでの変動において一連のストーリーを形成する演出を実現することで、一繋がりの先読み演出とすることができる。
【0128】
・実施形態のパチンコ遊技機10は、先読み演出と同様の演出で展開されるが、次の段階へ移行しない演出、所謂、ガセ演出を備えていてもよい。
・パチンコ遊技機10は、遊技球を機内部で循環させる循環式のパチンコ遊技機であってもよい。この場合、遊技者の持ち球は、パチンコ遊技機10において電子的に管理されるとよい。
【0129】
・主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板40は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成してもよい。副制御基板50の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU51は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0130】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、前記予告制御手段は、入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている全ての図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであるとともに、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るとともに、前記第2状況における前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンに含まれる前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得る遊技機。
【0131】
(ロ)入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、前記予告制御手段は、入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている全ての図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであるとともに、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るとともに、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームに含まれる前記第1変動パターンの数が異なる場合であっても、前記連続予告演出の実行中に同じ内容の演出が実行される場合がある遊技機。
【0132】
(ハ)入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、前記予告制御手段は、入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている全ての図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであるとともに、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るとともに、前記連続予告演出の対象である前記第2変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームでは、直前に実行される前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容を引き継いだ内容の演出が実行され、その引き継いだ後の演出は、前記連続予告演出の対象である前記第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームでは実行され得ない演出である遊技機。
【0133】
(ニ)前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの中に複数回の第1変動パターンが含まれる場合、先に実行される前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの次に実行される前記第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームは、先の前記図柄変動ゲームの内容を引き継いだ内容で実行される前記技術的思想(ハ)に記載の遊技機。
【0134】
(ホ)入球検知手段に遊技球が検知されたことを契機に図柄変動ゲームを表示可能な表示手段を備える遊技機において、前記入球検知手段によって遊技球が検知される毎に、実行が保留される図柄変動ゲームの変動内容を示す変動パターンを特定する変動パターン先読み手段と、前記変動パターン先読み手段により特定された変動パターンを示す変動パターン特定コマンドを出力する出力手段と、入力した変動パターン特定コマンドに基づき、実行が保留されている図柄変動ゲームが当りとなる可能性を複数回の図柄変動ゲームに亘って示唆する連続予告演出を実行させる予告制御手段と、を備え、前記予告制御手段は、入力した変動パターン特定コマンドにより保留されている全ての図柄変動ゲームの変動パターンを特定し、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンを除く変動パターンが、第1変動パターンであるとともに、前記連続予告演出の最後となる図柄変動ゲームの変動パターンが、前記第1変動パターンの変動時間よりも長い変動時間の第2変動パターンである場合、前記連続予告演出の実行を決定し、保留されている図柄変動ゲームにおいて、前記連続予告演出を実行させ、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1変動パターンが1つ含まれる第1状況と、前記連続予告演出の対象である前記複数回の図柄変動ゲームの変動パターンの中に前記第1状況とは異なる数の前記第1変動パターンが含まれる第2状況とで、前記第1変動パターンに基づく前記図柄変動ゲームの実行中における演出の内容が異なり得るとともに、前記連続予告演出の対象である前記第1変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中に前記遊技機への電力供給が遮断され、その後に前記図柄変動ゲームに復帰するときには、当該図柄変動ゲームの後に実行される前記第2変動パターンに基づく図柄変動ゲームの実行中は、前記遊技機への電力供給が遮断されずに実行される演出の内容とは異なる態様で演出が実行される遊技機。
【符号の説明】
【0135】
10…パチンコ遊技機 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 40…主制御基板 40a…主制御CPU 50…副制御基板 50a…副制御CPU SE1…第1特別始動センサ SE2…第2特別始動センサ EH…演出表示装置 GH…画像表示部 HP1~HP3…変動パターン PT1~PT3…演出パターン t1~t3…変動時間
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9
図10