(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-09-22
(45)【発行日】2025-10-01
(54)【発明の名称】失速及び終点検出を有するオートインジェクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/20 20060101AFI20250924BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20250924BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250924BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20250924BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20250924BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250924BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250924BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20250924BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250924BHJP
【FI】
A61M5/20
A61K38/16
A61K39/395 W
A61M5/315 550A
A61M5/32 510Z
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P37/06
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2020517375
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018060264
(87)【国際公開番号】W WO2019099322
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-21
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パラマーナンダン,シバクマール
(72)【発明者】
【氏名】アントニーニ,アントーニオ
(72)【発明者】
【氏名】コールズ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】アラジャ,ニコラ・アントーニオ
【合議体】
【審判長】安井 寿儀
【審判官】麻川 倫広
【審判官】佐々木 正章
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516702号公報(JP,A)
【文献】特表2010-535039号公報(JP,A)
【文献】特表2014-502886号公報(JP,A)
【文献】特表2014-516702号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/20 5/32 5/315
A61K 38/16 39/395
A61P 19/02 37/06 43/00 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物を収容するように構成され、第1の端部と第2の端部とを有するリザーバと、
前記リザーバの前記第1の端部において前記リザーバ内に配置されたプランジャであって、前記リザーバ内を摺動的に移動可能なプランジャと、
前記プランジャに係合するように構成されたプランジャロッドと、
前記プランジャロッドに動作的に結合されており、前記プランジャロッドを駆動することにより、前記プランジャを前記リザーバの前記第1の端部から前記リザーバの前記第2の端部に摺動させるように構成されたモータと、
前記モータに動作的に結合されたエンコーダと、
コントローラであって、
(i)前記エンコーダから信号を受け取り、
(ii)前記信号のカウントの1つのサンプルに基づいて、前記プランジャが前記リザーバ内において移動を停止した
かどうかを決定し、
前記コントローラは、受け取った前記信号の現在のカウントを決定することによって、設定された間隔で前記信号のカウントのサンプルを取得し、前記信号の前記カウントが、前記プランジャロッドの移動量を示し、
(iii)
前記プランジャが移動を停止した場合には、前記信号の
最新の所定数n個のサンプル
における前記プランジャの移動
が閾値(m)未満であるかどうかを決定し、
または前記プランジャが移動を停止しなかった場合には、前記コントローラが、前記信号のカウントの別のサンプルを取得し、
(iv)
前記最新のn個のサンプルにおける前記プランジャの移動がm未満である場合は、前記信号のカウントを、前記プランジャが前記リザーバの前記第2の端部に駆動されていることに相当する予想エンドカウントと比較して、前記薬物の全用量が投与されたかどうかを決定し、
または前記最新のn個のサンプルにおける前記プランジャの移動がmよりも大きい場合は、前記コントローラが、前記信号のカウントの別のサンプルを取得し、
(v)前記
最新のn個のサンプル
における前記移動
が、m未満である
こと、および前記信号のカウントが予想エンドカウントに近いとの決定に応答して前記モータの動作を停止する
ように構成されている、コントローラと、
を含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記エンコーダは、1つ以上の識別可能部を有するディスクと、前記識別可能部を検出し、前記検出に応答して信号を送信するように構成された光センサと、を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記プランジャが移動を停止したかどうかを決定するように構成されている前記コントローラは、前記
最新のn個のサンプル内において前記プランジャが移動したことを前記信号が示すかどうかを決定する前記コントローラを含む、請求項
1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記コントローラは、前記
信号のカウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答してnを修正する
こと、または
(i) 前記
カウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答して前記プランジャが失速していると決定する
こと、
および
(ii) 前記プランジャが失速したとの決定に応答して前記モータの動作を停止すること、のうちの少なくとも1つ
を実行するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記コントローラは、前記現在のカウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答して前記プランジャが失速していると決定するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
針及び針挿入機構を更に含み、前記コントローラは、前記プランジャが前記所定の時間量にわたり移動を停止したとの決定に応答して前記針を後退させるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
オートインジェクタを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記リザーバ内に薬物を更に含み、前記薬物はエタネルセプトを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
薬物送達デバイスの作動方法であって、
コントローラにおいて、前記薬物送達デバイスのモータに結合されたエンコーダから信号を受け取ることであって、前記モータはプランジャロッドに動作的に結合されており、前記プランジャロッドは、リザーバ内のプランジャに係合し、前記プランジャを駆動するように構成されている、ことと、
前記薬物送達デバイスの前記モータに結合された前記エンコーダから受け取った前記信号のカウントの1つのサンプルに基づいて、前記プランジャが前記リザーバ内において移動を停止した
かどうかを前記コントローラが決定することであって、前記モータは、前記リザーバ内で前記プランジャに係合し前記プランジャを駆動するように構成された前記プランジャロッドに動作的に結合されており、
前記コントローラは、受け取った前記信号の現在のカウントを決定することによって、設定された間隔で前記信号のカウントのサンプルを取得し、前記信号の前記カウントが、前記プランジャロッドの移動量を示す、決定することと、
前記プランジャが移動を停止した場合には、前記信号の
最新の所定数n個のサンプル
における前記プランジャの移動
が閾値(m)未満であるかどうかを前記コントローラが決定
し、または前記プランジャが移動を停止しなかった場合には、前記コントローラが、前記信号のカウントの別のサンプルを取得することと、
前記最新のn個のサンプルにおける前記プランジャの移動がm未満である場合は、前記信号のカウントを、前記プランジャが前記リザーバの前記第2の端部に駆動されていることに相当する予想エンドカウントと比較して、前記薬物の全用量が投与されたかどうかを前記コントローラが決定
し、または前記最新のn個のサンプルにおける前記プランジャの移動がmよりも大きい場合は、前記コントローラが、前記信号のカウントの別のサンプルを取得することと、
前記
最新のn個のサンプル
における前記移動
が、m未満である
こと、および前記信号のカウントが予想エンドカウントに近いとの決定に応答して、前記コントローラが前記モータの動作を停止することと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記エンコーダ(346)のディスクの識別可能部を検出する光センサを配置することと、
前記検出に応答して信号を送信するように前記光センサを構成することと、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記
最新のn個のサンプル内において前記プランジャが移動したことを前記信号が示すかどうかを決定するように前記コントローラをプログラミングすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記
信号のカウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答してnを修正すること、または
(i) 前記
カウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答して、前記プランジャが前記リザーバの前記第2の端部に駆動される前に失速していると決定すること、および
(ii) 前記プランジャが失速したとの決定に応答して前記モータの動作を停止すること、
の少なくとも1つを
実行するように前記コントローラをプログラミングすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記現在のカウントが前記予想
エンドカウント未満であるとの決定に応答して、前記プランジャが前記リザーバの前記第2の端部に駆動される前に失速していると決定することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記プランジャが前記所定の時間量にわたり移動を停止したとの決定に応答して、針挿入機構を動作させて前記薬物送達デバイスの針を後退させるように前記コントローラをプログラミングすることを更に含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2017年11月16日に出願された米国仮特許出願第62/587,421号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本開示は、注入システム及び装置に関する。より具体的には、本開示は、オートインジェクタ装置の動作に関する。
【背景技術】
【0003】
プレフィルド皮下シリンジは、必要な用量の医薬品を備えることができ、シリンジのストッパを単に前進させることにより操作されるため、家庭用に使用することができる。使用される特定の薬剤の費用は別にして、プレフィルドシリンジは経済的に製造することができる。
【0004】
それにもかかわらず、プレフィルドシリンジは欠点を有し得る。具体的には、多くの使用者は露出した注入針を恐れる場合がある又は注入を本質的に実行することができないと感じる場合のいずれかがある。露出した針に対する嫌悪のみならず、関与し得る健康及び安全性の問題から、使用者が注入を実行するのを補助し、薬剤の信頼性の高い送達を確実にし、患者の安全性を確保するために、使用者から針を隠し、注入作業を自動化するための様々な種類のインジェクタ及び他のデバイスが開発されている。それぞれ参照により全体が本明細書中に組み込まれる以下の特許又は特許出願を参照されたい:米国特許第8,052,645号明細書及び米国特許第8,177,749号明細書;米国特許出願公開第2012/0101439号明細書;並びにPCT国際公開第2012/145685号パンフレット。
【0005】
典型的には、皮下シリンジによって患者に薬物を注入するときには以下の3つの作業、即ち、1)患者への針の挿入、2)シリンジから患者への薬物の注入、及び3)注入完了後の針の抜去が実施され得る。各作業において、シリンジにかかる力の大きさ及び方向、並びに力の印加位置は他の作業と異なる場合がある。例えば、針の挿入には、シリンジに対し最小限の力を非常に短時間にわたり印加することを必要とし得る。その一方で、薬剤の注入には、シリンジのプランジャに対しより大きな力を印加することを必要とし得る。この力は、比較的より長時間にわたり印加される必要があり得る。更に、針の抜去には、針の挿入と反対方向に力を印加することを必要とし得る。注入プロセスが自動化される場合にはこれら及び他の類似事項が関連することとなり得る。
【0006】
これら機械的事項に加えて、オートインジェクタの設計は使いやすさを考慮する必要があり得る。特に、シリンジの注入針は使用者の視界から動作的に隠されることが望ましい場合がある。好ましくは、この遮蔽は、注入手順の前、最中、及び後に維持される。更に、シリンジの動作は、シリンジが注入のために適切に配置されたとき及び/又は動作の適切な順序が使用者により実施されたときにのみ限定されることが望ましい場合がある。
【0007】
薬物を皮下注入するとき、患者は迅速だが滑らかで安定した注入を望む場合がある。針が患者内に置かれる長さは、薬物の流れが皮下腔に入る感覚とのバランスがとられる。1つの形態では、薬物送達デバイスは、プランジャロッドを開始位置から固定された終了位置へと移動させることにより、ある用量の薬物が投与されたと判断することができる。しかしながら、そうした固定位置への移動は、あまりに控えめであればいくらかの薬物をシリンジ内に残す場合がある、又はあまりに激しければシリンジのガラスを破壊する場合がある。更に、プランジャロッドが終了位置に到達する前に排出の途中でプランジャが失速する場合、プランジャロッドは終了位置に到達しようとしてプランジャ内に入り込む又はプランジャを迂回する場合がある。更に、一定の注入速度を目指す閉ループフィードバックシステムにおいて失速検出はより困難となる。
【0008】
プランジャは多数の状況により失速するおそれがある。例えば、充填容量から、プランジャ取付位置、プランジャの構成又はその圧縮温度、プランジャ又はシリンジのシリコン処理、シリンジテーパリング又は形状、モータの性能、注入速度に影響するバッテリーの性能等にわたるあらゆることにおける製造のばらつきが、注入プロセスにわたる排出速度のばらつきの原因となる場合がある。更に、薬物の粘度に影響する薬物の温度、エンジン性能の劣化の原因となるモータの巻線の局所加熱などの条件が排出速度に影響を及ぼすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第8,052,645号明細書
【文献】米国特許第8,177,749号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0101439号明細書
【文献】PCT国際公開第2012/145685号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
薬物を収容するように構成され、第1の端部と第2の端部とを有するリザーバと、リザーバの第1の端部においてリザーバ内に配置されたプランジャであって、リザーバ内を摺動的に移動可能なプランジャと、を含む、薬物送達デバイスが本明細書中に記載される。デバイスは、プランジャに係合するように構成されたプランジャロッドと、プランジャロッドに動作的に結合されており、プランジャロッドを駆動することにより、プランジャをリザーバの1の端部からリザーバの第2の端部に摺動させるように構成されたモータと、モータに結合されたエンコーダと、を更に含む。デバイスは、エンコーダから信号を受け取り、信号に基づいて、プランジャがリザーバ内において移動を停止したかどうかを決定し、プランジャが所定の時間量にわたり移動を停止したとの決定に応答してモータの動作を停止するように構成されたコントローラを更に含む。
【0011】
様々な実施形態では、エンコーダは、1つ以上の識別可能部を有する円板と、識別可能部を検出し、検出に応答して信号を送信するように構成された光センサと、を含み得る。
【0012】
様々な実施形態では、薬物送達デバイスは針及び針挿入機構を更に含むことができ、コントローラは、プランジャが所定の時間量にわたり移動を停止したとの決定に応答して針を後退させるように構成され得る。
【0013】
薬物送達デバイスを操作する方法が本明細書中に記載される。当該方法は、コントローラにおいて、薬物送達デバイスのモータに結合されたエンコーダから信号を受け取ることであって、モータはプランジャロッドに動作的に結合されており、プランジャロッドは、リザーバ内のプランジャに係合し、プランジャを駆動するように構成されていることと、信号に基づいて、コントローラにより、プランジャがリザーバ内において移動を停止したかどうかを決定することと、プランジャが所定の時間量にわたり移動を停止したとの決定に応答して、コントローラによりモータの動作を停止することと、を含む。
【0014】
様々な実施形態では、当該方法は、エンコーダのディスクの識別可能部を光センサによって検出することと、検出に応答して信号を送信することと、を更に含み得る。
【0015】
様々な実施形態では、当該方法は、コントローラによって、信号の現在のカウントを決定することによりプランジャロッドの位置を設定された間隔にて抽出することを更に含み得る。
【0016】
様々な実施形態では、プランジャがリザーバ内において移動を停止したかどうかを決定することは、最後の所定のサンプル数内においてプランジャが移動したことを信号が示すかどうかを決定することを含み得る。更なる実施形態では、当該方法は、現在のカウントを、プランジャがリザーバの第2の端部に駆動されていることに相当する予想終点カウントと比較することを更に含み得る。別の更なる実施形態では、当該方法は、現在のカウントが予想終点未満であるとの決定に応答して所定のサンプル数を修正することを含み得る。更なる実施形態では、当該方法は、現在のカウントが予想終点未満であるとの決定に応答して、プランジャがリザーバの第2の端部に駆動される前に失速していると決定することを含み得る。
【0017】
様々な実施形態では、当該方法は、プランジャが所定の時間量にわたり移動を停止したとコントローラが決定したことに応答して、針挿入機構により薬物送達デバイスの針を後退させることを更に含み得る。
【0018】
本明細書では、オートインジェクタを頻繁に参照するが、様々な実施形態では、デバイスはインジェクタとも呼ばれ得ることに留意されたい。オートインジェクタへの参照は、多くの場合、患者が自身で注入を行うことに関連するが、そうした注入はまた、医療提供者によって投与されてもよい。同様に、インジェクタの使用は、患者又は医療提供者のいずれかによって引き受けられてもよい。
【0019】
添付の図は本開示による実施形態を示し、限定ではなくむしろ例示である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】オートインジェクタ内に取り付けられる前のカセットを示す、カセットとオートインジェクタとを含むオートインジェクタ装置の一実施形態の側面図である。
【
図2A】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の正面図である。
【
図2B】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の第1の側面の側面図である。
【
図2C】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の背面図である。
【
図2D】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の第2の側面の側面図である。
【
図2E】
図1のオートインジェクタ装置のオートインジェクタの第1の端部の端面図である。
【
図2F】
図1のオートインジェクタ装置のオートインジェクタの第2の端部の端面図である。
【
図2G】
図1のオートインジェクタ装置の皮膚センサを制御するための決定論理の一実施形態を示す状態図である。
【
図2H】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、オートインジェクタ装置の一実施形態の側断面図である。
【
図2I】
図1のオートインジェクタ装置のプランジャ移動距離を決定するためのモータ及びエンコーダの線図である。
【
図4】カセット内に提供され得る薬物容器の一実施形態の側断面図である。
【
図5A】カセットの一実施形態の上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図5C】カセットのカセットキャップを取り外した後の
図5Aのカセットの側断面図である。
【
図5D】針注入位置にあるカセットの予め充填された薬物容器を示す
図5Cのカセットの側断面図である。
【
図6A】内部スリーブラッチ機構と内部スリーブロック構成とを示すカセットの一実施形態の底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図6B】内部スリーブラッチ機構及び内部スリーブロック構成の特定の要素を示す、
図6Aに示されるカセットの外部ハウジングの一実施形態の底面図である。
【
図7A】カセット識別機構を有するカセットの一実施形態のそれぞれ上部から見下ろした正面斜視図及び底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図7B】カセット識別機構を有するカセットの一実施形態のそれぞれ上部から見下ろした正面斜視図及び底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図8A】カセット識別機構の一実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図8B】
図8Aに含まれるカセット識別機構を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図8Aのカセットの側断面図である。
【
図9A】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図9B】
図9Aに含まれるカセット識別構成を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図9Aのカセットの側断面図である。
【
図10A】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図10B】
図10Aに含まれるカセット識別機構を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図10Aのカセットの側断面図である。
【
図11A】カセット識別機構の更なる実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図11B】カセット識別機構の更に別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図11C】カセット識別機構の更に別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図11D】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図12】(様々な異なる薬物及び/又は充填レベルを含む)予め充填された薬物容器の組み立てを制御し、組み立て済みカセットを適切な包装ステーションに追い出す(rout)ためにカセット識別機構を使用し、単一の製造ライン上に異なる製品ラインを組み立てるための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図13】オートインジェクタへのカセットの取り付けを示す、オートインジェクタ装置又はシステムのオートインジェクタの底部から見上げた斜視図である。
【
図14】注入プロセスの工程を安全且つ信頼性の高い順序で使用者に強制的に実行させるための決定論理の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図15】終点及び失速検出アルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図16】オートインジェクタデバイスの排出プロセスを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ある用量の医薬品(薬物)を患者に注入するために使用され得るオートインジェクタシステム又は装置100の一実施形態を示す。注入は、多くの場合、患者(使用者)によって自己投与される。或いは、薬物は医療提供者によって投与され得る。図示されるように、オートインジェクションシステム又は装置100は、取り外し可能なカセット200と、オートインジェクタ又はインジェクタ300と、を含んでもよい。カセット200の様々な実施形態は、オートインジェクタ300によって使用者に注入されるべき薬物を収容するように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセット200は、使用者がオートインジェクタ300を操作するための訓練に用いるために作製されてもよい(トレーニングカセット)。オートインジェクタ300は、使用者又はそれ以外の人によって作動されると自動的に注入を送達するように作製されてもよい。オートインジェクタ300の様々な実施形態は、オートインジェクタ300へのカセット200の挿入を可能にするために開位置と閉位置との間で旋回するように作製され得るカセット扉308を有してもよい。いくつかの実施形態では、カセット扉308は、カセット200の挿入入口点を示す「カセット」アイコン(図示せず)を含んでもよい。
【0022】
図2A~
図2Fをまとめて参照すると、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、ハンドル部分304と、ハンドル部分304と一列に並んだカセット受入部分306と、を有する、ケーシング302を含んでもよい。手先の器用さの課題に関して患者を補助するために、オートインジェクタケーシング302のハンドル部分304は、柔らかいグリップ領域305Sを有する人間工学的形状のハンドル305を画定してもよい。カセット受入部分306は、上記のカセット扉308(
図2B及び
図2D)を含む。カセット扉は、開位置(
図1)においてカセット200を受け入れ、カセット200を挿入及び排出ドライブと位置合わせし、閉位置においてオートインジェクタ300の他の構造及び構成要素と位置合わせする。カセット扉308は、カセット200の挿入入口点を示す「カセット」アイコンを含んでもよい。ケーシング302のカセット受入部分306は、その中にカセット200が適切に取り付けられた状態でカセット扉308が閉じられるとカセット200の窓と位置合わせされる窓310A、310Bをその側面に含んでもよい。1つ以上の実施形態では、窓310A、310Bは二層式であってもよい。使用者がオートインジェクタ300の窓310A、310Bを通して注入サイクルを観察することができる、即ち、シリンジ内容物(以後、「薬物」)排出プロセス中はもとよりカセット200内におけるシリンジの移動中にシリンジ260(
図5B)のプランジャストッパ264の初期位置及び最終位置を観察することができるように、カセット窓212(
図5A)、及びカセット200の内部スリーブ220(
図5B)内に配置されたシリンジ260を一様にバックライト照明するために、1つ以上の照明(図示せず)がケーシング302内に提供されてもよい。
【0023】
引き続き
図2A、
図2B、
図2D、及び
図2Fを参照すると、オートインジェクタ300は、ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカ(図示せず)を更に含んでもよい。ユーザインタフェース312(
図2Aに最も良く示される)はケーシング302のカセット受入部分306に位置してもよく、様々な視覚インジケータを提供する。オーディオスピーカはケーシング302内に配置されてもよく、様々な可聴インジケータを提供する。オーディオスピーカは、ケーシング302のカセット受入部分306に形成されたスピーカ孔314を通して外部環境と聞こえる程度に通信し得る。ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカによって生じる視覚インジケータ及び可聴インジケータは、オートインジェクタ300の使用準備が整ったとき、注入プロセスの経過、注入完了、あらゆるエラーの発生、及びその他の情報を使用者に知らせることができる。オートインジェクタ300は、設定/ミュートスイッチ315、速度選択スイッチ316、開始ボタン307、及び取出ボタン317のうちの1つ以上を更に含んでもよい。設定/ミュートスイッチ315(
図2B)は、ケーシング302のカセット受入部分306に位置してもよい。ミュートスイッチ315は、使用者がエラー音以外の全ての合成音をオン及びオフにすることを可能にし、使用者が注入プロセスを開始しミュートスイッチをオフに変更した場合に音が即座に消されるように、リアルタイムで応答するように作製されてもよい。ミュートスイッチ315はまた、オーディオスピーカを消音するために「ミュート」アイコンに向かって摺動するように作製されてもよい。「ミュート」状態を確認するための光インジケータが提供されてもよい。速度選択スイッチ316(
図2A及び
図2B)は、ケーシング302のカセット受入部分306に位置してもよい。速度選択スイッチ316は、個人的な患者の好みに適応するための複数の予め設定された薬物送達(排出)速度の中から使用者が選択することを可能にするように作製されてもよい。速度選択スイッチ316は3つのスイッチ位置を含んでもよい。速度選択スイッチの他の実施形態は、2つのスイッチ位置又は4つ以上のスイッチ位置を含んでもよい。更に他の実施形態では、速度選択スイッチは無限可変型のものであってもよい。いくつかの実施形態では、注入前にスイッチ316の位置を変更すると注入中の薬物排出速度が変化する一方、注入中に速度選択スイッチ316の位置を変更すると注入速度はリアルタイムで変化しない。オートインジェクタ300はまた、使用者が薬物送達の異なる速度を実験することを可能にするための1つ以上のデモカセットを備えてもよい。開始ボタン307はハンドル305の自由端部に配置されてもよい。ボタン307は、ボタン307上の親指の配置を最適化するための凹み307i(
図2F)を含んでもよい。ボタン307は、照明効果が信号としてボタンを照明することを可能にする半透明材料で作られてもよい。取出ボタン317(
図2D)は、ケーシング302のカセット受入部分306に位置してもよい。取出ボタン317は、ボタン317上の指の配置を最適化するための凹み317iを含んでもよい。いくつかの実施形態では、取出ボタン317は、注入プロセス中の偶発的な入力を排除するようにプログラムされ得るオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350(
図2H)によって制御されてもよい。
【0024】
図2Eを参照すると、ケーシング302のカセット受入部分306とカセット扉308は、オートインジェクタ300の基端部壁318を形成してもよい。基端部壁318は、シールド除去機240(
図5A)の取り外し後又はオートインジェクタ300がカセット240を収容していないときにオートインジェクタ300を支持面上に容易に配置するための広く平らで安定した基部として構成されてもよい。カセット扉308によって形成される基端部壁318の部分は、カセット200がオートインジェクタ300内に取り付けられるときに、シールド除去機240をカセット200から取り外し、孔308Aを通して取り出すことを可能にするような寸法及び形状に作られた孔308Aを含んでもよい。オートインジェクタ300の基端部壁は標的灯320を更に含んでもよい。標的灯320は、シールド除去機240がカセット200から取り外され、孔308Aを通して取り出されるとオンにされ、それによりシールド除去機240が取り外されたことを視覚的に示すように作製されてもよい。オンにされると、標的灯は使用者が注入部位を可視化し且つ選択するのを補助する。
【0025】
引き続き
図2Eを参照すると、オートインジェクタ300は、静電容量式皮膚センサ380(破線で示される)又は任意の他の適切な皮膚センサを更に含んでもよい。注入部位領域に下方の圧力を与える必要なくオートインジェクタ300の基端部壁318が皮膚に触れた又は接触したとオートインジェクタ300が判断できるように、皮膚センサ380は、信号又はデータをマイクロプロセッサに伝達することを可能にするように、例えばオートインジェクタ300内に提供されるマイクロプロセッサに結合されてもよい。皮膚センサ380はまた、皮膚接触が検知されるとスピーカ及びユーザインタフェースにより生じる可聴インジケータ及び視覚インジケータによって使用者に知らせるように作製されてもよい。いくつかの実施形態では、皮膚センサ380は、オートインジェクタ300の基端部壁318の内面近傍に位置する又はオートインジェクタ300の基端部壁318に組み込まれた2つのパッド若しくは電極(図示せず)を含んでもよい。基端部壁318を皮膚に接触させると電極の静電容量信号が増加する。センサ決定論理がプログラムされ得るマイクロプロセッサによって増加が十分であると判断されれば、その電極は作動される。皮膚接触が行われたかどうかを判断するために、マイクロプロセッサは電極の静電容量を読み取る。次いで、マイクロプロセッサは、両電極からの静電容量情報を処理し、基端側壁318が皮膚との適切な接触を行ったと判断する。電極が基端側壁318の内面に配置される実施形態では、電極自体は皮膚に決して接触せず、電極はハウジングの内側に取り付けられた状態でプラスチックハウジングのみが皮膚に接触する。このような設計は、デバイスが注入部位に接触している(又は実際、非常に接近している)ことを計算で決定する手法において、皮膚からの電極の距離(基端側壁318によって離隔した)はもとより、ハウジング材料の応答を明らかにする。
【0026】
図2Gは、本開示の一実施形態による、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサにより皮膚センサ380を制御するための決定論理を示す状態図である。プロセスは、オートインジェクタのリセットを示す参照番号400において開始する。次いで、論理は、オートインジェクタのリセット後の皮膚センサの初期化を示す状態402に進む。初期化されると、論理は、彼(he)基端部壁318が皮膚に触れたことをセンサの電極のいずれも検知しない又はセンサの電極の1つのみが検知する「接触なし」状態を示す状態404に進む。基端部壁318が特定の閾値時間(例えば1秒)未満にわたって皮膚に触れたことを両電極が検知した場合、論理は、「接触」状態を示す状態406に進む。電極の1つが基端部壁318が皮膚に触れたことを検知した場合又は電極のいずれも基端部壁318が皮膚に触れたことを検知しない場合、論理は状態404に戻る。しかしながら、基端部壁318が閾値時間(例えば1秒)に等しい時間にわたって皮膚に触れたことを両電極が検知した場合、論理は、「接触オーケー」状態を示す状態408に進む。基端部壁318が皮膚に接触したことを電極の1つが検知した場合又はいずれの電極も検知しない場合、論理は、「解放」状態409に進む。両電極が皮膚に触れている場合、論理は「接触オーケー」状態408に戻る。閾値時間を超えて(例えば、1秒超)皮膚に1つの電極が接触する場合又はいずれの電極も接触しない場合、論理は「接触なし」状態404に戻る。
【0027】
更なる手法では、オートインジェクタ300は複数のセンサ380を含むことができ、マイクロプロセッサ350は各センサ380により測定される静電容量を解析することができる。この実施形態では、オートインジェクタ300の正しい配置を、所定の時間量にわたる各センサ380の所定の静電容量のレベルによって決定することができる。更に、各センサ380の静電容量レベルの連続的な読取り又は定期的な抽出に基づいて、マイクロプロセッサ350は、1つ以上のセンサ380の静電容量が低下している(これは使用者がインジェクタ300を傾けていることを示し得る)かどうかを決定することができる。その後、センサ380が所定の時間量にわたり閾値を下回る場合、マイクロプロセッサ350は、上記論理に従い、インジェクタ300の向きを変えることができる。この実施形態は、使用者がオートインジェクタ300を、緊張、震え、又は落ち着きのなさによるエラーが減少した状態で操作するのを補助することができる。
【0028】
図2Hに示すように、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、電動式針挿入ドライブ330と、電動式薬物排出ドライブ340と、マイクロプロセッサ350と、ドライブ330、340及びマイクロプロセッサ350に給電するためのバッテリー360と、皮膚センサ380と、を支持するための、ケーシング302内に配置されたシャーシ301を含んでもよい。ケーシング302は、人間工学的形状のハンドル部分304と、カセット受入部分306と、を画定してもよい。シャーシ301は、オートインジェクタ300内の1つ以上のカセット200を支持するための、並びにカセット200又は1つ以上のカセット200のうちの選択された1つを電動式針挿入ドライブ330及び電動式薬物排出ドライブ340それぞれと位置合わせするための支持面301sを含んでもよい。カセット200の存在及び/又はカセット200に関する情報を検知するための検知部370がカセット支持面301s上に又はカセット支持面301s内に設けられてもよい。検知部370は、信号又はデータをマイクロプロセッサ350に伝達することを可能にするように、マイクロプロセッサ350と結合されてもよい。挿入ドライブ330は、挿入ラック332と、挿入ドライブモータ331と、ラック332を駆動するために挿入ドライブモータ331の回転運動を伝達するための挿入ドライブ歯車列333と、を含んでもよい。挿入ラックは、カセット200と結合する、例えば、それぞれ基端側タブ332p及び先端側タブ332dを含むタブ構成を含んでもよい。排出ドライブ340は、排出ドライブモータ341と、プランジャロッド342と、リードスクリュー343と、排出ドライブ歯車列344と、を含んでもよい。プランジャロッド342は、リードスクリュー343及び排出ドライブ歯車列344を介して排出ドライブモータ341により駆動され、カセット200内に収容された薬物容器260のプランジャ264と結合してもよい。オートインジェクタ300は複数回の注入を実行するために使用され得る。
【0029】
引き続き
図2Hを参照すると、本明細書で用いられるマイクロプロセッサという用語は、概して、他の構成要素及びデバイスの動作を制御するように設計された、プロセッサ、メモリ、及びプログラマブル入出力周辺機器を有する、任意のコントローラ、マイクロコントローラ、コンピュータ、又はプロセッサベースデバイスを広く意味する。メモリ、他の構成要素及びデバイス等との通信用のトランシーバを含む一般的な付属のアクセサリデバイスを含むことは更に理解される。これら構造的オプションは当該技術分野において周知及び理解されており、ここで更に説明する必要はない。マイクロプロセッサ350は、(当業者には十分に理解されるように、例えば、メモリに格納された対応するプログラミングを使用することにより)本明細書中に記載される工程、動作、及び/又は機能のうちの1つ以上を実行するように構成されてもよい。例えば、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350には、マイクロプロセッサ350によって実行されると、オートインジェクタ300の様々な動作及び機能を制御及び監視することを可能にする命令がプログラムされてもよい。例えば、しかし限定はしないが、マイクロプロセッサ350には、電動式挿入及び排出ドライブ330、340を制御するための命令がプログラムされてもよい。こうした命令は、注入サイクル及びプロセスフローの各工程を制御及び監視してもよく、それにより、針挿入、薬物排出、及び針後退を自動化し、注入プロセス及び薬物投与をより信頼性が高く、正確に、一貫して行うことができるように、使用者により実施される動作の順序を制御する。マイクロプロセッサ350にはまた、使用者への可聴フィードバック及び視覚フィードバックを制御するための命令がプログラムされてもよい。自動パワーオンセルフテストで、オートインジェクタ300の動作及び残りのバッテリー充電を確認する。
【0030】
他の様々な実施形態では、オートインジェクタ300は、他の種類の針挿入ドライブ、薬物排出ドライブ、並びにドライブを作動及び順序付けするための手段を含んでもよい。そうした実施形態における挿入及び排出ドライブは、別個の、異なる機構として実装されてもよい、又は単一の機構に組み込まれてもよい。このような実施形態の挿入及び排出ドライブは、モータ、機械的な機構(例えば、ばねなどの弾性部材)、ガス圧力機構、ガス放出機構、又はそれらの任意の組み合わせによって動力を供給されてもよいが、これらに限定されない。薬物の注入を生じさせるための動力をカセットに伝達するために様々な伝達機構が使用されてもよい。加えて、作動及び順序付け手段は様々な機械的及び電気機械的構成を含んでもよく、上記のマイクロプロセッサと組み合わせてもよい又は単独で使用してもよい。そのような実施形態のオートインジェクタは、複数回の注入を実行するために再利用可能であるように作製されてもよい、又は単回の使い捨て使用用に設計されてもよい。
【0031】
1つの手法では、オートインジェクタ300はエンコーダ346を含んでもよく、エンコーダ346はモータ341に結合され、マイクロプロセッサ350と通信する。マイクロプロセッサ350はエンコーダ346から信号を受け取り又はエンコーダ346に照会し、モータ341の回転数を決定することで、排出プロセス中にプランジャロッド342及びプランジャ264が移動した距離を推定する。エンコーダ346は任意の適切な形態をとることができる。
図2Iに示される例では、エンコーダ346は、識別可能部349を有するディスク348と、光センサ352と、を含む。ディスク348はモータ341に結合され、それによって回転し、光センサ352は、識別可能部349がセンサ352の検出領域内を回転する際に識別可能部349を識別するように構成されている。識別可能部349は、窓、スリット、透明部分、半透明部分等であり得る。所望であれば、エンコーダ346は、センサ352が識別可能部349を容易に検出することができるように、光源354を用いて識別可能部349を照明することができる。
【0032】
ここで
図3を参照すると、カセット200の様々な実施形態は、外部ハウジング210と、内部スリーブ220と、薬物を収容するための薬物容器260と、カセットキャップ240と、ロックキャップ230と、カバー250と、を含んでもよい。カセット200のこのような実施形態は、オートインジェクタによる薬物の簡単な注入を容易にし且つ可能にし、単回の使い捨て使用用に作製することができる。様々な実施形態では、カセット200のロックキャップ230及びカバー250は、カセット200からの薬物容器260の取り外しを阻止するように作製されてもよく、それにより、カセット200の使用前及び使用後に針が突き出るのを防止し、また、薬物容器260がカセット200から取り出される又は交換されることを防止する。加えて、ロックキャップ230及びカバー250は、配送及び輸送中に薬物容器260を保護する。様々な実施形態のカセットキャップ240は、薬物容器260に関連する注入針を覆っている針シールド266を取り除くように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセットキャップ240はまた、カセットキャップ240を回転させる又は回すことができないようにカセット200の外部ハウジング210に係合するように作製されてもよく、それにより、針シールド266によって注入針が損傷することを防止する。内部スリーブ220の様々な実施形態は、カセットハウジング210内の薬物容器260をオートインジェクタの注入サイクル中に針が隠れる位置又は針注入位置のいずれかに配置するように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセット200の外部ハウジング210及び内部スリーブ220は、薬物容器260を保護し、意図しない針の露出又は損傷を防止する1つ以上のロック構成を含んでもよい。カセット200の他の様々な実施形態は、オートインジェクタ内のカセット200の取り付け及び/又はカセット200に関する情報を伝えるためにオートインジェクタと接続するカセット識別機構を含んでもよい。
【0033】
図4に示すように、薬物容器260は、流体チャンバ262を画定するバレル261を含む従来のガラス又はプラスチックシリンジを含んでもよい。流体チャンバ262には、所定用量の薬物267が治療のために充填されてもよい又は予め充填されていてもよい。薬物は製品の温度に依存する粘度を有し得る。シリンジ260は、バレル261の基端部に取り外し可能に又は固定的に配置された注入針265と、バレル261の先端部に配置された外側に延びるフランジ263と、を更に含んでもよい。注入針265は、シリンジバレル261の流体チャンバ262から放出された所定用量の薬物267の投与を可能にするために、流体チャンバ262と連通してもよい。シリンジ260は、バレル261の流体チャンバ262内に配置された、所定用量の薬物267が注入針265を通して分注され得るように所定用量の薬物267をチャンバ262から排出するための、可動プランジャストッパ264を更に含んでもよい。例えば非剛性材料で作製された保護用針シールド266が、注入針265を覆うために提供されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温(20~25℃。[68~77°F。])で約19センチポアズの粘度を有してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約1センチポアズ~約320センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約5センチポアズ~約40センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約10センチポアズ~約35センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約15センチポアズ~約30センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約20センチポアズ~約25センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約16センチポアズ~約42センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約1センチポアズ~約29センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0042】
図5A~
図5Dをまとめて参照すると、カセット200の外部ハウジング210の様々な実施形態は、頂壁210tと、底壁210bと、それぞれ頂壁210tと底壁210bとを接続する側壁210sと、正面又は基端部壁210peと、開放背面又は先端部210deと、を含んでもよい。外部ハウジング210の基端部壁210peは、カセットキャップ240を取り外し可能に受け入れるように作製された孔214(
図5C及び
図5D)を含んでもよい。外部ハウジング210は、カセットキャップ240の取り外し後(
図5C)に内部スリーブ220が外部ハウジング210内で摺動可能に自由に移動することを可能にしつつ、外部ハウジング210内に内部スリーブ220を保持するように作製されてもよい。外部ハウジング210のいくつかの実施形態は、その各側壁210sに細長い開口部又は窓212を含んでもよい(
図5A)。カセット200の外部ハウジング210はまた、ピン215(
図5A)、又はカセット200がカセット扉内に誤った方向及び/若しくは向きで挿入されるのを防ぐ任意の他の適切な機械的構造体を含んでもよい。カセットをカセット扉内に挿入するための適切な方向及び向きを示すための「矢印」アイコンが外部ハウジング210上に提供されてもよい(図示せず)。
【0043】
引き続き
図5A~
図5Dを参照すると、内部スリーブ220の様々な実施形態は、それぞれ基端部222及び先端部224を含んでもよい。スリーブ220はその中に薬物容器260を固定的に、直接的又は間接的に保持するような大きさ及び寸法にされてもよい。内部スリーブ220の基端部222は、薬物容器260の注入針265がその中に延びることを可能にするように作製された孔222aを画定してもよい(
図5C)。内部スリーブ220は、オートインジェクタの注入サイクルの針挿入サイクル中にオートインジェクタの挿入ドライブによって駆動され得るドライブポスト268を更に含んでもよい。
図5C及び
図5Dに見られるように、内部スリーブ220は、オートインジェクタの挿入ドライブによりカセット200の外部ハウジング210を介して駆動されることができ、その間、薬物容器260は外部ハウジング210内の先端側位置(
図5C)から外部ハウジング210内の基端側位置(
図5D)へと移動し、その後、先端側位置に戻る。
図5Cに示すように内部スリーブ220が先端側位置(針が隠れる位置)にあるとき、薬物容器260の注入針はカセット200の外部ハウジング210内に収容され、使用者の視界から隠れている。
図5Dに示すように内部スリーブ220が基端側位置(針注入位置)にあるとき、薬物容器260の注入針は、カセット200の外部ハウジング210の基端部壁210pe内の孔214及びオートインジェクタ(図示せず)を通って外に延びる。ロックキャップ230は内部スリーブ220の開放先端部224を閉じ、それにより、オートインジェクタ300の挿入サイクル中に内部スリーブ220がオートインジェクタの挿入ドライブにより外部ハウジング210を介して前方又は後方に駆動される際に薬物容器260が内部スリーブ220とともに移動するように、内部スリーブ220内に薬物容器260を固定する。カバー250は外部ハウジング210の開放先端部210deを閉じ、内部スリーブ220及び薬物容器260をカセット200の外部ハウジング210内に入れることにより薬物容器260の改ざんを防ぎ、また、カセット200の表面的外観を完全なものにする。内部スリーブ220は、外部ハウジング210の側壁210s内の窓212を通して薬物容器260を見ることを可能にするために、透明ポリカーボネートなどの透明剛性材料から作製してもよい。
【0044】
図6A及び
図6Bをまとめて参照すると、カセット200の外部ハウジング210の様々な実施形態はラッチ機構280を含んでもよく、ラッチ機構280は内部スリーブ220のドライブポスト268をラッチして、スリーブ220、したがって、薬物容器の注入針を針が隠れる位置に保持し、薬物容器を保護し、使用者に対する不意の針露出を防ぐ。
図6Bに最も良く示されるように、ラッチ機構280は、外部ハウジング210の底壁210b、又は挿入ドライブが内部スリーブ220のドライブポスト268に係合することを可能にするハウジング210の任意の他の壁内に形成された一対の弾性対向ラッチアーム280aを含んでもよい。ラッチアーム280aは、内部スリーブ220のドライブポスト268が延びる固定用移動止めスロット280b(
図6B)を画定してもよい。
【0045】
カセット200の組み立て中、薬物容器を収容する内部スリーブ220は、
図6Aに示すように、内部スリーブ220のドライブポスト268が外部ハウジング210のラッチアーム280a間で広がり、摺動し、その後、ラッチアーム280aの移動止めスロット280bに入り、そこで留められるように、外部ハウジング210内に挿入されてもよい。オートインジェクタの針挿入サイクル中、挿入ドライブは先端側タブ332dを基端側方向に移動させ、それにより、強制的にラッチアーム280aを広げ、内部スリーブ220のドライブポスト268を解除し、それにより、解除された内部スリーブ220がカセット外部ハウジング210内においてドライブポスト268を介し基端側及び先端側に移動することを可能にする。
【0046】
解除されると、挿入ドライブは、内部スリーブ220、したがってその中に配置された薬物容器を、針が隠れる位置から針注入位置に移動させることができる。オートインジェクタの薬物排出サイクルが完了すると、挿入ドライブはドライブポスト268、したがって、使用済み薬物容器を収容する内部スリーブ220を、ドライブポスト268がラッチ機構280のラッチアーム280a間に再び留められる針が隠れる位置へと再び移動させる。
【0047】
カセットの他の様々な実施形態は、内部スリーブ220が外部ハウジング210内において針が隠れる位置から意図せずに移動することを防ぐ内部スリーブロック構成290を更に含んでもよい。内部スリーブロック構成290はラッチ機構280に取って代わってもよい、又は
図6A~
図6Bに示される実施形態と同様に冗長性を提供してもよい。
【0048】
内部スリーブロック構成290の追加は冗長性を提供し、例えば、使用者を傷つけることから保護する、カセットの内容物を保護する、又は誤用を防ぐために、ラッチ機構280の信頼性を高める。内部スリーブロック構成290は、例えば、自由落下、輸送及び/又は取り扱いによって発生する衝撃の最中に、内部スリーブ220の動きに対する抵抗又はロックの向上を提供する。更に、内部スリーブロック構成290は、カセット構成要素の損傷を防ぐために衝撃エネルギーの吸収を向上させる。また更に、内部スリーブロック構成290は、針シールドの取り外し中、カセット200の外部ハウジングの外の環境への注入針の露出を防ぐために、針が隠れる位置における内部スリーブ220の保持の向上を提供する。加えて、内部スリーブロック構成290は、内部スリーブ220をオートインジェクタと接続するための位置により正確に且つ繰り返し配置する。
【0049】
図6Bに示すように、内部スリーブロック構成290の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210b又は内部スリーブ220のカンチレバーロックアーム292と接続するハウジングの任意の他の壁内に設けられた1つ以上のロック足受入スロット294を更に含んでもよい。1つ以上のロック足受入スロット294のそれぞれは、ラッチ機構280のラッチアーム280aを画定する一対の細長いスロット282の端部に設けられてもよい。ロック足受入スロット294のそれぞれは、内部スリーブロック構成290のロックを実施するために、カンチレバーロッキングアーム292のロック足292fのうちの対応する1つを受け入れるように機能する。
【0050】
上述の実施形態では、内部スリーブロック構成は、カンチレバーロックアームが非付勢状態にあるときに内部スリーブの係止を提供する。他の様々な実施形態では、内部スリーブロック構成のカンチレバーロックアームは内部スリーブの係止を付勢された作動位置において提供するように作製され得る。このような実施形態は、例えば、所望の時に内部スリーブ、ゆえに、薬物容器を固定位置に保持するために望ましい場合がある。更に、挿入のモータが薬物容器を収容するスリーブを駆動するため、注入針の深さは制御することができる。この特徴は、ロック足受入スロット及び/又は以下で説明するカセット識別機構と併せて使用され得る。
【0051】
ここで
図7A及び
図7Bをまとめて参照すると、カセット200の様々な実施形態は、カセット200に関する情報をオートインジェクタに伝達するように作製され得るカセット識別機構410を更に含んでもよい。カセット識別機構410は、カセット外部ハウジング210の底壁210bsの外面上又はオートインジェクタによって検知及び解釈され得るカセット200の任意の他の部分に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、カセット識別機構410によって伝達される情報はコードの形態であってもよい。具体的には、カセット識別機構410は、各コードが特定のカセット200の特定の特性に対応する複数の異なるコードのうちの1つを生成するように作製されてもよい。コードは、適切に適応したオートインジェクタがオートインジェクタに挿入されたカセット200の種類、即ち、カセットが訓練用カセット(即ち、薬物入れを含まない又は空の薬物入れを含む)であるか、又は薬物が予め充填された薬物容器を収容する薬物カセットであるかどうかを判断することを可能にする。更に、カセット識別機構410によって伝達されるコードは、薬物入れに収容されている薬物が何であるか、及び/又は他のカセット/薬物容器特性をオートインジェクタに伝えることができる。また更に、コードは、カセット200がオートインジェクタ内に適切な向きで挿入されたかどうかをオートインジェクタが判断することを可能にする情報を提供してもよい。オートインジェクタは、カセット識別機構410によって伝達された情報に基づいて、適切な動作プログラムを自動的に選択する及び/又はその様々な動作パラメータを調整する(例えば、前述のマイクロプロセッサによって)ように作製され得る。例えば、オートインジェクタが訓練用カセットの挿入を検知した場合、オートインジェクタはオートインジェクタの使用に関して使用者を訓練するための訓練プログラムを自動的に選択することができる。別の例では、オートインジェクタが特定の薬物が予め充填された薬物容器を収容した薬物カセットの挿入を検知した場合、オートインジェクタは、注入速度、針挿入速度、注入前及び注入後の待機時間、針挿入深さ、温度制限等などの、その薬物を注入するための適切な動作パラメータを自動的に選択することができる。利用可能な速度範囲は、薬物容器の充填容量、及び粘度などの薬物の特性に依存し得る。オートインジェクタによるその動作パラメータの自動選択は、使用者が所与の薬物に対する適切な動作パラメータを決定し、その後、それらをオートインジェクタに手で入力しなければならない必要性を排除する。
【0052】
図8Aに示すように、カセット識別機構410の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210b上に又は底壁210b内に設けられる1つ以上の突起又はタブ410tを含んでもよい。タブ410tの数及び位置は、カセット200に関する情報を示すコード又はコードの少なくとも一部分を定義してもよい。
図8Bに示すように、カセット識別機構410は検知部370を更に含んでもよく、検知部370は、オートインジェクタの扉308が閉じられた際にカセット200がカセット支持面301sに係合するとタブ410tの数及び位置を検知するために、オートインジェクタ300のカセット支持面301s上に又はカセット支持面301s内に設けられてもよい。検知部370は、オートインジェクタ300内に収容されたマイクロプロセッサ350に通信的に結合されてもよく、それにより、オートインジェクタ300がタブ410tを検知し、カセット200に関する情報を示すコードを取得することを可能にする。様々な実施形態では、検知部370は、複数の従来の平らに面一に取り付けられたモーメンタリ押しボタンスイッチ372を含んでもよい。スイッチ372は、タブ410tの対応する1つに係合するように配置されてもよい。カセット200がオートインジェクタ300のカセット支持面301s上に支持されると、タブ410tの配置及びタブ410tが示すコードに応じて、スイッチ372のうちのいずれもカセット200のタブ410tによって作動されなくてもよく、又はいくつか若しくは全てがカセット200のタブ410tによって作動されてもよい。したがって、タブ410tによって定義されるコード及びカセット200に関してコードが示す情報は、解読のためにオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350に伝達され得る。
【0053】
タブ410tは、カセットハウジング210上の又はカセットハウジング210内のそれらの個々の位置によって互いに区別することができる。タブ410tの存在又は欠如を利用することにより、各コードが特定のカセット200又はカセットの特性を識別するように、複数の組み合わせのコードを作成することができる。
図8Aの実施形態に示されるカセット識別機構410は3つのタブ410tを含むが、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、利用可能なプログラミングコードの数を増やす又は減らすために、3つよりも多い又は少ないタブを含んでもよい。
図8Aに示される実施形態では、3つのタブ410tのうちの1つ以上の存在及び/又は欠如により、オートインジェクタ300によって検知及び解読され得る最大8つの可能な異なるカセット識別コードを提供する。前述したように、各コードによって示される情報は、オートインジェクタ300に対する複数のプログラミング命令のうちの1つを定義するために、並びに/又はカセット200が許可されたOEMデバイスであることの確認及び/若しくはオートインジェクタ300へのカセット200の適切な挿入の確認などであるがこれらに限定されない二次情報をオートインジェクタ300に伝達するために使用され得る。
【0054】
カセット識別機構410のタブ410tの他の様々な実施形態は、異なる高さを有してもよい。そのような実施形態では、オートインジェクタの押しボタンスイッチ372及びマイクロプロセッサ350はそれらを、例えば、しかし限定はしないが、押しボタンスイッチ372のボタン(図示せず)がタブ410tによりスイッチ370内のどれほど奥まで押し込まれたかによって、異なる高さのタブ410t間で区別することを可能にするように作製され得る。低いタブ410t及び高いタブ410tの両方を含む実施形態は、例えば以下の3つの考えられる状態のうちの1つにおいて、カセット外部ハウジング210上のそれぞれ考えられるタブ位置を提供することができる。即ち、
状態1:タブが存在しない
状態2:低いタブが存在する
状態3:高いタブが存在する
【0055】
カセット識別機構410が、例えば、最大3つのタブ410tを含み、そのようなタブ410tがそれぞれ低い又は高い場合、オートインジェクタは、最大27個の異なるタブ状態を検知し、可能なコードの数を増やすことができる。
【0056】
図9Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、カセット200の外部ハウジング210の底壁210b内に設けられた1つ以上の凹み410iを含んでもよい。
図11Bに示すように、カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370は、凹み410iの存在又は欠如を検知するための複数の従来のポゴピンスイッチ374nを含んでもよい。コード化、検知、解読、及びパラメータ制御機能はタブ410tに関して上で述べたものとほぼ同じである。
【0057】
カセット識別機構410の凹み410iの他の様々な実施形態は、異なる深さを有することができる。そのような実施形態では、可能な異なるコードの数を増やすために、オートインジェクタのポゴピンスイッチ374及びマイクロプロセッサ350はそれらを、ポゴピンスイッチ374のピン374pが凹みによりスイッチ内のどれほど奥まで押し込まれたかによって、異なる深さの凹み間で区別することを可能にするように作製され得る。
【0058】
様々な更なる実施形態では、カセットのカセット識別機構410は、上記のタブ410tと凹み410iの組み合わせを含んでもよい。したがって、そのような実施形態のオートインジェクタは、対応する押しボタンスイッチ372及びポゴピンスイッチ374を含むように作製されてもよい。
【0059】
カセット識別機構410のタブ410t及び/又は凹み410tによって定義されるコードは、カセット200に関する情報をオートインジェクタ300に伝達し、オートインジェクタ300は、次いで、この情報を使用してそのプログラミング等を自動的に調整することができる。例えば、しかし限定はしないが、1つのタブ410t又は凹み410iは、1mLの薬物が充填された薬物容器をカセット200が収容していることを示すコードを定義してもよく、2つのタブ410t又は凹み410iは、0.5mLの薬物が充填された薬物容器をカセット200が収容していることを示すコードを定義してもよい。同一カセット識別機構内の追加的なタブ410t又は凹み410iは、薬物及び/又は薬物の特性を識別するコードを提供してもよい。別の例では、訓練用カセット用のコードは、可能な全てのタブ410t及び/又は凹み410iの存在を含んでもよい。更なる例では、タブ410t及び/又は凹み410iのうちの1つの欠如は、特定の薬物のコードを定義してもよい。オートインジェクタパラメータを制御する目的で、異なる薬物間を区別するために又は薬物容器の欠如を示すために、タブ410t及び/又は凹み410iの異なる組み合わせを使用することができる。
【0060】
図10Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、外部ハウジング210の底壁210bの外部表面上に提供された1つ以上の平らな導電性トレース又はストリップ410sを含んでもよい。
図10Bに示すようなカセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されると導電性ストリップ410sに接触するポゴピンコネクタ376を有して作製され得る。導電性ストリップ410sは、カセットの底壁210bの外面に成形され得る、その表面上にスクリーン印刷され得る、又はその表面に感圧接着剤若しくは任意の他の適切な手段で取り付けられたフレックスケーブル材料などの別個の構成要素を含む。
【0061】
様々な実施形態では、1つ以上の導電性ストリップ410sはカセット存在センサとして動作することができ、カセット200がオートインジェクタ300の支持面301s上に取り付けられると、各導電性ストリップ410sは、2つのポゴピンコネクタ376間における検知部370の電気回路を閉じるように動作し得る。いくつかの実施形態では、導電性ストリップ410sは、一列に並んで配置されたポゴピンコネクタを接続するために直線路(例えば、
図10Aに示すような)を形成するように作製され得る、又は接続のために鋸歯状路若しくは蛇行路を要するポゴピンコネクタを接続するために蛇行路を形成するように作製され得る。他の実施形態では、導電性ストリップ410sは、検知部370の電気回路を介して検知可能なコードを定義する特定の電気抵抗、静電容量、インダクタンス等を有するように作製することができ、検知部370は更に、コード、したがって、薬物、充填容量、注入速度等などの関連するカセット情報をオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350に伝達する。
【0062】
図10A及び
図10Bに更に示されるように、カセット識別機構410の様々な実施形態は、上記の1つ以上の導電性ストリップ410sを1つ以上のタブ410t(及び/又は凹み410i)と組み合わせてもよい。カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370及びマイクロプロセッサ350は、適切な押しボタンスイッチ372及びポゴピンスイッチ374(及び/又はポゴピンコネクタ376)を有するように作製され得る。しかしながら、カセット識別機構410は1つ以上の導電性ストリップ410sのみを含んでもよいことは理解されたい。
【0063】
図11Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210bに埋め込まれた又はカセット外部ハウジング210の底壁210bの外部若しくは内部表面上に提供された1つ以上の磁石410mを含んでもよい。カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図8B~
図10B)は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されると1つ以上の磁石によって作動される磁気共鳴(MR)センサ又は他の磁気検知センサとして作製され得る。1つ以上の磁石410mは、MRセンサを作動させるために十分な強度のものとすべきである。磁石及びMRセンサ構成は、単独で又は他の前述のカセット識別機構410のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0064】
図11Bに示すように、カセット識別機構410の更なる様々な実施形態は、RF識別(RFID)チップなどの高周波(RF)電磁界(EMF)発生デバイス410rfを含んでもよい。オートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図8B~
図10B)は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されるとRF EMFデバイス410rfによって作動されるRFIDチップリーダなどのEMF受信デバイスとして作製され得る。RF EMFデバイス410rfは、カセット外部ハウジング210の底壁210b又はRF EMFデバイス410rfがオートインジェクタ300の検知部370と通信することを可能にするカセット200の任意の他の適切な部分に成形され得る若しくは取り付けられ得る。
【0065】
図11Cに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、1つ以上の光学機械可読(OMR)識別子410oを含んでもよい。1つ以上のOMR識別子410oは、1つ以上のバーコードラベル、1つ以上のカラーコードラベル、1つ以上の他の適切なOMR識別子、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。バーコードラベルとして組み入れられたOMR識別子410oは、1次元及び2次元マトリックスコードを含んでもよいがこれらに限定されるものではない。そのような実施形態のオートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図8B~
図10B)は光学スキャナとして作製され得る。OMR識別子410oは、カセットの外部ハウジング210の底壁210bの外面上、又はオートインジェクタ300の検知部370と接続することができるカセット200の任意の他の適切な部分若しくは領域に設けられてもよい。
【0066】
RF EMFデバイス410rf及び1つ以上のOMR識別子ラベル410oは、カセットが予め充填された薬物容器と組み立てられる前又は組み立てられた後にカセットに適用され得る。これにより、RF EMFデバイス410rf及び/又は1つ以上のOMR識別子ラベル410oが、製造日、製造場所、薬物の使用期限、薬物を注入前に最適温度に到達させるための薬物温度安定化時間)、及びカセット200及び薬物がOEM部品であるというオートインジェクタの確認などの追加的な情報若しくはプログラミングを含むことを可能にする。
【0067】
図11Dに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、それぞれが構成410によって提供されるコードの一部分を定義する、上記の1つ以上の磁石410mと、RF EMFエミッタデバイス410rfと、1つ以上のOMR識別子410oと、タブ410t(及び/又は凹み410i)と、を含んでもよい。カセット識別機構のそのような実施形態では、オートインジェクタの検知部370は、カセット識別機構410の対応するカセット要素を検知するために、適切なスイッチ、センサ、受信器、及び/又はスキャナ(例えば、
図8B~
図10B)によって作製され得る。
【0068】
カセット識別機構410はまた、カセット製造及び包装プロセスの態様を制御するために使用されてもよい。
図12は、(異なる薬物及び/又は充填レベルの範囲を含む)予め充填された薬物容器の組み立てを制御し、その後、組み立て済みカセットを適切な包装ステーションに追い出す(rout)ためにカセット識別機構を使用し、異なる製品ラインを組み立てるために単一の生産又は製造ラインをいかにして使用できるかの一例を示すフローチャートを示す。ブロック500は、コンピュータ制御された製造システムを含み得る単一の製造ラインを示し、ブロック502、504、506、及び508は、それぞれタブ、凹み等の自身のカセット識別機構構成(1、2、3、又は4)を有する、ライン内の4つの組み立てられていないカセットを示し得る。各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508は、カセット識別機構構成(カセットID構成)に合致する4つの異なる薬物(A、B、C、又はD)のうちの1つを有する薬物容器と組み立てられる。
図12に示される実施形態では、製造システムは、カセットID構成1が薬物Cを識別し、カセットID構成2が薬物Bを識別し、カセットID構成3が薬物Dを識別し、カセットID構成が薬物Aを識別するようにプログラムされてもよい。
【0069】
ブロック510において、ラインの製造システムは、各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508のカセットID構成を識別する。各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508に関して、システムはブロック512において、識別されたカセットIDを使用し、それぞれ薬物A、B、C、及びDが予め充填された薬物容器514、516、518、及び518のうちの合致する1つを選択し、それを組み立てられていないカセット502、504、506、及び508と組み立てる。したがって、ブロック512において、カセットID構成1を有する組み立てられていないカセット502は薬物Cが予め充填された薬物容器518と組み立てられ、組み立て済みカセット522を生成してもよく、カセットID構成2を有する組み立てられていないカセット504は薬物Bが予め充填された薬物容器516と組み立てられ、組み立て済みカセット524を生成してもよく、カセットID構成3を有する組み立てられていないカセット506は薬物Dが予め充填された薬物容器520と組み立てられ、組み立て済みカセット526を生成してもよく、カセットID構成4を有する組み立てられていないカセット508は薬物Aが予め充填された薬物容器514と組み立てられ、組み立て済みカセット528を生成してもよい。
【0070】
ブロック530において、製造システムは、組み立て済みカセット522、524、526、及び528をそれぞれそれらのカセットID構成1、2、3、及び4を使用して分類し、それらをそれぞれ薬物C、B、D、及びAのパッケージ532、534、536、及び538内に入れる。
【0071】
ここで
図13を参照すると、オートインジェクタシステム100は、オートインジェクタシステム100の動作を簡略化する安全且つ信頼性の高い順序で注入プロセスの工程を使用者に強制的に実行させるように作製されてもよい。使用者によって実施される動作の順序を制御することにより、注入プロセスをより信頼性の高いものにすることができる。したがって、様々な実施形態では、オートインジェクタシステム100は、以下の工程、即ち、オートインジェクタ300にカセット200を挿入する;オートインジェクタシステム100を注入のために備える;オートインジェクタ300を皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する;及び使用済みカセット200を廃棄し、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管する、を順に、使用者に強制的に実施させる又は実施させるように作製される。これらの工程を順に実施することで、オートインジェクタシステムの信頼性及び使用者の安全性を確実とする。
【0072】
上記のように、オートインジェクタ300及びカセット200の様々な実施形態は、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ(図示せず)にフィードバック信号を提供する機械的構造、電気機械的構造、及び他の構造を含み得る。オートインジェクタ300が、オートインジェクタシステム100が既知の構成にあるディスクリート論理「状態」において移行することを可能にするために、マイクロプロセッサには、マイクロプロセッサにより実行されると、これらの信号がマイクロプロセッサにより評価されることを可能にする命令(例えば、アルゴリズム)がプログラムされてもよい。
【0073】
ここで
図14のフローチャートとともに
図13を参照すると、オートインジェクタシステム100の様々な機能を制御するための決定論理の一実施形態が記載されている。決定論理は、以下の工程、即ち、オートインジェクタ300にカセット200を挿入する;オートインジェクタシステム100を注入のために備える;オートインジェクタ300を皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する;及び使用済みカセット200を廃棄し、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管する、を順に、使用者に強制的に実施させる。
【0074】
オートインジェクタへのカセットの挿入
使用前、ブロック500(オフ、扉閉鎖、カセットなし)において、オートインジェクタシステム100は、有効な唯一のボタンがカセット扉の開放を開始するためのもの(取出ボタン)であり、他の全てのボタンは作動停止されている状態にあってもよい。これにより、オートインジェクタシステム100を矢印502の取出ボタンを押すという1つの使用者動作のみに応答させることができ、他の全ての動作を無視させることができる又は不可能とさせることができる。ブロック504においてオートインジェクタ300のカセット扉308が開くと、使用者はカセット200を扉内に挿入してもよい。様々な実施形態では、オートインジェクタ300及びカセット200は、オートインジェクタ300のカセット扉308内の対応するスロット又はピン216と相互作用し、
図14に示すように、正しい向きにのみ挿入を可能にし、挿入軸(z軸)の周りの向きの挿入は阻止する、カセット200上の1つ以上のピン215などの、カセット200の挿入を正しい向きにのみ可能にする特定の構造を含んでもよい。カセット200はまた、x軸の周りの回転を防止するために、オートインジェクタ300のカセット扉308と合致するテーパ形状又は他の構造を有してもよい。
【0075】
使用者がカセット200を挿入するのを待つ間、オートインジェクタ300は、開始ボタン及び取出ボタンを押す等などの、扉の閉鎖以外の使用者による他の全ての動作が無視され得るブロック506において、既知の状態(扉閉鎖待機A)に移行してもよい。
【0076】
これにより、矢印508においてカセット200のある状態でカセット扉308を閉じ、注入プロセスに進む、又はオートインジェクタシステム100がブロック500の前の既知の状態に移行する際、矢印510においてカセット200のない状態で扉を閉じる、のいずれかを使用者に強いることができる。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック512において同じ状態にとどまり続ける(扉開放)。
【0077】
矢印508において使用者が未知の構成のカセット200及び/又は使用済みのカセット200のいずれかをカセット扉308内に挿入し、閉じた場合、ブロック516においてオートインジェクタシステム100はこの状態を例えば上記のカセット識別機構を使用して検知し、プロセスが次の状態に進むことを許可しない。したがって、使用者は、進むために、有効なカセット200(既知の構成及び未使用)を正しい向きでオートインジェクタ300内に挿入することを強いられる。
【0078】
オートインジェクタシステムを注入のために備える
有効なカセット200を有する状態でオートインジェクタ300のカセット扉308が閉じられると、ブロック514においてオートインジェクタシステム100はアクティブ状態に移行してもよい(デバイス起動)。この構成における使用者による次の工程は、矢印518においてカセットキャップ240を取り外すことである。上記のように、様々な実施形態では、オートインジェクタシステム100は、カセットキャップ240の存在又は欠如を検知することが可能であってもよく、また、オートインジェクタ300内に設けられ得るカセットキャップ除去機スイッチの状態の、存在から欠如への移行を監視することが可能であってもよい。この移行は、使用者によるカセットキャップ240の取り外しを検知するためにオートインジェクタシステム100によって使用されてもよく、オートインジェクタシステム100をブロック520の状態に移行させる(キャップオフ)。これにより、矢印518においてカセットキャップ240を取り外し、注入プロセスを続ける、又は矢印522において取出ボタンを押すことによりプロセスを打ち切り、ブロック524において扉を開き(扉開放A)、カセット200を取り出すことを可能にし、ブロック506においてオートインジェクタシステム100を最後の既知の状態に戻す(扉閉鎖待機A)、のいずれかを使用者に強いてもよい。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック515において同じ状態にとどまり続ける(カセットスリープ状態)。
【0079】
これらの動作が使用者によって真に意図されたものであり、誤って開始されたものではないことを確実とするために、カセットキャップ取り外し及び打ち切りプロセスはコミット動作を必要としてもよい。カセットキャップの取り外しは、使用者又は患者が針シールドを取り外すためにカセットキャップを意図的に保持し、引き抜く必要があるように、最小限の引き抜き力及び引き抜き方向を有してもよい。換言すると、カセットキャップを通常の取り扱いにより誤って取り外すことができないように、取り外すための最小限の取り外し力及び方向がある(下に真っ直ぐ引く)。打ち切りプロセスについては、これは、取出プロセスが開始される前に、矢印522において使用者にある一定時間にわたり取出ボタンを押し続けることを要求することにより実施されてもよい。
【0080】
皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する
有効なカセット200がオートインジェクタ300内に挿入され、カセットキャップ240が取り外され、オートインジェクタシステム100がブロック520の状態(キャップオフ)で、矢印526において、使用者はオートインジェクタ300を注入部位(皮膚)上に配置してもよい。上記のように、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、オートインジェクタシステム100が注入部位に対する近接性を検出することを可能にするための皮膚センサを含んでもよい。したがって、オートインジェクタシステム100は、注入部位が検出されたときにのみ使用者が注入プロセスを進めることを可能にすることができる。上記のように、マイクロプロセッサには、マイクロプロセッサが皮膚センサからの連続的な肯定信号を検出したときにのみ注入部位の存在を示すことを可能にする命令がプログラムされてもよい。これにより、ブロック534の状態に移行するために、使用者がプロセスに関与し、注入部位との安定な接触を有することを確実にする(注入準備完了)。上記のように、カセットキャップ240の様々な実施形態は、カセットキャップ240が取り外されるとカセット200内に再挿入されることができない構造を有してもよく、それにより、使用者がカセットキャップ240を再挿入すること、及び前の状態のブロック514(デバイス起動)に戻ることを防止する。
【0081】
これにより、ブロック534において注入プロセスを進めるために、オートインジェクタ300を注入部位に安定に接触した状態に維持すること、又は矢印522において取出ボタンを押すことによりプロセスを打ち切り、ブロック524において扉を開き、カセットを取り出すことを可能にし、ブロック506において、扉の開放後、オートインジェクタシステム100を最後の既知の状態に戻す(扉閉鎖待機A)、のいずれかを使用者に強いる。矢印530において安定な信号が得られない場合、オートインジェクタシステム100はブロック520の状態(キャップオフ)にとどまり続けてもよい。注入部位の接触が任意の時点で失われた場合、オートインジェクタシステム100はブロック520の状態(キャップオフ)に戻ってもよい。
【0082】
上記条件が満たされ、オートインジェクタシステム100がブロック526の状態(注入準備完了)になると、矢印532において、使用者はこの構成において注入を作動させる。開始されると、オートインジェクタシステム100は、その予想される構成を確認するためにカセット識別機構、皮膚センサ等を再確認してもよく、確認されると、順に、ブロック536において針注入及び薬物排出(注入進行)、ブロック538において(針後退)、ブロック540において(注入完了)、ブロック542において(プランジャ後退)、及びブロック544において(自動的に扉開放)を自動的に実行し、ブロック548においてカセットの取り出し及び廃棄(扉閉鎖待機B)を可能にしてもよい。使用者による注入開始直後に、注入プロセス中の使用者によるボタンの不意の作動を防止するために、オートインジェクタ300上の他の全てのボタン及びスイッチが無効にされてもよい。
【0083】
注入プロセス中、オートインジェクタシステム100は、ブロック564において、注入部位の接触の状態を常時継続的に監視する。プロセスは、任意の時点で、所定時間にわたって注入部位の接触の喪失がある(例えば、使用者がオートインジェクタ300を注入部位から意図的に取り除く又は信頼性の高い送達プロセスが保証できないような状態でその位置を調整する)場合には終了させてもよい。加えて、オートインジェクタシステム100は、注入プロセス中、ブロック560(針詰まりエラー)、ブロック562(プランジャ詰まりエラー)、ブロック566(針後退エラー)、ブロック568(デバイス故障)、及びブロック570(カセットエラー)において、様々な機械的エラーを確認してもよい。
【0084】
所望であれば、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350には、マイクロプロセッサ350によって実行されると、挿入ドライブ330が針265を2つの順次的な速度で挿入するのをオートインジェクタが制御及び監視することを可能にする命令がプログラムされてもよい。より具体的には、マイクロプロセッサ350は針265を、挿入プロセスを開始するために第1の高い速度で、挿入プロセスを終了するために、針265及び針265を担持するその構成要素の運動量が最終的に停止する、第2の低い速度で挿入することができる。一例では、第1の速度は約0.4m/s、第2の速度は約0.2m/sである。
【0085】
注入プロセスの進行の監視
上で説明した薬物267の充填量、シリンジ又はバレル261、プランジャ264、及びオートインジェクタ300の他の構成要素のばらつきを許容する、失速及び終点検出アルゴリズムを有して構成されるオートインジェクタ薬物送達デバイス300が本明細書中に記載される。このアルゴリズムは、様々な状況、構成、及び条件において有効である。注入中にアルゴリズムにより検出される失速又は終点は、マイクロプロセッサ350が注入プロセスを停止すること、プランジャロッド342を後退させること、及び注入部位から針265を取り除くことにつながる。
【0086】
オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350は、ロータリエンコーダ342からの信号を光センサ352によってカウントすることなどによってプランジャロッド342の位置を追跡するソフトウェアを動作させる。カウントはゼロで開始し、予想エンドカウント、例えば2500カウントを有する。ソフトウェアはプランジャロッド342の絶対位置を設定された間隔、例えば5mSにて抽出する。カウント及びタイミングを利用し、アルゴリズムは、プランジャロッド342が単に減速している又は一時的に失速しているか、停止している又はバレル261の端部に到達しているかどうかを決定することができる。更に、マイクロプロセッサ350は読取り値を過去のサンプルと比較することができ、アルゴリズムは、過去のサンプルを利用するように構成することができ、これにより、注入をいつ停止するか、プランジャロッド342をいつ後退させるか、針265をいつ取り除くか、及び注入プロセスをいつ終了するかを決定するための、予想終点を提供することができる。
【0087】
そうしたアルゴリズムのフローチャートを
図15に示す。概して、マイクロプロセッサ350は、アルゴリズムの論理に従い、エンコーダ346から信号のカウントを抽出し、注入プロセス中にプランジャロッド342、したがって、プランジャ264の位置を決定する。サンプル間隔の値、移動を示すカウントの数、及びそれらの間の関連を設定することにより、アルゴリズムは、マイクロプロセッサ350がプランジャが失速したか予想終点に到達したかを決定することを可能にする。
【0088】
ブロック600において、薬物排出プロセスが開始し、アルゴリズムはカウント0で開始する。所定の間隔(例えば5mS)の経過後、ブロック602において、アルゴリズムは、光センサ352によるロータリエンコーダ346のカウントに基づいて注入位置のサンプルをとる。ブロック604において、アルゴリズムは、1つのサンプルがプランジャロッド342の移動を示すかどうかを決定する。移動があれば、アルゴリズムはブロック602に戻り、プランジャロッドの位置の別の1つのサンプルをとる。移動がなければ、次いで、ブロック606において、アルゴリズムは、エンコーダ346によって検出されたm信号のカウントよりも小さい移動が最後のn個のサンプル内に検出されたかどうかを決定する。いいえであれば、アルゴリズムはブロック602に戻り、プランジャ位置が再抽出される。或いは、最後のnサンプル内の移動の合計がm未満であれば、次いで、ブロック608において、アルゴリズムは総カウント数を予想エンドカウントxと比較する。総カウント数がエンドカウントxに近くない又はエンドカウントxよりも小さい場合、アルゴリズムは注入が不完全であると決定し、ブロック610に進む。ブロック610において、エンドカウントが近くなければ、異なる値m及びnを用いて「最後のnサンプル内の値<m」を再確認することができる。これは、上で説明したばらつき及び条件による排出中の失速を確認するためである。排出中に失速が検出されれば、ブロック612において、モータは停止され、アルゴリズムは終了する。そうでなければ、アルゴリズムはブロック602に引き続き戻り、プランジャ位置を再抽出する。ブロック608に戻り、総カウント数がエンドカウントxに近い又はエンドカウントxよりも大きい場合、アルゴリズムはブロック614に移動し、薬物267の全用量が投与されたと決定する。
【0089】
この構成では、nの値の選択が、失速が検出される速度の感度を決定する。例えば、移動が検出されない状態で[n及び(n+1)]サンプル間において失速が検出され得る場合、[(n*5mS)及び((n+1)*5mS)]間の継続時間を有する注入プロセスの失速が検出され得る。失速が検出されるときにプランジャが移動する速度の範囲(カウント/秒)は、[(1000*m)/((n+1)*5mS)及び(1000*m)/((n)*5mS)]によって得られ、式中、1000は、換算係数1000mS/Sであり、5mSはサンプリング速度である。
【0090】
【0091】
図16に示されるように、表1に示される検出範囲をオートインジェクタデバイス300の注入動作による実際のデータに適用すると、検出アルゴリズムがいかに有効なものであり得るかを明らかとすることができる。図示されるように、注入速度は、プランジャ264がシリンジバレル261の端部に到達するまで約8.1秒間、約225カウント/秒にて概ね一定である。その後、速度は、プランジャ264をそれ以上押すことができなくなる(これは8.8秒をわずかに過ぎたところで起こる)まで着実に低下する。9秒の少し前でプランジャ264内に入り込み始めたプランジャロッド342は9.2秒にて再び停止する。9.2秒を過ぎてプランジャロッド342を更に駆動すると、シリンジバレル261のガラスを破壊する可能性がある。理想的には、注入動作は、プランジャ264内にプランジャロッド342を入り込ませることなくプランジャ264を完全に押す。したがって、この例では、理想的動作は約8.8秒で停止する。グラフは、n=2及びm=1の場合の検出範囲を示す。
【0092】
所望であれば、マイクロプロセッサ350は更に、ある特定のインジェクタ300の条件又は構成を連続的に調整するために、概ね一定の排出速度を維持するように構成され得る。アルゴリズムはまず、特定の速度目標の現在の限界を薬物267、インジェクタ300、使用者の好み、及びこれらの組み合わせに基づいて設定する。上で説明したようにマイクロプロセッサ350はプランジャロッド342の位置を抽出する一方、マイクロプロセッサ350は現在のサンプルの移動を過去のサンプルと比較し、速度及び変化を決定する。速度が目標を上回る場合、現在の限界はより低く調整される。速度が目標を下回る場合、現在の限界はより高く調整される。
【0093】
使用済みのカセットを廃棄し、オートインジェクタを将来の使用のために保管する
注入プロセスが完了し、オートインジェクタシステム100がブロック548(扉閉鎖待機B)の状態になると、矢印550において、使用者は、使用済みのカセット200を取り外して廃棄し、オートインジェクタ300のカセット扉308を閉じると考えられる。使用者にこれを強制的に行わせるために、オートインジェクタシステム100論理は、ブロック548の状態において、使用者が、カセット200を有する状態でオートインジェクタ300のカセット扉308を閉じることができないように構成されてもよい。矢印552において扉の閉鎖が試みられた場合、オートインジェクタシステム100はカセット200を検知し、ブロック554において扉を即座に再開放してもよい。これにより、オートインジェクタシステム100がブロック550(オフ)の状態に進み、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管するために、使用者にカセット200のない状態でカセット扉308を強制的に閉じさせてもよい。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック556(扉開放スリープB)において同じ状態にとどまり続けてもよい。
【0094】
薬物情報
上記の記載では、薬物送達デバイスと共に使用するための様々なアセンブリ、デバイス、及び方法について説明している。アセンブリ、薬物送達デバイス、又は方法は、以下に記載される薬物又は薬剤の使用を更に含むことができることは明確とすべきであり、以下のリストは全て包含的又は限定的のいずれでもないと考えるべきであることに留意されたい。薬物又は薬剤はリザーバ内に入れられる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物製品又は薬剤が充填される若しくは予め充填される、のいずれかである一次容器である。一次容器は、カートリッジ又は予め充填済みのシリンジであり得る。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の種類の語句と区別なく使用することができ、任意の種類の薬剤、治療用又は非治療用注射剤、例えば、伝統的及び非伝統的医薬品、機能性食品、栄養補助食品、プロドラッグ(例えば、不活性又は活性の低い状態で投与されるが、レシピエント内で切断/処理されて活性薬物を形成する化合物又は分子)、生物学的製剤、生物活性化合物、生物活性分子、生物活性剤等を意味するために用いられ得る。
【0095】
カセットの薬物容器には、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)などの医薬品が治療のために充填されてもよい又は予め充填されていてもよく、これらは液体又は凍結乾燥形態であってもよい。ESAは、赤血球産生刺激タンパク質であり得る。本発明で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質は、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、又は誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドを含む。赤血球産生刺激タンパク質は、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/Hematideを含む)、及び模倣抗体を含むが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質は、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体を含む。
【0096】
赤血球産生刺激タンパク質という用語には、Epogen(登録商標)(エポエチンα)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコールエポエチンβ)、Hematide(商標)(ペギネサチド)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Silapo(商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンα)、エポエチンαHexal、Abseamed(商標)(エポエチンα)、Ratioepo(商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(商標)(エポエチンシータ)、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタを含むが、これらに限定されない。
【0097】
赤血球産生刺激タンパク質という用語には、それぞれ内容全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願に開示される分子又は変異体又は類似体を更に含む:米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2003/0215444号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0040858号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット、国際公開第2006/29094号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレット。
【0098】
或いは、カセットの薬物容器にはまた、他の製品が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。使用され得る他の医薬品の例としては、生物学的製剤(例えば、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF阻害薬)などの治療用物質、アダリムマブ、インフリキシマブ、セルトリズマブペゴル、及びゴリムマブなどの抗TNF抗体;ウステキヌマブ、アバセプト(abacept)としても知られるCTL4A:Fcなどの他のFc融合体などの抗IL-12抗体;Neulasta(登録商標)(ペグフィルガストリム(pegylated filgastrim)、ペグG-CSF、ペグhu-met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-met-G-CSF)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Sensipar(登録商標)(シナカルセト)、及びXgeva(登録商標)及びProlia(登録商標)(各デノサマブ、AMG162);並びに他の小分子薬物、治療抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は鉄(例えば、フェルモキシトール、デキストラン鉄、グリコン酸第二鉄(ferric glyconate)及び含糖酸化鉄)などの他の化学物質を含んでもよいが、これらに限定されない。治療用物質は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0099】
カセットの薬物容器内に用いられ得る特定の例示的なタンパク質の中には、抗体、ペプチボディ、ペグタンパク質、ポリペプチド、及び関連タンパク質(その融合体、フラグメント、類似体、変異体、又は誘導体を含む)、例えば、OPGL;IL-4受容体;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」);アンジオポエチン-2(Ang2);NGF;CD22;IGF-1;B-7関連タンパク質1(B7RP1);IL-15;IL-17受容体A:IFNガンマ;TALL-1;上皮小体ホルモン(「PTH」);トロンボポチエン受容体(「TPO-R」);肝細胞増殖因子(「HGF」);TRAIL-R2;アクチビンA;TGF-β;アミロイド-β;c-Kit;α4β7:及びIL-23、又はそのサブユニットのうちの1つ;及び他の治療タンパク質に特異的に結合するタンパク質がある。
【0100】
カセットの薬物容器にはまた、PCT国際公開第03/002713号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報の
図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は上記公報の
図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、上記公報中に記載される配列を有するもので、具体的に、上記公報中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれる上記公報に記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0101】
カセットの薬物容器にはまた、米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;上記公報の配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、上記公報の配列番号410~438のmL17ファミリー、上記公報の配列番号439~446のmL20ファミリー、上記公報の配列番号447~452のmL21ファミリー、上記公報の配列番号453~454のmL24ファミリー、及び上記公報の配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0102】
カセットの薬物容器にはまた、PCT出願公開番号国際公開第2005/047331号パンフレット又はPCT出願PCT/US2004/03742号及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に上記公報に記載されるような抗体等、特に、上記公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0103】
カセットの薬物容器にはまた、米国特許出願公開第2004/097712A1号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記米国公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0104】
カセットの薬物容器にはまた、以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0105】
カセットの薬物容器にはまた、米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、上記公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0106】
カセットの薬物容器にはまた、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むがそれに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、それに限定されず、具体的には、ヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0107】
カセットの薬物容器にはまた、PCT国際公開第06/069202号パンフレットに開示される各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されるIGF-1特異抗体であるL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むがそれに限定されず、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0108】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある。(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、米国特許出願公開第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、米国特許出願公開第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)に記載されている、例えば、抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18を含むがこれらに限定されない、(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及びPCT国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むがこれらに限定されない、(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、PCT国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、PCT国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、PCT国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及びPCT国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)、(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むがこれらに限定されない、(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むがこれらに限定されない、(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-73に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むがこれらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871、(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体と、を含むがこれらに限定されない、並びに(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むがこれらに限定されない、
【0109】
カセットの薬物容器にはまた、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、以下の米国公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているものが治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0110】
カセットの薬物容器にはまた、例えば、146B7などの、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0111】
カセットの薬物容器にはまた、ヒトIL-17受容体Aに対する拮抗ヒトモノクローナル抗体を含む医薬組成物が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。IL-17受容体Aの特性、クローニング、及び調製については、参照によりその全体が本明細書中に援用される2000年6月6日に発行された米国特許第6,072,033号明細書に記載されている。ヒトIL-17RAのアミノ酸配列は、米国特許第6,072,033号明細書の配列番号:10(GenBank受け入れ番号NM014339)に示されている。このような抗体は、参照によりその全体が援用される国際公開第2008/054603号パンフレットに開示されるもの、又は参照によりそれらの全体が援用される2010年8月3日に発行された米国特許第7,767,206号明細書及び米国特許出願第11/906,094号明細書において請求された抗体を含んでもよい。
【0112】
カセットの薬物容器にはまた、IFNγ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、例えば、IFNγ特異抗体、特に、例えば、次の特許公開において1118、1118*、1119、1121、及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列とは、それぞれ前述の米国公開及びThakur et al.,Mol.Immunol.36:1107-1115(1999)に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。それに加えて、上記の公開文献において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、その全体が参照によって本願に援用される。特異抗体には、前述の米国公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119、
【0113】
カセットの薬物容器にはまた、以下の米国公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に上記公報の表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0114】
カセットの薬物容器にはまた、PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、PTH特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0115】
カセットの薬物容器にはまた、TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、TPO-R特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0116】
カセットの薬物容器にはまた、HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5と、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0117】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0118】
カセットの薬物容器にはまた、アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0119】
カセットの薬物容器にはまた、TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0120】
カセットの薬物容器にはまた、アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。考えられる1つの抗体は、上記の公開文献において開示されている配列番号8を含む重鎖可変領域と配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である。
【0121】
カセットの薬物容器にはまた、c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0122】
カセットの薬物容器にはまた、OX40L及び/又はOX040受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第11/068,289号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。
【0123】
カセットの薬物容器にはまた、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Epogen(登録商標)(エポエチンα、又はエリスロポエチン)、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンα)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンAlfacon-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb)、Lymphostat B(登録商標)(ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、MEDI-524(Numax(登録商標))、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、17-1A(エドレコロマブ、Panorex(登録商標))、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルガストリム(pegylated filgastrim)、ペグG-CSF、ペグhu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンα)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンα-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 Trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF Trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、アタシセプト(TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(mAb)(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.クロストリジウム・ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番、ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体を含むが、これらに限定されない他の例示的なタンパク質が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、ロモソズマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、又はXGEVAなどの治療薬も含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をAIに含めることができ、例えば、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許出願第13/469,032号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、及び国際公開第2001/031007号パンフレットである。
【0124】
カセットの薬物容器にはまた、上述のタンパク質及び/又は以下の抗原を含むがそれらに限定されないタンパク質のうちのいずれか1つ又は組み合わせを認めるものが含まれるがそれらに限定されない抗体が治療のために充填されてもよい又は予め充填されてもよい:CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-3、IL-7、IL-4、IL-5、IL-8、IL-10、IL-2受容体、IL-4受容体、IL-6受容体、IL-13受容体、IL-18受容体サブユニット、FGL2、PDGF-β及びその類似体(米国特許第5,272,064号明細書及び米国特許第5,149,792号明細書を参照)、VEGF、TGF、TGF-β2、TGF-β1、EGF受容体(米国特許第6,235,883号明細書を参照)、VEGF受容体、肝細胞増殖因子、オステオプロテゲリンリガンド、IFNガンマ、Bリンパ球刺激因子(BlyS、BAFF、THANK、TALL-1、及びzTNF4としても知られる;Do and Chen-Kiang(2002),Cytokine Growth Factor Rev.13(1):19-25を参照)、C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUC1、PEM抗原、LCG(肺癌との関連で発現する遺伝子産物)、HER-2、腫瘍関連糖タンパク質TAG-72、SK-1抗原、結腸癌及び/又は膵臓癌の患者の血清中に高レベルに存在する腫瘍関連エピトープ、乳、結腸、扁平上皮細胞、前立腺、膵臓、肺及び/若しくは腎臓癌細胞、並びに/又は黒色腫、神経膠腫、若しくは神経芽細胞腫細胞で発現する癌関連エピトープ又はタンパク質、腫瘍の壊死性コア、インテグリンα4β7、インテグリンVLA-4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3、及び4、RANK、RANKリガンド、TNF-α、接着分子VAP-1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞間接着分子-3(ICAM-3)、ロイコインテグリンアドヘシン(leukointegrin adhesin)、血小板糖タンパク質gpIIb/IIIa、心筋ミオシン重鎖、上皮小体ホルモン、rNAPc2(第VIIa因子-組織因子の阻害剤)、MHCI、癌胎児性抗原(CEA)、α-フェトプロテイン(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原)、Fc-γ-1受容体、HLA-DR10ベータ、HLA-DR抗原、L-セレクチン、呼吸系シンシチアルウイルス(Respiratory Syncitial Virus)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ストレプトコッカスミュータンス(Streptococcus mutans)、及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0125】
カセットの薬物容器に収容されてもよい既知の抗体の追加的な例としては、アダリムマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、アレムツズマブ、バピヌズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ブリアキヌマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、ラベツズマブ、マパツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、ロベリズマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブを含み得るがこれらに限定されない。
【0126】
オートインジェクタシステム、カセット、及びオートインジェクタを例示的実施形態の観点から説明してきたが、例示的実施形態に限定されるものではない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、オートインジェクタシステム、カセット、及びオートインジェクタ、並びにそれらの要素の均等物の範囲を逸脱することなく当業者によって作製され得る他の変形形態及びその実施形態を含むように広く解釈されるべきである。