(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-19
(45)【発行日】2025-09-30
(54)【発明の名称】分散型ネットワーク内のノードを集中型ネットワークに移行するための方法
(51)【国際特許分類】
H04W 84/20 20090101AFI20250922BHJP
H04L 41/12 20220101ALI20250922BHJP
【FI】
H04W84/20
H04L41/12
(21)【出願番号】P 2025511516
(86)(22)【出願日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2023072043
(87)【国際公開番号】W WO2024041890
(87)【国際公開日】2024-02-29
【審査請求日】2025-04-18
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ サヒール
(72)【発明者】
【氏名】クマル シャンカラン サンディープ
【審査官】松▲崎▼ 祐季
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/012627(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106899501(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04L 41/00-43/55
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するための方法であって、当該方法は、
第1のブリッジデバイスによって、前記分散型ワイヤレスネットワーク内の第2のブリッジデバイスから前記分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報を受けるステップと、
前記受けた構成情報に基づいて前記第1のブリッジデバイスによって前記分散型ワイヤレスネットワークにアクセスするステップと、
前記2つ以上のノード間のトポロジ情報を収集するために前記第1のブリッジデバイスによって前記分散型ワイヤレスネットワーク内の前記2つ以上のノードに問い合わせるステップと、
前記トポロジ情報に基づいて、前記2つ以上のノードに前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを前記第1のブリッジデバイスによって決定するステップと、
前記シーケンスリストに従って、前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように前記2つ以上のノードに通知するステップと、
を含み、
前記シーケンスリストは、前記2つ以上のノードのうちの第1のノードが、前記分散型ワイヤレスネットワーク内で前記2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介してブリッジデバイスからメッセージを受信する場合、前記第1のノードが、前記第2のノードよりも早く前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる、方法。
【請求項2】
当該方法は、
前記第1のブリッジデバイスによって、ノードが参加するために前記集中型ワイヤレスネットワークを開くステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該方法は、
前記第2のブリッジデバイスによって、前記2つ以上のノードに関連する情報を前記第1のブリッジデバイスに提供するステップ、
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
当該方法は、
前記2つ以上のノードに関連する情報を収集するために前記第1のブリッジデバイスによって前記分散型ワイヤレスネットワーク上の前記2つ以上のノードに問い合わせるステップ、
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項5】
前記2つ以上のノードに関連する情報は、前記2つ以上のノードに関連するアドレス、構成パラメータ、及び状態情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、
前記第1のブリッジデバイスによって、前記集中型ワイヤレスネットワークに関連する1つ以上のパラメータを前記2つ以上のノードに提供するステップ、
を含む、請求項2乃至
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
当該方法は、
前記集中型ワイヤレスネットワーク内の前記2つ以上のノードのうちのノードを、以前の前記分散型ワイヤレスネットワーク内での当該ノードの状態に復元するステップ、
を含む、請求項3乃至
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
当該方法は、
前記2つ以上のノードに関連して得られる情報に基づいて、前記集中型ワイヤレスネットワーク内の前記2つ以上のノードのうちのノードのためのリンクキーを生成する、及び
前記リンクキーについて当該ノードに知らせる、
ステップを含む、請求項3乃至
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記分散型ワイヤレスネットワーク及び前記集中型ワイヤレスネットワークの少なくとも一方は、Zigbee(登録商標)規格に準拠する、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のブリッジデバイス及び前記第2のブリッジデバイスは、互いに接続する、前記分散型ワイヤレスネットワークにも前記集中型ワイヤレスネットワークにも属さない、さらなる通信チャネルを有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項11】
分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するために使用するためのブリッジデバイスであって、当該ブリッジデバイスは、
前記分散型ワイヤレスネットワーク内の他のブリッジデバイスから前記分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報を受けるように構成される通信インターフェースと、
前記受けた構成情報に基づいて前記分散型ワイヤレスネットワークにアクセスする、及び
前記2つ以上のノード間のトポロジ情報を収集するために前記分散型ワイヤレスネットワーク内の前記2つ以上のノードに問い合わせる、
ように構成される無線機と、
前記トポロジ情報に基づいて、前記2つ以上のノードに前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを決定する、
ように構成されるコントローラと、
を含み、
前記無線機は、前記シーケンスリストに従って、前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように前記2つ以上のノードに通知するように構成され、
前記シーケンスリストは、前記2つ以上のノードのうちの第1のノードが、前記分散型ワイヤレスネットワーク内で前記2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介して前記他のブリッジデバイスからメッセージを受信した場合、前記第1のノードが、前記第2のノードよりも早く前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる、ブリッジデバイス。
【請求項12】
前記無線機は、前記シーケンスリストに従って、前記集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように前記2つ以上のノードに通知した後、ノードが参加するために前記集中型ワイヤレスネットワークを開くように構成される、請求項11に記載のブリッジデバイス。
【請求項13】
前記無線機は、ノードのために前記集中型ワイヤレスネットワークを開く、及び、前記集中型ワイヤレスネットワーク及び前記分散型ワイヤレスネットワークの両方でタイムシェアリング方式で動作するように構成される、請求項11に記載のブリッジデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信の分野に関する。とりわけ、本明細書では、2つの異なるワイヤレスネットワーク間でノードを移行することに関連する様々な方法、装置、及びシステムが開示される。
【背景技術】
【0002】
Zigbee(登録商標)、Thread及びBluetooth(登録商標) Meshは、照明及びビルオートメーション等のIoTアプリケーションを対象とするワイヤレスネットワークの例である。これらは、メッセージが、例えば、ライトスイッチ(light switch)及び1つ以上の照明器具間で渡されることを可能にする低レイテンシ、低レートのサービスを提供する。メッシュネットワーキングは、システムに大きなフレキシビリティ及びスケーラビリティを提供する。しかしながら、他方、集中型のZigbeeネットワークは、ネットワークの制御及びセキュリティの向上を提供し、多くのアプリケーションにおいて魅力的である。斯くして、リライアブルに既存の分散型ネットワークを集中型ネットワークに移行する(migrate)必要性がある。
【0003】
Zigbee規格等、いくつかの通信規格は、分散型ネットワークアーキテクチャ及び集中型ネットワークアーキテクチャの両方をサポートする。このような規格は、どのように分散型ネットワーク及び集中型ネットワークがゼロから(from scratch)形成されることができるかも定義している場合がある。しかしながら、ネットワーク全体を再展開する(redeploy)必要なく、既存の分散型ネットワークを集中型ネットワークへと移す(move)明確に定義されたやり方はない。さらに、ネットワークの機能性への影響を減らしながら、トランジション(transition)がオンザフライで(on-the-fly)で実施されることができることも望ましくあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
分散型ネットワークにおいて、一部のノードは、他のノード(ルータノード又は親ノード)が当該ノードにメッセージを中継することに依存する、エンドノード又はリーフノードである。分散型ネットワークから集中型ネットワークへのトランジション時に1つの問題が発生する可能性がある。すなわち、ルータノード又は親ノードがエンドノード及び/又はリーフノードよりも早く分散型ネットワークから離れる場合、当該エンドノード及び/又はリーフノードは、トランジションについて知らされずに分散型ネットワークへの接続を失い、到達不能になる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
トポロジ情報を考慮してネットワーク移行プロシージャを調整する(regulate)ことが有益であることが、本発明者によって認識されている。とりわけ、本発明の目的は、請求項1に記載の方法、及び請求項11に記載のブリッジデバイスによって達成される。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するための方法が提供される。当該方法は、第1のブリッジデバイスによって、分散型ワイヤレスネットワーク内の第2のブリッジデバイスから分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報(configuration information)を受けるステップと、受けた構成情報に基づいて第1のブリッジデバイスによって分散型ワイヤレスネットワークにアクセスするステップと、2つ以上のノード間のトポロジ情報を収集するために第1のブリッジデバイスによって分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードに問い合わせる(query)ステップと、トポロジ情報に基づいて、2つ以上のノードに集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを第1のブリッジデバイスによって決定するステップと、シーケンスリストに従って、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノードに通知する(inform)ステップとを含み、シーケンスリストは、2つ以上のノードのうちの第1のノードが、分散型ワイヤレスネットワーク内で2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介して他のブリッジデバイスからメッセージを受信した場合、第1のノードが、第2のノードよりも早く集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる(arranged)。
【0007】
分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報は、分散型ネットワークのネットワークID、分散型ネットワークの動作チャネル、又は分散型ネットワークに関連する別のネットワークパラメータに関連してもよい。構成情報は、第1のブリッジデバイスが分散型ネットワークにアクセスするのを支援するために使用される。
【0008】
トポロジ情報は、1ホップ直接リンク(one hop direct link)を有するネイバーのリスト、ネイバーノードとのリンクを確立するために使用される出力パワー、ネイバーノードからの受信パワー、又は別のノードとのリンクに関連するリンク品質情報等、個々のノードに関連する近隣情報(neighboring information)を得ることによって収集されてもよい。
【0009】
斯くして、トポロジ情報は、システム内のノードの物理的展開(physical deployment)に関連してもよい。また、トポロジ情報は、どのノードがルータノードとして割り当てられているか、どのノードがエンドノード又は非ルーティングノードとして割り当てられているか等、分散型ネットワークのネットワーク構築(network construction)に関連してもよい。例えば、エンドノードは、ルータノードから情報を受信するが、別のエンドノードからは情報を受信しない場合がある。
【0010】
好ましい実施形態において、シーケンスリストは、2つ以上のノードのうちの第1のノードが、分散型ワイヤレスネットワーク内で2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介してブリッジデバイスからメッセージを受信する場合、第1のノードが、第2のノードよりも早く集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる。
【0011】
シーケンスリストは、重要なノード(critical node)、例えば、ネットワークの2つのサブパート(subpart)間の唯一のリンクであるノードが、他のノードよりも早く新しい集中型ネットワークへ移ることで、このトランジションについて知らせるために分散型ネットワークにおいて一部のノードが到達不能にされることになる状況を回避するように並べられる。例えば、ルータノード又は親ノードは、分散型ネットワークへのアクセスを得るためにルータノード又は親ノードに依存しているエンドノード又は子ノードよりも遅く分散型ネットワークを離れることになる。
【0012】
有利には、方法はさらに、第1のブリッジデバイスによって、ノードが参加するために集中型ワイヤレスネットワークを開くステップ含む。
【0013】
このステップは、第1のブリッジデバイスが、2つの無線機を介して、又はタイムシェアリング方式で単一の無線機を介して等、同時に2つのネットワークにいられるかどうかに依存して、分散型ワイヤレスネットワークへ参加する前又は後に第1のブリッジデバイスによって実施されてもよい。代替的に、第1のブリッジデバイスは、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノードに通知した後、集中型ワイヤレスネットワークを開いてもよい。また、第1のブリッジデバイスは、集中型ワイヤレスネットワークがノードが参加するための準備を可能にする、ある遅延の後参加するように2つ以上のノードに通知する。
【0014】
有益には、方法はさらに、第2のブリッジデバイスによって、2つ以上のノードに関連する情報を第1のブリッジデバイスに提供するステップを含む。
【0015】
第2のブリッジデバイスは、第1のブリッジデバイスが集中型ネットワークをセットアップする及び個々のノードとの接続を確立するのをさらに支援するために、個々のノードに関連する情報を第1のブリッジデバイスに提供してもよい。
【0016】
代替的に、方法はさらに、2つ以上のノードに関連する情報を収集するために第1のブリッジデバイスによって分散型ワイヤレスネットワーク上の2つ以上のノードに問い合わせるステップを含む。
【0017】
第1のブリッジデバイスが分散型ネットワークに参加することで、第1のブリッジデバイスは、斯かる情報を自ら収集してもよい。しかしながら、第2のブリッジデバイスは、分散型ネットワークにおける通常のデータ通信中に斯かる情報を既に収集している可能性があるので、斯かる情報は、第2のブリッジデバイスによって第1のブリッジデバイスに直接提供されることがより効率的であり得る。
【0018】
一例において、2つ以上のノードに関連する情報は、2つ以上のノードに関連するアドレス、構成パラメータ(configuration parameter)、及び状態情報(state information)のうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
有利には、方法はさらに、第1のブリッジデバイスによって、集中型ワイヤレスネットワークに関連する1つ以上のパラメータを2つ以上のノードに提供するステップを含む。
【0020】
このステップは、2つ以上のノードに集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するステップと組み合わされてもよい。
【0021】
1つ以上のパラメータは、集中型ネットワークのネットワークID、集中型ネットワークの動作チャネル、又は別のネットワークパラメータに関連してもよい。
【0022】
一例において、方法はさらに、集中型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードのうちのノードを、以前の分散型ワイヤレスネットワーク内での当該ノードの状態に復元する(restore)ステップを含む。
【0023】
分散型ネットワーク内での個々のノードの構成、設定、状態、又はシーンを知ることにより、第1のブリッジデバイス又は新しいブリッジデバイスは、ノードが新しい集中型ネットワークに移った後、ノードを以前の構成、設定、状態、又はシーンに復元してもよく、これはスムーズなトランジションをさらに高める。
【0024】
別の例では、方法はさらに、2つ以上のノードに関連して得られる情報に基づいて、集中型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードのうちのノードのためのリンクキーを生成する、及びリンクキーについて当該ノードに知らせるステップを含む。
【0025】
ノードの識別子又はアドレス等、個々のノードに関連する情報を受けると、エンドツーエンドリンクキーが、当該個々のノードのために第1のブリッジデバイスによって生成されてもよい。エンドツーエンドリンクキーは、集中型ネットワークにおけるエンドツーエンド通信のセキュリティを高めるために使用されてもよい。
【0026】
このステップは、第1のブリッジデバイスが個々のノードにそれらに専用リンクキーについて知らせるように、集中型ネットワークの第1のブリッジデバイスによって実行されてもよい。
【0027】
有益には、分散型ワイヤレスネットワーク及び集中型ワイヤレスネットワークの少なくとも一方は、Zigbee(登録商標)規格に準拠する。
【0028】
Zigbee規格は、ホームオートメーション及び照明制御アプリケーションで広く採用されている。Zigbeeネットワークレイヤは、スター型ネットワークとツリー型ネットワーク、及び一般的なメッシュネットワーキングの両方をネイティブにサポートしている。強力なトポロジ制御は、特に直接リンクでソースノードから遠く離れた宛先ノードに到達するために、制御システムにおいて大きなフレキシビリティを提供する。
【0029】
ZigBeeは、ZigBeeコーディネータ(ZigBee Coordinator)(ZC)、ZigBeeルータ(ZigBee Router)(ZR)、及びZigBeeエンドデバイス(ZigBee End Device)(ZED)という、3つの異なるデバイスタイプを規定している。これら3つのデバイスは、ZigBeeネットワーク内で異なる役割を果たす。Zigbeeルータ(ZR)は、コーディネータ及び/又はデバイス間でデータを渡す。Zigbeeエンドデバイス(ZED)は、基本的な機能性のみを提供する。ZEDはリーフノードである。ZEDは親ノードを介してのみ通信を行い、ルータデバイスとは異なり、他のノード向けのメッセージを中継することはできない。ZEDはルーティングに参加しない。エンドデバイスは、メッセージを送る及び受信するために親ルータに依存する。IEEE 802.15.4に関して、ZC及びZRはフル機能デバイス(fully functional device)(FFD)であり、ZEDは機能限定デバイス(reduced function device)(RFD)である。
【0030】
斯くして、分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノード間のトポロジ情報は、ノードの物理的位置、ノードによってサポートされる機能性、及びノードが分散型ネットワーク内で果たす役割のタイプによって共同で(jointly)決定されてもよい。
【0031】
任意選択的に、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスは、物理的にコロケートされる(physically co-located)。例えば、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジは、直接ワイヤレス通信範囲(direct wireless communication range)内等、近接して隣同士に配備されてもよい。また、第1のブリッジデバイスが移行後に第2のブリッジデバイスによって置き換えられるべきであるように、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスはコロケートされる場合もあり得る。物理的に、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスが同じブリッジデバイスであることもあり得る。これは、既存のブリッジデバイスが、ファームウェアアップデートにより、集中型ネットワークへのトランジションケイパビリティ(capability to transition)を有する状況にも同様に当てはまる。これらすべてのステップが、同じブリッジデバイス上で、自身のネットワークを分散型トポロジから集中型トポロジに移すように実行されるにすぎない。
【0032】
有利には、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスは、互いに接続する、分散型ワイヤレスネットワークにも集中型ワイヤレスネットワークにも属さない、さらなる通信チャネルを有する。
【0033】
さらなる通信チャネルは、有線チャネル又はワイヤレスチャネルのいずれかであってもよい。例えば、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスは、IPネットワーク、例えば、Ethernet(登録商標)を介して接続されてもよい。また、第1のブリッジデバイス及び第2のブリッジデバイスは、Wi-Fi(登録商標)ネットワーク、BLEリンク、又は4G/5Gセルラーリンクを介して接続されてもよい。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、ブリッジデバイスが提供される。分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するために使用するためのブリッジデバイスであって、当該ブリッジデバイスは、分散型ワイヤレスネットワーク内の他のブリッジデバイスから分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報を受けるように構成される通信インターフェースと、受けた構成情報に基づいて分散型ワイヤレスネットワークにアクセスする、及び2つ以上のノード間のトポロジ情報を収集するために分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードに問い合わせるように構成される無線機(radio)と、トポロジ情報に基づいて、2つ以上のノードに集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを決定するように構成されるコントローラとを含み、無線機はさらに、シーケンスリストに従って、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノードに通知するように構成され、シーケンスリストは、2つ以上のノードのうちの第1のノードが、分散型ワイヤレスネットワーク内で2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介して他のブリッジデバイスからメッセージを受信した場合、第1のノードが、第2のノードよりも早く集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる。
【0035】
集中型ネットワークへノードを移行するプロシージャ全体は、例えば、まず、分散型ワイヤレスネットワークの古いブリッジデバイスから構成パラメータを得ることによって既存の分散型ネットワークに参加することを要求する、集中型ネットワークの新しいブリッジデバイスによって開始されてもよい。その後、分散型ワイヤレスネットワーク内の既存のブリッジデバイス又は集中型ネットワークの新しいブリッジデバイスは、スムーズなトランジションをお膳立てする(arrange)際の主な責任を担ってもよい。好ましい例では、新しいブリッジデバイスが、プロシージャ中のメインステップを実行する。
【0036】
トポロジ情報は、トランジション中に分散型ネットワーク内で到達不能なノードが残らないことを保証するためのシーケンスリストを決定するために使用される。トポロジ情報は、新しいブリッジデバイスによって、分散型ネットワーク内のノードに問い合わせることによって収集されてもよい。代替的に、既存のブリッジデバイスが、分散型ネットワークにおけるより早いデータ通信中に定期的にトポロジ情報を収集することも可能であり、その後、既存のブリッジデバイスが、斯かるトポロジ情報を新しいブリッジデバイスに直接提供してもよい。トポロジ情報に基づいて、新しいブリッジデバイスはシーケンスリストを決定し、シーケンスリストに従ってノードに集中型ネットワークへ参加することを要求する。
【0037】
既存のブリッジデバイスはまた、アドレス、構成パラメータ、分散型ネットワーク内のノードの状態等、個々のノードに関連するさらなる情報を提供してもよい。このような情報は、新しいブリッジデバイスが、ノードが新しい集中型ネットワークに移った後、ノードを以前の状態又は構成に復元するのに役立ち得る。また、情報は、エンドツーエンド通信リンクを確保するための専用リンクキーを生成するために使用されてもよい。
【0038】
有益には、シーケンスリストは、2つ以上のノードのうちの第1のノードが、分散型ワイヤレスネットワーク内で2つ以上のノードのうちの第2のノードの中継を介して他のブリッジデバイスからメッセージを受信した場合、第1のノードが、第2のノードよりも早く集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを可能にするように並べられる。
【0039】
1つのオプションにおいて、無線機はさらに、シーケンスリストに従って、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノードに通知した後、ノードが参加するために集中型ワイヤレスネットワークを開くように構成される。
【0040】
このオプションでは、第1のブリッジデバイスは、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノードに通知した後、集中型ワイヤレスネットワークを開く。斯くして、第1のブリッジデバイスは、集中型ワイヤレスネットワークがノードが参加するための準備を可能にする、ある遅延の後参加するように2つ以上のノードに通知する。
【0041】
別のオプションでは、無線機はさらに、ノードのために集中型ワイヤレスネットワークを開く、及び、集中型ワイヤレスネットワーク及び分散型ワイヤレスネットワークの両方でタイムシェアリング方式で(in a time-sharing manner)動作するように構成される。
【0042】
上述したように、第1のブリッジデバイスは、トランジションプロシージャを開始する前に集中型ワイヤレスネットワークを開いてもよい。これは、第1のブリッジデバイスに2つの無線機を組み込むことによって、又は2つのネットワーク間でタイムシェアリング方式で第1のブリッジデバイスの単一の無線機を使用することによって等、第1のブリッジデバイスが分散型ネットワーク及び集中型ネットワークに同時に滞在できる場合に達成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、これらの図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、その代わりに、全般的に、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【
図2】分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するための方法のフローチャートを示す。
【
図3】分散型ワイヤレスネットワークで使用するためのブリッジデバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下で述べられる実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするための情報を表す。添付の図面に照らして以下の説明を読めば、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書でとりわけ取り上げられないこれらの概念の応用を認識するであろう。これらの概念及び応用は、本開示の範囲内に入ることを理解されたい。
【0045】
ワイヤレス通信にとって、分散型ネットワークトポロジは、フレキシビリティ及びスケーラビリティの向上を提供する。しかしながら、セキュリティに問題を生じさせるリスクもある。Zigbeeを例にとると、特に参加プロセス中に、分散型Zigbeeネットワークにおいてよく知られた弱点がある。より良いセキュリティを提供するために、追加のセキュアな参加メカニズムを有する集中型ネットワークへ移ることが魅力的である。Zigbee規格は、どのように分散型ネットワーク及び集中型ネットワークがゼロから形成されることができるかを定義しているが、ネットワーク全体を再展開する必要なく、既存の分散型ネットワークを集中型ネットワークへと移す明確に定義されたやり方はない。ユーザエクスペリエンスの観点から、ユーザの介入及びネットワークへの障害を最小限に抑えてこのトランジションを行うことができることが重要である。好ましくは、トランジションは、オンザフライで実施されることができる。
【0046】
1つのやり方は、Zigbeeコミッショニングクラスタ(Zigbee Commissioning Cluster)(ZCC)を使用することである。ZCCは本質的に、参加すべき集中型ネットワークのZigbee PAN-ID、拡張PAN ID、ネットワークキー及びリンクキー等の情報を含む、ネットワーク内の個々のノードに送られることができるメッセージを定義している。ZCCはまた、リスタート及び新しいネットワークへ参加するようノードに指示するメッセージも定義している。リスタートすると、ノードは、Zigbeeで定義されるよりセキュアな集中型参加メカニズムを使用して新しいネットワークに参加し、集中型ネットワークの一部になったことも「認識(aware)」する。
【0047】
別のやり方は、本質的にZCCが行うことのサブセットを実行するカスタマイズされたメッセージを定義することである。最もシンプルな形式では、ノードに新しいネットワークを検索させ、集中型ネットワークを見つけ、集中型ネットワークに参加させることになる、シンプルなリスタート及び再参加メッセージがノードに送られてもよい。
【0048】
どのような方法が使用されるにせよ、ノードは、新しい集中型ネットワークに参加するために既存の分散型ネットワークから離れるように合図される(nudged)必要がある。既知の方法は、単一のノードを分散型ネットワークから集中型ネットワークに移すやり方を示している。しかしながら、ネットワーク内のすべてのノードを集中型ネットワークにリライアブルに移行させるプロセス/方法はまだ不足している。一例として、重要なノード、例えば、ネットワークの2つのサブパート間の唯一のリンクであるノードが、他のノードよりも早く新しい集中型ネットワークへ移る場合、このトランジションについて知らせるために分散型ネットワークにおいて一部のノードが到達不能にされることになるという問題が発生する可能性がある。回避策は、拡張PAN-ID、PAN-ID、ネットワークキー等が、既存の分散型ネットワーク及び新しい集中型ネットワークの両方で同じに保たれることである。しかしながら、このような回避策は、ノードにとって予期せぬ混乱を招く可能性がある。
【0049】
本発明は、集中型ネットワークが、PAN-ID、ネットワークキー等、フレッシュなネットワークパラメータでもって、完全に独立することができる、より一般化されたやり方で問題に取り組む。これはまた、新しい集中型ネットワークがフレッシュな新しいキーを自由に選択でき、したがって、新しい集中型ネットワークはゼロから構築されたかのように始まるので、セキュリティの向上を提供する。
【0050】
図1は、既存のブリッジデバイス及び新しいブリッジデバイスの可能なシステムセットアップを示している。この例では、新しいブリッジデバイスは既存のブリッジデバイスからリモートに位置してもよく、分散型ネットワークにも集中型ネットワークにも属さない、さらなる通信チャネルを介して接続される。さらなる通信チャネルは、ワイヤレス通信プロトコル又は有線通信プロトコルに従ってもよい。
【0051】
Zigbeeプロトコルによれば、既存の分散型ネットワークから新しい集中型ネットワークにノードを移行する従来のメカニズムは、既存のZigbeeネットワークパラメータ(PAN-ID、ネットワークキー等)及び分散型ネットワークに関連する他の情報を新しいブリッジデバイス200に通信することである。この情報は暗号化され、既存のブリッジデバイス300と新しいブリッジデバイス200との間で、IPネットワークを介す等、有線接続で、又はワイヤレス接続を介して通信されてもよい。ワイヤレス接続は、Wi-Fi、BLE、又は4G/5Gセルラー等、既存の分散型ネットワークとも新しい集中型ネットワークとも異なる別のワイヤレス通信プロトコルに基づいてもよい。
【0052】
図1はまた、既存のブリッジデバイス300が、ノード(A~E)に対して、(Zigbeeコミッショニングクラスタコマンド又はよりシンプルなカスタムコマンドを発行することによって)集中型モード(centralized mode)で新しいブリッジデバイス200に参加するよう順次切り替えるようにネイティブに指示した場合に問題が生じる可能性があることを強調している。ノードCが分散型ネットワークから離れると、ノードD及びノードEはもはや到達不能となる。
【0053】
それゆえ、新しいスキームがこの問題を解決するために必要とされる。新しいブリッジデバイスが分散型ネットワークへ参加するのを支援するために、既存のブリッジデバイスは、分散型ネットワークに関連するネットワークパラメータ(PAN-ID、拡張(Extended)PAN-ID、チャネル、ネットワークキー等)を通信インターフェースを介して新しいブリッジデバイスに直接送ってもよい。また、既存のブリッジデバイスが、任意のノードが参加するために分散型ネットワークをオープンにしておくことも可能であり得る。任意選択的に、既存のブリッジデバイスはまた、このステップで、ノードの識別子又はアドレス(例えば、IEEEアドレス)のリスト、それらの既存の/現在の設定/状態/ステータス(status)(例えば、照明器具の場合、オン/オフ状態、色温度ステータス等であってもよい)を新しいブリッジデバイスに送ってもよい。提案される解決策を実施するための一例として、関与するステップは以下の通りであってもよい:
【0054】
a) したがって、新しいブリッジデバイス200は、(既存のブリッジデバイス300が参加のためにネットワークを開いている場合)通常の参加を行ってもよく、又は、(既存のブリッジデバイス300が分散型ネットワークに関連するネットワークパラメータを既に提供している場合)セキュアな参加を行ってもよい。このステップの最後に、新しいブリッジデバイス200は既存の分散型ネットワークに参加する。
【0055】
b) 新しいブリッジデバイス200は、ステップa)で受ける識別子/アドレスのリストに基づいてトポロジ情報について異なるノードにピンし(ping)てもよい。また、新しいブリッジデバイス200は、トポロジ情報を収集するために分散型ネットワーク内のノードにクエリ(query)をブロードキャストしてもよい。トポロジ情報は、当該ノードのリンク/ネイバー、送信/受信パワー等を含んでもよい。トポロジ情報に基づいて、既存のブリッジデバイス300又は新しいブリッジデバイス200は、複数のノード間のネットワークトポロジの概要(overview)を導出することができる。新しいブリッジデバイス200がステップa)で識別子/アドレスのリストを受ける場合、ノードからの応答に基づいて、新しいブリッジデバイス200は、到達することができないノードがあるかどうかを導出してもよい。これは有益な副産物であり、新しいブリッジデバイス200のロケーションが、システムの物理的レイアウトを考慮すると最適でないことをユーザが認識するのに役立ち得る。
【0056】
c) 新しいブリッジデバイス200は、PAN-ID、拡張PAN-ID、動作周波数チャネル、ネットワークキーをランダムに選択してもよく、又は形成する集中型ネットワークのための他のネットワークパラメータを選択してもよい。
【0057】
d) 新しいブリッジデバイス200は、ステップb)で集められるトポロジ情報に基づいてシーケンスリストを導出してもよい。その後、新しいブリッジデバイス200は、シーケンスリストに従ってノードに既存の分散型ネットワークを離れることを要求してもよい。一例として、
図1に示されるトポロジでは、新しいブリッジデバイス200は、まずバルブA及びDに離れるように求め、次にバルブCが続き、次にバルブB及びEが続く。この順序は、ネットワーク内のすべてのノードが既存のネットワークを離れるための要求を受けることを保証することになる。要求を発行する前に又は要求と組み合わせて、新しいブリッジデバイス200は、ステップc)で選択されるネットワークパラメータをノードに送ってもよい(1つのオプションは、実装される場合、ZCCメッセージの使用を介して送ることである)。
【0058】
e) すべてのノードに要求、又はZCCメッセージ、又は同じ目的のための別のカスタマイズされたメッセージが送られると、新しいブリッジデバイス200は分散型ネットワークから離れ、ステップd)で選択されるパラメータを使用して集中型ネットワークを形成する。その後、新しいブリッジデバイス200は、ノードが参加するために集中型ネットワークを開く。新しいブリッジデバイス200は、前のステップで得られる情報を利用して、集中型モードでノードを正常に参加させる。例えば、新しいブリッジデバイス200が、既存のブリッジデバイス300からステップa)でノードに関連する情報を受ける場合、これらのノードを集中型ネットワークに正常に参加させるためにリンクキーを得るために、場合によってはバックエンドサーバーから、インストールコードから導出される情報を得るのに役立ち得る。
【0059】
f) 無線機チップのあるベンダーは、ノードが同時に2つのネットワークの一部になることができるフィーチャ(feature)を提供する可能性がある。新しいブリッジデバイス200は、このフィーチャを有してもよい。この場合、ブリッジデバイスは2つの別個のネットワーク上にいられるので、ブリッジデバイスは、自身の集中型ネットワークへの参加を許可するのと並行して、分散型ネットワークに対して離脱要求(leave request)を発行してもよい。
【0060】
g) 任意選択的に、すべてのノードが集中型ネットワークに参加したら、新しいブリッジデバイス200は、ステップa)で得られるノードに関連する情報を使用して、ノードを以前にそうであった状態(オン/オフ状態、色温度状態等)に戻してもよい。
【0061】
図2は、分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノードを集中型ワイヤレスネットワークに移行するための方法500のフローチャートを示している。方法500は、ステップS501において、第1のブリッジデバイス200によって、分散型ワイヤレスネットワーク内の第2のブリッジデバイス300から分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報を受けるステップと、ステップS502において、受けた構成情報に基づいて第1のブリッジデバイス200によって分散型ワイヤレスネットワークにアクセスするステップと、ステップS503において、2つ以上のノード400間のトポロジ情報を収集するために第1のブリッジデバイス200によって分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノード400に問い合わせるステップと、ステップS504において、トポロジ情報に基づいて、2つ以上のノード400に集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを第1のブリッジデバイス200によって決定するステップと、ステップS505において、シーケンスリストに従って、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノード400に通知するステップとを含む。
【0062】
図3は、ブリッジデバイス200のブロック図を示している。基本的なセットアップとして、ブリッジデバイス200は、通信インターフェース210、無線機220、及びコントローラ230を含む。通信インターフェース210は、分散型ワイヤレスネットワーク内の他のブリッジデバイスから分散型ワイヤレスネットワークに関する構成情報を受けるように構成される。無線機220は、受けた構成情報に基づいて分散型ワイヤレスネットワークにアクセスする、及び2つ以上のノード400間のトポロジ情報を収集するために分散型ワイヤレスネットワーク内の2つ以上のノード400に問い合わせるように構成される。コントローラ230は、トポロジ情報に基づいて、2つ以上のノード400に集中型ワイヤレスネットワークへ参加することを要求するためのシーケンスリストを決定するように構成される。無線機はさらに、シーケンスリストに従って、集中型ワイヤレスネットワークへ参加するように2つ以上のノード400に通知するように構成される。
【0063】
一例として、本発明は、
図4に示されるように、ブリッジデバイス内のネットワーク転送モジュールによって実施されてもよい。ネットワーク転送モジュールは、ブリッジデバイスのコントローラにおいて実現されてもよい。新しいブリッジデバイス200において、ネットワーク転送モジュールは、上述のステップa)において既存のブリッジデバイス300から既存の分散型ネットワークに関連する構成情報を得、それに応じて、ネットワーク転送モジュールは、分散型ネットワークへ参加する及びトポロジ情報についてノードに問い合わせる等、ステップa~b)を実行するように新しいブリッジデバイス200の無線機を制御してもよい。また、ネットワーク転送モジュールが、ノードとの定期的な通信中に斯かる情報を既に収集している、既存のブリッジデバイス300からトポロジ情報を得ることも可能であり得る。収集されたトポロジ情報に基づいて、ネットワーク転送モジュールは、ノードを新しいブリッジデバイスに移行するための適切なシーケンスリストを生成するためにステップd)において計算を行う。その後、ネットワーク転送モジュールは、決定されたシーケンスリストに従って、分散型ネットワーク上のすべてのノードに要求を送るために無線機の監視を継続する。すべての要求が送られると、ネットワーク転送モジュールは、分散型ネットワークから新しい集中型ネットワークに切り替えるように無線機を制御し、ノードが参加するのを待つ。
【0064】
本発明は、既存のブリッジデバイスが、ファームウェアアップデートにより、集中型ネットワークへのトランジションケイパビリティを有する状況にも同様に当てはまることに留意されたい。これらすべてのステップが、同じブリッジデバイス上で、自身のネットワークを分散型トポロジから集中型トポロジに移すように実行されるにすぎない。
【0065】
本発明による方法は、コンピュータ実施方法(computer implemented method)としてコンピュータ上で実施されてもよく、又は専用のハードウェアで実施されてもよく、又は両方を組み合わせて実施されてもよい。